JP2023147891A - 医薬包装用シート、プレススルーパッケージ及びプレススルーパッケージの製造方法 - Google Patents

医薬包装用シート、プレススルーパッケージ及びプレススルーパッケージの製造方法 Download PDF

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Noriyasu Inokuchi
裕子 早川
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Abstract

【課題】 高い生産性を維持するための良好な成形性を備えた医薬包装用シート、それを用いてなるPTPおよびPTPの製造方法を提供すること。【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂を50質量%以上含む第1の層と、樹脂を含む第2の層とを備え、周波数1Hzのせん断モードで動的粘弾性測定により得られる、120℃の貯蔵弾性率(G’(120℃))と130℃の貯蔵弾性率(G’(130℃))の間の、温度変化に対する貯蔵弾性率の対数値の傾きが特定の数値内である、医薬包装用シート。【選択図】なし

Description

本発明は、高い生産性を維持するための良好な成形性に優れた医薬包装用シート、それを用いてなるプレススルーパッケージおよびプレススルーパッケージの製造方法に関する。
医薬品や食品等の包装分野においては、カプセルや錠剤等の固形剤を包装するためにPTP(プレススルーパッケージ)が実施されている。
PTPとは、例えば透明のシートに圧空成形、真空成形等を施すことにより、カプセル等の固形剤を収納するポケット部を形成し、ポケット部にカプセル等を収納した後、例えばアルミ箔のように手で容易に引き裂いたり、容易に開封したりできる材質の箔やフィルムを蓋材として積層して一体化した形態の包装である。PTPによれば、透明なシートのポケットに収納された固形剤や食品等を開封前に直接肉眼で確認でき、開封する際には、ポケット部の固形剤等を指で押して蓋材を押し破ることにより、内容物を容易に取り出すことができる。
PTPに用いられるシートの原料としては、従来、良好な熱成形性、常温での剛性、耐衝撃性、透明性を有するなどの観点から、ポリ塩化ビニル(以下「PVC」ということもある)が使用されてきた。ところが、PVCは、燃焼の方法によっては塩化水素ガスが発生し、燃焼炉を劣化させたり、環境汚染を引き起こしたりする等の問題があるだけでなく、防湿性も不充分であるため、内容物の長期保存の面からも、PVCに替わる材料が求められていた。
そこで、PVCの代替素材として、ポリプロピレン系樹脂(以下「PP」ということもある)が一般的に使用されつつある。
例えば、特許文献1には、PPと水添石油樹脂からなる、透明性と防湿性の良いPTPに適した樹脂シートが開示されている。
しかし、PPは、PVCと比較して防湿性に優れるものの、近年はさらなる防湿性の向上が求められているため、透明性や材料の粘弾性挙動がPVCに近い環状ポリオレフィン系樹脂(以下「環状PO系樹脂」ということもある)がPVCやPPの代替材料候補の一つとして注目されている。
例えば特許文献2には、両表面層にPPとポリエチレン系樹脂(以下「PE」ということもある)、中間層に環状PO系樹脂を用いたシートが開示されている。
しかし、中間層の環状PO系樹脂層と両表面層との接着性が悪く、また、環状PO系樹脂は、PPやPEに比べて柔軟性が低いため、耐衝撃性に劣り、コストも高くなるという問題があった。
また、特許文献3には、PPより防湿性の高いバイオPE(バイオポリエチレン系樹脂)を使用して、PPとバイオPEとの積層シートが提案されている。
しかし、PP層とPE層の接着性が悪いため、接着層を介在させる必要があり、生産性やコストが高くなるという問題があった。
特公平6-99604号公報 特開2010-194751号公報 特許第6355243号公報
医薬品や食品を包装するための包装材としては、高い生産性を維持するための良好な成形性が必要である。例えばPTPの底材には、径の小さなポケット部(「突出成形部」とも称する)を多数形成するため、成形加工性に優れていないと、このようなポケット部を精度良く形成することは困難である。
そこで、本発明の目的は、高い生産性を維持するための良好な成形性を備えた積層シート、それを用いてなるプレススルーパッケージおよびプレススルーパッケージの製造方法を提供することにある。
本発明は、ポリプロピレン系樹脂を50質量%以上含む第1の層と、樹脂を含む第2の層とを備え、周波数1Hzのせん断モードで動的粘弾性測定により得られる、120℃の貯蔵弾性率(G’(120℃))と130℃の貯蔵弾性率(G’(130℃))の間の、温度変化に対する貯蔵弾性率の対数値の傾きが-0.045~0である、医薬包装用シートを提案する。
本発明はまた、当該医薬包装用シートを備えた、プレススルーパッケージを提案する。
本発明はさらにまた、当該医薬包装用シートをプラグ成形することを特徴とする、プレススルーパッケージの製造方法を提案する。
本発明の医薬包装用シートは、径の小さな突出成形部であっても精度をもって成形可能な良好な成形性を備えたものとすることができる。よって、各種包装用に好適に用いることができ、特にPTPおよびPTPの製造方法に好適に用いることができる。
次に本発明の実施形態の一例について説明する。但し、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<<医薬包装用シート>>
本発明の実施形態の一例に係る医薬包装用シート(「本医薬包装用シート」と称する)は、ポリプロピレン系樹脂を50質量%以上含む第1の層と、樹脂を含む第2の層とを備え、下記式(1)で算出される、周波数1Hzのせん断モードで動的粘弾性測定により得られる、120℃の貯蔵弾性率(G’(120℃))と130℃の貯蔵弾性率(G’(130℃))の間の、温度変化に対する貯蔵弾性率の対数値の傾きが-0.04~0である、医薬包装用シートである。
温度変化に対する貯蔵弾性率(対数値)の傾き
=[logG’(130℃)-logG’(120℃)]/(130-120) (1)
本医薬包装用シートは、ポリプロピレン系樹脂を50質量%以上含む第1の層と、ポリエチレン系樹脂を20質量%以上含む第2の層とを備え、さらにシート全体の粘弾性を調整することで、径の小さな突出成形部であっても精度をもって成形できる成形性と、防湿性とを兼備することができる。さらに、成形可能温度領域を広くすることができるので、大量生産工程において、生産性を維持することが可能となる。また、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂を混合することで、透明性が低下することが危惧されるが、ヘーズの顕著な低下を抑えることができ、透明性を維持することもできる。
<第1の層>
第1の層は、ポリプロピレン系樹脂を50質量%以上含む層であることが好ましい。第1の層を有することで、医薬包装用シートの熱安定性、機械強度を担保することができる。
(ポリプロピレン系樹脂)
第1の層に含まれるポリプロピレン系樹脂は、単一組成からなるポリプロピレン、すなわち、プロピレン単独重合体であってもよいし、プロピレンと共重合成分とが共重合したランダム共重合体やブロック共重合体であってもよい。また、上記ポリプロピレン系樹脂は、単独でもしくは2種以上を併せて用いてもよい。
上記共重合成分としては、例えば、通常エチレン、1-ブテン等が挙げられ、中でも、エチレンが好ましい。
