JP2023146430A - 包装用紙、包装体、包装用紙の製造方法 - Google Patents

包装用紙、包装体、包装用紙の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、外部から内容物を見るときの視認性に優れる半透明領域を有する包装体が得られ、ブロッキングを防止できる包装用紙およびその製造方法;ならびに前記包装用紙を備えた包装体を提供する。【解決手段】本発明の包装用紙1Aは、平滑度が互いに異なる第1の面2aおよび第2の面2bを有するセルロースシート2と、透明化材料3が第2の面2bからセルロースシート2内に含浸した半透明領域4と、第1の面2a側の半透明領域4の表面に設けられたコーティング層5とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、包装用紙、包装体、包装用紙の製造方法に関する。
封筒、商品パッケージ等の包装体は、外部から宛名や内容物を視認できる半透明領域を有することがある。透明な樹脂フィルムを有する包装用紙もあるが、資源の再利用等の観点では、紙の少なくとも一部を透明化した半透明領域を有する包装用紙が好ましい。
紙を透明化する方法はいくつかある。その一つとして例えば、透明化樹脂をセルロースシートの繊維間に含浸させる手法が提案されている(例えば、特許文献1~4)。セルロース繊維間の空隙に透明化樹脂を含浸させることで、透明化樹脂が含浸した半透明領域の透明度を高めることができる。
特開昭61-132698号公報 特開昭61-132699号公報 特開2018-9047号公報 特開2021-91481号公報
しかし、透明化樹脂によって半透明領域の透明度を高くするだけでは、包装体の外部から内容物を見るときの視認性を充分に高めることはできない。加えて、樹脂の含浸によって形成された半透明領域は接着性を示すことがあるため、ブロッキングの問題もある。
本発明は、外部から内容物を見るときの視認性に優れる半透明領域を有する包装体が得られ、ブロッキングを防止できる包装用紙およびその製造方法;ならびに前記包装用紙を備えた包装体を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
[1]平滑度が互いに異なる第1の面および第2の面を有するセルロースシートと;前記セルロースシートの平面視における少なくとも一部の領域に、透明化材料が前記第2の面から前記セルロースシート内に含浸した半透明領域と;前記第1の面側の前記半透明領域の表面の少なくとも一部に設けられたコーティング層と;を備える、包装用紙。
[2]前記セルロースシートの前記第1の面の平滑度が、前記セルロースシートの前記第2の面の平滑度より高い、[1]の包装用紙。
[3]前記第1の面および前記第2の面に垂直な断面視において、前記透明化材料が前記セルロースシート内で前記第1の面に達していない部分がある、[1]または[2]の包装用紙。
[4]前記透明化材料の屈折率および前記コーティング層のそれぞれの屈折率が、1.4~1.6である、[1]~[3]のいずれかの包装用紙。
[5]前記コーティング層が、透明化材料およびOPニスからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[1]~[4]のいずれかの包装用紙。
[6]前記第1の面側の前記半透明領域の少なくとも一部に光吸収性物質が付着した網掛け印刷部をさらに備える、[1]~[5]のいずれかの包装用紙。
[7]前記網掛け印刷部の少なくとも一部が、前記コーティング層に被覆されている、[6]の包装用紙。
[8][1]~[7]のいずれかの包装用紙を備えた、包装体。
[9]平滑度が互いに異なる第1の面および第2の面を有するセルロースシートの前記第1の面にコーティング層を形成し、次いで、透明化材料を前記セルロースシートの第2の面から前記セルロースシート内に含浸させる、包装用紙の製造方法。
[10]前記コーティング層の形成の前に、前記セルロースシートの前記第1の面に光吸収性物質を網掛け印刷により付着させる、[9]の製造方法。
[11]前記透明化材料の含浸の前に、前記コーティング層の表面に光吸収性物質を網掛け印刷により付着させる、[9]の製造方法。
[12]前記セルロースシートの前記第1の面の平滑度が、前記セルロースシートの前記第2の面の平滑度より高い、[9]~[11]のいずれかの製造方法。
本発明によれば、外部から内容物を見るときの視認性に優れる半透明領域を有する包装体が得られ、ブロッキングを防止できる包装用紙およびその製造方法;ならびに前記包装用紙を備えた包装体が提供される。
包装用紙の一例を模式的に示す平面図である。 図1の包装用紙のII-II断面を模式的に示す図である。 包装用紙の一例を模式的に示す平面図である。 図3の包装用紙のIV-IV断面を模式的に示す図である。 透明な樹脂フィルムを有する包装用紙において、外部から内容物を視認する際の光線の進み方を模式図に示す図である。 従来の半透明紙において、充分な視認性が得られないことを模式図に示す図である。 網掛け印刷部によって視認性が向上する推定メカニズムを模式図に示す図である。 包装用紙の一例を模式的に示す平面図である。 図8の包装用紙のIX-IX断面を模式的に示す図である。
本発明者は、セルロースシート内に樹脂等の透明化材料が含浸した半透明領域の視認性を高めるために種々の検討を行った。結果、半透明領域の表面の凹凸における光の乱反射が、視認性を損なう原因であることが見出された。例えば、セルロースシート内に含浸させた樹脂の一部がセルロースシートの表面から滲み出すと、半透明領域の表面に凹凸ができる。
そこで、本発明者は半透明領域の表面の凹凸による光の乱反射を低減するために、半透明領域の表面の少なくとも一部にコーティング層を設けることに想到した。このコーティング層によれば、半透明領域の表面の平滑度を高め、半透明領域の表面における光の乱反射を防ぎ、半透明領域の視認性を向上させることができる。加えてこのコーティング層は、半透明領域の少なくとも一部に設けられるため、包装用紙のブロッキングを防止することもできる。
以下、包装用紙のいくつかの例について適宜図面を参照しながら説明する。図面における寸法比は、説明の便宜上のものであり、実際のものとは異なったものである。また、以下の図面において、同一の構成については同じ符号を用いて示し、重複する構成について説明を省略することがある。
また、本明細書において、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
<第1の実施形態>
図1、図2は、第1の実施形態の一例に係る包装用紙1Aを模式的に示す。包装用紙1Aは、平滑度が互いに異なる第1の面2aおよび第2の面2bを有するセルロースシート2と;セルロースシート2の平面視における一部の領域に、透明化材料3が第2の面2bからセルロースシート2内に含浸した半透明領域4と;第1の面2a側の半透明領域4の表面に設けられたコーティング層5と;を備える。
(セルロースシート)
