JP2023130692A - ポリウレタンフォーム及びポリウレタンフォームを備える物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗濯した際の吸水性、脱水性、及び乾燥性が良く、洗濯性が良好なポリウレタンフォームを提供する。【解決手段】ポリオール、ポリエーテル変性ポリシロキサン、及びイソシアネートを含む組成物から得られるポリウレタンフォームであって、前記ポリオールとして、ポリエーテルポリオールが少なくとも含まれ、前記組成物は、前記ポリオール100質量部に対してポリエーテル変性ポリシロキサンを0質量部より多く、20質量部以下含む、ポリウレタンフォーム。【選択図】なし

Description

本開示は、ポリウレタンフォーム及びポリウレタンフォームを備える物品に関する。
特許文献1には、疎水性ポリウレタンフォームからなる清浄具が開示されている。疎水性ポリウレタンフォームを製造するに当たり、ダイマー酸ポリオールや、末端OH基を有するポリジメチルシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体を用いることが記載されている。疎水性ポリウレタンフォーム清浄具は、疎水性のため水切りが良く乾燥する、と記載されている。
特開2008-048818号公報
疎水性ポリウレタンフォームは、撥水性に優れるため、洗濯した際の吸水性に乏しい。ポリウレタンフォームについて、洗濯した際の吸水性を確保しつつ、脱水性及び乾燥性を向上する技術が求められている。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、洗濯した際の吸水性、脱水性、及び乾燥性が良く、洗濯性が良好なポリウレタンフォームを提供することを目的とする。本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
ポリオール、ポリエーテル変性ポリシロキサン、及びイソシアネートを含む組成物から得られるポリウレタンフォームであって、
前記ポリオールとして、ポリエーテルポリオールが少なくとも含まれ、
前記組成物は、前記ポリオール100質量部に対してポリエーテル変性ポリシロキサンを0質量部より多く、20質量部以下含む、ポリウレタンフォーム。
本開示によれば、洗濯した際の吸水性、脱水性、及び乾燥性が良く、洗濯性が良好なポリウレタンフォームを提供できる。
ここで、本開示の望ましい例を示す。
・ポリウレタンフォームを備える物品であって、寝具、枕、マットレス、座布団、座椅子用パッド、洗浄用スポンジ、衣料用パッド、ブラジャー用パッド、車両用座席のパッド、クッション、ソファ、敷物、及びカバーから選択される物品。
以下、本開示を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「-」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10-20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10-20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
1.ポリウレタンフォーム
ポリウレタンフォームは、ポリオール、ポリエーテル変性ポリシロキサン、及びイソシアネートを含む組成物から得られる。ポリオールとして、ポリエーテルポリオールが少なくとも含まれる。組成物は、ポリオール100質量部に対してポリエーテル変性ポリシロキサンを0質量部より多く、10質量部以下含む。
(1)ポリオール
ポリオールは、ポリエーテルポリオールを少なくとも含む。ポリエーテルポリオールは特に限定されない。各種のポリエーテルポリオールは単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。ポリオールは、耐加水分解性の観点から、ポリオール全体に対してポリエーテルポリオールを50質量%以上含むことが好ましく、ポリエーテルポリオールのみを含むことがより好ましい。
ポリエーテルポリオールのエチレンオキサイド含有率(EO含有率)は、過度な吸水による膨潤を抑制する観点から、好ましくは0質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは4質量%以上11質量%以下である。EO含有率は、アルキレンオキサイド単位の全量を100質量%とした場合のエチレンオキサイド単位の含有率である。複数種類のポリエーテルポリオールを含む場合には、ポリエーテルポリオール全体におけるアルキレンオキサイド単位の全量を100質量%としてEO含有率を算出すればよい。
