JP2023146156A - 磁性キャリア - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性が耐久維持されて、帯電特性が安定し、耐久後もカブリや画像欠陥、キャリア被覆層の削れが抑制された磁性キャリアを提供すること。【解決手段】磁性コアと、該磁性コアの表面を被覆する被覆層とを有する磁性キャリア粒子を含む磁性キャリアであって、該被覆層は、被覆樹脂とフィラー粒子とを含有しており、該フィラー粒子は、カップリング剤で表面処理された処理粒子であり、該被覆樹脂とフィラー粒子とが、該カップリング剤を介して結合していることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は電子写真法を用いて静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用される磁性キャリアに関する。
従来、電子写真方式の画像形成方法は、静電潜像担持体上に種々の手段を用いて静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させて、静電潜像を現像する方法が一般的に使用されている。この現像に際しては、磁性キャリアと呼ばれる担体粒子をトナーと混合し、摩擦帯電させて、トナーに適当量の正または負の電荷を付与し、その電荷をドライビングフォースとして現像させる二成分現像方式が広く採用されている。
二成分現像方式は、磁性キャリアに対して現像剤の撹拌、搬送、帯電などの機能を付与できるため、トナーとの機能分担が明確であり、このため現像剤性能の制御性が良いなどの利点がある。ここで磁性キャリアは、磁気を持たせて搬送性を獲得するための磁性コアと、トナーへの帯電付与能を獲得させるための被覆樹脂が磁性コアに被覆された構成であることが多い。このとき、キャリア被覆樹脂の削れおよび剥がれの防止、現像剤寿命の延長、帯電特性の維持といった観点から、被覆樹脂層の強度を向上させることが行われてきた。例えば、特許文献1においては、樹脂被覆層に特定の添加剤を含有させ、樹脂層の強度を向上させることが行われている。しかしながら、これらの添加剤が印刷枚数の増加に応じてキャリア表面より脱離する場合があることが知られており、添加剤種によってはトナー表面での帯電特性を劣化させるなど、画像弊害の要因となることがあった。
そこで、例えば特許文献2においては、添加剤粒子の表面を化学的に処理し、被覆樹脂層からの脱離を防止する構成が公開されている。この効果は顕著であるといえるが、特に近年の電子写真方式の印刷機は高速化が著しく、また総印刷枚数も増加傾向にあり、より耐久性の高い現像剤を実現可能なキャリアが要望されている。特許文献2に代表されるような構成では印刷初期においては良好な画像を得ることができたが、特定の印刷機構成においては市場の要望するほどの耐久特性は実現できておらず、さらなる改善が必要であると考えられる。
特開平6-202381号公報 特開2006-78918号公報
一般的に、被覆樹脂層に添加することで樹脂層の強度を向上できる材料には、抵抗が低く、トナーへの移行が起こった際に帯電特性に影響を与える材料が多い。また、これらの材料には一般的に用いられる被覆樹脂との親和性が低いものが多く、キャリア表面からの脱離が起こりやすいという特徴がある。また、これらの添加剤(以下、フィラーまたはフィラー粒子と呼称する場合がある)の脱離が進行すると、被覆樹脂層の強度が低下することも考えられ、被覆樹脂層の強度向上の観点からもフィラー粒子の脱離を防止することは重要である。
すなわち、高耐久キャリアを実現させるためには、被覆樹脂層の強度を向上させる性能を持つフィラー粒子を強固にキャリアに固着する技術が求められる。
上記に鑑み、本発明は、優れた耐摩耗性が耐久維持されて、帯電特性が安定し、耐久後もカブリや画像欠陥、キャリア被覆層の削れが抑制された磁性キャリアを提供することを課題とする。
本発明は、磁性コアと、該磁性コアの表面を被覆する被覆層とを有する磁性キャリア粒子を含む磁性キャリアであって、
該被覆層は、被覆樹脂とフィラー粒子とを含有しており、該フィラー粒子は、カップリング剤で表面処理された処理粒子であり、該被覆樹脂とフィラー粒子とが、該カップリング剤を介して結合していることを特徴とする磁性キャリアである。
本発明によれば、優れた耐摩耗性が耐久維持されて、帯電特性が安定し、耐久後もカブリや画像欠陥、キャリア被覆層の削れが抑制された磁性キャリアが提供される。
本発明で用いた比抵抗測定装置の概略図である。 トナーの表面処理を行う表面処理装置の概略図である。
本発明において、数値範囲を示す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明の目的は、キャリア被覆樹脂層の内部に硬質なフィラー粒子が内包され、これが耐久使用においても脱離が抑制されることによって達成される。
使用されるフィラー粒子の表面は、化学的な処理によって特定の官能基で修飾されており、被覆樹脂を形成する樹脂の一部と、粒子表面に存在する処理剤の一部が化学的に結合していることにより、フィラー粒子の脱離が抑制され、優れた耐久性が維持される。
以下に本発明の実施形態をより詳細に説明する。
〔磁性キャリア粒子〕
<磁性コア>
本発明に係る磁性キャリアの磁性コアとしては、従来のフェライト、マグネタイト等の磁性体粒子を使用することができる。また、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型の磁性コアも用いることができる。また、空孔を有するフェライトやマグネタイト粒子に樹脂を充填させた形態の磁性コアを用いることができる。
中でもバインダー型の磁性コアもしくは空孔を有する磁性体粒子に樹脂を充填させた形態の磁性コアは、磁性キャリアの比重を小さくすることができる為、長寿命化の観点から好ましい。
磁性キャリアの比重を下げることは、例えば現像器内の現像剤状態にあるトナーに対する負荷が軽減し、磁性キャリア粒子の表面にトナー構成成分の付着を防ぐことができ、キャリア同士の負荷も軽減され、有機ケイ素重合体粒子の脱離や破壊、樹脂被覆層の剥れ、欠け、削れの更なる抑制に繋がる。またドット再現性を改善することができ、高精細な画像を得ることができるようになる。
なお、多孔質形状の磁性粒子の空孔に含有させる樹脂としては、被覆樹脂として使用する共重合体樹脂を用いることもできるが、これに限らず、公知の樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、被覆樹脂として用いる共重合体が好ましいが、それ以外にも例えば、以下のものが挙げられる。ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフルオロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフルオロカーボン樹脂、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、ノボラック樹脂、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートといった芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂。
熱硬化性樹脂としては、例えば、以下のものが挙げられる。フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、無水マレイン酸とテレフタル酸と多価アルコールとの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素-メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン-グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂。
多孔質形状を有するフェライト粒子の空隙に樹脂成分を充填する方法としては、樹脂成分を溶剤に希釈し、その希釈液中に多孔質磁性コア粒子に添加する方法が挙げられる。ここに用いられる溶剤は、各樹脂成分を溶解できるものであればよい。有機溶剤に可溶な樹脂である場合は、トルエン、キシレン、セルソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノールの如き有機溶剤を用いればよい。また、水溶性の樹脂成分又はエマルジョンタイプの樹脂成分である場合には、水を用いればよい。前記多孔質磁性コア粒子内部に、溶剤で希釈された樹脂成分を添加させる方法としては、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、流動床、及び混練法の如き塗布方法により樹脂成分を含浸させ、その後、溶剤を揮発させる方法が挙げられる。熱硬化性樹脂を充填する場合には、前記溶剤を揮発させた後、用いる樹脂の硬化する温度まで温度を上げて、硬化反応をさせる。
