JP2023132483A - 被加工物の分離方法 - Google Patents

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正寛 小林
Masanori Kobayashi
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Abstract

【課題】加工時間の短縮を可能とするインゴットからウェーハを分離する方法を提供する。【解決手段】内部にレーザビームを集光しつつレーザビームが照射されて剥離層74が形成された被加工物(インゴット50)を剥離層を起点に第1面52側と第2面54側とに分離する被加工物の分離方法であって、被加工物を保持ユニット4の保持面で保持して第2面又は該第1面を露出させる保持ステップと、保持ステップを実施した後、超音波発振ユニット6の超音波発振端面6aを保持ユニットで保持された被加工物の露出した面に対面させた状態で、超音波発振端面と被加工物との間に液体を供給しつつ超音波発振ユニットで超音波を発振し、液体を介して被加工物に超音波を伝達することで剥離層を起点に被加工物の露出した面側を被加工物から分離してウェーハを生成する分離ステップと、を備える。前記液体は、純水よりも密度が高く、且つ、純水よりも表面張力が低い。【選択図】図6

Description

本発明は、内部に分離層が形成された被加工物を分離する分離方法に関する。
従来、特許文献1に開示されるように、SiCからなるインゴットの内部に集光点を位置づけてレーザビームを照射し、インゴット内部に分離の起点となる分離層を形成し、次いで、分離層を起点にインゴットの一部をインゴットから分離することでインゴットからウェーハを切り出す方法が知られている。
また、特許文献2に開示されるように、デバイスが形成されたウェーハ内部に分離層を形成し、ウェーハを表面側と裏面側に分離した後に裏面側のウェーハを再利用する技術が知られている。
更に、特許文献3に開示されるように、分離層を起点に被加工物の一部を分離するための装置も知られている。この装置では、被加工物に水を供給しつつ水を介して超音波振動をインゴットに伝達し、ウェーハとなるインゴットの一部をインゴットから分離(剥離)している。
特開2013-049161号公報 特開2010-21398号公報 特開2019-102513号公報
上述した各種の方法において、インゴットからウェーハを分離するための加工時間の短縮が切望されており、本発明は、加工時間の短縮を可能とする新規な方法を提案する。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
本発明の一態様によれば、
第1面と該第1面の背面の第2面とを有し、内部にレーザビームを集光しつつ該レーザビームが照射されて剥離層が形成された被加工物を、該剥離層を起点に該第1面側と該第2面側とに分離する、被加工物の分離方法であって、
被加工物の該第1面側又は第2面側を保持ユニットの保持面で保持して該第2面又は該第1面を露出させる保持ステップと、
該保持ステップを実施した後、超音波発振ユニットの超音波発振端面を該保持ユニットで保持された被加工物の露出した面に対面させた状態で、該超音波発振端面と被加工物との間に液体を供給しつつ該超音波発振ユニットで超音波を発振し、該液体を介して被加工物に超音波を伝達することで該剥離層を起点に被加工物の該露出した面側を被加工物から分離してウェーハを生成する分離ステップと、を備え、
該液体は純水よりも密度が高く、且つ、純水よりも表面張力が低い液体である、
被加工物の分離方法とする。
また、本発明の一態様によれば、
該液体の密度は、0.998~1.000(g/cm)であり、
該液体の表面張力は、59.53~65.72(mN/m)である、こととする。
本発明の構成によれば、剥離層への超音波振動の伝達性が向上し、単に純水を利用する場合に比べて剥離層のクラックを短時間で伸長させることができ、ワークが分離し易くなって、分離のための時間の短縮が可能となる。
本発明を実施するための剥離装置の一実施例について示す斜視図。 保持ユニットにインゴットを保持させる状態を示す剥離装置の斜視図。 (A)インゴットの正面図、(B)インゴットの平面図。 (A)図3に示すインゴットに剥離層が形成されている状態を示す斜視図、(B)図3に示すインゴットに剥離層が形成されている状態を示す正面図。 (A)剥離層が形成されたインゴットの平面図、(B)(A)におけるB-B線断面図。 インゴットに超音波が付与されている状態を示す剥離装置の正面図。 剥離機構によって生成すべきウェーハが吸引保持されている状態を示す剥離装置の正面図。 剥離層を起点としてインゴットからウェーハが剥離された状態を示す剥離装置の正面図。