セルロースシート2は、セルロース繊維を主成分とするシートである。「セルロース繊維を主成分とする」とは、セルロース繊維の含有量がシート全体に対して50質量%以上であることを意味する。セルロース繊維の含有量はシート全体に対して60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましく、100質量%が最も好ましい。
セルロースシート2は、平滑度が互いに異なる第1の面2aおよび第2の面2bを有する。包装用紙1Aにおいては、セルロースシート2の第1の面2aの平滑度が第2の面2bの平滑度より高い。この一例のように平滑度が相対的に高い第1の面2a側の半透明領域4の表面にコーティング層5を設けると、半透明領域の表面の平滑度をさらに高めやすい。
第1の面2aの平滑度は10sec以上が好ましく、30~2000secがより好ましく、30~1000secがさらに好ましい。第1の面2aの平滑度が前記数値範囲の下限値以上であると、半透明領域4において優れた視認性が得られやすい。第1の面2aの平滑度が前記数値範囲の上限値以下であると、包装用紙1Aの製造に適したセルロースシート2を入手しやすい。
第2の面2bの平滑度は1000sec未満が好ましく、20~1000secがより好ましく、20~300secがさらに好ましい。第2の面2bの平滑度が前記数値範囲の下限値以上であると、半透明領域4において優れた視認性が得られやすい。第2の面2bの平滑度が前記数値範囲の上限値以下であると、包装用紙1Aの製造に適したセルロースシート2を入手しやすい。
第1の面2aおよび第2の面2bの各平滑度は、JAPAN TAPPI 紙・パルプ試験方法No.5-2、JIS P8155にしたがって測定される。
セルロースシート2としては、例えば、紙基材、板紙、不織布が挙げられる。なかでも、半透明領域4において優れた視認性が得られやすい点から、紙基材が好ましい。
紙基材に含まれるパルプの主成分は、セルロース繊維である。パルプとしては、化学パルプ、機械パルプ、綿、麻、古紙パルプ、非木材パルプ等が挙げられる。ただし、紙基材におけるパルプは、これらの例示に限定されない。
化学パルプとしては、例えば、針葉樹由来パルプ(NKP)、広葉樹由来パルプ(LKP)が挙げられる。
針葉樹由来パルプとしては、例えば、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、針葉樹亜硫酸パルプ(NSP)が挙げられる。
広葉樹由来パルプとしては、例えば、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ(LSP)が挙げられる。
機械パルプとしては、例えば、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)が挙げられる。
古紙パルプとしては、例えば、離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、離解・脱墨・漂白古紙パルプが挙げられる。古紙パルプの原料となる古紙としては、例えば、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等が挙げられる。
非木材パルプとしては、ケナフ、綿、麻、葦等の非木材繊維から化学的にまたは機械的に製造されたパルプ等の種々のパルプが挙げられる。
なかでも、化学パルプは包装用紙1Aの視認性と強度の両立に適している。そのため、セルロースシート2は化学パルプを主成分とすることが好ましい。また、各種のパルプは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
パルプとして古紙パルプを用いる場合、古紙パルプの含有量は紙基材中のパルプの全質量に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。古紙パルプの含有量が前記上限値以下であると、包装用紙1Aを飲食品用の包装体の用途に好適に適用できる。古紙パルプの含有量の下限値は0質量%である。
平滑度、白色度等を向上させる点から、紙基材はタルク、炭酸カルシウム等の填料を含むことがある。ただし、填料は半透明領域4の透明性、視認性に影響を与え得る。そのため、填料の含有量は視認性を損なわない範囲内が好ましく、紙基材は填料を含まないことがより好ましい。
紙基材としては、例えば、クラフト紙、片艶クラフト紙、片艶紙、上質紙、電子写真用紙、インクジェット記録用紙、熱転写記録用紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、白板紙、色板紙、段ボール用ライナーが挙げられる。なかでも、顔料の含有量の少なく、半透明領域4において優れた視認性が得られやすい点で、上質紙、電子写真用紙、クラフト紙、片艶クラフト紙、片艶紙が好ましく、片艶クラフト紙、片艶紙がより好ましい。
片艶クラフト紙、片艶紙においては、相対的に平滑度が高い艶面を第1の面とし、相対的に平滑が低い非艶面を第2の面とすることができる。
紙基材中のパルプのフリーネスは350mlCSF以上が好ましく、400~700mlCSFがより好ましく、450~600mlCSFがさらに好ましい。
紙基材中のパルプのフリーネスが前記数値範囲の下限値以上であると、包装用紙1Aの強度を維持しやすい。紙基材中のパルプのフリーネスが前記数値範囲の上限値以下であると、透明性、視認性に優れた半透明領域を有する包装用紙1Aが得られやすい。
紙基材中のパルプのフリーネス(単位:mlCSF)は、JIS 8121-2にしたがって測定される。
従来、半透明紙として一般に知られているグラシン紙においては、叩解度を高めた化学パルプ、例えば、フリーネスが250mlCSF以下の化学パルプが使用されている。しかし、叩解度を高めたパルプ繊維はすり潰され、また、カットされているため、封筒の透明窓には用いられても、強度が求められる包装袋等の用途には適用しにくい。
対して、包装用紙1Aにおいては、紙基材のフリーネスを350mlCSF以上にとどめても視認性を確保できるため、包装用紙1Aの強度を維持しやすい。また、グラシン紙等の紙基材であっても、包装体の強度を維持できる範囲内のものであれば、包装用紙1Aのセルロースシート2として適用できる。
紙基材の坪量は40~150g/cmが好ましく、45~100g/cmがより好ましく、50~85g/cmがさらに好ましい。紙基材の坪量が前記数値範囲の下限値以上であると、包装用紙としての良好な紙強度が得られやすい。紙基材の坪量が前記数値範囲の上限値以下であると、半透明領域4の不透明度を下げやすい。
紙基材の坪量は、JIS P8124にしたがって測定される。
紙基材の密度は0.5~0.8g/cmが好ましく、0.55~0.75g/cmがより好ましい。紙基材の密度が前記数値範囲の下限値以上であると、包装用紙1Aの強度を高めやすい。紙基材の密度が前記数値範囲の上限値以下であると、透明化材料3の含浸量を高めやすい。
紙基材の密度は、JIS P8118にしたがって測定される。
