JP2020096695A - 火災事故のあった部屋の消臭方法 - Google Patents
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Abstract
Description
煤臭の除去を行う煤臭除去工程を有し、
前記煤臭除去工程は、
部屋内にオゾンを噴霧するオゾン燻蒸作業と、
活性炭を含む塗料を、煤の残存する内壁に塗布する塗布作業と、
を含むことを特徴とする、消臭方法である。
上記の方法とすることで、火災現場における臭気の原因である煤臭を除去し、火災事故のあった部屋の消臭をすることができる。特に、上記の方法とすることで、煤由来の臭気成分であるダイオキシン類を分解することができ、火災事故のあった部屋の消臭をすることができる。
下限以上の量のオゾンを用いることで、火災事故のあった部屋をより確実に消臭することができる。特に、上記の方法とすることで、煤由来の臭気成分であるダイオキシン類を分解することができ、火災事故のあった部屋の消臭をすることができる。
オゾン燻蒸作業の前に部屋内の煤の付着した内壁を削る煤削減作業を行うことで、火災事故のあった部屋をより確実に消臭することができる。
前記煤臭除去工程の前に部屋内の家具の除去を行うことで、火災事故のあった部屋をより確実に消臭することができる。
上記の汚染防止工程を行うことで、煤臭の拡散を防ぐことができる。
ここで、本実施形態にかかる消臭方法は、普通火災、油火災、電気火災、金属火災、ガス火災の何れの火災事故のあった部屋であっても、消臭対象とすることができる。
また、120m3以下、より好ましくは60m3以下の部屋を消臭対象にすることができる。
以下各工程について、詳細に説明する。
汚染防止工程は、火災事故のあった部屋の出口近傍にシャワー室を用意し、該部屋から退出する際にシャワーで煤汚れを落とす工程である。
上記の汚染防止工程を行うことで、煤臭の拡散を防ぐことができる。
次に、家具除去工程について説明する。
家具除去工程は、部屋内の家具の除去を行うことで、後述する煤臭除去工程での作業効率を向上させる工程である。
部屋内の家具を除去することで、火災事故のあった部屋をより効率よく消臭することができる。
次に、煤臭除去工程について、説明する。煤臭除去工程は、部屋内の煤を除去することにより、火災現場における臭いの主たる原因である煤臭を軽減する工程である。
以下、各作業について詳細を説明する。
煤削減作業は、部屋内焼き付いた煤を除去する作業である。
煤削減作業を行うことで、より確実に火災事故のあった部屋を消臭することができる。
(2−1)下準備(酵素含有消臭剤の散布)
本実施例では、オゾン散布前に、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼを含む消臭剤を散布している。酵素を含む消臭剤を散布することで、火災事故のあった部屋をより確実に消臭することができる。
ただし、本発明における消臭剤は、塩素系消臭剤、次亜塩素系消臭剤、光触媒系消臭剤の何れであってもよい。
ここで、消臭剤と界面活性剤とは、必ずしも同時に使用する必要はなく、消臭剤を適用した後に界面活性剤を適用する形態、界面活性剤を適用した後に消臭剤を適用する形態の何れであってもよい。
オゾン燻蒸作業は、部屋内にオゾンを噴霧する作業である。
ここで、オゾン燻蒸作業における、オゾンの使用量は、1m3あたり、好ましくは6500g以上、より好ましくは7500g以上、さらに好ましくは8500g以上、特に好ましくは9000g以上である。
下限以上の量のオゾンを噴霧することで、より確実に火災事故のあった部屋を消臭することができる。
上限以下のオゾン使用量であっても、十分に煤臭を軽減することができる。
家具除去工程で家具が全て撤去されている場合における、オゾンの使用量は、1m3あたり、好ましくは6500g以上、より好ましくは7500g以上、さらに好ましくは8500g以上、特に好ましくは9000g以上である。
下限以上の量のオゾンを噴霧することで、より確実に火災事故のあった部屋を消臭することができる。
家具除去工程で家具を全て撤去しており、かつ部屋の大きさが10m3〜30m3である場合であれば、上限以下のオゾン使用量であっても、十分に煤臭を軽減することができる。
家具除去工程で家具を全て撤去しており、かつ部屋の大きさが30m3〜60m3である場合であれば、上限以下のオゾン使用量であっても、十分に煤臭を軽減することができる。
家具除去工程で家具を全て撤去しており、かつ部屋の大きさが60m3〜120m3である場合であれば、上限以下のオゾン使用量であっても、十分に煤臭を軽減することができる。
家具が部屋内に残存している場合における、オゾンの使用量は、1m3あたり、好ましくは8500g以上、より好ましくは9000g以上、特に好ましくは10000g以上である。