以下、本発明に従って構成された剥離装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示す剥離装置2は、ウェーハを形成する側を上にしてインゴットを保持する保持ユニット4と、インゴットの上面と対面する超音波発振端面6aを有し超音波を発振する超音波発振ユニット6と、インゴットの上面と超音波発振ユニット6の超音波発振端面6aとの間に液体を供給する液体供給機構8と、インゴットの上面を吸引保持しインゴットからウェーハを剥離する剥離機構10と、を有して構成される。
図1及び図2を参照して保持ユニット4について説明する。
図示の実施形態における保持ユニット4は、円筒状の基台12と、基台12の上面に回転自在に搭載された円筒状の保持テーブル14と、保持テーブル14の径方向中心を通って上下方向に延びる軸線を中心として保持テーブル14を回転させる図示せぬモータと、を備える。保持ユニット4は、適宜の接着剤(例えばエポキシ樹脂系接着剤)を介して保持テーブル14の上面に固定されたインゴットを保持することができる。あるいは、保持ユニット4は、保持テーブル14の上端面に図示せぬ多孔質の吸着チャックからなる保持面を備える構成とし、図示せぬ吸引機構にて吸着チャックの上面に吸引力を生成することにより、インゴットを吸引保持する構成としてもよい。
剥離装置2は、更に、超音波発振ユニット6と液体供給機構8と剥離機構10とを図1の矢印Yで示すY軸方向に移動させるY軸方向移動機構16を備える。Y軸方向移動機構16は、Y軸方向に延びる長方形状の案内開口18aが形成された直方体状の枠体18と、枠体18の内部においてY軸方向に延びる図示せぬ第一のボールねじと、第一のボールねじに連結された基端部から図1に矢印Xで示すX軸方向に延びる第一の移動アーム20と、第一のボールねじの片端部に連結された第一のモータ22と、枠体18の内部においてY軸方向に延びる図示せぬ第二のボールねじと、第二のボールねじに連結された基端部からX軸方向に延びる第二の移動アーム24と、第二のボールねじの片端部に連結された第二のモータ26と、を有して構成される。
Y軸方向移動機構16は、第一のボールねじにより第一のモータ22の回転運動を直線運動に変換して第一の移動アーム20に伝達し、案内開口18aに沿って第一の移動アーム20をY軸方向に移動させる。また、Y軸方向移動機構16は、第二のボールねじにより第二のモータ26の回転運動を直線運動に変換して第二の移動アーム24に伝達し、案内開口18aに沿って第二の移動アーム24をY軸方向に移動させる。なお、X軸方向とY軸方向とは直交しており、X軸方向及びY軸方向が規定する平面は実質上水平である。
図1に示すように、第一の移動アーム20の先端下面には下方に延びる円柱状の第一の昇降機構28が接続され、第一の昇降機構28の下端には円柱状の超音波発振ユニット6が接続されている。第一の移動アーム20のY軸方向の移動により、第一の昇降機構28及び超音波発振ユニット6がY軸方向に移動する。第一の昇降機構28は電動シリンダから構成され、超音波発振ユニット6を任意の高さ位置で停止させるよう昇降させる。超音波発振ユニット6は、圧電セラミックス等から形成され、その下側の円形状の超音波発振端面6aの側において、超音波を発振するように構成される。円形状の超音波発振端面6aは、インゴット50に対面するように設けられる。
図1に示すように、液体供給機構8は、第一の移動アーム20の先端上面に付設された円筒状の接続口30と、第一の移動アーム20の先端下面に昇降自在に支持されたノズル32と、ノズル32を昇降させる図示せぬノズル昇降機構と、を含む。第一の移動アーム20のY軸方向の移動により、液体供給機構8がY軸方向に移動する。
液体供給機構8の接続口30は、図示せぬ液体供給ホースを介して液体供給源に接続されている。ノズル32は、超音波発振ユニット6とY軸方向に間隔をおいて第一の移動アーム20の先端部に設けられる。ノズル32は略L字状に構成され、水平部の先端には液体を放出するためのノズル口32aが設けられる。ノズル口32aは、超音波発振手段機構6側に向けて配置され、図示せぬノズル昇降機構によって高さ位置が調整されることにより、ノズル口32aから液体を放出することで、超音波発振手段機構6の超音波発振端面6aと、インゴット50の上面の間に液体の層を形成できるようになっている。
