JP2023140813A - エンドミル - Google Patents

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Ibuki Shikata
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Abstract

【課題】切刃強度を確保しつつ切屑排出性を向上させたエンドミルを提供する。【解決手段】中心軸に沿って延びるボディと、複数の底刃と、複数の外周刃と、を備えるエンドミル。複数の底刃は、長底刃と、長底刃の直後に位置する第1短底刃とを含む。エンドミル先端面に複数のギャッシュが設けられている。第1短底刃のエンドミル回転方向前方側に隣接するギャッシュの長底刃側の端部に、中心軸方向から見て円弧状のR形状部が形成される。R形状部の曲率半径は、工具径Dに対して0.04×D以上0.15×D以下である。複数のギャッシュのギャッシュノッチ角度は、20°以上45°以下である。複数のギャッシュのギャッシュすくい角は、0°以上10°以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、エンドミルに関する。
従来、切刃すくい面からの切屑排出性を良好にするために、エンドミル先端面に、すくい面と切屑排出溝に連続するギャッシュを複数形成した構成が知られる(例えば特許文献1参照)。
特許第6711348号公報
エンドミルの切屑排出性を向上させるには、ギャッシュの容積を大きくすることが有効である。しかし、ギャッシュの容積を大きくすると、切刃のエンドミル回転方向後方側に連なる部分の肉厚が減少し、切刃強度が低下する課題があった。
本発明の一態様によれば、中心軸回りに回転されるエンドミルであって、中心軸に沿って延びるボディと、前記ボディの先端に位置する複数の底刃と、前記ボディの外周面に位置し中心軸回りに螺旋状に捩れる複数の外周刃と、を備えるエンドミルが提供される。前記複数の底刃は、刃長が最も長い長底刃と、エンドミル回転方向において前記長底刃の直後に位置する第1短底刃とを含む。前記複数の底刃が配置されるエンドミル先端面に、複数のギャッシュが設けられている。前記第1短底刃のエンドミル回転方向前方側に隣接する前記ギャッシュの前記長底刃側の端部に、中心軸方向から見て円弧状のR形状部が形成される。前記R形状部の曲率半径は、工具径Dに対して0.04×D以上0.15×D以下である。前記複数のギャッシュのギャッシュノッチ角度は、20°以上45°以下である。前記複数のギャッシュのギャッシュすくい角は、0°以上10°以下である。
上記態様によれば、一部のギャッシュにR形状部を備えることで、ギャッシュの壁面に切屑が引っ掛かりにくくなり、ギャッシュの壁面への応力集中も生じにくくなる。これにより、エンドミルの先端部における耐欠損性、耐折損性を向上させることができる。また、ギャッシュノッチ角度が20°以上45°以下、かつギャッシュすくい角γが0°以上10°以下である構成とすることで、切刃強度と切屑排出性とを両立できるギャッシュ形状とすることができる。
以上により、上記態様によれば、切刃強度を保持しつつ切屑排出性を向上させたエンドミルが得られる。
R形状部の曲率半径は、工具径Dに対して0.06×D以上としてもよく、0.08×D以上としてもよい。R形状部の曲率半径は、工具径Dに対して0.13×D以下としてもよく、0.11×D以下としてもよい。
ギャッシュノッチ角度は、25°以上としてもよく、30°以上としてもよい。ギャッシュノッチ角度は、40°以下としてもよく、35°以下としてもよい。
ギャッシュすくい角は、2°以上としてもよく、4°以上としてもよい。ギャッシュすくい角は、8°以下としてもよく、6°以下としてもよい。
