JP2023128852A - ニップ形成ユニット及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】無端フィルムがいびつな形状になるのを抑制する。【解決手段】可撓性の無端フィルム(定着フィルム20)と、無端フィルムを加熱する熱源(ヒータ22)と、無端フィルムの内周面に接触可能に設けられたニップ形成部材(ヒータ22)と、無端フィルムを介してニップ形成部材と圧接してニップを形成すると共に、回転駆動することによって無端フィルムを従動回転させる加圧部材(加圧ローラ21)と、加圧部材の温度を検知する検知手段と、検知手段で検知した加圧部材の温度に基づいて加圧部材の回転駆動を制御する制御手段とを有し、被搬送体(用紙P)がニップを通過して搬送されるニップ形成ユニットにおいて、制御手段が、加圧部材を搬送方向に回転駆動して被搬送体を搬送した後、加圧部材の回転を停止すると共に、ニップ形成ユニットのジョブ終了時における加圧部材の温度が所定温度以上のとき、加圧部材を搬送方向とは逆方向に所定時間回転した後に加圧部材の回転を停止することを特徴とする。【選択図】図9A

Description

本発明は、ニップ形成ユニットと、当該ニップ形成ユニットを備えた画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ等の画像形成装置において、用紙等の記録媒体に形成された画像を定着する定着装置として、定着ローラと加圧ローラを使用した定着装置が知られている(例えば、特許文献1:特開2008-281595号公報)。
特許文献1に開示された定着装置は、定着ローラに近接配置した分離部材(図2の分離板204)で定着ローラから用紙を分離する。このような分離部材を使用する場合、定着ローラと分離部材との間隔が狭過ぎると、分離部材が定着ローラに接触してベルトに傷が付きやすくなり、これが異常画像発生の原因になる。
逆に定着ローラと分離部材との間隔が広過ぎると、この広い間隔を用紙が通過して定着ローラに巻付き、用紙ジャムが発生しやすくなる(分離性の余裕度低下)。したがって、分離部材を定着ローラに接触しない範囲で、できるだけ定着ローラに近付ける必要がある。
一方、オンデマンド化のため特許文献2(特開2009-288587号公報)のように定着ローラに代えて薄肉で低熱容量の定着フィルムを使用した所謂サーフ定着方式では、定着フィルムの内側に加圧ローラに対向配置した低熱容量の支持ステーや面状ヒータによって、定着フィルムをテンションレスで支持する。そして加圧ローラの回転によって定着フィルムを従動回転する。
定着フィルムには耐熱樹脂(主にポリイミド)を使用することが多い。ポリイミドを使用した定着フィルムは、高温(100℃以上)になると柔軟に変形するので定着ニップで変形してもすぐに元の円筒形状に戻る。しかし、定着フィルムを定着ニップで加圧したまま長時間放置すると、定着フィルムがニップ形状になじんでしまい、通常は円筒形状の定着フィルムがいびつな形状(フラットスポット)になってしまう場合がある。
そうすると、定着装置を長時間放置後に再起動する場合、定着装置が十分温まっていないため、定着フィルムが分離部材に接触して定着フィルムが傷付いたり、分離性能がばらついたりすることがあった。また、定着フィルムと加圧ローラの接触異常による回転ムラや異音が発生したり、トナーの定着状態にむらが発生したりすることがあった。
そこで本発明の目的は、ニップ形成ユニットの無端フィルムがいびつな形状になるのを抑制することにある。
前記課題を解決するため、本発明のニップ形成ユニットは、回転可能な可撓性の無端フィルムと、当該無端フィルムを加熱する熱源と、前記無端フィルムの内周面に接触可能に設けられたニップ形成部材と、前記無端フィルムを介して前記ニップ形成部材と圧接してニップを形成すると共に、回転駆動することによって前記無端フィルムを従動回転させる加圧部材と、前記加圧部材の温度を検知する検知手段と、前記検知手段で検知した前記加圧部材の温度に基づいて前記加圧部材の回転駆動を制御する制御手段とを有し、被搬送体が前記ニップを通過して搬送されるニップ形成ユニットにおいて、前記制御手段が、前記加圧部材を搬送方向に回転駆動して前記被搬送体を搬送した後、前記加圧部材の回転を停止すると共に、前記ニップ形成ユニットのジョブ終了時における前記加圧部材の温度が所定温度以上のとき、前記加圧部材を前記搬送方向とは逆方向に所定時間回転駆動した後に前記加圧部材の回転を停止することを特徴とする。
本発明によれば、無端フィルムがいびつな形状になるのを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 定着装置の概略構成図である。 ヒータ、ヒータホルダ及びガイド部の斜視図である。 ヒータの平面図である。 ヒータへの電力供給回路を示す図である。 ヒータの制御動作を示すフローチャートである。 分離部材を備えた定着装置の断面図である。 分離部材を備えた定着装置の断面図である。 定着フィルムのいびつ形状を示す断面図である。 定着フィルムが分離部材に接触する状態を示す断面図である。 定着フィルムのいびつ形状を抑制する方法を示す断面図である。 定着フィルムを逆転停止していびつ形状を抑制する方法を示す断面図である。 定着フィルムを間欠逆転停止していびつ形状を抑制する方法を示す断面図である。 定着フィルムを順転停止した場合に分離部材と接触する状態を示す断面図である。 定着フィルムの回転制御方法を示すフローチャートである。 グラフェンの原子結晶構造を示す図である。 グラファイトの原子結晶構造を示す図である。 サーミスタの配置の変形例を示す定着装置の側面断面図である。 上記と異なる定着装置の概略構成を示す側面断面図である。 上記と異なる定着装置の概略構成を示す側面断面図である。 上記と異なる定着装置の概略構成を示す側面断面図である。 図1と異なる画像形成装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置の概略構成を示す側面断面図である。 図18の定着装置におけるヒータの平面図である。 ヒータおよびヒータホルダの斜視図である。 ヒータに対するコネクタの取付状態を示す斜視図である。 サーミスタとサーモスタットの配置を示す図である。 フランジの溝部を示す図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
(●画像形成装置)
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置(マシン)の概略構成図である。図1に示す画像形成装置100は、画像形成装置本体に対して着脱可能な4つの作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkを備える。
各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。具体的には、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電する帯電装置3と、感光体2の表面に現像剤としてのトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするクリーニング装置5とを備える。
