JP2023145369A - 画像表示装置 - Google Patents

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Takuya Miyauchi
雅仁 西山
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Abstract

【課題】熱伝導の改善により高寿命な画像表示装置を提供する。【解決手段】基板上に、第一電極、画素分割層、第一発光層、第二発光層及び第二電極を有する画像表示装置であって、該第一電極上に、第一発光層、第二発光層及び第二電極がこの順に配置され、該画素分割層が無機粒子と、有機顔料および/または染料を含有する画像表示装置。【選択図】図3

Description

本発明は、画像表示装置に関する。
スマートフォン、テレビ、車載モニターなど、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置が搭載された多くの製品が開発されている。有機EL表示装置は陰極から注入された電子と、陽極から注入された正孔との再結合によるエネルギーで発光する自発光型の表示装置であり、各発光画素は絶縁層の機能を有するパターン状の画素分割層の開口部に形成される。近年、有機EL表示装置の視認性およびコントラストの向上を目的として、隣接する発光画素への光漏れによる混色や太陽光などの外光反射を抑制するため、画素分割層を黒色化して遮光性を付与する技術が注目されている。黒色の画素分割層を形成するための材料としては、例えば、有機黒色顔料とポリイミド樹脂とフルオレン系アクリレート化合物とを含有するネガ型感光性組成物が特許文献1で開示されている。特許文献1によれば、高い遮光性と低いテーパー角度を兼ね備えた画素分割層を形成できるとされている。
しかし、既存の有機EL素子にはまだ技術的な課題も多い。中でも、高効率な発光を得ることと、有機EL素子の長寿命化との両立は、大きな課題となっている。
これらの課題を解決する方法として、特許文献2に発光層を重ねるタンデムという構造が開示されている。特許文献2によれば、電荷発生層といわれる層を発光層の層間に入れることで高輝度な有機EL素子が製造できるとされている。
国際公開第2018/181311号 特表2009-506513号
しかしながら、特許文献1、特許文献2で開示された黒色分割層と複数の発光層を有する画像表示装置を製造すると発光層の排熱により寿命が短くなるという課題があった。
上記課題を解決するため本発明の画像表示装置は、次の構成を有する。すなわち、
(1)基板上に、第一電極、画素分割層、第一発光層、第二発光層及び第二電極を有する画像表示装置であって、該第一電極上に、第一発光層、第二発光層及び第二電極がこの順に配置され、該画素分割層が無機粒子と、有機顔料および/または染料を含有する画像表示装置。
(2)前期画素分割層の熱伝導率が、0.5W/m・K以上、30W/m・K以下である(1)に記載の画像表示装置。
(3)前記無機粒子の熱伝導率が、10W/m・K以上、300W/m・K以下である(1)または(2)に記載の画像表示装置。
(4)前記無機粒子の電気抵抗が、1010Ωcm以上、1020Ωcm以下である(1)~(3)のいずれかに記載の画像表示装置。
(5)前記無機粒子の比誘電率が2.0以上、10.0以下である(1)~(4)のいずれかに記載の画像表示装置。
(6)前記無機粒子が、前記無機粒子の全量100重量%に対して、Mg、Al、B、Ti、FeおよびZrからなる群より選択される一以上の元素を含む無機化合物を50重量%以上含む(1)~(5)のいずれかに記載の画像表示装置。
(7)前記無機化合物が、Mg、Al、B、Ti、FeおよびZrからなる群より選択される一以上の元素の酸化物または窒化物である(6)に記載の画像表示装置。
(8)前記無機化合物が、Al酸化物またはAl窒化物である(7)に記載の画像表示装置。
(9)前記画素分割層が、前記画素分割層を100重量%に対して、前記無機粒子を10重量%以上、90重量%以下で含む(1)~(8)のいずれかに記載の画像表示装置。
(10)前記有機顔料および/または染料が、黒色顔料および/または黒色染料、もしくは赤色顔料、橙色顔料、黄色顔料、緑色顔料、青色顔料、紫色顔料、赤色染料、橙色染料、黄色染料、緑色染料、青色染料および紫色染料からなる群より選択される二種類以上を有する(1)~(9)のいずれかに記載の画像表示装置。
(11)平均1次粒子径が1nm以上、80nm以下であるTiの酸化物および/または窒化物の無機粒子を含んだガスバリア層を有する(1)~(10)のいずれかに記載の画像表示装置。
(12)前記画素分割層端部に放熱構造を有する(1)~(11)のいずれかに記載の画像表示装置。
(13)カラーフィルタ層を有する(1)~(12)のいずれかに記載の画像表示装置。
(14)表示エリアにおける前記画素分割層の開口率が20%±15%である(1)~(13)のいずれかに記載の画像表示装置。
本発明によれば、熱伝導の改善により高寿命な画像表示装置を提供する。
本発明の実施形態の具体例として挙げられる画像表示装置における断面図である。 本発明の実施形態の別の具体例として挙げられる画像表示装置における断面図である。 本発明の実施形態の別の具体例として挙げられる画像表示装置における断面図である。 本発明の実施形態のさらに別の具体例として挙げられる画像表示装置における断面図である。 本発明の実施形態の具体例として挙げられる図3の平面図である。 本発明の実施形態の具体例として挙げられる図4の平面図である。 実施例1に記載の画像表示装置に対して、画素の横1mmの個所に排熱用のヒートシンク構造として、画素分割層以上の熱伝導率である材料によって画素全体を囲うように配列したものの平面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。画素分割層とは、有機EL表示装置やマイクロLED表示装置が具備する画素分割層のことを意味し、液晶表示装置のブラックマトリクスは包括しない。可視光線とは、波長380nm以上780nm未満の領域の光を意味し、近紫外線とは200nm以上380nm未満の領域の光を意味する。遮光とは、硬化膜に対して垂直方向に入射した光の強度と比べて、透過した光の強度を低下させる機能を意味し、遮光性とは、可視光線を遮蔽する程度のことをいう。感光性組成物とは、近紫外線に対する感光性を有し、かつアルカリ現像型の感光性組成物を意味する。
重量平均分子量(Mw)とは、テトラヒドロフランをキャリヤーとするゲルパーミエーションクロマトグラフィーで分析し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算した値である。
一部の着色材の呼称に用いた「C.I.」とは、ColourIndexGenericNameの略であり、TheSocietyofDyersandColourists発行のカラーインデックスに基づき、カラーインデックスに登録済の着色材に関しては、ColourIndexGenericNameが、顔料または染料の化学構造や結晶形を表す。なお、C.I.ピグメントブラック7などに分類されるカーボンブラックは無機黒色顔料に分類するが、本発明の無機粒子はこれを除く。固形分とは、感光性組成物中、溶剤および水を除く成分の割合(重量%)を意味する。
本発明者らが前述の課題について検証した結果、通常、発光画素はブルー、レッド、グリーンの少なくとも三色で構成されており、比視感度が高いグリーンの画素においては、画素の寿命により、輝度が小さくなることが輝度のムラとして特に使用者に視認されやすいことがわかった。ここでいう比視感度とは、人の目が光の波長ごと明るさを感じる強さを意味する。
以上に鑑みて、本発明者らは鋭意検討を行い、以下の構成をとることが前述の課題の解決にあたり、格別顕著な効果を奏することを見出した。
すなわち、本発明の画像表示装置は、基板上に、第一電極、画素分割層、第一発光層、第二発光層及び第二電極を有する画像表示装置であって、該電極上に、第一発光層、第二発光層及び第二電極がこの順に配置され、該画素分割層が無機粒子と、有機顔料および/または染料を含有する画像表示装置である。
図1に、本発明の実施形態の具体例として挙げられる画像表示装置の断面図を示す。
