JP2023132227A - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度上昇に伴う電気的特性の劣化を抑制する半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】半導体装置100は、基板10と、半導体層の積層構造と、ソース電極及びドレイン電極と、を有する。半導体層の積層構造は、第1チャネル層111と、第1バリア層121と、第2チャネル層112と、第2バリア層122と、を含む。半導体層の積層構造に、第1凹部81と、第2凹部82と、複数の第3凹部と、が形成され、第1凹部、第2凹部及び第3凹部は、第1チャネル層に達する。半導体層の積層構造は、ソース領域21と、ドレイン領域22と、を有し、第3凹部の各々に埋め込まれた複数のゲート電極33を有する。隣り合う第3凹部は、凹部対を構成し、半導体層の当該凹部対を構成する2つの第3凹部の間に、少なくとも第2バリア層を貫通する第4凹部91が形成されている。【選択図】図1
Description
本開示は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
ソース領域とドレイン領域との間において、チャネル層内のキャリアの伝導方向に交差するように配列され、チャネル層まで埋め込まれた複数のゲート電極を有する電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)が知られている。
K. Miwa, Appl. Phys. Express 13 (2020)
従来のFETでは、局所的に温度が上昇しやすく、温度の上昇に伴う電気的特性の劣化が生じるおそれがある。
本開示は、温度の上昇に伴う電気的特性の劣化を抑制できる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の半導体装置は、基板と、前記基板の上に設けられた半導体層と、前記半導体層にオーミック接触するソース電極及びドレイン電極と、を有し、前記半導体層は、第1チャネル層と、前記第1チャネル層の上に設けられた第1バリア層と、前記第1バリア層の上に設けられた第2チャネル層と、前記第2チャネル層の上に設けられた第2バリア層と、を有し、前記半導体層に、前記ソース電極の前記基板側に位置する第1凹部と、前記ドレイン電極の前記基板側に位置する第2凹部と、前記第1凹部と前記第2凹部との間に位置し、前記第1凹部と前記第2凹部との配列方向に交差する方向に配列する複数の第3凹部と、が形成され、前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部は前記第1チャネル層に達し、前記半導体層は、前記第1凹部内に形成され、前記第1チャネル層、前記第1バリア層、前記第2チャネル層及び前記第2バリア層よりも電気抵抗が低いソース領域と、前記第2凹部内に形成され、前記第1チャネル層、前記第1バリア層、前記第2チャネル層及び前記第2バリア層よりも電気抵抗が低いドレイン領域と、を有し、前記ソース電極は前記ソース領域に接触し、前記ドレイン電極は前記ドレイン領域に接触し、前記第3凹部の各々に埋め込まれた複数のゲート電極を有し、隣り合う前記第3凹部が凹部対を構成し、複数の前記凹部対の一部において、前記半導体層の当該凹部対を構成する2つの前記第3凹部の間に、少なくとも前記第2バリア層を貫通する第4凹部が形成されている。
本開示によれば、温度の上昇に伴う電気的特性の劣化を抑制できる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
〔1〕 本開示の一態様に係る半導体装置は、基板と、前記基板の上に設けられた半導体層と、前記半導体層にオーミック接触するソース電極及びドレイン電極と、を有し、前記半導体層は、第1チャネル層と、前記第1チャネル層の上に設けられた第1バリア層と、前記第1バリア層の上に設けられた第2チャネル層と、前記第2チャネル層の上に設けられた第2バリア層と、を有し、前記半導体層に、前記ソース電極の前記基板側に位置する第1凹部と、前記ドレイン電極の前記基板側に位置する第2凹部と、前記第1凹部と前記第2凹部との間に位置し、前記第1凹部と前記第2凹部との配列方向に交差する方向に配列する複数の第3凹部と、が形成され、前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部は前記第1チャネル層に達し、前記半導体層は、前記第1凹部内に形成され、前記第1チャネル層、前記第1バリア層、前記第2チャネル層及び前記第2バリア層よりも電気抵抗が低いソース領域と、前記第2凹部内に形成され、前記第1チャネル層、前記第1バリア層、前記第2チャネル層及び前記第2バリア層よりも電気抵抗が低いドレイン領域と、を有し、前記ソース電極は前記ソース領域に接触し、前記ドレイン電極は前記ドレイン領域に接触し、前記第3凹部の各々に埋め込まれた複数のゲート電極を有し、隣り合う前記第3凹部が凹部対を構成し、複数の前記凹部対の一部において、前記半導体層の当該凹部対を構成する2つの前記第3凹部の間に、少なくとも前記第2バリア層を貫通する第4凹部が形成されている。
複数の凹部対の一部において、半導体層の当該凹部対を構成する2つの第3凹部の間に第4凹部が形成されているため、中央側に位置するゲート電極近傍のチャネル領域で発生した熱を内部に蓄積することなく外部に放出できる。従って、温度の上昇に伴う電気的特性の劣化を抑制できる。
〔2〕 〔1〕において、前記第4凹部は、前記凹部対の1つおきに形成されていてもよい。この場合、電流量を確保しながら、温度の上昇に伴う電気的特性の劣化を抑制しやすい。
〔3〕 〔1〕又は〔2〕において、前記第4凹部は、前記第1チャネル層に達してもよい。この場合、ドライエッチングにより第4凹部を形成できる。
〔4〕 〔1〕又は〔2〕において、前記第4凹部の底面は、前記第1バリア層内にあってもよい。この場合、第4凹部を光電気化学エッチングにより形成でき、エッチングダメージを抑制しやすい。
