JP2023144836A - 建物基礎構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】杭の本数を少なくすることができる建物基礎構造を提供する。【解決手段】本発明の建物基礎構造1は、スラブ筋が埋設され、複数の杭3で支持され、地面に直接接する1階のフラットプレート2を備える。フラットプレート2に、フーチング4の周方向に沿ってフーチング4の外周面から所定幅寸法で第1せん断補強領域8を形成するとともに、杭3より隣接する他の杭3に向けて、周辺のスラブ筋21よりも高剛性のスラブ筋23を配筋し、かつ第1せん断補強領域8の境界から所定長さ寸法まで帯状の第2せん断補強領域9を形成し、第1せん断補強領域8および第2せん断補強領域9に配筋される複数のせん断補強筋25が、高剛性のスラブ筋の上下方向の一方側の一方端筋に係合するフック部25cと、高剛性のスラブ筋の上下方向の他方側の他方端筋に掛けられる平坦部25bと、を有するほぼコ字状に形成されている。【選択図】図4
Description
本発明は、建物基礎構造に関する。
従来、地盤上に設けられる鉄筋コンクリート製スラブを複数の杭で支える建物基礎構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来の建物基礎構造では、杭で支えられる1階床をフラットプレートで構成する場合、床板の厚さが均一なので剛性に差がないため、有害な変形が生じない間隔で杭を設置する必要があった。このため、1階床のフラットプレートを支えるために比較的多くの杭を設置する必要があった。
本発明は、以上の点に鑑み、杭の本数を少なくすることができる建物基礎構造を提供することを目的とする。
本発明は、以上の点に鑑み、杭の本数を少なくすることができる建物基礎構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
スラブ筋が埋設され、複数の杭で支持され、地面に直接接する1階のフラットプレートを備える建物基礎構造であって、
杭の上に杭よりも幅の広いフーチングが設けられ、
フラットプレートに、フーチングの周方向に沿ってフーチングの外周面から所定幅寸法で第1せん断補強領域を形成するとともに、杭より隣接する他の杭に向けて、周辺のスラブ筋よりも高剛性のスラブ筋を配筋し、かつ第1せん断補強領域の境界から所定長さ寸法まで帯状の第2せん断補強領域を形成し、
第1せん断補強領域および第2せん断補強領域に配筋される複数のせん断補強筋が、前記高剛性のスラブ筋の上下方向の一方側の一方端筋に係合するフック部と、前記高剛性のスラブ筋の上下方向の他方側の他方端筋に掛けられる平坦部と、を有するほぼコ字状に形成されていることを特徴とする。
スラブ筋が埋設され、複数の杭で支持され、地面に直接接する1階のフラットプレートを備える建物基礎構造であって、
杭の上に杭よりも幅の広いフーチングが設けられ、
フラットプレートに、フーチングの周方向に沿ってフーチングの外周面から所定幅寸法で第1せん断補強領域を形成するとともに、杭より隣接する他の杭に向けて、周辺のスラブ筋よりも高剛性のスラブ筋を配筋し、かつ第1せん断補強領域の境界から所定長さ寸法まで帯状の第2せん断補強領域を形成し、
第1せん断補強領域および第2せん断補強領域に配筋される複数のせん断補強筋が、前記高剛性のスラブ筋の上下方向の一方側の一方端筋に係合するフック部と、前記高剛性のスラブ筋の上下方向の他方側の他方端筋に掛けられる平坦部と、を有するほぼコ字状に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、フラットプレートは、杭の周方向に沿って杭面から所定幅寸法で第1せん断補強領域を備え、且つ杭より隣接する他の杭に向けて、周辺のスラブ筋よりも高剛性のスラブ筋を配筋し、かつ第1せん断補強領域の境界から所定長さ寸法まで帯状の第2せん断補強領域を備えているため、杭の本数を従来よりも減らすことができる。
また、本発明においては、前記フラットプレートには、柱間帯及び柱列帯が設けられ、フーチングには、前記杭を柱と捉えた場合における柱頭部分として、柱列帯からの応力に応じた柱頭補強筋が配筋されていることが好ましい。
また、本発明においては、フーチングを、礎柱として、所定の配筋を配置することが好ましい。これにより、フーチングの上に柱を容易に設けることができる。
