JP2023128187A - 透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた透明性と剥離性とを兼ね備えた透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を提供する。【解決手段】透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、JIS K 6253-3:2012に準拠した方法において試験片に押針を押し込んだ直後に測定されるショアA硬さが90以上である熱可塑性ポリウレタン樹脂と、前記熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量部に対して30重量部以上、190重量部以下の、JIS K 6253-3:2012に準拠した方法において試験片に押針を押し込んだ直後に測定されるショアD硬さが40以上であるメチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂と、を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物に関する。
特許文献1には、透明性を有するショアA硬度が90以上の熱可塑性ポリウレタンの単体樹脂又は混合樹脂100重量部に対して、少なくとも、メタクリル酸メチル・ブタジエン・スチレンの3元共重合体樹脂を5~20重量部配合した熱可塑性ポリウレタン組成物をカレンダー成形して得られ、全光線透過率85%以上の透明性を有することを特徴とする透明ポリウレタンフィルムが記載されている。
特開2011-021167号公報
一方、本発明の発明者らは、優れた透明性と、混錬機や加工装置の表面からの優れた剥離性とを兼ね備えた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を実現するための技術的手段について検討を行ってきた。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、優れた透明性と剥離性とを兼ね備えた透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、JIS K 6253-3:2012に準拠した方法において試験片に押針を押し込んだ直後に測定されるショアA硬さが90以上である熱可塑性ポリウレタン樹脂と、前記熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量部に対して30重量部以上、190重量部以下の、JIS K 6253-3:2012に準拠した方法において試験片に押針を押し込んだ直後に測定されるショアD硬さが40以上であるメチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂と、を含む。本発明によれば、優れた透明性と剥離性とを兼ね備えた透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物が提供される。
また、前記透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、JIS K 7136:2000に準拠した方法により測定されるヘーズ値が、19.0%以下であることとしてもよい。また、前記透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、JIS K 6251:2017に準拠した方法により測定される引張強さが、26MPa以上であることとしてもよい。また、前記透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、JIS K 6723-1995に準拠した方法により測定される耐寒性が、マイナス50℃以下であることとしてもよい。また、前記透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、JIS K 7210-1:2014に準拠した方法により190℃、10kg荷重の条件で測定されるメルトフローレイトが、29.0g/10min以下であることとしてもよい。また、前記透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、バッチ式混錬機内において溶融混錬された後に、温度が170℃に設定された前記混錬機から自重で全量が剥離する剥離性を有することとしてもよい。
本発明によれば、優れた透明性と剥離性とを兼ね備えた透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物が提供される。
本発明の一実施形態に係る実施例において使用した熱可塑性ポリウレタン樹脂の特性を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において使用したメチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂の特性を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において製造した熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の特性を評価した結果の一部を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において製造した熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の特性を評価した結果の他の一部を示す説明図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(以下、「本組成物」という。)について説明する。なお、本発明は本実施形態に限られるものではない。
