JP2023142178A - 木質化粧板、成形品、及びその製造方法 - Google Patents

木質化粧板、成形品、及びその製造方法 Download PDF

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啓史 麻中
Hiroshi Asanaka
和彦 金内
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Abstract

【課題】木質化粧板の積層時における50μm未満の異物による外観不良の発生を抑制できる木質化粧板を提供する。【解決手段】木質化粧板は、木質材と、木質材の一方の面に設けられた、第2接着層と、第1接着層と、保護層と、木質材の他方の面に設けられた、熱可塑性形状追従層と、支持層と、を備え、第1接着層及び第2接着層を含む、少なくとも2層以上の接着層を有し、第1接着層と第2接着層との厚みの合計が50μm以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、外観品質を向上させた木質化粧板に関する。
近年、家電の外装および車載内装分野等における部品やパネル等の表面の加飾手法において、顧客志向の多様化と昨今の本物志向・高品位志向により、幅広いデザイン表現と高品位な意匠性ニーズが高まっている。その中でも、天然木は各分野から強いニーズがあり、加飾素材として積極的に用いられている。天然木のような加飾素材は、外観や手触り感といった素材由来の風合いを利用者に提供することで、意匠性に優れた高級感表現として利用されている。ここでいう加飾素材は、厚みが5mm以下のシート形状の素材を指す。一方で、前述した加飾素材を家電外装や車載内装等に適用する際、製品としての信頼性を担保するために、素材表面に保護層が形成されることが一般的である。
図8に示すように、特許文献1には、樹脂基材1の上に化粧シート11が形成された構成が記載されている。まず、樹脂基材1、補強用板2の上に、第1接着剤3を介して、装飾シート6を積層するとともに加熱プレスを行って中間部材を得る。中間部材における装飾シート6の表面に、第2接着剤7を塗布し、その表面に透明フィルム8を積み重ね、次いで、加熱プレスにより化粧シート11を作製する。化粧シート11を成形型内に配置し、化粧シート11における補強用板側に樹脂をインサート成形する。化粧シート11は、その表面に耐擦傷性向上用の透明なハードコート膜9を有する。
特開平11-983号公報
この従来例では、補強用板2、装飾シート6、第2接着剤7、透明フィルム8、ハードコート膜9を積層し化粧シート11を作製する。補強用板-装飾シート間、透明フィルム-装飾シート間をそれぞれ第1接着剤3、第2接着剤7で貼り合わす。貼り合わせ時に異物が混入し、接着材の膜厚より厚い異物が混入すると、異物を接着剤で巻き込めず異物が露出し、化粧シート11の外観面に気泡が発生し、外観不良となる。
また、大きさ(厚み)50μm以上の異物は目視可能で除去可能だが、50μm未満の異物は目視困難で見落とし、積層後に気泡が発生する恐れがある。
本発明は、上記課題を解決するもので、木質化粧板の積層時における50μm未満の異物による外観不良の発生を抑制できる木質化粧板を提供することを目的とする。
本発明に係る木質化粧板は、木質材と、木質材の一方の面に設けられた、第2接着層と、第1接着層と、保護層と、木質材の他方の面に設けられた、熱可塑性形状追従層と、支持層と、を備え、第1接着層及び第2接着層を含む、少なくとも2層以上の接着層を有し、第1接着層と第2接着層との厚みの合計が50μm以上である。
本開示に係る木質化粧板の構成によれば、接着層の厚みを増やすことにより、異物を接着層で巻き込むことができ、外観の気泡を目立たなくすることが可能になる。
