JP2023126010A - 感光体ユニット、カートリッジ、電子写真画像形成装置 - Google Patents

感光体ユニット、カートリッジ、電子写真画像形成装置 Download PDF

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Toshiteru Fujino
輝彦 佐々木
Teruhiko Sasaki
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Tachio Kawai
明延 平山
Akinobu Hirayama
竜太 村上
Ryuta Murakami
孝俊 浜田
Takatoshi Hamada
誠 林田
Makoto Hayashida
悠介 新川
Yusuke Shinkai
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Abstract

【課題】感光体ユニットを発展させる。【解決手段】画像形成装置の装置本体に着脱可能な感光体ユニットは、回転軸線まわりに回転可能な感光体と、第1ギア部と、複数の歯を備える第2ギア部と、を有する。前記第1ギア部は、第1周方向にねじれた斜歯を備える斜歯ギア部であり、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部と前記感光体の間に前記第2ギア部が配置され、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部と前記第2ギア部との間に隙間が設けられる。前記第2ギア部の前記複数の歯は、(i)少なくとも前記感光体の回転軸線の方向に延びた第1突起部と、(ii)前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記第1周方向に関して下流で、且つ、前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記感光体の回転軸線の方向に関して前記第1ギア部の近くに配置された第2突起部と、を備える歯を含む。【選択図】図120

Description

本発明は、電子写真画像形成装置に着脱可能な感光体ユニット、カートリッジ及びこれを用いた電子写真画像形成装置に関するものである。
電子写真画像形成装置とは電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザビームプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
電子写真画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」ともいう)では、電子写真感光体(感光ドラム又はドラム)にトナー像を形成し、そのトナー像を直接又は間接的に記録媒体に転写することで記録材に画像形成を行う。
一般に、このような画像形成装置では、トナー(現像剤)の補給や各種部材のメンテナンス等を必要となる。そこで、画像形成装置にカートリッジを着脱可能な構成とし、カートリッジを交換することで、トナーの補給やメンテナンス等を行うことができるカートリッジ方式の画像形成装置がある。
カートリッジとは、ドラム、または、プロセス手段の少なくとも一つを有し、画像形成装置の本体(装置本体)に対して取り外し可能に装着されるものである。プロセス手段は、画像形成を行うための手段であり、ドラムに作用するものとしては、主に現像手段、帯電手段、転写手段、除電手段、クリーニング手段等が挙げられる。カートリッジの例としては、ドラムと少なくとも一つのプロセス手段を有し、これらを一体的に装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジや、ドラムを有するドラムカートリッジ、現像手段を有する現像カートリッジ等が挙げられる。このようなカートリッジ方式によれば、画像形成装置のトナー補給やメンテナンスを簡単に行うことが可能となる。
装置本体からカートリッジへ駆動力を伝達するための構成としては、特許文献1に示すように、ギアを使用するものや、特許文献2に示すようにカップリングを使用するものがあった。
特開昭63-4252号公報 特開平8-328449号公報
本発明(本開示)は、感光体ユニット、カートリッジ、又は、電子写真画像形成装置を発展させることを目的とする。
本発明(本開示)は、少なくとも、画像形成装置の装置本体に着脱可能な感光体ユニットであって、回転軸線まわりに回転可能な感光体と、第1ギア部と、複数の歯を備える第2ギア部と、を有し、前記第1ギア部は、前記感光体の回転軸線に沿って前記感光体から離れるにつれて前記感光体の回転軸線を中心とする第1周方向にねじれた斜歯を備える斜歯ギア部であり、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部と前記感光体の間に前記第2ギア部が配置され、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部と前記第2ギア部との間に隙間が設けられ、前記第2ギア部の前記複数の歯は、(i)少なくとも前記感光体の回転軸線の方向に延びた第1突起部と、(ii)前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記第1周方向に関して下流で、且つ、前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記感光体の回転軸線の方向に関して前記第1ギア部の近くに配置された第2突起部と、を備える歯を含む、ことを特徴とする感光体ユニットを開示する。
本発明(本開示)によれば、感光体ユニット、カートリッジ、又は、電子写真画像形成装置を発展させることができる。
装置本体からドラムユニットへ駆動伝達する部分の斜視図 装置本体及びカートリッジの概略断面図 カートリッジの断面図 カートリッジの分解斜視図 カートリッジの分解斜視図 クリーニングユニットの分解斜視図 装置本体からカートリッジへの駆動部の断面図 装置本体の断面図 装置本体の断面図 装置本体の断面図 装置本体の分解斜視図 装置本体の駆動伝達部の斜視図 装置本体の駆動伝達ギアの模式図 駆動伝達ギアから駆動側フランジへの駆動伝達構成の模式図 駆動側フランジから現像ローラへの駆動伝達構成を示す図 駆動伝達ギアと駆動側フランジの模式図、駆動伝達ギアの断面図 駆動伝達ギアと駆動側フランジの断面図 駆動伝達ギアと駆動側フランジの断面図 駆動伝達ギアと駆動側フランジの側面図 駆動伝達ギアと駆動側フランジの側面図 駆動伝達ギアと駆動側フランジを示す図 駆動伝達ギアと駆動側フランジを示す図 カートリッジの断面図 駆動伝達構成の模式図 駆動伝達構成を示す図 駆動伝達部の断面図 カップリング駆動と駆動伝達ギアとの変形量を示すグラフ 退避機構を示す図 駆動側フランジと現像ローラギアの噛み合いを示す模式図 カートリッジの斜視図 駆動伝達ギアと駆動側フランジの断面図 駆動側フランジを示す図 駆動側フランジと駆動伝達ギアの断面図、噛み合うギアの歯数の変遷を示すグラフ 駆動側フランジと駆動伝達ギアの断面図、噛み合うギアの歯数の変遷を示すグラフ 駆動側フランジの斜視図 駆動伝達ギアと駆動側フランジとの噛み合いを示す模式図 画像形成装置の斜視図 駆動伝達ギアと駆動側フランジとの噛み合いを示す模式図 駆動伝達ギアと駆動側フランジの断面図 駆動伝達ギアと駆動側フランジの断面図 駆動伝達ギアと駆動側フランジの断面図 駆動側フランジの斜視図、駆動伝達ギアと駆動側フランジの断面図 駆動側フランジの断面図、駆動伝達ギアと駆動側フランジの断面図 カートリッジの部分斜視図 カートリッジのドラム近傍の部分断面図、ドラムと現像ローラを示す図 駆動伝達ギアと駆動側フランジの断面図 駆動伝達ギアと駆動側フランジの模式図 駆動側フランジの断面図、駆動伝達ギアと駆動側フランジの断面図 アライメントずれ時の駆動伝達誤差を示すグラフ 装置本体及びカートリッジの概略断面図 クリーニングユニットの分解斜視図 ドラム軸受部材の斜視図、駆動側フランジとドラム軸受部材の断面図、カートリッジの部分断面図 装置本体の分解斜視図 駆動伝達ギアのギア部の模式的な断面図、駆動側フランジのギア部の模式的な断面図、駆動伝達ギアのギア部と駆動側ドラムフランジのギア部の模式的な断面図 駆動伝達ギアのギア部と駆動側ドラムフランジのギア部の模式的な断面図 現像ローラを駆動する駆動列の斜視図、現像ユニットの部分斜視図、カートリッジの斜視図 装置本体の部分斜視図 クリーニングユニットと駆動伝達ギアの断面図 カートリッジの部分斜視図 ドラムユニットの断面図 ドラムユニットの部分斜視図 第2ギア部と第2本体ギア部の断面図 ドラムユニットの部分斜視図 クリーニングユニットの側面図 クリーニングユニットの分解斜視図 クリーニングユニットの部分断面図 クリーニングユニットの部分断面図 ドラムユニットと駆動伝達ギアの係合状態を示す断面図 ドラムユニットと駆動伝達ギアの係合状態を示す断面図 クリーニングユニットの分解斜視図 ドラムユニットと駆動伝達ギアの係合状態を示す断面図 ドラムユニットの部分斜視図 クリーニングユニットの分解斜視図 駆動伝達ギアと噛み合うドラムユニットを示す図 ドラムユニットと駆動伝達ギアの係合状態を示す断面図 ドラムユニットの部分斜視図 クリーニングユニット及びドラムユニットの分解斜視図 クリーニングユニットの断面図 ドラムユニットと駆動伝達ギアの係合状態を示す断面図 ドラムユニットと駆動伝達ギアの係合状態を示す断面図 ドラムユニットの部分斜視図 ドラムユニットの部分斜視図 ドラムユニットの部分斜視図 ドラムユニットの断面図 ドラムユニットをクリーニングユニットに組付けた状態を示す図 駆動側フランジと駆動伝達ギアの断面図 駆動側フランジと駆動伝達ギアの断面図 ドラムユニットの部分斜視図 駆動側フランジの断面図 ドラムユニットをクリーニングユニットに組付けた状態を示す図 駆動側フランジと駆動伝達ギアの断面図 クリーニングユニットの側面図 クリーニングユニット及び駆動側ドラムフランジの分解斜視図 ドラム軸受ユニットの分解斜視図 クリーニングユニットの部分断面図 クリーニングユニットを示す図 クリーニングユニットの部分断面図 カートリッジと装置本体を示す図 駆動伝達ギアと係合する駆動側ドラムフランジ2463を示す図 駆動側ドラムフランジと駆動伝達ギアの噛み合い部分での模式的な断面図 クリーニングユニットを示す図 クリーニングユニット及びドラムユニットの分解斜視図 クリーニングユニットの部分断面図 クリーニングユニットと駆動伝達ギアを示す斜視図 駆動ギア及びアイドラギアと駆動伝達ギアとの噛み合い部分での模式的な断面図 駆動ギア及びアイドラギアと駆動伝達ギアとの噛み合い部分での模式的な断面図 駆動ギア及びアイドラギアと駆動伝達ギアとの噛み合い部分での模式的な断面図 クリーニングユニット及びドラムユニットの分解斜視図 クリーニングユニットと駆動伝達ギアとの係合状態を示す図 カートリッジをドラムの回転軸線の方向に沿って見た図 カートリッジの駆動伝達機構の斜視図 駆動伝達ギアの別構成例の斜視図 カートリッジを示す図 カートリッジを示す図 クリーニングユニット及びドラムユニットを示す分解斜視図 クリーニングユニット及びを示す斜視図 駆動伝達ギアを示す斜視図 駆動伝達ギア及び駆動側フランジが係合している様子を示す図 駆動側フランジを示す図 第2ギア部を示す拡大図 図118(b)の121AB-121AB断面を示す断面図 駆動伝達ギア及び駆動側フランジが係合している様子を示す図 当接部の形状を示す断面図 実施例27の変形例に係る駆動側フランジの第2ギア部を示す図 カートリッジを示す斜視図 現像ユニットを示す斜視図 クリーニングユニット、ドラムユニット、ドラム軸受部材及びその周辺構成を示す斜視図 駆動ギアを示す斜視図 ガイド部を示す斜視図 押圧部材及びカバー部材を示す斜視図 押圧機構及び駆動ギアをドラム軸受部材に組み付ける様子を示す斜視図 押圧機構を示す正面図 現像ユニット及びドラム軸受部材の組立て方法を説明するための図 装置本体側に設けられた本体駆動列を示す斜視図 本体駆動列及び駆動伝達ギアを示す図 カートリッジ駆動列を示す斜視図 現像カップリング部材の支持構成を示す断面図 押圧部材が駆動伝達ギアの第1本体ギア部に当接する様子を示す側面図 カートリッジが装置本体に装着された状態における、押圧部材の周辺構成を示す正面図 カートリッジを装置本体に対して装着方向に位置決めするための構成を示す図 駆動伝達ギアの負荷トルクを説明するための斜視図 第3本体ギアの歯とアイドラギアの歯との噛合いの様子を示す断面図 押圧部材の位置を説明するための図 現像ユニットの枠体に設けられた第1開口部及び第2開口部を示す図 押圧部材の位置を説明するための図 ドラム、現像ローラ及び現像カップリング部材の配置関係を示す図 実施例28、及びその変形例1,2に係る押圧部材を示す正面図 実施例28の変形例3に係る押圧部材を示す斜視図 実施例28の変形例4に係るクリーニングユニットを示す斜視図 押圧機構を示す分解斜視図 押圧部材が駆動伝達ギアの第1本体ギア部に当接する様子を示す側面図
[実施例1]
<画像形成装置の全体構成>
図2は、電子写真画像形成装置としての画像形成装置100の断面図であり、その断面は後述する感光ドラム62の回転軸線L1に直交する断面である。画像形成装置100は、電子写真技術を利用したレーザビームプリンタであり、その装置本体Aには感光ドラム62を備えるカートリッジBが取り外し可能に装着される。つまり、画像形成装置100からカートリッジBを除いた部分が装置本体Aである。カートリッジBが装置本体Aに装着されている時に紙などの記録媒体(シート材)PAへ画像形成を行うことが可能である。
<装置本体の構成>
装置本体Aは、露光装置(レーザスキャナユニット)3、シート材PAを収納するシートトレイ4を有する。更に、装置本体Aは、シート材PAの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5a、搬送ローラ対5b、転写ガイド6、転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11を有する。定着装置9は、加熱ローラ9a及び加圧ローラ9bを備えている。
<カートリッジの構成>
次にカートリッジBの全体構成について図3、図4、図5、図6、図7を用いて説明する。図3はカートリッジBの断面図であり、その断面は後述する感光ドラム62の回転軸線L1に直交する断面である。図4、図5は、カートリッジBの構成を説明する分解斜視図である。図6(a)はドラムユニット69の構成を説明する分解斜視図である。図6(b)はクリーニングユニットの構成を説明する分解斜視図である。図7は画像形成装置の装置本体AからカートリッジBに駆動を伝達する駆動部の断面図である。なお本実施例においては各部品を結合する際のビス等に関しては省略して説明する。
カートリッジBはプロセスカートリッジであり、主に、電子写真感光体とこれに作用するプロセス手段を有する。プロセス手段は、後述する帯電手段、現像手段及びクリーニング手段である。カートリッジBは、主にクリーニングユニット(ドラムユニット)60と、現像ユニット20を有する構造であり、電子写真感光体とプロセス手段は、これらクリーニングユニット60又は現像ユニット20に設けられている。
なお、ドラム62の長手方向はドラム62の回転軸線L1の方向(回転軸線方向)と平行である。ドラム62のうち、その回転軸線方向に関して装置本体Aから駆動力が伝達される側を駆動側、その反対側を非駆動側と称す。また、ドラム62の回転軸線L1に沿って(回転軸線L1に平行に)非駆動側から駆動側へ向かう方向をJ方向、駆動側から非駆動側へ向かう方向をH方向とする。また、装置本体AにおいてJ方向、H方向を定義する場合は、装置本体AにカートリッジBが装着されている状態で定義されるJ方向、H方向と一致するように定義する。
<クリーニングユニット(ドラムユニット)>
図3に示すように、クリーニングユニット(ドラムユニット)60は、感光ドラム62と、帯電ローラ66と、クリーニング部材77と、これらを支持するクリーニング枠体(ドラム枠体)60aを有する。クリーニング枠体(ドラム枠体)60aは枠体部材71とドラム軸受部材73を備える。
図6(a)に示すように、回転体である感光ドラム(ドラム)62は、筒状の電子写真感光体であり、アルミ製のシリンダの外周面に感光層を塗布したものである。ドラム62の駆動側(一端側)の端部には駆動側フランジ(駆動力受け部材)63、非駆動側(他端側)の端部には非駆動側フランジ64がそれぞれカシメ固定される。このように、ドラム62、駆動側フランジ63、非駆動側フランジ64が一体化されたもの(即ちドラム62と一体的に回転可能なユニット)をドラムユニット69と呼ぶ。
なお、一般的にはクリーニングユニット60をドラムユニットと呼ぶ場合もあるが、この場合は、カートリッジBの中身を大別して認識する際に、現像手段を有する現像ユニット20と対になるよう、ドラム62を有するユニットとしてクリーニングユニット60全体を認識した場合の呼称である。従って、クリーニングユニット60全体の呼び名としてのドラムユニットは、本実施例におけるドラムユニット69(ドラム62と一体的に回転可能なユニット)とは別の概念である。以降の説明においては、ドラムユニットは、ドラム62と一体的に回転可能なユニットを指すものとする。
ドラム62と駆動側フランジ63、非駆動側フランジ64がドラムの回転軸線L1まわりに一体的に回転する。つまり、駆動側フランジ63、非駆動側フランジ64、ドラムユニット69のそれぞれの回転軸線は、ドラム62の回転軸線L1と同軸である。このため、以降は、ドラムユニット69として組み立てられたものにおける、ドラム62、駆動側フランジ63、非駆動側フランジ64、ドラムユニット69の回転軸線は全て回転軸線L1と呼ぶ。
また、駆動側フランジ63、非駆動側フランジ64は回転軸線L1の方向に関しても一体的に固定されている。駆動側フランジ63、非駆動側フランジ64は樹脂製の部材である。駆動側フランジ63は後に詳述する第1ギア部63cと第2ギア部63dを備えている。
図6(b)に示すように、ドラムユニット69は、ドラム枠体60a(枠体部材71とドラム軸受部材73)により回転軸線L1を中心に回転可能に支持されている。具体的には、駆動側フランジ63は、回転軸線L1と同軸の穴63gを備え、ドラム軸受部材73に圧入された軸部材86が穴63gに挿入されており、これによりドラム軸受部材73に回転可能に支持されている。非駆動側フランジ64は、回転軸線L1と同軸の不図示の穴を備え、この穴に枠体部材71の穴71cに圧入された軸部材78が挿入されており、これによりにより枠体部材71に回転可能に支持される。このように、非駆動側フランジ64、駆動側フランジ63は、軸部材86、78によって回転可能に支持された被軸受部である。
また、図7に示すように、駆動側フランジ63の第2ギア部63dは、H方向下流側の端面にH方向に突出した突出部63d1を備え、H方向上流側(J方向下流側)の端面にJ方向に突出した突出部63f備える。また、枠体部材71は、回転軸線L1に直交する方向に伸びるように設けられたリブ71pと側壁71mを備える。突出部63d1はリブ71pの側面と接触可能で、突出部63fは側壁71mの側面と接触可能である。そして駆動側フランジ63は、リブ71pと側壁71mとの間に、摺動可能に隙間嵌めで嵌合する。このため、リブ71pの側面に突出部63d1が接触する場合と側壁71mの側面に突出部63fが接触する場合が存在し得るが、嵌合ガタ(隙間)は極めて小さく(最大での150μm程度)設定され、どちらの場合も実質的に同じ位置に位置決めされているといえる。このように、駆動側フランジ63含むドラムユニット69は、リブ71p又は側壁71mによって、ドラム枠体60aに対して回転軸線L1の方向で位置決めされていると言える。
なお、本実施例においては、カートリッジB、ドラム枠体60a、及び、枠体部材71の長手方向は、ドラム62の回転軸線L1の方向と平行な方向である。
