JP4035149B2 - 窓付き封筒用用紙及び窓付き封筒用用紙の製造方法 - Google Patents

窓付き封筒用用紙及び窓付き封筒用用紙の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、窓付き封筒用用紙及び窓付き封筒用用紙の製造方法に関し、特にグラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、ロールコータ印刷方式、カーテンスプレー方式などにより、用紙に透明化剤を塗工し、塗工部を加熱することで透明化剤を紙に含浸させて、内容物を視認可能な透明窓を設けることができる、窓付き封筒用用紙及び窓付き封筒用用紙の製造方法に関する。
従来封筒に用いられる用紙は、郵送等における搬送作業での損傷や内容物の情報保守のため、不透明性が高く、紙質強度の高いものが利用されている。
昨今の、光学的読み取り技術の進歩により、光学的に封筒に記載される宛先情報を読み取り、機械による仕分けで郵送先に分別される仕組みに沿い、封筒への宛先情報を2重に記載するムダを省略するため、封筒内部に封入する情報資料に宛先情報を記載し、前記宛先情報を視認可能に透明化された窓を封筒に設ける工夫がなされている。
封筒に内部封入物に記載された宛先情報を視認可能にする窓を設ける手段としては、例えば、(1)紙の一部に窓にあたる開口部(窓部)を設けて封筒にし、その開口部に透明フィルムを貼る方法、(2)植物繊維を高度に叩解した天然パルプを用いて抄紙し、高温・高圧力下で透明化させた透明紙を窓にあたる開口部に貼る方法、(3)紫外線硬化型樹脂組成物を吸収性の紙に塗布し、浸透させた後、紫外線を照射して、硬化させて透明紙を作る方法、(4)吸収性の紙の一部に、熱溶融性ワックス類と熱可塑性樹脂の混合物を、トルエンなどの有機溶剤に溶融させたものを塗布し、加熱処理して、熱溶融性ワックス類と熱可塑性樹脂の混合物を紙中に含浸させて透明窓部を設ける方法、などが知られている。
しかし、(1)及び(2)の方法では、紙と透明フィルム又は透明紙との貼り合わせに手間がかかるという問題がある。また、自動封入機を用いて封筒に内容物を封入する際に、フィルム又は透明紙と紙との間に段差があるために、内容物の引っ掛かり事故が発生するなどの問題がある。しかも、(1)の方法は、フィルムの存在により、古紙としての再資源化が困難であり、(2)の方法で得られる透明紙は、経日的に透明性が低下する、紙が黄変する、紙の弾性が少ないために、折れ易く、折れた場合に透明性が低下するなど品質的に劣るという問題もある。
また、(2)の方法は、植物繊維からなる天然パルプを高度に粘状に叩解して抄紙するが、叩解のための電力の消費が著しく、叩解刃の損傷も多く、叩解に長時間を要するなど非常に不経済である欠点をもつ。
(3)の方法では、紫外線硬化型樹脂組成物を紙に浸透させるために、トルエン、キシレン、メチルエチルケトンなどの低沸点の有機溶剤で希釈して、粘度を低下させて用いるのが一般的である。このため、上記組成物を紙に浸透させた後に、有機溶剤を除去する必要がある。有機溶剤の除去は、紫外線を照射する前に、赤外線ヒータなどの加熱装置で紙を加熱して行う。
従って、(3)の方法においては、有機溶剤の飛散により、大気汚染や臭気の問題を生ずる。すなわち、本来溶剤を使用しなくてもよい紫外線硬化型樹脂組成物の長所が生かせないという問題がある。
また、有機溶剤を用いないで紫外線硬化型樹脂を使用する場合(特開昭52−51279号公報、特開昭61−41397号公報、特開昭63−126997号公報など)には、粘度を小さくするには用いる紫外線硬化型樹脂に制限があり、粘度が大きいと紙への浸透性が悪いという問題がある。一方、紫外線硬化型樹脂を水溶液にして用いる場合(特開平3−146798号公報など)には、紙がカールする、透明度が低下する、あるいは水を紙から蒸発させるための加熱工程が必要となるなどの問題がある。
更に、紫外線硬化樹脂を含浸させた封筒用用紙は、古紙としての再資源化が困難であり、焼却処分をせざるを得ない。
(4)の方法では、窓部に該当する部位に、熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂を単独若しくは混合物を、トルエンなどの有機溶剤に溶融させた透明化剤を塗布し、加熱処理して、熱溶融性ワックス類と熱可塑性樹脂を紙中に含浸させるため、紙の品質に透明性が左右される問題を有する。
