JP2023014977A - 半透明領域を有する包装用紙、半透明領域を有する包装袋、窓付き封筒、半透明領域を有する包装用紙の製造方法 - Google Patents

半透明領域を有する包装用紙、半透明領域を有する包装袋、窓付き封筒、半透明領域を有する包装用紙の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内部の視認性に優れた半透明領域を有する包装用紙を提供する。【解決手段】セルロース繊維を主成分とするシート2と、シート2の全面領域或いは一部領域において、シート内部に浸透している透明化材料3と、シート2の透明化材料3を有する領域に光吸収性物質が付着した網掛け印刷部4と、を有することを特徴とする半透明領域を有する包装用紙1A。【選択図】図1

Description

本発明は、包装用紙に関するものである。更に詳しくは、少なくとも一部領域に半透明な領域を有する包装用紙に関する。
透明度の高い紙を製造する方法としては、例えば、叩解度を高めたパルプ繊維を用いて抄紙する方法や、抄紙された原紙の繊維間の空間に樹脂等を含浸させる方法が一般的である。
叩解度を高めたパルプ繊維を用いて抄紙する方法は、グラシン紙、トレーシングペーパー等の製造に用いられている。これらのシートは、包装用紙としては封筒等の窓部などに使用されている。しかし、高叩解によりパルプ繊維がすり潰され、カットされていること等の理由から、叩解度を高めたパルプ繊維は封筒の窓には用いられても、強度が求められる包装袋等の用途には適用しにくいことが一般的である。
一方、抄紙された原紙の繊維間の空間に樹脂等を含浸させる方法は、油紙、ろう紙等の製造に用いられる。例えば、樹脂等を含浸させた包装用紙としては、透明性の向上を目的として種々のものが提案されている(例えば、特許文献1、2、3)。特許文献1では、樹脂の有機溶剤溶液にパラフィンワックスを配合した透明化剤を用いて透明紙を得ることが提案されている。また、特許文献2では、不透明紙の一部特定面に、植物油を主成分とする透明化剤を印刷浸透させ、該透明剤浸透層の両面に、透明化剤固着用の油層保護剤を印刷乾燥させて油層保護膜を形成させることを特徴とする不透明紙を透明にする方法が提案されている。特許文献3では、紙基材に特定の樹脂を含浸した透明紙が提案されている。
特開平2-127599号公報 特開昭62-15395公報 特開平11-61696号公報
近年、ダイレクトメート等で封筒としてプラスチックフィルムを用いたり、紙製封筒のあて先部分をプラスチックフィルムで形成したりした封筒が使用されている。しかし、脱プラスチック化が求められている中、プラスチックフィルムの代替品の提供が望まれている。封筒のプラスチックフィルム部分に半透明のグラシン紙を用いた代替品も提供されているが、グラシン紙を通しての宛名などの情報が視認し難いという課題がある。また、グラシン紙を用いて封筒等に加工する場合、グラシン紙のヒジワや、強度の問題がある。
一方、特許文献1~3に記載されているように、部分的に透明化剤を付与して不透明度を下げることが行われている。透明化剤を用いる手法は封筒等の用途の包装用紙としての強度には適しているものの、内部に記載されたあて先などの視認性に乏しいものであった。そこで、本発明は、内部の視認性に優れた半透明領域を有する包装用紙の提供を目的とする。
本発明者は、透明化剤を用いた包装用紙について鋭意研究の結果、紙基材に透明化剤を含浸した場合、不透明度が低下するものの、紙基材の地合に起因する光の散乱が生じて視認性を損なっていることを見出した。そこで、透明化剤の付与だけでなく、光吸収性物質の網掛け印刷を行うことで、視認性に優れた包装用紙が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は下記の態様を有する。
(1)セルロース繊維を主成分とするシートと、前記シートの全面領域或いは一部領域において、シート内部に浸透している透明化材料と、前記シートの前記透明化材料を有する領域に、光吸収性物質が付着した網掛け印刷部と、を有することを特徴とする、半透明領域を有する包装用紙。
(2)透明化材料が浸透している領域の不透明度が10~40%である(1)に記載の半透明領域を有する包装用紙。
(3)前記(1)又は(2)に記載の包装用紙を袋状にした、半透明領域を有する包装袋。
(4)前記包装袋が封筒であり、その一部分に透明化材料が浸透している領域による窓が形成されている(3)に記載の窓付き封筒。
(5)セルロース繊維を主成分とするシートに、前記シートの全領域或いは一部領域の光吸収性物質を網掛け印刷により付着させ、次いで、網掛け印刷を行った領域に透明化剤を塗工・含浸することを特徴とする半透明領域を有する包装用紙の製造方法。