また、図3に示すように、クリーニングユニット60において、帯電手段としての帯電ローラ(帯電部材)66、クリーニング手段としてのクリーニング部材77は、それぞれドラム62の外周面に接触して配置される。クリーニング部材77は、弾性材料としてのゴムで形成されたブレード状の弾性部材であるゴムブレード77aと、ゴムブレード77aを支持する支持部材77bと、を備える。ゴムブレード77aは、ドラム62の回転方向に対してカウンター方向にドラム62に当接している。即ち、ゴムブレード77aは、その先端部がドラム62の回転方向の上流側を向くようにドラム62に当接している。クリーニング部材77によってドラム62の表面から除去された廃トナーは、枠体部材71とクリーニング部材77によって形成された廃トナー室71bに収容される(溜められる)。枠体部材71とドラム62との間の隙間から廃トナーが漏れることを抑制するためのシート65が、ドラム62に当接するように枠体部材71の縁部に取り付けられている。
帯電ローラ66は、その回転軸線方向の両端部が、枠体部材71に支持された帯電ローラ軸受67によって回転可能に支持されている。帯電ローラ66の回転軸線はドラム62の回転軸線L1と略平行である。帯電ローラ66は、帯電ローラ軸受67が付勢部材68によりドラム62に向けて加圧されることでドラム62に圧接されている。帯電ローラ66は、ドラム62の回転に従動回転する。
<現像ユニット>
図3に示すように、現像ユニット20は、現像ローラ32、マグネットローラ34、現像ブレード42、搬送部材43、及び、これらを支持する現像枠体20a等を有する。現像枠体20aは、現像容器23、底部材22、軸受部材24(図5参照)、軸受部材37(図4参照)、現像サイドカバー26(図4参照)、現像サイドカバー27(図5参照)を備える。現像ユニット20は、内部に現像容器23と底部材22によってトナー供給室28とトナー室29が形成されている。
図4、図5に示すように、トナー供給室28内では、現像ローラ32がその回転軸線方向の両端を軸受部材24、軸受部材37により回転可能に支持されている。軸受部材24、軸受部材37は現像容器23に取り付けられている。現像手段としての現像ローラ(現像部材)32は円筒状の部材であり、その内側にマグネットローラ34が配置されている。現像ローラ32の表面に担持されるトナー(トナー層)の厚み規定する(規制する)現像ブレード42が配置されている。
現像ローラ32には、その回転軸線方向で両端部に間隔保持部材38が取り付けられており、間隔保持部材38がドラム62の表面に当接することで、ドラム62の表面に対する現像ローラ32の表面の距離を決めている。具体的には現像ローラ32の表面とドラム62の表面との間に微少の隙間が形成されるように距離が決まっている。
また、図3に示すように、現像枠体20aと現像ローラ32との間の隙間からトナーが漏れることを防止するためのシート33が、現像ローラ32に当接するように底部材22の縁部に取り付けられている。更に、トナー室29内では、搬送部材(攪拌部材)43が回転可能に設けられている。搬送部材43は、回転することによって、トナー室29に収容されたトナーを撹拌する、及びトナー室29からトナー供給室28へトナーを搬送する。
<クリーニングユニットと現像ユニットの結合>
カートリッジBはクリーニングユニット60と現像ユニット20を結合して組み立てられる。図4、図5に示すように、まず枠体部材71の駆動側の第1吊り穴71iに対する現像容器23の現像第1支持ボス26aの中心と、非駆動側の第2吊り穴71jに対する現像第2支持ボス27aの中心を合わせる。そして現像ユニット20を矢印G方向に移動させることで、第1吊り穴71i、第2吊り穴71jに現像第1支持ボス26a、現像第2支持ボス27aが嵌合する。その後、ドラム軸受部材73をクリーニングユニット60に組み付けることとで、現像ユニット20がクリーニングユニット60から離脱することを規制する。これにより、クリーニングユニット60に対して現像ユニット20が移動可能に連結される。具体的には、クリーニングユニット60に対して現像ユニット20が、現像第1支持ボス26a及び現像第2支持ボス27aを中心に回転可能(回動可能)に連結される。
また、図4に示すように、駆動側バネ(付勢部材)46Rの第1端部46Rbは現像サイドカバー26の面26bに固定され、第2端部46Raがクリーニングユニット60の枠体部材71の面71kに当接する。更に、図5に示すように、非駆動側バネ(付勢部材)46Lの第1端部46Lbは現像サイドカバー27の面27bに固定され、第2端部46Laが枠体部材71の面71lに当接する。非駆動側バネ46L、駆動側バネ46Rは圧縮バネであり。これらのバネの付勢力は、現像ローラ32をドラム62へ向かって押し付けるように現像枠体20aとクリーニング枠体60aとの間に付勢力を発生させる。これによって、上述したように、間隔保持部材38がドラム62の表面に押し付けられ、現像ローラ32の表面とドラム62の表面との間に所定の隙間を形成した状態で保持される。
<画像形成プロセス>
次に、画像形成プロセスを説明する。不図示の制御部が、ホストコンピュータ等から送られたプリント指令信号を受信し、それに基づきプリントスタート信号を発生することで、画像形成プロセスが開始する。
画像形成プロセスが開始すると、まずドラム62が矢印R方向(図2、図3参照)に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。帯電ローラ66には帯電バイアス電圧が印加され、ドラム62の表面(外周面)を実質的に均一に帯電する。更に、図2に示すように、露光装置(露光手段)3は、プリントする画像情報に応じたレーザ光Lを発する。そのレーザ光Lは、カートリッジBの枠体部材71に設けられたレーザ開口71hを通り、帯電ローラ66によって帯電されたドラム62表面へ照射され、ドラム62表面をレーザ光Lで走査する。これにより、ドラム62の表面の感光層には、画像情報に対応した静電潜像が形成される。
一方、図3に示すように、現像ユニット20において、トナー室29内のトナー(現像剤)Tは、搬送部材43の回転によって撹拌、搬送され、トナー供給室28に送り出される。トナーTは、マグネットローラ(固定磁石)34の磁力により、現像ローラ32の表面に担持される。現像ローラ32は、トナーTをその表面に担持する現像剤担持体であり、上述したドラム62に形成された静電潜像をトナーで可視化(現像)する。トナーTは、現像ブレード42によって、摩擦帯電される、更に、現像ブレード42は、現像ローラ32周面上でトナーTの層の厚み(層厚)を所望の厚みとなるように規制する。そして、現像ローラ32の表面に担持されたトナーTは、ドラム62の静電潜像に対応する領域へ供給され、付着する。これにより、ドラム62上の静電潜像は、トナー像として可視像化(現像)される。ドラム62は、その表面に静電潜像やトナー像(現像剤像)を担持する像担持体であると言える。
また、図2に示すように、レーザ光Lの出力タイミングと同期して、装置本体Aの下部のシートトレイ4に収納されたシート材PAが、ピックアップローラ5a、搬送ローラ対5bによって、装置本体A内の搬送路へ送り出される。その後、シート材PAは、転写ガイド6にガイドされて、ドラム62と転写ローラ(転写手段)7との間の転写ニップへ搬送される。この転写ニップにおいて、ドラム62上に形成されたトナー像は、シート材PA上に転写される。
転写ニップを通過してトナー像が転写されたシート材PAは、搬送ガイド8にガイドされて定着装置(定着手段)9へ搬送される。そしてシート材PAは、定着装置9の加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとの間の定着ニップを通過する。この定着ニップで、シート材PAを加圧及び加熱することで、トナー像をシート材PAに融着させ、定着させる。定着ニップを通過したシート材PAは、排出ローラ対10まで搬送され、排出トレイ11上に排出される。
一方、図3に示すように、転写ニップ通過後のドラム62の表面は、クリーニングブレード77と接触し、ドラム62の表面に残留したトナーが除去されて、再び、上述した画像形成プロセスに使用できるようになる。クリーニングブレード77によってドラム62から除去されたトナーは、廃トナーとしてクリーニングユニット60の廃トナー室71bに貯蔵される。
なお、本実施例においては、少なくとも、帯電ローラ66、露光装置3、現像ローラ32、転写ローラ7、及びクリーニングブレード77は、ドラム62に作用するプロセス手段である。
<カートリッジの装着及び取り外し>
次にカートリッジBの装置本体Aへの装着について、図8、図9、図10を用いて具体的に説明する。図8(a)は、扉13が開いた状態の装置本体Aの駆動側の断面図であり、図8(b)は、扉13が開いた状態の装置本体Aの非駆動側の断面図である。図8(a)、図8(b)で示した断面は、回転軸線L1に直交する断面である。図9は、カートリッジBの長手方向(回転軸線L1の方向)の位置決めを説明するための図であり、装置本体Aの嵌合部15jを回転軸線L1に平行な水平面(装置本体Aの設置面と平行な面)で切断した断面図である。図9(a)は、カートリッジBが嵌合部15jに嵌合する直前の状態、図9(b)は、カートリッジBが嵌合部15jに嵌合した状態を示す。図10(a)は、扉13が閉じた状態の装置本体Aの駆動側の断面図であり、図10(b)は、扉13が閉じた状態の装置本体Aの非駆動側の断面図である。図10(a)、図10(b)で示した断面は、回転軸線L1に直交する断面である。
まず、装置本体AへのカートリッジBの装着の説明をする。装置本体Aには、回転軸線L1の方向に関して、装置本体Aに装着されたカートリッジBを挟むように、第1駆動側側板15、非駆動側側板16が設けられている。また、装置本体Aには、挿入口17を開閉するための扉13が回動可能に取り付けられている。第1駆動側側板15は、カートリッジBの装着時及び取り外し時に、カートリッジBをガイドする上部ガイドレール15gと下部ガイドレール15hとを有している。非駆動側側板16は、カートリッジBの装着時及び取り外し時に、カートリッジBをガイドする上部ガイドレール16dと下部ガイドレール16eとを有している。また、カートリッジBのドラム軸受部材73には、被ガイド部73gと被回転止め部73cとが設けられ、枠体部材71は被位置決め部71dと被回転止め部71gとを有している。このため、被ガイド部73gと被回転止め部73cはカートリッジBの駆動側に、被ガイド部73gと被回転止め部73cはカートリッジBの非駆動側にそれぞれ配置されている。
装置本体Aの扉13を開いて、第1駆動側側板15と非駆動側側板16との間に形成された挿入口17を開放した状態にある時、挿入口17を通して、カートリッジBを装置本体Aへ挿入又は取り出すことができる。この時、カートリッジBをドラム62の回転軸線L1と実質的に直交する方向に移動させることにより、カートリッジBを装置本体Aへ挿入及び装着、及び、装置本体Aから取り外しすることができる。つまり、カートリッジBの装置本体Aへの装着方向M(図9(a)参照)、及び装置本体Aからの取り外し方向(装着方向Mの逆方向)は、回転軸線L1と実質的に直交する方向である。装置本体Aに装着されたカートリッジBの回転軸線L1は駆動伝達ギア81の回転軸線L2と平行となる関係となっているため、カートリッジBの装置本体Aへの装着方向M、及び装置本体Aからの取り外し方向は、回転軸線L2と実質的に直交する方向であるとも言える。また、ドラムユニット69は、カートリッジBを装置本体Aへ装着及び取り外しする際、カートリッジBと一体的に装置本体Aに対して移動し、装置本体Aに対して装着及び取り外しされる関係となっている。従って、ドラムユニット69の装置本体Aへの装着方向及び装置本体Aからの取り外し方向は、それぞれ、カートリッジBの装置本体Aへの装着方向M及び装置本体Aからの取り外し方向と同じである。
<カートリッジの装着と位置決め>
カートリッジBを、カートリッジ挿入口17を通って装置本体A内へ挿入していくと、カートリッジBの駆動側の被ガイド部73gと被回転止め部73cとは、上部ガイドレール15gとガイドレール15hにそれぞれガイドされる。カートリッジBの非駆動側の被位置決め部71dと被回転止め部71gとは、上部ガイドレール16dと下部ガイドレール16eにガイドされる。このようにカートリッジBが装置本体Aの各ガイドレールにガイドされて挿入されていくことで、最終的にカートリッジBの装置本体Aへの装着が完了する。
図9(a)、図9(b)に示すように、ドラム軸受部材73は、回転軸線L1の方向に関して、装置本体Aに対して位置決めされる被位置決め部(軸線方向被位置決め部)としての被嵌合部73hを有する。被嵌合部73hは装着方向M(回転軸線L1に直交する方向)に凹んだ凹形状(又は、溝形状又はスリット形状)である。一方で、装置本体Aの第1駆動側側板15は、被嵌合部73hと嵌合可能な嵌合部15jを有する。嵌合部15jは、装着方向MDの逆方向に向かって突出した凸形状である。
カートリッジBを装置本体Aへ挿入する過程において、図9(b)に示すように、被嵌合部73hが嵌合部15jと嵌合することにより、カートリッジBの回転軸線L1の方向(カートリッジBの長手方向)の位置が決まる。なお、被嵌合部73hと嵌合部15jの嵌合は隙間嵌めであるが、嵌合ガタ(隙間)は極めて小さく(最大での150μm程度)設定されている。このため、被嵌合部73hが、H方向またはJ方向のどちらで嵌合部15jに突き当たっていても、カートリッジBは回転軸線L1の方向に関して実質的に同じ位置に位置決めされているといえる。
また、図8(a)、図8(b)、図10(a)、図10(b)に示すように、第1駆動側側板15は、位置決め部15aと位置決め部15bと回転止め部15cとを有しており、非駆動側側板16は、位置決め部16aと位置決め部16bと回転止め部16cを有している。扉13には、扉13の回動軸線の方向で両端にカートリッジ押圧部材1、2が、扉13に対して移動(回動)可能に取り付けられている。また、第1駆動側側板15、非駆動側側板16には、押圧バネ19、21がそれぞれ取り付けられている。
また、図3に示すように、カートリッジBのドラム軸受部材73は、被押圧部(付勢力受け部)73eを有し、枠体部材71は、被押圧部(付勢力受け部)71nを有する。被押圧部73e、71nは、カートリッジBの駆動側と非駆動側にそれぞれ配置された凹形状部に設けられている。
図10(a)、図10(b)に示すように、扉13を閉じることにより、押圧バネ19、21によってカートリッジ押圧部材1、2がカートリッジBに向かって付勢される。そして、カートリッジ押圧部材1、2は、被押圧部73e、71nに当接し、押圧バネ19、21の付勢力によって被押圧部73e、71nを押圧する。
これによって、駆動側においては、カートリッジBの被位置決め部73gが装置本体Aの位置決め部15aと位置決め部15bとに当接し、回転止め部73cが装置本体Aの回転止め部15cに当接する。これにより、カートリッジBのドラム枠体60aの駆動側の部分が回転軸線L1に直交する方向に関して位置決め、及び回転軸線L1と平行な軸線回りの回動が規制される。また、非駆動側においては、カートリッジBの被位置決め部71dが装置本体Aの位置決め部16a、16bに当接し、被回転止め部71gが装置本体Aの回転止め部16cと当接する。これにより、カートリッジBのドラム枠体60aの非駆動側の部分が回転軸線L1に直交する方向に関して位置決め、及び回転軸線L1と平行な軸線回りの回動が規制される。
このようにカートリッジBのドラム枠体60aを装置本体Aに対して位置決めすることで、ドラム枠体60aに対して位置決めされたドラムユニット69も装置本体Aに対して間接的に位置決めされる。
<ドラムユニットへの駆動伝達>
次に、装置本体Aからドラムユニット69及びドラム62へ駆動を伝達する構成について説明する。図1は、装置本体Aからドラムユニット69へ駆動伝達する部分の斜視図である。図11は、装置本体Aの駆動伝達ギア81の支持構成を示す分解斜視図である。図12は装置本体Aの駆動伝達部を示す斜視図である。図13(a)は装置本体Aの駆動伝達ギア81を模式的に示す図である。図13(b)はカートリッジBの駆動側フランジ63を模式的に示す図である。なお、図13(a)、図13(b)ではギアの歯については歯先端の稜線を示している。図14は装置本体Aの駆動伝達ギア81からカートリッジBへ駆動側フランジ63への駆動伝達構成を模式的に示す図である。
<装置本体側の駆動構成>
図11に示すように、装置本体Aは、モータ(不図示)、アイドラギア80、駆動伝達ギア81、第2駆動側側板83、メイン枠体84、駆動軸82、及び、圧縮バネ85を有する。モータからの駆動力は、アイドラギア80から駆動伝達ギア81へ伝達される。アイドラギア80と駆動伝達ギア81は、駆動軸82によって、互いに同軸で回転可能で、かつ回転軸線方向に移動可能に支持されている。駆動軸82はその一端部82aが第2駆動側側板83の穴83aに固定され、他端部82bをメイン枠体84の穴84aに支持されている。駆動軸82は、駆動伝達ギア81の回転軸線が装置本体AにカートリッジBが装着された状態におけるドラム62の回転軸線L1と平行となるよう、設けられている。
また、アイドラギア80の他端部80bと第2駆動側側板83との間に圧縮バネ85が設けられており、アイドラギア80は回転軸線方向においてH方向に付勢されている。先述の通り、装置本体AにおけるJ方向、H方向は、装置本体Aに装着されたカートリッジBのJ方向、H方向と一致するよう定義される。その結果、図11に示すよう、J方向は、アイドラギア80の回転軸線に沿ってアイドラギア80から第2駆動側側板83に向かう方向となり、H方向はその逆方向となる。
アイドラギア80の一端部80aには回転軸線方向に凹んだ凹部80a1が設けられている。一方、駆動伝達ギア81の一端部81aには、アイドラギア80の凹部80a1に対向した箇所に、回転軸線方向に突出した突部81a1が設けられている。アイドラギア80の凹部80a1と駆動伝達ギア81の突部81aが係合することで、アイドラギア80から駆動伝達ギア81へ駆動力が伝達され、一体的に回転する。なお、凹部80a1と突部81a1の凹凸関係は逆であっても構わない。
後述するが、駆動伝達ギア81は、カートリッジBの駆動側フランジ63と噛み合い駆動力を伝達する。図1に示すように、上述した画像形成プロセス、カートリッジB装着後の初期動作、及び、画像形成プロセスの準備動作を行っている間(総称して「駆動中」と呼ぶ)、駆動伝達ギア81はI方向に回転し、駆動側フランジ63はK方向に回転する。つまり、駆動伝達ギア81の駆動中の駆動方向(回転方向)はI方向であり、駆動側フランジ63の駆動中の駆動方向(回転方向)はK方向である。なお、H方向に沿って駆動側から非駆動側に向かって、駆動伝達ギア81及び駆動側フランジ63を見ると、I方向は時計方向、K方向は反時計方向である。
<駆動伝達ギア81>
図1、図12、図13(a)に示すように、駆動伝達ギア81は、斜歯ギア部としての第1本体ギア部(第1本体側ギア部、第1本体側斜歯ギア部)81c及び第2本体ギア部(第2本体側ギア部、第2本体側斜歯ギア部)81dを同軸で備える。第1本体ギア部81cは、第2本体ギア部81dよりもH方向に関して下流側(J方向に関して上流側)に配置されている。第1本体ギア部81cは複数の第1本体斜歯81ctを含み、第2本体ギア部81dは複数の第2本体斜歯81dtを含む。なお、第1本体斜歯81ct及び第2本体斜歯81dtはいずれもインボリュート歯形の歯である。第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dは一体的に樹脂成型され一体的に回転する。また、第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dのねじれ方向は、互いに同じ方向で、J方向に向かうにつれて歯面がI方向に向かってずれていくようにねじれる方向である。また、図13(a)に示すように、第2本体ギア部81dのねじれ角α2は第1本体ギア部81cのねじれ角α1よりも大きい(つまり、α1<α2を満たす)。また、第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dの歯数は同じである。
<駆動側フランジ63>
