JP2023131115A - 化粧用基剤およびそれを含む化粧料 - Google Patents

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孝治 関口
Koji Sekiguchi
晶子 市川
Akiko Ichikawa
涼佳 荘司
Ryoka Shoji
祐理子 三原
Yuriko Mihara
昌 赤田
Akira Akada
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Abstract

【課題】保湿効果が高く、塗布地のべたつきが少なく、濡れた肌に塗布しても厚み感を感じることができ、粉体と併用した際には、再度水分と触れてこすれても白浮きせず、かさつきやべたつきを生じず、紫外線散乱剤を併用した際にSPFを向上することができる化粧用基剤を提供すること。【解決手段】式(1)に示すアルキレンオキシド誘導体からなる化粧用基剤。TIFF2023131115000023.tif46141(式中、AOは炭素数3~4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基を示し、aはAOの付加モル数を、bはEOの付加モル数を示し、aは0~50の数を示し、bは1~50の数を示し、a+b≧10であり、0≦a/b≦2である。)【選択図】なし

Description

本発明は、化粧用基剤およびそれを含む化粧料に関する。
化粧品は、人の身体を美化し、魅力を増し、皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、使用されるもので、メイクアップ化粧料、スキンケア化粧料、ボディケア、ヘアケア化粧料等に分類される。化粧品は、水、油剤、保湿剤、界面活性剤等の、種々の基剤で構成され、中でも、エチレンオキシド(EO)やプロピレンオキシド(PO)等を開環付加重合させることで得られるアルキレンオキシド誘導体は、EOやPOの付加モル数や付加形態を制御することにより親水性/親油性のバランスおよび分子量を制御することができるため、化粧用基剤として、種々の目的で配合されている。
例えば特許文献1では、グリセリンポリオキシアルキレングリコールのモノエステルまたはモノエーテルを含有するメイクアップ除去剤が提案されている。特許文献1には、このメイクアップ除去剤はメイクアップ除去力に優れ、更に水でのすすぎ時にぬるつきがなく、すすぎ性および感触が良好なことが開示されている。さらに特許文献2では、グリセリン、ポリオキシアルキレン多価アルコールエーテル、増粘剤を含有するゲル状化粧料が提案されている。特許文献2には、このゲル状化粧料は塗布時の展延性に優れ、使用感が良好なことが開示されている。
このように化粧品では、洗浄や保湿といった主機能の他にも、ぬるつきやべたつきのなさ、肌上での伸び、塗布時の厚み感等の使用感が重視される。しかし、保湿効果を高めるために保湿剤の配合量を増やすと化粧料がべたついて使用感が低下するため、べたつきが少なく保湿効果の高い保湿剤が求められている。また、使用者が化粧品を使用する場面は、洗顔後や入浴後など多岐に渡り、肌が濡れている場合には、所望の使用感が得られないことが多い。例えば塗布時の厚み感は化粧品に高級感を付与することができる人気の使用感であるが、濡れている肌にそのまま化粧品を馴染ませた際は厚み感を感じにくいという課題があった。
使用感を制御する方法として、粉体を化粧料に配合する手法もある。化粧用の粉体としては、マイカやタルクのような鉱物由来成分、酸化チタンなどの紫外線散乱剤、シリカ粉体、シリコーンポリマーなどが知られている。これらの粉体は、肌上でののびや付着性、使用性、耐久性などを制御可能である。しかし、粉体は、油剤や水などの液体中に分散されるため、ハードケーキングや相分離(色わかれ、排液等)が起こりやすい。そのため、粉体の分散性を向上する手法が種々検討されてきた。
例えば特許文献3では、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、エタノール、樹脂系粉体、水からなる液状化粧料が提案されている。特許文献3には、この液状化粧料は低温での保存に耐えうる安定性を有していることが開示されている。
粉体を使用した代表的な化粧品として、日焼け止めがある。日焼け止め効果を付与するためには、紫外線散乱剤や紫外線吸収剤が用いられるが、近年、皮膚刺激が少ない紫外線散乱剤のみを配合した「ノンケミカル」が増えている。一方、紫外線吸収剤を配合しないノンケミカル処方では、サンプロテクションファクター(SPF)を高めることが難しい。
