JP2022148776A - トリポード型等速自在継手 - Google Patents

トリポード型等速自在継手 Download PDF

Info

Publication number
JP2022148776A
JP2022148776A JP2021050589A JP2021050589A JP2022148776A JP 2022148776 A JP2022148776 A JP 2022148776A JP 2021050589 A JP2021050589 A JP 2021050589A JP 2021050589 A JP2021050589 A JP 2021050589A JP 2022148776 A JP2022148776 A JP 2022148776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peripheral surface
leg shaft
outer peripheral
leg
constant velocity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021050589A
Other languages
English (en)
Inventor
卓 板垣
Taku Itagaki
将太 河田
Shota Kawata
達朗 杉山
Tatsuro Sugiyama
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2021050589A priority Critical patent/JP2022148776A/ja
Publication of JP2022148776A publication Critical patent/JP2022148776A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Abstract

【課題】 製造コストの増大を抑えつつトリポード部材の強度(例えば疲労強度)を高めることを目的とする。【解決手段】 ダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手1において、トリポード部材3に、中心孔30を有する胴部31と、胴部の半径方向に突出した三つの脚軸32と、胴部31と脚軸32の間に介在し、脚軸32の軸線P方向に沿う縦断面が曲線状をなす中間部33とを設ける。脚軸32の外周面および中間部33の表面に硬化層16を形成する。脚軸32の外周面および中間部33の表面と、各脚軸32の軸線Pを含む平面との交線を含む領域で、硬化層16の表面を除去することで形成された研削面40を有する。【選択図】図10

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達用に用いられるトリポード型等速自在継手に関する。
自動車の動力伝達系で使用されるドライブシャフトにおいては、中間軸のインボード側(車幅方向の中央側)に摺動式等速自在継手を結合し、アウトボード側(車幅方向の端部側)に固定式等速自在継手を結合する場合が多い。ここでいう摺動式等速自在継手は、二軸間の角度変位および軸方向相対移動の双方を許容するものであり、固定式等速自在継手は、二軸間での角度変位を許容するが、二軸間の軸方向相対移動は許容しないものである。
摺動式等速自在継手としてトリポード型等速自在継手が公知である。このトリポード型等速自在継手としては、シングルローラタイプとダブルローラタイプとが存在する。シングルローラタイプは、外側継手部材のトラック溝に挿入されるローラを、トリポード部材の脚軸に複数の針状ころを介して回転可能に取り付けたものである。ダブルローラタイプは、外側継手部材のトラック溝に挿入されるローラと、トリポード部材の脚軸に外嵌して前記ローラを回転自在に支持するインナリングとを備えるものである。ダブルローラタイプは、ローラを脚軸に対して首振り揺動させることが可能となるため、シングルローラタイプに比べ、誘起スラスト(継手内部での部品間の摩擦により誘起される軸力)とスライド抵抗の低減を達成できるという利点を有する。
ダブルローラタイプのトリポード部材103を図11~図13に示す。このトリポード部材103は、胴部131と、胴部131の円周方向の三等分位置から半径方向に突出する3本の脚軸132と、胴部131と脚軸132の間に介在する中間部133とを一体に有する。中間部133は、脚軸132の軸線P方向に沿う縦断面において単一の曲率半径を有する断面円弧状に形成されている。