〔5〕 〔1〕又は〔2〕において、前記第1バリア層は第1バンドギャップを備え、前記第2バリア層は前記第1バンドギャップよりも小さい第2バンドギャップを備え、前記第4凹部の底面は、前記第2バリア層内にあってもよい。この場合、第4凹部の基板側においても第1チャネル層を通じて電流を流すことができる。
〔6〕 〔5〕において、前記第1バリア層は、第1濃度でAlを含有する第1窒化物半導体層であり、前記第2バリア層は、前記第1濃度よりも低い第2濃度でAlを含有する第2窒化物半導体層であってもよい。この場合、第2バリア層の第2バンドギャップを第1バリア層の第1バンドギャップよりも小さくしやすい。
〔7〕 〔5〕又は〔6〕において、前記第2チャネル層と前記第2バリア層との対を複数有してもよい。この場合、第2チャネル層と第2バリア層との対の数に応じて、電流量を調整できる。
〔8〕 〔5〕~〔7〕において、前記半導体層は、第3チャネル層と、前記第3チャネル層の上に設けられた第3バリア層と、を有し、前記第1チャネル層は、前記第3バリア層の上に設けられており、前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部は前記第3チャネル層に達してもよい。この場合、第3チャネル層を通じて電流を流すことができる。
〔9〕 本開示の他の一態様に係る半導体装置の製造方法は、基板の上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層にオーミック接触するソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、を有し、前記半導体層を形成する工程は、第1チャネル層を形成する工程と、前記第1チャネル層の上に第1バリア層を形成する工程と、前記第1バリア層の上に第2チャネル層を形成する工程と、前記第2チャネル層の上に第2バリア層を形成する工程と、前記ソース電極の前記基板側に位置する第1凹部を形成する工程と、前記ドレイン電極の前記基板側に位置する第2凹部を形成する工程と、前記第1凹部内に、前記第1チャネル層、前記第1バリア層、前記第2チャネル層及び前記第2バリア層よりも電気抵抗が低いソース領域を形成する工程と、前記第2凹部内に、前記第1チャネル層、前記第1バリア層、前記第2チャネル層及び前記第2バリア層よりも電気抵抗が低いドレイン領域を形成する工程と、前記第1凹部と前記第2凹部との間に位置し、前記第1凹部と前記第2凹部との配列方向に交差する方向に配列する複数の第3凹部を形成する工程と、隣り合う前記第3凹部が凹部対を構成し、複数の前記凹部対の一部において、前記半導体層の当該凹部対を構成する2つの前記第3凹部の間に、少なくとも前記第2バリア層を貫通する第4凹部を形成する工程と、を有し、前記第3凹部の各々に複数のゲート電極を埋め込む工程を有し、前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部は前記第1チャネル層に達し、前記ソース電極は前記ソース領域に接触し、前記ドレイン電極は前記ドレイン領域に接触する。
複数の凹部対の一部において、半導体層の当該凹部対を構成する2つの第3凹部の間に第4凹部を形成するため、中央側に位置するゲート電極近傍のチャネル領域で発生した熱を内部に蓄積することなく外部に放出できる。従って、温度の上昇に伴う電気的特性の劣化を抑制できる。
〔10〕 〔9〕において、前記第1バリア層は第1バンドギャップを備え、前記第2バリア層は前記第1バンドギャップよりも小さい第2バンドギャップを備え、前記第4凹部を形成する工程は、前記第1バンドギャップよりも小さく、前記第2バンドギャップよりも大きいエネルギを有する光を前記半導体層に照射しながら、前記半導体層の光電気化学エッチングを行う工程を有してもよい。この場合、第4凹部の基板側においても第1バリア層が残存するため、第1チャネル層を通じて電流を流すことができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態について詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。本明細書及び図面において、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。X1-X2方向及びY1-Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1-Z2方向及びX1-X2方向を含む面をZX面と記載する。なお、便宜上、Z1-Z2方向を上下方向とし、Z1側を上側、Z2側を下側とする。また、平面視とは、Z1側から対象物を視ることをいい、平面形状とは、対象物をZ1側から視た形状のことをいう。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。本明細書及び図面において、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。X1-X2方向及びY1-Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1-Z2方向及びX1-X2方向を含む面をZX面と記載する。なお、便宜上、Z1-Z2方向を上下方向とし、Z1側を上側、Z2側を下側とする。また、平面視とは、Z1側から対象物を視ることをいい、平面形状とは、対象物をZ1側から視た形状のことをいう。
(第1実施形態)
第1実施形態は、窒化物半導体を主構成材料とするGaN系高電子移動度トランジスタ(high electron mobility transistor:HEMT)を含む半導体装置に関する。図1は、第1実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。図3及び図4は、第1実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図3は、図2中のIII-III線に沿った断面図に相当する。図4は、図2中のIV-IV線に沿った断面図に相当する。なお、図1では、絶縁膜、ソース電極及びドレイン電極を省略し、図2では、絶縁膜を省略している。
