JP2023165240A - 加熱装置、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2023165240000001
【課題】シートが通過しない領域における温度上昇を検知する。
【解決手段】互いに接触してシートP1,P2を通過させるニップ部を形成する一対の回転体21,22と、抵抗発熱体が配置される発熱領域60を有し、一対の回転体21,22のうちの少なくとも一方を加熱する加熱源23と、加熱源23、又は加熱源23に接触する部材、あるいは、一対の回転体21,22の一方の温度を検知する温度検知部材27Bと、を備える加熱装置であって、加熱源23の長手方向Xにおける発熱領域60の中央zが、シート通過幅の中央cに対して長手方向Xにずれて配置され、温度検知部材27Bは、発熱領域60の中央zがシート通過幅の中央cから長手方向Xにずれた側のシート通過幅の外側に配置される。
【選択図】図6

Description

本発明は、加熱装置、定着装置及び画像形成装置に関する。
複写機、プリンタなどの画像形成装置に搭載される加熱装置の一例として、未定着画像を担持するシートを加熱することにより、未定着画像をシートに定着させる定着装置が知られている。
一般的に、定着装置は、互いに接触してシートを通過させるニップ部を形成する一対の回転体と、これらの回転体のうちの少なくとも一方を加熱する加熱源を備えている。加熱源によって一方又は双方の回転体が所定の温度に加熱された状態において、未定着画像を担持するシートが一対の回転体の間のニップ部へ搬送されると、ニップ部においてシートが加熱及び加圧されることにより、シート上の未定着画像が定着される。
ここで、回転体に対してシートが接触する領域においては、回転体の熱がシートの通過によって消費される。これに対して、シートが通過しない領域においては、シートによる熱の消費がされにくい。このため、シートが通過しない領域においては、回転体が温度上昇しやすい。そして、シートが通過しない領域における回転体の温度上昇により、回転体が部分的に熱膨張すると、熱膨張差によって回転体が捩れて損傷するといった問題がある。特に、このような回転体の部分的な温度上昇の問題は、シートがその幅方向に位置ずれして搬送される場合に、より顕著となる傾向にある。
そのため、特許文献1(特許第5924867号公報)においては、幅方向におけるシートの位置ずれを検知する位置ずれ検知部を備え、位置ずれ検知部によってシートの位置ずれが検知された場合に、回転体の捩れを解消するための対策が提案されている。
ところで、上記のようなシートが通過しない領域における回転体の温度上昇は、回転体又は加熱源などの温度を検知する温度検知部材の検知情報によっても把握することができる。
しかしながら、シートが通過しない領域における回転体の温度上昇の態様は、シートの搬送位置がずれた場合に変化することがある。すなわち、シートがあらかじめ設定されている位置で搬送される場合は、シートが通過する領域の両外側の非通過領域において温度上昇が同じ程度となるが、シートがあらかじめ設定されている通過領域よりも幅方向の一方へずれて搬送される場合は、シートがずれた側(一方側)とは反対側において回転体の温度上昇が顕著となる。従って、シートがずれる方向が異なると、温度上昇が顕著となる側も異なる。
このような温度上昇を検知するにあたって、シートが通過する領域の両外側の非通過領域のうち、いずれか一方に温度検知部材を配置すると、他方の非通過領域において温度上昇が顕著となった場合に、回転体の温度上昇を検知できない虞がある。
上記課題を解決するため、本発明は、互いに接触してシートを通過させるニップ部を形成する一対の回転体と、抵抗発熱体が配置される発熱領域を有し、一対の前記回転体のうちの少なくとも一方を加熱する加熱源と、前記加熱源、又は前記加熱源に接触する部材、あるいは、前記一対の回転体の一方の温度を検知する温度検知部材と、を備える加熱装置であって、前記加熱源の長手方向における前記発熱領域の中央が、シート通過幅の中央に対して前記長手方向にずれて配置され、前記温度検知部材は、前記発熱領域の中央が前記シート通過幅の中央から前記長手方向にずれた側の前記シート通過幅の外側に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、シートが通過しない領域における温度上昇を検知できる。
本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 本実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 本実施形態に係る定着ベルトの断面図である。 本実施形態に係るヒータの平面図である。 本実施形態に係るヒータに給電部材としてのコネクタが接続された状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態におけるヒータ、温度センサ及び用紙センサの、各通紙領域に対する位置関係を示す図である。 用紙がその幅方向の一方にずれて搬送される状態を示す図である。 用紙がその幅方向の他方にずれて搬送される状態を示す図である。 端部側温度センサと用紙センサの配置を、最大通紙幅よりも小さい通紙幅の用紙に対応させた例を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 前記他の実施形態に係るヒータ、均熱板、ヒータホルダの斜視図である。 前記他の実施形態に係るヒータ、温度センサ及び用紙センサの、各通紙領域に対する位置関係を示す図である。 給紙カセットの底板を傾斜させた例を示す図である。 用紙センサを画像形成装置本体に設けた例を示す図である。 弾性層を有しない定着ベルトの断面図である。 上記実施形態とは異なる定着装置の構成を示す図である。 上記実施形態とは異なる定着装置の構成を示す図である。 上記実施形態とは異なる定着装置の構成を示す図である。 上記実施形態とは異なる定着装置の構成を示す図である。 上記実施形態とは異なる画像形成装置の構成を示す図である。 図20に示される定着装置の構成を示す図である。 図21に示されるヒータの平面図である。 図21に示されるヒータ及びヒータホルダの斜視図である。 図21に示されるヒータに対するコネクタの取付方法を示す図である。 図20に示される定着装置が備える温度センサとサーモスタットの配置を示す図である。 図24に示されるフランジの溝部を示す図である。 均熱板の配置の他の例を示すヒータの平面図である。 均熱板の配置のさらに別の例を示すヒータの平面図である。 拡大分割領域を示すヒータの平面図である。 上記実施形態とは異なる定着装置の構成を示す図である。 図30に示されるヒータ、均熱板、第2高熱伝導部材、ヒータホルダの斜視図である。 均熱板及び第2高熱伝導部材の配置を示すヒータの平面図である。 均熱板及び第2高熱伝導部材の配置の他の例を示すヒータの平面図である。 第2高熱伝導部材の配置のさらに別の例を示すヒータの平面図である。 上記実施形態とは異なる定着装置の構成を示す図である。 グラフェンの原子結晶構造を示す図である。 グラファイトの原子結晶構造を示す図である。 従来の定着装置の構成を示す図である。 従来の定着装置において、用紙が幅方向に位置ずれして搬送される状態を示す図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材及び構成部品などの構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。ここで、本明細書中における「画像形成装置」には、プリンタ、複写機、ファクシミリ、印刷機、又は、これらのうちの二つ以上を組み合わせた複合機などが含まれる。また、以下の説明で使用する「画像形成」とは、文字及び図形などの意味を持つ画像を形成するだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を形成することも意味する。まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置100は、用紙などのシート状の記録媒体に画像を形成する画像形成部200と、記録媒体に画像を定着させる定着部300と、記録媒体を画像形成部200へ供給する記録媒体供給部400と、記録媒体を装置外へ排出する記録媒体排出部500を備えている。
画像形成部200には、作像ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkと、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが備える感光体2に静電潜像を形成する露光装置6と、記録媒体に画像を転写する転写装置8が設けられている。
各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色のトナー(現像剤)を収容している以外、基本的に同じ構成である。具体的に、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、表面に画像を担持する像担持体としての感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電部材3と、感光体2の表面に現像剤としてのトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置4と、感光体2の表面を清掃するクリーニング部材5を備えている。
転写装置8は、中間転写ベルト11と、一次転写ローラ12と、二次転写ローラ13を備えている。中間転写ベルト11は、無端状のベルト部材であり、複数の支持ローラによって張架されている。一次転写ローラ12は、中間転写ベルト11の内側に4つ設けられている。各一次転写ローラ12が中間転写ベルト11を介して各感光体2に接触することにより、中間転写ベルト11と各感光体2との間に一次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11の外周面に接触し、二次転写ニップを形成している。