このトリポード部材103は、鋼材料から、鍛造加工(冷間鍛造加工)→機械加工(旋削)→ブローチ加工→熱処理→研削加工、という主要工程を経て製作される。鍛造加工に使用する金型としては、トリポード部材103の三つの脚軸132の各軸線Pを含む平面(以下、「中央平面」と呼ぶ)を境として分割可能な一対の金型が使用される。このような金型は、対をなす分割面間で不連続となるため、鍛造後のトリポード部材の表面には、図11および図14に示すように、金型の不連続部分に入り込んだ素材でパーティングライン141が形成される。このパーティングライン141の位置は、トリポード部材103の表面と中央平面とが交わる位置である。
研削加工工程では、脚軸132の外周面のうち、インナリングとの接触領域(継手軸線Oを中心とした円周方向の両側領域)が研削される。図13に示すように、研削加工により形成された研削面140の内径端は脚軸132と中間部133との間の境界部T1’を形成しており、中間部133は研削面140よりも内径側の領域(Rの範囲)に形成される。従来では、この境界部T1’がエッジとなっている。
ところで、トリポード型等速自在継手のトルク伝達時には、脚軸132の付け根部となる中間部133に引張応力が集中して作用する。また、パーティングライン141は、中央平面に沿って隆起し、かつパーティングライン141の表面は凸凹しているため、中央平面における中央部133の切欠き係数を非常に高めてしまう。さらに、パーティングライン141の金属組織中には熱処理後に不完全焼入れ層が生成されやすい。以上の理由から、過大トルクが繰り返し入力された際に中央部133に亀裂が発生するおそれがあり、トリポード部材103の疲労強度が不足する点が問題となっている。
かかる不具合の対策として、下記特許文献1には、脚軸の付け根部において、パーティングラインをトリポード部材の中央平面から継手軸線O方向に平行移動させた位置に設けることが記載されている。また、下記特許文献2には、鍛造直後のトリポード部材の表面に残存するパーティングラインをバレル加工で低減させた後、旋削、熱処理、研磨等の後加工を行うことが開示されている。
特開2006-258177号公報 特開2007-100805号公報
しかしながら、特許文献1のように、パーティングラインをトリポード部材の中央平面から継手軸線方向に平行移動させた位置に設けると、鍛造金型の分割面をトリポード部材の中央平面と交わる線(トリポード部材の最大外径部を通るライン)から外れた位置に設ける必要があるため、鍛造後の成型品を一方の鍛造金型から離型することが困難となる。この問題を解消するには金型構造を複雑化させる必要があり、トリポード部材の高コスト化を招く。
また、特許文献2のように鍛造後、後加工前にバレル加工を行ってパーティングラインを低減させると、加工工数が増大するため、さらなる高コスト化を招くる。
そこで、本発明は、製造コストの増大を抑えつつトリポード部材の強度(例えば疲労強度)を高めることを目的とする。
以上の知見に基づいてなされた本発明に係るトリポード型等速自在継手は、a)円周方向の三カ所に軸方向に延びるトラック溝を備え、各トラック溝が円周方向に対向して配置された一対のローラ案内面を有する外側継手部材と、b)中心孔を有する胴部と、当該胴部の半径方向に突出した三つの脚軸と、前記胴部と脚軸の間に介在し、前記脚軸の軸線方向に沿う縦断面が曲線状をなす中間部とを備えたトリポード部材と、c)ローラと、前記脚軸に外嵌され、前記ローラを回転自在に支持するインナリングとを備えたローラユニットとを備える。また、前記脚軸の外周面が、継手軸線と直交する方向で前記インナリングの内周面と接触し、継手軸線方向に沿う方向で前記インナリングの内周面との間に隙間を形成している。
本発明は、このトリポード型等速自在継手において、前記脚軸の外周面および前記中間部の表面に硬化層が形成され、前記脚軸の外周面および中間部の表面と、前記各脚軸の軸線を含む平面との交線を含む領域で、前記硬化層の表面を除去することで形成された研削面(または切削面)を有することを特徴とする。