一方、磁性体分散型樹脂粒子の具体的な製造方法としては、以下の方法が挙げられる。例えば、鉄粉、マグネタイト粒子、フェライト粒子の如きサブミクロンの磁性体を熱可塑性樹脂中に分散させるように混練し、所望の磁性キャリア粒径まで粉砕し、必要に応じて熱的または機械的な球形化処理を施して得ることができる。また、上記磁性体をモノマー中に分散させ、モノマーを重合して樹脂を形成することにより製造することも可能である。
この場合の樹脂としては、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂及びポリエーテル樹脂の如き樹脂が挙げられる。樹脂は、一種であっても、二種以上の混合樹脂であってもよい。特に、フェノール樹脂は、磁性コアの強度を高めるという点で好ましい。真密度や比抵抗の調整は、磁性体の量を調整することによって行うことができる。具体的には、磁性体粒子の場合、磁性キャリアに対して70質量%以上95質量%以下添加することが好ましい。
磁性コアは、体積平均粒径(D50)が20μm以上80μm以下であることが被覆樹脂を均一に被覆でき、磁性キャリア付着防止及び高画質画像を得るための現像剤磁気ブラシの密度を適度にする上で好ましい。
磁性コアの比抵抗は、電界強度1000(V/cm)における比抵抗値が1.0×105(Ω・cm)以上1.0×1014(Ω・cm)以下であると良好な現像性が得られるようになる為、好ましい。
<被覆樹脂>
本発明の磁性キャリアを構成する被覆樹脂は、反応性官能基を有する樹脂を含有する。被覆樹脂は、反応性官能基を有する樹脂であれば特に制限されず、公知のものを使用することができ、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、フェノール樹脂などの如き樹脂、あるいはそれらを含有する共重合ポリマーやポリマー混合物などを用いることができる。特に、帯電特性やキャリア表面への異物付着の防止などの観点から、アクリル樹脂またはシリコーン樹脂を用いることが好ましい。
反応性官能基としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基などの公知の官能基を選択することができる。具体的には、カルボキシ基を有する樹脂としてはアクリル酸やメタクリル酸、イタコン酸をモノマーとして重合させた樹脂、ヒドロキシ基を有する樹脂としては3-ヒドロキシメチルアクリル、2-ヒドロキシエチルアクリル酸、2-ヒドロキシプロピルアクリル酸、2-ヒドロキシプロピルメタクリル酸、2-ヒドロキシブチルアクリル酸等からなる樹脂、ビニル基を有する樹脂としてはアクリル酸アリル、メタクリル酸アリル等、からなる樹脂、エポキシ基を有する樹脂としてはグリシジル酸アクリル酸、アクリル酸ヒドロキシブチルグリシジルエーテル、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランからなる樹脂、アミンを有する樹脂としてはアクリルアミドやメタクリルアミドからなる樹脂が挙げられる。
また、側鎖にシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロペンチル基、シクロブチル基又はシクロプロピル基などの脂環式炭化水素基をもち、上記した反応性官能基を有するアクリル樹脂も、磁性コアの表面を被覆する樹脂被覆層の表面(塗膜面)が平滑になり、トナーや、トナーに流動性を付与する外添剤など、トナー由来成分の付着を抑制することができるため好ましい形態である。
また、被覆樹脂は本発明の効果を損なわない範囲で、反応性官能基を有さないモノマーとの共重合体であってもよく、反応性官能基を有さないポリマーとの混合体や積層体といった構造をとることも可能である。
<フィラー粒子>
本発明の磁性キャリアを構成するフィラー粒子は、カップリング剤を用いて表面処理されており、その表面が反応性の官能基で修飾されている処理粒子である。
反応性官能基としては被覆樹脂同様に、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基などの公知の官能基を選択することができる。
フィラー粒子の表面処理には任意の公知の手段を用いることができる。表面処理剤についてもシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤などから選択することができる。なかでも、シランカップリング剤を好適に用いることができる。
本発明の磁性キャリアを構成するフィラー粒子の材質としては表面処理が可能であれば特に制限されず、公知の材料を選択し、使用することができる。具体的には、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ゼオライト、ジルコニア、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄などが挙げられる。このうち、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ、窒化ホウ素、炭酸カルシウムが好ましい。また、フィラー粒子の形状にも特に制限はなく、球状、円盤状、針状などの形態をとることが可能である。
フィラー粒子は、被覆樹脂層の強度を向上させる効果を顕著に得られることから、ヤング率が30GPa以上であることが好ましい。より顕著な効果を得ることができることから70GPa以上であるとさらに好ましく、200GPa以上であると最高の効果を得ることができることから特段に好ましい構成である。被覆樹脂層の強度向上の効果を得るうえでは、ヤング率は高いほど好ましいが、600GPaより高くとなるとトナーや感光体ドラムの損耗が懸念されるため、600GPa以下であることが好ましい。
また、フィラー粒子の一次粒子の個数平均粒径は、5nm以上300nm以下であることが好ましい。すなわち、被覆樹脂層の強度向上効果をより好適に発揮するために5nm以上であることが好ましく、脱離防止効果をより高めるために300nm以下であることが好ましい。150nm以下であると脱離防止効果がさらに高まるため、より好ましい。
<被覆樹脂層>
被覆樹脂層は被覆樹脂とフィラー粒子からなり、被覆樹脂の反応性官能基と、フィラー表面のカップリング剤由来の反応性官能基との間に化学的な結合が形成されていることを特徴とする。
被覆樹脂層の平均層厚は、100nm以上3000nm以下であることが好ましい。すなわち、100nm以上であるとキャリアコアが露出することによる低抵抗化が起こりづらく、現像剤の帯電特性が維持されやすく好ましい。また、3000nmよりも厚くなると低湿環境下における帯電上昇を生じやすいことから、3000nm以下であることが好ましい。1500nm以下であると低湿環境下における帯電上昇をより効果的に抑制でき、好ましい。
上記被覆樹脂層の平均層厚をd、フィラー粒子の個数平均粒径をrとしたとき、r/d<0.8の関係式が満足されると、フィラー粒子の被覆樹脂層表面からの露出が抑制され、脱離防止効果が高まることから好ましい。
また、フィラー粒子が被覆樹脂層の組成成分の35vol%以上95vol%以下であることが好ましい。すなわち、35vol%以上を占める場合に被覆樹脂層の強度向上効果が得られやすく、好ましい。また、95vol%以下であると脱離防止効果をより好適に発揮できることから好ましい。40vol%以上90vol%以下であるとさらに好ましく、60vol%以上80vol%以下であることが特に好ましい。
フィラー粒子表面の反応性官能基と被覆樹脂の反応性官能基が同一であると、連続印刷時の帯電特性を安定させる効果があり、好ましい構成である。このことの原因は定かではないが、フィラー粒子表面の反応性官能基と被覆樹脂の反応性官能基が異なる場合、被覆樹脂層中の官能基分布に応じてミクロな帯電性のムラが生じることが原因であると推察している。
被覆樹脂の反応性官能基とフィラー粒子表面の反応性官能基の結合は、熱や光照射、あるいは重合開始剤の作用による反応によって生成される。その際の反応には公知の反応を選択して用いることができる。
重合開始剤を用いる場合には、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル如きのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの如き過酸化物系重合開始剤等が例示できる。
被覆樹脂の反応性官能基と、フィラー表面のカップリング剤由来の反応性官能基との間に化学的な結合が形成する際には、第三の架橋剤成分を用いると、フィラー粒子の脱離防止効果がより好適に発揮されることから好ましい。このことの原因は定かではないが、架橋剤を用いることによりフィラー表面・被覆樹脂間のみでなく、フィラー表面同士や被覆樹脂どうしの結合を含む複雑な架橋構造をとることで、被覆樹脂とフィラー粒子の間の結合力が上昇するためであると考えられる。