定着部300においては、定着装置20が設けられている。定着装置20は、無端状のベルトから成る定着ベルト21と、定着ベルト21に対向する対向部材としての加圧ローラ22などを備えている。定着ベルト21と加圧ローラ22は、それぞれの外周面において互いに接触し、ニップ部(定着ニップ)を形成する。
記録媒体供給部400には、記録媒体としての用紙Pを収容するシート収容部としての給紙カセット14と、給紙カセット14から用紙Pを送り出す給紙ローラ15が設けられている。以下、「記録媒体」を「用紙」として説明するが、「記録媒体」は紙(用紙)に限定されない。「記録媒体」は、紙(用紙)だけでなくOHPシート又は布帛、金属シート、プラスチックフィルム、あるいは炭素繊維にあらかじめ樹脂を含浸させたプリプレグシートなども含む。また、「用紙」には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙及びアート紙など)、トレーシングペーパなども含まれる。
記録媒体排出部500には、用紙Pを画像形成装置外に排出する一対の排紙ローラ17と、排紙ローラ17によって排出された用紙Pを載置する排紙トレイ18が設けられている。
次に、図1を参照しつつ本実施形態に係る画像形成装置100の印刷動作について説明する。
画像形成装置100において印刷動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2及び転写装置8の中間転写ベルト11が回転を開始する。また、給紙ローラ15が、回転を開始し、給紙カセット14から用紙Pが送り出される。送り出された用紙Pは、一対のタイミングローラ16に接触することにより静止し、用紙Pに転写される画像が形成されるまで用紙Pの搬送が一旦停止される。
各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkにおいては、まず、帯電部材3によって、感光体2の表面を均一な高電位に帯電させる。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント画像情報に基づいて、露光装置6が、各感光体2の表面(帯電面)に露光する。これにより、露光された部分の電位が低下して各感光体2の表面に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4がトナーを供給し、各感光体2上にトナー画像が形成される。各感光体2上に形成されたトナー画像は、各感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、回転する中間転写ベルト11上に順次重なり合うように転写される。かくして、中間転写ベルト11上にフルカラーのトナー画像が形成される。なお、画像形成装置100においては、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkのいずれか一つを使用して単色画像を形成したり、いずれか2つ又は3つのプロセスユニットを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。また、感光体2から中間転写ベルト11へトナー画像が転写された後は、クリーニング部材5によって各感光体2上の残留トナーなどが除去される。
中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、タイミングローラ16によって搬送されてきた用紙P上に転写される。その後、用紙Pは、定着装置20へと搬送され、定着ベルト21と加圧ローラ22によって用紙P上のトナー画像が加熱及び加圧されることにより、トナー画像が用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、記録媒体排出部500へ搬送され、排紙ローラ17によって排紙トレイ18へ排出される。これにより、一連の印刷動作が終了する。
続いて、図2に基づき、本実施形態に係る定着装置の構成について詳しく説明する。
図2に示されるように、本実施形態に係る定着装置20は、定着ベルト21及び加圧ローラ22のほか、ヒータ23と、ヒータホルダ24と、ステー25と、ガイド部材26、温度センサ27などを備えている。
定着ベルト21は、用紙Pの未定着トナー担持面に接触して未定着トナー(未定着画像)を用紙Pに定着する回転体(第1回転体又は定着部材)であり、可撓性を有する無端状のベルトにより構成される。定着ベルト21の直径は、例えば15~120mmになるように設定されている。本実施形態においては、定着ベルト21の内径が25mmに設定されている。
図3に示されるように、定着ベルト21は、例えば、内周面側から外周面側に向かって順に、基材210、弾性層211、離型層212が積層され、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。基材210は、層厚が30~50μmであって、ニッケル、ステンレスなどの金属材料、あるいはポリイミドなどの樹脂材料により形成されている。弾性層211は、層厚が100~300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴム材料により形成されている。定着ベルト21が弾性層211を有していることにより、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなるため、用紙P上のトナー画像に熱が均一に伝わりやすくなる。離型層212は、層厚が10~50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)などの材料により形成されている。定着ベルト21が、離型層212を有していることにより、トナー(トナー画像)に対する離型性(剥離性)が確保される。
図2に示されるように、加圧ローラ22は、定着ベルト21の外周面に対向して配置される回転体(第2回転体又は対向部材)である。加圧ローラ22は、定着ベルト21を介してヒータ23に接触し定着ベルト21との間にニップ部Nを形成する。
加圧ローラ22は、例えば、外径が25mmに設定されたローラであり、中空の鉄製芯材220と、この芯材220の外周面に設けられる弾性層221と、弾性層221の外周面に設けられる離型層222を有している。弾性層221は、例えば厚みが3.5mmであり、シリコーンゴムなどにより形成される。離型層222は、例えば厚みが40μm程度であり、フッ素樹脂などにより形成される。
ヒータ23は、定着ベルト21をその内側から加熱する加熱源である。ヒータ23は、定着ベルト21の長手方向(用紙搬送方向に交差する用紙幅方向)に渡って長手状に延在する面状又は板状のヒータであり、定着ベルト21の内周面に接触するように配置されている。本実施形態に係るヒータ23は、基材55と、基材55上に設けられた抵抗発熱体56と、抵抗発熱体56を覆う絶縁層57などを有している。
図2に示されるように、本実施形態においては、抵抗発熱体56が、基材55の加圧ローラ22側(ニップ部N側)の面に設けられているが、これとは反対側の面に設けられていてもよい。その場合、各抵抗発熱体56の熱が基材55を介して定着ベルト21に伝達されるため、基材55は窒化アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料によって構成されることが好ましい。
ヒータホルダ24は、定着ベルト21の内側に配置され、ヒータ23を保持する加熱源保持部材である。ヒータホルダ24は、ヒータ23の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料によって構成されることが好ましい。例えば、ヒータホルダ24が、LCP又はPEEKなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂によって構成される場合は、ヒータホルダ24の耐熱性を確保しつつ、ヒータ23からヒータホルダ24への伝熱が抑制されるので、定着ベルト21を効率的に加熱できる。
ステー25は、ヒータホルダ24を支持する支持部材である。ステー25によってヒータホルダ24の加圧ローラ22側の面とは反対の面が定着ベルト21の長手方向に渡って支持されることにより、ヒータホルダ24が加圧ローラ22の加圧力によって撓むのが抑制され、定着ベルト21と加圧ローラ22との間に均一な幅のニップ部Nが形成される。ステー25は、その剛性を確保するため、SUS又はSECCなどの鉄系金属材料によって構成されることが好ましい。
ガイド部材26は、定着ベルト21を内側からガイドする部材である。ガイド部材26は、定着ベルト21の内周面に倣って円弧状の断面形状を有し、定着ベルト21の回転方向(図2中の矢印方向)におけるヒータ23の上流側及び下流側にそれぞれ配置されている。本実施形態においては、各ガイド部材26が、ヒータホルダ24と一体に構成されているが、別体に構成されてもよい。
温度センサ27は、ヒータ23の温度を検知する温度検知部材である。温度センサ27としては、サーモパイル、サーモスタット、サーミスタ、又はNCセンサなどの公知の温度センサを適用可能である。本実施形態においては、ヒータ23の加圧ローラ22側とは反対側の面に接触して温度を検知する接触式の温度センサが用いられている。また、温度センサ27は、接触式の温度センサに限らず、ヒータ23に対して非接触に配置され、ヒータ23近傍の雰囲気温度を検知する非接触式の温度センサであってもよい。
本実施形態に係る定着装置20は、次のように動作する。
