JP2023145830A - ジオポリマー組成物およびその硬化物 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023145830000001
【課題】施工性や得られる硬化物における機械特性に優れるとともに、その品質の安定性に優れるジオポリマー組成物およびその硬化物を提供する。
【解決手段】個数基準の平均粒径D50が3~12μmであり、ガラス化率が92%以上であるメタカオリンと、アルカリ活性剤水溶液と、を含有するジオポリマー組成物およびその硬化物。
【選択図】図1

Description

本発明は、ジオポリマー組成物およびその硬化物に関する。
ジオポリマー組成物を用いて硬化物を得るジオポリマー法は、二酸化炭素の排出量が少なく、原料として産業副産物を有効利用できることから、従来のセメント硬化体の製造に代わる技術として研究が進められている。かかる、ジオポリマー組成物は、アルミニウムとケイ素を含有するフィラーと、これを活性化させ硬化させるアルカリ源を含有する。
ジオポリマー組成物に用いるフィラーとしては、フライアッシュ、高炉スラグ、下水焼却汚泥等の産業副産物が主に用いられている。例えば、特許文献1には、フィラー、好ましくは、フライアッシュ、高炉スラグ、下水焼却汚泥等と、アルカリ活性剤と、骨材とを原料とするジオポリマー組成物が記載されている。
しかしながら、このような産業副産物は品質が安定しないため、これを用いて得られるジオポリマー組成物においては、施工性や硬化物の品質、例えば機械的強度も安定しないことが問題であった。
特開2008-239446号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、施工性や得られる硬化物における機械特性に優れるとともに、その品質の安定性に優れるジオポリマー組成物およびその硬化物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、個数基準の平均粒径D50が3~12μmであり、ガラス化率が92%以上であるメタカオリンと、アルカリ活性剤水溶液と、を含有するジオポリマー組成物が提供される。
本発明のジオポリマー組成物においては、前記アルカリ活性剤水溶液における前記アルカリ活性剤の含有量が10~60質量%であり、前記メタカオリン100質量部に対する前記アルカリ活性剤水溶液の量が70~140質量部であることが好ましい。
本発明のジオポリマー組成物は、さらに、骨材を含有してもよく、その場合、前記メタカオリン100質量部に対する前記骨材の量が200~700質量部であることが好ましい。
本発明の別の態様によれば、上記本発明のジオポリマー組成物の硬化物が提供される。
本発明によれば、施工性や得られる硬化物における機械特性に優れるとともに、その品質の安定性に優れるジオポリマー組成物およびその硬化物を提供することができる。
実施例に示されるジオポリマー組成物(1~5)におけるメタカオリンの平均粒径D50とフロー値の関係を示すグラフである。 実施例に示されるジオポリマー組成物(1~5)におけるメタカオリンのガラス化率とその硬化物の圧縮強度の関係を示すグラフである。 実施例に示されるジオポリマー組成物(6~11)におけるメタカオリンに対するアルカリ活性剤水溶液の含有割合とフロー値の関係を示すグラフである。 実施例に示されるジオポリマー組成物(6~11)におけるメタカオリンに対するアルカリ活性剤水溶液の含有割合とその硬化物の圧縮強度の関係を示すグラフである。
以下に、本発明を実施するための形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態に限定するものではない。なお、本明細書において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[ジオポリマー組成物]
本発明のジオポリマー組成物は、個数基準の平均粒径D50が3~12μmであり、ガラス化率が92%以上であるメタカオリン(以下、メタカオリン(A)ともいう。)と、アルカリ活性剤水溶液と、を含有する。