基板1の表面に、TFT(薄膜トランジスタ)が行列状に設けられており、TFTと、TFTに接続された配線を覆う状態でTFT絶縁層8が形成されている。さらに、TFT絶縁層8の表面には、平坦化層2が形成されている。平坦化層2の表面には、第一電極3がパターン形成されており、TFTに接続された配線に接続されている。第一電極3のパターン周縁を囲むようにして、画素分割層7が形成されている。画素分割層7には開口部が設けられており、開口部には第一発光層4と第二発光層5によって、発光画素が形成されており、第二電極6が、画素分割層7と発光画素とを覆う状態で成膜されている。以上の積層構成からなるTFT基板を真空下で封止した後に発光画素部に電圧を印加すれば、画像表示装置として発光させることできる。
画像表示装置としては、例えば、有機ELやマイクロLED、量子ドットが挙げられる。
有機ELによって画像表示装置を構成する場合は発光材料に加え、さらに正孔輸送層および/または電子輸送層を組み合わせた材料を好適に用いることができる。また発光層を直接重ねるには間に中間層を挟んでも良い。中間層は、一般的に、中間電極、中間導電層、電荷発生層、電子引抜層、接続層、中間絶縁層とも呼ばれ、公知の材料構成を用いることができる。
本発明の画像表示装置において、有機ELの場合、構成は特に限定されず、例えば、(1)正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷発生層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、(2)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/電荷発生層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層といった、陽極と陰極の間に中間層として電荷発生層を含む積層構成が挙げられる。
また、上記各層は、それぞれ単一層、複数層のいずれでもよく、ドーピングされていてもよい。特に、上記電子注入層および電荷発生層は、金属をドープした金属ドーピング層とすることが好ましく、電子輸送能力や隣接する他層への電子注入能力を向上させることができる。また、上記各層に加えて、保護層(キャップ層)をさらに有してもよく、光学干渉効果により発光効率をより向上させることができる。各層の厚みは、各層材料の抵抗値やEL発光の取り出し効率への影響を考慮して一般的に1~200nmの間から選ばれる。
<第一発光層、第二発光層>
発光層は、正孔および電子の衝突による再結合エネルギーにより発光材料が励起され、発光する層である。発光層は単層であっても、複数の層が積層されて構成されていてもよく、それぞれ発光材料(ホスト材料および/またはドーパント材料)により形成される。各発光層は、ホスト材料またはドーパント材料のいずれか一方のみから構成されていても、それぞれ1種以上のホスト材料と1種以上のドーパント材料との組み合わせにより構成されていてもよい。すなわち、各発光層において、ホスト材料またはドーパント材料のみが発光してもよいし、ホスト材料とドーパント材料がともに発光してもよい。電気エネルギーを効率よく利用し、高色純度の発光を得るという観点からは、発光層は、ホスト材料とドーパント材料の組み合わせにより構成されることが好ましい。ドーパント材料は、ホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含まれていてもよい。
発光層中のドーパント材料の含有量は、濃度消光現象を抑制する観点から、ホスト材料100重量部に対して30重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましい。
発光層は、ホスト材料とドーパント材料とを共蒸着する方法や、ホスト材料とドーパント材料とを予め混合してから蒸着する方法などにより形成することができる。
発光材料を構成するホスト材料としては、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、トリフェニレン、ペリレン、フルオランテン、フルオレン、インデンなどの縮合アリール環を有する化合物などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。発光層が三重項発光(りん光発光)を行う際に用いられるホストとしては、金属キレート化オキシノイド化合物、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、トリアジン誘導体、トリフェニレン誘導体などが好適に用いられる。その中でも、アントラセン骨格やピレン骨格を有する化合物が、高効率発光が得られやすいため、より好ましい。
発光材料を構成するドーパント材料としては、例えば、アントラセンやピレンなどの縮合環誘導体、トリス(8-キノリノラート)アルミニウムなどの金属錯体化合物、ビススチリルアントラセン誘導体やジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体などが挙げられる。発光層が三重項発光(りん光発光)を行う際に用いられるドーパント材料としては、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、オスミウム(Os)およびレニウム(Re)からなる群から選択される少なくとも一種の金属を含む金属錯体化合物が好ましい。金属錯体化合物を構成する配位子は、要求される発光色、有機EL表示装置性能、ホスト化合物との関係から適宜選択することができ、フェニルピリジン骨格、フェニルキノリン骨格、カルベン骨格などの含窒素芳香族複素環を有することが好ましい。具体的には、トリス(2-フェニルピリジル)イリジウム錯体ビス(2-フェニルピリジル)(アセチルアセトナート)イリジウム錯体、テトラエチルポルフィリン白金錯体などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
本発明の発光層は第一発光層及び第二発光層を有することを特徴とする。一つの画素に対して発光層を複数持つことで、同一の輝度を得る場合、一つの発光層に対する負荷を軽減することが可能になる。第一発光層4及び第二発光層5は光の3原色であるブルー、レッド、グリーンの領域それぞれの発光ピーク波長を有する異なる種類の画素が配列したものを全面に作製する。別途の積層部材としてブルー、レッド、グリーンのカラーフィルタを表示部前面に組み合わせて配置したものであってもよい。通常表示されるレッド領域のピーク波長は、560~700nm、ブルー領域のピーク波長は420~500nm、グリーン領域のピーク波長は、500~550nmであるが、本発明の画像表示装置においては発光画素の種類は特に限定されず、発光光がいかなるピーク波長を有していてもよい。
発光画素をパターン形成する方法としてはマスク蒸着法が挙げられる。マスク蒸着法とは、蒸着マスクを用いて無機化合物や有機化合物を蒸着してパターニングする方法であり、具体的には、所望のパターンを開口部とした蒸着マスクを基板側に配置して蒸着を行う方法が挙げられる。高精度の蒸着パターンを得るためには、平坦性の高い蒸着マスクを基板に密着させることが重要であり、一般的に、蒸着マスクに張力をかける技術や、基板背面に配置した磁石によって蒸着マスクを基板に密着させる技術などを用いることができる。蒸着マスクの製造方法としては、エッチング法や機械的研磨、サンドブラスト法、焼結法、レーザー加工法、感光性樹脂の利用などが挙げられるが、より微細なパターンを形成する場合は、加工精度に優れる点で、エッチング法や電鋳法を用いることが好ましい。
<第一電極および第二電極>
本発明の画像表示装置の光取り出し方向は、発光画素から放たれる発光光を、第一電極3、基板1を介して基板側へ取り出す、ボトムエミッション型画像表示装置であってもよいし、第二電極6を介して発光光を基板1の反対側へ取り出す、トップエミッション型画像表示装置であってもよいが、発光光を介する側の電極は透明電極であることが好ましい。
透明電極としては、例えば、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)などの導電性金属酸化物や金属の薄膜を用いることができる。