図2に示されるように、加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力が定着ベルト21に伝達されることにより、定着ベルト21が従動回転する。そして、定着ベルト21がヒータ23によって加熱され、定着ベルト21が加熱される。また、このときのヒータ23の温度が温度センサ27によって検知され、その検知された温度に基づきヒータ23の発熱量が制御される。これにより、定着ベルト21の温度が画像を定着可能な温度(定着温度)に維持される。そして、未定着画像を担持する用紙Pが、定着ベルト21と加圧ローラ22との間(ニップ部N)に搬送されると、定着ベルト21と加圧ローラ22によって用紙P上のトナー画像が加熱及び加圧され、画像が用紙Pに定着される。
図4は、本実施形態に係るヒータの平面図である。
図4に示されるように、本実施形態に係るヒータ23は、一方向(図4中の矢印X方向)に伸びる板状の基材55を有している。基材55は、その長手方向Xが定着ベルト21の長手方向又は加圧ローラ22の軸方向を向くように配置される。基材55の表面には、2つの抵抗発熱体56が、基材55の長手方向Xへ伸び、基材55の短手方向Yに並んで配置されている。なお、この「短手方向」とは、基材55の抵抗発熱体56が設けられる面に沿って長手方向Xとは直交する方向を意味し、用紙が搬送される用紙搬送方向と同じ方向である。
図4に示されるように、基材55の長手方向Xの一端側には、一対の電極部58が設けられている。各電極部58は、給電線59を介して各抵抗発熱体56に接続されている。また、各抵抗発熱体56の電極部58に接続される端とは反対側の端は、別の給電線59を介して互いに接続されている。各抵抗発熱体56及び各給電線59は、絶縁性を確保するため、絶縁層57によって覆われている。これに対し、各電極部58は、後述の給電端子としてのコネクタが接続できるように、絶縁層57によって覆われておらず露出している。
基材55は、アルミナ又は窒化アルミなどのセラミック、ガラス、マイカ、ポリイミドなどの耐熱性と絶縁性に優れる材料によって構成される。また、基材55は、ステンレス(SUS)、鉄又はアルミニウムなどの金属材料(導電性材料)の上に絶縁層を形成したものであってもよい。特に、基材55の材料が、アルミニウム、銅、銀、グラファイト、グラフェンなどの高熱伝導材料である場合は、ヒータ23の均熱性が向上し、画像品質を高めることができる。絶縁層57は、アルミナ又は窒化アルミなどのセラミック、ガラス、マイカ、ポリイミドなどの耐熱性と絶縁性に優れる材料によって構成される。抵抗発熱体56は、例えば、銀パラジウム(AgPd)及びガラス粉末などを調合したペーストを基材55の表面にスクリーン印刷などにより塗工し、その後、基材55を焼成することによって形成される。また、抵抗発熱体56の材料として、銀合金(AgPt)又は酸化ルテニウム(RuO)などの抵抗材料を用いることも可能である。また、電極部58及び給電線59は、銀(Ag)もしくは銀パラジウム(AgPd)をスクリーン印刷するなどにより形成される。
図5は、ヒータ23に給電部材としてのコネクタ40が接続された状態を示す斜視図である。
図5に示されるように、コネクタ40は、樹脂製のハウジング41と、ハウジング41に設けられた複数のコンタクト端子42と、各コンタクト端子42に接続された給電用のハーネス43を有している。各コンタクト端子42は、板バネなどの弾性変形可能な部材によって構成されている。
図5に示されるように、コネクタ40は、ヒータ23及びヒータホルダ24を一緒に挟むようにして取り付けられる。これにより、ヒータ23及びヒータホルダ24は、コネクタ40によって一緒に保持される。また、この状態において、コネクタ40の各コンタクト端子42の先端(接触部42a)が、それぞれ対応する電極部58に弾性的に接触(圧接)することにより、各コンタクト端子42と各電極部58とが電気的に接続される。これにより、コネクタ40を介して画像形成装置本体の電源からヒータ23(各抵抗発熱体56)へ給電可能な状態となる。
ここで、従来の定着装置における課題について説明する。
図38は、従来の定着装置において、用紙がニップ部を通過する通紙領域(シート通過領域)を示す図である。
図38に示されるように、この構成においては、各種幅サイズの用紙P1,P2がそれぞれの幅方向中央cを基準に合わせて搬送される、いわゆる中央基準搬送方式が採用されている。図38において、符号W1は、定着装置に通紙される各種用紙のうち、最大幅の用紙P1が通過する最大通紙幅(最大シート通過幅)を示し、符号W2は、最小幅の用紙P2が通過する最小通紙幅(最小シート通過幅)を示す。
一般的に、ヒータ23の発熱領域60は、用紙の幅方向中央cを基準に対称に配置され、定着装置に搬送される各種幅サイズの用紙を加熱できるように、最大通紙幅W1と同じか、それよりも大きい範囲に渡って配置されている。このため、最大通紙幅W1よりも小さい幅の用紙(例えば、最小幅の用紙P2)が搬送されると、小さい幅の用紙P2が通過しない非通紙領域において、ヒータ23及び定着ベルト21などが温度上昇する問題がある。このような非通紙領域における温度上昇は、定着ベルト21などの損傷を招く虞があるため、損傷が生じる前にプリント速度を低下させて非通紙領域における温度上昇を抑制する必要がある。しかしながら、プリント速度の低下は、生産性を低下につながる。
そのため、非通紙領域における温度上昇の問題を改善するため、従来の定着装置においては、非通紙領域の温度を検知する温度センサを設け、温度センサによって検知される温度が所定の温度(損傷が生じ得る温度)に近づいた場合にのみプリント速度を低下させる対策がとられているものがある。この場合、必要な場合に限ってプリント速度を低下させるため、不要な生産性低下を回避できる。また、中央基準搬送方式においては、両側の非通紙領域の温度上昇が同じ程度となるため、図38に示されるように、少なくとも一方の非通紙領域(例えば、最大通紙幅W1の外側)において、ヒータ23又は定着ベルト21などの温度を検知する温度センサ27があれば、非通紙領域における温度上昇を検知できる。
しかしながら、用紙の補充作業を行う場合などにおいて、用紙があらかじめセットされる位置からずれた位置にセットされると、用紙が搬送基準の中央cからずれて搬送される場合がある。その場合、片側の非通紙領域に配置される温度センサ27によっては非通紙領域における温度上昇を的確に検知できない場合がある。すなわち、図39に示されるように、用紙Pがあらかじめ設定されている通過領域Wよりも幅方向の一方(図の左側)へずれた場合、温度センサ27が配置される領域が非通紙領域ではなく、通紙領域となるため、温度センサ27によって温度上昇は検知されない。しかしながら、用紙Pがずれた側とは反対側(図の右側)においては、温度上昇は顕著となる。このため、用紙Pがずれた側とは反対側における温度上昇を検知できず、結果的に温度上昇が生じてしまう。
斯かる問題を解決する対策として、両側の非通紙領域にそれぞれ温度センサを配置する対策があるが、この場合、温度センサの設置数が増えるため、コストが高くなる問題がある。また、両側の非通紙領域にそれぞれ温度センサが配置されていたとしても、温度センサが非通紙領域における温度上昇を検知するまでにはある程度の時間を要するため、温度センサの検知に基づき用紙の位置ずれ搬送が把握されるまでの間、位置ずれした用紙に対する画像形成が行われる。すなわち、温度センサのみの検知情報に基づき用紙の位置ずれを把握する場合は、用紙の位置ずれを早い時点で把握することが困難なため、用紙とトナーが無駄に消費されることになる。
また、定着装置においては、上記問題のほか、最大幅の用紙P1を通紙した場合に、用紙P1の幅方向両端側において十分に熱が付与されず定着不良が生じる問題がある。すなわち、定着ベルト21の温度が所定の定着温度まで上昇した直後は定着ベルト21の蓄熱量が十分ではないため、最大幅の用紙P1が通過した場合に最大通紙幅W1の両端側において定着ベルト21の温度が低下し、定着不良が生じる場合がある。
上記の通り、従来の定着装置においては、非通紙領域における温度上昇の問題ほか、用紙の位置ずれ検知の問題、コストの問題、用紙の幅方向両端側における定着不良の問題などの種々の問題がある。そこで、以下に説明する本発明発明の実施形態においては、低コスト化を図りつつ、定着装置における種々の問題を解決するため、次のような構成を採用している。以下、本発明の実施形態における特徴部分について説明する。
図6は、本発明の実施形態におけるヒータ23、温度センサ27及び用紙センサ30の、各通紙領域P1,P2に対する位置関係を示す図である。
図6に示されるように、本実施形態においては、ヒータ23の温度を検知する温度センサ27が、最小通紙幅W2の内側と、最大通紙幅W1の外側に、それぞれ1つずつ配置されている。
なお、本発明における「最大通紙幅」とは、最大幅の用紙が実際に通過するか否かに関わらず、最大幅の用紙が通過すると想定されるあらかじめ設定された領域を意味する。具体的に、本実施形態においては、各種幅サイズの用紙がそれぞれの幅方向中央cを基準に合わせて搬送される中央基準搬送方式が採用されているので、各種用紙は、図6中の符号mにより示される定着ベルト21の長手方向中央又は加圧ローラ22のローラ部62(弾性層221の部分)の軸方向中央を基準に対称となるように搬送される。このため、本実施形態においては、定着ベルト21の長手方向中央又は加圧ローラ22のローラ部62の軸方向中央(m)から両端側に向かって用紙の最大幅の半分の距離離れた位置までの範囲が、最大通紙幅W1となる。例えば、最大幅の用紙がA4サイズ(幅:210mm)の用紙である場合は、定着ベルト21の長手方向中央又は加圧ローラ22のローラ部62の軸方向中央から両端側に向かってA4サイズの半分の距離である105mmずつ離れた位置までの範囲が、最大通紙幅となる。また、本発明における「最小通紙幅」も、最大通紙幅と同じように、最小幅の用紙が実際に通過するか否かに関わらず、最小幅の用紙が通過すると想定されるあらかじめ設定された領域を意味する。従って、定着ベルト21の長手方向中央又は加圧ローラ22のローラ部62の軸方向中央から両端側に向かって用紙の最小幅の半分の距離離れた位置までの範囲が、最小通紙幅W2となる。