本組成物は、JIS K 6253-3:2012に準拠した方法において試験片に押針を押し込んだ直後に測定されるショアA硬さ(以下、「ショアA硬さ(直後)」という。)が90以上である熱可塑性ポリウレタン樹脂と、当該熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量部に対して30重量部以上、190重量部以下の、JIS K 6253-3:2012に準拠した方法において試験片に押針を押し込んだ直後に測定されるショアD硬さ(以下、「ショアD硬さ(直後)」という。)が40以上であるメチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂と、を含む、透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物である。
すなわち、本組成物は、熱可塑性ポリウレタン樹脂(Thermoplastic polyurethane)(以下、「TPU」という。)として、90以上のショアA硬さ(直後)を有する特定のものを採用し、且つ、メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂(以下、「MBS樹脂」という。)として、40以上のショアD硬さ(直後)を有する特定のものを採用し、さらに、当該TPU100重量部に対して、30重量部以上、190重量部以下という特定範囲内の量で当該MBS樹脂を含む、透明性を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物である。
本組成物に含まれるTPUは、ポリイソシアネートとポリオールとの化学反応により合成される、熱可塑性を有するポリウレタン樹脂である。また、本組成物に含まれるMBS樹脂は、メチルメタクリレートとブタジエンとスチレンとの三元共重合体である。
本組成物におけるMBS樹脂の含有量は、TPU100重量部に対して、例えば、35重量部以上であることが好ましく、40重量部以上であることがより好ましく、45重量部以上であることがさらに好ましく、48重量部以上であることがさらに好ましく、50重量部以上であることが特に好ましい。
また、本組成物におけるMBS樹脂の含有量は、TPU100重量部に対して、例えば、180重量部以下であることが好ましく、170重量部以下であることがより好ましく、160重量部以下であることがさらに好ましく、150重量部以下であることがさらに好ましく、140重量部以下であることがさらに好ましく、130重量部以下であることがさらに好ましく、120重量部以下であることがさらに好ましく、110重量部以下であることがさらに好ましく、100重量部以下であることがさらに好ましく、90重量部以下であることがさらに好ましく、80重量部以下であることがさらに好ましく、70重量部以下であることがさらに好ましく、60重量部以下であることが特に好ましい。本組成物におけるMBS樹脂の含有量は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。
TPUのショアA硬さ(直後)は、90以上であって本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、91以上であることが特に好ましい。また、TPUのショアA硬さ(直後)は、例えば、100以下であってもよく、97以下であってもよく、95以下であってもよく、93以下であってもよく、92以下であってもよい。TPUのショアA硬さ(直後)は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。TPUのショアA硬さ(直後)が大きいほど、本組成物の弾性が高くなるため、例えば、本組成物の加工品は、外部からの負荷を受けた場合の変形性に優れ、耐久性が向上する。ただし、TPUのショアA硬さ(直後)が大きすぎると、本組成物は、加工時に溶融しにくくなるため、加工性に劣ることとなる。
TPUのJIS K 7142:2014に準拠した方法により測定される屈折率(例えば、アッベ式屈折率計で測定される)(以下、「屈折率」という。)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、1.520以上であってもよく、1.525以上であることが好ましく、1.530以上であることがより好ましく、1.535以上であることがさらに好ましく、1.537以上であることが特に好ましい。
また、TPUの屈折率は、例えば、1.560以下であってもよく、1.555以下であることが好ましく、1.550以下であることがより好ましく、1.545以下であることがさらに好ましく、1.542以下であることが特に好ましい。TPUの屈折率は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。
TPUの溶解度パラメータ(Solubility Parameter)(以下、「SP値」という。)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、10.0(cal/cm0.5以上であってもよく、10.2(cal/cm0.5以上であることが好ましく、10.4(cal/cm0.5以上であることがより好ましく、10.5(cal/cm0.5以上であことが特に好ましい。
また、TPUのSP値は、例えば、11.0(cal/cm0.5以下であってもよく、10.8(cal/cm0.5以下であってもよく、10.7(cal/cm0.5以下であってもよい。TPUのSP値は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。
TPUのJIS K 7136:2000に準拠した方法により測定される全光線透過率(以下、「全光線透過率」という。)(%)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、80.0%以上であってもよく、85.0%以上であることが好ましく、88.0%以上であることがより好ましく、89.0%以上であることがさらに好ましく、90.0%以上であることが特に好ましい。また、TPUの全光線透過率は、例えば、99.0%以下であってもよく、95.0%以下であってもよい。TPUの全光線透過率は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。TPUの全光線透過率が大きいほど、本組成物は透光性に優れる。