(6)セルロース繊維を主成分とするシートに、前記シートの全領域或いは一部領域に透明化剤を塗工・含浸した後、光吸収性物質の網掛け印刷を行い、次いで、網掛け印刷を行った領域に透明化剤を被覆することを特徴とする半透明領域を有する包装用紙の製造方法。
更に、本発明者は、グラシン紙等の視認性を高めるために検討を重ねた結果、グラシン紙等の高叩解されたパルプを用いて抄紙された半透明紙に光吸収性物質の網掛け印刷を行うことで、視認性にすぐれた包装用紙となることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明は下記の態様を有する。
(7)高叩解されたパルプを用いて抄紙されたセルロース繊維を主成分とするシートであって、前記シートの片面の少なくとも一部領域に、光吸収性物質が付着した網掛け印刷部を有することを特徴とする、半透明領域を有する包装用紙。
(8)窓付き封筒であって、
前記窓付き封筒の窓部が、(7)に記載の半透明領域を有する包装用紙である、窓付き封筒。
本発明によれば、内部の視認性に優れた半透明領域を有する包装用紙の提供が可能となる。
包装用紙の一例を模式的に示す断面図である。 包装用紙の一例を模式的に示す断面図である。 透明な樹脂フィルムを有する包装用紙において、外部から内容物を視認する際の光線の進み方を模式図に示す図である。 従来の半透明紙において充分な視認性が得られないことを模式図に示す図である。 網掛け印刷部によって視認性が向上する推定メカニズムを模式図に示す図である。
本発明の半透明領域を有する包装用紙は、セルロース繊維を主成分とするシートと、前記シートの全面領域或いは一部領域において、シート内部に浸透している透明化材料と、前記シートの前記透明化材料を有する領域に、光吸収性物質が付着した網掛け印刷部と、を有することを特徴とする。
例えば、図1に示す包装用紙1Aは、セルロース繊維を主成分とするシート2の一部領域にシート内部に浸透した透明化材料3と;シート2の片面の、前記透明化材料3を有する領域に、光吸収性物質が付着した網掛け印刷部4とを有する。
また、例えば、図2に示す包装用紙1Bは、セルロース繊維を主成分とするシート2の一部領域において、シート2内部に浸透した透明化材料3と、透明化材料3を有する領域の表面を被覆したコーティング層5と、前記シート2の片面の、前記透明化材料を有する領域に、光吸収性物質が付着した網掛け印刷部4とを有する。
図1、図2は模式的なものである。シート2と透明化材料3の界面、透明化材料3とコーティング層5の界面は、原則として電子顕微鏡を用いて観察できると考えられる。ただし、これらの断面視における各界面は、図1、2に模式的に図示したように明確には存在しない場合または明確に確認しにくい場合もあり得る。
また、網掛け印刷部4は、光吸収性物質のドットが複数付着したものである。そのため、断面視における網掛け印刷部4(光吸収性物質)の界面は、模式的に図示した図面のように必ずしも明確に存在しない場合もあり得る。
「セルロース繊維を主成分とするシート」
「セルロース繊維を主成分とするシート」とは、セルロース繊維の含有量がシート全体に対して50質量%以上であるシートを意味する。セルロース繊維の含有量は、シート全体に対して60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましく、100質量%が最も好ましい。
セルロース繊維を主成分とするシートとしては、紙、板紙、不織布などの基材が例示できる。中でも、紙基材は、優れた半透明領域を有する包装用紙が得られやすいため好ましい。
紙基材を構成するパルプは、その主成分がセルロース繊維である。パルプとしては、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ、非木材パルプ等が挙げられる。ただし、紙基材におけるパルプは、これらの例示に限定されない。
化学パルプとしては、例えば、針葉樹由来パルプ(NKP)、広葉樹由来パルプ(LK P)等が挙げられる。
針葉樹由来パルプとしては、例えば、針葉樹未晒クラフトパルプ( NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSB KP)、針葉樹亜硫酸パルプ(NSP)等が挙げられる。
広葉樹由来パルプとしては、例えば、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ(LSP)等が挙げられる。
機械パルプとしては、例えば、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等が挙げられる。
