JP2023138387A - 成形用シート及び包装容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】凍環境下での耐衝撃性に優れると共に、使用樹脂量を減らしても優れた機械強度を発現し、シートの薄肉化が可能な成形用シート及びこれを用いた成形品を提供する。【解決手段】ポリオレフィン樹脂と、該樹脂をマトリックスとして分散するタルクとを必須の構成要素とする成形用シートであって、前記タルクが平均粒子径(D50)が2~8μm、アスペクト比が30~50の範囲のものであることを特徴とする成形用シートを基材層1とし、その両表面に表層3,3’を設けた積層シートを熱成形して成形品とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、成形用シート及び包装容器に関する。
食品包装容器の分野では、近年、女性や高齢者の就業率の上昇から、手軽に栄養バランスに優れた食事をとることのできる冷凍食品の需要が高まっている。斯かる冷凍食品は冷凍されたまま運搬、店頭で陳列されるため、包装容器には、取り扱い作業時の落下、衝突などに耐える冷凍環境下での衝撃強度や耐荷重性などの機械強度が求められている。
そこで、例えば、特許文献1には、ブロックポリプロピレンを50~80重量% 、高密度ポリエチレンを8~32重量%の範囲で配合し、更にタルクを分散させたシートを耐熱基材層とし、両表層にポリプロピレン層を積層した成形用シートが開示されている。斯かる特許文献1記載の成形用シートは、ブロックポリプロピレンを多く配合することにより耐衝撃性を改善しようとするものである。
しかしながら、近年、環境負荷軽減の観点から植物由来のポリオレフィン材料、具体的には植物由来のバイオポリエチレンを配合する試みが広く行われているが、斯かる植物由来のバイオポリエチレン自体は、石油由来のポリエチレンよりも強度的に劣ることが知られており、特許文献1記載の樹脂組成にバイオポリエチレンを加えようとしても、結局、配合した分、強度低下を招く、という結果となり、バイオ度を高めつつも容器の衝撃強度を維持するという相互に反する性能を兼備させることは困難なものであった。よって、環境負荷軽減を目的として植物由来材料をしても、その分強度低下してしまうため、シート厚みを厚くせざるを得ず、プラスチック量削減という観点からはマイナスであって、結局、シート強度、成形品強度と環境負荷軽減という点では、バランスの良いシート又は成形品製品を製造することには限界があった。
特開2021-37748号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、植物由来の所謂バイオポリオレフィンを原料として使用しつつも優れた優れた機械強度を発現し、シートの薄肉化が可能な成形用シート及びこれを用いた成形品を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、タルクをオレフィン系樹脂に分散させて複合シート化する際、使用するタルクとして平均粒子径(D50)が2~10μm、アスペクト比が30~50のものを用いることにより、成形品の機械的強度を高められ、容器自体の薄肉化を実現できること、とりわけ冷凍環境下での耐衝撃性が飛躍的に高まることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ポリオレフィン樹脂と、該樹脂をマトリックスとして分散するタルクとを必須の構成要素とする成形用シートであって、前記タルクが平均粒子径(D50)が2~8μm、アスペクト比が30~50の範囲のものであることを特徴とする成形用シートに関する。
本発明は、更に、前記シートを熱成形してなる包装容器に関する。
本発明によれば、使用樹脂量を減らしても優れた機械強度を発現し、シートの薄肉化が可能な成形用シート及びこれを用いた成形品を提供できる。とりわけ冷凍環境下での耐衝撃性に優れた成形用シート及びこれを用いた成形品を提供できる。
図1は、本発明の成形用シートの断面図である。
本発明の成形シートは、前記した通り、ポリオレフィン樹脂と、該樹脂をマトリックスとしてタルクが分散した構造を有しており、前記タルクが平均粒子径(D50)が2~8μm、アスペクト比が30~50の範囲のものであることを特徴としている。通常、タルクは扁平形状を有しており、粒子径が小さくなるに従い、扁平割合を示すアスペクト比も小さくなる傾向があるが、本発明では比較的平均粒子径が小さい割に高いアスペクト比を有するものである。本発明では、このような特異な粒子径及びアスペクト比を持つタルクを分散フィラーとして用いることにより熱成形した後の容器の強度が劇的に改善させることができる。