また、上記共重合体を用いる場合、共重合体中の共重合成分の含有量は0.5質量%以上5.0質量%以下が好ましく、中でも1.0質量%以上或いは4.0質量%以下がより好ましく、中でも1.5質量%以上或いは3.0質量%以下がさらに好ましい。共重合体中の共重合成分の含有量が上記の範囲以内であれば、良好な製膜性を維持しながら、シートに好適な防湿性や透明性を付与することができる。
ポリプロピレン系樹脂としては、良好な製膜性を維持しながら、シートに好適な防湿性や透明性を付与できる点で、単一成分からなるホモポリプロピレン、プロピレン・エチレンランダム共重合体がより好ましく、ホモポリプロピレンが特に好ましい。
ポリプロピレン系樹脂のJIS K7210法における230℃、2.16kg荷重のメルトフローレート(以下、「MFR」ともいう)は、0.3g/10分以上20g/10分以下であるのが好ましく、中でも0.5g/10分以上或いは10g/10分以下であるのがより好ましく、中でも0.8g/10分以上或いは8.0g/10分以下であるのがさらに好ましい。MFRが上記の範囲内にあれば、安定な製膜性が得られ、機械物性にも良好な医薬包装用シートが得られる。
ポリプロピレン系樹脂のJIS K7112:1999D法における密度は、0.850~0.950g/cmであるのが好ましく、中でも0.870~0.930g/cmであるのがより好ましく、0.890~0.910g/cmであるのがさらに好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、数平均分子量(Mn)が30,000以上であることが、シートの機械強度の観点から好ましい。ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量(Mn)は30,000以上であることがより好ましく、特に好ましくは50,000以上である。ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量(Mn)の上限については特に制限はないが、押出成形性の観点から200,000以下、特に150,000以下であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が200,000以上であることが、シートの機械強度の観点から好ましい。ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は250,000以上であることがより好ましく、特に好ましくは300,000以上である。ポリプロピレン系樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)の上限については特に制限はないが、押出成形性の観点から1,500,000以下、特に1,000,000以下であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)より算出される分子量分布(Mw/Mn)は3.5以上であることが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が3.5以上であることにより、シートの成形加工性が向上するとともに、シートの破れ抑制の点で好ましい。ポリプロピレン系樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は4.0以上がより好ましく、4.5以上がさらに好ましい。一方、この分子量分布(Mw/Mn)が大きすぎる場合、極めて分子量が低い成分や、極めて分子量が高い成分が含まれる場合がある。そのため、極めて分子量が低い成分がブリードする懸念や、極めて分子量が高い成分が成形時に未溶融物となる懸念があることあることから、分子量分布(Mw/Mn)は20以下、特に15以下であることが好ましい。
ここで、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および、分子量分布(Mw/Mn)は、Malvern Instruments社の高温GPCシステム(ViscotekトリプルディテクターHT-GPCモデルSGシステム)にて、使用溶媒:オルトジクロロベンゼン、測定温度:140℃、検出器RI(リファレンスフロー方式)、ポリスチレン換算分子量にて、算出したものである。
上記ポリプロピレン系樹脂の含有量は、第1の層100質量部に対して、50質量部以上であることが好ましく、より好ましくは55質量部以上であり、さらに好ましくは60質量部以上である。また、含有率の上限は、特に限定されないが、99質量部以下であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の含有率を上記範囲内とすることで、シートの製膜性やシートの熱成形性を良好にすることができる。
(その他の樹脂)
第1の層に含まれるその他の樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエチレン、シクロポリオレフィン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール系樹脂;ポリアクリル酸エステル等のアクリル樹脂及びその共重合体、ポリメタクリル酸エステル等のメタクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリカーボネート系樹脂等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上の組み合わせからなるものであってもよい。後述するように、第1の層に含まれるその他の樹脂としては、石油樹脂、テルペン樹脂、クロマン-インデン樹脂、ロジン系樹脂、およびこれらの水素添加誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いてもよい。
また、上記その他の樹脂を用いる場合、この樹脂の含有量は第1の層を構成する樹脂組成物100質量部としたとき、40質量部以下であることが好ましく、中でも30質量部以下、その中でも25質量部以下であるのがさらに好ましい。
その他の樹脂の含有量が上記の範囲以内であれば、良好な製膜性を維持することができる。
<第2の層>
第2の層は、樹脂を含む層であることが好ましい。第2の層を有することで、医薬包装用シートとして必要な熱安定性、機械強度以外の特性を担保することができる。
第2の層は、防湿性や透明性を担保する観点から、ポリエチレン系樹脂を含むことが好ましい。
(ポリエチレン系樹脂)
ポリエチレン系樹脂は、エチレン単独重合体であるポリエチレンであってもよく、エチレンとエチレン以外のモノマー成分との共重合体であるポリエチレン共重合体であってもよい。また、ポリエチレン系樹脂としては、これらの混合物を用いることもできる。
本発明におけるポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂の区別について、樹脂を構成するモノマー単位が、エチレン単位を50質量%以上含むものをポリエチレン系樹脂、プロピレン単位を50質量%以上含むものをポリプロピレン系樹脂とする。
上記エチレン以外のモノマー成分としては、例えば、α-オレフィンモノマー、官能基を有する非オレフィンモノマー等が挙げられ、中でもα-オレフィンモノマーが好ましい。
