JP2023140116A - ダンパ装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023140116000001
【課題】減衰性能の低下を抑制する。
【解決手段】ダンパ装置1は、入力回転体と、出力回転体と、第1弾性部材51と、第2弾性部材52と、ヒステリシストルク発生機構と、を備える。入力回転体は、回転可能に配置される。出力回転体は、入力回転体と相対回転可能に配置される。第1弾性部材51は、入力回転体を第1回転方向に付勢し且つ出力回転体を第2回転方向に付勢するように圧縮した状態で配置される。第2弾性部材52は、入力回転体を第2回転方向に付勢し且つ出力回転体を第1回転方向に付勢するように圧縮した状態で配置される。第2弾性部材52は、第1弾性部材51よりもバネ定数が小さい。ヒステリシストルク発生機構は、入力回転体が出力回転体に対して第2回転方向に第1角度以上捩れたときにヒステリシストルクを発生させるように構成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、ダンパ装置に関するものである。
ダンパ装置は、コイルスプリングによって、エンジンからのトルク変動を吸収して減衰するように構成されている。具体的には、ダンパ装置は、入力回転体、出力回転体、及びこれらを弾性的に連結する複数のコイルスプリングを有している。また、摩擦材によってヒステリシストルクを発生させるダンパ装置も提案されている。
例えば、特許文献1に開示されたダンパ装置は、第1プレートと、第2プレートと、これらを弾性的に連結する弾性部材と、第1及び第2摩擦材とを有している。エンジンからのトルクが伝達されてダンパ装置が捩れるとき、第1摩擦材は相対的に小さいヒステリシストルクを発生させる。一方、エンジン始動時にダンパ装置が反対側に捩れるとき、第2摩擦材は相対的に大きいヒステリシストルクを発生させる。
特開2014-214819号公報
上述したように構成されたダンパ装置では、減速して駆動輪側からダンパ装置に駆動力が入力されるとき、すなわち、エンジンブレーキの作動時において、ヒステリシストルクが発生することによって減衰性能が低下するという問題が生じる。
そこで、本発明の課題は、減衰性能の低下を抑制することにある。
本発明のある側面に係るダンパ装置は、入力回転体と、出力回転体と、第1弾性部材と、第2弾性部材と、ヒステリシストルク発生機構と、を備える。入力回転体は、回転可能に配置される。出力回転体は、入力回転体と相対回転可能に配置される。第1弾性部材は、入力回転体を第1回転方向に付勢し且つ出力回転体を第2回転方向に付勢するように圧縮した状態で配置される。第2弾性部材は、入力回転体を第2回転方向に付勢し且つ出力回転体を第1回転方向に付勢するように圧縮した状態で配置される。第2弾性部材は、第1弾性部材よりもバネ定数が小さい。ヒステリシストルク発生機構は、入力回転体が出力回転体に対して第2回転方向に第1角度以上捩れたときにヒステリシストルクを発生させるように構成される。
この構成によれば、第2弾性部材が第1弾性部材よりもばね定数が小さいため、第1弾性部材と第2弾性部材とのばね定数が同じダンパ装置に比べて、入力回転体は出力回転体に対して第1回転方向に捩れている。この結果、入力回転体が出力回転体に対して第2回転方向に回転したときに発生するヒステリシストルクの発生タイミングが遅くなる。したがって、エンジンブレーキの作動時において、ヒステリシストルクが発生することを抑制することができ、ひいては、減衰性能の低下を抑制することができる。
好ましくは、出力回転体は、第1収容部と、第2収容部とを有する。第1収容部は、第1弾性部材を収容する。第2収容部は、第2弾性部材を収容する。入力回転体は、第1支持部と第2支持部とを有する。第1支持部は、第1弾性部材を支持する。第2支持部は、第2弾性部材を支持する。第1収容部は、第1支持部と軸方向視において重複するとともに、第1支持部に対して第1回転方向にオフセットして配置される。第2収容部は、第2支持部と軸方向視において重複するとともに、第2支持部に対して第2回転方向にオフセットして配置される。第2収容部のオフセット量は、第1収容部のオフセット量よりも大きい。
本発明によれば、減衰性能の低下を抑制することができる。
ダンパ装置の断面図。 ダンパ装置の正面図。 入力回転体とハブフランジとの関係を示す模式図。 ハブフランジに対して入力回転体がR1側にθ1捩れた状態を示す模式図。 ハブフランジに対して入力回転体がR1側に角度θ4捩れた状態を示す模式図。 ハブフランジに対して入力回転体がR2側に角度θ2捩れた状態を示す模式図。 ヒステリシストルク発生機構の拡大図。 規制突起と長孔との関係を示す正面拡大図。 図2の拡大部分図。 捩り特性を示すグラフ。 中立状態を示す動作説明図。 中立状態からR1側に1°捩れた状態を示す動作説明図。 中立状態からR1側に4°捩れた状態を示す動作説明図。 中立状態からR2側に3°捩れた状態を示す動作説明図。 中立状態からR2側に6°捩れた状態を示す動作説明図。 中立状態からR2側に3°捩れた状態を示す動作説明図。 中立状態を示す動作説明図。 中立状態からR2側に3°捩れた状態を示す動作説明図。 中立状態からR2側に6°捩れた状態を示す動作説明図。 中立状態からR2側に10°捩れた状態を示す動作説明図。 中立状態からR2側に7°捩れた状態を示す動作説明図。 中立状態からR2側に3°捩れた状態を示す動作説明図。
[全体構成]
図1は、本発明の一実施形態によるトルクリミッタ付きダンパ装置1(以下、単に「ダンパ装置」と記載する)の断面図である。また、図2はダンパ装置1の正面図であり、その一部は構成する部材を取り外して示している。図1においては、ダンパ装置1の左側にエンジン(図示せず)が配置され、右側に電動機や変速装置等を含む駆動ユニット(図示せず)が配置されている。
