JP2023145305A - 故人が放置された部屋の消臭施工方法 - Google Patents

故人が放置された部屋の消臭施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】十分に高い消臭効果が得られ、しかも消臭施工後の臭気の再発生がなく、又塗料被覆作業時の作業環境及び作業性に優れる、故人が放置された部屋の消臭施工方法を提供すること。【解決手段】下記各工程を含む、故人が放置された部屋の消臭施工方法、部屋内に、安定化二酸化塩素、次亜塩素酸及び次亜塩素酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種の消毒剤を含む液剤を散布する消毒液散布工程;体液、排泄物、皮膚片の一種以上を含む汚物を清掃する汚物清掃工程;汚物が付着又は浸透した箇所を解体する解体工程;解体工程後の部屋内にオゾンを噴霧するオゾン燻蒸工程;オゾン燻蒸工程後に、前記解体工程で露出した箇所に、水性エポキシ樹脂塗料を塗装して、被覆する塗装被覆工程。【選択図】なし

Description

本発明は、孤独死などにより、故人が放置された部屋の消臭施工方法に関する。
孤独死は、誰にも看取られることなく一人で死亡することである。近年、核家族化、高齢化の進展、地域のつながりの希薄化に伴って、孤独死が増加し社会問題となっている。
故人が放置された部屋では、遺体の腐敗、体液、排泄物等により、部屋が汚れ、強い臭気が発生する。このような場合、部屋を清掃し、更に十分に消臭して、原状回復することが必要となる。
故人が放置された部屋の消臭方法として、体液、糞、尿から選ばれる汚物を清掃する汚物清掃作業と、汚物の付着した箇所を解体する解体作業と、解体作業後の部屋内にオゾンを噴霧するオゾン燻蒸作業と、オゾン燻蒸作業後に、前記解体作業で露出した汚物の残存する箇所を塗料で覆う被覆作業を含む消臭方法(特許文献1)が、公知である。
しかしながら、特許文献1の方法には、被覆作業で用いる塗料が、実質的に「油性下地塗料」である(特許文献1段落〔0053〕、〔0097〕、〔0110〕等参照)ためと考えられるが、消臭効果が必ずしも十分ではなく、又その消臭施工後、多くの事例において、数日から数週間程度で、臭気が再発生してしまうという大きな問題点があった。また、被覆作業で用いる塗料が、油性塗料である場合には、塗料中の有機溶剤の臭気等で作業環境が悪いこと、塗装部分が水で濡れている場合には塗装ができないので、完全に乾燥するまで待たなければならず、作業性に劣ること等の問題点もあった。
特許第6889954号公報
本発明の目的は、上記の従来技術の各問題点が解消され、十分に高い消臭効果が得られ、しかも消臭施工後の臭気の再発生がなく、又塗料被覆作業時の作業環境及び作業性に優れる、故人が放置された部屋の消臭施工方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、塗装被覆工程で、塗料として、特に水性エポキシ樹脂塗料を用いる場合には、十分に高い消臭効果が得られ、しかも消臭施工後に臭気が再発生することが無いこと、有機溶剤の臭気等が無く作業環境が良いこと、塗装部分が水で濡れていても、そのままで塗装ができるので、乾燥を待つ必要が無く、作業性に優れること等を見出した。また、塗装被覆工程において、塗料として油性塗料を用いて、消臭施工した後に臭気が再発生した場合において、油性塗料塗膜を剥離後、水性エポキシ樹脂塗料を再塗装する場合には、再発生した臭気を消臭でき、再々発生することが無いこと等も見出した。
本発明者は、上記諸知見に基づいて、更に種々検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。本発明は、以下に示す、故人が放置された部屋の消臭施工方法を提供するものである。
1.下記各工程を含む、故人が放置された部屋の消臭施工方法、
部屋内に、安定化二酸化塩素、次亜塩素酸及び次亜塩素酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種の消毒剤を含む液剤を散布する消毒液散布工程;
体液、排泄物、皮膚片の一種以上を含む汚物を清掃する汚物清掃工程;
汚物が付着又は浸透した箇所を解体する解体工程;
解体工程後の部屋内にオゾンを噴霧するオゾン燻蒸工程;
オゾン燻蒸工程後に、前記解体工程で露出した箇所に、水性エポキシ樹脂塗料を塗装して、被覆する塗装被覆工程。
2.さらに、前記汚物清掃工程前に、部屋内にオゾンを噴霧するオゾン燻蒸工程を行う、上記項1に記載の消臭施工方法。
3.さらに、前記解体工程後のオゾン燻蒸工程前に、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼから選ばれる少なくとも一種の酵素を含む消臭剤を散布又は塗布する工程を行う、上記項1に記載の消臭施工方法。