特許文献4では、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシルおよび/または2-エチルヘキサン酸イソノニル、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、シリコーンオイル、ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体を含有する化粧料が提案されている。特許文献4には、この化粧料は、粉体を安定に均一分散し、さらに再分散性を向上させることによって、白浮きせず、透明感のある自然な仕上がりの高SPF値が実現できることが開示されている。また、特許文献5では、特定のアルキレンオキシド誘導体とポリグリセリン誘導体を含有することにより、日焼け止め化粧料に使用する疎水化処理粉体の分散性を向上する手法が提案されている。特許文献5には、この分散体はしっとり感やべたつきの無さ、粉体の分散安定性、および乳化安定性が改善されたことが開示されている。
特開2000-143441号公報 特開2017-128524号公報 特開2017-203000号公報 特開2007-145722号公報 特開2007-106715号公報
特許文献1および特許文献2に記載のように、化粧料の使用感を向上させる試みが種々なされている。しかし、保湿効果、塗布地のべたつきのなさ、および濡れた肌に塗布した際の厚み感等の使用感が十分に高まったとはいえず、これらの使用感をさらに改善したいという要求は依然として存在する。
また、特許文献3~特許文献5に記載のように、化粧料に使用する粉体の分散性を向上させる試みが種々なされている。しかし、夏場の高湿度下や汗ばむような状況では、塗布後に汗や水分と混ざり、こすれることにより、肌上で粉体が再分散する場合がある。そのような場合、既知の技術では、白浮きが生じたり、部分的なかさつきやべたつきが生じる場合があった。
本発明の課題は、保湿効果が高く、塗布地のべたつきが少なく、濡れた肌に塗布しても厚み感を感じることができ、粉体と併用した際には、再度水分と触れてこすれても白浮きせず、かさつきやべたつきを生じず、紫外線散乱剤を併用した際にSPFを向上することができる化粧用基剤および化粧料を提供することである。
すなわち、本発明は、下記特徴を有する化粧用基剤および化粧料を提供する。
<1>
式(1)に示すアルキレンオキシド誘導体からなることを特徴とする化粧用基剤。
Figure 2023131115000001
(式(1)中、AOは炭素数3~4のオキシアルキレン基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、aは前記炭素数3~4のオキシアルキレン基の付加モル数を示し、bは前記オキシエチレン基の付加モル数を示し、aは0~50の数を示し、bは1~50の数を示し、a+b≧10であり、0≦a/b≦2である。式(1)に示すアルキレンオキシド誘導体が前記炭素数3~4のオキシアルキレン基と前記オキシエチレン基との両方を有するとき、前記炭素数3~4のオキシアルキレン基と前記オキシエチレン基とは、ランダム状またはブロック状に付加しており、ブロック付加である場合配列順は問わない。)
<2>
保湿剤である、<1>に記載の前記用基剤。
<3>
化粧用分散剤である、<1>に記載の化粧用基剤。
<4>
SPFブースト剤である、<1>に記載の化粧用基剤。
<1>~<4>のいずれかに記載の化粧用基剤を0.1~20質量%含有する、化粧料。
本発明のグリセリンの一位水酸基にアルキレンオキシドを付加重合したアルキレンオキシド誘導体からなる化粧用基剤および化粧料によれば、保湿効果が高く、塗布地のべたつきが少なく、濡れた肌に塗布しても厚み感を感じることができ、塗布後に再度水分と触れてこすれた際にも白浮きせず、かさつきやべたつきを生じず、紫外線散乱剤を併用した際にSPFを向上することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本明細書において記号「~」を用いて規定された数値範囲は「~」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「2~5」は2以上かつ5以下を表す。
(アルキレンオキシド誘導体)
本発明の一実施形態は、式(1)に示すアルキレンオキシド誘導体からなることを特徴とする化粧用基剤に関する。
Figure 2023131115000002
式(1)中、AOは炭素数3~4のオキシアルキレン基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、aは前記炭素数3~4のオキシアルキレン基の付加モル数を示し、bは前記オキシエチレン基の付加モル数を示し、aは0~50の数を示し、bは1~50の数を示し、a+b≧10であり、0≦a/b≦2である。前記炭素数3~4のオキシアルキレン基と前記オキシエチレン基は、ランダム状またはブロック状に付加しており、ブロック付加である場合配列順は問わない。