TPUのJIS K 7136:2000に準拠した方法により測定される平行光線透過率(以下、「平行光線透過率」という。)(%)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、75.0%以上であってもよく、80.0%以上であることが好ましく、84.0%以上であることがより好ましく、85.0%以上であることがさらに好ましく、86.0%以上であることが特に好ましい。また、TPUの平行光線透過率は、例えば、99.0%以下であってもよく、95.0%以下であってもよい。TPUの平行光線透過率は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。TPUの平行光線透過率が大きいほど、本組成物は透光性に優れる。
TPUのJIS K 7136:2000に準拠した方法により測定される拡散光線透過率(以下、「拡散光線透過率」という。)(%)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、1.5%以上であってもよく、2.0%以上であることが好ましく、2.5%以上であることがより好ましく、3.0%以上であることがさらに好ましく、3.5%以上であることが特に好ましい。また、TPUの拡散光線透過率は、例えば、15.0%以下であってもよく、10.0%以下であってもよく、5.0%以下であってもよい。TPUの拡散光線透過率は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。TPUの拡散光線透過率が大きいほど、本組成物は透光性に優れる。
TPUのJIS K 7136:2000に準拠した方法により測定されるヘーズ値(以下、「ヘーズ値」という。)(%)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、20.0%以下であってもよく、7.0%以下であることが好ましく、5.0%以下であることが特に好ましい。また、TPUのヘーズ値は、例えば、1.0%以上であってもよい。なお、ヘーズ値は、次の式により算出される:ヘーズ値H(%)=Td/Tt×100(当該式において、Ttは全光線透過率(%)であり、Tdは拡散光線透過率(%)である。)。TPUのヘーズ値が小さいほど、曇りが低減され、本組成物は透明性に優れる。
本組成物に含まれるTPUの種類は、本発明の効果が得られれば特に限られず、例えば、エーテル系TPU、エステル系TPU、及びポリカーボネート系TPUからなる群より選択される1以上が好ましく用いられるが、エーテル系TPUが特に好ましく用いられる。すなわち、エステル系TPUは、例えば、熱や光によって加水分解が起きやすいため、引張特性が低下することがある。また、ポリカーボネート系TPUは、例えば、比較的高価であるため汎用性に劣る側面がある。これらに対し、エーテル系TPUは、熱や光に対する耐久性が比較的高く、且つ比較的安価であるため、汎用性にも優れる。
本組成物に含まれるTPUの総重量に対する、本組成物に含まれるエーテル系TPUの重量の割合(%)は、例えば、50重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましく、70重量%以上であることがさらに好ましく、80重量%以上であることがさらに好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましく、95重量%以上であることがさらに好ましく、100重量%であることが特に好ましい。
本組成物に含まれるMBS樹脂は、上述のとおり、40以上のショアD硬さ(直後)を有する。MBS樹脂のショアD硬さ(直後)は、42以上であることが好ましく、45以上であることがより好ましく、48以上であることがさらに好ましく、50以上であることがさらに好ましく、51以上であることがさらに好ましく、52以上であることが特に好ましい。
また、MBS樹脂のショアD硬さ(直後)は、例えば、70以下であってもよく、67以下であることが好ましく、64以下であることがより好ましく、62以下であることがさらに好ましく、60以下であることがさらに好ましく、58以下であることがさらに好ましく、56以下であることがさらに好ましく、54以下であることが特に好ましい。MBS樹脂のショアD硬さ(直後)は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。MBS樹脂のショアD硬さ(直後)が大きいほど、本組成物は引張強さに優れる。ただし、ショアD硬さ(直後)が大きすぎると、本組成物の比重が大きくなるため、軽量性に劣ることとなる。
MBS樹脂のJIS K 6253-3:2012に準拠した方法において試験片に押針を押し込んでから10秒後に測定されるショアD硬さ(以下、「ショアD硬さ(10秒後)」という。)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、30以上であってもよく、35以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、43以上であることがさらに好ましく、45以上であることがさらに好ましく、47以上であることが特に好ましい。
また、MBS樹脂のショアD硬さ(10秒後)は、例えば、65以下であってもよく、59以下であることが好ましく、55以下であることがより好ましく、53以下であることがさらに好ましく、50以下であることが特に好ましい。MBS樹脂のショアD硬さ(10秒後)は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。MBS樹脂のショアD硬さ(10秒後)が大きいほど、本組成物は引張強さに優れる。ただし、ショアD硬さ(10秒後)が大きすぎると、本組成物の比重が大きくなるため、軽量性に劣ることとなる。
MBS樹脂のJIS K 6253-3:2012に準拠した方法において試験片に押針を押し込んだ直後に測定されるショアA硬さ(以下、「ショアA硬さ(直後)」という。)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、85以上であってもよく、90以上であることが好ましく、93以上であることがより好ましく、95以上であることが特に好ましい。