古紙パルプとしては、例えば、離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、離解・脱墨・漂白古紙パルプが挙げられる。古紙パルプの原料となる古紙としては、例えば、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等が挙げられる。
非木材パルプとしては、ケナフ、綿、麻、葦等の非木材繊維から化学的に又は機械的に製造されたパルプ等の種々のパルプが挙げられる。
これらのパルプは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、化学パルプはシートの視認性と強度を両立するのに適しており、主成分として用いることが好ましい。
パルプとして古紙パルプを用いる場合、古紙パルプの含有量は、紙基材を構成するパルプの全質量に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。古紙パルプの含有量が前記上限値以下であると、半透明紙を飲食品用の包装材に好適に適用できる。古紙パルプの含有量の下限値は、0質量%である。
紙基材を構成するパルプのフリーネスは、350mlCSF以上が好ましく、400~700mlCSFがより好ましく、450~600mlCSFがさらに好ましい。紙基材中のパルプのフリーネスが前記数値範囲の下限値以上であると、包装用紙の強度を維持しやすい。紙基材中のパルプのフリーネスが前記数値範囲の上限値以下であると、透明性、視認性に優れた半透明領域を有する包装用紙が得られやすい。
紙基材中のパルプのフリーネス(単位:mlCSF)は、JIS P8121-2にしたがって測定される。
従来、半透明紙として一般に知られているグラシン紙は、叩解度を高めた化学パルプ、例えば、フリーネスが25 0mlCSF以下の化学パルプが使用されている。しかし、叩解度を高めたパルプ繊維はすり潰され、また、カットされているため、封筒の透明窓部分には用いられても、強度が求められる包装袋等の用途には適用しにくい。
対して、本発明においては、紙基材のフリーネスを350mlCSF以上にとどめても視認性を確保できるため、包装用紙の強度を維持しやすい。また、グラシン紙と呼ばれる紙基材であっても、包装体の強度を維持できる範囲内のものであれば、包装用紙のシートとして適用できる。
紙基材としては、例えば、クラフト紙、片艶クラフト紙、片艶紙、上質紙、電子写真用紙、インクジェット記録用紙、熱転写記録用紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、白板紙、色板紙、段ボール用ライナーなどが使用できる。中でも、顔料の含有量の少ない上質紙、電子写真用紙、クラフト紙、片艶クラフト紙は半透明領域の視認性が優れるため好ましい。
紙基材は、平滑度、白色度を向上させるタルクや炭酸カルシウムなどの填料が添加されることがある。しかし、填料は紙の透明性、視認性に影響を与え得るため、視認性を損なわない範囲内の填料の含有量とすることが好ましく、紙基材は填料を含まないことが好ましい。
紙基材の坪量は、40~150g/cmが好ましく、45~100g/cmがより好ましく、50~85g/cmがさらに好ましい。紙基材の坪量が前記上限値以下であると、包装用紙の半透明領域の不透明度を下げやすくなる。一方、紙基材の坪量が前記下限値以上であると、包装用紙としての良好な紙強度を得やすい。
紙基材の坪量は、JIS P8124にしたがって測定される。
紙基材の密度は、0.5~0.8g/cmが好ましく、0.55~0.75g/cmがより好ましい。紙基材の密度が前記上限値以下であると、包装用紙の透明化材料の含有量を高めやすい。紙基材の密度が前記下限値以上であると、包装用紙の強度を高めやすい。
紙基材の密度は、JIS P8118にしたがって測定される。
紙基材の厚みは、20~120μmが好ましく、20~80μmがより好ましく、30~70μmがさらに好ましい。紙基材の厚みが前記数値範囲の下限値以上であると、包装用紙の強度を高めやすい。紙基材の厚みが前記数値範囲の上限値以下であると、半透明領域において優れた視認性が得られやすい。
紙基材の厚みは、平面に対して垂直な断面を切り出し、当該断面を電子顕微鏡で観察したときの厚み方向の最大値を測定した値である。
紙基材の製造方法は特に限定されない。例えば、紙基材の原料となるパルプを叩解する工程と、叩解したパルプを含むパルプスラリーを抄紙する工程と、抄紙して得られたウェットシートを乾燥する工程を含む方法が挙げられる。
叩解する工程においては、紙基材の離解フリーネスが所望の範囲となるまで原料のパルプを叩解することが好ましい。叩解機は特に限定されない。例えば、ダブルディスクリファイナー等が挙げられる。
