JP2023143245A - 便座装置及び便器装置 - Google Patents

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雄太 酒井
Yuta Sakai
里子 木塚
Satoko Kizuka
正道 戸崎
Masamichi Tozaki
翔太 藤野
Shota Fujino
弘一 関根
Koichi Sekine
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Abstract

【課題】便の落下速度を適切に算出すること。【解決手段】実施形態に係る便座装置は、排泄物を受けるボウル部が形成された大便器の上部に載置され、落下している便である落下便の情報を検知する便座装置であって、光を照射する発光素子と、光を受光する受光素子と、を有し、前記受光素子により高さ方向に異なる2点を検知し、前記2点における前記落下便の検知有無から、前記落下便の落下速度を算出し、前記落下速度と、前記落下便を検知している時間とに基づいて、前記落下便の長さまたは量を推定する。【選択図】図11

Description

開示の実施形態は、便座装置及び便器装置に関する。
従来、落下中の大便(以下「便」ともいう)の画像を用いて便(排泄物)の性状や体積を判定する技術が知られている。例えば、移動(落下)する便の情報を検知する検知部を設け、検知部から得られる情報から、便の長さや量を把握する技術は知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2018-146244号公報 特開2017-137708号公報
しかしながら、便は体につながった状態で重力方向に沿って下方に移動(落下)する場合や、体から離れて落下する場合など(以下「落下」と総称する)、様々な速度で落下する。すなわち、取得した落下の便が含まれる画像(以下「便画像」ともいう)には、落下する便の落下速度による影響が含まれている。そのため、上述の従来技術では、落下する便の落下速度や便の性状の影響により便の量を適切に判定することが難しく、便画像を用いた便の量の判定精度には向上の余地がある。例えば、便画像から便の性状を判定して、判定結果から便の落下速度を推定し、便の長さや量を推定する構成が考えられる。しかしながら、この場合、便の性状の判定結果からの落下速度の推定値では、正確に便の長さまたは量を推定することが難しい。そのため、便の落下速度を適切に算出することが望まれている。
開示の実施形態は、便の落下速度を適切に算出する便座装置及び便器装置を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る便座装置は、排泄物を受けるボウル部が形成された大便器の上部に載置され、落下している便である落下便の情報を検知する便座装置であって、光を照射する発光素子と、光を受光する受光素子と、を有し、前記受光素子により高さ方向に異なる2点を検知し、前記2点における前記落下便の検知有無から、前記落下便の落下速度を算出し、前記落下速度と、前記落下便を検知している時間とに基づいて、前記落下便の長さまたは量を推定することを特徴とする。
実施形態の一態様に係る便座装置によれば、受光素子により高さ方向に異なる2点を検知し、2点における落下便の検知有無から、落下便の落下速度を算出することで、2点間での検知差を基に落下便の落下速度を算出するができるため、便の落下速度を適切に算出することができる。また、便座装置は、このように算出した落下速度を用いて、落下便の長さまたは量を推定することで、便の長さまたは量を適切に推定することができる。例えば、便座装置は、2点の検知の時間の間隔を基にその間の落下便の移動距離を測定して、落下便の落下速度を算出することで、落下便の長さや量を、正確に推定できる。なお、ここでいう落下便は、体から離れて落下する便に限らず、体につながった状態で重力方向に沿って下方に移動(落下)する便も含まれる。すなわち、ここでいう落下は、重力の働きにより重力方向に沿う下方への移動する様々な態様が含まれる。したがって、「落下」は「移動」と読み替えてもよい。例えば、「落下速度」は「移動速度」と読み替えてもよい。
実施形態の一態様に係る便座装置において、前記高さ方向に受光素子が2つ配置される。
実施形態の一態様に係る便座装置によれば、高さ方向に受光素子が2つ配置して、2つの受光素子の検知を基に落下便の落下速度を算出することで、便の落下速度を適切に算出することができる。
実施形態の一態様に係る便座装置において、前記2つの受光素子の検知方向は、それぞれ離れるように向いている。
実施形態の一態様に係る便座装置によれば、2つの受光素子の各々の検知位置間の距離を確保できるため、正確に便を検知でき、より精度よく便の落下速度を算出することができる。したがって、便座装置は、便の落下速度を適切に算出することができる。
実施形態の一態様に係る便座装置において、前記2つの受光素子の検知方向は、それぞれ下方に向いている。
実施形態の一態様に係る便座装置によれば、2つの受光素子の検知方向が下方に向いていることで、受光素子を高さ方向に複数設けても、正確に便を検知できる。したがって、便座装置は、便の落下速度を適切に算出することができる。
実施形態の一態様に係る便座装置において、前記高さ方向に交差する幅方向に、受光素子を複数配置し、前記2点の各々に対応するレンズと、前記複数の受光素子とにより、前記2点を検知する。
実施形態の一態様に係る便座装置によれば、高さ方向に交差する幅方向に配置される複数の受光素子と、2点の各々に対応するレンズとによる検知を基に落下便の落下速度を算出することで、便の落下速度を適切に算出することができる。例えば、便座装置は、2点の検知の時間の間隔を基にその間の落下便の移動距離を測定して、落下便の落下速度を算出することで、落下便の長さや量を、正確に推定できる。
実施形態の一態様に係る便座装置において、前記2点のうち一方の点における前記落下便の検知開始と、前記2点のうち他方の点における前記落下便の検知開始とから算出される第1落下速度を用いて、前記落下便の落下速度を算出する。
実施形態の一態様に係る便座装置によれば、2点の各々における落下便の検知開始により落下便の落下速度を算出することで、便の落下速度を適切に算出することができる。
実施形態の一態様に係る便座装置において、前記2点の前記一方の点における前記落下便の検知終了と、前記2点の前記他方の点における前記落下便の検知終了とから算出される第2落下速度と、前記第1落下速度とを用いて、前記落下便の長さまたは量を推定する。
実施形態の一態様に係る便座装置によれば、2点の各々における落下便の検知開始により算出される落下便の第1落下速度と、2点の各々における落下便の検知終了により算出される落下便の第2落下速度とを用いて、落下便の長さまたは量を推定することで、便の長さまたは量を適切に推定することができる。例えば、便座装置は、落下便のより平均的な速度を基に便の長さまたは量を適切に推定することができるため、より正確な便の長さまたは量を推定することができる。
実施形態の一態様に係る便座装置において、前記第1落下速度と前記第2落下速度とから算出される合成速度を用いて、前記落下便の長さまたは量を推定する。
実施形態の一態様に係る便座装置によれば、第1落下速度と前記第2落下速度とから算出される合成速度を用いて、落下便の長さまたは量を推定するで、便の長さまたは量を適切に推定することができる。例えば、便座装置は、落下便のより平均的な速度を基に便の長さまたは量を適切に推定することができるため、より正確な便の長さまたは量を推定することができる。
実施形態の一態様に係る便器装置は、排泄物を受けるボウル部が形成された大便器の上部に便座が載置され、落下している便である落下便の情報を検知する便器装置であって、光を照射する発光素子と、光を受光する受光素子と、を有し、前記受光素子により高さ方向に異なる2点を検知し、前記2点における前記落下便の検知有無から、前記落下便の落下速度を算出し、前記落下速度と、前記落下便を検知している時間とに基づいて、前記落下便の長さまたは量を推定する。
実施形態の一態様に係る便器装置によれば、受光素子により高さ方向に異なる2点を検知し、2点における落下便の検知有無から、落下便の落下速度を算出することで、2点間での検知差を基に落下便の落下速度を算出するができるため、便の落下速度を適切に算出することができる。また、便器装置は、このように算出した落下速度を用いて、落下便の長さまたは量を推定することで、便の長さまたは量を適切に推定することができる。例えば、便器装置は、2点の検知の時間の間隔を基にその間の落下便の移動距離を測定して、落下便の落下速度を算出することで、落下便の長さや量を、正確に推定できる。
実施形態の一態様によれば、便の落下速度を適切に算出することができる。
図1は、実施形態に係るトイレシステムの構成の一例を示す斜視図である。 図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。 図3は、実施形態に係る便座装置の構成の一例を示す斜視図である。 図4は、実施形態に係る便座装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 図5は、センサユニットの構成の一例を示す図である。 図6は、使用者と機器の動作の関係の一例を示す図である。 図7は、測定処理における処理の流れを示す図である。 図8は、測定処理におけるタイムチャートの一例を示す図である。 図9は、データの取得方法の一例を示す図である。 図10は、データ解析方法の一例を示す図である。 図11は、高さ方向に異なる2点の検知を示す概念図である。 図12は、2点検知を行う第1の構成を示す図である。 図13は、2点検知を行う第2の構成を示す図である。 図14は、2点検知を行う第3の構成を示す図である。 図15は、2点検知を行う第4の構成を示す図である。 図16は、2点検知を行う第5の構成を示す図である。 図17は、便の落下速度と各高さ位置の通過の時間差との関係の一例を示す図である。 図18は、便の落下速度の導出の一例を示す図である。 図19は、便の量の推定の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する便座装置及び便器装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。以下では、トイレルームの使用者による大便の情報収集に関する処理やその処理を行うための構成について説明するが、最初に前提となる情報処理システムなどの各種構成を説明する。
<1.情報処理システムの構成>
実施形態に係る情報処理システムの構成について図1及び図2を参照して説明する。図1は、実施形態に係るトイレシステムの構成の一例を示す斜視図である。図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
まず、図1を用いて情報処理システム1のうち、トイレルームR内の構成例について説明する。以下、図1及び図2に示すトイレルームR内の構成をトイレシステムTSと総称する場合がある。図1に示すように、トイレルームRには、床面Fに、洋式大便器(以下「便器」と記載する)7が設置される。なお、以下では、床面FからトイレルームRの空間内に臨む向きを上と記載する。便座装置2は、便器7の上部に設けられる。
便器7は、例えば、陶器製である。便器7には、ボウル部8が形成される。ボウル部8は、下方に凹んだ形状であり、使用者の排泄物を受ける部位(便鉢)である。なお、便器7は、図示のような床置き式に限らず、トイレシステムTSを適用可能であれば、どのような形式でもよく、壁掛け式等のような形式であってもよい。便器7には、ボウル部8が臨む開口の端部の全周にわたってリム部9が設けられる。トイレルームRには、例えば、便器7付近に洗浄水を貯留する洗浄水タンクが設置されてもよいし、洗浄水タンクが設置されない、いわゆるタンクレス式でもよい。
例えば、トイレルームRに設けられた洗浄用の洗浄操作部(図示省略)が使用者により操作されると、便器7のボウル部8への洗浄水の供給による便器洗浄が実施される。洗浄操作部は操作レバーや、操作装置10に表示された便器洗浄オブジェクトに対するタッチ操作であってもよい。なお、洗浄操作部は、操作レバーなどのような使用者の手動によって便器洗浄を実施させるものに限らず、着座センサのような使用者を検知するセンサの人体検知によって便器洗浄を実施させるものでもよい。
便座装置2は、便器7の上部に取り付けられ、本体部3と、便蓋4と、便座5と、洗浄ノズル6とを備える。便座装置2は、排泄物を受けるボウル部8が形成された便器7の上部に載置される。便座装置2は、洗浄ノズル6が洗浄水を噴射する前にボウル部8に進出するように便器7の上部に載置される。なお、便座装置2は、便器7に対して着脱可能に取り付けられてもよいし、便器7と一体化するように取り付けられてもよい。すなわち、例えば便座装置2と便器7とは一体となった便器装置であってもよい。この場合、トイレシステムTSは、便座装置2と便器7とが一体となった便器装置を備える。なお、上述したトイレシステムTSの構成は一例に過ぎず、所望の処理が可能であれば、任意の構成が採用可能である。