上記2つの温度センサ27のうち、最小通紙幅W2の内側に配置される温度センサ27Aは、各種用紙の通紙幅の中央c、言い換えれば、定着ベルト21の長手方向中央又は加圧ローラ22のローラ部62の軸方向中央に配置されている。詳しくは、温度センサ27Aのうち、温度を検知する検知部が、各種用紙の通紙幅の中央cに配置されている。このように、1つの温度センサ27Aが、各種用紙の通紙幅の中央cに配置されていることにより、この温度センサ27Aによって各種用紙の通紙幅内におけるヒータ23の温度を検知できる。そして、その検知温度に基づいてヒータ23が制御されることにより、定着ベルト21が所定の温度となるように維持される。なお、最小通紙幅W2の内側に配置される温度センサ27Aは、必ずしも通紙幅の中央cに配置される場合に限らず、通紙幅の中央cからずれた位置に配置される場合であってもよい。
これに対して、最大通紙幅W1の外側に配置される温度センサ27Bは、最大通紙幅W1の両側にある非通紙領域のうち、片側の非通紙領域、すなわち、定着ベルト21又は加圧ローラ22の一端部側に配置されている。詳しくは、温度センサ27Bのうち、温度を検知する検知部が、最大通紙幅W1の片側の非通紙領域に配置されている。以下、通紙幅の中央cに配置される温度センサ27A(第一の温度検知部材)を、便宜的に「中央温度センサ」と称し、定着ベルト21又は加圧ローラ22の一端部側に配置される温度センサ27B(第二の温度検知部材)を、便宜的に「端部側温度センサ」と称する。なお、端部側温度センサ27Bの機能及び役割については後述する。
また、図6に示されるように、本実施形態に係る定着装置20においては、シート検知部材としての用紙センサ30が設けられている。用紙センサ30は、ニップ部を通過する用紙を検知する非接触式のセンサなどであり、通紙幅の中央cを基準に端部側温度センサ27Bが設けられる側とは反対側に配置されている。また、用紙センサ30は、最小通紙幅W2の外側であって、最大通紙幅W1の内側に配置されている。詳しくは、用紙センサ30のうち、用紙を検知する検知部が、最小通紙幅W2の外側であって、最大通紙幅W1の内側に配置されている。
ここで、本実施形態に係る定着装置20においては、従来の定着装置と同じように、ヒータ23の発熱領域60が、最大通紙幅W1よりもヒータ23の長手方向両側へ広い範囲に渡って配置されているが、従来とは異なり、発熱領域60は通紙幅の中央cを基準に対称には配置されていない。すなわち、本実施形態においては、図6に示されるように、ヒータ23の長手方向Xにおける発熱領域60の中央zが、通紙幅の中央cに対して上記端部側温度センサ27Bが配置される側(図6における左側)へずれて配置されている。従って、本実施形態において、用紙センサ30は、通紙幅の中央cよりもヒータ23の発熱領域60の中央zがずれた側とは反対側(図6における右側)に配置されている。なお、本発明における「発熱領域」とは、ヒータ23の長手方向Xにおける抵抗発熱体56が配置される領域を意味し、後述の例(図22参照)に示されるように、複数の抵抗発熱体56が配置される場合は、全ての抵抗発熱体56が配置される領域の長手方向(矢印X方向)の一端から他端までの範囲を意味する。
このように、本実施形態においては、 ヒータ23の発熱領域60の中央zが、通紙幅の中央cに対してヒータ23の長手方向Xの一方(端部側温度センサ27B側)へずれて配置されているため、各種用紙が所定の通紙幅に沿って搬送されると、両側の非通紙領域のうち、発熱領域60が多く配置される側、すなわち端部側温度センサ27B側(図6における左側)の非通紙領域において、温度上昇が顕著となる。従って、用紙の搬送位置が幅方向に多少ばらついたとしても、基本的に端部側温度センサ27側の非通紙領域における温度上昇が、これとは反対側の非通紙領域における温度上昇よりも顕著となる。そして、本実施形態においては、この温度上昇が顕著となる側の非通紙領域に端部側温度センサ27Bが配置されているため、端部側温度センサ27Bによって非通紙領域における温度上昇を的確に検知できる。また、端部側温度センサ27によって検知される温度が、あらかじめ設定された上限値を超えた場合は、温度上昇による定着ベルト21の損傷などを回避すべく、プリント速度(生産性)を低下させる、あるいはヒータ23の発熱量を低下させるなどの制御が行われる。
このように、本実施形態においては、発熱領域60の中央zを通紙幅の中央cに対してずらすことにより、基本的に、発熱領域60の中央zをずらした側(図6における左側)において温度上昇が顕著となるようにし、温度上昇が顕著となる側が通紙位置のばらつきに伴って変動するのを回避している。そして、本実施形態においては、温度上昇が顕著となる側に、端部側温度センサ27Bを配置することにより、非通紙領域における温度上昇を的確に検知できるようになる。これにより、通紙位置のばらつきに起因して非通紙領域における温度上昇が的確に検知されない問題を解消できる。また、本実施形態においては、温度上昇が顕著となる側が、片側の非通紙領域に特定されることにより、両側の非通紙領域のそれぞれに温度センサを設けなくてもよくなるため、低コスト化も図れる。
また、図7に示されるように、最大幅の用紙P1があらかじめ設定された通紙幅W1から図の右側へ大きくずれて搬送された場合は、用紙P1がずれた側とは反対側(図7における左側)の非通紙領域において温度上昇がますます顕著になる。この場合、端部側温度センサ27Bによって検知される温度が、通常(用紙の位置ずれがない場合)に比べて高い温度となるため、端部側温度センサ27Bの検知温度に基づき用紙の位置ずれを把握できる。なお、端部側温度センサ27Bの検知温度に基づく用紙の位置ずれ判定は、画像形成装置に設けられる制御部により行われる。具体的には、制御部が、あらかじめ記憶されている通常時の温度情報と、端部側温度センサ27Bの検知温度とを比較することにより、検知温度が通常時の温度を上回る場合は用紙の位置ずれが生じていると判断される。そして、用紙の位置ずれが生じていると判断された場合は、給紙及び画像形成が停止されることにより、位置ずれした用紙に対する画像形成を回避する。これにより、用紙及びトナーの無駄な消費が抑制される。
また、図8に示されるように、上記と反対に、最大幅の用紙P1があらかじめ設定された通紙幅W1から図の左側へ大きくずれて搬送された場合は、用紙P1が用紙センサ30の位置を通過しなくなる。このため、用紙センサ30による用紙P1の検知がされなくなる。そして、このときの用紙センサ30の検知信号を上記制御部などが把握することにより、用紙P1の位置ずれを検知できる。そして、この場合も、続けて画像形成が行われることによる用紙及びトナーの無駄な消費を回避するため、給紙及び画像形成を停止させる。特に、この場合は、1枚目の用紙が搬送された時点で、用紙の位置ずれの有無を検知できるため、早い段階で給紙及び画像形成を停止させることができ、用紙及びトナーの無駄な消費を効果的に抑制できる。なお、用紙センサ30に代えて温度センサを配置することによっても用紙の位置ずれを検知することは可能であるが、本実施形態においては、温度センサよりも安価な用紙センサ30を用いることにより、低コスト化を図れる。
さらに、本実施形態においては、最大幅の用紙P1が通紙された場合の通紙に伴う定着ベルト21の端部側温度低下の問題も改善できる。ここで、通紙に伴う定着ベルト21の端部側温度低下は、最大通紙幅W1内の端側における定着ベルト21の温度などを検知することによって把握できるが、本実施形態においては、最大通紙幅W1内の端部において温度センサは設けられていない。そこで、本実施形態においては、最大通紙幅W1よりも外側に配置される端部側温度センサ27Bを、定着ベルト21の端部側温度低下を検知する温度センサとして用いている。すなわち、端部側温度センサ27Bによって検知される非通紙領域の温度から、最大通紙幅W1内の端側における定着ベルト21の温度を推測することにより、定着ベルト21の端部側で温度が十分に上昇しているか否かを確認できる。そして、端部側温度センサ27Bの検知温度に基づき、最大通紙幅W1内の端側における定着ベルト21の温度が十分に上昇したことが確認されてから、通紙を開始することにより、通紙に伴う端側の温度低下を抑制できる。これにより、本実施形態においては、定着ベルト21の端部側温度低下に伴う定着不良の発生を回避できる。
以上のように、本実施形態においては、発熱領域60の中央zを通紙幅の中央cに対して長手方向Xへずらして配置すると共に、端部側温度センサ27Bと用紙センサ30を上記のような位置に配置することにより、非通紙領域における温度上昇と用紙の位置ずれに伴う問題のほか、用紙の幅方向端側における温度低下、さらにはコストに関する種々の問題を解消できるようになる。
なお、中央温度センサ27A及び端部側温度センサ27Bは、ヒータ23の温度を検知する場合に限らず、定着ベルト21又は加圧ローラ22の温度を検知するものであってもよい。これらの温度センサ27A,27Bが定着ベルト21又は加圧ローラ22の温度を検知する場合であっても、上記実施形態と同じ作用及び効果を奏することができる。
また、上記実施形態においては、最大幅の用紙P1が通紙される場合の非通紙領域における温度上昇及び位置ずれを例に説明したが、本発明は、最大幅の用紙P1のほか、それよりも幅の小さい用紙を通紙する場合にも適用可能である。従って、端部側温度センサ27B及び用紙センサ30の配置は、図6に示される位置に限らず変更可能である。