4. 前記解体工程後のオゾン燻蒸工程を、温度20~30℃、湿度60~100%、オゾン濃度1~30ppmで、部屋内をオゾンに暴露して行う、上記項1に記載の消臭施工方法。
5.前記塗装被覆工程において、前記解体工程で露出した箇所に加えて、汚物が付着していたが解体していない箇所にも、水性エポキシ樹脂塗料を塗装して、被覆する、上記項1に記載の消臭施工方法。
6.前記塗装被覆工程で用いる水性エポキシ樹脂塗料が、エポキシ樹脂を含む主剤と硬化剤とからなる二液型塗料である、上記項1に記載の消臭施工方法。
7.前記塗装被覆工程において、水性エポキシ樹脂塗料を二回塗装する、上記項1、5又は6に記載の消臭施工方法。
8.水性エポキシ樹脂塗料の一回目及び二回目の塗布量が、それぞれ、固形分で10~60g/mである、上記項7に記載の消臭施工方法。
9.消毒液散布工程、汚物清掃工程、解体工程、オゾン燻蒸工程及び塗装被覆工程を含む、故人が放置された部屋の消臭施工方法において、塗装被覆工程で油性塗料を塗装して行って、消臭施工後に、臭気が再発生した場合に、油性塗料塗膜を剥離後、水性エポキシ樹脂塗料を再塗装する消臭施工方法。
本発明の故人が放置された部屋の消臭施工方法によれば、次の様な顕著な効果が奏される。
(1)塗装被覆工程で用いる塗料として、特に、水性エポキシ樹脂塗料を使用することによって、十分に高い消臭効果が得られ、しかも消臭施工後に臭気が再発生することが無いという、極めて優れた消臭効果が発揮される。このように、優れた消臭効果が得られるのは、塗装被覆工程で塗装した水性エポキシ樹脂塗料が、塗装部分への浸透性や密着性に優れることによるものと考えられる。即ち、水性エポキシ樹脂塗料が塗装部分に浸透して、塗装部分の内部に残留している臭気物質を固定すること、又形成塗膜の密着性に優れるので臭気を効果的に遮断することによって、極めて優れた消臭効果が発揮されるものと考えられる。
上記の優れた消臭効果は、解体工程で露出した箇所以外の部分、例えば部屋の壁面、床面等の部分に、塗装する場合にも発揮される。即ち、水性エポキシ樹脂塗料が浸透して、これらの部分の内部に残留している臭気物質を固定するとともに、形成塗膜の密着性に優れるので臭気を効果的に遮断することによって、極めて高い消臭効果が発揮される。
(2)また、塗装被覆工程で、塗料として用いる水性エポキシ樹脂塗料は、有機溶剤の臭気等が無く作業環境が良い。また、有機溶剤を使用しないことから、作業員等の健康を害することも無く、火災事故の危険性も無い。加えて、作業現場の近隣に、迷惑をかけることも殆ど無い。
(3)さらに、塗装被覆工程で、塗料として用いる水性エポキシ樹脂塗料は、塗装部分が水で濡れていても、そのまま塗装ができるので、乾燥を待つ必要が無く、作業時間を大幅に短縮でき、作業性に優れる。
(4)加えて、塗装被覆工程において、塗料として油性塗料を用いて、消臭施工した後に臭気が再発生した場合において、油性塗料塗膜を剥離後、水性エポキシ樹脂塗料を再塗装する場合には、再発生した臭気を消臭でき、再々発生することが無い。
(5)従って、本発明の消臭施工方法によれば、その優れた消臭効果によって、臭いを効果的に消失させることができ、臭気の再発も無いので、部屋の原状回復を十分にすることができる。このように部屋の原状回復ができることによって、部屋の利用価値、資産価値を維持できることになる。
故人が放置された部屋の消臭施工方法
本発明の故人が放置された部屋の消臭施工方法は、消毒液散布工程、汚物清掃工程、解体工程、オゾン燻蒸工程、及び塗装被覆工程を、順次行うことを必須とし、更に、必要に応じて、汚物清掃工程前のオゾン燻蒸工程、解体工程後のオゾン燻蒸工程前の消臭剤散布又は塗布工程等を、行うことによって、十分に高く又臭気の再発が無いという優れた消臭効果が得られるものである。
故人が放置された部屋
本発明消臭施工方法の消臭対象である故人が放置された部屋の種類としては、特に限定されず、居宅、共同住宅、店舗、旅館、料理店、工場、倉庫、車庫等の各種の部屋が包含される。また、消臭対象とする部屋の材質も、特に限定されず、木造、コンクリート製等の何れであってもよい。消臭対象とする部屋の広さについても、特に限定されないが、部屋の面積の下限としては、例えば、10m以上、更には20m以上、更には又50m以上の部屋を、面積の上限としては例えば、200m以下、更には120m以下、更には又80m以下の部屋を、消臭対象にすることができる。
また、故人の放置時間についても、特に限定されない。例えば、故人が放置されてから、数日乃至1週間以上、更には2週間以上、更には又1ケ月以上経過した部屋を消臭対象とすることもできる。
