JP2023146634A - セメント組成物、モルタル組成物、及び、コンクリート構造物の補修方法 - Google Patents

セメント組成物、モルタル組成物、及び、コンクリート構造物の補修方法 Download PDF

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明大 川上
Akita Kawakami
昌之 明石
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Abstract

【課題】耐硫酸性を向上させることができるセメント組成物、モルタル組成物、及び、コンクリート構造物の補修方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係るセメント組成物は、ポルトランドセメント、高炉スラグ微粉末、及び、シラス微粉末からなる結合材(B)と、電気炉酸化スラグ細骨材(S)と、セメント混和用ポリマー(P)と、を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、セメント組成物、モルタル組成物、及び、該モルタル組成物を用いたコンクリート構造物の補修方法に関する。
従来、コンクリート構造物の補修や補強材料として、モルタルに各種ポリマーを混和したポリマーセメントモルタルが広く用いられている。例えば、特許文献1及び2には、コンクリート構造体の補修、補強材料として用いることができるポリマーセメントモルタルとして、速硬性セメントと、石膏類と、生石灰と、セメント用ポリマーと、特定の粒径を有する細骨材と、を含むポリマーセメントモルタルが開示されている。特許文献1及び2に記載のポリマーセメントモルタルは、所定量のセメント用ポリマーを含有することにより、コンクリートの付着強度を十分に確保するとともに、強度発現性の低下を抑制することができる。
ところで、下水道関連施設等では、下水中に含まれる硫酸塩に起因して発生するコンクリート構造物の腐食劣化が問題となっている。下水中に含まれる硫酸塩は、硫酸塩還元菌により還元され硫化水素を生成する。そして、該硫化水素が、硫黄酸化細菌により酸化され硫酸を生成する。その結果、コンクリート構造物の表面が酸性雰囲気に曝され続けることとなり、腐食劣化する。このように腐食劣化したコンクリート構造物の補修材としては、通常、耐硫酸性であることが求められる。
特開2018-154511号公報 特開2021-119115号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載のポリマーセメントモルタルにおいて、耐硫酸性については検討されておらず、改善の余地がある。特に、早強ポルトランドセメントのようなポルトランド系セメントを用いたポリマーセメントモルタルにおいては、消石灰生成が多いことから、石膏生成の抑制が十分ではないため、より耐硫酸性について改善が必要となる。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、耐硫酸性を向上させることができるセメント組成物、モルタル組成物、及び、コンクリート構造物の補修方法を提供することを課題とする。
本発明に係るセメント組成物は、ポルトランドセメント、高炉スラグ微粉末、及び、シラス微粉末からなる結合材(B)と、電気炉酸化スラグ細骨材(S)と、セメント混和用ポリマー(P)と、を含む。
前記セメント組成物は、ポルトランドセメント、高炉スラグ微粉末、及び、シラス微粉末からなる結合材(B)と、電気炉酸化スラグ細骨材(S)と、セメント混和用ポリマー(P)と、を含むことにより、耐硫酸性を向上させることができる。
本発明に係るセメント組成物は、前記セメント混和用ポリマーのガラス転移温度が-8℃以上であってもよい。
前記セメント組成物は、斯かる構成により、より一層、耐硫酸性を向上させることができる。
本発明に係るセメント組成物は、細骨材結合材比(S/B)が0.67以上1.8以下であってもよい。
前記セメント組成物は、斯かる構成により、施工性に優れる。より詳細には、セメント組成物の混練を容易に行うことができるとともに、施工時における前記セメント組成物のダレを抑制することができる。また、前記セメント組成物を塗布したコンクリート構造物の表面に骨材の凹凸が現れ難くなり、施工後のコンクリート構造物の表面状態を良好にすることができる。
本発明に係るセメント組成物は、前記電気炉酸化スラグ細骨材の粗粒率が2.3以上4.3以下であってもよい。
前記セメント組成物は、斯かる構成により、施工性に優れる。より詳細には、セメント組成物の混練を容易に行うことができるとともに、施工時における前記セメント組成物のダレを抑制することができる。また、前記セメント組成物を塗布したコンクリート構造物の表面に骨材の凹凸が現れ難くなり、施工後のコンクリート構造物の表面状態を良好に仕上げることができる。
本発明に係るセメント組成物は、前記高炉スラグ微粉末の比表面積が3,500cm/g以上8,000cm/g以下であってもよい。
前記セメント組成物は、斯かる構成により、より一層、耐硫酸性を向上させることができる。
本発明に係るセメント組成物は、前記シラス微粉末の比表面積が4,000cm/g以上15,000cm/g以下であってもよい。
