JP2023133210A - 加飾フィルム、物品、加飾パネル、及び、表示装置 - Google Patents

加飾フィルム、物品、加飾パネル、及び、表示装置 Download PDF

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Haruka Sano
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Abstract

【課題】視野角による色味変化の少ない加飾フィルム、上記加飾フィルムを備えた又は物品又は加飾パネル、及び、上記加飾パネルを備えた表示装置を提供する。【解決手段】少なくとも380nm~780nmの光選択反射性を有し、かつ凹凸構造Aを有する反射層と、上記反射層より視認側に、凹凸構造Bを有する層とを有し、上記凹凸構造Bが、頂部が周囲よりも高い凸部を有する加飾フィルム、少なくとも380nm~780nmの光選択反射性を有し、かつ凹凸構造Aを有する反射層と、上記反射層より視認側に、凹凸構造Bを有する層とを有し、上記凹凸構造Aが一軸の対称軸を有し、上記凹凸構造Bが一軸の対称軸を有し、同一平面状に各上記対称軸を投影した場合、上記凹凸構造Aの上記対称軸と上記凹凸構造Bの上記対称軸とが交差する加飾フィルム、上記加飾フィルムを備えた物品又は加飾パネル、及び、上記加飾パネルを備えた表示装置。【選択図】図2

Description

本開示は、加飾フィルム、物品、加飾パネル、及び、表示装置に関する。
従来の加飾成型体としては、特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1には、基材と、選択反射波長の中心波長を300nm以上1,500nm以下の範囲に有し、かつ凹凸構造を有する反射層と、上記基材と上記反射層との間に樹脂層と、を含む加飾成型体が記載されている。
従来の反射材としては、特許文献2に記載されたものが知られている。
特許文献2には、凹凸円偏光反射層及び平坦円偏光反射層を含み、上記凹凸円偏光反射層及び上記平坦円偏光反射層はいずれもコレステリック液晶相を固定した層を含み、上記凹凸円偏光反射層は一方の面が凹凸面であり、他方の面が平坦面であり、上記凹凸円偏光反射層の上記平坦面側に上記平坦円偏光反射層を含み、上記平坦円偏光反射層は両面が平坦面である反射材が記載されている。
従来の積層体としては、特許文献3に記載されたものが知られている。
特許文献3には、保護層と、上記保護層側とは反対側の表面に凹凸構造を有する基材と、上記基材の上記凹凸構造を有する表面上に配置され、上記凹凸構造に追従した凹凸構造の表面形状を有する反射層と、上記反射層上に配置され、上記反射層の上記凹凸構造を埋める屈折率調整層と、接着層と、をこの順に有し、上記基材と上記屈折率調整層との波長550nmにおける屈折率の差が0.20以下であり、波長500~600nmの領域における各波長での透過率に対する反射率の比を測定した際の上記比の最大値が0.20以下であり、波長850~950nmの領域における各波長での透過率に対する反射率の比を測定した際の上記比の最大値が0.40以上である、積層体が記載されている。
従来の光学体としては、特許文献4に記載されたものが知られている。
特許文献4には、表面に凹凸面が設けられた光学層と、上記凹凸面上に設けられた波長選択反射層とを備え、上記波長選択反射層が、特定波長帯の光を選択的に指向反射するのに対して、上記特定波長帯以外の光を透過するものであり、上記凹凸面は、上記光学層の表面内の第1方向に延在された複数の第1構造体と、上記光学層の表面内の第2方向に延在されると共に、離間して設けられた複数の第2構造体とを備え、上記第1方向と上記第2方向とは交差する関係にある光学体が記載されている。
従来の樹脂装飾部品としては、特許文献5に記載されたものが知られている。
特許文献5には、光を透過する本体を有し上記本体に設けられ凹凸によってカーボン調模様が形成されたカーボン調凹凸面を含んで構成されるクリア装飾体を備え、上記カーボン調凹凸面は、上記カーボン調模様を形成する上記凹凸として、カーボン繊維束を疑似的に表す疑似カーボン繊維束の織り目を構成する複数の単位模様体を有し、上記複数の単位模様体は、それぞれが、上記疑似カーボン繊維束の延在方向において中央部に位置する頂面部を有し、上記延在方向に沿った基準線に対する上記頂面部の長手方向に沿った中心線の傾きを頂面部傾きとした場合、上記頂面部傾きがそれぞれ異なる少なくとも2種類の上記単位模様体を含んで構成されることを特徴とする樹脂装飾部品が記載されている。
国際公開第2021/010445号 特開2017-097114号公報 特開2021-107116号公報 特開2013-114073号公報 特開2020-041853号公報
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、視野角による色味変化の少ない加飾フィルムを提供することである。
本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、上記加飾フィルムを備えた物品又は加飾パネル、及び、上記加飾パネルを備えた表示装置を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 少なくとも380nm~780nmの光選択反射性を有し、かつ凹凸構造Aを有する反射層と、上記反射層より視認側に、凹凸構造Bを有する層とを有し、上記凹凸構造Bが、頂部が周囲よりも高い凸部を有する加飾フィルム。
<2> 上記凹凸構造Bが、二軸以上の対称軸を有する繰り返し構造を有するか、又は、ランダムな構造を有する<1>に記載の加飾フィルム。
<3> 少なくとも380nm~780nmの光選択反射性を有し、かつ凹凸構造Aを有する反射層と、上記反射層より視認側に、凹凸構造Bを有する層とを有し、上記凹凸構造Aが一軸の対称軸を有し、上記凹凸構造Bが一軸の対称軸を有し、同一平面状に各上記対称軸を投影した場合、上記凹凸構造Aの上記対称軸と上記凹凸構造Bの上記対称軸とが交差する加飾フィルム。
<4> 上記凹凸構造Bの平均高さが、上記凹凸構造Aの平均高さよりも低い<1>~<3>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<5> 上記加飾フィルムの面方向に垂直な方向で上記凹凸構造Aを裁断した断面において、値が最も大きくなる方向における上記凹凸構造Aの正の傾斜角の平均が、30°以上である<1>~<4>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<6> 上記凹凸構造Aの平均高さが、20μm~1mmである<1>~<5>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<7> 上記凹凸構造Bの平均高さが、100μm以下である<1>~<6>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<8> 上記凹凸構造Bを最表面に有する<1>~<7>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<9> 上記反射層が、誘電体多層膜を含む<1>~<8>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<10> 上記反射層が、コレステリック液晶層を含む<1>~<9>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<11> <1>~<10>のいずれか1つの加飾フィルムを備える物品。
<12> <1>~<10>のいずれか1つの加飾フィルムを備える加飾パネル。
<13> <12>に記載の加飾パネルを備える表示装置。
本開示の一実施形態によれば、視野角による色味変化の少ない加飾フィルムを提供することができる。
本開示の他の実施形態によれば、上記加飾フィルムを備えた物品又は加飾パネル、及び、上記加飾パネルを備えた表示装置を提供することができる。
本開示に係る加飾フィルムの一例を示す概略断面図である。 凹凸構造を形成する型の一例を示す概略断面図である。 凹凸構造を形成する型の他の一例を示す概略断面図である。 凹凸構造を形成する型の更に他の一例を示す概略断面図である。 凹凸構造を形成する型の更に他の一例を示す概略断面図である。 図5に示す型を凹凸構造の頂部を多く含む断面で切断した概略断面図である。 凹凸構造を形成する型の更に他の一例を示す概略断面図である。 凹凸構造を形成する型の更に他の一例を示す概略断面図である。
以下、本開示に係る加飾フィルムについて説明する。但し、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。本開示の実施形態について図面を参照して説明する場合、重複する構成要素及び符号については、説明を省略することがある。図面において同一の符号を用いて示す構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。図面における寸法の比率は、必ずしも実際の寸法の比率を表すものではない。
本開示における基(原子団)の表記について、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
本開示における「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。
本開示における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光:Extreme Ultraviolet)、X線、及び電子線(EB:Electron Beam)等を意味する。
本開示における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、及びEUV光等による露光のみならず、電子線、及びイオンビーム等の粒子線による露光も含む。
本開示において、「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本開示において、(メタ)アクリレートはアクリレート及びメタクリレートを表し、(メタ)アクリルはアクリル及びメタクリルを表す。
本開示において、樹脂成分の重量平均分子量(Mw)、樹脂成分の数平均分子量(Mn)、及び樹脂成分の分散度(分子量分布ともいう)(Mw/Mn)は、GPC(Gel Permeation Chromatography)装置(東ソー(株)製HLC-8120GPC)によるGPC測定(溶媒:テトラヒドロフラン、流量(サンプル注入量):10μL、カラム:東ソー(株)製TSK gel Multipore HXL-M、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/分、検出器:示差屈折率検出器(Refractive Index Detector))によるポリスチレン換算値として定義される。
本開示において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する該当する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において「全固形分」とは、組成物の全組成から溶媒を除いた成分の総質量をい
う。また、「固形分」とは、組成物の全組成から溶媒を除いた成分であり、例えば、25℃において固体であっても、液体であってもよい。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(加飾フィルム)
本開示に係る加飾フィルムの第一の実施態様は、少なくとも380nm~780nmの光選択反射性を有し、かつ凹凸構造Aを有する反射層と、上記反射層より視認側に、凹凸構造Bを有する層とを有し、上記凹凸構造Bが、頂部が周囲よりも高い凸部を有する。
本開示に係る加飾フィルムの第二の実施態様は、少なくとも380nm~780nmの光選択反射性を有し、かつ凹凸構造Aを有する反射層と、上記反射層より視認側に、凹凸構造Bを有する層とを有し、上記凹凸構造Aが一軸の対称軸を有し、上記凹凸構造Bが一軸の対称軸を有し、同一平面状に各上記対称軸を投影した場合、上記凹凸構造Aの上記対称軸と上記凹凸構造Bの上記対称軸とが交差する。
なお、本明細書において、特に断りなく、単に「本開示に係る加飾フィルム」等という場合は、上記第一の実施態様及び上記第二の実施態様の両方について述べるものとする。
従来の反射層を有する積層体は、Bragg反射の原理に基づき色が見えることから、斜めから見ると反射光が短波シフトし、視野角によって色味が変化して見えるという問題が生じる場合があった。
本発明者らが詳細に検討した結果、上記態様とすることにより、視野角による色味変化の少ない加飾フィルムが得られることを本発明者らは見出した。
反射層より視認側に、凹凸構造Bを有する層を有し、上記凹凸構造Bが、頂部が周囲よりも高い凸部を有するか、又は、上記凹凸構造Aが一軸の対称軸を有し、上記凹凸構造Bが一軸の対称軸を有し、同一平面状に各上記対称軸を投影した場合、上記凹凸構造Aの上記対称軸と上記凹凸構造Bの上記対称軸とが交差することにより、反射層の凹凸構造Aにより生じる複数の反射光の重ねあわせにより反射スペクトルが平均化されるとともに、凹凸構造Bにより反射光を散乱することで、反射スペクトルをより平均化することができ、視野角による色味変化の少ない加飾フィルムが得られると推定している。
〔凹凸構造A〕
本開示に係る加飾フィルムの第一の実施態様は、少なくとも380nm~780nmの光選択反射性を有し、かつ凹凸構造Aを有する反射層を有する。
また、本開示に係る加飾フィルムの第二の実施態様は、少なくとも380nm~780nmの光選択反射性を有し、かつ凹凸構造Aを有する反射層を有し、上記凹凸構造Aが一軸の対称軸を有する。
凹凸構造Aは、加飾フィルムの表面構造ではなく、反射層自体が有していることが好ましい。また、凹凸構造の角度は、一定の角度を多く有するよりも、後述する図2~図8のように連続的に変化するものが好ましい。
本開示に係る加飾フィルムの第一の実施態様における凹凸構造Aの具体例を挙げると、一軸の対称軸を有する繰り返し構造である、プリズム形状(山型)、レンチキュラー形状(半円)、カーブ形状(波型)、また、二軸以上の対称軸を有する繰り返し構造又はランダムな構造である角錐状、角錐台状、円錐状、円錐台状等の凸部を有する凹凸構造などが挙げられる。
本開示に係る加飾フィルムの第二の実施態様における凹凸構造Aの具体例を挙げると、一軸の対称軸を有する繰り返し構造である、プリズム形状(山型)、レンチキュラー形状(半円)、カーブ形状(波型)などが挙げられる。
なお、本開示における凹凸構造の「対称軸」とは、面方向のある一方向において、凹凸構造が線対称の繰り返し構造となる方向をいう。
例えば、図2に示すカーブ形状の場合、面方向において、カーブ形状の凹凸構造の頂部に平行な方向の対称軸を1つのみ有しており、面方向において、カーブ形状の凹凸構造の頂部に垂直な方向は、繰り返し構造とならないため、対称軸ではないものとする。
また、二軸の対称軸を有する繰り返し構造である凹凸構造とは、例えば、半球状の凸部が縦横方向に配列した凹凸構造等が挙げられる。
上記カーブ形状は、面方向における少なくとも1方向かつ厚さ方向の断面形状が、三角関数により表される形状であることが好ましく、正弦曲線であることがより好ましい。
中でも、凹凸構造Aは、視野角による色味変化抑制性(「視野角依存性」ともいう。)の観点から、一軸の対称軸を有する繰り返し構造であることが好ましく、レンチキュラー形状又はカーブ形状の凹凸構造が好ましく、カーブ形状の凹凸構造がより好ましい。
図2は、一軸の対称軸を有する繰り返し構造であるカーブ形状の凹凸構造を形成する型の一例を示す概略断面図である。θは、後述する正の傾斜角の平均を表す。Hは、凸部分の高さを表し、図2の場合は、凹凸構造の平均高さは、凸部分の高さの値となる。
図2に示す型を用いることにより、型の表面における凹凸構造と同様の凹凸構造を形成することができる。
図3は、一軸の対称軸を有する繰り返し構造であるレンチキュラー形状の凹凸構造を形成する型の一例を示す概略断面図である。θは、後述する正の傾斜角の平均を表し、Hは、凹凸構造の平均高さを表す。
図4は、一軸の対称軸を有する繰り返し構造であるプリズム形状の凹凸構造を形成する型の一例を示す概略断面図である。θは、後述する正の傾斜角の平均を表し、Hは、凹凸構造の平均高さを表す。
図5は、二軸の対称軸を有する繰り返し構造であるプリズム形状の凹凸構造を形成する型の一例を示す概略断面図であり、図6は、図5に示す型を凹凸構造の頂部を多く含む断面で切断した概略断面図である。θは、後述する正の傾斜角の平均を表し、Hは、凹凸構造の平均高さを表す。
図7は、一軸の対称軸を有する繰り返し構造であるカーブ形状の凹凸構造を形成する型の他の一例を示す概略断面図である。θは、後述する正の傾斜角の平均を表し、Hは、凸部分の高さを表し、図7の場合は、凹凸構造の平均高さは、凸部分の高さの値となる。