以下、本発明消臭施工方法を、消毒液散布工程、オゾン燻蒸工程、汚物清掃工程、解体工程、消毒液散布又は塗布工程、オゾン燻蒸工程、及び塗装被覆工程の工程順に、説明する。
(1)消毒液散布工程
本発明方法においては、汚物清掃工程前に、感染症防止の観点から、消毒液散布工程を行う。消毒液散布工程は、故人が放置された部屋に対し、消毒液を散布する工程である。
消毒液としては、安定化二酸化塩素、次亜塩素酸及び次亜塩素酸ナトリウムから選ばれる一種単独又は二種以上の混合物である消毒剤を含む液剤を用いるのが、好ましい。安定化二酸化塩素、次亜塩素酸及び次亜塩素酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種の消毒剤を含む液剤を散布することで、室内の菌類、ウイルス等を効果的に除去することができるので、感染症の防止を図ることができ、又部屋の消臭に寄与できる。
また、消毒液の内、次亜塩素酸ナトリウムを含む液剤を用いることが、部屋内の菌類、ウイルス等の除去効果が高い点から、特に好ましい。次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする液剤としては、例えば、「ハイター」(花王(株)製)を挙げることができる。
次亜塩素酸ナトリウムを含む液剤を用いる場合における、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、500PPM以上であるのが好ましく、700PPM以上であるのがより好ましく、900PPM以上であるのがさらに好ましい。下限以上の濃度の次亜塩素酸ナトリウムを含む液剤を散布することで、室内の菌類、ウイルス等をより効果的に除去できるので、感染症の防止を図ることができ、又部屋の消臭に寄与できる。
(2)オゾン燻蒸工程
本発明方法においては、(1)消毒工程後に、必要に応じて、オゾン燻蒸工程を行うことができる。オゾン燻蒸工程は、オゾン燻蒸装置を用いて、部屋内にオゾンを噴霧する工程である。汚物清掃工程前に、オゾン燻蒸工程を行うことによって、ウイルスの不活化を図ると共に、臭いを一時的に抑制して、作業員が効率よく清掃を行えるようにでき、又近隣対策にもなる。
このオゾン燻蒸工程は、消毒工程で用いた安定化二酸化塩素、次亜塩素酸、又は次亜塩素酸ナトリウムを拭き取った状態で行うのが、酸化力が強いこれらの化合物が多く残っているとオゾン燻蒸装置の負担が大きく故障の原因になることもあるため、好ましい。このオゾン燻蒸工程は、オゾン濃度1~20ppm程度で、30~90分間程度、オゾンに暴露することによって、行うことが好ましい。
オゾン燻蒸工程には、公知のオゾン燻蒸装置を用いることができる。オゾン燻蒸装置としては、ActivO-J(株式会社カイコーポレーション製)、スーパーアクティボ(株式会社カイコーポレーション製)、Panther-J(プラズマオゾン脱臭装置、エコゾン社製)等を好ましく用いることができる。
(3)汚物清掃工程
汚物清掃工程は、血液、リンパ液、唾液等の体液;糞、尿等の排泄物;皮膚片等の一種以上を含む汚物を清掃する工程である。汚物清掃工程を行って汚物を除去することによって、後のオゾン燻蒸工程において、故人が放置された部屋の消臭を確実にできるようになる。
汚物清掃工程は、床面、壁面、建具、ドア、窓、窓枠等に付着した体液、排泄物、皮膚片等をトングやヘラ等を用いて除去した後、洗剤を散布し、ブラシ等で洗浄することによって、行う。洗剤としては、洗浄効果が高い点から、アルカリ洗剤を用いるのが好ましく、強アルカリ洗剤を用いるのがより好ましい。但し、尿臭がする場合は酸性洗剤も用いて洗浄するのが好ましく、又ゴミ屋敷状態で、複数の悪臭原因物質がある場合は、ゴミを除去後、中性洗剤や酸性洗剤も使用して洗浄するのが好ましい。
アルカリ洗剤としては、pHが8~11程度の範囲内であるものが好ましく、例えば、セスキ炭酸ソーダ、重曹等を含む液剤を挙げることができる。強アルカリ洗剤としては、pHが12程度以上のものが好ましく、例えば、苛性ソーダ等を含む液剤を挙げることができる。酸性洗剤としては、pHが1.5~4程度の範囲内であるものが好ましく、例えば、クエン酸等の酸性物質や界面活性剤を含む液剤を挙げることができる。
(4)解体工程
解体工程は、汚物が付着又は浸透した箇所を解体する工程である。汚物清掃工程で臭いが取れきれない場合が多いが、故人が放置された部屋の表層部分を解体することによって、解体部分の臭いを取りきることができる。
解体工程では、具体的には、壁紙、巾木、クッションフロア等を剥がし、床板、フローリング、畳等を撤去して、部屋の柱、梁、土台、骨組み等の部分を表層に露出させる。この露出した部分を、前記汚物清掃工程と同様にして、清掃を行うことが好ましい。この解体工程によって、その後のオゾン燻蒸工程において、故人が放置された部屋の消臭をより確実にできる。
