JP2023131449A - ピックアップ治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化することができるピックアップ治具を提供する。【解決手段】本発明に係るピックアップ治具20は、一端2aと他端2bとを有し、周囲の大気圧に対して内部が負圧となることにより、一端2aの位置が他端2b側に移動する伸縮部材2と、伸縮部材2の一端2aに取り付けられ、対象物を伸縮部材2の内部と同じ排気系統において発生する負圧で吸着する吸着パッド1と、吸着パッド1が対象物に向かうように一端2aの位置を他端2bから離れる方向に付勢する付勢部材7と、を備え、吸着パッド1が対象物に接触することによって負圧は生じ、負圧によって生じる一端2aの位置を他端2b側に移動させる力が、付勢部材7によって生じる一端2aの位置を他端2bから離れる方向に移動させる力よりも大きくなると、吸着パッド1は、対象物を吸着した状態で、他端2b側に移動する。【選択図】図1

Description

本発明は、ピックアップ治具に関する。
特許文献1には、物品に損傷を与えることなくラベルを貼付することができるラベル貼付装置が記載されている。
特開2009-154938号公報 特開2021-191711号公報 特開2020-019641号公報
吸着型のシートの取り出し部(以降、「治具」と呼ぶ)は、紙類を取り出す為の様々な動作を多種多様な機械制御/電気制御を行うことで解決している。その為、機構及び制御は、共に複雑になり、大型の機械に搭載させるか、又は、単独で設置するフィーダーとして利用しなければならない。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、小型化することができるピックアップ治具を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、一端と他端とを有し、周囲の大気圧に対して内部が負圧となることにより、前記一端の位置が前記他端側に移動する第1伸縮部材と、前記第1伸縮部材の前記一端に取り付けられ、対象物を前記第1伸縮部材の内部と同じ排気系統において発生する負圧で吸着する吸着パッドと、前記吸着パッドが前記対象物に向かうように前記一端の位置を前記他端から離れる方向に付勢する第1付勢部材と、を備え、前記吸着パッドが前記対象物に接触することによって前記負圧は生じ、前記負圧によって生じる前記一端の位置を前記他端側に移動させる力が、前記第1付勢部材によって生じる前記一端の位置を前記他端から離れる方向に移動させる力よりも大きくなると、前記吸着パッドは、前記対象物を吸着した状態で、前記他端側に移動するピックアップ治具を提供する。
本発明により、小型化することができるピックアップ治具を提供することができる。
実施形態1に係るピックアップ治具を例示した側面図である。 実施形態1に係るピックアップ治具を例示した上面図である。 実施形態1に係るピックアップ治具の動作を例示した図である。 実施形態1に係るピックアップ治具の動作を例示した図である。 実施形態1に係るピックアップ治具の動作を例示した図である。 実施形態1に係るピックアップ治具の動作を例示した図である。 実施形態1に係るピックアップ治具の動作を例示した図である。 実施形態1に係るピックアップ治具の動作を例示した図である。 実施形態1に係るピックアップ治具において、付勢部材の反発係数と伸縮部材の動作タイミングを例示したグラフであり、横軸は、時間を示し、縦軸は、負圧を示す。 実施形態1に係るピックアップ治具において、ピックアップ前の伸縮部材の状態及びエアチューブの状態を検出するセンサを例示した図である。 実施形態1に係るピックアップ治具において、ピックアップ後の伸縮部材の状態及びエアチューブの状態を検出するセンサを例示した図である。 実施形態2に係るピックアップ治具において、伸縮部材の構成を例示した断面図である。 実施形態2に係るピックアップ治具の動作を例示した図である。 実施形態2に係るピックアップ治具において、ピックアップ前の伸縮部材の状態並びにエアチューブの状態を検出するセンサを例示した図である。 実施形態2に係るピックアップ治具において、ピックアップ後の伸縮部材の状態並びにエアチューブの状態を検出するセンサを例示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。また、図面が煩雑にならないように、いくつかの符号は省略されている。
(実施形態1)
実施形態1に係るピックアップ治具を説明する。図1は、実施形態1に係るピックアップ治具を例示した側面図である。図2は、実施形態1に係るピックアップ治具を例示した上面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態のピックアップ治具20は、吸着パッド1、伸縮部材2、伸縮部材3、可動部4、可動部5、取付部6、付勢部材7、付勢部材8、付勢部材9、エアチューブ10、支持部16、本体部17、本体部18を備えている。ピックアップ治具20は、対象物をピックアップする。例えば、ピックアップ治具20は、対象物として、ストッカーSTに供給されたシートSHを吸着パッド1によってピックアップする。
シートSHは、例えば、紙、冊子、ラベル、プラスチックファイル、プラスチックケース、名刺、ビニール袋、下敷き等であるが、これらに限らない。例えば、ストッカーSTに複数のシート状のものが束になって供給され、1枚1枚引きはがされるものであれば、シートSHとして適用可能である。また、ピックアップ治具20は、ピックアップする対象物として、吸着パッド1で吸着できるものであれば、シートSHに限らない。以下では、ピックアップする対象物として、シートSHを例にして説明する。
シートSHは、ストッカーSTにまとめて供給されている。例えば、ストッカーSTの底面に複数のシートSHの縁が接触するように縦置きまたは横置きに配置されている。