上記のとおり、ジオポリマー組成物は、アルミニウムとケイ素を含有するフィラー(以下、単に「フィラー」)という。)とこれを活性化させ硬化させるアルカリ源を含有する。本発明のジオポリマー組成物において、メタカオリン(A)は、フィラーとして、ジオポリマー組成物に含有される。また、アルカリ活性剤水溶液は、アルカリ源として機能する。
本発明のジオポリマー組成物は、メタカオリン(A)およびアルカリ活性剤水溶液以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分を含有してもよい。任意成分としては、例えば、メタカオリン(A)以外のその他のフィラーが挙げられる。また、本発明のジオポリマー組成物は、任意成分として骨材を含有してもよい。さらに、骨以外に、その他の任意成分を含有してもよい。
以下、各成分について説明する。
<メタカオリン(A)>
メタカオリンは、カオリン(化学組成;AlSi10(OH)、結晶系は三斜晶系)を約500℃以上900℃以下で焼成して結晶水を一部除去したものである。本発明に用いるメタカオリン(A)は、以下の(1)および(2)の要件を満たす非晶質の粉体である。
(1)個数基準の平均粒径D50が3~12μmである。
(2)ガラス化率が92%以上である。
(1)の要件に関し、以下、特に断りのない限り、平均粒径D50は、個数基準の平均粒径D50をいう。メタカオリンの平均粒径D50が、3μm未満であると、ジオポリマー組成物において施工性の指標のひとつであるフロー値が十分でない。平均粒径D50が、12μmを超えると上記同様に十分なフロー値が得られない。平均粒径D50は、例えば、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置にて測定することが可能である。フロー値は、ジオポリマー組成物のフレッシュ試験として、例えば、JIS R 5201に準じた方法で測定することができる。
図1は、実施例に示される各ジオポリマー組成物におけるメタカオリンの平均粒径D50とフロー値の関係を示すグラフである。フロー値は、施工性を考慮すれば、例えば、140mm程度以上が必要とされる。メタカオリンの平均粒径D50が上記範囲であれば、ジオポリマー組成物は140mm以上のフロー値を達成できる。メタカオリン(A)の平均粒径D50は、6~11μmの範囲が好ましく、7~10μmの範囲がより好ましい。
(2)の要件に関し、メタカオリンのガラス化率が92%未満であると、ジオポリマー組成物の硬化物において十分な圧縮強度が得られない。ガラス化率は、例えば、X線回折法により以下の(I)または(II)の方法で測定できる。
(I)メタカオリンのガラス化率を測定するには、例えば、加熱前の試料について、X線回折法により結晶鉱物のメインピーク面積Sを予め測定し、1000℃で2時間加熱後、1~10℃/分の冷却速度で徐冷し、X線回折法による加熱後の結晶鉱物のメインピーク面積S0を求める。これらのS0およびSの値を用い、下記の式を用いてガラス化率χを算出する。
ガラス化率χ(%)=100×(1-S/S0)
(II)メタカオリンのガラス化率(%)は、また、試料をX線回折法により測定したX回折線パターンから、結晶質部分(ピーク)と非晶質部分ハローのフィッティングを行い、各積分強度を以下の式に当てはめて算出することもできる。
ガラス化率(%)=100-(100×Ic/(Ic+Is))
Ic:結晶性散乱積分強度
Is:非結晶性散乱積分強度
本発明においては、(II)の方法を好ましく用いることができる。図2は、実施例に示される各ジオポリマー組成物におけるメタカオリンのガラス化率と圧縮強度の関係を示すグラフである。圧縮強度は、耐久性等を考慮すれば、例えば、20N/mm程度以上が必要とされる。圧縮強度は、例えば、JIS A 1108に準じた方法で測定することができる。
メタカオリンのガラス化率が上記範囲であれば、ジオポリマー組成物の硬化物は20N/mm以上の圧縮強度を達成できる。メタカオリン(A)のガラス化率の上限は100%である。メタカオリン(A)のガラス化率は92~99%が好ましく、94~98%がより好ましい。