紙基材の空隙率は30~80%が好ましく、40~70%がより好ましく、50~70%がさらに好ましい。紙基材の空隙率が前記数値範囲の下限値以上であると、半透明領域4の透明性を高めやすい。紙基材の空隙率が前記数値範囲の上限値以下であると、製造時に第1の面2aの相対的に高い平滑度がそのまま維持されやすい。
紙基材の空隙率は、JIS P8118にしたがって測定された密度をセルロースの真密度1.50で除した値から算出される。
紙基材の厚みは20~120μmが好ましく、20~80μmがより好ましく、30~70μmがさらに好ましい。紙基材の厚みが前記数値範囲の下限値以上であると、包装用紙1Aの強度を高めやすい。紙基材の厚みが前記数値範囲の上限値以下であると、半透明領域4において優れた視認性が得られやすい。
紙基材の厚みは、JIS P8118にしたがって測定される。
紙基材の製造方法は特に限定されない。例えば、紙基材の原料となるパルプを叩解する工程と、叩解したパルプを含むパルプスラリーを抄紙する工程と、抄紙して得られたウェットシートを乾燥する工程を含む方法が挙げられる。
叩解する工程においては、紙基材の離解フリーネスが所望の範囲となるまで原料のパルプを叩解することが好ましい。叩解機は特に限定されない。例えば、ダブルディスクリファイナー等が挙げられる。
抄紙に用いられる抄紙機は特に限定されない。例えば、長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機等が挙げられる。
抄紙後、乾燥する工程を経て得られた紙基材の表面には、平滑化処理を施してもよい。
平滑化処理を施すことにより、表面強度、印刷適性等を高めることができる。平滑化処理としては、例えば加圧可能なリール間で紙基材を加圧処理する方法が挙げられる。平滑化処理を施すための装置は特に限定されない。例えばワインダー部前のマシンカレンダー、グロスカレンダー、ソフトニップカレンダー等に通紙して製品仕上げが施される。マシンカレンダーとスーパーカレンダーを併用してもよく、マシンカレンダーに代えてスーパーカレンダーを使用してもよい。
(半透明領域)
図1に示すように半透明領域4は、セルロースシート2の平面視における一部の領域に形成されている。包装用紙1Aを包装体とした際に包装体の外部から内容物やあて名を半透明領域4越しに見ることができる。
平面視における半透明領域4の形状および面積割合は何ら限定されない。包装用紙、包装体の用途に応じて適宜設定または変更が可能である。また、他の例においては、半透明領域はセルロースシートの平面方向の全部の領域であってもよい。また、半透明領域の数は特に限定されず、1つでも複数でもよい。複数の半透明領域を備えた包装用紙の場合、各半透明領域の大きさや形状も特に限定されない。
図2に示すように半透明領域4においては、透明化材料3が第2の面2bからセルロースシート2内に含浸している。ここで、包装用紙1Aにおいては、第1の面2aの平滑度は第2の面2bの平滑度より高い。透明化材料3が平滑度の低い第2の面2bからセルロースシート2内に含浸するため、セルロースシート2の内部奥深くまで透明化材料3が含侵する。さらに、第1の面2aの相対的に高い平滑度がそのまま維持されやすい。
包装用紙1Aにおいては、透明化材料3がセルロースシート2内で第1の面2aに達していてもよいが、例えば、図2に示すように包装用紙1Aにおいては、透明化材料3がセルロースシート2内で第1の面2aに達していない部分があることが好ましい。透明化材料3がセルロースシート2内で第1の面2aに達していない部分においては、平滑度が相対的に高い第1の面2aの表面状態が、透明化材料3の含浸前の状態のまま維持されやすい。また、第1の面2a側の半透明領域4の表面に凹凸ができにくい。よって、光の乱反射がさらに抑制され、半透明領域4の視認性がさらに向上すると考えられる。
透明化材料3は特に限定されない。透明化材料3としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ニトロセルロース、セラック、ロジン等の透明化樹脂;桐油、亜麻仁油、ヒマシ油、親水ヒマシ油、ヤシ油、大豆油、市販のサラダ油等の植物油;カウナバワックス、パームワックス、蜜蝋、鯨蝋、木蝋等の蝋、ワックス類が挙げられる。
透明化材料3は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、経時的に安定な透明化樹脂が好ましく、アクリル樹脂がより好ましい。アクリル樹脂のなかでも、特に、紫外線硬化型のアクリル樹脂は表面被覆性に優れ、また断面視における透明化材料3の含浸した領域の界面が鮮明になるため好ましい。
紫外線硬化型のアクリル樹脂としては、特開2021-91481号公報の段落0025、段落0026に開示のものが挙げられる。
透明化材料3としては、以上例示したもののなかから屈折率が1.4~1.6、好ましくは1.45~1.58、より好ましくは1.50~1.58、さらに好ましくは1.52~1.58の範囲内にあるものを選択することが好ましい。セルロース繊維の屈折率は一般に1.4~1.6の範囲内にあると言われているためである。透明化材料3の屈折率が前記数値範囲内であると、セルロース繊維の屈折率との差が小さく、半透明領域4の透明性、視認性を高めやすい。
透明化材料3の屈折率は、JIS K 7142にしたがって測定される。
セルロース繊維の屈折率に近い屈折率の透明化材料3をセルロース繊維に含浸させ、セルロース繊維間の空隙を充填することで、セルロースシート2内の透明化材料3に起因する光の屈折を低減できる。よって、透明性、視認性に優れる半透明領域4が得られやすくなる。屈折率の調整のために、ジルコニウム、チタニウム等の高屈折率物質を必要に応じて用いてもよい。
透明化材料3はセルロース繊維に含浸させることから、常温または加熱状態で液体のものが好ましい。また、常温または加熱状態で有機溶剤等の液状媒体に溶解可能なものも浸透性の点で好ましい。すなわち、透明化材料3は、製造時には浸透性のある液状の透明化剤としてセルロースシート2内に含浸させることができるものが好ましい。透明化剤については後述する。
セルロースシート2内の半透明領域4は主に透明化材料3を含むが、製造時に用いた透明化剤に由来する他の成分が存在してもよい。
半透明領域4の不透明度は4~25%が好ましく、4~20%がより好ましく、4~15%がさらに好ましい。半透明領域4の不透明度が前記数値範囲の下限値以上であると、セルロースシート2の包装用紙の強度を高めやすい。半透明領域4の不透明度が前記数値範囲の上限値以下であると、半透明領域4の透明性が向上する。
半透明領域の不透明度は、JIS P 8138:1976にしたがって測定される。
半透明領域4のヘイズは80%以下が好ましい。半透明領域4のヘイズが80%以下であると、半透明領域4の透明性が向上する。半透明領域4のヘイズの下限値は特に限定されないが、例えば、10%以上、好ましくは20%以上である。半透明領域4のヘイズが前記下限値以上であると、包装用紙の強度を高めやすい。
半透明領域4のヘイズは、JIS-K7136にしたがって測定される。