例えば、図9に示される例のように、端部側温度センサ27Bと用紙センサ30の配置を、最大通紙幅W1よりも小さい通紙幅W3の用紙P3に対応した位置としてもよい。この場合、端部側温度センサ27Bが、最大通紙幅W1の内側で、かつ、最大通紙幅W1より小さい通紙幅W3の外側に配置され、用紙センサ30が、最大通紙幅W1よりも小さい通紙幅W3内の端側に配置されている。これにより、最大通紙幅W1よりも小さい通紙幅W3の用紙P3が通紙される場合の非通紙領域における温度上昇及び位置ずれを検知できる。また、本発明は、その他の特定の幅サイズの用紙を通紙する場合においても適用可能である。
続いて、上記実施形態(第1実施形態)とは異なる本発明の他の実施形態(第2実施形態)について説明する。以下、主に上記実施形態とは異なる部分について説明し、同じ部分については適宜説明を省略する。
図10に示される定着装置20は、ヒータ23とヒータホルダ24との間に、熱移動補助部材又は高熱伝導部材としての均熱板89を備えるものである。それ以外は、上記実施形態に係る定着装置(図2参照)と基本的に同じ構成である。均熱板89は、ヒータホルダ24よりも熱伝導率が高い材料(例えば、銅、アルミニウム、銀など)により構成され、ヒータ23の長手方向Xに延在することにより、ヒータ23の熱を定着ベルト21の長手方向に移動させて均熱化を図る。
図11に示されるように、均熱板89は、一定の厚みを有する板状の部材であり、例えば、その厚みが0.3mm、長手方向方向の長さが222mm、長手交差方向の幅が10mmに設定される。本実施形態においては、均熱板89が単一の板材により構成されるが、複数の部材からなってもよい。なお、図10においては、図9に記載のガイド部材26が省略されている。
また、図11に示されるように、均熱板89は、ヒータホルダ24の凹部24aに嵌め込まれ、その上からヒータ23が取り付けられることにより、ヒータホルダ24とヒータ23とに挟み込まれて保持される。本実施形態においては、均熱板89の長手方向の幅がヒータ23の長手方向Xの幅と略同じに設定されている。均熱板89及びヒータ23は、ヒータホルダ24の凹部24aの長手方向に配置される両側壁24b,24cによって、長手方向と交差する方向(用紙搬送方向)の移動が規制される。また、均熱板89及びヒータ23は、ヒータホルダ24の凹部24aの長手方向と交差する方向に配置される両側壁24d,24eによって、長手方向の移動も規制される。このように、均熱板89の定着装置内における長手方向の位置ずれが規制されることにより、長手方向の狙いの範囲に対して熱伝導効率を向上させることができる。
図12は、本実施形態におけるヒータ23、均熱板89、温度センサ27及び用紙センサ30の、各通紙領域P1,P2に対する位置関係を示す図である。
図12に示されるように、本実施形態においては、上記実施形態とは異なり、ヒータ23の発熱領域60の中央zが、通紙幅の中央cに対してヒータ23の長手方向Xにずれておらず、通紙幅の中央cと同じ位置に配置されている。すなわち、発熱領域60は、通紙幅の中央cを基準に対称に配置されている。これに対して、均熱板89の長手方向の中央vは、通紙幅の中央cに対してヒータ23の長手方向Xへずれて配置されている。
このように、本実施形態においては、均熱板89の長手方向の中央vが、通紙幅の中央cに対してヒータ23の長手方向Xの一方へずれて配置されているため、各種用紙が所定の通紙幅に沿って搬送されると、両側の非通紙領域のうち、均熱板89が多く配置される側(図12における左側)の非通紙領域における温度上昇が他方の非通紙領域の温度上昇に比べて顕著になる。すなわち、均熱板89の長手方向の中央vがずれた側においては、ヒータ23の熱が均熱板89を介して定着ベルト21へ伝達されやすいので、非通紙領域における定着ベルト21の温度上昇が顕著となる。このように、本実施形態においては、均熱板89の長手方向の中央vを通紙幅の中央cに対してずらすことにより、温度上昇が顕著となる側が一方(図12における左側)の非通紙領域となるように特定している。なお、均熱板89が、ヒータ23の長手方向Xに渡って複数配置される場合は、これらすべての均熱板89が配置される領域、すなわち、一方の端の均熱板89から他方の端の均熱板89までの領域における長手方向の中央を上記均熱板89の中央vとする。そして、この領域の中央vが、通紙幅の中央cに対してヒータ23の長手方向Xの一方へずれるように配置されればよい。
従って、本実施形態においても、温度上昇が顕著となる側の非通紙領域に端部側温度センサ27Bを配置することにより、端部側温度センサ27Bによって非通紙領域における温度上昇を的確に検知できるようになる。斯かる非通紙領域における温度上昇を検知するため、本実施形態においては、端部側温度センサ27Bが、均熱板89の長手方向の中央vがずれた側の非通紙領域(最大通紙幅W1の外側)に配置されている。一方、用紙センサ30は、通紙幅の中央cを基準に端部側温度センサ27Bが設けられる側とは反対側において通紙領域(最大通紙幅W1)内に配置されている。
これにより、本実施形態においても、上記実施形態と同じように、非通紙領域における温度上昇と用紙の位置ずれに伴う問題のほか、用紙の幅方向両端側における温度低下、コストに関する種々の問題を解消できるようになる。
また、本実施形態において、中央温度センサ27A及び端部側温度センサ27Bは、定着ベルト21の温度を検知するものであってもよいし、加圧ローラ22又は均熱板89の温度を検知するものであってもよい。また、端部側温度センサ27B及び用紙センサ30が配置は、図12に示されるような最大通紙幅W1に対応した位置に限らず、上記図9に示される例と同じように、最大通紙幅W1よりも小さい任意の通紙幅に対応した配置であってもよい。
上記本発明の各実施形態においては、ヒータ23の発熱領域60の中央zと均熱板89の中央vのうちのいずれか一方を、通紙幅の中央cに対してずらす構成について説明したが、ヒータ23の発熱領域60の中央zと均熱板89の中央vの両方を、通紙幅の中央cに対して同じ方向へずらすようにしてもよい。
続いて、上記本発明の各実施形態における変形例又は追加の構成事項について説明する。
上記のように、本発明の各実施形態においては、用紙の幅方向における一方向の位置ずれを、用紙センサ30によって検知することにより、その位置ずれを早い段階で把握できるようにしているが、用紙の誤セットのされ方によっては、用紙が幅方向のいずれの方向に位置ずれするかわからない。
そこで、図13に示される例のように、給紙カセット14に設けられる底板31のシート載置面31aを、通紙幅の中央cよりも端部側温度センサ27Bが配置される側(図13における左側)において下方へ傾斜するようにしてもよい。このように、給紙カセット14の底板31を傾斜させることにより、用紙Pの位置ずれを一方向に特定できる。すなわち、図13に示されるように、用紙Pの幅方向両端位置を規制する一対の規制部材32同士の間隔が、用紙Pの幅よりも広い間隔にセットされていたとしても、底板31(シート載置面31a)が傾斜しているため、底板31上の用紙Pが重力に従いシート載置面31aの傾斜に沿って図13における左側へ寄って配置される。この場合、用紙Pが搬送されると、用紙Pがあらかじめ設定された通紙幅からずれて搬送されることになるが、その位置ずれ方向が端部側温度センサ27B側のずれとなるので、上記図8に示される例のように、用紙センサ30による用紙検知の有無に基づき位置ずれを検知できる。従って、用紙の位置ずれを早い段階で把握できるようになる。
また、図14に示される例のように、用紙センサ30は、定着装置20に設けられるのではなく、画像形成装置本体に設けられていてもよい。この場合、定着装置20が交換される際に、定着装置20と一緒に用紙センサ30を交換しなくてもよいため、交換コストの低減を図れる。
また、図15に示される例のように、定着ベルト21は、基材210と、基材210よりも外周側に設けられる表層(離型層)212から成るベルトであってもよい。この場合、表層(離型層)212と基材210との間にゴム層などの弾性層が設けられていないので、弾性層を有する定着ベルトに比べて、断熱性が低く、ヒータから定着ベルト表面(外周面)への熱伝導率が良い。しかしながら一方で、非通紙領域における定着ベルト21の温度上昇が顕著となることが考えられる。そのため、このような弾性層を有しない定着ベルト21を備える定着装置においては、本発明を適用することが好ましい。本発明を適用することにより、非通紙領域における温度上昇を的確に検知できるので、定着ベルト21の損傷をより確実に抑制できるようになる。
以上、本発明について説明したが、本発明は上記実施形態及び各例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能である。
例えば、本発明は、図16~図19に示されるような構成の定着装置にも適用可能である。以下、図16~図19に示される各定着装置の構成について説明する。
図16に示される定着装置20は、上記図2に示される定着装置20と比べて、ヒータ23の温度を検知する温度センサ27の位置が異なる。それ以外の部分は、同じ構成である。図16に示される定着装置20においては、通紙方向におけるニップ部Nの中央Mよりも通紙方向上流側(ニップ入口側)に配置されている。一方、図2に示される定着装置20においては、温度センサ27が、ニップ部Nの中央Mに配置されている。図16に示されるように、温度センサ27がニップ部Nの中央Mよりも通紙方向上流側に配置されている場合は、温度センサ27によってニップ入口側の温度を精度良く検知できる。ニップ入口側においては、ニップ部Nに進入する用紙Pによって定着ベルト21の熱が特に奪われやすい領域であるため、温度センサ27によってニップ入口側の温度を精度良く検知することにより、画像の定着性を確保でき、定着オフセット(トナー画像を十分に加熱できない状態)の発生を効果的に抑制できる。