第1実施形態は、窒化物半導体を主構成材料とするGaN系高電子移動度トランジスタ(high electron mobility transistor:HEMT)を含む半導体装置に関する。図1は、第1実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。図3及び図4は、第1実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図3は、図2中のIII-III線に沿った断面図に相当する。図4は、図2中のIV-IV線に沿った断面図に相当する。なお、図1では、絶縁膜、ソース電極及びドレイン電極を省略し、図2では、絶縁膜を省略している。
第1実施形態に係る半導体装置100は、図1~図4に示すように、基板10と、基板10の上に設けられた複数の半導体層の積層構造20とを有する。例えば、基板10は、上面が(0001)面のSiC基板であり、積層構造20の積層方向は[0001]方向である。積層構造20は、基板10側から順に形成されたチャネル層111と、バリア層121と、チャネル層112と、バリア層122と、チャネル層113と、バリア層123と、チャネル層114と、バリア層124とを含む。積層構造20が、基板10とチャネル層111との間に設けられたバッファ層を有してもよく、バリア層124の上に設けられたキャップ層を有してもよい。
チャネル層111は、例えば厚さが5nm以上かつ500nm以下のアンドープGaN層である。チャネル層112~114は、例えば厚さが5nm以上かつ30nm以下のアンドープGaN層である。バリア層121~124は、例えば厚さ5nm以上かつ30nm以下のn型AlxGa1-xN層である。チャネル層111の一部がバッファ層であってもよい。バリア層121~124のバンドギャップは、チャネル層111~114のバンドギャップよりも大きい。チャネル層111は第1チャネル層の一例であり、バリア層121は第1バリア層の一例である。チャネル層112~114は第2チャネル層の一例であり、バリア層122~124は第2バリア層の一例である。
積層構造20に、ソース用の凹部81と、ドレイン用の凹部82とが形成されている。凹部81及び82はチャネル層111に達する。凹部81及び82の各底面はチャネル層111の上面よりも基板10側にある。凹部81及び82の各底面がチャネル層111の上面よりも基板10側に向かって深い位置にある。凹部81は第1凹部の一例であり、凹部82は第2凹部の一例である。
積層構造20は、凹部81内に設けられたソース領域21と、凹部82内に設けられたドレイン領域22とを有する。ソース領域21及びドレイン領域22のそれぞれの電気抵抗は、チャネル層111~114及びバリア層121~124の電気抵抗よりも低い。ソース領域21及びドレイン領域22は、例えばn型GaN層である。積層構造20は半導体層の一例である。
半導体装置100は、ソース領域21の上に設けられたソース電極31と、ドレイン電極32はドレイン領域22の上に設けられたドレイン電極32とを有する。ソース電極31はソース領域21に接触し、ドレイン電極32はドレイン領域22に接触する。ソース電極31及びドレイン電極32は、例えばTa膜と、その上のAl膜とを含む。
半導体装置100は、積層構造20のソース電極31とドレイン電極32との間の部分を覆う絶縁膜41を有する。絶縁膜41は積層構造20の上に形成されている。絶縁膜41に、ソース用の開口61と、ドレイン用の開口62とが形成されている。ソース用の開口61の内側にソース電極31が設けられ、ドレイン用の開口62の内側にドレイン電極32が設けられている。絶縁膜41は、例えばSi窒化膜である。
積層構造20に、ゲート用の凹部83が複数形成されている。凹部83の数は限定されないが、例えば4以上である。凹部83は、凹部81と凹部82との間に位置し、凹部81と凹部82との配列方向に交差する方向に配列する。凹部83はチャネル層111に達する。凹部83の各底面はチャネル層111の上面よりも基板10側にある。凹部83の各底面がチャネル層111の上面よりも基板10側に向かって深い位置にある。凹部83は第3凹部の一例である。
隣り合う凹部83が凹部対を構成する。複数の凹部対が存在し、複数の凹部対の一部において、積層構造20の当該凹部対を構成する2つの凹部83の間に、電流制限用の凹部91が形成されている。凹部91は、例えば凹部対の1つおきに形成されている。凹部91は、バリア層121~124を貫通し、チャネル層111に達する。凹部91の各底面はチャネル層111の上面よりも基板10側にある。凹部91の各底面がチャネル層111の上面よりも基板10側に向かって深い位置にある。凹部91は隣接する凹部83に繋がっていてもよい。凹部91が、隣接する凹部83に繋がっている場合、凹部83と凹部91とを合わせて1つの凹部とみなしてもよい。凹部91は第4凹部の一例である。
絶縁膜41に、凹部83の上方に位置する開口63と、凹部91の上方に位置する開口64が形成されている。開口63及び64が、互いに連なるように形成されていてもよい。
半導体装置100は、凹部83の各々に埋め込まれたゲート電極33を複数有する。複数のゲート電極33が共通接続されていてもよい。ゲート電極33は、例えばNi膜と、その上のAu膜とを含む。
半導体装置100は、ゲート電極33を覆う絶縁膜42を有する。絶縁膜42は絶縁膜41の上にも形成されている。絶縁膜42がソース電極31及びドレイン電極32をも覆ってもよい。
図3及び図4に示すように、半導体装置100では、チャネル層111の上面の近傍に2DEG171が存在し、チャネル層112の上面の近傍に2DEG172が存在し、チャネル層113の上面の近傍に2DEG173が存在し、チャネル層114の上面の近傍に2DEG174が存在する。また、図2に示すように、ゲート電極33の周囲にはゲート電極33に印加されるゲート電圧に応じた空乏層35が形成される。空乏層35が形成されると、空乏層35内のチャネル層111~114には2DEG171~174がほとんど存在しなくなる。従って、ゲート電極33に印加するゲート電圧に応じてソース領域21とドレイン領域22との間を流れる電流Iを制御できる。このように、積層構造20の隣り合うゲート電極33の間の領域が実効的なチャネル領域として機能する。