一方、図1、図6(b)、図13(b)に示すように、駆動側フランジ63は、斜歯ギア部としての第1ギア部(第1ユニット側ギア部、第1ユニット側斜歯ギア部、第1斜歯ギア部)63cと第2ギア部(第2ユニット側ギア部、第2ユニット側斜歯ギア部、第2斜歯ギア部)63dを同軸で備える。第1ギア部63cは、第2ギア部63dよりもH方向に関して下流側(J方向に関して上流側)に配置されている。つまり、回転軸線L1の方向に関して、第1ギア部63cは第2ギア部63dとドラム62の間に配置されている。第1ギア部63cは回転軸線L1を中心とする周方向で異なる位置に配置された複数の第1斜歯(第1突起)63ctを含み、第2ギア部63dは回転軸線L1を中心とする周方向で異なる位置に配置された複数の第2斜歯(第2突起)63dtを含む。なお、第1斜歯63ct及び第2斜歯63dtは、いずれもインボリュート歯形の歯であり、回転軸線L1を中心とする半径方向に突出した突起である。第1ギア部63cと第2ギア部63dは一体的に樹脂成型され一体的に回転する、このため、第1ギア部63c、第2ギア部63dは、互いに一体的に回転する第1回転部、第2回転部とみることも可能である。第1ギア部63cは駆動伝達ギア81の第1本体ギア部81cと噛み合い、第2ギア部63dは駆動伝達ギア81の第2本体ギア部81dと噛み合う。
図1に示すように、駆動側フランジ63の第1ギア部63cと第2ギア部63dのねじれ方向は、互いに同じ方向で、J方向に向かうにつれて歯面がK方向に向かってずれていくようにねじれる方向である。なお、第1ギア部63cと第2ギア部63dのねじれ方向は、駆動伝達ギア81の第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dのねじれ方向とは逆である。また、図13(b)に示すように、第2ギア部63dのねじれ角α2は第1ギア部63cのねじれ角α1よりも大きい(つまり、α1<α2を満たす)。なお、第1ギア部63cのねじれ角α1は第1本体ギア部81cのねじれ角α1と同じであり、第2ギア部63dのねじれ角α2は第2本体ギア部81dのねじれ角α2と同じである。また、駆動側フランジ63の第1ギア部63cと第2ギア部63dの歯数は同じである。また、第1斜歯(第1突起)63ctの回転軸線L1の方向の幅(歯幅)W63c(Wc、Wc1)は、第2斜歯(第2突起)63dtの回転軸線L1の方向の幅(歯幅)W63d(Wd)よりも大きい。つまり、第1ギア部63cと第2ギア部63dのそれぞれは、回転軸線L1の方向に関する第1斜歯(歯、第1突起)63ctの歯幅Wcと第2斜歯(歯、第2突起)63dtの歯幅Wdが以下の式A1を満たすような歯を少なくとも1歯ずつ備えている。
Wc>Wd・・・(式A1)
換言すれば、第1ギア部63cの最も回転軸線L1の方向の幅(歯幅)の広い第1斜歯63ctの幅(歯幅)をWc1とした時、第2ギア部63dは、回転軸線L1の方向の幅(歯幅)がWc1よりも小さい第2斜歯(第2突起)63dtを有する。
後に詳述するが、つり合い状態で駆動伝達ギア1781によって駆動側フランジ1763が駆動されている間は、第1ギア部1763cの受ける駆動力FDの方が第2ギア部1763dが受ける規制力FBよりも大きくなるため、このような関係とすることが好ましい。
また、第1本体ギア部81cに対して第1ギア部63cの噛み合う(接触する)部分の回転軸線L1の幅(噛み合い幅)及び第2本体ギア部81dに対する第2斜歯ギア部63cの噛み合い幅は、なるべく大きい方が駆動伝達精度が良い。しかしながら、必要以上に噛み合い幅を大きく設定すると、第1ギア部63cや第2ギア部63cの回転軸線L1の方向の幅が大きくなり、駆動側フランジ63、ドラムユニット69、カートリッジB、ひいては装置本体Aが大型化してしまう。そこで、第1ギア部63cの中で最も歯幅の広い第1斜歯(歯)63ctの歯幅Wc1と第2ギア部63dの中で最も歯幅の広い第2斜歯(歯)63dtの歯幅Wd1は、以下の式A2、より好ましくは式A3、を満たすことが好ましい。
Wd1≦(4/5)・Wc1・・・(式A2)
Wd1≦(3/4)・Wc1・・・(式A3)
更に、第2ギア部63dの第2斜歯(歯)63dtの強度という観点では、第2斜歯(歯)63dtはある程度以上の歯幅を持っていることが好ましく、歯幅Wc1と歯幅Wd1は以下の式A4を満たすことが好ましい。
Wd1≧(1/10)・Wc1・・・(式A4)
更に、図14に示すように、駆動側フランジ63と駆動伝達ギア81との噛み合いにおける第1ギア部63cと第2ギア部63dの噛合いピッチ円直径D63c、D63dはほぼ同じになるように設定している。また、第1ギア部63cと第2ギア部63dの歯先円直径Dt63c、Dt63dもほぼ同じになるように設定している。同様に第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dの噛合いピッチ円直径D81c、D81dはほぼ同じになるように設定している。これにより、第1ギア部63cと第1本体ギア部81cの噛み合い、及び、第2ギア部63dと第2本体ギア部81dの噛み合いが、いずれも歯先当たりにならずに適切に噛み合うことができる。
第1ギア部63cと第2ギア部63dの噛合いピッチ円直径D63c、D63dはほぼ同じになるように設定するためには、以下のように第1ギア部63cと第2ギア部63dの形状を決めることが好ましい。
具体的には、第1ギア部63cの歯先円直径Dt63cの大きさは、第2ギア部63dの歯底円直径Db63dよりも大きい値、もしくは第2ギア部63dの歯先円直径Dt63dの0.8倍(より好ましくは0.9倍)よりも大きい値に設定することが好ましい。また、第1ギア部63cの歯先円直径Dt63cの大きさは、第2ギア部63dの歯先円直径Dt63dの1.1倍よりも小さい値に設定することが好ましい。
更に、第1ギア部63cの歯底円直径Db63cの大きさは、第2ギア部63dの歯先円直径Dt63dよりも小さい値に設定することが好ましい。また、第1ギア部63cの歯底円直径Db63cの大きさは、第2ギア部63dの歯底円直径Db63dの0.9倍よりも大きい値に設定することが好ましい。
また、第2ギア部63dの歯先円直径Dt63dの大きさは、第1ギア部63cの歯底円直径Db63cよりも大きい値、もしくは第1ギア部63cの歯先円直径Dt63cの0.8倍(より好ましくは0.9倍)よりも大きい値に設定することが好ましい。また、第2ギア部63dの歯先円直径Dt63dの大きさは、第1ギア部63cの歯先円直径Dt63cの1.1倍よりも小さい値に設定することが好ましい。
更に、第2ギア部63dの歯底円直径Db63dの大きさは、第1ギア部63cの歯先円直径Dt63cよりも小さい値に設定することが好ましい。また、第2ギア部63dの歯底円直径Db63dの大きさは、第1ギア部63cの歯底円直径Db63cの0.9倍よりも大きい値に設定することが好ましい。
ここでは、第1ギア部63c、第2ギア部63dの直径を用いてこれらの寸法の関係性を示したが、直径を半径に置き換えても同じ関係性であることは自明である。また、後述する実施例においては、第1ギア部63c、第2ギア部63dの歯を様々な形状の複数の突起に置換した例を示す。この場合、歯先円は、複数の突起の先端のうち回転軸線L1から最も離れた先端(点)が回転した際に回転軌跡として描く円であり、この円の直径/半径を歯先円直径/歯先円半径とする。
このように第1ギア部63cと第2ギア部63dのねじれ角を異ならせつつ噛み合いピッチ円直径D63c、D63dを同じにするため、第1ギア部63cと第2ギア部63dとの間でモジュールを異ならせたり、転移量を変えたりしている。なお、駆動伝達ギア81についても同様に第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dとの間でモジュールを異ならせたり、転移量を変えたりしている。
また、駆動側フランジ63は、回転軸線L1の方向に関して、第1ギア部63cと第2ギア部63dとの間に円筒部(中間部、小径部、軸部)63eを備える。円筒部63eの回転軸線L1を中心とする最大直径D63eは、第1ギア部63cの歯先円直径Dt63c及び第2ギア部63dの歯先円直径Dt63dよりも小さい。更に、本実施例では、円筒部63eの回転軸線L1を中心とする最大直径D63eは、第1ギア部63cの歯底円直径Db63c及び第2ギア部63dの歯底円直径Db63dよりも小さい。しかしながら、円筒部63eの回転軸線L1を中心とする最大直径D63eは、駆動側フランジ63が駆動伝達ギア81に駆動されている間、駆動伝達ギア81と接触しなければ上記の限りではない。更に、後に実施例22、実施例23で説明するように、駆動側フランジ63と駆動伝達ギア81とが噛み合って駆動力を伝達可能なように、回転軸線L1から円筒部63eの外径までの距離(半径)R63eが、少なくとも一時的に、第1ギア部63cの歯先円半径Rt63ctもしくは第2ギア部63dの歯先円半径Rt63dよりも小さくなることが可能な構成としてもよい。
ここでは、第1ギア部63c、第2ギア部63d、円筒部63eの直径を用いてこれらの寸法の関係性を示したが、直径を半径に置き換えても同じ関係性であることは自明である。なお、円筒部63eの形状は、回転軸線L1を中心とする円筒形状でなくてもよい。例えば、多角柱形状や、回転軸線L1を基準に対称ではない形状など、様々な形状とすることが可能である。この場合、駆動側フランジ63が回転した際に、中間部63eのうち回転軸線L1から最も離れた点が回転軌跡として描く円の直径が上述した最大直径D63eであり、その円の半径が半径R63eの最大値である。
円筒部63eを設けることで、第2ギア部63dについて、第1ギア部81cと当接しないようドラム62から離れた位置(J方向でより下流側)に配置させることができる。同様に、第1ギア部63cについて、第2本体ギア部81dと当接しないようドラム62に近い位置(H方向でより下流側)に配置させることができる。つまり、円筒部63eを設けることで、回転軸線L1の方向に関して、第1ギア部81cと第2ギア部63dとの間に隙間gが形成される。これにより、カートリッジBを装置本体Aに装着した際、回転軸線L1の方向に関し、第1ギア部63cが第2本体ギア部81dと接触すること、及び、第2ギア部63dが第1本体ギア部81cと接触することを防ぐことができる。また、駆動伝達ギア81を駆動して駆動伝達ギア81がつり合いの位置へ移動する際に、第1本体ギア部81cが第2ギア部63dと接触すること、及び、第2本体ギア部81dが第1ギア部63cと接触することを防ぐことができる。円筒部63eの回転軸線L1の方向の幅については、以降で詳述する。
<現像ローラへの駆動伝達>
図15は駆動側フランジ63から現像ローラ32への駆動伝達構成を示す図である。現像ローラ32は現像ローラ軸31に固定されており、現像ローラ軸31の駆動側の一端部には、現像ローラギア30が現像ローラ軸31の回転軸線方向に移動可能に設けられている。現像ローラギア30は、現像ローラ軸31及び現像ローラ32と一体的に回転可能である。つまり、現像ローラギア30は、現像ローラ軸31及び現像ローラ32へ駆動伝達可能に設けられている。現像ローラギア30は駆動側フランジ63の第1ギア部63cと噛み合って駆動力を伝達される。
現像ローラギア30を第2ギア部63dと噛み合って駆動力を伝達される構成としてもよい。しかし、現像ローラギア30を第1ギア部63cに噛み合わせる構成とすることで、現像ローラギア30を第2ギア部63dと噛み合わせる構成と比べ、現像ローラ軸31の回転軸線方向の長さを短くすることができる。
<駆動伝達動作>
次に、駆動伝達ギア81と駆動側フランジ63との噛合い動作について、図16、図17、図19、図20、図21を用いてカートリッジBの装着から順に説明していく。
図16(a)は、駆動伝達ギア81と駆動側フランジ63をこれらの回転軸線方向に沿って見た模式図である。図16(b)は、駆動伝達ギア81の切断線AF-AFでの断面図である。図16(b)以降の図において、図中の斜線部(ハッチング)がギアの山部の断面であり、斜線部と斜線部との間がギアの谷部がある部分に相当する。図16(c)は、駆動側フランジ63の切断線AF-AFでの断面図である。図16(d)は、カートリッジ装着前の駆動伝達ギア81の切断線AF-AFでの断面図である。図16(e)はカートリッジB装着後、駆動開始前の駆動伝達ギア81および駆動側フランジ63の切断線AF-AFでの断面図である。
図17は、駆動開始直後の駆動伝達ギア81および駆動側フランジ63の噛み合いピッチ円に接する切断面AF-AFでの断面図であり、図17(a)、図17(b)、図17(c)、図17(d)の順に時間経過した状態を示している。
図19(a)、図19(b)、図19(c)は、駆動伝達ギア81と駆動側フランジ63をH方向に沿って見た図である。
図21(a)は駆動伝達ギア81と駆動側フランジ63を回転軸線方向に垂直な方向に沿って見た図である。図21(b)は駆動中の第1本体ギア部81cの切断線AD-ADでの断面図である。図21(c)は駆動中の第2本体ギア部81dの切断線AD-ADでの断面図である。
<カートリッジB装着時の噛み合い>
図16(d)に示すように、カートリッジBを装着する前の駆動伝達ギア81は、圧縮バネ85の付勢力F1によって、駆動伝達ギア81の他端部81eがメイン枠体84の突き当て面84bに突き当たって保持されている。このように駆動伝達ギア81を突き当て面84bに突き当てて保持する構成にすることで、駆動伝達ギア81の回転軸線方向の初期位置を一定とし、駆動側フランジ63との噛み合いを安定化させることができる。
カートリッジBを装置本体Aに装着方向M(M方向)に沿って装着していくと、図19(a)に示すように、駆動側フランジ63は駆動伝達ギア81とかみ合う。ここで、駆動側フランジ63を回転させるために必要な力の方が駆動伝達ギア81を回転させるために必要な力より大きい。このため、駆動側フランジ63のM方向への移動によって駆動伝達ギア81がI方向(時計方向)に回転させられる。この時、図16(e)に示すように、駆動伝達ギア81の第1本体ギア部81cまたは第2本体ギア部81dは、駆動側フランジ63の第1ギア部63cまたは第2ギア部63dと接触し、M方向に押圧される。駆動伝達ギア81には、H方向のスラスト力F3が働く。しかし、駆動伝達ギア81の他端部81eは、メイン枠体84の突き当て面84bに突き当たって反力F4を受けるために、駆動伝達ギア81はH方向には移動できない。
<駆動開始後の動作>
次に、初期動作や画像形成の準備動作等を行うために駆動側フランジ63を駆動させる場合について説明する。図19(b)に示すように、駆動伝達ギア81は、装置本体Aのモータ(不図示)によって回転させられI方向に回転する。これによって、駆動側フランジ63はK方向に回転する。駆動伝達ギア81のI方向への回転開始直後、図17(a)に示すように、最初に駆動伝達ギア81の第2本体ギア部81dが駆動側フランジ63の第2ギア部63dと噛み合い駆動力を伝達したとする。すると、第2本体ギア部81dは、第2ギア部63dをH方向のスラスト力を発生させる。しかし、駆動側フランジ63は、リブ71pによってH方向の移動が規制されており、H方向のスラスト力に対応したJ方向の反力を受ける。このため、第2本体ギア部81dには、第2ギア部63dから受ける反力の作用により、J方向のスラスト力F5を受ける。このスラスト力F5によって、駆動伝達ギア81はJ方向に移動する。
更に回転が続きながら駆動伝達ギア81がJ方向に移動していくと、図17(b)に示すように、第1ギア部63cも第1本体ギア部81cと噛み合い、第1本体ギア部81cにスラスト力F6が発生する。スラスト力F6は、先に第2本体ギア部81dが第2ギア部63dとの噛み合いで受けているスラスト力F7と同じJ方向のスラスト力である。これにより、さらに駆動伝達ギア81はJ方向に移動する。
更に回転して駆動伝達ギア81がJ方向に移動すると、やがて、図17(c)に示すように、第2本体ギア部81dは第2ギア部63dと噛み合わなくなる。一方で、第1ギア部81cと第1ギア部63cとは噛み合いが維持され、第1ギア部81cにはJ方向にスラスト力F8が働く。この時、駆動伝達ギア81は、第1本体ギア部81cと第1ギア部63cとのかみ合いのみによって駆動側フランジ63を回転させる。つまり、第1本体ギア部81cのI方向下流側の歯面81c1と第1ギア部63cのI方向上流側の歯面63c1とが接触している。
このようになるのは、駆動伝達ギア81の第2本体ギア部81dのねじれ角α2の方が第1本体ギア部81cのねじれ角α1よりも大きい(α2>α1)ためである。詳しくは、図21(b)、図21(c)を用いて以下で説明する。駆動側フランジ63とのかみ合いでスラスト力を受けて駆動伝達ギア81がJ方向に移動量LL移動したとする。図21(b)、図21(c)において、第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dは、それぞれ移動前を実線、移動後を破線で示している。この移動に伴う第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dの回転方向の移動量は、それぞれLL/tanα1、LL/tanα2で表せる。ねじれ角α1、α2の関係に基づけば、第1本体ギア部81cの回転方向の移動量LL/tanα1よりも第2本体ギア部81dの回転方向の移動量LL/tanα2の方が大きい(LL/tanα1<LL/tanα2)。このように、J方向への移動量LLに対応する回転方向の移動量が第1本体ギア部81cよりも第2本体ギア部81dの方が大きくなる。このため、第1本体ギア部81cと第1ギア部63cがかみ合っていても、第2本体ギア部81dは第2ギア部63dから離れてしまう。
更に回転が続いて駆動伝達ギア81が駆動側Jに移動すると、図17(d)に示すように、最終的には、第2本体ギア部81dのI方向に関して上流側の歯面81d2が第2ギア部63dのI方向下流側の歯面(接触部)63d2と接触する。なお、第1本体ギア部81cの面81c1と第1ギア部63cの面63c1は接触を維持している。つまり、この状態では、駆動伝達ギア81の第1本体ギア部81cが歯面81c1で歯面(接触部)63c1を押圧して駆動側フランジ63を回転させ、駆動伝達ギア81の第2本体ギア部81dの歯面81d2が歯面63d2と当接することで駆動側フランジ63によって挟み込みこまれる。そして、駆動伝達ギア81の回転軸線L1の方向の移動が止まる。この時の回転軸線L1の方向の位置をつり合いの位置とする。駆動伝達ギア81がつり合いの位置で回転して駆動側フランジ63へ駆動伝達している状態について説明する。
つり合い状態において、駆動伝達ギア81には、回転軸線L1の方向に関して、次の力F9、力F10、力F1がかかっている。力F9は、第1本体ギア部81cが第1ギア部63cとの噛み合い力で受けるJ方向のスラスト力、力F1は第2本体ギア部81dが第2ギア部63dとの噛み合い力で受けるH方向のスラスト力、力F1は圧縮バネ85の付勢力である。また、駆動側フランジ63は、駆動伝達ギア81から力を受けて側壁71m又はリブ71pによって回転軸線L1の方向に関して位置決めされ、駆動伝達ギア81から受ける力と釣り合う反力F11が発生する。なお図17(d)では、駆動伝達ギア81が側壁71mに当接して位置決めされた場合を示している。そして、つり合い状態において、摩擦を無視すると、力F9、力F10、力F1、及び、力F11が釣り合って、駆動伝達ギア81及び駆動側フランジ63がそれぞれ回転軸線L1の方向で位置決めされた状態となっている。
また、駆動側フランジ63は、K方向(回転方向)に関しても、駆動伝達ギア81の第1本体ギア部81c及び第2本体ギア部81dに挟まれて(接触して)次のような力を受けた状態となっている。つまり、第1ギア部63cの歯面(接触部)63c1は、K方向(第1周方向)で上流側に配置された第1本体ギア部81cと接触することで、駆動側フランジ63をK方向(所定方向)に回転させる方向の成分の力としての駆動力FDを受ける。同時に、第2ギア部63dの歯面(接触部)63d2は、K方向(第1周方向)で下流側に配置された第2本体ギア部81dと接触することで、駆動側フランジ63のK方向の回転を抑制(規制)する方向の成分の力としての規制力(ブレーキ力)FBを受ける。このため、第1ギア部63cは駆動力FDを受ける駆動力受け部であり、第2ギア部63dは規制力FBを受ける規制力受け部であるとも言える。なお、駆動力FDの方が規制力FBよりも大きい。