上記α-オレフィンモノマーとしては、炭素数3~20のα-オレフィン、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、9-メチル-1-デセン、11-メチル-1-ドデセン、12-エチル-1-テトラデセン等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いてもよい。中でも、工業的な入手し易さや諸特性、経済性等の観点から、プロピレン、1-ブテン、1-へキセン、1-オクテンが好ましい。
上記α-オレフィンモノマーを共重合成分として用いる場合、ポリエチレン共重合体中に占めるα-オレフィンモノマーの割合の合計が0.1~4質量%であることが好ましく、より好ましくは0.3質量%以上或いは3.5質量%以下であり、特に好ましくは0.5質量%以上或いは3質量%以下である。α-オレフィンモノマーの割合がかかる範囲内であれば、本医薬包装用シートの防湿性、透明性をさらに優れたものとすることができる。
上記ポリエチレン系樹脂としては、上記の中でも、エチレン単独重合体、あるいは、エチレンと、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、および1-オクテンからなる群より選ばれる少なくとも1種類のα-オレフィンモノマーとの共重合体を用いるのが好ましい。
ポリエチレン系樹脂の重合方法としては、特に制限はなく、従来公知の常法により行うことができ、また、重合に用いる触媒も特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。
上記ポリエチレン系樹脂は、防湿性を高める観点から、JIS K7112:1999D法に基づき測定した密度が0.93~0.98g/cm3であることが好ましい。0.935g/cm3以上であることが好ましく、より好ましくは0.94g/cm3以上であり、さらに好ましくは0.945g/cm3以上である。密度が上記範囲内であることで、防湿性を高めることができ、防湿性や耐薬品性を高めることもできる。なお、ポリエチレン系樹脂の密度の上限は、通常0.98g/cm3である。
かかる観点から、特に防湿性を高める観点から、高密度ポリエチレンを選択することが好ましい。
また、ポリエチレン系樹脂のJIS K7210:2014法における190℃、2.16kg荷重のMFRは、0.3g/10分以上20g/10分以下であることが好ましく、中でも0.5g/10分以上或いは10g/10分以下であることがより好ましく、中でも0.8g/10分以上或いは8g/10分以下であることがさらに好ましい。MFRが上記の範囲内にあれば、安定な製膜性が得られ、機械物性にも良好な医薬包装用シートを得ることができる。
ポリエチレン系樹脂は、数平均分子量(Mn)が20,000以上であることが、シートの機械強度の観点から好ましい。ポリエチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は25,000以上であることがより好ましく、特に好ましくは30,000以上である。ポリエチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)の上限については特に制限はないが、押出成形性の観点から150,000以下、特に100,000以下であることが好ましい。
ポリエチレン系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が150,000以上であることが、シートの機械強度の観点から好ましい。ポリエチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は200,000以上であることがより好ましく、特に好ましくは250,000以上である。ポリプロピレン系樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)の上限については特に制限はないが、押出成形性の観点から1,500,000以下、特に1,000,000以下であることが好ましい。
ポリエチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)より算出される分子量分布(Mw/Mn)は3.5以上であることが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が3.5以上であることにより、シートの成形加工性が向上するとともに、フィルムの破れ抑制の点で好ましい。ポリエチレン系樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は4.0以上がより好ましく、4.5以上がさらに好ましい。一方、この分子量分布(Mw/Mn)が大きすぎる場合、極めて分子量が低い成分や、極めて分子量が高い成分が含まれる場合がある。そのため、極めて分子量が低い成分がブリードする懸念や、極めて分子量が高い成分が成形時に未溶融物となる懸念があることあることから、分子量分布(Mw/Mn)は20以下、特に15以下であることが好ましい。
ここで、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および、分子量分布(Mw/Mn)は、Malvern Instruments社の高温GPCシステム(ViscotekトリプルディテクターHT-GPCモデルSGシステム)にて、使用溶媒:オルトジクロロベンゼン、測定温度:140℃、検出器RI(リファレンスフロー方式)、ポリスチレン換算分子量にて、算出したものである。
なお、上記ポリエチレン系樹脂は、石油由来のポリエチレン系樹脂であってもよいが、バイオポリエチレン系樹脂であることが環境保護の点から好ましい。
上記「バイオポリエチレン系樹脂」とは、再生可能なバイオマス資源を原料に、化学的または生物学的に合成することで得られるポリエチレン系樹脂を意味する。上記バイオポリエチレン系樹脂は、これを焼却処分した場合でも、バイオマスのもつカーボンニュートラル性から、大気中の二酸化炭素濃度を上昇させないという特徴がある。
上記バイオポリエチレン系樹脂は、植物原料から得られたバイオエタノールから誘導された植物由来エチレンを用いることが好ましい。すなわち、上記バイオポリエチレン系樹脂は、植物由来ポリエチレン系樹脂であることが好ましい。
ポリエチレン系樹脂の具体的な製品として、石油由来のポリエチレン系樹脂としては、旭化成社製「サンテックHD」シリーズ、日本ポリプロ社製「ノバテックHD」シリーズ、プライムポリマー「エボリューH」シリーズ等が挙げられる。また、バイオポリエチレン系樹脂としては、Braskem社製「グリーンポリエチレン」シリーズ等が挙げられる。
上記ポリエチレン系樹脂の含有量は、第2の層を形成する樹脂組成物を100質量部としたとき、1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは5質量部以上であり、さらに好ましくは20質量部以上である。また、含有率の上限は、特に限定されないが、90質量部以下であることが好ましい。ポリエチレン系樹脂の含有率を上記の下限値以上にすることで、シートに防湿性と透明性を付与することができる。また、ポリエチレン系樹脂の割合を上限値以下にすることで、シートに適度な剛性を付与することができる。
(ポリプロピレン系樹脂)
第2の層は、成形安定性の観点から、さらにポリプロピレン系樹脂を含むことが好ましい。第2の層に含まれるポリプロピレン系樹脂は、第1の層の項目で説明したポリプロピレン系樹脂と同様である。
なお、第2の層のポリプロピレン系樹脂は、第1の層のポリプロピレン系樹脂と同じポリプロピレン系樹脂であっても、異なるポリプロピレン系樹脂であってもよい。
(ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂の量)
第2の層がポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂を含む場合、その含有質量割合は成形性と防湿性の観点から、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、ポリエチレン系樹脂を1~400質量部含有するのが好ましく、中でも2質量部以上或いは320質量部以下、その中でも30質量部以上或いは120質量部以下の割合で含有するのがさらに好ましい。
本医薬包装用シート全体におけるポリプロピレン系樹脂の含有割合は、30~90質量%であるのが好ましく、中でも40質量%以上或いは85質量%以下、その中でも50質量%以上或いは80質量%以下であるのがさらに好ましい。
本医薬包装用シート全体におけるポリエチレン系樹脂の含有割合は、1~50質量%であるのが好ましく、中でも5質量%以上或いは45質量%以下、その中でも10質量%以上或いは30質量%以下であるのがさらに好ましい。
(その他の樹脂)
第2の層に含まれるその他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;シクロポリオレフィン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール系樹脂;ポリアクリル酸エステル等のアクリル樹脂及びその共重合体、ポリメタクリル酸エステル等のメタクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリカーボネート系樹脂等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上の組み合わせからなるものであってもよい。後述するようにその他の樹脂としては、石油樹脂、テルペン樹脂、クロマン-インデン樹脂、ロジン系樹脂、およびこれらの水素添加誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いてもよい。
また、上記その他の樹脂を用いる場合、この樹脂の含有量は第2の層を構成する樹脂組成物100質量部としたとき、7質量部以上40質量部以下であることが好ましく、中でも8質量部以上或いは30質量部以下、その中でも9質量部以上或いは25質量部以下であるのがさらに好ましい。その他の樹脂の含有量が上記の範囲以内であれば、良好な製膜性を維持することができる。
<積層構成>
本医薬包装用シートは、第1の層と第2の層の2層からなるものであってもよいし、第1の層及び/または第2の層を複数層備えた多層のものであってもよいし、第1の層・第2の層以外の他の層を備えた多層のものであってもよい。
例えば、第1の層/第2の層、第1の層/第2の層/第1の層、第1の層/第2の層/第1の層/他の層、他の層/第1の層/第2の層/第1の層/他の層、第1の層/第2の層/第1の層/他の層、他の層/第2の層/第1の層/第2の層/他の層などの積層構成を挙げることができる。
これらのうち、本医薬包装用シートは第1の層/第2の層/第1の層に代表される、第1の層が両最外層を構成している積層構成であるものが好ましい。
(厚さ)
本医薬包装用シートにおいては、防湿性の観点から、第2の層の厚さがどの層の厚さよりも大きいことが好ましい。
かかる観点から、第2の層の厚さは、第1の層の厚さの100~1000%であるのが好ましく、中でも200%以上或いは800%以下、その中でも300%以上或いは600%以下であるのが好ましい。
また、防湿性の観点から、第2の層の厚さは、60~300μmであるのが好ましく、中でも100μm以上或いは250μm以下、その中でも150μm以上或いは200μm以下であるのが好ましい。
他方、成形加工時の機械適正の観点から、第1の層の厚さは、15~100μmであるのが好ましく、中でも20μm以上或いは80μm以下、その中でも30μm以上或いは60μm以下であるのが好ましい。
ここで「第1の層の厚さ」、「第2の層の厚さ」は、本医薬包装用シート全体におけるそれぞれの総厚さを意味する。
また、本医薬包装用シートを構成する層の少なくとも一層又は二層以上は、必要に応じて、各種添加材を含有してもよい。例えば、石油樹脂、結晶核剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、滑剤等の添加剤を配合することができる。これらは単独でもしくは2種以上を併せて用いてもよい。
なお、シートのリサイクル適正の観点から、本医薬包装用シート全体に占めるハロゲン含有化合物の割合は、30質量%以下であるのが好ましく、中でも15質量%以下、その中でも5質量%以下(0質量%を含む)であるのがさらに好ましい。
(熱可塑性樹脂)
本医薬包装用シートは隣接する層との接着性向上の観点から、第1の層、第2の層のうちの少なくとも一つの層が石油樹脂、テルペン樹脂、クロマン-インデン樹脂、ロジン系樹脂、およびこれらの水素添加誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。二つの層がこれらの樹脂を含むことがより好ましく、特に全ての層が含むことが好ましい。
上記石油樹脂としては、例えば、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5-C9共重合系石油樹脂等の石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂等の脂環式炭化水素系石油樹脂や、これらの水素添加誘導体等が挙げられる。中でも、C9系石油樹脂の水素添加誘導体が好ましい。
上記テルペン樹脂としては、例えば、α-ピネン重合体、β-ピネン重合体、ジペンテン重合体等のテルペン樹脂や、テルペンフェノール系樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂等の変性テルペン樹脂等が挙げられる。
上記クマロン-インデン樹脂としては、例えば、タールの160~180℃留分を精製し、炭素数8のクマロンおよび炭素数9のインデンを主要なモノマーとして重合した熱可塑性合成樹脂等が挙げられる。
上記ロジン系樹脂としては、例えば、トールロジン、ガムロジン、ウッドロジン等の未変性ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水素添加ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジンや、これらをグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール等で変性したエステル化ロジン樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂に混合した場合に比較的良好な相溶性を示し、色調、熱安定性、相溶性、耐透湿性等をさらに高める観点から、水素添加誘導体が好ましく、特に水素添加率(以下「水添率」という)が95%以上であり、かつ水酸基、カルボキシ基、ハロゲン等の極性基、あるいは二重結合等の不飽和結合を実質的に含有しない、石油樹脂またはテルペン樹脂が好ましく、石油樹脂が特に好ましい。