図1~図8を参照して、発明の実施形態の建物基礎構造を説明する。図1を参照して、本実施形態の建物基礎構造1は、スラブ筋が埋設され、地面に直接接する1階の梁型のないフラットプレート2を備えている。フラットプレート2は、地中に埋設された断面円形の複数の杭3で下方から支持されている。杭3は、その上端部に杭3の地中に埋まった本体部分よりも幅の広い断面矩形状のフーチング4が設けられている。建物基礎構造1の外周には、通常の梁型による基礎梁12を設置している。
フラットプレート2には、隣接する杭3同士の間であって杭3のフーチング4を含む帯状の範囲で、他の部分よりも大きな曲げモーメントを受ける格子状の範囲である柱列帯5と、柱列帯5以外の残りの他の部分の柱間帯6とが設けられている。柱列帯5には、杭3のフーチング4を貫通するスラブ筋に加えて、フーチング4に近接するスラブ筋にも、高剛性のスラブ筋(高剛性スラブ筋23)が用いられ、フーチング4周りにはその直近に高剛性のスラブ筋(高剛性スラブ筋23)が配筋されている。高剛性スラブ筋23としては、それ以外の周辺のスラブ筋(低剛性スラブ筋21)よりも例えば、鉄筋径の太いものや材質として高強度のものが採用される。柱間帯6には、通常の低剛性スラブ筋21が配筋されている。
フーチング4には、杭3を柱と捉えた場合における柱頭部分として、柱列帯5からの応力に応じたX方向とY方向に柱頭補強筋7a,7bが配筋されている。また、フーチング4は、礎柱として所定の配筋、即ち断面の0.8%以上(礎柱の形状が応力に比較して過大な形状であった場合は0.6%以上)が礎柱の主筋31となるように配筋されている。これにより、フーチング4の上に柱14(図2参照)を容易に設けることができる。フーチング4の形状は、フラットプレート2からの入力を杭3で伝達できる大きさとし、フーチング4の高さは、礎柱の主筋31と、X方向とY方向の柱頭補強筋7a,7bとのそれぞれの定着長さによって決定される。フーチング4は、杭3によるパンチングが生じない形状となるように設計される。
フラットプレート2は、杭3の周方向に沿って杭3の上面であるフーチング4の面から所定幅寸法で第1せん断補強領域8を形成するとともに、杭3のフーチング4から隣接する他の杭3のフーチング4に向けて、周辺のスラブ筋(低剛性スラブ筋21)よりも高剛性のスラブ筋(高剛性スラブ筋23)を配筋し、かつ第1せん断補強領域8の境界から所定長さ寸法まで帯状の第2せん断補強領域9を形成している。
フラットプレート2のスラブ筋は、フラットプレート2の縦方向(以下、Y方向という)に互いに適宜ピッチを隔てて配列されるY方向の上端筋、フラットプレート2の横方向(以下、X方向という)に互いに適宜ピッチを隔てて配列されるX方向の上端筋、Y方向の上端筋下方に当該上端筋に揃えて配列されたY方向の下端筋、並びにX方向の上端筋下方に当該上端筋に揃えて配列されたX方向の下端筋から構成される。そしてスラブ筋は例えば、X方向の上下の上端筋と下端筋との間にY方向の上下の上端筋と下端筋とを挟み込んだ状態で、Y方向およびX方向の上端筋同士、そしてまた下端筋同士が互いに縦横に交差するように交錯して配筋されて構成される。フラットプレート2は、現場打ちであっても、プレキャスト製であってもよい。
第1せん断補強領域8は、杭3のフーチング4の周方向に沿って杭3のフーチング4の側面から所定幅寸法Wの広がりで形成され、その外周縁が境界となる。具体的には、第1せん断補強領域8は、杭3のフーチング4を取り囲むようにその周りに環状に形成される。建物10の外周に位置する杭3のフーチング4には、建物10の内方に面する側に沿ってのみ、第1せん断補強領域8が形成されている。
第2せん断補強領域9は、杭3のフーチング4から隣接する他の杭3のフーチング4に向けて、第1せん断補強領域8の境界から所定長さ寸法Lまで帯状に形成される。杭3は通常、碁盤の目状に配置されるので、建物10の内部に位置する杭3に対応する部分の第2せん断補強領域9は、隣接する前後左右の杭3に向かって、十字状に形成される。なお、仮に、他の杭3が斜め方向に位置する場合には、第2せん断補強領域9は、当該他の杭3に向けて斜めに形成することもできる。