ポリエーテルポリオールの平均官能基数は、好ましくは2以上5以下であり、より好ましくは2以上4以下である。ポリエーテルポリオールの平均官能基数が2以上であれば、反応が生じやすく、発泡性を向上して、得られるポリウレタンフォームの歪特性等を良好にできる。ポリエーテルポリオールの平均官能基数が上記の上限以下であれば、反応が適度に進行し、発泡後の収縮が生じ易く、良好なポリウレタンフォームが得られる。ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、好ましくは1000以上10000以下であり、より好ましくは2000以上7000以下である。ポリエーテルポリオールの水酸基価は、好ましくは20mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であり、より好ましくは25mgKOH/g以上80mgKOH/g以下である。
(2)ポリエーテル変性ポリシロキサン
ポリエーテル変性ポリシロキサンは、ポリシロキサンの側鎖の一部および/または、両末端、片末端にポリエーテル基が結合した構造である。ポリシロキサンは、ケイ素原子数が2以上10以下の鎖状のメチルシロキサン重合体であることが好ましい。ポリエーテル基は、アルキレンオキサイド成分で構成されることが好ましい。アルキレンオキサイドは、メチレンオキサイド、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、及びブチレンオキサイドから選ばれる1種以上であることが好ましい。これらの中でも、ポリエーテル基はエチレンオキサイド成分で構成されることがより好ましい。ポリエーテル変性ポリシロキサンは、末端に水酸基を有しないことが好ましい。ポリエーテル変性ポリシロキサンは、界面活性剤の1種であり、ポリウレタンフォーム表面の表面張力を低減する作用を奏する親水性界面活性剤(親水化剤)として用いることができる。
ポリエーテル変性ポリシロキサンとしては、下記式で表されるポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)、a-メチル-w-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]を好適に用いることができる。下記式中、nは1-10の整数であり、1-5の整数であることが好ましく、1-3の整数であることがより好ましい。
Figure 2023130692000001

〔式中 nは1-10の整数である。〕
ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)、a-メチル-w-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]は、エボニック社より、「Ortegol HPH2」の商品名で販売されているポリエーテル変性ポリシロキサンである。以下、「Ortegol HPH2」を単にHPH2とも称する。HPH2の2011年10月12日付け材料仕様書によると、HPH2におけるポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)、a-メチル-w-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]の含有量は75%より多く、ジシロキサン、ヘキサメチルの含有量は0.1%未満である。HPH2は、TAGCC法の測定によると、200F(93.33℃)より高い引火点を有する。HPH2は、黄色または茶系色をした、クラスIIIBの可燃性液体である。HPH2は水溶性である。HPH2は、濃度40g/L水、温度20℃にて4.5-6.8のpHを有する。また、HPH2の体積当たりの質量は8.41lb/gal(1.00774g/cc)である。HPH2は、温度25℃にて11-24mPa・sの動的粘度を有している。なお、上記の2011年10月12日付け材料仕様書の全内容を、参考文献として援用する。
ポリエーテル変性ポリシロキサンの含有量は、吸水性、脱水性、及び乾燥性を向上する観点から、ポリオール100質量部に対して0質量部より多く、好ましくは1.0質量部以上であり、より好ましくは2.0質量部以上である。ポリエーテル変性ポリシロキサンの含有量は、ポリウレタンフォームの機械的特性等の観点から、20.0質量部以下であり、好ましくは10.0質量部以下であり、より好ましくは8.0質量部以下である。これらの観点から、ポリエーテル変性ポリシロキサンの含有量は、0質量部より多く、20.0質量部以下であり、好ましくは1.0質量部以上10.0質量部以下であり、より好ましくは2.0質量部以上8.0質量部以下である。
(3)発泡剤(任意成分)
発泡剤は任意成分である。発泡剤としては、水、炭化水素、ハロゲン系化合物等を挙げることができ、これらの中から1種類でもよく、又2種類以上でもよい。前記炭化水素としては、シクロペンタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等を挙げることができる。又、前記ハロゲン系化合物としては、塩化メチレン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ノナフルオロブチルメチルエーテル、ノナフルオロブチルエチルエーテル、ペンタフルオロエチルメチルエーテル、ヘプタフルオロイソプロピルメチルエーテル等を挙げることができる。これらの中でも発泡剤として水が特に好適である。発泡剤の量は、ポリオール100質量部に対して2.0質量部以上8.0質量部以下が好ましい。