前記第1短底刃の径方向内側の端部に、径方向を内側を向く第1チャンファー面が設けられている構成としてもよい。
5枚以上の前記底刃および前記外周刃を有し、前記複数の底刃は、エンドミル回転方向において前記第1短底刃の直後に位置する第2短底刃を含み、前記第2短底刃の径方向内側の端部に、径方向内側を向く第2チャンファー面が設けられている構成としてもよい。
前記複数の底刃が配置されるエンドミル先端面に、前記第1短底刃の第1チャンファー面および前記第2短底刃の第2チャンファー面の両方を内壁面の一部に含む凹溝が形成されており、前記複数の底刃は、前記長底刃に対する中心軸回りの角度差が165°以上195°以下である第3短底刃を有し、前記エンドミル先端面を中心軸方向に見たとき、前記凹溝が延びる方向と前記第3短底刃が延びる方向とのなす角度が5°以下である構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、切刃強度を確保しつつ切屑排出性を向上させたエンドミルが提供される。
図1は、実施形態のエンドミルを示す斜視図である。 図2は、実施形態のエンドミルの側面図である。 図3は、実施形態のエンドミルを先端側から見た図である。 図4は、実施形態のエンドミルの外周刃周辺を拡大して示す中心軸に直交する断面図である。 図5は、図3のエンドミル先端面の中央部を拡大して示す図である。 図6は、ギャッシュノッチ角の説明のために示す底刃周辺の側面図である。 図7は、ギャッシュすくい角の説明のために示す底刃周辺の側面図である。
図1は、実施形態のエンドミルを示す斜視図である。図2は、実施形態のエンドミルの側面図である。図3は、実施形態のエンドミルを先端側から見た図である。
図1に示す本実施形態のエンドミル10は、中心軸Oを中心とした略円柱状である。本実施形態の場合、エンドミル10は、中心軸Oを中心として回転される。したがって中心軸Oは、エンドミル10の回転軸である。本明細書では、中心軸Oに沿って延びる方向を「軸方向」、中心軸Oに直交する方向を「径方向」、中心軸Oの軸回り方向を「周方向」と呼ぶ場合がある。
エンドミル10は、例えば、超硬合金等の硬質材料からなる。エンドミル10は、シャンク2とボディ3とを有する。シャンク2は、エンドミル10の後端側(図2では上側)、ボディ3はエンドミル10の先端側(図2では下側)に位置する。シャンク2は、本実施形態の場合、円柱状である。ボディ3は、シャンク2の先端から中心軸Oに沿って先端側へ延びる。ボディ3は、複数の切屑排出溝4と、複数の外周逃げ面11とを有する。切屑排出溝4と外周逃げ面11とのエンドミル回転方向T前方側の交差稜線部に外周刃7が形成されている。
エンドミル10は、シャンク2が工作機械の主軸に把持されて中心軸Oの軸回りに沿ってエンドミル回転方向Tに回転させられる。エンドミル10は、例えば、中心軸Oに垂直な方向に送り出され、ボディ3の切刃(外周刃7)によって被削材に切削加工を施す。
切屑排出溝4は、ボディ3の外周において、ボディ3の軸方向先端から後端に向かうに従って、エンドミル回転方向Tとは反対側に中心軸O回りに捩れて延びる。本実施形態では、ボディ3の外周面に、5つの切屑排出溝4が周方向に互いに間隔を空けて形成されている。
切屑排出溝4のエンドミル回転方向Tの前方を向く壁面であるすくい面12と、すくい面12に隣接するボディ3の外周面である外周逃げ面11との回転方向前方側の交差稜線部に、外周刃7が形成されている。本実施形態において、ボディ3は、5つの外周刃7を有している。また、ボディ3は、外周刃7を複数の切刃に分断する複数のチップブレーカ8を有している。本実施形態では、チップブレーカ8は、外周刃7を部分的に切り欠いた切欠部からなる。