図1に示すように、便座5は、中央に開口50を有する環状に形成され、リム部9に沿って、便器7の開口に重なる位置に配置される。便座5は、使用者が着座する。便座5は、着座した使用者の臀部を支持する着座部として機能する。また、図1に示すように、便蓋4及び便座5は、それぞれの一端部が本体部3に軸支され、本体部3の軸支部分を中心として回動可能(開閉可能)に取り付けられる。なお、便蓋4は、便座装置2に必要に応じて取り付けられ、便座装置2は、便蓋4を有しなくてもよい。
洗浄ノズル6は、洗浄用の水を吐水するためのノズルである。洗浄ノズル6は、洗浄水を噴射可能である。洗浄ノズル6は、使用者に向けて洗浄水を噴射可能である。洗浄ノズル6は、局部洗浄用のノズルである。洗浄ノズル6は、電動モータなどの駆動源(図4中のノズルモータ61等)の駆動により、本体部3の筐体である本体カバー30に対して進退可能に構成される。また、洗浄ノズル6は、図示しない水道管などの水源に接続される。そして、洗浄ノズル6は、図1に示すように、本体部3の筐体である本体カバー30に対して進出した位置(以下「進出位置」ともいう)にあるときに、水源からの水を使用者の身体へ噴出させて局部を洗浄する。
図1では、洗浄ノズル6が進出位置にある状態を示す。なお、洗浄ノズル6は、便器7(ボウル部8等)内の洗浄用にも共用されてもよい。洗浄ノズル6は、使用者の局部を洗浄する局部洗浄モードと、便器7内に水を撒く便器洗浄モードとを切り替え可能に用いられてもよい。例えば、洗浄ノズル6は、便座装置2の制御部34(図4参照)による制御に応じて、局部洗浄モードと便器洗浄モードとを切り替え可能に用いられてもよい。
操作装置10は、トイレルームR内に設けられる。操作装置10は、使用者が操作可能な位置に設けられる。操作装置10は、使用者が便座5に着座時において、操作可能な位置に設けられる。図1に示す例において、操作装置10は、便座5に着座した使用者から見て右側方の壁面Wに配置される。なお、操作装置10は、便座5に着座した使用者が利用可能であれば、壁面に限らず、種々の態様により配置されてもよい。例えば、操作装置10は、便座装置2と一体に設けられてもよい。
ここから、図2を参照しつつ、情報処理システム1の装置構成及び各装置の機能について説明する。図2に示すように、情報処理システム1は、便座装置2及び操作装置10を含むトイレシステムTSと、ユーザ端末200と、サーバ装置400とを有する。情報処理システム1には、複数のトイレシステムTSや、複数のユーザ端末200やサーバ装置400が含まれてもよい。情報処理システム1では、便座装置2が便の性状に関する解析等の各種処理を行い、サーバ装置400が便座装置2による解析結果に関する情報を保存する。
便座装置2は、トイレルームR内に配置される装置である。便座装置2は、操作装置10、ユーザ端末200等との間で通信する。なお、便座装置2は、サーバ装置400と通信可能であってもよい。
便座装置2は、トイレルームR内の便器7を利用して排泄を行う使用者を特定するための情報を取得する処理(個人識別)を行う。例えば、便座装置2は、使用者が所有するユーザ端末200との通信や、操作装置10に対する使用者の操作等により、便器7を利用して排泄を行う使用者を特定するための情報を取得し、使用者の個人識別を行う。例えば、便座装置2は、使用者が所有するユーザ端末200との通信し、ユーザ端末200から使用者を特定するための使用者識別情報であるユーザID(単に「ID」ともいう)を受信する。なお、便座装置2は、トイレルームRの便器7を利用して排泄を行う使用者を特定が可能であれば、どのような方法により使用者の特定を行ってもよい。
また、便座装置2は、検知した排泄に関する排泄情報をユーザ端末200へ送信する。例えば、便座装置2は、便の性状に関する解析等の各種処理を実行し、解析結果に基づく排泄情報をユーザ端末200へ送信する。ユーザ端末200は、排泄情報とユーザ端末200を利用するユーザ(使用者)を特定するための使用者識別情報とをサーバ装置400に送信する。サーバ装置400は、受信した情報を履歴情報として保存する。サーバ装置400は、受信した使用者識別情報に、受信した排泄情報を対応付けて記憶部に登録してもよい。
操作装置10は、使用者による便座装置2の制御に関する操作を受け付けるコンピュータ(リモコン)である。操作装置10は、便座装置2と所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。例えば、操作装置10は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続されてもよい。なお、便座装置2と操作装置10とは、情報の送受信が可能であれば、どのような接続であってもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、操作装置10は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。
操作装置10は、例えばタッチパネル機能により表示面(例えば表示画面11)を介して使用者からの各種操作を受け付ける。また、操作装置10は、スイッチやボタンを備え、スイッチやボタン等により各種操作を受け付けてもよい。表示画面11は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、操作装置10は、表示画面11により使用者の入力を受け付け、使用者への出力も行う。表示画面11は、各種情報を表示する表示装置である。例えば、操作装置10は、便座装置2から提供される各種情報を表示する表示端末(表示器)として機能してもよい。
操作装置10は、便座装置2により実行中の制御を止めるためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2による局部洗浄の実行を開始するためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、使用者による洗浄ノズル6への指示を受け付ける。操作装置10は、便座装置2に所定の音を出力させるためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2の洗浄ノズル6(図1参照)を除菌水で殺菌する殺菌処理を行うためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2による局部洗浄時の吐水の勢いを調整するためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、便座装置2が出力する音の音量を調整するためのユーザの操作を受け付ける。操作装置10は、トイレの利用に関する情報を操作装置10に表示したり音声出力したりする際の言語を選択するためのユーザの操作を受け付ける。
例えば、操作装置10は、上述したユーザの操作を受け付けるオブジェクトを表示画面11に表示し、表示したオブジェクトに対するユーザの接触に応じて、各種処理を実行してもよい。例えば、操作装置10は、上述したユーザの操作を受け付けるスイッチやボタン等を有し、スイッチやボタン等に対するユーザの接触に応じて、各種処理を実行してもよい。なお、上記は一例であり、操作装置10は、各種処理を実行するユーザによる操作を受け付けてもよい。
ユーザ端末200は、使用者(ユーザ)によって利用される端末装置(コンピュータ)である。ユーザ端末200は、例えば、スマートフォンや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)等により実現される。例えば、ユーザ端末200は、Bluetooth(登録商標)やWi‐Fi(登録商標)等の所定の無線通信機能により、便座装置2と通信可能に接続される。なお、ユーザ端末200は、便座装置2とネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてもよい。
ユーザ端末200は、便座装置2やサーバ装置400との間で情報を送受信する。ユーザ端末200は、便座装置2から排泄に関する排泄情報を受信する。ユーザ端末200は、便座装置2から取得した排泄情報をサーバ装置400へ送信する。例えば、ユーザ端末200は、便座装置2から取得した排泄情報にユーザ端末200を利用するユーザの使用者識別情報を対応付けてサーバ装置400へ送信する。
また、ユーザ端末200は、サーバ装置400に情報を要求し、サーバ装置400から取得した情報を表示する。ユーザ端末200は、使用者の排泄に関する情報をサーバ装置400から受信し、受信した情報を表示する。例えば、ユーザ端末200は、使用者の排便データを示すコンテンツをサーバ装置400から受信し、受信したコンテンツを表示する。
ユーザ端末200は、排便データ(排泄データ)等の使用者の排泄に関する各種情報(排泄情報)を表示するディスプレイ(表示装置)を有する。ユーザ端末200は、便座装置2から提供される各種情報を表示する表示端末(表示器)として機能する。ユーザ端末200は、便座装置2またはサーバ装置400から排便データを示す情報を受信し、受信した排便データを示す情報を表示する。例えば、ユーザ端末200は、排便データを、排泄の日時ごとに時系列で表示する。
サーバ装置400は、情報を保存するクラウド(サーバ)として機能するコンピュータである。サーバ装置400は、ユーザ端末200と、インターネット等の所定のネットワーク(ネットワークN)を介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、サーバ装置400は、情報の送受信が可能であれば、ユーザ端末200とどのように接続されてもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。なお、サーバ装置400は、便座装置2と通信可能であってもよい。
サーバ装置400は、ユーザ端末200から受信した情報を記憶部に記憶する。サーバ装置400は、ユーザ端末200から取得した排泄情報と使用者識別情報とを対応付けて記憶部に記憶する。
サーバ装置400は、クラウド(サーバ)に限らず、任意の装置であってもよい。すなわち、サーバ装置400の装置構成及び配置は、所望の処理が実現可能であれば、任意の形態が採用可能である。例えば、サーバ装置400は、情報処理システム1の管理者等が携帯可能なノートパソコン等の携帯端末(デバイス)であってもよい。また、サーバ装置400は、トイレルームR内に配置されてもよい。なお、情報処理システム1は、サーバ装置400を有しなくてもよい。この場合、情報処理システム1は、サーバ装置400を設けず、便座装置2、あるいはユーザ端末200が、サーバ装置400の機能を備えてもよい。
なお、上記は一例に過ぎず、情報処理システム1は、所望の処理を実現可能であれば任意の装置構成が採用可能である。例えば、操作装置10が排便データを表示する表示部として機能してもよい。また、操作装置10及びユーザ端末200の両方が表示部として機能する装置として情報処理システム1に含まれてもよい。
情報処理システム1は、後述する各種の構成や処理により、使用者の大便の形状や大きさや質や色等の各種の性状を検知する。情報処理システム1は、例えば光学的手段を用いた光学的な方式により使用者の排便を検知することにより、便の情報を取得可能なトイレシステムである。なお、光学的手段を用いる構成は一例であり、情報処理システム1は、所望の情報を取得可能であれば光学的手段に限らず、様々な手段により便の情報を取得してもよい。
<2.便座装置の構成>
次に、便座装置2の構成について図3を参照して説明する。図3は、実施形態に係る便座装置の構成の一例を示す斜視図である。具体的には、図3は、便座装置2を前方から見た斜視図である。なお、図3では、便蓋4及び蓋部103の図示を省略する。
また、図3では、洗浄ノズル6(図1参照)が本体カバー30内に収納される位置(「収納位置」ともいう)にある状態を示す。なお、図3では、洗浄ノズル6が本体カバー30内に収納されている状態において、洗浄ノズル6を隠蔽するノズル蓋の図示は割愛する。図3に示すように、洗浄ノズル6が収納位置にある場合、ノズル用蓋60は閉じられており、洗浄ノズル6は、ノズル用蓋60の裏に隠されている。洗浄ノズル6による洗浄が行われる場合、ノズル用蓋60が開放するとともに、本体カバー30の開口(図3の閉鎖状態であるノズル用蓋60が塞ぐ開口)から洗浄ノズル6が突出し、洗浄ノズル6は、進出状態に移行する。
発光部120及び受光部130を有するセンサヘッド110(図5参照)は、本体カバー30の開口31から光学的に露出する。例えば、発光部120は、開口31から便器7内の排泄物に向けて光を照射可能となり、受光部130は、便器7内の排泄物からの反射光を受光可能となる。
なお、本体カバー30の開口31には、開閉自在の蓋部103(図5参照)が設けられ、センサユニット100による発光や受光を行う際に蓋部103が開いた状態(以下「開放状態」ともいう)となり、センサユニット100の発光部120や受光部130が開口31から光学的に露出する。また、センサユニット100による発光や受光を行わない際に蓋部103が閉じた状態(以下「閉鎖状態」ともいう)となり、開口31は蓋部103により覆われ、センサヘッド110の前方に蓋部103が位置する。なお、ここでいう閉鎖状態とは、蓋部103によりセンサヘッド110の前面側を覆う状態を示す言葉であり、センサヘッド110の前面以外の箇所を開放した構成も含まれる。