図8は、一軸の対称軸を有する繰り返し構造であるプリズム形状の凹凸構造を形成する型の他の一例を示す概略断面図である。θは、後述する正の傾斜角の平均を表し、Hは、凹凸構造の平均高さを表す。
上記凹凸構造Aの平均高さは、20nm~4mmであることが好ましく、15μm~2mmであることがより好ましく、20μm~1mmであることが更に好ましく、100μm~1mmであることが特に好ましい。上記範囲であると、散乱効果が向上し、視野角による色味変化抑制性により優れ、また、意匠性にも優れる。凹凸構造が人間の目では視認できず表面が一様に見えるという観点では、20nm~100μmであることも好ましい。
本開示において、レーザー顕微鏡(例えば、(株)キーエンス製のVK-X1000)を用いて得られる凹凸構造中における隣接する極大部と極小部の高度差の面内平均値を凹凸構造の平均高さとして採用する。測定対象面は、反射層の凹凸構造の表面又は断面とする。ただし、反射層を覆う層が凹凸構造を有し、かつ、反射層を覆う層の凹凸構造が反射層の凹凸構造と実質的に同一であるとみなせる場合には、反射層を覆う層の凹凸構造の高さを反射層の凹凸構造の高さとして採用してもよい。なお、平均高さは、10点以上の高さの測定値の平均をとるものとする。
上記凹凸構造Aが有する角度成分(面方向に対する凹凸構造の接線の傾き)は、15°以上の成分を有していることが好ましく、20°以上の成分を有していることがより好ましく、30°以上の成分を有していることが特に好ましい。上記範囲であると、より幅広い角度分布を持たせることができ、視野角による色味変化抑制性により優れる。
また、上記加飾フィルムの面方向に垂直な方向で上記凹凸構造Aを裁断した断面において、値が最も大きくなる方向における上記凹凸構造Aの正の傾斜角の平均(反射層の凹凸構造Aの最大角度ともいう)が、0.5°以上であることが好ましく、8°以上であることが好ましく、15°以上であることが好ましく、20°以上であることがより好ましく、30°以上であることが更に好ましく、30°~60°であることが特に好ましい。上記範囲であると、より幅広い角度分布を持たせることができ、視野角による色味変化抑制性により優れる。さらに、加飾の視認性の観点では、上記加飾フィルムの面方向に垂直な方向で上記凹凸構造Aを裁断した断面において、値が最も大きくなる方向における上記凹凸構造Aの正の傾斜角の平均が、30°以上60°未満が最も好ましい。また、後述の波打ち構造の縞模様を有するコレステリック液晶層を含む加飾フィルムの場合には、値が最も大きくなる方向における上記凹凸構造Aの正の傾斜角の平均は、0.5°以上15°未満が最も好ましい。
本開示における上記加飾フィルムの面方向に垂直な方向で上記凹凸構造Aを裁断した断面において、正の傾斜角の値が最も大きくなる方向を決定する方法を、以下に示す。
上記凸構造を、加飾フィルムの面方向に垂直な方向の任意の面(方向として360°存在する。)で裁断し、正の傾斜角の平均ΦAVEが最も大きくなる方向を求める。
正の傾斜角の平均ΦAVEの算出方法は、上記凸構造を含む半径100μmの円以上の大きさである領域について、1つの方向で上記凸構造を裁断した断面における凸構造部分の傾斜角を0°以上の部分のみ平均値をとり、上記正の傾斜角の平均ΦAVEとする。なお、傾斜角が負である部分は、正の傾斜角の平均ΦAVEの算出からは除外する。
また、上記正の傾斜角は、加飾フィルムの面方向に対する角度であり、90°を超え180°未満の部分は、上記正の傾斜角の測定方向とは、反対方向の傾斜角とし、負の傾斜角90°未満~0°を超える部分とする。
正の傾斜角の平均ΦAVEの算出方法として、具体的には、加飾フィルムの面方向に垂直な方向の任意の面(方向として360°存在する。)で、ミクロトーム(例えば、大和光機工業(株)製、RX-860)を用いて裁断する。裁断方向について、加飾フィルム表面を顕微鏡(例えば、オリンパス(株)製、BX53M)で観察し、裁断方向をある程度予測することができる。裁断した断面を、走査電子顕微鏡(例えば、(株)日立ハイテク製、SU3800)を用いて観察することで、断面形状を測定し、上記のようにΦAVEを算出する。
また、上記以外の角度成分等の断面形状の測定方法としては、レーザー顕微鏡(例えば、(株)キーエンス製VK-X1000)を用いて凹凸構造の表面形状を測定する方法などが挙げられ、また、凹凸構造を立体的に計測できる場合は、立体形状から断面形状を算出してもよい。
上記凹凸構造Aの頂部間の平均間隔(ピッチ)は、視野角による色味変化抑制性の観点から、1μm~4mmであることが好ましく、10μm~4mmであることが好ましく、15μm~2mmであることがより好ましく、20μm~1mmであることが更に好ましく、100μm~1mmであることが特に好ましい。
本開示において、レーザー顕微鏡(例えば、(株)キーエンス製のVK-X1000)を用いて得られる凹凸構造中における隣接する2つの極大部の間の距離の面内平均値を凹凸構造の頂部間の平均間隔(ピッチ)として採用する。測定対象面は、反射層の凹凸構造の表面又は断面とする。ただし、反射層を覆う層が凹凸構造を有し、かつ、反射層を覆う層の凹凸構造が反射層の凹凸構造と実質的に同一であるとみなせる場合には、反射層を覆う層の凹凸構造の高さを反射層の凹凸構造の高さとして採用してもよい。なお、平均間隔(ピッチ)は、10点以上の測定値の平均をとるものとする。
凹凸構造Aの形成方法は、特に制限はなく、真空成型、凹凸フィルムの押し当て、凹凸
上に塗布、配向制御等により形成することができる。
凹凸構造Aは、反射層の視認側の面に形成されていることが好ましい。
〔凹凸構造B〕
本開示に係る加飾フィルムの第一の実施態様は、上記反射層より視認側に、凹凸構造Bを有する層を有し、上記凹凸構造Bが、頂部が周囲よりも高い凸部を有する。
加飾フィルムは、凹凸構造Bを最表面に有していても、内部に有していてもよいが、視野角による色味変化抑制性の観点から、最表面に有することが好ましい。
すなわち、加飾フィルムは、視認側の最外層の表面に凹凸構造Bを有することが好ましい。なお、加飾フィルムとして使用する際に除去するカバーフィルム又は保護フィルムは、上記最外層には含めないものとする。
本開示に係る加飾フィルムの第一の実施態様における上記凹凸構造Bは、頂部が周囲よりも高い凸部を有する。
すなわち、本開示に係る加飾フィルムの第一の実施態様において、「頂部が周囲よりも高い凸部を有する」とは、面方向のいずれの方向においても高さの極大値を示す頂部を有する凸部を有していることを示す。上記頂部は、点であっても、面積を有していてもよい。
本開示に係る加飾フィルムの第一の実施態様における上記凹凸構造Bとしては、例えば、対称軸が二軸以上有する繰り返し構造又はランダムな構造である角錐状、角錐台状、円錐状、円錐台状等の凸部を有する凹凸構造が好ましく挙げられる。中でも、上記凹凸構造Bは、二軸以上の対称軸を有する繰り返し構造を有するか、又は、ランダムな構造を有することが好ましい。
本開示に係る加飾フィルムの第二の実施態様は、上記凹凸構造Aが一軸の対称軸を有し、上記凹凸構造Bが一軸の対称軸を有し、同一平面状に各上記対称軸を投影した場合、上記凹凸構造Aの上記対称軸と上記凹凸構造Bの上記対称軸とが交差する。
同一平面状に各上記対称軸を投影した場合、上記凹凸構造Aの上記対称軸と上記凹凸構造Bの上記対称軸とが交差する交差角度(投影された2つの対称軸が形成する角のうち、最小の角度)は、0°を超え90°以下であればよいが、45°以上90°以下であることが好ましく、60°以上90°以下であることがより好ましく、80°以上90°以下であることが更に好ましく、90°であることが特に好ましい。上記範囲であると、散乱効果が向上し、視野角による色味変化抑制性により優れる。
開示に係る加飾フィルムの第二の実施態様における上記凹凸構造Bとしては、例えば、一軸の対称軸を有する繰り返し構造である、プリズム形状(山型)、レンチキュラー形状(半円)、カーブ形状(波型)が挙げられる。
中でも、視野角による色味変化抑制性の観点から、プリズム形状であることが好ましい。
また、一軸の対称軸を有する繰り返し構造である凹凸構造Bと比べ、対称軸が二軸以上有する繰り返し構造又はランダムな構造である凹凸構造Bのほうが散乱効果により優れ、視野角による色味変化抑制性により優れるため、本開示に係る加飾フィルムは、上記第一の実施態様であることが好ましい。
上記凹凸構造Bの平均高さは、1mm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、10nm~100μmであることが更に好ましく、10nm~50μmであることが特に好ましく、10nm~1μmであることが最も好ましい。上記範囲であると、散乱効果が向上し、視野角による色味変化抑制性により優れ、また、意匠性にも優れる。
また、上記凹凸構造Bの平均高さは、上記凹凸構造Aの平均高さよりも低いことが好ましい。上記態様であると、散乱効果が向上し、視野角による色味変化抑制性により優れ、また、意匠性にも優れる。
また、上記凹凸構造Aの平均高さHと上記凹凸構造Bの平均高さHとの比H/Hの値は、視野角による色味変化抑制性、及び、視認性の観点から、1を超えることが好ましく、5以上であることがより好ましく、10以上であることが更に好ましく、20~2,000であることが特に好ましい。
上記凹凸構造Bの頂部間の平均間隔(ピッチ)は、視野角による色味変化抑制性の観点から、1mm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、10nm~100μmであることが更に好ましく、10nm~1μmであることが特に好ましい。
凹凸構造Bの形成方法は、特に制限はなく、真空成型、凹凸フィルムの押し当て、凹凸上に塗布、配向制御等により形成することができる。
〔凹凸構造Bを有する層〕
本開示に係る加飾フィルムの第一の実施態様は、上記反射層より視認側に、凹凸構造Bを有する層を有し、上記凹凸構造Bが、頂部が周囲よりも高い凸部を有する。
本開示に係る加飾フィルムの第二の実施態様は、上記反射層より視認側に、凹凸構造Bを有する層を有し、上記凹凸構造Aが一軸の対称軸を有し、上記凹凸構造Bが一軸の対称軸を有し、同一平面状に各上記対称軸を投影した場合、上記凹凸構造Aの上記対称軸と上記凹凸構造Bの上記対称軸とが交差する。
凹凸構造Bについては、上述した態様が好ましく挙げられる。
上記凹凸構造Bを有する層は、樹脂を含む層であることが好ましい。
上記凹凸構造Bを有する層に含まれる樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、アクリル-ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、環状オレフィン-コポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、トリアセチルセルロース(TAC)、ウレタン樹脂、及びウレタン-アクリル樹脂が挙げられる。強度、及び、成型する場合の成型加工性の観点から、基材の材質は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン-アクリル樹脂及びトリアセチルセルロースよりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。
また、上記凹凸構造Bを有する層に含まれる樹脂は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
更に、上記凹凸構造Bを有する層における凹凸構造と他の部分とで、同じ樹脂を用いても、異なる樹脂を用いてもよい。
上記凹凸構造Bを形成する材料としては、上記樹脂であってもよいし、無機化合物であってもよい。
無機化合物としては、無機化合物粒子が好適に挙げられ、無機酸化物粒子がより好適に挙げられる。
上記凹凸構造Bを有する層の厚さは、特に限定されないが、強度、及び、成型する場合の成型加工性の観点から、100nm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、10μm以上が更に好ましい。また、同様の観点から、上記凹凸構造Bを有する層の厚さは、300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、150μm以下が更に好ましい。
なお、凹凸構造Bを有する層の厚さは、凹凸構造Bの高さを含まないものとする。
本開示において、各層の厚さは、各層の断面を走査電子顕微鏡(SEM;Scaning Electron Microscope)で観察して測定することができる。また、平均厚さは、5点以上の厚さの平均値をいう。
上記凹凸構造Bを有する層としては、凹凸構造を表面に有するフィルムを用いてもよい。
凹凸構造を表面に有するフィルムとしては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、例えば、モスアイフィルム(ジオマテック社製)、モスマイト(三菱ケミカル(株)製)等が好適に挙げられる。
〔反射層〕
本開示に係る加飾フィルムは、少なくとも380nm~780nmの光選択反射性を有し、かつ、凹凸構造Aを有する反射層を有する。
凹凸構造Aについては、上述した態様が好ましく挙げられる。
反射層の例としては、特に制限はないが、有機多層膜層、無機多層膜層、コレステリック液晶層等が挙げられる。中でも、反射層は、誘電体多層膜を含むことが好ましく、コレステリック液晶層であることがより好ましい。
誘電体多層膜を含む層としては、特に制限はないが、2種の無機誘電体が交互に積層してなる層、及び、2種の有機誘電体が交互に積層してなる層等が挙げられる。中でも、無機多層膜層、又は、コレステリック液晶層がより好ましく、コレステリック液晶層が特に好ましい。
コレステリック液晶層は、面方向に垂直な断面内部において走査型顕微鏡にて観測される明部と暗部の縞模様を有しており、縞模様は、面方向(基材を有する場合は基材の面方向)に平行な明部と暗部とが厚み方向(面方向に垂直な方向)に交互に複数並んだ縞状構造でもよく、波打つような凸凹のある波打ち構造を有していてもよい。波うち構造を有する場合は、波うち構造の正の傾斜角の平均は3°~30°であることが好ましい。正の傾斜角の平均は、上記凹凸構造Aを裁断した断面の場合と同様に求めることができる。正の傾斜角の平均を上記範囲とすることで、視野角による色味変化がより抑制され、視野角依存性がより低減される。
本開示において、加飾フィルムの波長380nm~780nmの範囲における光選択反射性の確認は、以下の方法で測定することにより行うものとする。
加飾フィルムにおける視認側から光が入射するように、積分球装置を備えた分光光度計(日本分光(株)製「V-670」)を用いて、正反射光を含むようにして、加飾フィルムにおける反射層の積分反射スペクトルを測定し、最大積分反射率が波長380nm~780nmの領域にあることを確認して光選択反射性の有無を確認する。
なお、測定する波長範囲は、適宜選択することができ、少なくとも波長380nm~780nmの範囲であればよいが、例えば、波長300nm~1,200nmの範囲が好適に挙げられる。
本開示に係る加飾フィルムにおける最大積分反射率を示すピークの半値幅を好ましい範囲に拡大する方法としては、反射層として、コレステリック液晶化合物層の数及び膜厚が異なることによりコレステリック液晶構造の螺旋ピッチの異なる反射膜を複数積層する方法、反射層の層厚方向において、コレステリック液晶構造の螺旋ピッチが変化、好ましくはグラデーション状に変化している反射層とする方法が挙げられる。
中でも、反射層として、コレステリック液晶化合物層の数及び膜厚が異なることによりコレステリック液晶構造の螺旋ピッチの異なる反射膜を複数積層する方法、反射層の層厚方向において、コレステリック液晶構造の螺旋ピッチが変化、好ましくはグラデーション状に変化している反射層とする方法が好ましく挙げられ、反射層の層厚方向において、コレステリック液晶構造の螺旋ピッチが変化、好ましくはグラデーション状に変化している反射層とする方法がより好ましく挙げられる。
また、上記反射層は、視野角による色味変化抑制性の観点から、コレステリック液晶化合物を含むことが好ましい。
更に、上記反射層は、視野角による色味変化抑制性、加飾の視認性、及び、視認角度による色味変化抑制の観点から、厚さ方向において、コレステリック液晶構造の螺旋ピッチが変化している部分を有することが特に好ましい。
コレステリック液晶構造の螺旋ピッチの変化、好ましくはグラデーション変化を起こす手段としては、低温での露光を行い感光性カイラル剤の拡散を防ぐ手段、光重合開始剤の活性化を制御し、コレステリック液晶化合物がグラデーション状に配向する時間を適切に保つ手段等が好ましく挙げられる。
<<有機多層膜層>>
有機多層膜層としては、屈折率の高い樹脂層(層A)と屈折率の低い樹脂層(層B)とを積層した構造を有する層が好適に挙げられる。
視認角度による色味変化抑制の観点から、上記層Bは、上記層Aよりも、屈折率が0.1以上低い層であることが好ましく、屈折率が0.15以上低い層であることがより好ましく、屈折率が0.2以上低い層であることが更に好ましく、屈折率が0.25以上低い層であることが特に好ましく、屈折率が0.25以上0.60以下低い層であることが最も好ましい。