(5)消臭剤散布又は塗布工程
本発明方法においては、(4)解体工程後に、消臭剤散布又は塗布工程を行うことが好ましい。消臭剤散布又は塗布工程は、その後のオゾン燻蒸をする前に、部屋内の床面、壁面、窓、天井等や、解体工程で露出した部分に、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼから選ばれる少なくとも一種の酵素を含む消臭剤を散布又は塗布する工程である。消臭剤は、更に、セスキ炭酸ソーダ等のアルカリ洗剤又は界面活性剤を含有していることが好ましい。上記酵素を含む消臭剤を散布又は塗布した後、適宜洗浄することで、たんぱく質、脂肪、でんぷん質、繊維質を分解することができ、効率の良い消臭を行うことができる。また、消臭剤散布又は塗布とその後のオゾン燻蒸とを併せて、消臭の相乗効果をもたらすことができる。
消臭剤に含まれる酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼの四種類すべて使用する必要はなく、状況に応じて、いずれか一種類でもよく、二種類以上組み合わせてもよい。
また、消臭剤は、液剤であることが好ましい。液剤であることで、消臭剤を、床面、壁面等に効率よく散布又は塗布することができる。
上記酵素を含有する消臭剤としては、例えば、グランバイオエア(株式会社カイコーポレーション製)、グランバイオプロ(株式会社カイコーポレーション製)、セスキプラス(石けん百貨株式会社製)等を用いることができる。
(6)オゾン燻蒸工程
本発明方法においては、(4)解体工程後、又は(4)解体工程及び(5)消臭剤散布又は塗布工程後に、オゾン燻蒸工程を行う。オゾン燻蒸工程は、オゾン燻蒸装置を用いて、部屋内にオゾンを噴霧する工程である。この段階でオゾン燻蒸工程を行うことによって、汚物が清掃除去された後に、臭気を効率よく分解除去することができる。
この段階のオゾン燻蒸工程は、解体工程後の清掃によって又は消臭剤散布又は塗布によって、床面、壁面等が湿っていて湿度が高い状態で、又やや高めの温度で、オゾンを噴霧するのが、消臭効率が上がる点から、好ましい。具体的には、湿度が60~100%程度であるのが好ましく、70~100%程度であるのがより好ましい。また、温度が20~30℃程度であるのが好ましく、24~28℃程度であるのがより好ましい。温度や湿度の調節が必要な場合は、エアコンディショナー、ヒーター、加湿器等を、適宜使用することができる。
この段階のオゾン燻蒸工程は、オゾン濃度1~30ppm程度で、オゾンに暴露することによって、行うことが好ましい。また、オゾン濃度が上がり過ぎて、その臭いが近隣に漏れないようにするため、オゾン噴霧を断続的に行うのが好ましい。例えば、オゾン噴霧0.5~3時間程度、噴霧停止1~4時間程度とし、必要に応じて、これらを繰り返すことができる。オゾン暴露時間は、通常、1~24時間程度であるのが好ましい。
オゾン燻蒸工程には、前記した各種のオゾン燻蒸装置を用いることができる。
(7)塗装被覆工程
(6)オゾン燻蒸工程後に、(5)解体工程で露出した箇所に、水性エポキシ樹脂塗料を塗装して、被覆する工程である。水性エポキシ樹脂塗料を、解体工程で露出した箇所に塗装することによって、部屋の柱、梁、土台、骨組み等の露出部分に由来する臭気を、確実に遮断することができる。また、この解体で露出した箇所に加えて、汚物が付着していたが解体していない箇所(床面、壁面等)にも、水性エポキシ樹脂塗料を塗装して、残留している臭気を遮断することが好ましい。
本発明方法においては、被覆工程で、塗料として水性エポキシ樹脂塗料を用いることが重要である。水性エポキシ樹脂塗料を用いることによって、塗装部分への浸透性、密着性に優れることに基づいて、十分に高い消臭効果が得られ、しかも消臭施工後に臭気が再発生することが無いという、優れた消臭効果が発揮される。また、有機溶剤の臭気等が無く作業環境が良いこと、塗装部分が水で濡れていても、そのままで塗装ができるので、乾燥を待つ必要が無く、作業性に優れること等の効果も得られる。
水性エポキシ樹脂塗料としては、エポキシ樹脂とケチミン化ポリアミン等の硬化剤とを含有する一液型塗料も使用できるが、エポキシ樹脂を含む主剤と硬化剤とからなる二液型塗料を使用するのが好ましい。二液型エポキシ樹脂塗料は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂の水性エマルションである主剤と、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族アミン等のアミン類、脂肪族ポリアミンのケチミン化物、ポリアミンエポキシ樹脂アダクト等の変性アミン等の水性エマルションである硬化剤とを、使用直前に混合し、塗装して、塗膜を形成するものである。混合割合は、特に限定されず適宜決定されるが、塗装部分が木材、コンクリート等の浸透性のあるものである場合は、例えば、主剤:硬化剤:水=1:1:1程度の重量割合で、又塗装部分が金属、プラスチック等の浸透性のないものである場合は、例えば、主剤:硬化剤=1:1程度の重量割合で、混合する。混合後、可使時間内に塗装を完了する。混合後の可使時間は、気温及び湿度によって変動するが、通常、30~90分程度である。