例えば、蓋部103は、発光部120及び受光部130を有するセンサヘッド110の前方に位置することが可能であり、蓋として機能する。蓋部103は、センサヘッド110の発光部120の発光面が臨む側(前方)に位置することが可能である。蓋部103は、センサヘッド110の受光部130の受光面が臨む側(前方)に位置することが可能である。例えば、蓋部103が開放状態においては、センサヘッド110の前方に蓋部103が位置しない状態となる。これにより、蓋部103の開放状態においては、センサヘッド110が露出する。そして、蓋部103の開放状態において、センサヘッド110の発光部120は、便器7内の排泄物に向けて光を照射可能となり、センサヘッド110の受光部130は、便器7内の排泄物からの反射光を受光可能となる。上記のように、蓋部103は、閉鎖状態においてセンサヘッド110の前方に位置することにより、センサヘッド110の前方を覆い、開放状態においてセンサヘッド110の前方に位置しないことにより、センサヘッド110の前方を開放する。
蓋部103は、センサヘッド110の前方に設けられ、開閉自在である。蓋部103は、蓋部開閉機構102により開放状態と閉鎖状態とに遷移可能である。例えば、蓋部103は、測定時以外は閉鎖状態となり、センサヘッド110の前方に位置する。また、蓋部103は、測定時に開放状態となり、センサヘッド110の前方から他の場所に移動する。これにより、蓋部103は、汚れにより、センサヘッド110の受光部130による検知精度の低下を抑制することができる。蓋部103は、センサユニット100が視認される可能性を低減し、使用者のプライバシに配慮した構成とするために、透明ではない素材で形成されることが好ましい。例えば、蓋部103は、着色により透明ではない状態に形成されてもよい。蓋部103は、透明ではない材料(塗料)が表面に塗布されてもよい。
図3に示すように、便座装置2は、洗浄ノズル6に隣接する位置にセンサユニット100を配置した構成である。なお、センサユニット100は、洗浄ノズル6に隣接する位置に限らず、所望の検知が可能であれば、どのような位置に配置されてもよく、例えばセンサユニット100と便座装置2とは別体であってもよい。
<3.便座装置の機能構成>
次に、便座装置2の機能構成について図4を参照して説明する。図4は、実施形態に係る便座装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、便座装置2は、人体検知センサ32と、着座検知センサ33と、制御部34と、電磁弁71と、ノズルモータ61と、洗浄ノズル6と、センサユニット100とを備える。なお、図4では、図1で説明した便座装置2の構成の一部(本体部3や便座5や便器7等)についての図示を省略する。
例えば、人体検知センサ32や着座検知センサ33や制御部34は便座装置2の本体部3に設けられる。なお、図示を省略するが、便座装置2は、ユーザ端末200や操作装置10と通信する通信部を有する。例えば、通信部は、通信回路等によって実現される。例えば、通信部は、所定のネットワークと有線または無線で接続され、ユーザ端末200や操作装置10等の情報処理装置との間で情報の送受信を行う。なお、通信部は、センサユニット100が有してもよい。
人体検知センサ32は、人体を検知する機能を有する。例えば、人体検知センサ32は、赤外線信号を用いた焦電センサ等により実現される。例えば、人体検知センサ32は、μ(マイクロ)波センサ等により実現されてもよい。なお、上記は一例であり、人体検知センサ32は、上記に限らず、種々の手段により人体を検知してもよい。例えば、人体検知センサ32は、トイレルームR(図1参照)内に入室した人(使用者など)を検知する。人体検知センサ32は、検知信号を制御部34へ出力する。なお、便座装置2は、人体検知センサ32を有しなくてもよい。
着座検知センサ33は、便座装置2への人の着座を検知する機能を有する。着座検知センサ33は、使用者が便座5に着座したことを検知する。着座検知センサ33は、便座5に対する使用者による着座を検知可能である。着座検知センサ33は、使用者による便座5からの離座を検知する離座検知センサとしても機能する。着座検知センサ33は、便座5に対する使用者の着座状態を検知する。
例えば、着座検知センサ33は、荷重センサにより使用者が便座5に着座したことを検知する。着座検知センサ33は、例えば便座5に着座した使用者の荷重によってON・OFFが切り替わるスイッチ(以下「着座sw」と記載する場合がある)である。また、例えば、着座検知センサ33は、赤外線投受光式の測距センサであり、人(使用者)が便座5に着座する直前において便座5の付近に存在する人体や、便座5に着座した使用者を検知してもよい。なお、上記は一例であり、着座検知センサ33は、上記に限らず、種々の手段により便座装置2への人の着座を検知してもよい。着座検知センサ33は、着座検知信号を制御部34へ出力する。
制御部34は、例えば各種構成や処理を制御する制御装置であってもよい。制御部34は、ノズルモータ61や電磁弁71を制御する。制御部34は、操作装置10から送信された信号に基づいて、ノズルモータ61や電磁弁71を制御する。制御部34は、操作装置10から送信された局部洗浄に関する制御指示の信号に基づいて、ノズルモータ61を制御する。制御部34は、洗浄ノズル6を進退させるためにノズルモータ61を制御する。制御部34は、電磁弁71の開閉を制御する。
制御部34は、有線により、ノズルモータ61や電磁弁71に制御情報を送信する。なお、制御部34は、無線により、ノズルモータ61や電磁弁71に制御情報を送信してもよい。また、制御部34は、センサユニット100を制御してもよい。制御部34は、センサユニット100に制御情報を送信し、センサユニット100を制御してもよい。この場合、制御部34は、コントローラ101と一体であってもよい。
また、制御部34は、図1に示すような便蓋4や便座5を制御する。制御部34は、操作装置10から送信された信号に基づいて、便蓋4や便座5を制御する。制御部34は、操作装置10から送信された便蓋開閉に関する制御指示の信号に基づいて、便蓋4を制御する。制御部34は、操作装置10から送信された便座5開閉に関する制御指示の信号に基づいて、便座5を制御する。制御部34は、有線により、便蓋4や便座5に制御情報を送信する。なお、制御部34は、無線により、便蓋4や便座5に制御情報を送信してもよい。
制御部34は、人体検知センサ32による使用者の入室が検知されたか否かを判定する。制御部34は、人体検知センサ32によるトイレルームRへの使用者の入室が検知されたか否かを判定する。制御部34は、着座検知センサ33による使用者の着座が検知されたか否かを判定する。制御部34は、着座検知センサ33による便座5への使用者の着座が検知されたか否かを判定する。制御部34は、センサユニット100と通信し、センサユニット100との間で情報の送受信を行う。例えば、制御部34は、人体検知センサ32または着座検知センサ33等の各種のセンサによる検知に基づく判定結果を、センサユニット100に送信する。この場合、センサユニット100のコントローラ101は、制御部34から取得した情報を基に蓋部開閉機構102及びセンサヘッド110を制御する。
ノズルモータ61は、洗浄ノズル6を進退駆動する駆動源(モータ)である。ノズルモータ61は、洗浄ノズル6を本体部3の本体カバー30に対して進退させる制御を実行する。ノズルモータ61は、制御部34からの指示に応じて洗浄ノズル6を進退させる制御を実行する。
電磁弁71は、流体の流れを電磁的方法により制御する弁(バルブ)の機能を有する。電磁弁71は、例えば給水管からの水道水の供給および停止を切り替える。電磁弁71は、制御部34からの指示に応じて開閉の制御を実行する。
センサユニット100は、コントローラ101、蓋部開閉機構102及びセンサヘッド110を備える。センサユニット100は、排泄物検知装置(排泄物測定装置)として機能する。なお、排泄物検知装置として機能するセンサユニット100は、便座装置2とは独立して構成されてもよい。また、センサユニット100は、ユーザ端末200と通信する通信部を有してもよい。例えば、センサユニット100が有する通信部は、通信回路等によって実現される。例えば、センサユニット100の通信部は、所定のネットワークと有線または無線で接続され、ユーザ端末200との間で情報の送受信を行う。
コントローラ101は、蓋部開閉機構102及びセンサヘッド110を制御する制御部として機能する。例えば、コントローラ101は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のプロセッサや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等の種々の手段により実現される。
コントローラ101は、蓋部103を開閉させるための制御を行ってもよい。コントローラ101は、蓋部103を開放状態にするための制御情報を、蓋部103を開閉させる蓋部開閉機構102(アクチュエータ等)に送信する。コントローラ101は、蓋部103を閉鎖状態にするための制御情報を、蓋部開閉機構102に送信する。コントローラ101は、発光部120の点灯や消灯を制御するための制御情報をセンサヘッド110に送信する。
コントローラ101は、受光部130の電子シャッタの機能を制御するための制御情報をセンサヘッド110に送信する。なお、受光部130の電子シャッタは、いわゆるレンズシャッタのような機械的なシャッタとは異なり、受光素子132(撮像素子)を電子的に制御して露光を読み出すシャッタ方式である。すなわち、受光部130の電子シャッタは、いわゆる電子式シャッタや電子制御式シャッタである。コントローラ101は、有線または無線により、センサヘッド110に制御情報を送信する。
コントローラ101は、発光部120による光の照射、及び受光部130による受光を制御する。例えば、コントローラ101は、着座検知センサ33によって使用者による便座5への着座が検知されている期間に測定処理を制御する。
コントローラ101は、発光部120による光の照射を制御する。コントローラ101は、発光素子121への通電、及び受光素子132に対する電圧の印加を制御する。コントローラ101は、受光素子132に対して、電子シャッタを開く制御指示を送り、発光素子121に通電することで、大便からの反射光を受光可能とする受光制御を行う。コントローラ101は、一の受光制御の実行開始後、一の受光制御の次の受光制御を実行するまでの間隔を、制御処理が可能な範囲内で任意の時間(例えば0.2ミリ秒以上等)に制御する。なお、コントローラ101は、測定処理において複数の発光素子121による光の照射を制御するが、この点については図7及び図8において説明する。
また、コントローラ101は、受光部130による受光結果から便の性状を判定する。コントローラ101は、光学的な手法により便の性状を検知する種々の技術を適宜用いて、使用者の便の性状を判定する。コントローラ101は、便画像に基づいて、その便画像に対応する形、量、色等の便の性状を判定する。例えば、コントローラ101は、四則演算を用いた演算処理に基づくデータ解析により便の性状を判定する。例えば、コントローラ101は、機械学習を用いた演算処理に基づくデータ解析により便の性状を判定する。例えば、コントローラ101は、AI(人工知能)等の画像処理を用いた演算処理に基づくデータ解析により便の性状を判定する。
例えば、コントローラ101は、記憶部に記憶された便性状等の判定プログラムを用いて、便の性状を判定する。例えば、記憶部は、便性状等の判定プログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録するコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。記憶部は、便の性状等、便に関する判定処理に用いる様々な情報を記憶する。例えば、記憶部は、便に関する判定処理に用いる閾値を記憶する。例えば、便に関する判定に用いる各種のモデル(判定モデル)を記憶する。例えば、便の形状、色、量等の判定に用いる各種の判定モデルを記憶する。コントローラ101は、記憶部に記憶された各種情報を用いて、便の性状を判定する。
蓋部開閉機構102は、蓋部103を開放状態や閉鎖状態にする駆動源(モータ)である。蓋部開閉機構102は、コントローラ101からの指示に応じて蓋部103を開放状態にしたり、閉鎖状態にしたりする制御を実行する。例えば、蓋部開閉機構102は、測定を行わない場合等、受光部130による受光が必要ないタイミングでは蓋部103を閉鎖状態にする。
蓋部開閉機構102は、蓋部103の開放状態において、発光部120が照射する光の中心軸に交わらない位置に蓋部103を位置固定する。蓋部開閉機構102は、蓋部103の開放状態において、発光部120が照射する光の半値角の領域外に蓋部103を位置固定する。蓋部開閉機構102は、便器7への載置時において蓋部103を上方向に開放する。蓋部開閉機構102は、洗浄ノズル6の動作時に蓋部103を閉鎖状態にする。蓋部開閉機構102は、便器7に配設された洗浄ノズル6の動作時に、蓋部103を閉鎖状態にする。