aを50以下とすることで、感触にべたつきを生じにくくしたり、SPF向上効果を向上させたりできる。そのため、aは0~50とするが、0~40が好ましく、0~30が最も好ましい。
bを1以上とすることで、塗布時の厚み感やSPF向上効果を向上させ、かさつきや白浮きを生じにくくすることができる。また、bを50以下とすることで、べたつきを生じにくくすることができる。そのため、bは1~50とするが、10~40が好ましく、15~30が最も好ましい。
a+bを10以上とすることで、保湿効果や塗布時の厚み感を向上させ、かさつきや白浮きを生じにくくすることができる。そのためa+bは10以上とするが、20以上が最も好ましい。a+bの上限は特に限定されないが、50以下とすることが好ましい。
aが0より大きい場合、炭素数3~4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基EOは、ランダム状またはブロック状に付加している。ブロック状に付加している場合の配列順は問わない。aが0より大きい場合、炭素数3~4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基EOは、ランダム状に付加していることが好ましい。
a/bを2以下とすることで、保湿効果を向上させ、感触にべたつきを生じにくくすることができる。そのため、a/bは2以下とするが、1.2以下が最も好ましい。a/bの下限値は0であるが、0.3以上としてもよい。
炭素数3~4のオキシアルキレン基としては、オキシプロピレン基やオキシブチレン基が挙げられるが、オキシプロピレン基が最も好ましい。なお、式(1)で示されるアルキレンオキシド誘導体は、オキシプロピレン基およびオキシブチレン基のいずれか一方のみを有してもよいし、これらの双方を有してもよい。これらの双方を有するとき、オキシプロピレン基およびオキシブチレン基は、ランダム状およびブロック状のいずれであってもよい。ブロック状に付加している場合の配列順は問わない。
本発明の化粧用基剤は、グリセリンの三つの水酸基のうち、一位の水酸基にアルキレンオキシドが付加したモノエーテル構造を有する。モノエーテル体純度は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上が更に好ましい。モノエーテル体純度の上限は特に限定されないが、100%以下とすることができる。
モノエーテル体純度はH-NMR測定で得られるピーク積分値を使用して、下記式より算出できる。
Figure 2023131115000003
xは、モノエーテル体のみに検出されるグリセリン2位メチン基に由来する約3.3ppmのビーク積分値を1とした際の、エチレンオキシドが付加したグリセリン1,3位メチレン基に由来する約2.4ppm付近のピーク積分値を示す。但し、モノエーテル体のグリセリン2位メチン基に由来する約3.3ppmのピーク積分値が検出できない場合は、モノエーテル体純度を0とする。
本発明の式(1)で示されるアルキレンオキシド誘導体は、公知の方法で製造することができる。アルキルアルコール、例えばグリセリンの一位水酸基以外を保護したイソプロピリデングリコールに、アルカリ触媒下、50~160℃、0.5MPa(ゲージ圧)以下にてアルキレンオキシドを付加重合する。2種類以上のアルキレンオキシドを使用する場合、ランダム体の場合はあらかじめ2種類以上のアルキレンオキシドを混合した後に付加重合し、ブロック体の場合は、AOを重合した後にEOを重合しても、EOを重合した後にAOを重合してもよい。その後、塩酸、リン酸、酢酸などの酸を添加し、脱アセタール化を行い、過剰の酸を水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの塩基にて中和し、さらに水分および中和塩を除去することでアルキレンオキシド誘導体を得ることができる。
(化粧用基剤)
本発明のアルキレンオキシド誘導体は、原料(化粧用基剤)として化粧料に配合することができる。
本発明のアルキレンオキシド誘導体を保湿剤として用いた際は、高い保湿効果を発揮し、べたつかず、濡れた肌に塗布しても厚み感を感じることができる。
本発明のアルキレンオキシド誘導体を粉体と併用する化粧用分散剤として用いた際には、塗布後に再度水分と触れてこすれた際にも白浮きせず、かさつきやべたつきを生じない。特に、本発明のアルキレンオキシド誘導体を無機系紫外線散乱剤と併用するSPFブースト剤として用いた際には、SPFを向上することができる。
