JP2023148090A - トリポード型等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トリポード部材の疲労強度を高める。【解決手段】 トリポード部材3の軸方向一方側の端部の内周に、雌スプライン34の歯高さを減じたヌスミ部36を設ける。トリポード部材3の軸方向一方側の端面から各脚軸32の軸心を含む平面Rまでの軸方向距離をAとし、トリポード部材3の軸方向一方側の端面からヌスミ部36の奥側端Pまでの軸方向距離をBとし、脚軸32の軸線を中心とする円の接線方向に延び、継手軸心Oと中間部33とを含む軸方向断面上で、ヌスミ部36の奥側端Pにおけるトリポード部材3の半径方向の肉厚をCとし、雌スプライン34の歯底34aの直径寸法をDとして、B/A>0.28、かつC/D>0.23に設定する。【選択図】図10

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達用に用いられるトリポード型等速自在継手に関する。
自動車の動力伝達系で使用されるドライブシャフトにおいては、中間軸のインボード側(車幅方向の中央側)に摺動式等速自在継手を結合し、アウトボード側(車幅方向の端部側)に固定式等速自在継手を結合する場合が多い。ここでいう摺動式等速自在継手は、二軸間の角度変位および軸方向相対移動の双方を許容するものであり、固定式等速自在継手は、二軸間での角度変位を許容するが、二軸間の軸方向相対移動は許容しないものである。
摺動式等速自在継手としてトリポード型等速自在継手が公知である。このトリポード型等速自在継手としては、シングルローラタイプとダブルローラタイプとが存在する。シングルローラタイプは、外側継手部材のトラック溝に挿入されるローラを、トリポード部材の脚軸に複数の針状ころを介して回転可能に取り付けたものである。ダブルローラタイプは、外側継手部材のトラック溝に挿入されるローラと、トリポード部材の脚軸に外嵌して前記ローラを回転自在に支持するインナリングとを備えるものである。ダブルローラタイプは、ローラを脚軸に対して揺動させることが可能となるため、シングルローラタイプに比べ、誘起スラスト(継手内部での部品間の摩擦により誘起される軸力)とスライド抵抗をそれぞれ低減できるという利点を有する。
下記の特許文献1にダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手の一例が開示されている。
特開2020-106087号公報
特許文献1に記載されたトリポード型等速自在継手では、トリポード部材の中心孔にはシャフトが挿入される。トリポード部材は、シャフトとスプライン嵌合によりトルク伝達可能に結合されるため、トリポード部材のスプライン嵌合部には、自動車等の車両状況に応じて繰り返し荷重が負荷される。
トリポード部材の内周面のうち、シャフトを挿入する際の入口側となる端部には、トリポード部材の内周面の雌スプラインの歯高さを減じる形でヌスミ部が形成されている。雌スプラインのうち、ヌスミ部との境界部では、雌スプラインの歯面の内径端が雄スプラインの歯面とエッジ当たりするため、このエッジ当たり部分での接触面圧が大きくなる。その一方で、トリポード部材の脚軸の根元部では、トリポード部材の半径方向の肉厚が最も薄くなる。そのため、トリポード部材においては、繰り返し荷重に対し、エッジ当たり部分と同じ軸方向位置の雌スプラインの歯底部から脚軸の根元部にかけての疲労強度を高める必要がある。
そこで、本発明は、トリポード部材の疲労強度を高めることを目的とする。
以上の知見に基づいてなされた本発明に係るトリポード型等速自在継手は、円周方向の三カ所に軸方向に延びるトラック溝を備え、各トラック溝が円周方向に対向して配置された一対のローラ案内面を有する外側継手部材を有する。また、トリポード型等速自在継手は、内周に雌スプラインを有する胴部と、当該胴部の半径方向に突出した三つの脚軸と、前記胴部と脚軸の間に位置し、前記脚軸の軸線を含む断面が凹曲線状をなす中間部とを備えるトリポード部材を有する。さらに、前記各脚軸に装着されるローラと、前記脚軸に外嵌され、前記ローラを回転自在に支持するインナリングとを有する。このトリポード型等速自在継手では、前記ローラが前記ローラ案内面に沿って軸方向に移動可能であり、前記ローラと前記インナリングとを含むローラユニットが、前記脚軸に対して揺動可能である。