また、水性エポキシ樹脂塗料は、二回塗装するのが好ましい。一回目を塗装後、乾燥したら、二回目の塗装をする。この場合、塗装部分に浸透性がある場合は、一回目の塗装で塗装部分に塗料の一部が浸透する。塗料は、塗装後、通常、30~90分程度で乾燥硬化する。また、水性エポキシ樹脂塗料の一回目及び二回目の塗布量は、特に限定されず、塗装部分の種類によって変動するが、通常、それぞれ、固形分で10~60g/m程度であるのが、好ましい。塗装方法は、例えば、刷毛、ローラー、エアガン等で、行うことができる。塗装後は、そのまま、乾燥硬化すればよく、これにより、消臭施工が完了し、十分に高く又臭気の再発が無いという優れた消臭効果が発揮される。
故人が放置された部屋の消臭施工後に臭気が再発生した場合の消臭施工方法
本発明によれば、消毒液散布工程、汚物清掃工程、解体工程、オゾン燻蒸工程及び塗装被覆工程を含む故人が放置された部屋の消臭施工方法において、塗装被覆工程において、塗料として油性塗料を用いて、消臭施工した後に臭気が再発生した場合において、油性塗料被膜を剥離後、水性エポキシ樹脂塗料を再塗装する消臭施工方法も、提供される。
上記の臭気が再発生した場合の消臭施工方法によれば、油性塗料塗膜剥離工程及び水性エポキシ樹脂塗料を再塗装する塗装被覆工程を行うことによって、再発生した臭気を消臭でき、再々発生することも無いという効果が得られる。
上記の様に、塗装被覆工程において、塗料として油性塗料を用いて、消臭施工した後に臭気が再発生した場合としては、前記特許文献1の消臭施工方法を行った場合や、本発明の消臭施工方法における塗装被覆工程において、水性エポキシ樹脂塗料に代えてあえて油性塗料を用いた場合等が挙げられる。これらの場合に、臭気が再発生する原因は、油性塗料では、塗装部分への浸透性が殆ど無いために、塗装部分の内部に浸み込んでいた臭気物質が、塗装部分の表面に染み出てきたためであると考えられる。
本発明の臭気が再発生した場合の消臭施工方法によれば、再発生した臭気を消臭でき、再々発生することも無い。このような効果は、水性エポキシ樹脂塗料の再塗装によって、その塗装された水性エポキシ樹脂塗料が塗装部分に浸透して、塗装部分の内部に残留している臭気物質を固定すること、又形成塗膜の密着性に優れるので臭気を効果的に遮断することによるものと考えられる。
油性塗料塗膜剥離工程
油性塗料塗膜の剥離は、例えば、サンドペーパー、ワイヤーブラシ、スクレーパー等の手工具や、電動ブラシ、ディスクサンダー等の電動工具を用いて、油性塗料塗装部分のケレン処理をして、塗膜を剥がすことによって、行うことができる。また、油性塗料塗装部分に、剥離剤やシンナーを塗布し、5~30分程度放置後、ヘラ等で塗膜を剥がし取ったり、布で拭き取ったりすることによっても、塗膜を剥離することができる。剥離剤やシンナーを用いると、臭い等が発生するので、特に、塗膜剥離部分面積が小さい場合や、ケレン処理をすることが容易でない場所の塗膜を剥離する場合に、剥離剤やシンナーを塗布し、ヘラや布等を用いて剥離する方法を採ることが望ましい。
油性塗料塗膜剥離後には、剥離処理を行った部分に、アルカリ洗剤、強アルカリ洗剤等の洗剤を散布し、ブラシ等を用いて、清掃することが好ましい。
塗装被覆工程
次いで、油性塗料塗膜が剥離された後、水性エポキシ樹脂塗料を再塗装する。水性エポキシ樹脂塗料の再塗装は、油性塗料塗膜の剥離によって、露出した部分に、水性エポキシ樹脂塗料を塗装して、被覆する工程である。この露出した部分は、通常、解体で露出した箇所(部屋の柱、梁、土台、骨組み等)及び汚物が付着していたが解体していない箇所(床面、壁面等)である。水性エポキシ樹脂塗料の塗装は、前記(7)塗装被覆工程と同様にして行うことができる。水性エポキシ樹脂塗料は二液型塗料が好ましいこと、二回塗装するのが好ましいこと、塗装方法及び塗布量も同様である。塗装後は、そのまま、乾燥硬化すればよく、これにより、塗装被覆工程において、塗料として油性塗料を用いたために、消臭施工後に臭気が再発生した場合の消臭施工が完了し、十分に高い消臭効果が得られ、又その後に臭気が再発生することも無いという優れた消臭効果が発揮される。