下限以上の量のオゾンを噴霧することで、より確実に火災事故のあった部屋を消臭することができる。
家具が部屋内に残存して合おり、かつ部屋の大きさが10m3〜30m3である場合であれば、上限以下のオゾン使用量であっても、十分に煤臭を軽減することができる。
家具が部屋内に残存して合おり、かつ部屋の大きさが30m3〜60m3である場合であれば、上限以下のオゾン使用量であっても、十分に煤臭を軽減することができる。
家具が部屋内に残存しており、かつ部屋の大きさが60m3〜120m3である場合であれば、上限以下のオゾン使用量であっても、十分に煤臭を軽減することができる。
塗布作業は、活性炭を含む塗料を煤の残存する内壁に塗布する作業である。塗布作業を行うことで、火災事故のあった部屋をより確実に消臭することができる。
本明細書において、内壁は部屋の内側にある壁面を指す。内壁には、側壁、床面、天井、クローゼット、押し入れ、靴箱の何れの壁面をも含む。
ただし、本発明における塗料は、水性塗料、油性塗料の何れであってもよい。
(1−1)火災事例
鉄筋2階建ての建物延べ900平方メートルのうち、2階部分135平方メートルを焼いた火災事故
上記(1−1)の建物のうち、音響室、事務室、会議室を消臭対象とした。
また、作業開始時点で、上記(1−1)の火災発生後、10ヶ月経過している。
臭気は、作業着(防臭効果を有する衣服)を着用せずに部屋内に10分間滞在するのみで、頭痛、吐き気に襲われる程度である。
「ダイオキシン類にかかる大気環境調査マニュアル(平成20年3月環境省 木・大気環境局)」に記載の方法に準拠し、ポリウレタンフォームを2個装着した採取筒をろ紙後段に取り付けたハイポリウムサンプラーにて、試料を採取し、ダイオキシン類(煤由来の臭気成分の一種)の測定を行った。
なお、試料採取箇所は、対象室内の中央一か所とした。採取ガス量は約200m3とし、500mL/min程度の流量で7時間連続採取することで得た。また、ハイポリウムサンプラー用のろ紙には、石英繊維ろ紙を用いた。
また、分析には、高分解能ガスクロマトグラフ質量分析を用いた。
(2−1)汚染防止工程、家具除去工程
まず、粉じんなどの被害を防ぐために、部屋の出口近傍に簡易シャワー室の用意を行った。また、室内の家具の除去も併せて行った。
まず、部屋内集塵機の設置をした。グラインダーを用いて内壁を削ることにより、焼き付いた煤を除去した。また、煤の付着が軽度の箇所はスチールウールを用い除去した。
(2−3−1)酵素処理
オゾン散布前に、酵素(プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ)を含む消臭剤を散布した。
オゾン燻蒸装置(株式会社カイコーポレーション 社製)を用いて、1m3あたりのオゾンの使用量が13000g程度となるよう、オゾンの噴霧を行った。
オゾン燻蒸作業後に、活性炭を含む塗料(活性化塗料 炭ちゃん(登録商標)、株式会社 時代の家 niigata 製)を、煤の残存する内壁に塗布し、塗膜を形成した。
前述の「(1−3)消臭工程前の臭気の測定」と同条件での、臭気の測定を行った。
表1に示す通り、本消臭方法により、臭気が軽減できることがわかった。
・濃度欄の括弧つきの数値は、検出下限以上定量下限未満の濃度であることを示す。
・濃度欄の”ND”は、検出下限未満であることを示す。
・毒正等価係数は、WHO―TEF(2006)を適用した。
・毒性等量は、定量下限未満検出下限以上の数値はそのままの値を用い、検出下限未満の数値は検出下限の1/2の値を用いて毒性等量換算した値である。
Claims (5)
- 火災事故のあった部屋の消臭方法であって、
煤臭の除去を行う煤臭除去工程を有し、
前記煤臭除去工程は、
部屋内にオゾンを噴霧するオゾン燻蒸作業と、
活性炭を含む塗料を、煤の残存する内壁に塗布する塗布作業と、
を含むことを特徴とする、消臭方法。 - 前記オゾン燻蒸作業は、1m3あたり、6500g以上の量のオゾンを用いることを特徴とする、請求項1に記載の消臭方法。
- さらに、前記オゾン燻蒸作業の前に、部屋内の煤の付着した内壁を削る煤削減作業を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の消臭方法。
- 前記煤臭除去工程の前に、部屋内の家具の除去を行う家具除去工程を含むことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の消臭方法。
- 火災事故のあった部屋の出口近傍にシャワー室を用意し、該部屋から退出する際にシャワーで煤汚れを落とす汚染防止工程を含むことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の消臭方法。
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