なお、以下の説明において、軸方向とは、ダンパ装置1の回転軸Oが延びる方向である。また、円周方向とは、回転軸Oを中心とした円の円周方向であり、径方向とは、回転軸Oを中心とした円の径方向である。なお、円周方向とは、回転軸Oを中心とした円の円周方向に完全に一致している必要はない。また、径方向とは、回転軸Oを中心とした円の直径方向に完全に一致している必要はない。また、捩り角度とは、ハブフランジ40に対して入力回転体30が捩れた角度を意味する。
図1に示すように、ダンパ装置1は、フライホイール(図示せず)と駆動ユニットの入力軸(図示せず)との間でトルクを伝達するように構成されている。ダンパ装置1は、エンジンと駆動ユニットとの間に配置される。ダンパ装置1は、エンジンと駆動ユニットとの間で伝達されるトルクを制限するとともに、回転変動を減衰するための装置である。
ダンパ装置1は、トルクリミッタユニット10と、ダンパユニット20と、を有している。ダンパ装置1は、エンジンからのトルクを駆動ユニット側に伝達するとき、第1回転方向(図2の反時計回り)に回転する。また、第2回転方向(図2の時計回り)は、第1回転方向とは逆の回転方向を意味する。
[トルクリミッタユニット]
トルクリミッタユニット10は、ダンパユニット20に対して径方向外側に配置されている。トルクリミッタユニット10は、フライホイールとダンパユニット20との間で伝達されるトルクを制限する。トルクリミッタユニット10は、カバープレート11と、支持プレート12と、摩擦ディスク13と、プレッシャプレート14と、コーンスプリング15と、を有している。
カバープレート11と支持プレート12とは、軸方向において所定の間隔をあけて配置されている。カバープレート11の外周部と支持プレート12の外周部とが、複数のボルト16によってフライホイールに固定されている。
摩擦ディスク13、プレッシャプレート14、及びコーンスプリング15は、軸方向において、カバープレート11と支持プレート12との間に配置されている。
摩擦ディスク13は、コアプレートと、コアプレートの両側面に固定された1対の摩擦部材と、を有している。摩擦ディスク13の内周部は、複数のリベット17によってダンパユニット20に固定されている。プレッシャプレート14及びコーンスプリング15は、摩擦ディスク13と支持プレート12との間に配置されている。
プレッシャプレート14は、環状に形成されている。プレッシャプレート14は、摩擦ディスク13に対して、支持プレート12側に配置されている。なお、プレッシャプレート14は、その外周部において、複数の爪14aを有している。この爪14aは、支持プレート12に形成された複数の係合孔12aに係合している。
コーンスプリング15は、プレッシャプレート14と支持プレート12との間に配置されている。コーンスプリング15は、プレッシャプレート14を介して摩擦ディスク13をカバープレート11に押圧している。
[ダンパユニット]
ダンパユニット20は、入力回転体30と、ハブフランジ40(出力回転体の一例)と、弾性連結部50と、ヒステリシストルク発生機構60と、を有している。
<入力回転体>
図1及び図2に示すように、入力回転体30は、回転可能に配置されている。入力回転体30は、第1プレート31及び第2プレート32を有している。第1プレート31及び第2プレート32は、中心部に孔を有する円板状に形成されている。第1プレート31と第2プレート32とは、互いに軸方向に間隔をあけて配置されている。
第1プレート31は、1対の第1支持部301、及び一対の第2支持部302を有している。第2プレート32も同様に、一対の第1支持部301、及び1対の第2支持部302を有している。第1プレート31の第1支持部301は、第2プレート32の第1支持部301と同じ位置に形成されている。また、第1プレート31の第2支持部302は、第2プレート32の第2支持部302と同じ位置に形成されている。第2プレート32は、リベット17に対応する位置に組付用の孔32aを有している。
第1プレート31は、複数のストッパ部31a及び複数の固定部31bを有している。ストッパ部31a及び固定部31bは、第1プレート31の外周部に配置されている。
ストッパ部31aは、第2プレート32に向かって軸方向に延びている。ストッパ部31aは、第1プレート31の外周部を第2プレート32側に折り曲げることによって形成されている。
固定部31bは、ストッパ部31aの先端を径方向外側に折り曲げることによって形成されている。この固定部31bが、第2プレート32の外周端部に複数のリベット33によって固定されている。このため、第1プレート31と第2プレート32とは、互いに相対回転不能であり、互いに軸方向に移動不能である。
第1プレート31の1対の第1支持部301は、回転軸Oを挟んで互いに反対側の位置に配置されている。また、第1プレート31の各第2支持部302は、回転軸Oを中心にして各第1支持部を90°回転させた位置に配置されている。第2プレート32の第1支持部301及び第2支持部302も同様の位置に配置されている。各支持部301,302は、軸方向に貫通する孔と、この孔の内周縁及び外周縁に切り起こされた縁部と、を有している。
図3A~図3Dに模式的に示すように、各支持部301,302は、第1回転方向側(以下、単に「R1側」と記載する)の端部にR1支持面301a,302aを有し、第2回転方向側(以下、単に「R2側」と記載する)の端部にR2支持面301b,302bを有している。各支持部301,302における孔の幅(R1支持面とR2支持面との間の距離)はLである。
なお、図3A~図3Dでは、第1支持部301及び第2支持部302を実線で示し、後述するハブフランジ40の第1収容部401及び第2収容部402を一点鎖線で示している。また、図3は模式図であって、図2で示す実際の具体的な形状とは異なっている。
<ハブフランジ>
図1及び図2に示すように、ハブフランジ40は、ハブ41及びフランジ42を有している。ハブ41及びフランジ42は、一つの部材によって互いに一体的に構成されている。ハブフランジ40は、入力回転体30に対して所定の角度範囲で相対回転可能である。ハブ41は、筒状に形成され、中心部にはスプライン孔41aが形成されている。また、ハブ41は第1プレート31及び第2プレート32の中心部の孔を貫通している。