抄紙に用いられる抄紙機は特に限定されない。例えば、長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機等が挙げられる。
抄紙後、乾燥する工程を経て得られた紙基材の表面には、平滑化処理を施してもよい。
平滑化処理を施すことにより、表面強度、印刷適性等を高めることができる。平滑化処理としては、例えば加圧可能なリール間で紙基材を加圧処理する方法が挙げられる。平滑化処理を施すための装置は特に限定されない。例えばワインダー部前のマシンカレンダー、グロスカレンダー、ソフトニップカレンダー等に通紙して製品仕上げが施される。マシンカレンダーとスーパーカレンダーを併用してもよく、マシンカレンダーに代えてスーパーカレンダーを使用してもよい。
「透明化材料」
本発明の包装用紙は、セルロース繊維を主成分とするシートの全面領域或いは一部領域において、透明化材料がシート内に浸透した半透明領域を有する。包装用紙を包装袋とした際に包装袋の外部から内容物やあて名を半透明領域越しに見ることができる。
平面視における半透明領域の形状および面積割合は何ら限定されない。包装用紙等の用途に応じて適宜設定または変更が可能である。また、他の例においては、半透明領域はシートの平面方向の全部の領域であってもよい。また、半透明領域の数は特に限定されず、1つでも複数でもよい。複数の半透明領域を備えた包装用紙の場合、各半透明領域の大きさや形状も特に限定されない。
透明化材料が浸透した半透明領域の不透明度は、特に限定するものではないが、10~40%程度であることが好ましい。10%以上の場合、シート内部での光散乱による視認性が低下しやすいが、光吸収性物質による散乱光の吸収が十分機能し、視認性の効果が高まる。半透明領域の不透明度が前記数値範囲の上限値以下であると、半透明領域の透明性が向上する。
半透明領域の不透明度は、JIS P 8138:1976にしたがって測定される。
半透明領域のヘイズは80%以下が好ましい。半透明領域のヘイズが80%以下であると、半透明領域の透明性が向上する。半透明領域のヘイズの下限値は特に限定されないが、例えば、10%以上、好ましくは20%以上である。半透明領域のヘイズが前記下限値以上であると、包装用紙の強度を高めやすい。
半透明領域のヘイズは、JIS-K7136にしたがって測定される。
半透明領域の密度は、0.7~1.2g/cmが好ましく、0.8~1.2g/cmがより好ましく、0.8~1.1g/cmがさらに好ましい。半透明領域の密度が前記数値範囲の下限値以上であると、繊維間の空気層が樹脂成分の含浸により充分に排除されていると考えられる。半透明領域の密度が前記数値範囲の上限値以下であると、包装用紙1Aを包装体等とする際の加工性が向上する。
半透明領域の密度は、JIS P8118にしたがって測定される。
透明化材料は特に限定されない。透明化材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ニトロセルロース、セラック、ロジン等の透明化樹脂;桐油、亜麻仁油、ヒマシ油、親水ヒマシ油、ヤシ油、大豆油、市販のサラダ油等の植物油;カウナバワックス、パームワックス、蜜蝋、鯨蝋、木蝋等の蝋、ワックス類が挙げられる。
透明化材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、経時的に安定な透明化樹脂が好ましく、アクリル樹脂がより好ましい。アクリル樹脂のなかでも、特に、紫外線硬化型のアクリル樹脂は表面被覆性に優れ、また断面視における透明化材料3の含浸した領域の界面が鮮明になるため好ましい。
紫外線硬化型のアクリル樹脂としては、特開2021-91481号公報の段落0025、段落0026に開示のものが挙げられる。
透明化材料としては、以上例示したもののなかから屈折率が1.4~1.6、好ましくは1.45~1.58、より好ましくは1.48~1.58、さらに好ましくは1.50~1.58、特に好ましくは1.52~1.58の範囲内にあるものを選択することが好ましい。セルロース繊維の屈折率は一般に1.4~1.6の範囲内にあると言われているためである。透明化材料の屈折率が前記数値範囲内であると、セルロース繊維の屈折率との差が小さく、半透明領域の透明性、視認性を高めやすい。ジルコニウム、チタニウムのような高屈折率の物質を適宜配合して屈折率を調整してもよい。
透明化材料3の屈折率は、JIS K7142にしたがって測定される。
透明化材料はセルロース繊維に浸透させることから、常温または加熱状態で液体のものが好ましい。また、常温または加熱状態で有機溶剤等の液状媒体に溶解可能なものも浸透性の点で好ましい。すなわち、透明化材料は、製造時には浸透性のある液状の透明化剤としてシート内に含浸させることができるものが好ましい。半透明領域は主に透明化材料を含むが、製造時に用いた透明化剤に由来する他の成分が存在してもよい。
