JP2023144741A - 防犯用ウィンドウフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐擦過性を有するとともに、ロール状に巻いたり施工時に強い力がかかったりしても、ハードコート層におけるクラックの発生等を好適に防止することができる防犯用ウィンドウフィルムを提供すること。【解決手段】本発明の防犯用ウィンドウフィルムは、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成される複数のフィルムが粘着剤層を介して積層されてなる積層体と、前記積層体の一方の面側に配された、(メタ)アクリレート系樹脂を含む材料で構成されるハードコート層と、前記積層体の前記ハードコート層が配された側と反対側の面に配された、被着体に貼着するための貼着用粘着剤層とを備える。前記(メタ)アクリレート系樹脂は、構成成分としてウレタン(メタ)アクリレートと6官能の(メタ)アクリレートとを有し、前記(メタ)アクリレート系樹脂中における、前記6官能の(メタ)アクリレートの割合が15質量%以上40質量%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、防犯用ウィンドウフィルムに関する。
ウィンドウフィルムとは、自動車、船舶、鉄道等の車両、家屋、マンション、オフィスビル等の建築物等の窓ガラスに適用される粘着フィルムであり、太陽光中の紫外線および/または赤外線の遮蔽、プライバシー保護、防犯、ガラスの飛散防止、装飾等を目的として広く使用されている。
特に、空き巣等、窓から建物内に侵入する犯罪を防止する目的として、防犯用ウィンドウフィルムが上市されている。これは、窓にフィルムを施工することでガラス開口部の破壊・貫通を大幅に遅らせ、建物の防犯対策を図るものである。
防犯用ウィンドウフィルムにおいて、引裂力、引張強さ等の防犯性能を向上させるためには、積層するフィルムの数を増やすこと、積層するフィルムの厚さを厚くすること等により、防犯用ウィンドウフィルム全体の厚さを厚くすることが有効である。(例えば、特許文献1)
しかしながら、フィルム全体の厚さを厚くすると、保管、運搬時にロール状に巻いたり、被着体である窓ガラスに貼着する際には、防犯用ではない他のウィンドウフィルムに比べて硬いために、ハードコート層に強い力がかかる。
その結果、ハードコート層にクラックが入ってしまい、外観が低下する等の問題が生じる場合がある。
特開2019-126953号公報
本発明の目的は、ハードコート層を備えた防犯用ウィンドウフィルムであって、優れた耐擦過性を有するとともに、ロール状に巻いたり施工時に強い力がかかったりしても、ハードコート層におけるクラックの発生等を好適に防止することができる防犯用ウィンドウフィルムを提供することにある。
このような目的は、以下の本発明により達成される。
本発明の防犯用ウィンドウフィルムは、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成される複数のフィルムが粘着剤層を介して積層されてなる積層体と、前記積層体の一方の面側に配された、(メタ)アクリレート系樹脂を含む材料で構成されるハードコート層と、前記積層体の前記ハードコート層が配された側と反対側の面に配された、被着体に貼着するための貼着用粘着剤層とを備え、
前記(メタ)アクリレート系樹脂は、構成成分としてウレタン(メタ)アクリレートと6官能の(メタ)アクリレートとを有し、
前記(メタ)アクリレート系樹脂中における、前記6官能の(メタ)アクリレートの割合が15質量%以上40質量%以下であることを特徴とする。
本発明では、前記積層体は、前記フィルムを3層以上備えることが好ましい。
本発明では、前記フィルムの厚さが、それぞれ80μm以上120μm以下であることが好ましい。
本発明では、全体の厚さが350μm以上500μm以下であることが好ましい。
本発明では、前記ハードコート層の厚さが、0.1μm以上20μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、ハードコート層を備えた防犯用ウィンドウフィルムであって、優れた耐擦過性を有するとともに、ロール状に巻いたり施工時に強い力がかかったりしても、ハードコート層におけるクラックの発生等を好適に防止することができる防犯用ウィンドウフィルムを提供することができる。
本発明の防犯用ウィンドウフィルムの一構成例を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[1]防犯用ウィンドウフィルム
図1は、本発明の防犯用ウィンドウフィルムの一構成例を示す断面図である。
防犯用ウィンドウフィルム1は、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成される複数のフィルム(図示の構成では、第1のPETフィルム11、第2のPETフィルム13、第3のPETフィルム15の3枚のフィルム)が、粘着剤層(図示の構成では、第1の粘着剤層12および第2の粘着剤層14)を介して積層されてなる積層体10と、積層体10の一方の面側に配された、(メタ)アクリレート系樹脂を含む材料で構成されるハードコート層2と、積層体10のハードコート層2が配された側と反対側の面に配された、被着体に貼着するための貼着用粘着剤層3とを備えている。そして、ハードコート層2を構成する(メタ)アクリレート系樹脂は、構成成分としてウレタン(メタ)アクリレートと6官能の(メタ)アクリレートとを有し、当該(メタ)アクリレート系樹脂中における前記6官能の(メタ)アクリレートの割合が15質量%以上40質量%以下である。