ここで、平均粒子径(D50)は、レーザー回折・散乱法によるメジアン径(D50)であり、具体的にはJIS Z8824に準拠し、必要により超音波処理して一次粒子分散体を得、次いでJIS Z8825に準拠して測定された値である。本発明では該平均粒子径(D50)が、とりわけ3~7μm、特に4~6μmのものが前記した効果が顕著に現れる点から好ましい。
また、アスペクト比は、タルクの粒子を超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(製品名「S-4800」日立製作所製)にて3万~10万倍で観察し、断面の観察が可能な粒子を任意で10個選び出し、それぞれの断面の厚みと長さを測定した上で各アスペクト比(長さ/厚み)を計算し、さらにその算術平均値を算出することができる。
前記タルクは、更に、マトリックスを構成する樹脂成分との濡れ性が良好となる点から比表面積(BET)が7~10m/gの範囲であることが好ましい。
また、成形容器から使用タルクの性状を確認するには、例えば、80mm×80mmの範囲で容器底面から切り出し、試験片をデカリンなどの高沸点溶媒に高温で溶解させ、タルクを抽出・乾燥させて前記方法にて測定することができる。
以上詳述したタルクは、樹脂中に分散させるにあたり、濡れ性を高めるためにシランカップリング剤で処理したものを用いることもできる。
次に、マトリックスを構成する、オレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体が挙げられるが、本発明ではポリプロピレン系樹脂と、高密度ポリエチレンとの混合樹脂として用いることが耐寒性及び耐熱性に優れた性能を発現させることができる点から好ましい。
ここでポリプロピレン系樹脂としては、アイソタクティクポリプロピレン、シンジオタクティクポリプロピレン、アタックティクポリプロピレンなどのポリプロピレン、エチレン-プロピレンランダムポリマー、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレンブテンー共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、プロピレン-無水マレイン酸共重合体、プロピレン-プロピレン-ブテン-1共重合体、ポリエチレン又はポリプロピレンの不飽和カルボン酸(例えば無水マレイン酸)変性物が挙げられる。
これらのなかでも特にエチレン-プロピレンブロック共重合体(以下、「ブロックポリプロピレン(A)」と略記することがある。)が、プロピレン相中にポリエチレンが島状に分散する海島構造を持ち、海島の界面に存在するゴム相により優れた耐衝撃性が発現される点から好ましい。
また、ブロックポリプロピレン(A)を用いる場合、該ブロックポリプロピレン(A)にポリエチレン(B)を混合して用いることが好ましい。斯かるポリエチレン(B)は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、および高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられるが、成形品の剛性や低温耐衝撃性に優れる点から植物由来の高密度ポリエチレン(HDPE)であることが好ましい。
ここで、高密度ポリエチレン(以下、「高密度ポリエチレン(B’)」と記載することがある)を混合して用いることが好ましい。ここで高密度ポリエチレン(B’)は、密度が0.942~0.970のポリエチレンであり、本発明ではこの高密度ポリエチレン(B’)を比較的多く用いることにより、形成品にしたときにより硬く剛性の高いものとなる。
ブロックポリプロピレン(A)と高密度ポリエチレン(B’)とタルクとの配合割合(含有比率)は、質量基準で、[(A)/(B’)/タルク]が、20/60/20~35/30/35となる割合であることが、成形品にした際の落下や、積層、重荷重を受けた際の割れや歪みを効果的に防止することができ、冷凍環境下での耐衝撃性が飛躍的に高まる点から好ましい。とりわけ成形用シート中にブロックポリプロピレン(A)が25~35質量%、高密度ポリエチレン(B’)が35~50質量%、タルクが25~35質量%であることが、これら各種の効果がより顕著なものとなる点から好ましい。このように高密度ポリエチレン(B’)や、特異的なサイズ・形状のタルクを比較的多く用いることによりブロックポリプロピレン(A)の持つ衝撃強度を損なうことなく剛性が高められる他、超低温での衝撃強度も発現される点は特筆すべき点である。