尚、水性エポキシ樹脂塗料塗装後に、臭気が少しでも残っている場合には、オゾン燻蒸装置を用いて、部屋内にオゾンを噴霧することによって、例えば、オゾン濃度1~20ppm程度で、30~90分間程度、オゾンに暴露することによって、残留している臭気を完全に分解することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、実施例によって、何ら限定されるものではない。
各実施例における消臭施工環境等のモニター及び使用した水性エポキシ樹脂塗料は、以下の通りである。
故人が放置された部屋の消臭施工環境及び臭気のモニター方法
室内環境IoTセンサーポッド「POD2」(アナリティクセンス(株)製)を用いて、消臭施工する部屋の温度、湿度、オゾン(O)濃度、硫化水素(HS)濃度、アンモニア(NH)濃度を、施工開始から終了まで、モニターした。これらの内、硫化水素(HS)濃度及びアンモニア(NH)濃度を、部屋の臭気の指標とした。「POD2」によれば、Wifi環境下に、スマートフォンのアプリで、上記各項目を、常時モニターすることができる。
水性エポキシ樹脂塗料
各実施例において、水性エポキシ樹脂塗料として、「Value painting VMP-1000」((株)バリュー・クリエイション製)を用いた。「Value painting VMP-1000」は、エポキシ樹脂、界面活性剤及び水からなる固形分65重量%のエポキシ樹脂エマルションである主剤と、変性脂肪族ポリアミン及び水からなる固形分50重量%の変性脂肪族ポリアミンのエマルションである硬化剤とからなる二液型水性エポキシ樹脂塗料である。
実施例1
事例1
消臭施工対象とする部屋は、広さが面積20mのワンルームマンションで、男性の孤独死現場であり、故人は死後1か月放置されていた。
消臭施工開始時点での状況
故人は、玄関と居室の間の通路で倒れていた。体液がクッションフロア(CF)を通過しコンパネまで沁み込んでいた。床付近の壁紙、石膏ボードにも体液が染み込み、更に床と壁の間を体液が落ちてコンクリートの基礎まで流れ込んでいて臭いは強烈だった。消臭施工前の臭気は、硫化水素10.2ppm、アンモニア4.0ppmであった。
(1)消毒液散布工程
消毒液として、「ハイター」(花王(株)製)を水で希釈して、次亜塩素酸ナトリウムを1000ppm含む液剤とし、これを、部屋内の天井、壁、床等の部屋全体に、加圧式電動スプレーで、部屋面積20m当り1リットル程度噴霧して、消毒を行った。
(2)オゾン燻蒸工程
消毒液散布工程で散布した次亜塩素酸ナトリウムを、しっかりふき取った後、オゾン燻蒸装置Panther-J(株式会社カイコーポレーション製)を用いて、7500mg/hrのオゾンを、約60分噴霧した。オゾン濃度は、8~12ppmであった。
(3)汚物清掃工程
体液、排泄物、皮膚片等の汚物が付着した床面、壁面等に、pH13以上の強アルカリ洗剤(苛性ソーダ水溶液)を散布し、汚物をトングやヘラで除去した。次に、汚物を除去した床面、壁面等を、ブラシ等を用いて、清掃した。また、玄関、建具、ドア、キッチン、窓、窓枠なども臭いが付着しているためアルカリ洗剤(セスキ炭酸ソーダ水溶液)を用いて、清掃した。
(4)解体工程
部屋の表層部分を解体し、より確実な消臭を行うため、壁紙、巾木、クッションフロア、石膏ボードを剥がし、床板、フローリング等を撤去した。更に、クッションフロアの下の床板も解体した。露出した基礎のコンクリートや壁面に流れ込んだ体液を清掃して除去した。
(5)消臭剤散布又は塗布工程
部屋内の床面、壁面、窓、天井等にプロテアーゼ、リパーゼの二種類の酵素を含むセスキ炭酸ソーダ水溶液である消臭剤を噴霧し、10分後に次工程に入った。
(6)オゾン燻蒸工程
消臭剤散布後、床面、壁面等が湿っている状態で、エアコンを稼働させ、加湿器を設置して、温度を24~28℃、湿度を70%以上に維持して、オゾン燻蒸装置Panther-J(株式会社カイコーポレーション製)を用いて、7500mg/hrのオゾンを、約1時間噴霧後2時間停止するサイクルを2回行って、オゾン濃度を、8~20ppmに維持して、オゾン燻蒸を行った。
(7)塗装被覆工程
二液型水性エポキシ樹脂塗料「Value painting VMP-1000」((株)バリュー・クリエイション製)の固形分65重量%のエポキシ樹脂エマルションである主剤と、固形分50重量%の変性脂肪族ポリアミンのエマルションである硬化剤と水とを、1:1:1の重量割合で、混合した。混合した塗料を、露出した基礎のコンクリート面、壁面等に、固形分で30g/mの塗布量で、ローラーを用いて、一回目の塗装をした。この一回目の塗装の一部が塗装部分に浸透し、1時間程度乾燥してから、再度、固形分で30g/mの塗布量で、ローラーを用いて、二回目の塗装をした。この二回目の塗装後、1時間程度乾燥硬化させた。この二回塗装によって、完全に臭いが上がってこなくなった。
消臭施工終了後の臭気の状況
消臭施工後の臭気は、硫化水素0ppm、アンモニア0ppmであった。また、故人の体液等による臭気は、全く感じられなかった。