切屑排出溝4の先端部には、切屑排出溝4のエンドミル回転方向Tの前方側を向く壁面に沿って凹溝状のギャッシュ5がそれぞれ形成されている。個々のギャッシュ5のエンドミル回転方向Tを向く壁面の先端縁には、上記壁面をすくい面とする複数の底刃6が、それぞれ外周刃7の先端から内周側(径方向内側)に向かって延びている。
本実施形態のエンドミル10は、底刃6と外周刃7とがボディ3の外周端において所定角度で交差するスクエアエンドミルである。本実施形態のエンドミル10は、ラジアスエンドミルまたはボールエンドミルとして構成することもできる。本実施形態では、各々の外周刃7は、軸方向の先端から後端に向かって一定の捩れ角で螺旋状に延びている。本実施形態では、5本全ての外周刃7の捩れ角は互いに等しい。
本実施形態では、エンドミル10が不等分割エンドミルであるとして説明するが、エンドミル10は分割角度が等分である通常のエンドミルとして構成することもできる。
チップブレーカ8は外周刃7を不連続にする切欠部である。チップブレーカ8は、周方向に隣り合う2つの切屑排出溝4を繋ぐように、外周逃げ面11を周方向に切り欠いて横断する。チップブレーカ8は、外周逃げ面11から径方向内側へ凹み、周方向に延びる凹溝である。言い換えると、チップブレーカ8は、周方向に隣り合う2つの切屑排出溝4同士を周方向に連通させる凹溝である。チップブレーカ8のエンドミル回転方向T側の端部は、外周刃7のすくい面12に開口する。チップブレーカ8のエンドミル回転方向T後方側の端部は、外周逃げ面11のエンドミル回転方向T後方側に位置する切屑排出溝4の壁面に開口する。各々のチップブレーカ8は、エンドミル回転方向Tと概ね平行に延びる。各々のチップブレーカ8は、エンドミル10を中心軸O回りに回転させたときの回転軌跡が互いに等しい形状となる。本実施形態のエンドミル10は、チップブレーカ8を備えない構成とすることもできる。
図3に示すように、5本の底刃6は、1本の長底刃60と、第1短底刃61、第2短底刃62、第3短底刃63、および第4短底刃64と、から構成される。長底刃60は、他の4本の第1短底刃61~第4短底刃64よりも長い切刃である。長底刃60は、エンドミル先端面10Aにおいて、エンドミル先端面10Aの外周端から中心軸Oに達する位置まで径方向に沿って延びる。他の4本の第1短底刃61~第4短底刃64も、長底刃60と同様にエンドミル先端面10Aの外周端から径方向内側に延びている。第1短底刃61~第4短底刃64の径方向内側の端部は、中心軸Oまでは達していない。エンドミル先端面10Aにおいて、第1短底刃61~第4短底刃64の径方向内側の端部よりも内側の領域は、複数のギャッシュ5と凹溝50とが周方向に繋がった切屑排出溝となっている。
本実施形態においては、ある底刃6の分割角(切削距離)は、その底刃6の外周端と中心軸Oとを径方向に結ぶ直線と、その底刃6とエンドミル回転方向T前方に隣り合う他の底刃6の外周端と中心軸Oとを径方向結ぶ直線と、がなす角度を意味する。
図3において、長底刃60の分割角θは、第4短底刃64の外周端および長底刃60の外周端と中心軸Oとを結ぶ2つの半径によって作られる中心角である。
第1短底刃61の分割角θ1は、長底刃60の外周端および第1短底刃61の外周端と中心軸Oとを結ぶ2つの半径によって作られる中心角である。
第2短底刃62の分割角θ2は、第1短底刃61の外周端および第2短底刃62の外周端と中心軸Oとを結ぶ2つの半径によって作られる中心角である。
第3短底刃63の分割角θ3は、第2短底刃62の外周端および第3短底刃63の外周端と中心軸Oとを結ぶ2つの半径によって作られる中心角である。
第4短底刃64の分割角θ4は、第3短底刃63の外周端および第4短底刃64の外周端と中心軸Oとを結ぶ2つの半径によって作られる中心角である。