(4)触媒(任意成分)
触媒は任意成分である。触媒としては、ポリオールとイソシアネートのウレタン化反応を促進するものであり、ポリウレタンフォーム用として用いられるアミン触媒、金属触媒を挙げることができる。
アミン触媒としては、具体的には、N,N-ジメチルアミノヘキサノール、トリエチレンジアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルアミノエタノール、N,N´,N´-トリメチルアミノエチルピペラジン等が用いられる。アミン触媒の量は、ポリオール100質量部に対して0.1質量部以上3.0質量部以下が好ましい。
金属触媒としては、スタスオクトエートやジブチルチンジラウレート等のスズ触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等を挙げることができる。金属触媒の量は、ポリオール100質量部に対して0.1質量部以上3.0質量部以下が好ましい。
(5)その他の成分(任意成分)
その他の成分としては、整泡剤、架橋剤、難燃剤、着色剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。整泡剤としては、ポリウレタンフォームに用いられるものであればよく、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤および公知の界面活性剤を挙げることができる。整泡剤の量は、ポリオール100質量部に対して0.4質量部以上4.0質量部以下が好ましい。シリコーン系整泡剤を用いる場合には、ポリウレタンフォームの親水性を確保する面から、ポリオール100質量部に対して1.2質量部以下が好ましい。
(6)イソシアネート
イソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有する化合物であれば、特に限定されるものではなく、ポリウレタンフォーム用のものが使用可能である。イソシアネートは、単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。イソシアネートとしては、芳香族系、脂肪族系、脂環族系のイソシアネート化合物、及びこれらの変性物を挙げることができる。
芳香族系イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、p-フェニレンジイソシアネート(PPDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシレンジイソジアネート(TMXDI)、トリジンイソシアネート(TODI)等が挙げられる。脂肪族系イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、リジントリイソシアネート(LTI)等が挙げられる。脂環族系イソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、水添化XDI(H6XDI)、水添化MDI(H12MDI)等が挙げられる。変性イソシアネート化合物としては、イソシアネート化合物のウレタン変性体、2量体、3量体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビュレット変性体、ウレア変性体、イソシアヌレート変性体、オキサゾリドン変性体、イソシアネート
基末端プレポリマー等が挙げられる。
イソシアネートとしては、芳香族系イソシアネート化合物を用いることが好ましい。芳香族系イソシアネート化合物の中でも、発泡性を考慮して、トルエンジイソシアネート(TDI)を用いることがより好ましい。トルエンジイソシアネート(TDI)としては、2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-TDI)、又は2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-TDI)と2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-TDI)との混合物が挙げられる。2,4-TDIと2,6-TDIとの混合物の混合比(2,4-TDI/2,6-TDI、質量比)は、好ましくは50/50-90/10であり、より好ましくは70/30-85/15である。
イソシアネートインデックス(INDEX)は、85-120が好ましい。イソシアネートインデックスは、イソシアネートにおけるイソシアネート基のモル数をポリオールの水酸基などの活性水素基の合計モル数で割った値に100を掛けた値であり、[イソシアネートのNCO当量/活性水素当量×100]で計算される。
ポリウレタンフォームの親水性は、イソシアネートインデックスが小さい程、すなわちTDIの含有量が少ない程、向上すると推測される。イソシアネートインデックスが110以下であれば、ポリウレタンフォームを親水化して、洗濯性向上に寄与できる。