ITOをパターン形成する方法としては、まずスパッタ法でITOを全面成膜したのちに、エッチング用ポジ型レジスト材料をフォトリソグラフィ法によりパターン形成してITO膜上にレジストパターンを得る。次に、該レジストパターン非形成部のITO膜のみを液温20~60℃のエッチング液により除去し、次いでレジストパターンを液温20~60℃のレジスト剥離液により除去し、さらに必要に応じて所望の結晶化度となるよう熱処理を行う方法が挙げられる。ここでいうITOとは、いわゆるアモルファスITOを包括する。エッチング用ポジ型レジスト材料としてはアルカリ可溶性ノボラック系樹脂を含有するポジ型感光性組成物を用いることができる。エッチング液としては硝酸と塩酸とを含む水溶液やシュウ酸水溶液を用いることができ、市販品としては、例えば、ITO-101N(関東化学(株)製)、“エスクリーン”(登録商標)IS-2、同IS-3(以上、いずれも佐々木化学薬品(株)製)が挙げられる。
レジスト剥離液としては有機アミン系水溶液を用いることができ、市販品としては、例えば、“アンラスト”(登録商標)M6、同M6B、同TN-1-5、同M71-2(以上、いずれも(株)三若純薬研究所)が挙げられる。
また金属薄膜の場合は例えば銀/マグネシウムからなる銀合金が挙げられる。銀合金は蒸着法やスパッタ法で全面成膜することにより得ることができ、透過率と電気抵抗の関係から膜厚は10nm以上20nm以下であることが好ましい。
対となる発光光を介さない電極としては、電極として機能させることができる層であれば、いかなる物質からなっていても構わない。具体例としては、光反射性に優れる点でアルミニウムや銀が好ましく、基板密着性とを向上させるため、ITO/銀合金/ITOのような積層構成であってもよい。
<基板>
基板1にガラスなどに代表される硬質の板状基材を用いれば、曲げることができないリジッドタイプの画像表示装置とすることができる。ガラスとしては、アルカリ金属元素の含有量が0.5%未満であり、ケイ素を主成分とする無アルカリガラスを好適に用いることができる。中でも、熱膨張係数が小さく、250℃以上の高温プロセスにおける寸法安定性に優れたものがよく、例えば、OA-10G、OA-11(以上、いずれも日本電気硝子(株)製)、AN-100(旭硝子(株)製)が挙げられ、その厚さは、物理的耐久性の観点から通常0.1~0.5mmである。
一方で、基板1にフレキシブル基材を用いれば、曲げることができるフレキシブルタイプの有機EL表示装置とすることができる。フレキシブル基材としては、屈曲性が高く機械的強度に優れたポリイミド樹脂からなる基材を好適に用いることができ、これを作製する方法としては、ポリアミド酸を含む溶液を仮支持体の表面に塗布し、次いで加熱することでポリアミド酸をイミド化してポリイミド樹脂に変換した後に仮支持体をレーザーなどで剥離する方法が挙げられる。
ポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを、N-メチル-2-ピロリドンなどのアミド系溶剤中で反応させて合成することができ、中でも、熱線膨張係数が小さく寸法安定性に優れる点で、芳香族テトラカルボン酸二無水物の残基と、芳香族ジアミン化合物の残基とを有するポリアミド酸が好ましい。具体例としては、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の残基と、p-フェニレンジアミンの残基とを有するポリアミド酸を挙げることができる。その厚さは、通常10~40μmであり、上記無アルカリガラスを用いる場合と比べて基板1を薄くすることができる。
<画素分割層>
本発明の画像表示装置が具備する画素分割層は、熱伝導率が0.5W/m・K以上、30W/m・K以下が好ましく、5W/m・K以上、25W/m・K以下がより好ましい。熱伝導率がこの好ましい範囲であると、排熱の効率を高くすることができ、一方、非点灯画素の熱による劣化を防ぐことができる。ここでいう熱伝導率は(Picotherm社製;NanoTR)を用いて熱伝導率を測定した値のことを意味し、数値が高いほど排熱効率が高いことを示す。
また画素分割層は無機粒子と、有機顔料および/または染料を含有する。
画素分割層7が有する開口部の形状は特に限定されず、正方形、長方形または楕円状であってよい。開口部の開口幅は発光画素のサイズにより適宜決定すればよく、例えば、短径が10~50μmであってよい。本発明の画像表示装置が具備する画素分割層の膜厚1μmあたりの光学濃度(Optical Density)は、外光反射を抑制して表示装置としての価値を高める上で、0.5以上が好ましく、0.7以上がより好ましい。輝度ムラを抑制する上で、1.5以下が好ましく、1.2以下がより好ましい。ここでいう膜厚1μmあたりの光学濃度とは、光学濃度計(X-Rite社製;X-Rite361T」を用いて入射光強度と透過光強度を測定し、以下の式から算出された値を、膜厚の値で除した値について小数点第二を四捨五入した値のことを意味し、光学濃度が高いほど遮光性が高いことを示す。
光学濃度=log10(I/I)
:入射光強度
I:透過光強度
画素分割層7の膜厚は通常1~4μmで形成され、画素分割層の開口部との境界における画素分割層の端部のテーパー角度は、第二電極5の成膜性を高めて発光画素の非点灯を抑制する上で50°以下が好ましく、40°以下がより好ましい。画素分割層の端部の遮光性の低下を抑制する上で15°以上が好ましく、20°以上がより好ましい。
画素分割層は、輝度のムラを低減する上で、アルカリ現像型の感光性組成物を用いたフォトリソグラフィ法により形成することが望ましい。感光性組成物としては、ネガ型感光性組成物であっても、ポジ型感光性組成物であってもよい。
ネガ型感光性を発現させるための感光剤として、ラジカル重合性基を分子内に2つ以上有する化合物、および光重合開始剤を含有させることが望ましい。ラジカル重合性基を分子内に6つ有する化合物としては、例えば、“KAYARAD”(登録商標)DPHA、DPCA-20、DPCA-30、DPCA-60、DPCA-120(以上、いずれも日本化薬(株)製)が挙げられる。
ラジカル重合性基を分子内に4つ有する化合物としては、例えば、“ライトアクリレート”(登録商標)PE-4A(共栄社化学(株)製)が挙げられる。ラジカル重合性基を分子内に3つ有する化合物としては、例えば、“アロニックス”(登録商標)M-215、M-315(以上、いずれも東亜合成(株)製)が挙げられる。ラジカル重合性基を分子内に2つ有する化合物としては、例えば、“OGSOL”(登録商標)EA-0200、EA-0250P-LT、GA-2800、GA-5060P(以上、いずれも大阪ガスケミカル(株)製)、A-BPEF(新中村化学工業(株)製)が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル系光重合開始剤、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が挙げられ、i線または、少なくともi線を含む混合線に対して膜の深部硬化性を向上できる点で、オキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。オキシムエステル系光重合開始剤としては、例えば、“アデカクルーズ”(登録商標)NCI-831E((株)ADEKA製、以下「NCI-831E」と表記する。)、“Irgacure”(登録商標)OXE01、OXE02、OXE03、OXE04(いずれもBASF社製)、国際公開第2016/008384号に記載のオキシムエステル系光重合開始剤が挙げられる。
ポジ型感光性の場合はo-キノンジアジド化合物を挙げることができる。