センサヘッド110は、センサケースである筐体部111(図5参照)と、透明窓である透明窓112(図5参照)と、センサ基板である基板113(図5参照)と、発光部120と、受光部130とを備える。センサヘッド110は、受光部130により排泄物の情報を検知する検知部(排泄物検知部)として機能する。例えば、センサヘッド110は、落下している便の情報を検知する検知部である。筐体部111は、前方を開放する態様で、発光部120及び受光部130を格納するするケースである。また、透明窓112は、筐体部111の前面を覆う。なお、センサヘッド110の構成の詳細を含め、センサユニット100の配置構成については図5で説明する。
発光部120は、光を照射する。発光部120は、異なる波長帯の光を照射する複数の発光素子121と発光レンズとしてのレンズ122とを有する。発光部120は、レンズ122により複数の発光素子121による光の照射態様を制御する。
発光部120は、ボウル部8内に向けて光を照射する。発光部120は、ボウル部8内を落下する排泄物(大便)等の物体に対して光を照射する。例えば、発光部120は、光を照射する発光素子121を有する。発光部120は、下方向に向けて光を照射するように配置される発光素子121を有する。図4の例では、発光部120は、少なくとも3つの発光素子121を有する。例えば、図4に示す3つの発光素子121は、各々異なる波長の光を照射する。各発光素子121は、斜め下方向に向けて光を照射する。
例えば、図4に示す3つの発光素子121のうち1つの発光素子121(「第1種の発光素子121」ともいう)は、3つの発光素子121のうち最も短い波長(「第1波長」ともいう)の光を照射する。例えば、第1種の発光素子121は、590nmの波長の光を照射する。なお、第1種の発光素子121が照射する光は、第1波長のみに限らず、第1波長周辺の波長領域(「第1波長領域」ともいう)の光が含まれてもよい。第1波長領域は、黄色~橙に対応する波長領域(波長帯)であってもよい。
また、例えば、図4に示す3つの発光素子121のうち、第1種の発光素子121以外の1つの発光素子121(「第2種の発光素子121」ともいう)は、第1波長よりも長い波長(「第2波長」ともいう)の光を照射する。例えば、第2種の発光素子121は、670nmの波長の光を照射する。なお、第2種の発光素子121が照射する光は、第2波長のみに限らず、第2波長周辺の波長領域(「第2波長領域」ともいう)の光が含まれてもよい。第2波長領域は、赤に対応する波長領域(波長帯)であってもよい。
また、例えば、図4に示す3つの発光素子121のうち、第1種の発光素子121及び第2種の発光素子121以外の1つの発光素子121(「第3種の発光素子121」ともいう)は、3つの発光素子121のうち最も長い波長(「第3波長」ともいう)の光を照射する。例えば、第3種の発光素子121は、870nmの波長の光を照射する。なお、第3種の発光素子121が照射する光は、第3波長のみに限らず、第3波長周辺の波長領域(「第3波長領域」ともいう)の光が含まれてもよい。第3波長領域は、赤外線(例えば近赤外線)に対応する波長領域(波長帯)であってもよい。
なお、上述した第1波長、第2波長、及び第3波長の各々の具体的な数値は一例であり、各波長は、これに限定されるものではない。また、上述した第1波長領域、第2波長領域、及び第3波長領域の各々の具体的な数値は一例であり、各波長領域は、これに限定されるものではない。例えば、第1波長、第2波長、及び第3波長は、上述したように第1波長が最も短く、かつ第3波長が最も長いという関係(すなわち、第1波長<第2波長<第3波長)を満たせば、任意の波長が採用可能である。このように、第1波長、第2波長、及び第3波長のうち、第1波長が最も短く、第3波長が最も長ければ、第1波長、第2波長、及び第3波長は、任意の波長が採用可能である。第1種の発光素子121、第2種の発光素子121、及び第3種の発光素子121を特に区別せずに説明する場合は、発光素子121と記載する場合がある。
上述した例では、第1種の発光素子121、第2種の発光素子121、及び第3種の発光素子121が各々1つである場合を一例として説明したが、第1種の発光素子121、第2種の発光素子121、及び第3種の発光素子121の各々は、複数設けられてもよい。例えば、発光部120は、複数の第1種の発光素子121を有してもよいし、複数の第2種の発光素子121を有してもよいし、複数の第3種の発光素子121を有してもよい。すなわち、発光部120は、第1種の発光素子121、第2種の発光素子121、第3種の発光素子121の各々を少なくとも1つ以上有すれば、任意の数(例えば3つ以上)の発光素子121を有してもよい。
受光部130は、光を受光する。受光部130は、受光レンズとしてのレンズ131や光を受光する受光素子132を有する。例えば、受光部130は、発光部120により照射された光に対する物体からの反射光を受光する。例えば、受光部130は、落下中の排泄物(大便)等からの反射光を受光する。なお、受光部130は、大便に限らず様々な物体からの反射光を受光する。
例えば、受光素子132は、ラインセンサである。例えば、受光素子132は、CCD(Charge Coupled Device)センサ、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサが一列に並べられたラインセンサである。なお、受光素子132は、ラインセンサ(一次元のイメージセンサ)に限らず、エリアセンサ(二次元のイメージセンサ)等の各種のセンサが用いられてもよい。
ここで、コントローラ101の構成の一例について説明する。例えば、コントローラ101は、制御に関する演算を実行する演算部(例えば演算処理装置)や記憶部(例えば後述するメモリ)等の各種の構成を有してもよい。例えば、演算処理装置は、CPUやMPUやASIC等のプロセッサや、FPGA等の集積回路等の種々の手段により実現される。以下では、コントローラ101がADConverter、演算処理装置やROM(Read Only Memory)及びメモリを有する場合を一例として説明する。
ADConverterは、いわゆるA/Dコンバータ(アナログ-デジタル変換回路)であり、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換の機能を有する。ADConverterは、アナログ-デジタル変換回路であってもよい。例えば、ADConverterは、受光部130が受光(検知)したアナログデータをデジタルデータに変換する。ADConverterは、アナログデータのうち、所定の範囲のデータを削除したアナログデータをデジタルデータに変換してもよい。例えば、ADConverterは、予め設定された範囲(例えば中央の所定の範囲)の画素に対応するデータだけを残し、残りの範囲の画素に対応するデータを削除してもよい。なお、受光素子132に排泄物検知用に画素数等が設定されたラインセンサ等の専用のセンサが用いられる場合、ADConverterは、所定の範囲のデータの削除を行うことなく、アナログデータ全体をデジタルデータに変換する。
演算処理装置は、CPUやマイコン等の種々の手段により実現され、各種の処理を実行する。例えば、演算処理装置は、ADConverterにより変換されたデジタルデータを用いた各種処理を実行する。演算処理装置は、ROMに記憶されたプログラム(例えば物体判定プログラムや排泄物判定プログラム等の検知処理に関連する各種プログラム)により各種処理を実行する。例えば、演算処理装置は、ROMに記憶されたプログラムが演算処理装置内の一時的に使用される記憶領域等を作業領域として実行されることにより実現される。
演算処理装置は、データを解析する。演算処理装置は、メモリに一時的に記憶されたデータを解析する。演算処理装置は、メモリへの受光部130が受光したデータの転送、メモリに記憶されたデータの解析及び削除を実行する。
ROMは、例えば物体判定プログラムや排泄物判定プログラム等の検知処理に関連する各種プログラムを記憶する。
メモリは、各種データを一時的に格納する内部メモリ(記憶装置)である。メモリは、受光部130が受光したデータを記憶する。メモリは、ADConverterにより変換されたデジタルデータを格納する。例えば、メモリは、SRAM(Static Random Access Memory)である。なお、メモリは、SRAMに限らず、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の他のRAM(Random Access Memory)やPROM(Programmable Read Only Memory)等の高速処理が可能なROMが用いられる。
メモリは、演算処理装置による制御に応じて、データを格納する。例えば、メモリには、96キロバイトや512キロバイト等の記憶容量の記憶装置が用いられる。メモリに一時的に記憶される受光部130が受光したデータには、受光部130により検知された生データ(アナログデータ)や、A/D変換されることによって加工されたデータ(デジタルデータ)が含まれる。
<4.センサユニットの構成例>
ここから、センサユニットの各種の構成について図5を参照して説明する。なお、発光部120及び受光部130を含めセンサユニット100の各種構成は、図5に限らず、所望の検知が可能な構成であれば、どのような構成が採用されてもよい。図5は、センサユニットの構成の一例を示す図である。
センサユニット100の前方側に蓋部開閉機構102及びセンサヘッド110が配置される。図5の例では、コントローラ101の前方に、蓋部開閉機構102及びセンサヘッド110が配置される。また、発光部120及び受光部130は、筐体部111により支持される。筐体部111は、透明ではない素材で形成される。筐体部111は、発光部120や受光部130を支持可能であれば、種々の材料により形成されてもよい。
図5に示す例では、筐体部111は、筐体部111の一面(以下「前面」ともいう)側に発光部120や受光部130が光学的に露出するように、発光部120や受光部130を支持する。例えば、筐体部111は、発光部120のレンズ122や受光部130のレンズ131が光学的に露出するように、発光部120や受光部130を支持する。
筐体部111は、発光部120と、受光部130とを前面側に露出させる態様で、発光部120と、受光部130とを格納するケースである。筐体部111は、発光部120の発光面を前面側に臨む向きで発光部120を格納する。筐体部111は、受光部130の受光面を前面側に臨む向きで受光部130を格納する。透明窓112は、筐体部111の前面側に設けられる透明な窓である。
発光部120の各発光素子121は、筐体部111の前面側へ光を照射し、受光部130は、筐体部111の前面側からの光を受光する。例えば、発光部120や受光部130は、筐体部111の前面とは反対面(背面)側で電源装置(図示省略)に接続され、電力が供給される。
図5の例では、発光部120は、4個の発光素子121-1、121-2、121-3、121-4とレンズ122とを有する。図5では、レンズ122は、複数の発光素子121の前に設けられるシリンドリカルレンズである。なお、図5に示すレンズ122は一例に過ぎず、レンズ122は、所望の集光が可能であれば、どのような光学部材であってもよい。
以下では、発光素子121-1、121-2、121-3、121-4等について、特に区別して説明を行う場合以外は、「発光素子121」と記載する。例えば、発光素子121は、LED(Light Emitting Diode)である。なお、発光素子121は、LEDに限らず、種々の素子が用いられてもよい。なお、4個の発光素子121は例示に過ぎず、発光素子121の数は所望の光を照射可能であれば、4個に限られない。図5では、4個の発光素子121は、基板113に配置される。
例えば、発光素子121-1は第1種の発光素子121であり、発光素子121-2、121-3は、第2種の発光素子121であり、発光素子121-4は、第3種の発光素子121であってもよい。なお、上記は一例に過ぎず、第1種の発光素子121、第2種の発光素子121、第3種の発光素子121の各々が少なくとも1つ以上あれば、どのような数の組合せであってもよい。
受光部130は、レンズ131と、ラインセンサである受光素子132とを有する。前面側から見た場合、受光素子132は、レンズ131の奥(後方)に位置する。例えば、受光素子132は、発光素子121と共通の基板113に配置されてもよい。
<5.使用者と機器の動作の関係>
ここで、トイレルームRを使用する人(使用者)と機器の動作の関係の一例について、図6を用いて説明する。図6は、使用者と機器の動作の関係の一例を示す図である。蓋部103は、蓋部開閉機構102の駆動により、開放状態と閉鎖状態との間を遷移する。なお、図6においては、機器の動作に応じて、蓋部103-1~103-6として説明するが、特に区別して説明を行う場合以外は、単に「蓋部103」とする。
まず、図6では、トイレルームRを使用する使用者が便座5へ着座することにより、便座装置2は、人の着座を検知する。なお、この段階では、蓋部103は、図6の蓋部103-1に示すように閉鎖状態である。
その後、トイレルームRの使用者が個人認証を行うこと等により、撮影に合意した場合、便座装置2は、蓋部103を開き、便落下検知待ちを開始する。この段階では、蓋部103は、図6の蓋部103-2に示すように開放状態に遷移する。