本発明のアルキレンオキシド誘導体は、配合割合については特に限定はないが、添加濃度が0.1~20質量%であることが望ましい。好ましくは0.5~15質量%、より好ましくは1~15質量%、最も好ましくは1~10質量%である。
また、本発明の組成物は、用途に応じて水および通常化粧料に配合される添加成分、例えば油性基剤、界面活性剤、アルコール類、多価アルコール、保湿剤、高分子・増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、キレート剤、pH調整剤・酸・アルカリ、紫外線吸収剤、美白剤、溶剤、角質剥離・溶解剤、鎮痒剤、消炎剤、制汗剤、清涼剤、還元剤・酸化剤、高分子粉体、ビタミン類およびその誘導体類、糖類およびその誘導体類、有機酸類、無機粉体類、香料、色素など、一般的に用いられている他の成分を添加してもよい。
本発明の化粧用基剤を含む組成物の剤型は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水-油二層系、水-油-粉末三層系、ジェル、ミスト、スプレー、ムース、ロールオン、スティック等、どのような剤型でも構わない。不織布等のシートに含浸あるいは塗布した製剤なども可能である。また、本発明の皮膚外用剤の製品形態も任意であり、化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧料;ファンデーション、口紅、アイシャドー等のメーキャップ化粧料;日焼け止め化粧料(サンスクリーン剤);ボディー化粧料;芳香化粧料;メーク落とし、ボディーシャンプーなどの皮膚洗浄料;ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘアコンディショナー、シャンプー、リンス、育毛料等の毛髪化粧料;軟膏等に用いることが出来る。
(粉体)
本発明のアルキレンオキシド誘導体と併用する粉体は、粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、紡錘状等)、および、粒子構造(多孔質、無孔質等)に限定されるものではないが、平均一次粒子径が10μm以下であることが好ましい。なお、粉体粒子の平均粒子径は、レーザー回折/散乱法による粒度分布測定機によって、測定される。具体的には、レーザー回折/散乱法の場合、エタノールを分散媒として、レーザー回折散乱式粒度分布測定器などで測定する。
粉体としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等); 有機粉末( 例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ-酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウムおよびアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、および青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号および青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β-カロチン等)等が挙げられる。
これらの粉体の中でも紫外線散乱剤体としては、ペプチド、アミノ酸、シリコーン、シリコーンレジンなどで被覆処理したり、2種以上を複合化したりしたものも使用できる。紫外線散乱剤としては、特に限定されるものではないが、微粒子状の金属酸化物、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化タングステン等を挙げることができる。本発明においては、酸化亜鉛および酸化チタンが最も好ましい。
上記粉体は、配合割合については特に限定はないが、添加濃度が0.1~30質量%であることが望ましい。好ましくは1~20%質量である。
(実施例、比較例)
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。
なお、表2~表7に記載した組成は、全体の質量を100質量部としたときの各成分の比率(質量部)を示す。
<合成例1:実施例化合物A-1>
イソプロピリデングリコール100gと触媒としてカリウムtert-ブトキシド0.5gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら130℃で触媒を溶解した。引続き、130℃、0.2~0.5MPa(ゲージ圧)にて、滴下装置によりエチレンオキシド866gを滴下し、1時間攪拌した。その後、オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸でpH3とし、脱アセタール化を行った。その後、水酸化カリウムで中和し、減圧-0.095MPa(ゲージ圧)、100℃で3時間処理することで含有する水分を除去し、濾過を行い、実施例化合物A-1を得た。