上記層Aの屈折率は、淡い色調の視認性、及び、視認角度による色味変化抑制の観点から、1.5以上であることが好ましく、1.6以上であることがより好ましく、1.65以上であることが更に好ましく、1.70以上であることが特に好ましい。また、上限は、2.3以下であることが好ましく、1.9以下であることがより好ましい。
上記層Bの屈折率は、淡い色調の視認性、及び、視認角度による色味変化抑制の観点から、1.5以下であることが好ましく、1.5未満であることがより好ましく、1.4以下であることが更に好ましく、1.35以下であることが特に好ましく、1.32以下であることが最も好ましい。また、下限は、1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.28以上であることが特に好ましい。
上記層A及び層B等の各層に用いられる樹脂としては、特に制限はないが、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
有機多層膜層における積層数は、2層以上であれば特に制限はないが、好ましくは2層~20層、より好ましくは4層~16層、更に好ましくは6層~14層である。
上記層A及び上記層Bの厚さはそれぞれ独立に、視認角度による色味変化抑制の観点から、50nm~1,000nmであることが好ましく、80nm~800nmであることがより好ましく、100nm~500nmであることが更に好ましく、100nm~300nmであることが特に好ましい。
<<無機多層膜層>>
無機多層膜層としては、2種の無機化合物を交互に積層した構造を有する層が好適に挙げられる。
また、視認角度による色味変化抑制の観点から、2種の無機化合物は、屈折率の異なる化合物であることが好ましい。
無機化合物としては、例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化タングステン、酸化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、フッ化ランタン、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化マグネシウム、フッ化ネオジム、フッ化イッテルビウム、フッ化イットリウム、フッ化ガドリニウム、炭酸カルシウム、臭化カリウム、一酸化チタン、二酸化チタン、五酸化ニオブ、酸化クロム、酸化セリウム、シリコン、ガリウム砒素などが挙げられる。
中でも、2種の無機化合物としては、視認角度による色味変化抑制の観点から、無機酸化物の組み合わせが好ましく、五酸化ニオブ(Nb)又は二酸化チタン(TiO)と、二酸化ケイ素(SiO)又は酸化アルミニウム(Al)との組み合わせがより好ましく、五酸化ニオブと、二酸化ケイ素との組み合わせが特に好ましい。
無機多層膜層における積層数は、2層以上であれば特に制限はないが、好ましくは2層~20層、より好ましくは4層~16層、更に好ましくは6層~14層である。
無機多層膜層における各層の厚さはそれぞれ独立に、視認角度による色味変化抑制の観点から、50nm~1,000nmであることが好ましく、80nm~800nmであることがより好ましく、100nm~500nmであることが更に好ましく、100nm~300nmであることが特に好ましい。
<<コレステリック液晶層>>
反射層は、コレステリック液晶層であることが好ましい。コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相を含む層である。コレステリック液晶相は、公知の手段(例えば、偏光顕微鏡及び走査型電子顕微鏡)によって確認される。
コレステリック液晶相は、複数の液晶化合物が螺旋状に並ぶことによって形成されることが知られている。コレステリック液晶相における液晶化合物の配向状態は、右円偏光、左円偏光又は右円偏光及び左円偏光の両方を反射する配向状態であってもよい。コレステリック液晶相における液晶化合物の配向状態は、固定化されていてもよい。液晶化合物の配向状態は、例えば、液晶化合物の重合又は架橋によって固定化される。配向状態が固定化された液晶化合物の一部又は全部において、液晶化合物の液晶性は失われてもよい。
コレステリック液晶層は、加飾用材料の意匠に寄与する。例えば、加飾用材料の色及び観察角度に応じた加飾用材料の色の変化の度合いは、コレステリック液晶相における螺旋ピッチ、コレステリック液晶層の屈折率及びコレステリック液晶層の厚さによって調整される。螺旋ピッチは、カイラル剤の添加量によって調整されてもよい。螺旋構造とカイラル剤との関係は、例えば、「富士フイルム研究報告、No.50(2005年)、p.60-63」に記載されている。また、螺旋ピッチは、コレステリック液晶相を固定する際の温度、照度及び照射時間といった条件によって調整されてもよい。
本開示に係る加飾フィルムは、2つ以上のコレステリック液晶層を含んでもよい、2つ以上のコレステリック液晶層の組成は、同じであっても互いに異なっていてもよい。
反射率の観点から、コレステリック液晶層の厚さは、0.3μm~15μmであることが好ましく、0.5μm~9μmであることがより好ましく、0.6μm~7μmであることが更に好ましい。加飾フィルムが2つ以上のコレステリック液晶層を含む場合、2つ以上のコレステリック液晶層の厚さは、それぞれ独立に、既述した範囲内であることが好ましい。
コレステリック液晶層の成分は、例えば、目的とするコレステリック液晶層の特性に応じて、公知のコレステリック液晶層の成分から選択される。コレステリック液晶層の成分としては、例えば、後述する液晶組成物の成分が挙げられる。ただし、コレステリック液晶層が液晶組成物の硬化を経て形成される場合、液晶組成物における重合性化合物の一部又は全部は、コレステリック液晶層において重合体(オリゴマーを含む。)を形成してもよい。重合性化合物としては、例えば、重合性基を有する化合物が挙げられる。
コレステリック液晶層は、液晶化合物を含む組成物(以下、「液晶組成物」という場合がある。)を硬化してなる層であることが好ましい。以下、液晶組成物の態様を具体的に説明する。
液晶組成物は、液晶化合物を含む。液晶化合物の種類は、例えば、目的とするコレステリック液晶層の特性に応じて、コレステリック液晶性を有する公知の化合物(すなわち、コレステリック液晶化合物)から選択されてもよい。液晶化合物としては、例えば、エチレン性不飽和基及び環状エーテル基からなる群より選択される少なくとも1種を有する液晶化合物が挙げられる。成型性の向上の観点から、液晶化合物は、エチレン性不飽和基を1つ有するか又は環状エーテル基を1つ有するコレステリック液晶化合物(以下、「特定液晶化合物」という場合がある。)を含むことが好ましい。
特定液晶化合物におけるエチレン性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエステル基及びビニルエーテル基が挙げられる。反応性の観点から、エチレン性不飽和基は、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基又はビニル基であることが好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基又は(メタ)アクリルアミド基であることがより好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基であることが更に好ましく、アクリロイルオキシ基であることが特に好ましい。
特定液晶化合物における環状エーテル基としては、例えば、エポキシ基及びオキセタニル基が挙げられる。反応性の観点から、環状エーテル基は、エポキシ基又はオキセタニル基であることが好ましく、オキセタニル基であることがより好ましい。
反応性及び成型性の向上の観点から、液晶化合物は、1つのエチレン性不飽和基を有する液晶化合物を含むことが好ましい。さらに、液晶組成物の固形分の総量に対する1つのエチレン性不飽和基を有する液晶化合物の総量の割合は、25質量%以上であることが好ましい。
分子内に含まれるエチレン性不飽和基の数が1つである場合、特定液晶化合物は、エチレン性不飽和基以外の官能基(例えば、重合性基)を有してもよい。例えば、1つのエチレン性不飽和基を有する液晶化合物は、1つ以上の環状エーテル基を有してもよい。
分子内に含まれる環状エーテル基の数が1つである場合、特定液晶化合物は、環状エーテル基以外の官能基(例えば、重合性基)を有してもよい。例えば、1つの環状エーテル基を有する液晶化合物は、1つ以上のエチレン性不飽和基を有してもよい。
成型性の向上の観点から、液晶化合物は、1つのエチレン性不飽和基を有し、かつ、環状エーテル基を有しない液晶化合物、1つの環状エーテル基を有し、かつ、エチレン性不飽和基を有しない液晶化合物又は1つのエチレン性不飽和基と1つの環状エーテル基とを有する液晶化合物を含むことが好ましい。さらに、液晶化合物は、1つのエチレン性不飽和基を有し、かつ、環状エーテル基を有しない液晶化合物を含むことが好ましい。
特定液晶化合物は、棒状液晶化合物又は円盤状液晶化合物であってもよい。コレステリック液晶相における螺旋ピッチの調整容易性並びに成型後における反射率変化抑制及び色味変化抑制の観点から、棒状液晶化合物が好ましい。
好ましい棒状液晶化合物としては、例えば、アゾメチン系化合物、アゾキシ系化合物、シアノビフェニル系化合物、シアノフェニルエステル、安息香酸エステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン系化合物、シアノ置換フェニルピリミジン系化合物、アルコキシ置換フェニルピリミジン系化合物、フェニルジオキサン系化合物、トラン系化合物及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル系化合物が挙げられる。棒状液晶化合物は、低分子化合物に限られず、高分子化合物であってもよい。
棒状液晶化合物は、例えば、「Makromol. Chem., 190巻、225
5頁(1989年)」、「Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)」、米国特許第4683327号明細書、米国特許第5622648号明細書、米国特許第5770107号明細書、国際公開第95/22586号、国際公開第95/24455号、国際公開第97/00600号、国際公開第98/23580号、国際公開第98/52905号、特開平1-272551号公報、特開平6-16616号公報、特開平7-110469号公報、特開平11-80081号公報及び特開2001-328973号公報に記載された、1つのエチレン性不飽和基を有する化合物及び1つの環状エーテル基を有する化合物から選択されてもよい。好ましい棒状液晶化合物は、例えば、特表平11-513019号公報及び特開2007-279688号公報に記載された、1つのエチレン性不飽和基を有する化合物及び1つの環状エーテル基を有する化合物から選択されてもよい。
好ましい円盤状液晶化合物は、例えば、特開2007-108732号公報及び特開2010-244038号公報に記載された、1つのエチレン性不飽和基を有する化合物及び1つの環状エーテル基を有する化合物から選択されてもよい。
特定液晶化合物の具体例を以下に示す。ただし、特定液晶化合物の種類は、以下の具体例に制限されるものではない。
液晶組成物は、1種又は2種以上のコレステリック液晶化合物を含んでもよい。
延伸性及び熱耐久性の向上の観点から、液晶組成物の固形分の総量に対する特定液晶化合物の総量の割合は、25質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましい。さらに、液晶組成物の固形分の総量に対する特定液晶化合物の総量の割合は、60質量%~99質量%であることが好ましく、80質量%~98質量%であることがより好ましい。
液晶組成物は、他の液晶化合物を含んでもよい。他の液晶化合物とは、特定液晶化合物以外の液晶化合物を意味する。他の液晶化合物としては、例えば、エチレン性不飽和基及び環状エーテル基を有しない液晶化合物、2つ以上のエチレン性不飽和基を有し、かつ、環状エーテル基を有しない液晶化合物、2つ以上の環状エーテル基を有し、かつ、エチレン性不飽和基を有しない液晶化合物及び2つ以上のエチレン性不飽和基及び2つ以上の環状エーテル基を有する液晶化合物が挙げられる。
成型後における反射率変化抑制及び色味変化抑制の観点から、他の液晶化合物は、エチレン性不飽和基及び環状エーテル基を有しない液晶化合物、2つ以上のエチレン性不飽和基を有し、かつ、環状エーテル基を有しない液晶化合物及び2つ以上の環状エーテル基を有し、かつ、エチレン性不飽和基を有しない液晶化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。他の液晶化合物は、エチレン性不飽和基及び環状エーテル基を有しない液晶化合物、2つのエチレン性不飽和基を有し、かつ、環状エーテル基を有しない液晶化合物、及び、2つの環状エーテル基を有し、かつ、エチレン性不飽和基を有しない液晶化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。他の液晶化合物は、エチレン性不飽和基及び環状エーテル基を有しない液晶化合物及び2つのエチレン性不飽和基を有し、かつ、環状エーテル基を有しない液晶化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。
他の液晶化合物における棒状液晶化合物は、例えば、「Makromol. Chem.,190巻、2255頁(1989年)」、「Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)」、米国特許第4683327号明細書、米国特許第5622648号明細書、米国特許第5770107号明細書、国際公開第95/22586号、国際公開第95/24455号、国際公開第97/00600号、国際公開第98/23580号、国際公開第98/52905号、特開平1-272551号公報、特開平6-16616号公報、特開平7-110469号公報、特開平11-80081号公報及び特開2001-328973号公報に記載された化合物から選択されてもよい。他の液晶化合物における好ましい棒状液晶化合物は、例えば、特表平11-513019号公報及び特開2007-279688号公報に記載された化合物から選択されてもよい。
他の液晶化合物における好ましい円盤状液晶化合物は、例えば、特開2007-108732号公報又は特開2010-244038号公報に記載された化合物から選択されてもよい。
他の液晶化合物の具体例を以下に示す。ただし、他の液晶化合物の種類は、以下の具体例に制限されるものではない。
液晶組成物は、1種又は2種以上の他の液晶化合物を含んでもよい。
液晶組成物の固形分の総量に対する他の液晶化合物の総量の割合は、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが更に好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。なお、上記した割合の下限は、0質量%である。
液晶組成物は、1種又は2種以上の液晶化合物を含んでもよい。液晶組成物は、特定液用化合物と、他の液晶化合物と、を含んでもよい。
液晶組成物の固形分の総量に対する液晶化合物の総量の割合は、25質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましい。さらに、液晶組成物の固形分の総量に対する液晶化合物の総量の割合は、60質量%~99質量%であることが好ましく、80質量%~98質量%であることがより好ましい。
-カイラル剤-
コレステリック液晶層形成の容易性及び螺旋ピッチの調整容易性の観点から、液晶組成物は、カイラル剤(すなわち、光学活性化合物)を含むことが好ましい。
カイラル剤の種類は、例えば、液晶化合物の種類及び目的の螺旋構造(例えば、螺旋のよじれ方法及び螺旋ピッチ)に応じて決定されてもよい。カイラル剤としては、例えば、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4-3項、TN(twisted nematic)、STN(Super-twisted nematic)用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載された化合物)、イソソルビド誘導体及びイソマンニド誘導体が挙げられる。
カイラル剤は、一般に不斉炭素原子を含む。ただし、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物及び面性不斉化合物をカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物又は面性不斉化合物の例には、ビナフチル化合物、ヘリセン化合物又はパラシクロファン化合物が好ましく挙げられる。