フランジ42は、円板状であり、ハブ41の外周面から径方向外側に延びている。フランジ42は、軸方向において、第1プレート31と第2プレート32との間に配置されている。
フランジ42は、複数のストッパ用突起42bと、1対の第1収容部401と、一対の第2収容部402と、複数の切欠403と、を有している。
ストッパ用突起42bは、フランジ42の外周面から径方向外側に突出して形成されている。各ストッパ用突起42bが形成された位置は、各収容部401,402の円周方向の中央部の径方向外側である。そして、入力回転体30とハブフランジ40とが互いに相対回転した際に、ストッパ用突起42bが第1プレート31のストッパ部31aに当接することにより、入力回転体30とハブフランジ40との相対回転が禁止される。
図3Aに示すように、1対の第1収容部401は、1対の第1支持部301に対応する位置に配置されている。また、1対の第2収容部402は、1対の第2支持部302に対応する位置に配置されている。詳細には、入力回転体30とハブフランジ40との間の相対回転角度が0°であって両者が捩じれていない中立状態(捩り角度0°)では、図3Aに示すように、第1収容部401は、第1支持部301に対して軸方向視で一部が重なるようにかつR1側に角度θ1(例えば捩り角度1°)だけオフセットして配置されている。また、第2収容部402は、第2支持部302に対して軸方向視で一部が重なるようにかつR2側に角度θ2(例えば捩り角度3°)だけオフセットして配置されている。この角度θ2は、角度θ1よりも大きい。すなわち、第2収容部402のオフセット量は、第1収容部401のオフセット量よりも大きい。
各収容部401,402は、軸方向視において、外周部が円弧状のほぼ矩形の孔である。各収容部401,402は、R1側の端部にR1収容面401a,402aを有し、R2側の端部にR2収容面401b,402bを有している。各収容部401,402の孔の幅(R1収容面401a,402aと、R2収容面401b,402bと、の間の距離)は、各支持部301,302の孔の幅と同様にLに設定されている。
図2に示すように、切欠403は、円周方向において隣り合う第1収容部401と第2収容部402との間に配置されている。切欠403は、フランジ42の外周面から径方向内側に向かって所定の深さで形成されている。各切欠403が形成された位置は、トルクリミッタユニット10の摩擦ディスク13と第1プレート31とを連結するリベット17の位置に対応している。したがって、それぞれ別工程で組み立てられたトルクリミッタユニット10及びダンパユニット20を、第2プレート32の組付用孔32a及びフランジ42の切欠403を利用して、リベット17により固定することが可能である。
<弾性連結部>
図1及び図2に示すように、弾性連結部50は、入力回転体30とハブフランジ40とを弾性的に連結する。弾性連結部50は、複数の第1コイルスプリング51(第1弾性部材の一例)と、複数の第2コイルスプリング52(第2弾性部材の一例)と、複数の樹脂部材53と、を有している。なお、本実施形態では、弾性連結部50は、一対の第1コイルスプリング51と、一対の第2コイルスプリング52とを有している。また、弾性連結部50は、複数の樹脂部材53を有していなくてもよい。
第1コイルスプリング51は、フランジ42の第1収容部401に収容されている。第1コイルスプリング51は、入力回転体30の第1支持部301によって径方向及び軸方向に支持されている。
第2コイルスプリング52は、フランジ42の第2収容部402に収容されている。第2コイルスプリング52は、入力回転体30の第2支持部302によって径方向及び軸方向に支持されている。第1コイルスプリング51は第2コイルスプリング52と並列で作動する。
第1コイルスプリング51と第2コイルスプリング52とは、自由長が互いに同じである。この第1及び第2コイルスプリング51、52の自由長は、各支持部301,302及び各収容部401,402の幅Lと同じである。
第1コイルスプリング51の剛性は、第2コイルスプリング52の剛性よりも大きい。すなわち、第1コイルスプリング51のばね定数は、第2コイルスプリング52のばね定数よりも大きい。なお、各樹脂部材53の剛性は、互いに同じである。
<各コイルスプリングの収容状態>
ここで、中立状態での、各支持部301,302と各収容部401,402との配置、及び各コイルスプリング51、52の収容状態について、以下に詳細に説明する。なお、以下の説明において、第1支持部301及び第1収容部401を「第1窓セットw1」と記載し、第2支持部302及び第2収容部402を「第2窓セットw2」と記載する場合がある。
前述のように、中立状態では、図3Aに示すように、各第1収容部401は、対応する各第1支持部301に対してR1側に角度θ1だけオフセットされている。一方、各第2収容部402は、対応する各第2支持部302に対してR2側に角度θ2だけオフセットされている。
第1支持部301と第1収容部401との軸方向視において重なった部分の開口(軸方向に貫通する孔)に、第1コイルスプリング51が圧縮された状態で装着されている。また、第2支持部302と第2収容部402との軸方向視において重なった部分の開口(軸方向に貫通する孔)に、第2コイルスプリング52が圧縮された状態で装着されている。なお、第2コイルスプリング52のばね定数は、第1コイルスプリング51のばね定数よりも小さいため、第2コイルスプリング52は、第1コイルスプリング51よりも圧縮量が大きい。
具体的には、図3Aに示すように、中立状態において、各第1窓セットw1では、第1コイルスプリング51のR1側の端面がR1支持面301aに当接し、第1コイルスプリング51のR2側の端面がR2収容面401bに当接している。すなわち、中立状態において、各第1窓セットw1では、第1コイルスプリング51のR1側の端面は、入力回転体30と接触する一方で、ハブフランジ40とは接触していない。また、中立状態において、各第1窓セットw1では、第1コイルスプリング51のR2側の端面は、ハブフランジ40と接触する一方で、入力回転体30とは接触していない。このように、第1コイルスプリング51は、入力回転体30をR1側に付勢し且つハブフランジ40をR2側に付勢するように圧縮した状態で配置される。