実施の形態1に係る木質化粧板の断面構成を示す分解断面図である。 第1接着層と第2接着層との間に混入した異物を接着層で包み込めず気泡を生じた場合の断面構造を示す断面図である。 図2Aの改善案である、実施の形態1に係る木質化粧板において異物を接着層で包み込む断面構造を示す断面図である。 図2Aの異物(気泡)の存在を示す上面からの写真である。 接着層の凹凸形状の断面図 実施の形態1に係る木質化粧版の製造方法における熱圧着工程前の断面の積層構造を示す分解断面図である。 実施の形態1に係る木質化粧板の製造方法における熱圧着工程時の断面構造を示す断面図である。 実施の形態1に係る木質化粧板の製造方法における熱圧着工程後の断面構造を示す断面図である。 実施の形態2に係る木質化粧板を用いた成形品である加飾部品の断面構造を示す断面図である。 実施の形態3に係る木質化粧板の断面の積層構造を示す分解断面図である。 第1接着層と第2接着層との合計平均膜厚が50μm未満の場合において混入した異物を接着層で包み込めず気泡を生じた場合の断面構造を示す断面図である。 図7-2Aの改善案である、実施の形態3に係る木質化粧板において異物を接着層で包み込む断面構造を示す断面図である。 図7-2Aの異物(気泡)の存在を示す写真である。 実施の形態3に係る木質化粧板における接着層の断面の凹凸形状を示す断面図である。 特許文献1の木質化粧成形品の断面構造を示す断面図である。
第1の態様に係る木質化粧板は、木質材と、木質材の一方の面に設けられた、第2接着層と、第1接着層と、保護層と、木質材の他方の面に設けられた、熱可塑性形状追従層と、支持層と、を備え、第1接着層及び第2接着層を含む、少なくとも2層以上の接着層を有し、第1接着層と第2接着層との厚みの合計が50μm以上である。
上記構成によって、接着層の厚みを増やすことにより、異物を接着層で巻き込め、外観の気泡を目立たなくすることができる。これにより、外観不良のない、木質材本来の触感や外観と工業製品に使用可能な木質化粧板を実現できる。
第2の態様に係る木質化粧板は、上記第1の態様において、第1接着層は、第2接着層よりも厚みがあってもよい。
第3の態様に係る木質化粧板は、上記第1又は第2の態様において、第1接着層のショア硬度が第2接着層のショア硬度よりも低くてもよい。
第4の態様に係る木質化粧板は、上記第1から第3のうちいずれかの態様において、第1接着層または前記第2接着層のいずれかの接着層の対向面と逆側の表面の形状が凹凸形状を有してもよい。
第5の態様に係る木質化粧板は、上記第1から第4のうちいずれかの態様において、保護層の上に剥離層及びベースフィルムをさらに有し、剥離層と保護層との界面で、剥離層とベースフィルムとを除去可能であってもよい。
第6の態様に係る木質化粧板の製造方法は、木質材の一方の面に、第2接着層を形成する工程と、木質材の他方の面に、熱可塑性形状追従層と支持層とを積層する工程と、保護層と第1接着層とを積層したシートの第1接着層を第2接着層と対向させて、熱圧着する工程と、を含む。
第7の態様に係る木質化粧板の製造方法は、上記第6の態様において、シートは、ベースフィルムの上に剥離層、保護層、第1接着層が順に設けられており、熱圧着する工程の後、剥離層と保護層との界面で、剥離層とベースフィルムとを除去する工程をさらに含んでもよい。
第8の態様に係る成形品は、樹脂筐体と、上記第1から第6のいずれかの態様に係る木材化粧板と、を備える
第9の態様に係る成形品の製造方法は、固定金型又は可動金型に、上記第1から第5のいずれかの態様に記載の木質化粧板を配置する工程と、固定金型と可動金型との間のキャビティに、樹脂を射出する工程と、樹脂が硬化した後、固定金型と可動金型とを型開きして、硬化した樹脂と木質化粧板とを含む成形品を取り出す工程と、
を含む。
第10の態様に係る成形品の製造方法は、上記第1から第5のいずれかの態様に係る木質化粧板を用意する工程と、木質化粧板を樹脂部材の表面に貼り合せて成形品とする工程と、を含む。
以下、実施の形態に係る木質化粧板及び、該木質化粧板を用いた成形品を添付図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る木質化粧板116の断面の積層構造を示す断面図である。
