JP2023147170A - リードフレーム及び半導体パッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】強度が高くかつ切断時のバリの発生を抑制した帯状銅合金材を提供する。【解決手段】銅と、Siを0.1質量%超と、Niと、残部不可避不純物から成り、下記の方法で測定した0.2%耐力550MPa以上であり、かつ、下記の方法で測定した400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温まで低下したときの破断伸びが10%以下である帯状銅合金材である。【選択図】図2

Description

本発明は、電子材料などの電子部品の製造に好適に使用可能な帯状銅合金材及びその利用方法、帯状銅合金材を用いた半導体リードフレーム、半導体集積回路及び電子機器、並びにリードフレームを製造する方法及び帯状銅合金材をリードフレームとして使用する方法に関する。
半導体パッケージの製造方法として、従来は、個々のリードフレームの所定位置に半導体チップを配置し、リードフレームのリード部と半導体チップとを導線で接続して樹脂封止する手法が用いられてきた。一方、近年、生産効率の向上を目的として、MAP(Mold Alley Process)方式が開発されている。
このMAP方式では、図1に示すように、製品形状のリードフレームのリード部2,4が、コネクティングバー6を介して縦横に複数個繋がったリードフレーム素形体10xを用い、このリードフレーム素形体10xの所定位置にそれぞれ複数の半導体チップ102、104・・・を配置して各リード部2,4と電気的に接続するとともに、全体を一括して樹脂封止する。そして、コネクティングバー6と各リード部2,4との間の切断方向E1,E2を回転刃50によってダイシングして個片化し、個々の半導体パッケージ製品に切り分ける。
特に、MAP方式は、QFN(Quad Flat Non lead package)型半導体パッケージと称される、リードがはみ出ないリードレス構造に好適に適用される。
リードフレームにおいてはリードフレームの素材である銅合金の高強度化が要求され、銅合金の強度を向上させる技術が開発されている(特許文献1)。
特開2019-167612号公報
ところで、図2に示すように、ダイシングは、樹脂30で封止されたリード部2を樹脂30とともに切り分けるため、切断方向E1に沿う切断面は樹脂30にリード部2が含まれた形態である。そして、切断面のリード部2の切断方向E1下流側には、ダイシングバリ2aと称される形状不良がしばしば観察される。リード部2の先端のバリ2aがリード部2自身より大きく突出し、隣接するリード部に接触すると回路が短絡するおそれがある。
又、リード部2の幅W1は所定の設計幅W0からの許容差(例えば、許容差|W1-W0|が、W0の±10%以下)の範囲内に管理されることが求められる。しかし、リード部2の先端のバリ2aが大きくなると、その部位の幅W2が許容差を大きく超えてしまい、製品不良となる。
以上の点から、ダイシングバリを低減することが必要である。特に、電子部品の小型化にともない、リード部の幅および間隔は小さくなる傾向にあり、ダイシングバリを低減することがさらに要求される。
すなわち、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、高強度であり、かつ樹脂封止された状態における切断時のバリの発生を抑制できる帯状銅合金材及びその利用方法、帯状銅合金材を用いた半導体リードフレーム、半導体集積回路及び電子機器、並びにリードフレームを製造する方法及び帯状銅合金材をリードフレームとして使用する方法の提供を目的とする。
本発明者らは種々検討した結果、図2に示されるダイシングバリ2aは、リード部2と垂直な切断方向E1に回転刃を当ててダイシングする際のせん断力により、切断面のリード部2がその延在方向Lに対して垂直な切断方向E1に伸びることで形成されることを発見した。
さらに、リード部と垂直な切断方向にダイシングした際のバリの幅W2の設計幅W0に対する比率が、加熱処理を受けたときの銅合金素材そのものの破断伸びとほぼ同一であることを見出した。これは、例えば上記したQFN(Quad Flat Non lead package)型半導体パッケージのように、リード部が樹脂に拘束された状態で切断されるため、銅素材の引張試験と同じような機構が働くためと考えられる。
また、半導体パッケージ用に用いられるリードフレーム(以下、単に「半導体リードフレーム」とも記載する)として銅合金を用いる際、アイランドと半導体チップとを接合するダイアタッチの工程があり、ここでは、チップ表面にメッキ層を形成し、メッキ層とアイランドを重ねた状態で400℃程度の温度で加熱処理し、熱拡散により接合する。また、ダイアタッチの別の方法としてアイランドと半導体チップとをはんだ付けする方法もあるが、この場合もはんだ付け温度は、300℃以上である。従って、ダイシングバリの発生を抑制する観点から、銅合金に400℃で30分間の加熱を行った場合であっても、当該銅合金の破断伸びを低く制御することが必要であることが分かった。
すなわち、本発明の帯状銅合金材は、Siを0.1質量%超、1.8質量%以下と、Niを0.5質量%~4.5質量%と、残部銅及び不可避不純物から成り、下記の方法で測定した0.2%耐力が550MPa以上であり、かつ導電率が38.0%以上であり、400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置して室温まで低下させて下記の方法で測定したときの破断伸びが10%以下である帯状銅合金材である。
0.2%耐力の測定方法:
引張試験機により、JIS-Z2241(2011)に従い、圧延方向と平行な方向における0.2%耐力(YS)をそれぞれ測定する。引張方向が圧延方向と平行な方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製する。引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとする。繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を得られた試料の0.2%耐力とする。
400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温まで低下したときの破断伸びの測定方法:
引張方向が圧延方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製する。当該試験片を表面の酸化を防止するため、厚みが35μmのタフピッチ銅箔で試料を包装し、外気から遮断された試料について、大気雰囲気で400℃で30分間の加熱を行う。その後、大気雰囲気中で試験片を静置し、銅合金の温度を室温(25℃)まで低下させる。その後にJIS-Z2241(2011)に準拠して、JIS-Z2241(2011)に規定される破断伸び(%)を引張試験機により測定する。引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとする。繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を破断伸び(%)とする。
本発明の帯状銅合金材において、さらにSiと化合物を形成する一種以上の元素を含むことができ、前記Siと化合物を形成する一種以上の元素は、Co、Cr、Mn、Mg及びFeからなる群から選択される一種以上の元素であることが好ましい。
本発明の帯状銅合金材は、前記Siと化合物を形成する一種以上の元素を合計で0.5質量%以上含有することが好ましい。
本発明の帯状銅合金材は、前記Siと化合物を形成する一種以上の元素を合計で0.5~7.0質量%含有することが好ましい。
本発明の帯状銅合金材は、Sn、及び/又はZnを含有することが好ましい。