かかる構成から、トリポード部材の中央平面上に残存するパーティングラインのうち、脚軸の外周面、さらには中間部の表面に形成されたパーティングラインが研削(または切削)に伴って除去される。これにより、トリポード部材の中央平面上で、脚軸の付け根における表面粗さを向上させ、さらに熱処理に伴って形成された不完全焼入れ層を除去することができる。従って、脚軸の付け根における応力集中を緩和して、過大トルクの伝達時の脚軸の付け根での亀裂の進展を防止することができる。そのため、トリポード部材の疲労強度を高めることができる。
また、パーティングラインをトリポード部材の中央平面上に存在させることが許容されるため、鍛造金型の分割面をトリポード部材の中央平面を通るように設定することができる。そのため、金型からの成形品の離型性が損なわれることはなく、金型構造を複雑化させる必要もない。従って、トリポード部材の高コスト化を防止することができる。
このトリポード型等速自在継手においては、前記研削面(または切削面)を、前記脚軸の外周面と中間部の表面との境界部で共通接線を有するように形成するのが好ましい。
この形態の研削面(または切削面)は、脚軸の外周面と中間部の表面を同時研削することで得ることができる。インナリングとの接触領域である脚軸の外周面は研削を要するが、この本来必要とされる脚軸の外周面の研削と同時に中間部が研削されるため、別の研削工程が追加されることはない。従って、加工工数の増大による高コスト化を回避することができる。
このトリポード型等速自在継手においては、前記インナリングの内周面をインナリングの軸線を含む縦断面において凸円弧状に形成すると共に、前記脚軸の外周面を脚軸の軸線を含む縦断面においてストレートな形状とするのが好ましい。
また、トリポード型等速自在継手においては、前記脚軸を、当該脚軸の軸線と直交する横断面において楕円形状とし、この楕円形状の長軸が継手軸線と直交する方向に形成され、短軸が継手軸線方向に沿って形成されているのが好ましい。
本発明によれば、製造コストの増大を抑えつつトリポード部材の強度を高めることができる。
ダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手を示す縦断面図である。 図1のK-K線で矢視した縦断面図である。 図1のL-L線で矢視した横断面図である。 図1のトリポード型等速自在継手が作動角をとった状態を表す縦断面図である。 トリポード部材に形成した硬化層を示す縦断面図である。 (a)図はトリポード部材に形成した硬化層の他例を示す縦断面図であり、(b)図は(a)図中のM-M線で矢視した横断面図である。 図6(a)のM-M線で矢視した横断面図である。 本実施形態のトリポード部材を示す側面図(一部は縦断面図)である。 本実施形態のトリポード部材を示す正面図である。 図9の領域Aを拡大して示す正面図である。 従来のトリポード部材を示す側面図(一部は縦断面図)である。 従来のトリポード部材を示す正面図である。 図12の領域Bを拡大して示す正面図である。 図12のN-N戦で矢視した断面図である。
本発明に係るトリポード型等速自在継手の第一の実施形態を図1~図10に基づいて説明する。
図1~図4に示す本実施形態のトリポード型等速自在継手1はダブルローラタイプである。なお、図1は、ダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手を示す縦断面図であり、図2は図1のK-K線で矢視した部分横断面図である。図3は、図1のL-L線で矢視した横断面図であり、図4は、作動角をとった時のトリポード型等速自在継手を示す縦断面図である。
図1および図2に示すように、このトリポード型等速自在継手1は、外側継手部材2と、内側継手部材としてのトリポード部材3と、トルク伝達部材としてのローラユニット4とで主要部が構成されている。外側継手部材2は、一端が開口したカップ状をなし、内周面に軸方向に延びる3本の直線状トラック溝5が周方向等間隔に形成される。各トラック溝5には、外側継手部材2の円周方向に対向して配置され、それぞれ外側継手部材2の軸方向に延びるローラ案内面6が形成されている。外側継手部材2の内部には、トリポード部材3とローラユニット4が収容されている。
トリポード部材3は、中心孔30を有する胴部31(トラニオン胴部)と、胴部31の円周方向の三等分位置から半径方向に突出する3本の脚軸32(トラニオンジャーナル)と、胴部31と脚軸32との間に介在する中間部33とを一体に有する。トリポード部材3は、胴部31の中心孔30に形成された雌スプライン34に、軸としてのシャフト8に形成された雄スプライン81を嵌合させることで、シャフト8とトルク伝達可能に結合される。シャフト8に設けた肩部82にトリポード部材3の一方の端面を係合させ、シャフト8の先端に装着した止め輪10をトリポード部材3の端面と係合させることで、トリポード部材3がシャフト8に対して軸方向に固定される。