熱耐久性の向上の観点から、液晶組成物は、重合性基を有するカイラル剤を含んでもよい。反応性及び熱耐久性の向上の観点から、重合性基は、エチレン性不飽和基又は環状エーテル基であることが好ましく、エチレン性不飽和基であることがより好ましい。カイラル剤におけるエチレン性不飽和基の好ましい態様は、既述した特定液晶化合物におけるエチレン性不飽和基の好ましい態様と同じである。カイラル剤における環状エーテル基の好ましい態様は、既述した特定液晶化合物における環状エーテル基の好ましい態様と同じである。
カイラル剤が重合性基を有する場合、反応性及び熱耐久性の向上の観点から、カイラル剤における重合性基の種類は、特定液晶化合物における重合性基の種類と同じであることが好ましい。さらに、カイラル剤における重合性基は、特定液晶化合物における重合性基と同じであることが好ましい。
成型性の向上の観点から、重合性基を有するカイラル剤は、1つのエチレン性不飽和基を有し、かつ、環状エーテル基を有しないカイラル剤、1つの環状エーテル基を有し、かつ、エチレン性不飽和基を有しないカイラル剤又は1つのエチレン性不飽和基と1つの環状エーテル基とを有するカイラル剤を含むことが好ましい。さらに、重合性基を有するカイラル剤は、1つのエチレン性不飽和基を有し、かつ、環状エーテル基を有しないカイラル剤を含むことが好ましい。
カイラル剤は、液晶化合物であってもよい。
--感光性カイラル剤--
コレステリック液晶層又は反射層は、感光性カイラル剤を含むことが好ましい。
光照射により螺旋誘起力が変化する感光性カイラル剤について詳述する。
なお、カイラル剤の螺旋誘起力(HTP)は、下記式(A)で表される螺旋配向能力を示すファクターである。
式(A) HTP=1/(螺旋ピッチの長さ(単位:μm)×液晶化合物に対するカイラル剤の濃度(質量%))[μm-1
螺旋ピッチの長さとは、コレステリック液晶相の螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)の長さをいい、液晶便覧(丸善株式会社出版)の196ページに記載の方法で測定できる。
光照射により螺旋誘起力が変化する感光性カイラル剤は、液晶性であっても、非液晶性であってもよい。感光性カイラル剤は、一般に不斉炭素原子を含む場合が多い。なお、感光性カイラル剤は、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物又は面性不斉化合物であってもよい。
感光性カイラル剤は、光照射によって螺旋誘起力が増加するカイラル剤であってもよいし、減少するカイラル剤であってもよい。中でも、光照射により螺旋誘起力が減少するカイラル剤であることが好ましい。
なお、本明細書において「螺旋誘起力の増加及び減少」とは、感光性カイラル剤の初期(光照射前)の螺旋方向を「正」としたときの増減を表す。したがって、光照射により螺旋誘起力が減少し続け、0を超えて螺旋方向が「負」となった場合(つまり、初期(光照射前)の螺旋方向とは逆の螺旋方向の螺旋を誘起する場合)にも、「螺旋誘起力が減少するカイラル剤」に該当する。
感光性カイラル剤としては、いわゆる光反応型カイラル剤が挙げられる。光反応型カイラル剤とは、カイラル部位と光照射によって構造変化する光反応部位を有し、例えば、照射量に応じて液晶化合物の捩れ力を大きく変化させる化合物である。
光照射によって構造変化する光反応部位の例としては、フォトクロミック化合物(内田欣吾、入江正浩、化学工業、vol.64、640p,1999、内田欣吾、入江正浩、ファインケミカル、vol.28(9)、15p,1999)などが挙げられる。また、上記構造変化とは、光反応部位への光照射により生ずる、分解、付加反応、異性化、ラセミ化、[2+2]光環化及び2量化反応などを意味し、上記構造変化は不可逆的であっ
てもよい。また、カイラル部位としては、例えば、野平博之、化学総説、No.22液晶の化学、73p:1994に記載の不斉炭素などが相当する。
感光性カイラル剤としては、例えば、特開2001-159709号公報の段落0044~0047に記載の光反応型カイラル剤、特開2002-179669号公報の段落0019~0043に記載の光学活性化合物、特開2002-179633号公報の段落0020~0044に記載の光学活性化合物、特開2002-179670号公報の段落0016~0040に記載の光学活性化合物、特開2002-179668号公報の段落0017~0050に記載の光学活性化合物、特開2002-180051号公報の段落0018~0044に記載の光学活性化合物、特開2002-338575号公報の段落0016~0055に記載の光学活性イソソルビド誘導体、特開2002-080478号公報の段落0023~0032に記載の光反応型光学活性化合物、特開2002-080851号公報の段落0019~0029に記載の光反応型カイラル剤、特開2002-179681号公報の段落0022~0049に記載の光学活性化合物、特開2002-302487号公報の段落0015~0044に記載の光学活性化合物、特開2002-338668号公報の段落0015~0050に記載の光学活性ポリエステル、特開2003-055315号公報の段落0019~0041に記載のビナフトール誘導体、特開2003-073381号公報の段落0008~0043に記載の光学活性フルギド化合物、特開2003-306490号公報の段落0015~0057に記載の光学活性イソソルビド誘導体、特開2003-306491号公報の段落0015~0041に記載の光学活性イソソルビド誘導体、特開2003-313187号公報の段落0015~0049に記載の光学活性イソソルビド誘導体、特開2003-313188号公報の段落0015~0057に記載の光学活性イソマンニド誘導体、特開2003-313189号公報の段落0015~0049に記載の光学活性イソソルビド誘導体、特開2003-313292号公報の段落0015~0052に記載の光学活性ポリエステル/アミド、国際公開第2018/194157号の段落0012~0053に記載の光学活性化合物、及び、特開2002-179682号公報の段落0020~0049に記載の光学活性化合物などが挙げられる。
感光性カイラル剤としては、中でも、光異性化部位を少なくとも有する化合物が好ましく、光異性化部位は光異性化可能な二重結合を有することがより好ましい。上記光異性化可能な二重結合を有する光異性化部位としては、光異性化が起こりやすく、かつ、光照射前後の螺旋誘起力差が大きいという点で、シンナモイル部位、カルコン部位、アゾベンゼン部位又はスチルベン部位が好ましく、更に可視光の吸収が小さいという点で、シンナモイル部位、カルコン部位又はスチルベン部位がより好ましい。なお、光異性化部位は、上述した光照射によって構造変化する光反応部位に該当する。
また、感光性カイラル剤は、初期(光照射前)の螺旋誘起力が高く、かつ、光照射による螺旋誘起力の変化量がより優れる点で、トランス型の光異性化可能な二重結合を有していることが好ましい。
また、感光性カイラル剤は、初期(光照射前)の螺旋誘起力が低く、かつ、光照射による螺旋誘起力の変化量がより優れる点で、シス型の光異性化可能な二重結合を有していることが好ましい。
感光性カイラル剤は、ビナフチル部分構造、イソソルビド部分構造(イソソルビドに由来する部分構造)、及び、イソマンニド部分構造(イソマンニドに由来する部分構造)よりなる群から選ばれるいずれかの部分構造を有していることが好ましい。なお、ビナフチル部分構造、イソソルビド部分構造、及び、イソマンニド部分構造とは、各々以下の構造を意図する。
ビナフチル部分構造中の実線と破線が平行している部分は、一重結合又は二重結合を表す。なお、以下に示す構造において、*は、結合位置を表す。
感光性カイラル剤は、重合性基を有していてもよい。重合性基の種類は特に制限されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基又は環重合性基がより好ましく、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、又は、アリル基が更に好ましい。
感光性カイラル剤としては、式(C)で表される化合物が好ましい。
式(C) R-L-R
Rは、それぞれ独立に、シンナモイル部位、カルコン部位、アゾベンゼン部位、及び、スチルベン部位からなる群から選択される少なくとも1つの部位を有する基を表す。
Lは、式(D)で表される構造から2個の水素原子を除いた形成される2価の連結基(上記ビナフチル部分構造から2個の水素原子を除いて形成される2価の連結基)、式(E)で表される2価の連結基(上記イソソルビド部分構造からなる2価の連結基)、又は、式(F)で表される2価の連結基(上記イソマンニド部分構造からなる2価の連結基)を表す。
式(E)及び式(F)中、*は結合位置を表す。
反射層の形成には、感光性カイラル剤を1種単独で用いる態様であっても、2種以上用いる態様であってもよい。
感光性カイラル剤のモル吸光係数は、特に制限されないが、後述する捩れ変化工程で照射される光の波長(例えば、365nm)におけるモル吸光係数は100L/(mol・cm)~100,000L/(mol・cm)が好ましく、500L/(mol・cm)~50,000L/(mol・cm)がより好ましい。
--重合性カイラル剤--
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶化合物の螺旋構造をより容易に固定する観点から、カイラル剤として、重合性カイラル剤を含んでよい。重合性カイラル剤は、重合性基を有するカイラル剤を意味する。ここでいう重合性カイラル剤は、光照射により螺旋誘起力が変化しないものとし、感光性カイラル剤とは区別される。
重合性カイラル剤が有する重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基及びカチオン重合性基が挙げられる。重合性基は、エチレン性不飽和基、エポキシ基又はアジリジニル基であることが好ましく、エチレン性不飽和基であることがより好ましい。
重合性カイラル剤は、不斉炭素原子を含む化合物であることが好ましいが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物又は面性不斉化合物であってもよい。軸性不斉化合物又は面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン及びこれらの誘導体が含まれる。
コレステリック液晶層が重合性基を有するコレステリック液晶化合物を含む場合、重合性カイラル剤は、コレステリック液晶化合物が有する重合性基と同種の重合性基を含むことが好ましい。例えば、コレステリック液晶化合物がラジカル重合性基を有する場合、重合性カイラル剤もラジカル重合性基を含むことが好ましい。これにより、重合性基を有するコレステリック液晶化合物と重合性カイラル剤とが重合したポリマーが形成され、コレステリック液晶化合物の螺旋構造をより容易に固定することができる。
重合性カイラル剤は、イソソルビド誘導体、イソマンニド誘導体、又はビナフチル誘導体であることが好ましい。イソソルビド誘導体の市販品としては、例えば、BASF社製の「パリオカラー LC756」が挙げられる。
重合性カイラル剤は、1種を単独で用いてよく、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物は、1種又は2種以上のカイラル剤を含んでもよい。
カイラル剤の含有量は、例えば、液晶化合物の構造及び目的とする螺旋ピッチに応じて決定されてもよい。コレステリック液晶層形成の容易性及び螺旋ピッチの調整容易性の観点から、液晶組成物の固形分の総量に対するカイラル剤の総量の割合は、1質量%~20質量%であることが好ましく、2質量%~15質量%であることがより好ましく、3質量%~10質量%であることが更に好ましい。
コレステリック液晶相における螺旋ピッチ及び反射層の選択反射波長は、液晶化合物の種類だけでなく、カイラル剤の含有量によっても容易に調整される。例えば、液晶組成物におけるカイラル剤の含有量が2倍になると、螺旋ピッチは1/2となり、選択反射波長の中心値も1/2となる場合がある。
液晶組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。重合開始剤は、液晶組成物の硬化反応を促進する。
液晶組成物が露光により硬化される場合、液晶組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、α-カルボニル化合物(例えば、米国特許第2367661号明細書及び米国特許第2367670号明細書)、アシロインエーテル化合物(例えば、米国特許第2448828号明細書)、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(例えば、米国特許第2722512号明細書)、多核キノン化合物(例えば、米国特許第3046127号明細書及び米国特許第2951758号明細書)、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ(例えば、米国特許第3549367号明細書)、オキサジアゾール化合物(例えば、米国特許第4212970号明細書)、アクリジン化合物及びフェナジン化合物(例えば、特開昭60-105667号公報及び米国特許第4239850号明細書)が挙げられる。
好ましい光ラジカル重合開始剤としては、例えば、α-ヒドロキシアルキルフェノン化合物、α-アミノアルキルフェノン化合物及びアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。
好ましい光カチオン重合開始剤としては、例えば、ヨードニウム塩化合物及びスルホニウム塩化合物が挙げられる。
液晶組成物は、ラジカル重合開始剤又はカチオン重合開始剤を含むことが好ましく、光ラジカル重合開始剤又は光カチオン重合開始剤を含むことがより好ましい。
熱耐久性の向上の観点から、1つのエチレン性不飽和基を有する液晶化合物を含む液晶組成物は、ラジカル重合開始剤を含むことが好ましく、光ラジカル重合開始剤を含むことがより好ましい。
熱耐久性の向上の観点から、1つの環状エーテル基を有する液晶化合物を含む液晶組成物は、カチオン重合開始剤を含むことが好ましく、光カチオン重合開始剤を含むことがより好ましい。
液晶組成物は、1種又は2種以上の重合開始剤を含んでもよい。
重合開始剤の含有量は、例えば、特定液晶化合物の構造及び目的とする螺旋ピッチに応じて決定されてもよい。コレステリック液晶層形成の容易性、螺旋ピッチの調整容易性、重合速度及びコレステリック液晶層の強度の観点から、液晶組成物の固形分の総量に対する重合開始剤の総量の割合は、0.05質量%~10質量%であることが好ましく、0.05質量%~5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%~2質量%であることが更に好ましく、0.2質量%~1質量%であることが特に好ましい。
硬化後のコレステリック液晶層の強度向上及び耐久性向上の観点から、液晶組成物は、架橋剤を含んでもよい。好ましい架橋剤としては、例えば、紫外線、熱及び湿気といった外的要因により硬化する化合物が挙げられる。
架橋剤としては、例えば、以下に示される化合物が挙げられる。
(1)多官能アクリレート化合物(例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート)
(2)エポキシ化合物(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート及びエチレングリコールジグリシジルエーテル)
(3)アジリジン化合物(例えば、2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール-トリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート]及び4,4-ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン)
(4)イソシアネート化合物(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート及びビウレット型イソシアネート)
(5)オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物
(6)アルコキシシラン化合物(例えば、ビニルトリメトキシシラン及びN-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン)
液晶組成物は、1種又は2種以上の架橋剤を含んでもよい。
コレステリック液晶層の強度及び耐久性の観点から、液晶組成物の固形分の総量に対する架橋剤の総量の割合は、1質量%~20質量%であることが好ましく、3質量%~15質量%であることがより好ましい。