また、本発明では、マトリックスを構成する樹脂成分中に植物由来のポリエチレンを含有させることが環境対応型製品となる点から好ましく、例えば、ブロックポリプロピレン(A)に植物由来のポリエチレンを一部配合して使用することが望ましい。
上記した植物由来のポリエチレンとしては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)等の低密度ポリエチレン樹脂、および高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられるが、最終的に得られる成形品の剛性や低温耐衝撃性に優れる点から植物由来の高密度ポリエチレン(HDPE)であることが好ましく、とりわけ前記した高密度ポリエチレン(B’)の代わりとして、或いは、その一部に植物由来の高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることが好ましい。
斯かる植物由来の高密度ポリエチレンの密度は、0.942~0.97のものが好ましい。
また、植物由来の高密度ポリエチレンのバイオマス度、即ち、全炭素原子に対する植物由来の炭素原子の割合は、90%以上、特に95%以上であることが好ましい。ここでバイオマス度は、例えば、ASTM D6866に準拠して測定することができる。
ここで、植物由来のポリエチレン樹脂の材料としては、例えば、トウモロコシ、キャッサ
バ、サトウキビ、さとう大根、パームヤシ、大豆、ヒマ等があげられる。また、バイオマ
ス由来のポリエチレン樹脂は、発酵、菌発酵、化学変化、培養抽出など、どのような方法
で製造されたものであってもよい。
本発明の成形用シートには、必要に応じて各種添加剤、例えば酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤などを含有させてもよい。
本発明の成形シートは、以上詳述したシートを基材層(2)として、その一方の表面に第一の表層(3)、更にその反対側の表面に第二の表層(3’)を設けた積層シートとすることが、最終的に得られる成形品外観の光沢が良好なものとなる点から好ましい。
この様に基材層(2)の両表面に表層(3)、表層(3’)を積層する場合、所謂2種3層構造のシートとなる。ここで表層(3)、表層(3’)はポリオレフィン系樹脂から構成されていることが好ましい。斯かる表層(3)、表層(3’)に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポ リエチレン、線状低密度ポリエチレン、アイソタクティクポリプロピレン、シンジオタクティクポリプロピレン、アタックティクポリプロピレンなどのポリプロピレン、エチレン-プロピレンランダムポリマー、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プ ロピレンブテンー共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、エチレン-酢酸ビニル共 重合体、エチレン-不飽和カルボン酸エステル共重合体(例えばエチレン-メチルメタクリレート共重合体)、エチレン-不飽和カルボン酸金属塩共重合体(例えばエチレン-アクリル酸マグネシュウム(又は亜鉛)共重合体)、プロピレン-ブテン共重合体、プロピレン-無水マレイン酸共重合体、プロピレン-オレフィン共重合体(プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体)、ポリエチレン又はポリプロピレンの不 飽和カルボン酸(例えば無水マレイン酸)変性物、及びこれ等二種以上の混合物などが挙げられる。これらの中でも、プロピレン単独重合体であることが基材層との密着性に優れる点、及び成形品にした際の光沢に優れる点から好ましい。