図3に示すように、本実施形態においては、エンドミル先端面10Aに配置されるすべての底刃6の分割角θ、θ1~θ4が互いに異なっている。これにより、底刃6に連続する外周刃7の分割角を他の外周刃7の分割角と異ならせることができ、びびり振動の発生を抑制できる。
また本実施形態では、長底刃60の分割角θが、底刃6のうちで最大の分割角である。すなわち分割角θは、他の分割角θ1~θ4よりも大きい。刃長が大きい長底刃60から生成される切屑は、第1短底刃61~第4短底刃64から生成される切屑よりも多い。長底刃60の分割角θを底刃6のうち最大の分割角とすることで、エンドミル先端面10Aにおける切屑詰まりを抑制できる。切屑詰まりに起因する工具折損またはチッピングの発生を抑えることができる。
本実施形態では、長底刃60の分割角θおよび第1短底刃61~第4短底刃64の分割角θ1~θ4は、θ2<θ3<θ1<θ4<θの順番に大きくなっている。より詳細には、θ:80°、θ1:72°、θ2:64°、θ3:68°、θ5:76°である。底刃6の分割角同士の角度差は、2°以上16°以下の範囲である。
底刃6の分割角同士の角度差は、少なくとも0.5°以上である。0.5°以上の角度差とすることで、不等分割による制振効果を得ることができる。底刃6の分割角同士の角度差は、1°以上であることが好ましく、2°以上がより好ましい。底刃6の分割角同士の角度差を大きくすることで、より高い制振効果が得られる。
一方、底刃6の分割角同士の角度差が大きすぎると、分割角が極端に小さい底刃6ができてしまう。分割角が小さすぎる底刃6では、切屑詰まりが生じやすいため、早期の工具折損につながるおそれがある。そのため、底刃6の分割角同士の角度差は、底刃6の刃数Nに対して90°/N以下の角度とされる。本実施形態の場合、N=5であるから、底刃6の分割角同士の角度差は、18°以下である。さらに、上記角度差を16°以下、すなわち80°/N以下とすることで、全ての底刃6において適切な大きさの分割角を確保しやすくなる。これにより、切屑詰まりの発生をさらに抑制しやすくなる。
本実施形態では、4本の第1短底刃61~第4短底刃64の刃長は、概ね同じ長さである。本実施形態の場合、第1短底刃61~第4短底刃64の刃長は、エンドミル先端面10Aの半径の50~60%程度であり、第1短底刃61~第4短底刃64の内周側に、十分な大きさの溝が形成されているため、良好な切屑排出性を得ることができる。
本実施形態において、長底刃60の分割角θおよび第1短底刃61~第4短底刃64の分割角θ1~θ4は、長底刃60および第1短底刃61~第4短底刃64の刃長に応じた長さとしてもよい。すなわち、底刃6の刃長が大きいほど、その底刃6の分割角を大きくする構成としてもよい。底刃6から生じる切屑量は、刃長が大きいほど多くなるので、刃長が大きい底刃6の分割角を相対的に大きくすることで、全ての底刃6において良好な切屑排出性を得やすくなる。例えば、第1短底刃61~第4短底刃64の刃長が比較的長い場合には、第1短底刃61~第4短底刃64の内周側のスペースが狭くなり、切屑詰まりが発生しやすくなるが、刃長に応じて分割角を大きくする構成を採用することで、切屑詰まりを抑制しやすくなる。
図4は、本実施形態のエンドミル10の外周刃7周辺を拡大して示す中心軸Oに直交する断面図である。
図4に示すように、外周刃7を形成する外周逃げ面11は、外周刃7に隣接する第1逃げ面11aと、第1逃げ面11aのエンドミル回転方向T後方側に隣接する第2逃げ面11bと、を有する。第1逃げ面11aは、第1逃げ角α1を有して形成される。第2逃げ面11bは、第2逃げ角α2を有して形成される。
本実施形態では、第1逃げ面11aの第1逃げ角α1は、2°以上4°以下であることが好ましい。第1逃げ角α1は、第1逃げ面11aの外周刃7の位置における接線と、図4に示す基準線C1との成す角度である。基準線C1は、中心軸Oと外周刃7とを通る直線に直交し、外周刃7を通る直線である。また、第1逃げ面11aの逃げ幅31aは、0.04mm以上0.2mm以下である。