また、画像形成装置100は、各感光体2の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置6と、被搬送体ないし記録媒体としての用紙Pを供給する給紙装置7と、各感光体2に形成されたトナー画像を用紙Pに転写する転写装置8と、用紙Pに転写されたトナー画像を定着するニップ形成ユニットとしての定着装置9と、用紙Pを装置外に排出する排紙装置10とを備える。記録媒体としては、用紙P(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔等が含まれる。
転写装置8は、複数のローラによって張架された中間転写体としての無端状の中間転写ベルト11と、各感光体2上のトナー画像を中間転写ベルト11へ転写する一次転写部材としての4つの一次転写ローラ12と、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像を用紙Pへ転写する二次転写部材としての二次転写ローラ13とを有する。複数の一次転写ローラ12は、それぞれ、中間転写ベルト11を介して感光体2に接触している。
これにより、中間転写ベルト11と各感光体2とが互いに接触し、これらの間に一次転写ニップが形成されている。一方、二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11を介して中間転写ベルト11を張架するローラの1つに接触している。これにより、二次転写ローラ13と中間転写ベルト11との間には二次転写ニップが形成されている。
また、画像形成装置100内には、給紙装置7から送り出された用紙Pが搬送される用紙搬送路14が形成されている。この用紙搬送路14における給紙装置7から二次転写ニップ(二次転写ローラ13)に至るまでの途中には、一対のタイミングローラ15が設けられている。
次に、図1を参照して前記画像形成装置の印刷動作について説明する。
印刷動作開始の指示があると、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkにおいては、感光体2が図1の時計回りに回転駆動され、帯電装置3によって感光体2の表面が均一な高電位に帯電される。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント情報に基づいて、露光装置6が各感光体2の表面を露光することで、露光された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4からトナーが供給され、各感光体2上にトナー画像が形成される。
各感光体2上に形成されたトナー画像は、各感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、図1の反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト11に順次重なり合うように転写される。そして、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、二次転写ニップにおいて搬送されてきた用紙Pに転写される。
この用紙Pは、給紙装置7から供給されたものである。給紙装置7から供給された用紙Pは、タイミングローラ15によって一旦停止された後、中間転写ベルト11上のトナー画像が二次転写ニップに至るタイミングに合わせて二次転写ニップへ搬送される。かくして、用紙P上にフルカラーのトナー画像が担持される。また、トナー画像が転写された後、各感光体2上に残留するトナーは各クリーニング装置5によって除去される。
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置9へと搬送され、定着装置9によって用紙Pにトナー画像が定着される。その後、用紙Pは排紙装置10によって装置外に排出されて、一連の印刷動作が完了する。
(●定着装置)
続いて、ニップ形成ユニットとしての定着装置の実施形態について説明する。図2に示すように、本実施形態に係る定着装置9は、無端フィルムとしての定着フィルム20と、当該定着フィルム20の外周面に接触して定着ニップNを形成する加圧部材としての加圧ローラ21と、定着フィルム20を加熱する熱源としての面状のヒータ22と、ヒータ22を保持する保持部材としてのヒータホルダ23と、ヒータホルダ23を支持する支持部材としてのステー24と、定着フィルム20の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ25等を備えている。ヒータ22はニップ形成部材としての機能を兼ねる。
なお、後述する図7A~図7Cの分離部材310は、図2では図示省略している。当該分離部材310は、図2の定着ニップNの下流側において、図7A~図7Cと同様に配設可能である。
定着フィルム20は、例えば外径が25mmで厚みが40~120μmのポリイミド(PI)製の筒状基体を有している。定着フィルム20の最表層には、耐久性を高めて離型性を確保するために、PFAやPTFE等のフッ素系樹脂による厚みが5~50μmの離型層が形成される。
基体と離型層の間に厚さ50~500μmのゴム等からなる弾性層を設けてもよい。また、定着フィルム20の基体はポリイミドに限らず、PEEKなどの耐熱性樹脂やニッケル(Ni)、SUSなどの金属基体であってもよい。定着フィルム20の内周面に摺動層としてポリイミドやPTFEなどをコートしてもよい。
また、定着フィルム20は基材と、表層と、接着層で弾性層なしで構成することもできる。弾性層がないとフィルム全体の剛性が低くなり、停止時に後述するように変形くせがつきやすい。しかしながら、本実施形態ではフィルム表面の変動に対して後述する分離部材310が追従して揺動するので、用紙分離性を安定させることができる。
加圧ローラ21は、例えば外径が25mmであり、中実の鉄製芯金21aと、この芯金21aの表面に形成された弾性層21bと、弾性層21bの外側に形成された離型層21cとで構成されている。弾性層21bはシリコーンゴムで形成されており、厚みは例えば3.5mmである。弾性層21bの表面は離型性を高めるために、厚みが例えば40μm程度のフッ素樹脂層による離型層21cを形成するのが望ましい。
なお、定着フィルム20のフィルム径を加圧ローラ21の径よりも大きくすることにより、ヒータ22幅を広くできるため高生産機に対応できる。また、フィルム径が大きいとニップ幅に対する定着フィルム20全体の変形が小さくなるので、変形くせを抑制して用紙分離性を安定化することもできる。
但し、ヒータ22幅を広くし過ぎると変形くせも大きくなる。したがって、ヒータ22幅は適度の大きさにするのがよい。
加圧ローラ21が付勢手段によって定着フィルム20側へ付勢されることで、加圧ローラ21は定着フィルム20を介してヒータ22に圧接される。これにより、定着フィルム20と加圧ローラ21との間に定着ニップNが形成される。また、加圧ローラ21は駆動手段によって回転駆動されるように構成されており、加圧ローラ21が図2の矢印方向に回転すると、これに伴って定着フィルム20が従動回転する。
定着フィルム20が従動回転するため、定着フィルム20の径(フィルム径)は、ヒータ22やヒータホルダ23などの内側部材よりも大きさに余裕がある構成にする必要がある。フィルム径を大きくするとその分だけ定着フィルム20の軌道変動が大きくなるが、本実施形態では後述するように軌道変動の大きさを抑制することができるので、分離部材310の用紙分離性を安定させることができる。