o-キノンジアジド化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物にナフトキノンジアジドスルホン酸のスルホン酸がエステル結合した化合物が好ましい。フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、Bis-Z、BisP-EZ、TekP-4HBPA、TrisP-HAP、TrisP-PA、TrisP-SA、TrisOCR-PA、BisOCHP-Z、BisP-MZ、BisP-PZ、BisP-IPZ、BisOCP-IPZ、BisP-CP、BisRS-2P、BisRS-3P、BisP-OCHP、メチレントリス-FR-CR、BisRS-26X、DML-MBPC、DML-MBOC、DML-OCHP、DML-PCHP、DML-PC、DML-PTBP、DML-34X、DML-EP、DML-POP、ジメチロール-BisOC-P、DML-PFP、DML-PSBP、DML-MTrisPC、TriML-P、TriML-35XL、TML-BP、TML-HQ、TML-pp-BPF、TML-BPA、TMOM-BP、HML-TPPHBA、HML-TPHAP(商品名、本州化学工業(株)製)、BIR-OC、BIP-PC、BIR-PC、BIR-PTBP、BIR-PCHP、BIP-BIOC-F、4PC、BIR-BIPC-F、TEP-BIP-A、46DMOC、46DMOEP、TM-BIP-A(商品名、旭有機材工業(株)製)、2,6-ジメトキシメチル-4-tert-ブチルフェノール、2,6-ジメトキシメチル-p-クレゾール、2,6-ジアセトキシメチル-p-クレゾール、ナフトール、テトラヒドロキシベンゾフェノン、没食子酸メチルエステル、ビスフェノールA、ビスフェノールE、メチレンビスフェノール、BisP-AP(商品名、本州化学工業(株)製)などが挙げられる。ナフトキノンジアジドスルホン酸としては、4-ナフトキノンジアジドスルホン酸、5-ナフトキノンジアジドスルホン酸などが挙げられる。これらのo-キノンジアジド化合物を含有することにより、感光性樹脂組成物の解像度、感度、残膜率を向上させることができる。
感光材以外の樹脂としては、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリシロキサン、ノボラック樹脂及びポリヒドロキシスチレンから選ばれる一種類以上を含む樹脂が好ましい。これらの樹脂は熱や光による硬化で剛直となるため、熱処理後の安定性が良いことから画像表示装置への加工が安定する。
アルカリ現像性の観点から、これら樹脂の重量平均分子量(Mw)は1,000以上150,000以下であることが好ましい。
また、感光性組成物は、さらに溶剤を含有してもよい。溶剤を含有することで感光性組成物の粘度、チキソトロピー性などを調節でき、塗布膜の膜厚均一性を高めることができる。溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEA)、3-メトキシブチルアセテート(以下、MBA)、メチルエチルケトン(以下、MEK)が好ましく挙げられる。
感光性組成物を調製する方法としては、湿式分散処理により無機粒子分散液を調製し、同様に湿式分散処理された顔料または染料と、必要に応じて溶剤およびその他成分を混合、撹拌したのち、必要に応じてフィルタ濾過を行うことで調製する方法が挙げられる。顔料成分は無機粒子との共存下で湿式分散処理を行っても構わない。
湿式分散処理を行なうための分散機としては湿式メディア分散機であっても、湿式メディアレス分散機であってもよいが、分散処理速度に優れ、経済的に有利な点で湿式メディア分散機の使用が望ましい。湿式メディア分散機としては、例えば、“レボミル”(登録商標)(浅田鉄工(株)製)、“ナノ・ゲッター”(登録商標)(アシザワファインテック(株)製)、“DYNO-MILL”(登録商標)(WillyA.Bachofen社製)、“スパイクミル”(登録商標)((株)井上製作所製)、“サンドグラインダー”(登録商標)(デュポン社製)、“ウルトラアペックスミルアドバンス”(登録商標)((株)広島メタル&マシナリー製)、“NEO-アルファミル”(登録商標)(アイメックス(株)製)などのビーズミルが挙げられる。
湿式メディア分散処理に用いるための粉砕メディアとしては酸化ハフニウム(HfO)、またはジルコニアとハフニウムとの複合酸化物(ZrO-HfO)の純分が90重量%以上のセラミックビーズを用いることが好ましい。長寿命化と加工安定性の上で、粉砕メディアの直径は0.03~0.5mmφが好ましく、真球度が高いほど好ましい。
感光性組成物を用いて画素分割層を形成する方法としては、感光性組成物を塗布して塗布膜を得る塗布工程と、露光マスクを介して活性化学線をパターン露光することにより露光部と未露光部とを面内に有する露光膜を得る露光工程と、アルカリ現像液を用いて現像して未露光部の膜を除去して現像膜を得る現像工程と、加熱により熱硬化させて硬化膜を得るキュア工程とを含む方法が好ましい。
塗布工程で用いる塗布装置としては薄膜塗布性に優れる点で、スピンコーターまたはスリットコーターを好ましく用いることができる。塗布後はピンギャッププリベークあるいはコンタクトプリベークを行ってもよい。プリベーク温度は50~150℃が好ましく、プリベーク時間は30秒間~5分間が好ましい。
露光工程で用いる露光装置としては、例えば、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、パラレルライトマスクアライナー(PLA)が挙げられる。露光時に照射する活性化学線としては、水銀灯のj線(波長313nm)、i線(波長365nm)、h線(波長405nm)またはg線(波長436nm)が挙げられ、i線または、少なくともi線を含む混合線がより好ましい。露光マスクとしては、例えば、ガラス、石英またはフィルムなどの露光波長における透光性を有する基材の片側の表面にクロムなどの金属からなる遮蔽性を有する薄膜がパターン状に成膜されたマスクが挙げられ、開口部のみ活性化学線を透過させてパターン露光することにより、露光部と未露光部とを面内に有する露光膜が得られる。
ここでいう露光部とは露光された部位のことをいい、未露光部とは露光されない部位のことをいう。また、活性化学線の透過率が異なる、全透過部と半透過部とを面内に有するハーフトーン露光マスクを用いてパターン露光を行うことにより、凸状の厚膜部を一括形成し、画素分割層の少なくとも一部にスペーサー機能を付与してもよい。スペーサー機能により、画素分割層と蒸着マスクとの接触面積を少なくでき、歩留まりを向上することができる場合がある。
現像工程における現像方式としては、例えば、シャワー、ディッピング、パドルなどの方式が挙げられ、露光膜を10秒~3分間浸漬する方法が挙げられる。開口部の開口幅の面内均一性を高める上でパドル方式が好ましい。アルカリ現像液としては、1.0~2.5重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(以下、TMAH)が好ましく、市販品としては、例えば、2.38重量%TMAH(多摩化学工業(株)製)が挙げられる。現像工程後は脱イオン水のシャワーによる洗浄処理および/またはエアー噴射による水切り処理を加えても構わない。
キュア工程においては、加熱により現像膜を熱硬化させると同時に、水分などを揮散させて硬化膜を得る。加熱装置としては、例えば、熱風オーブン、IRオーブンなどが挙げられる。加熱温度は大気圧下200~350℃が好ましく、220~280℃がより好ましい。後述する(b)成分の変形および/または融着は800~1,200℃で生ずるため、350℃以下の加熱温度領域とすることで、(b)成分の一次粒子径およびアスペクト比をキュア工程前後で維持することができる。
<顔料及び染料>
本発明の画像表示装置が具備する画素分割層は、有機顔料および/または染料を含有する。前記有機顔料および/または染料が、黒色顔料および/または黒色染料もしくは赤色顔料、橙色顔料、黄色顔料、緑色顔料、青色顔料、紫色顔料、赤色染料、橙色染料、黄色染料、緑色染料、青色染料または紫色染料を二種類以上有することが好ましい。有機顔料及び染料は画素分割層に遮光性を付与する効果を目的としているため、画像表示装置の反射率が低減できる色が好ましく、特に可視光を遮光するために黒色がより好ましい。含有量は、高い遮光性を発現させる上で画素分割層中1重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましい。輝度のムラを低減する上で50重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。
有機顔料としては、ベンゾジフラノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、アゾメチン系黒色顔料が挙げられる。
ベンゾジフラノン系黒色顔料としては、例えば、国際公開第2009/010521号で開示された顔料を挙げることができる。後述する式(1)で表される化合物からなるベンゾジフラノン系黒色顔料の市販品として、“Irgaphor”(登録商標)Black S0100CF、ExperimentalBlack582(以上、いずれもBASF社製)を好ましく用いることができる。