その後、トイレルームRの使用者が排便を行った場合、便座装置2は、便落下を検知し、測定を開始する。測定は、例えば、10秒間継続する。この段階、すなわち測定の期間では、蓋部103は、図6の蓋部103-3に示すように開放状態を維持し、便器7内(ボウル部8)に光が照射される。測定後は、便検知落下待ちを再開する。この段階では、便器7内(ボウル部8)への光の照射は停止し、蓋部103は、図6の蓋部103-2に示すように開放状態を維持する。
また、トイレルームRの使用者がおしり洗浄を開始した場合、便座装置2は、蓋部103を閉じ、洗浄ノズル6を使用中にして、洗浄ノズル6による洗浄を開始する。この段階、すなわち洗浄ノズル6の使用中の期間では、蓋部103は、図6の蓋部103-4に示すように閉鎖状態となる。
また、トイレルームRの使用者がおしり洗浄を終了した場合、便座装置2は、蓋部103を開き、便落下検知待ちを開始する。この段階では、蓋部103は、図6の蓋部103-5に示すように開放状態に遷移する。
また、トイレルームRを使用する使用者が便座5から離座することにより、便座装置2は、人の離座を検知する。そして、便座装置2は、蓋部103を閉じ、便落下検知待ちを終了する。この段階では、蓋部103は、図6の蓋部103-6に示すように閉鎖状態に遷移する。そして、便座装置2は、データの転送及び解析を開始する。なお、上述した処理の流れは一例に過ぎず、トイレルームRを使用する人(使用者)と機器の動作の関係は上記に限られない。例えば、トイレルームRの使用者が数回排便(複数回の排便)をする場合に備え、便座装置2は、便落下を、最大3回検知、測定するように設定する。例えば、トイレルームRを使用する使用者が便座5から離座する前に、3回の測定が終わった場合、その時点で蓋部103を閉じ、便落下検知待ちを終了し、データの転送及び解析を実行してもよい。
なお、図6の例では、蓋部103は、本体カバー30の開口31の上端に隣接する一端部側を軸として、本体カバー30に対して開閉動作を行い、上下方向に開閉動作を行うが、蓋部103の構成は図6の例に限らず、種々の態様であってもよい。例えば、蓋部103は、本体カバー30の開口31の上端側の設けられた収納部に収納される構成であってもよい。例えば、蓋部103は、何枚もの細長い部材を連接したシャッタ(鎧戸)のように構成されてもよい。また、例えば、蓋部103は、本体カバー30の開口31の横方向の端部に隣接する一端部側を軸として、本体カバー30に対して開閉動作を行い、横方向に開閉動作を行ってもよい。また、例えば、蓋部103は、複数のパーツに分離可能であり、片開きの構成に限らず、両開きの構成であってもよい。
<6.測定処理>
次に、測定処理の具体的動作について図7及び図8を参照して説明する。図7は、測定処理における処理の流れを示す図である。図8は、測定処理におけるタイムチャートの一例を示す図である。まず、図7に示す各要素について説明する。対象物OB1は、検知(測定)対象とする大便排泄物を模式的に示す。また、受光装置PDは、例えばラインセンサ等の受光素子132を有する受光部130である。
また、発光装置LE1は、第1種の発光素子121であり、発光装置LE2は、第2種の発光素子121であり、発光装置LE3は、第3種の発光素子121である。例えば、発光装置LE1は、第1波長の光として、590nmの波長の光を照射する。また、発光装置LE2は、第2波長の光として、670nmの波長の光を照射する。また、発光装置LE3は、第3波長の光として、870nmの波長の光を照射する。なお、波長は一例に過ぎず、上述したように第1波長、第2波長、及び第3波長の関係を満たせば、任意の波長が採用可能である。また、以下では、発光装置LE1~LE3を特に区別せずに説明する場合、「発光装置LE」と記載する場合がある。
図7の例では、落下中の対象物OB1に対して発光装置LEからの光を照射し、受光装置PDによる受光の結果を収集する測定処理の処理を概念的に示す。発光装置LEから対象物OB1へ伸びる点線は、発光装置LEから対象物OB1への光の照射を模式的に示し、対象物OB1から受光装置PDへ伸びる点線は、受光装置PDが受光する対象物OB1からの反射光を模式的に示す。また、対象物OB1に重なる横線は、対応する発光及び受光で検知される対象物OB1の範囲(一次元)を模式的に示す。
以下、図7を参照して測定の処理の流れについて説明する。図7の例では、落下中の対象物OB1に対して発光装置LEからの光を照射し、受光装置PDによる受光の結果を収集する測定処理の処理を概念的に示す。
まず、図7中のステップS1~S3では、測定処理における発光装置LEの発光及び受光装置PDによる受光を示す。ステップS1では、発光装置LE1が第1波長の光を照射し、対象物OB1からの反射光を受光装置PDが受光する。図7の例では、発光装置LE1が590nmの波長の光を照射し、対象物OB1からの反射光を受光装置PDが受光する。
そして、ステップS2では、発光装置LE3が第3波長の光を照射し、対象物OB1からの反射光を受光装置PDが受光する。図7の例では、発光装置LE3が870nmの波長の光を照射し、対象物OB1からの反射光を受光装置PDが受光する。
そして、ステップS3では、発光装置LE2が第2波長の光を照射し、対象物OB1からの反射光を受光装置PDが受光する。図7の例では、発光装置LE2が670nmの波長の光を照射し、対象物OB1からの反射光を受光装置PDが受光する。便座装置2は、所定の期間(例えば10秒間等)が経過するまでステップS1~S3を繰り返し行う。
ここで、上述した処理の流れを、図8のタイムチャートを用いて説明する。図8では、3.3ミリ秒である時間t11から時間t12までの処理(以下「スキャン単位処理」ともいう)を所定の期間(例えば10秒間等)が経過するまで行う。図8中のスキャン単位処理は、図7中のステップS1~S3に対応する。このように、便座装置2は、発光装置LEを順次点灯させ、各光源波長に対する反射輝度データを順繰りに取得する。
図8の波形LN11は、590nmの光の発光有無を示す。波形LN11は、ONの場合(すなわち立ち上がっている状態の場合)、590nmの光の発光が行われ、OFFの場合(すなわち立ち下がっている状態の場合)、590nmの光の発光が行われていないことを示す。図8の波形LN12は、870nmの光の発光有無を示す。波形LN12は、ONの場合、870nmの光の発光が行われ、OFFの場合、870nmの光の発光が行われていないことを示す。図8の波形LN13は、670nmの光の発光有無を示す。波形LN13は、ONの場合、670nmの光の発光が行われ、OFFの場合、670nmの光の発光が行われていないことを示す。
図8の波形LN14は、露光有無を示す。波形LN14は、立ち上がっている状態の場合、露光が行われ、立ち下がっている状態の場合、露光が行われていないことを示す。図8の波形LN15は、A/D変換有無を示す。波形LN15は、立ち上がっている状態の場合、A/D変換が行われ、立ち下がっている状態の場合、A/D変換が行われていないことを示す。
図8の波形LN16は、データ保存有無を示す。波形LN16は、立ち上がっている状態の場合、内部メモリにデータを保存するための処理が行われ、立ち下がっている状態の場合、内部メモリにデータを保存するための処理が行われていないことを示す。
図8に示すように、測定処理では、590nm、670nm、870nmの各々の光に関する発光が行われる。スキャン単位処理では、590nm、670nm、870nmの各々について、1回ずつ発光が行われる。すなわち、測定処理では、発光装置LE1、LE2、LE3の各々が順番に光を照射する。なお、図8は一例に過ぎず、スキャン単位処理での発光の順序は、図8の場合に限らず、任意の順序であってもよい。
また、発光(発光装置LEによる光の照射)に応じて、受光装置PDによる露光が行われる。例えば、受光装置PDは、電子シャッタにより受光素子132(撮像素子)を電子的に制御して露光を行う。なお、上記電子シャッタは一例に過ぎず、受光装置PDは、所望の間隔での露光が可能であれば、どのような手段により露光を行ってもよい。
図8の例では、590nm、870nm、670nmの順序で発光及びそれに対応する露光が行われる。受光装置PDによる露光の後、受光装置PDにより検知されたアナログデータのデジタルデータへの変換(A/D変換)を行う。例えば、便座装置2は、受光装置PDによる露光が完了した後、ADConverterにより、アナログデータをデジタルデータへ変換する。
そして、A/D変換が完了した後、便座装置2は、例えば上述のメモリである内部メモリへデータを保存する。例えば、ADConverterによるアナログデータのデジタルデータへの変換が完了した後、メモリへのデータ転送を開始するように、コントローラ101の演算処理装置が制御される。これにより、発光装置LE3が照射する光に対応するデジタルデータがメモリに格納される。そして、便座装置2は、スキャン単位処理を10秒間繰り返し、データを収集する。
スキャン単位処理の一例を説明する。図8の例では、便座装置2は、まず590nmの発光及びそれに対応する露光を行う。そして、便座装置2は、受光装置PDにより検知された590nmの発光に対応するアナログデータのデジタルデータへの変換(A/D変換)を行う。A/D変換が完了した後、便座装置2は、内部メモリへ590nmのデジタルデータを保存する。
590nmの処理後に、便座装置2は、870nmの発光及びそれに対応する露光を行う。そして、便座装置2は、受光装置PDにより検知された870nmの発光に対応するアナログデータのデジタルデータへの変換(A/D変換)を行う。A/D変換が完了した後、便座装置2は、内部メモリへ870nmのデジタルデータを保存する。
670nmの処理後に、便座装置2は、670nmの発光及びそれに対応する露光を行う。そして、便座装置2は、受光装置PDにより検知された670nmの発光に対応するアナログデータのデジタルデータへの変換(A/D変換)を行う。A/D変換が完了した後、便座装置2は、内部メモリへ670nmのデジタルデータを保存する。その後、10秒間が経過していない場合、便座装置2は、再度スキャン単位処理を繰り返す。
上記のように、測定処理においては、便座装置2は、第1波長(例えば590nm)、第2波長(例えば670nm)、及び第3波長(例えば870nm)の3つの波長の光を順に照射し、データを取得する。すなわち、測定処理においては、便座装置2は、第1種の発光素子121(発光装置LE1)、第2種の発光素子121(発光装置LE2)及び、第3種の発光素子121(発光装置LE3)を順に発光させ、データを取得する。
なお、上記の各モードでの発光波長は一例に過ぎず、任意の発光波長が採用可能であり、便座装置2は、様々な光を照射してもよい。
<7.測定処理のデータ取得方法>
次に測定処理のデータ取得方法の具体的動作について図9を参照して説明する。図9は、データの取得方法の一例を示す図である。なお、図7及び図8で説明した点と同様の点については適宜説明を省略する。
まず、対象物OB1及び受光装置PDについては、図7と同様であるため、説明を省略する。また、発光装置LEは、発光素子121である。なお、図9では、説明を簡単にするために、1つの発光装置LE(発光は1つの波長)である場合を一例として説明する。このように、図9では、発光装置LE1~LE3、すなわち第1種の発光素子121、第2種の発光素子121及び第3種の発光素子121のいずれか1つの発光素子121の発光及び受光によりモノクロ画像のデータ取得される処理を例示として模式的に示す。
図9の例では、シーンSN1は、時間tにおいて、落下中の対象物OB1に対して発光装置LEからの光を照射し、受光装置PDによる受光の処理を概念的に示す。シーンSN1(時間t)において取得されたデータは、二次元画像EIのうち、一次元画像PI1に対応する。すなわち、シーンSN1(時間t)での発光及び受光により、便座装置2は、一次元画像PI1を取得(検知)する。
また、時間tにおいて取得されたデータは、二次元画像EIのうち、一次元画像PI2に対応する。すなわち、時間tでの発光及び受光により、便座装置2は、一次元画像PI2が取得(検知)する。時間tのデータは、時間tのデータの次に取得されたデータである。そのため、便座装置2は、一次元画像PI1に連続させて一次元画像PI2を並べて配置することにより、二次元画像EIを生成する。
また、シーンSNiは、時間tにおいて、落下中の対象物OB1に対して発光装置LEからの光を照射し、受光装置PDによる受光の処理を概念的に示す。シーンSNi(時間t)において取得されたデータは、二次元画像EIのうち、一次元画像PIiに対応する。すなわち、シーンSNi(時間t)での発光及び受光により、便座装置2は、一次元画像PIiを取得(検知)する。
また、シーンSNjは、時間tにおいて、落下中の対象物OB1に対して発光装置LEからの光を照射し、受光装置PDによる受光の処理を概念的に示す。シーンSNj(時間t)において取得されたデータは、二次元画像EIのうち、一次元画像PIjに対応する。すなわち、シーンSNj(時間t)での発光及び受光により、便座装置2は、一次元画像PIjを取得(検知)する。
便座装置2は、一次元画像(受光データ)が取得された時間の順序に沿って一次元画像を並べて配置することにより、二次元画像(便情報)を生成する。図9では、便座装置2は、一次元画像PI1、PI2…、PIi…、PIj…の順に並べて配置することにより、二次元画像EIを生成する。