本発明の成形用シートの厚みは、特に限定されるものではなく、例えば、基材層と表層とを含む全厚で200~600μmの範囲から選択することができるが、前記した通り、本発明では容器にした際に優れた機械的強度を発現させることができる点から、平均粒子径(D50)が10~20μm、アスペクト比20~25程度の通常のタルクを使用した場合に比べ、シート厚みを薄くすることができる。具体的には、従来型と同等の強度を得ようする場合に全厚でシート厚みを5~8%薄くすることが可能となる。
以上の観点から基材層の厚みは180~590mmの範囲であることが好ましく、表層の厚みは、表両面の層厚の合計がシート全厚の1~10%の範囲であることが好ましい。
本発明の成形シートを製造するには、例えば、基材層を構成する上記した各成分を溶融混合してマスターバッチを調整し、これを用いて溶融混錬、Tダイより押出し無延伸で製膜する方法が挙げられる。また、基材層の両面に表層を有する場合は、所謂共押出法により所定厚みに製膜することができる。
以上詳述した成形用シートは、真空成型又は圧空成型などの常法により所望の形状に熱成形して包装容器とすることができる。斯かる包装容器は、上部に開口部を持つ平面視矩形又は楕円形の容器であればよいが、強度をより高める点からその壁面に上下方向に凹凸を持たせた所謂リブを設けてもよい。また、電子レンジでの加熱際の加熱効率が良好となる点から底面部中央を上底状としてもよい。
この様にして得られたた包装容器は、冷凍食品包装容器として用いる場合は、冷凍食品を収容後、それら全体をピロー包装でシール密封して冷凍食品製品とすることがきる。また、容器の上部開口部から外側へ水平方向に延出したフランジ部を設け、冷凍食品を収容後、トップシールフィルムを該フランジ上面に熱融着させて冷凍食品製品とすることがきる。
本発明の包装容器は、基材層に比較的多量のタルクを分散させることとなるため、その表面が微細な凹凸が生じやすいもの、基材層を薄肉化でき、表面状態を良好に維持するのに十分な厚みの表層を設けることができることから、強度と成形品光沢とに優れ、かつ、プラスチック量低減化に寄与することができる。
このような観点から表面における表面粗度(Ra)は、3μm以下、とりわけ1μm以下であることが好ましい。このような表面粗度(Ra)を有する場合、とりわけトップシール容器として用いる場合に熱融着するときのシール強度に優れたものとなる。ここで、表面粗度(Ra)とは、基準長さにおける算術平均粗さをいい、例えば、成形容器の底面部の内面側表面をJIS B0601-2013に準拠して、キーエンス製レーザー顕微鏡(VK-X200シリーズ)を用いて拡大倍率1000倍で測定し、評価長さを2000μm、カットオフλsを2.5μm、カットオフλcを0.25mmとして算出することができる。
ここで、ピロー包装とは一枚のフィルムを背中合わせで筒状にした状態でシールをし、指定の長さで底部をシールして切断した形状の包装形態であり、ピロー包装用フィルムは基材フィルムとシーラントフィルムとから構成されている。
次に、トップシール用容器として用いる場合に使用されるトップフィルムとしては、界面剥離タイプ、層間剥離タイプ、凝集剥離タイプの何れであってもよい。なかでも包装容器表面との密着性、密閉性に優れる点から層間剥離タイプ、凝集剥離タイプであることが好ましい。
かかる層間剥離タイプ、凝集剥離タイプのトップフィルムは、具体的は、基材フィルム上に凝集剥離層又は層間剥離層を有するものであればよく、少なくとも2層以上の多層構造であればよい。なかでも基材フィルム/支持フィルム/凝集剥離層(又は層間剥離層)の順に積層された多層フィルムであることが好ましい。
ここで、基材フィルムとしては各種のスチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂を使用することができるが、とりわけ剛性の点からナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。基材フィルムの厚さは、例えば、5~20μmの範囲である。
前記支持フィルムとしては、凝集剥離層又は層間剥離層との親和性の高い樹脂材料を適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンブロック共重合体等が挙げられる。斯かる支持フィルムの厚さは、1層で用いる場合は20~60μm、2層で用いる場合は合計で20~60μmとなる範囲であることが好ましい。
本発明では、前記したトップシールされた製品を、更にピロー包装によって包んで食品商品としてもよい。