キャリコア表面への前記被覆樹脂の被覆処理の方法については、特に制限されず、公知の方法で行うことができる。例えば、磁性コアと被覆樹脂溶液を撹拌しながら溶剤を揮発させ、磁性コア表面に被覆樹脂を被覆するいわゆる浸漬法がある。具体的には、万能混合撹拌機(不二パウダル社製)、ナウターミキサ(ホソカワミクロン社製)等が挙げられる。また、流動層を形成しながらスプレーノズルから被覆樹脂溶液を吹きつけ、磁性コア表面に被覆樹脂を被覆する方法もある。具体的には、スピラコーター(岡田精工社製)、スパイラフロー(フロイント産業社製)が挙げられる。また、被覆樹脂を粒子の状態で磁性コアに対して、乾式で被覆を行う方法もある。具体的には、ハイブリダイザー(奈良機械製作所社製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)、ハイフレックスグラル(深江パウテック製)、シータ・コンポーザ(徳寿工作所社製)等の装置を用いた処理方法を挙げることができる。
<磁性キャリア>
磁性キャリアは、磁性コアとその表面を被覆する被覆樹脂層からなり、磁化の強さが、1000/4π(kA/m)の磁界下で、40(Am2/kg)以上80(Am2/kg)以下であることが好ましい。磁性キャリアの磁化の強さが上記の範囲内にある場合には、現像スリーブへの磁気的拘束力が適度であるため、キャリア付着の発生をより良好に抑制できる。また、磁気ブラシ中でトナーに与えられるストレスを低減することができるため、トナーの劣化や他の部材に対する付着を良好に抑制できる。
磁性キャリアは、体積平均粒径(D50)が20μm以上80μm以下であることが、トナーへの帯電付与能と画像領域へのキャリア付着の抑制と高画質化の観点から好ましい。より好ましくは、20μm以上60μm以下である。
〔トナー〕
次に、本発明においてその目的を達成するに好ましいトナーの構成を以下に詳述する。
<結着樹脂>
トナーは、結着樹脂として、下記の重合体などを用いることが可能である。ポリスチレン、ポリ-p-クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロルスチレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂とビニル系樹脂が混合、または両者が一部反応したハイブリッド樹脂;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。その中でも、ポリエステル樹脂を主成分としていることが、低温定着性の観点から好ましい。
ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価もしくは3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価もしくは3価以上のカルボン酸)、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとが用いられる。ここで、「歪み硬化性」を発現させるため、分岐ポリマーを作成するためには、非晶性樹脂の分子内において部分架橋することが有効であり、そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。従って、ポリエステルユニットの原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことが好ましい。
ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられる多価アルコールモノマーとしては、以下の多価アルコールモノマーを使用することができる。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(A)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
Figure 2023146156000001
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0以上10以下である。)
式(B)で示されるジオール類;
Figure 2023146156000002
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが用いられる。これらの2価のアルコール及び3価以上のアルコールは、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられる多価カルボン酸モノマーとしては、以下の多価カルボン酸モノマーを使用することができる。
2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n-ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n-オクテニルコハク酸、n-オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n-ドデセニルコハク酸が好ましく用いられる。
3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、例えば、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸無水物又はこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、特に1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸又はその誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。これらの2価のカルボン酸等及び3価以上のカルボン酸は、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
本発明のポリエステルユニットの製造方法については、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、前述のアルコールモノマー及びカルボン酸モノマーを同時に仕込み、エステル化反応またはエステル交換反応、及び縮合反応を経て重合し、ポリエステル樹脂を製造する。また、重合温度は、特に制限されないが、180℃以上290℃以下の範囲が好ましい。ポリエステルユニットの重合に際しては、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の重合触媒を用いることができる。特に、本発明の結着樹脂は、スズ系触媒を使用して重合されたポリエステルユニットがより好ましい。
また、ポリエステル樹脂の酸価は5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であり、水酸基価は20mgKOH/g以上70mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における水分吸着量が抑え、非静電付着力を低く抑えることができるため、カブリ性の観点から好ましい。
また、結着樹脂は、低分子量の樹脂と高分子量の樹脂を混ぜ合わせて使用しても良い。高分子量の樹脂と低分子量の樹脂の含有比率は質量基準で40/60以上85/15以下であることが、低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から好ましい。
<離型剤>
トナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、低温定着性、定着分離性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスの如き脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。本発明においては、耐ホットオフセット性がより向上する点で、炭化水素系ワックスがより好ましい。
本発明では、ワックスは、結着樹脂100質量部あたり3質量部以上8質量部以下で使用されることが好ましい。
また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内であるとトナーの保存性と耐ホットオフセット性を両立できるため好ましい。
(着色剤)
トナーは、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1~5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70が挙げられる。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162が挙げられる。
これらの着色剤は、単独または混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、及びトナーへの分散性の点から選択される。