液晶組成物は、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を含んでもよい。架橋剤及び触媒の併用は、コレステリック液晶層の強度及び耐久性の向上に加えて、生産性を向上できる。
液晶組成物は、多官能重合性化合物を含んでもよい。多官能重合性化合物とは、2つ以上の重合性基を有する化合物を意味する。多官能重合性化合物に含まれる2つ以上の重合性基の種類は、同じであることが好ましい。
多官能重合性化合物としては、例えば、2つ以上のエチレン性不飽和基を有し、かつ、環状エーテル基を有しない液晶化合物、2つ以上の環状エーテル基を有し、かつ、エチレン性不飽和基を有しない液晶化合物、2つ以上のエチレン性不飽和基と2つ以上の環状エーテル基とを有する液晶化合物及び2つ以上の重合性基を有するカイラル剤及び2つ以上の重合性基を有する架橋剤が挙げられる。多官能重合性化合物は、2つ以上のエチレン性不飽和基を有し、かつ、環状エーテル基を有しない液晶化合物、2つ以上の環状エーテル基を有し、かつ、エチレン性不飽和基を有しない液晶化合物及び2つ以上の重合性基を有するカイラル剤からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、2つ以上の重合性基を有するカイラル剤を含むことがより好ましい。
液晶組成物は、1種又は2種以上の多官能重合性化合物を含んでもよい。
成型性の向上と重合後の配向構造変化の抑制の観点から、液晶組成物の固形分の総量に対する多官能重合性化合物の総量の割合は、0.5質量%~50質量%であることが好ましく、1質量%~40質量%であることがより好ましく、1.5質量%~30質量%であることが更に好ましく、2質量%~20質量%であることが特に好ましい。液晶組成物の固形分の総量に対する多官能重合性化合物の総量の割合が小さくなると、コレステリック液晶層の架橋密度が小さくなる。この結果、コレステリック液晶層の延伸性が向上し、成型性が向上する。液晶組成物の固形分の総量に対する多官能重合性化合物の総量の割合が大きくなると、重合後にコレステリック液晶層の配向構造が維持されやすくなる。成型性の向上の観点から、多官能重合性化合物の中でも、2つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物、2つ以上の環状エーテル基を有する化合物及び1つ以上のエチレン性不飽和基と1つ以上の環状エーテル基とを有する化合物の含有量が規制されることが好ましい。すなわち、液晶組成物の固形分の総量に対する「2つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物、2つ以上の環状エーテル基を有する化合物及び1つ以上のエチレン性不飽和基と1つ以上の環状エーテル基とを有する化合物の総量」の割合は、0.5質量%~50質量%であることが好ましく、1質量%~40質量%であることがより好ましく、1.5質量%~30質量%であることが更に好ましく、2質量%~20質量%であることが特に好ましい。
液晶組成物は、必要に応じて、他の添加剤を含んでもよい。他の添加剤としては、例えば、界面活性剤、重合禁止剤、酸化防止剤、水平配向剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、着色剤及び金属酸化物粒子が挙げられる。液晶組成物は、1種又は2種以上の他の添加剤を含んでもよい。
液晶組成物は、溶剤を含んでもよい。溶剤は、有機溶剤であることが好ましい。有機溶剤としては、例えば、ケトン類(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン)、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類及びエーテル類が挙げられる。環境への負荷を考慮した場合、ケトン類が好ましい。
液晶組成物は、1種又は2種以上の溶剤を含んでもよい。
溶剤の含有量は、例えば、液晶組成物の塗布性に応じて決定されてもよい。
液晶組成物の総量に対する液晶組成物の固形分の総量の割合は、1質量%~90質量%であることが好ましく、5質量%~80質量%であることがより好ましく、10質量%~80質量%であることが更に好ましい。
コレステリック液晶層の形成過程で液晶組成物が硬化される場合、液晶組成物の硬化時における液晶組成物の固形分の総量に対する溶剤の総量の割合は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることが更に
好ましく、1質量%以下であることが特に好ましい。
コレステリック液晶層の総量に対するコレステリック液晶層における溶剤の総量の割合は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることが更に好ましく、1質量%以下であることが特に好ましい。
液晶組成物の製造方法は、制限されない。液晶組成物は、例えば、液晶化合物と、液晶化合物以外の成分との混合によって製造される。混合方法は、公知の混合方法から選択されてもよい。
液晶組成物の硬化は、例えば、露光により実施される。露光は、例えば、液晶組成物に光を照射することによって実施される。好ましい光源としては、例えば、365nm及び405nmからなる群より選択される少なくとも1種を含む光を照射できる光源が挙げられる。具体的な光源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯及びメタルハライドランプが挙げられる。露光量は、5mJ/cm~2,000mJ/cmであることが好ましく、10mJ/cm~1,000mJ/cmであることがより好ましい。露光方法として、例えば、特開2006-23696号公報の段落0035~段落0051に記載された方法が適用されてもよい。
液晶化合物の配列を容易にするため、液晶組成物を加熱しながら露光することが好ましい。加熱温度は、例えば、液晶組成物の組成に応じて決定される。加熱温度は、例えば、60℃~120℃である。加熱手段としては、例えば、ヒーター、オーブン、ホットプレート、赤外線ランプ及び赤外線レーザーが挙げられる。
液晶組成物の硬化は、例えば、加熱により実施されてもよい。加熱温度は、60℃~200℃~であることが好ましい。加熱時間は、5分間~2時間であることが好ましい。加熱手段としては、例えば、既述した加熱手段が挙げられる。
液晶組成物は、硬化前に、公知の方法によって乾燥されてもよい。液晶組成物は、放置又は風乾によって乾燥されてもよい。液晶組成物は、加熱によって乾燥されてもよい。
また、反射層の厚さは、特に限定されないが、より適切な反射率を得る観点から、0.1μm~10μmであることが好ましく、0.3μm~8μmであることがより好ましく、0.5μm~6μmであることが更に好ましい。
〔基材〕
加飾フィルムは、基材を含んでよい。これにより、加飾フィルムの強度を高めることができるため取り扱いがより容易となる。また、加飾フィルムが基材を含む場合、加飾フィルムを成型してなる成型体を構成する部材として基材を用いることができる。
加飾フィルムが基材を含む態様において、反射層は、基材上に直接設けられていてよく、他の層を介して設けられていてもよい。
基材の形状及び材質は、特に限定されず、所望に応じ適宜選択すればよい。加飾フィルムを成型する場合、成型容易性の観点から、基材は、樹脂基材であることが好ましい。
樹脂基材の材質として、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、アクリル-ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、環状オレフィン-コポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、トリアセチルセルロース(TAC)、ウレタン樹脂、及びウレタン-アクリル樹脂が挙げられる。加飾フィルムの強度の観点、また、加飾フィルムを成型する場合の成型加工性の観点から、基材の材質は、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン-アクリル樹脂、ポリカーボネート、アクリル-ポリカーボネート樹脂及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。基材は、材質が異なる複数の樹脂層の積層体であってよい。
樹脂基材は、必要に応じ、添加剤を含有していてよい。添加剤としては、例えば、鉱油、炭化水素、脂肪酸、アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、金属石けん、天然ワックス、シリコーン等の潤滑剤;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機難燃剤;ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤等の有機難燃剤;金属粉、タルク、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、ガラス繊維、カーボン繊維、木粉等の有機又は無機の充填剤;酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤、分散剤、カップリング剤、発泡剤、着色剤、及び主成分の樹脂以外の樹脂が挙げられる。
樹脂基材は、市販品であってよい。市販品としては、例えば、テクノロイ(登録商標)シリーズ(アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、又はアクリル樹脂/ポリカーボネート樹脂積層フィルム、住友化学社製)、ABSフィルム(オカモト社製)、ABSシート(積水成型工業社製)、テフレックス(登録商標)シリーズ(PETフィルム、帝人フィルムソリューション社製)、ルミラー(登録商標)易成型タイプ(PETフィルム、東レ社製)、及びピュアサーモ(ポリプロピレンフィルム、出光ユニテック社製)が挙げられる。
基材の厚さは、特に限定されないが、加飾フィルムの強度の観点、また、加飾フィルムを成型する場合の成型加工性の観点から、1μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、20μm以上が更に好ましい。また、同様の観点から、基材の厚さは、300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、150μm以下が更に好ましい。
例えば、加飾フィルムが基材を含む場合、基材を含む加飾フィルムから基材を剥離したものを加飾フィルムとしてよい。
[着色層]
加飾フィルムは、着色層を含んでもよい。これにより、所望の意匠を得ることがより容易となる。着色層は、着色剤を含む層である。着色層は、1層であってよく、2層以上であってもよい。
加飾フィルムにおいて、着色層の位置は、特に限定されず、所望の位置に設けてよい。例えば、着色層は、反射層上に設けられてもよい。また、加飾フィルムが基材を含む場合、基材の反射層が形成されている側とは反対側に設けられてよく、また、基材を含む加飾フィルムから基材を剥離したものを加飾フィルムとし、基材剥離後の加飾フィルムに設けられてよい。
着色層の色は、特に限定されず、加飾フィルムの用途等に応じて適宜選択することができる。着色層の色としては、例えば、黒、灰、白、赤、橙、黄、緑、青、紫、茶等が挙げられる。また、着色層の色は、金属調の色であってもよい。
-着色剤-
着色剤は、顔料であってよく、染料であってもよい。耐久性の観点から、着色剤は、顔料であることが好ましい。着色層を金属調とするために、着色剤として、金属粒子、パール顔料等を用いてもよい。
顔料は、無機顔料であってもよく、有機顔料であってもよい。
無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の白色顔料;カーボンブラック、チタンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、黒鉛等の黒色顔料;酸化鉄、バリウムイエロー、カドミウムレッド、及びクロムイエローが挙げられる。
無機顔料としては、特開2005-7765号公報の段落0015及び段落0114に記載の無機顔料も挙げられる。
有機顔料としては、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料;アゾレッド、アゾイエロー、アゾオレンジ等のアゾ系顔料;キナクリドンレッド、シンカシャレッド、シンカシャマゼンタ等のキナクリドン系顔料;ペリレンレッド、ペリレンマルーン等のペリレン系顔料;カルバゾールバイオレット、アントラピリジン、フラバンスロンイエロー、イソインドリンイエロー、インダスロンブルー、ジブロムアンザスロンレッド、アントラキノンレッド、及びジケトピロロピロールが挙げられる。
有機顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red 177、179、224、242、254、255、264等の赤色顔料、C.I.Pigment Yellow 138、139、150、180、185等の黄色顔料;C.I.Pigment Orange 36、38、71等の橙色顔料;C.I.Pigment Green 7、36、58等の緑色顔料;C.I.Pigment Blue 15:6等の青色顔料;及び、C.I.Pigment Violet 23等の紫色顔料が挙げられる。
有機顔料としては、特開2009-256572号公報の段落0093に記載の有機顔料も挙げられる。
顔料は、光透過性及び光反射性を有する顔料(いわゆる、光輝性顔料)であってもよい。光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、酸化アルミニウム、及びこれらの合金の金属製光輝性顔料、干渉マイカ顔料、ホワイトマイカ顔料、グラファイト顔料、並びに、ガラスフレーク顔料が挙げられる。光輝性顔料は、無着色のものであってよく、着色されたものであってもよい。
着色剤は、1種を単独で用いてよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の着色剤を用いる場合、無機顔料と有機顔料と組み合わせてもよい。
着色剤の含有量は、目的とする色発現の観点から、着色層の全量に対して、1質量%~50質量%であることが好ましく、5質量%~50質量%であることがより好ましく、10質量%~40質量%であることが特に好ましい。
-バインダー樹脂-
着色層は、強度、耐傷性、及び成型加工適正の観点から、バインダー樹脂を含むことが好ましい。バインダー樹脂の種類は、特に制限されない。バインダー樹脂は、所望の色を得る観点から、透明な樹脂であることが好ましく、具体的には、全光透過率が80%以上の樹脂であることが好ましい。全光透過率は、分光光度計(例えば、島津製作所社製の分
光光度計「UV-2100」)により測定することができる。
バインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、及びポリオレフィンが挙げられる。バインダー樹脂は、単独重合体であってよく、共重合体であってもよい。
バインダー樹脂は、1種を単独で用いてよく、2種以上を併用してもよい。
バインダー樹脂の含有量は、成型加工性の観点から、着色層の全量に対して、5質量%~70質量%であることが好ましく、10質量%~60質量%であることがより好ましく、20質量%~60質量%であることが特に好ましい。
-分散剤-
着色層に含まれる着色剤、特に顔料の分散性を向上する観点から、着色層は、分散剤を含有してよい。分散剤が含まれると、着色層における着色剤の分散性が向上する。そのため、得られる加飾フィルムの色をより容易に均一にすることができる。
分散剤は、着色剤の種類、形状等に応じて適宜選択することができ、高分子分散剤であることが好ましい。
高分子分散剤としては、例えば、シリコーンポリマー、アクリルポリマー、及びポリエステルポリマーが挙げられる。例えば、加飾フィルムに耐熱性を付与したい場合には、分散剤は、グラフト型シリコーンポリマー等のシリコーンポリマーであることが好ましい。
分散剤の重量平均分子量は、1,000~5,000,000であることが好ましく、2,000~3,000,000であることがより好ましく、2,500~3,000,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が1,000以上であると、着色剤の分散性がより向上する。
分散剤は、市販品であってよい。分散剤の市販品としては、BASFジャパン社製のEFKA 4300(アクリル系高分子分散剤);花王社製のホモゲノールL-18、ホモゲノールL-95、及びホモゲノールL-100;日本ルーブリゾール社製の、ソルスパース20000、及びソルスパース24000;並びにビックケミー・ジャパン社製のDISPERBYK-110、DISPERBYK-164、DISPERBYK-180、及びDISPERBYK-182が挙げられる。なお、「ホモゲノール」、「ソルスパース」、及び「DISPERBYK」はいずれも登録商標である。