図1に示すように、第二の移動アーム24の先端部の下面には下方に延びる円柱状の第二の昇降機構34が接続され、第二の昇降機構34の下端には円板状の剥離機構10が接続されている。第二の移動アーム24のY軸方向の移動により、第二の昇降機構34及び剥離機構10がY軸方向に移動する。第二の昇降機構34は電動シリンダから構成され、剥離機構10を昇降させて任意の高さ位置で停止させることにより、剥離させるウェーハの上面に剥離機構10の下面を接触させることができる。
剥離機構10の下面は、図示せぬ吸引機構に接続される複数の吸引孔を有する吸引保持面にて構成されており、剥離させるウェーハの上面に吸引保持面を接触させつつ吸引をすることで、ウェーハを吸引保持できる。
図3(A)(B)には、剥離層が形成される前の状態のインゴット50について示す図である。インゴット50は、六方晶単結晶SiCから全体として円柱形状に形成されており、円形状の第1面52と、第1面52と反対側の円形状の第2面54と、第1面52及び第2面54の間に位置する周面56と、第1面52から第2面54に至るc軸と、c軸に直交するc面とを有する。図示のインゴット50においては、第1面52の垂線58に対してc軸が傾いており、c面と第1面52とでオフ角α(例えばα=1、3、6度)が形成されている。オフ角αが形成される方向を図3に矢印A(A)(B)で示す。
図3(B)に示すように、インゴット50の周面56には、結晶方位を示す矩形状の第一のオリエンテーションフラット60及び第二のオリエンテーションフラット62が形成されている。第一のオリエンテーションフラット60は、オフ角αが形成される方向Aに平行であり、第二のオリエンテーションフラット62は、オフ角αが形成される方向Aに直交である。上方からみて、第二のオリエンテーションフラット62の長さL2は、第一のオリエンテーションフラット60の長さL1よりも短い(L2<L1)。
なお、剥離層が形成された後に上述の剥離装置2によってウェーハが剥離され得るインゴットは、上記インゴット50に限定されず、例えば、第1面の垂線に対してc軸が傾いておらず、c面と第1面とのオフ角が0度である(すなわち、第1面の垂線とc軸とが一致している)単結晶SiCインゴットでもよく、あるいはSi(シリコン)やGaN(窒化ガリウム)等の単結晶SiC以外の素材から形成されているインゴットでもよい。また、厚みのあるインゴット50からウェーハを剥離することとほか、厚みを有するウェーハからさらに薄いウェーハを剥離することとしてもよく、剥離されるウェーハにはデバイスが形成されるものであってもよく、また、デバイスが形成されないものであってもよい。
図1に示す剥離装置2でインゴット50からウェーハを剥離するには、インゴット50に剥離層を形成する必要があるところ、剥離層形成は例えば図4(A)に一部を示すレーザー加工装置64を用いて実施することができる。
図4(A)に示すように、レーザー加工装置64は、被加工物を保持するチャックテーブル66と、チャックテーブル66に保持された被加工物にパルスレーザー光線LBを照射する集光器68と、を備える。上面において被加工物を吸引保持するように構成されているチャックテーブル66は、図示せぬ回転機構で上下方向に延びる軸線を中心として回転されると共に、図示せぬX軸方向移動機構でX軸方向に進退され、図示せぬY軸方向移動機構でY軸方向に進退される。集光器68は、レーザー加工装置64に設けられる図示せぬパルスレーザー光線発振器が発振したパルスレーザー光線LBを集光して被加工物に照射するための図示せぬ集光レンズを含有する。なお、図4(A)においてX軸方向とY軸方向は直交する方向であり、X軸方向及びY軸方向が規定する平面は実質的に水平である。
図4(A)に示すように、インゴット50に剥離層を形成する際は、まず、インゴット50の一方の端面である第1面52を上に向けて、チャックテーブル66の上面にインゴット50を吸引保持させる。なお、インゴット50の他方の端面である第2面54とチャックテーブル66の上面との間に接着剤(例えばエポキシ樹脂系接着剤)を介在させ、インゴット50をチャックテーブル66に固定してもよい。