ローラユニット4は、ローラであるアウタリング11と、このアウタリング11の内側に配置されて脚軸32に外嵌された円環状のインナリング12と、アウタリング11とインナリング12との間に介在された多数の針状ころ13とで主要部が構成されており、外側継手部材2のトラック溝5に収容されている。インナリング12、針状ころ13、およびアウタリング11からなるローラユニット4は、ワッシャ14、15により分離しない構造となっている。
この実施形態において、アウタリング11の外周面は、脚軸32の軸線上に曲率中心を有する円弧を母線とする凸曲面である。アウタリング11はローラ案内面6に沿って継手軸線O方向に移動可能である。アウタリング11の外周面は、ローラ案内面6とアンギュラコンタクトしている。
針状ころ13は、アウタリング11の円筒状内周面を外側軌道面とし、インナリング12の円筒状外周面を内側軌道面として、これらの外側軌道面と内側軌道面の間に転動自在に配置される。
トリポード部材3の各脚軸32の外周面は、脚軸32の軸線Pを含んだ任意の縦断面においてストレート形状をなす。また、図3に示すように、脚軸32の外周面は、脚軸32の軸線Pに直交する横断面において略楕円形状をなす。脚軸32の外周面は、継手の軸線Oと直交する方向、すなわち長軸aの方向でインナリング12の内周面12aと接触する。継手の軸線O方向、すなわち短軸bの方向では、脚軸32の外周面とインナリング12の内周面12aとの間に隙間mが形成されている。
インナリング12の内周面12aは、インナリング12の軸線を含む任意の縦断面において凸円弧状をなす。このことと、脚軸32の断面形状が上述のように略楕円形状であり、脚軸32とインナリング12の間に所定の隙間mを設けてあることから、インナリング12は、脚軸32に対して首振り揺動可能となる。上述のとおりインナリング12とアウタリング11が針状ころ13を介して相対回転自在にアセンブリとされているため、アウタリング11はインナリング12と一体となって脚軸32に対して首振り揺動可能である。つまり、脚軸32の軸線を含む平面内で、脚軸32の軸線に対してアウタリング11およびインナリング12の軸線は傾くことができる(図4参照)。
図4に示すように、トリポード型等速自在継手1が作動角をとって回転すると、外側継手部材2の軸線に対してトリポード部材3の軸線は傾斜するが、ローラユニット4が首振り揺動可能であるため、アウタリング11とローラ案内面6とが斜交した状態になることを回避することができる。これにより、アウタリング11がローラ案内面6に対して水平に転動するので、誘起スラストやスライド抵抗の低減を図ることができ、継手の低振動化を実現することができる。
また、既に述べたように、脚軸32の横断面が略楕円状で、インナリング12の内周面12aの縦断面が円弧状凸断面であることから、トルク負荷側での脚軸32の外周面とインナリング12の内周面12aとは点接触に近い狭い面積で接触する。よって、ローラユニット4を傾かせようとする力が小さくなり、アウタリング11の姿勢の安定性が向上する。
図2に示すように、トリポード部材3の胴部31の外周面と脚軸32の外周面の間の中間部33は、曲率中心をトリポード部材3の表面から離れた空間中に取った凹状の曲面をなす。本実施形態の中間部33は母線を単一円弧とした凹曲面状に形成されている。母線を複数の円弧を滑らかにつなげた複合円弧で形成した中間部33であってもよい。
以上に述べたトリポード部材3は、鋼材料から、鍛造加工(冷間鍛造加工)→機械加工(旋削)⇒スプライン34のブローチ加工→熱処理→研削加工、という主要工程を経て製作される。脚軸32の外周面は、研削工程に代えて焼入れ鋼切削で仕上げることもできる。また、冷間鍛造前には、球状化焼き鈍し工程およびボンデ処理工程を追加することができる。炭素量の低い材料を使用する等の事情により、冷間鍛造時の打鍛性に問題がなければ、球状化焼き鈍し工程を省略することができる。
熱処理としては、例えば浸炭焼入れ焼き戻しが行われる。図5は、トリポード部材3に対する熱処理によって形成された硬化層16(クロスハッチング部分)を示す断面図である。図5に示すように、脚軸32の外周面、胴部31の外周面、中間部33の表面、および胴部31の内周面(雌スプライン34の表面)を含むトリポード部材3の全表面に硬化層16が形成される。