ここで、ピックアップ治具20を説明する便宜のために、XYZ直交座標軸系を導入する。例えば、後述する本体部18の他端18bから一端18aに延びる方向をX軸方向とし、X軸方向に直交する2つの方向をY軸方向及びZ軸方向とする。他端18bから一端18aに向かう方向を+X軸方向とする。なお、+X軸方向側という場合には、厳密な+X軸方向だけでなく、+X軸方向の成分を含む方向を意味する。以下で、ピックアップ治具20の各構成を説明する。
<ピックアップ治具の構成>
吸着パッド1は、周囲の大気圧に対する負圧によりシートSHを吸着する。吸着パッド1は、例えば、リップ1aと、アダプタ1bとを有している。リップ1aは、シートSHに接触する可撓性を有した円盤状の部材である。リップ1aは、+X軸方向側を向いている。アダプタ1bは、貫通孔を有し、負圧の発生源に接続したエアチューブ10に取り付けられている。アダプタ1bの貫通孔は、リップ1aの中央の孔に連通している。
吸着パッド1のリップ1aがシートSHに接触することにより、シートSHとリップ1aとの間に負圧が生じる。具体的には、シートSHとリップ1aとの間の空間は、リップ1aの中央の孔、及び、アダプタ1bの貫通孔を介して排気される。これにより、吸着パッド1はシートSHを吸着する。このように、吸着パッド1は、シートSHを負圧で吸着するように、エアチューブ10等の排気系統に接続されている。吸着パッド1は、伸縮部材2の一端2aに取り付けられている。
伸縮部材2は、一端2a及び他端2bを有する棒状の部材である。伸縮部材2は、内部に空洞2cを有している。伸縮部材2は、周囲の大気圧に対して内部が負圧となることにより、一端2aの位置が他端2b側に移動する。
伸縮部材2は、例えば、シリンダである。以下では、伸縮部材2をシリンダとして説明する。伸縮部材2は、筒状部2d、ピストン部2e、ロッド2fを有している。筒状部2dは、一方が開口し、他方が底壁2gで閉じた筒状である。なお、一方の開口は、ロッド2fが摺動するロッド孔を有する蓋壁で閉じられてもよい。筒状部2dは、例えば、円筒状であるが、これに限らず、筒状であれば、角筒状でもよい。
ピストン部2eは、円盤状であり、筒状部2dの内部を摺動する。ロッド2fは、ピストン部2eに接続し、筒状部2dの開口または蓋壁のロッド孔から突出している。ロッド2fの突出した先端2hは、伸縮部材2の一端2aである。筒状部2dの底壁2gは、伸縮部材2の他端2bである。筒状部2d、底壁2g及びピストン部2eで囲まれた空洞2cは、筒状部2dまたは底壁2gに形成された貫通孔及びエアチューブ10を通じて負圧の発生源に接続されている。負圧の発生源に接続されたエアチューブ10は、分岐することにより、吸着パッド1及び伸縮部材2に接続されている。よって、吸着パッド1は、伸縮部材2の内部と同じ排気系統に接続され、伸縮部材2の内部の負圧と同じ負圧でシートSHを吸着する。伸縮部材2の内部(空洞2c)において、周囲の大気圧に対する負圧を大きくすることにより、ピストン部2eは、底壁2g側に引き込まれる。よって、ロッド2fも底壁2g側に引き込まれる。
ここで、伸縮部材2の内部の負圧を大きくするとは、伸縮部材2の内部の圧力を周囲の大気圧よりも小さくして真空に近づけることであり、大気圧と内部の圧力との差を大きくすることを意味する。具体的には、負圧が0の時は、大気圧である。負圧が-100kPaまで大きくされた場合には、真空近くまで減圧された状態である。伸縮部材2の他端2bは、本体部17に取り付けられている。
なお、伸縮部材2がシリンダの場合に、ロッド2fの先端2hを、伸縮部材2の一端2aとし、筒状部2dの底壁2gを、伸縮部材2の他端2bとしたが、逆の配置にしてもよい。すなわち、ロッド2fの先端2hを、伸縮部材2の他端2bとし、筒状部2dの底壁2gを、伸縮部材2の一端2aとしてもよい。
また、伸縮部材2は、一端2aと他端2bとを有し、内部の負圧によって、他端2bに対する一端2aの位置が変化すれば、シリンダに限らず、蛇腹で筒状に構成された部材等でもよい。
本体部17は、例えば、板状であり、一端17a及び他端17bを有している。例えば、一端17aは、+X軸方向側に配置され、他端17bは、-X軸方向側に配置されている。本体部17は、伸縮部材2の他端2bが取り付けられた第1面17c、及び、第1面17cの反対側の第2面17dを有している。例えば、第1面17cは、-Z軸方向側を向き、第2面17dは、+Z軸方向側を向いている。なお、本体部17は、一端17a及び他端17bを有し、伸縮部材2の他端2bが取り付けられた第1面17cを有していれば、板状に限らず、棒状等でもよい。本体部17の一端17aは、可動部4を介して支持部16に接続されている。
支持部16は、例えば、板状であり、一端16a及び他端16bを有している。支持部の16の一端16aは、例えば、-Z軸方向側に配置され、他端16bは、+Z軸方向側に配置されている。なお、支持部16は、一端16a及び他端16bを有していれば、板状に限らず、棒状等でもよい。支持部16の一端16aには、吸着パッド1が取り付けられている。支持部16の他端16bは、可動部4を介して本体部17の一端17aに接続されている。よって、可動部4は、支持部16の他端16bと、本体部17の一端17aとの間に接続されている。
可動部4は、支持部16を本体部17に搖動可能に接続する。例えば、可動部4は、Y軸方向から見て、本体部17の一端17aと、支持部16の他端16bとが重なった部分をY軸方向に貫通する回転軸を含んでもよい。可動部4は、XZ面内において、本体部17と支持部16とのなす角を、90度~60度の範囲で搖動可能に接続する。なお、本体部17と支持部16とのなす角が搖動する範囲は、90度~60度に限らず、90度以上~60度以下の範囲でもよい。本体部17と支持部16とのなす角が90度の場合に、支持部16の一端16aは、-Z軸方向側を向き、他端16bは、+Z軸方向側を向く。