次いで、レーザー加工装置64の図示せぬ撮像機構にてインゴット50の第1面52を撮像し、撮像画像に基づいて、レーザー加工装置64のX軸方向移動機構、Y軸方向移動機構及び回転機構でチャックテーブル66を移動及び回転させる。これにより、インゴット50の向きを所定の向きに調整すると共にインゴット50と集光器68とのxy平面における位置を調整する。
図4(A)に示すように、インゴット50の向きを所定の向きに調整する際は、第二のオリエンテーションフラット62をX軸方向に整合させることによって、オフ角αが形成される方向Aと直交する方向をX軸方向に整合させると共に、オフ角αが形成される方向AをY軸方向に整合させる。次いで、レーザー加工装置64の図示せぬ集光点位置調整機構で集光器68を昇降させ、図4(B)に示すように、インゴット50の第1面52からウェーハの厚みに相当する所定の深さに集光点FPを位置づける。次いで、オフ角αが形成される方向Aと直交する方向に整合しているX軸方向にチャックテーブル66を移動させながら、単結晶SiCに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線LBを集光器68からインゴット50に照射することで、剥離層形成加工を行う。
図5(A)(B)に示すように、剥離層形成加工を行うと、パルスレーザー光線LBの照射によりSiCがSi(シリコン)とC(炭素)とに分離した改質部70が、オフ角αが形成される方向Aと直交する方向に連続的に形成される。同時に、改質部70からc面に沿って等方的に延びるクラック72が生成される。
続けて、図4(A)(B)及び図5(A)(B)に示すように、オフ角αが形成される方向Aに整合しているY軸方向に、集光点FPに対して相対的にチャックテーブル66をクラック72の幅を超えない範囲で所定インデックス量Liだけインデックス送りをした後、同様にして、剥離層形成加工を行う。
剥離層形成加工とインデックス送りを繰り返すことにより、オフ角αが形成される方向Aと直交する方向に連続的に延びる改質部70を、オフ角αが形成される方向Aに所定インデックス量Liの間隔をおいて複数形成すると共に、改質部70からc面に沿って等方的に延びるクラック72が順次生成される。また、オフ角αが形成される方向Aにおいて隣接するクラック72同士は、上下方向にみて重なるように形成される。
以上のようにして、インゴット50の第1面52からウェーハの厚みに相当する所定の深さに、複数の改質部70およびクラック72からなる剥離層74、つまりは、インゴット50からウェーハを剥離するための強度が低下した剥離層74を形成することができる。
なお、剥離層74の形成は、例えば以下の加工条件で行うことができる。
パルスレーザー光線の波長:1064nm
繰り返し周波数:60kHz
平均出力:1.5W
パルス幅:4ns
集光点の直径:3μm
集光レンズの開口数(NA):0.65
集光点の上下方向位置:インゴットの第1面から300μm
送り速度:200mm/s
インデックス量:250~400μm
次に、図2に示す剥離装置2を用いて、剥離層74が形成されたインゴット50からウェーハを分離する分離方法について説明する。
<保持ステップ>
図6に示すように、ウェーハとして分離される側、すなわち、剥離層74に近い第1面52を上側にして、インゴット50の第2面54側を保持ユニット4の保持面4aで保持し、第1面52を露出させるステップである。
この際、インゴット50の第2面54と保持テーブル14の上面との間に接着剤(例えばエポキシ樹脂系接着剤)を介在させインゴット50を保持テーブル14に固定してもよく、あるいは、保持テーブル14の上面に吸引力を生成してインゴット50を吸引保持してもよい。
<分離ステップ>
図1及び図6に示すように、
保持ステップを実施した後、超音波発振ユニット6の超音波発振端面6aを保持ユニット4で保持された第1面52に対面させた状態で、超音波発振端面6aと第1面52との間に液体を供給しつつ超音波発振ユニット6で超音波を発振し、液体を介してインゴット50に超音波を伝達することで剥離層74を起点に第1面52側をインゴット50から分離してウェーハ76(図8)を生成するステップである。
より、具体的には、図1及び図6に示すように、Y軸方向移動機構16の第一のモータ22で第一の移動アーム20を移動させ、インゴット50の上方に超音波発振ユニット6を位置づけ、次いで、第一の昇降機構28により、超音波発振ユニット6の超音波発振端面6aと第1面52との間が所定距離となる高さ位置まで超音波発振ユニット6を下降させる。また、ノズル昇降機構でノズル32を移動させ、第1面52と超音波発振端面6aとの間にノズル32のノズル口32aを位置づける。