消臭施工終了1ケ月後の臭気の状況
消臭施工終了後1ケ月経過後の臭気は、硫化水素0ppm、アンモニア0ppmであった。また、故人の体液等による臭気は、全く感じられなかった。
実施例2
事例2
消臭施工対象は、一軒家2階建て4DKの間取りの1階8畳の和室で、男性の孤独死現場であり、故人は死後3週間放置されていた。消臭施工対象の部屋は、1階の玄関、廊下及び8畳和室で、広さは面積40mであった。
消臭施工開始時点での状況
1階和室8畳の畳の上で亡くなっていて、体液が畳4枚分に流れ込んでいた。体液は畳を通り越して基礎部分のコンパネ部分にも沁み込んでいて臭いは強烈だった。また、敷居の部分にも体液が流れていて、強烈な臭いが家中に広がっていた。消臭施工前の臭気は、硫化水素8.7ppm、アンモニア5.0ppmであった。
(1)消毒液散布工程
消毒液として、「ハイター」(花王(株)製)を水で希釈して、次亜塩素酸ナトリウムを1000ppm含む液剤とし、これを、部屋内の天井、壁、床等の部屋全体に、加圧式電動スプレーで、部屋面積40m当り2リットル程度噴霧して、消毒を行った。
(2)オゾン燻蒸工程
消毒液散布工程で散布した次亜塩素酸ナトリウムを、しっかりふき取った後、オゾン燻蒸装置Panther-J(株式会社カイコーポレーション製)を用いて、7500mg/hrのオゾンを、約60分噴霧した。オゾン濃度は、5~10ppmであった。
(3)汚物清掃工程
畳及び敷居に付着している汚物をトング及びヘラで除去した。畳を一枚ずつ畳袋(ビニール製)に入れてしっかり養生テープで閉めて搬出した。畳の搬出後に敷居や畳の下部部分のコンパネを、pH13以上の強アルカリ洗剤(苛性ソーダ水溶液)で洗浄した。更に、アルカリ洗剤をしっかりとふき取った後、尿臭のある部分を酸性洗剤(クエン酸及び界面活性剤含有水溶液)でも洗浄を行った。また、部屋の柱や窓、窓枠等を、アルカリ洗剤(セスキ炭酸ソーダ水溶液)で洗浄した。
(4)解体工程
今回の事例では、除去した畳の下のコンパネにも大量の体液が染み込んでいるため、コンパネを解体して撤去した。その後、柱、梁、体液が染み込んでいた基礎コンクリートの洗浄作業をしっかり行った。
(5)消臭剤散布又は塗布工程
部屋内の床面、壁面、窓、天井等にプロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、及びセルラーゼの四種類の酵素を含むセスキ炭酸ソーダ水溶液である消臭剤(石けん百貨(株)製、「セスキプラス」)を噴霧し、10分後に次工程に入った。
(6)オゾン燻蒸工程
消臭剤散布後、床面、壁面等が湿っている状態で、エアコンがなかったので、電気ヒーター、加湿器を設置して、温度を24~28℃、湿度を70%以上に維持して、オゾン燻蒸装置Panther-J((株)カイコーポレーション製)を用いて、7500mg/hrのオゾンを、約2時間噴霧後4時間停止するサイクルを2回行って、オゾン濃度を、8~20ppmに維持して、オゾン燻蒸を行った。
(7)塗装被覆工程
二液型水性エポキシ樹脂塗料「Value painting VMP-1000」((株)バリュー・クリエイション製)の固形分65重量%のエポキシ樹脂エマルションである主剤と、固形分50重量%の変性脂肪族ポリアミンのエマルションである硬化剤と水とを、1:1:1の重量割合で、混合した。混合した塗料を、体液の沁み込んだ敷居、柱、梁等の洗浄だけでは臭いが取り切れずに臭いが残った部分、露出した基礎コンクリート部分に、固形分で30g/mの塗布量で、ローラーを用いて、一回目の塗装をした。この一回目の塗装の一部が塗装部分に浸透し、1時間程度乾燥してから、再度、固形分で30g/mの塗布量で、ローラーを用いて、二回目の塗装をした。この二回目の塗装後、1時間程度乾燥硬化させた。この二回塗装によって、完全に臭いが上がってこなくなった。
消臭施工終了後の臭気の状況
消臭施工後の臭気は、硫化水素0ppm、アンモニア0ppmであった。また、故人の体液等による臭気は、全く感じられなかった。
消臭施工終了1ケ月後の臭気の状況
消臭施工終了後1ケ月経過後の臭気は、硫化水素0ppm、アンモニア0ppmであった。また、故人の体液等による臭気は、全く感じられなかった。
実施例3
事例3
ワンルームマンション(広さ45m)で死後3週間の男性の孤独死が発生し、他社によって、汚物清掃、解体、オゾン燻蒸、油性下地塗料を用いた塗装被覆等の消臭施工がされたものであり、施工終了時には臭気は無くなっていたが、その後数日で、臭気が再発生したとのことで、他社施工後10日後に、マンション管理会社から、弊社に再度の消臭施工の依頼があった。現場を調べたところ、故人は、フローリングの上で亡くなり、体液が壁から基礎コンクリート上に流れ込んでいたと思われ、フローリングは解体されていたが、基礎コンクリート上に油性下地塗料が塗布されており、部屋の臭気は、油性下地塗料の臭いと基礎コンクリートからの腐敗臭とが混ざり不快臭が充満していて、全く臭いを遮断できていない状況だった。弊社による消臭施工前の臭気は、硫化水素6ppm、アンモニア4ppmであった。