次に、第1実施形態に係る半導体装置100の製造方法について説明する。図5~図11は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。図5~図8は、図3に示す断面の変化を示す。図9~図11は、図4に示す断面の変化を示す。
まず、図5に示すように、基板10上に、チャネル層111~114及びバリア層121~124を形成する。チャネル層111~114及びバリア層121~124は、例えば有機金属気相成長(metal organic chemical vapor deposition:MOCVD)法により形成する。
次に、図6に示すように、チャネル層111~114及びバリア層121~124に、ソース用の凹部81と、ドレイン用の凹部82とを形成する。凹部81及び82の形成では、電子線レジスト(図示せず)をマスクとして、反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)を行う。チャネル層111~114及びバリア層121~124のエッチングには塩素(Cl)を含む反応性ガスが用いられる。凹部81及び82の形成後、マスクを除去する。
次に、凹部81内にソース領域21を形成し、凹部82内にドレイン領域22を形成する。ソース領域21及びドレイン領域22としては、例えばn型GaN層を形成する。n型GaN層は、例えば、スパッタ法、MOCVD法又は分子線エピタキシー(molecular beam epitaxy:MBE)法等により形成できる。このようにして、積層構造20が形成される。
次に、図7に示すように、バリア層124の上に絶縁膜41を形成する。次に、絶縁膜41に、ソース用の開口61と、ドレイン用の開口62とを形成する。開口61及び62の形成では、例えば電子線レジスト(図示せず)をマスクとして、RIEを行う。絶縁膜41のエッチングにはフッ素(F)を含む反応性ガスが用いられる。
次に、図8に示すように、開口61の内側にソース電極31を形成し、開口62の内側にドレイン電極32を形成する。ソース電極31及びドレイン電極32は、例えば蒸着、リフトオフ及び合金化熱処理により形成できる。ソース電極31及びドレイン電極32は、例えばTa膜と、その上のAl膜とを含む。ソース電極31及びドレイン電極32は、それぞれ積層構造20にオーミック接触する。
次に、図9に示すように、絶縁膜41に、ゲート用の開口63と、凹部91用の開口64とを形成する。開口63及び64は、互いに連なるように形成してもよい。開口63及び64の形成では、例えば電子線レジスト(図示せず)をマスクとして、RIEを行う。絶縁膜41のエッチングにはFを含む反応性ガスが用いられる。
次に、図10に示すように、チャネル層111~114及びバリア層121~124に、ゲート用の凹部83と、電流制限用の凹部91とを形成する。凹部83及び91の形成では、例えば開口63及び64の形成に用いた電子線レジストをマスクとして、RIEを行う。チャネル層111~114及びバリア層121~124のエッチングにはClを含む反応性ガスが用いられる。凹部83及び91の形成後、マスクを除去する。
次に、図11に示すように、開口63及び凹部83内にゲート電極33を形成する。ゲート電極33は、例えば蒸着及びリフトオフにより形成できる。ゲート電極33は、例えばNi膜と、その上のAu膜とを含む。次に、ゲート電極33を覆う絶縁膜42を絶縁膜41の上に形成する。絶縁膜42がソース電極31及びドレイン電極32を覆ってもよい。
その後、必要に応じて配線等を形成する。このようにして、第1実施形態に係る半導体装置100を製造できる。
ここで、第1実施形態の効果について、参考例を参照しながら説明する。図12は、参考例に係る半導体装置を示す上面図である。図13は、参考例に係る半導体装置を示す断面図である。図13は、図12中のXIII-XIII線に沿った断面図に相当する。
参考例に係る半導体装置900では、図12及び図13に示すように、電流制限用の凹部91が積層構造20に形成されていない。このため、すべての凹部対において、チャネル層111~114の上面の近傍に、それぞれ2DEG171~174が存在する。
他の構成は第1実施形態と同様である。
図14は、参考例における動作時のチャネル領域の温度の分布を示す図である。図15は、第1実施形態における動作時のチャネル領域の温度の分布を示す図である。図14の上側には上面図を示し、下側には上面図中の二点鎖線Bに沿った温度分布を示す。図15の上側には上面図を示し、下側には上面図中の二点鎖線Bに沿った温度分布を示す。図14及び図15中の電流Iを示す矢印の太さは、電流Iの大きさを反映する。
図14に示すように、参考例では、複数のチャネル領域のうちで中央側に位置するものほど、温度が高くなりやすい。これは、外側に位置するチャネル領域で発生した熱は容易に外部に放出されるが、中央側で発生した熱は内部に蓄積されやすいためである。これに対し、第1実施形態では、電流制限用の凹部91が積層構造20に形成されているため、図15に示すように、中央側に位置するチャネル領域における温度は、外側に位置するチャネル領域における温度と同程度である。これは、中央側で発生した熱も内部に蓄積される前に、容易に外部に放出されるためである。従って、第1実施形態によれば、温度の上昇に伴う電気的特性の劣化を抑制できる。
凹部91が凹部対の1つおきに形成されていることで、電流量を確保しながら、温度の上昇に伴う電気的特性の劣化を抑制しやすい。
凹部91がチャネル層111に達するため、凹部91をドライエッチングにより容易に形成できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、主として積層構造20の構成の点で第1実施形態と相違する。図16は、第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、主として積層構造20の構成の点で第1実施形態と相違する。図16は、第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