着色剤の含有量は、樹脂成分の総量に対して0.1質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
<無機微粒子>
トナーには、流動性及び帯電性を高めることを主の目的として、無機微粒子を含有していることが好ましく、トナー表面に付着されている形態であることが好ましい。
トナーと磁性キャリアとの離型性を高めるためのスペーサー粒子としての無機微粒子としては、個数分布基準の最大ピーク粒径80nm以上200nm以下のシリカ粒子が好ましい。スペーサー粒子として機能させつつ、トナーからの脱離をより良好に抑制するためには、100nm以上150nm以下であることがより好ましい。
また、トナーの流動性を改善させるためには、個数分布基準の最大ピーク粒径が20nm以上50nm以下の無機微粒子を含有させることが好ましく、前記シリカ粒子と併用することも好ましい形態である。
更に、流動性や転写性の向上を狙って、トナー粒子にその他の外添剤が添加されていてもよい。トナー粒子表面に外添される外添剤は、酸化チタン、酸化アルミナ、シリカの如き無機微粒子を含むことが好ましく、複数の種類を併用しても良い。
前記外添剤の総含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.3質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.8質量部以上4.0質量部以下であることがより好ましい。その中で個数分布基準の最大ピーク粒径80nm以上200nm以下のシリカ粒子の含有量は、0.1質量部以上2.5質量部以下、より好ましくは、0.5質量部以上2.0質量部以下である。この範囲内であれば、スペーサー粒子として効果がより顕著となる。
また、外添剤として用いられるシリカ粒子や無機微粒子の表面は、疎水化処理をされていることが好ましい。疎水化処理は、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤の如きカップリング剤;脂肪酸及びその金属塩;シリコーンオイル;またはそれらの組み合わせによってなされることが好ましい。
チタンカップリング剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート。
また、シランカップリング剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o-メチルフェニルトリメトキシシラン、p-メチルフェニルトリメトキシシラン。
脂肪酸としては、例えば、以下のものが挙げられる。ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸の如き長鎖脂肪酸。それらの脂肪酸金属塩の金属としては、例えば、亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムが挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルが挙げられる。
疎水化処理は、被処理粒子に対して1質量%以上30質量%以下(より好ましくは3質量%以上7質量%以下)の疎水化処理剤を被処理粒子に添加して、被処理粒子を被覆することにより行われることが好ましい。
疎水化処理された外添剤の疎水化の程度は特に限定されないが、例えば、処理後の疎水化度が40以上98以下であることが好ましい。疎水化度とは、試料のメタノールに対する濡れ性を示すものであり、疎水性の指標である。
〔二成分系現像剤〕
本発明の磁性キャリアをトナーと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際の磁性キャリア混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
また、現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低下に応じて現像器に補給するための補給用現像剤では、補給用磁性キャリア1質量部に対しトナー量は2質量部以上50質量部以下である。
〔各種物性の測定法〕
トナー、磁性キャリア及び原材料・中間体の各種物性の測定法について以下に説明する。
<磁性キャリア、多孔質磁性コアの体積平均粒径(D50)の測定方法>
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
磁性キャリア、多孔質磁性コアの体積平均粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、減圧源として集塵機を用い、風量約33L/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積平均の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3-202D)を用いて行う。測定条件は下記のとおりである。
SetZero時間:10秒
測定時間:10秒
測定回数:1回
粒子屈折率:1.81%
粒子形状:非球形
測定上限:1408μm
測定下限:0.243μm
測定環境:温度23℃、相対湿度50%
<フィラー粒子の一次粒子の個数平均粒径の測定方法>
乾燥したフィラー粒子0.01gに5%トリトン溶液0.2gとRO水19.8gを添加した溶液を作製した。次に、超音波分散機のプローブ(先端の内の先端を上記溶液に浸し、出力20Wで15分間超音波分散することで分散液を得た。続いて、この分散液を用いて、動的光散乱法(DLS)粒子径分布測定装置(商品名:ナノトラック150、マイクロトラックベル社製)を用いて個数平均粒径を測定した。
モード :透過
粒子条件 :球形
粒子屈折率 :1.45
粒子密度 :1.30
分散媒屈折率 :1.33(水)
測定時間 :120秒
<多孔質磁性コアの細孔径及び細孔容積の測定>
多孔質磁性コアの細孔径分布は、水銀圧入法により測定される。
測定原理は、以下のとおりである。
本測定では、水銀に加える圧力を変化させ、その際の細孔中に浸入した水銀の量を測定する。細孔内に水銀が浸入し得る条件は、圧力P、細孔直径D、水銀の接触角と表面張力をそれぞれθとσとすると、ちからの釣り合いから、PD=-4σCOSθで表せる。接触角と表面張力を定数とすれば、圧力Pとそのとき水銀が浸入し得る細孔直径Dとは反比例することになる。このため、圧力Pとそのときに浸入液量Vを、圧力を変えて測定し得られる、P-V曲線の横軸Pを、そのままこの式から細孔直径に置き換え、細孔分布を求めている。
測定装置としては、ユアサアイオニクス社製、全自動多機能水銀ポロシメータPoreMasterシリーズ・PoreMaster-GTシリーズや、島津製作所社製、自動ポロシメータオートポアIV9500シリーズ等を用いて測定することができる。
具体的には、株式会社島津製作所のオートポアIV9520を用いて、下記条件・手順にて測定を行った。
測定条件
測定環境:20℃
測定セル試料体積:5cm3、圧入体積:1.1cm3、用途:粉体用
測定範囲:2.0psia(13.8kPa)以上59989.6psia(413.6MPa)以下
測定ステップ:80ステップ
(細孔径を対数で取った時に、等間隔になるようにステップを刻む)
圧入パラメータ排気圧力:50μmHg
排気時間:5.0min
水銀注入圧力:2.0psia(13.8kPa)
平衡時間:5secs
高圧パラメータ平衡時間:5secs
水銀パラメータ前進接触角:130.0degrees
後退接触角:130.0degrees
表面張力:485.0mN/m(485.0dynes/cm)
水銀密度:13.5335g/mL
測定手順
(1)多孔質磁性コアを、約1.0g秤量し試料セルに入れる。
秤量値を入力する。
(2)低圧部で、2.0psia(13.8kPa)以上45.8psia(315.6kPa)以下の範囲を測定。
(3)高圧部で、45.9psia(316.3kPa)以上59989.6psia(413.6MPa)以下の範囲を測定。
(4)水銀注入圧力及び水銀注入量から、細孔径分布を算出する。
上記(2)、(3)、(4)は、装置付属のソフトウエアにて、自動で行った。
上記の様にして計測した細孔径分布から、0.1μm以上3.0μm以下の細孔径の範囲における微分細孔容積が最大となる細孔径を読み取り、それをもって、微分細孔容積が極大となる細孔径とする。
また、0.1μm以上3.0μm以下の細孔径の範囲における微分細孔容積を積分した細孔容積を、付属のソフトウエアを用いて算出した。
<重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、CDA-1000X(シスメックス社製)を用いて行った。
<磁性コアの磁化の強さの測定方法>
磁性コアの磁化の強さは、振動磁場型磁気特性測定装置(Vibrating sample magnetometer)や直流磁化特性記録装置(B-Hトレーサー)を用いて求めることが可能である。後述の実施例においては、振動磁場型磁気特性測定装置BHV-30(理研電子(株)製)を用いて以下の手順で測定する。