次に、図17に示される実施形態においては、ヒータ23によって定着ベルト21を加熱する加熱用のニップ部N1と、用紙Pを通過させる定着用のニップ部N2が、それぞれ別の位置に形成されている。具体的に、本実施形態においては、定着ベルト21の内側に、ヒータ23のほかニップ形成部材68が配置され、ヒータ23とニップ形成部材68に対してそれぞれ加圧ローラ69,70が定着ベルト21を介して押し当てられることにより、加熱用のニップ部N1と定着用のニップ部N2が形成されている。この場合、加熱用のニップ部N1において定着ベルト21が加熱され、定着用のニップ部N2において定着ベルト21の熱が用紙Pへ付与されることにより、未定着画像が用紙Pに定着される。
続いて、図18に示される定着装置20は、上記図17に示される定着装置において、ヒータ23側の加圧ローラ69が省略され、ヒータ23が定着ベルト21の曲率に合わせて円弧状に形成された例である。それ以外は、図17に示される構成と同じである。この場合、ヒータ23が円弧状に形成されていることにより、定着ベルト21とヒータ23とのベルト回転方向の接触長さを確保し、定着ベルト21を効率良く加熱できる。
続いて、図19に示される定着装置20は、一対の回転体としてのベルト71,72の間に、別の回転体としてのローラ73が配置された例である。この例においては、図19における左側のベルト71内にヒータ23が配置され、右側のベルト72内にニップ形成部材74が配置されている。ヒータ23が左側のベルト71を介してローラ73に接触し、ニップ形成部材74が右側のベルト72を介してローラ73に接触することにより、加熱用のニップ部N1と定着用のニップ部N2が形成されている。この場合、ヒータ23は、左側のベルト71を介してローラ73を加熱する。
また、本発明に係る画像形成装置は、図1に示されるカラー画像形成装置に限らず、図20に示されるような構成の画像形成装置にも適用可能である。以下、本発明を適用可能な他の実施形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
図20に示される画像形成装置100は、感光体ドラムなどから成る画像形成手段80と、一対のタイミングローラ81などから成る用紙搬送部と、給紙装置82と、定着装置83と、排紙装置84と、読取部85を備えている。給紙装置82は複数の給紙トレイを備え、それぞれの給紙トレイが異なるサイズの用紙を収容する。
読取部85は原稿Qの画像を読み取る。読取部85は、読み取った画像から画像データを生成する。給紙装置82は、複数の用紙Pを収容し、搬送路へ用紙Pを送り出す。タイミングローラ81は搬送路上の用紙Pを画像形成手段80へ搬送する。
画像形成手段80は、用紙Pにトナー画像を形成する。具体的には、画像形成手段80は、感光体ドラムと、帯電ローラと、露光装置と、現像装置と、補給装置と、転写ローラと、クリーニング装置と、除電装置を含む。定着装置83は、トナー画像を加熱及び加圧して、用紙Pにトナー画像を定着させる。トナー画像の定着された用紙Pは、搬送ローラなどにより排紙装置84へ搬送される。排紙装置84は、画像形成装置100の外部に用紙Pを排出する。
次に、図21に基づき、本実施形態に係る定着装置83について説明する。なお、図21に示される構成において、図2に示される上記実施形態の定着装置20と共通する構成の部分については、同一の符号を付すことによりその説明を省略する。
図21に示されるように、定着装置83は、定着ベルト21と、加圧ローラ22と、ヒータ23と、ヒータホルダ24と、ステー25と、温度センサ27などを備えている。
定着ベルト21と加圧ローラ22との間にニップ部Nが形成される。ニップ部Nのニップ幅は10mm、定着装置83の線速は240mm/sである。
定着ベルト21は、ポリイミドの基体と離型層とを備え、弾性層を有していない。離型層は、例えばフッ素樹脂から成る耐熱性のフィルム材によって形成される。定着ベルト21の外径は約24mmである。
加圧ローラ22は、芯金と弾性層と離型層とを含む。加圧ローラ22の外径は24~30mmであり、弾性層の厚みは3~4mmである。
ヒータ23は、基材と、断熱層と、抵抗発熱体などを含む導体層と、絶縁層とを含み、全体の厚みが1mmに設定される。また、ヒータ23の用紙搬送方向の幅は13mmである。
図22に示されるように、ヒータ23の導体層は、複数の抵抗発熱体56と、給電線59と、電極部58A~58Cを備えている。複数の抵抗発熱体56は、ヒータ23の長手方向(矢印X方向)に互いに間隔をあけて配置されている。ここで、各抵抗発熱体56同士の間の部分を、「分割領域」と称すると、図22の拡大図に示されるように、各抵抗発熱体56の間は、それぞれ分割領域Bが形成されている(図22においては、拡大図の範囲のみで分割領域Bを図示しているが、実際は全ての抵抗発熱体56同士の間に分割領域Bが設けられている)。また、図22において、矢印Y方向は、ヒータ23の長手方向Xに交差又は直交する方向(長手交差方向)で、基材55の厚み方向と異なる方向である。また、矢印Y方向は、複数の抵抗発熱体56の配列方向に交差する方向(配列交差方向)、又は、基材55の抵抗発熱体56が設けられた面に沿う方向でヒータ23の短手方向、あるいは、定着装置に通紙される用紙の搬送方向と同じ方向でもある。
また、複数の抵抗発熱体56により、中央の発熱部35Bと、これとは独立して発熱可能な両端側の発熱部35A,35Cが構成されている。例えば、3つの電極部58A~58Cのうち、図22の左端の電極部58Aと中央の電極部58Bに通電すると、両端側の発熱部35A,35Cが発熱する。また、両端の電極部58A,58Cに通電すると、中央の発熱部35Bが発熱する。例えば、小サイズ用紙に定着動作を行う場合は、中央の発熱部35Bのみを発熱させ、大サイズ用紙に定着動作を行う場合は、全ての発熱部35A~35Cを発熱させることにより、用紙のサイズに応じた加熱が可能である。
また、図23に示されるように、本実施形態に係るヒータホルダ24は、ヒータ23を収容して保持する凹部24aを有している。凹部24aは、ヒータホルダ24のヒータ23側に形成されている。また、凹部24aは、ヒータ23とほぼ同じサイズの矩形(長方形)に形成された面(底面)24fと、その面24fの外郭を形成する4つの辺に沿って面24fと交差するように設けられた4つの壁部(側面)24b,24c,24d,24eにより構成されている。なお、図37において、右側の壁部24eは、図示省略されている。また、ヒータ23の長手方向X(抵抗発熱体56の配列方向)に対して交差する一対(左右)の壁部24d,24eのうち、一方の壁部を省略し、凹部24aがヒータ23の長手方向の一端部において開口するように構成してもよい。
図24に示されるように、本実施形態に係るヒータ23及びヒータホルダ24は、コネクタ86によって保持される。コネクタ86は、樹脂製(例えばLCP)のハウジングと、ハウジング内に設けられた複数のコンタクト端子などを有している。
コネクタ86は、ヒータ23及びヒータホルダ24に対して、ヒータ23の長手方向X(抵抗発熱体56の配列方向)とは交差する方向に取り付けられる(図24のコネクタ86からの矢印方向参照)。また、コネクタ86は、ヒータ23の長手方向X(抵抗発熱体56の配列方向)におけるいずれか一方の端部側であって、加圧ローラ22の駆動モータが設けられる側とは反対側において、ヒータ23及びヒータホルダ24に取り付けられる。なお、コネクタ86のヒータホルダ24に対する取り付け時に、コネクタ86とヒータホルダ24のうちの一方に設けられた凸部が、他方に設けられた凹部に係合し、凸部が凹部内を相対移動する構成としてもよい。
コネクタ86が取り付けられた状態においては、ヒータ23とヒータホルダ24がその表側と裏側からコネクタ86によって挟まれるようにして保持される。この状態において、各コンタクト端子がヒータ23の各電極部に接触(圧接)されることにより、コネクタ86を介して各抵抗発熱体56と画像形成装置に設けられた電源とが電気的に接続される。これにより、電源から各抵抗発熱体56へ電力が供給可能な状態となる。
また、図24に示されるフランジ87は、定着ベルト21の長手方向における両端部に設けられ、定着ベルト21の両端部を内側から保持するベルト保持部材である。フランジ87は、ステー25の両端に挿入され、定着装置のフレーム部材である一対の側板に固定される。
図25は、本実施形態に係る温度センサ27と、通電遮断部材であるサーモスタット88の配置を示す図である。
図25に示されるように、本実施形態に係る温度センサ27は、定着ベルト21の長手方向(矢印X方向)における中央Xm側と端部側のそれぞれの内周面に対向するように配置されている。また、これらの温度センサ27のうちいずれか一方は、ヒータ23の抵抗発熱体同士間の上記分割領域B(図22参照)に対応する位置に配置される。
また、定着ベルト21の中央Xm側と端部側においては、通電遮断部材としてのサーモスタット88が定着ベルト21の内周面に対向するように配置されている。各サーモスタット88は、定着ベルト21の内周面の温度又は内周面近傍の雰囲気温度を検知する。サーモスタット88によって検知された温度があらかじめ設定された閾値を超えた場合は、ヒータ23への通電が遮断される。
また、図25及び図26に示されるように、定着ベルト21の両端部を保持するフランジ87には、スライド溝87aが設けられている。スライド溝87aは、定着ベルト21の加圧ローラ22に対する接離方向に延在する。スライド溝87aには定着装置の筐体の係合部が係合する。この係合部がスライド溝87a内を相対移動することにより、定着ベルト21は加圧ローラ22に対する接離方向へ移動可能に構成されている。
また、上記均熱板89が配置される範囲は、図11に示される範囲に限らない。