例えば、本体部17と支持部16とのなす角が90度の場合に、吸着パッド1のリップ1aは、+X軸方向側に向いている。また、本体部17と支持部16とのなす角が90度の場合に、Y軸方向から見て、本体部17、支持部16及び伸縮部材2は、直角三角形を形成している。伸縮部材2において、他端2bに対する一端2aの位置が変化するのに応じて、支持部16は、本体部17に対して搖動する。
付勢部材7は、吸着パッド1がシートSHに向かうように、支持部16を介して伸縮部材2の一端2aの位置を他端2bから離れる方向に付勢する。例えば、付勢部材7は、可動部4の近傍に配置されている。付勢部材7は、可動部4を支点にして、本体部17と支持部16とのなす角が大きくなるように付勢する。これにより、伸縮部材2の一端2aを他端2bから離れる方向に移動させる力を生じさせる。付勢部材7は、例えば、板バネである。なお、付勢部材7は、板バネに限らず、本体部17と支持部16とのなす角を広げるように付勢すること等により、吸着パッド1をシートSHに向かう方向に付勢すれば、コイルばね、ゴム等の弾性部材でもよい。また、例えば、エアチューブ10が湾曲して配置されている場合には、エアチューブ10が延びた状態に戻ろうとする弾性力を付勢部材7として用いてもよい。
伸縮部材2は、内部の負圧が大きくなると、本体部17と支持部16とのなす角を狭めるように一端2aを他端2b側に引き込む。伸縮部材2の内部の負圧によって生じる一端2aの位置を他端2b側に移動させる力が、付勢部材7によって生じる一端2aの位置を他端2bから離れる方向に移動させる力よりも大きくなると、吸着パッド1は、他端2b側に移動する。これに対して、吸着パッド1からシートSHが離れると、負圧は、小さくなり、内部は、大気圧に近づく。よって、吸着パッド1は、付勢部材7の反発力によってシートSHが配置されたストッカーSTに向かう。すなわち、ピックアップ治具1は、吸着パッド1からシートSHを離脱させ、負圧を小さくすることにより、付勢部材7による付勢力によって、一端2aの位置を他端2bから離れる方向に移動させる。
本体部18は、本体部17の-X軸方向側に配置されている。本体部17と本体部18とを一体にして形成してもよい。また、本実施形態のように、本体部は、シートSH側の本体部17と、シートSHの反対側の本体部18と、を有してもよい。本体部18は、例えば、板状であり、一端18a及び他端18bを有している。本体部18は、第1面18c、及び、第1面18cの反対側の第2面18dを有している。例えば、第1面18cは、-Z軸方向側を向き、第2面18dは、+Z軸方向側を向いている。本体部18の一端18aは、可動部5を介して、本体部17の他端17bに接続されている。よって、可動部5は、本体部17の他端17bと、本体部18の一端18aとの間に接続されている。
可動部5は、本体部18に対して本体部17を屈曲可能に接続する。例えば、可動部5は、本体部18に対して本体部17を第2面17d側に屈曲させる。この場合には、本体部18の第2面18dに対して、本体部17の第2面17dは傾斜する。例えば、可動部5は、本体部17と本体部18とのなす角を、5度~10度の範囲で屈曲させる。なお、本体部17と支持部16とのなす角は、5度~10度に限らず、5度以下でもよいし、10度以上でもよい。
付勢部材8は、本体部17が本体部18に対して屈曲する方向とは反対方向に付勢する。具体的には、本体部17が本体部18に対して+Z軸方向に屈曲しようとする場合に、付勢部材8は、本体部17が本体部18に対して+Z軸方向に屈曲するのを抑制すように-Z軸方向に付勢する。例えば、付勢部材8は、可動部5の近傍に配置され、本体部17と本体部18とのなす角が180度になるように付勢する。伸縮部材2の他端2bは、本体部17が本体部18に対して屈曲する方向とは反対方向の面である第1面17cに接続されている。付勢部材8は、例えば、板バネである。なお、付勢部材7は、板バネに限らず、本体部17と本体部18とのなす角が180度になるように付勢すれば、コイルばね、ゴム等の弾性部材でもよい。また、例えば、エアチューブ10が湾曲して配置されている場合には、エアチューブ10が延びた状態に戻ろうとする弾性力を付勢部材8として用いてもよい。
伸縮部材3は、一端3a及び他端3bを有する棒状の部材である。伸縮部材3は、内部に空洞3cを有している。伸縮部材3は、周囲の大気圧に対して内部が負圧となることにより、一端3aの位置が他端3b側に移動する。
伸縮部材3は、例えば、シリンダである。以下では、伸縮部材3をシリンダとして説明する。伸縮部材3は、筒状部3d、ピストン部3e、ロッド3fを有している。筒状部3dは、一方が開口し、他方が底壁3gで閉じた筒状である。なお、一方の開口は、ロッド3fが摺動するロッド孔を有する蓋壁で閉じられてもよい。筒状部3dは、例えば、円筒状であるが、これに限らず、筒状であれば、角筒状でもよい。
ピストン部3eは、円盤状であり、筒状部3dの内部を摺動する。ロッド3fは、ピストン部3eに接続し、筒状部3dの開口または蓋壁のロッド孔から突出している。ロッド3fの突出した先端3hは、伸縮部材3の一端3aである。筒状部3dの底壁3gは、伸縮部材3の他端3bである。筒状部3d、底壁3g及びピストン部3eで囲まれた空洞3cは、筒状部3dまたは底壁3gに形成された貫通孔及びエアチューブ10を通じて負圧の発生源に接続されている。
負圧の発生源に接続されたエアチューブ10は、分岐することにより、吸着パッド1及び伸縮部材2に加えて、伸縮部材3にも接続されている。吸着パッド1及び伸縮部材2の内部は、伸縮部材3の内部と同じ排気系統に接続され、伸縮部材3の内部の負圧と同じ負圧で動作する。伸縮部材3の空洞3cにおいて、周囲の大気圧に対する負圧を大きくすることにより、ピストン部3eは、底壁3g側に引き込まれる。よって、ロッド3fも底壁3g側に引き込まれる。このように、伸縮部材3は、伸縮部材2の内部と同じ排気系統において発生する負圧となることにより、一端3aの位置が他端3b側に移動する。