本発明の帯状銅合金材は、Ni:2.2~4.2質量%、Si:0.25~1.2質量%、Pb:0.1質量%未満、Zn:1.0質量%未満、Fe:0.20質量%未満、Mn:0.10質量%未満、Mg:0.05~0.30質量%を含有し、残部Cu及び不可避的不純物からなるCu-Ni-Si系銅合金であることが好ましい。
本発明の帯状銅合金材は、以下の方法で測定した引張強さが800MPa以上であることが好ましい。
引張強さの測定方法:
引張試験機により、JIS-Z2241(2011)に従い、圧延方向と平行な方向における引張強さ(TS)を測定する。その際、引張方向が圧延方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製する。引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとする。繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を得られた試料の引張強さ(TS)とする。
本発明の帯状銅合金材の利用方法はMAP方式で製造される半導体パッケージに用いられる。本発明の半導体リードフレームは前記帯状銅合金材からなる。本発明の半導体集積回路は、前記半導体リードフレームを備えてなる。
本発明の電子機器は、前記半導体集積回路を用いてなる。
本発明のリードフレームを製造する方法は、Siを0.1質量%超、1.8質量%以下と、Niを0.5質量%~4.5質量%と、残部銅及び不可避不純物から成り、0.2%耐力550MPa以上、かつ導電率が38.0%以上、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温まで低下したときの伸びが10%以下である帯状銅合金材を用いてリードフレームを製造する方法である。
本発明の帯状銅合金材をリードフレームとして使用する方法は、Siを0.1質量%超、1.8質量%以下と、Niを0.5質量%~4.5質量%と、残部銅及び不可避不純物から成り、0.2%耐力550MPa以上、かつ導電率が38.0%以上、400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温まで低下したときの伸びが10%以下である帯状銅合金材をリードフレームとして使用する方法である。
本発明によれば、高強度であり、かつ樹脂封止された状態における切断時のバリの発生を抑制した帯状銅合金材が得られる。
MAP方式で半導体パッケージを製造する方法を示す図である。 図1のリード部付近の部分拡大図である。 実施例1及び比較例1の試料の、(引張強さ/導電率)の比と、400℃30分加熱後に、大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した場合の破断伸びとの関係を示す図である。
本発明の実施形態における銅合金として銅を主として含む合金を用いることができる。また、本発明の実施形態における銅合金としては、コルソン合金を用いることができる。
コルソン合金は典型的にはSiと、Siと化合物を形成する元素(例えば、Ni、Co及びCrの何れか一種以上)とを含む銅合金をいう。コルソン合金に対して溶体化処理ならびに時効処理を行った場合、Siと、Siと化合物を形成する元素とは化合物を形成し、当該化合物は母相中に第二相粒子として析出する。なお、「Siと化合物を形成する元素」とは、Siと当該元素とに関する状態図(二元系状態図であってもよく、三元系状態図など、多元系の状態図であってもよい)などにおいて、Siと当該元素との間に化合物が存在することが確認できる元素のことをいう。「Siと化合物を形成する元素」は、銅との状態図が存在する元素であることが好ましい。銅合金中に当該元素を多く含ませることができる可能性があるためである。「Siと化合物を形成する元素」は、例えばNi,Co,Cr,Mn,Mg,Feなどである。
また、「Siと化合物を形成する元素」は、銅に固溶する元素であることが好ましい。銅合金中に当該元素を多く含ませることができる可能性があるためである。銅に固溶する元素としては例えばNi, Co, Cr,Mn,Mg,Feなどが挙げられる。また、「Siと化合物を形成する元素」は金属元素であってもよい。本発明の実施形態における銅合金はSiを0.1質量%超含有することが好ましい。
本発明の実施形態における銅合金はSiを1.8質量%以下含有することができる。
本発明の実施形態における銅合金はSiと化合物を形成する元素の一種以上を合計で0.5質量%以上含有することが好ましい。
本発明の実施形態における銅合金はSiと化合物を形成する元素の一種以上を合計で7.0質量%以下含有することができる。
本発明の実施形態における銅合金はCo,Cr,Mn,Mg及びFeからなる群から選択される一種以上の元素を合計で0.5質量%以上含むことができる。
本発明の実施形態における銅合金はCo,Cr,Mn,Mg及びFeからなる群から選択される一種以上の元素を合計で7.0質量%以下含むことができる。
一例としてコルソン合金は、銅とSiと、Ni、Co及びCrからなる群から選択される一種以上の元素を含む合金である。別の一例として、コルソン合金はNiを0.5~4.5質量%、Siを0.1質量%超~1.4質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物から構成される組成を有する。別の一例として、コルソン合金はNiを0.5~4.5質量%、Siを0.1質量%超~1.4質量%、Crを0.03~0.5質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物から構成される組成を有する。
更に別の一例として、コルソン合金はNiを0.5~4.5質量%、Siを0.1質量%超~1.4質量%、Coを0.5~2.5質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物から構成される組成を有する。
更に別の一例として、コルソン合金はNiを0.5~4.5質量%、Siを0.1質量%超~1.3質量%、Coを0.5~2.5質量%、Crを0.03~0.5質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物から構成される組成を有する。
更に別の一例として、コルソン合金は後述するCu-Ni-Si系銅合金の組成を有する。
コルソン合金には随意にその他の元素(例えばSn、Znなど)が添加されてもよい。これらその他の元素は総計で5.0質量%程度まで添加するのが一般的である。例えば、更に別の一例として、コルソン合金はNiを0.5~4.5質量%、Siを0.1~1.4質量%、Snを0.01~2.0質量%、Znを0.01~2.0質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物から構成される組成を有する。
以下、本発明の実施形態の1つであるCu-Ni-Si系帯状銅合金材について説明する。なお、本発明の合金組成における%とは、特に断らない限り、質量%を示すものとする。
まず、帯状銅合金材の組成について説明する。本発明の実施形態に係るCu-Ni-Si系帯状銅合金材は、Ni:2.2~4.2質量%、Si:0.25~1.2質量%、Pb:0.1質量%未満、Zn:1.0質量%未満、Fe:0.20質量%未満、Mn:0.10質量%未満、Mg:0.05~0.30質量%を含有し、残部Cu及び不可避的不純物からなる。
<Ni及びSi>
Ni及びSiは、時効処理を行うことによりNiとSiが微細なNiSiを主とした金属間化合物の析出粒子を形成し、合金の強度を著しく増加させる。また、時効処理でのNiSiの析出に伴い、導電性が向上する。
Ni濃度が2.2%以上の場合、またはSi濃度が0.25%以上の場合は、所望とする強度が得られやすくなる。また、Ni濃度が4.2%以下の場合、またはSi濃度が1.2%以下の場合は、導電性が良好となりやすい。よって、Niの含有量を2.2~4.2%とし、Siの含有量を0.25~1.2%とする。好ましくは、Niの含有量を2.2~3.2%とし、Siの含有量を0.4~0.6%とする。