ハードコート層2を構成する(メタ)アクリレート系樹脂が、構成成分、特に、オリゴマー成分としてウレタン(メタ)アクリレートを含有することにより、ハードコート層2に柔軟性を付与し、ハードコート層2におけるクラックの発生の防止に寄与することができる。さらに、(メタ)アクリレート系樹脂が、構成成分、特に、構成モノマーとして6官能の(メタ)アクリレートを有することで、ハードコート層2の硬化性を優れたものとすることができ、優れた耐擦過性に寄与することができる。
そして、ハードコート層2を構成する(メタ)アクリレート系樹脂中における前記6官能の(メタ)アクリレートの割合が15質量%以上40質量%以下である。
これにより、ハードコート層2の硬化性、耐擦過性を十分に優れたものとしつつ、耐クラック性を優れたものとすることができる。その結果、例えば、運搬時にロール状に巻いた場合や、施工時に強い力がかかったりしても、ハードコート層2に傷やクラックが生じにくく、防犯性の高いウィンドウフィルム1を提供することができる。
これに対し、上記のような条件を満たさない場合には、満足のいく結果が得られない。
例えば、ハードコート層を構成する(メタ)アクリレート系樹脂が構成成分としてウレタン(メタ)アクリレートを含まない場合には、ハードコート層に十分な柔軟性を付与することができず、ウィンドウフィルムは耐クラック性に劣ったものとなる。
また、ハードコート層を構成する(メタ)アクリレート系樹脂が構成成分として6官能の(メタ)アクリレートを含まない場合や、含んでいてもその含有量が前記下限値未満である場合には、ハードコート層の耐擦過性を十分に優れたものとすることができない。
また、ハードコート層を構成する(メタ)アクリレート系樹脂中における6官能の(メタ)アクリレートの含有量が前記上限値を超えると、ハードコート層に十分な柔軟性を付与することができず、ウィンドウフィルムは耐クラック性に劣ったものとなる。
上記のように、ハードコート層2を構成する(メタ)アクリレート系樹脂中における6官能の(メタ)アクリレートの割合は、15質量%以上40質量%以下であればよいが、18質量%以上35質量%以下であるのが好ましく、20質量%以上30質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、上述した効果をより顕著なものとすることができる。
[1-1]積層体
積層体10は、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成される複数のフィルムが、粘着剤層を介して積層されてなる。
なお、以下の説明では、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成されるフィルムを「PETフィルム」と称する場合がある。
図示の構成では、積層体10は、複数のPETフィルムとして、第1のPETフィルム11、第2のPETフィルム13および第3のPETフィルム15の3層のPETフィルムを備えている。
このように、積層体10は、3層以上のPETフィルムを備えることが好ましい。
これにより、防犯用ウィンドウフィルム1の、引裂力、破断強度等の防犯性能をより優れたものとすることができる。
その一方で、PETフィルムの数が多すぎると、防犯用ウィンドウフィルム1全体の厚さが厚くなり、製造時にロールへの巻き取りが困難になる等、加工性が低下したり、使用時にフィルムが硬すぎて取り扱いが困難になり、施工が困難になる等の問題が生じる場合がある。
そのため、積層体10中に含まれるPETフィルムは、6層以下であるのが好ましく、5層以下であることがより好ましい。
これにより、防犯用ウィンドウフィルム1の防犯性能と、加工性および施工性とを高いレベルで両立することができる。また、防犯用ウィンドウフィルム1の生産性の向上、防犯用ウィンドウフィルム1の生産コストの低減等の観点からも有利である。
なお、以下の説明では、積層体10がPETフィルムを3層備える図示の構成を中心に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、積層体10が備えるPETフィルムの数は、2層であってもよいし、4層以上であってもよい。
また、図示の構成では、積層体10を構成する隣り合うPETフィルムを接合する粘着剤層として、第1の粘着剤層12および第2の粘着剤層14を備えている。すなわち、図示の構成では、積層体10を構成する隣り合うPETフィルムを接合する粘着剤層として、第1のPETフィルム11と第2のPETフィルム13とを接合する第1の粘着剤層12と、第2のPETフィルム13と第3のPETフィルム15とを接合する第2の粘着剤層14とを備えている。さらに言い換えると、図示の構成では、積層体10は、第1のPETフィルム11と第1の粘着剤層12と第2のPETフィルム13と第2の粘着剤層14と第3のPETフィルム15とが、この順に積層された構造を有している。
そして、図1に示す防犯用ウィンドウフィルム1では、積層体10の一方の面側、言い換えると第1のPETフィルム11上にハードコート層2が配され、積層体10のハードコート層2が配された側と反対の面側、言い換えると第3のPETフィルム15上に貼着用粘着剤層(第3の粘着剤層)3が配されている。
[1-1-1]PETフィルム
積層体10を構成するPETフィルム(すなわち、第1、第2および第3のPETフィルム11、13、15)は、防犯用ウィンドウフィルム1が被着体に貼着された後に被着体上に存在し、防犯用ウィンドウフィルム1の防犯性能に実質的に寄与するフィルムである。