第1逃げ面11aの第1逃げ角α1および逃げ幅31aの両方を上記の範囲内とすることで、加工時のダンピング効果により制振性を高めることができる。すなわち、小さい第1逃げ角α1とすることで加工に第1逃げ面11aを被削材の加工面に接触しやすくし、被削材との接触によってびびり振動を抑制できる。また、逃げ幅31aを小さくすることで、逃げ面摩耗を抑制しながら制振効果を得ることができる。
本実施形態において、第1逃げ角α1は、2.5°以上としてもよい。第1逃げ角α1は、3.5°以下としてもよい。また、逃げ幅31aは、0.07mm以上としてもよい。逃げ幅31aは、0.15mm以下としてもよい。
第2逃げ面11bの第2逃げ角α2は、第1逃げ面11aと第2逃げ面11bとの境界位置11cにおける第2逃げ面11bの接線と、基準線C1との成す角度である。第2逃げ角α2は、第1逃げ角α1よりも大きい。第2逃げ角α2は、例えば、10°以上16°以下である。第2逃げ角α2は、12°以上としてもよい。第2逃げ角α2は、14°以下としてもよい。
図5は、図3のエンドミル先端面10Aの中央部を拡大して示す図である。
本実施形態のエンドミル10では、図3および図5に示すように、エンドミル先端面10Aの中央部に、長底刃60に沿って延びる凹溝50が形成されている。凹溝50は、長底刃60のエンドミル回転方向T後方側に位置する。凹溝50が延びる方向53は、第1短底刃61の前方に隣接するギャッシュ5から、第3短底刃63の前方に隣接するギャッシュ5に向かう方向である。凹溝50は、内壁面が曲面からなる凹曲面状であってもよく、内壁面が複数の平面からなる角溝であってもよい。あるいは、凹溝50は、曲面と平面とを含む内壁面を有していてもよい。
凹溝50は、第1短底刃61の径方向内側の端部、および第2短底刃62の径方向内側の端部をそれぞれ切り欠いている。これにより、凹溝50の内壁面の一部が、第1短底刃61の径方向内側の端部に位置する第1チャンファー面51と、第2短底刃62の径方向内側の端部に位置する第2チャンファー面52とされている。第1チャンファー面51および第2チャンファー面52は、いずれも径方向内側を向く面である。
第1チャンファー面51と第2チャンファー面52とは周方向に離れて配置される。第1チャンファー面51と第2チャンファー面52との間には、第2短底刃62を形成するギャッシュ5が開口する。
第1チャンファー面51を形成することで、第1短底刃61の径方向内側の薄肉部位を無くせる。また、第2チャンファー面52を形成することで、第2短底刃62の径方向内側の薄肉部位を無くせる。工具中心部の切刃には、ランピング加工や突き加工の際に、被削材を押しつぶす力が加わるため、欠損が発生しやすい。本実施形態の構成によれば、第1チャンファー面51および第2チャンファー面52を形成することで、第1短底刃61および第2短底刃62の内周側の欠損しやすい部位が除去されるので、第1短底刃61および第2短底刃62に欠損が生じるのを抑制できる。
本実施形態では、エンドミル先端面10Aに第1チャンファー面51と第2チャンファー面52の2つの面を有する構成としたが、第1チャンファー面51のみを有する構成としてもよい。例えば、本実施形態のエンドミル10が、4枚刃のエンドミルである場合には、底刃6同士の間隔を広く取れるため、間隔が狭くなりやすい第1短底刃61の内周側部分にのみチャンファー面を設けてもよい。5枚刃以上のエンドミルとする場合には、第2短底刃62の内周側部分も、長底刃60との間隔が狭くなりやすいため、第2チャンファー面52を設けることが好ましい。