半透明領域4の密度は、0.7~2.5g/cmが好ましく、0.7~2.0g/cmがより好ましく、0.8~2.0g/cmがさらに好ましい。半透明領域4の密度が前記数値範囲の下限値以上であると、繊維間の空気層が樹脂成分の含浸により充分に排除されていると考えられる。半透明領域の密度が前記数値範囲の上限値以下であると、包装用紙1Aを包装体等とする際の加工性が向上する。
半透明領域4の密度は、JIS P 8118にしたがって測定される。
(コーティング層)
コーティング層5は、半透明領域4の第1の面2a側のセルロースシート2の表面に設けられている。コーティング層5は半透明領域4の表面の平滑度を高めるためのものである。
包装用紙1Aはコーティング層5を備えるため、表面の平滑度が高められ、半透明領域4の表面における光の乱反射を防ぎ、半透明領域4の視認性を向上させることができる。さらに、コーティング層5によれば、セルロースシート2の第1の面2aの表面付近に、コーティング層の材料の一部が浸透することで、セルロースシート2の空隙を埋めることができるため、透明性を高めることもできる。
加えて、コーティング層5は、透明化材料3が含浸した半透明領域4の表面に設けられるため、包装用紙1Aのブロッキングを防止することもできる。
コーティング層5によるブロッキング防止について説明する。
例えば、図2に示すように透明化材料3がセルロースシート2内で第1の面2aに達していない部分がある場合のブロッキング防止について説明する。この場合、もし、コーティング層5がないと、例えば、複数の包装用紙1Aを重ねて保管したときに、透明化材料3が含侵した第2の面2bと、透明化材料3が含侵していない第1の面2aが重なる。その結果、第1の面2aのセルロース繊維が第2の面2bの透明化材料3の樹脂成分とくっつき、ブロッキングが発生し得る。包装用紙1Aにおいては、コーティング層5によってこのようなブロッキングを防止できる。
透明化材料3がセルロースシート2内で第1の面2aに達している場合のブロッキング防止について説明する。この場合、もし、コーティング層5がないと、例えば、第1の面2a近傍の透明化材料3の乾燥が不十分な状態で包装用紙1Aを複数重ねて保管したときに、ブロッキングが発生し得る。包装用紙1Aにおいては、透明化材料3がセルロースシート2内で第1の面2aに達している場合であっても、コーティング層5によってこのようなブロッキングを防止できる。
図1、図2に示す一例、すなわち、包装用紙1Aにおいては、コーティング層5が半透明領域4の平面方向の全面に設けられているが、他の例においては、コーティング層は半透明領域の平面方向の一部に設けられていてもよい。また、コーティング層の数は1つでも複数でもよい。
コーティング層5の材料は、視認性の点で透明な材料が好ましい。コーティング層5の材料として、例えば、透明化材料、OPニスが挙げられる。透明化材料としては、半透明領域の項で例示したものと同じものが挙げられる。コーティング層5が透明化材料を含む場合、コーティング層5の透明化材料と半透明領域4の透明化材料3は、互いに同一でもよく、異なる種類でもよい。また、コーティング層5の材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
OPニスは、オーバープリントニスと呼ばれることがある。OPニスの成分は、製品、製造業者等に応じて異なるが、亜麻仁油、桐油および硝化綿からなる群から選ばれる少なくとも一以上を含むOPニスが好ましい。OPニスの市販品としては、例えば、東洋インキ株式会社、株式会社T&K TOKA、富士インキ製造株式会社の製品が挙げられる。
OPニスは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。乾燥方式は酸化重合によるもの、UV効果によるもの等を用いてもよい。
コーティング層5の材料としては、これらのなかから屈折率が1.4~1.6、好ましくは1.45~1.60、より好ましくは1.48~1.60、さらに好ましくは1.50~1.60、特に好ましくは1.50~1.58の範囲内にあるものを選択することが好ましい。セルロース繊維の屈折率は一般に1.4~1.6の範囲内にあると言われているためである。コーティング層5の屈折率をセルロース繊維の屈折率と近い値とすることで、コーティング層5とセルロースシート2の界面での光の屈折を低減できる。よって、視認性に優れる半透明領域4が得られやすくなる。
コーティング層5の屈折率は、JIS K 7142にしたがって測定される。
コーティング層5の平滑度は50~1000secが好ましく、50~500secがより好ましく、100~500secがさらに好ましい。コーティング層5の平滑度が前記数値範囲内であると、視認性がさらに向上しやすい。
コーティング層5の平滑度は、JAPAN TAPPI 紙・パルプ試験方法No.5-2、JIS P8155にしたがって測定される。
コーティング層5の厚みは0.5~2.5μmが好ましく、0.5~2.0μmがより好ましく、0.7~2.0μmがさらに好ましい。コーティング層5の厚みが前記数値範囲の下限値以上であると、光沢感のある面感となり、半透明領域4において優れた視認性が得られやすい。コーティング層5の厚みが前記数値範囲の上限値以下であると、塗工部分と非塗工部分の乾燥後の収縮差による紙シートの凹凸やカール発生が抑えられる。
コーティング層5の厚みは、平面に対して垂直な断面を切り出し、当該断面を電子顕微鏡で観察したときの厚み方向の最大値を測定した値である。
(包装用紙1Aの製造方法)
包装用紙1Aの製造方法として、例えば、下記の方法(1)が挙げられる。
方法(1):第1の面2aおよび第2の面2bを有するセルロースシート2の第1の面2a側にコーティング層5を形成し、次いで、透明化材料3をセルロースシート2の第2の面2bからセルロースシート2内に含浸させる、製造方法。
コーティング層5の形成においては、コーティング層5の材料を含む塗工液をセルロースシート2の第1の面2aに塗布する。次いで、必要に応じて乾燥してコーティング層5が第1の面2a側に設けられる。
コーティング層5の材料が常温で固体の場合、コーティング層5の材料を溶解可能な液状媒体を用い、塗工液を調製する。コーティング層5の材料が常温で液体の場合、液状媒体を用いて塗工液の濃度を変更してもよく、液状媒体を用いずにそのまま塗工液として用いてもよい。液状媒体の詳細については後述する。
コーティング層5の材料を含む塗工液の塗布方法は、特に限定されない。例えば、ロールコート、バーコート、ブレードコート、ディップ塗工、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、シルクスクリーン印刷等の種々の塗工方法が挙げられる。また、乾燥する場合の乾燥方法も特に限定されない。自然乾燥でもよく、加熱乾燥でもよい。
透明化材料3の含浸においては、液状の透明化剤をセルロースシート2の第2の面2bに塗布する。透明化剤は、透明化材料を含む液体である。透明化材料が常温で固体の場合、透明化材料を溶解可能な液状媒体を用い、液状の透明化剤を調製する。透明化材料が常温で液体の場合、液状媒体を用いて透明化材料の濃度を変更してもよく、液状媒体を用いずにそのまま透明化剤として用いてもよい。