メタカオリン(A)は、より活性化させるために、粉体の比表面積を12m/g以上とするものが好ましい。なお、粉体の比表面積は、例えば、BET法により算出した値を意味する。
メタカオリンより活性化させる方法としては限定されないが、粉砕分級、機械的エネルギーの作用、溶射処理等の方法を用いることができる。
粉砕分級する方法としては公知の任意の方法が採用できる。粉砕は、ジェットミル、ロールミル、ボールミル等を用いる方法が挙げられる。また、分級は、篩、比重、風力、湿式沈降等を用いる方法が挙げられる。これらの手段は任意に併用することができる。
機械的エネルギーを作用させる方法としては、ボール媒体ミル、媒体撹拌型ミル、ローラミル等を用いる方法が挙げられる。作用させる機械的エネルギーは、適度に活性化しつつ、負荷を最小限とするために、0.5kwh/kg以上30kwh/kg以下が好ましい。このような範囲とすることにより、原料のメタカオリンによっては結晶構造の変性が十分となり、メタカオリン粉体の常温での反応性を向上させることができる。また、メタカオリン粉体中のスピネル及びムライト等の鉱物が再結晶化することを抑制して、常温での反応性を維持又は向上させることができる。
溶射処理する方法としては、セラミックコーティングに適用される溶射技術が応用される。溶射技術は、例えば、プラズマ溶射法、高エネルギーガス溶射法、アーク溶射法等が挙げられる。好ましくは、材料粉末を2000℃以上16000℃以下の温度で溶融し、30m/秒以上800m/秒以下の速度で噴霧し、比表面積が12m/g以上100m/g以下の粉末とすることが好ましい。
メタカオリン(A)における、ガラス化率は、例えば、上記作製時の焼成条件を適宜調整することで調整可能である。メタカオリン(A)の平均粒径D50は、粉砕分級等の従来公知の方法で調整することができる。また、市販のメタカオリンから、上記(1)および(2)の条件を満たすものを適宜選択して使用してもよい。
ジオポリマー組成物におけるメタカオリン(A)の含有量は、以下に説明する、メタカオリン(A)以外の成分の含有量をジオポリマー組成物の全量から引いた残部である。
<その他のフィラー>
本発明のジオポリマー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、メタカオリン(A)以外のその他のフィラーを含有してもよい。その他のフィラーとしては、アルミニウムとケイ素を含有するフィラーであれば制限されず、例えば、フライアッシュ、高炉スラグ、下水焼却汚泥、焼却灰、もみ殻灰、クリンカアッシュ、ゼオライト等が挙げられる。これらの中でも、JISで規格化されたフライアッシュ、高炉スラグが好ましい。
フライアッシュは、石炭火力発電所などで石炭燃焼の際に副生する石炭灰のうち、集塵器で排ガス中から回収される微細な灰であり、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)を主成分とし、JIS A 6201において、粒度やフロー値に基づきI~IV種に規格されている。好ましくは、その粒度が細かく反応性に富むI種、II種である。
高炉スラグは、高炉で銑鉄を生成する際に副生し、CaO、SiO、Al、MgOを主成分としたJIS A 6206に準ずるものが好ましい。
メタカオリンとその他のフィラーの合計量に対するその他のフィラーの割合は、例えば、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
なお、ジオポリマー組成物の添加剤として、上記フィラーから溶出する金属イオン以外の金属イオン(例えば、Al3+、Si4+等)を含む溶液又は金属塩、錯体等の固体、金属イオン含有量の異なるフィラーを任意の配合比で加えることができる。また、この添加剤をジオポリマー組成物の硬化開始前から硬化中の間の任意のタイミングで添加することによって、ジオポリマー組成物の強度を制御することが可能である。
さらに、溶解度の異なる金属塩、錯体や金属イオン含有量の異なるフィラーを用いることにより、金属イオンの溶出量を制御して、ジオポリマー組成物の硬化時間を制御することも可能である。
<アルカリ活性剤水溶液>