Ni(質量%)/Si(質量%)の比が3~5であることが好ましい。
<その他の元素>
Pbは、熱間加工性向上の観点から0.1質量%未満とすることが好ましい。
Znは、はんだ耐熱剥離特性を改善する元素であり、1.0質量%未満とすることで、導電性も良好となりやすい。
Feは、強度に寄与する元素であり、0.20質量%未満とすることで、導電性も良好となりやすい。
Mnは、熱間加工性を改善する元素であり、0.10質量%未満とすることで、導電性も良好となりやすい。
Mgは、強度に寄与する元素であり、0.30質量%以下とすることで、導電性も良好となりやすい。また、0.05質量%以上とすることでより強度を向上させることができる。
<組成の測定>
帯状銅合金材の組成は蛍光X線分析により測定できる。具体的には、蛍光X線分析はリガク社製Simultix14を使用し測定する。
分析面は表面最大粗さRz(JIS-B0601(2013)が6.3μm以下となるように切削もしくは機械研磨したものを用いればよい。溶解鋳造中の溶湯から分析サンプルを採取する場合は30~40mmΦ、厚み50~80mm程度の形状に鋳込んだのち、厚み10~20mm程度に切断したのち切断面を分析面とする。
分析面は表面最大粗さRz(JIS-B0601(2013))が6.3μm以下になるまで切削もしくは機械研磨を繰り返す。
なお、帯状銅合金材の組成は蛍光X線による測定の他に湿式分析を用いても良い。Niは銅分離ジメチルグリオキシム重量法(JIS-H1056(2003))を用いてよく、Siは二酸化けい素重量法(JIS-H1061(2006))を用いてよい。その他添加元素および不純物元素はICP発光分光分析法を用いてもよい。
具体的には、日立ハイテクサイエンス社製ICP発光分光分析装置(ICP-OES)SPS3100を用いて測定を行う。ICP発光分光分析法の場合はサンプルを塩酸と硝酸による混酸(塩酸2,硝酸1,水2)にて溶解したものを希釈して用いる。ICP発光分光分析法における各元素の一般的な測定方法としては後述のJIS規格を参考にしても良い。具体的には、FeはJIS-H1054(2002)、PbはJIS-H1053(2009)、SnはJIS-H1052(2010)、PはJIS-H1058(2013)、ZnはJIS-H1062(2006)、CoはJIS-H1060(2002)、MnはJIS-H1055(2003)に従ってICP発光分光分析を実施すればよい。
<0.2%耐力>
本発明の銅合金は、JIS-Z2241(2011)に規定する0.2%耐力が550MPa以上である。0.2%耐力が550MPa未満であると、リードフレームを製造する際、エッチング時のスプレー圧によりリード部分が変形する場合がある。また、半導体パッケージに加工する際、ワイヤーボンディング部からの圧力や樹脂を金型に埋め込む際に圧力がかかり、リード部が変形する場合がある。
リード部分の変形をより抑制する観点からは0.2%耐力は630MPa以上が好ましく、750MPa以上がさらに好ましい。
なお、引張試験機により、JIS-Z2241(2011)に従い、JIS-13B号試験片につき、引張速度(ゲージ長さ50mm、引張速度5mm/min)で、圧延方向と平行な方向における0.2%耐力(YS)を繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均とする。
<破断伸び>
本発明の実施形態に係る銅合金は、表面の酸化を防止する雰囲気(アルゴン、窒素等の非酸化性ガス;又は、アルゴン若しくは窒素等のガスに水素等のガスを混合した還元性ガス)中、もしくは酸化防止のため35μmの銅箔にて包装し、外気から遮断されたものを大気雰囲気中で400℃で30分加熱後、静置して、銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で0.2%耐力を測定する際の引張試験を実施し、破断したときの伸びが10%以下である。ここで、伸びとはJIS-Z2241(2011)に規定される破断伸び(%)のことを意味する。なお、JISの付属書G及びHは適用していない。
破断伸びが10%以下であると、本発明の実施形態に係るCu-Ni-Si系銅合金から製造した半導体リードフレームにおいて、樹脂によって封止されたリード部をその延在方向に対して垂直な方向に切断したときのバリ(ダイシングバリ)の発生を抑制することができる。
ここで、400℃で30分加熱後の伸びとする理由は、上述のようにリード部と半導体チップとを電気的に接続する方法として、最も高温となる熱拡散法の温度(400℃程度)を想定したものである。
又、破断伸びの上限を10%とする理由は、既に述べたように、リード部のダイシングバリの切断方向への突出量の設計幅に対する比率が、リード部を想定して熱処理(400℃で30分)を受けた帯状銅合金材の伸びとほぼ同一と考えられるからである。
つまり、帯状銅合金材の伸びの上限を10%とすれば、帯状銅合金材から製造した半導体リードフレームにおけるリード部のダイシングバリの幅W2(図2)を、リード部の設計幅W0からの許容差(±10%)以下とすることができる。
破断伸びの測定は、繰り返し回数N=2(2個の試験片)引張試験にて、破断したときの伸び(JIS Z2241(2011)に規格される破断伸び(%))の2つのデータの平均とする。
<引張強さTSと導電率>
本発明の実施形態に係る帯状銅合金材は、引張強さTSが800MPa以上であることが好ましい。引張強さTSを800MPa以上とすると強度がより向上し、リードフレームの変形等を防止できる。
半導体素子の高機能化に伴う処理能力の増大等により、リードフレーム等の回路の通電発熱が増大するので、帯状銅合金材の導電率を30%IACS以上とすることが好ましく、40%IACS以上とすることがより好ましい。また、400℃で30分加熱後の破断伸びを抑制するため、導電率を51%IACS以下とすることが好ましく、47%IACS以下とすることがより好ましく、43%IACS以下とすることがさらに好ましい。
例えば、導電率の好適範囲としては、30~51%IACS、30~47%IACS、30~43%IACS、40~51%IACS、40~47%IACSが挙げられる。
本発明の実施形態の帯状銅合金材は、条、板、箔などの形態で用いることができる。ここで、「帯状」とは幅があって細長い形、矩形、長方形、正方形および四辺形等を含む概念である。
<帯状銅合金材の製造>
帯状銅合金材は、通常、インゴットを熱間圧延、冷間圧延、溶体化処理、時効処理、仕上冷間圧延、歪取焼鈍の順で行って製造することができる。溶体化処理前の冷間圧延は必須ではなく、必要に応じて実施してもよい。また、溶体化処理後で時効処理前に冷間圧延を必要に応じて実施してもよいし、溶体化処理と時効処理をそれぞれ2回以上行ってもよい。上記各工程の間に、表面の酸化スケール除去のための研削、研磨、ショットブラスト、酸洗、脱脂等を適宜行うことができる。
溶体化処理は、Ni-Si系化合物、Co-Si系化合物、Cr-Si系化合物などのシリサイド(珪化物)をCu母地中に固溶させ、同時にCu母地を再結晶させる熱処理である。溶体化処理を、熱間圧延で兼ねることもできる。
時効処理は、溶体化処理で固溶させたシリサイドを、NiSi、CoSi、CrSiなどを主とした金属間化合物の微細粒子として析出させる。この時効処理で強度と導電率が上昇する。時効処理は、例えば375~625℃、1~50時間の条件で行うことができ、これにより強度を向上させことができる。
時効処理の温度や時間が上記範囲未満であると、NiSi、CoSi、CrSiなどのシリサイドの析出量が少なく十分な強度(引張強さや0.2%耐力など)が得られないことがある。時効処理の温度や時間が上記範囲を超えると、析出粒子の粗大化や再固溶が起こり、強度や導電率が十分に向上しないことがある。なお、時効処理の温度や時間が上記範囲を超える場合においては時効時間が短いと、引張強さは高いが導電率は低い傾向にあり、時効温度が高いと、再固溶により引張強度、導電率ともに低い傾向にある。
<仕上冷間圧延>