杭3のフーチング4を貫通するスラブ筋に加えて、フーチング4に近接するスラブ筋にも、高剛性のスラブ筋(高剛性スラブ筋23)が用いられ、フーチング4周りにはその直近に高剛性のスラブ筋(高剛性スラブ筋23)が配筋されている。高剛性スラブ筋23としては、それ以外の周辺のスラブ筋(低剛性スラブ筋21)よりも例えば、鉄筋径の太いものや材質として高強度のものが採用される。
次に、第1せん断補強領域8及び第2せん断補強領域9に配筋されるせん断補強筋25について説明する。せん断補強筋25は、フラットプレート2の厚さ方向に延びる本体部25aと、本体部25aの下部にこれより水平方向にほぼ90°折り曲げられて形成された平坦部25bと、本体部25aの上部に平坦部25bと同じ側であってかつ斜め下向きに折り曲げられて形成されたフック部25cとから、ほぼコ字状に形成される。フック部25cの曲げ下げ傾斜角度は、本体部25aに対して例えば45°に設定される。
せん断補強筋25は、高剛性スラブ筋23の上端筋および下端筋に対し、それらの一方側から他方側へ抜け出すように差し込まれる。この際、フック部25cは、交差する上端筋同士のうち、上側に位置するものに対して上方から係合され、また平坦部25bは、交差する下端筋同士のうち、下側に位置するものに対して下方から掛けられる。これにより、せん断補強筋25による高剛性スラブ筋23の拘束を十分に確保することができ、せん断強度を十分に増強することができる。これらフック部25cおよび平坦部25bの、本体部25aからの突出寸法は、高剛性スラブ筋23の配筋ピッチよりも短く設定される。そしてこのようなせん断補強筋25は、第1せん断補強領域8及び第2せん断補強領域9内で各スラブ筋それぞれに対し、その長さ方向に適宜ピッチで複数配筋される。
せん断補強筋25は、コ字状に開いた側が杭3のフーチング4の中央に向く向きを基準として、フーチング4の中央を境にして、フーチング4の幅方向左側のものがすべて左向きに、また幅方向右側のものがすべて右向きに、それぞれ向きを揃えて配筋される。従って、せん断補強筋25は、各スラブ筋の長さ方向に向かって同じ位置に配筋されるものが、フーチング4の中央に向かって互いに向かい合うように配列される。せん断補強筋25は、基本的には高剛性スラブ筋23に配筋されるが、高剛性スラブ筋23の外側に配筋される通常のスラブ筋(低剛性スラブ筋21)にも、同様に配筋してもよい。互いに向かい合うように隣接することとなるせん断補強筋25同士は、互いに直接接合されることはなく、かつそれら間に閉鎖形式の配筋を形成するようになっている。
第2せん断補強領域9におけるせん断補強筋25の配筋形式は、第1せん断補強領域8と同様である一方で、せん断補強筋25は、第1せん断補強領域8よりも多くの間隔を空けるように(図示例では3本のスラブ筋の間隔が空くように)配筋されている。
以上のように構成された本実施形態にかかるフラットプレート2のせん断補強構造は、過去の実験により以下のように検証されている。この実験では、フラットプレート2の試験体に対し、パンチング破壊の発生メカニズムに対応する加力試験を実施した。具体的には、第1せん断補強領域8の面積に対し、当該第1せん断補強領域8のせん断補強筋25の断面積を0.44%とし、また第2せん断補強領域9の面積に対し、当該第2せん断補強領域9のせん断補強筋の断面積を0.2%とした場合、サイクリックな繰り返し荷重Qsにより、面外変形量R=+5×10-3rad以降、まず柱幅内の柱芯位置でフラットプレート危険断面位置でのスラブ筋が降伏し、面外変形量R=+10×10-3radまでに柱側面まで順次降伏した。その後、面外変形量R=+15×10-3radまでに全ての高剛性のスラブ筋が降伏して最大荷重(Qsmax)近傍まで荷重が上昇した。最大荷重後は急激な荷重低下は見られなかった。
上記構造を備えた場合、第1せん断補強領域8の幅寸法Wをフラットプレート2の厚さT相当とし、第2せん断補強領域9の長さ寸法Lをフーチング4間スパンSの1/4程度とすることで、有効なせん断補強性能を確保し得る。ここに、フーチング4間スパンSとは、隣接するフーチング4の互いに向かい合う面間の寸法をいう。