ペリレン系黒色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック31、C.I.ピグメントブラック32、ペリレンテトラカルボン酸ベンゾイミダゾールまたはその誘導体、国際公開第2005/078023号で開示された顔料を挙げることができる。市販品としては、“Spectrasense”(登録商標)BlackS0084、同L0086、同K0087、同K0088(以上、いずれもBASF社製)を用いることができる。
アゾメチン系黒色顔料としては、例えば、米国特許出願公開第2002-121228号明細書で開示された顔料を挙げることができる。市販品としては、クロモファインブラックA1103(大日精化工業(株)製)を用いることができる。
染料としては、例えば、油溶性染料、分散染料、反応性染料、酸性染料もしくは直接染料等が挙げられる。
染料の骨格構造としては、アントラキノン系、アゾ系、フタロシアニン系、メチン系、オキサジン系、キノリン系、トリアリールメタン系、キサンテン系などが挙げられるがこれらに限定されない。これらのうち、有機溶剤に対する溶解性や耐熱性の観点から、アントラキノン系、アゾ系、メチン系、トリアリールメタン系、キサンテン系が好ましい。またこれら各染料は単独でも含金属錯塩系として用いてもよい。具体的には、Sumilan、Lanyl染料(住友化学工業(株)製)、Orasol、Oracet、Filamid、Irgasperse染料(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、Zapon、Neozapon、Neptune、Acidol染料(BASF(株)製)、Kayaset、Kayakalan染料(日本化薬(株)製)、ValifastColors染料(オリエント化学工業(株)製)、Savinyl、Sandoplast、Polysynthren、Lanasyn染料(クラリアントジャパン(株)製)、AizenSpilon染料(保土谷化学工業(株)製)、機能性色素(山田化学工業(株)製)、PlastColor染料、OilColor染料(有本化学工業(株)製)等をそれぞれ適用することができるが、それらに限定されるものではない。
顔料及び染料を混色する場合は、有機黄色顔料、有機赤色顔料、有機橙色顔料、黄色染料、赤色染料及び橙色染料から選ばれる少なくとも1色の有機顔料もしくは染料と、有機青色顔料、有機紫色顔料、青色染料及び紫色染料から選ばれる少なくとも1色の有機顔料もしくは染料を混色することが好ましいが、それ以外の組み合わせでも構わない。
有機黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー24、120、138、139、151、175、180、185、181、192、193、194が挙げられる。有機橙色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ13、36、43、60、61、62、64、71、72が挙げられる。有機赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド122、123、149、178、177、179、180、189、190、202、209、254、255、264が挙げられる。有機青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:6、16、25、56、57、60、61、64、65、66、75、79、80が挙げられる。有機紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、32、37が挙げられる。
黄色染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー8,9,11,12,27,28,29,33,35,39,41,44,50,53,58,59,68,87,93,95,96,98,100,106,108,109,110,130,142,144,161,163、C.I.アシッドイエロー17,19,23,25,39,40,42,44,49,50,61,64,76,79,110,127,135,143,151,159,169,174,190,195,196,197,199,218,219,222,227、C.I.リアクティブイエロー2,3,13,14,15,17,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42、C.I.ベーシックイエロー1,2,4,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,39,40が挙げられる。有機橙色染料としては、例えば、C.I.ベーシックオレンジ21,23が挙げられる。有機赤色染料としては、例えば、C.I.ダイレクトレッド2,4,9,23,26,28,31,39,62,63,72,75,76,79,80,81,83,84,89,92,95,111,173,184,207,211,212,214,218,221,223,224,225,226,227,232,233,240,241,242,243,247、C.I.アシッドレッド35,42,51,52,57,62,80,82,111,114,118,119,127,128,131,143,145,151,154,157,158,211,249,254,257,261,263,266,289,299,301,305,319,336,337,361,396,397、C.I.リアクティブレッド3,13,17,19,21,22,23,24,29,35,37,40,41,43,45,4,55、C.I.ベーシックレッド12,13,14,15,18,22,23,24,25,27,29,35,36,38,39,45,46が挙げられる。有機青色染料としては、例えば、C.I.アシッドブルー9,45,80,83,90,185が挙げられる。有機紫色染料としては、例えば、C.I.ダイレクトバイオレット7,9,47,48,51,66,90,93,94,95,98,100,101、C.I.アシッドバイオレット5,9,11,34,43,47,48,51,75,90,103,126、C.I.リアクティブバイオレット1,3,4,5,6,7,8,9,16,17,22,23,24,26,27,33,34、C.I.ベーシックバイオレット1,2,3,7,10,15,16,20,21,25,27,28,35,37,39,40,48が挙げられる。
<無機粒子>
本発明の画像表示装置が具備する画素分割層は、無機粒子を含有する。本発明の無機粒子とは、カーボンなどの炭素化合物や無機元素を炭化させた炭化化合物を含まず、またシリコンを含んだ酸化物や窒化物などのケイ素化合物も含まない。
無機粒子としては、例えば、アルミナ(Al)、チタニア、ジルコニア、マグネシア、イットリア、酸化亜鉛、及び酸化鉄等の無機酸化物(酸化物系セラミックス);窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、及び窒化ホウ素等の無機窒化物(窒化物系セラミックス);が挙げられる。これらは1種単独を用いて又は2種以上を併用してよい。
無機粒子の熱伝導率としては10W/m・K以上、300W/m・K以下の範囲に収まるものが好ましい。無機粒子の熱伝導率が高いものであれば、排熱効率の向上により寿命が長くできる。
またこのうち絶縁性が高く比誘電率が低いものが好ましい。絶縁性は画像表示装置の安定性に影響があり、低いと発光部や配線の短絡に関わる。電気抵抗の値としては1010Ωcm以上、1020Ωcm以下の範囲に収まるものが好ましい。特に好ましくは1012Ωcm以上、より好ましくは1015Ωcm以上が良い。比誘電率は画像表示装置の駆動に影響があり、回路の余計な抵抗や駆動速度に関わる。比誘電率の値としては2.0~10.0の範囲に収まるものが好ましい。より好ましくは2.0~8.0の範囲に収まるものが好ましい。
前記無機粒子が、前記無機粒子の全量100重量%に対して、Mg、Al、B、Ti、FeおよびZrからなる群より選択される一以上の元素を含む無機化合物を50重量%以上含むことが好ましい。これらの元素からなる無機化合物は熱伝導性に優れることから、寿命の改善に効果があり、なかでも無機化合物中で50重量%以上を構成していることで効果が発現する。