液状媒体は特に限定されない。水性溶剤、有機溶剤のいずれも使用できる。液状媒体が水分を含むと、水分によりセルロースシート2が膨潤しやすい。また、その後の乾燥時にはセルロースシート2が収縮しやすい。そのためカール、ぼこつき、および凹凸が発生しやすい。よって、液状媒体は水分を含まないことが好ましく、有機溶剤がより好ましい。
有機溶剤は極性溶媒でもよく、非極性溶媒でもよい。
極性溶媒としては、例えば、アルコール類、エーテル類、エステル類、非極性溶媒等が挙げられる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノールが挙げられる。
エーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングルコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングルコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングルコールモノイソプロピルエーテル、テトラエチレングルコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、ジエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、トリエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル等の種々のグリコールエーテルが挙げられる。
エステル類としては、例えば、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
非極性溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等のパラフィン系炭化水素;イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン等のイソパラフィン系炭化水素;流動パラフィン等のアルキルナフテン系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素;シリコーンオイルなどが挙げられる。
透明化剤は、透明化材料および液状媒体以外の他の成分をさらに含んでもよい。他の成分としては、例えば、アンモニア、エチレンジアミン、トリエチルアミン等の塩基性物質;グリセリン、エチレングリコール等の粘度調整剤;ジルコニウム、チタニウム等の高屈折率物質;消泡剤;離型剤が挙げられる。ただし、他の成分はこれらの例示に限定されない。
透明化剤の単位面積当たりの塗布量は10~70g/mが好ましく、20~60g/mがより好ましく、30~60g/mがさらに好ましい。透明化剤の単位面積当たりの塗布量が前記数値範囲の下限値以上であると、半透明領域4の透明性を高めやすい。透明化剤の単位面積当たりの塗布量が前記数値範囲の上限値以下であると、透明化剤が第1の面2aの内側の一部に到達しにくい。
透明化剤の粘度は50~5000mPa・sが好ましく、50~4000mPa・sがより好ましく、50~3000mPa・sがさらに好ましい。透明化剤の粘度の粘度が前記数値範囲の上限値以上であると、透明化剤が第1の面2aの内側の一部に到達しにくい。透明化剤の粘度の粘度が前記数値範囲の上限値以下であると、透明化剤がセルロースシート2内に含浸しやすい。
透明化剤の粘度は、30℃、60rpmの条件でBlookfield型粘度計を用いて測定される。
透明化剤の塗布方法は特に限定されない。透明化剤の塗布方法としては、例えば、フレキソ印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、シルクスクリーン印刷、ロールコート、バーコート、ブレードコートが挙げられる。
透明化剤の塗布後、透明化材料の含浸を促進させるために、乾燥炉で温度を上昇させ、透明化剤の粘度を低下させてもよい。乾燥温度、乾燥時間、乾燥方法は特に限定されない。生産性、生産コストを考慮して適宜変更すればよい。例えば、温度50~120℃の温風を用い、乾燥時間を2.0~30秒とする条件が挙げられる。
透明化剤をセルロースシート2内に含浸させることで、セルロースシート2内の繊維間の空隙を透明化材料3で埋めることができる。屈折率が1.4~1.6の範囲内にある透明化材料を含む透明化剤を用いる場合、セルロースシート2内の空隙をセルロースの屈折率に近い透明化剤で埋めることができる。そのため、セルロースシート2内の透明化材料3に起因する光の屈折を低減できる。
透明化剤のセルロースシート2への塗布および含浸は一度で行ってもよく、複数回に分けて行ってもよい。複数回に分けて行う場合、複数回のそれぞれにおいて用いる透明化剤の構成成分および組成は同じでもよく、互いに異なってもよい。
紫外線硬化型の透明化剤を用いる場合、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプ等の種々の光源を使用できる。積算光量は特に限定されない。透明化剤の使用量および透明化樹脂の種類に応じて適宜変更すればよい。
以上説明した方法(1)においては、透明化材料3をセルロースシート2内に含浸させる前に、セルロースシート2の第1の面2aにコーティング層5を形成する。そのため、透明化剤をセルロースシート2の第2の面2bからセルロースシート2内に含浸させた際に、透明化剤がセルロースシート2内から第1の面2aに滲み出ることをコーティング層5によって防止できる。よって、方法(1)によれば、第1の面2a側の半透明領域4の表面に凹凸ができにくい。
したがって、第1の面2a側の半透明領域4の表面における光の乱反射をコーティング層5によって確実に防止でき、半透明領域4の視認性がよくなる。また、透明化剤がセルロースシート2内から第1の面2aに滲み出ることを防止できるため、製造の際の装置の汚れを抑制できる。加えて、コーティング層5によって包装用紙1Aを巻き取る際あるいは積み重ねる際のブロッキングを防止できる。
加えて、セルロースシート2においては、第1の面2aの平滑度が第2の面2bの平滑度より高い。そのため、セルロースシート2内では第2の面2a側に近いほどセルロース繊維の密度が高い。よって、透明化材料3は第2の面2bからセルロースシート2内に含浸しやすい。
このように方法(1)では、透明化材料3が含浸しやすい第2の面2bからセルロースシート2内に含浸させている。そのため、半透明領域4を形成しやすく、生産性に優れる利点もある。
方法(1)においては、透明化剤の含浸の際には図2に示すように、セルロースシート2内の断面において透明化材料3が第1の面2aの一部に達していない部分を形成することが好ましい。平滑度が相対的に高い第1の面2aの表面状態が、透明化材料3の含浸前の状態のまま維持されやすいためである。結果として、第1の面2a側の半透明領域4の表面に凹凸ができにくいため、半透明領域4の視認性がさらに向上しやすい。
例えば、透明化剤の粘度、乾燥速度、硬化速度等を適宜変更することで、透明化材料3が第1の面2aの内側の一部に到達しないようにすることができる。