図1に示すように、実施の形態1に係る木質化粧板116は、保護層フィルム111、第2接着層106、木質材102、熱可塑性形状追従層101、支持層100の積層体で構成されている。また、木質材102を中心としたとき、木質化粧板116は、木質材102と、木質材102の一方の面に設けられた、第2接着層と、第1接着層と、保護層と、木質材の他方の面に設けられた、熱可塑性形状追従層と、支持層と、を含む。
以下に、この木質化粧板116を構成する各部材について、説明する。
保護層フィルム111は、ベースフィルム110上に形成された剥離層109と、その剥離層109上に形成された保護層108と、第1接着層107とで構成されている。
木質材シート112は、保護層108、第1接着層107、第2接着層106、木質材102、熱可塑性形状追従層101、支持層100がそれぞれ順に形成されている。
保護層フィルム111の「第1接着層107」側と、「第2接着層106が形成された側の木質材102」表面、「熱可塑性形状追従層101」、「木質材102」、「熱可塑性形状追従層101」、「支持層100」を順に積層して、熱圧着で一体化し、保護層108の界面で剥離層109とベースフィルム110を除去することにより、木質材シート112が製造される。
<保護フィルム>
保護層フィルム111は、連続したロールフィルムで製作しても、枚葉フィルムで製作してもよいが、連続したロールフィルムで製作した方が、生産性が高い。ベースフィルム110は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の一般的なフィルム材料で形成されており、限定されない。ベースフィルム110の平均厚みは、20μm以上50μm以下が好ましい。ベースフィルム110が20μmよりも薄い場合、保護層フィルム111の各層を形成する過程での熱乾燥等で、ベースフィルム110にシワや破れ、反りが生じやすく、扱いにくい。一方で、ベースフィルム110が50μmよりも厚い場合、木質材102への保護層フィルム111の追従性が悪くなってしまう。また、ロールフィルムで製作する場合、ベースフィルムの膜厚が厚い程、全体重量が重くなってしまうため、持ち運び等でのハンドリングが悪くなる上、製造コストも高くなってしまう。
<剥離層>
剥離層109は、保護層フィルム111から保護層108や第1接着層107を剥離させる役割を有する。剥離層109は、例えば、熱硬化型のメラミン樹脂、2液硬化型のウレタン樹脂、熱硬化型のシリコーン樹脂等で形成されている。なお、同じ効果が得られる材質であればこれらの材料に限定する必要はない。膜厚についても、剥離させる効果が得られる厚みであれば任意に選択ができる。また、必要に応じて、離形性を促進する添加剤やフィラー等を添加してもよい。
<保護層>
保護層108は、少なくともハードコート機能を含む構造からなり、木質材102を保護する役割を有する。ハードコート機能として、紫外線硬化型のアフターキュアタイプのアクリル樹脂を用いることが一般的であるが、プレキュアタイプの紫外線硬化型のアクリル樹脂や、熱乾燥タイプの1液タイプのアクリル樹脂、熱乾燥タイプの2液硬化タイプのウレタンアクリル樹脂、EB(電子線)硬化タイプのアクリル樹脂を用いてもよく、用途に応じて適宜選択すればよい。目的の効果が得られれば上記以外の材料でも問題ない。
また、保護層108の平均膜厚は、3μm以上100μm以下である。膜厚が3μmより薄いと木質材102の表面の保護機能が十分発現されず、膜厚が100μmを超えると曲面形状などに成形する際の追従性が悪くなる。その中でも、3μm以上20μm以下の膜厚で形成することが望ましい。木質材102との距離が近くなり、一般的な塗装処理による厚膜の保護層が施された場合の奥行き感や光沢度を感じることなく、木質材102本来の風合いを感じることができる。しかし、目的の効果が得られれば上記範囲外の膜厚でも問題ない。なお、一般的な印刷技術を用いて形成できる層であれば、フィラー等の添加剤が付与された層、着色層、絵柄層等の任意の機能層を組み合わせて積層することも可能である。
<第1接着層>
第1接着層107は、保護層108と第2接着層106とを接着させる役割を有する。第1接着層107は、接着主剤として、例えば、塩酢ビニルの共重合樹脂、オレフィン系、ポリオレフィン系、ウレタン系、アクリル系等の樹脂で構成されており、架橋構造を層内に形成する。硬化剤として、例えば、ブロックイソシアネート系の硬化剤が添加されており、接着主剤とウレタン結合の架橋構造を形成する。第1接着層107は、スクリーン印刷やコーター等の一般的な印刷手法で形成可能である。