ヒータ22は、定着フィルム20の幅方向に渡って長手状に設けられた面状の加熱部材であり、板状の基材30と、基材30上に設けられた抵抗発熱体31と、抵抗発熱体31を被覆する絶縁層32等で構成されている。また、ヒータ22は、絶縁層32側で定着フィルム20の内周面に対して接触しており、抵抗発熱体31から発された熱は、絶縁層32を介して定着フィルム20へと伝達される。
ヒータ22とヒータホルダ23との間に、高熱伝導部材を配設することができる。この高熱伝導部材の一方の面はヒータ22の裏面に当接され、他方の面はヒータホルダ23に当接される。
当該高熱伝導部材によって、ヒータ22の均熱性を向上し画像品位を高めることができる。高熱伝導部材は、図11、図12で後述するグラフェンや、グラファイトなど、ヒータ22の基材30よりも熱伝導率のよい材料で構成することができる。
本実施形態では、抵抗発熱体31や絶縁層32が基材30の定着フィルム20側(定着ニップN側)に設けられているが、反対に、抵抗発熱体31や絶縁層32を基材30のヒータホルダ23側に設けてもよい。その場合、抵抗発熱体31の熱が基材30を介して定着フィルム20に伝達されることになるため、基材30は窒化アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料で構成されることが望ましい。また、基材30を熱伝導率の良い材料で構成することで、抵抗発熱体31を基材30の定着フィルム20側とは反対側に配置しても、定着フィルム20を十分に加熱することが可能である。
ヒータホルダ23及びステー24は、定着フィルム20の内周側に配置されている。ステー24は、金属製のチャンネル材で構成され、その両端部分が定着装置9の両側板部に支持されている。ステー24によってヒータホルダ23及びこれに保持されるヒータ22が支持されていることで、加圧ローラ21が定着フィルム20に加圧された状態で、ヒータ22が加圧ローラ21の押圧力を確実に受けとめて定着ニップNを安定的に形成する。
ヒータホルダ23は、ヒータ22の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料で形成されることが望ましい。例えば、ヒータホルダ23をLCPなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂で形成した場合は、ヒータ22からヒータホルダ23への伝熱が抑制され効率的に定着フィルム20を加熱することができる。
また、ヒータ22に対するヒータホルダ23の接触面積を少なくし、ヒータ22からヒータホルダ23へ伝わる熱量を低減するため、ヒータホルダ23はヒータ22の基材30に対して突起部23aを介して接触している。さらに、本実施形態のように、ヒータホルダ23の突起部23aを、基材30の抵抗発熱体31が配置されている箇所の裏側以外、すなわち基材30の温度が高くなりやすい箇所を避けて接触させることで、ヒータホルダ23へ伝わる熱量をさらに低減して効率的に定着フィルム20を加熱できる。
また、ヒータホルダ23には、定着フィルム20をガイドするガイド部26が設けられている。ガイド部26は、ヒータ22のフィルム回転方向の上流側(図2におけるヒータ22の下側)と下流側(図2におけるヒータ22の上側)とにそれぞれ設けられている。
また、図3に示すように、上流側と下流側のガイド部26は、ヒータ22の長手方向(フィルム幅方向)に渡って間隔をあけて複数配置されている。各ガイド部26は、略扇型に形成されており、定着フィルム20の内周面に対向するようにフィルム周方向に延在する円弧状又は凸曲面状のフィルム対向面260を有する(図2参照)。また、図3に示すように、本実施形態においては、ヒータ22の長手方向両端部に配置されたガイド部26の幅Wが他のガイド部26よりも大きく形成されている以外、各ガイド部26の幅W、フィルム周方向の長さ(周長)L、高さEは同じに形成されている。
本実施形態に係る定着装置9において、印刷動作が開始されると、加圧ローラ21が回転駆動され、定着フィルム20が従動回転を開始する。このとき、定着フィルム20の内周面がガイド部26のフィルム対向面260に接触してガイドされることで、定着フィルム20は安定かつ円滑に回転する。
また、ヒータ22の抵抗発熱体31に電力が供給されることで、定着フィルム20が加熱される。そして、定着フィルム20の温度が所定の目標温度(定着温度)に到達した状態で、図2に示すように、未定着トナー画像が担持された用紙Pが、定着フィルム20と加圧ローラ21との間(定着ニップN)に搬送されることで、未定着トナー画像が加熱及び加圧されて用紙Pに定着される。
(●ヒータの構成)
図4は、本実施形態に係るヒータの平面図である。図4に示すように、本実施形態に係るヒータ22は、その長手方向(フィルム幅方向)に間隔をあけて配置された複数の抵抗発熱体31を有している。
言い換えれば、複数の抵抗発熱体31によって、フィルム幅方向に複数に分割された発熱部35が構成されている。当該発熱部35は、両端部を加熱する端部ヒータと中央部を加熱する中央ヒータの少なくとも3つ或いは4つ以上に分割することができる。
ヒータを分割して構成する場合、通紙方向のヒータ幅を広くする必要がある。そうすると定着ニップNの幅が広くなり、それに伴ってフィルムの変形くせが大きくなり、軌道変動も大きくなる。しかしながら、本実施形態では後述するように軌道変動の大きさを抑制することができるので、分割ヒータを問題なく採用することができる。
各抵抗発熱体31は、基材30の長手方向両端部に設けられた一対の電極部34に対して給電線33を介して電気的に並列に接続されている。給電線33は、抵抗発熱体31よりも抵抗値の小さい導体で構成されている。
互いに隣り合う抵抗発熱体31同士の隙間は、抵抗発熱体31間の絶縁性を確保する観点から、0.2mm以上が好ましく、0.4mm以上がさらに好ましい。また、互いに隣り合う抵抗発熱体31同士の隙間は、大き過ぎると、その隙間の部分で温度低下が生じやすくなるため、長手方向に渡る温度ムラを抑制する観点から、5mm以下が好ましく、1mm以下がさらに好ましい。
抵抗発熱体31は、PTC(正の温度抵抗係数)特性を有する材料で構成されており、温度が上昇すると抵抗値が上昇(ヒータ出力が低下)する特徴がある。この特徴により、例えば発熱部35の全体幅よりも幅の小さい用紙を通紙した場合、紙幅より外側の領域では用紙によって定着フィルム20の熱が奪われないため、その部分に相当する抵抗発熱体31の温度が上昇する。
抵抗発熱体31にかかる電圧は一定なので、紙幅より外側の抵抗発熱体31の温度が上昇し、その抵抗値が上昇すると、反対に出力(発熱量)が相対的に低下し、端部温度上昇が抑制される。また、複数の抵抗発熱体31が電気的に並列接続されていることで、印刷スピードを維持したまま非通紙部温度上昇を抑制することができる。
なお、発熱部35を構成する発熱体は、PTC特性を有する抵抗発熱体以外のものであってもよい。また、発熱体は、ヒータ22の短手方向に図4のように単列でもよいし、複数列に配置されていてもよい。
抵抗発熱体31は、例えば、銀パラジウム(AgPd)やガラス粉末などを調合したペーストをスクリーン印刷等により基材30に塗工し、その後、当該基材30を焼成することによって形成することができる。本実施形態では、抵抗発熱体31の抵抗値を常温で80Ωとしている。