積層体10を構成するPETフィルム(すなわち、第1、第2および第3のPETフィルム11、13、15)は、ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成されており、主としてポリエチレンテレフタレートで構成されているのが好ましい。
これにより、防犯用ウィンドウフィルム1の防犯性能がさらに優れたものとなる。また、防犯用ウィンドウフィルム1のハンドリング性が良好なものとなり、防犯用ウィンドウフィルム1の被着体への貼着等の作業性が向上する。また、防犯用ウィンドウフィルム1の透明性を十分に優れたものとすることができる。
なお、本明細書において、「主として」とは、対象となる部位のうち最も含有率が高いもののことを言う。
特に、積層体10を構成するPETフィルム(すなわち、第1、第2および第3のPETフィルム11、13、15)におけるポリエチレンテレフタレートの含有率は、90質量%以上であるのが好ましく、95質量%以上であるのがより好ましい。
積層体10を構成するPETフィルム(すなわち、第1、第2および第3のPETフィルム11、13、15)は、二軸延伸されたものであるのが好ましい。
これにより、当該PETフィルムは、収縮しにくく、曲げ剛性が高いものとなる。
積層体10を構成するPETフィルム(すなわち、第1、第2および第3のPETフィルム11、13、15)としては、例えば、Tダイ押出成形等、公知の方法で未延伸の樹脂フィルムを製造した後、逐次二軸延伸、同時二軸延伸等の公知の方法を用いて製造したものを使用することができる。
積層体10を構成する各PETフィルム(すなわち、第1、第2および第3のPETフィルム11、13、15)の厚さは、80μm以上120μm以下であるのが好ましく、85μm以上115μm以下であるのがより好ましく、90μm以上110μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、PETフィルムの取り扱いのしやすさをより優れたものとすることができ、例えば、水貼りにより防犯用ウィンドウフィルム1を被着体に貼着する場合において、水貼り後に施工液を除去する際の作業性をより優れたものとすることができる。また、積層体10を構成するPETフィルムのフィルムが薄すぎると、積層体10全体の厚さを確保するために粘着剤層の層数を増やす必要があるが、これによって、防犯用ウィンドウフィルム1の外観の悪化(例えば、透過像のゆがみ)が生じたり、水貼り後にスキージ等で施工液を除去しにくくなる可能性があるが、積層体10を構成する各PETフィルムの厚さを前記範囲内の値とすることにより、このような問題の発生をより好適に防止することができる。
積層体10を構成する全PETフィルム(すなわち、第1、第2および第3のPETフィルム11、13、15)の厚さの合計は、240μm以上360μm以下であるのが好ましく、280μm以上360μm以下であるのがより好ましく、300μm以上320μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、防犯用ウィンドウフィルム1の防犯性能と、加工性および施工性とを高いレベルで両立することができる。
積層体10を構成する各PETフィルム(第1、第2および第3のPETフィルム11、13、15)は、互いに条件(例えば、厚さ、重量平均分子量等)が異なるものであってもよいが、同一の条件のものであるのが好ましい。
[1-1-2]粘着剤層
積層体10を構成する粘着剤層(第1および第2の粘着剤層12、14)は、隣り合うPETフィルム(第1、第2および第3のPETフィルム11、13、15)を接合する機能を有する。
積層体10を構成する粘着剤層(第1および第2の粘着剤層12、14)には、ウィンドウフィルムの分野で通常使用される粘着剤を使用することができる。このような粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤等が挙げられる。中でも、耐候性の観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。これらの粘着剤は、エマルション型、溶剤型および無溶剤型のいずれであってもよい。
粘着剤の重量平均分子量は、30万以上200万以下であるのが好ましく、50万以上150万以下であるのがより好ましい。
なお、ここで「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
アクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、アルキル基の炭素数が1以上20以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、活性水素を有する官能基を含む単量体と、任意で用いられる他の単量体との共重合体が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」および「メタクリル酸」の両方を含む概念である。
アルキル基の炭素数が1以上20以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
活性水素を有する官能基を含む単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド等のアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピル等の(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和結合を有するカルボン酸等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