熱可塑性樹脂の軟化点は、80~170℃であることが好ましく、中でも90℃以上或いは160℃以下、その中でも100℃以上或いは150℃以下であるのがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂の軟化点が、上記範囲内であると、石油樹脂がポリプロピレン系樹脂に相溶しやすくなり、ポリプロピレン系樹脂の結晶化による微細な結晶の形成がより促進され、透明性に優れたポリオレフィン系シートが得られる傾向がある。また、軟化点が上記下限以上であれば、シート製膜時において原料ペレットのブロッキングを防止し生産性が良好となる傾向がある。
熱可塑性樹脂の含有量は、各層を形成する樹脂組成物を100質量部としたとき、7質量部以上40質量部以下であることが好ましく、中でも8質量部以上或いは30質量部以下、その中でも9質量部以上或いは25質量部以下であるのがさらに好ましい。
石油樹脂の割合を上記の下限値以上にすることで、本医薬包装用シートの透明性や防湿性が向上する傾向がある。また、石油樹脂の割合を上限値以下にすることで、良好な製膜性や耐衝撃性を維持することができ、本医薬包装用シートにおいて、充分な層間強度を得ることができる。
(結晶核剤)
本医薬包装用シートの透明性、防湿性を向上させるため、第1の層、第2の層のうちの少なくとも一層が結晶核剤を含有することが好ましい。特に第2の層が結晶核剤を含むのが好ましい。
上記結晶核剤としては、例えば、ジベンジリデンソルビトール(DBS)化合物、1,3-O-ビス(3,4ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ジアルキルベンジリデンソルビトール、少なくとも一つの塩素または臭素置換基を有するソルビトールのジアセタール、ジ(メチルまたはエチル置換ベンジリデン)ソルビトール、炭素環を形成する置換基を有するビス(3,4-ジアルキルベンジリデン)ソルビトール、脂肪族、脂環族、および芳香族のカルボン酸、ジカルボン酸または多塩基性ポリカルボン酸や、これらの無水物および金属塩等の有機酸の金属塩化合物、環式ビス-フェノールホスフェート、2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプテンジカルボン酸等の二環式ジカルボン酸および塩化合物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-ジカルボキシレート等の二環式ジカルボキシレートの飽和の金属または有機の塩化合物、1,3:2,4-O-ジベンジリデン-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(m-メチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(m-エチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(m-イソプロピルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(m-n-プロピルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(m-n-ブチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(p-メチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(p-エチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(p-イソプロピルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(p-n-プロピルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(p-n-ブチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(2,3-ジメチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(2,4-ジメチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(2,5-ジメチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(3,4-ジメチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(3,5-ジメチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(2,3-ジエチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(2,4-ジエチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(2,5-ジエチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(3,4-ジエチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(3,5-ジエチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(2,4,5-トリメチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(3,4,5-トリメチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(2,4,5-トリエチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(3,4,5-トリエチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(p-メチルオキシカルボニルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(p-エチルオキシカルボニルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(p-イソプロピルオキシカルボニルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(o-n-プロピルオキシカルボニルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(o-n-ブチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(o-クロロベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-(p-クロロベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-[(5,6,7,8,-テトラヒドロ-1-ナフタレン)-1-メチレン]-D-ソルビトール、1,3:2,4-ビス-O-[(5,6,7,8,-テトラヒドロ-2-ナフタレン)-1-メチレン]-D-ソルビトール、1,3-O-ベンジリデン-2,4-O-p-メチルベンジリデン-D-ソルビトール、1,3-O-p-メチルベンジリデン-2,4-O-ベンジリデン-D-ソルビトール、1,3-O-ベンジリデン-2,4-O-p-エチルベンジリデン-D-ソルビトール、1,3-O-p-エチルベンジリデン-2,4-O-ベンジリデン-D-ソルビトール、1,3-O-ベンジリデン-2,4-O-p-クロルベンジリデン-D-ソルビトール、1,3-O-p-クロルベンジリデン-2,4-O-ベンジリデン-D-ソルビトール、1,3-O-ベンジリデン-2,4-O-(2,4-ジメチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3-O-(2,4-ジメチルベンジリデン)-2,4-O-ベンジリデン-D-ソルビトール、1,3-O-ベンジリデン-2,4-O-(3,4-ジメチルベンジリデン)-D-ソルビトール、1,3-O-(3,4-ジメチルベンジリデン)-2,4-O-ベンジリデン-D-ソルビトール、1,3-O-p-メチル-ベンジリデン-2,4-O-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチル-ベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデン-D-ソルビトール、1,3-O-p-メチル-ベンジリデン-2,4-O-p-クロルベンジリデン-D-ソルビトール、1,3-O-p-クロル-ベンジリデン-2,4-O-p-メチルベンジリデン-D-ソルビトール等のジアセタール化合物、ナトリウム2,2'-メチレン-ビス-(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート、アルミニウムビス[2,2'-メチレン-ビス-(4-6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート]、燐酸2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ナトリウムや、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等の脂肪酸、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ヘベニン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、シリカ、タルク、カオリン、炭化カルシウム等の無機粒子、グリセロール、グリセリンモノエステル等の高級脂肪酸エステル、および類似物を挙げることができる。これらは単独でもしくは2種以上を併せて用いてもよい。
これらのなかでも、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ヘベニン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩が特に好ましい。
結晶核剤の具体的な製品としては、例えば、新日本理化社製「ゲルオールD」シリーズ、旭電化工業社製「アデカスタブ」シリーズ、ミリケンケミカル社製「HYPERFORM HPN-20E」、「HL3-4」、「Millad」シリーズ、BASF社製「IRGACLEAR」シリーズ、理研ビタミン社製「リケマスターCN-001」、「リケマスターCN-002」等が挙げられる。このなかでも特に透明性を向上する効果が高いものとしては、ミリケンケミカル社製「HYPERFORM HPN-20E」、「HL3-4」、理研ビタミン社製「リケマスターCN-001」、「リケマスターCN-002」等が挙げられる。
上記結晶核剤の含有量は、各層を形成する樹脂組成物を100質量部としたとき、0.5質量部以上4質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1質量部以上或いは3.5質量部以下である。結晶核剤の割合を上記の下限値以上にすることで、本医薬包装用シートの結晶性が向上し、防湿性を付与することができる。また、結晶核剤の割合を上限値以下にすることで、添加物の割合を最小限に留め効率的な効果が期待できる。
<本医薬包装用シートの物性>
本医薬包装用シートは、次の物性を有することができる。
(貯蔵弾性率)
本医薬包装用シートは、周波数1Hzのせん断モードで動的粘弾性測定により得られる、120℃の貯蔵弾性率(G’(120℃))と130℃の貯蔵弾性率(G’(130℃))の間の、温度変化に対する貯蔵弾性率の対数値の傾きが-0.045~0であることが好ましい。貯蔵弾性率の傾きがこの範囲に有することで、シート成形時の成形性が良好となる。
本発明は、医薬包装用シートについて特定温度領域の貯蔵弾性率の変化が少ないことで、PTPを成形する際に生産安定性を高めることができるので、大量生産時における生産性維持が寄与することを見出したものである。
120℃の貯蔵弾性率(G’(120℃))と130℃の貯蔵弾性率(G’(130℃))の間の、温度変化に対する貯蔵弾性率の対数値の傾きは、-0.043以上であることが好ましく、より好ましくは-0.040以上であり、さらに好ましくは-0.038以上である。また、上限は特に限定されないが、通常-1.0×10-4である。
本医薬包装用シートの周波数1Hzのせん断モードで動的粘弾性測定により得られる、120℃の貯蔵弾性率(G’(120℃))は3.5×10~7.5×10Paであることが好ましい。120℃の貯蔵弾性率がこの範囲にあることで生産性よく安定した成形加工を行うことができる。
120℃の貯蔵弾性率の下限については、3.7×10Pa以上であることが好ましく、より好ましくは3.9×10Pa以上であり、特に好ましいのは4.1×10Pa以上である。一方、上限については、7.3×10Pa以下であることが好ましく、より好ましくは7.1×10Pa以下であり、特に好ましいのは6.9×10Pa以上である。
周波数1Hzのせん断モードで動的粘弾性測定により得られる、130℃の貯蔵弾性率(G’(130℃))が1.5×10~5.0×10Paであることが好ましい。130℃の貯蔵弾性率がこの範囲にあることで生産性よく安定した成形加工を行うことができる。
130℃の貯蔵弾性率の下限は、1.7×10Pa以上であることが好ましく、より好ましくは1.9×10Pa以上であり、さらに好ましくは2.1×10Pa以上である。一方、上限は4.9×10Pa以下であることが好ましく、より好ましくは4.8×10Pa以下であり、さらに好ましくは4.7×10Pa以下である。
(厚さ)
本医薬包装用シートは、機械強度と薄膜化のバランスから、厚みが10μm~500μmであることが好ましく、15μm~450μmであるのがより好ましく、20~400μmであるのがさらに好ましい。
(全光線透過率)
本医薬包装用シートは、包装用途へ使用する場合の意匠性および内容物の視認性等の観点から、JIS K7136:2000法に準拠して測定される全光線透過率が70%以上であることが好ましく、中でも80%以上、その中でも85%以上であるのがさらに好ましい。
(ヘーズ)
本医薬包装用シートは、包装用途へ使用する場合の意匠性および内容物の視認性等の観点から、JIS K7136:2000法に準拠して測定されるヘーズが50%以下であることが好ましく、45%以下であることがより好ましく、40%以下であることがさらに好ましい。
(防湿性)
本医薬包装用シートの水蒸気透過率は、JIS K7129-2:2019法に基づき、温度40℃、相対湿度90%で測定した水蒸気透過率が0.8g/m2/24h以下であることが好ましく、中でも0.7g/m2/24h以下、その中でも0.65g/m2/24h以下、その中でも0.6g/m2/24h以下であるのがさらに好ましい。
本医薬包装用シートの水蒸気透過率を上記の数値とすることで、良好な防湿性が得られ、薬剤等の包装用途に使用する場合に内容物の劣化を抑制することができる。