第2実施形態に係る半導体装置200では、図16に示すように、凹部91に代えて、凹部92が積層構造20に形成されている。凹部92は、バリア層122~124を貫通し、バリア層121に達する。凹部92の各底面はバリア層121の上面よりも基板10側にある。凹部92の各底面がバリア層121の上面よりも基板10側に向かって深い位置にある。また、凹部92の各底面は、チャネル層111とバリア層122との界面よりも上側(基板10から離れる側)にある。凹部92は隣接する凹部83に繋がっていてもよい。凹部92は第4凹部の一例である。
図16に示すように、半導体装置200でも、チャネル層111~114の上面の近傍に、それぞれ2DEG171~174が存在する。ただし、凹部92の底面よりも基板10側では、ゲート電極33に電圧が印加されていない時、2DEG171はチャネル層111内に存在しない。
他の構成は第1実施形態と同様である。
次に、第2実施形態に係る半導体装置200の製造方法について説明する。図17~図19は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
まず、第1実施形態と同様にして、絶縁膜41への開口63及び64の形成までの処理を行う(図9参照)。次に、図17に示すように、開口63及び64が形成された絶縁膜41をマスクとして用いながら、光電気化学(photoelectrochemical:PEC)エッチングにより積層構造20に、凹部83の一部と、凹部92とを形成する。PECエッチングでは、エッチング液として、例えば、水酸化カリウム(KOH)水溶液とペルオキソ二硫酸カリウム(K2S2O8)水溶液とを混合した溶液が用いられる。この溶液は、水酸化物イオン(OH-)と、ペルオキソ二硫酸イオン(S2O8
2-)とを含む。また、バリア層121~124のバンドギャップよりも大きなエネルギを有する光、例えば紫外光が積層構造20に照射される。例えば、バリア層121~124のバンドギャップが3.97eVである場合、波長が310nmの極端紫外光が照射される。波長が310nmの極端紫外光のエネルギEUVは4.01eVである。
ここで、第2実施形態におけるPECエッチングの進行の様子について説明する。図20~図22は、第2実施形態におけるチャネル層111~114及びバリア層121~124のバンド構造を示す図である。図20~図22には、図17中の一点鎖線Aに沿ったバンド構造を示す。図20~図22中のEFはフェルミ準位を示す。
PECエッチングが開始された直後では、図20に示すように、ゲート用の開口63の基板10側において、チャネル層114内に2DEG174が存在する。また、紫外光65がバリア層124に入射すると、バリア層124のバンドギャップが紫外光65のエネルギよりも小さいため、バリア層124が紫外光65を吸収し、バリア層124に電子-正孔対が生じるとともに、バリア層124が分解される。この時、正孔はバリア層124の表面にて消費される。また、電子は2DEG174に流入し、その後、ソース電極31又はドレイン電極32に到達し、ソース電極31又はドレイン電極32の表面にて消費される。
その後、PECエッチングの進行に伴って凹部92が深くなる。凹部92が深くなると、バリア層124の、凹部92の底面よりも基板10側の部分が薄くなっていき、凹部92の底面よりも基板10側においてチャネル層114内の2DEG174が減少していく。この部分の厚さが、ある特定の厚さに到達すると、凹部92の底面よりも基板10側においてチャネル層114内の2DEG174が枯渇する。
紫外光65はバリア層123にも入射する。紫外光65がバリア層123に入射すると、バリア層123のバンドギャップが紫外光65のエネルギよりも小さいため、バリア層123が紫外光65を吸収し、バリア層123に電子-正孔対が生じる。従って、チャネル層114内の2DEG174が枯渇しても、チャネル層113内に2DEG173が存在するため、図21に示すように、電子がチャネル層113内の2DEG173に流入し、バリア層124の分解が継続される。また、凹部92がチャネル層114に達すると、チャネル層114も同様の機構により分解される。このようにして、電子-正孔対が生じ、かつエッチング液に接触することで、順次、凹部92がバリア層123、チャネル層113、バリア層122、チャネル層112及びバリア層121にも形成されていく。
その後、バリア層121の、凹部92の底面よりも基板10側の部分の厚さが、ある特定の厚さに到達すると、凹部92の底面よりも基板10側においてチャネル層111内の2DEG171が枯渇する。チャネル層111内の2DEG171が枯渇すると、図22に示すように、バリア層121内に電子-正孔対が生じたとしても電子が移動できないため、PECエッチングが停止する。
このようにして、PECエッチングにより凹部92を形成できる。凹部92の形成に伴い、凹部92の底面よりも基板10側において、チャネル層111から2DEG171が消失する。
凹部83の一部及び凹部92の形成後、図18に示すように、凹部83の残部を形成する。凹部83の残部の形成では、例えば電子線レジスト(図示せず)をマスクとして、RIEを行う。チャネル層111及びバリア層121のエッチングにはClを含む反応性ガスが用いられる。凹部83の残部の形成後、マスクを除去する。
次に、図19に示すように、開口63及び凹部83内にゲート電極33を形成する。次に、ゲート電極33を覆う絶縁膜42を絶縁膜41の上に形成する。絶縁膜42がソース電極31及びドレイン電極32を覆ってもよい。
その後、必要に応じて配線等を形成する。このようにして、第2実施形態に係る半導体装置200を製造できる。