この他、熱処理として、浸炭工程によりトリポード部材3の表面に炭素を浸入させた後、空冷等の冷却を経て、高周波焼入れおよび焼戻しを行ってもよい。この場合の硬化層16は、図6(a)に示すように、少なくとも脚軸32の外周面、中間部33、および胴部31の内周面(雌スプライン34の表面)に形成すれば足りる。脚軸32の外周面の硬化層16は、図6(b)に示すように、その全周に渡って形成する他、図7に示すように、インナリング12の内周面12aとの接触部Xに限って形成してもよい。
以下、本願発明の特徴的構成を説明する。
トリポード部材3に対する研削加工は、熱処理後の脚軸32の外周面と中間部33の表面に施される。図8および図9に示すように、脚軸32の外周面では、各脚軸32の軸線Pを含む平面(中央平面)との交線を中心とした円周方向の一部領域(図8の幅tで表した領域)が脚軸32の軸線P方向の全長にわたって研削される。中間部33の表面では、中央平面との交線を中心とする円周方向の一部領域(図8の幅tで表した領域)が脚軸32の軸線P方向全長にわたって研削される。研削された領域では、硬化層16の表面が除去され、研削により仕上げられた研削面40が形成される。この研削面40は、脚軸32の外周面と中間部33の表面との間で間隔をあけずに連続して形成される。
トリポード部材3のこれ以外の表面、例えば胴部31の外周面は研削されないため、当該表面には硬化層16を有する鍛造肌が残存する。なお、トルク伝達中の胴部31の外周面には、ローラユニット4を構成する部品(アウタリング11、インナリング12、針状ころ13、ワッシャ14,15)が接触することはないため、胴部31の外周面を鍛造肌のまま残しても継手機能上は特に問題を生じることはない。
この研削加工は、トリポード部材3をチャックし、各脚軸32の軸線Pを中心に回転させ、研削砥石で中央平面との交線を含む円周方向の一部領域を研削することで行われる。この際、外周面の中央平面との交線を含む円周方向の一部領域は楕円形状であるので、脚軸32の軸線P回りの回転に同期させて研削砥石を微量進退させることにより楕円形状に研削加工される。研削砥石の回転軸は研削対象となる脚軸32の軸線Pと平行に配置される。
研削加工に際しては、脚軸32の外周面と中間部33の表面とを同時に研削するのが好ましい。同時研削に際しては、脚軸32の外周面と中間部33の表面の仕上げ形状に対応する形状を備えた総形砥石が用いられる。図10に示すように、研削後は、脚軸32の外周面および中間部33に形成される研削面40は、両者の境界部T1で共通接線を持つ形状となる。そのため、研削面40は、図8と図11との対比から明らかなように、従来品の研削面140(図11)よりも内径側に延びた形態となる。
図10では、中間部33の表面と胴部31の外周面を、両者の境界部T2で共通接線を持つように滑らかに連続させた形態としているが、この境界部T2はトリポード部材の最弱部ではないため、中間部33の表面と胴部31の外周面を滑らかに連続させる必要は必ずしもなく、境界部T2でエッジを形成していてもよい。また、図10では、脚軸32の軸線P方向で、中間部33の表面の全領域(符号Rで示す領域)が研削面40になっているが、胴部31との境界部T2付近は研削せずに鍛造肌として残してもよい。
なお、以上の説明では、脚軸32の外周面と中間部33の表面を研削で仕上げる場合を例示したが、両者は焼入れ鋼切削で仕上げることもできる。このよう研削に代えて焼入れ鋼切削を行った場合には、研削面40と同等範囲の領域が切削により仕上げられた切削面となる。脚軸32の外周面および中間部33の表面に形成される各切削面は、両者の境界部T1で共通接線を持つように連続した形態とするのが好ましい。
この研削加工(もしくは焼入れ鋼切削加工)により、トリポード部材3の中央平面上に残存するパーティングライン41のうち、脚軸32の外周面、さらには中間部33の表面に形成されたパーティングライン41が除去される。これにより、トリポード部材3の中央平面上で、脚軸32の付け根における表面粗さを向上させ、さらに浸炭焼入れ焼き戻しに伴って形成された不完全焼入れ層を除去することができる。従って、脚軸32の付け根における応力集中を緩和して、過大トルクの伝達時の脚軸32の付け根での亀裂の進展を防止することができる。そのため、トリポード部材3の疲労強度を高めることができる。