2.ポリウレタンフォームの製造方法
ポリウレタンフォームは、ポリオール、ポリエーテル変性ポリシロキサン、発泡剤(任意成分)、触媒(任意成分)、及びイソシアネートを含む組成物(ポリウレタンフォーム原料)から得られる。例えば、ポリウレタンフォーム原料を攪拌混合して反応・発泡させることによって、ポリウレタンフォームを製造できる。発泡方法は、公知のスラブ発泡が好ましい。スラブ発泡は、混合したポリウレタンフォーム組成物をベルトコンベア上に吐出し、大気圧下、常温で発泡させる方法である。なお、ポリウレタンフォームは、例えば、裁断等により寝具の種類に応じた形状、寸法等とされる。ポリウレタンフォームがマットレス、敷ふとん等のヒトが横たわるための寝具である場合には所定厚みの板状体等とされる。また、枕用クッション等の寝具の場合には、所定の枕形状とされる。ポリウレタンフォームの表面、例えば、使用状態においてヒトに面する側の面に、プロファイル加工等を施して所定の凹凸形状を付与してもよい。
3.ポリウレタンフォームの物性
ポリウレタンフォームの物性は、用途等に応じて適宜設定できる。ポリウレタンフォームは、軟質ポリウレタンフォームであることが好ましい。
ポリウレタンフォームは、以下の物性を備えることが好ましい。
(1)密度(見かけ密度)
密度(JIS K7222)は、好ましく25kg/m以上であり、より好ましくは30kg/m以上である。密度の上限は特に限定されず、例えば、100kg/m以下であり、80kg/m以下、60kg/m以下、50kg/m以下、40kg/m以下とすることができる。密度は、例えば25kg/m以上100kg/m以下とすることができ、上記の上限と下限を適宜組み合わせた範囲とすることができる。
(2)硬さ(25%硬さ)
硬さ(JIS K6400-2 D法)は、10N-600Nが好ましく、20N-400Nがより好ましく、50N-200Nが更に好ましい。
(3)反発弾性
反発弾性(JIS K6400-3)は、5%-80%が好ましい。高反発性のウレタンフォームとしては、反発弾性が30%以上70%以下が好ましく、50%以上70%以下がより好ましい。高反発性のウレタンフォームは、例えば寝具として用いた場合の寝返り性、起き上がり性が良好である。低反発性のウレタンフォームとしては、反発弾性が15%未満が好ましい。低反発性のウレタンフォームは、例えば寝具として用いた場合の体圧分散性が良好である。反発弾性が15%以上30%未満である場合には、例えば寝具として用いた場合の体圧分散性や、寝返り性、起き上がり性等のバランスが良い。
(4)引張強さ、伸び、引裂強さ
引張強さ(JIS K6400-5)は、30kPa以上が好ましく、50kPa以上がより好ましい、80kPa以上がさらに好ましい。引張強さの上限は特に限定されず、例えば、200kPa以下であってもよい。
伸び(JIS K6400-5)は、50%-500%が好ましく、80%以上、100%以上、150%以上であってもよい。
引裂強さ(JIS K6400-5)は、2N/cm以上が好ましく、4N/cm以上がより好ましい。引裂強さの上限は特に限定されず、例えば、10N/cm以下であってもよい。
(5)繰返し圧縮残留ひずみ(JIS K6400-4 B法)は、15%以下であることが好ましく、10%以下、8%以下、5%以下、3%以下であってもよい。
(6)圧縮残留ひずみ(JIS K6400-4 A法、乾熱歪)は、20%以下であることが好ましく、15%以下、10%以下、8%以下、5%以下、3%以下であってもよい。
なお、圧縮残留ひずみは、JIS K6400-4 A法に準じて、サンプルを50%の厚みに圧縮した状態で70℃の乾燥炉に48時間放置した後、圧縮を解除して厚みを測定し、圧縮前の厚みに対する変形量(%)として算出した。
(7)通気量
通気量(JIS K6400-7 A法)は、50L/min以上であることが好ましく、70L/min以上であることがより好ましく、90L/min以上であることが更に好ましい。通気量の上限は特に限定されず、例えば、300L/min以下であってもよい。
(8)セル数
セル数(JIS K6400-1)は、10-100(個/25mm)が好ましく、20-80(個/25mm)がより好ましく、30-60(個/25mm)がさらに好ましい。なお、セル数が所定の値以上であることは、セルが細かく、ポリウレタンフォームをなでるように触った際の手触りが良好であることの一つの指標となる。
(9)脱水性
ポリウレタンフォームは、以下の洗濯試験法による脱水率が40%以上であることが好ましく、42%以上であることがより好ましく、45%以上であることが更に好ましく、50%以上であることが更に好ましく、60%以上であることが更に好ましい。脱水率が高いことは、洗濯時の脱水性に優れることの一つの指標となる。
<洗濯試験法>
[1]ポリウレタンフォームから200mm×200mm×30mmのサンプルを切り出し、質量を測定する。この質量を脱水前質量Agとする。