ここで、第2ギア部63dは、第1ギア部63cと回転方向に関して一体的に設けられているので、第1ギア部63cに対してK方向の逆方向へ相対的に回転できない構成である。厳密には、駆動側フランジ63が樹脂製であり歯や部材の変形が発生するため、規制力FBを受けた第2ギア部63dは、第1ギア部63cに対して相対的に、K方向の反対(逆)方向にわずかに回転した後、回転が止まり固定される。このため、第2ギア部63dが受けた規制力FBは第1ギア部63cへ作用する(伝達される)。同様の原理で第1ギア部63dが受けた駆動力FDは第2ギア部63dへ作用する(伝達される)。
このように、第1ギア部63cが駆動力FDを受け、第2ギア部63dが規制力FBを受けた状態は、駆動側フランジ63と駆動伝達ギア81の間で回転方向(I方向)のガタ(バックラッシュ)が無い状態、即ちバックラッシュレス状態である。このように、駆動側フランジ63はバックラッシュレス状態を維持したままK方向に回転駆動されることになる。バックラッシュレス状態でかみ合って駆動伝達している間は、回転精度の良い駆動伝達が可能である。
また、第1斜歯(第1突起)63ctの回転軸線L1の方向の幅(歯幅)W63cは、第2斜歯(第2突起)63dtの回転軸線L1の方向の幅(歯幅)W63dよりも大きい。換言すれば、第2ギア部63dは、第1ギア部63cの最も回転軸線L1の方向の幅(歯幅)の広い第1斜歯63ctと比べて幅の狭い第2斜歯(第2突起)63dtを有する。
なお、駆動開始時に第2本体ギア部81dと第2ギア部63dが接触せず、第1本体ギア部81c、第1ギア部63cが当接した場合は、先述した図17(a)、図17(b)で示す状態を経ずに、図17(c)に示す状態から駆動が開始する。そして、先述したものと同様の原理によって、図17(d)に示すつり合い状態となる。即ち、図17(c)に示す状態から、駆動伝達ギア81がスラスト力F8によってJ方向に移動していき、図17(d)に示すつり合い状態へ移行する。
<カートリッジB取り外し時の噛み合い解除>
次に、駆動終了後にカートリッジBを取り外す際の駆動伝達ギア81と駆動側フランジ63との噛合い解除動作について、図18、図19、図20を用いて説明する。図18は、駆動終了後にカートリッジBを取り外す際の駆動伝達ギア81および駆動側フランジ63の噛み合いピッチ円に接する切断面AF-AFでの断面図であり、図18(a)、図18(b)の順に時間経過した状態を示している。図20は、駆動伝達ギア81と駆動側フランジ63をH方向に沿って見た模式図である。
図19(c)に示すように、カートリッジBは、取り出し方向N(N方向)に移動させて装置本体Aから取り外す。N方向はM方向の逆方向である。先述したように、駆動側フランジ63を回転させるために必要な力の方が駆動伝達ギア81を回転させるために必要な力より大きい。このため、駆動側フランジ63のN方向の移動によって、駆動伝達ギア81はK方向(反時計方向)に回転させられる。この際、図18(a)に示すように、駆動側フランジ63がN方向に移動すると、第1ギア部63cが第1本体ギア部81cを押圧する。また、図20では、N方向に移動する駆動側フランジ63と駆動伝達ギア81との位置関係を示しており、N方向の移動前を実線、移動後を破線で記載している。駆動側フランジ63の回転中心(回転軸線)L1と駆動伝達ギア81の回転中心(回転軸線)L2との距離は、駆動側フランジ63がN方向に移動するのに伴って距離LAから距離LBへと変化していく(LA<LB)。
これによって、第1ギア部63cと第1本体ギア部81cの歯のかみ合い位置が徐々に歯先に移行していく。そのため、図18(b)に示すように、回転方向の歯のかみ合いのガタ(バックラッシュ)が大きくなっていき、第2ギア部63dの面63d2と第2本体ギア部81dの歯面81d2の間の隙間ALが大きくなっていく。歯面間に隙間ALが生じると、駆動伝達ギア81には、第2ギア部63dからの力は作用せず、第1本体ギア部81cと第1ギア部63cとの噛み合いによるJ方向のスラスト力F16が働く。その結果、カートリッジB取り外し時、駆動伝達ギア81はK方向に回転しながら徐々にJ方向に移動していき、最終的に第1ギア部63cと第1本体ギア部81cの噛み合いが無くなる。これにより、駆動側フランジ63と駆動伝達ギア81との噛み合いが解除される。
<ねじれ角の設定>
次に好ましい第1ギア部63c、第2ギア部63dのねじれ角について、図46を用いて説明する。図46(a)、図46(b)は、第2ギア部63dと第2本体ギア部81dの駆動伝達ギア81および駆動側フランジ63の噛み合いピッチ円に接する切断面AF-AFでの断面図である。
上述したように、第1ギア部63cが駆動力FDを受けるギア部であり、第2ギア部63dが規制力FBを受けるギア部である時の、第1ギア部63cのねじれ角α1、第2ギア部のねじれ角α2の設定について説明する。まず前提として、第1ギア部63cが駆動力FDを受けるギア部であり、第2ギア部63dが規制力FBを受けるギア部であるために、ねじれ角α2がねじれ角α1よりも大きい(α2>α1)。仮にねじれ角α2がねじれ角α1よりも小さい場合、バックラッシュレス状態で駆動伝達することができない。即ち、第1ギア部63cが第1本体ギア部81cに付与するスラスト力と第2ギア部63dが第2本体ギア部81d付与するスラスト力が釣り合わず、駆動伝達ギア81の回転軸線L1の方向の位置がつり合い位置で決まらない。
駆動側フランジ63の第1ギア部63cのねじれ角α1は、10°以上(α1≧10°)が好ましく、15°以上(α1≧15°)がより好ましく、20°以上(α1≧20°)が更に好ましい。理由は、一般的に、歯幅(回転軸線L1の方向のギアの歯の幅)が同じであれば、ねじれ角が大きい程が、かみ合い率が大きくなり、回転精度が向上するためである。また、ねじれ角α1は、40°以下(α1≦40°)が好ましく、35°以下(α1≦35°)がより好ましい。理由は、一般的にねじれ角が大きいと金型による成形性が悪化するためである。
一方で、ドラムギア63の第2ギア部63dのねじれ角α2は、40°以下(α2≦40°)が好ましく、35°以下(α2≦35°)がより好ましい。理由は、一般的にねじれ角が大きいと金型による成形性が悪化するためである。また、ドラムギアの第2ギア部63dのねじれ角α2は、20°以上(α2≧20°)が好ましく、25°以上(α2≧25°)がより好ましい。理由は、図46(a)、図46(b)に示すように、ねじれ角α2が大きいほど第2本体ギア部81dとの接触面の回転方向(K方向)での幅Eが大きくなるからである。本実施例ではねじれ角α2は35°に設定している。
幅Eが小さいと、第1ギア部63c受けるスラスト力F9(図17(d)参照)を第2ギア部63dが受ける際、第2ギア部63dの歯面が変形し、第2本体ギア部81dがクサビのように食い込んで移動してしまい、回転軸線L1の方向での位置決めが不安定となる。このため、確実にスラスト力F9を受けて回転軸線L1の方向で駆動伝達ギア81を位置決めするためにはある程度の幅Eを確保する必要がある。
以上を総合すると、ねじれ角α1は、10°以上40°以下(15°≦α1≦40°)が好ましく、15°以上40°以下(15°≦α1≦40°)がより好ましく、20°以上35°以下(20°≦α1≦35°)が更に好ましい。また、ねじれ角α2は、20°以上40°以下(20°≦α2≦40°)が好ましく、25°以上35°以下(25°≦α2≦35°)がより好ましい。本実施例では、ねじれ角α1は20°、ねじれ角α2は35°に設定しており、上記の条件を満たす。
<円筒部63eの幅>
次に、円筒部63eの回転軸線L1の方向の幅(長さ)について説明する。図47(a)は、カートリッジB装着時の駆動側フランジ63と駆動伝達ギア81を回転軸線L1に直交する方向から見た模式図である。図47(b)は、駆動中の駆動側フランジ63と駆動伝達ギア81を回転軸線L1に直交する方向から見た模式図である。
先述したように、円筒部63eを設けることで、回転軸線L1の方向に関し、第1ギア部63cが第2本体ギア部81dと接触すること、及び、第2ギア部63dが第1本体ギア部81cと接触することを防ぐことができる。また、円筒部63eを設けることで、駆動伝達ギア81を駆動して駆動伝達ギア81がつり合いの位置へ移動する際に、第1本体ギア部81cが第2ギア部63dと接触すること、及び、第2本体ギア部81dが第1ギア部63cと接触することを防ぐことができる。つまり、円筒部63eを設けることで、回転軸線L1の方向に関して、第1ギア部81cと第2ギア部63dとの間に隙間gが形成される。このため、以下の説明においては、円筒部63eの回転軸線L1の方向の幅(長さ)は隙間gの回転軸線L1の方向の幅(長さ)と同義である。
上述した接触は、以下の2つの状況で発生する可能性がある。1つ目は、図47(a)に示すように、カートリッジBを装置本体Aに装着した際、駆動伝達ギア81は他端部81eがメイン枠体84の突き当て面84bに突き当たって保持されている状況。2つ目は、図47(b)に示すように、駆動して駆動伝達ギア81がつり合いの位置へ向かって移動している状況である。
駆動側フランジ63の第1ギア部63cと第2ギア部63dの位置、駆動伝達ギア81の第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dの位置、及び、つり合いの位置は以下に示す要素の影響を受けて変動し得る。具体的には(1)駆動側フランジ63や駆動伝達ギア81、及びクリーニング枠体(ドラム枠体)60aなどの関連部品の回転軸線L1の方向の公差、(2)駆動側フランジ63の回転軸線L1と駆動伝達ギア81の回転軸線L2の軸間距離に関わる公差、(3)駆動側フランジ63の第1ギア部63cと第2ギア部63dの歯の回転方向の位相の公差、(4)駆動伝達ギア81の第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dとの歯の回転方向の位相の公差、(5)最大駆動負荷による歯の変形、駆動側フランジ63及び駆動伝達ギア81の熱膨張及び熱収縮である。これらの要素を考慮して円筒部63e(もしくは隙間g)の回転軸線L1の方向の幅(長さ)Weを設定している。
具体的には幅Weは、第1ギア部63cの歯の回転軸線L1の方向の幅(歯幅、長さ)をWcとし、これを基準とした場合、以下の式B1を満たすように設定することが好ましい。
We≧Wc/5・・・(式B1)
また、幅Weが大きくなるほど、カートリッジBの回転軸線L1の方向の幅が大きくなってしまうので、カートリッジBや装置本体Aの小型化のために、幅Weを必要以上に大きくしないように設定すべきである。これを踏まえると、より好ましくは、幅Weは以下の式B2を満たすように設定することが好ましい。
We≦Wc・・・(式B2)
本実施例においてはWc=8.6mm、We=2.3mmとなるよう設定しており、上記の式B1及び式B2を満たす。なお、第1ギア部63cの歯幅Wcが一定でない場合は、最も歯幅の広い歯の歯幅Wc1が歯幅Wcであるとする。
更に幅Weは、図13(b)、図14、図47からも明らかなように、第2ギア部63cの歯の回転軸線L1の方向の幅(歯幅、長さ)をWdとし、これを基準とした場合、以下の式B3を満たすように設定することが好ましい。
We≦Wd・・・(式B3)
<回転精度について>
以下に、図22、図49を用いて、バックラッシュレス状態で回転精度が良くなる理由を説明する。図22(a)は、駆動伝達ギア81と駆動側フランジ63を回転軸線方向に垂直な方向に沿って見た図である。図22(b)は比較例としての一般的な斜歯ギア51と53の噛み合い部での部分断面図である。図22(c)は駆動伝達ギア81と駆動側フランジ63の噛み合いピッチ円に接する切断面AD-ADでの部分断面図である。図22(d)は斜歯ギア51の部分斜視図である。図22(e)は駆動伝達ギア81の部分斜視図である。図49は駆動側フランジ63と斜歯ギア53のアライメントずれ時の駆動伝達誤差を比較したグラフである。
図22(b)に示すように、ギア駆動は成形精度や軸部のガタや変形により、駆動側と従動側の斜歯ギアの歯面どうしが歯すじ方向で平行とならずに噛み合うことがある。このような状態は、アライメントがずれた状態と一般的に呼ばれている。一般的な斜歯ギアである斜歯ギア(駆動側)51、斜歯ギア(従動側)53はアライメントがβ°ずれると、軸線方向において、斜歯ギア51、53はその歯面の一端部でのみ噛み合い、アライメントがずれていない状態と比較して、噛み合い率は著しく低減する。これにより、駆動伝達時の回転精度は極端に悪化する。図22(d)にアライメントがずれた場合における、斜歯ギア51の歯面の斜歯ギア53と噛み合う領域を示しており、この領域の幅を幅LPとする。
一方で、図22(c)に示すように、駆動側フランジ63は、駆動側フランジ63の第1ギア部63c、第2ギア部63dで駆動伝達ギア81の第1本体ギア部81c、第2本体ギア部81dを挟み込んで回転する。これによって、第2本体ギア部81dに働く挟み込みの力FC(つまり、回転駆動のブレーキ)が発生する。この挟み込み力FCの反作用が、第1ギア部63cをI方向に押圧する第1本体ギア部81cの歯面にかかる力に上乗せされ、力FBとなる。一方、同じ負荷トルクを駆動した場合の従来用いられている斜歯ギア51の歯面にかかる力FAには余荷が発生しない。このため、本実施例の第1本体ギア部81cの歯面にかかる力FBの方が、斜歯ギア51の歯面にかかる力FAよりも大きくなる。図22(e)にアライメントがずれた場合における、駆動伝達ギア81の第1本体ギア部81cの歯面の駆動側フランジ63の第1ギア部63と噛み合う領域を示しており、この領域の幅を幅LQとする。力FAよりも力FBの方が大きいため、図22(d)の幅LPと図22(e)の幅LQを比較すると、幅LPよりも幅LQを大きくなる。このため、アライメントがずれた場合の第1本体ギア部81c、第1ギア部63cの重なり噛み合い率の低下は、斜歯ギア51、53と比べて小さくなる。
図49は、一般的な斜歯ギア51、53を使用した場合と本実施例の駆動伝達ギア81と駆動側フランジ63を使用した場合における、アライメントずれ量に対する従動側の斜歯ギア53、駆動側フランジ63の駆動伝達誤差の測定結果を示したグラフである。なお、斜歯ギア51、53と、駆動伝達ギア81と駆動側フランジ63において、これらの間で、歯数、軸間方向のバックラッシュ量0.15mmなどのギアの諸元や負荷トルク0.25N・mや回転スピード270rpmなどの条件は同じとし、軸とギアはガタなしの嵌め合いとした。ここで、駆動伝達誤差(%)とはギアがかみ合う周期での理想の回転ピッチに対して実験した回転ピッチのずれた割合を示している。例えば、理想の回転ピッチが0.7258mmに対して、実験した理想の回転ピッチからのずれ量を0.00036mmとすると、0.05%(=0.00036/0.7258×100)となる。また、アライメントずれ量(°)はかみ合っているギアの軸が平行な状態を0°とし、互いの歯の歯すじ方向の角度β(図22(b)、図22(c)参照)がずれるように従動側のギアの軸を傾けた時の軸間の角度を示している。このグラフに示されるとおり、アライメントずれ時、本実施例の駆動側フランジ63の回転精度の悪化は一般的な斜歯ギア53よりも抑制される。従って、本実施例の駆動伝達ギア81と駆動側フランジ63を用いた駆動伝達構成は、一般的な斜歯ギアを用いた駆動伝達構成と比べ、アライメントずれに対して強いと言える。
<駆動伝達ギアの摩耗について>
次に駆動伝達ギア81と斜歯ギア101の摩耗について図24を用いて以下に説明する。図24(a)は、従来の斜歯ギアを用いた駆動伝達構成の模式図である。図24(b)は本実施例の駆動伝達構成の模式図である。図24(a)に示すように、斜歯ギア101で回転駆動を行うと、斜歯ギア101は、噛み合い力によるスラスト力(軸線方向の力)FDを受ける。これにより、斜歯ギア101は非駆動側に向かってH方向に移動し、斜歯ギア101の端面101aとメイン枠体84の突き当て面184bとが当接して摺動し、これらが摩耗する。これに対して、図24(b)に示すように、本実施例の駆動伝達ギア81は、駆動中は駆動側フランジ63とバネ85(不図示)によって回転軸線L1の方向の位置が決まるため、駆動伝達ギア81のH方向の端面81e、J方向の端面81fは、メイン枠体84、第2駆動側側板83との間に隙間AAが形成され、摺動しない。このため、駆動伝達ギア81の2つの端面81e、81f及びメイン枠体84、第2駆動側側板83の摩耗を抑制し、耐久性を上げることができる。
<従来のカップリング駆動との比較>
次に、従来のカップリングでドラムを駆動する構成との比較について、図26、図27を用いて説明する。図26(a)は、従来のカップリング駆動の駆動伝達部の断面図であり、その断面はカップリングの回転軸線を含む断面である。図26(b)は本実施例の駆動伝達部の断面図であり、その断面は駆動側フランジ63の回転軸線(L1)及び駆動伝達ギア81の回転軸線を含む断面である。図27はカップリング駆動と駆動伝達ギアとの変形量を示すグラフである。
図26(a)に示すように、従来のカップリング駆動では、カートリッジのドラム62の端部に、ねじれた多角柱形状である凸形状のカップリング263aを備える駆動側フランジ263が取り付けられている。ドラムフランジ263は、ドラム62の直径よりも小さい直径の円筒部である支持部263bを有する。装置本体にはカップリング263aが挿入され係合する凹形状のカップリング281aを備える駆動伝達ギア281を有する。
カップリング263aは駆動側フランジ263の回転軸線方向で端部に設けられている。このため、カップリング駆動における駆動中の駆動側フランジ263のねじれ量は、図26(b)に示した本実施例のギア駆動での駆動側フランジ63のねじれ量よりも大きくなる。図27は、回転方向の駆動部材(ドラムフランジ263、駆動側フランジ63)の変形量のシミュレーション結果に示すように、ギア駆動(駆動側フランジ63での駆動)の方がカップリング駆動(ドラムフランジ263での駆動)よりも変形量が小さい。ここで、回転方向の駆動部材の変形量について説明する。この変形量は、ドラムカップリング263及び駆動側フランジ63のドラム62側を固定し、駆動入力部材281との係合部又は駆動伝達ギア81との噛み合い部に同じ静的な負荷トルク0.25N・mをかけた場合のドラム62への駆動伝達点の回転方向の変位量である。駆動伝達点とはドラム62に固定された点である。そして、変位量をドラム62表面の所定点のねじれが無い場合に対する位置ずれ量に換算して示している。この駆動部材の変形量の差により、カートリッジBの負荷トルク変動が発生した場合の駆動部材の変形量の変動は、ギア駆動の方がカップリング駆動と比べて小さくなり、変形量の変動によるドラム62の回転速度の変動が小さくなる。つまり、カートリッジBの負荷トルク変動が発生した時の画像上のドラム62の回転方向での画像の濃度ムラ(レーザ光Lでドラム62の表面を走査する際に形成する走査線間の副走査方向でのピッチがばらつく(ピッチムラ)ことに起因して発生する)を低く抑えることができる。このように、先述した実施例の駆動側フランジ63と駆動伝達ギア81の駆動伝達構成であれば、従来のカップリング駆動構成と比べ、負荷トルク変動に対するドラム62の回転精度の低下を抑制することができる。
また、別の観点で従来のカップリング駆動と比較すると、従来のカップリング駆動の場合、カートリッジBの装着及び取り外しのために、本体側のカップリング263aを回転軸線方向に進退させるための退避機構を設ける必要である。
次に、この退避機構について図28を用いて説明する。図28(a)は、退避機構のドラム62の回転軸線を含む断面での断面図である。図28(b)は退避機構を備える画像形成装置の概略断面図である。図28(c)及び図28(d)は、駆動伝達ギア281と退避機構の断面図であり、その断面は駆動伝達ギア281の回転軸線を含む断面である。