<本医薬包装用シートの製造方法>
次に、本医薬包装用シートの製造方法の一例について説明する。
但し、本医薬包装用シートの製造方法が下記製造方法に限定されるものではない。
第1の層を形成する樹脂組成物、第2の層を形成する樹脂組成物をそれぞれ、単軸、あるいは、二軸押出機等で溶融混合し、Tダイにより共押出し、キャストロールで急冷、固化することにより、無延伸シートとしての本医薬包装用シートを作製することができる。
ここで、無延伸シートとは、シートの強度を高める目的で積極的に延伸しないシートを意味し、例えば、押出成形の際に延伸ロールによって2倍未満に延伸されたものは無延伸シートに含むものとする。
このようにして得られる本医薬包装用シートは、第1の層と第2の層の間に接着層を設ける必要がなく、生産性やコストに優れるものとすることができる。接着性の点からは全ての層が石油樹脂を含有するのが好ましい。
なお、本医薬包装用シートは、上記の如く無延伸シートであっても、さらに一軸又は二軸方向に延伸してなる延伸シートであってもよい。但し、成形性の観点から、無延伸シートであるのが好ましい。
<本医薬包装用シートの用途>
本医薬包装用シートは、例えば真空成形、圧空成形、圧空真空成形、プレス成形、その他の熱成形によって、各種形状の成形体に形成することができ、例えば、包装用成形体、特に、防湿性、成形性、透明性に優れているため、プレススルーパッケージ用シートとして使用する、つまり、PTP用底材として利用することができる。PTP(プレススルーパッケージ)とは、「錠剤やカプセルを入れるための凹部(ポケット)を備えたシート状の底材と、当該凹部を密閉するシート状の蓋材からなり、凹部を押して開けて錠剤などを取り出すことができる包装材」である。
PTP用底材には、ポケット部を構成する突出成形部(「凹部」とも称する)を形成することができる。
当該凹部の内径・深さについては特に制限はないが、例えば直径5~20mm、深さ1~10mm、典型的な一例としては、直径約9mm、深さ約4mmである。
また、当該凹部を構成する側壁部の中央厚みは、該凹部を構成する天壁部(「底面部」とも称する)の中央厚みの30%~98%となることがある。
例えばPTP用底材を製造する場合には、本医薬包装用シートを加熱軟化させた後、例えば、プラグ成形、圧空成形、真空成形等の各種成型方法を施せばよい。
特に、本医薬包装用シートは、径の小さな突出成形部であっても、精度をもって成形可能であるから、プラグを用いた成形法に特に有用である。
プラグを用いた成形法の中でも、予備成形としてエアーアシストとプラグ成形を組み合わせたエアーアシストプラグ成形法、及び、圧空注入時に適切なタイミングでプラグを上昇及び下降させて成形性を補助するプラグ圧空成型法が好ましい。この中でも、肉厚コントロールの観点から、エアーアシストプラグ成形法が更に好ましい。
よって、例えば、PTP用底材の成形シートを製造する場合には、成形前に加熱板で本医薬包装用シートを加熱軟化させ、成形型にて当該シートを挟み、圧空を注入するともに、プラグを上昇および下降させて、成形型の凹型に沿わせてシート面内に多数のポケット部(例えば、直径約9mm、深さ約4mm)を成形するようにすればよい。
また、前記の熱成形を施すと共に、シート表面、あるいは、裏面又は両面にアルミ箔、アルミ蒸着フィルム、プラスチックフィルム(例えば二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム)などを積層することも可能である。なお、シート表面或いは裏面又は両面にアルミ箔や前記各種フィルムなどを積層して複合シートを形成した後、これを熱成形することも可能である。
さらにまた、製品の意匠性や二次加工性等を高める目的で、シート表面にエンボス加工や、艶消し加工等の加工を行ってもよい。この場合、一旦鏡面状のシートを作成してからエンボスロールや艶消しロールで加工を施すようにしても、押出成形の際にキャストロールをエンボスロールや艶消しロールに変更して成形するようにしてもよい。本発明の趣旨を損なわない限り、シート表面に帯電防止剤、シリコーン、ワックスなどをコーティングすることも、傷付着防止などの目的で表面保護シートを用いて皮膜を形成することも、印刷層を設けることも可能である。なお、印刷層の形成手段は現在公知の任意の手段を採用可能である。
上記のようにして製造されるPTP用底材は、蓋材と組み合わされることにより、PTPとすることができる。
前記蓋材としては、一般的にPTPに使用される材料、例えば、アルミニウム箔やフィルム等、従来公知のものを用いることができる。また、PTPの内容物は、錠剤やカプセル剤等、ポケット部に収納できるものであれば、特に限定されない。
<語句の説明>
本発明においては、「フィルム」とも称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」とも称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本明細書において「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
本発明は、以下の実施例により更に説明される。実施例はいかなる方法でも本発明を限定することを意図するものではない。
なお、下記において、押出機からのフィルム乃至シートの流れ方向をMD又は縦方向、その直交方向でかつフィルム面方向に平行な方向をTD又は横方向と呼ぶ。
(1)貯蔵弾性率
各実施例、比較例で得られた積層シートから5mm×8cmの試験片(厚み250μm)を切り出し、測定試料として得た。その測定試料を用いて、JIS K7244-4:1999に準拠して、粘弾性スペクトロメーター「DVA-200(アイティー計測制御株式会社製)」を用い、周波数1Hz、歪み0.1%、温度範囲20~400℃、加熱速度3℃/minで昇温させ、120℃の貯蔵弾性率(G’(120℃))と130℃の貯蔵弾性率(G’(130℃))を測定した。
また、120℃の貯蔵弾性率(G’(120℃))と130℃の貯蔵弾性率(G’
(130℃))の間の、温度変化に対する貯蔵弾性率の対数値の傾きは以下(1)式から算出した。
温度変化に対する貯蔵弾性率(対数値)の傾き
=[logG’(130℃)-logG’(120℃)]/(130-120) (1)
(2)全光線透過率・ヘーズ
JIS K7136:2000法に基づいて、実施例・比較例で得られた積層シート(サンプル)の全光線透過率および拡散透過率を、ヘーズメーターを用いて測定した。
得られた全光線透過率および拡散透過率からヘーズを以下の式で算出し、下記の基準で評価した。
[ヘーズ](%)=[拡散透過率]/[全光線透過率]×100
[評価基準]
○:ヘーズが40%以下
△:ヘーズが40%を超えて50%以下
×:ヘーズが50%を超える
(3)水蒸気透過率
JIS K7129-2:2019法に基づき、PERMATRAN W 3/31(MOCON製)を用いて、40℃、90%RHの雰囲気下において、実施例・比較例で得られた積層シート(サンプル)の水蒸気透過率を測定し、下記の基準で評価した。
[評価基準]
〇:水蒸気透過率が0.6g/m2/24h以下
△:水蒸気透過率が0.6g/m2/24hを超えて0.8g/m2/24h以下
×:水蒸気透過率が0.8g/m2/24hを超える
(4)プラグ成形性の評価