実施例1~5、比較例1~3
下記表2記載の配合に従い基材層(2)のマスターバッチ、及び表層(3)(3’)のマスターバッチを用意した。ここで、各実施例及び比較例で使用したタルクは、日本タルク社製の下記表1記載のタルクを用い、マスターバッチはスターフィールド社にて調整したものを使用した。
なお、実施例4及び5で使用したバイオHDPEとしては、ブラスケム社製「SGM9450F」(バイオマス度96%、密度0.952)を使用した。
Figure 2023138387000002
基材層(2)用マスターバッチ及び表層(3)用マスターバッチをそれぞれ押し出し機に供給し、Tダイから押出し、二種三層の無延伸積層シートを得た。得られた無延伸積層シートの断面形状を図1に示す。また、得られた無延伸積層シートの各層の厚みを表2に示す。
上記のシートをそれぞれ用い、真空成形機により成形し、
底面部:縦100mm×横100mm
開口部:縦120mm×横120mm
高さ50mm、テーパ角度7度の成形体を得た。
<引張試験(引張弾性率)>
各実施例及び比較例で得た各シートのMD,TD方向に試験片を採取し、室温で引張試験[試験速度:1(mm/分)]を行い、引張弾性率を求めた。
<曲げ試験(曲げ弾性率)>
各実施例及び比較例で得た各シートのMD,TD方向に試験片を採取し、室温で曲げ試験[試験速度:100(mm/分)]を行い、曲げ弾性率を求めた。
<耐寒耐衝撃性(-30℃デュポン衝撃試験)>
各実施例及び比較例で得た各シートから試験片を採取し、―30℃環境下にてデュポン式衝撃試験[撃芯径:12.689(mm)]を行い、50%破壊エネルギーを求めた。
<容器物性天地圧縮試験>
各実施例及び比較例で得た成形品を用いて、圧縮速度:100(mm/分)にて天地圧縮試験を行い降伏点の圧力を求めた
Figure 2023138387000003
以上の結果から、汎用のタルクであるタルク(b)を用いた場合に比べ、タルク(a)を用いた実施例1~3は何れも引張弾性率及び曲げ弾性率に優れ、かつ、冷凍環境下(-30℃)での衝撃強度に優れるシートとなっている。また、成形品における天地圧縮強度にも実施例1~3は優れた性能を発現している。天地圧縮強強度が同レベルである、実施例1と比較例2との対比から明らかなように、比較例2に対して実施例1ではシート全厚の約8%を薄肉化できていることが分かる。
バイオHDPEを一部使用した実施例4及び実施例5においては、バイオHDPEの割合が増加するにつれ引張弾性率及び曲げ弾性率が実施例1~3に比べて低下するものの、
汎用タルクであるタルク(b)を用いた比較例1~3よりもなお高い引張弾性率及び曲げ弾性率を発現しており、天地圧縮強度においては同じ厚みの比較例3よりも高い荷重を発現している。
さらに-30℃での衝撃強度では、バイオHDPEを主層に30質量%配合した実施例5において、石化由来のHDPEのみを使用した実施例3よりも優れるという特異な特徴を有している。
1・・・成形用シート
2・・・基材層
3・・・表層1
3’・・・表層2

Claims (8)

  1. ポリオレフィン樹脂と、該樹脂をマトリックスとして分散するタルクとを必須の構成要素とする成形用シートであって、前記タルクが平均粒子径(D50)が2~8μm、アスペクト比が30~50の範囲のものであることを特徴とする成形用シート。
  2. マトリックスを構成するポリオレフィン樹脂として、ブロックポリプロピレン(A)と、ポリエチレン(B)とを併用する請求項1記載の成形用シート。
  3. 前記ポリエチレン(B)が、高密度ポリエチレン(B’)である請求項2記載の成形用シート。
  4. 前記ポリエチレン(B)が、植物由来のポリエチレンを含む請求項2記載の成形用シート。
  5. ブロックポリプロピレン(A)と高密度ポリエチレン(B’)とタルクとの含有比率[(A)/(B’)/タルク]が、質量基準で、20/60/20~35/30/35となる割合である請求項3記載の成形用シート。
  6. 請求項5記載のシートを基材層として、その片面又は表面に、ポリプロピレン層を有する成形用シート。
  7. シートの全厚に対する前記ポリプロピレン層の総厚みが2~20%の範囲である請求項6記載の成形用シート。
  8. 請求項1~7の何れか一つに記載の成形用シートを熱成形してなる包装容器。




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