本発明は、このトリポード型等速自在継手において、前記トリポード部材の軸方向一方側の端部の内周に、前記雌スプラインの歯高さを減じたヌスミ部を設け、前記トリポード部材の軸方向一方側の端面から各脚軸の軸心を含む平面までの軸方向距離をAとし、前記トリポード部材の前記端面から前記ヌスミ部の奥側端までの軸方向距離をBとし、前記脚軸の軸線を中心とする円の接線方向に延び、継手軸心と前記中間部とを含む軸方向断面上で、前記ヌスミ部の前記奥側端における前記トリポード部材の半径方向の肉厚をCとし、前記雌スプラインの歯底の直径寸法をDとして、B/A>0.28、かつC/D>0.23に設定したことによって特徴付けられる。
B/A<0.28では、ヌスミ部の軸方向長さが相対的に短くなる。この場合、ヌスミ部の奥側端がトリポード部材の軸方向一方側にずれるため、当該奥側端におけるトリポード部材の半径方向の肉厚が薄くなる。B/A>0.28であれば、当該奥側端におけるトリポード部材3の半径方向の肉厚が十分に厚くなり、C/D>0.23を実現することが可能となる。従って、トリポード部材の疲労強度を高めることができる。
このトリポード型等速自在継手は、前記トリポード部材の前記軸方向断面上で、前記トリポード部材の外周面が、前記トリポード部材の前記端面から各脚軸の軸線を含む平面に向けて、徐々に拡径した輪郭を備えることができる。
この場合、前記輪郭は、前記ヌスミ部の前記奥側端の外径側を含む領域で直線状に形成することができる。
以上に述べたトリポード型等速自在継手においては、前記インナリングの内周面が、前記インナリングの縦断面において凸円弧状をなし、前記脚軸の外周面が、脚軸の軸線を含む縦断面においてはストレート形状で、かつ前記脚軸の軸線と直交する横断面においては略楕円形状であり、前記脚軸の外周面が、軸方向と直交する方向で前記インナリングの内周面と接触すると共に、軸方向で前記インナリングの内周面との間にすきまを備えたものとすることができる。
本発明によれば、トリポード部材の疲労強度を高めることができる。
ダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手を示す軸方向断面図である。 図1のK-K線で矢視した断面図である。 図1のL-L線における断面図である。 図1のトリポード型等速自在継手が作動角をとった状態を表す軸方向断面図である。 トリポード部材に形成した硬化層を示す断面図である。 トリポード部材を外側継手部材の開口側から軸方向に見た正面図である。 図6中のM-M線で矢視した断面図である。 内周にシャフトを挿入したトリポード部材を図6のX-X線で矢視した断面図である。 半径方向から見たスプライン嵌合部を平面的に展開した図である。 図6中のX-X線で矢視した断面図である。 図6中のY-Y線で矢視した断面図である。 他の実施形態を示す、図2に相当する断面図である。
本発明に係るトリポード型等速自在継手の実施形態を図1~図12に基づいて説明する。
図1~図4に示す本実施形態のトリポード型等速自在継手1はダブルローラタイプである。なお、図1は、ダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手の軸方向の断面図であり、図2は図1のK-K線で矢視した断面図である。図3は、図1のL-L線における断面図であり、図4は、作動角をとった時のトリポード型等速自在継手を示す軸方向の断面図である。なお、以下の説明において、「軸方向」、「半径方向」、および「周方向」は、特に言及していない限り作動角を0°としたトリポード型等速自在継手の軸方向、半径方向、および円周方向をそれぞれ意味する。
図1および図2に示すように、このトリポード型等速自在継手1は、外側継手部材2と、内側継手部材としてのトリポード部材3と、トルク伝達部材としてのローラユニット4とで主要部が構成されている。外側継手部材2は、一端が開口したカップ状をなし、内周面に軸方向に延びる3本の直線状トラック溝5が円周方向で等間隔に形成される。各トラック溝5には、外側継手部材2の円周方向に対向して配置され、それぞれ軸方向に延びるローラ案内面6が形成されている。外側継手部材2の内部には、トリポード部材3とローラユニット4が収容されている。