伸縮部材3の一端3aは、本体部18に取り付けられている。言い換えれば、本体部18は、伸縮部材3の一端3aに取り付けられている。伸縮部材3の他端3bは、取付部6に取り付けられている。よって、伸縮部材3の内部の負圧を大きくすることにより、本体部18及び本体部17は、-X軸方向に位置を変化させる。
付勢部材9は、伸縮部材3の一端3aの位置を他端3bから離れる方向、すなわち、+X軸方向側に付勢する。言い換えれば、付勢部材9は、本体部18及び本体部17をシートSHに向かう方向に付勢する。例えば、付勢部材9は、本体部18と取付部6との間に配置され、本体部18と取付部6との間の距離を広げるように付勢する。付勢部材9は、例えば、コイルバネである。なお、付勢部材9は、コイルバネに限らず、本体部18と取付部6との間の距離を+X軸方向に広げるように付勢すること等により、本体部18をシートSHに向かう方向に付勢すれば、板ばね、ゴム等の弾性部材でもよい。また、例えば、エアチューブ10が湾曲して配置されている場合には、エアチューブ10が延びた状態に戻ろうとする弾性力を付勢部材9として用いてもよい。
伸縮部材3は、内部の負圧が大きくなると、本体部18と取付部6との間の距離を狭めるように一端3aを他端3b側に引き込む。よって、本体部18は、伸縮部材3の内部の負圧が大きくなると、-X軸方向側に引き寄せられる。
取付部6は、所望の位置に取り付けられる。例えば、取付部6は、ロボットに取り付けられる。これにより、ピックアップ治具20は、ロボットハンドとして機能する。
エアチューブ10は、真空発生器などの負圧発生源に接続されている。エアチューブ10は、負圧発生源から出て3つに分岐されている。分岐された3つの端部は、それぞれ、吸着パッド1、伸縮部材2及び伸縮部材3に接続されている。よって、吸着パッド1、伸縮部材2及び伸縮部材3は、同じ排気系統に接続されている。よって、吸着パッド1は、伸縮部材2及び伸縮部材3の内部と同じ排気系統において発生する負圧でシートSHに吸着する。
<ヒックアップ治具の動作>
次に、ピックアップ治具20の動作を説明する。図3~図8は、実施形態1に係るピックアップ治具20の動作を例示した図である。
図3に示すように、シートSHは、ストッカーSTにまとめて供給されている。本実施形態では、縦に積み重ねた状態で説明する。まず、ストッカーSTに供給されたシートSHに吸着パッド1が接触する。動作開始により、伸縮部材2及び伸縮部材3が図中の矢印の方向(+X軸方向側)に動作する。図3では、エアチューブ10を省略している。吸着パッド1がシートSHに接触するまでは、伸縮部材2及び伸縮部材3の内部の空洞2c及び3cは大気圧となっている。よって、伸縮部材2の動作は、可動部4に設けられた付勢部材7による支持部16と本体部17とのなす角を広げる力を動力とする。伸縮部材3の動作は、付勢部材9による取付部6と本体部18との間の距離を広げる力を動力とする。
次に、図4に示すように、付勢部材7による伸縮部材2の動作、及び、付勢部材9による伸縮部材3の動作によって、吸着パッド1がシートSHに接触すると、接触によって開口が塞がれ、吸着パッド1に接続されたエアチューブ10内に負圧が発生する。これにより、吸着パッド1とシートSHとの間に負圧が発生する。それとともに、伸縮部材2の空洞2c及び伸縮部材3の空洞3cにも負圧が発生する。負圧による力が付勢部材7による力よりも大きくなると、伸縮部材2の他端2bに対して一端2aが引き込まれる。よって、吸着パッド1は、可動部4を軸とした支持部16の回転に伴って、シートSHを吸着した状態のまま-X軸方向側へ引き込まれる。また、負圧による力が付勢部材9による力よりも大きくなると、伸縮部材3の他端3bに対して一端3aが引き込まれる。
上述のように、エアチューブ10が常に負圧発生源に接続された状態であり、吸着パッド1とシートSHとの接触によって開口が塞がれ、エアチューブ10内に負圧を発生させてもよく、エアチューブ10が負圧発生源から遮断された状態で、吸着パッド1とシートSHとの接触をセンサ等の手段で検出した後に、エアチューブ10を負圧発生源に接続してもよい。後述する伸縮部材2及び3の状態並びにエアチューブ10の状態を検出するセンサによって負圧発生源に接続、遮断を制御してもよい。
吸着パッド1は、シートSHを1枚引き離す。可動部4の回転動作の際に、シートSHの-Z軸方向側の縁は、ストッカーSTの底面に押し付けられる軌跡STaを辿る。これにより、複数のシートSHが吸着された場合でも、シートSHには、一枚ごとに引き離される効果が発生する。シートSHを設置するストッカーSTの底面に傾斜を持たせてもよい。例えば、ストッカーSTの底面の-X軸方向側が-Z軸方向側に傾斜する勾配をもたせてもよい。そして、シートSHの種類によって、ストッカーSTの底面の傾斜を変えてもよい。また、複数のシートSHの縁が相互にずれるように、-X軸方向側のストッカーSTの底面の縁を+Z軸方向側にはね上げてもよい。すなわち、シートSHにおける吸着パッド1が当たる面が+Z軸方向側になるように、-X軸方向側のストッカーSTの底面の縁を部分的に+Z軸方向側にはね上げてもよい。
図5に示すように、可動部4及び付勢部材7のシートSHに対するストッカーSTへの押付動作により、シートSHには、図に示すような湾曲SHaが発生することで、方向SHbに一枚ずつめくれて引き離される効果が発生する。シートSHが1枚ずつめくれるように、シートSHの種類によって、ストッカーSTの底面とシートSHの縁との間の摩擦係数を調整してもよい。
また、図6に示すように、シートSHの材質及び厚みによっては、図5に示すような湾曲SHaが起こり難く、シートSHが底面に押し当てられる力が発生し、吸着パッド1への負荷1cが発生する。