前記セメント組成物は、斯かる構成により、より一層、耐硫酸性を向上させることができる。
本発明に係るセメント組成物は、セメント混和用ポリマー(固形分)結合材比(P/B)が1%以上10%以下であってもよい。
前記セメント組成物は、斯かる構成により、より一層、耐硫酸性を向上させることができるとともに、圧縮強度の低下を抑制することができる。
本発明に係るモルタル組成物は、上述のセメント組成物と、水と、を含む。
前記モルタル組成物は、上述のセメント組成物を含むことにより、耐硫酸性を向上させることができる。
本発明に係るコンクリート構造物の補修方法は、上述のモルタル組成物を、コンクリート構造物の補修箇所に充填又は塗布する。
前記コンクリート構造物の補修方法は、上述のセメント組成物を含むモルタル組成物をコンクリート構造物の補修箇所に充填又は塗布することにより、腐食劣化したコンクリート構造物を補修して、耐硫酸性に優れるコンクリート構造物を得ることができる。
本発明によれば、耐硫酸性を向上させることができるセメント組成物、モルタル組成物、及び、コンクリート構造物の補修方法を提供することができる。
<セメント組成物>
以下、本実施形態に係るセメント組成物について説明する。
本実施形態に係るセメント組成物は、結合材(B)と、電気炉酸化スラグ細骨材(S)と、セメント混和用ポリマー(P)と、を含む。結合材は、ポルトランドセメント、高炉スラグ微粉末、及び、シラス微粉末からなる。
ポルトランドセメントとしては、特に限定されるものではなく、例えば、JIS R 5210で規定される普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等が挙げられる。なお、ポルトランドセメントは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポルトランドセメントの配合量は、初期強度増進及び消石灰生成抑制の観点から、セメント組成物全体に対して、10質量%以上25質量%以下であることが好ましく、13質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。なお、ポルトランドセメントが2種以上含まれる場合、前記配合量は、ポルトランドセメントの合計配合量である。
高炉スラグ微粉末としては、例えば、JIS A 6206:2013の規定に適合するものを用いることができる。高炉スラグ微粉末のブレーン比表面積は、耐硫酸性の低下を抑制し、容易に混練を行う観点から、3,000cm/g以上8,000cm/g以下であることが好ましく、3,500cm/g以上6,000cm/g以下であることがより好ましい。なお、ブレーン比表面積は、JIS R 5201:2015の8.1に準じて測定した値をいうものである。
高炉スラグ微粉末の配合量は、耐硫酸性の低下を抑制し、容易に混練を行う観点から、ポルトランドセメント100質量部に対して、100質量部以上200質量部以下であることが好ましく、145質量部以上165質量部以下であることがより好ましい。
シラス微粉末としては、例えば、JIS A 6209:2020の規定に適合するものを用いることができる。シラス微粉末のブレーン比表面積は、耐硫酸性の低下を抑制し、容易に混練を行う観点から、3,000cm/g以上15,000cm/g以下であることが好ましく、3,500cm/g以上6,000cm/g以下であることがより好ましい。
シラス微粉末の配合量は、耐硫酸性の低下を抑制し、容易に混練を行う観点から、ポルトランドセメント100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、10質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
電気炉酸化スラグ細骨材としては、例えば、JIS A 5011-4の規定に適合するものを用いることができる。電気炉酸化スラグ細骨材の粗粒率は、施工性を向上させる観点から、2.3以上4.3以下であることが好ましく、2.8以上3.8以下であることがより好ましい。なお、粗粒率は、JIS A 1102:2014に記載された方法に基づいて求めることができる。
電気炉酸化スラグ細骨材の配合量は、耐硫酸性の低下を抑制し、容易に混練を行う観点から、結合材100質量部に対して、67質量部以上180質量部以下であることが好ましく、100質量部以上130質量部以下であることがより好ましい。
前記電気炉酸化スラグ細骨材と前記結合材との細骨材結合材比(S/B)は、耐硫酸性及び圧縮強度の低下を抑制する観点から、0.67以上1.8以下であり、1.0以上1.3以下であることが好ましい。