トリポード部材3は、中心孔30を有する胴部31(トラニオン胴部)と、胴部31の外周面の円周方向の三等分位置から半径方向に突出する3本の脚軸32(トラニオンジャーナル)と、胴部31の外周面と脚軸32の外周面とを接続する中間部33とを一体に有する。トリポード部材3は、トラニオン胴部31の中心孔30に形成された雌スプライン34に、軸としてのシャフト8に形成された雄スプライン81を嵌合させることで、シャフト8とトルク伝達可能に結合される。シャフト8に設けた肩部82にトリポード部材3の軸方向一方側の端面を係合させ、シャフト8の先端に装着した止め輪10をトリポード部材3の軸方向他方側の端面と係合させることで、トリポード部材3がシャフト8に対して軸方向に固定される。
ローラユニット4は、脚軸32の軸線を中心とした円環状のローラであるアウタリング11と、このアウタリング11の内径側に配置されて脚軸32に外嵌された円環状のインナリング12と、アウタリング11とインナリング12との間に介在された多数の針状ころ13とで主要部が構成されている。ローラユニット4は、外側継手部材2のトラック溝5に収容されている。アウタリング11、インナリング12、および針状ころ13からなるローラユニット4は、ワッシャ14、15により分離しない構造となっている。
この実施形態において、アウタリング11の外周面11a(図2参照)は、脚軸32の軸線上に曲率中心を有する円弧を母線とする凸曲面である。アウタリング11の外周面11aは、ローラ案内面6とアンギュラコンタクトしている。
針状ころ13は、アウタリング11の円筒状内周面を外側軌道面とし、インナリング12の円筒状外周面を内側軌道面として、これらの外側軌道面と内側軌道面の間に転動自在に配置される。針状ころ13は、保持器のない総ころ状態で配置されている。
トリポード部材3の各脚軸32の外周面は、脚軸32の軸線を含む任意の方向の断面(縦断面)において脚軸32の軸方向でストレート形状をなす。また、図3に示すように、脚軸32の外周面は、脚軸32の軸線に直交する断面(横断面)において略楕円形状をなす。脚軸32の外周面は、軸方向と直交する方向、すなわち長軸aの方向でインナリング12の内周面12aと接触する。軸方向、すなわち短軸bの方向では、脚軸32の外周面とインナリング12の内周面12aとの間に隙間mが形成されている。
図1及び2に示すように、トリポード部材3の胴部31と脚軸32の間の中間部33は、脚軸32の軸線を含む任意の断面において、円弧等の凹状曲線を描くように形成される。凹状曲線の両端は、胴部31の外周面および脚軸32の外周面に対し、共通接線を有するように滑らかにつながっている。
インナリング12の内周面12aは、インナリング12の軸線を含む任意の断面において凸円弧状をなす。このことと、脚軸32の横断面形状が上述のように略楕円形状であり、脚軸32とインナリング12の間に所定の隙間mを設けてあることから、インナリング12は、脚軸32に対して揺動可能となる。上述のとおりインナリング12とアウタリング11が針状ころ13を介して相対回転自在にアセンブリとされているため、アウタリング11はインナリング12と一体となって脚軸32に対して揺動可能である。つまり、脚軸32の軸線を含む平面内で、脚軸32の軸線に対してアウタリング11およびインナリング12の軸線は傾くことができる(図4参照)。
図4に示すように、トリポード型等速自在継手1が作動角をとって回転すると、外側継手部材2の軸線に対してトリポード部材3の軸線は傾斜するが、ローラユニット4が揺動可能であるため、アウタリング11とローラ案内面6とが斜交した状態になることを回避することができる。これにより、アウタリング11がローラ案内面6に対して水平に転動するので、誘起スラストやスライド抵抗の低減を図ることができ、トリポード型等速自在継手1の低振動化を実現することができる。
また、既に述べたように、脚軸32の断面(横断面)が略楕円状で、インナリング12の内周面12aの断面(縦断面)が円弧状凸断面であることから、トルク負荷側での脚軸32の外周面とインナリング12の内周面12aとは点接触もしくは点接触に近い狭い面積で接触する。よって、ローラユニット4を傾かせようとする力が小さくなり、アウタリング11の姿勢の安定性が向上する。