円筒状のプラスチック容器に磁性コアを十分に密に充填したものを試料とする。前記容器に充填した試料の実際の質量を測定する。その後、瞬間接着剤により試料が動かないようにプラスチック容器内の試料を接着する。
標準試料を用いて、1000/4π(kA/m)での外部磁場軸及び磁化モーメント軸の校正を行う。
スイープ速度5(min/roop)とし、1000/4π(kA/m)の外部磁場を印加した磁化モーメントのループから磁化の強さを測定した。これらより、試料重さで除して、磁性キャリアおよび磁性コアの磁化の強さ(Am2/kg)を求める。
<フィラー粒子のヤング率の測定方法>
有機ケイ素重合体粒子のヤング率は、ハイジトロンPI 85L ピコインデンター(BRUKER社製)を使用した微小圧縮試験から求められる。
測定で得られる変位(nm)と試験力(μN)のプロファイル(荷重変位曲線)の傾きからヤング率(MPa)を算出する。
・機器・治具
ベースシステム:Hysitron PI-85L
測定圧子:1μmフラットエンド圧子
使用SEM:Thermo Fisher Versa 3D
SEM条件:-10°tilt, 13pA at 10keV
・測定条件
測定モード:変位制御
最大変位:30nm
変位速度:1nm/秒
保持時間:2秒
除荷速度:5nm/秒
・解析方法
得られた荷重変位曲線における0nm~10nm圧縮した際の曲線に対してHertz解析を適応し、フィラー粒子のヤング率を算出する。
・サンプル調整
シリコンウエハー上にフィラー粒子を付着させたもの。
<樹脂被覆層の平均層厚の測定>
樹脂被覆層の平均層厚は、磁性キャリアの断面を透過電子顕微鏡(TEM)(各50,000倍)で観察し、樹脂被覆層の厚みを計測した。
具体的には、アルゴンイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名E-3500)を用い、磁性キャリアをイオンミリングし、透過電子顕微鏡(TEM)(各50,000倍)にて磁性キャリア断面の樹脂被覆層厚みを1粒子につき任意に5点測定した。
磁性キャリア10粒子に対して上記と同様の測定を行い、得られた樹脂被覆層の厚みの測定値50点の平均値を平均層厚とした。イオンミリング測定条件は下記の通りである。
ビーム径 :400μm(半値幅)
イオンガン加速電圧 :5kV
イオンガン放電電圧 :4kV
イオンガン放電電流 :463μA
イオンガン照射電流量:90μA/cm3/1min
<樹脂被覆層に占めるフィラー粒子の体積比率の測定>
樹脂被覆層の平均層厚は、磁性キャリアの断面を透過電子顕微鏡(TEM)(各50,000倍)で観察し、樹脂被覆層に占めるフィラー粒子の体積比率を計測した。
具体的には、アルゴンイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名E-3500)を用い、磁性キャリアをイオンミリングし、透過電子顕微鏡(TEM)(各50,000倍)にて磁性キャリア断面の被覆樹脂層を観察した。画像二値化処理により被覆樹脂層断面中におけるフィラー粒子の断面積割合を算出した。
磁性キャリア30粒子に対して上記と同様の測定を行い、得られた断面積割合の平均値を樹脂被覆層に占めるフィラー粒子の体積比率とした。イオンミリング測定条件は下記の通りである。
ビーム径 :400μm(半値幅)
イオンガン加速電圧 :5kV
イオンガン放電電圧 :4kV
イオンガン放電電流 :463μA
イオンガン照射電流量:90μA/cm3/1min
<磁性キャリアの比抵抗の測定>
図1に示した測定装置を用いて磁性キャリアの比抵抗値の測定を行う。
比抵抗の測定は、セルEに、磁性キャリア粒子を充填し、磁性キャリア粒子に接するように下部電極及び上部電極を配し、これらの電極間に電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって比抵抗を求める方法を用いる。比抵抗の測定条件は、充填された磁性キャリアと電極との接触面積S=約2.4cm2、サンプルの厚みd=約0.2cm、上部電極の荷重240gとする。電圧の印加条件は、印加条件(I)、(II)、(III)の順に印加し、印加条件(III)での印加電圧での電流を測定する。その後、サンプルの厚みdを正確に測定し、それぞれの電界強度(V/cm)における比抵抗(Ω・cm)を計算により求め、電界強度3000V/cmにおける比抵抗を、サンプルの磁性キャリアの比抵抗とした。
印加条件
(I):(0Vから1000Vに変更:30秒おき200Vずつステップ状に増大)
(II):(1000Vで30秒ホールド)
(III):(1000Vから0Vに変更:30秒おき200Vずつステップ状に減少)
磁性キャリアの比抵抗(Ω・cm)
=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm2)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
以下に実施例を示し、本発明の効果を説明する。以下の実施例に示す材料、添加物、使用量や濃度、処理方法・手順は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。したがって、本発明の範囲は実施例の内容によって制限的に解釈されるべきものではない。また、「部」は「質量部」を意味する。
〔トナーの製造〕
<低分子量のポリエステル樹脂Aの製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:76.3部
・テレフタル酸:16.1部
・コハク酸:7.6部
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、160℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ、ASTM D36-86に従って測定した軟化点が90℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、樹脂Aを得た。得られた樹脂Aは、ピーク分子量Mp4500、軟化点Tm90℃、ガラス転移温度Tg54℃であった。
<高分子量のポリエステル樹脂Bの製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:74.8部
・テレフタル酸:12.9部
・アジピン酸:7.9部
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、160℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・トリメリット酸:5.9部
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、15時間反応させ、ASTM D36-86に従って測定した軟化点が140℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、樹脂Bを得た。得られた樹脂Bは、ピーク分子量Mp10000、軟化点Tm140℃、ガラス転移温度Tg60℃であった。
<結晶性樹脂Cの製造例>
・ヘキサンジオール:33.9部
・ドデカン二酸:66.1部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
・2-エチルヘキサン酸錫:0.5部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させることにより結晶性樹脂Cを得た(第1反応工程)。得られた結晶性樹脂Cは、重量平均分子量Mw11000、融解ピーク温度Tp72℃であった。
<ワックス分散剤Dの製造例>
・低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール660P):10.0部
・キシレン:25.0部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に175℃の温度まで昇温した。
・スチレン:65.0部
・アクリル酸シクロヘキシル:5.5部
・アクリル酸ブチル:12.5部
・メタクリル酸:5.5部
・キシレン:10.0部
・ジーt-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート:0.5部
その後、上記材料を3時間かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。次いで、溶剤を留去して、ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合しているワックス分散剤Dを得た。ワックス分散剤Dは、ピーク分子量Mp6000、軟化点125℃であった。