セメント混和用ポリマーとしては、例えば、液状の樹脂エマルション等のポリマーディスパージョン、粉末状の再乳化形粉末樹脂等を用いることができる。樹脂エマルションとしては、例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニリデン塩化ビニル、ポリプロピオン酸ビニル、エチレン酢酸ビニル等が挙げられる。再乳化形粉末樹脂としては、例えば、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニルビニルバーサテート等が挙げられる。なお、セメント混和用ポリマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記セメント混和用ポリマーのガラス転移温度は、耐硫酸性の低下を抑制する観点から、-8℃以上であることが好ましく、0℃以上9℃以下であることがより好ましい。ガラス転移温度は、JIS K 7121に準拠した方法で測定することができる。
前記セメント混和用ポリマーの配合量は、結合材100質量部に対して固形分換算で1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、3質量部以上7質量部以下であることがより好ましい。なお、セメント混和用ポリマーが2種以上含まれる場合、前記配合量は、セメント混和用ポリマーの合計配合量である。
前記セメント混和用ポリマー(固形分)と前記結合材とのセメント混和用ポリマー結合材比(P/B)は、耐硫酸性及び圧縮強度の低下を抑制する観点から、1%以上10%以下であり、3%以上7%以下であることがより好ましい。
本実施形態に係るセメント組成物は、耐久性や施工性を制御する観点から、前記結合材以外のその他の結合材を含んでいてもよい。その他の結合材としては、例えば、アルミナセメント、超速硬セメント、前記ポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシュ等を混合した各種混合セメント、シリカセメント等が挙げられる。なお、その他の結合材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の結合材の配合量は、耐久性や施工性を制御する観点から、ポルトランドセメント100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、1質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。なお、その他の結合材が2種以上含まれる場合、前記配合量は、その他の結合材の合計配合量である。
本実施形態に係るセメント組成物は、耐久性や施工性を制御する観点から、前記電気炉酸化スラグ細骨材以外のその他の細骨材を含んでいてもよい。その他の細骨材としては、例えば、JIS A 5308附属書Aレディミクストコンクリート用骨材で規定される山砂、川砂、陸砂、海砂、砕砂等の天然由来の砂、フェロニッケルスラグ等のスラグ由来の砂等が挙げられる。なお、これらのその他の細骨材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の細骨材の配合量は、耐久性や施工性を制御する観点から、結合材100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、1質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。なお、その他の細骨材が2種以上含まれる場合、前記配合量はその他の細骨材の合計配合量である。
本実施形態に係るセメント組成物は、混和剤を含んでいてもよい。混和剤としては、例えば、AE剤、AE減水剤、流動化剤、分離低減剤、凝結遅延剤(例えば、酒石酸等)、凝結促進剤(例えば、硫酸アルミニウム等)、急結剤、収縮低減剤、増粘剤、チクソ性調整剤、防水剤、消泡剤等が挙げられる。なお、混和剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るセメント組成物は、混和材を含んでいてもよい。混和材としては、例えば、シリカフューム、フライアッシュ、セメントキルンダスト、高炉フューム、転炉スラグ微粉末、無水石膏、半水石膏、二水石膏、膨張材、石灰石微粉末、ドロマイト微粉末等の無機質微粉末、ベントナイト、アタパルジャイト、セピオライト、活性白土、酸性白土、アロフェン、イモゴライト、シラスバルーン、カオリナイト、メタカオリン(焼成粘土)、ゼオライト等の無機物系フィラーが挙げられる。なお、混和材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るセメント組成物は、短繊維を含んでいてもよい。短繊維としては、例えば、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維等が挙げられる。なお、短繊維は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るセメント組成物は、ポルトランドセメント、高炉スラグ微粉末、及び、シラス微粉末からなる結合材(B)と、電気炉酸化スラグ細骨材(S)と、セメント混和用ポリマー(P)と、を含むことにより、水酸化カルシウムの生成量を抑制しつつ、硫酸イオンの侵入を抑制することができるため、耐硫酸性を向上させることができる。
本実施形態に係るセメント組成物は、セメント混和用ポリマーのガラス転移温度が-8℃以上であることにより、より一層、耐硫酸性を向上させることができる。