以上に述べたトリポード部材3は、鋼材料から、鍛造加工(冷間鍛造加工)→機械加工(旋削)⇒スプライン34のブローチ加工→熱処理→脚軸32の外周面の研削加工、という主要工程を経て製作される。脚軸32の外周面は、研削工程に代えて焼入れ鋼切削で仕上げることもできる。また、冷間鍛造前には、球状化焼き鈍し工程およびボンデ処理工程を追加することができる。炭素量の低い材料を使用する等の事情により、冷間鍛造時の打鍛性に問題がなければ、球状化焼き鈍し工程を省略することができる。熱処理としては、浸炭焼入れ焼戻しが行われる。
図5は、トリポード部材3に対する熱処理によって形成された硬化層16を示す断面図である。硬化層16は浸炭層を焼入れにより硬化させることで形成される。脚軸32の外周面、胴部31の外周面、中間部33の表面、および雌スプライン34の表面を含むトリポード部材3の全表面に硬化層16が形成される。完成品としてのトリポード部材3は、脚軸32の外周面が研削(もしくは焼入れ鋼切削)で仕上げられるため、脚軸32の外周面の硬化層16の深さHは、他の領域に比べて研削等による取り代分だけ浅い。なお、この取り代は、通常、0.1mm程度で小さいため、図5では硬化層16の厚さを全表面で均一に描いている。
以下、本発明の特徴的部分を説明する上で、必要となるトリポード部材3の各部の前提構成を図6~図11に基づいて説明する。図6はトリポード部材3を外側継手部材2の開口側から軸方向に見た正面図であり、図7は図6中のM-M線で矢視した断面図である。図8は、内周にシャフトを挿入したトリポード部材を図6のX-X線で矢視した断面図である。また、図9は半径方向から見たスプライン嵌合部を平面的に展開した図である。図10は図6中のX-X線で矢視した断面図であり、図11は図6中のY-Y線で矢視した断面図である。なお、図8では、シャフト8の雄スプライン81が破線で表されている。また、図8中の符号81aは雄スプライン81の歯底を示す。
図7に示すように、トリポード部材3の軸方向一方側の端部、具体的にはトリポード部材3の内周にシャフト8を挿入する際の入口側となる端部(本実施形態では外側継手部材2の開口側の端部(図1参照))の内周面には、円周方向交互に山部と谷部を配置したヌスミ部36が形成される。ヌスミ部36は雌スプライン34の各小径部の内径側領域を除去することで、各小径部の歯高さを減じた形で形成される。ヌスミ部36の山部と雌スプライン34の小径部との円周方向の位相は等しく、ヌスミ部36の谷部と雌スプライン34の大径部との円周方向の位相も等しい。ヌスミ部36の谷部は雌スプライン34の歯底34aと同じ半径方向寸法を有する。
ヌスミ部36は、山部の歯先を継手軸方向と平行にした平行部36aと、平行部36aの奥側に形成され、奥側ほど徐々に山部の内径寸法を小さくしたテーパ部36bとを備える。テーパ部36bの山部の歯先は、雌スプライン34の小径部の歯先とエッジ状の角部Pを介してつながっている。ヌスミ部36の谷部は、トリポード部材3の軸方向一端部の内周面に形成された面取り37に開口している。
図8は、トリポード部材3の内周に設けた雌スプライン34に、シャフト8の外周に設けた雄スプライン81(破線で示す)を嵌合した状態を示す断面図である。図8に示すように、雌スプライン34と雄スプライン81の嵌合状態では、ヌスミ部36の平行部36aは雄スプライン81と嵌合しない領域となる。一方、テーパ部36bでは、軸方向の一部領域が雄スプライン81と嵌合する。
図8に示すように、ヌスミ部36の奥側端部、すなわちテーパ部36bの奥側端部と、雌スプライン34の小径部との間には、円周方向から見てエッジ状をなす角部Pが形成される。この角部Pの存在により、トルク伝達中は、嵌合相手側の歯面との間にエッジロードが生じる。