抵抗発熱体31の材料は、前述したもの以外に、銀合金(AgPt)や酸化ルテニウム(RuO2)の抵抗材料を用いてもよい。給電線33や電極部34の材料は、銀(Ag)もしくは銀パラジウム(AgPd)をスクリーン印刷等で形成することができる。
基材30の材料としては、耐熱性及び絶縁性に優れるアルミナや窒化アルミニウムなどのセラミックや、ガラス、マイカなどの非金属材料が好ましい。本実施形態では、短手幅8mm、長手幅270mm、厚さ1.0mmのアルミナ基材を使用している。
他に、金属などの導電材料に絶縁性材料を積層したもので、基材30を構成してもよい。金属材料としては、アルミニウムやステンレスなどが低コストで好ましい。また、ヒータ22の均熱性を向上し画像品位を高めるために、基材30を銅、グラファイト、グラフェンなどの高熱伝導率の材料で構成してもよい。
絶縁層32は、例えば厚さ75μmの耐熱性ガラスで構成される。絶縁層32によって抵抗発熱体31と給電線33とを被覆し、これらを絶縁・保護すると共に、定着フィルム20との摺動性を維持する。
図5は、本実施形態に係るヒータへの電力供給回路を示す図である。
図5に示すように、本実施形態では、各抵抗発熱体31に電力を供給するため電力供給回路が、交流電源200とヒータ22の電極部34とを電気的に接続することで構成されている。また、電力供給回路には、供給電力量を制御するトライアック210が設けられている。
各抵抗発熱体31への供給電力量は、温度検知手段としてのサーミスタ25の検知温度に基づいて制御部220がトライアック210を介して制御する。制御部220は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース等を包含するマイクロコンピュータで構成される。
本実施形態では、温度検知手段としてのサーミスタ25が、最小通紙幅内であるヒータ22の長手方向中央領域と、ヒータ22の長手方向一端部側とに、それぞれ配置されている。さらに、ヒータ22の長手方向一端部側には、抵抗発熱体31の温度が所定温度以上となった場合に、抵抗発熱体31への電力供給を遮断する電力遮断手段としてのサーモスタット27が配置されている。サーミスタ25及びサーモスタット27は、基材30の裏面(抵抗発熱体31を配置した側とは反対側)に接触して抵抗発熱体31の温度を検知する。
(●フローチャート)
続いて、図6のフローチャートを参照しつつ、本実施形態に係るヒータの制御動作について説明する。まず、画像形成装置において印刷動作が開始されると(図6のS1)、制御部220により交流電源200からヒータ22の各抵抗発熱体31への電力供給が開始される(図6のS2)。
これにより、各抵抗発熱体31が発熱を開始し、定着フィルム20が加熱される。このとき、ヒータ22の長手方向中央領域に配置されたサーミスタ(中央サーミスタ)25によって、ヒータ22の中央領域に位置する抵抗発熱体31の温度T4が検知される(図6のS3)。そして、制御部220が、中央サーミスタ25から得られた温度T4に基づいて、各抵抗発熱体31が所定温度になるように、トライアック210により各抵抗発熱体31への供給電力量を制御する(図6のS4)。
また、同時にヒータ22の長手方向端部側に配置されたサーミスタ(端部サーミスタ)25によっても抵抗発熱体31の温度T8が検知される(図6のS5)。そして、端部サーミスタ25によって検知された温度T8が所定温度TN以上(T8≧TN)か否かが判定され(図6のS6)、所定温度TN未満であれば、異常低温発生(断線発生)としてヒータ22への電力供給が遮断され(図6のS7)、画像形成装置の操作パネルにエラー表示が示される(図6のS8)。一方、検知された温度T8が所定温度TN以上であれば、異常低温発生なしとして印刷動作が開始される(図6のS9)。
また、万が一、抵抗発熱体31が破損、断線するなどにより中央サーミスタ25の検知に基づく温度制御が不能になった場合は、長手方向端部の抵抗発熱体31を含む他の抵抗発熱体31が異常高温になる虞がある。その場合は、抵抗発熱体31が所定温度以上になったときにサーモスタット27が作動して抵抗発熱体31への電力供給を遮断することで、抵抗発熱体31が異常高温となるのを回避する。
(●分離部材)
図7Aは、定着ニップNを通過した用紙Pを定着フィルム20から分離する分離部材310を備えた定着装置の概念図を示すものである。この分離部材310は、図7Aでは定着ニップNの下流側(右側)に分離板の形状で配設されている。分離部材310によって定着フィルム20から用紙Pを分離する。
分離部材310は、耐熱性を有する金属や樹脂で構成することができる。耐熱性金属としては例えばステンレスを使用することができる。
耐熱性樹脂としては例えばポリイミドやPEEKなどを使用することができる。分離部材310は耐熱性を有する材料あれば金属や樹脂以外で構成してもよい。
分離部材310は図7Aのように固定的に配設したり、図7Bのように分離軸322によって回動可能に軸支したりすることができる。分離部材310は、定着フィルム20の軸線方向と平行に、用紙サイズより大きい幅で延在している。分離部材310の先端部と定着フィルム20との間の間隔の大きさは、例えば0.2~2.0mmの範囲内で設定することができる。
図7Bの場合、定着フィルム20の動きに対応して分離部材310を回動させることで、分離部材310が定着フィルム20に接触するのを防止することができる。図7Bの分離部材310は、その長手方向両端部が、左右一対の側板部の内面に突設された分離軸322に回動可能に軸支されている。
(●定着フィルムの変形くせ)
定着フィルム20は、前述したように耐熱性樹脂であるポリイミド等で構成することができるが、薄肉のために回転停止中に大きな変形くせが付きやすい。この大きな変形くせが付いた状態で定着フィルム20を回転すると、定着フィルム20の軌道が不規則に変動する。
すなわち、回転停止中の定着ニップNにおいて、定着フィルム20が面状ヒータ22と加圧ローラ21に挟まれて図7Cの右側に示すように平板状の変形くせが発生する。定着フィルム20とヒータ22は冷却時間に大きな差異があるので、当該変形くせがいっそう発生しやすい。定着フィルム20の内側にはフィルム変形を規制する部材がないので、図7Cの右側のように変形くせが付いた状態で定着フィルム20を回転し始めると、図7Dの鎖線で示すように定着フィルム20の回転軌道がいびつな形状で不規則に変動する(バタつきの発生)。
(●分離部材の移動)
定着フィルム20の回転軌道が、図7Dの鎖線で示すようにいびつな形状で不規則に変動すると、定着フィルム20が分離部材310などの近傍の部品に接触してしまう。定着フィルム20の接触を回避するためには、分離部材310を鎖線で示すように定着フィルム20の回転軌道から離間させる必要があるが、そうすると分離性能が低下する。また、近傍部品を定着フィルム20の回転軌道から離間させると省スペースなレイアウトが制約される。
(●変形くせの抑制)
定着フィルム20の変形くせを抑制する方法として、図8に示す方法が考えられる。この方法は、定着ローラの変形くせを抑制する特許文献1(特開2008-281595号公報)に記載の方法と基本的に同じである。
すなわち、加圧ローラ21の回転を停止するたびに、定着フィルム20の停止位置を少しずつずらす。こうすることで、いびつな形状(フラットスポット)が図8の右側のように定着フィルム20の周方向に分散される。