本実施形態に係るセメント組成物は、細骨材結合材比(S/B)が0.67以上1.8以下であることにより、施工性に優れる。より詳細には、セメント組成物の混練を容易に行うことができるとともに、施工時におけるセメント組成物のダレを抑制することができる。また、セメント組成物を塗布したコンクリート構造物の表面に骨材の凹凸が現れ難くなり、施工後のコンクリート構造物の表面状態を良好にすることができる。
本実施形態に係るセメント組成物は、電気炉酸化スラグ細骨材の粗粒率が2.3以上4.3以下であることにより、施工性に優れる。より詳細には、セメント組成物の混練を容易に行うことができるとともに、施工時におけるセメント組成物のダレを抑制することができる。また、セメント組成物を塗布したコンクリート構造物の表面に骨材の凹凸が現れ難くなり、施工後のコンクリート構造物の表面状態を良好に仕上げることができる。
本実施形態に係るセメント組成物は、前記高炉スラグ微粉末の比表面積が3,500cm/g以上8,000cm/g以下であることにより、より一層、耐硫酸性を向上させることができるとともに、施工性を向上させることができる。より詳細には、セメント組成物の混練を容易に行うことができるとともに、施工時におけるセメント組成物のダレを抑制することができる。また、セメント組成物を塗布したコンクリート構造物の表面に骨材の凹凸が現れ難くなり、施工後のコンクリート構造物の表面状態を良好に仕上げることができる。
本実施形態に係るセメント組成物は、前記シラス微粉末の比表面積が4,000cm/g以上15,000cm/g以下であることにより、より一層、耐硫酸性を向上させることができるとともに、施工性を向上させることができる。より詳細には、セメント組成物の混練を容易に行うことができるとともに、施工時におけるセメント組成物のダレを抑制することができる。また、セメント組成物を塗布したコンクリート構造物の表面に骨材の凹凸が現れ難くなり、施工後のコンクリート構造物の表面状態を良好に仕上げることができる。
本実施形態に係るセメント組成物は、セメント混和用ポリマー(固形分)結合材比(P/B)が1%以上10%以下であることにより、水酸化カルシウムの生成量を抑制しつつ、長期的に硫酸イオンの侵入を抑制することができるため、より一層、耐硫酸性を向上させることができる。また、圧縮強度の低下を抑制することができる。
<モルタル組成物>
以下、本実施形態に係るモルタル組成物について説明する。
本実施形態に係るモルタル組成物は、上述のセメント組成物と、水と、を含む。
水は、特に限定されるものではなく、例えば、水道水、工業用水、回収水、地下水、河川水、雨水等を使用することができる。
前記水の配合量は、結合材100質量部に対して、20質量部以上40質量部以下であることが好ましく、30質量部以上35質量部以下であることがより好ましい。
前記水と前記結合材との水結合材比(W/B)は、施工性を向上させる観点から、20%以上40%以下であることが好ましく、30%以上35%以下であることがより好ましい。
本実施形態に係るモルタル組成物は、上述のセメント組成物、及び、水を混練することにより、製造することができる。混練方法は、特に限定されるものではなく、例えば、従来公知のミキサ等を用いて、従来公知の方法により混練することができる。
本実施形態に係るモルタル組成物は、上述のセメント組成物と、水と、を含むことにより、水酸化カルシウムの生成量を抑制しつつ、硫酸イオンの侵入を抑制することができるため、耐硫酸性を向上させることができる。
<コンクリート構造物の補修方法>
以下、本実施形態に係るコンクリート構造物の補修方法について説明する。
本実施形態に係るコンクリート構造物の補修方法は、上述のモルタル組成物を、コンクリート構造物の補修箇所に充填又は塗布する。具体的には、腐食劣化した部分の除去等の下地処理を行った補修箇所に、上述のモルタル組成物を充填、又は、吹付け若しくは左官により塗布する。
充填又は塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、充填工法、左官工法、吹付け工法等が挙げられる。充填工法では、補修箇所に型枠を組んで流し込む。左官工法では、職人が鏝板に適量のモルタルを載せ、金鏝等を用いてコンクリート構造物の補修箇所にモルタル組成物を塗り付ける。吹付け工法では、モルタルポンプ等の装置を用いてコンクリート構造物の補修箇所にモルタル組成物を吹き付ける。
本実施形態に係るコンクリート構造物の補修方法は、前記モルタル組成物を、コンクリート構造物の補修箇所に充填又は塗布することにより、腐食劣化したコンクリート構造物を補修して、耐硫酸性に優れたコンクリート構造物を得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
表1に示す配合で各実施例及び各比較例のモルタル組成物を作製した。各実施例及び各比較例のモルタル組成物を用いて、JIS A 1171に準じた方法で、供試体をそれぞれ作製した。作製した各供試体について、圧縮強度、及び、耐酸性について試験を行った。
表1に示す各成分の詳細を以下に示す。なお、粉砕調製品とは、粗粒品をミルで粉砕し、ブレーン比表面積を調整したものである。
セメント(HC):早強ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)