例えば、図27に示される例のように、各抵抗発熱体56同士の間の間隔(分割領域)Bに対応する位置で、その全域のみに均熱板89を配置してもよい。なお、図27においては、便宜上、抵抗発熱体56と均熱板89が図27の上下方向にずらして示されているが、両者は長手交差方向(矢印Y方向)のほぼ同じ位置に配置される。また、均熱板89は、抵抗発熱体56の長手交差方向(矢印Y方向)の一部に渡って配置されてもよいし、図28に示される例のように、均熱板89が抵抗発熱体56の長手交差方向(矢印Y方向)の全体に渡って配置されていてもよい。さらに、図28に示されるように、均熱板89を、長手方向の間隔Bに対応する位置に加えて、その間隔Bを間にはさむ両側の抵抗発熱体56にまたがって配置することもできる。この「均熱板89を両側の抵抗発熱体56にまたがって配置する」とは、均熱板89が両側の抵抗発熱体56と長手方向の位置が少なくとも一部重なることを意味する。また、均熱板89は、ヒータ23の全ての間隔Bに対応する位置に配置されてもよいし、図28に示される例のように、一部の間隔B(この場合1箇所)に対応する位置だけ配置されてもよい。ここで、「均熱板89が間隔Bに対応する位置に配置される」とは、間隔Bと均熱板89の少なくとも一部が長手方向において重なることを意味する。
加圧ローラ22の加圧力により、均熱板89はヒータ23とヒータホルダ24との間に挟み込まれてこれらの部材に密着する。均熱板89がヒータ23に接触することにより、ヒータ23の長手方向の熱伝導効率が向上する。そして、均熱板89が、長手方向において、ヒータ23の間隔Bに対応する位置に配置されることにより、間隔Bにおける熱伝導効率を向上させることができ、間隔Bへ伝達される熱量を増やし、間隔Bにおける温度を上昇させることができる。これにより、ヒータ23の長手方向の温度ムラを抑制でき、定着ベルト21の長手方向の温度ムラを抑制できる。その結果、用紙に定着される画像の定着ムラ及び光沢ムラを抑制できる。また、間隔Bにおいて十分な定着性能を確保するために、ヒータ23の発熱量を多くする必要が無くなり、定着装置の省エネ化を実現できる。特に、抵抗発熱体56が配置される長手方向全域に渡って均熱板89が配置される場合は、ヒータ23による主な加熱領域(つまり、通紙される用紙の画像形成領域)全域において、ヒータ23の伝熱効率を向上させ、ヒータ23ひいては定着ベルト21の長手方向の温度ムラを抑制できる。
さらに、均熱板89とPTC特性を有する抵抗発熱体56との組み合わせにより、小サイズ用紙通紙時の非通紙領域による過昇温をより効果的に抑制できる。このPTC特性とは、温度が高くなると抵抗値が高くなる(一定電圧をかけた場合に、ヒータ出力が下がる)特性である。すなわち、抵抗発熱体56がPTC特性を有していることにより、非通紙領域における抵抗発熱体56の発熱量を効果的に抑制できると共に、均熱板89によって、温度が上昇した非通紙領域の熱量を通紙領域へ効率的に伝達できるので、これらの相乗効果により非通紙領域による過昇温を効果的に抑制できる。
また、間隔Bの周辺においても、間隔Bの発熱量が小さいことによりヒータ23の温度が低くなるため、均熱板89を配置することが好ましい。例えば、図29に示される間隔Bの周辺の領域を含む拡大分割領域Cに対応する位置に、均熱板89を配置することにより、間隔B及びその周辺における長手方向の熱伝達効率を向上させ、ヒータ23の長手方向の温度ムラをより効果的に抑制できる。また、均熱板89が、全ての抵抗発熱体56が配置される領域の長手方向全体に渡って配置されている場合は、ヒータ23(定着ベルト21)の長手方向の温度ムラをより確実に抑制できる。
続いて、定着装置のさらに別の実施形態について説明する。
図30に示される定着装置20は、ヒータホルダ24と均熱板89との間に第2高熱伝導部材90を有している。第2高熱伝導部材90は、ヒータホルダ24、ステー25、第1高熱伝導部材である均熱板89などの部材の積層方向(図30における左右方向)において、均熱板89と異なる位置に設けられる。より詳しくは、第2高熱伝導部材90は、均熱板89に重ね合わせされて設けられる。また、本実施形態においては、上記図10に示される実施形態と同じように、温度センサ(サーミスタ)27が設けられているが、図30は、温度センサ27が配置されていない断面を示している。
第2高熱伝導部材90は、基材55よりも熱伝導率の高い部材、例えばグラフェン又はグラファイトにより構成される。本実施形態においては、第2高熱伝導部材90が、厚み1mmのグラファイトシートにより構成される。また、第2高熱伝導部材90は、アルミニウム、銅、銀などの板材により構成されてもよい。
図31に示されるように、第2高熱伝導部材90は、ヒータホルダ24の凹部24aに複数配置され、各第2高熱伝導部材90同士の間には長手方向の間隔が介在している。ヒータホルダ24の第2高熱伝導部材90が設けられる部分には、その他の部分よりも一段深い窪みが形成されている。第2高熱伝導部材90は、長手方向の両側において、ヒータホルダ24との間に隙間が設けられている。これにより、第2高熱伝導部材90からヒータホルダ24への伝熱が抑制され、ヒータ23によって定着ベルト21が効率的に加熱される。なお、図31においては、図10に記載のガイド部材26が省略されている。
図32に示されるように、第2高熱伝導部材90(ハッチング部参照)は、長手方向(矢印X方向)において、間隔Bに対応する位置で、隣り合う抵抗発熱体56の少なくとも一部に重なる位置に配置されている。特に、本実施形態においては、第2高熱伝導部材90が、間隔B全域に渡って配置されている。なお、図32(および後述の図34)においては、均熱板89が、全ての抵抗発熱体56が配置される領域の長手方向全体に渡って配置されている場合を示しているが、均熱板89の配置範囲はこれに限らない。
本実施形態のように、均熱板89に加えて、長手方向の間隔Bに対応する位置で、隣り合う抵抗発熱体56の少なくとも一部に重なる位置に第2高熱伝導部材90が配置されていることにより、間隔Bにおける長手方向の熱伝達効率をより一層向上させ、ヒータ23の長手方向の温度ムラをより効果的に抑制できる。また、最も好ましくは、図33に示されるように、間隔Bに対応する位置でその全域にのみ均熱板89及び第2高熱伝導部材90を設ける。これにより、間隔Bに対応する位置において、その他の領域と比較して特に熱伝達効率を向上させることができる。なお、図33においては、便宜上、抵抗発熱体56と均熱板89及び第2高熱伝導部材90が、図の上下方向にそれぞれずらして示されているが、これらは長手交差方向(矢印Y方向)のほぼ同じ位置に配置される。ただし、これに限るものではなく、均熱板89及び第2高熱伝導部材90は、抵抗発熱体56の長手交差方向の一部に配置されていてもよいし、長手交差方向の全体を覆うようにして配置されていてもよい。
また、均熱板89及び第2高熱伝導部材90の両方が上記グラフェンシートにより構成されてもよい。この場合、グラフェンの面に沿う所定の方向、つまり、厚み方向ではなく長手方向に熱伝導率の高い均熱板89及び第2高熱伝導部材90を形成できる。このため、ヒータ23及び定着ベルト21の長手方向の温度ムラを効果的に抑制できる。
グラフェンは薄片状の粉体である。グラフェンは、図36に示されるように、炭素原子の平面状の六角形格子構造から成る。グラフェンシートとは、シート状のグラフェンであり、通常、単層である。また、グラフェンシートは、炭素の単一層に不純物を含んでいてもよいし、フラーレン構造を有するものであってもよい。フラーレン構造は、一般的に、同数の炭素原子が5員環および6員環でかご状に縮環した多環体を形成して成る化合物として認識されており、例えば、C60、C70およびC80フラーレン又は3配位の炭素原子を有する他の閉じたかご状構造である。
グラフェンシートは、人工物であり、例えば化学気相蒸着(CVD)法により作製され得る。
グラフェンシートには市販品を用いることができる。グラフェンシートの大きさ、厚み、あるいは後述するグラファイトシートの層数などは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定される。
また、グラフェンを多層化したグラファイトは大きな熱伝導異方性を持つ。グラファイトは、図37に示すように、炭素原子の縮合六員環層面が平面状に広がった層を有し、この層が何重にも重なった結晶構造を有する。この結晶構造における炭素原子間は、層内での隣接する炭素原子同士は共有結合をなし、層間の炭素原子同士はファン・デル・ワールス結合をなす。そして、共有結合はファン・デル・ワールス結合に比べてその結合力が大きく、層内での結合と層間での結合とでは大きな異方性を持つ。つまり、均熱板89あるいは第2高熱伝導部材90をグラファイトにより構成することにより、均熱板89あるいは第2高熱伝導部材90における長手方向の伝熱効率が厚み方向(つまり、部材の積層方向)に比べて大きくなり、ヒータホルダ24への伝熱を抑制できる。従って、ヒータ23の長手方向の温度ムラを効率よく抑制するとともに、ヒータホルダ24側へ流出する熱を最小限に抑えることができる。また、均熱板89あるいは第2高熱伝導部材90をグラファイトにより構成することにより、700度程度まで酸化しない優れた耐熱性を均熱板89あるいは第2高熱伝導部材90に持たせることができる。
グラファイトシートの物性や寸法は、均熱板89あるいは第2高熱伝導部材90に求められる機能に応じて適宜変更できる。例えば、高純度のグラファイトあるいは単結晶グラファイトを用いる、あるいは、グラファイトシートの厚みを大きくすることにより、その熱伝導の異方性を高めることができる。また、定着装置を高速化するために、厚みの小さいグラファイトシートを用いて定着装置の熱容量を小さくしてもよい。また、ニップ部N及びヒータ23の幅が大きい場合には、それに合わせて均熱板89あるいは第2高熱伝導部材90の長手方向の幅を大きくしてもよい。