また、パーティングライン41をトリポード部材3の中央平面上に存在させることが許容されるため、鍛造金型の分割面をトリポード部材3の中央平面を通るように設定することができる。そのため、金型からの成形品の離型性が損なわれることはなく、金型構造を複雑化させる必要もない。従って、トリポード部材3の高コスト化を防止することができる。
また、脚軸32の外周面および中間部33の表面に形成される切削面40が両者の境界部T1で共通接線を持って連続しており、境界部T1にエッジは存在しない。この切削面40の形態は、脚軸32の外周面と中間部33の表面を同時研削することで得ることができる。インナリング12との接触領域である脚軸32の外周面は研削を要するが、この本来必要とされる脚軸32の外周面の研削と同時に中間部33が研削されるため、別の研削工程が追加されることはない。従って、加工工数の増大による高コスト化を回避することができる。
以上に述べた本発明の実施形態は、他の構成を有するダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手にも適用することができる。
例えば、脚軸32の外周面を凸曲面(例えば断面凸円弧状)に形成し、インナリング12の内周面12aを円筒面状に形成することもできる。また、脚軸32の外周面を凸曲面(例えば断面凸円弧状)に形成し、インナリング12の内周面12aを脚軸外周面と嵌合する凹球面に形成することもできる。この際、アウタリングの内径両端部に鍔を設けることにより、ワッシャ14,15を不要とすることもできる。
以上に述べたトリポード型等速自在継手1,100は、自動車のドライブシャフトに限って適用されるものではなく、自動車や産業機器等の動力伝達経路に広く用いることができる。
1 トリポード型等速自在継手
2 外側継手部材
3 トリポード部材
4 ローラユニット
5 トラック溝
6 ローラ案内面
8 軸(シャフト)
11 ローラ(アウタリング)
12 インナリング
13 針状ころ
16 硬化層
30 中心孔
31 胴部
32 脚軸
33 中間部
40 研削面(切削面)
O 継手軸線
P 脚軸の軸線
T1 境界部

Claims (6)

  1. 円周方向の三カ所に軸方向に延びるトラック溝を備え、各トラック溝が円周方向に対向して配置された一対のローラ案内面を有する外側継手部材と、
    中心孔を有する胴部と、当該胴部の半径方向に突出した三つの脚軸と、前記胴部と脚軸の間に介在し、前記脚軸の軸線方向に沿う縦断面が曲線状をなす中間部とを備えたトリポード部材と、
    ローラと、前記脚軸に外嵌され、前記ローラを回転自在に支持するインナリングとを備えたローラユニットとを備え、
    前記脚軸の外周面が、継手軸線と直交する方向で前記インナリングの内周面と接触し、継手軸線方向に沿う方向で前記インナリングの内周面との間に隙間を形成したトリポード型等速自在継手において、
    前記脚軸の外周面および前記中間部の表面に硬化層が形成され、前記脚軸の外周面および中間部の表面と、前記各脚軸の軸線を含む平面との交線を含む領域で、前記硬化層の表面を除去することで形成された研削面を有することを特徴とするトリポード型等速自在継手。
  2. 前記研削面を、前記脚軸の外周面と中間部の表面との境界部で共通接線を有するように形成した請求項1に記載のトリポード型等速自在継手。
  3. 円周方向の三カ所に軸方向に延びるトラック溝を備え、各トラック溝が円周方向に対向して配置された一対のローラ案内面を有する外側継手部材と、
    中心孔を有する胴部と、当該胴部の半径方向に突出した三つの脚軸と、前記胴部と脚軸の間に介在し、前記脚軸の軸線方向に沿う縦断面が曲線状をなす中間部とを備えたトリポード部材と、
    ローラと、前記脚軸に外嵌され、前記ローラを回転自在に支持するインナリングとを備えたローラユニットとを備え、
    前記脚軸の外周面が、継手軸線と直交する方向で前記インナリングの内周面と接触し、継手軸線方向に沿う方向で前記インナリングの内周面との間に隙間を形成したトリポード型等速自在継手において、
    前記脚軸の外周面および前記中間部の表面に硬化層が形成され、前記脚軸の外周面および中間部の表面と、前記各脚軸の軸線を含む平面との交線を含む領域で、前記硬化層の表面を除去することで形成された切削面を有することを特徴とするトリポード型等速自在継手。