そこで、図7に示すように、シートSHの材質及び厚み等により発生する負荷1cを軽減するために、負荷1cが発生した場合のみ、可動部5が負荷1cと逆方向に逃げる構造を設ける。具体的には、可動部5は、本体部18に対して本体部17を+Z軸方向に屈曲可能に接続する。そして、可動部5は、付勢部材8による本体部17と本体部18とをフラットにしようとする力よりも負荷1cが大きい場合に、本体部17を屈曲させる。これにより、シートSHが底面に押し当てられる力を軽減し、吸着パッド1の負荷が軽減される。よって、吸着パッド1の寿命を向上させる。また、吸着パッド1に吸着されたシートSHを外れにくくする。
ここで、可動部5は、通常時において、付勢部材8の効果でフラット状態を保っている。例えば、付勢部材8のフラット状態に保つ反発力は、冊子等の固いシートSHが折れ曲がらないように作用する反発力よりも小さく、紙等の柔らかいシートSHが折れ曲がらないように作用する反発よりも大きい。すなわち、紙等の柔らかいシートSHの場合には、シートSHが湾曲し、冊子等の固いシートSHの場合には、本体部17が屈曲する。このように、付勢部材8の反発係数を調整する。
図8に示すように、エアチューブ10内の負圧により、伸縮部材2及び伸縮部材3において、一端2a及び一端3aをそれぞれ他端2b及び他端3b側へ引き込むことで、シートSHのピックアップが完了する。このようにして、ピックアップ治具20により、シートSHをピックアップすることができる。
図9は、実施形態1に係るピックアップ治具20において、付勢部材7及び9の反発係数と、伸縮部材2及び3の動作タイミングを例示したグラフであり、横軸は、時間を示し、縦軸は、負圧を示す。図9に示すように、反発係数が大きい付勢部材(h)は、反発係数が小さい付勢部材(g)よりも、大きい負圧でなければ引き込めないようにする。例えば、時間の経過と共に負圧が大きくなる場合には、発生した負圧の強さにより、動作のタイミングが異なる。具体的には、反発係数が小さい付勢部材(g)の場合には、小さい負圧で動作するので動作タイミングは早くなる。一方、反発係数が大きい付勢部材(g)の場合には、大きい負圧で動作するので動作タイミングは遅くなる。
例えば、付勢部材9の反発係数を付勢部材7の反発係数よりも大きくする。具体的には、付勢部材9における伸縮部材3の一端3aの位置を他端3bから離れる方向(+X軸方向側)に付勢する力は、付勢部材7における伸縮部材2の一端2aの位置を他端2bから離れる方向(+X軸方向側)に付勢する力よりも大きくする。これにより、伸縮部材2の引き込みの動作は、伸縮部材3の引き込みの動作よりも早くすることができる。すなわち、吸着パッド1がシートSHを吸着後、まず、伸縮部材2の一端2aを介して吸着パッド1が他端2b側に引き込まれる。吸着パッド1が他端2b側に引き込まれた後で、伸縮部材3の一端3aを介して本体部17及び本体部18が-X軸方向側に引き込まれる。このようにして、ピックアップ治具20の2段階動作を実現することができる。
次に、ピックアップ治具20の伸縮部材2及び伸縮部材3の状態を検出するセンサを説明する。図10は、実施形態1に係るピックアップ治具20において、ピックアップ前の伸縮部材2及び3の状態並びにエアチューブ10の状態を検出するセンサを例示した図である。図11は、実施形態1に係るピックアップ治具20において、ピックアップ後の伸縮部材2及び3の状態並びにエアチューブ10の状態を検出するセンサを例示した図である。
図10及び図11に示すように、伸縮部材2には、センサ11及び12が設けられ、伸縮部材3には、センサ13及び14が設けられている。伸縮部材2が伸びている状態で、センサ11は、オン状態である。よって、センサ11は、伸縮部材2の一端2aが他端2bから離れた方向に移動したことを検出する。伸縮部材3が伸びている状態で、センサ13は、オン状態である。よって、センサ13は、伸縮部材3の一端3aが他端3bから離れた方向に移動したことを検出する。
一方、伸縮部材2が引き込まれた状態で、センサ12は、オン状態である。よって、センサ12は、伸縮部材2の一端2aが他端2b側に移動したことを検出する。伸縮部材3が引き込まれた状態で、センサ14は、オン状態である。よって、センサ14は、伸縮部材3の一端3aが他端3b側に移動したことを検出する。エアチューブ10の内部の負圧が所定の閾値を超えた場合には、センサ15は、オン状態である。よって、センサ15は、負圧が所定の閾値を超えたことを検出する。
センサ12、センサ14及びセンサ15の3つのセンサがオン状態になった時点で、ピックアップ治具20のピックアップ動作は完了となる。よって、例えば、エアチューブ10を負圧発生源から遮断する等により、排気系統を大気圧に戻して吸着を解除し、シートSHを吸着パッド1から離脱させることによって所定の位置に配置させる。そして、次のシートSHをピックアップさせる動作を行わせる。
一方、センサ11、センサ13がオン状態になった時点で、エアチューブ10を負圧発生源に接続する等により、排気系統に負圧を発生させてもよい。また、センサ11、センサ13がオン状態になって、所定の時間が経過しても何の動作もない場合には、シートSHがない状態であることを検知してもよい。
なお、仮に、シートSHを吸着後からピックアップ完了までの間に、シートSHが吸着パッド1から離れ、負圧が大きくならない場合には、追加の制御無しで、吸着動作(ピックアップ前の状態)に戻ることができる。
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態のピックアップ治具20は、負圧を利用したシートSHの取り出しを行うとともに、発生した負圧を、ピックアップ治具20の動力に応用する。このように、負圧を動力として利用することで、ピックアップ治具20の機構を簡素化することができ、ピックアップ治具を小型化することができる。よって、例えば、ロボットにおける稼働するハンド等の先端にも取り付けることができる。モータ等を取り付ける必要がなく、制御系、電源系をロボットと同一にする必要がないので、単独で作動させることができる。