長底刃60と中心軸Oを挟んだ対向位置に第3短底刃63がある場合、凹溝50が延びる方向53は、第3短底刃63の延びる方向とほぼ平行であることが好ましい。長底刃60と中心軸Oを挟んだ対向位置に第3短底刃63がある場合とは、長底刃60と第3短底刃63との中心軸O回りの角度差が165°以上195°以下である場合を意味する。また、凹溝50の延びる方向53と第3短底刃63の延びる方向とがほぼ平行であるとは、エンドミル先端面10Aを中心軸O方向に見たときに、凹溝50の延びる方向53と第3短底刃63の延びる方向とのなす角度が5°以下であることを意味する。
凹溝50の延びる方向53と第3短底刃63の延びる方向とをほぼ平行とすることで、長底刃60の内周側部分におけるバックメタルを確保しつつ、短底刃にチャンファーを形成できる。凹溝50が図5に示す位置よりも時計回り方向に傾くと、長底刃60の中心軸O側部分のバックメタルが小さくなる傾向となる。バックメタルが不足すると、長底刃60の中心側部分に欠けが発生しやすくなる。一方、凹溝50が図5に示す位置よりも反時計回り方向に傾くと、第2短底刃62の刃長が短くなる傾向となる。第2短底刃62が短くなりすぎると、エンドミル10の寿命が短くなってしまう。
図5に示すように、本実施形態のエンドミル10では、第1短底刃61のエンドミル回転方向T前方側に隣接するギャッシュ5の長底刃60側の端部に、中心軸O方向から見て円弧状のR形状部5aが形成されている。
ギャッシュ5の径方向内側の端部にR形状を持たせることで、ギャッシュ5の端縁が滑らかな曲線形状になる。また、ギャッシュ5の底面も凹曲面状となる。ギャッシュ5の壁面に切屑が引っ掛かりにくくなり、ギャッシュ5の壁面への応力集中も生じにくくなる。これにより、エンドミル10の先端部における耐欠損性、耐折損性を向上させることができる。本実施形態では、長底刃60のバックメタルがあることによりギャッシュ5が浅くなりやすい長底刃60の直後のギャッシュ5について、径方向内側の端部をR形状としている。すなわち、ギャッシュ5のR形状部5aは、ギャッシュ5が、直線の切刃に向かって延びている場合に形成される。
R形状部5aの曲率半径は、工具径Dに対して0.04×D以上0.15×D以下であることが好ましい。R形状部5aの曲率半径が小さすぎると、切屑排出性が低下し、欠損が生じやすくなる。R形状部5aの曲率半径が大きすぎると、長底刃60のバックメタルが不足して長底刃60の強度が低下する。
R形状部5aの曲率半径は、工具径Dに対して0.06×D以上としてもよく、0.08×D以上としてもよい。R形状部5aの曲率半径は、工具径Dに対して0.13×D以下としてもよく、0.11×D以下としてもよい。
図6は、ギャッシュノッチ角の説明のために示す底刃周辺の側面図である。
本実施形態のエンドミル10では、複数のギャッシュ5のギャッシュノッチ角度は、20°以上45°以下であることが好ましい。ギャッシュノッチ角度βは、図6に示すように、基準線C2に対するギャッシュ5の最深部の谷線5bの傾斜角度である。基準線C2は、谷線5bと中心軸Oとにより規定される平面において、中心軸Oと直交する直線である。
ギャッシュノッチ角度βが20°未満の場合、ギャッシュ5が浅くなりすぎて切屑排出性が低下する。一方、ギャッシュノッチ角度βが45°を超える場合、切刃強度の不足による折損が生じやすくなる。
ギャッシュノッチ角度βは、25°以上としてもよく、30°以上としてもよい。ギャッシュノッチ角度βは、40°以下としてもよく、35°以下としてもよい。
図7は、ギャッシュすくい角の説明のために示す底刃周辺の側面図である。
本実施形態のエンドミル10では、複数のギャッシュ5のギャッシュすくい角γは、0°以上10°以下であることが好ましい。ギャッシュすくい角γは、底刃6を形成するすくい面15と、基準線C3との成す角度である。基準線C3は、底刃6に直交する断面において、底刃6を通る中心軸Oに平行な直線である。ギャッシュすくい角γは、上記断面において、底刃6の位置におけるすくい面15の接線と、基準線C3との成す角度である。