次いで、保持テーブル14をモータで回転させると共に、図1に示すように、第一のモータ22で第一の移動アーム20をY軸方向に移動させながら、図6に示すように、ノズル32のノズル口32aから第1面52と超音波発振端面6aとの間に液体を供給して液体層LWを生成すると共に、超音波発振ユニット6から超音波を発振する。
この際、第1面52の全範囲を超音波発振ユニット6が通過するように、保持テーブル14を回転させると共に第一の移動アーム20をY軸方向に移動させることで、剥離層74全体に亘って超音波を付与する。これによって、液体層LWを介してインゴット50に超音波を伝達して剥離層74のクラック72(図5(B))を伸長させ、剥離層74の強度を更に低下させることができる。次いで、超音波発振ユニット6の作動を停止させると共に液体供給源の作動を停止させる。
上記のように、剥離層74のクラック72(図5(B))を伸張させた後、第一のモータ22で第一の移動アーム20を移動させ、超音波発振ユニット6及びノズル32をインゴット50の上方から離間させると共に、第二のモータ26で第二の移動アーム24を移動させ、図7に示すように、剥離機構10をインゴット50の上方に位置づける。次いで、第二の昇降機構34で剥離機構10を下降させ、第1面52に剥離機構10の下面10aを接触させる。次いで、剥離機構10に接続された吸引機構を作動させ、剥離機構10の下面10aに吸引力を生成し、インゴット50の第1面52を剥離機構10で吸引保持する。次いで、第二の昇降機構34で剥離機構10を上昇させる。これによって、図8に示すように、剥離層74においてインゴット50が破断し、剥離層74よりの上側の部分をウェーハ76としてインゴット50から剥離(分離)することができる。
ここで、図6に示すように、液体層LWを介してインゴット50に超音波を伝達するに際し、液体は、純水よりも密度が大きく、且つ、純水よりも表面張力が小さいものとする。
密度が純水よりも大きい液体を用いることで、純水が利用される場合と比較して、超音波振動により液体内に生じる音圧を高くすることができ、これにより、高い音圧の超音波によって剥離層74のクラック72をより効果的に伸長させることができる。
密度の大きい液体としては、例えば、純水に水溶性高分子ポリマーを添加した液体を用いることができる。当該液体の密度(g/cm)は、例えば、純水の測定値が0.9971である状況において、0.998~1.000のものとすることができる(Anton Paar社製 密度計DMA35による測定)。水溶性高分子ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ジシアンジアミド及び4級化アンモニウム塩等である。
また、表面張力が小さい液体を用いることで、剥離層74に液体が浸入し易くなる現象を生じさせることができ、剥離層74への超音波振動の伝達がより効果的に行われ、剥離層74のクラック72をより効果的に伸長させることができる。
表面張力の小さい液体としては、例えば、純水に水溶性高分子ポリマーを添加した液体を用いることができる。当該液体の表面張力(mN/m)は、例えば、純水の測定値が70.12である状況において、59.53~65.72のものとすることができる(協和界面科学社製 D高機能表面張力計Y-500による測定(Wilhelmy法(プレート法))。
また、液体が界面活性剤を含む場合には、その発泡性によって発泡した泡により超音波振動が減衰してしまうことが懸念される。このため、界面活性剤を含まずに発泡性を有しない液体を使用することが好ましい。なお、例えば、上記の界面活性剤を用いる場合には、消泡剤を添加することで、発泡を抑制することも考えられる。
以上を踏まえ、密度や表面張力が異なる液体を用い、ワークの剥離(分離)に要する剥離時間(秒)について検討をした。ワークの剥離は、周知の超音波洗浄器の液体中に剥離層74(図6)を形成したインゴットを浸漬させるとともに、液体に超音波振動を付与することで行った。超音波振動を付与してからウェーハの剥離が目視で確認できるまでの時間を計測した。
実施例1は、水溶性高分子ポリマーを含むStayClean-R(株式会社ディスコ製)を純水に添加した液体(純水8リットルに対し15ミリリットル添加)、実施例2は、水溶性高分子ポリマーを含むStayClean-F(株式会社ディスコ製)を純水に添加した液体(純水8リットルに対し15ミリリットル添加)である。