また、吸着パッド1へのシートSHの接触がトリガーとなって負圧を発生させ、発生した負圧がそのまま治具の動力となるので、吸着から引き離しまでの制御を不要とすることができる。また、ピックアップ治具20の動作中に負圧が途切れた場合(大気圧に戻る)でも、追加制御無しで吸着動作に戻ることができる。よって、負圧が切れた場合の制御等を不要とすることができる。センサ11~15を備えることにより、ピックアップ治具20の負圧によるピックアップ完了動作を検出することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2のピックアップ治具を説明する。本実施形態のピックアップ治具は、伸縮部材2及び3の構成が実施形態1と異なる。図12は、実施形態2に係るピックアップ治具において、伸縮部材の構成を例示した断面図である。図12に示すように、本実施形態のピックアップ治具は、実施形態1のピックアップ治具20における伸縮部材2及び伸縮部材3の少なくともいずれかの代わりに、伸縮部材19を用いている。
伸縮部材19は、一端19a及び他端19bを有する棒状の部材である。伸縮部材19は、例えば、シリンダである。伸縮部材19は、筒状部19d、ピストン部19e、ロッド19f、分割内部19k及び分割内部19mを有している。筒状部2dは、一方がロッド孔19iを有する蓋壁19jで閉じられ、他方が底壁19gで閉じられた筒状である。筒状部19dは、例えば、円筒状であるが、これに限らず、筒状であれば、角筒状でもよい。
ピストン部19eは、円盤状であり、筒状部19dの内部を摺動する。ロッド19fは、ピストン部19eに接続し、蓋壁19jのロッド孔19iから突出している。ロッド19fの突出した先端19hは、伸縮部材19の一端19aである。筒状部19dの底壁19gは、伸縮部材19の他端19bである。筒状部19d、ピストン部19e及び底壁2gで囲まれた分割内部19kは、筒状部19dまたは底壁19gに形成された貫通孔19l及び負圧の排気系統であるエアチューブ10を介して負圧の発生源に接続されている。筒状部19d、ピストン部19e及び蓋壁19jで囲まれた分割内部19mは、筒状部19dまたは蓋壁19jに形成された貫通孔19n及び正圧の排気系統であるエアチューブ30を通じて、大気圧に対して正圧を発生させる正圧発生源に接続されている。
このように、伸縮部材19の内部は、ピストン部19eよりも他端19b側の分割内部19kと、ピストン部19eよりも一端19a側の分割内部19mとを有している。なお、ロッド19fの先端19hを一端19aとし、底壁19gを他端19bとする代わりに、逆の配置にしてもよい。すなわち、ロッド19fの先端19hを他端19bとし、底壁19gを一端19aとしてもよい。その場合には、ピストン部19eよりも他端19b側は、分割内部19mであり、ピストン部19eよりも一端19a側は、分割内部19kである。
図13は、実施形態2に係るピックアップ治具の動作を例示した図である。図13に示すように、吸着パッド1が吸着したシートSHを吸着パッド1から離脱させる場合には、ピストン部19eよりも一端19a側の分割内部19mは、正圧にされる。そして、分割内部19mの正圧によって生じる一端19aの位置を他端19b側に移動させる力を、付勢部材7によって生じる一端19aの位置を他端19bから離れる方向に移動させる力よりも大きくした上で、ピストン部19eよりも他端19b側の分割内部19k及び吸着パッド1は、大気圧にされる。このように、分割内部19kを大気圧にすることによって、吸着パッド1が吸着したシートSHを離脱させる。
前述の実施形態1において、吸着パッド1が吸着したシートSHを吸着パッド1から離脱させる場合には、エアチューブ10を負圧発生源から遮断する等により、排気系統の負圧を大気圧に戻す。これにより、吸着パッド1の負圧が大気圧に戻るので、吸着パッド1は、シートSHを離してシートSHを離脱させることができる。
しかしながら、実施形態1の場合には、吸着パッド1の負圧を大気圧に戻すときに、伸縮部材2及び伸縮部材3の内部の負圧も大気圧に戻ることになる。よって、吸着パッド1がシートSHを離すと同時に、伸縮部材2の一端2a及び伸縮部材3の一端3aは、シートSHに向かう+X軸方向側に伸びることになる。
しかし、吸着パッド1がシートSHを離してシートSHを離脱させた場合には、ピックアップ治具21をシートSHのストッカーSTの近傍に移動するまでは、伸縮部材2の一端2a及び伸縮部材3の一端3aを、それぞれ、他端2b側及び他端3b側に引き戻した状態を維持しておくことが好ましい。これにより、伸縮部材2の一端2a及び伸縮部材3の一端3aが周囲の邪魔にならないようにして、シートSHのストッカーSTの近傍まで、ピックアップ治具21を戻すことができる。
そこで、本実施形態のピックアップ治具21は、伸縮部材19に分割内部19k及び分割内部19mを有するようにする。そして、吸着パッド1が吸着したシートSHを吸着パッド1から離脱させる場合には、ピストン部19eよりも一端19a側の分割内部19mは正圧にされる。よって、シートSHを吸着パッド1から離脱させるために、ピストン部19eよりも他端19b側の分割内部19kを大気圧に戻しても、伸縮部材2の一端2a及び伸縮部材3の一端3aを、それぞれ、他端2b側及び他端3b側に引き戻しておくことができる。このようにすることで、伸縮部材2の一端2a及び伸縮部材3の一端3aが周囲の邪魔にならないようにして、シートSHのストッカーSTの近傍まで、ピックアップ治具21を戻すことができる。