各第2窓セットw2では、第2コイルスプリング52のR1側の端面がR1収容面402aに当接し、R2側の端面がR2支持面302bに当接している。すなわち、中立状態において、各第2窓セットw2では、第2コイルスプリング52のR1側の端面は、ハブフランジ40と接触する一方で、入力回転体30とは接触していない。また、中立状態において、各第2窓セットw2では、第2コイルスプリング52のR2側の端面は、入力回転体30と接触する一方で、ハブフランジ40とは接触していない。このように、第2コイルスプリング52は、入力回転体30をR2側に付勢し且つハブフランジ40をR1側に付勢するように圧縮した状態で配置される。
以上のような構成において、第1コイルスプリング51は第2コイルスプリング52よりも剛性が大きいため、ハブフランジ40は、入力回転体30に対してR2側に捩られる。このため、角度θ1は、角度θ2よりも小さくなる。すなわち、第2収容部402のオフセット量は、第1収容部401のオフセット量よりも大きくなる。
<ヒステリシストルク発生機構>
図1及び図4に示すように、ヒステリシストルク発生機構60は、第1ブッシュ61と、第2ブッシュ62と、コーンスプリング63と、フリクションプレート64と、を有している。ヒステリシストルク発生機構60は、入力回転体30との間でヒステリシストルクを発生させる。
ヒステリシストルク発生機構60は、入力回転体30と相対回転することによって、ヒステリシストルクを発生させる。具体的には、以下に説明するように、ヒステリシストルク発生機構60は、第1ブッシュ61及びフリクションプレート64が入力回転体30と相対回転することによって、ヒステリシストルクを発生させる。なお、図4は、図1の拡大部分図である。
第1ブッシュ61は、軸方向において、第1プレート31とフランジ42との間に配置されている。第2ブッシュ62、コーンスプリング63、及びフリクションプレート64は、軸方向において、第2プレート32とフランジ42との間に配置されている。なお、軸方向において、フリクションプレート64は、フランジ42と第2ブッシュ62との間に配置され、コーンスプリング63は、第2プレート32と第2ブッシュ62との間に配置されている。
第1ブッシュ61は、第1プレート31に対して相対回転可能である。また、第1ブッシュ61は、フランジ42に対して相対回転可能である。第1ブッシュ61の第1プレート31側の面には、摩擦部材611が固定されている。このため、第1ブッシュ61が第1プレート31と相対回転すると、ヒステリシストルクが発生する。
第1ブッシュ61とフリクションプレート64とは、互いに一体的に回転する。詳細には、第1ブッシュ61は、図4に示すように、複数の規制突起61aと、複数の係合突起61bと、を有している。係合突起61bは、フリクションプレート64に形成された係合孔64aに係合している。したがって、第1ブッシュ61とフリクションプレート64とは互いに相対回転不能であって、一体的に回転する。
規制突起61aは、第1ブッシュ61のフランジ42側の側面に、軸方向に突出して形成されている。この規制突起61aは、図5(正面部分図)にさらに拡大して示すように、フランジ42に形成された円周方向に長い長孔42cを貫通している。
中立状態において、規制突起61aと長孔42cの円周方向の端面との間には、R1側及びR2側の両側において、隙間が形成されている。なお、R2側における隙間は、捩り角度θ2に相当する。すなわち、R2側の隙間は、第2支持部302に対する第2収容部402のオフセット量と同じである。このR2側の隙間分の捩り角度θ2が、本発明の第1角度に相当する。すなわち、入力回転体30がハブフランジ40に対してR2側に角度θ2以上捩れたときに、ヒステリシストルク発生機構60はヒステリシストルクを発生させる。
R1側における隙間は、捩り角度θ3に相当する。なお、この捩り角度θ3は、捩り角度θ2に比べて十分に大きい。このため、ダンパ装置1の使用時において、R1側に捩れても規制突起61aが長孔42cの端面に当接することはない。なお、中立状態での第1ブッシュ61及びフリクションプレート64の位置を「中立位置」と称する。
図4に示すように、第2ブッシュ62は、フリクションプレート64と相対回転可能である。第2ブッシュ62のフリクションプレート64側の面には、摩擦部材621が固定されている。このため、第2ブッシュ62がフリクションプレート64と相対回転すると、ヒステリシストルクが発生する。なお、コーンスプリング63は、軸方向において、第2ブッシュ62と第2プレート32との間に圧縮された状態で配置されている。すなわち、コーンスプリング63は、第2ブッシュ62をフリクションプレート64に向かって付勢している。
第2ブッシュ62は、第2プレート32と一体的に回転する。詳細には、第2ブッシュ62の第2プレート32側の面には、軸方向に突出する複数の係合突起62a(図2参照)が形成されている。この係合突起62aが第2プレート32の係合孔32bに係合している。したがって、第2ブッシュ62と第2プレート32とは一体的に回転する。
以上のような構成により、第1ブッシュ61及びフリクションプレート64は、ハブフランジ40に対して、R1側に角度θ3だけ相対回転可能であり、R2側に角度θ2だけ相対回転可能である。したがって、以上の捩り角度範囲では、基本的には、第1ブッシュ61と第1プレート31との間では摩擦接触はなく、これらの間にヒステリシストルクは発生しない。また、同様に、以上の捩り角度範囲では、フリクションプレート64は第1プレート31と同期して回転するので、第2ブッシュ62とフリクションプレート64との間に摩擦接触はなく、これらの間にヒステリシストルクは発生しない。