<合成例2~10:実施例化合物A-2~A-7、比較例化合物A’-1~A’-3>
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドの各付加量を変更したこと以外は、合成例1と同様の方法にて、実施例化合物A-2~A-7、比較例化合物A’-1~A’-3を得た。ただし、実施例化合物A-3、A-5~A-7、比較例化合物A’-1~A’-2のようなランダム付加体の場合、エチレンオキシドとプロピレンオキシドまたはブチレンオキシドをあらかじめ混合し、滴下装置により滴下し反応を行った。また、実施例化合物A-4のようなブロック付加体の場合、プロピレンオキシドを所定の付加モル数になるよう滴下装置により滴下することにより反応させた後、エチレンオキシドを所定の付加モル数になるよう滴下装置により滴下することにより反応を行った。
<合成例11:比較例化合物A’-4>
エチレンオキシドの各付加量を変更したこと以外は、合成例1と同様の方法にて、エチレンオキシドを付加した。脱アセタール化前に、以降の手順でエーテル化を行った。オクチルクロライド、ポリオキシエチレングリセリンケタール、テトラブチルアンモニウムブロミドを仕込んだ後、48%水酸化カリウム水溶液滴下し、95℃で10時間エーテル化反応を行った後、水洗した。その後、塩酸でpH3~5とし、脱アセタール化を行い、水酸化カリウムで中和し、含有する水分を除去するため減圧-0.095MPa(ゲージ圧)、100℃で3時間処理することで除去し、濾過を行うことで比較例化合物A’-4を得た。
<合成例12:比較例化合物A’-5>
グリセリン100gと触媒としてカリウムtert-ブトキシド0.5gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら130℃で触媒を溶解した。引続き、130℃、0.2~0.5MPa(ゲージ圧)にて、滴下装置によりエチレンオキシド1243gを滴下し、1時間攪拌した。その後、オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸でpH6になるよう塩酸で中和し、減圧-0.095MPa(ゲージ圧)、100℃で3時間処理することで含有する水分を除去し、濾過を行い、比較例化合物A’-5を得た。比較例化合物A’-5のモノエーテル体純度は0%であった。
また、JIS K1557-1に準じた水酸基価測定によって得られる水酸基価からエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド、ブチレンオキシド付加物の数平均分子量を求め、その数平均分子量から式(1)におけるa、bの値を特定した。実施例化合物A-1~A-7、比較例化合物A’-1~A’-4の、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシド、ブチレンオキシドの各平均付加モル数の合計などを表1に示す。なお、表1の「AO」は式(1)に示すアルキレンオキシド誘導体が有するオキシアルキレン基(AO)の種類を示し、「PO」はオキシプロピレン基を、「BO」はオキシブチレン基を、それぞれ表す。
Figure 2023131115000004
<保湿効果>
保湿効果を皮表角層水分量測定装置(SKICON-200EX)から測定されるコンダクタンス(伝導度、μS)により確認した。表2、3に記載した組成で原料を量り取り、水溶液を作製した。健常パネラー10名が、前腕に水溶液を塗布し、塗布前と塗布30分後のコンダクタンスを測定し、この増加率から保湿効果を評価した。コンダクタンスの増加率は、以下の式により求められ、角層の吸水性、水分保持能への影響を検討することが可能であり、この増加率が大きいと、角層水分の増加があり、保湿効果が高いと評価できる。得られたコンダクタンス変化率を以下の評価基準により評価した。
コンダクタンス変化率=(塗布後のコンダクタンス)/(塗布前のコンダクタンス)
◎ … パネラー10名のコンダクタンス変化率の平均: 1.5以上
○ … パネラー10名のコンダクタンス変化率の平均: 1.2以上1.5未満
△ … パネラー10名のコンダクタンス変化率の平均: 1.1以上1.2未満
× … パネラー10名のコンダクタンス変化率の平均: 1.1未満
<塗布時のべたつき>