透明化剤は、透明化材料を含む液体である。透明化材料が常温で固体の場合、透明化材料を溶解可能な液状媒体を用い、液状の透明化剤を調製する。透明化材料が常温で液体の場合、液状媒体を用いて透明化材料の濃度を変更してもよく、液状媒体を用いずにそのまま透明化剤として用いてもよい。
液状媒体は特に限定されない。水性溶剤、有機溶剤のいずれも使用できる。液状媒体が水分を含むと、水分によりシートが膨潤しやすい。また、その後の乾燥時にはシートが収縮しやすい。そのためカール、ぼこつき、および凹凸が発生しやすい。よって、液状媒体は水分を含まないことが好ましく、有機溶媒がより好ましい。
有機溶剤は極性溶媒でもよく、非極性溶媒でもよい。
極性溶媒としては、例えば、アルコール類、エーテル類、エステル類、非極性溶媒等が挙げられる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノールが挙げられる。
エーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングルコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングルコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングルコールモノイソプロピルエーテル、テトラエチレングルコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、ジエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、トリエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル等のグリコールエーテルが挙げられる。
エステル類としては、例えば、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
非極性溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等のパラフィン系炭化水素;イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン等のイソパラフィン系炭化水素;流動パラフィン等のアルキルナフテン系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素;シリコーンオイルなどが挙げられる。
透明化剤は、透明化材料および液状媒体以外の他の成分をさらに含んでもよい。他の成分としては、例えば、アンモニア、エチレンジアミン、トリエチルアミン等の塩基性物質;グリセリン、エチレングリコール等の粘度調整剤;ジルコニウム、チタニウム等の高屈折率物質;消泡剤;離型剤が挙げられる。ただし、他の成分はこれらの例示に限定されない。
「網掛け印刷部」
本発明の包装用紙においては、透明化材料を有する領域に、光吸収性物質が付着した網掛け印刷部を有することが特徴である。光吸収性物質による網掛け印刷は、シート内部で散乱した光を吸収する働きをするため、シートを透過する光量は減るものの、散乱光が抑制されるため、視認性が向上する。
光吸収性物質としては、吸収係数の高い物質であれば特に限定されない。光吸収性物質7は網掛け印刷によって形成されるため、印刷時のインクを調製して使用できる。例えば、黒色系の成分、特に黒色系インクは、光の吸収性に優れる点で好ましい。黒色系インクとしては、単色印刷の黒インクでも、複数色用いたコンポジットブラックであってもよい。ただし、光吸収性物質の色は黒に限定されない。
網掛け印刷部は、ドットの集まりで形成される。ドットのパターンの形状については特に限定はしない。例えば、領域を網点、格子、斜線、円、環、多角形などのパターンで埋めていればよい。ドットパターンの形状は、網掛け印刷を行う際の設定条件によって適宜変更できる。
網掛け印刷部の面積率としては20%~80%が好ましく、25%~7 5%がより好ましい。
面積率が前記数値範囲の下限値以上であると、網掛け印刷部によって散乱光を吸収しやすい。面積率が前記数値範囲の上限値以下であると、網掛け印刷部によって半透明領域の色調や色感が影響を受けにくいと考えられる。
ここでいう面積率とは、単位面積あたりに占める網点の面積を百分率で表わした値である。ベタ印刷の場合、面積率100%であり、ドットがない場合は面積率0%である。面積率は、網掛け印刷を行う際の設定条件によって適宜変更できる。