一方、以上の捩り角度を超えた範囲では、第1ブッシュ61及びフリクションプレート64は、フランジ42に対して相対回転が禁止される。したがって、第1ブッシュ61と第1プレート31との間、及び第2ブッシュ62とフリクションプレート64との間で摩擦接触し、これらの間でヒステリシストルクが発生する。
ここで、フリクションプレート64は、図2及び図2の拡大部分図である図6に示すように、正面視矩形状である。また、フリクションプレート64は、一対の突出部641を有している。突出部641は、フリクションプレート64の外周面から径方向外側に突出している。各突出部641は、回転軸Oを挟んで互いに反対側の位置に配置されている。
突出部641は、円周方向において、第1窓セットw1と第2窓セットw2との間に位置している。そして、各突出部641のR1側の当接面641aは、第2窓セットw2に圧縮された配置された第2コイルスプリング52のR2側の端面に当接している。また、各突出部641のR2側の当接面641bは、第1窓セットw1に圧縮された配置された第1コイルスプリング51のR1側の端面に当接している。
以上のように、フリクションプレート64の各突出部641は、第1コイルスプリング51によってR1側に付勢され、第2コイルスプリング52によってR2側に付勢されている。したがって、フリクションプレート64及びこれと同期して回転する第1ブッシュ61は、中立状態では常に中立位置に位置決めされることになる。
[捩り特性:ヒステリシストルクなし]
ここで、動作の説明を容易にするために、まず、ヒステリシストルクがない場合の、4つのコイルスプリング51、52による捩り特性について説明する。図7において、破線が第1窓セットw1の第1コイルスプリング51による捩り特性、二点鎖線が第2窓セットw2の第2コイルスプリング52による捩り特性、実線がこれらの捩り特性を合成した捩り特性w0である。
ダンパ装置1は、中立状態、第1捩り状態、及び第2捩り状態となるように構成されている。図3Aは、中立状態のダンパ装置1の模式図を示し、図3B及び図3Cは、第1捩り状態のダンパ装置1を示し、図3Dは、第2捩り状態のダンパ装置1を示す。なお、中立状態とは、エンジン及び駆動ユニットのいずれからもダンパ装置1にトルクが伝達されないときのダンパ装置1の状態を意味する。また、第1捩り状態とは、エンジンからダンパ装置1にトルクが伝達されることによって、入力回転体30がハブフランジ40に対してR1側に捩れたときのダンパ装置1の状態を意味する。また、第2捩り状態とは、駆動ユニットからダンパ装置1にトルクが伝達されることによって、入力回転体30がハブフランジ40に対してR2側に捩れたときのダンパ装置1の状態を意味する。
<第1窓セットw1>
図3Aに示すように、入力回転体30とハブフランジ40とが相対回転していない中立状態では、第1窓セットw1の第1コイルスプリング51は、R1支持面301aとR2収容面401bとの間に圧縮して配置されている。このR1支持面301aとR2収容面401bとの間の間隔G1は、各支持部301,302及び各収容部401,402の幅L(コイルスプリングの自由長に等しい)より狭い。したがって、図7の鎖線で示すように、第1窓セットw1では、圧縮された第1コイルスプリング51による捩りトルク-tが発生している。
図3Bに示すように、エンジンからダンパ装置1にトルクが入力されると、ダンパ装置1は、第1捩り状態となる。すなわち、入力回転体30に対してハブフランジ40が中立状態からR2側(捩り特性において正側)に角度θ1だけ捩れる。この状態では、第1支持部301に対する第1収容部401のオフセット量が「0」となる。
ここでは、第1窓セットw1において、第1コイルスプリング51のR1側の端面が当接しているR1支持面301aと、第1コイルスプリング51のR2側の端面が当接しているR2収容面401bとの間の間隔G2は間隔G1よりも広くなる。この間隔G2は第1コイルスプリング51の自由長と同じである。すなわち、入力回転体30とハブフランジ40の捩り角度が+θ1の場合、第1窓セットw1では、第1コイルスプリング51は自由長となって、図7に示すように、捩りトルクは「0」となる。
また、入力回転体30に対してハブフランジ40が角度θ1を超えて捩れると、図3Cに示すように(図3Cでは捩り角度がθ4(>θ1)の場合を示している)、第1窓セットw1の第1コイルスプリング51のR1側の端面はR1収容面401aに当接し、R2側の端面はR2支持面301bに当接する。ここで、R1収容面401aとR2支持面301bとの間の間隔G3は、第1コイルスプリング51の自由長よりも狭い。すなわち、入力回転体30とハブフランジ40の捩り角度がθ1を超えると、コイルスプリング51は自由長から圧縮され、図7に示すように、捩りトルクは次第に大きくなる。
一方、図3Dに示すように、ダンパ装置1が第2捩り状態となった場合、すなわち、入力回転体30に対してハブフランジ40が中立状態からR1側(捩り特性において負側)に捩れる場合は、第1窓セットw1の第1コイルスプリング51は、常にR1支持面301aとR2収容面401bとの間で圧縮される。すなわち、第1窓セットw1では、図7に示すように、負側の捩り領域においては、捩り角度が負側に大きくなるにしたがって捩りトルクも負側に大きくなる。
<第2窓セットw2>
図3Aに示すように、中立状態では、第2窓セットw2の第2コイルスプリング52は、R1収容面402aとR2支持面302bとの間に圧縮して配置されている。このR1収容面402aとR2支持面302bとの間の間隔G4は、各支持部301,302及び各収容部401,402の幅L(コイルスプリングの自由長に等しい)より狭い。したがって、図7の二点鎖線で示すように、中立状態において、第2窓セットw2では、圧縮された第2コイルスプリング52による捩りトルク+tが発生している。なお、この中立状態における第2コイルスプリング52の捩りトルク+tは、第1コイルスプリング51による捩りトルク-tと釣り合っている。また、上述したように、第2コイルスプリング52の剛性は、第1コイルスプリング51の剛性よりも小さいため、第2コイルスプリング52は、第1コイルスプリング51よりも圧縮されている。このため、間隔G4は間隔G1よりも狭い。