<トナー1の製造例>
・樹脂A 62部
・樹脂B 28部
・結晶性樹脂C 10部
・ワックス分散剤D 4部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃) 4部
・C.I.ピグメントブルー15:3 7部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらにファカルティF-300(ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130s-1、分散ローター回転数を120s-1とした。
得られたトナー粒子を用い、図2で示す表面処理装置(当該装置の各部の詳細は特開2020-41533号公報及び特開2021-189367号公報参照)によって熱処理を行い、熱処理トナー粒子を得た。運転条件はフィード量=5kg/hrとし、また、熱風温度=160℃、熱風流量=6m3/min.、冷風温度=-5℃、冷風流量=4m3/min.、ブロワー風量=20m3/min.、インジェクションエア流量=1m3/min.とした。
得られた熱処理トナー粒子100部に、疎水性シリカ(BET:200m2/g)1.0部、イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子(BET:80m2/g)1.0部を、ヘンシェルミキサー(FM-75型、三井三池化工機(株)製)で回転数30s-1、回転時間10minで混合して、トナー1を得た。
「CDA-1000X」(アパーチャー径:100μm、シスメックス社製)にてトナー1の重量平均粒径(D4)を測定したところ、6.3μmであった。フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス社製)によってトナー1の平均円形度を測定したところ、0.967であった。
〔磁性キャリアの製造〕
<磁性コア1の製造例>
工程1(秤量・混合工程)
・Fe23 61.7質量%
・MnCO3 34.2質量%
・Mg(OH)2 3.0質量%
・SrCO3 1.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。
その後、ジルコニア(φ10mm)のボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2(仮焼成工程)
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe23d
上記式において、a=0.40、b=0.07、c=0.01、d=0.52
工程3(粉砕工程)
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニアのボール(φ1.0mm)を用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。ボールを分離後、ジルコニアのビーズ(φ1.0mm)を用い、湿式ビーズミルで3時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
工程4(造粒工程)
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100部に対してポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、40μmの球状粒子に造粒した。
工程5(本焼成工程)
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)で、1150℃で4時間焼成した。
工程6(選別工程)
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、多孔質磁性コア粒子を得た。
工程7(樹脂充填工程)
多孔質磁性コア粒子を100.0部、混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌機NDMV型)の撹拌容器内に入れ、60℃に温度を保ちながら、2.3kPaまで減圧しながら窒素を導入し、シリコーン樹脂溶液を多孔質磁性コア粒子に対し樹脂成分として7.5部となるように減圧下で滴下し、滴下終了後2時間そのまま撹拌を続けた。その後、70℃まで温度を上げ、減圧下で溶剤を除去して、多孔質磁性コア粒子の粒子内にシリコーン樹脂溶液から得られるシリコーン樹脂組成物を充填した。冷却後、得られた充填コア粒子を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD-AT型)に移し、窒素雰囲気、常圧下で、2(℃/min)の昇温速度で、220℃に昇温した。この温度で60分間加熱撹拌を行い、樹脂を硬化させた。熱処理した後、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口150μmの篩で分級して磁性コア1を得た。
得られた磁性コア1の物性を表1に示す。
<磁性コア2の製造例>
マグネタイト微粒子(球形、個数平均粒径250nm)と、シラン系カップリング剤(3-(2-アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン;マグネタイト微粒子の質量に対して3.0質量%の量)とを、容器に導入した。そして、前記容器内において温度100℃以上で高速混合撹拌して、マグネタイト微粒子を表面処理した。
・フェノール10部
・ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド37質量%水溶液)16部
・表面処理した上記マグネタイト微粒子84部
上記材料を反応釜に導入し、温度40℃でよく混合した。
その後、撹拌しながら平均昇温速度3(℃/min)で、温度85℃に加熱し、28質量%アンモニア水4質量部および水25質量部を反応釜に加えた。温度85℃にて保持し、3時間重合反応させて硬化させた。このときの撹拌翼の周速は1.8(m/sec)とした。
重合反応させた後、温度30℃まで冷却して水を添加した。上澄み液を除去して得られた沈殿物を水洗し、さらに風乾した。得られた風乾物を、減圧下(5hPa以下)にて、温度60℃で乾燥して、磁性体分散型樹脂コア粒子を得た。これを磁性コア2とする。
得られた磁性コア2の物性を表1に示す。
<磁性コア3の製造例>
工程1(秤量・混合工程)
・Fe23 61.7質量%
・MnCO3 34.2質量%
・Mg(OH)2 3.0質量%
・SrCO3 1.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。
その後、ジルコニア(φ10mm)のボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2(仮焼成工程)
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で1000℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe23d
上記式において、a=0.40、b=0.07、c=0.01、d=0.52
工程3(粉砕工程)
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ステンレスボール(φ1.0mm)を用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。ボールを分離後、ステンレスボール(φ1.0mm)を用い、湿式ビーズミルで3時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
工程4(造粒工程)
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100部に対してポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、45μmの球状粒子に造粒した。
工程5(本焼成工程)
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度0.6体積%)で、1200℃で6時間焼成した。
工程6(選別工程)
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、フェライトコア粒子を得た。これを磁性コア3とする。得られた磁性コア3の物性を表1に示す。
Figure 2023146156000003
<樹脂1の製造例>
メタクリル酸シクロヘキシル60部とアクリル酸40部とを、還流冷却器、温度計、窒素吸い込み管、及びすり合わせ方式撹拌装置を有する四つ口フラスコに加えた。
さらにトルエン100部、メチルエチルケトン100部、及びアゾビスイソバレロニトリル2.0部を加えた。得られた混合物を、窒素気流下70℃で10時間保持し、重合反応終了後、洗浄を繰り返し、樹脂1溶液(固形分35質量%)を得た。