アルカリ活性剤水溶液は、アルカリ活性剤が水に溶解してなる。アルカリ活性剤としては、アルカリ金属塩、アルカリ金属ケイ酸塩等が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。また、アルカリ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が挙げられる。これらは1種が単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
これらのうちでも、入手のし易さ等から、より好ましくはケイ酸ナトリウムが用いられる。ケイ酸ナトリウムの市販品としては、JIS規格(K1408)の1~3号ケイ酸ソーダ、4号ケイ酸ソーダ、メタケイ酸ナトリウム1種、2種等が挙げられる。
アルカリ金属ケイ酸塩は、一般にMO・nSiO(Mは、アルカリ金属を表す。)の分子式で表され、nが0.5以上4.0以下の範囲にある組成物およびこれらの混合物を意味する。nは0.7以上3.0以下であることが好ましく、1.0以上2.0以下であることがより好ましい。nは、上述したアルカリ金属ケイ酸塩と、アルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を混合することにより任意に調整することができる。アルカリ金属の水酸化物は固形物、水溶液のいずれも用いることができる。
アルカリ活性剤水溶液におけるアルカリ活性剤の含有量は10~60質量%が好ましく、15~50質量%がより好ましく、20~45質量%がさらに好ましい。なお、アルカリ活性剤水溶液におけるアルカリ活性剤と水のモル比、アルカリ活性剤/水としては、0.1以上が好ましく、0.15~0.23の範囲がより好ましい。
また、ジオポリマー組成物におけるメタカオリン100質量部に対するアルカリ活性剤水溶液の量は、70~140質量部であることが好ましく、80~120質量部がより好ましい。メタカオリン100質量部に対するアルカリ活性剤の量としては、7~84質量部が好ましく、8~72質量部がより好ましい。
<骨材>
ジオポリマー組成物は任意成分として骨材を含有してもよい。ジオポリマー組成物に骨材を配合することで、コンクリートやモルタルとして使用することができる。
骨材は、コンクリートやモルタルに一般的に使用される骨材を用いればよい。粒子の大きさによって細骨材・粗骨材、成因によって天然骨材・人工骨材、密度によって軽量骨材・普通骨材・重量骨材等に分類される。骨材は、1種が単独で使用されてもよく、2種以上が組合せて使用されてもよい。
ジオポリマー組成物における骨材の含有量は、メタカオリン(A)100質量部に対する骨材の量として200~700質量部であることが好ましい。
なお、ジオポリマー組成物における骨材の含有量は、用途に応じて適宜調整可能である。例えば、ジオポリマー組成物をモルタルとして使用する際には、骨材の含有量は、メタカオリン(A)100質量部に対して、200~450質量部が好ましく、250~380質量部がより好ましい。また、ジオポリマー組成物をコンクリートとして使用する際には、骨材の含有量は、メタカオリン(A)100質量部に対して、300~700質量部が好ましく、350~600質量部がより好ましい。
<その他の任意成分>
ジオポリマー組成物は任意成分として骨材以外に、その他の任意成分として、本発明の効果を損なわない範囲で各種の混和剤や混和材を含有してもよい。その他の任意成分としては、例えば、流動化剤、収縮低減剤、防錆剤、防水材、凝結遅延剤、消泡剤、粉塵低減剤、顔料、炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
ジオポリマー組成物はその他の任意成分として、補強材を含有してもよい。補強材としては、例えば、鉄を含有する材料からなる。補強材の形状は、例えば短繊維状、球状、棒状又は立体形状等であり、短繊維状に形成された複数の鋼繊維材料を用いることが好ましい。鋼繊維材料のジオポリマー組成物に対する混入率は、0.5~2vol%が好ましく、0.5~1vol%がより好ましい。