また、MBS樹脂のショアA硬さ(直後)は、例えば、99以下であってもよく、98以下であることが好ましく、97以下であることが特に好ましい。MBS樹脂のショアA硬さ(直後)は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。MBS樹脂のショアA硬さ(直後)が大きいほど、本組成物は引張強さに優れる。ただし、ショアA硬さ(直後)が大きすぎると、本組成物の比重が大きくなるため、軽量性に劣ることとなる。
MBS樹脂のJIS K 6253-3:2012に準拠した方法において試験片に押針を押し込んでから10秒後に測定されるショアA硬さ(以下、「ショアA硬さ(10秒後)」という。)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、85以上であってもよく、91以上であることが好ましく、93以上であることがより好ましく、95以上であることがさらに好ましく、96以上であることが特に好ましい。
また、MBS樹脂のショアA硬さ(10秒後)は、例えば、99以下であってもよく、98以下であることが好ましく、97以下であることが特に好ましい。MBS樹脂のショアA硬さ(10秒後)は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。MBS樹脂のショアA硬さ(10秒後)が大きいほど、本組成物は引張強さに優れる。ただし、ショアA硬さ(10秒後)が大きすぎると、本組成物の比重が大きくなるため、軽量性に劣ることとなる。
MBS樹脂のJIS K 6251:2017に準拠した方法により測定される引張強さ(試験片を切断するまで引っ張ったときに記録される最大の引張力を当該試験片の初期断面積で除した値)(以下、「引張強さ」という。)(MPa)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、10MPa以上であってもよく、12MPa以上であることが好ましく、14MPa以上であることがより好ましく、15MPa以上であることが特に好ましい。
また、MBS樹脂の引張強さは、例えば、30MPa以下であってもよく、25MPa以下であってもよく、21MPa以下であってもよく、20MPa以下であってもよい。MBS樹脂の引張強さは、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。引張強さが大きいほど、機械的強度に優れる。ただし、引張強さが大きすぎると、柔軟性に劣ることとなる。
MBS樹脂のJIS K 6251:2017に準拠した方法により測定される切断時伸び(試験片が切断した時点の伸びを初期長さに対する比率(%)で表した値)(以下、「切断時伸び」という。)(%)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、140%以上であってもよく、150%以上であることが好ましく、160%以上であることがより好ましく、170%以上であることがさらに好ましく、180%以上であることがさらに好ましく、190%以上であることがさらに好ましく、200%以上であることがさらに好ましく、210%以上であることがさらに好ましく、220%以上であることがさらに好ましく、230%以上であることがさらに好ましく、240%以上であることが特に好ましい。
また、MBS樹脂の切断時伸びは、例えば、400%以下であってもよく、350%以下であってもよく、300%以下であってもよく、280%以下であってもよく、260%以下であってもよい。MBS樹脂の切断時伸びは、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。切断時伸びが大きいほど、伸張性に優れる。ただし、切断時伸びが大きすぎると、機械的強度に劣ることとなる。
MBS樹脂のJIS K 6251:2017に準拠した方法により測定される100%モジュラス(試験片に100%の伸びを与えたときの引張応力を試験片の初期断面積で除した値)(以下、「100%モジュラス」という。)(MPa)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、25.0MPa以下であってもよく、20.0MPa以下であることが好ましく、17.0MPa以下であることがより好ましく、15.0MPa以下であることがさらに好ましく、13.0MPa以下であることがさらに好ましく、12.0MPa以下であることが特に好ましい。
また、MBS樹脂の100%モジュラスは、例えば、3.0MPa以下であってもよく、5.0MPa以下であることが好ましく、6.0MPa以下であることがより好ましく、7.0MPa以下であることがさらに好ましく、8.0MPa以下であることがより好ましく、9.0MPa以下であることが特に好ましい。MBS樹脂の100%モジュラスは、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。100%モジュラスが小さいほど、柔軟性に優れる。ただし、100%モジュラスが大きすぎると、機械的強度に劣ることとなる。
MBS樹脂のJIS K 6723-1995に準拠した方法により測定される耐寒性(以下、「耐寒性」という。)(℃)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、0℃以下であってもよく、マイナス10℃以下であることが好ましく、マイナス20℃以下であることがより好ましく、マイナス25℃以下であることがさらに好ましく、マイナス30℃以下であることが特に好ましい。耐寒性が低いほど、耐寒性に優れる。
MBS樹脂の屈折率は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、1.520以上であってもよく、1.525以上であることが好ましく、1.530以上であることがより好ましく、1.532以上であることが特に好ましい。
また、MBS樹脂の屈折率は、例えば、1.560以下であってもよく、1.555以下であることが好ましく、1.550以下であることがより好ましく、1.545以下であることがさらに好ましく、1.540以下であることがさらに好ましく、1.538以下であることが特に好ましい。MBS樹脂の屈折率は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。