任意で用いられる前記他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン;塩化ビニル、ビニリデンクロリド等のハロゲン化オレフィン;スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系単量体;N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド等のN,N-ジアルキル置換アクリルアミド等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の共重合形態は、特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体のいずれであってもよい。
粘着剤は、架橋処理されたものであってもよい。架橋処理に用いられる架橋剤は、特に限定されず、例えば、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の使用量は、その種類にもよるが、前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下であるのが好ましく、0.1質量部以上10質量部以下であるのがより好ましい。
積層体10を構成する粘着剤層(第1および第2の粘着剤層12、14)は、主として粘着剤で構成されていればよく、粘着剤以外の成分を含んでいてもよい。
このような成分としては、例えば、紫外線吸収剤、粘着付与剤、充填剤、軟化剤、酸化防止剤、光安定剤、架橋剤、着色剤、改質剤、防錆剤、難燃剤、加水分解防止剤、表面潤滑剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、重合禁止剤、触媒、レベリング剤、増粘剤、分散剤、消泡剤等が挙げられる。
積層体10を構成する粘着剤層(第1および第2の粘着剤層12、14)の厚さは、それぞれ、5μm以上100μm以下であるのが好ましく、10μm以上50μm以下であるのがより好ましい。
積層体10を構成する各粘着剤層(第1および第2の粘着剤層12、14)は、互いに条件(例えば、厚さ、組成等)が異なるものであってもよいが、同一の条件のものであるのが好ましい。
[1-2]ハードコート層
ハードコート層2は、第1、第2および第3のPETフィルム11、13、15よりも耐擦過性に優れており、防犯用ウィンドウフィルム1全体としての耐擦過性を向上させる機能を有する。
これにより、防犯用ウィンドウフィルム1を被着体に貼着した後において、優れた耐擦過性を発揮することができる。また、防犯用ウィンドウフィルム1を被着体に貼着する作業時における傷つきも効果的に防止することができる。
[1-2-1](メタ)アクリレート系樹脂
ハードコート層2は、(メタ)アクリレート系樹脂を含む材料から構成され、(メタ)アクリレート系樹脂は、構成成分としてウレタン(メタ)アクリレートと6官能の(メタ)アクリレートとを有する。
[1-2-1-1]ウレタン(メタ)アクリレート
(メタ)アクリレート系樹脂が、構成成分としてウレタン(メタ)アクリレートを含有することにより、十分な柔軟性が付与され、それにより、ハードコート層2におけるクラックの発生を抑制できる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、少なくとも(メタ)アクリロイル基およびウレタン結合を有する化合物であり、エネルギー線照射により重合硬化する性質を有するものである。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、オリゴマー等である。
また、ウレタン(メタ)アクリレート中の(メタ)アクリロイル基数(以下、「官能基数」ともいう)としては、単官能、2官能、もしくは3官能以上でもよいが、単官能または2官能であることが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリオール化合物と、多価イソシアネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得ることができる。なお、ウレタン(メタ)アクリレートは、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるポリオール化合物は、ヒドロキシ基を2つ以上有する化合物であれば特に限定されず、例えば、アルキレンジオール、ポリエーテル型ポリオール、ポリエステル型ポリオール、ポリカーボネート型ポリオール等が挙げられる。中でも、ポリエステル型ポリオールが好ましい。
なお、ポリオール化合物としては、2官能のジオール、3官能のトリオール、4官能以上のポリオールのいずれであってもよいが、2官能のジオールが好ましく、ポリエステル型ジオールがより好ましい。
多価イソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-2,4’-ジイソシアネート、ω,ω’-ジイソシアネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族系ジイソシアネート類;4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートが好ましい。
上述のポリオール化合物と、多価イソシアネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを反応させてウレタン(メタ)アクリレートを得ることができる。ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、少なくとも1分子中にヒドロキシ基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば、特に限定されない。