いずれにしろ、従来の(1)〜(4)による製法はいずれも欠点を有し、より安価に簡便に、透明性の高い窓を設けることができる封筒用用紙の開発が望まれている。
特開昭52−51279号公報 特開昭61−41397号公報 特開昭63−126997号公報 特開平3−146798号公報
本発明は上記に鑑みなされたものであり、その目的は、古紙として再生が容易であり、透明度が高く、長期間透明度が維持でき、簡便に必要な透明窓を設けることができる窓付き封筒用用紙及び窓付き封筒用用紙の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1項記載の発明>
所定部位に、石油系炭化水素樹脂、ロジン系樹脂の群から選ばれる透明化剤を含浸させ、用紙と一体化した用紙透明窓部を有する封筒用用紙であって、坪量が50〜100g/m2、密度が0.60〜0.80g/cm3であり、透明窓部の不透明度が20%以下、光沢度が30〜60%であり、パルプが、JIS P 8220に準拠して封筒用用紙を離解した離解パルプ中の、フロログルシンによる呈色反応で分別した機械パルプの割合が、10〜40重量%含有していることを特徴とする窓付き封筒用用紙。
(作用効果)
本発明は、窓付き封筒用用紙自体が、少量の透明化剤で、高い透明度を示す必要がある点に着目し、このためには、窓付き封筒用用紙を構成するパルプが透明化されやすいものでなければならない点に着目し本発明を完成したものである。
本発明における封筒用用紙は、坪量が50〜100g/m2である。透明紙の坪量が50g/m2より小さいと、用紙自体の不透明性が低いため内容物が透けて見える問題を有し、寸法安定性が悪く、加工時に張力制御が困難で、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、ロールコータ印刷方式、カーテンスプレー方式などによる、熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂等の透明化剤塗工段階、並びに熱ロールドライヤーやドライヤーフードによる熱処理段階においてしわが入りやすく、また、取扱時に破れることがあり好ましくない。また、坪量が100g/m2より大きいと厚みが厚くなり封筒として紙のしなやかさがなくなったり、内容物の視認が可能な不透明度20%以下の達成が困難であり、熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂を用いたホットスタンプ(熱プレス)を用いなければ透明度の改良が十分でなかったりするほか、コスト高となり好ましくない。
光沢度は30%を超える、より好ましくは35%以上であることが好ましいが、光沢度が60%を超えると、透明窓を経て光学的に内容物の記録情報を読み取ることに支障が出ることがある。光沢度が30%以下では、透明窓部を経た内容物の視認性が低下し、特に窓部に対して傾斜した角度からの内容物視認が困難になる問題を有するとともに、見栄えが悪くなる。
用紙の密度は0.60〜0.80g/cm3である。均一な透明性を得るには、封筒用用紙の密度を均質にする必要があり、密度が0.80g/cm3を超えると急激に封筒用用紙中の空隙量が少なくなり、熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂からなる透明化剤の浸透が抑制され、透明性のムラや透明化のための作業時間低下が生じる。密度が0.60g/cm3未満においては、封筒用用紙中の空隙ムラが大きく、熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂からなる透明化剤の浸透ムラが生じることによる透明化ムラが生じるとともに、紙質強度の低下もきたす。
機械パルプは、熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂の含浸速度向上に寄与し、透明化剤の含浸速度の向上を図ることができる。また、古紙パルプ由来の機械パルプであってもよく、いずれの場合も他のクラフトパルプと比較し含浸速度の向上が期待できる。
機械パルプの割合が10重量%未満では、透明化剤の含浸速度が遅く、透明化窓を設ける工程の生産速度が低迷する問題が生じ生産性が悪くなり、機械パルプの割合が40重量%を超えると、そもそも機械パルプは本質的に不透明性を有するパルプであるがために、透明性が上がらない問題が生じる。
請求項2項記載の発明>