本組成物に含まれるMBS樹脂の屈折率と、本組成物に含まれるTPUの屈折率との差の絶対値は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、0.020以下であってもよく、0.015以下であることが好ましく、0.010以下であることがより好ましく、0.007以下であることがさらに好ましく、0.006以下であることがさらに好ましく、0.005以下であることが特に好ましい。MBS樹脂の屈折率と、TPUの屈折率との差が小さいほど、本組成物の透明性が向上する。
MBS樹脂のSP値は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、9.0(cal/cm0.5以上であってもよく、9.2(cal/cm0.5以上であることが好ましく、9.4(cal/cm0.5以上であることがより好ましく、9.5(cal/cm0.5以上であることがさらに好ましく、9.6(cal/cm0.5以上であことが特に好ましい。
また、MBS樹脂のSP値は、例えば、11.0(cal/cm0.5以下であってもよく、10.5(cal/cm0.5以下であってもよく、10.2(cal/cm0.5以下であってもよく、10.0(cal/cm0.5以下であってもよく、9.8(cal/cm0.5以下であってもよい。MBS樹脂のSP値は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。
本組成物に含まれるMBS樹脂のSP値と、本組成物に含まれるTPUのSP値との差の絶対値は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、1.5以下であってもよく、1.4以下であることが好ましく、1.3以下であることがより好ましく、1.2以下であることがさらに好ましく、1.1以下であることがさらに好ましく、1.0以下であることが特に好ましい。MBS樹脂のSP値とTPUのSP値との差が小さいほど、本組成物における当該MBS樹脂と当該TPUとの相溶性が向上し、その結果、例えば、本組成物の透明性が向上し、及び/又は、機械的強度が向上する。
MBS樹脂のJIS K 7112:1999に準拠した方法により測定される比重(以下、「比重」という。)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、1.05以下であってもよく、1.04以下であることが好ましく、1.03以下であることがより好ましく、1.02以下であることがさらに好ましく、1.01以下であることが特に好ましい。
また、MBS樹脂の比重は、例えば、0.95以上であってもよく、0.96以上であってもよく、0.97以上であってもよく、0.98以上であってもよく、0.99以上であってもよい。MBS樹脂の比重は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。比重が小さいほど、軽量性が向上する。
本組成物のショアA硬さ(直後)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、85以上であってもよく、90以上であることが好ましく、91以上であることがより好ましく、92以上であることがさらに好ましく、93以上であることがさらに好ましく、94以上であることが特に好ましい。
また、本組成物のショアA硬さ(直後)は、例えば、99以下であってもよく、98以下であることが好ましく、97以下であることがより好ましく、96以下であることが特に好ましい。本組成物のショアA硬さ(直後)は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。本組成物は、ショアA硬さ(直後)が大きいほど、引張強さに優れる。ただし、ショアA硬さ(直後)が大きすぎると、比重が大きくなるため、本組成物は軽量性に劣ることとなる。
本組成物のショアA硬さ(10秒後)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、85以上であってもよく、90以上であることが好ましく、91以上であることがより好ましく、92以上であることがさらに好ましく、93以上であることが特に好ましい。
また、本組成物のショアA硬さ(10秒後)は、例えば、99以下であってもよく、98以下であることが好ましく、97以下であることがより好ましく、96以下であることがさらに好ましく、95以下であることが特に好ましい。本組成物のショアA硬さ(10秒後)は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。本組成物は、ショアA硬さ(10秒後)が大きいほど、引張強さに優れる。ただし、ショアA硬さ(10秒後)が大きすぎると、比重が大きくなるため、本組成物は軽量性に劣ることとなる。
本組成物の引張強さは、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、20MPa以上であってもよく、21MPa以上であることが好ましく、22MPa以上であることがより好ましく、23MPa以上であることがさらに好ましく、24MPa以上であることがさらに好ましく、25MPa以上であることがさらに好ましく、26MPa以上であることがさらに好ましく、27MPa以上であることがさらに好ましく、28MPa以上であることがさらに好ましく、29MPa以上であることがさらに好ましく、30MPa以上であることがさらに好ましく、31MPa以上であることがさらに好ましく、32MPa以上であることがさらに好ましく、33MPa以上であることがさらに好ましく、34MPa以上であることがさらに好ましく、35MPa以上であることが特に好ましい。
また、本組成物の引張強さは、例えば、50MPa以下であってもよく、45MPa以下であってもよく、40MPa以下であってもよく、39MPa以下であってもよく、38MPa以下であってもよく、37MPa以下であってもよい。本組成物の引張強さは、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。引張強さが大きいほど、機械的強度に優れる。ただし、引張強さが大きすぎると、柔軟性に劣ることとなる。