したがって、図7Cに示すような定着フィルム20の大きな変形くせが生じないようにできる。また、加圧ローラ21の圧縮永久歪も抑制することができる。
(●加圧ローラの逆転停止)
しかしながら、図8のようにフラットスポットを定着フィルム20の周方向に分散する場合でも、定着フィルム20を停止するときに定着ニップNの前後で引張りとたわみが残る。すなわち、図9Cのように定着フィルム20を搬送方向に回転(順転)して停止すると、定着ニップNの上流側で「引張り」が残り、下流側で「たわみ」が残る。
この状態で加圧ローラ21を再起動により時計方向に回転駆動して定着フィルム20を従動回転させると、下流側の「たわみ」が下流方向にさらに膨らんで分離部材310に接触する可能性が高くなる。ここで「起動」ないし「再起動」とは、いったん停止した加圧ローラ21が、定着フィルム20を従動回転可能な状態に復帰することをいう。
そこで本発明の実施形態では、定着フィルム20を停止した後に(ヒータ22はオフ)、図9Aのように加圧ローラ21を搬送方向とは反対方向に所定時間逆転駆動して停止する。これにより、定着ニップNの上流側で「たわみ」が残り、下流側で「引張り」が残る。
「引張り」はガイド部26に接触するか近接しているので、図9Aの状態で加圧ローラ21を再起動により時計方向に回転駆動して定着フィルム20を従動回転させても、下流側の「引張り」は下流方向に膨らむことなく、ガイド部26に沿って左側に摺動する。したがって、定着フィルム20が分離部材310に接触するのを抑制することができる。
加圧ローラ21を逆転駆動するときの回転速度は、搬送方向に回転するときの回転速度よりも低速にすることができる。このように低速で逆転駆動すると、定着フィルム20の摺動部に掛かる負荷を低減し、フィルム寿命を延長することができる。
(●加圧ローラの間欠逆転停止)
図9Bでは、定着フィルム20を停止した後に(ヒータ22はオフ)、加圧ローラ21を搬送方向とは反対方向に所定時間だけ間欠逆転駆動した後に停止する。この間欠逆転駆動は、微小間欠逆転駆動とすることができる。これにより、定着ニップNにおけるヒータ22とガイド部26の余熱を定着フィルム20の間欠逆転移動によって上流側に逃がすことができる。
そして、ヒータ22とガイド部26の温度を低減すると共に、定着フィルム20の冷え方を周方向に平均化してくせ付きを減衰することができる。これにより、定着ニップNとその前後における定着フィルム20の温度差を抑制することができ、加圧ローラ21を再起動した後の定着フィルム20の不規則変動(バタつき)を抑制することができる。
また、図9Aのように加圧ローラ21を連続して逆転駆動する場合、回転量が多いと定着フィルム20が摺動部でダメージを受けるリスクが高まる。これに対して、加圧ローラ21を図9Bのように(微小)間欠逆転駆動すると、定着フィルム20が最小回転量になるので定着フィルム20のダメージリスクを低減することができる。
間欠逆転駆動は、例えば定着フィルム20を1回に80度逆転する。所定の停止時間(例えば15秒)の後、再び定着フィルム20を80度逆転する。このような逆転駆動を数回繰り返すことができる。
(●加圧ローラの駆動制御)
次に、加圧ローラ21の駆動制御を図10のフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、前述した制御手段としての制御部220で実行可能にしたり、マシン100の制御部で実行可能したりすることができる。
図9Aと図9Bで前述したように、加圧ローラ21を停止した後に所定時間だけ逆転駆動することで、次に加圧ローラ21を再起動して定着フィルム20を従動回転させる際に、定着ニップNの下流側で定着フィルム20が膨らむのを抑制することができる。
ただし、マシン100の生産性を高めるため、加圧ローラ21の逆転駆動は必要最小限にする必要がある。本願発明者らの実験によれば、印刷終了時(ジョブ終了時)の加圧ローラ21の温度が高い時は、ニップ部に蓄熱が大きいことになる。その状態で自然冷却されると、定着フィルム20のくせ付きが大きくなる傾向があり、次回印刷開始時の不規則変動(バタつき)が大きくなる。なお「ジョブ終了」とは、ニップ形成ユニットを含む画像形成装置100の操作パネルにおいて指定された印刷枚数の画像形成が終了した時点を意味する。
この反対に、印刷終了時の加圧ローラ21の温度が低いと、ニップ部の蓄熱が小さいことになり、そのまま自然冷却されてもニップ部とそれ以外とで温度差が小さく、定着フィルム20のくせ付きが小さくなる。
本実施形態では、以上の知見に基づいて加圧ローラ21を図10のフローチャートのように駆動制御する。すなわち、ステップS11で印刷動作を開始した後、ステップS12でヒータ22に通電を開始し、ステップS13で印刷動作を開始する。ステップS14の印刷動作終了直後(ジョブ終了直後)に、ステップS15で加圧ローラ21に付設したサーミスタによって温度T1を間接的に検知する。
そして、加圧ローラ21の温度T1が高温か否かをステップ16で判定する。ここでは加圧ローラ21の温度T1が60℃超を高温とし、60℃以下を低温として区別する。
加圧ローラ21の温度T1が低温の場合(T1≦60℃)、ステップS17で印刷動作終了時(ステップS15)の印刷枚数が3枚以下か否かを判定する。印刷枚数が3枚以下の場合、加圧ローラ21の逆転制御なしで終了する。
ステップS16で加圧ローラ21の温度T1が高温と判定された場合(60℃<T1)、ステップS18で加圧ローラ21を60秒間だけ逆転制御した後に停止する(終了)。このときの逆転制御は、図9Aか図9Bのいずれかで行うことができる。また、印刷枚数が4枚以上の場合も、加圧ローラ21の逆転制御を行う。
すなわち、ステップS19で印刷枚数が10枚以下か否かを判定する。印刷枚数が10枚以下の場合、ステップS20で加圧ローラ21を30秒間だけ逆転制御した後に停止する(終了)。このときの逆転制御は、前述と同様に図9Aか図9Bのいずれかで行うことができる。
ステップS19で印刷枚数が11枚以上と判定された場合、ステップS18で加圧ローラ21を60秒間だけ逆転制御した後に停止する(終了)。このときの逆転制御は、前述と同様に図9Aか図9Bのいずれかで行うことができる。
前述した加圧ローラ21の逆転制御の後に定着フィルム20が停止する位置は、図8のように前回停止位置から少しずつずらすことができる。これにより、定着フィルム20のいびつな形状(フラットスポット)を定着フィルム20の周方向に分散することができる。また、加圧ローラ21の圧縮永久歪も抑制することができる。
なお、前述した条件(温度T1の高温低温判定、逆転駆動時間、印刷枚数など)は、マシン100の状態に合わせて調整することができることは勿論である。また、マシン100が所定時間の間作動しないとスリープモードに移行する機能を有する場合、マシン100がスリープモードに遷移すると同時に実行中の加圧ローラ21の逆転制御を中止することができる。
(●グラフェンシート)
前記高熱伝導部材は、グラフェンシートにより構成することができる。これにより、グラフェンの面に沿う所定の方向、つまり、厚み方向ではなく配列方向に熱伝導率の高い高熱伝導部材を形成できる。従って、ヒータ22や定着フィルム20の配列方向の温度ムラを効果的に抑制できる。