スプライン嵌合部での円周方向のガタを抑制するため、雌スプライン34と雄スプライン81のうち、何れか一方のスプラインは、図9に示すように、スプライン歯を軸方向に対して傾斜させたいわゆる捩れスプラインで形成される(図9では雄スプライン81を捩れスプラインとした場合を例示している)。捩れスプラインからなる一方のスプラインを、軸方向にストレートなスプライン歯を有する他方のスプラインに圧入することで、トリポード部材3とシャフト8は、両者間のすきま(バックラッシュ)が抑制された状態でトルク伝達可能に結合される。その際、角部Pは、圧入締め代に応じて雄スプライン81の歯面に強く圧接するため、トルク伝達中のエッジロードがさらに大きくなる。
図10および図11に示すように、トリポード部材3の外周面、具体的には胴部31(中間部33も含む。以下、同じ)の外周面は、脚軸32の軸線を中心とする円の接線方向に延び、かつ中間部33と継手中心Oとを含む軸方向断面(図6のX-X断面)と、隣接する脚軸32の軸線間の円周方向領域を二等分する軸方向断面(図6のY-Y断面)の何れでも、トリポード部材3の軸方向の両端部から、各脚軸32の軸線を含む平面R(以下、「脚軸中心面R」と呼ぶ)に向けて、徐々に拡径した輪郭を備えている。X-X断面とY-Y断面を同じ軸方向位置で対比すると、X-X断面の方がY-Y断面よりもトリポード部材3の半径方向の肉厚が薄くなっている。なお、トリポード部材3の同じ軸方向位置では、トリポード部材3の円周方向のうちX-X断面上で、トリポード部材3の半径方向の肉厚t(雌スプライン34の歯底34aを起点とした肉厚。図5参照。)が最も薄くなる。この関係はトリポード部材3の軸方向全体で成り立つ。
また、図10に示すX-X断面においては、トリポード部材3の外周面の輪郭は、少なくともヌスミ部36の奥側端(角部P)の外径側を含む領域で直線状となっている。これは、脚軸32に対して軸方向に傾いたローラユニット4が、胴部31の外周面と干渉することを避けるためである。一方、図11に示すY-Y断面においては、ローラユニット4が胴部31の外周面と接触しないため、胴部31の外周面の輪郭は凸円弧状もしくは曲率半径の異なる複数の円弧を組み合わせた凸曲線状に形成されている。
このようにダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手では、トリポード部材3に設けた雌スプライン34とヌスミ部36の境界(角部P)でエッジロードが発生すること、捩れスプラインを使用することで角部Pでのエッジローラがさらに増大すること、さらにはX-X断面上にトリポード部材3の最肉薄部が存在すること、からトリポード型等速自在継手1の長期使用時には、金属疲労により、X-X断面上で、角部Pと軸方向位置を同じくする雌スプラインの歯底(Q点)を起点とした疲労強度を確保する必要があった。概ねX-X断面が最弱面となるため、トリポード部材3の疲労強度には改善の余地があった。
これに対し、本実施形態では、図10に示すように、トリポード部材3の軸方向一方側の端面から脚軸中心面Rまでの軸方向距離をAとし、トリポード部材3の軸方向一方側の端面からヌスミ部36の奥側端(角部P)までの軸方向距離をBとし、X-X断面上で、ヌスミ部36の奥側端(角部P)におけるトリポード部材3の半径方向の肉厚(雌スプライン34の歯底34aからの肉厚)をCとし、雌スプライン34の歯底34aの直径寸法をDとして、B/A>0.28、かつC/D>0.23に設定している。
B/A<0.28では、ヌスミ部36の軸方向長さが相対的に短くなる。この場合、P点、さらにはQ点がトリポード部材3の軸方向一方側にずれるため、Q点におけるトリポード部材3の半径方向の肉厚が薄くなる。B/A>0.28であれば、Q点におけるトリポード部材3の半径方向の肉厚が十分に厚くなるので、Q点を起点とした疲労強度の不足を抑制し、トリポード部材3の繰り返し疲労強度を高めることができる。なお、B/Aの値が大きすぎると、雌スプライン34と雄スプライン81の嵌合長が短くなって歯面間の接触面圧が増大するため、歯面の摩耗が促進されるおそれがある。従って、この問題を避けるため、B/A<0.50に設定するのが好ましい。
トリポード部材3の半径方向の肉厚がC/D>0.23を満たすものであれば、トリポード部材3の繰り返し疲労強度を高めることができる。すなわち、B/A>0.28に設定することで、C/D>0.23を実現することが可能となり、トリポード部材3の繰り返し疲労強度を高めることができる。