図3B及び図3Cに示すように、ダンパ装置1が第1捩り状態となると、第2窓セットw2の第2コイルスプリング52は、常にR1収容面402aとR2支持面302bとの間で圧縮される。すなわち、第2窓セットw2では、図7に示すように、正側の捩り領域においては、捩り角度が大きくなるにしたがって捩りトルクも正側に大きくなる。
一方、図3Dに示すように、ダンパ装置1が第2捩り状態となる、すなわち、入力回転体30に対してハブフランジ40が中立状態からR1側に角度θ2だけ捩れると、第2支持部302に対する第2収容部402のオフセット量が「0」となる。
ここでは、第2窓セットw2では、第2コイルスプリング52のR1側の端面が当接しているR1収容面402aと、第2コイルスプリング52のR2側の端面が当接しているR2支持面302bと、の間の間隔G5は間隔G4よりも広くなる。この間隔G5は第2コイルスプリング52の自由長と同じである。すなわち、入力回転体30とハブフランジ40の捩り角度が-θ2の場合、第2窓セットw2では、第2コイルスプリング52は自由長となって、図7に示すように、捩りトルクは「0」となる。
また、入力回転体30に対してハブフランジ40が角度θ2を超えてR1側に捩れると、第2窓セットw2の第2コイルスプリング52のR1側の端面はR1支持面302aに当接し、R2側の端面はR2収容面402bに当接する。そして、捩り角度が負側にさらに大きくなると、第2コイルスプリング52は自由長から圧縮され、図7に示すように、捩りトルクは負側に次第に大きくなる。
<合成された捩り特性>
ダンパユニット全体としては、図7の破線で示す特性w1と二点鎖線で示す特性w2とが合成され、実線で示す捩り特性w0となる。すなわち、中立状態では捩りトルクは「0」であり、捩り角度が正側及び負側に大きくなるにしたがって、捩りトルクも正側及び負側に大きくなる。
[動作:ヒステリシストルクあり]
次に、図8以降の模式図を用いて、ヒステリシストルクを考慮した捩り特性について説明する。模式図では、第1ブッシュ61及びフリクションプレート64を「摩擦部材FP」として説明する。また、各模式図において、右側がR1側を示し、左側がR2側を示す。以下の説明では、前述の角度θ1を1°、角度θ2を3°として説明するが、この数値は一例である。また、以下の説明では、捩り角度とは、ハブフランジ40に対する入力回転体30の捩り角度を意味する。また、捩り角度は絶対値で表示する。
<中立状態>
図8は、中立状態を示している。この中立状態では、各窓セットw1,w2のコイルスプリング51、52は圧縮されて配置されている。また、前述のように、フリクションプレート64の突出部641の端面である当接面641a,641bは、対応するコイルスプリング51、52の端面に当接している。このため、フリクションプレート64は、中立位置に位置決めされている。したがって、第1ブッシュ61の規制突起61aとフランジ42の長孔42cの端面との間には、R1側においてθ3(例えば20°とする)、R2側においてθ2(例えば3°とする)の隙間が確保されている。なお、本実施形態では、規制突起61aと長孔42cの円周方向のR2側の端面との隙間における角度θ2は、第2支持部302に対する第2収容部402のオフセット量θ2と同じである。
まず、ダンパ装置1が第1捩り状態となった時の捩り特性(以下、「正側の捩り特性」とも言う)について説明する。
<中立状態→捩り角度2°>
図9は、入力回転体30がハブフランジ40に対して中立状態からR1側に1°捩れた状態を示している。
図8から図9に状態が変化する間、すなわち、中立状態から捩り角度1°捩れる間は、第1窓セットw1の第1コイルスプリング51は、圧縮状態から伸長して自由長となり、第2窓セットw2の第2コイルスプリング52は、圧縮状態からさらに圧縮される。また、摩擦部材FPと入力回転体30とは同期してR1側に回転するため、摩擦部材FPと入力回転体30との間にヒステリシストルクは発生しない。詳細には、摩擦部材FPの第1ブッシュ61と第1プレート31との間にヒステリシストルクは発生しない。なお、第2ブッシュ62とフリクションプレート64との間にも同様にヒステリシストルクは発生しない。
<捩り角度1°→4°>
図10は、入力回転体30がハブフランジ40に対してR1側に4°捩れた状態を示している。
図9から図10に状態が変化する間、すなわち、捩り角度1°から4°に捩れる間は、第1窓セットw1のコイルスプリング51は、自由長から圧縮されて圧縮状態となり、第2窓セットw2のコイルスプリング51は、圧縮状態からさらに圧縮される。また、摩擦部材FPと入力回転体30とは同期してR1側に回転するため、摩擦部材FPと入力回転体30との間にヒステリシストルクは発生しない。
<捩り角度4°→中立状態>
捩り角度4°から中立状態に戻る間は、上記の逆の順に状態が変化する。すなわち、図10の状態から図9の状態となり、最終的に図8の中立状態に戻る。
以上のように、ヒステリシストルク発生機構60は、ダンパ装置1が第1捩り状態にある間、ヒステリシストルクを発生させないように構成されている。
次に、ダンパ装置1が第2捩り状態となったときの捩り特性(以下、「負側の捩り特性」とも言う)について説明する。
<中立状態→捩り角度3°>
図11は、捩り角度が負側に大きくなる過程において、入力回転体30がハブフランジ40に対してR2側に3°捩れた状態を示している。この状態において、第1ブッシュ61の規制突起61aは、フランジ42の長孔42cのR2側の端面に当接している。
図8から図11に状態が変化する間、すなわち、中立状態からR2側に3°捩れる間は、第2窓セットw2の第2コイルスプリング52は、圧縮状態から伸長して自由長となり、第1窓セットw1の第1コイルスプリング51は、圧縮状態からさらに圧縮される。また、摩擦部材FPは、入力回転体30とは同期してR2側に回転する。このため、摩擦部材FPと入力回転体30との間にヒステリシストルクは発生しない。詳細には、摩擦部材FPの第1ブッシュ61と第1プレート31との間にヒステリシストルクは発生せず、摩擦部材FPの第2ブッシュ62とフリクションプレート64との間にもヒステリシストルクは発生しない。