分散剤は、1種を単独で用いてよく、2種以上を併用してもよい。
分散剤の含有量は、着色剤100質量部に対して、1質量部~30質量部であることが好ましい。
-添加剤-
着色層は、上記の成分以外に、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。添加剤は、特に限定されず、例えば、特許第4502784号公報の段落0017、及び特開2009-237362号公報の段落0060~0071に記載の界面活性剤;特許第4502784号公報の段落0018に記載の熱重合防止剤(重合禁止剤ともいう。フェノチアジンが好ましく挙げられる。);並びに、特開2000-310706号公報の段落0058~0071に記載の添加剤が挙げられる。
-厚さ-
着色層の厚さは、特に限定されないが、視認性及び立体成型性の観点から、0.5μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、3μm~50μmであることが更に好ましく、3μm~20μmであることが特に好ましい。
着色層が2層以上である場合、各着色層がそれぞれ独立に、上記厚さの範囲であることが好ましい。
-着色層の形成方法-
着色層の形成方法としては、例えば、着色層形成用組成物を用いる方法、着色されたフィルムを貼り合せる方法等が挙げられる。中でも、着色層の形成方法は、着色層形成用組成物を用いる方法が好ましい。
着色層形成用組成物を用いて着色層を形成する方法としては、着色層形成用組成物を塗布して着色層を形成する方法、例えば、着色層形成用組成物を印刷して着色層を形成する方法が挙げられる。印刷方法としては、例えば、スクリーン印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、及びオフセット印刷が挙げられる。
着色層形成用組成物は、着色剤と、必要に応じて、バインダー樹脂、分散剤及び添加剤の少なくとも1つとを含むものであってよい。各成分の種類は、着色層について上述したものであってよい。
着色剤の含有量は、着色層形成用組成物の全固形分量に対して、1質量%~50質量%であることが好ましく、5質量%~50質量%であることがより好ましく、10質量%~40質量%であることが特に好ましい。
バインダー樹脂の含有量は、着色層形成用組成物の全固形分量に対して、5質量%~70質量%であることが好ましく、10質量%~60質量%であることがより好ましく、20質量%~60質量%であることが特に好ましい。
分散剤の含有量は、着色剤100質量部に対して、1質量部~30質量部であることが好ましい。
着色層は、着色層形成用組成物を硬化してなる層であってもよく、例えば、重合性化合物及び重合開始剤を含む着色層形成用組成物を用いてよい。重合性化合物及び重合開始剤は、特に限定されず、公知の重合性化合物及び公知の重合開始剤を用いてよい。重合性化合物は、1種を単独で用いてよく、2種以上を併用してもよい。重合開始剤は、1種を単独で用いてよく、2種以上を併用してもよい。
着色層形成用組成物は、塗布をより容易にする観点から、有機溶剤を含んでよい。有機溶剤は、特に限定されず、公知の有機溶剤を適用することができる。有機溶剤としては、例えば、アルコール、エステル、エーテル、ケトン、及び芳香族炭化水素が挙げられる。有機溶剤は、1種を単独で用いてよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤の含有量は、着色層形成用組成物の全量に対して、5質量%~90質量%であることが好ましく、30質量%~70質量%であることがより好ましい。
着色層形成用組成物として、例えば、naxレアルシリーズ、naxアドミラシリーズ、及びnaxマルチシリーズ(日本ペイント社製);レタンPGシリーズ(関西ペイント社製)等の市販の塗料を用いてよい。
着色層形成用組成物の調製方法は、特に限定されず、例えば、着色剤等の各成分を混合することにより着色層形成用組成物を調製してよい。また、着色層形成用組成物が着色剤として顔料を含む場合、顔料の均一分散性及び分散安定性をより高める観点から、顔料と分散剤とを含む顔料分散液を予め調製し、顔料分散液に他の成分を混合することにより、着色層形成用組成物を調製することが好ましい。
[配向層]
加飾フィルムは、配向層を有してよい。配向層は、加飾フィルムの形成の際、光反射部中のコレステリック液晶化合物の分子をより容易に配向させるために用いられる。
配向層は、例えば、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成等によって設けられる。配向層としては、電場の付与、磁場の付与、又は光照射により配向機能が生じる配向層も知られている。
配向層の厚さは、特に限定されないが、0.01μm~10μmであることが好ましい。
基材、下地の種類によっては、配向層を別途設けることなく、下地を配向層とすることができる。
例えば、基材を直接配向処理(例えば、ラビング処理)することで、配向層として機能させることができる。直接配向処理可能な基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる層が挙げられ、後述の要領でラビング処理を施してよい。
以下、好ましい例として、ラビング処理配向層及び光配向層について説明する。
-ラビング処理配向層-
ラビング処理配向層は、例えば、液晶組成物が塗布される下地の表面に対して、ラビング処理を行うことにより形成される。ラビング処理は、例えば、ポリマーを主成分とする膜の表面を、紙又は布で一定方向に擦ることにより行うことができる。ラビング処理の一般的な方法については、例えば、「液晶便覧」(丸善社発行、平成12年10月30日)に記載されている。
上記のようなポリマーを主成分とする膜を形成する配向層用ポリマーとしては、例えば、特開平8-338913号公報の段落0022に記載のメタクリレート系共重合体、スチレン系共重合体、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ(N-メチロールアクリルアミド)、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、及びポリカーボネートが挙げられる。また、配向層用ポリマーは、シランカップリング剤であってもよい。配向層用ポリマーは、水溶性ポリマー(例えば、ポリ(N-メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、又は変性ポリビニルアルコール)が好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールがより好ましく、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。
ラビング密度を変える方法としては、「液晶便覧」(丸善社発行)に記載されている方法を用いることができる。ラビング密度(L)は、下記式(A)で定量化されている。
式(A) L=Nl(1+2πrn/60v)
式(A)中、Nはラビング回数、lはラビングローラーの接触長、rはローラーの半径、nはローラーの回転数(rpm;revolutions per minute)、vはステージ移動速度(秒速)である。
ラビング密度を高くする方法としては、ラビング回数を増やす方法、ラビングローラーの接触長を長くする方法、ローラーの半径を大きくする方法、ローラーの回転数を大きくする方法、及びステージ移動速度を遅くする方法が挙げられる。一方、ラビング密度を低くする方法としては、ラビング回数を減らす方法、ラビングローラーの接触長を短くする方法、ローラーの半径を小さくする方法、ローラーの回転数を小さくする方法、及びステージ移動速度を速くする方法が挙げられる。また、ラビング処理の際の条件としては、特許第4052558号公報の記載を参照することもできる。
-光配向層-
光照射により形成される光配向層に用いられる光配向材料としては、例えば、特開2006-285197号公報、特開2007-76839号公報、特開2007-138138号公報、特開2007-94071号公報、特開2007-121721号公報、特開2007-140465号公報、特開2007-156439号公報、特開2007-133184号公報、特開2009-109831号公報、特許第3883848号公報、及び特許第4151746号公報に記載のアゾ化合物;特開2002-229039号公報に記載の芳香族エステル化合物;特開2002-265541号公報、及び特開2002-317013号公報に記載の光配向性単位を有するマレイミド及び/又はアルケニル置換ナジイミド化合物;特許第4205195号及び特許第4205198号公報に記載の光架橋性シラン誘導体;並びに、特表2003-520878号公報、特表2004-529220号公報、及び特許第4162850号公報に記載の光架橋性ポリイミド、ポリアミド、又は、エステルが挙げられる。中でも、光配向材料は、アゾ化合物、光架橋性ポリイミド、ポリアミド、又はエステルであることが好ましい。
光配向材料から形成した層に、直線偏光照射又は非偏光照射を施し、光配向層を製造する。
本開示において、「直線偏光照射」とは、光配向材料に光反応を生じさせるための操作である。用いる光の波長は、用いる光配向材料により異なり、その光反応に必要な波長であれば特に限定されるものではない。光照射に用いる光は、ピーク波長が200nm~700nmの光であることが好ましく、ピーク波長が400nm以下の紫外線であることがより好ましい。
光照射に用いる光源としては、公知の光源、例えば、タングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、カーボンアークランプ等のランプ、各種のレーザー(例えば、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、又はYAGレーザー)、発光ダイオード、及び陰極線管が挙げられる。
直線偏光を得る方法としては、偏光板(例えば、ヨウ素偏光板、二色色素偏光板、又はワイヤーグリッド偏光板)を用いる方法、プリズム系素子(例えば、グラントムソンプリズム)又はブリュースター角を利用した反射型偏光子を用いる方法、及び偏光を有するレーザー光源から出射される光を用いる方法が挙げられる。また、フィルター又は波長変換素子等を用いて必要とする波長の光のみを選択的に照射してもよい。
照射する光が直線偏光の場合、配向層の上面若しくは裏面から、配向層表面に対して垂直方向、又は斜め方向に光を照射する方法が挙げられる。光の入射角度は、光配向材料によって異なるが、配向層に対して、0°~90°(垂直)であることが好ましく、40°~90°であることがより好ましい。
非偏光を利用する場合には、配向層の上面若しくは裏面から、斜め方向に非偏光を照射する。入射角度は、10°~80°であることが好ましく、20°~60°であることがより好ましく、30°~50°であることが更に好ましい。照射時間は、1分~60分であることが好ましく、1分~10分であることがより好ましい。
〔屈折率調整層〕
加飾フィルムは、屈折率調整層を更に有することが好ましく、上記反射層と上記凹凸構造を有する層との間に有することがより好ましい。屈折率調整層としては、公知の屈折率調整層を適用できる。
屈折率調整層に含まれる材料としては、例えば、樹脂、重合性化合物、金属塩、粒子等が挙げられる。屈折率調整層の屈折率を制御する方法は、特に制限されず、例えば、所定の屈折率の樹脂を単独で用いる方法、重合体と粒子とを用いる方法等が挙げられる。
重合体としては、例えば、凹凸構造Bを有する層の成分として既述された樹脂が挙げられる。重合性化合物としては、例えば、反射層の成分として既述された重合性化合物及び架橋剤が挙げられる。
粒子としては、例えば、金属酸化物粒子、及び、金属粒子が挙げられる。金属酸化物粒子の種類は特に制限はなく、公知の金属酸化物粒子が挙げられる。金属酸化物粒子における金属には、B、Si、Ge、As、Sb、及び、Te等の半金属も含まれる。
金属酸化物粒子としては、具体的には、酸化ジルコニウム粒子(ZrO粒子)、Nb粒子、酸化チタン粒子(TiO粒子)、二酸化珪素粒子(SiO粒子)、及び、これらの複合粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらのなかでも、金属酸化物粒子としては、例えば、屈折率を調整しやすいという点から、酸化ジルコニウム粒子及び酸化チタン粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
金属酸化物粒子の市販品としては、焼成酸化ジルコニウム粒子(CIKナノテック株式会社製、製品名:ZRPGM15WT%-F04)、焼成酸化ジルコニウム粒子(CIKナノテック株式会社製、製品名:ZRPGM15WT%-F74)、焼成酸化ジルコニウム粒子(CIKナノテック株式会社製、製品名:ZRPGM15WT%-F75)、焼成酸化ジルコニウム粒子(CIKナノテック株式会社製、製品名:ZRPGM15WT%-F76)、酸化ジルコニウム粒子(ナノユースOZ-S30M、日産化学工業(株)製)、及び、酸化ジルコニウム粒子(ナノユースOZ-S30K、日産化学工業(株)製)が挙げられる。
粒子の平均一次粒子径は、例えば、硬化膜の透明性の点から、1nm~200nmが好ましく、3nm~80nmがより好ましい。粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡を用いて任意の粒子200個の粒子径を測定し、測定結果を算術平均することにより算出される。なお、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を粒子径とする。
粒子は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
屈折率調整層における粒子の含有量は、屈折率調整層の全質量に対し、1質量%~95質量%であることが好ましく、20質量%~90質量%であることがより好ましく、40質量%~85質量%であることが更に好ましい。
屈折率調整層の屈折率と、反射層の屈折率との差は、0.10以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましく、0.005~0,03であることが特に好ましい。
屈折率調整層の厚さは、特に限定されないが、1μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、20μm以上が更に好ましい。また、同様の観点から、屈折率調整層の厚さは、300μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下が更に好ましい。
〔その他の層〕
加飾フィルムは、反射層、凹凸構造Bを有する層、基材、着色層、配向層及び屈折率調整層以外のその他の層を有していてもよい。
その他の層としては、加飾フィルムにおいて公知の層である、保護層、粘着層、易接着層、紫外線吸収層、自己修復層、帯電防止層、防汚層、防電磁波層、導電性層等が挙げられる。
その他の層は公知の方法により形成することができる。例えば、これらの層に含まれる成分を含む組成物(層形成用組成物)を層状に付与し、乾燥する方法が挙げられる。
<各層の配置>
加飾フィルムの各層の配置は制限されない。加飾フィルムの各層は、次のように配置されてもよい。「/」は、層の境界を示す。また、左側が視認側であるものとする。
(1)凹凸構造Bを有する層/凹凸構造Aを有する反射層
(2)凹凸構造Bを有する層/凹凸構造Aを有する反射層/基材
(3)凹凸構造Bを有する層/凹凸構造Aを有する反射層/粘着層/基材
(4)凹凸構造Bを有する層/粘着層1/凹凸構造Aを有する反射層/粘着層2/基材 (5)凹凸構造Bを有する層/凹凸構造Aを有する反射層/基材/着色層
(6)凹凸構造Bを有する層/屈折率調整層/凹凸構造Aを有する反射層/基材
(7)凹凸構造Bを有する層/屈折率調整層/凹凸構造Aを有する反射層/粘着層/基材
(8)凹凸構造Bを有する層/粘着層1/屈折率調整層/凹凸構造Aを有する反射層/粘着層2/基材
(9)凹凸構造Bを有する層/屈折率調整層/凹凸構造Aを有する反射層/基材/着色層
加飾フィルムの上記(9)の例について図1を用いて説明する。
図1は、本開示に係る加飾フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。
図1に示される加飾フィルム20は、着色層22と、着色層22上に基材24と、基材24上に凹凸構造Aを有する反射層26と、反射層26上に屈折率調整層28と、屈折率調整層28上に凹凸構造Bを有する層30と、を有する。また、反射層26には、凹凸構造Aが形成されており、凹凸構造Bを有する層30には、凹凸構造Bが形成されている。