(第1の実施形態の作用機序)
以上説明した包装用紙1Aにおいては、コーティング層5が半透明領域4の表面における光の乱反射を防止できる。そのため、包装用紙1Aによれば、外部から内容物を見るときの視認性に優れる半透明領域を有する包装体が得られる。また、コーティング層5は、第2の面2b側からセルロースシート2内に透明化材料3が含浸した半透明領域4の第1の面2a側の表面に設けられている。そのため、コーティング層5によって第1の面2a側でのブロッキングを防止できる。
セルロースシート2内の繊維間の空隙を透明化材料3で埋める点では、透明化材料3の含浸量をできるだけ多くすることが好ましい。ただし、コーティング層5を形成しない従来法では、透明化材料3の含浸量および使用量を多くすると、透明化材料3がセルロースシート2内から第1の面2aに滲み出ることで、半透明領域4の表面に凹凸ができるおそれが高まる。また、紙を巻き取る際あるいは紙を積み重ねる際にブロッキングも起きやすい。
対して、包装用紙1Aは上述の方法(1)によって製造できる。方法(1)のように透明化材料3の含浸の前にコーティング層5を形成すれば、第1の面2bからセルロースシート2内に含浸した透明化材料3が第1の面2aに滲み出る恐れが少なくなる。したがって、透明化材料3の含浸量および使用量を可能な限り多くすることができ、半透明領域4の表面の透明性も高めやすい。また、コーティング層5によって包装用紙1Aのブロッキングを防止できる。
以上の説明に用いた図1は模式的なものである。そのため、平面視におけるセルロースシート2と半透明領域4の境界線、平面視におけるセルロースシート2とコーティング層5の境界線は、図1に図示したように明確に存在するとは限らない。
また、図2も模式的なものである。断面視におけるセルロースシート2と透明化材料3の界面、断面視におけるセルロースシート2とコーティング層5との界面は、原則として電子顕微鏡を用いて観察できると考えられる。ただし、これらの断面視における各界面は、図2に模式的に図示したように明確には存在しない場合または明確に確認しにくい場合もあり得る。
<第2の実施形態>
図3、図4は、第2の実施形態の一例に係る包装用紙1Bを模式的に示す。包装用紙1Bはセルロースシート2、半透明領域4およびコーティング層5に加えて、第1の面2a側の半透明領域4に光吸収性物質7が付着した網掛け印刷部6Bをさらに備える。
包装用紙1Bにおけるセルロースシート2、半透明領域4およびコーティング層5の詳細および好ましい態様は、包装用紙1Aについて説明した内容と基本的に同内容とすることができる。
網掛け印刷部6Bは網掛け印刷によって光吸収性物質7のドットが複数付着したものである。すなわち、網掛け印刷部6Bは、複数の光吸収性物質7のドットの集合である。
網掛け印刷部6Bのドットパターンの形状は特に限定されない。例えば、網点、格子、斜線、円、環、多角形のパターンが挙げられるが、形状はこれら例示に限定されない。ドットパターンの形状は、網掛け印刷を行う際の設定条件によって適宜変更できる。
網掛け印刷部6Bの各ドットの光吸収性物質7は、セルロースシート2内で散乱した光を吸収する機能を有する。そのため、セルロースシート2を透過する光量は減るものの、第1の面2a側における半透明領域4の散乱光が抑制される。
このように包装用紙1Bは網掛け印刷部6Bを備えるため、セルロースシート2内で生じた散乱光を網掛け印刷部6Bによって吸収できる。結果、半透明領域4における内容物の視認性がさらに向上する。
網掛け印刷部6Bは、セルロースシート2の第1の面2aの表面に複数の光吸収性物質7のドットが付着して形成されている。そして、網掛け印刷部6Bはコーティング層5に被覆されている。
したがって、網掛け印刷部6Bを備える包装用紙1Bによれば、半透明領域4の第1の面2a側の最表面における光の乱反射の防止効果も得られやすい。結果、網掛け印刷部6Bによる散乱光の吸収効果と併せることで、半透明領域4における内容物の視認性がさらに向上すると考えられる。
網掛け印刷部6Bの各ドットの大きさは、特に限定されない。例えば、40~100μmが好ましく、50~80μmがより好ましい。ドットの大きさが前記数値範囲の下限値以上であると、網掛け印刷部6Bによって散乱光を吸収しやすい。ドットの大きさが前記数値範囲の上限値以下であると、網掛け印刷部6Bによって半透明領域4の色調や色感が影響を受けにくいと考えられる。
ドットの大きさは、1つのドットを内包する外接円または外接楕円のうち、面積が最小となる外接円の直径または面積が最小となる外接楕円の短径として測定される値である。ドットの大きさは、網掛け印刷を行う際の設定条件によって適宜変更できる。
網掛け印刷部6Bの面積率は20~80%が好ましく、25~75%がより好ましい。面積率が前記数値範囲の下限値以上であると、網掛け印刷部6Bによって散乱光を吸収しやすい。面積率が前記数値範囲の上限値以下であると、網掛け印刷部6Bによって半透明領域4の色調や色感が影響を受けにくいと考えられる。
網掛け印刷部の面積率とは、単位面積あたりに占めるドットの面積を百分率で表わした値である。ベタ印刷の場合、面積率は100%となり、ドットがない場合、面積率は0%となる。面積率は、網掛け印刷を行う際の設定条件によって適宜変更できる。
光吸収性物質7は、吸収係数の高い物質であれば特に限定されない。光吸収性物質7は網掛け印刷によって形成されるため、印刷時のインクを調製して使用できる。例えば、黒色系の成分、特に黒色系インクは、光の吸収性に優れる点で好ましい。黒色系インクとしては、単色の黒インクでもよく、複数色を併用したコンポジットブラックでもよい。ただし、光吸収性物質7の色は黒に限定されない。
光吸収性物質7の色は、包装用紙1Bの用途、包装体とした際の内容物、セルロースシートの色合い、内容物の色に応じて適宜変更することが好ましい。例えば、ユーザーや消費者の好みに合わせて視認性や色感を変更できるためである。商品化においては、例えば、包装体の内容物の色と同系色の光吸収性物質を用いてもよく、包装体の内容物の色と補色関係にある光吸収性物質を用いてもよい。
また、網掛け印刷部6Bのドットパターンの形状、各ドットの大きさ、面積率についても、包装用紙の用途、包装体とした際の内容物、内容物の色に応じて適宜変更することが好ましい。ユーザーや消費者の好みに合わせて視認性や色感を変更できるためである。
図3、図4に示す一例において包装用紙1Bは、光吸収性物質7が第1の面2a側の半透明領域4の平面方向のほぼ全面にわたって付着した網掛け印刷部6Bを備えるが、他の例においては、網掛け印刷部は、第1の面2a側の半透明領域4の一部に光吸収性物質7が付着して形成されてもよい。第1の面2a側の半透明領域4の少なくとも一部に光吸収性物質7が付着した場合でも、網掛け印刷部による散乱光の吸収効果は得られる。
包装用紙1Bにおいては、網掛け印刷部6Bのすべてがコーティング層5に被覆されているが、他の例においては網掛け印刷部の一部がコーティング層5によって被覆されていてもよい。網掛け印刷部の一部がコーティング層5によって被覆された場合でも、コーティング層5による光の乱反射の防止効果は得られる。