次に、上述したピックアップ治具21の動作を、センサを用いて制御する方法を説明する。図14は、実施形態2に係るピックアップ治具21において、ピックアップ前の伸縮部材2(伸縮部材19の構造)及び伸縮部材3(伸縮部材19の構造)の状態並びにエアチューブ10及び30の状態を検出するセンサを例示した図である。図15は、実施形態2に係るピックアップ治具21において、ピックアップ後の伸縮部材2(伸縮部材19の構造)及び伸縮部材3(伸縮部材19の構造)の状態並びにエアチューブ10及び30の状態を検出するセンサを例示した図である。
図14及び図15に示すように、ピックアップ治具21は、さらに、センサ26を備えている。エアチューブ30の内部の正圧が所定の閾値を超えた場合には、センサ26は、オン状態である。よって、センサ26は、エアチューブ30の内部の正圧が所定の閾値を超えたことを検出する。
図15に示すように、センサ12、センサ14及びセンサ15の3つのセンサがオン状態になった時点で、ピックアップ治具20のピックアップ動作は完了となる。それに加えて、センサ26がオン状態になった時点で、エアチューブ10を負圧発生源から遮断する等により、負圧の排気系統を大気圧に戻し、シートSHを吸着パッド1から離してシートSHを吸着パッド1から離脱させる。その場合でも、エアチューブ30の正圧の系統には、正圧がかかっているので、伸縮部材2の一端2a及び伸縮部材3の一端3aは引き込まれた状態である。そして、ピックアップ治具21をストッカーSTの近傍まで移動させる。
図14に示すように、ピックアップ治具21をストッカーSTの近傍まで移動させた後において、センサ15がオフ状態で、エアチューブ30を正圧発生器から遮断する等により、正圧の排気系統を大気圧に戻す。これにより、センサ26は、オフ状態になる。その後、次のシートSHをピックアップさせる動作を行わせる。
一方、センサ11、センサ13がオン状態になった時点で、エアチューブ10を負圧発生源に接続する等により、エアチューブ10の排気系統に負圧を発生させてもよい。また、吸着パッド1がシートSHを吸着した後で、エアチューブ30を正圧発生器に接続する等により、エアチューブ30の排気系統に正圧を発生させてもよい。さらに、エアチューブ10に負圧を発生させ、エアチューブ30に正圧を発生させた状態で、シートSHをピックアップさせる動作を行わせてもよいし、エアチューブ10に負圧を発生させ、エアチューブ30に正圧を発生させた状態で、伸縮部材2(伸縮部材19の構造)の一端2a及び伸縮部材3(伸縮部材19の構造)の一端3aの引き込みを行ってもよい。そして、伸縮状態を維持するように正圧を上げてから、負圧を遮断して、吸着パッド1からシートSHを離脱させてもよい。
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態のピックアップ治具21において、伸縮部材19は、内部を負圧にする部分だけでなく、正圧にする部分を有している。正圧によって生じる一端19aの位置を他端19b側に移動させる力を、付勢部材7及び9によって生じる一端19aの位置を他端19bから離れる方向に移動させる力よりも大きくした上で、分割内部19kを大気圧にすることによって、シートSHを所定の位置に配置させる。例えば、吸着パッド1が吸着したシートSHを離脱させる。このように、シートSHを所定の位置に配置した後、伸縮部材2(伸縮部材19の構造)の一端2a及び伸縮部材3(伸縮部材19の構造)の一端3aが周囲の邪魔にならないようにして、シートSHのストッカーSTの近傍まで、ピックアップ治具21を戻すことができる。
また、正圧の排気系統にセンサ26を備えることにより、ピックアップ治具21の状態を検出することができ、制御を容易にすることができる。これ以外の構成及び効果は、実施形態1の記載に含まれている。
なお、本発明は、上記実施形態の記載に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施形態1~2の各構成のいずれかを組み合わせたものも本実施形態の技術思想の範囲内である。また、下記のピックアップ治具の制御方法及び制御プログラムも実施形態の技術的思想の範囲である。
(付記1)
一端と他端とを有し、周囲の大気圧に対して内部が負圧となることにより、前記一端の位置が前記他端側に移動する第1伸縮部材と、
前記第1伸縮部材の前記一端に取り付けられ、対象物を前記第1伸縮部材の内部と同じ排気系統において発生する負圧で吸着する吸着パッドと、
前記吸着パッドが前記対象物に向かうように前記一端の位置を前記他端から離れる方向に付勢する第1付勢部材と、
を備え、
前記吸着パッドが前記対象物に接触することによって前記負圧が生じ、
前記負圧によって生じる前記一端の位置を前記他端側に移動させる力が、前記第1付勢部材によって生じる前記一端の位置を前記他端から離れる方向に移動させる力よりも大きくなると、前記吸着パッドは、前記対象物を吸着した状態で、前記他端側に移動する、
ピックアップ治具において、
前記第1伸縮部材の前記一端が前記他端から離れた方向に移動したことを検出する第1センサと、
前記第1伸縮部材の前記一端が前記他端側に移動したことを検出する第2センサと、
前記負圧が所定の閾値を超えたことを検出する第3センサと、
をさらに備え、
前記第2センサ及び前記第3センサがオン状態で、前記排気系統を前記大気圧に戻し、
前記第1センサがオン状態で、前記排気系統に前記負圧を発生させる、
ピックアップ治具の制御方法及び制御プログラム。
(付記2)
前記第1伸縮部材は、
一方がロッド孔を有する蓋壁で閉じられ、他方が底壁で閉じられた筒状部と、
前記筒状部の内部を摺動するピストン部と、
前記ピストン部に接続し、前記ロッド孔から突出したロッドと、
を有し、
前記内部は、
前記ピストン部よりも前記他端側の第1分割内部と、
前記ピストン部よりも前記一端側の第2分割内部と、
を有し、
前記第2分割内部に正圧を生じさせ、