本開示に係る加飾フィルムの用途としては、特に制限はなく、例えば、電子デバイス(例えば、ウエアラブルデバイス、及びスマートフォン)、家電製品、オーディオ製品、コンピュータ、ディスプレイ、車載製品等の表示装置の加飾に用いることができる。中でも、本開示に係る加飾フィルムは、電子デバイス(例えば、ウエアラブルデバイス、及びスマートフォン)の加飾に好適に用いることができる。また、本開示に係る加飾フィルムは、立体成型性にも優れることから、例えば、立体成型及びインサート成型のような成型に用いられる、成型用加飾フィルムとして好適であり、立体成型用加飾フィルムとしてより好適である。
<加飾フィルムの製造方法>
本開示に係る加飾フィルムの製造方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いてもよいし、公知の方法を応用して作製してもよい。
凹凸構造A及び凹凸構造Bの形成方法は、特に制限はなく、真空成型、凹凸フィルムの押し当て、凹凸上に塗布、配向制御等により形成することができる。
より詳細には、例えば、凹凸フィルムを反射層に押し当て、真空成型することにより、凹凸構造Aを形成する方法、凹凸構造を有するフィルムを最表面に貼り付け、凹凸構造Bを有する層を形成する方法等が好適に挙げられる。
また、本開示に係る加飾フィルムの製造方法としては、例えば、反射層がコレステリック液晶層である場合には、基材と、コレステリック螺旋状に配向した液晶化合物、及び、感光性カイラル剤を含む液晶層とを有する液晶材料を準備する工程(以下、「液晶材料準備工程」ともいう。)、上記液晶層に、第1光を照射して、上記液晶層の表面から厚さ方向の内部に向けて上記感光性カイラル剤の一部を失活させる工程(以下、「第1露光工程」ともいう。)、及び、第2光を照射して上記未硬化部を硬化させる工程(以下、「第2露光工程」ともいう。)を含むことが好ましい例として挙げられる 。上記方法であると、厚さ方向において、コレステリック液晶構造の螺旋ピッチが徐々に(グラデーション状に)変化している部分を有する反射層を有する加飾フィルムを容易に作製することができる。
以下、上記の例について、詳細に説明する。
また、上記した本開示に係る加飾フィルムの製造方法の例においては、上記液晶層を加熱してコレステリック液晶相とする工程(以下、「第1加熱工程」ともいう。)を含むことが好ましい。
[液晶材料準備工程]
液晶材料準備工程は、基材と、コレステリック螺旋状に配向した液晶化合物(コレステリック液晶化合物)、及び、感光性カイラル剤を含む液晶層とを有する液晶材料を準備する工程である。
-基材-
基材は、上述したものを用いることができる。
-液晶層-
液晶層は、コレステリック螺旋状に配向可能なコレステリック液晶化合物、及び、感光性カイラル剤を含むことが好ましく、必要に応じて、他の成分を含んでよい。
液晶組成物の調製方法は、特に限定されず、例えば、コレステリック液晶化合物、カイラル剤等の各成分を混合する方法により液晶組成物を調製してよい。
各成分としては、上述したものを好適に用いることができる。
液晶組成物を基材に付与する方法は、特に限定されず、例えば、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、ミスト法、インクジェット法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、及び凹版印刷法が挙げられる。
液晶組成物が溶剤を含む場合、液晶組成物を基材に付与した後に乾燥してよい。乾燥方法として、例えば、加熱乾燥、及び減圧乾燥が挙げられる。加熱乾燥する場合、加熱温度及び加熱時間は、溶剤の種類に応じて適宜調節してよい。また、加熱乾燥は、下記の第1加熱工程の一部として行ってもよい。
[第1加熱工程]
第1加熱工程は、上記液晶層を加熱してコレステリック液晶相とする工程である。コレステリック液晶化合物を加熱すると、加熱温度が高くなるにつれて、コレステリック液晶化合物は、結晶状態から配向状態となり、更に、配向状態から等方状態となる。第1加熱工程では、コレステリック液晶化合物を含む液晶層を加熱することにより、コレステリッ
ク液晶化合物を配向状態として、液晶層をコレステリック液晶化合物が配向したコレステリック液晶相とする。
コレステリック液晶化合物の上記状態の変化との加熱温度との関係は、コレステリック液晶化合物の種類により異なる。そのため、第1加熱工程における加熱温度は、コレステリック液晶化合物が配向状態となるように、コレステリック液晶化合物の種類に応じて、適宜調節してよい。第1加熱工程における加熱時間は、加熱温度等に応じて適宜調節してよい。また、加熱手段は、特に限定されず、オーブン、ホットプレート等を用いてよい。
[第1露光工程]
第1露光工程は、上記液晶層に、第1光を照射して、上記液晶層の表面から厚さ方向の内部に向けて上記感光性カイラル剤の一部を失活させる工程である。
第1露光工程では、例えば、第1光を基材側、もしくは、表層側のいずれかから照射し、液晶層に含まれる感光性カイラル剤によって光を吸収させることで、光源に近い側での上記感光性カイラル剤の失活量を、光源に遠い側での上記感光性カイラル剤の失活量より大きくする、好ましくは層厚方向において、第1光の照射側の液晶層表面からグラデーション状に活性な上記感光性カイラル剤の量が多くなる態様とすることができる。
第1光の照射側の液晶層表面からグラデーション状に活性な上記感光性カイラル剤の量が多くなる態様であると、第2露光工程での液晶層の硬化までに、上記感光性カイラル剤の量に応じたコレステリック液晶構造の螺旋の巻き直しが生じ、螺旋ピッチがグラデーション状に変化した液晶層が得られる。
また、第1露光工程において、第1光の照射を1回のみ行ってもよいし、2回以上行ってもよい。2回以上露光を行う場合、各露光において、露光条件(例えば、露光手段、露光波長、露光量、露光雰囲気等)を適宜調整してもよい。
第1光の種類は、特に限定されないが、液晶層に含まれる成分の反応性を考慮すると、紫外線を用いることが好ましい。紫外線の光源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、及び発光ダイオード(LED;Light Emission Diode)が挙げられる。
第1光の波長範囲は、特に限定されないが、第1光が紫外線である場合、400nm以下が好ましく、360nm以下がより好ましく、300nm以下が更に好ましい。300nm以下の光を用いる場合、コレステリック液晶化合物の光吸収により、厚み方向における光硬化の制御がより容易となる。波長範囲は、例えば、光学フィルタを用いる方法、2種以上の光学フィルタを用いる方法、又は特定波長の光源を用いる方法により調整することができる。
第1光の露光量は、特に限定されず、第1光が紫外線である場合、例えば、0.1mJ/cm~2,000mJ/cmであることが好ましい。面内方向における光硬化の制御の観点から、紫外線の平行度は20°以下であることが好ましく、10°以下であることがより好ましい。
第1露光工程は、基材の液晶層を有する側と反対側から露光する場合には、低酸素雰囲気(酸素濃度1,000ppm以下、すなわち、酸素を含まないか、0ppm超1,000ppm以下の酸素を含む雰囲気)で行ってよく、酸素を含む雰囲気下(大気又は1000ppm以上21%未満の酸素を含む雰囲気下)で行われることがより好ましい。酸素によってラジカル重合が阻害されるため、厚み方向における光硬化の制御がより容易となる。
第1露光工程は、液晶層の硬化を促進させる観点から、低酸素雰囲気下(好ましくは、
酸素濃度1,000ppm以下、すなわち、酸素を含まないか、0ppm超1,000ppm以下の酸素を含む雰囲気)で行われることが好ましく、窒素雰囲気下で行われることがより好ましい。
第1露光工程は、液晶層の螺旋ピッチの変化を維持させる観点から、50℃以下で行うことが好ましく、40℃以下で行うことがより好ましく、0℃以上35℃以下で行うことが特に好ましい。
第1露光工程において、第1光の透過率が互いに異なる複数の領域を有する第1パターニングマスクを介して第1光を照射してよい。これにより、液晶層の複数の領域を異なる露光量で露光することができるため、上記領域の厚さが互いに異なる複数の領域を単一層内に面内方向に形成し、面内方向の反射率を一括して制御することができる。
また、第1露光工程において、波長に応じ透過率が異なるフィルタを介して第1光を照射してよい。更に、上記フィルタとしては、第1光の露光量を調整するフィルタであってもよい。
例えば、使用する光重合開始剤から重合開始種を生じさせないように、光重合開始剤が吸収する波長の透過率を下げた、例えば、0%としたマスクが挙げられる。
第1パターニングマスクとしては、例えば、金属膜をエッチングすることによりパターン形成されたフォトマスク、及び各種印刷方法(例えば、レーザープリンタ又はインクジェットプリンターによる印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷)を用いてパターン印刷されたフォトマスクが挙げられる。金属膜をエッチングすることによりパターン形成されたフォトマスクは、例えば、石英基板上に金属クロム膜をスパッタで形成した後、フォトレジストを用いてパターニングすることにより得られる。
上記フィルタとしては、ガラス等の透明基板上に、誘電体多層膜を蒸着したもの等が好適に挙げられる。また、上記フィルタとしては、例えば、公知のバンドパスフィルタを用いることができる。
第1パターニングマスク又はフィルタを用いて第1光を照射する場合、第1パターニングマスク又はフィルタは、基材の液晶層を有する側とは反対側に配置してよく、基材の液晶層を有する側に配置してよい。
第1パターニングマスク又はフィルタを基材の液晶層を有する側に配置する場合、液晶層に第1パターニングマスク又はフィルタを接触させて第1光を照射してよく、液晶層と第1パターニングマスクとの間に間隙を設けて第1光を照射してもよい。
第1パターニングマスク又はフィルタを基材の液晶層を有する側とは反対側に配置する場合、基材を介して第1光で液晶層を露光するため、透光性の基材を用いることが好ましい。
基材の透光性について、第1光の透過率は、特に限定されないが、液晶層をより容易に硬化させる観点から、高い程好ましい。
第1パターニングマスク又はフィルタを用いて第1光を照射する場合、第1パターニングマスク又はフィルタは、1種のみ用いてよく、2種以上用いてもよい。
また、第1パターニングマスクとフィルタとを併用してもよい。
[第2露光工程]
第2露光工程は、第2光を照射して上記液晶層を硬化させる工程である。
第1露光工程において変化した液晶層の螺旋ピッチを、第2光の照射により硬化し、固定することができる。
第2露光工程において、未硬化部だけでなく、液晶層全体を露光してよい。例えば、基材の液晶層を有する側から、第2光を照射してよい。
第2光の種類は、特に限定されないが、液晶化合物に含まれ得る成分の反応性を考慮すると、紫外線を用いることが好ましい。紫外線の光源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、及び発光ダイオード(LED)が挙げられる。
第2光の波長範囲は、特に限定されず、例えば、250nm~400nmの波長範囲の光を用いることができる。波長範囲は、例えば、光学フィルタを用いる方法、2種以上の光学フィルタを用いる方法、又は特定波長の光源を用いる方法により調整することができる。
第2光の露光量は、特に限定されず、第2光が紫外線である場合、例えば、5mJ/cm~2,000mJ/cmであることが好ましい。
第2露光工程は、硬化を促進させる観点から、低酸素雰囲気下(好ましくは、酸素濃度1,000ppm以下、すなわち、酸素を含まないか、0ppm超1,000ppm以下の酸素を含む雰囲気)で行われることが好ましく、窒素雰囲気下で行われることがより好ましい。
第2露光工程は、液晶層の螺旋ピッチの変化を硬化まで維持させる観点から、50℃以下で行うことが好ましく、40℃以下で行うことがより好ましく、0℃以上35℃以下で行うことが特に好ましい。
[その他の工程]
本開示に係る加飾フィルムの製造方法は、必要に応じて、上記工程以外の他工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、例えば、基材を含む態様で製造した加飾フィルムから基材を剥離する工程が挙げられ、基材を含まない態様の加飾フィルムを製造することができる。
また、その他の工程としては、着色層形成工程、配向層形成工程、及びその他の層の形成工程が挙げられる。着色層及び配向層の詳細及び形成方法は上述の通りである。また、その他の層の詳細は上述の通りであり、その他の層の形成方法として、公知の方法を用いてよい。
<加飾フィルム、物品、加飾パネル、及び、表示装置>
本開示に係る加飾フィルムは、成型した成形体であってもよい。
本開示に係る物品は、本開示に係る加飾フィルムを備えた物品である。
このような加飾フィルムは、様々な物品に備えることができる。
そのような物品としては、例えば、スマートフォン、携帯電話、及びタブレット等の電子デバイス、自動車、電化製品、包装容器等が挙げられ、とりわけ、電子デバイスに好適に用いることができる。電子デバイスとしては、ディスプレイ、スマートフォン、携帯電話、及びタブレット等の表示装置がより好適に挙げられる。
中でも、通常のディスプレイ、又は、スマートフォン、家電製品、オーディオ製品、コンピュータ、車載製品等の表示装置におけるディスプレイに特に好適に用いることができる。
また、ディスプレイ、スマートフォン等の表示装置に本開示に係る加飾フィルムを用いる場合、本開示に係る加飾フィルムとディスプレイ等の表示部材との間に、位相差フィルムを設けてもよい。
位相差フィルムとしては、公知のものを用いることができる。
本開示に係る加飾フィルムを成型して成型体を得るための手段は、特に限定されず、例えば、立体成型、インサート成型等の公知の方法であってよい。また、本開示に係る加飾フィルムを物品に適用するための手段も特に限定されず、物品の種類に応じて、公知の方法を適宜用いてよい。
本開示に係る加飾パネルは、本開示に係る加飾フィルムを備える。
加飾パネルの形状は制限されない。加飾パネルの形状は、例えば、用途に応じて決定すればよい。加飾パネルは、例えば、平板状であってもよい。また、加飾パネルは、曲面を有してもよい。
加飾パネルは、例えば、種々の物品(例えば、電子デバイス、自動車及び電気製品)の内外装に用いることができる。
加飾パネルは、例えば、加飾フィルムの構造色を発現する層側の表面と加飾パネルの表層部となる部材の表面とを接着させることで製造することができる。加飾パネルの表層部となる部材としては、例えば、ガラスパネルが挙げられる。加飾フィルムと加飾パネルの表層部となる部材との接着には、例えば、上述した粘着層を用いることができる。加飾フィルムと他の部材とを組み合わせず、例えば、成型された加飾フィルムを単独で加飾パネルとして用いてもよい。
以下に実施例を挙げて本開示を更に具体的に説明する。本開示の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<実施例1>
〔基材の準備〕
支持体として、片面に易接着層を有する厚さ100μmのPET(コスモシャインA4160、東洋紡(株)社製)を用意し、透明支持体1として使用した。
〔下塗り層の形成〕
透明支持体1の易接着層の無い面上に、以下に記載の組成を有する下塗り層塗布液を#4のワイヤーバーコーターで塗布した。その後80℃で120秒乾燥し、25℃にてメタルハライドランプ(MAL625NAL、(株)GSユアサ製)を備えた紫外線照射装置により、180mJ/cmの紫外線を照射して、下塗り層付き支持体1を作製した。
-下塗り層塗布液の組成-
トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製):75質量部
KAYARAD PET30(日本化薬(株)製):25質量部
IRGACURE 907(チバガイギー社製):3質量部
光重合開始剤:カヤキュアーDETX(日本化薬(株)製):1質量部
下記に示す構造を有する界面活性剤F1:0.01質量部
有機溶剤1:メチルエチルケトン:136質量部
有機溶剤2:シクロヘキサノン:156質量部
界面活性剤F1:下記化合物
〔反射層の形成〕
下記に記載の組成を有する液晶組成物1を調製した。
-液晶組成物1の組成-
下記に示す構造を有する棒状液晶化合物1:100質量部
カイラル剤1(感光性カイラル剤、下記に示す構造を有する化合物):4質量部
光重合開始剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製):0.5質量部
界面活性剤F1(上記に示す構造を有する化合物):0.054質量部
界面活性剤F2(下記に示す構造を有する化合物):0.134質量部
有機溶剤1(メチルエチルケトン):185質量部
有機溶剤2(シクロヘキサノン):9.7量部
棒状液晶化合物1:下記化合物
カイラル剤1:下記化合物
界面活性剤F2:下記化合物