本組成物の切断時伸びは、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、300%以上であってもよく、350%以上であることが好ましく、380%以上であることが好ましく、400%以上であることがより好ましく、410%以上であることがさらに好ましく、420%以上であることがさらに好ましく、425%以上であることがさらに好ましく、430%以上であることがさらに好ましく、435%以上であることがさらに好ましく、440%以上であることがさらに好ましく、445%以上であることがさらに好ましく、450%以上であることがさらに好ましく、455%以上であることがさらに好ましく、460%以上であることが特に好ましい。
また、本組成物の切断時伸びは、例えば、600%以下であってもよく、550%以下であってもよく、500%以下であってもよく、490%以下であってもよく、480%以下であってもよく、470%以下であってもよい。本組成物の切断時伸びは、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。切断時伸びが大きいほど、伸張性に優れる。ただし、切断時伸びが大きすぎると、機械的強度に劣ることとなる。
本組成物のJIS K 6251:2017に準拠した方法により測定される100%モジュラスは、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、25.0MPa以下であってもよく、20.0MPa以下であることが好ましく、17.0MPa以下であることがより好ましく、15.0MPa以下であることがさらに好ましく、13.0MPa以下であることがさらに好ましく、12.0MPa以下であることがさらに好ましく、11.0MPa以下であることがさらに好ましく、10.0MPa以下であることが特に好ましい。
また、本組成物の100%モジュラスは、例えば、3.0MPa以下であってもよく、5.0MPa以下であることが好ましく、6.0MPa以下であることがより好ましく、7.0MPa以下であることがさらに好ましく、8.0MPa以下であることがより好ましく、9.0MPa以下であることが特に好ましい。本組成物の100%モジュラスは、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。100%モジュラスが小さいほど、柔軟性に優れる。ただし、100%モジュラスが大きすぎると、機械的強度に劣ることとなる。
本組成物のJIS K 7210-1:2014に準拠した方法により190℃、10kg荷重の条件で測定されるメルトフローレイト(Melt Flow Rate)(以下、「MFR」という。)(g/10min)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、1.0g/10min以上であってもよく、2.0g/10min以上であることが好ましく、3.0g/10min以上であることがより好ましく、4.0g/10min以上であることがさらに好ましく、5.0g/10min以上であることがさらに好ましく、6.0g/10min以上であることがさらに好ましく、7.0g/10min以上であることがさらに好ましく、8.0g/10min以上であることがさらに好ましく、8.5g/10min以上であることがさらに好ましく、9.0g/10min以上であることがさらに好ましく、9.5g/10min以上であることがさらに好ましく、10.0g/10min以上であることがさらに好ましく、10.5g/10min以上であることがさらに好ましく、11.0g/10min以上であることがさらに好ましく、11.5g/10min以上であることがさらに好ましく、12.0g/10min以上であることがさらに好ましく、12.5g/10min以上であることがさらに好ましく、13.0g/10min以上であることがさらに好ましく、13.5g/10min以上であることがさらに好ましく、14.0g/10min以上であることがさらに好ましく、14.5g/10min以上であることがさらに好ましく、15.0g/10min以上であることが特に好ましい。
また、本組成物のMFRは、例えば、35.0g/10min以下であってもよく、30.0g/10min以下であることが好ましく、25.0g/10min以下であることがより好ましく、20.0g/10min以下であることがさらに好ましく、18.0g/10min以下であることがさらに好ましく、17.0g/10min以下であることがさらに好ましく、16.0g/10min以下であることが特に好ましい。本組成物のMFRは、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。MFRが小さすぎると、流動性に乏しく、加工性に劣ることとなる。MFRが大きすぎると、加工後の形状維持に劣ることとなる。
本組成物の耐寒性は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、0℃以下であってもよく、マイナス10℃以下であることが好ましく、マイナス20℃以下であることがより好ましく、マイナス30℃以下であることがさらに好ましく、マイナス40℃以下であることがさらに好ましく、マイナス50℃以下であることがさらに好ましく、マイナス55℃以下であることがさらに好ましく、マイナス60℃以下であることがさらに好ましく、マイナス65℃以下であることが特に好ましい。耐寒性が低いほど、耐寒性に優れる。
本組成物の全光線透過率(%)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、80.0%以上であってもよく、81.0%以上であることが好ましく、82.0%以上であることがより好ましく、82.5%以上であることがさらに好ましく、83.0%以上であることが特に好ましい。また、本組成物の全光線透過率は、例えば、99.0%以下であってもよく、95.0%以下であってもよい。本組成物の全光線透過率は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。全光線透過率が大きいほど、透光性に優れる。