(包装用紙1Bの製造方法)
包装用紙1Bの製造方法として、例えば、下記の方法(2)が挙げられる。
方法(2):第1の実施形態で説明した方法(1)において、コーティング層5の形成の前に、セルロースシート2の第1の面2aに光吸収性物質7を網掛け印刷により付着させる、製造方法。
セルロースシート2の第1の面2aに光吸収性物質7を網掛け印刷により付着させることで、網掛け印刷部6Bをセルロースシート2の第1の面2aに形成できる。コーティング層5の形成の前に網掛け印刷部6Bを第1の面2aに形成することで、網掛け印刷部6Bをコーティング層5によって被覆できる。
網掛け印刷の手法は特に限定されない。種々の印刷方法を使用できる。例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、電子写真印刷が挙げられる。また、網掛け印刷は透明化剤の塗布および含浸と同じ印刷機で行ってもよく、別々の印刷機で行ってもよい。
方法(2)はコーティング層5の形成の前に網掛け印刷部6Bを形成する点以外は、方法(1)と同内容である。コーティング層5の形成、透明化剤の含浸の詳細および好ましい態様は、方法(1)について説明した内容と同内容とすることができる。
(第2の実施形態の作用機序)
以上説明した包装用紙1Bはセルロースシート2、半透明領域4およびコーティング層5を備えるため、包装用紙1Aと同じ作用効果が得られる。よって、外部から内容物を見るときの視認性に優れる半透明領域を有する包装体が得られる。また、コーティング層によってブロッキングを防止できる。
加えて、包装用紙1Bは網掛け印刷部6Bを備えるため、半透明領域4における光の散乱光を吸収できる。結果、外部から内容物を見るときの視認性にさらに優れる半透明領域を有する包装体が得られる。
包装用紙1Bの説明に用いた図4は模式的なものである。また、網掛け印刷部6Bは網掛け印刷によって光吸収性物質7のドットが複数付着したものである。そのため、断面視におけるセルロースシート2と光吸収性物質7(網掛け印刷部6B)との界面、コーティング層5と光吸収性物質7(網掛け印刷部6B)との界面は、図4に模式的に図示したように必ずしも明確に存在しない場合もあり得る。
網掛け印刷部6Bによって視認性が向上する推定メカニズムについて、図5~図7を用いて説明する。図5~図7においては、対象像11が上面に印刷された包装物10の上側に透明な樹脂フィルムF(図5)、半透明紙21(図6)、包装用紙1B(図7)をそれぞれ重ねた。包装物10に印刷された対象像11を視認像12として知覚する際の対象像11から反射した光線の向きを矢印で示す。
図5では、透明な樹脂フィルムFが包装物10の上に置かれている。透明な樹脂フィルムFの場合、対象像11から反射した光線は視覚位置、すなわち視認像の位置に向かって直線的に進むため視認像12Aの輪郭は鮮明である。よって、対象像11の情報を樹脂フィルムF越しにクリアに視認できる。
図6では、従来の半透明紙21が包装物10の上に置かれている。半透明紙21の場合、対象像11から反射した光線はセルロースシート22内に含浸した樹脂23の部分で屈折し、また、散乱光が多い。そのため、対象像11の視認像12Bは輪郭のはっきりしない不鮮明な像となる。充分な視認性があるとは言い難い。
図7では、包装用紙1Bが包装物10の上に置かれている。網掛け印刷部6Bは、セルロースシート2内で生じた散乱光を吸収する。そのため、対象像11から反射した光線のうち、視覚位置に向かって直線的に進む光線が選択的に半透明領域4を通過しやすい。よって、視認像12Cの輪郭は視認像12Bより鮮明となる。このように、対象像11の情報をフィルム越しにクリアに視認でき、視認性が向上すると考えられる。
<第3の実施形態>
図8、図9は、第3の実施形態の一例に係る包装用紙1Cを模式的に示す。包装用紙1Cは、セルロースシート2、半透明領域4およびコーティング層5に加えて、第1の面2a側の半透明領域4に光吸収性物質7が付着した網掛け印刷部6Cをさらに備える。
包装用紙1Cは、網掛け印刷部6Cがコーティング層5に被覆されていない点で包装用紙1Bと異なる。この点以外においては、網掛け印刷部6Cの詳細および好ましい態様は網掛け印刷部6Bについて説明した内容と同じである。
包装用紙1Cにおいては、網掛け印刷部6Cはコーティング層5の表面に複数の光吸収性物質7のドットが付着して形成されている。
包装用紙1Cにおいても、セルロースシート2内で生じた散乱光を網掛け印刷部6Cによって吸収できる。また、網掛け印刷部6Cは網掛け印刷によって光吸収性物質7のドットが複数付着したものであるため、コーティング層5の表面の平滑性を損ないにくい。よって、包装用紙1Cの半透明領域4においても、散乱光を吸収でき、また表面の乱反射を防止できる。したがって、半透明領域4における内容物の優れた視認性が得られる。
(包装用紙1Cの製造方法)
包装用紙1Cの製造方法として、例えば、下記の方法(3)が挙げられる。
方法(3):第1の実施形態で説明した方法(1)において、透明化材料3の含浸の前に、コーティング層5の表面に光吸収性物質7を網掛け印刷により付着させる、製造方法。
コーティング層5の表面に光吸収性物質7を網掛け印刷により付着させることで、網掛け印刷部6Cをコーティング層5の表面に形成できる。包装用紙1Cを一例として示すように、透明化材料の含浸の前に網掛け印刷部をコーティング層の表面に形成しても、セルロースシートの第1の面側の半透明領域に光吸収性物質が付着した網掛け印刷部を備えた包装用紙を製造できる。
方法(3)は透明化材料3の含浸の前にコーティング層5の表面に網掛け印刷部6Cを形成する点以外は、方法(1)と同内容である。コーティング層5の形成、透明化剤の含浸の詳細および好ましい態様は、方法(1)について説明した内容と同内容とすることができる。また、網掛け印刷の詳細および好ましい態様は、方法(2)について説明した内容と同内容とすることができる。
(第3の実施形態の作用機序)
以上説明した包装用紙1Cはセルロースシート2、半透明領域4およびコーティング層5を備えるため、包装用紙1Aと同じ作用効果が得られる。よって、外部から内容物を見るときの視認性に優れる半透明領域を有する包装体が得られる。また、コーティング層によってブロッキングを防止できる。
加えて、包装用紙1Cは網掛け印刷部6Cを備えるため、半透明領域4における散乱光を吸収できる。結果、外部から内容物を見るときの視認性にさらに優れる半透明領域を有する包装体が得られる。
包装用紙1Cの説明に用いた図9は模式的なものである。また、網掛け印刷部6Cは網掛け印刷によって光吸収性物質7のドットが複数付着したものである。そのため、断面視におけるコーティング層5と光吸収性物質7(網掛け印刷部6C)との界面は、図9に模式的に図示したように必ずしも明確に存在しない場合もあり得る。
<用途>
包装用紙は包装体の用途に好適に適用できる。包装体としては、例えば、封筒、種々の商品のパッケージが挙げられる。
例えば、包装用紙を袋状にして包装袋とすることができる。包装用紙の半透明領域は包装袋の内容物を確認するための窓として使用できる。包装袋とする場合、包装用紙を種々の接着剤やヒートシール剤等を用いて接着して袋状に加工して作製すればよい。