ギャッシュすくい角γが0°未満の場合、切屑排出性が低下する。ギャッシュすくい角γが10°を超える場合、底刃6の切刃強度不足による折損が生じやすくなる。
ギャッシュすくい角γは、2°以上としてもよく、4°以上としてもよい。ギャッシュすくい角γは、8°以下としてもよく、6°以下としてもよい。
本実施形態のエンドミル10において、一部のギャッシュ5にR形状部5aを備え、ギャッシュノッチ角度βが20°以上45°以下、ギャッシュすくい角γが0°以上10°以下である構成とすることで、底刃6の切刃強度を保ちながら、切屑排出性を向上させることができる。これにより、安定した切削加工が可能なエンドミル10とすることができる。
2…シャンク
3…ボディ
4…切屑排出溝
5…ギャッシュ
5a…R形状部
5b…谷線
6…底刃
7…外周刃
8…チップブレーカ
10…エンドミル
10A…エンドミル先端面
11…外周逃げ面
11a…第1逃げ面
11b…第2逃げ面
11c…境界位置
12,15…すくい面
31a…幅
50…凹溝
51…第1チャンファー面
52…第2チャンファー面
53…凹溝の延びる方向
60…長底刃
61…第1短底刃
62…第2短底刃
63…第3短底刃
64…第4短底刃
C1,C2,C3…基準線
D…工具径
N…刃数
O…中心軸
T…エンドミル回転方向
α1…第1逃げ角
α2…第2逃げ角
β…ギャッシュノッチ角度
γ…ギャッシュすくい角
θ,θ1,θ2,θ3,θ4…分割角

Claims (4)

  1. 中心軸回りに回転されるエンドミルであって、
    中心軸に沿って延びるボディと、前記ボディの先端に位置する複数の底刃と、前記ボディの外周面に位置し中心軸回りに螺旋状に捩れる複数の外周刃と、を備え、
    前記複数の底刃は、刃長が最も長い長底刃と、エンドミル回転方向において前記長底刃の直後に位置する第1短底刃とを含み、
    前記複数の底刃が配置されるエンドミル先端面に、複数のギャッシュが設けられており、
    前記第1短底刃のエンドミル回転方向前方側に隣接する前記ギャッシュの前記長底刃側の端部に、中心軸方向から見て円弧状のR形状部が形成され、
    前記R形状部の曲率半径は、工具径Dに対して0.04×D以上0.15×D以下であり、
    前記複数のギャッシュのギャッシュノッチ角度は、20°以上45°以下であり、
    前記複数のギャッシュのギャッシュすくい角は、0°以上10°以下である、
    エンドミル。
  2. 前記第1短底刃の径方向内側の端部に、径方向を内側を向く第1チャンファー面が設けられている、
    請求項1に記載のエンドミル。
  3. 5枚以上の前記底刃および前記外周刃を有し、
    前記複数の底刃は、エンドミル回転方向において前記第1短底刃の直後に位置する第2短底刃を含み、
    前記第2短底刃の径方向内側の端部に、径方向内側を向く第2チャンファー面が設けられている、
    請求項2に記載のエンドミル。
  4. 前記複数の底刃が配置されるエンドミル先端面に、前記第1短底刃の第1チャンファー面および前記第2短底刃の第2チャンファー面の両方を内壁面の一部に含む凹溝が形成されており、
    前記複数の底刃は、前記長底刃に対する中心軸回りの角度差が165°以上195°以下である第3短底刃を有し、
    前記エンドミル先端面を中心軸方向に見たとき、前記凹溝が延びる方向と前記第3短底刃が延びる方向とのなす角度が5°以下である、
    請求項3に記載のエンドミル。
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