離解繊維長0.5mm以下の含有率が10重量%以下、離解繊維長2.0mm以上の含有率が30〜40重量%であることを特徴とする請求項1記載の窓付き封筒用用紙。
(作用効果)
離解繊維長0.5mm以下の含有率が10重量%以下にすることで、微細繊維による封筒用用紙中の空隙減少を防止し、熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂の浸透を妨げることがない。離解繊維長2.0mm以上の含有率が30〜40重量%とすることで、過大なパルプ繊維の存在による透明化の低下を防止すると共に、封筒用用紙中に過大な空孔が生じる現象を解消し、迅速な熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂の浸透を促すことができる。
また、離解繊維長0.5mm以下の含有率が10重量%以下にすることで、封筒用用紙が過度に高い密度を呈することを防止し、透明化剤の含浸が毛細管現象で迅速に行われることを促す。離解繊維長2.0mm以上の含有率が30〜40重量%とすることで、封筒用用紙の紙質強度を維持しながら、均質な地合を形成しムラの少ない透明窓を得ることができる。
請求項3項記載の発明>
用紙の少なくとも片面の所定部位に、石油系炭化水素樹脂、ロジン系樹脂の群から選ばれる透明化剤を、外部から加圧することなく熱処理により含浸させ、用紙と一体化した透明窓部を有する封筒用用紙を形成するとともに、その用紙の坪量が50〜100g/m2、密度が0.60〜0.80g/cm3とし、前記透明窓部の不透明度が20%以下、光沢度が30〜60%であり、パルプが、JIS P 8220に準拠して封筒用用紙を離解した離解パルプ中の、フロログルシンによる呈色反応で分別した機械パルプの割合が、10〜40重量%含有していることを特徴とする窓付き封筒用用紙の製造方法。
(作用効果)
透明化剤の含浸に際して、大型設備を必要とするホットスタンプ(熱プレス)法を採ることなく、高速で目的の特性をもった用紙の製造が可能である。
本発明は、封筒用用紙に、熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂を用いる従来技術を利用しながら、低コストで簡便に高い透明度を有する窓を設けることが可能になり、環境に優しい、資源として再利用可能な封筒用用紙及び封筒用紙の製造方法を提供することができる。
以下本発明をさらに詳説する。
<植物繊維からパルプ>
本発明で使用する天然パルプとしては、主にL−BKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、N−BKP(針葉樹晒クラフトパルプ)に代表される木材漂白化学パルプが使用される。必要に応じてGP(砕木パルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、BCTMP(ケミカルサーモメカニカルパルプ)等の機械パルプ、ケナフ、コットンリンター、麻等の非木材パルプ、古紙パルプなどを適宜配合することもできる。
本発明におけるパルプとしては、植物繊維から成る天然パルプと古紙パルプを組合せ使用することが好ましく、古紙パルプの混抄割合は使用する他の天然パルプの種類で異なるが、通常配合割合は30/70〜70/30重量%、好ましくは35/65〜65/35重量%、さらに好ましくは40/60〜60/40重量%が最適である。古紙パルプの配合割合が30重量%より少ないと熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂による透明化効果が不十分であり、70重量%より多いと封筒用用紙の密度が高くなり、透明化剤の浸透が低下し生産性が悪くなるとともに強度が不足し、封筒加工工程で断紙が起こりやすくなる。
古紙パルプは、一旦抄紙され紙製品として使用された後回収し、脱墨処理等の物理的、化学的手段でもって、原料パルプとして再資源化されたものであり、紙製品が使用されている間に、パルプ繊維が空気中の酸素の存在下で熱、温度、光等の影響を受けて劣化すること、古紙パルプとして再生される間にパルプ繊維が湿潤と乾燥を反復して受けること、解繊、叩解、抄造、カレンダー掛け、印刷、加圧等の間にパルプ繊維が機械的外力を受けること、更にはサイジング、印刷、樹脂加工、接着剤塗布等の間に化学的作用を受け劣化すること等の為に得られたパルプ繊維細胞は角質化し、パルプ繊維がいわゆるひしゃげた状態となり、バージンパルプと対比し不透明性が低く、密度が高くなる性状を有しており、透明化剤の含浸により、透明化されやすい性質を有するため、バージンパルプと比べ透明性を得易くなる。本発明者らの知見では、古紙パルプを30重量%以上含有させることで透明性を好適に利用できるが、70重量%を超えると、前記のとおり密度が高くなり透明化剤の含浸性が劣るとともに強度低下の問題と、古紙パルプが劣化により剛直化している事に起因する紙粉の発生、封筒加工不良の原因となる。