[2]洗濯ネットにサンプルを入れる。
[3]水を張った容器に洗濯ネット入りのサンプルを浸漬し、手で揉み込んでサンプルに水を含ませる。
[4]水を含んだ洗濯ネット入りのサンプルを、洗濯機(パナソニック社製、NA-FS60H7)に入れ、脱水のみコースにて脱水を行う。
[5]脱水完了後、サンプルの質量を測定する。この質量を脱水後質量Bgとする。
[6]下記式に基づき脱水率(%)を算出する。
脱水率 = (A/B)×100
4.ポリウレタンフォームの作用効果及び用途
本実施形態のポリウレタンフォームは、洗濯性に優れる。例えば、本実施形態とは異なり、疎水性のポリウレタンフォーム(例えば撥水性に優れるポリウレタンフォーム)では、洗濯後に水を切ることが容易であったとしても、洗濯時に内部まで水が十分に染み込まず、汚れを十分に除去できない。他方、本実施形態のポリウレタンフォームは、ポリエーテル変性ポリシロキサンを含むから、ポリウレタンフォームの表面に親水性が付与され、洗濯時に内部まで水が染み込んで内部の汚れを除去することができる。さらに、本実施形態のポリウレタンフォームは、脱水性が高いから、脱水時には水を十分に切ることができる。さらに、本実施形態のポリウレタンフォームは、乾燥性に優れるから、ポリウレタンフォームを乾かしやすい。このため、洗濯可能なポリウレタンフォーム(洗えるポリウレタンフォーム)として、各種の用途に好適である。特に、汚れやすく洗濯することが望まれる用途や、アウトドアファニチャーと呼ばれる屋外用家具等の屋外で使用し濡れる可能性がある用途において、本開示の技術が有用である。具体的には、本実施形態のポリウレタンフォームを備える物品としては、寝具、枕、マットレス、座布団、座椅子用パッド、洗浄用スポンジ、衣料用パッド、ブラジャー用パッド、車両用座席のパッド、クッション、ソファ、敷物、及びカバーから選択される物品が挙げられる。本実施形態のポリウレタンフォームが板状体である場合には、板状体をロール状に巻いた状態又は折りたたんだ状態において、回転式脱水槽に入れて脱水可能であるとよい。
本実施形態のポリウレタンフォームが乾燥性に優れる推定メカニズムは明らかでないが、次のようにして確認できる。但し、本開示は、このメカニズムによって何ら限定解釈されるものではない。
本実施形態のポリウレタンフォームは、ポリエーテル変性ポリシロキサンを含み、ポリウレタンフォームの表面に親水性が付与されている。以下、本実施形態のポリウレタンフォームを親水性ポリウレタンフォームと称し、ポリエーテル変性ポリシロキサンを含まず、親水性ポリウレタンフォームに比して撥水性に優れているポリウレタンフォームを疎水性ポリウレタンフォームと称する。
まず、動的表面張力に関するメカニズムについて説明する。親水性ポリウレタンフォームは、表面張力が小さく、水が表面に濡れ広がりやすい。よって、表面の水が空気と接している面積が大きくなり、乾燥(蒸発)しやすいと考えられる。
他方、疎水性ポリウレタンフォームは、表面張力が大きく、水が表面に濡れ広がりにくい。よって、表面の水が空気と接している面積が小さくなり、乾燥(蒸発)しにくいと考えられる。
動的表面張力に関するメカニズムは、例えば、以下の実験によって証明できると考えられる。なお、本開示は、以下の実験(蒸発挙動確認試験1、蒸発挙動確認試験2等)の内容に何ら限定されない。
[蒸発挙動確認試験1]
親水性ポリウレタンフォーム及び疎水性ポリウレタンフォームにおける表面の水の蒸発のしやすさについて、例えば、100gの水を使って次のように模式的に立証できる。
親水性ポリウレタンフォームの場合には、100gの水を同一形状で同一素材の10個の容器に、それぞれ10gずつ分けて入れる。このように水を分けて入れるのは、水が表面に濡れ広がった状態を模式的に再現するためである。他方、疎水性ポリウレタンフォームの場合には、前記容器と同一の1個の容器に、100gを全て入れる。このように1個の容器に水を全て入れるのは、水が表面に広がらない状態を模式的に再現するためである。
その後、各容器を加熱し、水100gが完全に蒸発する時間を測定する。すると、親水性ポリウレタンフォームの場合の方が、10個の容器を用いており、水が空気と接触している面積が10倍多いから、蒸発が早くなる。
[蒸発挙動確認試験2]
2枚のガラス板の上に、一方はティッシュペーパーを敷き、他方は何も載せない状態で同量の水を滴下する。一方のガラス板は、ティッシュペーパーにより親水性が高められており、親水性ポリウレタンフォームを模式的に再現している。他方のガラス板は、親水性が高められておらず、疎水性ポリウレタンフォームを模式的に再現している。
各ガラス板を、加熱したオーブンに投入する。その後、蒸発した水分量を測定する。
蒸発挙動確認試験2によれば、ガラス板の上にティッシュペーパーを敷いた方が水の蒸発量が多いことが確認される。この試験より、動的表面張力及び後述するマランゴニ効果によって、親水性ポリウレタンフォームの方が、疎水性ポリウレタンフォームよりも乾燥性に優れることが分かる。