<樹脂2の製造例>
メタクリル酸シクロヘキシル60部とアクリル酸40部の代わりに、メタクリル酸シクロヘキシル50部とメタクリル酸グリシジル50部を用いたほかは、樹脂1と同様にして樹脂2溶液を得た。
<樹脂3の製造例>
メタクリル酸シクロヘキシル60部とアクリル酸40部の代わりに、メタクリル酸シクロヘキシル50部とメタクリル酸2-ヒドロキシエチル50部を用いたほかは、樹脂1と同様にして樹脂3溶液を得た。
<樹脂4の製造例>
β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン100部を、還流冷却器、温度計、窒素吸い込み管、及びすり合わせ方式撹拌装置を有する四つ口フラスコに加えた。
さらに塩化マグネシウム0.12部、水11部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル11部を加えた。得られた混合物を、窒素気流下130℃で3時間撹拌後、60℃で減圧脱揮したのち、プロピレングリコールモノメチルエーテル200部を加えて樹脂4溶液(固形分35質量%)を得た。
<樹脂5の製造例>
メタクリル酸シクロヘキシル60部とアクリル酸40部の代わりにメタクリル酸メチル45部とアクリル酸55部を用いたほかは、樹脂1と同様にして樹脂5溶液を得た。
<フィラー粒子1の製造例>
エタノール20部、水80部およびHCL0.02部相当の塩酸を温度計、窒素吸い込み管、及びすり合わせ方式撹拌装置を有する三つ口フラスコに加えた。さらにカルボン酸系シランカップリング剤(信越シリコーン社製)1部を加えた。
得られた溶液に、個数平均粒径15nmのアルミナ粒子10部を加え、得られた混合物を窒素気流下50℃で2時間撹拌後、溶液を24時間静置した。固形分を濾別、洗浄し、フィラー粒子1を得た。
<フィラー粒子2の製造例>
カルボン酸系シランカップリング剤の代わりに2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子2を得た。
<フィラー粒子3の製造例>
体積平均粒径15nmのアルミナ粒子の代わりに個数平均粒径15nmのジルコニア粒子を用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子3を得た。
<フィラー粒子4の製造例>
体積平均粒径15nmのアルミナ粒子の代わりに個数平均粒径15nmのシリカ粒子を用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子4を得た。
<フィラー粒子5の製造例>
体積平均粒径15nmのアルミナ粒子の代わりに個数平均粒径15nmの炭酸カルシウム粒子を、塩酸の代わりに酢酸を用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子5を得た。
<フィラー粒子6の製造例>
体積平均粒径15nmのアルミナ粒子の代わりに個数平均粒径3nmのジルコニア粒子を用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子6を得た。
<フィラー粒子7の製造例>
体積平均粒径15nmのアルミナ粒子の代わりに個数平均粒径400nmのジルコニア粒子を用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子7を得た。
<フィラー粒子8の製造例>
体積平均粒径15nmのアルミナ粒子の代わりに個数平均粒径180nmのジルコニア粒子を用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子8を得た。
<フィラー粒子9の製造例>
カルボン酸系シランカップリング剤の代わりにフェニルトリメトキシシランを用いたほかは、フィラー粒子1と同様にしてフィラー粒子9を得た。
<樹脂塗工液1の製造例>
100質量部のフィラー1に対し、樹脂1溶液を樹脂固形分として13.2質量部加え、固形分比率が5質量%となるようにトルエンとメチルエチルケトンを1:1の比率で加えた。得られた混合物をペイントシェイカー(RADIA社製)を用いて15分間振盪撹拌し、さらにオキサゾリン架橋剤である2-ビニルオキサゾリンとスチレンの共重合体の20質量%トルエン溶液を樹脂成分固形分の50質量%加えた。得られた混合物をペイントシェイカー(RADIA社製)を用いて1分間振盪撹拌し、樹脂塗工液1を得た。
<樹脂塗工液2~20の製造例>
フィラー粒子と樹脂溶液、および架橋剤を表2に示すように変更したほかは、樹脂塗工液1と同様にして樹脂塗工液2~20を得た。
なお、表2における架橋剤は、以下の物質を示す。
架橋剤1:2-ビニルオキサゾリンとスチレンの共重合体の20質量%トルエン溶液
架橋剤2:ポリアクリル酸の20質量%トルエン溶液
架橋剤3:ジメチロール尿素の20質量%メタノール溶液
架橋剤4:2,4-ジアミノ-6-フェニル-1,3,5-トリアジン(ベンゾグアナミン)の20質量%エタノール溶液
架橋剤5:イソシアネート系硬化剤(旭化成社製、商品名MF-K60B)
<樹脂塗工液21の製造例>
樹脂1溶液に対し、固形分比率が5質量%となるようにトルエンとメチルエチルケトンを1:1の比率で加えた。得られた混合物をペイントシェイカー(RADIA社製)を用いて15分間振盪撹拌し、さらにオキサゾリン架橋剤である2-ビニルオキサゾリンとスチレンの共重合体の20質量%トルエン溶液を樹脂成分固形分の50質量%加えた。得られた混合物をペイントシェイカー(RADIA社製)を用いて1分間振盪撹拌し、樹脂塗工液21を得た。
<樹脂塗工液22、23の製造例>
フィラー粒子と樹脂溶液、および架橋剤を表2に示すように変更したほかは、樹脂塗工液1と同様にして樹脂塗工液22、23を得た。
<樹脂塗工液24の製造例>
粒径15nmのアルミナ粒子100部に対し、樹脂1溶液を樹脂固形分として13.2部加え、固形分比率が5質量%となるようにトルエンとメチルエチルケトンを1:1の比率で加えた。得られた混合物をペイントシェイカー(RADIA社製)を用いて15分間振盪撹拌し、さらにオキサゾリン架橋剤である2-ビニルオキサゾリンとスチレンの共重合体の20質量%トルエン溶液を樹脂成分固形分の50質量%加えた。得られた混合物をペイントシェイカー(RADIA社製)を用いて1分間振盪撹拌し、樹脂塗工液24を得た。
Figure 2023146156000004
<磁性キャリア1の製造例>
磁性コア1を用いて、減圧下(1.5kPa)、温度60℃で維持されている遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に、樹脂塗工液1を、磁性コア100部に対して固形分として6.0部になるように投入した。投入の仕方として、1/3の量の樹脂塗工液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行った。次いで、さらに1/3の量の樹脂塗工液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行い、さらに1/3の量の樹脂塗工液を投入し、20分間溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、温度を120℃まで上げ、30分間架橋反応をさせた。
その後、被覆樹脂組成物で被覆された磁性キャリアを、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD-AT型)に移した。混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度120℃で2時間熱処理した。得られた磁性キャリア1を、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口150μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、磁性キャリア1を得た。得られた磁性キャリア1の物性を表3に示す。
<磁性キャリア2~28の製造例>
磁性コア、樹脂塗工液を表3に示すように変更したほかは、磁性キャリア1と同様にして磁性キャリア2~28を得た。得られた磁性キャリア2~28の物性を表3に示す。
Figure 2023146156000005
〔現像剤の製造〕
<二成分現像剤1の製造例>
90質量部の磁性キャリア1に対して、トナー1を10質量部加え、振とう機(商品名:YS-8D型:(株)ヤヨイ製)にて振とうし、二成分現像剤300gを調製した。振とう機を用いた振とうの条件は200rpm、5分間とした。
<二成分系現像剤2~28の製造例>
二成分現像剤1の製造例において、表4に示す組み合わせに変更する以外は同様の操作を行い、二成分現像剤2~28を得た。
<補給用現像剤1の製造例>
5質量部の磁性キャリア1に対して、トナー1を95質量部加え、温度23℃/湿度50%RH(常温常湿)環境(以下「N/N環境」)において、V型混合機により5分間混合し、補給用現像剤1を得た。