グラフェンは薄片状の粉体である。グラフェンは、後述する図11に示すように、炭素原子の平面状の六角形格子構造からなる。グラフェンシートとは、シート状のグラフェンであり、通常、単層である。炭素の単一層に不純物を含んでいてもよい。
またグラフェンはフラーレン構造を有したものであってもよい。フラーレン構造は、一般的に、同数の炭素原子が5員環および6員環でかご状に縮環した多環体を形成してなる化合物として認識されており、例えば、C60、C70およびC80フラーレン又は3配位の炭素原子を有する他の閉じたかご状構造である。
グラフェンシートは、人工物であり、例えば化学気相蒸着(CVD)法で作製されうる。グラフェンシートには市販品を用いることができる。グラフェンシートの大きさ、厚み、あるいは後述するグラファイトシートの層数などは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定される。
また、グラフェンを多層化したグラファイトは大きな熱伝導異方性を持つ。グラファイトは、後述する図12に示すように、炭素原子の縮合六員環層面が平面状に広がった層を有し、この層が何重にも重なった結晶構造を有する。
この結晶構造における炭素原子間は、層内での隣接する炭素原子同士は共有結合をなし、層間の炭素原子同士はファン・デル・ワールス結合をなす。そして、共有結合はファン・デル・ワールス結合に比べてその結合力が大きく、層内での結合と層間での結合とでは大きな異方性を持つ。
つまり、高熱伝導部材をグラファイトにより構成することで、高熱伝導部材における配列方向の伝熱効率が厚み方向(つまり、部材の積層方向)に比べて大きくなり、ヒータホルダ23への伝熱を抑制できる。従って、ヒータ22の配列方向の温度ムラを効率よく抑制するとともに、ヒータホルダ23側へ流出する熱を最小限に抑えることができる。また高熱伝導部材をグラファイトにより構成することで、700度程度まで酸化しない優れた耐熱性を高熱伝導部材に持たせることができる。
グラファイトシートの物性や寸法は、高熱伝導部材に求められる機能に応じて適宜変更できる。例えば、高純度のグラファイトあるいは単結晶グラファイトを用いる、あるいは、グラファイトシートの厚みを大きくすることで、その熱伝導の異方性を高めることができる。
また、定着装置9を高速化するために、厚みの小さいグラファイトシートを用いて定着装置9の熱容量を小さくしてもよい。また、定着ニップNやヒータ22の幅が大きい場合には、それに合わせて高熱伝導部材の配列方向の幅を大きくしてもよい。
機械的強度を高める観点から、グラファイトシートの層数は11以上であることが好ましい。またグラファイトシートは部分的に単層と多層の部分とを含んでいてもよい。
グラフェンは薄片状の粉体である。グラフェンは、図11に示されるように、炭素原子の平面状の六角形格子構造から成る。グラフェンシートとは、シート状のグラフェンであり、通常、単層である。
また、グラフェンシートは、炭素の単一層に不純物を含んでいてもよいし、フラーレン構造を有するものであってもよい。フラーレン構造は、一般的に、同数の炭素原子が5員環および6員環でかご状に縮環した多環体を形成して成る化合物として認識されており、例えば、C60、C70およびC80フラーレン又は3配位の炭素原子を有する他の閉じたかご状構造である。
グラフェンシートは、人工物であり、例えば化学気相蒸着(CVD)法により作製され得る。グラフェンシートには市販品を用いることができる。グラフェンシートの大きさ、厚み、あるいは後述するグラファイトシートの層数などは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定される。
また、グラフェンを多層化したグラファイトは大きな熱伝導異方性を持つ。グラファイトは、図12に示すように、炭素原子の縮合六員環層面が平面状に広がった層を有し、この層が何重にも重なった結晶構造を有する。
この結晶構造における炭素原子間は、層内での隣接する炭素原子同士は共有結合をなし、層間の炭素原子同士はファン・デル・ワールス結合をなす。そして、共有結合はファン・デル・ワールス結合に比べてその結合力が大きく、層内での結合と層間での結合とでは大きな異方性を持つ。つまり、高熱伝導部材をグラファイトにより構成することにより、高熱伝導部材における長手方向の伝熱効率が厚み方向(つまり、部材の積層方向)に比べて大きくなり、ヒータホルダ23への伝熱を抑制できる。
従って、ヒータ22の長手方向の温度ムラを効率よく抑制するとともに、ヒータホルダ23側へ流出する熱を最小限に抑えることができる。また高熱伝導部材をグラファイトにより構成することにより、700度程度まで酸化しない優れた耐熱性を高熱伝導部材に持たせることができる。
グラファイトシートの物性や寸法は、高熱伝導部材に求められる機能に応じて適宜変更できる。例えば、高純度のグラファイトあるいは単結晶グラファイトを用いる、あるいは、グラファイトシートの厚みを大きくすることにより、その熱伝導の異方性を高めることができる。
また、定着装置を高速化するために、厚みの小さいグラファイトシートを用いて定着装置の熱容量を小さくしてもよい。また、定着ニップN及びヒータ22の幅が大きい場合には、それに合わせて高熱伝導部材の長手方向の幅を大きくしてもよい。
機械的強度を高める観点から、グラファイトシートの層数は11以上であることが好ましい。またグラファイトシートは部分的に単層と多層の部分とを含んでいてもよい。
以上の説明においては、本発明を、フィルム式加熱装置(回転体駆動装置)の一例である定着装置に適用する場合を例に説明した。しかしながら、本発明は、定着装置に限らず、用紙に塗布されたインクなどの液体を乾燥させる乾燥装置、被覆部材としてのフィルムを用紙などのシートの表面に熱圧着させるラミネータ、包材のシール部を熱圧着するヒートシーラーなどの加熱装置であってもよい。
(●定着装置の変形実施形態)
次に、定着装置9の変形実施形態等について図13~図23を参照して説明する。なお、図9A~図9Cで前述した分離部材310は、図13以降では省略している。当該分離部材310は、例えば図13~図16の定着ニップNの下流側において、図9A~図9Cと同様に配設可能である。
図13はサーミスタの配置を変更したものである。本実施形態では、サーミスタ25が、配列交差方向において、定着ニップNの中央位置NAよりも定着フィルム20の回転方向上流側、言い換えると、定着ニップNの入口側に設けられる。定着ニップNの入口側は特に用紙Pによって熱を奪われやすい領域であるため、サーミスタ25がこの部分の温度を検知することで、定着装置9の定着性を確保し、前記定着オフセットを効果的に抑制できる。
図14に示す定着装置9は、定着フィルム20に対して加圧ローラ21側とは反対側に、押圧ローラ44が配置されている。押圧ローラ44は、回転部材としての定着フィルム20に対向して回転する対向回転部材である。この押圧ローラ44とヒータ22とが定着フィルム20を挟んで加熱するように構成されている。
一方、加圧ローラ21側では、定着フィルム20の内周にニップ形成部材45が配置されている。ニップ形成部材45は、ステー24によって支持されている。ニップ形成部材45と加圧ローラ21とによって、定着フィルム20を挟んで定着ニップNを形成している。
次に、図15に示す定着装置9では、前述の押圧ローラ44が省略されており、定着フィルム20とヒータ22との周方向接触長さを確保するために、ヒータ22が定着フィルム20の曲率に合わせて円弧状に形成されている。その他は、図14に示す定着装置9と同じ構成である。