網掛け印刷のドットの大きさは、特に限定されない。例えば、40~100μmが好ましく、50~80μmがより好ましい。ドットの大きさが前記数値範囲の下限値以上であると、網掛け印刷部によって散乱光を吸収しやすい。ドットの大きさが前記数値範囲の上限値以下であると、網掛け印刷部によって半透明領域の色調や色感が影響を受けにくいと考えられる。
ドットの大きさは、1つのドットを内包する外接円または外接楕円のうち、面積が最小となる外接円または外接楕円の直径または短径として測定される値である。ドットの大きさは、網掛け印刷を行う際の設定条件によって適宜変更できる。
光吸収性物質の色は、包装用紙の用途、包装体とした際の内容物、シートの色合い、内容物の色に応じて適宜変更することが好ましい。例えば、ユーザーや消費者の好みに合わせて視認性や色感を変更できるためである。商品化においては、例えば、包装体の内容物の色と同系色の光吸収性物質を用いてもよく、包装体の内容物の色と補色関係にある光吸収性物質を用いてもよい。
また、網掛け印刷部のドットパターンの形状、各ドットの大きさ、面積率についても、包装用紙の用途、包装体とした際の内容物、内容物の色に応じて適宜変更することが好ましい。ユーザーや消費者の好みに合わせて視認性や色感を変更できるためである。
「コーティング層」
本発明の包装用紙は、半透明領域のシート表面に設けられたコーティング層を有することが好ましい。コーティング層によって半透明領域の視認性がさらに向上する。
図2に示す一例、すなわち、包装用紙1Bにおいては、コーティング層5が半透明領域の平面方向の全面に設けられているが、他の例においては、コーティング層は半透明領域の平面方向の一部に設けられていてもよい。また、コーティング層の数は1つでも複数でもよい。
コーティング層の材料は、視認性の点で透明な材料が好ましい。コーティング層の材料として、例えば、透明化材料、OPニスが挙げられる。透明化材料としては、半透明領域について説明したものと同じものが挙げられる。コーティング層が透明化材料を含む場合、コーティング層の透明化材料と半透明領域の透明化材料は互いに同一の種類でもよく、異なる種類でもよい。また、コーティング層の材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
OPニスは、オーバープリントニスと呼ばれることがある。OPニスの成分は、製品、製造業者等に応じて異なるが、亜麻仁油、桐油及び硝化綿からなる群から選ばれる少なくとも一以上を含むOPニスが好ましい。OPニスの市販品としては、例えば、東洋インキ株式会社、株式会社T&K TOKA、富士インキ製造株式会社の製品が挙げられる。
OPニスは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
コーティング層の厚みは0.5~2.5μmが好ましく、0.5~2.5μmがより好ましく、0.7~2.0μmがさらに好ましい。コーティング層の厚みが前記数値範囲の下限値以上であると、半透明領域の表面の凹凸を少なくして平滑度を高めやすく半透明領域において優れた視認性が得られやすい。コーティング層の厚みが前記数値範囲の上限値以下であると、包装用紙を包装体等とする際の加工性が向上する。
コーティング層の厚みは、平面に対して垂直な断面を切り出し、当該断面を電子顕微鏡で観察したときの厚み方向の最大値を測定した値である。
「包装用紙の製造方法」
本発明の包装用紙の製造方法としては、特に限定しないが、例えば、
(1)セルロース繊維を主成分とするシートの全領域或いは一部領域の光吸収性物質の網掛け印刷を行い、次いで、網掛け印刷を行った領域に透明化剤を塗工・含浸、被覆することを特徴とする半透明領域を有する包装用紙の製造方法。
(2)セルロース繊維を主成分とするシートの全領域或いは一部領域に透明化剤を塗工・含浸した後、光吸収性物質の網掛け印刷を行い、次いで、網掛け印刷を行った領域に透明化剤を被覆することを特徴とする半透明領域を有する包装用紙の製造方法。
などが採用できる。
透明化剤は、シート内部に浸透せしめることで、シート内部の空隙をセルロースの屈折率に近い透明化剤で埋めるため、シート内部での屈折を抑えることができる。更に好ましくは、シート表面まで覆うことで、シート表面の凹凸による屈折を抑えることができる。透明化剤は、シートに一度で塗布・含浸してもよく、複数回に分けて塗布・含浸しても よい。また、シートの両面から塗布・含浸をしてもよい。複数回に分けて形成する場合、用いる透明化剤を使い分けてもよい。例えば、亜麻仁油等の植物油類を含浸し、アクリル樹脂等の樹脂等で被覆してもよい。透明化剤のシートへの塗布・含浸する方法は、特に限定しないが、塗工機や印刷機が使用できる。また、透明化剤を付与する領域には、光吸収性物質の網掛け印刷を行うので、透明化剤も印刷機を用いることが好ましい。