<第2接着層>
第2接着層106は、木質材102と第1接着層107とを接着させる役割をする。第2接着層106は、接着主剤として、塩酢ビニルの共重合樹脂、オレフィン系、ポリオレフィン系、ウレタン系、アクリル系等の樹脂で構成されており、架橋構造を層内に有する。第2接着層106は、スプレー噴霧、ロールコーター、インクジェット塗布等の一般的な印刷手法で形成可能である。液体状態での塗布が一般的であるが、フィルム状等で同様の効果が得られるのであれば、限定はされない。
第1接着層107と第2接着層106との合計平均膜厚は、50μm以上300μm以下が望ましい。合計平均膜厚が50μm未満の場合には、目視困難な50μm以下の異物を接着層で包み込めず、覆えなかった異物が接着層から露出し(図2A)、気泡が発生する(図2C)。一方、合計平均膜厚が300μmを越えると、曲面形状などに成形する際の追従性が悪くなる。ただし第2接着層106の平均膜厚は3μm未満にはしない。3μm未満にすると接着厚み不足により、第2接着層106との接着性が不十分である。
さらに第1接着層107は、第2接着層106より膜厚を厚くし、ショア硬度も第1接着層107よりも第2接着層106を高くしてもよい。なお、ショア硬度は、JIS B7727に基づいて評価できる。第1接着層107のショア硬度は15~20HS、第2接着層106のショア硬度は25~35HSでよい。なお、HSは、ショア硬度の単位である。もともと木質材102は硬いため、木質材102に使用する第2接着層106を極力薄くし、図2Bのように異物の大半を硬度の低い第1接着層107で異物を包み込み気泡を発生させないようにする。
図3のように第1接着層107と第2接着層106との対向面と反対側の面は平滑面に限らす、凹凸形状でもよい。また第1接着層107と第2接着層106片面のいずれか、あるいは両方に凹凸形状に付けてもよい。
<木質材>
木質材102は、天然木由来の木材を薄くスライスしたシート状の板材のことを指し、その平均板厚は0.1mm以上2mm以下である。木質材102の板厚が0.1mm未満であると、薄すぎるため破れやすく、加工上扱いにくい。一方、2mmを超えると厚すぎるため、木質材102が十分に製品形状に賦形しにくい。また、顔料、蓄光塗料、染料、又は難燃剤等を木質材102に任意に添加することで、機械的強度と合わせて、木質材102の外観又は機能性を向上することも可能である。そして木質材102の脱色処理、あるいは、木質材102の片面、あるいは両面に色や絵柄を付与することも可能である。なお、ここでいう木質材102は、一枚の天然木のシートだけではなく、例えば、複数の天然木のシートを積層させ、平均板厚0.1mm以上でかつ2mm以下にスライスされた、加工済みのシート状木材板も含む。その他、寄木細工等、前述した板厚範囲に含まれるシート形状であれば、同様に用いることが可能である。
<熱可塑性形状追従層>
熱可塑性形状追従層101は、木質材102と支持層100を接着させる役割を有する。熱可塑性形状追従層101は、例えば、透明性を有するオレフィン系、ポリオレフィン系などの熱可塑性成分で構成されており、平均膜厚は50μm以上200μm以下である。50μmよりも薄い場合、接着厚み不足により、木質材102と支持層100とに対する十分な接着力が得られない。一方、200μmよりも厚い場合、接着力向上に変化がないため、製造コストが高くなってしまう。
<支持層>
支持層100は、ポリエチレンテレフタレートやアクリル等の高分子フィルムや不織布で構成されており、木質材シート112の強度を向上する役割を担う。木質材シート112に圧力がかかっても、支持層100がその変形を緩衝するため、木質材シート112が破損しにくくなる。材質や厚み等は用途に合わせて選択することができる。
<木質材化粧板の製造方法>
次に、図4から図6を用いて、木質材化粧板の製造プロセスについて説明する。