<補給用現像剤2~28の製造例>
補給用現像剤1の製造例において、表4に示す組み合わせに変更する以外は同様の操作を行い、補給用現像剤2~28を得た。
Figure 2023146156000006
〔実施例1〕
二成分現像剤1及び補給用現像剤1を用いて以下の評価を行った。
画像形成装置として、キヤノン(株)製のフルカラーの複写機(商品名:imageRUNNER ADVANCE C9075 PRO)の改造機を用いた。
現像器に二成分現像剤を入れ、補給用現像剤を入れた補給用現像剤容器をセットし、画像を形成し、耐久試験を行いながら各種評価を行った。
なお、耐久試験は、Step1とStep2まで、合計300000枚の画像出力で、環境と画像比率を以下のように変化させて行った。
・Step1(1枚目から200000枚目まで)
温度30℃/湿度80%RH(以下「H/H環境」)
画像比率60%のFFH出力チャート
・Step2(200001枚目から300000枚目まで)
温度23℃/湿度5%RH(以下「N/L環境」)
画像比率3%のFFH出力チャート
ここで、FFHとは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFHが256階調の256階調目(ベタ部)である。
その他の条件は、以下のとおりである。
紙:GFC-081(81.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
画像形成速度:A4サイズ、フルカラーで、80枚/分で出力できるように改造した。
現像条件:現像コントラストを任意値で調整可能にし、本体による自動補正が作動しないように改造した。
交番電界のピーク間の電圧(Vpp)は、周波数:2.0kHz、Vpp:0.7kVから1.8kVまで0.1kV刻みで変えられるように改造した。
各色とも、単色で画像が出力できるように改造した。
この本体を用い、以下に示す(1)~(5)の評価を行った。その結果を表5に示す。
なお、測定誤差のある測定については、測定誤差が十分に小さくなる回数の測定を繰り返し、それらの算術平均値を測定値として採用した。
(1)カブリ
Step1において100000枚出力後、画像比率100%の00H出力チャート(A4全面ベタ白画像)を10枚出力し、白地部分の白色度をリフレクトメーター(東京電色社製)により測定した。その白色度と転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出し、10枚の中で最もカブリ濃度の高いものを評価した。評価基準は次のとおりである。
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.0%未満
C:1.0%以上1.5%未満
D:1.5%以上
(2)各Stepの耐久前後の画像濃度差
Step1の最初と最後に、画像比率100%のFFH出力チャート(A4全面ベタ画像)を1枚出力した。分光濃度計500シリーズ(X-Rite社製)により画像濃度を測定し、判断した。
測定部位は、
画像の先端(先に画像形成された方)から0.5cmの位置で、画像の左端(先に画像形成された方を上側とする。)から5.0cm、15.0cm、25.0cmの3点、
画像の先端から7.0cmの位置で、画像の左端から5.0cm、15.0cm、25.0cmの3点、
画像の先端から14.0cmの位置で、画像の左端から5.0cm、15.0cm、25.0cmの3点、
画像の先端から20.0cmの位置で、画像の左端から5.0cm、15.0cm、25.0cmの3点
の合計12点とし、12点の平均値を算出した。
評価は、最初と最後の12点平均値の差分を下記基準で判定した。
A:0.00以上0.05未満
B:0.05以上0.10未満
C:0.10以上0.15未満
D:0.15以上
(3)白抜け
Step2で連続通紙200枚直後、転写紙の搬送方向に対して、ハーフトーン横帯(30H 幅10mm)とベタ黒横帯(FFH 幅10mm)を交互に並べたチャートを出力する。その画像をスキャナで読みとり、二値化処理を行う。二値化画像の搬送方向におけるあるラインの輝度分布(256階調)をとった。そのときのハーフトーンの輝度に接線を引き、ベタ部輝度と交わるまでのハーフトーン部後端の接線からずれた輝度の領域(面積:輝度数の和)をもって、白抜け度とし、以下の基準に基づき評価した。
A:20未満
B:20以上30未満
C:30以上40未満
D:40以上
(4)飛散
Step1において100000枚出力後、本体内から現像器を取り出し、現像器及び本体内外のトナー飛散状況を目視し、以下の基準により評価した。
A:トナーの飛散無し
B:軽微なトナー飛散有り
C:トナー飛散有り
D:重大なトナー飛散有り
(5)被覆樹脂耐摩耗性
Step1を行った後、本体内から現像剤を取り出し、前記現像剤または耐久前の現像剤1gと蒸留水30mL、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)0.1mLをガラス製の100mL平底ビーカーに入れ、1分間の超音波洗浄ののちに上澄みを除去する操作を3回繰り返し、得られた残渣を50度の乾燥機内で24時間乾燥し、磁性キャリアサンプルを得た。得られた磁性キャリアサンプルの比抵抗を測定し、耐久評価前後での測定値の変化率を以下の基準に照らして判断した。
A:耐久による比抵抗の低下が耐久前に対して10%未満
B:耐久による比抵抗の低下が耐久前に対して10%以上25%未満
C:耐久による比抵抗の低下が耐久前に対して25%以上50%未満
D:耐久による比抵抗の低下が耐久前に対して50%以上
上記評価項目(1)~(5)のすべてに対して既存技術品同等以上である評価A~Cとなった場合に本発明の効果が得られていると判断した。
〔実施例2~24、比較例1~4〕
二成分現像剤および補給用現像剤を表5に示すように変更したほかは、実施例1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2023146156000007
1.原料定量供給手段、2.圧縮気体流量調整手段、3.導入管、4.突起状部材、5.供給管、6.処理室、7.熱風供給手段、8(8-1,8-2,8-3).冷風供給手段、9.規制手段、10.回収手段、11.熱風供給手段出口、12.分配部材、13.旋回部材、14.粉体粒子供給口

Claims (10)

  1. 磁性コアと、該磁性コアの表面を被覆する被覆層とを有する磁性キャリア粒子を含む磁性キャリアであって、
    該被覆層は、被覆樹脂とフィラー粒子とを含有しており、該フィラー粒子は、カップリング剤で表面処理された処理粒子であり、該被覆樹脂とフィラー粒子とが、該カップリング剤を介して結合していることを特徴とする磁性キャリア。
  2. 前記フィラー粒子のヤング率が30GPa以上である、請求項1に記載の磁性キャリア。
  3. 前記被覆層の平均層厚dが100nm以上3000nm以下であり、前記フィラー粒子の一次粒子の個数平均粒径rが5nm以上300nm以下であり、前記dと前記rがr/d<0.8を満たす、請求項1または2に記載の磁性キャリア。
  4. 前記フィラー粒子が、前記被覆樹脂層の組成成分の35vol%以上95vol%以下を占める、請求項1~3のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
  5. 前記カップリング剤がシランカップリング剤である、請求項1~4のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
  6. 前記被覆樹脂と前記フィラー粒子とが結合しており、該結合が架橋剤を介した反応により生じている、請求項1~5のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
  7. 前記被覆樹脂がシリコーン樹脂を含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
  8. 前記被覆樹脂がアクリル樹脂またはメタクリル樹脂を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
  9. 前記被覆樹脂が、脂環式炭化水素基を有する請求項8に記載の磁性キャリア。
  10. 前記被覆樹脂とカップリング剤で表面処理されたフィラー粒子とが、前記カップリング剤に加えて、さらに架橋剤を介して結合しており、前記カップリング剤と該架橋剤との間に形成されている結合と、該架橋剤と前記被覆樹脂との間に形成されている結合とが、同一の反応性官能基を用いて形成されたものである、請求項1~9のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
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