表2、3に記載した組成で原料を量り取り、水溶液を作製した。健常パネラー10名が、実施例および比較例の各水溶液を前腕に0.1g塗布した。塗布時の感触について、べたつきを下記評点基準により3段階で相対評価した。10名の合計点を算出し、以下の評価基準により評価した。
(評点基準)
3点:べたつきを感じない
2点:べたつきをやや感じる
1点:べたつきを感じる
(評価基準)
◎:25点以上
○:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
<濡れた肌に塗布した際の厚み感>
表2、3に記載した組成で原料を量り取り、水溶液を作製した。健常パネラー10名が、手を40℃のお湯で洗ったのち、拭き取らずに実施例および比較例の各水溶液を手の甲に0.1g塗布した。塗布時の感触について、厚み感を下記評点基準により3段階で相対評価した。10名の合計点を算出し、以下の評価基準により評価した。
(評点基準)
3点:高級感ある厚み感を感じる。
2点:高級感ある厚み感をやや感じる。
1点:高級感ある厚み感を感じない。
(評価基準)
◎:25点以上
○:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
Figure 2023131115000005
Figure 2023131115000006
<粉体含有組成物>
表4、5に記載した組成で原料を量り取り、ディスパーにて撹拌(25℃、5000rpm×3min)し、粉体含有組成物を得た。実施例および比較例で得られた粉体含有組成物を用いて、分散性、および、再度水分が付着した状態を再現したときの、かさつきのなさ、べたつきのなさ、白浮きのなさについて、以下基準で評価し、その結果を表3、4に記載した。
用いた粉体を下記に示す。
シリカ:OVEIL DR、大阪ガスケミカル社製
酸化チタン:STR-100A-LP、堺化学工業社製(平均粒子径15nm)
タルク:タルクMS、日本タルク(株)製
(分散性)
30mLサンプル管で粉体含有組成物2gを水で10倍希釈し、室温で3時間静置した。静置後の外観について、下記の通り評価した。
(評価基準)
○:粉体が均一に分散している
△:粉体が少し沈降している
×:粉体が沈降している
(かさつきのなさ)
健常パネラー10名が、実施例および比較例の粉体含有組成物を前腕に0.1g塗布した。汗を想定した0.5%の塩化ナトリウム水溶液をスプレー容器に入れ、組成物を塗布した肌へ1回吹き付け、塗布部を15回指でこすった。こすった後、5分間静置して水分を乾燥させた。乾燥後の感触について、下記評点基準により3段階で相対評価した。10名の合計点を算出し、以下の評価基準により評価した。
(評点基準)
3点:乾燥後にかさつきがない。
2点:乾燥後にかさつきがややある。
1点:乾燥後にかさつきがある。
(評価基準)
◎:25点以上
○:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
(べたつきのなさ)
健常パネラー10名が、実施例および比較例の粉体含有組成物を前腕に0.1g塗布した。汗を想定した0.5%の塩化ナトリウム水溶液をスプレー容器に入れ、組成物を塗布した肌へ1回吹き付け、塗布部を15回指でこすった。こすった後、5分間静置して水分を乾燥させた。乾燥後の感触について、下記評点基準により3段階で相対評価した。10名の合計点を算出し、以下の評価基準により評価した。
(評点基準)
3点:乾燥後にべたつきがない。
2点:乾燥後にべたつきがややある。
1点:乾燥後にべたつきがある。
(評価基準)
◎:25点以上
○:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
(再度水分が付着した際の白浮きのなさ)
健常パネラー10名が、実施例および比較例の粉体含有組成物を前腕に0.1g塗布した。汗を想定した0.5%の塩化ナトリウム水溶液をスプレー容器に入れ、組成物を塗布した肌へ1回吹き付け、塗布部を15回指でこすった。こすった後の肌表面の白浮きについて、下記評点基準により3段階で相対評価した。10名の合計点を算出し、以下の評価基準により評価した。
(評点基準)
3点:再度水分が付着した際も白浮きがない。
2点:再度水分が付着した際にやや白浮きがある。
1点:再度水分が付着した際に白浮きがある。
(評価基準)
◎:25点以上
○:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
Figure 2023131115000007
Figure 2023131115000008
<紫外線散乱剤含有組成物>
表6、7に記載した組成で原料を量り取り、アルキレンオキシド誘導体およびイオン交換水からなる水相と、紫外線散乱剤と共通添加成分からなる油性成分を含めた油相とをそれぞれ混合し、75~80℃に過熱し、ホモミキサーを用いて混合した後に冷却し、紫外線散乱剤含有組成物を得た。