第2実施形態によっても第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第2実施形態では、凹部92をPECエッチングによって形成できるため、RIEによって凹部91を形成する場合よりもチャネル層111及びバリア層121へのエッチングダメージを抑制できる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、主として積層構造20の構成の点で第1実施形態と相違する。図23は、第3実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。図24は、第3実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。なお、図23では、絶縁膜を省略している。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、主として積層構造20の構成の点で第1実施形態と相違する。図23は、第3実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。図24は、第3実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。なお、図23では、絶縁膜を省略している。
第3実施形態に係る半導体装置300では、図23及び図24に示すように、積層構造20は、チャネル層111~114及びバリア層121~124に代えて、基板10側から順に形成されたチャネル層311と、バリア層321と、チャネル層312と、バリア層322と、チャネル層313と、バリア層323と、チャネル層314と、バリア層324とを含む。積層構造20が、基板10とチャネル層311との間に設けられたバッファ層を有してもよく、バリア層324の上に設けられたキャップ層を有してもよい。
チャネル層311は、例えば厚さが5nm以上かつ500nm以下のアンドープGaN層である。チャネル層312~314は、例えば厚さが5nm以上かつ30nm以下のアンドープGaN層である。バリア層321は、例えば厚さ5nm以上かつ30nm以下のn型Alx3Ga1-x3N層である。バリア層322は、例えば厚さ5nm以上かつ30nm以下のn型Alx1Ga1-x1N層である。バリア層323及び324は、例えば厚さ5nm以上かつ30nm以下のn型Alx2Ga1-x2N層である。チャネル層311の一部がバッファ層であってもよい。n型Alx1Ga1-x1N層は第1窒化物半導体層の一例であり、n型Alx2Ga1-x2N層は第2窒化物半導体層の一例である。
バリア層322は第1バンドギャップEg1を有し、バリア層322及び324は第2バンドギャップEg2を有する。x2の値はx1の値よりも小さい。第2バンドギャップEg2は第1バンドギャップよりEg1も小さい。例えば、x1の値は0.32であり、x2の値は0.28である。この場合、第1バンドギャップEg1は4.05eVであり、第2バンドギャップEg2は3.97eVである。バリア層321~324に含まれるn型不純物は、例えばSi又はGeである。バリア層321は第3バンドギャップEg3を有する。第3バンドギャップEg3の第1バンドギャップEg1及び第2バンドギャップEg2との大小関係は限定されない。x3の値はx1又はx2の値と等しくてもよく、これらと相違していてもよい。第1バンドギャップEg1、第2バンドギャップEg2及び第3バンドギャップEg3は、チャネル層311~314のバンドギャップよりも大きい。チャネル層312は第1チャネル層の一例であり、バリア層322は第1バリア層の一例である。チャネル層313及び314は第2チャネル層の一例であり、バリア層323及び324は第21バリア層の一例である。チャネル層311は第3チャネル層の一例であり、バリア層321は第3バリア層の一例である。
半導体装置300では、図23及び図24に示すように、凹部91に代えて、凹部93が積層構造20に形成されている。凹部93は、バリア層324を貫通し、バリア層323に達する。凹部93の各底面はバリア層323の上面よりも基板10側にある。凹部93の各底面がバリア層323の上面よりも基板10側に向かって深い位置にある。また、凹部93の各底面は、チャネル層313とバリア層323との界面よりも上側(基板10から離れる側)にある。凹部93は隣接する凹部83に繋がっていてもよい。凹部93は第4凹部の一例である。
図23及び図24に示すように、半導体装置300では、チャネル層311の上面の近傍に2DEG371が存在し、チャネル層312の上面の近傍に2DEG372が存在し、チャネル層313の上面の近傍に2DEG373が存在し、チャネル層314の上面の近傍に2DEG374が存在する。ただし、凹部93の底面よりも基板10側では、ゲート電極33に電圧が印加されていない時、2DEG373はチャネル層313内に存在しない。
他の構成は第1実施形態と同様である。
次に、第23実施形態に係る半導体装置300の製造方法について説明する。図25~図27は、第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
まず、第1実施形態と同様にして、絶縁膜41への開口63及び64の形成までの処理を行う(図9参照)。次に、図25に示すように、開口63及び64が形成された絶縁膜41をマスクとして用いながら、PECエッチングにより積層構造20に、凹部83の一部と、凹部93とを形成する。PECエッチングでは、エッチング液として、例えば、水酸化カリウム(KOH)水溶液とペルオキソ二硫酸カリウム(K2S2O8)水溶液とを混合した溶液が用いられる。この溶液は、水酸化物イオン(OH-)と、ペルオキソ二硫酸イオン(S2O8
2-)とを含む。また、バリア層322の第1バンドギャップEg1よりも小さく、バリア層323及び324の第2バンドギャップEg2よりも大きなエネルギを有する光、例えば紫外光が積層構造20に照射される。例えば、第1バンドギャップEg1が4.05eVであり、第2バンドギャップEg2が3.97eVである場合、波長が310nmの極端紫外光が照射される。上述のように、波長が310nmの極端紫外光のエネルギEUVは4.01eVである。