次に、時効処理の後に冷間圧延(仕上冷間圧延)を加工度40%以上で行うとよい。仕上冷間圧延によって材料に加工歪を与え、強度を向上させることができる。
仕上冷間圧延の加工度が40%未満であると、強度を十分に向上させることが困難な場合がある。仕上冷間圧延の加工度は40~90%が好ましい。加工度が90%を超えると、強加工の加工歪により強度が向上しても導電率が低下する場合がある。
仕上冷間圧延の加工度は、仕上冷間圧延の直前の材料厚みに対する、仕上冷間圧延による厚みの変化率である。
本発明のCu-Ni-Si系帯状銅合金材の厚みは特に限定されないが、例えば0.03~0.6mmとすることができる。
<歪取焼鈍>
仕上冷間圧延の後に歪取焼鈍を行う。歪取焼鈍は一般的な条件で行えばよく、例えば300℃~550℃、保持時間を5秒~300秒で行うことができる。但し、歪取焼鈍後、大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した伸びが10%未満、好ましくは7%以下、より好ましくは5%以下となる条件とする。仕上冷間圧延の後に歪取焼鈍において温度をより低くする、または、時間をより短くすることにより歪取焼鈍後、大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した破断伸びをより小さくすることができる。上述のように、歪取焼鈍後、大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した破断伸びを制御することにより、銅合金の400℃で30分間加熱後に、大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した場合の破断伸びを10%以下に制御しやすくなる。
また、歪取焼鈍の条件は、温度または時間の範囲を満たすだけでなく、以下に留意し温度と時間の組み合わせを選定することが好ましい。
一般的な歪取焼鈍は、応力緩和特性、曲げ性、伸び、熱伸縮特性の向上又は残留応力の低減を目的として行われるが、最適な条件は、目的ごとに異なる。本発明の実施形態では、一般的な応力緩和特性、曲げ性、伸び、熱伸縮特性を改善、向上又は残留応力の低減する点からは不利な条件であっても、歪取焼鈍後、大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した破断伸びが10%未満、好ましくは7%以下、より好ましくは5%以下となるような条件とする。
また、歪取焼鈍において、焼鈍温度を低くし、および/または、時間を短くすることで、析出物の粗大化を抑制することが重要である。そのため、析出物の成長の程度を評価・制御する指標として、歪取焼鈍前と歪取焼鈍後との破断伸びの差ΔEL(=歪取焼鈍後の破断伸び(%)-歪取焼鈍前の破断伸び(%))を用いる。なお、歪取焼鈍前の破断伸びについても銅合金の温度が室温(25℃)の状態で室温にて測定を行った。
ΔELを3.0%以下とすることで、歪取焼鈍における析出物の粗大化を低減することができる。それによって、400℃30分加熱したときの析出物の粗大化を低減し、400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定したときの破断伸びを10%以下に制御することができる。
以下の内容を指針として、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した破断伸びが10%以下である銅合金を製造することができる。
後述する表1、図3から、(引張強さ/導電率)すなわち、引張強さ(MPa)を導電率(%IACS)で割った値と、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した破断伸びとの間に相関がみられた。引張強さは、強度の向上や加熱による軟化防止に寄与する微細な析出物や銅に固溶している元素がどの程度銅合金中に存在するかの指標となる。
すなわち、引張強さが高いと強度の向上や加熱による軟化防止に寄与する微細な析出物や、銅に固溶している元素が多いと推定できる。また、引張強さが低いと強度の向上や加熱による軟化防止に寄与する微細な析出物や、銅に固溶している元素が少ないと推定できる。
よって、引張強さが高い場合には、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した破断伸びが小さくなる傾向にある。また、引張強さが低い場合には、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した破断伸びが大きくなる傾向にある。
また、導電率は銅合金の母相の銅中にどの程度銅以外の元素が固溶しているかの指標となる。導電率が低いと、銅以外の元素が多く固溶していると推定できる。
また、導電率が高いと、銅以外の元素が少なく固溶していると推定できる。そして、銅以外の元素が多く固溶していると、格子歪が大きくなり、延性が低下し、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した破断伸びの値が小さくなる傾向にある。銅以外の元素が少なく固溶していると、格子歪は小さくなり、延性が向上し、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した破断伸びの値は大きくなる傾向にある。
以上より、引張強さ/導電率の値が大きいほど、軟化防止に寄与する微細な析出物が多く、また、銅合金中に固溶している銅以外の元素の量が多いことを意味するため、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した場合の破断伸びの値は小さくなる傾向にある。
また、引張強さ/導電率の値が小さいほど、軟化防止に寄与する微細な析出物が少なく、また、銅合金中に固溶している銅以外の元素の量が少ないことを意味するため、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した場合の破断伸びの値は大きくなる傾向にある。
そのため、引張強さ/導電率の値を、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した破断伸びを制御するための指標として使用することができる。ただし、引張強さ/導電率をどの値以上とすれば、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した場合の破断伸びの値が10%以下となるかは、合金の組成や、溶体化処理後の各工程の順番や回数(すなわち、溶体化処理後の時効処理、歪取焼鈍などの順番や回数)によって異なる。
そのため、まず、合金の組成や、溶体化処理後の各工程の順番や回数を固定して1度銅合金の製造を行い、引張強さ/導電率の値と、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した破断伸びの値を測定する必要がある。その後、所望の400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した破断伸びを得るために、引張強さ/導電率の値を大きくするのか、小さくするのかの方針を決定する。
そして、当該方針に従って、引張強さ/導電率の値を調整するために、後述の内容を参考にして、仕上冷間圧延または時効処理の条件を調整して、引張強さ/導電率の値を大きく、または、小さくする。そして、引張強さ/導電率の値を大きく、または、小さくすることにより、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した破断伸びの値を所望の値に制御することができる。
引張強さおよび0.2%耐力は仕上冷間圧延および溶体化処理後の時効処理によって調整される。仕上冷間圧延の加工度が低いと、引張強さおよび0.2%耐力が低くなる。時効処理が弱い(より低温、より短時間)と、引張強さおよび0.2%耐力が高くなる場合がある。
又、導電率は時効処理によって調整され、時効処理が弱い(より低温、より短時間)と、導電率が低くなる場合がある。