カップリング駆動の画像形成装置の装置本体は、リンク210と円筒カム212と圧縮バネ214からなる退避機構が設けられている。リンク210の一端が装置本体Aの開閉扉211に接続されている。そして、リンク210の他端が駆動入力部材281と同軸上で、駆動入力部材281と側壁213との間に回転可能に設けられた円筒カム212に接続されている。また、図28(a)に示すように、円筒カム212には軸線方向の一端面に回転方向に高低差を有する斜面212dと凸面212cと凹面212eとを有する。更に、側壁213は、斜面212d、凸面212c、及び凹面212eのそれぞれと対向する箇所に、斜面213e、凸面213f、凹面213gを有している。また、図28(d)に示すように、駆動伝達ギア281は圧縮バネ214によって、H方向に向かって付勢されている。
図28(b)に示すように、扉211を開く動作により、リンク210を介して円筒カム212をI方向に回転させ、円筒カム212と側壁213に設けられた凸面212c、213f同士が当接して、円筒カム212をJ方向に移動させる。この円筒カム212のJ方向の動作により、図28(c)に示すように、円筒カム212が駆動入力部材281を圧縮バネ214の付勢力に抗してJ方向に移動させる。これにより、駆動入力部材281は、ドラムフランジ263(図26(a)参照)から離れる方向に移動し、カップリング281aとカップリング263a(図26(a)参照)との係合を解除する。その結果、カートリッジBを取り外すことが可能となる。
また、図28(b)に示すように、扉211の閉じる動作により、リンク210を介して、円筒カム212は円筒カム212と側壁213に設けられた斜面212d、213eどうしが当接しながら、I方向の逆方向に回転する。この回転の途中で円筒カム212と側壁213と駆動入力部材281とは回転軸線方向において当接しなくなり、図28(d)に示すように、圧縮バネ214の付勢力によって駆動入力部材281はH方向に向かって移動可能となる。これにより、駆動入力部材281は、ドラムフランジ263(図26(a)参照)に近づく方向に移動してカップリング281aとカップリング263a(図26(a)参照)が係合可能となる。
このように、従来のカップリング駆動の場合、以上で説明したように退避機構が必要となり、その退避機構分だけ装置本体が大型化もしくはコストアップする可能性がある。しかし、本実施例のようなギア駆動の場合には、そのような退避機構を設けなくても、カートリッジBの装着及び取り外しを行うことができる。
<変形例1>
次に変形例1について説明する。先述した実施例では駆動伝達ギア81の第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dとの歯数が同じであるとしたが、必ずしも同じである必要はない。ただし、駆動伝達ギア81の第1本体ギア部81cと駆動側フランジ63の第1ギア部63cとの減速比と、駆動伝達ギア81の第2本体ギア部81dと駆動側フランジ63の第2ギア部63dとの減速比は同じにする必要がある。例えば、駆動伝達ギアの第1ギア部81dの歯数が20で、ドラムギアの第1ギア部の歯数が30で減速比が2:3の場合、駆動伝達ギアの第2本体ギア部81dの歯数が40で、駆動側フランジ63の第2ギア部63dの歯数が60であれば減速比が同じ2:3になる。この場合も駆動側フランジ63の第1ギア部63cと第2ギア部63dにより、駆動伝達ギア81のギアを挟み込むことが可能であるため、回転方向に対してバックラッシュレス状態にすることが可能である。
<変形例2>
次に変形例2について説明する。本変形例では駆動伝達ギア181の第1ギア部181cと第2ギア部181dは、互いに歯数が異なり、且つ、一方の歯数が他方の歯数の整数倍でもない。駆動側フランジ163の第1ギア部163cと第2ギア部163dも、互いに歯数が異なり、且つ、一方の歯数が他方の歯数の整数倍でもない。これらの点が本変形例の先述した実施例に対して異なる点であり、これらの異なる点及びそれに付随する構成以外については、本変形例の構成と先述した実施例の構成は同じであり、説明は省略する。
本変形例においても先述の実施例同様に、回転方向に対してバックラッシュレス状態にすることが可能である。しかし、上述したような歯数の設定によって、本変形例は、駆動側フランジ163の駆動伝達ギア181に対するギアの噛み合い位相が一意的にならない構成である。噛み合い位相が一意的にならない構成において、駆動伝達ギア181が軸線方向で位置決めされる(つり合いの)位置について、図25を用いて説明する。図25(a)は、先述した本実施例の駆動伝達ギア81を用いた駆動伝達構成の模式図である。図25(b)は、変形例の駆動伝達ギア181と駆動側フランジ163を用いた駆動伝達部の説明図である。図25(c)と図25(d)は、駆動伝達ギア181を駆動した後、駆動伝達ギア181がつり合い位置にある状態を示している。
図25(c)と図25(d)を比較すると、いずれも駆動伝達ギア181と駆動側フランジ163とが噛み合っているが、噛み合い部におけるかみ合い方が互いに異なる。具体的には、図25(c)は、駆動側フランジ163と駆動伝達ギア181とのかみ合い部において駆動伝達ギア181の第1ギア部181cの歯の山と第2ギア部181dの歯の山との位相があっていて、駆動側フランジ163の第1ギア部163cの歯の山と第2ギア部163dの歯の山との位相があった状態である。図25(d)は、かみ合い部の駆動伝達ギア181の第1ギア部181cの歯の山と第2ギア部181dとの歯の山との位相があっていて、駆動側フランジ163の第1ギア部163cの歯の山と第2ギア部163dの歯の谷との位相があった状態である。
駆動伝達ギア181の第1ギア部181cと第2ギア部181dとの歯数が異なると、第1ギア部181cと第2ギア部181dとの歯の山部と山部の位相がギアの回転方向の位相によって異なる。例えば、ギアの回転方向の位相によって、第1ギア部の歯の山部181csと第2ギア部の山部181dsとの位相が合う位置Q1があれば、第1ギア部の山部181csと第2ギア部の谷部181dvとの位相が合う位置Q2もある。このことはドラムギア163の第1ギア部163cと第2ギア部163dの関係においても同様である。その結果、図25(c)、図25(d)に示すように、駆動伝達ギア181と駆動側フランジ163との回転方向の初期(駆動前)の噛み合いの位相によって、駆動側フランジ163に対する駆動伝達ギア181の軸線方向のつり合い位置が異なる。図25(c)は、駆動伝達ギア181のつり合い位置が最もH方向下流側にある場合、図25(d)は、駆動伝達ギア181のつり合い位置が最もJ方向下流側にある場合を示している。つり合い位置の変化量は、例えば駆動側フランジ163の第1ギア部163cと第2ギア部163dとの間の中間線を基準とした駆動伝達ギア181の第1ギア部181cと第2ギア部181dとの境界線のずれ量で表すことが可能である。つまり、図25(c)の状態ではJ方向へのずれ量LD、図25(d)の状態ではH方向へのずれ量LEであるので、ずれ量LDとずれ量LEの和(LD+LE)が、この変形例におけるつり合い位置の変化量である。
駆動伝達ギア181がつり合い位置に到達する前に、第1ギア部181cが第2ギア部163dと接触もしくは第2ギア部181dが本体フレーム184と接触する場合、又は、第2ギア部181dが第1ギア部163cと接触する場合、駆動をしてもバックラッシュレス状態になれない。そのため、この変形例では、つり合い位置の変化量(LD+LE)を考慮して、駆動側フランジ163の第1ギア部163cと第2ギア部163d間の距離LF(円筒部163eの幅)や駆動伝達ギア181と本体フレーム184との隙間LGを設定している。
一方、図25(a)に示した、先述の本実施例の構成では第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dとの歯数が同じであり、第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dとの山部81csと山部81dsの位置関係が回転方向の位相で変化しない。このため、駆動側フランジ63に対して駆動伝達ギア81が軸線方向で位置決めされるつり合い位置は変化しない。つまり、変形例で考慮する必要があった、つり合い位置の変化量(LD+LE)は考慮する必要が無い。このため、本実施例では、変形例と比べ、駆動側フランジ63の第1ギア部63cと第2ギア部63d間の隙間(円筒部63eの幅)を小さく設計することができ、カートリッジBを小型化することができる。また、本実施例の装置本体Aは、変形例と比べ、駆動伝達ギア81と本体フレーム84との間の隙間を小さく設計することができる。その結果、カートリッジB及び又は装置本体Aを小型化することが可能である。
<その他の変形例>
次に、主な変更点が、駆動側フランジ63と駆動伝達ギア81の駆動伝達構成そのもの以外の部分にある場合の変形例について説明する。
<クリーナレス構成への適用>
先述の実施例において、カートリッジBは、転写されずにドラム62上に残ったトナーを、ドラム62にゴムブレード77aを当接させてかきとり、廃トナー室71bに収容するカートリッジBについて説明した(図3参照)。しかし、カートリッジBはクリーナレス構成であっても良い。換言すればクリーナレス構成のカートリッジに先述の実施例の駆動側フランジ63と駆動伝達ギア81の駆動伝達構成を適用しても良い。
図23はクリーナレス構成のカートリッジBの断面図である。クリーナレス構成のカートリッジBは、ドラム62上の残トナーを現像ローラ32で回収可能に構成され、制御される。このため、カートリッジBはドラム62に接触したゴムブレードを有していない。このため、クリーナレス構成のカートリッジBは、ゴムブレード77aがドラム62に当接した構成と比べ、ドラム62を回転させる際の抵抗となっていたゴムブレード77aが無い分だけ、ドラム62を駆動するために必要なトルクが小さい。その結果、シート材PAが搬送される際の衝撃などの影響を受けて、ドラム62の回転速度が変動し易い。つまりドラム62の回転精度が低下する可能性がある。先述した実施例の駆動側フランジ63と駆動伝達ギア81の駆動伝達構成を適用することで、駆動側フランジ63と駆動伝達ギア81との間は、バックラッシュレス状態でドラム62を駆動できる。このため、駆動側フランジとそれに駆動伝達する本体側の駆動部材との間にバックラッシュや回転方向のガタが存在する状態で駆動する構成と比べ、ゴムブレードが無いことに起因したドラム62の回転精度の低下を抑制することができる。
<マグネットローラ34の無い構成への適用>
また、先述の実施例では、現像ローラ32内にマグネットローラ34が設けられている現像剤担持体について説明したが、内部にマグネットローラが設けられていない弾性体ローラであっても構わない。
<第2のギア部63dに現像ローラギア30を噛み合わせる構成への適用>
また、先述の実施例では、現像ローラギア30を駆動側フランジ63の第1ギア部63cと噛み合う構成を説明した。しかし、現像ローラギア30を第2ギア部63dと噛み合わせる構成としても良い。この場合について、図29を用いて説明する。図29は駆動側フランジ63と現像ローラギア30の噛み合いを示す模式図である。現像ローラ軸31の端部に固定された現像ローラギア130は第2ギア部63dと噛み合っている。第2ギア部63dの方が第1ギア部63cと比べてねじれ角が大きいため、その分だけ噛み合い率も大きくなる。このため、第2ギア部63dと噛み合う現像ローラギア130の方が、第1ギア部63dと噛み合う現像ローラギア30と比べ、その歯幅を小さくすることが可能である。
<駆動側フランジから現像ローラギアへの駆動伝達構成への適用>
また、駆動伝達ギア81から駆動側フランジ63への駆動力伝達構成と同様の構成を、更に駆動側フランジ63から現像ローラギア230への駆動力伝達構成に適応しても良い。この場合について、図30を用いて以下に説明する。図30はカートリッジBの斜視図である。現像ローラギア230は、駆動側フランジ63の第1ギア部63cと第2ギア部63dとそれぞれに噛み合う第1現像ギア部230cと第2現像ギア部230dが設けられている。駆動側フランジ63が駆動されると、先述の実施例で駆動伝達ギア81が回転軸線L1の方向に移動してつり合いの位置へ到達するのと同様の原理によって、現像ローラギア230が回転軸線L1の方向に移動し、つり合いの位置へ到達する。現像ローラギア230がつり合いの位置にある状態では、現像ローラギア230は駆動側フランジ63に対してバックラッシュレス状態で駆動されるため、アライメントずれや負荷変動時の現像ローラ32の回転精度の悪化を抑制することができる。
<駆動側フランジを介すことなく現像ローラギアを駆動する構成への適用>
また、駆動側フランジ63を介さずに現像ローラ532へ駆動力を伝達しても良い。図44は、現像ローラ532への駆動列を示したカートリッジBの部分斜視図である。なお、説明のため、カートリッジBの枠体の一部は記載していない。
図44に示すように、現像ローラ532は駆動側フランジ63から駆動力を伝達される構成ではなく、他の経路を介して駆動力を伝達される構成である。具体的には、カートリッジBは、装置本体Aの現像ローラ駆動用のカップリング部材(不図示)と係合可能な現像カップリング部材89を有する。更に、カートリッジBは、現像カップリング部材89のギア部89aとかみ合うアイドラギア90、91を設け、現像ローラ532の軸の一端にアイドラギア91とかみ合う現像ローラギア530を有する。この構成では、現像ローラ530は、現像カップリング部材89が受けた駆動力をアイドラギア90、91、現像ローラギア530を介して伝達されて駆動される。このため、例えば、駆動側フランジ63を駆動停止中に現像カップリング部材89を駆動するなど、駆動側フランジ63の駆動とは切り離して現像カップリング部材89の駆動を制御することが可能となる。
<ドラム以外の回転体への駆動伝達構成への適用>
駆動側フランジ63はドラム62に端部に取り付けたものであったが、現像ローラギア30に第1ギア部63c、第2ギア部63d、円筒部63eを設け、駆動伝達ギア81が現像ローラ32を駆動するような構成へ適用することも可能である。更に駆動伝達ギア81が駆動する対象は、ドラム62や現像ローラ32などトナー(現像剤)を担持する現像剤担持体に限られない。駆動伝達ギア81が駆動する対象は、例えば、トナーを搬送(又は攪拌)する搬送部材(又は攪拌部材)43、帯電ローラ66でも良く、また、現像ローラ32へトナーを供給する供給部材等でも良い。また、駆動伝達ギア81が駆動する対象が、カートリッジBが備えるドラム62以外の部材である場合、そのカートリッジBはドラム62等の感光体を有していないカートリッジであっても良い。
[実施例2]
次に、実施例2について図31を用いて以下に説明する。本実施例は実施例1と比べると駆動側フランジに設けられた第1ギア部と第2ギア部の構成が異なる。それ以外の点については実施例1と同様のため説明は省略する。
図31は、駆動伝達ギア81と駆動側フランジ263との噛み合い部分における断面図であり、その断面はこれらの噛み合いピッチ円に接する面である。駆動側フランジ263は、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)263c、第2ギア部(第2ユニット側ギア部)263dを有する。第1ギア部263cは、第1本体ギア部81cの歯と歯の間に入ることが可能な歯幅の複数の第1平歯(第1突起)263ctを含む。第2ギア部263dは第2本体ギア部81dの歯と歯の間に入ることが可能な歯幅の複数の第2平歯(第2突起)263dtを含む。また、第1平歯263ctの回転軸線L1の方向の幅(歯幅)は、第2平歯263dtの回転軸線L1の方向の幅(歯幅)よりも大きい。複数の第1平歯及び複数の第2平歯は、回転軸線L1を中心とする半径方向に突出した突起であり、回転軸線L1を中心とする周方向でずれた位置に配置されている。
このような駆動側フランジ263を用いた場合も、駆動伝達ギア81がI方向に回転することで、駆動伝達ギア81はつり合い位置へ移動し、実施例1と同様にバックラッシュレス状態となる。即ち、第1本体ギア部81cは、第1ギア部263cと噛み合い、第1ギア部263cの接触点(接触部)CP1から駆動力FDの反力とJ方向のスラスト力F209を受ける。第2本体ギア部81dは、第2ギア部263dと噛み合い、第2ギア部263dの接触点(接触部)CP2から規制力FBの反力とH方向のスラスト力F210を受ける。これによっても、駆動伝達ギア81は軸線方向の回転方向に対して駆動側フランジ263の第1ギア部263cと第2ギア部263dによって挟み込まれるので、実施例1と同様にバックラッシュレス状態となる。
[実施例3]
次に、実施例3について図32を用いて以下に説明する。本実施例は実施例1と比べると駆動側フランジに設けられた第1ギア部と第2ギア部の構成が異なる。それ以外の点については実施例1と同様のため説明は省略する。
図32は駆動側フランジ363を示す図である。駆動側フランジ363は、第1ギア部363c、第2ギア363d1を有する。第1ギア部(第1ユニット側ギア部)363cは、回転軸線L1の方向で複数に分割して設けられた複数の第1斜歯ギア(第1突起)363ctを含む。複数の第1斜歯ギア(突起)363ctは、回転軸線L1の方向で分割されているものの、第1本体ギア部81cに対しては、実質的に回転軸線L1の方向に延びた1つの斜歯として機能する。また、複数の第1斜歯ギア(突起)363ctの歯面は、第1本体ギア部81cから力を受ける複数の力受け部である。このため、第1本体ギア部81cから力を受ける複数の力受け部は、複数の第1斜歯ギア(第1突起)363ctにわたって設けられていると言える。そして複数の第1斜歯ギア(突起)363ctの歯面は、回転軸線L1の方向で複数に分割された斜歯面を構成している、もしくは駆動側フランジ363の回転軸線L1を中心とする周方向で複数に分割された斜歯面を構成していると言える。このように、複数の斜歯状の突起363ctにより、第1本体ギア部81cの1歯と対応する斜歯ギアの1歯を構成している。
複数の第2斜歯ギア(突起)363dtの歯面は、第2本体ギア部81dから力を受ける複数の力受け部である。このため、第2本体ギア部81dから力を受ける複数の力受け部は、複数の第2斜歯ギア(第2突起)363dtにわたって設けられていると言える。第2ギア部(第2ユニット側ギア部)363dは、回転軸線L1の方向で複数に分割して設けられた複数の第2斜歯ギア(突起)363dtを含む。複数の第2斜歯ギア(第2突起)363dtは、回転軸線L1の方向で分割されているものの、第2本体ギア部81dに対しては、実質的に回転軸線L1の方向に延びた1つの斜歯として機能する。また、複数の第2斜歯ギア(突起)363dtの歯面は、回転軸線L1の方向で複数に分割された斜歯面を構成している、もしくは駆動側フランジ363の回転軸線L1を中心とする周方向で複数に分割された斜歯面を構成していると言える。このように、複数の斜歯状の突起363dtにより、第2本体ギア部81dの1歯と対応する斜歯ギアの1歯を構成している。
従って、このような駆動側フランジ363を用いた場合も、駆動伝達ギア81がI方向に回転することで、駆動伝達ギア81はつり合い位置へ移動し、実施例1と同様にバックラッシュレス状態となる。
[実施例4]
次に、実施例4について図33を用いて以下に説明する。本実施例は実施例1と比べると駆動側フランジに設けられた第1ギア部と第2ギア部の構成が異なる。それ以外の点については実施例1と同様のため説明は省略する。
駆動側フランジ463は実施例1の駆動側フランジ63の第1ギア部63cと第2ギア部63dと同様に2つのギア部(第1ユニット側ギア部、第2ユニット側ギア部)を有している。そして2つのギア部の少なくとも一方のギア部は欠け歯部(見かけ上、ギアの歯が間引かれた部分)463Lを有している。図33(a)は、互いに噛み合った駆動側フランジ463と駆動伝達ギア81を回転軸線L1に直交する断面で見た図である。図33(b)は噛み合うギアの歯数の変遷を示すグラフである。駆動側フランジ463の各ギア部と駆動伝達ギア81の各ギア部との噛み合い率が小数点以下切り下げでN歯であるとすると、駆動側フランジ463の各ギア部は最大N-1歯おきに欠歯部463Lを有してしていても構わない。この条件を満たすことで、欠歯部463Lを有していたとしても、駆動伝達ギア81と噛み合っている歯が1歯以上存在する(噛み合い率が1以上となる)ことになる。このような構成であれば、駆動伝達ギア81がI方向に回転することで、駆動伝達ギア81はつり合い位置へ移動し、実施例1と同様にバックラッシュレス状態となる。なお、図33(b)に示すように、駆動伝達ギア81の各ギア部と噛み合う駆動側フランジ463のギアの歯数は、駆動中に変化する。
[実施例5]
次に、実施例5について図34を用いて以下に説明する。本実施例は実施例1と比べると駆動側フランジに設けられた第1ギア部と第2ギア部の構成が異なる。それ以外の点については実施例1と同様のため説明は省略する。
駆動側フランジ563は実施例1の駆動側フランジ63の第1ギア部63cと第2ギア部63dと同様に2つのギア部(第1ユニット側ギア部、第2ユニット側ギア部)を有している。そして2つのギア部の少なくとも一方のギア部は欠け歯部563Lを有している。図34(a)は、互いに噛み合った駆動側フランジ563と駆動伝達ギア81を回転軸線L1に直交する断面で見た図である。図34(b)は噛み合うギアの歯数の変遷を示す図である。図34(a)に示すように、実施例4の駆動側フランジ463と異なり、駆動側フランジ563の歯は周方向に関して等ピッチで配置されていない。つまり複数の欠け歯部563は周方向の大きさが一定でない、もしくは全ての欠け歯部563の見かけ上の間引き量が同じでないと言える。言い換えると、隣り合う歯と歯との間の最小ピッチLHの自然数(1、2、・・・)倍の間隔LI、LJで回転方向に配置されていればよい。このような欠け歯部563が設けられていたとしても、かみ合う歯が1歯以上存在(噛み合い率が1以上となる)すればよい。このような構成であれば、駆動伝達ギア81がI方向に回転することで、駆動伝達ギア81はつり合い位置へ移動し、実施例1と同様にバックラッシュレス状態となる。なお、図34(b)に示すよう、駆動伝達ギア81の各ギア部と噛み合う駆動側フランジ463のギアの歯数は変化する。
[実施例6]
次に、実施例6について図35を用いて以下に説明する。本実施例は実施例1と比べると駆動側フランジに設けられた第1ギア部と第2ギア部の構成が異なる。具体的には実施例1の第1ギア部63c、第2ギア部63dはインボリュート歯形の斜歯をそれ備えていたが、本実施例ではインボリュート歯形ではない斜歯とした点が異なる。それ以外の点については実施例1と同様のため説明は省略する。
図35は駆動側フランジ763の斜視図である。駆動側フランジ763は、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)763c、第2ギア部(第2ユニット側ギア部)763dを有する。第1ギア部763cは複数の第1突起763ctを含み、第2ギア部63dは複数の第2突起763dtを含む。第1突起763ct及び第2突起763dtは回転軸線L1を中心とする半径方向に突出した突起であり、回転軸線L1に直交する断面での断面形状は、先端に向かって幅の細くなる台形である。また、第1突起763ct及び第2突起763dtは回転軸線L1に対してねじれて配置された斜歯である。このような構成においても駆動伝達ギア81との噛み合いにおいては、第1ギア部763c、第2ギア部763dは斜歯ギアとして機能する。このため、駆動伝達ギア81がI方向に回転することで、駆動伝達ギア81はつり合い位置へ移動し、実施例1と同様にバックラッシュレス状態となる。
なお、第1突起763ct及び第2突起763dtの断面形状は、台形に限られず、長方形、三角形、曲線で構成された山形であっても良く、また角が面取りされた形状であっても良い。
[実施例7]
次に、実施例7について図36を用いて以下に説明する。本実施例は実施例1と比べると駆動側フランジに設けられた第1ギア部と第2ギア部の構成が異なる。具体的には実施例1の第1ギア部63c、第2ギア部63dと比べてねじれ方向を逆とした。これに伴い駆動伝達ギアの第1本体ギア部、第2本体ギア部のねじれ方向も実施例1と比べて逆とした。それ以外の点については実施例1と同様のため説明は省略する。
図36は駆動伝達ギア881と駆動側フランジ863との噛み合いを示す模式図である。図36に示すように、駆動側フランジ863の第1ギア部(第1ユニット側ギア部)863c、第2ギア部(第2ユニット側ギア部)863dのねじれ方向はJ方向に向かうにつれて歯面がI方向に向かってずれていくようにねじれる方向である。駆動伝達ギア881の第1ギア部881c、第2ギア部881dのねじれ方向はJ方向に向かうにつれて歯面がK方向に向かってずれていくようにねじれる方向である。
実施例1と比べてねじれ方向が逆であるので、駆動伝達ギア881を駆動中に駆動伝達ギア881にかかる噛み合いによるスラスト力F21の向きも実施例1とは逆になる。そのため、軸線方向のつり合いの位置へ移動する際、駆動伝達ギア881がH方向に移動するための幅LKをもったスペースが必要である。このため、駆動伝達ギア881をJ方向に付勢する圧縮バネ185を設け、カートリッジBを装着する前に駆動伝達ギア881を第2駆動側側板83の位置決め部83bに突き当てて配置するようにしている。
このような構成であっても、駆動伝達ギア881がI方向に回転することで、駆動伝達ギア881はつり合い位置へ移動し、実施例1と同様にバックラッシュレス状態となる。
[実施例8]
次に、実施例8について図37を用いて説明する。本実施例は実施例1と比べ、装置本体に対してカートリッジBを装着する構成が異なる。それ以外の点については実施例1と同様のため説明は省略する。
図37は画像形成装置800の斜視図である。この画像形成装置800においてはカートリッジBを装置本体Aへ挿入する挿入方向はドラム62の回転軸線L1に平行又はほぼ平行な方向である。回転軸線L1に平行な方向にカートリッジBを挿入が完了しても、駆動側フランジ63と装置本体Aの不図示の駆動伝達ギアとの間には回転軸線L1に直交する方向で距離があるため、噛み合えない。その後、扉211を閉じることで、扉211に連結された装置本体Aが備える不図示のリフトアップ機構によってカートリッジBを少なくとも回転軸線L1に直交する方向VDに変位させ、駆動側フランジ63と装置本体Aの不図示の駆動伝達ギアとを噛み合わせる。
駆動側フランジ63と不図示の駆動伝達ギアが噛み合った後の駆動動作は実施例1と同様であり、駆動伝達ギアがつり合い位置へ移動して実施例1と同様にバックラッシュレス状態となる。
なお、リフトアップ機構によってカートリッジBを少なくとも回転軸線L1に直交する方向VDに変位させる際、カートリッジBは回転軸線L1に直交する方向だけでなく、回転軸線L1の方向に関して変位しても良い。また、リフトアップ機構によって、カートリッジBを回転軸線L1に直交する向きの軸まわりに回動させ、駆動側フランジ63を回転軸線L1に直交する方向VDに変位させる構成であっても良い。
また、カートリッジBを装置本体Aへ挿入完了後に扉211を閉じてリフトアップ機構を動作させる構成に代えて、カートリッジBを装置本体Aへ挿入する過程でカートリッジBを少なくとも回転軸線L1に直交する方向VDに変位させても良い。具体的には、カートリッジBの装置本体Aへの挿入行程の初期段階では、回転軸線L1に平行な方向にカートリッジBを移動させるようカートリッジBを不図示のガイドでガイドする。そして、挿入行程の最終段階において、カートリッジBを少なくとも回転軸線L1に直交する方向VDに変位するようにカートリッジBを不図示のガイドでガイドする。このように挿入過程でカートリッジBの移動方向(装着方向)が変化するように構成しても良い。
[実施例9]
次に、実施例9について図38を用いて以下に説明する。本実施例は実施例1と比べると駆動側フランジに設けられた第1ギア部と第2ギア部の構成が異なる。具体的には本実施例では、第1ギア部963cと第2ギア部963dの回転軸線L1の方向に関する配置を実施例1の第1ギア部63c、第2ギア部63dと逆にしている。これに伴い駆動伝達ギアの第1本体ギア部、第2本体ギア部の回転軸線L1の方向に関する位置も実施例1と比べて逆とした。それ以外の点については実施例1と同様のため説明は省略する。
図38は、駆動伝達ギア981と駆動側フランジ963との噛み合いを示す模式図である。駆動側フランジ963は、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)963cと第2ギア部(第2ユニット側ギア部)963dを有する。第1ギア部963cのねじれ角よりも第2ギア部963dのねじれ角の方が大きい。第1ギア部963cは第2ギア部963dよりもJ方向下流側(駆動側)に配置されている。つまり、回転軸線L1の方向に関して、第2ギア部963dは第1ギア部963cとドラム62の間に配置されている。駆動伝達ギア981も同様に第1ギア部963cと噛み合う第1ギア部981c、第2ギア部963dと噛み合う第2ギア部981dが設けられている。これらも、回転軸線L1の方向に関する位置は実施例1とは逆の関係となっている。
このような構成あっても、駆動伝達ギア981を駆動すると駆動伝達ギア981はつり合いの位置へ移動する。その後の駆動中は、実施例1と同様に第1ギア部963cが駆動力FD(図17(d)参照)を受け、第2ギア部963dが規制力FB(図17(d)参照)を受け、バックラッシュレス状態となる。
ここで、駆動側フランジ963とドラム62が一体化されたドラムユニット969の駆動側(J方向下流側)の端部は、軸部材86(図4も参照)によって回転可能に支持されている。また、第1ギア部963cの方が第2ギア部963dよりも軸部材86の根元に近い位置に配置されている。更に、駆動側フランジ963は、駆動力FDを受ける第1ギア部963cの方が、規制力FBを受ける第2ギア部963dよりも、歯面にかかる力が大きい。そのため、駆動力FDがドラムユニット969の回転軸線L1を軸倒れさせるように作用しドラム62が理想的な回転軸線L1に対して傾斜する場合がある。しかし、本実施例のように、駆動力FDを受ける第1ギア部963cを第2ギア部963dよりも軸部材86の根元に近い位置に配置することで、駆動力FDを受けることに起因したドラムユニット969の回転軸線L1の軸倒れを抑制することができる。
[実施例10]
次に、実施例10について図39を用いて以下に説明する。本実施例は実施例1と比べると駆動側フランジに設けられた第1ギア部と第2ギア部の構成が異なる。具体的には実施例1の第1ギア部63c、第2ギア部63dの歯の回転軸線L1の方向での位置や幅は同じであったが、本実施例では歯の回転軸線L1の方向での位置や幅が揃っていない点が異なる。それ以外の点については実施例1と同様のため説明は省略する。
図39は、駆動伝達ギア81と駆動側フランジ1063との噛み合い部分における断面図であり、その断面はこれらの噛み合いピッチ円に接する面である。駆動側フランジ1063には、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)1063cと第2ギア部(第2ユニット側ギア部)1063dが設けられている。第1ギア部1063cは、回転軸線L1の方向に関する幅や位置が異なる複数の第1斜歯(第1突起)1063ctを含む。第2ギア部1063dは、回転軸線L1の方向に関する幅や位置が異なる複数の第2斜歯(第2突起)1063dtを含む。
この構成の場合、実施例1の駆動側フランジ63を用いた場合とかみ合い率は異なるが、第1ギア部1063c、第2ギア部1063dは、それぞれ第1ギア部63c、第2ギア部63dと同様の斜歯ギアとして機能する。このため、駆動伝達ギア81がI方向に回転することで、駆動伝達ギア81はつり合い位置へ移動し、実施例1と同様にバックラッシュレス状態となる。
[実施例11]
次に、実施例11について図40を用いて以下に説明する。本実施例は実施例1と比べると駆動側フランジに設けられた第2ギア部の構成が異なる。具体的には実施例1の第2ギア部63dは斜歯ギアであったが、本実施例では平歯ギアである点が異なる。それ以外の点については実施例1と同様のため説明は省略する。
図40は、駆動伝達ギア81と駆動側フランジ1163との噛み合い部分における断面図であり、その断面はこれらの噛み合いピッチ円に接する面である。駆動側フランジ1163には、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)1163cと第2ギア部(第2ユニット側ギア部)1163dが設けられている。第1ギア部1163cは実施例1の第1ギア部63cと同じである。第2ギア部1163dは複数の第2平歯(歯、第2突起)1163dtを含む。複数の第2平歯1163dtは、駆動伝達ギア81の第2本体ギア部81dの歯の間(谷部分)に挿入可能な大きさ歯幅及び歯厚の平歯である。このため、第2平歯(第2突起)1163dtの回転軸線L1の方向の幅(歯幅)は、第1ギア部1163cの回転軸線L1の方向の幅(歯幅)よりも小さい。換言すれば、第2ギア部1163dは、第1ギア部1163cの最も回転軸線L1の方向の幅(歯幅)の広い第1斜歯と比べて幅の狭い第2平歯(第2突起)1163dtを有する。
また、第2突起1163dtの回転方向(I方向)又は周方向の幅(長さ)は、第1ギア部1163cの1つの歯の回転方向(I方向)又は周方向の幅(長さ)よりも小さい。換言すれば、第2ギア部1163dは、第1ギア部1163cの最も回転方向(I方向)又は周方向の幅(長さ)の広い第1斜歯と比べて回転方向(I方向)又は周方向の幅の狭い第2突起1163dtを有する。
また、第2突起1163dtは、第2本体ギア部81dと接触する接触部CP2を有する。図40に示すように、接触部CP2は、第2突起1163dtの角部に設けられている。第2本体ギア部81dの1つの歯に対して、回転軸線L1の方向に関して1箇所でのみ角部(接触点CP2)が接触するよう、角部(接触点CP2)は設けられている。この角部の曲率半径は所望の値に設定可能で、曲率半径をより小さくすることでより尖った形状の角部としてもよいし、後述の実施例13で示す第2突起1363dtのように、より曲率半径を大きくすることでなだらかな角部としてもよい。
駆動伝達ギア81を駆動すると、駆動伝達ギア81はJ方向のスラスト力F1109を受けて、実施例1と同様にJ方向に移動していく。そして、第2本体ギア部81dのI方向上流側の面81d2が第2ギア1163dの第2平歯1163dtの接触部CP2と接触し、H方向のスラスト力F1110を受ける。このため、実施例1と同様の原理で駆動伝達ギア81はつり合い位置で位置決めされバックラッシュレス状態となる。また、バックラッシュレス状態では、回転方向の駆動に関して、第1ギア部1163cは駆動力FDを受け、第2ギア部1163dは第2平歯1163dtの接触部CP2で規制力FBを受ける。
[実施例12]
次に、実施例12について図41を用いて以下に説明する。本実施例は実施例1と比べると駆動側フランジに設けられた第2ギア部の構成が異なる。具体的には、実施例1の第2ギア部63dのねじれ角は第1ギア部63cのねじれ角よりも大きかったが、本実施例の第2ギア部1263dのねじれ角はそうでない点が異なる。それ以外の点については実施例1と同様のため説明は省略する。
図41は、駆動伝達ギア81と駆動側フランジ1263との噛み合い部分における断面図であり、その断面はこれらの噛み合いピッチ円に接する面である。駆動側フランジ1263には、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)1263cと第2ギア部(第2ユニット側ギア部)1263dが設けられている。第1ギア部1263cは実施例1の第1ギア部63cと同じである。第2ギア部1263dは複数の第2斜歯(歯、第2突起)1263dtを含む。複数の第2斜歯1263dtのねじれ角は第1ギア部1263cの斜歯のねじれ角と同じである。また、実施例11の複数の第2斜歯1163dtと同様に、複数の第2斜歯1263dtは、駆動伝達ギア81の第2本体ギア部81dの歯の間(谷部分)に挿入可能な大きさ歯幅及び歯厚の斜歯である。このため、第2斜歯(第2突起)1263dtの回転軸線L1の方向の幅(歯幅)は、第1ギア部1263cの回転軸線L1の方向の幅(歯幅)よりも小さい。換言すれば、第2ギア部1263dは、第1ギア部1263cの最も回転軸線L1の方向の幅(歯幅)の広い第1斜歯と比べて幅の狭い第2斜歯(第2突起)1263dtを有する。
また、第2突起1263dtの回転方向(I方向)又は周方向の幅(長さ)は、第1ギア部1263cの1つの歯の回転方向(I方向)又は周方向の幅(長さ)よりも小さい。換言すれば、第2ギア部1263dは、第1ギア部1263cの最も回転方向(I方向)又は周方向の幅(長さ)の広い第1斜歯と比べて回転方向(I方向)又は周方向の幅の狭い第2突起1263dtを有する。
また、第2突起1263dtは、第2本体ギア部81dと接触する接触部CP2を有する。図40に示すように、接触部CP2は、第2突起1263dtの角部に設けられている。第2本体ギア部81dの1つの歯に対して、回転軸線L1の方向に関して1箇所でのみ角部(接触点CP2)が接触するよう、角部(接触点CP2)は設けられている。この角部の曲率半径は所望の値に設定可能で、曲率半径をより小さくすることでより尖った形状の角部としてもよいし、後述の実施例13で示す第2突起1363dtのように、より曲率半径を大きくすることでなだらかな角部としてもよい。
駆動伝達ギア81を駆動すると、駆動伝達ギア81は実施例1と同様に、J方向のスラスト力F1209を受けてJ方向に移動していく。そして、第2本体ギア部81dのI方向上流側の面81d2が第2ギア部1263dの第2斜歯1163dtの接触部CP2と接触し、H方向のスラスト力F1210を受ける。このため、実施例1と同様の原理で駆動伝達ギア81はつり合い位置で位置決めされ、にバックラッシュレス状態となる。また、バックラッシュレス状態では、回転方向の駆動に関して、第1ギア部1263cは駆動力FDを受け、第2ギア部1263dは第2斜歯1263dtの接触部CP2で規制力FBを受ける。
[実施例13]
次に、実施例13について図42を用いて以下に説明する。本実施例は実施例1と比べると駆動側フランジに設けられた第2ギア部に相当する部分の構成が異なる。具体的には実施例1の第2ギア部63dは斜歯ギアであったが、本実施例では複数の円筒状の突起である点が異なる。それ以外の点については実施例1と同様のため説明は省略する。
図42(a)は駆動側フランジ1363の斜視図である。図42(b)は、駆動伝達ギア81と駆動側フランジ1363との噛み合い部分における断面図であり、その断面はこれらの噛み合いピッチ円に接する面である。
駆動側フランジ1363には、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)1363cと第2ギア部(第2ユニット側ギア部)1363dが設けられている。第1ギア部1363cは実施例1の第1ギア部63cと同じである。
第2ギア部1363dは、回転軸線L1に沿って伸びた歯底円筒部(基礎円筒部)1363Bdから回転軸線L1を中心とする半径方向に突出した複数の円筒状の第2突起(歯)1363dtを含む。第2ギア部1363dは、第1ギア部1363cと一体的に回転する回転部である。複数の第2突起1363dtは、回転軸線L1の方向に関しては同じ位置(回転軸線L1に直交する同一面上)に配置されている。
また、複数の第2突起1363dtの先端Sは、回転軸線L1に沿って見ると、回転軸線L1を中心とする所定の円周上に配置され、且つ、周方向に関しては等間隔に配置されている。第2ギア部1363dの歯先円は、駆動側フランジ1363が回転した際に、複数の第2突起1363dtの先端Sのうち第2ギア部1363dの回転軸線(回転軸線L1)から最も離れた先端Sが回転軌跡として描く円である。本実施例では、全ての第2突起1363dtの形状が同じであるので、全ての第2突起1363dtの先端Sの回転軸線L1からの距離が同じであるため、全ての先端Sが同じ回転軌跡を描く。また、この回転軌跡の円の直径/半径を第2ギア部1363dの歯先円直径/歯先円半径とする。