鉄を含有する補強材を含有する場合、ジオポリマー組成物の硬化過程(後述する)において、補強材に含有される鉄成分がジオポリマー組成物の重合反応に金属成分として組み込まれ、この鉄成分とジオポリマー組成物に含有されるケイ素成分とが化学的に結合した状態で硬化する。したがってジオポリマー組成物と補強材とが強固に固着した状態となり、ジオポリマー構造体全体の耐久性が向上する。なお、ジオポリマー組成物の原料として用いる骨材は、鉄を含有するものであってもよい。この場合、ジオポリマー組成物の圧縮強度を向上させることができる。
本発明のジオポリマー組成物は、上記で説明したメタカオリン(A)およびアルカリ活性剤水溶液からなる必須成分および必要に応じて配合される任意成分を、好ましくは上記含有割合となるように混合することで得られる。
各成分を混合する方法は、全ての成分を同時に添加し混合する方法であってもよく、成分を順次添加し混合する方法であってもよい。ジオポリマー組成物が骨材を含有する場合は、例えば、メタカオリン(A)とアルカリ活性剤水溶液を先に混合した後に、骨材を添加し混合する方法であってもよく、メタカオリン(A)と骨材を先に混合した後に、アルカリ活性剤水溶液を添加し混合する方法であってもよい。この場合、その他の任意成分は、先に添加されてもよく、後に添加されてもよい。
混合に用いる装置としては、特に限定されるものではなく、例えば、コンクリートを混錬するために使用される強制二軸ミキサー等の各種ミキサーが挙げられる。混合条件としては、温度は特に調整されず、典型的には、常温(15~25℃)で行われる。混合時間は、全体が均一となるように適宜調整される。
(ジオポリマー組成物の物性)
本発明のジオポリマー組成物は、フレッシュ試験として、例えば、JIS R5201に準じた方法で、以下の条件で測定されるフロー値が140mm以上であることが好ましく、150mm以上であることがより好ましく、160mm以上であることが特に好ましい。なお、上記フロー値は、具体的には、モルタルフロー試験装置(丸東製作所製)を用いて測定できる。また、上記フロー値としては、15回落下後の15打フローにおいて、最大径と最大径に直交する径の平均値を用いた場合を基準とした。
[ジオポリマー組成物の硬化物]
本発明のジオポリマー組成物の硬化物は、上記のようにして得られるジオポリマー組成物を、所定温度で所定時間処理(養生)することにより得られる。ジオポリマー組成物の硬化は、アルカリ活性剤によってフィラーが活性化され、フィラー中に含まれるケイ素成分及び金属成分が重合することによるものである。
養生の条件としては、水中養生であっても封緘養生であってもよい。養生の温度については、例えば、5~90℃程度であり、15~75℃程度が好ましい。養生の時間については、温度により適宜調整される。例えば、温度5~35℃程度の常温では、1~14日程度が好ましく、2~10日程度がより好ましい。また、35~90℃程度の高温では、3時間~10日程度が好ましく、
6時間~7日程度がより好ましい。
(硬化物の物性)
本発明のジオポリマー組成物の硬化物の、例えば、JIS A 1108に準じた方法で測定される圧縮強度は、20N/mm以上であることが好ましく、24N/mm以上であることがより好ましく、30N/mm以上であることがさらに好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。
[例1~5]
表1に示すとおりの平均粒径D50およびガラス化率が異なる5種のメタカオリンMK1~MK5と、アルカリ活性剤水溶液と骨材とを表1に示す配合量で混合して、ジオポリマー組成物1~5を製造した。アルカリ活性剤水溶液としては、GP1(製品名;東曹産業社製、ケイ酸ナトリウム:水(モル比)=0.11:1の水溶液、密度1.40g/cm)を用いた。骨材としては、細骨材である標準砂(豊浦標準砂、密度2.56g/cm)を用いた。
ジオポリマー組成物の製造方法としては、ミキサー(約5リットル、丸東製作所製)にメタカオリンとアルカリ活性剤水溶液と骨材を投入し、表1に示す練混ぜ条件で混練してジオポリマー組成物とした。表1の練混ぜ条件における「H」は装置の回転速度設定が高速であることを示し、「L」は装置の回転速度設定が低速であることを示す。なお、得られたジオポリマー組成物のうち、ジオポリマー組成物2、3、4は、本発明(実施例)のジオポリマー組成物である。ジオポリマー組成物1、5は、本発明の範囲外(比較例)のジオポリマー組成物である。