前記無機化合物が、Mg、Al、B、Ti、FeおよびZrからなる群より選択される一以上の元素の酸化物または窒化物であることが好ましい。上記元素の酸化物または窒化物は熱伝導率が高いことから排熱効率が高く、分散性にも優れることから寿命改善効果がある。
特に熱伝導率の高さと絶縁性の高さから、前記無機化合物が、Al酸化物またはAl窒化物であることがより好ましい。
前記画素分割層が、前記画素分割層100重量%に対して、前記無機粒子を10重量%以上、90重量%以下含むことが好ましく、より好ましくは20重量%以上80重量%以下であり、さらに好ましくは50重量%以上70重量%以下である。
無機粒子の形状としては、板状、鱗片状、針状、柱状、球状、多面体状、紡錘状、及び
塊状(ブロック状)が挙げられる。これらの形状を有する無機粒子を複数組み合わせて用
いてよいが、粒子の構造は熱伝導率を上げるために内部空隙を有していない方が好ましい。
無機粒子の数平均粒子径は、例えば、0.005~10μmが存在するが、画素分割層に含有する場合は画素分割層上に形成する電極が表面粗さによって短絡する可能性があるため、0.01~10μmが好ましい。
無機粒子の数平均粒子径を調整する方法としては、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル等の適宜の粉砕装置を用い、無機粒子を粉砕する方法が挙げられる。
無機粒子径は、画素分割層を薄く割断したものを観測試料とし、イオンミリング処理により研磨して平滑性を高めた断面について透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて画素分割層の最表層から膜深さ方向に0.2~0.8μmの範囲に位置する箇所を倍率50,000倍の条件で観測した撮像を、画像解析式粒度分布解析ソフトウェア「Mac-View」((株)マウンテック製)を用いて測定することができる。さらに、エネルギー分散型X線分光法(TEM-EDX)で観測することで粒子を構成する元素を判別でき、画素分割中の無機粒子の特定が可能である。
<ガスバリア層>
ガスバリア層は有機ELへ酸素や水などの侵入を防ぐために具備しており、カソードより上部、パネル表面に近い側にある層を示す。発光層から発生した熱は画素分割層を通じて放熱されるが、放熱効率を上げるためにガスバリア層に無機粒子を含有している方が好ましい。ガスバリア層に含有される無機粒子はTiの酸化物および/または窒化物が好ましく、無機粒子の平均1次粒子径は1nm以上、80nm以下が好ましい。すなわち、画像表示装置は、平均1次粒子径が1nm以上、80nm以下であるTiの酸化物および/または窒化物の無機粒子を含んだガスバリア層を有することが好ましい。ガスバリア層は有機ELからの光を通す必要があるため、粒子径は小さい方が好ましい。ここでいう粒子径は、粒子の平均粒子径を示し、前述の無機粒子と同様の測定方法で測定した数値を指す。添加量は透過率を確認しながら添加することが好ましく、ガスバリア層100重量%に対して、前記無機粒子を5重量%以上、50重量%以下含むことが好ましく、より好ましくは10重量%以上30重量%以下である。
<放熱構造>
発光層から発生した熱を表示パネルの外へ逃がすために、前記画素分割層端部に放熱構造を有することが好ましい。端部に放熱構造を持たせることによって、発光層から発生した熱は画素分割層中を通って表示パネル外部へ排出することができる。
放熱構造は画素分割層をパターニングした構造及び、もしくは画素分割層と高熱伝導材料が接続した構造を指す。この構造は1種類以上併用してもよいが、画素の外周に構成することが好ましく、特に画素部全体を囲うように構成することが好ましい。また放熱方向としては発光を制御する半導体への熱を避けるため、画像表示装置の面直方向より面内方向への放熱がより好ましい。
構造の位置は画素のパターンより離れている方が好ましく、最外周に位置する画素から、1ピクセル以上、200ピクセル以内が好ましい。この時のピクセルとは画面表示装置中に構成される赤、青、緑に対応する画素の繰り返し構造のうち、最小単位の繰り返しのことを指し、辺の長さが異なる場合は長手方向を指す。
画素分割層をパターニングした構造の場合は画素の1.5倍以上の面積を持つ凹凸を指し、凸部もしくは凹部のみでも構わない。また凸部、凹部の厚みは放熱構造を持たない個所の厚みの25%以上であり、凹部は画素分割層が無くなっても構わない。形状は円形でも矩形でもどちらでもよく、また異なる形状を1つ以上含んでいても構わない。例えば、図2、3にあるように画素の外周部に凸部や凹部を持つ構造や、図4、5にあるような凹凸の形状が円や矩形が挙げられる。
画素分割層と高熱伝導材料が接続した構造の場合は、画素分割層に含まれる無機粒子と同じもしくはそれ以上の熱伝導率の材料と接触させた構造を指し、接触面積は構わないが広ければ広いほど好ましい。例えば、図6にあるような画素の外周部に熱伝材料による排熱路を付けた構造が挙げられる。
以上の顔料及びまたは染料と無機粒子を感光性組成物中に含有させておくことで、本発明の画素分割層が形成できる。
以下に本発明を、その実施例および比較例を挙げて詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
まず、各実施例および比較例における評価方法について説明する。
化合部の略名を下記に示す。
ITO:酸化インジウムスズ
MBA:3-メトキシ-n-ブチルアセテート
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S0100:“Irgaphor”(登録商標)Black S0100CF。式(1)で表される化合物からなるベンゾジフラノン系黒色顔料。
Figure 2023145369000002
ZCR-1569H:主鎖にビフェニル骨格を有するエポキシアクリレート樹脂のPGMEA溶液。固形分70重量%(日本化薬(株)製)。
TR4020G:式(2)で表される繰り返し単位を有する樹脂。R11は、それぞれ独立にメチレン基またはCH-Ar基を表す。Arはフェニル基、または置換基を有するフェニル基を表す。*は結合部位を表す。固形分100重量%(旭有機材(株)製)。
Figure 2023145369000003
ZAH-106:メタクリル系ポリオール樹脂のPGMEA溶液。固形分35重量%(綜研化学(株)製)。
DPCA-60:ラジカル重合性基を分子内に6つ有する化合物。固形分100重量%(日本化薬(株)製)。
GA-5060P:ラジカル重合性基を分子内に2つ有する化合物のPGMEA溶液。固形分62重量%(大阪ガスケミカル(株)製)。
OXE-03:“Irgacure”(登録商標)光重合開始剤。(BASF社製)。
<無機粒子>
R1:窒化アルミニウム粒子FAN-f05(古河電子(株)製、平均粒径5μm)
R2:酸化マグネシウム粒子SMO-0.4(堺化学工業(株)製、平均粒子径0.4μm)
R3:ジルコニア粒子“UEP”(登録商標)3000(第一稀元素化学工業(株)製、平均粒子径0.6μm)
R4:酸化鉄(III)粒子(シグマ・アルドリッチ社製、平均粒子径0.01μm)
R5:アルミナ粒子“AKP”(登録商標)3000(住友化学(株)製、平均粒子径0.5μm)
R6:チタニア粒子JR-301(テイカ(株)製、平均粒子径0.3μm)
R7:カーボン粒子ACP(日本黒鉛(株)製、最大長さの平均20μm)
R8:炭化シリコン粒子(フジミインコーポレーテッド(株)製、平均粒子径0.3μm)
R9:シリカ粒子PGM-ST(日産化学(株)製、平均粒子径0.01μm)
R10:窒化ホウ素粒子“UHP”(登録商標)2(昭和電工(株)製、最大長さの平均値10μm)
<合成例:顔料分散剤1の合成>
103.00gのジエチレントリアミン(1mol)を耐圧容器1に仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら100℃まで昇温させた。次いで、4405.00gのエチレンオキサイド(100mol)を耐圧容器2に仕込み、100℃まで昇温させて、0.1~0.3MPaの圧力下、ガス吹き込み管を通じて、気化させたエチレンオキサイドを窒素ガスにより加圧しながら耐圧容器1に連続して送り込みながら10分間撹拌を行い、ジエチレントリアミンとエチレンオキサイドとの付加反応生成物Aを得た。一旦25℃に自然冷却した後に開放系とし、付加重合を促進するためのアルカリ触媒として、0.5gの水酸化カリウムを添加し、撹拌した後に再び100℃まで昇温させ、耐圧容器1に気化させたエチレンオキサイドを連続して送り込みながら撹拌を2時間行い、付加反応生成物Bを得た。