具体的なヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシシクロオクチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;N-メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリルアミド;ビニルアルコール、ビニルフェノール、ビスフェノールAのジグリシジルエステルに(メタ)アクリル酸を反応させて得られる反応物等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
ハードコート層2を構成する(メタ)アクリレート系樹脂中における、ウレタン(メタ)アクリレートの割合は、60質量%以上85質量%以下であるのが好ましく、65質量%以上82質量%以下であるのがより好ましく、70質量%以上80質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、ハードコート層2の耐擦過性を十分に優れたものとしつつ、ハードコート層2の柔軟性をより好適なものとすることができ、ハードコート層2におけるクラックの発生等をより効果的に防止することができる。
[1-2-1-2]6官能の(メタ)アクリレート
6官能の(メタ)アクリレートは、分子内に6個のエチレン性不飽和基を有し、活性エネルギー線の照射により架橋、硬化する(メタ)アクリレート系化合物である。
なお、活性エネルギー線とは、電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線等を指す。
このような6官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートが挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ハードコート層2を構成する(メタ)アクリレート系樹脂中における6官能の(メタ)アクリレートの割合をXA[質量%]、ハードコート層2を構成する(メタ)アクリレート系樹脂中におけるウレタン(メタ)アクリレートの割合をXB[質量%]としたとき、0.18≦XA/XB≦0.66の関係を満たすのが好ましく、0.22≦XA/XB≦0.54の関係を満たすのがより好ましく、0.25≦XA/XB≦0.43の関係を満たすのがさらに好ましい。
これにより、上述した効果をより顕著なものとすることができる。
[1-2-1-3]その他の成分
ハードコート層2を構成する(メタ)アクリレート系樹脂は、構成成分としてウレタン(メタ)アクリレートと6官能の(メタ)アクリレートとを有するものであればよく、さらに他の成分を含んでいてもよい。
このような成分としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、6官能の(メタ)アクリレート以外のモノマー成分等が挙げられる。
ただし、ハードコート層2を構成する(メタ)アクリレート系樹脂中における、ウレタン(メタ)アクリレート、6官能の(メタ)アクリレート以外の成分の占める割合は、10質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下であるのがより好ましく、3質量%以下であるのがさらに好ましい。
[1-2-2]その他の成分
ハードコート層2は、前述した(メタ)アクリレート系樹脂以外の成分を含んでいてもよい。
このような成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シラン系カップリング剤、レベリング剤、帯電防止剤、消泡剤、(メタ)アクリレート系樹脂以外の樹脂成分等が挙げられる。
ただし、ハードコート層2中における、(メタ)アクリレート系樹脂以外の成分の占める割合は、10質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下であるのがより好ましく、3質量%以下であるのがさらに好ましい。
[1-2-3]その他の条件
ハードコート層2の厚さは、特に限定されないが、0.1μm以上20μm以下であるのが好ましく、0.2μm以上15μm以下であるのがより好ましく、0.4μm以上10μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、ハードコート層2が過度に硬くなるのをより効果的に抑制しつつ、さらに優れた耐擦過性が得られるとともに、防犯用ウィンドウフィルム1の取り扱いのし易さがさらに向上し、防犯用ウィンドウフィルム1の被着体への貼着等の作業性がさらに向上する。また、クラックの発生等をより好適に防止することができる。
[1-3]貼着用粘着剤層
貼着用粘着剤層(第3の粘着剤層)3は、防犯用ウィンドウフィルム1を被着体に貼着する機能を有する粘着性を有する部位である。
貼着用粘着剤層3を構成する粘着剤としては、上記[1-1-2]で説明したのと同様のものを用いることができる。
積層体10を構成する粘着剤層(第1および第2の粘着剤層12、14)中に含まれる粘着剤と、貼着用粘着剤層3中に含まれる粘着剤とは、異なる条件のものであってもよい。
貼着用粘着剤層3の厚さは、特に限定されないが、例えば、1μm以上100μm以下であるのが好ましく、5μm以上80μm以下であるのがより好ましく、10μm以上60μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、防犯用ウィンドウフィルム1の耐久性が得られるとともに、防犯用ウィンドウフィルム1の取り扱いのし易さが向上し、被着体への施工(貼着)を容易に行うことができる。また、湾曲した被着体への形状追従性等が向上し、皺等の発生が効果的に防止される。