以上に述べた本発明の実施形態は、他の構成を有するダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手にも適用することができる。
例えば、図12に示すように、脚軸32の外周面を凸曲面(例えば縦断面で凸円弧状)に形成し、インナリング12の内周面12aを円筒面状に形成することもできる。この場合も、トリポード部材3の軸方向一方側の端面から脚軸中心面Rまでの軸方向距離をAとし、トリポード部材3の軸方向一方側の端面からヌスミ部36の奥側端(角部P)までの軸方向距離をBとし、X-X断面上で、ヌスミ部36の奥側端(角部P)におけるトリポード部材3の半径方向の肉厚(雌スプライン34の歯底34aからの肉厚)をCとし、雌スプライン34の歯底34aの直径寸法をDとして、B/A>0.28、かつC/D>0.23に設定することにより、トリポード部材3の疲労強度を高めることができる。
また、脚軸32の外周面を凸曲面(例えば断面凸円弧状)に形成し、インナリング12の内周面12aを脚軸外周面と嵌合する凹球面に形成することもできる。この際、アウタリングの内径両端部に鍔を設けることにより、ワッシャ14,15を不要とすることもできる。
以上に述べたトリポード型等速自在継手1は、自動車のドライブシャフトに限って適用されるものではなく、自動車や産業機器等の動力伝達経路に広く用いることができる。
1 トリポード型等速自在継手
2 外側継手部材
3 トリポード部材
4 ローラユニット
5 トラック溝
6 ローラ案内面
8 軸(シャフト)
11 ローラ(アウタリング)
12 インナリング
13 針状ころ
16 硬化層
30 中心孔
31 胴部
32 脚軸
33 中間部
34 雌スプライン
34a 歯底
P 奥側端(角部)

Claims (4)

  1. 円周方向の三カ所に軸方向に延びるトラック溝を備え、各トラック溝が円周方向に対向して配置された一対のローラ案内面を有する外側継手部材と、
    内周に雌スプラインを有する胴部と、当該胴部の半径方向に突出した三つの脚軸と、前記胴部と脚軸の間に位置し、前記脚軸の軸線を含む断面が凹曲線状をなす中間部とを備えるトリポード部材と、
    前記各脚軸に装着されるローラと、
    前記脚軸に外嵌され、前記ローラを回転自在に支持するインナリングとを有し、
    前記ローラが前記ローラ案内面に沿って軸方向に移動可能であり、前記ローラと前記インナリングとを含むローラユニットを、前記脚軸に対して揺動可能としたトリポード型等速自在継手において、
    前記トリポード部材の軸方向一方側の端部の内周に、前記雌スプラインの歯高さを減じたヌスミ部を設け、
    前記トリポード部材の軸方向一方側の端面から各脚軸の軸心を含む平面までの軸方向距離をAとし、前記トリポード部材の前記端面から前記ヌスミ部の奥側端までの軸方向距離をBとし、前記脚軸の軸線を中心とする円の接線方向に延び、継手軸心と前記中間部とを含む軸方向断面上で、前記ヌスミ部の前記奥側端における前記トリポード部材の半径方向の肉厚をCとし、前記雌スプラインの歯底の直径寸法をDとして、
    B/A>0.28、かつC/D>0.23に設定したことを特徴とするトリポード型等速自在継手。
  2. 前記トリポード部材の前記軸方向断面上で、前記トリポード部材の外周面が、前記トリポード部材の前記端面から各脚軸の軸線を含む平面に向けて、徐々に拡径した輪郭を備える請求項1に記載のトリポード型等速自在継手。
  3. 前記輪郭が、前記ヌスミ部の前記奥側端の外径側を含む領域で直線状に形成されている請求項2に記載のトリポード型等速自在継手。
  4. 前記インナリングの内周面が、前記インナリングの縦断面において凸円弧状をなし、前記脚軸の外周面が、脚軸の軸線を含む縦断面においてはストレート形状で、かつ前記脚軸の軸線と直交する横断面においては略楕円形状であり、前記脚軸の外周面が、軸方向と直交する方向で前記インナリングの内周面と接触すると共に、軸方向で前記インナリングの内周面との間にすきまを備えている請求項1~3何れか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
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