<捩り角度3°→6°>
図12は、捩り角度が負側に大きくなる過程において、入力回転体30がハブフランジ40に対してR2側に6°捩れた状態を示している。
図11から図12に状態が変化する間、すなわち、捩り角度3°から6°まで捩れる間は、第1窓セットw1の第1コイルスプリング51は、圧縮状態がさらに進み、第2窓セットw2の第2コイルスプリング52は、自由長から圧縮されて圧縮状態となる。
また、入力回転体30は、R2側へ回転する。その一方で、摩擦部材FPは、規制突起61aがフランジ42の長孔42cの端面に当接するため、R2側への回転が禁止される。この結果、摩擦部材FPは入力回転体30に対して相対回転し、これらの間にヒステリシストルクが発生する。詳細には、第1ブッシュ61が第1プレート31と相対回転して、これらの間にヒステリシストルクが発生する。また、第2ブッシュ62がフリクションプレート64と相対回転して、ヒステリシストルクが発生する。
<捩り角度6°→3°>
図13は、中立状態に戻る過程において、入力回転体30がハブフランジ40に対してR2側に3°捩れた状態を示している。図12から図13に状態が変化する間、すなわち、捩り角度6°から捩り角度3°に戻る間は、入力回転体30がR1側に回転する一方で、摩擦部材FPは回転しない。詳細には、摩擦部材FPは、当接面641aが第2窓セットw2の第2コイルスプリング52の端面に当接している一方で、当接面641bが第1窓セットw1の第1コイルスプリング51の端面と当接していない。すなわち、摩擦部材FPは、第2窓セットw2の第2コイルスプリング52によってR2側のみに付勢されている。このため、摩擦部材FPは、R1側に回転しない。したがって、入力回転体30は摩擦部材FPに対して相対回転するので、捩り角度6°から3°まではヒステリシストルクが発生する。
<捩り角度3°から中立状態>
図13に示すように、捩り角度が3°になると、第1窓セットw1の第1コイルスプリング51のR1側の端面が当接面641bに当接する。このため、図13から図8に状態が変化する間、すなわち、捩り角度3°から中立状態に戻る間、入力回転体30は摩擦部材FPと同期して回転し、ヒステリシストルクは発生しない。
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
(a)上記実施形態では、規制突起61aと長孔42cのR2側の端面との隙間の捩り角度θ2は、第2支持部302に対する第2収容部402のオフセット量θ2と同じであったが、ダンパ装置1の構成はこれに限定されない。例えば、規制突起61aと長孔42cのR2側の端面との隙間の捩り角度は、第2支持部302に対する第2収容部402のオフセット量θ2よりも大きくすることができる。例えば、R2側における規制突起61aと長孔42cの端面との隙間の捩り角度を2・θ2とすることができる。
この場合における捩り特性について以下、模式図を用いて説明する。なお、ダンパ装置1が第1捩り状態となったときの捩り特性は、上記実施形態と同様であるため、ダンパ装置1が第2捩り状態となったときの捩り特性について説明する。
図14は、中立状態を示している。この中立状態では、R2側における規制突起61aと長孔42cの端面との隙間以外は、上記実施形態と同じである。なお、このR2側における規制突起61aと長孔42cの端面との隙間2・θ2は、例えば6°とする。
<中立状態→捩り角度3°>
図15は、捩り角度が負側に大きくなる過程において、入力回転体30がハブフランジ40に対してR2側に3°捩れた状態を示している。
図14から図15に状態が変化する間、すなわち、中立状態からR2側に3°捩れる間、第1窓セットw1のコイルスプリング51は、圧縮状態からさらに圧縮される。また、第2窓セットw2のコイルスプリング51は、圧縮状態から伸長して自由長となる。
また、摩擦部材FPは、入力回転体30とは同期して回転する。このため、摩擦部材FPと入力回転体30との間にヒステリシストルクは発生しない。詳細には、摩擦部材FPの第1ブッシュ61と第1プレート31との間にヒステリシストルクは発生せず、摩擦部材FPの第2ブッシュ62とフリクションプレート64との間にもヒステリシストルクは発生しない。
<捩り角度3°→6°>
図16は、捩り角度が負側に大きくなる過程において、入力回転体30がハブフランジ40に対してR2側に6°捩れた状態を示している。
図15から図16に状態が変化する間、すなわち、捩り角度3°から6°まで捩れる間、第1窓セットw1の第1コイルスプリング51は、圧縮状態からさらに圧縮される。また、第2窓セットw2の第2コイルスプリング52は、自由長から圧縮されて圧縮状態となる。
摩擦部材FPは、引き続き、入力回転体30とは同期して回転するため、摩擦部材FPと入力回転体30との間にヒステリシストルクは発生しない。
摩擦部材FPの当接面641aは、第2窓セットw2の第2コイルスプリング52の端面から離れていき、捩り角度6°の状態では、当接面641aと第2窓セットw2の第2コイルスプリング52の端面との隙間は3°になる。
<捩り角度6°→10°>
図17は、捩り角度が負側に大きくなる過程において、入力回転体30がハブフランジ40に対してR2側に10°捩れた状態を示している。
図16から図17に状態が変化する間、すなわち、捩り角度6°から10°まで捩れる間は、第1及び第2窓セットw1、w2の各コイルスプリング51、52は、圧縮状態がさらに進む。
また、入力回転体30は、R2側へ回転する。その一方で、摩擦部材FPは、規制突起61aがフランジ42の長孔42cの端面に当接するため、R2側への回転が禁止される。この結果、摩擦部材FPは入力回転体30に対して相対回転し、これらの間にヒステリシストルクが発生する。詳細には、第1ブッシュ61が第1プレート31と相対回転して、これらの間にヒステリシストルクが発生する。また、第2ブッシュ62がフリクションプレート64と相対回転して、ヒステリシストルクが発生する。