図4は、木質材シート112の製造時の熱圧着工程前の断面の積層構造を示す分解断面図である。図5は、木質材シート112の製造時の熱圧着工程時の断面構造を示す断面図である。図6は、木質材シート112の製造時の熱圧着工程後の断面構造を示す断面図である。
(1)図4に示す熱圧着工程前は、木質材102の第2接着層106が形成された側に、保護層フィルム111の第1接着層107が接するように積層され、木質材102のもう一方の片側には、熱可塑性形状追従層101、支持層100が順に積層されている状態である。
(2)図5に示す熱圧着工程時において、熱圧着装置Nで図4の積層体が熱圧着されることにより、熱溶融した第1接着層107が第2接着層106と接着し、同様に、熱可塑性形状追従層101が熱溶融し、木質材102と支持層100と接着した状態となる。
(3)図6の熱圧着工程後において、熱圧着装置Nを用いた熱圧着により、各層間が接着された木質化粧板116が製造され、保護層108の界面で、剥離層109とベースフィルム110側と、木質材シート112が分離された状態を示している。なお、図6では、剥離層109とベースフィルム110側と、木質材シート112が分離された状態で表されているが、これに限られず、剥離層109とベースフィルム110との除去は、任意の工程間で実施できる。よって、剥離層109とベースフィルム110との除去は、熱圧着工程直後でもよいし、一方で、それらを除去しない木質化粧板116の状態のままで保管することも可能である。
(実施の形態2)
図7は、本実施の形態2に係る木質化粧板116を用いた成形品である加飾部品の断面構造を示す断面図である。なお、実施の形態1と同様の作用を成すものには同一の符号を付けて説明する。この実施の形態2に係る成形品202は、実施の形態1の木質化粧板116の構成に加えて、木質材シート112を構成している支持層100の背面に第3接着層200、補強層201を設けた成形品202として構成されている。
木質材シート112は、シート単体で壁紙のように貼り合せることも可能であるが、真空圧空成形やインサート成形等で補強層201と一体化させることも可能である。第3接着層200は、平均膜厚が1μm以上100μm以下であり、塗工方式やシート形状等の熱可塑性接着剤、あるいは熱硬化性接着剤のどちらで構成されていてもよい。補強層201の樹脂素材として使用可能な樹脂は、PMMA樹脂、ABS樹脂、PS樹脂、PC樹脂などの汎用成形樹脂が挙げられる。その他、光学用途の樹脂やスーパーエンジニアリング樹脂など、高温での成形が必要な樹脂にも対応可能である。さらに、必要とする強度を有する部材であれば上記樹脂材料以外であっても補強層201として用いることもできる。また、図7には、第3接着層200が形成された断面図が示されているが、支持層100に不織布等の繊維層を有する部材を用いてインサート成形した場合、成形樹脂が繊維の隙間に入り込むことでアンカー効果が生まれ、第3接着層200を形成する必要がなく、直接に木質材シート112をインサート成形用の部材として利用することができる。なお、図7は、剥離層109とベースフィルム110が付いたままの木質化粧板116で補強層201と一体化した状態を表しているが、補強層201と一体化する上で、剥離層109とベースフィルム110との除去は状況に応じて任意に選択できる。
成形品である加飾部品は、例えば、上記木質化粧板を用いた射出成形によって形成してもよい。具体的には、以下の各工程によって製造してもよい。
(a)固定金型又は可動金型に、上記木質化粧板を配置する。
(b)固定金型と可動金型との間のキャビティに、樹脂を射出する。
(c)樹脂が硬化した後、固定金型と可動金型とを型開きして、木質化粧板を含む成形品である加飾部品を取り出す。
また、成形品である加飾部品は、以下の工程によって製造してもよい。
(i)木質化粧板を用意する。
(ii)木質化粧板を樹脂部材の表面に貼り合せて成形品である加飾部品とする。
(実施の形態3)