なお、図3は実施例1と比較例1の試料の、(引張強さ/導電率)の比と、400℃30分加熱後に、大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した場合の破断伸びとの関係を示す図である。これらはNiが2.3質量%、Siが0.5質量%、Pbが0.001質量%、Znが0.02質量%未満、Feが0.02質量%、Mn:0.005質量%未満、Mgが0.1質量%、残部がCuおよび不可避的不純物から成る組成の銅合金で共通しており、実施例1及び比較例1は溶体化処理後、時効処理、仕上冷間圧延、歪取焼鈍、をこの順に行った。すなわち、実施例1と比較例1は溶体化処理後の工程の順番、回数において共通する。なお、各試料の配合は上述する蛍光X線分析にて測定した。
それぞれの銅合金についての、(引張強さ/導電率)の値と、400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に室温で測定した破断伸びとの関係を示す図3より、当該組成の銅合金を溶体化処理後に時効処理、仕上冷間圧延、歪取焼鈍の工程で製造する場合には、(引張強さ/導電率)の値を概ね15以上に調整することにより、400℃30分加熱後大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温(25℃)まで低下した後に測定した破断伸びを10%以下にすることができることがわかる。
一方で、組成が異なる場合や、溶体化処理後の各工程の順番や回数が異なる場合には、(引張強さ/導電率)を横軸、400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定した破断伸びの値を縦軸としてプロットした場合のグラフの傾きは、図3の傾きとは異なることが想定される。また、400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に25℃で測定した破断伸びを10%以下に制御することができる(引張強さ/導電率)の値も異なると想定される。
そのため、銅合金の組成や、溶体化処理後の各工程の順番や回数が異なる場合には、別途、図3と同様な図を作成する必要がある。
ここで、溶体化処理後の各工程の順番や回数が異なる場合に別途図を作成する必要がある、すなわち溶体化処理後の各工程の順番や回数が同じであれば別途図を作成する必要がない、とするのは、溶体化処理により銅合金中に析出している化合物が固溶するためである。溶体化処理によって、一旦、化合物や元素の固溶状態が所定の状態、すなわち、銅合金の大部分がα相(Cuに添加元素が固溶している相)に戻るためである。溶体化処理の後に、時効処理や、圧延加工をすることによって、所定の微細な析出物の析出状態や、所定元素が銅合金中に固溶している元素の状態となり所定の特性が得られる。
実施例1及び比較例1の試料を上述の組成及び工程にて作製し、厚み0.15mmの銅合金板を製造した。
実施例1と比較例1の各工程における製造条件の違いは以下のとおりである。
実施例1は、溶体化処理後の時効処理にて導電率を40%IACS以上になるように温度及び時間を上述の条件内で調整した。ここで、実施例1は、引張強さが高く、導電率が低くなるよう、比較例1に比べ時効温度を低く設定した。
実施例1は、仕上冷間圧延にて、0.2%耐力が550MPa以上になる加工度を設定した。ここで、比較例1は、引張強さが低く、導電率が高くなる時効温度であったため、比較例1の仕上冷間圧延では、実施例1に比べ加工度を高く設定した。
又、仕上冷間圧延後の歪取焼鈍は、表1に記載のΔELの条件で行った。
<導電率(%IACS)>
得られた試料につき、JIS-H0505(1975)に基づいて4端子法により、25℃の導電率(%IACS)を測定した。
<引張強さ(TS)>
得られた試料につき、引張試験機により、JIS-Z2241(2011)に従い、圧延方向と平行な方向における引張強さ(TS)をそれぞれ測定した。まず、各試料から、引張方向が圧延方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製した。引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとした。繰り返し回数N=2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を得られた試料の引張強さ(TS)とした。
<0.2%耐力(YS)>
得られた試料につき、引張試験機により、JIS-Z2241(2011)に従い、圧延方向と平行な方向における0.2%耐力(YS)をそれぞれ測定した。
まず、各試料から、引張方向が圧延方向と平行な方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製した。引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとした。繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を得られた試料の0.2%耐力とした。
<破断伸び>
まず、各試料から、引張方向が圧延方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製した。当該試験片の表面の酸化を防止するため、厚みが35μmのタフピッチ銅箔で試料を包装し、外気から遮断された試料について、大気雰囲気で400℃で30分間の加熱を行った。
その後、大気雰囲気中で試験片を静置し、十分に銅合金の温度を室温(25℃)まで低下させた。その後にJIS-Z2241(2011)に準拠して、JIS-Z2241(2011)に規定される破断伸び(%)を引張試験機により測定した。
引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとした。繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を得られた試料の400℃で30分間加熱後に室温まで冷却して測定した場合の破断伸び(%)とした。なお、JIS-Z2241(2011)の付属書GおよびHは適用しなかった。
<ダイシングバリの有無>
得られた試料につき、所定寸法のリード部を作成して樹脂に埋設し、所定の丸刃を用いてリード部の延びる方向に垂直にダイシングした。バリの寸法が顧客基準を満たしている場合には良好、顧客基準を満たしていない場合には不良とする。なお、リードフレームにおいて要求される寸法精度等を考慮すると、バリ寸法がリード部の幅の10%以下であればダイシングバリは良好に抑制されているといえる。そのため顧客基準も、バリ寸法がリード部の幅の10%以下である場合には良好と判断し、バリ寸法がリード部の幅の10%超である場合には不良と判断するものであると思われる。
得られた結果を表1、図3に示す。
Figure 2023147170000002
表1から明らかなように、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定した破断伸びが10%以下である実施例1の場合、ダイシングバリの評価は良好となった。
一方、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定した破断伸びが10%を超えた比較例1の場合、ダイシングバリが生じた。
ここで、実施例1は、ΔELの値が小さい条件での歪取焼鈍を行ったため歪取焼鈍前と歪取焼鈍後とで、破断伸びはほぼ同レベルで、歪取焼鈍による破断伸びの増加はほとんど認められなかったと共に、破断伸びの値も5%未満と低かった。
一方、比較例1は、ΔELの値が大きい条件での歪取焼鈍を行ったため歪取焼鈍前の伸びが10%未満であったが、歪取焼鈍後の時点で破断伸びが大幅に高くなり、ほぼ10%のレベルに達した。これより、比較例1は、加熱により破断伸びが高くなりやすい性質を顕著に有することが明らかになった。原因として、比較例は、(引張強さ/導電率)の比が実施例1より小さいために、歪取焼鈍および400℃で30分加熱といった加熱により塑性変形能が高くなりやすい特性を持つと考えられる。