さらに、第1せん断補強領域8は、隅角部を有するフーチング4、すなわち平断面多角形状のフーチング4の場合、隅角部を除いて形成するようにしてもよい。すなわち、第1せん断補強領域8は、フーチング4周りに環状ではなく、各フーチング4の面の幅寸法以内で形成するようにしてもよい。パンチング破壊は、地震力を受ける方向に対しフーチング4の前後面の面外せん断破壊とフーチング4の側面のねじれ破壊とが複合して生じるので、例えば平断面矩形状のフーチング4であれば、前後および左右のフーチング4の面を基準として当該フーチング4の面の幅相当の範囲で十字状に第1せん断補強領域8および第2せん断補強領域9を確保すればよく、当該十字状の領域に挟まれてフーチング4の隅角部から広がる区域については、パンチング破壊に対してのせん断強度増強の有効性は小さいことから、当該区域を第1せん断補強領域8から除外することで、せん断補強筋の量やその施工手間を省くことができ、コストダウンを図ることができる。
現場打ちの場合には、所定位置に設置した型枠内に同様にしてスラブ筋やせん断補強筋を配筋した上で、コンクリートを打設し、これにより柱などとの接合を確保して、その後型枠を脱型すればよい。以上により、現場打ちの場合、第1せん断補強領域8と第2せん断補強領域9とを形成したフラットプレート2を備えた建物の基礎を構築することができる。
ところで、本実施形態にかかる建物基礎構造1にあっては、フラットプレート2に、杭3の周方向に沿って杭の上面から所定幅寸法Wで第1せん断補強領域8を形成するとともに、杭3より隣接する他の杭3に向けて、周辺のスラブ筋(低剛性スラブ筋21)よりも高剛性のスラブ筋(高剛性スラブ筋23)を配筋し、かつ第1せん断補強領域8の境界から所定長さ寸法Lまで帯状の第2せん断補強領域9を形成するようにしたので、第1せん断補強領域8と第2せん断補強領域9との組み合わせにより、そしてまた杭3のフーチング4から隣接する他の杭3のフーチング4に向けて配筋される高剛性のスラブ筋(高剛性スラブ筋23)の作用も相俟って、杭3のフーチング4の前後面の面外せん断破壊と杭3のフーチング4の側面のねじれ破壊とが複合して生じるパンチング破壊に対し合理的にせん断強度を向上することができ、また変形能力も向上することができて、靭性に優れたフラットプレート2を構築することができる。
そしてこのように補強範囲を適切にかつ小規模に特定することにより、杭3の本数を減らし、杭3間スパンを長くした場合でも、せん断強度を増強するせん断補強筋25の配筋を低減して使用鋼材量を削減でき、また配筋の錯綜を軽減して配筋作業の施工性も改善することができて、コストダウンを達成することができる。杭3のフーチング4間に配筋した高剛性のスラブ筋(高剛性スラブ筋23)により、杭3のフーチング4間に形成される第2せん断補強領域9の靭性を保証することができる。また、組み合わせられて相互にせん断強度を増強する第1せん断補強領域8および第2せん断補強領域9に関し、いずれか一方のせん断補強筋量を増やすことで他方のせん断補強筋量を減らすことが可能で、例えば、第1せん断補強領域8の配筋を減らすようにすれば、杭3周りの鉄筋の錯綜の軽減やコンクリートの充填性を考慮したせん断補強筋の配筋計画を行うことができ、コンクリート充填作業や配筋作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
第1せん断補強領域8の所定幅寸法Wを、フラットプレート2の厚さT相当の幅寸法とし、第2せん断補強領域9の所定長さ寸法Lを、杭3と隣接する他の杭3との間の杭間スパンSの1/4程度の長さ寸法としていて、フラットプレート2に対し過不足のないせん断強度を適切に確保することができる。また、せん断補強筋25を、上端筋に上方から係合するフック部25cを上部に、下端筋に掛けられる平坦部25bを下部に有するほぼコ字状に形成したので、単にスラブ筋に引っ掛けるだけで配筋作業を完了でき、いわゆる閉鎖型のせん断補強筋に比べて、作業を簡単化でき、施工性を改善することができる。
また、コ字状のせん断補強筋25を、杭3のフーチング4の中央に向かって互いに向かい合うように、杭3のフーチング4の幅方向左側および右側それぞれで同じ向きに配筋するようにしたので、例えば交互に向きを変えると、閉鎖形式の配筋形状が大きくなってしまったり、せん断補強筋25同士の間に大きな隙間ができてしまう不具合があるとともに、すべて同じ向きに向けて並べると、柱の幅方向左右で配筋が不均一な状態になってしまう不具合があることに比べて、杭3を中心にその左右方向で均一に配筋でき、また小さな閉鎖形式の配筋であってかつほぼ隙間のない一連のせん断補強筋25の配列によって良好にせん断補強することができる。