(評価)
上記で得られたジオポリマー組成物1~5について、フレッシュ試験として、JIS R5201に準じた方法で、上記条件でフロー値を測定した。さらに、ジオポリマー組成物1~5について、以下の条件で硬化させた硬化物を準備し、JIS A 1108に準じた方法で圧縮強度を測定した。ジオポリマー組成物1~5の硬化物としては、φ50mm、H100mmの円柱供試体を、加温養生(70℃、7日間で封緘養生)した2本を用い、圧縮強度はこの2本の平均とした。結果を表1の右欄に示す。
Figure 2023145830000002
また、表1のデータから、図1に示すジオポリマー組成物(1~5)におけるメタカオリンの平均粒径D50とフロー値の関係を示すグラフおよび図2に示すジオポリマー組成物(1~5)におけるメタカオリンのガラス化率とその硬化物の圧縮強度の関係を示すグラフを作成した。
[例6~11]
以下のとおり、例6~11により表2に示す組成のジオポリマー組成物6~11を製造した。
ジオポリマー組成物6~11において、メタカオリン(A)として、表1に示す平均粒径D50およびが9.0μmであり、ガラス化率が95.8%のメタカオリンMK3を用いた。アルカリ活性剤水溶液および骨材は、例1~5と同様のものを用いた。各組成物の組成は表2のとおりとした。ミキサーは、上記例1~5で用いたのと同様のミキサーを用いた。
ジオポリマー組成物6~8は、ミキサーにメタカオリンとアルカリ活性剤水溶液を投入し、低速(L)で60秒間、混練した。次いで、骨材をミキサーに投入し、低速(L)で60秒間、混練して(以下、本製造方法を記号「M-1」で示す。)製造された。ジオポリマー組成物9~11は、ミキサーにメタカオリンと骨材を投入し、低速(L)で30秒間、混練した。次いで、アルカリ活性剤水溶液をミキサーに投入し、低速(L)で90秒間、混練して(以下、本製造方法を記号「M-2」で示す。)製造された。なお、Paste Volume Rate(%)Including air(2%)は全ての組成物において、47%であった。
(評価)
上記で得られたジオポリマー組成物6~11は、全て本発明(実施例)のジオポリマー組成物である。上記で得られたジオポリマー組成物6~11について、上記同様にしてフロー値を測定した。さらに、ジオポリマー組成物6~11について、加温養生の条件を70℃、9時間で封緘養生とした以外は、上記同様にして硬化物を準備し、JIS A 1108に準じた方法で圧縮強度を測定した。結果を表2の右欄に示す。
Figure 2023145830000003
また、表2のデータから、図3に示すジオポリマー組成物(6~11)におけるメタカオリンに対するアルカリ活性剤水溶液の含有割合とフロー値の関係を示すグラフおよび図4に示すジオポリマー組成物(6~11)におけるメタカオリンに対するアルカリ活性剤水溶液の含有割合とその硬化物の圧縮強度の関係を示すグラフを作成した。

Claims (5)

  1. 個数基準の平均粒径D50が3~12μmであり、ガラス化率が92%以上であるメタカオリンと、アルカリ活性剤水溶液と、を含有するジオポリマー組成物。
  2. 前記アルカリ活性剤水溶液における前記アルカリ活性剤の含有量が10~60質量%であり、前記メタカオリン100質量部に対する前記アルカリ活性剤水溶液の量が70~140質量部である請求項1に記載のジオポリマー組成物。
  3. さらに、骨材を含有する請求項1または2に記載のジオポリマー組成物。
  4. 前記メタカオリン100質量部に対する前記骨材の量が200~700質量部である請求項3に記載のジオポリマー組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のジオポリマー組成物の硬化物。
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