機械的強度を高める観点から、グラファイトシートの層数は11以上であることが好ましい。またグラファイトシートは部分的に単層と多層の部分とを含んでいてもよい。
第2高熱伝導部材90は、長手方向において、間隔B(さらに拡大分割領域C)に対応する位置で、隣り合う抵抗発熱体56の少なくとも一部に重なる位置に設けられればよく、図32の配置に限らない。例えば、図34に示される例のように、第2高熱伝導部材90Aは、長手交差方向(矢印Y方向)において、基材55よりも長手交差方向の両側へ飛び出して設けられていてもよい。また、第2高熱伝導部材90Bは、長手交差方向において、抵抗発熱体56が設けられる範囲に設けられていてもよい。また、第2高熱伝導部材90Cは、間隔Bの一部に設けられていてもよい。
また、図35に示される別の実施形態においては、均熱板89とヒータホルダ24との間に厚み方向(図35における左右方向)の隙間が設けられている。つまり、ヒータ23、均熱板89、及び第2高熱伝導部材90が配置されるヒータホルダ24の凹部24a(図48参照)の一部の領域に、断熱層としての逃げ部24gが設けられている。逃げ部24gは、第2高熱伝導部材90(図35においては図示省略)が設けられる部分以外の長手方向の一部の領域に設けられる。また、逃げ部24gは、ヒータホルダ24の凹部24aの深さをその他の部分よりも深くすることにより形成されている。これにより、ヒータホルダ24と均熱板89との接触面積を最小限にとどめることができるので、均熱板89からヒータホルダ24への伝熱が抑制され、ヒータ23によって定着ベルト21を効率的に加熱できるようになる。なお、長手方向の第2高熱伝導部材90が設けられる断面においては、上記図30に示される実施形態のように、第2高熱伝導部材90がヒータホルダ24に当接する。
また、本実施形態においては、逃げ部24gが、長手交差方向(図35における上下方向)において、抵抗発熱体56が設けられた範囲全域に渡って設けられている。これにより、均熱板89からヒータホルダ24への伝熱が効果的に抑制され、ヒータ23による定着ベルト21の加熱効率が向上する。なお、断熱層として、逃げ部24gのように空間を設ける構成の他、ヒータホルダ24よりも熱伝導率の低い断熱部材を設ける構成であってもよい。
また、本実施形態においては、第2高熱伝導部材90を均熱板89とは異なる部材として設けたが、これに限らない。例えば、均熱板89の間隔Bに対応する部分を、その他の部分よりも厚みを大きくすることにより、均熱板89が第2高熱伝導部材90の機能を兼ねるようにしてもよい。
以上、本発明を適用可能な他の定着装置及び画像形成装置の構成について説明したが、斯かる構成の定着装置及び画像形成装置においても本発明を適用することにより、上記実施形態と同様の効果を得られる。
また、以上の説明においては、本発明を、加熱装置の一例である定着装置に適用する場合を例に説明した。しかしながら、本発明は、定着装置に限らず、用紙に塗布されたインクなどの液体を乾燥させる乾燥装置、被覆部材としてのフィルムを用紙などのシートの表面に熱圧着させるラミネータ、包材のシール部を熱圧着するヒートシーラーなどの加熱装置にも適用可能である。
以上説明した本発明の態様をまとめると、本発明には、少なくとも下記の構成を備える加熱装置、定着装置、画像形成装置が含まれる。
[第1の構成]
第1の構成は、互いに接触してシートを通過させるニップ部を形成する一対の回転体と、抵抗発熱体が配置される発熱領域を有し、一対の前記回転体のうちの少なくとも一方を加熱する加熱源と、前記加熱源、又は前記加熱源に接触する部材、あるいは、前記一対の回転体の一方の温度を検知する温度検知部材と、を備える加熱装置であって、前記加熱源の長手方向における前記発熱領域の中央が、シート通過幅の中央に対して前記長手方向にずれて配置され、前記温度検知部材は、前記発熱領域の中央が前記シート通過幅の中央から前記長手方向にずれた側の前記シート通過幅の外側に配置される加熱装置である。
[第2の構成]
第2の構成は、互いに接触してシートを通過させるニップ部を形成する一対の回転体と、抵抗発熱体が配置される発熱領域を有し、一対の前記回転体のうちの少なくとも一方を加熱する加熱源と、前記加熱源に接触する熱移動補助部材と、前記加熱源、又は前記加熱源に接触する部材、あるいは、前記一対の回転体の一方の温度を検知する温度検知部材と、を備える加熱装置であって、前記加熱源の長手方向における前記熱移動補助部材の中央が、シート通過幅の中央に対して前記長手方向にずれて配置され、前記温度検知部材は、前記熱移動補助部材の中央が前記シート通過幅の中央から前記長手方向にずれた側の前記シート通過幅の外側に配置される加熱装置である。
[第3の構成]
第3の構成は、前記第1の構成又は第2の構成において、前記加熱源によって加熱される前記回転体は、基材と、前記基材よりも外周側に設けられる表層と、を有し、前記表層と前記基材との間に弾性層を有しないベルトである加熱装置である。
[第4の構成]
第4の構成は、前記第1から第3のいずれか1つの構成において、前記加熱源は、シート幅方向に間隔をあけて配置される複数の発熱体を有し、前記導電部材支持部は、シート幅方向において前記発熱体同士の間の領域に重なるように配置される加熱装置である。
[第5の構成]
第5の構成は、前記第1から第4のいずれか1つの構成の加熱装置を用いて未定着画像をシートに定着させる定着装置である。
[第6の構成]
第6の構成は、前記第1から第4のいずれか1つの構成の加熱装置、又は、前記第5の構成の定着装置を備える画像形成装置である。
[第7の構成]
第7の構成は、前記第6の構成において、前記ニップ部を通過するシートを検知するシート検知部材を備え、前記シート検知部材は、前記シート通過幅の中央を基準に前記温度検知部材が設けられる側とは反対側であって、前記シート通過幅の内側に配置され、前記シート検知部材は、画像形成装置本体に設けられる画像形成装置である。
[第8の構成]
第8の構成は、前記第6の構成又は第7の構成において、前記シートが収容されるシート収容部を備え、前記シート収容部は、前記シート通過幅の中央よりも前記温度検知部材が配置される側において、下方へ傾斜するように配置されるシート載置面を有する画像形成装置である。
14 給紙カセット(シート収容部)
20 定着装置(加熱装置)
21 定着ベルト(第1回転体)
22 加圧ローラ(第2回転体)
23 ヒータ(加熱源)
27 温度センサ(温度検知部材)
30 用紙センサ(シート検知部材)
31 底板
31a シート載置面
37 均熱板(熱移動補助部材)
56 抵抗発熱体
60 発熱領域
100 画像形成装置
210 基材
212 表層
N ニップ部
P 用紙(シート)
W1 最大通紙幅(最大シート通過幅)
W2 最小通紙幅(最小シート通過幅)
X 長手方向
特許第5924867号公報

Claims (8)

  1. 互いに接触してシートを通過させるニップ部を形成する一対の回転体と、
    抵抗発熱体が配置される発熱領域を有し、一対の前記回転体のうちの少なくとも一方を加熱する加熱源と、
    前記加熱源、又は前記加熱源に接触する部材、あるいは、前記一対の回転体の一方の温度を検知する温度検知部材と、
    を備える加熱装置であって、
    前記加熱源の長手方向における前記発熱領域の中央が、シート通過幅の中央に対して前記長手方向にずれて配置され、
    前記温度検知部材は、前記発熱領域の中央が前記シート通過幅の中央から前記長手方向にずれた側の前記シート通過幅の外側に配置されることを特徴とする加熱装置。
  2. 互いに接触してシートを通過させるニップ部を形成する一対の回転体と、
    抵抗発熱体が配置される発熱領域を有し、一対の前記回転体のうちの少なくとも一方を加熱する加熱源と、
    前記加熱源に接触する熱移動補助部材と、
    前記加熱源、又は前記加熱源に接触する部材、あるいは、前記一対の回転体の一方の温度を検知する温度検知部材と、
    を備える加熱装置であって、
    前記加熱源の長手方向における前記熱移動補助部材の中央が、シート通過幅の中央に対して前記長手方向にずれて配置され、
    前記温度検知部材は、前記熱移動補助部材の中央が前記シート通過幅の中央から前記長手方向にずれた側の前記シート通過幅の外側に配置されることを特徴とする加熱装置。
  3. 前記ニップ部を通過するシートを検知するシート検知部材を備え、
    前記シート検知部材は、前記シート通過幅の中央を基準に前記温度検知部材が設けられる側とは反対側であって、前記シート通過幅の内側に配置される請求項1又は2に記載の加熱装置。
  4. 前記加熱源によって加熱される前記回転体は、基材と、前記基材よりも外周側に設けられる表層と、を有し、前記表層と前記基材との間に弾性層を有しないベルトである請求項1又は2に記載の加熱装置。
  5. 請求項1又は2に記載の加熱装置を用いて未定着画像をシートに定着させることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1又は2に記載の加熱装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記ニップ部を通過するシートを検知するシート検知部材を備え、
    前記シート検知部材は、前記シート通過幅の中央を基準に前記温度検知部材が設けられる側とは反対側であって、前記シート通過幅の内側に配置され、
    前記シート検知部材は、画像形成装置本体に設けられる請求項6に記載の画像形成装置。
  8. シートが収容されるシート収容部を備え、
    前記シート収容部は、前記シート通過幅の中央よりも前記温度検知部材が配置される側において、下方へ傾斜するように配置されるシート載置面を有する請求項6に記載の画像形成装置。
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