本組成物のヘーズ値(%)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、25.0%以下であってもよく、20.0%以下であることが好ましく、19.0%以下であることがより好ましく、18.5%以下であることがさらに好ましく、18.0%以下であることがさらに好ましく、17.5%以下であることがさらに好ましく、17.0%以下であることが特に好ましい。また、本組成物のヘーズ値は、例えば、1.0%以上であってもよい。ヘーズ値が小さいほど、曇りが低減され、透明性に優れる。
本組成物の比重は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、1.15以下であってもよく、1.12以下であることが好ましく、1.10以下であることがより好ましく、1.09以下であることがさらに好ましく、1.08以下であることが特に好ましい。
また、本組成物の比重は、例えば、0.95以上であってもよく、1.00以上であってもよく、1.02以上であってもよく、1.04以上であってもよく、1.05以上であってもよく、1.06以上であってもよい。本組成物の比重は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組みわせて特定されてもよい。比重が小さいほど、軽量性に優れる。
本組成物は、TPU及びMBS樹脂に加えて、さらに他の成分を含んでもよい。本組成物が含んでもよい他の成分は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、滑剤、安定剤、酸化防止剤、塩素吸収剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、発煙抑制剤、分散剤、銅害防止剤、可塑剤、防カビ剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物、有機顔料、無機顔料及び充填剤からなる群より選択される1以上であることが好ましい。
本組成物は、主にTPU及びMBS樹脂を含むことが好ましい。すなわち、本組成物100重量部に対する、TPUの重量部とMBS樹脂の重量部との合計は、例えば、50重量部以上であることが好ましく、60重量部以上であることがより好ましく、70重量部以上であることがさらに好ましく、80重量部以上であることがさらに好ましく、90重量部以上であることがさらに好ましく、95重量部以上であることがさらに好ましく、96重量部以上であることがさらに好ましく、97重量部以上であることがさらに好ましく、98重量部以上であることがさらに好ましく、99重量部以上であることが特に好ましい。
本組成物の製造方法は、上述した特性を有する本組成物が得られれば特に限られないが、例えば、バッチ式混錬機内で、ショアA硬さ(直後)が90以上であるTPUと、当該TPU100重量部に対して30重量部以上、190重量部以下の、ショアD硬さ(直後)が40以上であるMBS樹脂と、を溶融混錬することを含むことが好ましい。
TPUとMBS樹脂とを溶融混錬する温度は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、100℃以上、250℃以下の範囲内であることが好ましく、125℃以上、225℃以下の範囲内であることがより好ましく、150℃以上、200℃以下の範囲内であることがさらに好ましく、160℃以上、190℃以下の範囲内であることが特に好ましい。
バッチ式混錬機は、本発明の効果が得られれば特に限られず、例えば、ブレードを有する混錬機であってもよいし、ブレードを有しない混錬機であってもよい。具体的に、バッチ式混錬機としては、例えば、加圧ニーダー又はバンバリーミキサーが好ましく用いられる。
本組成物は、バッチ式混錬機内において溶融混錬された後に、温度が170℃に設定された前記混錬機から自重で全量が剥離する剥離性を有する。すなわち、例えば、バッチ式混錬機内で、上述したTPUとMBS樹脂とを溶融混錬することにより本組成物を製造する場合において、当該混錬機の取り出し口が鉛直方向における下方に向くよう、温度が170℃に設定された当該混錬機をセットすると、本組成物は、その自重によって当該混錬機の内面から剥離して落下し、当該取り出し口から、その全量を回収することができる。
このように、本組成物は、優れた透明性に加えて、優れた剥離性を有する。このため、本組成物は、例えば、加工装置に対しても優れた剥離性を有し、優れた加工性を有する。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[組成物の製造]
TPUとして、図1Aに示す5種類TPU(TPU#1~#5)を用いた。また、MBS樹脂として、図1Bに示す5種類のMBS樹脂(MBS#1~#5)を用いた。また、滑剤として脂肪酸アミドを用い、安定剤としてリン系安定剤を用いた。なお、図1A及び図1Bに示すSP値は、濁度滴定法を用いて、文献1(K. W. Suh, D. H. Clarke : J. Polymer Sci., A-1, 5 1671 (1967))及び文献2(K. W. Suh, J. M. Corbett : J. Appl. Polymer Sci., 12 2359 (1968))を参考にし、良溶媒としてメチルエチルケトン、高極性貧溶媒としてエタノール、低極性貧溶媒としてn-ヘキサンを用いて測定した。それぞれの溶媒のSP値は文献3(C. M. Hansen : J. Paint Technol., 39 511 (1967))を参考にした。
ブレードを有するバッチ式のニーダー混錬機(容積3L)内に、上記5種類のTPUのいずれか1種を100重量部と、上記5種類のMBS樹脂のいずれか1種を所定重量部と、滑剤を1重量部と、安定剤を0.1重量部とを入れて、約160℃で10分間、溶融混錬することにより、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を製造した。