複数の第2突起1363dtは、駆動伝達ギア81の第2本体ギア部81dの歯の間(谷部分)に挿入可能な大きさの回転軸線L1の方向及び回転方向(I方向)の幅の突起である。このため、第2突起1363dtの回転軸線L1の方向の幅は、第1ギア部1363cの回転軸線L1の方向の幅(歯幅)よりも小さい。換言すれば、第2ギア部1363dは、第1ギア部1363cの最も回転軸線L1の方向の幅(歯幅)の広い第1斜歯と比べて回転軸線L1の方向の幅の狭い第2突起1363dtを有する。また、第2突起1363dtの回転方向(I方向)又は周方向の幅(長さ)は、第1ギア部1363cの1つの歯の回転方向(I方向)又は周方向の幅(長さ)よりも小さい。換言すれば、第2ギア部1363dは、第1ギア部1363cの最も回転方向(I方向)又は周方向の幅(長さ)の広い第1斜歯と比べて回転方向(I方向)又は周方向の幅の狭い第2突起1363dtを有する。
また、第2突起1363dtは、第2本体ギア部81dと接触する接触部CP2を有する。図42(b)に示すように、接触部CP2は、第2突起1363dtの表面の湾曲した部分に設けられている。この第2突起1363dtの表面の湾曲した部分は角部と言える。第2本体ギア部81dの1つの歯に対して、回転軸線L1の方向に関して1箇所でのみ角部(接触点CP2)が接触するよう、角部(接触点CP2)は設けられている。この角部の曲率半径は所望の値に設定可能で、曲率半径をより小さくすることでより尖った形状の角部としてもよいし、より曲率半径を大きくすることでなだらかな角部としてもよい。
駆動伝達ギア81を駆動すると、駆動伝達ギア81は、実施例1と同様に、J方向のスラスト力を受けてJ方向に移動していく。そして、第2本体ギア部81dのI方向上流側の面81d2が第2ギア部1163dの第2突起1363dtの接触部CP2と接触し、H方向のスラスト力F1310を受ける。このため、実施例1と同様の原理で駆動伝達ギア81はつり合い位置で位置決めされ、バックラッシュレス状態となる。また、バックラッシュレス状態では、回転方向の駆動に関して、第1ギア部1363cは駆動力FDを受け、第2ギア部1363dは第2突起1363dtの接触部CP2で規制力FBを受ける。
なお、第2ギア部1363dは、複数の第2突起1363dtを用いて第2本体ギア部81d等の他のギアと噛み合って、回転駆動力、及び又はスラスト力を受けることが可能であるので、この点では一種のギアとみなすことができる。
また、複数の第2突起1363dtは円筒状に限られず、少なくとも回転軸線L1を中心とする半径方向に関して突出する形状であれば良く、例えば多角柱形状などでも良い。また全ての複数の第2突起1363dtが同一形状でなくても良い。
[実施例14]
次に、実施例14について図43を用いて以下に説明する。本実施例は実施例1と比べると駆動側フランジに設けられた第2ギア部に相当する部分の構成が異なる。具体的には実施例1の第2ギア部63dは斜歯ギアであったが、本実施例では複数の円筒状の突起である点が異なる。それ以外の点については実施例1と同様のため説明は省略する。また、本実施例と実施例13との比較では、複数の円筒状の突起の配置のみが異なる。
図43(a)は駆動側フランジ1463の歯と突起の断面図であり、その断面はこれらの回転軸線L1を中心とする円に接する面である。図43(b)は、駆動伝達ギア81と駆動側フランジ1463との噛み合い部分における断面図であり、その断面はこれらの噛み合いピッチ円に接する面である。
駆動側フランジ1463には、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)1463cと第2ギア部(第2ユニット側ギア部)1463dが設けられている。第1ギア1463cは実施例1の第1ギア部63cと同じである。
第2ギア1463dは、回転軸線L1を中心とする半径方向に突出した複数の円筒状の第2突起1463dtを含む。第2ギア部1463dは、第1ギア部1463cと一体的に回転する回転部である。複数の第2突起1463dtは、回転軸線L1の方向に関してずれた位置に配置されている。
また、複数の第2突起1463dtの先端S(図42(a)参照)は、回転軸線L1に沿って見ると、回転軸線L1を中心とする所定の円周上に配置されている。複数の第2突起1463dtは、駆動伝達ギア81の第2本体ギア部81dの歯の間(谷部分)に挿入可能な大きさの回転軸線L1の方向及び回転方向(I方向)の幅の突起である。また、複数の第2突起1463dtは、駆動伝達ギア81の第2本体ギア部81dの歯の間(谷部分)に挿入し、バックラッシュレス状態で第2本体ギア部81dから規制力FBを受けることができるような位置に配置されている。具体的には、図43(a)に示すように、回転軸線L1を中心とする円筒面上で第2本体ギア部81dのねじれ角α2と同じ角度でねじれた仮想的な複数のねじれ線(らせん状の線)L9を所定のピッチP9で引く。このピッチP9は駆動伝達ギア81の第2本体ギア部81dの複数の第2斜歯81dtの歯面に直交する方向でのピッチと同じである。そして、複数の第2突起1463dtを複数のねじれ線L9との関係で次に示す条件を満たすように配置する。その条件は、複数のねじれ線L9のいくつかが、複数の第2突起1463dtのうちのいくつかと接し、且つ、複数のねじれ線L9のいずれも複数の第2突起1463dtの断面内を通らないよう、複数のねじれ線L9を配置できるという条件である。このような条件を満たせるよう、複数の第2突起1463dtを配置することで、複数の第2突起1463dtは、バックラッシュレス状態で第2本体ギア部81dから規制力FBを受けるという、実施例13の複数の第2突起1363dtと同様の機能を果たすことができる。また、実施例13と同様に、第2突起1463dtの角部(接触点CP2)は、第2本体ギア部81dの1つの歯に対して、回転軸線L1の方向に関して1箇所でのみ角部(接触点CP2)が接触するように配置されている。
駆動伝達ギア81を駆動すると、図43(b)に示すように、駆動伝達ギア81は実施例1と同様に、スラスト力F1409を受けてJ方向に移動していく。そして、第2本体ギア部81dのI方向上流側の面81d2が第2ギア部1463dの第2突起1463dtの接触部CPと接触し、H方向のスラスト力F1410を受ける。このため、実施例1と同様の原理で駆動伝達ギア81はつり合い位置で位置決めされ、バックラッシュレス状態となる。また、バックラッシュレス状態では、回転方向の駆動に関して、第1ギア部1463cは駆動力FDを受け、第2ギア部1463dは第2突起1463dtの接触部CP2で規制力FBを受ける。
なお、第2ギア部1463dは、複数の第2突起1463dtを用いて第2本体ギア部81d等の他のギアと噛み合って、回転駆動力、及び又はスラスト力を受けることが可能であるので、この点では一種のギアとみなすことができる。
また、複数の第2突起1463dtは円筒状に限られず、少なくとも回転軸線L1を中心とする半径方向に関して突出する形状であれば良く、また全ての複数の第2突起1463dtが同一形状でなくても良い。
[実施例15]
次に、実施例15について図45を用いて説明する。カートリッジB内の駆動伝達構成が実施例1と異なる。図45(a)は、カートリッジBのドラム62近傍の回転軸線L1を含む断面での部分断面図である。図45(b)はカートリッジBのドラム62及び現像ローラ632を回転軸線L1に直交する方向で見た図である。
駆動伝達ギア81とかみ合うギアは、ドラム62の端部に一体的に固定されている必要はない。図45(a)に示すように、駆動伝達ギア81とかみ合う被駆動ギア1563がクリーニング枠体1571の一端に固定された軸1578によって回転可能に両持ち支持されている。つまり軸1578は、被駆動ギア1563を貫通した状態で被駆動ギア1563を支持している。被駆動ギア1563は、実施例1の駆動側フランジ63に設けられた第1ギア部63c、第2ギア部63dと同様に、ねじれ角α1の斜歯ギアである第1ギア部(第1ユニット側ギア部)1563c、ねじれ角α2の斜歯ギアである第2ギア部(第2ユニット側ギア部)1563dを有する。また、現像ローラ632の一端部には、被駆動ギア1563の第2ギア部1563dと噛み合う現像ローラギア630が現像ローラ632と一体的に設けられ、他端部にはドラム駆動ギア92が現像ローラ632と一体的に設けられている。また、ドラム62の一端部にはドラム駆動ギア92とかみ合うドラムギア93がカシメなどによって一体的に取付けられていて、ドラム軸によって回転可能に支持されている。また、ドラムの他端にはドラムフランジ1564がカシメなどによって取付けられていて、軸1578によって回転可能に支持されている。このような構成により、駆動伝達ギア81から被駆動ギア1563が受けた駆動力は、現像ローラギア630、現像ローラ632、ドラム駆動ギア92、ドラムギア93の順でドラム62に伝達される。
[実施例16]
次に、実施例15について図48を用いて以下に説明する。本実施例は実施例1と比べると駆動側フランジに設けられた第1ギア部及び第2ギア部に相当する部分の構成が異なる。具体的には実施例1の第1ギア部63c、第2ギア部63dは斜歯ギアであったが、本実施例ではそれぞれのギア部を複数の突起で形成した点(複数の突起でギア部の各歯を構成した点)が異なる。それ以外の点については実施例1と同様のため説明は省略する。
図48(a)は駆動側フランジ1663の歯と突起の断面図であり、その断面はこれらの回転軸線L1を中心とする円に接する面である。図48(b)は、駆動伝達ギア81と駆動側フランジ1663との噛み合い部分における断面図であり、その断面はこれらの噛み合いピッチ円に接する面である。
第1ギア部(第1ユニット側ギア部、第1ユニット側斜歯ギア部)1663cは、回転軸線L1に沿って伸びた歯底円筒部(基礎円筒部)から回転軸線L1を中心とする半径方向に突出した複数の円筒状の第1突起1663ctを含む。複数の第1突起1663ctは、回転軸線L1の方向に関して同一の位置及びずれた位置に配置されている。
また、複数の第1突起1663ctの先端S(図42(a)参照)は、回転軸線L1に沿って見ると、回転軸線L1を中心とする所定の円周上に配置されている。複数の第1突起1663ctは、駆動伝達ギア81の第1本体ギア部81cの歯の間(谷部分)に挿入可能な大きさの回転軸線L1の方向及び回転方向(I方向)の幅の突起である。また、複数の第1突起1663dtは、駆動伝達ギア81の第1本体ギア部81cの歯の間(谷部分)に挿入し、バックラッシュレス状態で第1本体ギア部81cから駆動力FDを受けることができるような位置に配置されている。具体的には、図48(a)に示すように、回転軸線L1を中心とする円筒面上で第1本体ギア部81cのねじれ角α1と同じ角度でねじれた仮想的な複数のねじれ線(らせん状の線)L15を所定のピッチP11で引く。このピッチP11は駆動伝達ギア81の第1本体ギア部81cの複数の第1斜歯81ctの歯面に直交する方向でのピッチと同じである。そして、複数の第1突起1663dtを複数のねじれ線L5との関係で次に示す条件を満たすように配置する。その条件は、複数のねじれ線L15のいくつかが、複数の第1突起1663ctのうちのいくつかと接し、且つ、複数のねじれ線L11のいずれも複数の第1突起1663ctの断面内を通らないよう、複数のねじれ線L11を配置できるという条件である。このような条件を満たせるよう、複数の第1突起1663ctを配置することで、複数の第1突起1663dtは、バックラッシュレス状態で第1本体ギア部81cと噛み合って回転して駆動力FDを受けるという機能を果たすことができる。
第2ギア部(第2ユニット側ギア部、第2ユニット側斜歯ギア部)1663dは、回転軸線L1を中心とする半径方向に突出した複数の円筒状の第2突起1663dtを含む。第2ギア部1663dは、第1ギア部1663cと一体的に回転する回転部である。複数の第2突起1663dtは、回転軸線L1の方向に関してずれた位置に配置されている。
また、複数の第2突起1663dtの先端S(図42(a)参照)は、回転軸線L1に沿って見ると、回転軸線L1を中心とする所定の円周上に配置されている。複数の第2突起1663dtは、駆動伝達ギア81の第2本体ギア部81dの歯の間(谷部分)に挿入可能な大きさの回転軸線L1の方向及び回転方向(I方向)の幅の突起である。また、複数の第2突起1663dtは、駆動伝達ギア81の第2本体ギア部81dの歯の間(谷部分)に挿入し、バックラッシュレス状態で第2本体ギア部81dから規制力FBを受けることができるような位置に配置されている。具体的には、図48(a)に示すように、回転軸線L1を中心とする円筒面上で第2本体ギア部81dのねじれ角α2と同じ角度でねじれた仮想的な複数のねじれ線(らせん状の線)L14を所定のピッチP10で引く。このピッチP10は駆動伝達ギア81の第2本体ギア部81dの複数の第2斜歯81dtの歯面に直交する方向でのピッチと同じである。そして、複数の第2突起1663dtを複数のねじれ線L14との関係で次に示す条件を満たすように配置する。その条件は、複数のねじれ線L14のいくつかが、複数の第2突起1663dtのうちのいくつかと接し、且つ、複数のねじれ線L14のいずれも複数の第2突起1663dtの断面内を通らないよう、複数のねじれ線L14を配置できるという条件である。このような条件を満たせるよう、複数の第2突起1663dtを配置することで、複数の第2突起1663dtは、バックラッシュレス状態で第2本体ギア部81dと噛み合って回転し規制力FBを受けるという、実施例13の複数の第2突起1363dtと同様の機能を果たすことができる。
図48(b)に示すように、駆動伝達ギア81を駆動すると、駆動伝達ギア81は実施例1と同様にJ方向に移動していく。これは、第1本体ギア部81cが複数の第1突起1663ctと接触してJ方向のスラスト力を受けるからである。J方向に移動した駆動伝達ギア81は、最終的に第2本体ギア部81dのI方向上流側の面81d2が第2ギア部1663dの第2突起1663dtの接触部CP2と接触し、H方向のスラスト力F1610を受ける。また、第1本体ギア部81cのI方向下流側の面81c1が第1ギア部1663cの第1突起1663ctの接触部CP1と接触し、J方向のスラスト力F1609を受ける。このため、実施例1と同様の原理で駆動伝達ギア81はつり合い位置で位置決めされ、バックラッシュレス状態となる。また、バックラッシュレス状態では、回転方向の駆動に関して、第1ギア部1663cは駆動力FDを受け、第2ギア部1663dは第2突起1463dtの接触部CPで規制力FBを受ける。
なお、第1ギア部1663cは、複数の第1突起1663ctを用いて第1本体ギア部81d等の他のギアと噛み合って、回転駆動力、及び又はスラスト力を受けることが可能であるので、この点では一種のギア(斜歯ギア)とみなすことができる。つまり、複数の第1突起1663ctの表面(複数の接触部CP1)は、回転軸線L1の方向で複数に分割された斜歯面を構成している、もしくは駆動側フランジ1663の回転軸線L1を中心とする周方向で複数に分割された斜歯面を構成していると言える。
このため、複数の接触部CP1を結ぶと、ねじれ線L15を定義できる。そして、複数の第1突起1663ctは、第1本体ギア部81cの1つの歯に対して、回転軸線L1の方向に関して離れた複数箇所でそれぞれ接触可能な配置となっている。第1本体ギア部81cの1つの歯に対して同時に接触可能な複数の接触部CP1が、回転軸線L1の方向に関して離れた位置に、設けられているとも言える。このように、回転軸線L1の方向で分かれて配置された複数の第1突起1663ctが、第1本体ギア部81cの1つの歯と噛み合う1つの歯(斜歯)を構成していると言える。従って、複数の第1突起1663ctは斜歯ギアとして機能し、第1ギア部1663cは第1斜歯ギア部である。
また、複数の第1突起1663ctの先端のうち最も回転軸線L1から離れた先端(点)が回転した際に回転軌跡として描く円を第1ギア部1663cの歯先円とし、その円の直径を歯先円直径とする。
同様に、第2ギア部1663dは、複数の第2突起1663dtを用いて第2本体ギア部81d等の他のギアと噛み合って、回転駆動力、及び又はスラスト力を受けることが可能であるので、この点では一種のギアとみなすことができる。つまり複数の第2突起1663dtの表面(複数の接触部CP2)は、回転軸線L1の方向で複数に分割された斜歯面を構成している、もしくは駆動側フランジ1663の回転軸線L1を中心とする周方向で複数に分割された斜歯面を構成していると言える。
このため、複数の接触部CP2を結ぶと、ねじれ線L14を定義できる。そして、複数の第2突起1663dtは、第2本体ギア部81dの1つの歯に対して、回転軸線L1の方向に関して離れた複数箇所でそれぞれ接触可能な配置となっている。第2本体ギア部81dの1つの歯に対して同時に接触可能な複数の接触部CP2が、回転軸線L1の方向に関して離れた位置に、設けられているとも言える。このように、回転軸線L1の方向で分かれて配置された複数の第2突起1663dtが、第2本体ギア部81dの1つの歯と噛み合う1つの歯(斜歯)を構成していると言える。従って、複数の第2突起1663dtは斜歯ギアとして機能し、第2ギア部1663dは第2斜歯ギア部である。
また、複数の第2突起1663dtの先端のうち最も回転軸線L1から離れた先端(点)が回転した際に回転軌跡として描く円を第2ギア部1663dの歯先円とし、その円の直径を歯先円直径とする。
また、複数の第1突起1663ct及び複数の第2突起1663dtのそれぞれは、円筒状に限られず、少なくとも回転軸線L1を中心とする半径方向に関して突出する形状であれば良い。また、複数の第1突起1663ctは、複数の接触部CP1を備えつつも、完全に分離された複数の突起でなくても良い。例えば回転軸線L1を中心とする半径方向に直交する接線方向の断面形状が階段のような形状を持つような一部が繋がった形状でも良い。複数の第2突起1663dtについても同様である。また、全ての複数の第1突起1663ctが同一形状でなくても良く、全ての複数の第2突起1663dtも同一形状でなくても良い。
[実施例17]
実施例17は実施例1と比べると次の点が異なる。まず、カートリッジBを装着する装置本体A内の各構成のレイアウトが異なる。その結果、カートリッジBの装置本体A内での姿勢が異なる。また、駆動側フランジ1763の支持構成、駆動伝達ギア1781とアイドラギア1780との係合構成が異なる。また、現像ローラ1732への駆動伝達構成は、実施例1の<その他の変形例>と同様である。また、駆動力FDを受ける第1ギア部と規制力FBを受ける第2ギア部の軸線方向の位置関係は実施例9と同様である。それ以外の点については実施例1と同様であり、詳細な説明は省略する。また、本実施例における各要素のうち、実施例1の要素(例:ドラム62)と対応している要素(例:ドラム1762)に対しては、対応している実施例1の要素と関連付けた符号(例:「62」と対応する「1762」)を付している。これらの要素について、特段の説明が無い事項については、対応している実施例1の要素と同様である。
<装置本体の構成>
図50は、カートリッジBが装着された装置本体Aの断面図(断面は回転軸線L1と直交)である。画像形成装置17100の装置本体Aは、露光装置(レーザスキャナユニット)1703、シート材PAを収納するシートトレイ1704を有する。更に、装置本体Aは、シート材PAの搬送路に沿って、ピックアップローラ(不図示)、搬送ローラ対1705b、転写ガイド1706、転写ローラ1707、搬送ガイド1708、定着装置1709、排出ローラ対1710、排出トレイ1711を有する。
<カートリッジBの装置本体A内での姿勢>
図50に示すように、カートリッジBはクリーニングユニット1760と現像ユニット1720がほぼ水平に並んだ姿勢で装置本体A内に位置決めされる。この時、ドラム1762の下方には転写ローラ1707が配置される。
<クリーニングユニット1760によるドラムユニット1769の支持構成>
次に、クリーニングユニット1760によるドラムユニット1769の支持構成について、図51(a)、図51(b)、図52(a)、図52(b)、図52(c)、図58、図59を用いて説明する。