(1)油性下地塗料塗膜剥離工程
基礎コンクリート上の畳1畳分位の部分に、塗布されていた油性下地塗料の塗膜上に、「塗料はがし液」((株)アサヒペン製、成分:有機溶剤・界面活性剤)を、200~300ml塗布し、20分間程度放置後、ヘラを用いて、塗膜を剥がし、布で拭き取った。また、部分的に、サンドペーパーを用いて、塗膜を剥離した。油性下地塗料塗膜を、完全に剥離するのに、60分程度を要した。
油性塗料塗膜剥離後に、剥離処理を行った部分全体に、苛性ソーダ水溶液を散布し、ブラシを用いて、清掃した。
(2)塗装被覆工程
二液型水性エポキシ樹脂塗料「Value painting VMP-1000」((株)バリュー・クリエイション製)の固形分65重量%のエポキシ樹脂エマルションである主剤と、固形分50重量%の変性脂肪族ポリアミンのエマルションである硬化剤と水とを、1:1:1の重量割合で、混合した。混合した塗料を、上記塗膜剥離工程によって、露出した部分、具体的には、解体で露出した基礎コンクリート床面に、固形分で30g/mの塗布量で、ローラーを用いて、一回目の塗装をした。この一回目の塗装の一部が塗装部分に浸透し、1時間程度乾燥してから、再度、固形分で30g/mの塗布量で、ローラーを用いて、二回目の塗装をした。この二回目の塗装後、1時間程度乾燥硬化させた。この二回塗装によって、完全に臭いが上がってこなくなった。
消臭施工終了後の臭気の状況
消臭施工後の臭気は、硫化水素0ppm、アンモニア0ppmであった。また、故人の体液等に由来する臭気は、全く感じられなかった。
消臭施工終了1ケ月後の臭気の状況
上記臭気再発事例に対する、消臭施工終了後1ケ月経過後の臭気は、硫化水素0ppm、アンモニア0ppmであった。また、故人の体液等に由来する臭気は、全く感じられなかった。
本発明の消臭施工方法は、故人が放置された部屋の消臭効果が高く、しかも消臭施工後の臭気の再発生がなく、部屋の原状回復を十分にすることができるので、故人が放置された部屋の消臭等において好適に利用される。

Claims (9)

  1. 下記各工程を含む、故人が放置された部屋の消臭施工方法、
    部屋内に、安定化二酸化塩素、次亜塩素酸及び次亜塩素酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種の消毒剤を含む液剤を散布する消毒液散布工程;
    体液、排泄物、皮膚片の一種以上を含む汚物を清掃する汚物清掃工程;
    汚物が付着又は浸透した箇所を解体する解体工程;
    解体工程後の部屋内にオゾンを噴霧するオゾン燻蒸工程;
    オゾン燻蒸工程後に、前記解体工程で露出した箇所に、水性エポキシ樹脂塗料を塗装して、被覆する塗装被覆工程。
  2. さらに、前記汚物清掃工程前に、部屋内にオゾンを噴霧するオゾン燻蒸工程を行う、請求項1に記載の消臭施工方法。
  3. さらに、前記解体工程後のオゾン燻蒸工程前に、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼから選ばれる少なくとも一種の酵素を含む消臭剤を散布又は塗布する工程を行う、請求項1に記載の消臭施工方法。
  4. 前記解体工程後のオゾン燻蒸工程を、温度20~30℃、湿度60~100%、オゾン濃度1~30ppmで、オゾンに暴露して行う、請求項1に記載の消臭施工方法。
  5. 前記塗装被覆工程において、前記解体工程で露出した箇所に加えて、汚物が付着していたが解体していない箇所にも、水性エポキシ樹脂塗料を塗装して、被覆する、請求項1に記載の消臭施工方法。
  6. 前記塗装被覆工程で用いる水性エポキシ樹脂塗料が、エポキシ樹脂を含む主剤と硬化剤とからなる二液型塗料である、請求項1に記載の消臭施工方法。
  7. 前記塗装被覆工程において、水性エポキシ樹脂塗料を二回塗装する、請求項1、5又は6に記載の消臭施工方法。
  8. 水性エポキシ樹脂塗料の一回目及び二回目の塗布量が、それぞれ、固形分で10~60g/mである、請求項7に記載の消臭施工方法。
  9. 消毒液散布工程、汚物清掃工程、解体工程、オゾン燻蒸工程及び塗装被覆工程を含む消臭施工方法において、塗装被覆工程で油性塗料を塗装して行って、消臭施工後に、臭気が再発生した場合に、油性塗料塗膜を剥離後、水性エポキシ樹脂塗料を再塗装する消臭施工方法。
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