[1-4]その他の条件
防犯用ウィンドウフィルム1の全体の厚さは、350μm以上500μm以下であるのが好ましく、355μm以上400μm以下であるのがより好ましい。
これにより、十分な防犯性能を確保しつつ、防犯用ウィンドウフィルム1の取り扱いのしやすさがより優れたものとなる。
ここで、「全体の厚さ」とは、被着体に貼着された状態での防犯用ウィンドウフィルム1全体の厚さを意味する。したがって、例えば、防犯用ウィンドウフィルム1の保管時において、貼着用粘着剤層3上に後述するような剥離ライナー20が配されている場合であっても、剥離ライナー20の厚さは当該全体の厚さには含まれない。
防犯用ウィンドウフィルム1について、JIS K7128-1:1998(トラウザー引裂法)に準拠して測定した引裂力は、9N以上であることが好ましい(上限値:例えば、20N以下)。また、JIS A5759:2016に準拠して測定した引張強さは、800N/25mm以上であることが好ましい(上限値:例えば、2500N/25mm以下)。
また、JIS A5759:2016に準拠して測定した伸びは、60%以上であることが好ましい(上限値:例えば、300%以下)。
ここで、防犯用ウィンドウフィルム1の貼着用粘着剤層3上に剥離ライナー20が配されている場合には、当該剥離ライナー20を剥がした状態で、引裂力、引張強さおよび伸びを測定する。上記範囲を満たす防犯用ウィンドウフィルム1を被着体(例えば、窓ガラスの屋内側)に貼着した場合、十分な防犯性能を達成することができる。
[2]剥離ライナー
防犯用ウィンドウフィルム1の貼着用粘着剤層3上に剥離ライナー20が配されていてもよい。
剥離ライナー20は、防犯用ウィンドウフィルム1を被着体に貼着する際には、貼着用粘着剤層3から剥離される。
剥離ライナー20としては、特に限定されず、ウィンドウフィルムの分野で通常使用されるものであってよい。剥離ライナー20としては、例えば、樹脂フィルム基材または紙基材の表面に剥離層が設けられたものが挙げられる。
樹脂フィルム基材を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート等が挙げられる。また、紙基材を構成する材料としては、ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙、クレーコート紙、樹脂コート紙、グラシン紙、上質紙等が挙げられる。
剥離層としては、シリコーン、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等の剥離剤を含有するものが挙げられる。
剥離ライナー20の厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上400μm以下であることが好ましい。また、上記の剥離層が設けられる場合の当該剥離層の厚さは、例えば、0.01μm以上5μm以下であることが好ましい。
[3]防犯用ウィンドウフィルムの製造方法
次に、防犯用ウィンドウフィルムの製造方法について説明する。
防犯用ウィンドウフィルム1は、例えば、積層体10の一方の面側に、ハードコート層2形成用の液状の組成物(塗工液)を付与して、ハードコート層2を形成し、積層体10の他方の面側に、貼着用粘着剤層3形成用の液状の組成物(塗工液)を付与して、貼着用粘着剤層3を形成することにより、製造することができる。このような方法において、ハードコート層2の形成と、貼着用粘着剤層3の形成の順番は、特に限定されない。
積層体10は、例えば、以下のようにして製造することができる。
すなわち、まず、第1のPETフィルム11の一方の面上に粘着剤層形成用組成物を塗布して乾燥させることにより第1の粘着剤層12を形成する。
粘着剤層形成用組成物としては、粘着剤層を構成する上記の材料を適宜の溶媒に溶解または懸濁したものを使用することができる。溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
粘着剤層形成用組成物の塗布は、公知の方法で行えばよく、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーターを用いる方法が挙げられる。
続いて、第1の粘着剤層12に第2のPETフィルム13を重ねてラミネートする。
続いて、この積層体10の第2のPETフィルム13の、第1の粘着剤層12が積層された面とは反対側の面上に、上記と同様にして第2の粘着剤層14を形成する。
続いて、第2の粘着剤層14に第3のPETフィルム15を重ねてラミネートする。これにより、第1のPETフィルム11、第1の粘着剤層12、第2のPETフィルム13、第2の粘着剤層14および第3のPETフィルム15がこの順に積層された積層体10を得ることができる。
ハードコート層2は、ハードコート層2形成用の液状の組成物(塗工液)を、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を用いて、第1のPETフィルム11上に塗工し、紫外線や電子線を照射して、または加熱して硬化させることにより形成することができる。
ハードコート層2形成用の塗工液は、必要に応じて、上述した成分以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、熱硬化触媒、光重合開始剤、溶剤等が挙げられる。
貼着用粘着剤層3の形成方法としては、例えば、第1の粘着剤層12の形成方法として述べたのと同様の方法が挙げられる。
[4]被着体