別途、5,810.00gのプロピレンオキサイド(100mol)を耐圧容器3に仕込み、100℃まで昇温させて、0.1~0.3MPaの圧力下、ガス吹き込み管を通じて、気化させたプロピレンオキサイドを窒素ガスにより加圧しながら耐圧容器1に連続して送り込みながら3時間撹拌を行い、付加反応生成物Cを得た。50℃下にて50.00gの固体酸吸着剤(合成ケイ酸アルミニウム)を加えて3時間撹拌することでアルカリ触媒を吸着させた後に濾別により除去して、常温/大気圧下、淡黄色であり液状の顔料分散剤1を得た。
なお、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの耐圧容器1への送り込み量の終点は、ジエチレントリアミンに対してグラフト付加させたエチレンオキサイドの平均付加mol数と、プロピレンオキサイドの平均付加mol数が等しくなるように設定し、かつ、それぞれの平均付加mol数の合計は、最終的に得られる顔料分散剤1のアミン価が20(mgKOH/g)となるように設定した。
合成した顔料分散剤1は、次の一般式(3)で表される顔料分散剤に相当し、nが2であり、ポリエーテル系高分子鎖の末端基であるR22~R25が全て水素原子であり、(x+x+x+x)/(x+x+x+x+y+y+y+y)=0.50であり、R22~R25が水素原子であり、アミン価20(mgKOH/g)であり、固形分100重量%である、直鎖状ポリアルキレンアミン構造とポリエーテル系高分子鎖とを有する顔料分散剤である。
Figure 2023145369000004
<調製例1:顔料分散液の調製>
溶剤である770.00gのPGMEAに、30.00gの顔料分散剤1を添加し、5分間攪拌した後に、100.00gのZCR-1569Hを添加して30分間撹拌した。さらに100.00gのS0100を添加した後、30分間撹拌して予備攪拌液を得た。0.4mmφの複合酸化物からなる粉砕メディア(酸化ジルコニウム:酸化ハフニウム:酸化イットリウム:酸化アルミニウム=重量比93.3:1.5:4.9:0.3。東レ(株)製。)が充填率75体積%でベッセル内に充填された縦型ビーズミルに予備攪拌液を送液し、循環方式で第一の湿式メディア分散処理を周速8m/sで3時間行った。さらに、0.05mmφの複合酸化物からなる粉砕メディア(酸化ジルコニウム:酸化ハフニウム:酸化イットリウム:酸化アルミニウム=重量比93.3:1.5:4.9:0.3。東レ(株)製。)が充填率75体積%でベッセル内に充填された縦型ビーズミルに送液し、循環方式で第二の湿式メディア分散処理を周速9m/sで6時間行った後、口径0.8μmのフィルタで濾過を行い、固形分20.00重量%の顔料分散液を調製した。
<調整例2:「調製液A」の調製>
黄色灯下、MBAと、PGMEAとの混合溶剤中に、光重合開始剤として、OXE―03を添加して10分間攪拌して溶解させた。次いで、ZAH-106と、TR4020Gと、DPCA-60と、GA-5060Pとを添加して30分間攪拌し、透明の調製液Aを得た。
<調製例3:「粒子分散液1~10」の調製>
溶剤である770.00gのPGMEAに、30.00gの顔料分散剤1を添加し、5分間攪拌した後に、100.00gのZCR-1569Hを添加して30分間撹拌した。さらに無機粒子として100.00gのR1~R10を添加した後、30分間撹拌して予備攪拌液を得た。0.4mmφの複合酸化物からなる粉砕メディア(酸化ジルコニウム:酸化ハフニウム:酸化イットリウム:酸化アルミニウム=重量比93.3:1.5:4.9:0.3。東レ(株)製。)が充填率75体積%でベッセル内に充填された縦型ビーズミルに予備攪拌液を送液し、循環方式で第一の湿式メディア分散処理を周速8m/sで3時間行った。さらに、0.05mmφの複合酸化物からなる粉砕メディア(酸化ジルコニウム:酸化ハフニウム:酸化イットリウム:酸化アルミニウム=重量比93.3:1.5:4.9:0.3。東レ(株)製。)が充填率75体積%でベッセル内に充填された縦型ビーズミルに送液し、循環方式で第二の湿式メディア分散処理を周速9m/sで6時間行った後、口径0.8μmのフィルタで濾過を行い、表1に記載の通り、固形分20.00重量%の粒子分散液1~10を調製した。
Figure 2023145369000005
<ガスバリア層の調製>
UV硬化型接着剤“フォトレック”(登録商標)E(積水化学工業(株)製)にR11に記載される粒子分散液を20重量%の比率で添加し、ガスバリア層用封止材を調整した。
<最適露光量の算出>
縦150mm/横150mmの無アルカリガラス基板の表面に、スパッタ法により銀合金(99.00重量%の銀と、1.00重量%の銅からなる合金)を全面成膜した。さらに、スパッタ法によりITO膜を全面成膜し、無アルカリガラス基板の表面の全面に銀合金膜/ITO膜を具備するガラス基板を得た。
ネガ型感光性組成物を、スピンコーターを用いて、最終的に得られる画素分割層の厚さが1.5μmとなるように回転数を調節して、銀合金膜/ITO膜を具備するガラス基板のITO表面に塗布し、塗布膜を得た。さらに、ホットプレートを用いて、塗布膜を大気圧下100℃で120秒間プリベークして、プリベーク膜を得た。両面アライメント片面露光装置を用いて、ネガ型露光マスク(縦:30.0μm、横:30.0μmの正方形の遮光部が220個配列)を介して、露光量20~120mJ(mJ/cm:i線換算値)の範囲内で10mJごとに段階的に露光量を変えて、超高圧水銀灯のg、h、i混合線をプリベーク膜にパターン露光し、露光部と未露光部とを面内に有する露光膜を得た。
なお、パターン露光は、ネガ型露光マスクをプリベーク膜の表面に接触させて行った。次いで、フォトリソグラフィ用小型現像装置(AD-2000;滝沢産業(株)製)を用い、2.38重量%TMAH水溶液によりパドル方式で現像した。ここでいうパドル方式とは、露光膜の表面に現像液を10秒間シャワー塗布した後、所定の現像時間に達するまで基板ごと静置させて現像する方式のことをいう。
なお、現像時間は未露光部の膜が膜深さ方向に溶解除去される時間に1.5を乗じた時間とした。さらに、脱イオン水を用いて30秒間シャワー方式でリンスした後に200rpmで30秒間の条件で基板を空回しして乾燥させ、パターン状の現像膜を具備する現像膜形成基板を得た。次いで、高温イナートガスオーブン(INH-9CD-S;光洋サーモシステム(株)製)を用いて、現像膜を窒素雰囲気下250℃で1時間加熱して硬化膜を得た。FPD検査顕微鏡(MX-61L;オリンパス(株)製)を用いて硬化膜を観察し、各露光量の領域における開口部10箇所の開口幅の平均値が30.0±0.1μmの範囲内となるように開口したときの最小露光量(mJ/cm:i線換算値)を、ネガ型感光性組成物の最適露光量(露光感度)とした。
<画像表示装置の加工>