包装袋の形状は特に限定されない。例えば、封筒、平袋、角底袋、マチ付き袋、手提袋が挙げられるが、特に限定されない。内容物に応じて適宜選択すればよい。
以上、一実施形態におけるいくつかの例について説明したが、本発明は本明細書に開示の実施形態に限定されず、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施できる。本明細書に開示の実施形態は、その他の様々な形態で実施可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更が可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載に限定されない。
<原料>
(セルロースシート)
以下の例では、坪量50g/mの片艶クラフト紙(1)を用いた。片艶クラフト紙(1)の艶面の平滑度は120secであり、非艶面の平滑度は10secである。片艶クラフト紙(1)の密度は0.75g/cmであり、厚みは67μmであり、空隙率は50%であった。
(透明化剤)
透明化剤(1):透明化材料として、アクリル系パラフィン溶剤(商品名:クラリテンDC、大和化学工業社製)を準備した。この透明化材料の屈折率は1.50である。
溶媒として、芳香族パラフィン系溶剤(商品名:クラリテンS、大和化学工業社製)を準備した。これらの透明化材料と溶媒を混合し、透明化材料の濃度が75%質量%の透明化剤(1)を調製した。透明化剤(1)の30℃、60rpmにおける粘度は1000mPa・sであった。
(コーティング層)
コーティング層を形成する際のOPニス(1)として、DC AB OPニス OJ3(DICグラフィックス株式会社製)を用いた。
(光吸収性物質)
黒色インク(商品名:NCPマット墨、DICグラフィックス社製)を用いた。
<実施例1>
松尾産業マイクロメーター調整式アプリケーターを用いて、片艶クラフト紙(1)の艶面に塗工液(1)を塗布した。その後、120℃の熱風ドライヤーにて30秒間乾燥して厚みが1.0μmのコーティング層(平滑度130sec)を片艶クラフト紙(1)の艶面に形成した。次いで、松尾産業マイクロメーター調整式アプリケーターを用いて、透明化剤(1)を塗布量が35g/mとなるように片艶クラフト紙(1)の非艶面に塗布した。その後、日本文化精工株式会社のNPT-453(4.8kw 2灯)を用いて紫外線硬化させ、実施例1の包装用紙を得た。
<実施例2>
コーティング層の形成の前に、片艶クラフト紙(1)の艶面に黒色インクで網掛け印刷を行った以外は、実施例1と同じ手法によって実施例2の包装用紙を得た。網掛け印刷の面積率は25%とし、ドットの大きさは50μmとし、各ドットの形状は円形状とした。
<比較例1>
コーティング層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同じ手法によって比較例1の包装用紙を得た。
<評価方法、測定方法>
(視認性)
水平な台の上に、10.5ポイントのワード文書をプリントしたA4版の印刷物を置き、その上に各例の包装用紙を重ねた。上方30cmの位置から、包装用紙の半透明領域を透して印刷物が読めるかどうかを以下の基準に基づいて視認性を評価した。
◎:文字の欠落が無く認識できる。
○:文字の欠落が一部あるが、文字を認識できる。
×:文字が複数個所で欠落し、文字を読み難い。
××:文字が至る所で欠落し、文字としても著しく認識しがたい。
(透明領域の不透明度)
JIS P8149にしたがい、スガ試験機のカラーメーターSC-WTで測定した。
<結果>
結果を表1に示す。
Figure 2023146430000002
表1に示すように、実施例1、2の包装用紙は比較例1の包装用紙よりも視認性に優れる結果であった。また、網掛け印刷を行った実施例2の包装用紙では、実施例1の包装用紙と比較して視認性が向上した。
本発明によれば、外部から内容物を見るときの視認性に優れる半透明領域を有する包装体が得られ、ブロッキングを防止できる包装用紙およびその製造方法;ならびに前記包装用紙を備えた包装体が提供される。
1(1A,1B,1C)…包装用紙、2…セルロースシート、3…透明化材料、4…半透明領域、5…コーティング層、6(6B,6C)…網掛け印刷部、7…光吸収性物質、10…包装物、11…対象像、12…視認像、F…樹脂フィルム。

Claims (12)

  1. 平滑度が互いに異なる第1の面および第2の面を有するセルロースシートと、
    前記セルロースシートの平面視における少なくとも一部の領域に、透明化材料が前記第2の面から前記セルロースシート内に含浸した半透明領域と、
    前記第1の面側の前記半透明領域の表面の少なくとも一部に設けられたコーティング層と、
    を備える、包装用紙。
  2. 前記セルロースシートの前記第1の面の平滑度が、前記セルロースシートの前記第2の面の平滑度より高い、請求項1に記載の包装用紙。
  3. 前記第1の面および前記第2の面に垂直な断面視において、前記透明化材料が前記セルロースシート内で前記第1の面に達していない部分がある、請求項1または2に記載の包装用紙。
  4. 前記透明化材料の屈折率および前記コーティング層のそれぞれの屈折率が、1.4~1.6である、請求項1~3のいずれか一項に記載の包装用紙。
  5. 前記コーティング層が、透明化材料およびOPニスからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の包装用紙。
  6. 前記第1の面側の前記半透明領域の少なくとも一部に光吸収性物質が付着した網掛け印刷部をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の包装用紙。
  7. 前記網掛け印刷部の少なくとも一部が、前記コーティング層に被覆されている、請求項6に記載の包装用紙。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の包装用紙を備えた、包装体。
  9. 平滑度が互いに異なる第1の面および第2の面を有するセルロースシートの前記第1の面にコーティング層を形成し、次いで、透明化材料を前記セルロースシートの第2の面から前記セルロースシート内に含浸させる、包装用紙の製造方法。
  10. 前記コーティング層の形成の前に、前記セルロースシートの前記第1の面に光吸収性物質を網掛け印刷により付着させる、請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記透明化材料の含浸の前に、前記コーティング層の表面に光吸収性物質を網掛け印刷により付着させる、請求項9に記載の製造方法。
  12. 前記セルロースシートの前記第1の面の平滑度が、前記セルロースシートの前記第2の面の平滑度より高い、請求項9~11のいずれか一項に記載の製造方法。
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