次に、防犯用ウィンドウフィルム1が貼着される被着体について説明する。
防犯用ウィンドウフィルム1は、住宅、ビル等の建物や、自動車、電車等の乗物の窓ガラス等に好適に適用される。
これにより、窓ガラスを割れ難くすることができるとともに、例え窓ガラスが割られたとしても、割れたガラスをシート状に保持し続けてガラスの飛散を防止することができ、窓やドアの外部からの解錠や侵入を困難とすることができる。
[5]防犯用ウィンドウフィルム1の貼着方法
次に、防犯用ウィンドウフィルム1の貼着方法について説明する。
防犯用ウィンドウフィルム1を窓ガラス等の被着体に貼着する場合、剥離ライナー20がある場合には、まず剥離ライナー20を剥離して、貼着用粘着剤層3を露出させ、貼着用粘着剤層3を被着体に接着させることにより貼着することができる。ここで、貼着用粘着剤層3と被着体との界面に界面活性剤を水に添加した施工液を介して貼着し、その後施工液をスキージと呼ばれる治具を用いて掻きだす、いわゆる水貼りと呼ばれる方法により貼着してもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、防犯用ウィンドウフィルムは、前述した以外の構成を有するものであってもよい。より具体的には、例えば、PETフィルムと粘着剤層との間や、PETフィルムとハードコート層との間に、少なくとも1層の中間層を有していてもよいし、ハードコート層の外表面側に少なくとも1層のコート層をさらに有していてもよい。
また、防犯用ウィンドウフィルムは、その他の機能層を有していてもよい。その他の機能層としては、熱線遮蔽層、反射防止層、紫外線遮蔽層、印刷層等が挙げられる。
また、本発明の防犯用ウィンドウフィルムは、いかなる方法で製造されたものであってもよく、前述した方法で製造されたものに限定されない。
例えば、本発明の防犯用ウィンドウフィルムは、貼着用粘着剤層形成用の組成物を剥離ライナーの一方の面側に形成し、その後、貼着用粘着剤層が設けられた剥離ライナーと積層体とを接合する、転写法を適用して形成してもよい。
また、前述した実施形態では、積層体を形成した後に、ハードコート層および貼着用粘着剤層を形成するものとして説明したが、例えば、積層体の一部となるPETフィルムにハードコート層または貼着用粘着剤層を形成した後に、当該PETフィルムを用いて積層体を形成してもよい。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の実施例中の処理、測定で、温度条件を示していないものについては、室温(23℃)で行った。
[6]ウィンドウフィルムの製造
(実施例1)
まず、(メタ)アクリレート系化合物を構成する構成成分(重合性化合物)として、ウレタン(メタ)アクリレートと、6官能の(メタ)アクリレートとを、質量比で75:25となるように混合して、ハードコート層形成用の液状の組成物(塗工液)を調製した。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、8UX-015A(大成ファインケミカル社製)を用い、6官能の(メタ)アクリレートとしては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを用いた。
第1、第2および第3のPETフィルムとして、厚さ100μmのPETフィルム(東レ株式会社製「ルミラー(登録商標)T-60」)を用意した。
第1のPETフィルムの一方の面に、ハードコート層形成用の塗工液を、硬化後膜厚が2.5μmになるように塗布量を調節しつつバーコート法で塗工し、積算光量200mJ/cmの紫外線を照射した。これにより、ハードコート層を形成した。
次に、第1のPETフィルムのハードコート層が設けられた面とは反対側の面に、アクリル系粘着剤(ブチルアクリレート/アクリル酸=90質量部/10質量部の共重合体(重量平均分子量60万)100質量部、イソシアネート系架橋剤1質量部)の溶液を乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて、第1の粘着剤層を形成した。
続いて、第1の粘着剤層上に第2のPETフィルムをラミネートした。続いて、第2のPETフィルム上に、上記のアクリル系粘着剤を上記と同様に塗布して乾燥させ、厚さが15μmの第2の粘着剤層を形成した。続いて、第2の粘着剤層上に第3のPETフィルムをラミネートし、厚さ100μmのPETフィルムを3層備える積層体を製造した。
当該積層体の第3のPETフィルム上に厚さ25μmの貼着用粘着剤層を形成し、全体厚さ(剥離ライナーの厚さを除く)が357.5μmの防犯用ウィンドウフィルムを製造した。ウィンドウフィルムの貼着用粘着剤層上に、厚さ25μmの剥離ライナーをラミネートした。
(実施例2~4)
ハードコート層形成用の塗工液の調製において、ウレタン(メタ)アクリレートと6官能の(メタ)アクリレートとの配合比を表1に示すように変更するとともに、ハードコート層の厚さが表1に占めるものとなるように、ハードコート層形成用の塗工液の塗布量を調節したこと以外は、前記実施例1と同様にして防犯用ウィンドウフィルムを製造した。
(比較例1~8)
ハードコート層形成用の塗工液の調製において、ウレタン(メタ)アクリレートと6官能の(メタ)アクリレートとの配合比を表1に示すように変更するとともに、ハードコート層の厚さが表1に占めるものとなるように、ハードコート層形成用の塗工液の塗布量を調節したこと以外は、前記実施例1と同様にして防犯用ウィンドウフィルムを製造した。
(比較例9)
積層体の構成を、厚さ188μmの第1のPETフィルムと、厚さ15μmの第1の粘着剤層と、厚さ188μmの第2のPETフィルムとがこの順に積層されたものとした以外は、前記比較例8と同様にして防犯用ウィンドウフィルムを製造した。なお、本比較例では、第2のPETフィルム上に貼着用粘着剤層を形成した。