比較例1は純水、比較例2は、界面活性剤入り高分子ポリマーを含むStayClean-A(株式会社ディスコ製)を純水に添加した液体(純水8リットルに対し15ミリリットル添加)、比較例3は界面活性剤を含む家庭用食器洗い用洗剤を純水に添加した液体(純水8リットルに対し15ミリリットル添加)である。
実施例1では、比較例1(純水)と比較して、密度が大きく、表面張力が小さいものであり、超音波を付与してから24秒という短時間で剥離が可能であることが確認された。したがって、比較例1と比較して、剥離時間を約67%(24/36)に短縮できることが確認された。
実施例2では、比較例1(純水)と比較して、密度が大きく、表面張力が小さいものであり、超音波を付与してから26秒という短時間で剥離が可能であることが確認された。したがって、比較例1と比較して、剥離時間を約72%(26/36)に短縮できることが確認された。
比較例2では、比較例1(純水)と比較して、密度が大きいものの、表面張力が顕著に小さいものであり、超音波を付与してから29秒経過することで剥離されることが確認された。したがって、比較例1との比較では、剥離時間を約80%(29/36)に短縮できるものとなるが、実施例1との比較では、剥離時間が約20%(29/24)長くなってしまうことが確認された。
比較例3では、比較例1(純水)と比較して、表面張力が大きくなるものと考えられるが、比較例1との比較では、剥離時間の短縮は約86%(31/36)にとどまるものとなる。
以上の検討から、比較例1(純水)と比較して、密度が一定の範囲で大きく、表面張力が一定の範囲で小さいものである実施例1によれば、剥離時間を約67%に短縮するという顕著な効果が確認された。同様に、実施例2によれば、剥離時間を約72%に短縮するという顕著な効果が確認された。
以上のように、剥離層74への超音波振動の伝達性が向上し、単に純水を利用する場合に比べて剥離層74のクラック72を短時間で伸長させることができ、ワークが分離し易くなって、分離のための時間の短縮が可能となる。
なお、純水に溶質を添加した液体を利用する場合には、溶質が溶けきれずに多くがパーティクルとして存在すると、超音波の伝播を阻害することになる。また、例えば、温度が低いことで液体に凝固が生じることによっても、超音波の伝播が阻害される。したがって、液体は飽和溶液を利用するとともに、液体の温度は液体の凝固点よりも高く設定することが好ましい。
2 剥離装置
4 保持ユニット
6 超音波発振ユニット
6a 超音波発振端面
8 液体供給機構
10 剥離機構
12 基台
14 保持テーブル
16 軸方向移動機構
18 枠体
18a 案内開口
20 移動アーム
22 モータ
24 移動アーム
26 モータ
28 昇降機構
30 接続口
32 ノズル
32a ノズル口
34 昇降機構
50 インゴット
52 第1面
54 第2面
64 レーザー加工装置
70 改質部
72 クラック
74 剥離層
76 ウェーハ
LW 液体層

Claims (2)

  1. 第1面と該第1面の背面の第2面とを有し、内部にレーザビームを集光しつつ該レーザビームが照射されて剥離層が形成された被加工物を、該剥離層を起点に該第1面側と該第2面側とに分離する、被加工物の分離方法であって、
    被加工物の該第1面側又は第2面側を保持ユニットの保持面で保持して該第2面又は該第1面を露出させる保持ステップと、
    該保持ステップを実施した後、超音波発振ユニットの超音波発振端面を該保持ユニットで保持された被加工物の露出した面に対面させた状態で、該超音波発振端面と被加工物との間に液体を供給しつつ該超音波発振ユニットで超音波を発振し、該液体を介して被加工物に超音波を伝達することで該剥離層を起点に被加工物の該露出した面側を被加工物から分離してウェーハを生成する分離ステップと、を備え、
    該液体は純水よりも密度が高く、且つ、純水よりも表面張力が低い液体である、
    被加工物の分離方法。
  2. 該液体の密度は、0.998~1.000(g/cm)であり、
    該液体の表面張力は、59.53~65.72(mN/m)である、ことを特徴とする請求項1に記載の被加工物の分離方法。
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