実施例および比較例で得られた紫外線散乱剤含有組成物を用いて、ブランクに対するSPFの変化率について、以下基準で評価し、その結果を表6、7に記載した。
Figure 2023131115000009
Figure 2023131115000010
(ブランクに対するSPFの変化率)
アルキレンオキシド誘導体を添加していないブランクを調製し、各試料を、PMMAプレート(Labsphere社製 HELIOPLATE HD6)に2mg/cm塗布後、暗所で20分静置したサンプルについて、SPFアナライザー(Labsphere社製 UV-2000S)を用いたSPF測定を行い、前記プレート上を9点測定し、平均値から[SPFブランク]を得た。実施例および比較例の各組成物も同様に[SPF試料]を測定した。下記式(2)よりブランクに対するSPFの変化率を求めた。
ブランクに対するSPFの変化率=[SPFブランク]/[SPF試料]×100 ・・・(2)
もとめたブランクに対するSPFの変化率を下記の基準で評価した。
(評価基準)
◎:変化率150%以上
○:125%以上、150%未満
△:110%以上、125%未満
×:110%未満
表2、4、6から明らかなように、実施例1~26の組成物は、濡れた肌に塗布した際の厚み感、再度水分が付着した際の白浮きのなさ、かさつきのなさ、べたつきのなさ、ブランクに対するSPFの変化率がいずれも良好であった。
これに対して、表3、5、7から明らかなように、比較例1~23の組成物は、濡れた肌に塗布した際の厚み感、再度水分が付着した際の白浮きのなさ、かさつきのなさ、べたつきのなさ、ブランクに対するSPFの変化率がいずれも良好でなかった。
本発明のアルキレンオキシド誘導体からなる化粧用基剤、および化粧料は、濡れた肌に塗布した際の厚み感、再度水分が付着した際の白浮きのなさ、かさつきのなさ、べたつきのなさ、ブランクに対するSPFの変化率が良好であった。
(具体的な処方例)
以下に、本発明の化粧用基剤を含む組成物の具体的な処方例として、化粧水、ローション、美容液、乳液、クリーム、シャンプー、トリートメント、ポンプフォーマー、ファンデーション、メイクリムーバー、およびクレンジングウォーターの処方例を表8~表18に示す。表8~表18に記載した組成は、全体の質量を100質量部としたときの各成分の比率(質量部)を示す。なお、本発明の実施態様がこれらの処方例に限定されないことはいうまでもない。
Figure 2023131115000011
Figure 2023131115000012
Figure 2023131115000013
Figure 2023131115000014
Figure 2023131115000015
Figure 2023131115000016
Figure 2023131115000017
Figure 2023131115000018
Figure 2023131115000019
Figure 2023131115000020
Figure 2023131115000021
本発明によれば、化粧料の使用感や粉体の分散性を向上することができるため、利用者のニーズにより適した化粧料の開発および普及に貢献できる。

Claims (5)

  1. 式(1)に示すアルキレンオキシド誘導体からなることを特徴とする化粧用基剤。
    Figure 2023131115000022
    (式(1)中、AOは炭素数3~4のオキシアルキレン基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、aは前記炭素数3~4のオキシアルキレン基の付加モル数を示し、bは前記オキシエチレン基の付加モル数を示し、aは0~50の数を示し、bは1~50の数を示し、a+b≧10であり、0≦a/b≦2である。式(1)に示すアルキレンオキシド誘導体が前記炭素数3~4のオキシアルキレン基と前記オキシエチレン基との両方を有するとき、前記炭素数3~4のオキシアルキレン基と前記オキシエチレン基とは、ランダム状またはブロック状に付加しており、ブロック付加である場合配列順は問わない。)
  2. 保湿剤である、請求項1に記載の化粧用基剤。
  3. 化粧用分散剤である、請求項1に記載の化粧用基剤。
  4. SPFブースト剤である、請求項1に記載の化粧用基剤。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の化粧用基剤を0.1~20質量%含有する、化粧料。
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