図7-1は、実施の形態3に係る木質化粧板140の断面の積層構造を示す分解断面図。なお、実施の形態1や実施の形態2と同様の作用を成すものには同一の符号を付けて説明する。この実施の形態3に記載している木質材シート130は、基材シート105の第2接着層120が形成された側に、保護層フィルム111の第1接着層107が接するように積層され、基材シート105のもう一方の片側には、第3接着層104、第4接着層103、木質材102、熱可塑性形状追従層101、支持層100が順に積層されている状態である。実施の形態1と同様の熱圧着工程で一体化した構成で形成されている。
<基材シート>
基材シート105は、曲面形状などに成形する際、木質材102の形状を保ち、主に割れ防止の役割を有する。プレス等で木質材シート130を変形させる際、木質材102が基材シート105と一体化して変形することが可能になるため、木質材102にかかる応力を緩和し、木質材シート130自体の成形性を向上させることができる。連続したロールフィルムで製作しても、枚葉フィルムで製作してもよい。基材シート105は、ポリエチレンフタレート樹脂、ポリカーボネート、アクリル、ポリオレフィン等の一般的な高分子フィルム材料で構成されている。基材シート105の片面、あるいは両面に易接着コート等、他の物質と組み合わせた処理が施されていてもよい。基材シート105の平均厚みは20μm以上50μm以下が望ましい。20μm以下だと基材シート105にシワ、割れが生じやすく、扱いにくく、50μm以上だと木質材102の追従性が悪くなる。
<第2接着層>
第2接着層120は、基材シート105と第1接着層107とを接着させる役割を有する。第2接着層120は、接着主剤として、塩酢ビニルの共重合樹脂、オレフィン系、ポリオレフィン系、ウレタン系、アクリル系等の樹脂で構成されており、層内に架橋構造を層内に有する。第2接着層120は、スクリーン印刷やコーター等の一般的な印刷手法で形成可能である。
<第1接着層>
第1接着層107と第2接着層120との合計平均膜厚は、50μm以上300μm以下が望ましい。合計平均膜厚が50μm未満の場合には、目視困難な50μm以下の異物を接着層で包み込めず覆えなかった異物が接着層から露出し(図7-2A)、気泡が発生する(図7-2C)。一方、合計平均膜厚が300μm以上だと曲面形状などに成形する際の追従性が悪くなる。ただし第2接着層120の平均膜厚は3μm未満にしない。3μm未満にすると接着厚み不足により、第2接着層120との接着性が不十分である。さらに第1接着層107を第2接着層120より膜厚を厚くし、ショア硬度も第1接着層107のショア硬度よりも第2接着層120のショア硬度を高くしてもよい。第1接着層107のショア硬度は15~20HS、第2接着層120のショア硬度は25~35HSでよい。もともと基材シート105は硬いため、基材シート105に使用する第2接着層120を極力薄くしてもよい。これによって、図7-2Bに示すように、50μm以下の異物の大半をショア硬度の低い第1接着層107で異物を包み込み気泡を発生させないようにすることができる。
図7-3に示すように、第1接着層107と第2接着層120の対向面と反対側の面は平滑面に限らず、凹凸形状でもよい。また、第1接着層107と第2接着層120との片面のいずれか、あるいは両方に凹凸形状に付けてもよい。
<第3接着層>
第3接着層104は、基材シート105と第4接着層103とを接着する目的で設けられる。成分として、塩酢ビニルの共重合樹脂、オレフィン系、ポリオレフィン系、ウレタン系、アクリル系などの熱可塑性成分で構成される。接着する目的を達成できれば、前述した材質だけに限定はされない。
<第4接着層>
第4接着層103は、木質材102と第3接着層104とを接着する役割を有する。第4接着層103は、接着主剤として、塩酢ビニルの共重合樹脂、オレフィン系、ポリオレフィン系、ウレタン系、アクリル系等の樹脂で構成されており、層内に架橋構造を有する。第4接着層103は、スプレー噴霧、ロールコーター、インクジェット塗布等の一般的な印刷手法で形成可能である。液体状態での塗布が一般的であるが、フィルム状等で同様の効果が得られるのであれば、限定はされない。