また、捩り角度が6°以上では、当接面641aと第2窓セットw2の第2コイルスプリング52の端面との隙間は一定(3°)に維持される。この隙間3°は、規制突起61aと孔42cのR2側の隙間2・θ2(6°)からオフセット量θ2(3°)を差し引いた角度である。したがって、捩り角度が6°以上の高捩り角度領域では、前述の3°(相対捩り角度)の角度範囲内において、摩擦部材FPは入力側プレートIPとともに作動可能である。すなわち、相対捩り角度が3°の角度範囲(微小捩り角度範囲の一例)内では、ヒステリシストルクは発生しない。
したがって、捩り角度が6°以上(絶対角度)の高捩り角度領域では、比較的大きなヒステリシストルクを得ることができるとともに、絶対的な捩り角度が6°以上のある捩り角度において、入力側プレートIPとハブフランジ40との相対的な捩り角度が3°の微小捩り角度範囲内では、ヒステリシストルクは発生しない。したがって、捩り特性において高捩り角度領域である走行領域では、微小なトルク変動を効果的に減衰することができる。
<捩り角度10°→7°>
図18は、中立状態に戻る過程において、入力回転体30がハブフランジ40に対してR2側に7°捩れた状態を示している。図17から図18に状態が変化する間、すなわち、捩り角度10°から捩り角度7°に戻る間は、入力回転体30は、摩擦部材FPと同期してR1側に回転する。したがって、捩り角度10°から7°まではヒステリシストルクは発生しない。すなわち、摩擦部材FPの当接面641aが第2コイルスプリング52の端面との間に隙間がある間は、ヒステリシストルクは発生しない。
<捩り角度7°→3°>
図19は、中立状態に戻る過程において、入力回転体30がハブフランジ40に対してR2側に3°捩れた状態を示している。図18から図19に状態が変化する間、すなわち、捩り角度7°から捩り角度3°に戻る間は、入力回転体30がR1側に回転する一方で、摩擦部材FPは回転しない。詳細には、摩擦部材FPは、当接面641aが第2窓セットw2の第2コイルスプリング52の端面に当接している一方で、当接面641bが第1窓セットw1の第1コイルスプリング51の端面と当接していない。すなわち、摩擦部材FPは、第2窓セットw2の第2コイルスプリング52によってR2側のみに付勢されている。このため、摩擦部材FPは、R1側に回転しない。したがって、入力回転体30は摩擦部材FPに対して相対回転するので、捩り角度7°から3°まではヒステリシストルクが発生する。
<捩り角度3°→中立状態>
図19に示すように、捩り角度が3°になると、第1窓セットw1の第1コイルスプリング51のR1側の端面が当接面641bに当接する。このため、図19から図14に状態が変化する間、すなわち、捩り角度3°から中立状態に戻る間、入力回転体30は摩擦部材FPと同期して回転し、ヒステリシストルクは発生しない。
(b)上記実施形態では、ダンパ装置1が第1捩り状態にある間、ヒステリシストルク発生機構60は、ヒステリシストルクを発生させないように構成されているが、ヒステリシストルク発生機構60の構成はこれに限定されない。すなわち、ダンパ装置1が第1捩り状態にある間、ヒステリシストルク発生機構60は、ヒステリシストルクを発生させてもよい。例えば、規制突起61aと長孔42cのR1側との隙間における角度を、第2支持部302に対する第2収容部402のオフセット量と同じとしてもよい。
(c)各支持部301,302及び各収容部401,402の幅や、コイルスプリング51、52の長さ、あるいは捩り角度の具体的数値については、一例であって、これらの数値に限定されるものではない。
(d)収容部、支持部、及びコイルスプリングの個数は一例であって、前記実施形態に限定されない。
(e)上記実施形態では、ヒステリシストルク発生機構60は、第1ブッシュ61と、第2ブッシュ62と、コーンスプリング63と、フリクションプレート64と、を有していたが、ヒステリシストルク発生機構60の構成はこれに限定されない。例えば、ヒステリシストルク発生機構60は、第2ブッシュ62及びコーンスプリング63を有していなくてもよい。
また、ヒステリシストルク発生機構60は、フリクションプレート64を有していなくてもよい。この場合、第1ブッシュ61が、フリクションプレート64の一対の突出部641を有していればよい。
1 :ダンパ装置
30 :入力回転体
60 :ヒステリシストルク発生機構
301 :第1支持部
302 :第2支持部
401 :第1収容部
402 :第2収容部

Claims (2)

  1. 回転可能に配置される入力回転体と、
    前記入力回転体と相対回転可能に配置される出力回転体と、
    前記入力回転体を第1回転方向に付勢し且つ前記出力回転体を第2回転方向に付勢するように圧縮した状態で配置される第1弾性部材と、
    前記入力回転体を前記第2回転方向に付勢し且つ出力回転体を前記第1回転方向に付勢するように圧縮した状態で配置され、前記第1弾性部材よりもばね定数が小さい第2弾性部材と、
    前記入力回転体が前記出力回転体に対して前記第2回転方向に第1角度以上捩れたときにヒステリシストルクを発生させるように構成されるヒステリシストルク発生機構と、
    を備える、ダンパ装置。
  2. 前記出力回転体は、前記第1弾性部材を収容する第1収容部と、前記第2弾性部材を収容する第2収容部と、を有し、
    前記入力回転体は、前記第1弾性部材を支持する第1支持部と、前記第2弾性部材を支持する第2支持部と、を有し、
    前記第1収容部は、前記第1支持部と軸方向視において重複するとともに、前記第1支持部に対して第1回転方向にオフセットして配置され、
    前記第2収容部は、前記第2支持部と軸方向視において重複するとともに、前記第2支持部に対して第2回転方向にオフセットして配置され、
    前記第2収容部のオフセット量は、前記第1収容部のオフセット量よりも大きい、
    請求項1に記載のダンパ装置。
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