PTP用成形機(FBP-300E(CKD社製))を用いて、エアーアシストプラグ成形法により、実施例及び比較例で作製した積層シート(サンプル)にPTP成形を施した。すなわち、実施例及び比較例で作製した積層シート(サンプル)を加熱し軟化させた後、上型と下型との間に挟み、上部からのエアーアシストと下部からの凸形状のプラグの昇降によって、ポケットサイズΦ10mm、深さ4.5mmの条件で、シート面内に複数の凹部を形成した。
その後、該凹部が形成されたシート面に、内容物を充填せずに、20μm厚さのアルミ箔を用いて250℃で熱シールした。
さらに、底材シート側から深さ200μmになるようにスリットを入れた後、約40mm×約95mm、コーナーR=5mmのサイズ(40mmの方向がシートの縦方向)に打ち抜いて、PTP成形品を得た。
上記PTP成形品の製造において、PTP用成形装置におけるシート加熱板の温度を120~140℃の中、2℃間隔で変更してシートの成形を行い、得られた成形体について目視評価を行った。錠剤を収納するポケット天面やコーナー部等に潰れや変形や層間剥離が無く実用上支障のないレベルのPTP成形品が得られる温度の上限と、下限を求め、かかる温度範囲を適性に成形加工できる温度範囲とし、下記の評価基準により評価を行った。
[評価基準]
〇:上限と下限の温度範囲が5℃以上
×:上限と下限の温度範囲が5℃未満、もしくはポケット形状が形成できなかった場合
<原料>
次に、実施例・比較例で使用した原料について説明する。
〔ポリプロピレン系樹脂〕
(PP-1):ホモポリプロピレン(密度=0.900g/cm3、MFR=5.0g/10分、Mn=9×10、Mw=5×10、Mw/Mn=6)
(PP-2):ホモポリプロピレン(密度=0.900g/cm3、MFR=1.9g/10分、Mn=1×10、Mw=6×10、Mw/Mn=6)
〔ポリエチレン系樹脂〕
(PE-1):高密度ポリエチレン
(密度=0.953g/cm3、MFR=2.0g/10分(190℃測定)、Mn=3.19×10、Mw=2.94×10、Mw/Mn=9.2)
〔熱可塑性樹脂〕
石油樹脂:C9系石油樹脂の水素添加誘導体(密度=0.999g/cm3、軟化点=125℃)
〔結晶核剤〕
核剤:脂肪酸金属塩
ここで上記原料の物性は以下の方法にて測定したものである。
(密度)
JIS K7112:1999D法
(MFR)
JIS K7210:2014法
(Mn、Mw、Mw/Mn)
Malvern
Instruments社の高温GPCシステム(ViscotekトリプルディテクターHT-GPCモデルSGシステム)にて、使用溶媒:オルトジクロロベンゼン、測定温度:140℃、検出器RI(リファレンスフロー方式)、ポリスチレン換算分子量にて、算出した。
(軟化点)
JIS K2207:1996法
<実施例1>
第1の層形成用樹脂組成物として、(PP-2)、(PP-3)及び石油樹脂を混合質量比80:10:10の割合でドライブレンドした後、40mmφ単軸押出機を用いて230℃で混練した。
第2の層形成用樹脂組成物として、(PE-1)、(PP-2)、(PP-3)、石油樹脂及び核剤を、混合質量比62:2:18:18:2.5の割合でドライブレンドした後、40mmφ単軸押出機を用いて230℃で混練した。
第1の層、第2の層の厚みの積層比率が、第1:第2:第1=1:4:1となるように、各層をTダイより押出し、次いで約45℃のキャスティングロールにて急冷し、厚さ250μmの積層シート(サンプル)を作製した。
<実施例2~4、比較例1>
各層を形成するための樹脂組成物の原料配合組成を、表1に示すように変更した以外、実施例1と同様にして、積層シート(サンプル)を作製した。
実施例1~4で得た積層シート(サンプル)において、積層シート全体に占めるハロゲン含有化合物の割合は0質量%であった。
Figure 2023147891000001
実施例1~4で得た積層シート(サンプル)は、プラグ成形性に対して好適であり、径の小さな突出成形部であっても精度高く成形可能であり、PTPを製造するのに好適であった。また、実施例1~4で得た積層シート(サンプル)は、中間層としてポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂を含んでおり、良好な透明性と防湿性とを示すものでもあった。

Claims (17)

  1. ポリプロピレン系樹脂を50質量%以上含む第1の層と、樹脂を含む第2の層とを備え、
    下記式(1)で算出される、周波数1Hzのせん断モードで動的粘弾性測定により得られる、120℃の貯蔵弾性率(G’(120℃))と130℃の貯蔵弾性率(G’(130℃))の間の、温度変化に対する貯蔵弾性率の対数値の傾きが-0.045~0である、医薬包装用シート。
    温度変化に対する貯蔵弾性率(対数値)の傾き
    =[logG’(130℃)-logG’(120℃)]/(130-120) (1)
  2. 周波数1Hzのせん断モードで動的粘弾性測定により得られる、120℃の貯蔵弾性率(G’(120℃))が3.5×10~7.5×10Paである、請求項1に記載の医薬包装用シート。
  3. 周波数1Hzのせん断モードで動的粘弾性測定により得られる、130℃の貯蔵弾性率(G’(130℃))が1.5×10~5.0×10Paである、請求項1又は2に記載の医薬包装用シート。
  4. 前記第2の層は、ポリエチレン系樹脂を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬包装用シート。
  5. 前記第1の層が両最外層を構成している、請求項1~4のいずれか1項に記載の医薬包装用シート。
  6. 前記第2の層の厚さは、前記第1の層の厚さの100~1000%である、請求項1~5のいずれか1項に記載の医薬包装用シート。
  7. 前記第1の層に含まれるポリプロピレン系樹脂がホモポリプロピレンである、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬包装用シート。
  8. 前記第2の層がポリプロピレン系樹脂を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の医薬包装用シート。
  9. 前記第2の層に含まれるポリプロピレン系樹脂がホモポリプロピレンである、請求項8に記載の医薬包装用シート。
  10. 前記第1の層、前記第2の層のうち少なくとも一つの層が石油樹脂、テルペン樹脂、クロマン-インデン樹脂、ロジン系樹脂、およびこれらの水素添加誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の医薬包装用シート。
  11. 厚みが10μm~500μmである、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬包装用シート。
  12. 前記ポリエチレン系樹脂の密度は0.93~0.98g/cmである、請求項4~11のいずれか1項に記載の医薬包装用シート。
  13. ヘーズが50%以下である、請求項1~12のいずれか1項に記載の医薬包装用シート。
  14. 水蒸気透過率が0.8g/m/24h以下である、請求項1~13のいずれか1項に記載の医薬包装用シート。
  15. プレススルーパッケージ用シートとして使用する、請求項1~14のいずれか1項に記載の医薬包装用シート。
  16. 請求項1~15のいずれか1項に記載の医薬包装用シートを備えた、プレススルーパッケージ。
  17. 請求項1~15のいずれか1項に記載の医薬包装用シートをプラグ成形する、プレススルーパッケージの製造方法。
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