実施の形態1でも述べたように、第3接着層104と第4接着層103との合計平均膜厚は50μm以上300μm以下が望ましい。合計平均膜厚が50μm未満の場合には、目視困難な50μm以下の異物を接着層で包み込めず、覆えなかった異物が接着層から露出し、気泡が発生する恐れがある。また、合計平均膜厚が300μm以上だと曲面形状などに成形する際の追従性が悪くなる。ただし第3接着層104と第4接着層103との平均膜厚は3μm未満にしない。3μm未満にすると接着厚み不足により、相手物との接着性が不十分となる。
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
本発明に係る木質化粧板は、各種の家庭電化製品などの外装や、車載内装等の加飾を要する分野において、高機能化、高意匠化に寄与する。
1 樹脂基材
2 補強用板
3 第一接着材
4 裏打ち板
5 本木突き板
6 装飾シート
7 第2接着材
8 透明フィルム
9 ハードコート膜
10 化粧成形品
11 化粧シート
100 支持層
101 熱可塑性形状追従層
102 木質材
103 第4接着層
104 第3接着層
105 基材シート
106 第2接着層
107 第1接着層
108 保護層
109 剥離層
110 ベースフィルム
111 保護層フィルム
112 木質材シート
114 表面保護層
115 剥離フィルム層
116 木質化粧板
120 第2接着層(105有りの場合)
130 木質材シート
140 木質化粧板
200 第3接着層
201 補強層
202 成形品

Claims (10)

  1. 木質材と、
    前記木質材の一方の面に設けられた、第2接着層と、第1接着層と、保護層と、
    前記木質材の他方の面に設けられた、熱可塑性形状追従層と、支持層と、
    を備え、
    前記第1接着層及び前記第2接着層を含む、少なくとも2層以上の接着層を有し、
    前記第1接着層と前記第2接着層との厚みの合計が50μm以上である、木質化粧板。
  2. 前記第1接着層は、前記第2接着層よりも厚みがある、請求項1に記載の木質化粧板。
  3. 前記第1接着層のショア硬度が第2接着層のショア硬度よりも低い、請求項1又は2に記載の木質化粧板。
  4. 前記第1接着層または前記第2接着層のいずれかの接着層の対向面と逆側の表面の形状が凹凸形状を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の木質化粧板。
  5. 前記保護層の上に剥離層及びベースフィルムをさらに有し、前記剥離層と前記保護層との界面で、前記剥離層と前記ベースフィルムとを除去可能である、請求項1から4のいずれか一項に記載の木質化粧板。
  6. 木質材の一方の面に、第2接着層を形成する工程と、
    前記木質材の他方の面に、熱可塑性形状追従層と支持層とを積層する工程と、
    保護層と第1接着層とを積層したシートの前記第1接着層を前記第2接着層と対向させて、熱圧着する工程と、
    を含む、木質化粧板の製造方法。
  7. 前記シートは、ベースフィルムの上に剥離層、前記保護層、前記第1接着層が順に設けられており、
    前記熱圧着する工程の後、前記剥離層と前記保護層との界面で、前記剥離層と前記ベースフィルムとを除去する工程をさらに含む、請求項6に記載の木質化粧板の製造方法。
  8. 樹脂筐体と、請求項1から5のいずれか一項に記載の前記木質化粧板と、を備える、成形品。
  9. 固定金型又は可動金型に、請求項1から5のいずれか一項に記載の前記木質化粧板を配置する工程と、
    前記固定金型と前記可動金型との間のキャビティに、樹脂を射出する工程と、
    前記樹脂が硬化した後、前記固定金型と前記可動金型とを型開きして、硬化した前記樹脂と前記木質化粧板とを含む成形品を取り出す工程と、
    を含む、成形品の製造方法。
  10. 請求項1から5のいずれか一項に記載の前記木質化粧板を用意する工程と、
    前記木質化粧板を樹脂部材の表面に貼り合せて成形品とする工程と、
    を含む、成形品の製造方法。
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