ここで、第3実施形態におけるPECエッチングの進行の様子について説明する。図28~図30は、第3実施形態におけるチャネル層311~314及びバリア層321~324のバンド構造を示す図である。図28~図30には、図25中の一点鎖線Aに沿ったバンド構造を示す。図28~図30中のEFはフェルミ準位を示す。
PECエッチングが開始された直後では、図28に示すように、ゲート用の開口63の基板10側において、チャネル層314内に2DEG174が存在する。また、紫外光65がバリア層324に入射すると、第2バンドギャップEg2が紫外光65のエネルギEUVよりも小さいため、バリア層324が紫外光65を吸収し、バリア層324に電子-正孔対が生じるとともに、バリア層324が分解される。この時、正孔はバリア層324の表面にて消費される。また、電子は2DEG374に流入し、その後、ソース電極31又はドレイン電極32に到達し、ソース電極31又はドレイン電極32の表面にて消費される。
その後、PECエッチングの進行に伴って凹部93が深くなる。凹部93が深くなると、バリア層324の、凹部93の底面よりも基板10側の部分が薄くなっていき、凹部93の底面よりも基板10側においてチャネル層314内の2DEG374が減少していく。この部分の厚さが、ある特定の厚さに到達すると、凹部93の底面よりも基板10側においてチャネル層314内の2DEG374が枯渇する。
紫外光65はバリア層323にも入射する。紫外光65がバリア層323に入射すると、バリア層323のバンドギャップが紫外光65のエネルギよりも小さいため、バリア層323が紫外光65を吸収し、バリア層323に電子-正孔対が生じる。従って、チャネル層314内の2DEG374が枯渇しても、チャネル層313内に2DEG373が存在するため、図29に示すように、電子がチャネル層313内の2DEG373に流入し、バリア層324の分解が継続される。また、凹部93がチャネル層314に達すると、チャネル層314も同様の機構により分解される。このようにして、電子-正孔対が生じ、かつエッチング液に接触することで、凹部92がバリア層323にも形成されていく。
第3実施形態では、バリア層322の第1バンドギャップEg1が紫外光65のエネルギEUVよりも大きい。このため、紫外光65はバリア層322にも入射するが、バリア層322は紫外光65を吸収せず、バリア層322内に電子-正孔対は生じない。従って、図30に示すように、バリア層323内に電子-正孔対が生じたとしても電子は2DEG372まで移動できない。このため、チャネル層313内の2DEG373が枯渇すると、PECエッチングが停止する。従って、PECエッチングによる凹部93の形成の際に、チャネル層311~313及びバリア層321~322はエッチングされない。
このようにして、PECエッチングにより凹部93を形成できる。凹部93の形成に伴い、凹部93の底面よりも基板10側において、チャネル層313から2DEG373が消失する。
凹部83の一部及び凹部93の形成後、図26に示すように、凹部83の残部を形成する。凹部83の残部の形成では、例えば電子線レジスト(図示せず)をマスクとして、RIEを行う。チャネル層311~313及びバリア層321~323のエッチングにはClを含む反応性ガスが用いられる。凹部83の残部の形成後、マスクを除去する。
次に、図27に示すように、開口63及び凹部83内にゲート電極33を形成する。次に、ゲート電極33を覆う絶縁膜42を絶縁膜41の上に形成する。絶縁膜42がソース電極31及びドレイン電極32を覆ってもよい。
その後、必要に応じて配線等を形成する。このようにして、第3実施形態に係る半導体装置300を製造できる。
ここで、第3実施形態の効果について説明する。図31は、第3実施形態における動作時のチャネル領域の温度の分布を示す図である。図31の上側には上面図を示し、下側には上面図中の二点鎖線Bに沿った温度分布を示す。図31中の電流Iを示す矢印の太さは、電流Iの大きさを反映する。
第3実施形態では、凹部93の基板10側に2DEG371及び372が存在する。このため、図31に示すように、中央側に位置するチャネル領域で発生した熱の蓄積を抑制しながら、半導体装置の全体として第1実施形態よりも大きな電流を流すことができる。従って、第3実施形態によれば、高出力と発熱の抑制とを両立させやすい。
チャネル層313とバリア層323との対、及びチャネル層314とバリア層324との対が設けられているため、これら対の一方のみが設けられている場合と比較して大きな電流を流すことができる。また、チャネル層311とバリア層321との対が設けられているため、この対が設けられていない場合と比較して大きな電流を流すことができる。
なお、バリア層322の第1バンドギャップEg1が、バリア層323及び324の第2バンドギャップEg2よりも大きければ、バリア層321~324の材料はAlGaNに限定されない。例えばバリア層322の材料がAlN、InAlN又はInAlGaNであってもよい。また、バリア層321~324がアンドープの層であってもよい。
第2チャネル層と第2バリア層との対の数は特に限定されない。第2チャネル層と第2バリア層との対の数に応じて、電流量を調整できる。同様に、第3チャネル層と第3バリア層との対の数は特に限定されない。第3チャネル層と第3バリア層との対の数に応じて、電流量を調整できる。
以上、実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
10:基板
20:積層構造
21:ソース領域
22:ドレイン領域
31:ソース電極
32:ドレイン電極
33:ゲート電極
35:空乏層
41、42:絶縁膜
61、62、63、64:開口
65:紫外光
81、82、83、91、92、93:凹部
100、200、300、900:半導体装置
111、112、113、114、311、312、313、314:チャネル層
121、122、123、124、321、322、323、324:バリア層
171、172、173、174:2DEG
20:積層構造
21:ソース領域
22:ドレイン領域
31:ソース電極
32:ドレイン電極
33:ゲート電極
35:空乏層
41、42:絶縁膜