なお、上述した例では、発光は1波長である場合を一例として説明したが、複数の波長の発光を行う場合、便座装置2は、発光させた波長ごとに経時的に取得したデータ(一次元画像)を時系列で並べて便情報(二次元画像)を生成する。この点について、第1種の発光素子121、第2種の発光素子121及び第3種の発光素子121の各々の発光及び受光を行う場合を一例として説明する。
この場合、便座装置2は、第1種の発光素子121を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時間の順序に沿って並べて配置することにより、第1種の発光素子121に対応する二次元画像を生成する。例えば、便座装置2は、590nm等の第1波長を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時系列で並べることにより、第1波長に対応する便情報(第1の二次元画像)を生成する。
また、便座装置2は、第2種の発光素子121を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時間の順序に沿って並べて配置することにより、第2種の発光素子121に対応する二次元画像を生成する。例えば、便座装置2は、670nm等の第2波長を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時系列で並べることにより、第2波長に対応する便情報(第2の二次元画像)を生成する。
また、便座装置2は、第3種の発光素子121を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時間の順序に沿って並べて配置することにより、第3種の発光素子121に対応する二次元画像を生成する。例えば、便座装置2は、870nm等の第3波長を発光させて得た受光データ(一次元画像)を時系列で並べることにより、第3波長に対応する便情報(第3の二次元画像)を生成する。
このように、便座装置2は、第1種の発光素子121、第2種の発光素子121及び第3種の発光素子121の各々に対応する3つの波長ごとの二次元画像を生成することにより、カラー画像を取得することができる。例えば便座装置2は、上述した第1の二次元画像、第2の二次元画像及び第3の二次元画像を合成することにより、カラー画像を生成してもよい。
<8.データ解析方法>
ここから、図10を用いて、データ解析方法の一例を説明する。図10は、データ解析方法の一例を示す図である。図10では、時系列で複数の検知画像が取得された場合を示す。なお、図10では、検知画像P11、P12、P13の3枚の画像を示すが、検知画像は検知回数に応じた枚数であってもよい。
検知画像P11は、最初(1回目)の検知で取得された検知画像を示す。具体的には、検知画像P11は、使用者の最初の排便行為で排出された便に対応する対象物OB11及び対象物OB12の2つの物体が含まれる。
検知画像P12は、2回目の検知で取得された検知画像を示す。具体的には、検知画像P12は、使用者の2回目の排便行為で排出された便に対応する対象物OB21と、尿に対応する対象物OB22の2つの物体が含まれる。
検知画像P13は、最後(3回目)の検知で取得された検知画像を示す。具体的には、検知画像P13は、使用者の最後の排便行為で排出された便に対応する対象物OB31と、トイレットペーパーに対応する対象物OB32の2つの物体が含まれる。なお、3回よりも多い回数検知を行う場合は、4回以上検知が行われてもよい。
便座装置2は、検知画像P11、P12、P13等の検知画像を解析することにより、便に関する情報を生成する。例えば、便座装置2は、検知画像P11、P12、P13等の検知画像を解析し、便の外周部(端部、輪郭)を検出することにより、便の情報を取得する。これにより、便座装置2は、検知画像から便以外を除いた便画像を生成する。図10では、便座装置2は、検知画像P11、P12、P13の各々から便以外を除いた便画像P21、P22、P23を生成する。
便座装置2は、検知画像P11に含まれる2つの便の各々に対応する対象物OB11及び対象物OB12の外周部を検出した便画像P21を生成する。また、便座装置2は、検知画像P12に含まれる2つの対象物OB21、OB22のうち、便以外の対象物OB22を除き、便に対応する対象物OB21の外周部を検出した便画像P22を生成する。また、便座装置2は、検知画像P13に含まれる2つの対象物OB31、OB32のうち、便以外の対象物OB32を除き、便に対応する対象物OB31の外周部を検出した便画像P23を生成する。
便座装置2は、便画像P21、P22、P23等の便画像を解析することにより、各種の情報を生成する。例えば、便座装置2は、便画像P21、P22、P23等の便画像に含まれる便の画像を用いて、特徴を数値化する。図10では、便座装置2は、長さ(高さ)、太さ(幅)、便の数、しわの画素の数、及び各色成分の輝度等の特徴FTを数値化した情報(「特徴情報」ともいう)を生成する。例えば、便座装置2は、対象物OB11、対象物OB12、対象物OB21及び対象物OB31の各便の長さ及び幅を含む特徴情報を生成する。例えば、便座装置2は、対象物OB11、対象物OB12、各便に対応する画素の情報を用いて、各便の長さ及び幅を含む特徴情報を生成する。また、図10では、便座装置2は、対象物OB11、対象物OB12、対象物OB21及び対象物OB31が便であるため、便の数が4個であることを示す特徴情報を生成する。
便座装置2は、生成した特徴情報を用いた計算(演算)により、便の性状を示すデータを生成する。例えば、便座装置2は、便の形、便の量、便の色、及び血液付着等の便性状を示す情報(「便性状情報」ともいう)を生成する。図10では、便座装置2は、例えば、7段階で分類される便の形、3段階で分類される便の量、6段階で分類される便の色、及び赤に見えるか否かを示す血液付着等の便性状を示す便性状情報DTを生成する。例えば、便の形は、ブリストルスケールに基づく7種類の分類であってもよい。例えば、便の形は、コロコロ、カチカチ、ひび割れ、バナナ状、やわらか、泥状、及び水状の7種類(段階)の分類であってもよい。例えば、便の量は、少(小)、中、多(大)の3種類(段階)の分類であってもよい。例えば、便の色は、黄、薄黄土、黄土、茶、焦げ茶、濃いこげ茶の6種類(段階)の分類であってもよい。
便座装置2は、センサによる検知結果から便の性状を判定する。便座装置2は、光学的な手法により便の性状を検知する種々の技術を適宜用いて、使用者の便の性状を判定する。便座装置2は、便画像に基づいて、その便画像に対応する便の性状を判定する。例えば、便座装置2は、便画像を用いて、その便画像に対応する形、量、色等の便の性状を判定する。例えば、便座装置2は、便画像から抽出した各種の特徴を用いて、その便画像に対応する形、量、色等の便の性状を判定する。例えば、便座装置2は、四則演算を用いた演算処理に基づくデータ解析により便の性状を判定する。例えば、便座装置2は、便画像から抽出した各種の特徴を示す値と閾値との比較結果に応じて、その便画像に対応する形、量、色、血液付着等を分類する。
便座装置2は、上述した便の性状を示す情報が生成可能であれば、どのような処理により、便の性状を判定してもよい。例えば、便座装置2は、AI(人工知能)に関する技術を用いて便の性状を判定してもよい。例えば、便座装置2は、機械学習により生成された学習モデル(性状判定モデル)を用いて、便の性状を判定してもよい。この場合、性状判定モデルは、事前に分類判断を示す教師データにより学習される。この教師データには、便画像と、その便画像に含まれる塊(便)の性状(形、量、色等)を示すラベル(正解情報)との組合せを複数含む。例えば、性状判定モデルは、便画像を入力とし、入力された便画像に含まれる塊(便)の性状(形、量、色等)を示す情報を出力するモデルである。例えば、性状判定モデルは、便画像が入力された場合に、入力された便画像に対応するラベル(便の性状)の情報を出力するように学習される。性状判定モデルの学習は、いわゆる教師あり学習に関する種々の手法を適宜用いて行われる。この場合、性状判定モデルは記憶部に格納され、便座装置2は、記憶部に格納された性状判定モデルを用いて、便の性状を判定してもよい。例えば、便座装置2が学習処理を行い、性状判定モデルを生成してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、便座装置2は、様々な情報を適宜用いて、便の性状を判定してもよい。
<9.2点検知に基づく処理>
以下では、高さ方向に異なる2点検知に基づく処理及びその処理を実現するための構成について説明する。なお、上述した内容と同様の点については同じ符号を付し説明を省略し、2点検知に関連する点について主に記載する。
<9-1.2点検知の概要>
まず、図11を用いて、2点検知に関する構成概要の一例について説明する。図11は、高さ方向に異なる2点の検知を示す概念図である。
受光素子は、光電変換の単位ユニットである受光画素が1つ以上配列された構成である。複数の受光画素が二次元に配置されたエリアセンサや直線状に配置されたラインセンサ、受光画素1つで構成されるフォトダイオードなどがある。受光画素の大きさは、エリアセンサでは1~5μm、ラインセンサでは5~20μm程度が一般的である。受光素子(受光画素)の検知範囲は、受光画素の大きさとのレンズの特性(倍率)によって決まる。例えば、1つの受光画素が受光する範囲(画像中の1画素の範囲)が、仮想落下位置(ボウル部内において便が落下する範囲)の大便の1mm×1mmの範囲に相当するように受光部(受光素子とレンズ)を設定する。つまり、1つの受光画素は、大便の1mm×1mmの範囲の反射光を受け取るように設定する。例えば、受光部に対して仮想落下位置の横方向(左右方向)の範囲が100mmの場合、受光画素を横方向に100個並べれば、仮想落下位置の横方向の全範囲の反射光を受光できる。仮想落下位置のどの位置に大便が落下しても、反射光を漏れなく受光できる。受光画素が反射光を受け取る範囲は、1mm×1mmのように縦(高さ)方向と横(左右)方向で同じ長さにせず、縦方向、あるいは横方向のどちらかが長くてもよい。
図11に示すように、便座装置2は、ボウル部8内に落下する大便の高さ方向に異なる2点を検知するように構成される。具体的には、便座装置2のセンサヘッド110は、図11中の落下便VFの第1高さ位置FPと、第1高さ位置FPよりも下方に位置する第2高さ位置SPとの高さ方向に異なる2点を検知するように受光部を配置する。図11中の落下便VFは、仮想落下位置を落下する便を模式的に示す。第1高さ位置FPと第2高さ位置SPとの間の距離DEは、落下便の十分な測定が可能になるように設定される。ここで、落下便の速度は様々な速度であり、速い場合、1m/秒程度の速度となる。そのため、距離DEは、どんな速度の便でも十分な測定が可能になるように設定される。例えば、距離DEは、10mmに設定される。なお、10mmは一例に過ぎず、距離DEは、落下便の十分な測定が可能であれば、10mmより大きい値に設定されてもよいし、10mmより小さい値に設定されてもよい。仮想落下位置における第1高さ位置FPと第2高さ位置SPとの間の距離DEは、受光素子の配置とレンズの特性によって設定する。
また、仮想落下位置は、任意の位置(範囲)が設定可能である。例えば、仮想落下位置は、便座5の平面視における便座5の開口50の範囲内の任意の位置であってもよい。なお、以下に示すように、仮想落下位置は開口50の範囲の中心の位置であってもよい。例えば、仮想落下位置は、便座5の開口50の中心から後方にずれた位置であってもよい。例えば、仮想落下位置は、便座5の開口50の中心から数mmまたは数cm後方の位置であってもよい。なお、上述した仮想落下位置は一例に過ぎず、2点間の距離を算出可能であれば、どのような情報であってもよい。
便座装置2は、受光素子132によって高さ方向に異なる2点において所定時間間隔で落下便を検知し、2点間における落下便の検知有無から、落下便の落下速度を算出する。そして、便座装置2は、落下速度と、落下便を検知している時間とに基づいて、落下便の長さまたは量を推定する。例えば、便座装置2は、落下速度と、落下便を検知している時間とを乗算することにより算出した値を、落下便の長さとして推定する。そして、便座装置2は、推定した便の長さと、便画像から推定される便の幅とに基づいて、落下便の量を推定する。便座装置2は、便の長さと幅とを乗算することにより算出した値を、落下便の量として推定する。推定する長さや量は、例えば、100mm(長さ)、100g(重さ)、100mL(体積)のような数値でもよいし、短い、中程度、長いや、少ない、中程度、多い、のような多段階での推定でもよい。例えば、上述した落下便の落下速度の算出及び落下便の長さまたは量の推定は、便座装置2のコントローラ101または制御部34が行ってもよい。
便座装置2は、第1高さ位置FPにおける落下便の検知開始と、第2高さ位置SPの点における落下便の検知開始とから、落下便の落下速度を算出する。例えば、便座装置2は、第1高さ位置FPにおける落下便の検知開始した時点である第1の時点と、第2高さ位置SPの点における落下便の検知開始した時点である第2の時点との時間差から、落下便の落下速度を算出する。