<抄紙>
古紙パルプを配合する場合の混抄割合は、使用する他の天然パルプの種類で異なるが、通常配合割合は30/70〜70/30重量%、好ましくは35/65〜65/35重量%、さらに好ましくは40/60〜60/40重量%がよい。古紙パルプの配合割合が30重量%より少ないと熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂による透明化効果が不十分であり、70重量%より多いと強度が不足し、封筒加工工程で断紙が起こりやすくなる。適正な古紙パルプの配合率は熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂による透明化効果に対応して選定できる。本来古紙パルプは、一度抄紙され、再生処理されたものであるため、繊維は短く扁平であるため、熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂による透明化には適したものである。
より好ましくは、JIS P 8220に準拠して封筒用用紙を離解した離解パルプ中の、フロログルシンによる呈色反応で分別した機械パルプの割合が、10〜40重量%含有することが、熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂の含浸速度向上に好ましい。
<内添薬品>
紙料中には通常紙力剤、填料、バンド、歩留まり向上剤、染料、蛍光染料など が適宜用いられる。これらの好ましいものとして下記の例示をすることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
紙力剤としてはカチオンでんぷん、ポリアクリルアマイドなどが用いられる。填料としては炭酸カルシウム、タルク、クレー、合成ゼオライト、珪酸カルシウム、チタンなどが用いられる。歩留まり向上剤としてはコロイダルシリカ、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンイミンなどが用いられる。染料、蛍光染料は紙の色相を調節するために添加されるが、直接染料、塩基性染料、酸性染料などが用いられる。内添サイズ剤としては、填料に炭酸カルシウムを用いる場合には、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、中性ロジンなどが用いられ、填料に炭酸カルシウム以外のものを使用する場合には主に強化ロジン、鹸化ロジンが用いられる。
<用紙の製法>
用紙の製法は特に限定されるものではなく、公知のヤンキー抄紙機、長網抄紙機、丸網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップワイヤー抄紙機等を用いて製造できる。好適な抄紙機としては、用紙の密度を上げる事無く用紙表面の平坦性を向上でき、見栄えと透明窓部を経た視認性を確保するため、30%を越える光沢度が必要であるところからヤンキー抄紙機の使用が好ましく、ヤンキー抄紙機で製造した片艶クラフト紙が好適使用される。長網抄紙機も使用可能なものの、用紙表面への平坦性付与には、密度が必然的に上がるカレンダー等の平坦化装置にて平坦化処理を行う必要があり、透明度確保には比較的不適である。
該用紙に、サイズプレス、フィルムトランスファーロールコーターまたはメタリングサイズプレスなどを使用して、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアマイド、サイズ剤、定着剤、耐水化剤、架橋剤などを適宜選定して、サイズプレスまたはゲートロール層を設けてもよい。用紙の坪量は特に限定するものではないが、封筒としての加工適性、透明化剤による透明化効果を好適に得るには通常50〜100g/m2程度の範囲である。