網掛け印刷は、公知の印刷方法が使用でき、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、電子写真印刷など適宜使用できる。透明化剤の塗布・含浸と同じ印刷機で行ってもよい。また、予めシートに印刷しておいてもよい。
「包装袋及び包装袋の製造方法」
本発明の包装用紙は、袋状にして包装袋とすることができる。得られた包装袋は、強度と視認性を兼ね備えた袋となる。また、透明化剤を一部領域の設けた包装用紙の場合、その半透明領域を内容物確認用の窓として使用することができる。
包装袋にする場合、包装用紙を公知の接着剤やヒートシール剤等の手法により接着することで、袋状に成形することができる。
なお、包装袋の形状は、封筒、平袋、角底袋、マチ付き袋、手提袋等、特に限定するものではなく、適宜選択出きる。
(作用機序)
図3~図5を用いて本発明の作用機序を説明する。図3~図5においては、対象像11が上面に印刷された包装物10の上側に透明な樹脂フィルムF(図3)、半透明紙21(図4)、包装用紙1A(1B)(図5)をそれぞれ重ねた。包装用紙の半透明領域の上側から対象像11を視認像12として知覚する際の対象像11から反射した光線の進み方を矢印で示す。
図3の透明フィルムFの場合、対象像11から反射した光線は、視覚位置、すなわち視認像の位置に向かって直線的に進むため視認像12Aの輪郭は鮮明である。そのため、対象像11の印刷情報はフィルムを透して視認することができる。
図4の半透明紙21の場合、対象像11から反射した光線はシート22内に含浸した樹脂23の部分で屈折し、また、散乱光が多い。そのため、対象像11の印刷情報を半透明紙21を透して視認することはできる。しかし、光の散乱が多く、視認像12Bは輪郭のはっきりしない不鮮明な像となる。充分な視認性が得られたとは言い難い。
図5の本発明の包装用紙の場合は、光吸収性物質の網掛け印刷により、シート内部で生じた散乱光を吸収する。そのため、対象像11から反射した光線のうち、視覚位置に向かって直線的に進む光線が選択的に半透明領域を通過しやすい。よって、視認像12Cの輪郭は視認像12Bより鮮明となる。半透明領域を透しても内容物の視認性が向上する。
ここまで、樹脂等の透明化剤を含浸した透明化紙について触れたが、斯かる技術思想は、叩解度を高めたパルプ繊維を用いて抄紙した例えばグラシン紙などにも適用できる。即ち、高叩解されたパルプを用いて抄紙されたセルロース繊維を主成分とするシートであって、前記シートの片面の少なくとも一部領域に、光吸収性物質の網掛け印刷部を有する特徴とする半透明領域を有する包装用紙である。グラシン紙等でもシート内部で散乱が生じているため、片面に光吸収性物質の網掛け印刷部を設けると、設けない場合にくらべ、グラシン紙を透しての視認性が改善される。この場合の作用も上述の作用機序と同じであると考えられる。
(用途)
本発明の包装明紙の用途としては、包装袋、封筒、封筒の窓用のほか、包装材、クリアファイル、ラベル等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によってより具体的に説明するが、本発明は、以下の記載によって限定されない。
「シート」
セルロース繊維を主成分とするシートとして、坪量45g/mの片艶クラフト紙を準備した。この片艶クラフト紙の密度は0.75g/cmであり、厚みは67μmであった。
「透明化剤」
実施例1~6については、透明化剤として、アクリル系パラフィン溶剤(商品名:クラリテンDC、大和化学社製)を準備した。クラリテンDCの屈折率は1.50である。溶媒としては、パラフィン系溶剤(商品名:クラリテンS)を添加して、透明化材料の濃度が90質量%の透明化剤を用意した。
さらに、実施例7については、紫外線硬化型アクリル樹脂系のOPニス(商品名:DCグロスOPニスUV-20N)を準備した。DCグロスOPニスUV-20Nの屈折率は1.53である。
溶媒としては、エチレングリコールモノターシャリブチルエーテル(商品名:UVフレッシュエコーII、モリタファインケミカル製)を添加して、濃度が95質量%の透明化剤を用いた。
「光吸収性物質」
黒色インク(商品名:NCPマット墨、DIC社製)を用いた。
「包装用紙の製造1:実施例1~7、比較例1~3」
片艶クラフト紙の艶面に、枚葉オフセット印刷機(RYOBI・300ACCD)を用い黒色インクで網掛けを表1に示す6つのパターンで印刷を行い、網掛け印刷をした。網掛けの領域に松尾産業マイクロメーター調整式アプリケーターを用い、透明化剤を塗布量が1.2g/mとなるように塗工・印刷した。実施例1~6のアクリル系パラフィン溶剤の場合は、120℃の熱風ドライヤーにて30秒間乾燥した。実施例7の紫外線硬化型アクリル樹脂系のOPニスの場合は、日本文化精工株式会社のNPT-453(4.8kw 2灯) を用いて紫外線硬化させた。