便の落下速度を検知する方法について図13を用いて説明する。図13に示す第2の構成では、便座装置2の受光部130は、第1受光素子132-1及び第2受光素子132-2との2つの受光素子132と、受光レンズである第1レンズ131-1及び受光レンズである第2レンズ131-2の2つのレンズ131とを有する。すなわち、第2の構成では、第1受光素子132-1に対して第1レンズ131-1が設けられ、第2受光素子132-2に対して第2レンズ131-2が設けられる構成例を示す。なお、以下では、第1レンズ131-1と第2レンズ131-2とを特に区別して説明を行う場合以外は、「レンズ131」と記載する。第1受光素子132-1及び第2受光素子132-2は、受光画素が直線状に並んだラインセンサである。
図13に示すように、第2の構成の便座装置2では、第1受光素子132-1と第2受光素子132-2とが、高さ方向に異なる位置に配置される。また、第2の構成の便座装置2では、第1レンズ131-1と第2レンズ131-2とが、高さ方向に異なる位置に配置される。第1レンズ131-1は、第1受光素子132-1に対応する位置に配置され、第2レンズ131-2は、第2受光素子132-2に対応する位置に配置される。具体的には、第2レンズ131-2よりも第1レンズ131-1の方が上方に配置される。上方に配置される第1受光素子132-1及び第1レンズ131-1は、第1高さ位置FPを通過する大便を検知する。下方に配置される第2受光素子132-2及び第2レンズ131-2は、第2高さ位置SPを通過する大便を検知する。大便は上から下に移動(落下)する。つまり、大便は、第1高さ位置FPを通過した後、第2高さ位置SPを通過する。第1高さ位置FPを検知する第1受光素子132-1が先に大便を検知し始め、所定時間経過後に、第2高さ位置SPを検知する第2受光素子132-2が大便をし始める。同じ時刻においては、第2高さ位置SPを検知する第2受光素子132-2は大便の先に排泄された部分(大便の下方)を、第1高さ位置FPを検知する第1受光素子132-1は、大便の後に排泄された部分(大便の上方)を検知する。
ここで、図17を用いて、便の落下速度と各高さ位置の通過の時間差との関係を説明する。図17は、便の落下速度と各高さ位置の通過の時間差との関係の一例を示す図である。具体的には、図17は、大便の落下速度(横軸)と、第1高さ位置FPにおいて落下便を検知開始した時点である第1の時点と、第2高さ位置SPの点において落下便を検知開始した時点である第2の時点との時間差(縦軸)とを示す図である。図17は、仮想落下位置における第1高さ位置FPと第2高さ位置SPの間の距離DEが、10mmの場合を示す。例えば、便器装置2では、距離DEを10mmに設定する。例えば、大便が、第1高さ位置FPを通過した100ミリ秒後に、第2高さ位置SPを通過した場合、図17から、大便の落下速度は、0.1m/秒とわかる。すなわち、仮想落下位置における第1高さ位置FPと第2高さ位置SPの間の距離DEと、第1高さ位置FPと第2高さ位置SPの2点間を大便が通過する時間差から、便の落下速度を算出する。大便が落下する速度が速いほど、2点間を大便が通過する時間差は短くなる。距離DEが長いほど、2点間を大便が通過する時間差は長くなる。つまり、距離DEが長いほど、移動速度が速くても測定可能と言える。また移動速度の詳細算出も可能となる。
次に、大便が、第1高さ位置FPと第2高さ位置SPを通過する時間差を、受光素子が第1高さ位置FP、及び第2高さ位置SPで検知したデータから算出する方法を説明する。例えば、受光素子132-1、及び受光素子132-2は、5ミリ秒間隔で便を検知するように制御部を設定する。ここで、図18を用いて、便の落下速度の導出例を説明する。図18は、便の落下速度の導出の一例を示す図である。図18は、同じ時刻において、受光素子132-1が第1高さ位置FPで大便を検知したデータ(画像)(左)と、受光素子132-2が第2高さ位置SPで大便を検知したデータ(右)の模式図である。具体的には、図18は、同じ時刻において、受光素子132-1が第1高さ位置FPで大便を検知したデータである画像IM1と、受光素子132-2が第2高さ位置SPで大便を検知したデータである画像IM2を示す。例えば、時刻t=1(画像の高さ方向の1画素目)において受光素子132-1では大便を検知しているが、受光素子132-2は大便を検知していない。受光素子132-2では、時刻t=20まで大便を検知せず、時刻t=21(画像の高さ方向の21画素目)において、受光素子132-1がt=1において検知した大便のデータ(大便の先端のデータ)と同様のデータを検知する。つまり、大便が第1高さ位置FPを通過した後、第2高さ位置SPを通過するまでの時間差は、画像の高さ方向の20画素分となる。受光素子132-1及び受光素子132-2は、5ミリ秒間隔で便を検知することから、高さ方向の20画素分は、100ミリ秒に相当することがわかる。つまり、2点で取得したデータ(便画像)の高さ方向の違いとデータを取得する時間間隔(サンプリング周期)とを乗算すると2点間を通過する時間差がわかる。2点間を通過する時間差がわかれば、大便の落下速度を算出できる。なお、上述した落下便の落下速度の算出は一例に過ぎず、落下便の落下速度を算出可能であれば、便座装置2は、どのような手法により落下便の落下速度を算出してもよい。
そして、便座装置2は、算出した落下便の落下速度を用いて、落下便の長さまたは量を推定する。例えば、便座装置2は、便画像から得られる情報に基づいて、便の量を推定する。例えば、便座装置2は、便画像における幅方向の画素及び縦方向の画素と、便の落下速度とに基づいて、便の量を推定する。例えば、便座装置2は、落下便の落下速度と、便画像において便の長さを基に落下便の長さを推定する。便座装置2は、便画像での縦(高さ)方向への画素数を基に落下便の長さを推定してもよい。例えば、便座装置2は、便画像を取得する時間間隔(サンプリング周期)と便の落下速度とに基づいて、便画像の一画素に対応する落下方向のサイズ(長さ)を推定する。例えば、便座装置2は、推定した落下方向の長さと、便の横方向のサイズ(幅)に基づいて、便の量を推定する。例えば、便座装置2は、便の落下速度と便画像の縦方向の画素数とに基づいて便の長さを推定する。例えば、便の横(左右)方向のサイズ(幅)と便画像の横方向の画素数とをあらかじめ対応させておき、その対応に基づいて便の幅を推定する。そして、便座装置2は、推定した便の長さ及び幅に基づいて、便の量を推定する。
便の量の推定方法を、図19を使って説明する。図19は、便の量の推定の一例を示す図である。図19は、第1高さ位置FPを通過した大便を受光素子131-1で取得したデータ(便画像)の模式図である。具体的には、図19は、第1高さ位置FPを通過した大便を受光素子131-1で取得したデータである画像IM11を示す。図19では、縦(高さ)方向に平均200画素、横(左右)方向に平均20画素、便が写っている。例えば、便座装置2は、画像IM11中の1画素の検知範囲を、仮想落下位置における大便の1mm×1mmに相当するように受光部を設定し、5ミリ秒間隔でデータを取得するように制御部を設定する。例えば、第1高さ位置FP、及び第2高さ位置SPで大便を検知した時間差から、大便の落下速度を0.1m/秒と推定した場合、縦方向の1画素は、仮想落下位置における大便の0.5mmに相当するとサンプリング周期と落下速度から算出できる。横方向の1画素は、大便の1mmに相当すると受光部の設定から算出できる。これにより、大便の長さは100mm、幅(直径)は20mmと推定できる。センサ方向から見た面積は、2000mm(=100mm×20mm)、体積は、10000πmm(=100mm×20mm^2π/4)と推定できる。また、便の比重を乗算して、便の重さも推定できる。便の比重は、一定(例えば1)でもよいし、形状ごとにあらかじめ設定しておき、画像から推定、あるいは使用者が入力した便の形状を利用して導出してもよい。なお、第2高さ位置SPを通過した大便を受光素子131-2のデータでも同様の推定ができる。第1高さ位置FP、第2高さ位置SP以外の第3の高さ位置で取得したデータでも同様の推定ができる。
また、例えば、便座装置2は、落下便の落下速度と、便画像において便の幅を基に落下便の量を推定する。便座装置2は、便画像での横方向への画素数を基に落下便の幅を推定し、推定した幅と落下速度とを用いて、落下便の量を推定してもよい。また、便座装置2は、推定した便の長さを基に落下便の量を推定してもよい。
例えば、便座装置2は、推定した便の長さを基に落下便の量を推定してもよい。便座装置2は、便の長さと便の量との関係を示す関数を用いて、便の長さを基に落下便の量を推定してもよい。例えば、便座装置2は、便の長さを入力として、便の量を出力する関数を用いて、便の長さを基に落下便の量を推定してもよい。
例えば、便座装置2は、便の落下方向(長さ方向)の長さを示す第1パラメータと、便の横方向(幅方向)の幅を示す第2パラメータとを用いて便の量を推定してもよい。例えば、便座装置2は、便の幅を示す第2パラメータについては、長さ方向にわたっての平均(値)を用いてもよい。そして、便座装置2は、便の長さ方向にわたっての幅の平均(値)を第2パラメータとして便の量(センサ方向からの見た面積(投影面積)や体積)を推定してもよい。例えば、便座装置2は、便の落下方向(長さ方向)を所定間隔(例えば10画素)ごとに区切り、所定間隔での便の幅の平均値を算出し、所定間隔の長さと掛け合わせた値(所定間隔ごとの面積)を、積算して量(投影面積や体積)として推定してもよい。
なお、上述した落下便の長さまたは量の推定は一例に過ぎず、落下便の長さまたは量を推定可能であれば、便座装置2は、どのような手法により落下便の長さまたは量を推定してもよい。例えば、便座装置2は、便の落下速度を入力として、便の量を出力する関数を用いて、便の落下速度を基に落下便の量を推定してもよい。また、例えば、便座装置2は、便画像における便が含まれる領域の画素数をカウントし、カウントした画素数により便の量を推定してもよい。
また、便座装置2は、落下便の検知終了の情報を用いて、落下便の落下速度を算出する。例えば、便座装置2は、第1高さ位置FPにおける落下便の検知開始と、第2高さ位置SPの点における落下便の検知開始との時間差から、落下便の第1落下速度を算出する。また、便座装置2は、第1高さ位置FPにおける落下便の検知終了と、第2高さ位置SPの点における落下便の検知終了との時間差から、落下便の第2落下速度を算出する。
そして、便座装置2は、第1落下速度と前記第2落下速度とから合成速度を算出する。例えば、便座装置2は、第1落下速度と前記第2落下速度との平均を合成速度として算出する。そして、便座装置2は、算出した合成速度を落下便の落下速度として用いて、落下便の長さまたは量を推定する。また、落下便の検知開始や検知終了の情報に限らず、大便の中の特徴的な模様(例えば表面のしわや未消化物など)の情報を用いて、便の落下速度を算出してもよい。例えば、落下便の検知開始と検知終了と大便の中の特徴的な模様1点の合計3点で落下速度を検知した場合、各点での検知速度と、大便における3点の位置を関数にして、合計速度として算出してもよい。3点以上で合成速度を算出してもよい。
<9-2.2点検知を行う構成例>
ここから、図12~図16を用いて、高さ方向に異なる2点検知を行うための構成例について説明する。具体的には、図12~図16を用いて、第1の構成から第5の構成までの高さ方向に異なる2点検知を行う便座装置2の受光部130の構成例について説明する。
<9-2-1.第1の構成>
まず、図12を用いて2点検知を行う構成の一例である第1の構成を説明する。図12は、2点検知を行う受光部130の第1の構成を示す図である。なお、上述した内容と同様の点については、同じ符号を付すこと等により適宜説明を省略する。
図12に示す第1の構成では、便座装置2の受光部130は、ラインセンサである第1受光素子132-1及びラインセンサである第2受光素子132-2との2つの受光素子132と1つのレンズ131とを有する。すなわち、第1の構成では、第1受光素子132-1と第2受光素子132-2との2つの受光素子132に対して1つのレンズ131が設けられる構成例を示す。なお、以下では、第1受光素子132-1と第2受光素子132-2とを特に区別して説明を行う場合以外は、「受光素子132」と記載する。
第1受光素子132-1と第2受光素子132-2とは、各々が基板113上の項となる位置に配置される。図12に示すように、第1の構成の便座装置2では、第1受光素子132-1と第2受光素子132-2とが、高さ方向に異なる位置に配置される。具体的には、第2受光素子132-2よりも第1受光素子132-1の方が下方に配置される。第1の構成の便座装置2は、第2受光素子132-1とレンズ131とにより第1高さ位置FPを検知し、第1受光素子132-2とレンズ131とにより第2高さ位置SPを検知する。このように、第1の構成の便座装置2は、第1受光素子132-1及び第2受光素子132-2の2つの受光素子132と、1つのレンズ131とにより、第1高さ位置FPと第2高さ位置SPとの高さ方向に異なる2点を検知する。図12では、受光素子132-1と受光素子132-2を離して示したが、隣り合って配置してもよい。つまり、縦方向に2ライン以上あるエリアセンサを利用してもよい。
<9-2-2.第2の構成>