前記正圧によって生じる前記一端の位置を前記他端側に移動させる力を、前記第1付勢部材によって生じる前記一端の位置を前記他端から離れる方向に移動させる力よりも大きくした上で、前記第1分割内部を前記大気圧にすることによって、前記吸着パッドが吸着した前記対象物を離脱させる、
付記1に記載のピックアップ治具において、
前記正圧が所定の閾値を超えたことを検出する第4センサをさらに備え、
前記第1センサ及び前記第3センサに加えて、前記第4センサがオン状態で、前記負圧を前記大気圧に戻し、
前記第3センサがオフ状態で、前記正圧を前記大気圧に戻し、
前記第2センサがオン状態で、前記負圧を発生させる、
ピックアップ治具の制御方法及び制御プログラム。
また、上述したピックアップ治具の制御プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
1 吸着パッド
1a リップ
1b アダプタ
1c 負荷
2 伸縮部材
2a 一端
2b 他端
2c 空洞
2d 筒状部
2e ピストン部
2f ロッド
2g 底壁
2h 先端
3 伸縮部材
3a 一端
3b 他端
3c 空洞
3d 筒状部
3e ピストン部
3f ロッド
3g 底壁
3h 先端
4 可動部
5 可動部
6 取付部
7 付勢部材
8 付勢部材
9 付勢部材
10 エアチューブ
11、12、13、14、15 センサ
16 支持部
16a 一端
16b 他端
17 本体部
17a 一端
17b 他端
17c 第1面
17d 第2面
18 本体部
18a 一端
18b 他端
18c 第1面
18d 第2面
19 伸縮部材
19a 一端
19b 他端
19d 筒状部
19e ピストン部
19f ロッド
19g 底壁
19h 先端
19i ロッド孔
19j 蓋壁
19k 分割内部
19l 貫通孔
19m 分割内部
19n 貫通孔
20、21 ピックアップ治具
26 センサ
30 エアチューブ
SH シート
SHa 湾曲
SHb 方向
ST ストッカー
STa 軌跡

Claims (6)

  1. 一端と他端とを有し、周囲の大気圧に対して内部が負圧となることにより、前記一端の位置が前記他端側に移動する第1伸縮部材と、
    前記第1伸縮部材の前記一端に取り付けられ、対象物を前記第1伸縮部材の内部と同じ排気系統において発生する負圧で吸着する吸着パッドと、
    前記吸着パッドが前記対象物に向かうように前記一端の位置を前記他端から離れる方向に付勢する第1付勢部材と、
    を備え、
    前記吸着パッドが前記対象物に接触することによって前記負圧は生じ、
    前記負圧によって生じる前記一端の位置を前記他端側に移動させる力が、前記第1付勢部材によって生じる前記一端の位置を前記他端から離れる方向に移動させる力よりも大きくなると、前記吸着パッドは、前記対象物を吸着した状態で、前記他端側に移動する、
    ピックアップ治具。
  2. 前記吸着パッドから前記対象物を離脱させ、
    前記負圧を小さくすることにより、前記第1付勢部材による付勢力によって、
    前記一端の位置を前記他端から離れる方向に移動させる、
    請求項1に記載のピックアップ治具。
  3. 前記第1伸縮部材は、
    一方がロッド孔を有する蓋壁で閉じられ、他方が底壁で閉じられた筒状部と、
    前記筒状部の内部を摺動するピストン部と、
    前記ピストン部に接続し、前記ロッド孔から突出したロッドと、
    を有し、
    前記内部は、
    前記ピストン部よりも前記他端側の第1分割内部と、
    前記ピストン部よりも前記一端側の第2分割内部と、
    を有し、
    前記第2分割内部に正圧を生じさせ、
    前記正圧によって生じる前記一端の位置を前記他端側に移動させる力を、前記第1付勢部材によって生じる前記一端の位置を前記他端から離れる方向に移動させる力よりも大きくした上で、前記第1分割内部を前記大気圧にすることによって、前記吸着パッドが吸着した前記対象物を離脱させる、
    請求項1または2に記載のピックアップ治具。
  4. 一端と他端とを有し、前記第1伸縮部材の内部と同じ前記排気系統において発生する負圧となることにより、前記一端の位置が前記他端側に移動する第2伸縮部材と、
    前記第2伸縮部材の前記一端に取り付けられた本体部と、
    前記第2伸縮部材の前記一端の位置を前記第2伸縮部材の前記他端から離れる方向に付勢する第2付勢部材と、
    をさらに備え、
    前記第1伸縮部材の前記他端は、前記本体部に取り付けられた、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のピックアップ治具。
  5. 前記第2付勢部材における前記第2伸縮部材の前記一端の位置を前記他端から離れる方向に付勢する力は、前記第1付勢部材における前記第1伸縮部材の前記一端の位置を前記他端から離れる方向に付勢する力よりも大きい、
    請求項4に記載のピックアップ治具。
  6. 前記吸着パッドが取り付けられた支持部と、
    前記支持部を前記本体部に揺動可能に接続する第1可動部と、
    をさらに備え、
    前記第1付勢部材は、前記第1可動部を支点にして前記本体部と前記支持部とのなす角が大きくなるように付勢することにより、前記第1伸縮部材の前記一端を前記他端から離れる方向に移動させる力を生じさせ、
    前記本体部は、
    前記対象物側の第1本体部と、
    第2本体部と、
    前記第2本体部に前記第1本体部を屈曲可能に接続する第2可動部と、
    前記第1本体部が前記第2本体部に対して屈曲する方向とは反対方向に付勢する第3付勢部材と、
    をさらに備え、
    前記第1伸縮部材の前記他端は、前記第1本体部が前記第2本体部に対して屈曲する方向とは反対方向の面に接続された、
    請求項4または5に記載のピックアップ治具。
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