最後に、図16に示す定着装置9について説明する。定着装置9は、加熱アセンブリ92、定着部材である定着ローラ93、対向部材である加圧アセンブリ94からなる。
加熱アセンブリ92は、先の実施形態で説明したヒータ22、ヒータホルダ23、ステー24、回転部材としての加熱ベルト120等を有する。定着ローラ93は、回転部材としての加熱ベルト120に対向して回転する対向回転部材である。また、定着ローラ93は、中実の鉄製芯金93aと、この芯金93aの表面に形成された弾性層93bと、弾性層93bの外側に形成された離型層93cとで構成されている。
また、定着ローラ93に対して加熱アセンブリ92側とは反対側に、加圧アセンブリ94が設けられている。加圧アセンブリ94は、ニップ形成部材95とステー96とを配置し、これらニップ形成部材95とステー96を内包するように加圧ベルト97を回転可能に配置している。そして、加圧ベルト97と定着ローラ93との間の定着ニップN2に用紙Pを通紙して加熱および加圧して画像を定着する。
以上の図14~図15の定着装置においても、ヒータ22の抵抗発熱体31同士の分割領域B(図19参照)においてヒータ22の発熱量が小さくなる点は同様である。従って、前述した実施形態と同様に、ヒータ22の分割領域Bに対応する位置に温度検知部材の温度検知素子を設けることにより、回転部材の分割領域に対応する部分を十分に加熱することができる。これにより、画像の定着性を十分に確保し、定着オフセットなどの不具合の発生を防止できる。
また、本発明は、前記の実施形態で説明したような定着装置に限らず、用紙に塗布されたインクを乾燥させる乾燥装置、さらには、被覆部材としてのフィルムを用紙等のシートの表面に熱圧着するラミネータや、包材のシール部を熱圧着するヒートシーラーなどの熱圧着装置のような加熱装置にも適用可能である。このような装置にも本発明を適用することで、回転部材の分割領域に対応する部分を十分に加熱することができる。
本発明に係る画像形成装置は、図1に示すカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。例えば図17に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、感光体ドラムなどからなる画像形成手段50と、一対のタイミングローラ15等からなる用紙搬送部と、給紙装置7と、定着装置9と、排紙装置10と、読取部51と、を備える。給紙装置7は複数の給紙トレイを備え、それぞれの給紙トレイが異なるサイズの用紙を収容する。
読取部51は原稿Qの画像を読み取る。読取部51は、読み取った画像から画像データを生成する。給紙装置7は、複数の用紙Pを収容し、搬送路へ用紙Pを送り出す。タイミングローラ15は搬送路上の用紙Pを画像形成手段50へ搬送する。
画像形成手段50は、用紙Pにトナー像を形成する。具体的には、画像形成手段50は、感光体ドラムと、帯電ローラと、露光装置と、現像装置と、補給装置と、転写ローラと、クリーニング装置と、除電装置とを含む。トナー像は、例えば、原稿Qの画像を示す。
定着装置9は、トナー像を加熱および加圧して、用紙Pにトナー像を定着させる。トナー像の定着された用紙Pは、搬送ローラなどにより排紙装置10へ搬送される。排紙装置10は、画像形成装置100の外部に用紙Pを排出する。
次に、本実施形態の定着装置9について説明する。前述の実施形態の定着装置と共通する構成については、適宜その記載を省略する。
図18に示すように、定着装置9は、定着フィルム20と、加圧ローラ21と、ヒータ22と、ヒータホルダ23と、ステー24と、サーミスタ25等を備える。定着フィルム20と加圧ローラ21との間に定着ニップNが形成される。定着ニップNのニップ幅は10mm、定着装置9の線速は240mm/sである。
定着フィルム20はポリイミドの基体と離型層とを備え、弾性層を有していない。離型層は、例えばフッ素樹脂からなる耐熱性のフィルム材からなる。定着フィルム20の外径は約24mmである。
加圧ローラ21は、芯金21aと弾性層21bと離型層21cとを含む。加圧ローラ21の外径は24~30mmで形成され、弾性層21bの厚みは3~4mmで形成される。
ヒータ22は、基材と、断熱層と、抵抗発熱体などを含む導体層と、絶縁層とを含み、全体の厚みが1mmで形成される。また、ヒータ22の配列交差方向の幅Yは13mmである。
図19に示すように、ヒータ22の導体層は、複数の抵抗発熱体31と、給電線33と、電極部34A~34Cとを備える。本実施形態においても、複数の抵抗発熱体31が配列方向に分割された分割領域Bが形成される(ただし、図19では拡大図の範囲のみで分割領域Bを図示しているが、実際は全ての抵抗発熱体31同士の間に分割領域が設けられる)。
抵抗発熱体31により、三つの発熱部35A~35Cが構成される。電極部34A,34Bに通電することにより、発熱部35A,35Cが発熱する。電極部34A,34Cに通電することにより、発熱部35Bが発熱する。例えば、小サイズ用紙に定着動作を行う場合には発熱部35Bを発熱させ、大サイズ用紙に定着動作を行う場合には全ての発熱部に発熱させることができる。
図20に示すように、ヒータホルダ23は、その凹部23bにヒータ22を保持する。凹部23bは、ヒータホルダ23のヒータ22側に設けられる。凹部23bは、ヒータ22のその他の面よりもステー24側に凹となった基材30に略平行な面23b3と、ヒータホルダ23の配列方向両側(一方側でもよい)でヒータホルダ23の内側に設けられた壁部23b1と、配列交差方向両側でヒータホルダ23の内側に設けられた壁部23b2とにより構成される。
ヒータホルダ23はガイド部26を有する。ヒータホルダ23はLCP(液晶ポリマー)により形成される。
図21に示すように、コネクタ160は、樹脂製(例えばLCP)のハウジングと、ハウジング内に設けられた複数のコンタクト端子等を備える。コネクタ160は、ヒータ22とヒータホルダ23とを表側と裏側から一緒に挟むようにして取り付けられる。
この状態で、各コンタクト端子が、ヒータ22の各電極部に接触(圧接)することで、コネクタ160を介して発熱部35と画像形成装置に設けられた電源とが電気的に接続される。これにより、電源から発熱部35へ電力が供給可能な状態となる。なお、各電極部34は、コネクタ160との接続を確保するため、少なくとも一部が絶縁層に被覆されておらず露出した状態となっている。
フランジ53は、定着フィルム20の配列方向の両側に設けられ、定着フィルム20の両端をフィルムの内側から保持する。フランジ53は定着装置9の筐体に固定される。フランジ53はステー24の両端に挿入される(図18のフランジ53からの矢印方向参照)。
コネクタ160のヒータ22およびヒータホルダ23に対する取り付け方向はヒータの配列交差方向である(図21のコネクタ160からの矢印方向参照)。コネクタ160のヒータホルダ23に対する取り付け時に、コネクタ160とヒータホルダ23との一方に設けた凸部が、他方に設けた凹部に係合し、凸部が凹部内を相対移動する構成としてもよい。またコネクタ160は、配列方向のいずれか一方側であって、加圧ローラ21の駆動モータが設けられる側とは反対側で、ヒータ22およびヒータホルダ23に取り付けられる。