さらに、第1せん断補強領域8では、せん断補強筋25の断面積を当該第1せん断補強領域8の面積に対し、0.45%程度に設定し、第2せん断補強領域9では、せん断補強筋の断面積を当該第2せん断補強領域9の面積に対し、0.2%程度に設定するようにして、基本的にせん断力が集中しそれに伴ってひずみが大きくなるフーチング4を含めた杭3周囲の第1せん断補強領域8のせん断強度を高く設定するとともに、杭3から離れた位置となる第2せん断補強領域9により、第1せん断補強領域8に作用するせん断力の一部を合理的に負担させることができ、これらによって配筋量を削減し、施工性を改善し、そしてまたこれらによりコストダウンを達成しつつ、必要なせん断強度を十分に確保して、パンチング破壊の発生を適切に防止することができる。
本実施形態の建物基礎構造1によれば、フラットプレート2は、杭3のフーチング4の周方向に沿って杭3のフーチング4の面から所定幅寸法で第1せん断補強領域8を備え、且つ杭3より隣接する他の杭3に向けて、周辺のスラブ筋(低剛性スラブ筋21)よりも高剛性のスラブ筋(高剛性スラブ筋23)を配筋し、かつ第1せん断補強領域8の境界から所定長さ寸法まで帯状の第2せん断補強領域9を備えているため、杭3の径は大きくなるものの、杭3の本数を従来よりも減らすことができる。図9は従来の杭の本数を示した図である。また、本実施形態の建物基礎構造1によれば、フーチング4以外はフラットであるため、床付けなどの地盤工事の施工性が向上する。
なお、本実施形態においては、本体部25aの上端にフック部25cが設けられ、本体部25aの下端に平坦部25bが設けられたせん断補強筋25を説明したが、発明のせん断補強筋はこれに限らず、せん断補強筋は、高剛性のスラブ筋の上下方向の一方側の一方端筋に係合するフック部と、前記高剛性のスラブ筋の上下方向の他方側の他方端筋に掛けられる平坦部と、を有するほぼコ字状に形成されていればよい。したがって、発明のせん断補強筋は、本体部の下端にフック部が設けられ、本体部の上端に平坦部が設けられたものであってもよい。
1 建物基礎構造
2 フラットプレート
3 杭
4 フーチング
5 柱列帯
6 柱間帯
7a 柱頭補強筋
7b 柱頭補強筋
8 第1せん断補強領域
9 第2せん断補強領域
10 建物
12 基礎梁
14 柱
21 低剛性スラブ筋
23 高剛性スラブ筋
25 せん断補強筋
25a 本体部
25b 平坦部
25c フック部
31 主筋
41 地面
W 所定幅寸法
L 所定長さ寸法
2 フラットプレート
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5 柱列帯
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21 低剛性スラブ筋
23 高剛性スラブ筋
25 せん断補強筋
25a 本体部
25b 平坦部
25c フック部
31 主筋
41 地面
W 所定幅寸法
L 所定長さ寸法
Claims (3)
- スラブ筋が埋設され、複数の杭で支持され、地面に直接接する1階のフラットプレートを備える建物基礎構造であって、
杭の上に杭よりも幅の広いフーチングが設けられ、
フラットプレートに、フーチングの周方向に沿ってフーチングの外周面から所定幅寸法で第1せん断補強領域を形成するとともに、杭より隣接する他の杭に向けて、周辺のスラブ筋よりも高剛性のスラブ筋を配筋し、かつ第1せん断補強領域の境界から所定長さ寸法まで帯状の第2せん断補強領域を形成し、
第1せん断補強領域および第2せん断補強領域に配筋される複数のせん断補強筋が、前記高剛性のスラブ筋の上下方向の一方側の一方端筋に係合するフック部と、前記高剛性のスラブ筋の上下方向の他方側の他方端筋に掛けられる平坦部と、を有するほぼコ字状に形成されていることを特徴とする建物基礎構造。 - 請求項1に記載の建物基礎構造であって、
前記フラットプレートには、柱間帯及び柱列帯が設けられ、
フーチングには、前記杭を柱と捉えた場合における柱頭部分として、柱列帯からの応力に応じた柱頭補強筋が配筋されていることを特徴とする建物基礎構造。 - 請求項1または請求項2に記載の建物基礎構造であって、
フーチングを、礎柱として、所定の配筋を配置することを特徴とする建物基礎構造。
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