61、62、63、64:開口
65:紫外光
81、82、83、91、92、93:凹部
100、200、300、900:半導体装置
111、112、113、114、311、312、313、314:チャネル層
121、122、123、124、321、322、323、324:バリア層
171、172、173、174:2DEG
Claims (10)
- 基板と、
前記基板の上に設けられた半導体層と、
前記半導体層にオーミック接触するソース電極及びドレイン電極と、
を有し、
前記半導体層は、
第1チャネル層と、
前記第1チャネル層の上に設けられた第1バリア層と、
前記第1バリア層の上に設けられた第2チャネル層と、
前記第2チャネル層の上に設けられた第2バリア層と、
を有し、
前記半導体層に、
前記ソース電極の前記基板側に位置する第1凹部と、
前記ドレイン電極の前記基板側に位置する第2凹部と、
前記第1凹部と前記第2凹部との間に位置し、前記第1凹部と前記第2凹部との配列方向に交差する方向に配列する複数の第3凹部と、
が形成され、
前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部は前記第1チャネル層に達し、
前記半導体層は、
前記第1凹部内に形成され、前記第1チャネル層、前記第1バリア層、前記第2チャネル層及び前記第2バリア層よりも電気抵抗が低いソース領域と、
前記第2凹部内に形成され、前記第1チャネル層、前記第1バリア層、前記第2チャネル層及び前記第2バリア層よりも電気抵抗が低いドレイン領域と、
を有し、
前記ソース電極は前記ソース領域に接触し、
前記ドレイン電極は前記ドレイン領域に接触し、
前記第3凹部の各々に埋め込まれた複数のゲート電極を有し、
隣り合う前記第3凹部が凹部対を構成し、
複数の前記凹部対の一部において、前記半導体層の当該凹部対を構成する2つの前記第3凹部の間に、少なくとも前記第2バリア層を貫通する第4凹部が形成されている半導体装置。 - 前記第4凹部は、前記凹部対の1つおきに形成されている請求項1に記載の半導体装置。
- 前記第4凹部は、前記第1チャネル層に達する請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
- 前記第4凹部の底面は、前記第1バリア層内にある請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
- 前記第1バリア層は第1バンドギャップを備え、
前記第2バリア層は前記第1バンドギャップよりも小さい第2バンドギャップを備え、
前記第4凹部の底面は、前記第2バリア層内にある請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。 - 前記第1バリア層は、第1濃度でAlを含有する第1窒化物半導体層であり、
前記第2バリア層は、前記第1濃度よりも低い第2濃度でAlを含有する第2窒化物半導体層である請求項5に記載の半導体装置。 - 前記第2チャネル層と前記第2バリア層との対を複数有する請求項5又は請求項6に記載の半導体装置。
- 前記半導体層は、
第3チャネル層と、
前記第3チャネル層の上に設けられた第3バリア層と、
を有し、
前記第1チャネル層は、前記第3バリア層の上に設けられており、
前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部は前記第3チャネル層に達する請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 基板の上に半導体層を形成する工程と、
前記半導体層にオーミック接触するソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記半導体層を形成する工程は、
第1チャネル層を形成する工程と、
前記第1チャネル層の上に第1バリア層を形成する工程と、
前記第1バリア層の上に第2チャネル層を形成する工程と、
前記第2チャネル層の上に第2バリア層を形成する工程と、
前記ソース電極の前記基板側に位置する第1凹部を形成する工程と、
前記ドレイン電極の前記基板側に位置する第2凹部を形成する工程と、
前記第1凹部内に、前記第1チャネル層、前記第1バリア層、前記第2チャネル層及び前記第2バリア層よりも電気抵抗が低いソース領域を形成する工程と、
前記第2凹部内に、前記第1チャネル層、前記第1バリア層、前記第2チャネル層及び前記第2バリア層よりも電気抵抗が低いドレイン領域を形成する工程と、
前記第1凹部と前記第2凹部との間に位置し、前記第1凹部と前記第2凹部との配列方向に交差する方向に配列する複数の第3凹部を形成する工程と、
隣り合う前記第3凹部が凹部対を構成し、複数の前記凹部対の一部において、前記半導体層の当該凹部対を構成する2つの前記第3凹部の間に、少なくとも前記第2バリア層を貫通する第4凹部を形成する工程と、
を有し、
前記第3凹部の各々に複数のゲート電極を埋め込む工程を有し、
前記第1凹部、前記第2凹部及び前記第3凹部は前記第1チャネル層に達し、
前記ソース電極は前記ソース領域に接触し、
前記ドレイン電極は前記ドレイン領域に接触する半導体装置の製造方法。 - 前記第1バリア層は第1バンドギャップを備え、
前記第2バリア層は前記第1バンドギャップよりも小さい第2バンドギャップを備え、
前記第4凹部を形成する工程は、前記第1バンドギャップよりも小さく、前記第2バンドギャップよりも大きいエネルギを有する光を前記半導体層に照射しながら、前記半導体層の光電気化学エッチングを行う工程を有する請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
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JP2022037422A JP2023132227A (ja) | 2022-03-10 | 2022-03-10 | 半導体装置及び半導体装置の製造方法 |
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