陽極としてITO透明導電膜を165nm堆積させたガラス基板(ジオマテック(株)製、11Ω/□、スパッタ品)を、38mm×46mmに切断し、エッチングを行った。得られた基板を、“セミコクリーン”(登録商標)56(商品名、フルウチ化学(株)製)を用いて15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。この基板を、素子を作製する直前に1時間UV-オゾン処理をした。この基板上に感光性組成物を、スピンコーターを用いて、最終的に得られる画素分割層の厚さが1.5μmとなるように回転数を調節して塗布し、塗布膜を得た。さらに、ホットプレートを用いて、塗布膜を大気圧下100℃で120秒間プリベークして、プリベーク膜を得た。両面アライメント片面露光装置を用いて、露光マスク(縦:260.0μm、横:70.0μmの長方形)を介して、前述の方法で求めた最適露光量でプリベーク膜にパターン露光して露光膜を得た。なお、パターン露光は、露光マスクをプリベーク膜の表面に接触させて行った。次いで、最適露光量の算出時と同じ方法で現像、リンスおよび乾燥を行い、パターン状の現像膜を得た。高温イナートガスオーブンを用いて現像膜を窒素雰囲気下250℃で1時間加熱して、ITO電極基板上に、膜厚1.5μmの画素分割層を具備する画素分割層形成基板を得た。膜の熱伝導率を測定後、この基板を真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10-4Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によってまず、正孔注入層としてHAT-CNを5nm蒸着し、次いで正孔輸送層として、HT-1を50nm蒸着した。次に第一発光層に、ホスト材料としての化合物(GH-1)とドーパント材料としての化合物(GD-1)を、ドープ濃度が体積比10%になるようにして20nmの厚さに蒸着した。次に、電子輸送層として化合物(ET-1)とLiQを体積比1:1で40nmの厚さに積層した。ここまでの正孔注入層、正孔輸送層、第一発光層、電子輸送層を第一の発光ユニットと呼ぶ。その後、第一の発光ユニット上に、N型電荷発生層として、化合物(ET-2)と、ドーパントである金属元素Liとを、蒸着速度比が化合物1:Li=99:1となるように10nm蒸着し、次に、P型電荷発生層として、化合物(HT-1)を10nm蒸着した。電荷発生層に続いて、第一の発光ユニットと同様に第二の発光ユニットを形成した。その後、電子注入層としてLiQを10nm蒸着した。その後、MgとAgを体積比10:1で10nm蒸着し、有機EL表示装置を完成させた。有機EL層で用いた化合物の構造を以下に示す。
Figure 2023145369000006
<輝度、駆動電圧>
画像表示装置の加工によって得られた素子を、それぞれ10mA/cmで直流駆動し、輝度、初期駆動電圧を測定した。得られた輝度は、5,001cd/m以上をA、4,001~5,000cd/mの範囲をB、3,001~4,000cd/mの範囲をC、3,000cd/m以下をDとして評価した。また駆動電圧は、4V以下をA、4~5Vの範囲をB、5~6Vの範囲をC、6V以上をDとして評価した。
輝度が高いほど、発光効率に優れると評価でき、初期駆動電圧が小さいほど低電圧で駆動できるため、発光効率(輝度/電力)に優れると評価できる。
<耐久寿命>
画像表示装置の加工によって得られた素子を、20mA/cmの定電流で継続駆動させ、初期輝度から輝度が5%低下する時間を測定し、耐久寿命とした。261時間以上にあるものをA、221~260時間の範囲にあるものをB、181~220時間の範囲にあるものをC、180時間以下のものをDとして評価した。
<実施例1~4、比較例1>
表2に記載の配合量で調製した調製液Aに37.5gの顔料分散液と125.0gの粒子分散液1を混合し、30分間撹拌して、固形分25重量%であるネガ型感光性組成物1を調製した。また顔料分散液に替えて、表2に記載の配合量で調製した調製液AにValifast Red 1308を3.0g、Oil Blue 613を4.5gと125.0gの粒子分散液1を混合し、同様に30分間攪拌したものをネガ型感光組成物2、表2に記載の配合量で調製した調製液Aに75.0gの顔料分散液のみを混合し、攪拌したものをネガ型感光組成物3とした。
これらの感光性組成物を用いて、最適露光量の算出、画像表示装置加工を行ったものを実施例1~2、比較例1として、画像表示装置の駆動電圧、輝度、寿命を評価した。また実施例1記載の画像表示装置に対して、ガスバリア層用封止材を、スピンコーターを用いて最終的に得られる画素分割層の厚さが4μmとなるように回転数を調節して塗布し、UVライトにて1,500mJ/cmとなるように露光後、80℃のホットプレート上で30分加熱したものを実施例3として、画素の横1mmの個所に排熱用のヒートシンク構造として図4の構造として大きさ50μm□、凹部の深さを画素分割層の厚みと同じ1.5μmの開口部として、画素全体を囲うように配列したものを実施例4として、実施例1と同様の方法で画像表示装置の駆動電圧、輝度、寿命を評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2023145369000007
Figure 2023145369000008
<実施例5~9、比較例2~4>
表4に記載の通り、粒子分散液1に替えて、粒子分散液2~9を用いて、調製液A、顔料分散液と混合、攪拌したものをネガ型感光性組成物4~11としてそれぞれ調製し、実施例1と同様の方法で画像表示装置の駆動電圧、輝度、寿命を評価した。評価結果を表5に示す。
Figure 2023145369000009
Figure 2023145369000010
<実施例10~13>
調製液Aに、表6に記載した配合量で、顔料分散液と粒子分散液1、または粒子分散液10を混合し、30分間撹拌して、ネガ型感光性組成物12~15を調製し、実施例1と同様の方法で画像表示装置の駆動電圧、輝度、寿命を評価した。評価結果を表7に示す。
Figure 2023145369000011
Figure 2023145369000012
以上の結果から、実施例1~2における無機粒子と顔料及びまたは染料を有する画像表示装置は、比較例1における無機粒子を有しない画素分割層を具備する画像表示装置と比べて、駆動電圧と輝度、寿命が優れている。中でも実施例3に記載された特定の無機粒子を含んだガスバリア層を有する画像表示装置や、実施例4に記載された放熱構造を有する画像表示装置や、実施例13に記載された無機粒子の濃度を上げた画像表示装置が、より寿命が延びたため特に優れている。一方で比較例2~4に記載されている画像表示装置では駆動電圧や寿命が低下したため、改善の効果は観られない。
したがって、本発明の画像表示装置が有用であることがわかる。
1:基板
2:平坦化層
3:第一電極
4:第一発光層
5:第二発光層
6:第二電極
7:画素分割層
8:TFT絶縁層
9:ガスバリア層
10:画素
11:放熱構造
12:高熱伝導材料

Claims (14)

  1. 基板上に、第一電極、画素分割層、第一発光層、第二発光層及び第二電極を有する画像表示装置であって、該第一電極上に、第一発光層、第二発光層及び第二電極がこの順に配置され、該画素分割層が無機粒子と、有機顔料および/または染料を含有する画像表示装置。
  2. 前記画素分割層の熱伝導率が、0.5W/m・K以上、30W/m・K以下である請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記無機粒子の熱伝導率が、10W/m・K以上、300W/m・K以下である請求項1に記載の画像表示装置。
  4. 前記無機粒子の電気抵抗が、1010Ωcm以上、1020Ωcm以下である請求項1に記載の画像表示装置。
  5. 前記無機粒子の比誘電率が2.0以上、10.0以下である請求項1に記載の画像表示装置。
  6. 前記無機粒子が、前記無機粒子の全量100重量%に対して、Mg、Al、B、Ti、FeおよびZrからなる群より選択される一以上の元素を含む無機化合物を50重量%以上含む請求項1に記載の画像表示装置。
  7. 前記無機化合物が、Mg、Al、B、Ti、FeおよびZrからなる群より選択される一以上の元素の酸化物または窒化物である請求項6に記載の画像表示装置。
  8. 前記無機化合物が、Al酸化物またはAl窒化物である請求項7に記載の画像表示装置。
  9. 前記画素分割層が、前記画素分割層を100重量%に対して、前記無機粒子を10重量%以上、90重量%以下で含む請求項1に記載の画像表示装置。
  10. 前記有機顔料および/または染料が、黒色顔料および/または黒色染料、
    もしくは赤色顔料、橙色顔料、黄色顔料、緑色顔料、青色顔料、紫色顔料、赤色染料、橙色染料、黄色染料、緑色染料、青色染料および紫色染料からなる群より選択される二種類以上を有する請求項1に記載の画像表示装置。
  11. 平均1次粒子径が1nm以上、80nm以下であるTiの酸化物および/または窒化物の無機粒子を含んだガスバリア層を有する請求項1に記載の画像表示装置。
  12. 前記画素分割層端部に放熱構造を有する請求項1に記載の画像表示装置。
  13. カラーフィルタ層を有する請求項1に記載の画像表示装置。
  14. 表示エリアにおける前記画素分割層の開口率が20%±15%である請求項1に記載の画像表示装置。
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