本発明の透明紙は、坪量が50〜100g/m2である。透明紙の坪量が50g/m2より小さいと寸法安定性が悪くて加工時に張力制御が困難で、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、ロールコータ印刷方式、カーテンスプレー方式などによる、熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂等の透明化剤塗工段階、並びに熱ロールドライヤーやドライヤーフードによる熱処理段階においてしわが入りやすく、また、取扱時に破れることがあり好ましくない。また、坪量が100g/m2より大きいと厚みが厚くなり封筒として紙のしなやかさがなくなったり、本発明で必要とする不透明度20%以下の達成が困難であり、熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂を用いた熱ロールドライヤーやドライヤーフードによる熱処理段階において透明度の改良が十分でなかったりするほか、コスト的にも好ましくない。
本発明の封筒用用紙における透明窓の形成は、融点以上の温度に加熱した熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂などの透明化剤を、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、ロールコータ印刷方式、カーテンスプレー方式などにより用紙に印刷し、熱ロールドライヤーやドライヤーフードにて約130〜180℃で、圧力を掛けること無く加熱処理を施すことで、熱溶融性ワックス類や熱可塑性樹脂が融けて用紙に浸透し、用紙が透明化する原理を利用するのが、200枚/分以上の封筒製造を一貫して生産することを可能にする面からも最適である。
所謂ホットスタンプ(熱プレス)という方法、すなわち加熱したプレスにて透明化剤を転写熱加圧して透明化する方法は、設備が大型化し、生産効率が悪く、近年の高速生産には全く不向きである。
本発明の透明化処理のための透明化剤としては、石油系炭化水素樹脂、ロジン系樹脂の中から選ばれる1種類以上の樹脂を30〜50g/m2の塗布量をもって使用することが好ましい。古紙として再生が容易であり、透明度が高く、長期間透明度が維持でき、簡便に透明窓を設けるには、前記透明化剤の塗布によるものが望ましい。塗布量が30g/m2未満では透明化が不十分となり、他方で塗布量が50g/m2を超えると透明化剤多用によるコストアップと、透明化剤付与部分以外に透明化剤のニジミが生じる問題、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、ロールコータ印刷方式、カーテンスプレー方式では塗布できない問題が生じる。
本発明において、透明化剤として好適に使用することができるロジン系樹脂は、ロジンまたは水添ロジンおよびマレイン化ロジンのようなロジン系樹脂の中から選ばれた少なくとも一種またはそれらの混合物である。
他の透明化剤として石油系炭化水素樹脂を公的に使用できる。ここで石油系炭化水素樹脂とは、1, 4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2,2’−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の脂環族飽和炭化水素、芳香族不飽和炭化水素から得られる樹脂及びその他アミノ基、水酸基、ビニル基、ニトロ基、カルボニル基等の各種置換基を有する樹脂を意味する。また、かかる石油系炭化水素樹脂に、パラフィンワックス、イソパラフィン等の飽和炭化水素、菜種油、大豆油、牛脂硬化脂肪酸の動植物油脂、ステアリン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の飽和若しくは不飽和脂肪酸の1種又は2種以上を配合したものも使用できる。
また、透明化剤として、セルロースの屈折率にほぼ等しい屈折率を有する物質、例えば、流動パラフィン、ポリブテン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、スチレン無水マレイン酸共重合体、ポリスチロール樹脂などの熱硬化性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、不飽和アルキド樹脂、変性アクリル樹脂、変性エポキシ樹脂、変性ウレタン樹脂などに、それぞれ適切なビニルモノマーと光増感性物質とを含ませた紫外線硬化型樹脂、オレフィン重合油を主成分とするもの等を例示することができる。