  4. 前記切削面を、前記脚軸の外周面と中間部の表面との境界部で共通接線を有するように形成した請求項3に記載のトリポード型等速自在継手。
  5. 前記インナリングの内周面をインナリングの軸線を含む縦断面において凸円弧状に形成すると共に、前記脚軸の外周面を脚軸の軸線を含む縦断面においてストレートな形状とした請求項1~4何れか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
  6. 前記脚軸を、当該脚軸の軸線と直交する横断面において楕円形状とし、この楕円形状の長軸が継手軸線と直交する方向に形成され、短軸が継手軸線方向に沿って形成された請求項1~5の何れか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
JP2021050589A 2021-03-24 2021-03-24 トリポード型等速自在継手 Pending JP2022148776A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021050589A JP2022148776A (ja) 2021-03-24 2021-03-24 トリポード型等速自在継手

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021050589A JP2022148776A (ja) 2021-03-24 2021-03-24 トリポード型等速自在継手

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022148776A true JP2022148776A (ja) 2022-10-06

Family

ID=83462369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021050589A Pending JP2022148776A (ja) 2021-03-24 2021-03-24 トリポード型等速自在継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022148776A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8342969B2 (en) Tripod-type constant-velocity universal joint and method of manufacturing the same
US20120329564A1 (en) Tripod constant velocity universal joint
GB2155367A (en) Forming ball bearing tracks
JP2002310180A (ja) 等速自在継手
JP2007064264A (ja) 固定型等速自在継手
JP4298392B2 (ja) 等速自在継手
JP2011236976A (ja) 等速自在継手
JP2022148776A (ja) トリポード型等速自在継手
JP5917249B2 (ja) 等速自在継手の内方部材およびその製造方法
JP5323572B2 (ja) トリポード型等速自在継手およびその製造方法
WO2023032631A1 (ja) トリポード型等速自在継手
WO2022202421A1 (ja) トリポード型等速自在継手
JP2011185346A (ja) 等速自在継手
JP7088865B2 (ja) トリポード型等速自在継手
JP2008190621A (ja) トリポード型等速自在継手
WO2020195487A1 (ja) トリポード型等速自在継手
JP7233497B1 (ja) トリポード型等速自在継手
JP2009275878A (ja) スプライン軸、動力伝達シャフトおよび等速自在継手外輪
WO2023189289A1 (ja) トリポード型等速自在継手
JP6532793B2 (ja) トリポード型等速自在継手
JP6594719B2 (ja) トリポード型等速自在継手
JP2008064158A (ja) トリポード型等速自在継手
JP2020159546A (ja) トリポード型等速自在継手
JP2006275101A (ja) トリポード型等速自在継手
WO2023210365A1 (ja) トリポード型等速自在継手