図22に示すように、定着フィルム20の内周面に対向して、定着フィルム20の配列方向中央側と端部側にそれぞれサーミスタ25が設けられる。サーミスタ25により検知された定着フィルム20の配列方向中央側と端部側のそれぞれの温度に基づいて、ヒータ22を制御する。なお、これらのサーミスタ25のうちいずれか一方は、前述の実施形態と同様、ヒータ22の抵抗発熱体同士の分割領域に対応する位置に設けられる。
定着フィルム20の内周面に対向して、定着フィルム20の配列方向中央側と端部側にそれぞれサーモスタット27が設けられる。サーモスタット27により検知された定着フィルム20の温度が定められた閾値を超えた場合には、ヒータ22への通電を停止する。
定着フィルム20の配列方向両端には、定着フィルム20の各端部を保持するフランジ53が設けられる。フランジ53はLCP(液晶ポリマー)により形成される。
図23に示すように、フランジ53にはスライド溝53aが設けられる。スライド溝53aは、定着フィルム20の加圧ローラ21に対する接離方向に延在する。スライド溝53aには定着装置9の筐体の係合部が係合する。この係合部がスライド溝53a内を相対移動することにより、定着フィルム20は加圧ローラ21に対する接離方向へ移動できる。
以上の定着装置9においても、ヒータ22の分割領域Bに対応する位置にサーミスタ25の温度検知素子を設けることにより、定着フィルム20の分割領域に対応する部分を十分に加熱することができる。これにより、画像の定着性を十分に確保し、定着オフセットなどの不具合の発生を防止できる。
特に単色のトナーにより画像形成動作を行う画像形成装置の場合、複数色のトナーにより画像形成動作を行う画像形成装置と比較して、相対的にホットオフセットが生じにくい。従って、本発明のように、分割領域に対応する位置に配置した温度検知素子の検知結果に基づいて加熱部材の制御を実施しても、単色のトナーを使用する画像形成装置ではホットオフセットが相対的に生じにくいという利点がある。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であることは勿論である。例えば、定着フィルム20を加熱するヒータ22に代えて、ステー24の背後にハロゲンヒータを配設し、ニップ形成部材としてヒータのない低熱容量の支持ステーを配設してもよい。
また、前記分離部材310は、定着フィルム20に対して近付く方向と遠ざかる方向に移動可能に配設することができ、前述の実施形態のように分離部材310を回動可能とする他、ヒータホルダ23と平行状態を維持した状態で定着フィルム20に対する接近離反方向で平行移動可能に構成してもよい。また、前記実施形態では無端フィルムとして定着装置9の定着フィルム20を例に説明したが、無端フィルムは定着以外の他の用途に使用するものであってもよい。
1Y,1M,1C,1Bk:作像ユニット 2:感光体
3:帯電装置 4:現像装置
5:クリーニング装置 6:露光装置
7:給紙装置 8:転写装置
9:定着装置 10:排紙装置
11:中間転写ベルト 12:一次転写ローラ
13:二次転写ローラ 13:二次転写ニップ
14:用紙搬送路 15:タイミングローラ
20:定着フィルム(無端フィルム) 21:加圧ローラ(加圧部材)
21a:芯金 21b:弾性層
21c:離型層 22:ヒータ(熱源、ニップ形成部材)
23:ヒータホルダ 23a:突起部
23b:凹部 23b1~23b3:壁部
24:ステー 25:サーミスタ
26:ガイド部 27:サーモスタット
30:基材 31:抵抗発熱体
32:絶縁層 33:給電線
34:電極部 34A~34C:電極部
35:発熱部 35A~35C:発熱部
44:押圧ローラ 45:ニップ形成部材
50:画像形成手段 51:読取部
53:フランジ 53a:スライド溝
56:抵抗発熱体 92:加熱アセンブリ
93:定着ローラ 93a:芯金
93b:弾性層 93c:離型層
94:加圧アセンブリ 95:ニップ形成部材
96:ステー 97:加圧ベルト
100:画像形成装置 120:加熱ベルト
160:コネクタ 200:交流電源
210:トライアック 220:制御部
260:ベルト対向面 310:分離板(分離部材)
322:分離軸 P:用紙(被搬送体)
特開2008-281595号公報 特開2009-288587号公報

Claims (10)

  1. 回転可能な可撓性の無端フィルムと、
    当該無端フィルムを加熱する熱源と、
    前記無端フィルムの内周面に接触可能に設けられたニップ形成部材と、
    前記無端フィルムを介して前記ニップ形成部材と圧接してニップを形成すると共に、回転駆動することによって前記無端フィルムを従動回転させる加圧部材と、
    前記加圧部材の温度を検知する検知手段と、
    前記検知手段で検知した前記加圧部材の温度に基づいて前記加圧部材の回転駆動を制御する制御手段とを有し、
    被搬送体が前記ニップを通過して搬送されるニップ形成ユニットにおいて、
    前記制御手段が、前記加圧部材を搬送方向に回転駆動して前記被搬送体を搬送した後、前記加圧部材の回転を停止すると共に、前記ニップ形成ユニットのジョブ終了時における前記加圧部材の温度が所定温度以上のとき、前記加圧部材を前記搬送方向とは逆方向に所定時間回転駆動した後に前記加圧部材の回転を停止することを特徴とするニップ形成ユニット。
  2. 前記加圧部材の逆方向の回転を連続して行うことを特徴とする請求項1のニップ形成ユニット。
  3. 前記加圧部材の逆方向の回転を間欠的に行うことを特徴とする請求項1のニップ形成ユニット。
  4. 前記加圧部材の逆方向の回転後の前記無端フィルムの停止位置を、前回の停止位置と異ならせるように前記加圧部材を逆方向に回転駆動することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項のニップ形成ユニット。
  5. 前記加圧部材の逆方向の回転速度を、前記被搬送体を搬送するときの前記加圧部材の回転速度よりも低速にすることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項のニップ形成ユニット。
  6. 前記被搬送体を所定枚数以上搬送したときのみ、前記加圧部材を逆方向に回転駆動することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項のニップ形成ユニット。
  7. 前記ニップ形成ユニットが、所定時間の間、前記被搬送体の搬送が行われないと移行するスリープモードを有し、当該スリープモードに前記ニップ形成ユニットが遷移したとき、前記加圧部材の逆方向の回転を停止することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項のニップ形成ユニット。
  8. 前記ニップ形成部材が前記熱源を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項のニップ形成ユニット。
  9. 前記ニップを通過した前記被搬送体を前記無端フィルムから分離させる分離部材を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項のニップ形成ユニット。
  10. 請求項1から9のいずれか1項のニップ形成ユニットを有することを特徴とする画像形成装置。
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