また、MBS樹脂に代えて、アクリロニトリル-スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、コアシェル型のアクリルゴム(AR#1)、透明アクリルゴム(AR#2)又はシリコーン・アクリルゴム(SAR)を用いた組成物も同様にして製造した。また、MBS樹脂を用いない組成物、及びTPUを用いない組成物も同様にして製造した。
[剥離性の評価]
混錬後、ニーダー混錬機を、その取り出し口が鉛直方向下向きとなるようにセットし、当該ニーダー混錬機内の組成物を自重によって落下させて回収した。この回収の際に、温度が170℃に設定されたニーダー混錬機の金属製の内表面から組成物が自重によって剥離する様子を目視で確認し、当該組成物の剥離性を評価した。
[組成物の特性の評価]
また、回収された組成物について、比重、ショアA硬さ(直後)、ショアA硬さ(10秒後)、引張強さ(MPa)、切断時伸び(%)、100%モジュラス(MPa)、MFR(g/10min)、耐寒性(℃)、全光線透過率(%)及びヘーズ値(%)を評価した。なお、耐寒性については、JIS K 6723-1995に準拠した方法において、ドライアイス-メタノール浴による冷却を用い、マイナス65℃を下限値として測定した。
[結果]
図2A及び図2Bには、組成物の特性を評価した結果を示す。図2A及び図2Bのニーダー剥離性の欄において「〇」印は、組成物の全量が自重によってニーダー混錬機の内表面から剥離して回収できた(すなわち、剥離性に優れていた)ことを示し、「×」印は、組成物の一部又は全部がニーダー混錬機の内表面に付着して剥離しなかった(すなわち、剥離性に劣るものであった)ことを示す。また、図2のMFRの欄における「×」印は、組成物に荷重をかけても流動せず、MFRの測定が不可能であったことを示す。
図2Aに示すように、TPU#1を100重量部に対してMBS#1を50~100重量部含む例1~3の組成物は、高い透明性(全光線透過率83.2%以上、ヘーズ値16.8%以下)を有し、且つ、剥離性に優れていた。
これに対し、TPU#1を100重量部に対してMBS#1を5~20重量部含む例C6~C8の組成物は、剥離性が悪く、自重のみによっては、その全量をニーダー混錬機から回収できなかった。また、これら例C6~C8の組成物は、MFRが大きく、30g/10min以上であった。また、MBS#1を20重量部含む例C8の組成物は、ヘーズ値が高めで19.6%であった。また、TPU#1を100重量部に対してMBS#1を200重量部含む例C9の組成物は、剥離性が悪く、MFRの測定において流動性を示さなかった。
一方、TPU#1を含みMBS樹脂を含まない例C1の組成物は、剥離性が悪く、MFRが大きく37g/10minであり、ヘーズ値が高めで19.7%であった。同様に、他の4種のTPU#2~#5のいずれかを含みMBS樹脂を含まない例C2~C5の組成物もまた、剥離性、MFR又はヘーズ値の点で十分な特性を有しなかった。また、MBS#1を含みTPUを含まない例C10の組成物は、MFRの測定において流動性を示さず、引張強さ及び切断時伸びの点で機械的強度に劣るものであった。
TPU#1を100重量部に対してMBS#2を20重量部含む例C11の組成物は、ニーダー剥離性が悪く、MFRが大きく48g/10minであった。TPU#1を100重量部に対してMBS#2を50重量部又は80重量部含む例C12及び13の組成物は、引張強さ及び切断時伸びの点で機械的強度に劣り、耐寒性も劣る(-45℃程度)ものであった。
また、図2Bに示すように、TPU#1を100重量部に対してMBS#3、MBS#4、MBS#5、AS、ABS、PMMA、AR#1、AR#2又はSARを50重量部含む例C14~C22の組成物は、ヘーズ値が大きく、透明性に欠けるものであった。
また、TPU#1以外の4種のTPU#2~#5を100重量部に対してMBS#1を50重量部又は80重量部含む例C23~C30の組成物もまた、ヘーズ値が大きく、透明性に欠けるものであった。

Claims (6)

  1. JIS K 6253-3:2012に準拠した方法において試験片に押針を押し込んだ直後に測定されるショアA硬さが90以上である熱可塑性ポリウレタン樹脂と、
    前記熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量部に対して30重量部以上、190重量部以下の、JIS K 6253-3:2012に準拠した方法において試験片に押針を押し込んだ直後に測定されるショアD硬さが40以上であるメチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂と、
    を含む、
    透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  2. JIS K 7136:2000に準拠した方法により測定されるヘーズ値が、19.0%以下である、
    請求項1に記載の透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  3. JIS K 6251:2017に準拠した方法により測定される引張強さが、26MPa以上である、
    請求項1又は2に記載の透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  4. JIS K 6723-1995に準拠した方法により測定される耐寒性が、マイナス50℃以下である、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  5. JIS K 7210-1:2014に準拠した方法により190℃、10kg荷重の条件で測定されるメルトフローレイトが、25.0g/10min以下である、
    請求項1乃至4のいずれかに記載の透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  6. バッチ式混錬機内において溶融混錬された後に、温度が170℃に設定された前記混錬機から自重で全量が剥離する剥離性を有する、
    請求項1乃至5のいずれか記載の透明熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。

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