なお、比較例1の400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で0.2%耐力を測定する際の引張試験で測定した破断伸びが大きくなりやすいのは、時効処理を実施例に比べ高温で行った結果、加熱における軟化を防止するのに有効な析出粒子が粗大化し、加熱により軟化し易くなったためと考えられる。
また、仕上げ冷間の加工度を高くしたことにより、その後の加熱処理で軟化しやすくなったと考えられる。
なお、図3より、Niが2.3質量%、Siが0.5質量%、Pbが0.001質量%、Znが0.02質量%未満、Feが0.02質量%、Mn:0.005質量%未満、Mgが0.1質量%、残部がCuおよび不可避的不純物から成る組成の銅合金を、溶体化処理後、時効処理、仕上冷間圧延、歪取焼鈍、をこの順に行って製造した銅合金については(引張強さ/導電率)の比を概ね15以上に調整することにより、400℃30分後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びを10%以下にすることができる。

次に、実施例1および比較例1のデータに基づき、種々の製造条件および銅合金組成における特性を推定し、実施例2~5として表1に示す。時効処理の温度を実施例1よりも高く、比較例1よりも低くした場合の実施例として実施例2が得られる。但し、この比は、銅合金の組成、製造工程の順番や回数等により異なるので、銅合金の組成や、溶体化処理後の製造工程の順番や回数が異なる場合には、それぞれに実験を行ってこの比を求める必要がある。
実施例2につき、時効処理の温度を実施例1よりも高く、比較例1よりも低くした場合、実施例1よりも、NiとSiとの化合物である析出粒子が一部粗大化するため、強度に寄与しなくなるため、引張強さ、0.2%耐力は実施例1よりも低い値となる。
一方で、比較例1ほどはNiとSiとの化合物である析出粒子が粗大化しないため、比較例1よりは引張強さ、0.2%耐力は高い値となる。また、母相中に固溶していたNiとSiとが実施例1よりも多く析出し、比較例1よりはその析出量が少ないため、導電率は実施例1よりも高く、比較例1よりも低い値となる。
また、時効処理の温度を実施例1よりも高く、比較例1よりも低くした場合、実施例1よりも、NiとSiとの化合物である析出粒子が一部粗大化して、実施例1よりも軟化するため、400℃で30分間加熱後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びは、実施例1よりも大きい値となる。
一方で、比較例1ほどはNiとSiとの化合物である析出粒子が粗大化しないため、比較例1よりは軟化しない。そのため、400℃で30分間加熱後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びは、比較例1よりも小さい値となる。以上より、実施例1、比較例1の結果に基づいて得られる実施例2においては、上述のように時効処理の温度を調整して(引張強さ/導電率)の値を15に制御しているため、実施例2は400℃30分加熱した後に、大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びの値は9.5%となる。そして、実施例2は、400℃30分加熱した後に、室温までその温度を低下した後に室温(25℃)で0.2%耐力を測定する際の引張試験で測定する場合の破断伸びが9.5%であるので、ダイシングバリの発生メカニズムに基づくと、ダイシングバリは良好に抑制されていると推定される。
ここで、NiとSiとは金属間化合物を形成して銅合金中に析出する。そして、NiとSiの濃度が高いほどNiとSiとの金属間化合物が当該析出する量は増加する。NiとSiとの金属間化合物の析出量が増加すると、転位がNiとSiとの金属間化合物によって拘束されるため、延性は低下すると考えられる。
そうすると、実施例1よりもNiとSiとの濃度が高い銅合金については、実施例1と同様に製造した場合、実施例1よりも延性が低下するため、400℃30分加熱した後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びを測定すると、実施例1の伸び4.9%よりも小さい値となると考えられる。
また、Mgについては、銅合金中に固溶することで、格子歪が大きくなった結果、延性は低下すると考えられる。
そのため、実施例1の結果に基づいて得られるNi、Si及びMgの濃度が高い銅合金であって、Niが4.2質量%、Siが1.0質量%、Pbが0.05質量%、Znが0.1質量%、Feが0.03質量%、Mgが0.30質量%、残部がCuおよび不可避的不純物から成る組成の銅合金を用いて、実施例1と同様に銅合金を製造した例として実施例3が得られる。実施例3は400℃30分加熱した後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びは、実施例1の破断伸び4.9%よりも小さい値となり、ダイシングバリの発生メカニズムに基づくと、ダイシングバリは良好に抑制できると推定される。
Ni以外のSiと化合物を形成する元素もSiと金属間化合物を形成して銅合金中に析出する。そして、Siと化合物を形成する元素の合計濃度とSiの濃度が高いほど、Siと化合物を形成する元素とSiとの金属間化合物が析出する量は増加する。Siと化合物を形成する元素とSiとの金属間化合物の析出量が増加すると、転位がSiと化合物を形成する元素とSiとの金属間化合物によって拘束されるため、延性は低下すると考えられる。
そうすると、実施例1のNiの一部をNi以外のSiと化合物を形成する元素に置き換えて、且つ、Siと化合物を形成する元素の合計濃度が実施例1のNi濃度より高く、Si濃度が実施例1より高い銅合金については、実施例1と同様に製造した場合、実施例1よりも延性が低下するため、400℃30分加熱した後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びは、実施例1の伸び4.9%よりも小さい値となると考えられる。
そのため、実施例1の結果に基づいて得られるSiと化合物を形成する元素であるNi、Co、Crの合計濃度と及びSiの濃度が高い銅合金であって、Niが1.8質量%、Coが1.0質量%、Crが0.15質量%、Siが0.6質量%、残部がCuおよび不可避的不純物から成る組成の銅合金を用いて実施例1と同様に銅合金を製造した例として実施例4が得られる。
実施例4は400℃30分加熱した後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びは、実施例4の破断伸び4.9%よりも小さい値となり、ダイシングバリの発生メカニズムに基づくと、ダイシングバリは良好に抑制できると推定される。
さらに、実施例1の結果及び金属間化合物の析出粒子の形成メカニズムに基づくと、Niが1.6質量%、Siが0.35質量%、残部がCuおよび不可避的不純物から成る組成の銅合金を用いて実施例1と同様に銅合金を製造した例として実施例5が得られる。実施例1よりもNi,Siの添加量が少ないので実施例1よりも400℃30分加熱前の破断伸びは増加する傾向にある。一方でNi以外のSiとの化合物を形成する元素が入っていないので析出粒子が著しく粗大化する可能性は低い。そのため400℃30分加熱した後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びはそれほど大きくはならないと推定され、破断伸びは10.0%未満となり、ダイシングバリの発生メカニズムに基づくと、ダイシングバリは良好に抑制できると推定される。
なお、加熱処理後の銅合金の破断伸びに対する時効処理、仕上げ冷間圧延の関係については下記のことが本発明者らの研究により推察される。