セメント(NC):普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)
高炉スラグ微粉末:比表面積 3000cm/g、粉砕調製品
比表面積 3500cm/g、粉砕調製品
比表面積 6000cm/g、ファインセラメント20A(ディ
・シー社製)
比表面積 8000cm/g、ファインセラメント10A(ディ
・シー社製)
シラス微粉末:比表面積 3000cm/g、粉砕調製品
比表面積 4000cm/g、粉砕調製品
比表面積 6000cm/g、粉砕調製品
比表面積 15000cm/g、粉砕調製品
電気炉酸化スラグ細骨材:混合砂
乾燥珪砂:混合砂
エマルション(セメント混和用ポリマー):ガラス転移温度(Tg)が-8℃、0℃、9℃のスチレンアクリル系ポリマーエマルション
[圧縮強度]
日本下水道事業団「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」に示されている試験方法に準じて、材齢3日の各実施例及び各比較例の供試体について圧縮強度を測定した。圧縮強度が30N/mm以上であったものを「○」、圧縮強度が25N/mm以上30N/mm未満であったものを「△」、圧縮強度が25N/mm未満であったものを「×」と評価した。圧縮強度の測定値、及び、その評価については、表2に示す。なお、実施例21は、材齢4日において25N/mm以上の圧縮強度を達成する。
[耐酸性(硫酸浸透深さ)]
日本下水道事業団「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」に示されている試験方法に準じて、各実施例及び各比較例の供試体を5%硫酸水溶液に28日間、及び、112日間浸漬した後、各供試体の硫酸浸透深さを測定した。浸漬28日間の供試体については、硫酸浸透深さが2.4mm以下であるものを「○」、硫酸浸透深さが2.4mmを超え3mm以下であるものを「△」、硫酸浸透深さが3mmを超えるものを「×」と評価した。浸漬112日間の供試体については、硫酸浸透深さが5.4mm以下であるものを「○」、硫酸浸透深さが5.4mmを超え6mm以下であるものを「△」、硫酸浸透深さが6mmを超えるものを「×」と評価した。硫酸浸透深さの測定値及び、その評価については、表2に示す。
[耐酸性(質量変化率)]
日本下水道事業団「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」に示されている試験方法に準じて、各実施例及び各比較例の供試体の浸漬28日間、及び、浸漬112日間の質量変化率を測定した。具体的には、まず初めに、各実施例及び各比較例の供試体の質量を測定した。続いて、斯かる供試体を5%硫酸水溶液に28日間、及び、112日間浸漬した。その後、各実施例及び各比較例における浸漬28日間、及び、浸漬112日間の供試体の質量を再度測定し、浸漬前の質量に対する浸漬後の質量の割合(質量変化率)を算出した。浸漬28日間の供試体については、質量変化率が±4.9%以内であるものを「〇」、質量変化率が±4.9%を超え±10%以下であるものを「△」、質量変化率が±10%を超えるものを「×」として評価した。また、浸漬112日間の供試体については、質量変化率が±7.4%以内であるものを「〇」、質量変化率が±7.4%を超え±10%以下であるものを「△」、質量変化率が±10%を超えるものを「×」として評価した。質量変化率、及び、その評価については、表2に示す。
表2の結果から分かるように、本発明の構成要件をすべて満たす各実施例のモルタル組成物は、耐硫酸性を向上させるとともに、長期的な耐硫酸性に優れる。

Claims (9)

  1. ポルトランドセメント、高炉スラグ微粉末、及び、シラス微粉末からなる結合材(B)と、
    電気炉酸化スラグ細骨材(S)と、
    セメント混和用ポリマー(P)と、
    を含む、セメント組成物。
  2. 前記セメント混和用ポリマーのガラス転移温度が-8℃以上である、請求項1に記載のセメント組成物。
  3. 細骨材結合材比(S/B)が0.67以上1.8以下である、請求項1又は2に記載のセメント組成物。
  4. 前記電気炉酸化スラグ細骨材の粗粒率が2.3以上4.3以下である、請求項1~3のいずれか一つに記載のセメント組成物。
  5. 前記高炉スラグ微粉末の比表面積が3,500cm/g以上8,000cm/g以下である、請求項1~4のいずれか一つに記載のセメント組成物。
  6. 前記シラス微粉末の比表面積が4,000cm/g以上15,000cm/g以下である、請求項1~5のいずれか一つに記載のセメント組成物。
  7. セメント混和用ポリマー(固形分)結合材比(P/B)が1%以上10%以下である、請求項1~6のいずれか一つに記載のセメント組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか一つに記載のセメント組成物と、水と、を含む、モルタル組成物。
  9. 請求項8に記載のモルタル組成物を、コンクリート構造物の補修箇所に充填又は塗布する、コンクリート構造物の補修方法。
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