次に、局所的な表面張力の違い(マランゴニ効果)に関する推定メカニズムについて説明する。親水性ポリウレタンフォームに付着した水滴は、疎水性ポリウレタンフォームに付着した水滴よりも空気と接している面積が大きいため、水滴の表層から水が蒸発し易い。親水性ポリウレタンフォームに付着した水滴は、表層からの蒸発に起因して局所的な表面張力の違いを生じ、マランゴニ対流とも呼ばれる中心から外縁に向かう流れを生じ得る。このような作用により、親水性ポリウレタンフォームに付着した水滴の乾燥が促進される可能性がある。
ポリウレタンフォームの用途は特に限定されない。本実施形態のポリウレタンフォームは、上記のような特性を有するから、寝具として好適である。ポリウレタンフォームが寝具として用いられる場合には、寝具は、本実施形態のポリウレタンフォームのみを備えることが好ましい。そのような形態としては、1種の本実施形態のポリウレタンフォームによって寝具全体が構成されていてもよく、物性等が異なる2種以上の本実施形態のポリウレタンフォームによって寝具が構成されていてもよい。
1.ポリウレタンフォームの製造
表1の割合で配合した組成物を調製し、スラブ発泡により、実施例及び比較例のポリウレタンフォームを製造した。
各原料の詳細は以下の通りである。
・ポリオール:ポリエーテルポリオール、官能基数3、分子量3000、水酸基価56mgKOH/g、エチレンオキサイド含有率8%
・水(発泡剤)
・アミン触媒1::N,N-ジメチルアミノヘキサノール(6-ジメチルアミノ-1-ヘキサノール)、カオーライザーNo.25、花王(株)製
・アミン触媒2:トリエチレンジアミン、33LSI、エボニック社製
・整泡剤:オクタメチルシクロテトラシロキサン、SZ-1136、東レダウコーニング製
・ポリエーテル変性ポリシロキサン:ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)、a-メチル-w-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]、Ortegol HPH2、エボニック社製
・スズ触媒:オクチル酸第一スズ、MRH-110、城北化学工業(株)製
・イソシアネート1:2,4トリレンジイソシアネート/2,6トリレンジイソシアネートが80/20の混合物
・イソシアネート2:2,4トリレンジイソシアネート/2,6トリレンジイソシアネートが65/35の混合物
Figure 2023130692000002
2.評価
得られた実施例及び比較例のポリウレタンフォームについて、実施形態に記載の方法によって、密度(JIS K7222)、硬さ(25%硬さ、JIS K6400-2 D法)、反発弾性(JIS K6400-3)、引張強さ、伸び、引裂強さ(共に、JIS K6400-5)、繰返し圧縮残留ひずみ(JIS K6400-4 B法)、圧縮残留ひずみ(JIS K6400-4 A法)、通気量(JIS K6400-7 A法)、セル数(JIS K6400-1)を測定した。
また、得られた実施例及び比較例のポリウレタンフォームについて、実施形態に記載の方法によって、脱水性を算出した。ポリウレタンフォームの洗濯性について、以下の基準で総合的に評価した。
良 :脱水性が50%以上であり、親水性のポリウレタンフォームである。
不良:脱水性が50%未満である、又は疎水性のポリウレタンフォームである。
3.結果
結果を表1に併記する。
比較例1-3は、ポリエーテル変性ポリシロキサンを含まない組成物から得られたポリウレタンフォームの結果を示す。比較例1-3は、洗濯性が不良であった。
実施例1は、ポリオールとしてポリエーテルポリオールが含まれ、ポリエーテル変性ポリシロキサンを所定量含む組成物から得られたポリウレタンフォームの結果を示す。実施例1は、比較例1-3よりも脱水性が良かった。実施例1は、洗濯性が良好であった。
また、上記の実施例及び比較例から、以下の発明も把握できる。以下の発明の特定事項についての説明は、上記の各説明を適宜援用する。
上記の洗濯試験法による脱水率が46%以上である、ポリウレタンフォーム。
以上の実施例によれば、洗濯性が良好であるポリウレタンフォームが提供される。
本開示は上記で詳述した実施例に限定されず、本開示の範囲で様々な変形又は変更が可能である。

Claims (2)

  1. ポリオール、ポリエーテル変性ポリシロキサン、及びイソシアネートを含む組成物から得られるポリウレタンフォームであって、
    前記ポリオールとして、ポリエーテルポリオールが少なくとも含まれ、
    前記組成物は、前記ポリオール100質量部に対してポリエーテル変性ポリシロキサンを0質量部より多く、20質量部以下含む、ポリウレタンフォーム。
  2. 請求項1に記載のポリウレタンフォームを備える物品であって、寝具、枕、マットレス、座布団、座椅子用パッド、洗浄用スポンジ、衣料用パッド、ブラジャー用パッド、車両用座席のパッド、クッション、ソファ、敷物、及びカバーから選択される物品。
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