下塗り層付き支持体1の下塗り層の表面に、液晶組成物1を#5のワイヤーバーコーターで塗布した。その後、80℃で120秒乾燥し、酸素濃度5%以下、かつ25℃にてメタルハライドランプ(MAL625NAL、(株)GSユアサ製)を備えた紫外線照射装置にて、下記の特性を有するバンドパスフィルタ1を介して620mJ/cmの紫外線を照射した。さらに、酸素濃度5%以下、かつ25℃にてメタルハライドランプ(MAL625NAL、(株)GSユアサ製)を備えた紫外線照射装置にて、500mJ/cmの紫外線を照射することで、液晶層を硬化した。更に、酸素濃度1,000ppm以下、かつ25℃にてメタルハライドランプ(MAL625NAL、(株)GSユアサ製)を備えた紫外線照射装置にて、500mJ/cmの紫外線を照射することで、液晶層を完全に硬化した。これにより、下塗り層付き支持体1上に反射層1を形成して積層体を得た。
バンドパスフィルタ1は、ガラス基板(SHOTT社製TEMPAX Float t2.0mm)上に、誘電体多層膜を蒸着し、波長350nm~450nm以上の透過率0%、310nm~330nmの平均透過率が70%~75%としたものである。
〔屈折率調整層形成用塗布液1の調製〕
下記に示す組成を有する屈折率調整層形成用塗布液1を調製した。
-屈折率調整層形成用塗布液1の組成-
アクリルポリマー水分散物(AS-563A(ダイセルファインケム(株)製、固形分27.5質量%)):20質量部
架橋剤(カルボジライトV-02-L2(日清紡ケミカル(株)製、固形分濃度20質量%蒸留水希釈)):0.46質量部
界面活性剤A(リパール870P(ライオン(株)製、固形分1質量%蒸留水希釈)):0.63質量部
界面活性剤B(ナロアクティーCL-95(三洋化成工業(株)製、固形分1質量%蒸留水希釈)):0.87質量部
ウレタンポリマー水溶液(オレスターUD350(三井化学(株)製、固形分38質量%)):0.13質量部
蒸留水:77.91質量部
得られた積層体を、真空ラミネーターのホットプレート上で120℃に熱した型1(H:100μm、θ=30°である図2に示す構造の断面形状である型)に載せ、60秒加熱したのち、型1に対応する型1’を上から重ねて置いた。120℃の加熱をしたまま、真空状態にし4分間保った後に、8分間大気圧で加圧することにより、反射層1に凹凸構造を転写させた。後述する方法で測定した反射層1の積分反射スペクトルから求めた最大積分反射率を示す波長は650nmであり、光選択反射性を示すことを確認した。
次に、得られた積層体に、ワイヤーバーを用いて凸凹構造が埋まるように屈折率調整層形成用塗布液1を塗布し、塗膜に対して80℃で乾燥処理を施して、屈折率調整層1を設けた。屈折率調整層1と反射層との屈折率差は、0.01であった。
次に、屈折率調整層1上に、コンマコーターを用いてアクリル系粘着剤液(綜研化学(株)製、SKダインSG-50Y)で塗布し、塗膜を120℃で2分間乾燥することで、層厚25μmの接着層を形成した。
次に、表面に微細な凹凸構造を有する最表層1として、ジオマテック社製のモスアイフィルム(g.moth(登録商標)、厚さ60μm(凹凸高さを除く。))を用意し、接着層上にモスアイフィルムを配置して接着した。このようにして、積層体1(加飾フィルム1)を作製した。
<実施例2>
型1の代わりに、型2(H:1mm、θ=30°である図2に示す構造の断面形状である型)を用いること以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体2(加飾フィルム2)を得た。なお、後述する方法で測定した反射層1の積分反射スペクトルから求めた最大積分反射率を示す波長は650nmであり、光選択反射性を示すことを確認した。
<実施例3>
型1の代わりに、型3(H:1mm、θ=30°である図3に示す構造の断面形状である型)を用いること以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体3(加飾フィルム3)を得た。なお、後述する方法で測定した反射層1の積分反射スペクトルから求めた最大積分反射率を示す波長は650nmであり、光選択反射性を示すことを確認した。
<実施例4>
型1の代わりに、型4(H:1mm、θ=30°である図4に示す構造の断面形状である型)を用いること以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体4(加飾フィルム4)を得た。なお、後述する方法で測定した反射層1の積分反射スペクトルから求めた最大積分反射率を示す波長は650nmであり、光選択反射性を示すことを確認した。
<実施例5>
型1の代わりに、型5(H:1mm、θ=30°である図5及び図6に示す構造の型)を用いること以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体5(加飾フィルム5)を得た。なお、後述する方法で測定した反射層1の積分反射スペクトルから求めた最大積分反射率を示す波長は650nmであり、光選択反射性を示すことを確認した。
<実施例6>
型1の代わりに、型6(H:1mm、θ=15°である図7に示す構造の断面形状である型)を用いること以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体6(加飾フィルム6)を得た。なお、後述する方法で測定した反射層1の積分反射スペクトルから求めた最大積分反射率を示す波長は650nmであり、光選択反射性を示すことを確認した。
<実施例7>
型1の代わりに、型7(H:1mm、θ=60°である図8に示す構造の断面形状である型)を用いること以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体7(加飾フィルム7)を得た。なお、後述する方法で測定した反射層1の積分反射スペクトルから求めた最大積分反射率を示す波長は650nmであり、光選択反射性を示すことを確認した。
<実施例8>
最表層1の代わりに、最表層2(三菱レイヨン株式会社製の液晶用プリズムシート(ダイヤアートYタイプ))を用い、最表層2の凹凸構造Bの対称軸が、反射層の凹凸構造Aの対称軸に対し、面方向で90°となる方向になるように最表層2を積層した以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体8(加飾フィルム8)を得た。なお、後述する方法で測定した反射層1の積分反射スペクトルから求めた最大積分反射率を示す波長は650nmであり、光選択反射性を示すことを確認した。
<実施例9>
型1の代わりに、型8(H:5mm、θ=30°である図2に示す構造の断面形状である型)を用いること以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体9(加飾フィルム9)を得た。なお、後述する方法で測定した反射層1の積分反射スペクトルから求めた最大積分反射率を示す波長は650nmであり、光選択反射性を示すことを確認した。
<実施例10>
反射層1の代わりに、反射層2として、特開2008-200861号公報の実施例1を参考に反射波長が記載の波長になるように膜厚を変えて作製した有機多層膜を用いること以外は、実施例1と同様の手順に従って、積層体10(加飾フィルム10)を得た。なお、後述する方法で測定した反射層2の積分反射スペクトルから求めた最大積分反射率を示す波長は600nmであり、光選択反射性を示すことを確認した。
<実施例11>
〔反射層4の形成〕
以下に記載の組成を有する液晶組成物3を調製した。
-液晶組成物3の組成-
上記に示す構造を有する棒状液晶化合物1:100質量部
カイラル剤2(感光性カイラル剤、下記に示す構造を有する化合物):3.5質量部
光重合開始剤(イルガキュアOXE01、BASFジャパン株式会社):4.8質量部
界面活性剤3(下記に示す構造を有する化合物):0.06質量部
有機溶剤1(メチルエチルケトン):240質量部
有機溶剤2(シクロヘキサノン):12.6質量部
カイラル剤2:下記化合物
界面活性剤3:下記化合物
〔支持体2の作製〕
実施例1と同様に透明支持体1を準備した。透明支持体1の易接着層の無い表面に対して、ラビング処理を行った。ラビング処理は、ポリマーを主成分とする膜の表面を、紙又は布で一定方向に擦ることにより行うことができ、基材の短辺方向を基準に反時計回りに3°回転させた方向にラビング処理(レーヨン布、圧力0.1kgf、回転数1,000rpm、搬送速度10m/min、回数1回)を施した。これにより、基材上に配向層を形成した支持体2を作製した。
配向層を形成した支持体2の表面に、液晶組成物3を#10のワイヤーバーコーターで塗布した。その後、110℃で180秒乾燥し、室温にて急冷した後、直ちに25℃にてメタルハライドランプ(MAL625NAL、(株)GSユアサ製)を備えた紫外線照射装置にて500mJ/cmの紫外線を照射することで液晶層を硬化した。次いで、酸素濃度100ppm以下、温度25℃の条件にて、メタルハライドランプ(MAL625NAL、(株)GSユアサ製)を備えた紫外線照射装置にて500mJ/cmの紫外線を照射することで更に液晶層を硬化した。このようにして、支持体2の配向層表面に反射層4を形成し、積層体を得た。上記のように配向制御することにより、反射層4には波打ち構造が形成されている。
なお、後述する方法で測定した反射層4の積分反射スペクトルから求めた最大積分反射率を示す波長は600nmであり、光選択反射性を示すことを確認した。
次に、得られた積層体に、ワイヤーバーを用いて凸凹構造が埋まるように、実施例1と同様に調製した屈折率調整層形成用塗布液1を塗布し、塗膜に対して80℃で乾燥処理を施し、反射層4上に屈折率調整層1を設けた。屈折率調整層1と反射層4との屈折率差は、0.01であった。次に、屈折率調整層1上に、コンマコーターを用いてアクリル系粘着剤液(綜研化学(株)製、SKダインSG-50Y)で塗布し、塗膜を120℃で2分間乾燥することで、層厚25μmの接着層を形成した。その後、表面に微細な凹凸構造を有する最表層1として、ジオマテック社製のモスアイフィルム(g.moth(登録商標)、厚さ60μm(凹凸高さを除く。))を用意し、接着層上にモスアイフィルムを配置して接着した。このようにして、積層体11(加飾フィルム11)を作製した。
<比較例1>
基材の準備、及び、下塗り層の形成については、実施例1と同様に行った。
下塗り層付き支持体1の下塗り層の表面に、以下手順にて作製した無機化合物多層膜を配置することで、反射層3を形成し、更に反射層3に凹凸構造を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の手順に従って、比較用の積層体(加飾フィルム)を作製した。
〔無機化合物多層膜の形成〕
スパッタ製膜装置((株)シンクロン製、RAS-1100C)を用いて、下塗り層上に、酸化ニオブを100nmの厚みで成膜した。酸化ニオブ層の上に、酸化ケイ素を100nmの厚みで成膜した。酸化ニオブと酸化ケイ素とを交互に成膜する作業を繰り返し、計4層になるまで積層し、無機化合物多層膜の反射層3を作製した。
<比較例2>
基材の準備については、実施例1と同様に行った。
〔ラビング処理〕
透明支持体1の易接着層の無い表面に対して、ラビング処理を行った。ラビング処理は、ポリマーを主成分とする膜の表面を、紙又は布で一定方向に擦ることにより行うことができ、基材の短辺方向を基準に反時計回りに3°回転させた方向にラビング処理(レーヨン布、圧力0.1kgf、回転数1,000rpm、搬送速度10m/min、回数1回)を施した。これにより、基材上に配向層を形成した支持体2を作製した。
〔反射層4の形成〕
下記に記載の組成を有する液晶組成物2を調製した。
-液晶組成物2の組成-
上記に示す構造を有する棒状液晶化合物1:100質量部
カイラル剤1(感光性カイラル剤、上記に示す構造を有する化合物):5質量部
光重合開始剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製):0.5質量部
界面活性剤1(上記に示す構造を有する化合物):0.054質量部
界面活性剤2(上記に示す構造を有する化合物):0.134質量部
有機溶剤1(メチルエチルケトン):373質量部
有機溶剤2(シクロヘキサノン):21質量部
配向層を形成した支持体2の表面に、液晶組成物2を#1.6のワイヤーバーコーターで塗布した。その後、80℃で120秒乾燥し、酸素濃度100ppm以下、かつ25℃にてメタルハライドランプ(MAL625NAL、(株)GSユアサ製)を用いた紫外線照射装置にて、500mJ/cmの紫外線を照射することで、液晶層を硬化させ、反射層4を形成し、比較用の積層体(加飾フィルム)を作製した。
<比較例3>
最表層2の凹凸構造Bの対称軸が、反射層の凹凸構造Aの対称軸と平行になるように積層したこと以外は、実施例8と同様の手順に従って、比較用の積層体(加飾フィルム)を作製した。
<積分反射率の測定>
反射層の液晶層側から光が入射するように、積分球装置を備えた分光光度計(日本分光社製「V-670」)を用いて、正反射光を含むようにして、反射層の積分反射スペクトルを測定した。得られた積分スペクトルにおいて、波長300nm~1,200nmにおける最大反射率を、最大積分反射率とした。
-評価方法-
〔視野角依存性〕
蛍光灯の光源下で、上記作製した各加飾フィルムにおける反射層の反射色を、正面(0°)から斜め55°まで目視観察及び撮影した写真の比較により、下記観点で評価した。
AA:反射色の色味変化が検知できない。
A:反射色の色味変化がほとんど検知できない。
B:反射色の色味変化が小さく、許容できる。
C:反射色の色味が大きく変化し、許容できない。
〔加飾の視認性〕
加飾の視認性は、加飾フィルムを、粘着剤(綜研化学(株)製、SK2057)を用いて、ディスプレイ(11インチiPadPro(登録商標)第三世代)上に貼合し、LED光源(LA-HDF108AA、ハヤシレビック(株)製)を照射した状態で、視認性を確認した。評価結果として、Bであることが好ましく、Aがより好ましい。
A:いずれの角度からも、加飾フィルムがクリアに視認された
B:加飾フィルムの視認性は低いが、加飾が認識できるレベルであった
C:加飾フィルムの視認性が低く、加飾が認識できない領域が存在した
評価結果を、まとめて表1に示す。
実施例8は、上記凹凸構造Aが1軸の対称軸を有し、上記凹凸構造Bが1軸の対称軸を有し、同一平面状に各上記対称軸を投影した場合、上記凹凸構造Aの上記対称軸と上記凹凸構造Bの上記対称軸とが交差する。
また、比較例3は、上記凹凸構造Aが1軸の対称軸を有し、上記凹凸構造Bが1軸の対称軸を有し、同一平面状に各上記対称軸を投影した場合、上記凹凸構造Aの上記対称軸と上記凹凸構造Bの上記対称軸とが平行であるか、又は、重なる。
表1に示すように、実施例の加飾フィルムは、比較例の加飾フィルムと比べ、視野角による色味変化の少ない加飾フィルムであった。
また、表1に示すように、実施例の加飾フィルムは、加飾の視認性にも優れる。
20:加飾フィルム、22:着色層、24:基材、26:反射層、28:屈折率調整層、30:凹凸構造Bを有する層、50:型、52:凹凸構造、200:加飾フィルム、A
:凹凸構造A、B:凹凸構造B、θ:正の傾斜角の平均、H:凸部又は凹凸構造の高さ

Claims (13)

  1. 少なくとも380nm~780nmの光選択反射性を有し、かつ凹凸構造Aを有する反射層と、
    前記反射層より視認側に、凹凸構造Bを有する層とを有し、
    前記凹凸構造Bが、頂部が周囲よりも高い凸部を有する
    加飾フィルム。
  2. 前記凹凸構造Bが、二軸以上の対称軸を有する繰り返し構造を有するか、又は、ランダムな構造を有する請求項1に記載の加飾フィルム。
  3. 少なくとも380nm~780nmの光選択反射性を有し、かつ凹凸構造Aを有する反射層と、
    前記反射層より視認側に、凹凸構造Bを有する層とを有し、
    前記凹凸構造Aが一軸の対称軸を有し、前記凹凸構造Bが一軸の対称軸を有し、同一平面状に各前記対称軸を投影した場合、前記凹凸構造Aの前記対称軸と前記凹凸構造Bの前記対称軸とが交差する
    加飾フィルム。
  4. 前記凹凸構造Bの平均高さが、前記凹凸構造Aの平均高さよりも低い請求項1に記載の加飾フィルム。
  5. 前記加飾フィルムの面方向に垂直な方向で前記凹凸構造Aを裁断した断面において、正の傾斜角の値が最も大きくなる方向における前記凹凸構造Aの正の傾斜角の平均が、30°以上である請求項1に記載の加飾フィルム。
  6. 前記凹凸構造Aの平均高さが、20μm~1mmである請求項1に記載の加飾フィルム。
  7. 前記凹凸構造Bの平均高さが、100μm以下である請求項1に記載の加飾フィルム。
  8. 前記凹凸構造Bを最表面に有する請求項1に記載の加飾フィルム。
  9. 前記反射層が、誘電体多層膜を含む請求項1に記載の加飾フィルム。
  10. 前記反射層が、コレステリック液晶層を含む請求項1に記載の加飾フィルム。
  11. 請求項1~請求項10のいずれか1項の加飾フィルムを備える物品。
  12. 請求項1~請求項10のいずれか1項の加飾フィルムを備える加飾パネル。
  13. 請求項12に記載の加飾パネルを備える表示装置。
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