比較例1では、網掛け印刷を行っていない領域に透明化剤を塗工・印刷した以外は実施例1と同じ操作を行った。比較例2では、網掛け印刷に変えてベタ印刷を行った領域に透明化剤を塗工・印刷した以外は実施例1と同じ操作を行った。比較例3では、網掛け印刷を行ったが、透明化剤を使用しなかった。
<評価方法>
各例の透明紙について、下記の方法で測定、評価を行った。結果を表1に示す。
(透明領域の不透明度)
JIS P8138:1976にしたがい、スガ試験機のカラーメーターSC-WTで測定した。
(視認性の評価)
水平な台の上に、10.5ポイントのワード文書をプリントしたA4版の印刷物を置き、その上に得られた包装用紙を重ねた。その上方30cmの位置から、包装用紙の半透明部の領域を透して印刷物が読めるかを視認性の評価とした。
◎:文字の欠落が無く認識できるもの
○:文字の欠落が一部で文字が認識できるもの
×:文字が各所で欠落して文字が読み難いもの
××:文字が各所で欠落して文字として著しく認識しがたいもの
Figure 2023014977000002
表1に示すように、網掛け印刷を行った実施例1~7の半透明領域では、比較例1~3よりも視認性が向上した。
「包装用紙の製造2:実施例8、比較例4、5」
実施例8においては、片艶クラフト紙の艶面に、塗布量が1.2g/mとなるように透明化剤を松尾産業マイクロメーター調整式アプリケーターで塗布・含浸し、120℃の熱風ドライヤーにて30秒間乾燥して半透明領域を形成した。その後、枚葉オフセット印刷機(RYOBI・300ACCD)を用いて黒色インクで網掛け印刷を行った。網掛け印刷の領域に松尾産業マイクロメーター調整式アプリケーターを用い、塗布量が1.2g/mとなるように透明化剤を塗布・含浸し、120℃の熱風ドライヤーにて30秒間乾燥して厚みが1.0μmのコーティング層を形成した。
比較例4では、網掛け印刷を行っていない領域に透明化剤を塗工・印刷した以外は実施例8と同じ操作を行った。比較例5では、網掛け印刷に変えてベタ印刷を行った領域に透明化剤を塗工・印刷した以外は実施例8と同じ操作を行った。
各例の不透明度、視認性の評価結果を表2に示す。測定方法および評価方法は、実施例1~7等と同じである。
Figure 2023014977000003
表2に示すように、実施例8の半透明領域では、優れた視認性が得られた。
1A、1B:半透明領域を有する包装用紙
2:シート
3:透明化材料
4:網掛け印刷部
5:コーティング層
10:包装物
11:対象像
12:視認像
F:樹脂フィルム
21:半透明紙
22:シート
23:透明化材料

Claims (8)

  1. セルロース繊維を主成分とするシートと、
    前記シートの全面領域或いは一部領域において、シート内部に浸透している透明化材料と、
    前記シートの前記透明化材料を有する領域に、光吸収性物質が付着した網掛け印刷部と、
    を有することを特徴とする、半透明領域を有する包装用紙。
  2. 透明化材料が浸透している領域の不透明度が10~40%である請求項1に記載の半透明領域を有する包装用紙。
  3. 請求項1又は2に記載の包装用紙を袋状にした、半透明領域を有する包装袋。
  4. 前記包装袋が封筒であり、その一部分に透明化材料が浸透している領域による窓が形成されている請求項3に記載の包装袋。
  5. セルロース繊維を主成分とするシートに、前記シートの全領域或いは一部領域の光吸収性物質を網掛け印刷により付着させ、次いで、網掛け印刷を行った領域に透明化剤を塗工・含浸することを特徴とする半透明領域を有する包装用紙の製造方法。
  6. セルロース繊維を主成分とするシートに、前記シートの全領域或いは一部領域に透明化剤を塗工・含浸した後、光吸収性物質の網掛け印刷を行い、次いで、網掛け印刷を行った領域に透明化剤を被覆することを特徴とする、半透明領域を有する包装用紙の製造方法。
  7. 高叩解されたパルプを用いて抄紙されたセルロース繊維を主成分とするシートであって、
    前記シートの片面の少なくとも一部領域に、光吸収性物質が付着した網掛け印刷部を有することを特徴とする、半透明領域を有する包装用紙。
  8. 窓付き封筒であって、
    前記窓付き封筒の窓部が、請求項7に記載の半透明領域を有する包装用紙である、窓付き封筒。
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