[7]防犯用ウィンドウフィルムの評価
得られた防犯用ウィンドウフィルムにつき、以下の評価を行った。
[7-1]ハードコート層の耐クラック試験
得られた防犯用ウィンドウフィルムを、ハードコート層が外側となるように、外径20mmの筒状に巻回した。
ハードコート層に針を10mm押し込み、その際に折れた面を目視で観察し、クラックの有無を評価した。
〇:クラック無し
×:クラック有り
[7-2]ハードコート層の擦過試験
得られた防犯用ウィンドウフィルムのハードコート層の表面を、#0000のスチールウールを用いて、250g/cmの圧力で10往復することにより擦過試験を行った。
ハードコート層の表面を目視で観察し、以下の基準に従い、ハードコート層の耐擦過性を判定した。
A :傷なし
A’:傷が3本以内
B :傷が10本以内
C :傷が20本以内
D :傷が30本以上
[7-3]密着性試験
得られた防犯用ウィンドウフィルムについて、ハードコート層の密着性評価として、碁盤目剥離試験を行った。
すなわち、防犯用ウィンドウフィルムのハードコート層表面に、カッターナイフを用いて、碁盤目状に1mm間隔で縦11本、横11本の切り込みを入れて、合計100マスの正方形の升目を刻み粘着テープ(ニチバン社製、「セロテープ(登録商標)」)を貼り、JIS K 5600-5-6(クロスカット法)の碁盤目テープ法に準拠して、セロテープ(登録商標)剥離試験を行い、下記の基準でハードコート層の密着性を評価した。
〇:同じ箇所を2度剥離した際に100マスすべて剥がれがないこと。
×:同じ箇所を2度剥離した際に1マス以上剥がれがあること。
表1に、前記各実施例および各比較例について、防犯用ウィンドウフィルムの主な構成ととともに、上記の評価の結果をまとめて示す。なお、表1中、ウレタン(メタ)アクリレートを「UA」、6官能の(メタ)アクリレートを「6官能」と示した。
表1から明らかなように、実施例1~4では、ハードコート層の耐擦過性、耐クラック性、密着性について、いずれも良好な結果が得られた。
これに対し、各比較例では、満足のいく結果が得られなかった。
より具体的には、ハードコート層を構成する(メタ)アクリレート系樹脂中に6官能の(メタ)アクリレートを含んでいない比較例1~3、および、ハードコート層を構成する(メタ)アクリレート系樹脂中における6官能の(メタ)アクリレートの割合が15質量%未満である比較例6、7では、十分な耐擦過性が得られなかった。
また、ハードコート層を構成する(メタ)アクリレート系樹脂中における6官能の(メタ)アクリレートの割合が40質量%超である比較例4、5、8、9では、十分な耐クラック性が得られなかった。
密着性については、いずれも良好な結果が得られたが、ハードコート層の膜厚が比較的大きい比較例3では、60℃95%RHの条件下に置いたところ、168時間で密着性が低下した。
なお、積層体を構成する各PETフィルムの厚さを、それぞれ80μm以上120μm以下の範囲で種々変更した以外は、上記と同様にして防犯用ウィンドウフィルムを製造し、上記と同様の評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
また、全体の厚さを350μm以上500μ以下の範囲で種々変更した以外は、上記と同様にして防犯用ウィンドウフィルムを製造し、上記と同様の評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
ハードコート層の厚さを0.1μm以上20μm以下の範囲で種々変更した以外は、上記と同様にして防犯用ウィンドウフィルムを製造し、上記と同様の評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
1:防犯用ウィンドウフィルム
2:ハードコート層
3:貼着用粘着剤層(第3の粘着剤層)
10:積層体
11:第1のPETフィルム
12:第1の粘着剤層
13:第2のPETフィルム
14:第2の粘着剤層
15:第3のPETフィルム
20:剥離ライナー

Claims (5)

  1. ポリエチレンテレフタレートを含む材料で構成される複数のフィルムが粘着剤層を介して積層されてなる積層体と、前記積層体の一方の面側に配された、(メタ)アクリレート系樹脂を含む材料で構成されるハードコート層と、前記積層体の前記ハードコート層が配された側と反対側の面に配された、被着体に貼着するための貼着用粘着剤層とを備え、
    前記(メタ)アクリレート系樹脂は、構成成分としてウレタン(メタ)アクリレートと6官能の(メタ)アクリレートとを有し、
    前記(メタ)アクリレート系樹脂中における、前記6官能の(メタ)アクリレートの割合が15質量%以上40質量%以下であることを特徴とする防犯用ウィンドウフィルム。
  2. 前記積層体は、前記フィルムを3層以上備える請求項1に記載の防犯用ウィンドウフィルム。
  3. 前記フィルムの厚さが、それぞれ80μm以上120μm以下である請求項1または2に記載の防犯用ウィンドウフィルム。
  4. 全体の厚さが350μm以上500μm以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の防犯用ウィンドウフィルム。
  5. 前記ハードコート層の厚さが、0.1μm以上20μm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の防犯用ウィンドウフィルム。
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