時効処理の温度を上述の時効処理条件の範囲内において高くすると加熱における軟化を防止するのに有効な析出粒子が粗大化し、加熱により軟化し易くなり、400℃で30分間の加熱処理を行った後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びは大きくなると推察される。
すなわち、他の条件を同じにして時効処理の温度を低くした場合、400℃で30分間の加熱処理した後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びを低減することができると推察される。
したがって、本実施例1と他の条件を同じにして時効処理の温度を低くした場合、本実施例1より強度が向上したとしても400℃で30分間の加熱処理後後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びは10%以下とすることができると推察される。
また、時効処理の時間を上述の時効処理条件の範囲内において長くすると加熱における軟化を防止するのに有効な析出粒子が粗大化し、加熱により軟化し易くなり、400℃で30分間の加熱処理を行った後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びは大きくなると推察される。すなわち、他の条件を同じにして時効処理を短時間にした場合、400℃で30分間の加熱処理後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びを低減することができると推察される。
したがって、本実施例1と他の条件を同じにして時効処理を短時間にした場合、本実施例1より強度が向上したとしても400℃で30分間の加熱処理後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びは10%以下とすることができると推察される。
仕上げ冷間圧延の加工度については、仕上げ冷間圧延の加工度を高くすると歪が蓄積し、加熱処理で軟化しやすくなると考えられる。
すなわち、他の条件を同じにして仕上げ冷間圧延の加工度を低くした場合、400℃で30分間の加熱処理後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びを低減することができると推察される。
したがって、本実施例1と他の条件を同じにして仕上げ冷間圧延の加工度を低くした場合、本実施例より強度は落ちたとしても400℃で30分間の加熱処理後に大気雰囲気中で静置して十分に銅合金の温度が室温まで低下した後に室温(25℃)で測定する場合の破断伸びは10%以下とすることができると推察される。
以上のことから、所望する強度かつ加熱処理したときの銅合金の破断伸びを10%以下に維持できる銅合金を得ることができる。
本発明は、電子材料などの電子部品の製造に好適に使用可能な帯状銅合金材からなるリードフレーム及び半導体パッケージに関する。
すなわち、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、高強度であり、かつ樹脂封止された状態における切断時のバリの発生を抑制できる帯状銅合金材からなるリードフレーム及び半導体パッケージの提供を目的とする。
すなわち、本発明のリードフレームは、複数のリード部と、コネクティングバーとを備え、前記複数のリード部が前記コネクティングバーを介して繋がっているリードフレームであって、Siを0.1質量%超、1.8質量%以下と、Niを0.5質量%~4.5質量%と、さらに、Co、Cr、Mn、Mg及びFeからなる群から選択される一種以上の元素と、残部銅及び不可避不純物から成り400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置たときの破断伸びが10%以下である帯状銅合金材からなることを特徴とする。
400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温まで低下したときの破断伸びの測定方法:
引張方向が圧延方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製する。当該試験片を表面の酸化を防止するため、厚みが35μmのタフピッチ銅箔で試料を包装し、外気から遮断された試料について、大気雰囲気で400℃で30分間の加熱を行う。その後、大気雰囲気中で試験片を静置し、銅合金の温度を室温(25℃)まで低下させる。その後にJIS-Z2241(2011)に準拠して、JIS-Z2241(2011)に規定される破断伸び(%)を引張試験機により測定する。引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとする。繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を破断伸び(%)とする。
本発明のリードフレームにおいて、前記帯状銅合金材の0.2%耐力が550MPa以上であると好ましい。
0.2%耐力の測定方法:
引張試験機により、JIS-Z2241(2011)に従い、圧延方向と平行な方向における0.2%耐力(YS)をそれぞれ測定する。引張方向が圧延方向と平行な方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製する。引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとする。繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を得られた試料の0.2%耐力とする。
本発明のリードフレームにおいて、前記帯状銅合金材の導電率が30%以上であることが好ましく、前記帯状銅合金材の導電率が38.0%以上であることがさらに好ましい。
本発明の半導体パッケージは、前記リードフレームと、複数の半導体チップと、導線と、を備え、前記半導体チップが前記リード部と前記導線で電気的に接続されている。
本発明の半導体パッケージは、樹脂をさらに備え、前記リード部が前記樹脂で封止されていてもよい。
本発明の半導体パッケージにおいて、前記コネクティングバーと前記リード部との間をダイシングした場合に、前記リード部の幅W1は設計幅W0からの許容差|W1-W0|が、W0の±10%以下であってもよい。
すなわち、本発明のリードフレームは、複数のリード部と、コネクティングバーとを備え、前記複数のリード部が前記コネクティングバーを介して繋がっているリードフレームであって、Siを0.1質量%超、1.8質量%以下と、Niを0.5質量%~4.5質量%と、さらに、Co、Cr、Mn、Mg及びFeからなる群から選択される一種以上の元素と、残部銅及び不可避不純物から成り、400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置したときの破断伸びが10%以下であり、かつ0.2%耐力が550MPa以上である帯状銅合金材からなることを特徴とする。
0.2%耐力の測定方法:
引張試験機により、JIS-Z2241(2011)に従い、圧延方向と平行な方向における0.2%耐力(YS)をそれぞれ測定する。引張方向が圧延方向と平行な方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製する。引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとする。繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を得られた試料の0.2%耐力とする。
400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温まで低下したときの破断伸びの測定方法:
引張方向が圧延方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製する。当該試験片を表面の酸化を防止するため、厚みが35μmのタフピッチ銅箔で試料を包装し、外気から遮断された試料について、大気雰囲気で400℃で30分間の加熱を行う。その後、大気雰囲気中で試験片を静置し、銅合金の温度を室温(25℃)まで低下させる。その後にJIS-Z2241(2011)に準拠して、JIS-Z2241(2011)に規定される破断伸び(%)を引張試験機により測定する。引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとする。繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を破断伸び(%)とする。
すなわち、本発明のリードフレームは、複数のリード部と、コネクティングバーとを備え、前記複数のリード部が前記コネクティングバーを介して繋がっているリードフレームであって、Siを0.1質量%超、1.8質量%以下と、Niを0.5質量%~4.5質量%と、さらに、Co、Cr、Mn、Mg及びFeからなる群から選択される一種以上の元素と、残部銅及び不可避不純物から成り、400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置したときの破断伸びが10%以下であり、かつ0.2%耐力が550MPa以上、導電率が38.0%以上である帯状銅合金材からなることを特徴とする。
0.2%耐力の測定方法:
引張試験機により、JIS-Z2241(2011)に従い、圧延方向と平行な方向における0.2%耐力(YS)をそれぞれ測定する。引張方向が圧延方向と平行な方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製する。引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとする。繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を得られた試料の0.2%耐力とする。
400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温まで低下したときの破断伸びの測定方法:
引張方向が圧延方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製する。当該試験片を表面の酸化を防止するため、厚みが35μmのタフピッチ銅箔で試料を包装し、外気から遮断された試料について、大気雰囲気で400℃で30分間の加熱を行う。その後、大気雰囲気中で試験片を静置し、銅合金の温度を室温(25℃)まで低下させる。その後にJIS-Z2241(2011)に準拠して、JIS-Z2241(2011)に規定される破断伸び(%)を引張試験機により測定する。引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとする。繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を破断伸び(%)とする。

Claims (14)

  1. Siを0.1質量%超、1.8質量%以下と、
    Niを0.5質量%~4.5質量%と、
    残部銅及び不可避不純物から成り、
    下記の方法で測定した0.2%耐力が550MPa以上であり、かつ導電率が38.0%以上であり、400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置して室温まで低下させて下記の方法で測定したときの破断伸びが10%以下である帯状銅合金材。
    0.2%耐力の測定方法:
    引張試験機により、JIS-Z2241(2011)に従い、圧延方向と平行な方向における0.2%耐力(YS)をそれぞれ測定する。引張方向が圧延方向と平行な方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製する。引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとする。繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を得られた試料の0.2%耐力とする。
    破断伸びの測定方法:
    引張方向が圧延方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製する。当該試験片を表面の酸化を防止するため、厚みが35μmのタフピッチ銅箔で試料を包装し、外気から遮断された試料について、大気雰囲気で400℃で30分間の加熱を行う。その後、大気雰囲気中で試験片を静置し、銅合金の温度を室温(25℃)まで低下させる。その後にJIS-Z2241(2011)に準拠して、JIS-Z2241(2011)に規定される破断伸び(%)を引張試験機により測定する。引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとした。繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を破断伸び(%)とする。
  2. さらにSiと化合物を形成する一種以上の元素を含む請求項1に記載の帯状銅合金材。
  3. 前記Siと化合物を形成する一種以上の元素は、Co、Cr、Mn、Mg及びFeからなる群から選択される一種以上の元素である請求項2に記載の帯状銅合金材。
  4. 前記Siと化合物を形成する一種以上の元素を合計で0.5質量%以上含有する請求項2又は3に記載の帯状銅合金材。
  5. 前記Siと化合物を形成する一種以上の元素を合計で0.5~7.0質量%含有する請求項2~4のいずれか1項に記載の帯状銅合金材。
  6. Sn及び/又はZnを含有する請求項1~5のいずれか1項に記載の帯状銅合金材。
  7. Ni:2.2~4.2質量%、Si:0.25~1.2質量%、Pb:0.1質量%未満、Zn:1.0質量%未満、Fe:0.20質量%未満、Mn:0.10質量%未満、Mg:0.05~0.30質量%を含有し、残部Cu及び不可避的不純物からなるCu-Ni-Si系銅合金である請求項6に記載の帯状銅合金材。
  8. 以下の方法で測定した引張強さが800MPa以上である請求項1~7のいずれか1項に記載の帯状銅合金材。
    引張強さの測定方法:
    引張試験機により、JIS-Z2241(2011)に従い、圧延方向と平行な方向における引張強さ(TS)を測定する。その際、引張方向が圧延方向になるように、プレス機を用いてJIS13B号試験片を作製する。引張試験の条件は、試験片幅12.5mm、室温(25℃)、引張速度5mm/min、ゲージ長さ50mmとする。繰り返し回数N=2(2個の試験片)で試験を行い、2つのデータの平均値を得られた試料の引張強さ(TS)とする。
  9. MAP方式で製造される半導体パッケージに用いられる請求項1~8のいずれか1項に記載の帯状銅合金材の利用方法。
  10. 請求項1~8のいずれか1項に記載の帯状銅合金材からなる半導体リードフレーム。
  11. 請求項10に記載の半導体リードフレームを備えてなる半導体集積回路。
  12. 請求項11に記載の半導体集積回路を用いてなる電子機器。
  13. Siを0.1質量%超、1.8質量%以下と、Niを0.5質量%~4.5質量%と、残部銅及び不可避不純物から成り、0.2%耐力550MPa以上、かつ導電率が38.0%以上、400℃で30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温まで低下したときの伸びが10%以下である帯状銅合金材を用いてリードフレームを製造する方法。
  14. Siを0.1質量%超、1.8質量%以下と、Niを0.5質量%~4.5質量%と、残部銅及び不可避不純物から成り、0.2%耐力550MPa以上、かつ導電率が38.0%以上、400℃30分加熱後に大気雰囲気中で静置して銅合金の温度が室温まで低下したときの伸びが10%以下である帯状銅合金材をリードフレームとして使用する方法。
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