これらの透明化剤の内では、リサイクルする場合の離解性が好適である観点から、石油系炭化水素樹脂または該石油系炭化水素樹脂に飽和炭化水素、動植物油脂、飽和若しくは不飽和脂肪酸の1種又は2種以上を配合したものが好ましく使用できる。
次に実施例を示し本発明の効果を明らかにする。
LBKP:CSF350cc、NBKP:CSF300cc、古紙パルプ:CSF400cc(機械パルプを含む:機械パルプの割合はフロログルシンによる呈色反応を元に割合を推定)のパルプ紙料を、抄紙した後、フレキソ印刷にて透明化剤を用紙の所定部分に印刷付与し、熱ロールにて加熱処理を施し透明化剤を含浸させることにより用紙を透明化処理した。透明化剤としては、石油系炭化水素樹脂として市販のパラフィンワックス(製品名:クラリデンDC、大和化学社製)、ロジン系樹脂としてロジン 70 (KE−311.荒川化学工業社製)を使用した。
結果を表1及び表2に示す。
ここで、項目は次記のものである。
米坪:JIS P 8124に準拠
厚み・密度:JIS P 8118に準拠
重さ荷重平均繊維長(離解繊維長):予め封筒用用紙を、JIS P 8220に準拠して標準離解機にて離解し、ファイバーラボ測定装置(カヤニー社製)にて測定した。
再資源化性:
(1)離解性:試料を3.0cm角に裁断し、これをTAPPI標準離解機に2%濃度となるように投入した後、3,000rpmで15分間離解した。こうして得られた試料分散液からTAPPI角型シートマシンを用い、米坪量が70g/m2となるように手抄きシートを作製、水、乾燥した。目視にて、シート中に未離解物が見られないものを離解性良好、未離解物が残存しているものを離解性不良とした。表2中における評価基準は、◎:シート中に未離解物が全く見られない、○:シート中に未離解物が僅かにしか見られない、×:シート中に未離解物が著しく残存している、をそれぞれ表す。
(2)経時劣化:ウエザーメーター(スガ試験機社製WEL−45AX)にて、63℃、40%、キセノンランプにて50時間放置後、試料を3.0cm角に裁断し、これをTAPPI標準離解機に2%濃度となるように投入した後、3,000rpmで15分間離解した。こうして得られた試料分散液からTAPPI角型シートマシンを用い、米坪量が70g/m2となるように手抄きシートを作製、水、乾燥した。目視にて、シートの色、手触りを評価した。表2中における評価基準は、○:離解試験結果と同様で経時劣化見られない、△:シート中に黄変化物が僅かにしか見られない、×:シート中に黄変化物が見られ、用紙自体がごわごわしている、をそれぞれ表す。
不透明度:JIS P 8149に準拠して不透明度を測定し、100から不透明殿値を差し引いた値を透明度とした。
光沢度:JIS P 8142に準拠して光沢度を測定した。
Figure 0004035149
Figure 0004035149

Claims (3)

  1. 所定部位に、石油系炭化水素樹脂、ロジン系樹脂の群から選ばれる透明化剤を含浸させ、用紙と一体化した用紙透明窓部を有する封筒用用紙であって、坪量が50〜100g/m2、密度が0.60〜0.80g/cm3であり、透明窓部の不透明度が20%以下、光沢度が30〜60%であり、パルプが、JIS P 8220に準拠して封筒用用紙を離解した離解パルプ中の、フロログルシンによる呈色反応で分別した機械パルプの割合が、10〜40重量%含有していることを特徴とする窓付き封筒用用紙。
  2. 重さ荷重平均繊維長0.5mm以下の含有率が10重量%以下、重さ荷重平均繊維長2.0mm以上の含有率が30〜40重量%であることを特徴とする請求項1記載の窓付き封筒用用紙。
  3. 用紙の少なくとも片面の所定部位に、石油系炭化水素樹脂、ロジン系樹脂の群から選ばれる透明化剤を、外部から加圧することなく熱処理により含浸させ、用紙と一体化した透明窓部を有する封筒用用紙を形成するとともに、その用紙の坪量が50〜100g/m2、密度が0.60〜0.80g/cm3とし、前記透明窓部の不透明度が20%以下、光沢度が30〜60%であり、パルプが、JIS P 8220に準拠して封筒用用紙を離解した離解パルプ中の、フロログルシンによる呈色反応で分別した機械パルプの割合が、10〜40重量%含有していることを特徴とする窓付き封筒用用紙の製造方法。
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