次に、図13を用いて2点検知を行う構成の一例である第2の構成を説明する。図13は、2点検知を行う第2の構成を示す図である。なお、上述した内容と同様の点については、同じ符号を付すこと等により適宜説明を省略する。
図13に示す第2の構成では、便座装置2の受光部130は、第1受光素子132-1及び第2受光素子132-2との2つの受光素子132と、受光レンズである第1レンズ131-1及び受光レンズである第2レンズ131-2の2つのレンズ131とを有する。すなわち、第2の構成では、第1受光素子132-1に対して第1レンズ131-1が設けられ、第2受光素子132-2に対して第2レンズ131-2が設けられる構成例を示す。なお、以下では、第1レンズ131-1と第2レンズ131-2とを特に区別して説明を行う場合以外は、「レンズ131」と記載する。
図13に示すように、第2の構成の便座装置2では、第1受光素子132-1と第2受光素子132-2とが、高さ方向に異なる位置に配置される。また、第2の構成の便座装置2では、第1レンズ131-1と第2レンズ131-2とが、高さ方向に異なる位置に配置される。第1レンズ131-1は、第1受光素子132-1に対応する位置に配置され、第2レンズ131-2は、第2受光素子132-2に対応する位置に配置される。具体的には、第2レンズ131-2よりも第1レンズ131-1の方が上方に配置される。第2の構成の便座装置2は、第1受光素子132-1と第1レンズ131-1とにより第1高さ位置FPを検知し、第2受光素子132-2と第2レンズ131-2とにより第2高さ位置SPを検知する。このように、第2の構成の便座装置2は、第1受光素子132-1及び第2受光素子132-2の2つの受光素子132と、第1レンズ131-1及び第2レンズ131-2の2つのレンズ131とにより、第1高さ位置FPと第2高さ位置SPとの高さ方向に異なる2点を検知する。
<9-2-3.第3の構成>
次に、図14を用いて2点検知を行う構成の一例である第3の構成を説明する。図14は、2点検知を行う第3の構成を示す図である。なお、上述した内容と同様の点については、同じ符号を付すこと等により適宜説明を省略する。例えば、図14に示す第3の構成における構成要素(装置構成)は、図13に示す第2の構成と同様であるため、この点については説明を省略する。
図14に示すように、第3の構成の便座装置2では、第1受光素子132-1及び第2受光素子132-2の2つの受光素子132の検知方向は、それぞれ下方に向いている。図14中の第1受光素子132-1から第1高さ位置FPへ延びる点線が第1受光素子132-1の検知方向である第1検知方向を示す。図14に示すように、第1受光素子132-1の第1検知方向は、下方に向いている。
また、図14中の第2受光素子132-2から第2高さ位置SPへ延びる点線が第2受光素子132-2の検知方向である第2検知方向を示す。図14に示すように、第2受光素子132-2の第2検知方向は、下方に向いている。
<9-2-4.第4の構成>
次に、図15を用いて2点検知を行う構成の一例である第3の構成を説明する。図15は、2点検知を行う第4の構成を示す図である。なお、上述した内容と同様の点については、同じ符号を付すこと等により適宜説明を省略する。例えば、図14に示す第3の構成における構成要素(装置構成)は、図13に示す第2の構成と同様であるため、この点については説明を省略する。
図15に示すように、第4の構成の便座装置2では、第1受光素子132-1及び第2受光素子132-2の2つの受光素子132の検知方向は、それぞれ離れるように向いている。図15中の第1受光素子132-1から第1高さ位置FPへ延びる点線が第1受光素子132-1の検知方向である第1検知方向を示す。また、図15中の第2受光素子132-2から第2高さ位置SPへ延びる点線が第2受光素子132-2の検知方向である第2検知方向を示す。
図15に示すように、第1受光素子132-1の第1検知方向と、第2受光素子132-2の第2検知方向とは、それぞれ離れるように向いている。すなわち、第1受光素子132-1の第1検知方向と、第2受光素子132-2の第2検知方向とは、受光素子132から離れるにつれて、その間の距離を広げる方向に延びる。
なお、図15では、第1受光素子132-1の第1検知方向と、第2受光素子132-2の第2検知方向との各々が下方に向いている場合を一例として図示するが、第1受光素子132-1の第1検知方向及び第2受光素子132-2の第2検知方向は下方に向いていなくてもよい。すなわち、第1受光素子132-1の第1検知方向と、第2受光素子132-2の第2検知方向とがそれぞれ離れるように向いていれば、第1受光素子132-1の第1検知方向と、第2受光素子132-2の第2検知方向との各々がどのような方向に向いていてもよい。第1受光素子132-1の第1検知方向と、第2受光素子132-2の第2検知方向は、レンズの特性で設定してもよいし、受光素子自体(受光素子を配置した基板)を傾けてもよい。
例えば、第1受光素子132-1の第1検知方向が上方を向き、第2受光素子132-2の第2検知方向が水平方向を向いてもよい。また、例えば、第1受光素子132-1の第1検知方向が水平方向を向き、第2受光素子132-2の第2検知方向が下方を向いてもよい。例えば、第1受光素子132-1の第1検知方向が上方を向き、第2受光素子132-2の第2検知方向が下方を向いてもよい。なお、図12~図15のように、受光素子を2つ以上設ける場合、同じ受光素子を2つ以上設けてもよいし、異なる受光素子でもよい。例えば、第1高さ位置FPの便を検知する受光素子はエリアセンサで、第2高さ位置SPの便を検知する受光素子はラインセンサでもよい。また、発光部が照射し大便から反射した光を受光する受光素子はFPあるいはSPの検知のどちらか一方で、もう一方は放射温度計(熱放射による赤外光の受光)でもよい。また、2つの受光素子によるデータ取得は同期したタイミングがあれば、サンプリング周期を異ならせてもよい。例えば、FPあるいはSPのどちらか一方は、画像情報を精密に取得するため、時間間隔を密にしてデータを取得し、もう一方は速度検知できる程度に時間間隔を祖にしてもよい。
<9-2-5.第5の構成>
次に、図16を用いて2点検知を行う構成の一例である第5の構成を説明する。図16は、2点検知を行う第5の構成を示す図である。なお、上述した内容と同様の点については、同じ符号を付すこと等により適宜説明を省略する。また、上述した例までは、符号「132」が付された構成を受光素子と表現してきたが、画素の配置の性状から以降ではラインセンサと称する。
第5の構成の便座装置2は、高さ方向に交差する方向(「幅方向」ともいう)に、受光素子を複数配置し、第1高さ位置FP及び第2高さ位置SPの各々に対応するレンズと、複数の受光素子とにより、第1高さ位置FP及び第2高さ位置SPの2点を検知する。なお、第5の構成では、上述では受光素子132と記載したラインセンサにおける各受光素子の各々を受光素子とするため、以下ではラインセンサ132と記載し、そのラインセンサ132を構成する複数の受光素子の各々を受光素子と記載する。
第5の構成では、基板113上において、高さ方向に交差し、基板113の前面に沿う方向である幅方向にラインセンサ132が配置される。これにより、第5の構成では、ラインセンサ132に含まれる複数の受光素子が高さ方向に交差する幅方向に沿って配置される。
このように、図16に示す第5の構成では、便座装置2の受光部130は、複数の受光素子を含むラインセンサ132と、第1レンズ131-1及び第2レンズ131-2の2つのレンズ131とを有する。第5の構成の便座装置2では、第1レンズ131-1と第2レンズ131-2とが、幅方向に異なる位置に配置される。第1レンズ131-1は、ラインセンサ132中の複数の受光素子のうち、ラインセンサ132の幅方向の中央から一方側の受光素子(「一方の受光素子」ともいう)に対応する位置に配置される。ラインセンサ132から落下便VFに臨む側を前とした場合、一方の受光素子は、ラインセンサ132の幅方向の中央から左側(紙面上では右側)の受光素子に対応する。また、第2レンズ131-2は、ラインセンサ132中の複数の受光素子のうち、ラインセンサ132の幅方向の中央から他方側の受光素子(「他方の受光素子」ともいう)に対応する位置に配置される。ラインセンサ132から落下便VFに臨む側を前とした場合、他方の受光素子は、ラインセンサ132の幅方向の中央から右側(紙面上では左側)の受光素子に対応する。
図16に示す第5の構成では、第1レンズ131-1と第2レンズ131-2とは、幅方向に並べて配置され、ラインセンサ132から見た場合、第2レンズ131-2よりも第1レンズ131-1の方が左側(紙面上では右側)に配置される。第5の構成の便座装置2は、ラインセンサ132に含まれる一方の受光素子と第1レンズ131-1とにより第1高さ位置FPを検知し、ラインセンサ132に含まれる一方の受光素子と第2レンズ131-2とにより第2高さ位置SPを検知する。このように、第5の構成の便座装置2は、ラインセンサ132に含まれる複数の受光素子と、第1レンズ131-1及び第2レンズ131-2の2つのレンズ131とにより、第1高さ位置FPと第2高さ位置SPとの高さ方向に異なる2点を検知する。なお、図16では、複数の受光素子を含むラインセンサ132を1つに構成した形状としたが、レンズ131-1とレンズ131-2に対応するラインセンサ(例えば、ラインセンサ132-1、ラインセンサ132-2等の複数のラインセンサ)をそれぞれ別に設けてもよい。すなわち、ラインセンサを横(左右方向)に複数設けてもよい。
なお、上述してきた各実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
R トイレルーム
1 情報処理システム
2 便座装置
3 本体部
30 本体カバー
31 開口
32 人体検知センサ
33 着座検知センサ
34 制御部(制御装置)
4 便蓋
5 便座
6 洗浄ノズル
60 ノズル用蓋
7 洋式大便器(便器)
71 電磁弁
8 ボウル部
9 リム部
10 操作装置
11 表示画面
100 センサユニット
101 コントローラ(制御部)
102 蓋部開閉機構
103 蓋部
110 センサヘッド(検知部)
120 発光部
121 発光素子
122 レンズ
130 受光部
131 レンズ
132 受光素子(ラインセンサ)
200 ユーザ端末(表示器)
400 サーバ装置(クラウド)

Claims (9)

  1. 排泄物を受けるボウル部が形成された大便器の上部に載置され、落下している便である落下便の情報を検知する便座装置であって、
    光を照射する発光素子と、
    光を受光する受光素子と、
    を有し、
    前記受光素子により高さ方向に異なる2点を検知し、前記2点における前記落下便の検知有無から、前記落下便の落下速度を算出し、
    前記落下速度と、前記落下便を検知している時間とに基づいて、前記落下便の長さまたは量を推定する
    ことを特徴とする便座装置。
  2. 前記高さ方向に受光素子が2つ配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の便座装置。
  3. 前記2つの受光素子の検知方向は、それぞれ離れるように向いている
    ことを特徴とする請求項2に記載の便座装置。
  4. 前記2つの受光素子の検知方向は、それぞれ下方に向いている
    ことを特徴とする請求項3に記載の便座装置。
  5. 前記高さ方向に交差する幅方向に、受光素子を複数配置し、前記2点の各々に対応するレンズと、前記複数の受光素子とにより、前記2点を検知する
    ことを特徴とする請求項1に記載の便座装置。
  6. 前記2点のうち一方の点における前記落下便の検知開始と、前記2点のうち他方の点における前記落下便の検知開始とから算出される第1落下速度を用いて、前記落下便の落下速度を算出する
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の便座装置。
  7. 前記2点の前記一方の点における前記落下便の検知終了と、前記2点の前記他方の点における前記落下便の検知終了とから算出される第2落下速度と、前記第1落下速度とを用いて、前記落下便の長さまたは量を推定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の便座装置。
  8. 前記第1落下速度と前記第2落下速度とから算出される合成速度を用いて、前記落下便の長さまたは量を推定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の便座装置。
  9. 排泄物を受けるボウル部が形成された大便器の上部に便座が載置され、落下している便である落下便の情報を検知する便器装置であって、
    光を照射する発光素子と、
    光を受光する受光素子と、
    を有し、
    前記受光素子により高さ方向に異なる2点を検知し、前記2点における前記落下便の検知有無から、前記落下便の落下速度を算出し、
    前記落下速度と、前記落下便を検知している時間とに基づいて、前記落下便の長さまたは量を推定する
    ことを特徴とする便器装置。
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