図51(a)は、クリーニングユニット1760の分解斜視図であり、クリーニングユニット1760を現像ユニット側からドラム軸受部材1773の内側が見えるように見た状態を示している。図51(b)は、クリーニングユニット1760の分解斜視図であり、クリーニングユニット1760を現像ユニット側からドラム軸受部材1773の外側が見えるように見た状態を示している。図52(a)はドラム軸受部材1773を内側から見た斜視図である。図52(b)は、駆動側フランジ1763を支持するドラム軸受部材1773の被ガイド部1773gを回転軸線L1と直交する断面で切断した断面図である。ただし本断面図はドラム軸受部材1773の内側から断面を見た状態を示している。図52(c)は、装置本体Aに装着されたカートリッジBの駆動側フランジ1763近傍部分を、回転軸線L1を含み且つカートリッジBの装置本体Aへの装着方向M(図57参照)に直交する断面で切断した断面図である。図58は、クリーニングユニット1760と駆動伝達ギア1781の断面をドラム軸受部材1773の外側から断面を見た状態を示す図であり、その断面は駆動側フランジ1763を支持するドラム軸受部材1773の穴1773dを通り回転軸線L1と直交する断面である。図59はカートリッジBの駆動側フランジ1763近傍の部分斜視図である。
図51(a)、図51(b)に示すように、クリーニングユニット1760は、枠体部材1771とそれに固定されるドラム軸受部材1773とを有し、これらはドラム1762を支持するドラム枠体である。駆動側フランジ1763には、回転軸線L1に関して第1ギア部1763cの端面よりも外側(J方向下流側)に、駆動側フランジ1763の端部からJ方向下流側へ向かって突出するように設けられた、回転軸線L1を中心とする円筒形状の突起(被支持部)1763gを備える。ドラム軸受部材1773には、突起1763gを支持するための回転軸線L1の方向(J方向)に凹んだ穴1773dが設けられている。図52(a)、図52(b)に示すように、穴1773dの内周面は、各々が回転軸線L1と平行な2つの平面1773e、1773fおよび2つの円周面1773h、1773iを有する。また、2つの平面1773e、1773fは互いに平行でなく、回転軸線L1方向から見て略V字の凹形状となるように配置されている。平面1773e及び平面1773fは、突起1763gと接触し支持する支持点を備える支持面(支持部)である。図58に示すように、2つの平面1773e、1773fで構成された略V字の凹形状は、駆動伝達ギア1781から駆動側フランジ1763への駆動力伝達時におけるギア同士の歯面での噛み合い力FGの力を受けられるよう、回転軸線L1を起点とする力FGと平行な力FHと対向する方向に設けられている。具体的には、回転軸線L1に沿って見た時の平面1773eの延長線と平面1773fの延長線とが成す角の二等分線と力FHが実質的に平行となるように設けられている。なお、2つの平面1773e、1773fの向きはこの限りではなく、駆動側フランジ1763へ負荷を与える様々な力を総合的に加味して設定しても良い。
ドラムユニット1769を枠体部材1771の内部に組み込んだ後、ドラム軸受部材1773を枠体部材1771に取り付けて固定することにより、駆動側フランジ1763の突起1763gがドラム軸受部材1773の穴1773dの内部に嵌る。これによりドラムユニット1769が枠体部材1771及びドラム軸受部材1773に回転可能に支持される。また図59や図114(b)に示すように、カートリッジBとして完成した状態においては、駆動側フランジ1763の一部(第1ギア部1363c及び第2ギア部1363dの一部)とドラム1762の一部は、ドラム枠体(ドラム軸受部材1773及び枠体部材1771)に覆われておらず、カートリッジBの外部に対して露出された状態となっている。つまり、ドラム枠体は、駆動側フランジ1763の一部(第1ギア部1363cの一部及び第2ギア部1363dの一部など)とドラム1762の一部を外部に対して露出させるために開口部を有しているとも言える。
図52(c)に示すように、カートリッジBが装置本体Aに装着された状態においては、被ガイド部1773gの円弧面が、装置本体Aの第1駆動側側板1715の2つの位置決め部1715aに接触し、回転軸線L1に直交する2方向(装着方向Mと装着方向Mに直交する直交方向MP)に関して、装置本体Aに対するカートリッジBの回転軸線L1の位置が決まる(図57参照)。被ガイド部1773gは回転軸線L1の方向で外側(J方向)へ突出した形状の突起部であり、その内側に上述した穴1773dが設けられている。なお、装置本体Aには、被ガイド部1773gを2つの位置決め部1715aに向かって押圧するようにカートリッジBを押圧する不図示の押圧部材が設けられている。また、上述した駆動伝達ギア1781から駆動側フランジ1763への駆動力伝達時におけるギア同士の歯面での噛み合い力FGも被ガイド部1773gを2つの位置決め部1715aに向かって押圧するように作用する。更に、転写部としての転写ローラ1707(図50参照)がドラム1762を押圧する力も被ガイド部1773gを直交方向MPで位置決め部1715aに向かって押圧するよう作用する。
被ガイド部1773gの少なくとも一部、2つの平面部1773f、1773eの少なくとも一部、及び、突起1763g少なくとも一部は、回転軸線L1の方向において同じ位置に配置される。換言すれば、被ガイド部1773gの少なくとも一部、2つの平面部1773f、1773eの少なくとも一部、及び、突起1763g少なくとも一部は、回転軸線L1に直交するある一つの面上に配置される。このような配置関係により、ドラム軸受1773が回転軸線L1に対して傾斜するような変形を抑制することができ、駆動側フランジ1763の回転軸線L1に対する傾斜(倒れ)を抑制することができる。その結果、駆動側フランジ1763と駆動伝達ギア1781とのかみ合い精度の劣化を抑制できる。また、突起1763gを2つの平面部1773f、1773eに突き当てることにより、嵌合のガタを一方向(回転軸線L1に沿って見た時の平面1773eの延長線と平面1773fの延長線とが成す角の二等分線に沿う方向)に寄せることができ、駆動側フランジ1763の回転軸線L1に直交する方向における位置精度が向上し、駆動伝達ギア1781とのかみ合い精度の劣化を抑制することができる。
なお、本実施例では突起1763gは駆動側フランジ1763と一体で形成されているが、金属等の別部品で突起1763gを構成し、駆動側フランジ1763に圧入しても良い。
次に、駆動側フランジ1763の軸線方向の位置決めについて説明する。図51(a)、図51(b)に示すように、駆動側フランジ1763の第1ギア部1763cは、H方向下流側の端面にH方向にわずかに突出した突出部1763c1を備え、J方向下流側(H方向上流側)の端面にJ方向にわずかに突出した突出部1763fを備える。また、枠体部材1771は、回転軸線L1に直交する方向に伸びるように設けられたリブ1771pと側壁1771mを備える。突出部1763c1はリブ1771pの側面と接触可能で、突出部1763fは側壁1771mの側面と接触可能である。そして駆動側フランジ1763は、リブ1771pと側壁1771mとの間に、回転軸線L1の方向に関して摺動可能に隙間嵌めで嵌合し保持される。これにより、回転軸線L1の方向に関して、駆動側フランジ1763が枠体部材1771に位置決めされ、その結果ドラムユニット1769の枠体部材1771内での位置が決まる。
<カートリッジBの装置本体Aに対する装着、取り外し、及び装置本体A内での位置決め>
図113(a)は、水平な設置面上に設置された装置本体Aに装着されたカートリッジBを回転軸線L1に沿う方向(K方向)で見た図であり、水平方向をHD、鉛直方向をVDとして示している。なお、回転軸線L1と直交する面は鉛直方向VDと平行である。図113(b)は、カートリッジBを図113(a)に示した水平方向HDと平行なHD1方向に沿って見た図である。図114(a)は、カートリッジBを図113(a)に示した鉛直方向VDと平行なVD1方向に沿って見た図である。図114(b)は、カートリッジBを図113(a)に示した鉛直方向VDと平行なVD2方向に沿って見た図である。なお回転軸線L1の方向に沿って見た時に、図50からもわかるように、現像ローラ1732の回転中心と感光ドラム1762の回転中心(回転軸線L1)を結ぶ直線と装着方向Mは略平行である。従って以下の記載における装着方向Mは、回転軸線L1に直交し且つ現像ローラ1732の回転中心と感光ドラム1762の回転中心(回転軸線L1)を結ぶ直線と平行な方向と読み替えることができる。
実施例1と同様に、カートリッジBの装置本体Aへの装着方向M、及び装置本体Aからの取り外し方向(装着方向Mの逆方向)は、回転軸線L1と実質的に直交する方向である。また、ドラムユニット69の装置本体Aへの装着方向及び装置本体Aからの取り外し方向は、それぞれ、カートリッジBの装置本体Aへの装着方向M及び装置本体Aからの取り外し方向と同じである。
図113(a)に示すように、ドラム軸受部材1773には、先に説明した被ガイド部1773gの他に、被ガイド部1773s1、被ガイド部1773s2、被ガイド部1773s3が設けられている。これらの被ガイド部は、ドラム軸受部材1773の本体部分から回転軸線L1の方向に突出した形状の突起部である。カートリッジBを装置本体Aに装着する際、及び装置本体Aから取り出す際に、装置本体Aに設けられた不図示のガイド部に接触しガイドされる。なお、他の図で示したように、被ガイド部1773s1は省略することも可能である。被ガイド部1773s3についても必要性を考慮して省略することが可能である。しかしながら、被ガイド部1773s1、被ガイド部1773s3を設ける方が、カートリッジBの装着及び取り外しが安定する。また、被ガイド部1773s1は装着方向Mに長尺(もしくは、回転軸線L1に直交し且つ現像ローラ1732の回転中心と感光ドラム1762の回転中心(回転軸線L1)を結ぶ直線と平行な方向に沿って長尺)の突起部である。被ガイド部1773s1をこのように長尺の突起部とすることで、ドラム軸受部材1773の剛性が高まる。また、被ガイド部1773s1と被ガイド部1773gは、1つの繋がった突起部として設けられているが、これらを別々の突起部として設けてもよい。しかし、1つの繋がった突起部として設ける方が、ドラム軸受部材1773の剛性が高まる。
また、先述したように、カートリッジBが装置本体Aに装着された状態においては、被ガイド部1773gが装置本体Aの2つの位置決め部1715aに接触し、回転軸線L1に直交する2方向(装着方向Mと直交方向MP)に関して、装置本体Aに対するカートリッジBの回転軸線L1の位置が決まる(図52(c)、図57参照)。また、被ガイド部1773s2が不図示の装置本体Aの位置決め部に接触することで、回転軸線L1を中心とする回転方向に関して、装置本体Aに対するカートリッジBの位置(姿勢)が決まる。
また、回転軸線L1の方向に関する装置本体Aに対するカートリッジBの位置決めは、実施例1と同様である。具体的には、図113(b)、図114(a)に示すように、ドラム軸受部材1773は装着方向Mに沿って凹んだ凹形状の被嵌合部1773hを有し、ここに装置本体Aの不図示の装着方向Mに沿って突出した凸形状の嵌合部が嵌合し、回転軸線L1の方向に関する装置本体Aに対するカートリッジBの位置が決まる。
また、図113(a)に示すように、ドラム軸受部材1773は、回転軸線L1の方向に延びた略円筒面状の現像ユニット支持部1773bを有する。現像ユニット支持部1773bは、現像ユニット1720の枠体1721の現像カップリング部材1789及びカップリング部1789aを囲むように配置された円筒部1721aを、回動軸DAを中心に回動(揺動)可能に支持する。回動軸DAは、現像カップリング部材1789の回転軸と同軸であり、回転軸線L1と平行である。現像ユニット1720は、現像ユニット1720の枠体1721の力受け部1721bで装置本体Aの不図示の力付与部から力を受けることで、クリーニングユニット1760に対して、回動軸DAを中心にDS方向へ回動(揺動)可能である。この回動により、現像ローラ1732をドラム1762から離間することが可能である。
また、図113(a)に示すように、回転軸線L1方向からカートリッジBを見ると、回転軸線L1と回動軸DAを通る直線LT上に被ガイド部1773s2が配置されており、直線LTに平行な方向に関して、回転軸線L1と被ガイド部1773s2との間に、現像ユニット支持部1773b及び回動軸DAが配置されている。このため、クリーニングユニット1760は比較的重量の重い現像ユニット1760を強固に支持することができる。このため、装着方向M(もしくは被ガイド部1773s1の長手方向)、装着方向Mに直交する直交方向MP(もしくは被ガイド部1773s1の長手方向に直交する方向)、水平方向HD、及び、鉛直方向VDのいずれの方向に関しても、回転軸線L1と被ガイド部1773s2との間に、現像ユニット支持部1773b及び回動軸DAが配置されていると言える。
また、回転軸線L1方向からカートリッジBを見た時に、直線LTで領域を分けると、一方の領域に被ガイド部1773s1、他方の領域に被ガイド部1773s3をそれぞれ配置しているので、カートリッジBの装着途中、取り外し途中におけるカートリッジBの姿勢が安定する。
また、図113(b)、図114(a)、図114(b)に示すように、クリーニングユニット1760のドラム枠体は、先述したドラム軸受部材(第1軸受部材)1773と枠体部材1711に加え、枠体部材1711に取り付けられた非駆動側ドラム軸受部材(第2軸受部材)1712を有する。ドラムユニット1769は、先述したように駆動側フランジ1763(第1フランジ部材)はドラム軸受部材1773によって回転可能に支持されている。一方でドラムユニット1769の非駆動側フランジ(第2フランジ部材)1764は、非駆動側ドラム軸受部材1712に回転可能に支持されている。なお非駆動側フランジ1764はドラム1762のH方向下流側端部に固定された部材である。つまり、ドラム枠体の、回転軸線L1の方向における、枠体第1端部にドラム軸受部材(第1軸受部材)1773が配置され、枠体第1端部とは反対側の枠体第2端部に非駆動側ドラム軸受け部材(第2に軸受部材)1712が配置された関係となっている。ドラム62における回転軸線L1の方向における2つの端部のうち、感光体第1端部は枠体第2端部よりも枠体第1端部に近い位置に配置された端部であり、感光体第1端部の反対側の感光体第2端部は枠体第1端部よりも枠体第2端部に近い位置に配置された端部である。図114(a)、(b)からもわかるように、非駆動側ドラム軸受部材1712の装着方向Mに関して下流側に突出した形状の突出形状部1712aを有する。ここで、回転軸線L1の方向に沿って見た時に、図50からもわかるように、現像ローラ1732の回転中心と感光ドラム1762の回転中心(回転軸線L1)を結ぶ直線と装着方向Mは略平行である。従って、突出形状部1712aは、回転軸線L1に直交し且つ現像ローラ1732の回転中心から感光ドラム1762の回転中心へ向かう方向(装着方向Mと略平行な方向)に関して、ドラム軸受部材1773又はドラム1762よりも下流側に突出した形状である。突出形状部1712aには、不揮発性メモリチップを搭載するメモリ基板1740が取り付けられている。メモリ基板1740は、不揮発性メモリチップと電気的に接続され、且つ、装置本体Aの不図示の本体側電極部と接触して電気的に接続可能な表面である電極部(電極面)1740aを備える。電極部1740aは、回転軸線L1の方向に関して、ドラム軸受部材1773や駆動側フランジ1763が配置されている側(駆動側)の端部(第1枠体端部)と反対側(非駆動側)の端部(第2枠体端部)に近い位置に配置されている。詳細には、回転軸線L1の方向に関して、電極部1740aが配置された領域は、ドラム1762のH方向下流側の端部(感光体第2端部)の位置を含む領域である。しかしながら、回転軸線L1の方向に関して、電極部1740aが配置された領域を、ドラム1762のH方向下流側の端部(感光体第2端部)の位置よりもドラム枠体の外側(もしくはカートリッジBの外側)に近い位置(H方向で下流側の位置)に配置してもよい。また、回転軸線L1の方向に関して、電極部1740aが配置された領域と非駆動側フランジ1764が配置された領域は、少なくも一部が同じ位置にある(少なくも一部が重なる)。しかしながら、回転軸線L1の方向に関して、電極部1740aが配置された領域を、非駆動側フランジ1764が配置された領域よりもドラム枠体の外側(もしくはカートリッジBの外側)に近い位置(H方向で下流側の位置)に配置してもよい。また、電極部1740aは、装着方向Mに関して回転軸線L1や感光ドラム1762よりも下流側に配置されている。また、電極部1740は、回転軸線L1に直交し且つ現像ローラ1732の回転中心から感光ドラム1762の回転中心へ向かう方向(装着方向Mと略平行な方向)に関して、回転軸線L1又は感光ドラム1762よりも下流側に配置されている。更に、メモリ基板1740は、電極部(電極面)1740aが装着方向Mと直交する向きとなる姿勢でクリーニングユニット1760に支持されている。
<駆動側フランジ1763>
次に図54(b)、図60を用いて駆動側フランジ1763について説明する。図54(b)は駆動側フランジ1763のギア部の模式的な断面図である。その断面は駆動伝達ギア1781との噛合い時の噛合いピッチ円に接する断面である。図60(a)、(b)はドラムユニット1769の駆動側フランジ1763近傍の断面図であり、その断面は回転軸線L1を含む断面である。
駆動側フランジ1763は、斜歯ギア部としての第1ギア部(第1ユニット側ギア部、第1ユニット側斜歯ギア部)1763cと第2ギア部(第2ユニット側ギア部、第2ユニット側斜歯ギア部)1763dを同軸で備える。第1ギア部1763cは、第2ギア部1763dよりもH方向に関して上流側(J方向に関して下流側)に配置されている。つまり、回転軸線L1の方向に関して、第2ギア部1763dは第1ギア部1763cとドラム1762の間に配置されている。第1ギア部1763cは回転軸線L1を中心とする周方向で異なる位置に配置された複数の第1斜歯(歯、第1突起)1763ctを含み、第2ギア部1763dは回転軸線L1を中心とする周方向で異なる位置に配置された複数の第2斜歯(歯、第2突起)1763dtを含む。なお、第1斜歯1763ct及び第2斜歯1763dtは、いずれもインボリュート歯形の歯であり、回転軸線L1を中心とする半径方向に突出した突起である。第1ギア部1763cと第2ギア部1763dは一体的に樹脂成型され一体的に回転する、このため、第1ギア部1763c、第2ギア部1763dは、互いに一体的に回転する第1回転部、第2回転部とみることも可能である。第1ギア部1763cは駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cと噛み合い、第2ギア部1763dは駆動伝達ギア1781の第2本体ギア部1781dと噛み合う。
駆動側フランジ1763の第1ギア部1763cと第2ギア部1763dのねじれ方向は、互いに同じ方向で、J方向に向かうにつれて歯面がK方向に向かってずれていくようにねじれる方向である。なお、第1ギア部1763cと第2ギア部1763dのねじれ方向は、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cと第2本体ギア部1781dのねじれ方向とは逆である。また、実施例1と同様に、第2ギア部1763dのねじれ角は第1ギア部1763cのねじれ角よりも大きい。なお、第1ギア部1763cのねじれ角は後述する第1本体ギア部1781cのねじれ角と同じであり、第2ギア部1763dのねじれ角は後述する第2本体ギア部1781dのねじれ角と同じである。また、駆動側フランジ1763の第1ギア部1763cと第2ギア部1763dの歯数は同じである。
また、図60(a)に示すように、第1斜歯(歯、第1突起)1763ctの回転軸線L1の方向の幅(歯幅)Wcは、第2斜歯(歯、第2突起)1763dtの回転軸線L1の方向の幅(歯幅)Wdよりも大きい。つまり、第1ギア部1763cと第2ギア部1763dのそれぞれは、回転軸線L1の方向に関する第1斜歯(歯、第1突起)1763ctの歯幅Wcと第2斜歯(歯、第2突起)1763dtの歯幅Wdが以下の式A1を満たすような歯を少なくとも1歯ずつ備えている。
Wc>Wd・・・(式A1)
つり合い状態で駆動伝達ギア1781によって駆動側フランジ1763が駆動されている間は、第1ギア部1763cの受ける駆動力FDの方が第2ギア部1763dが受ける規制力FBよりも大きくなるため、このような関係とすることが好ましい。
また、第1本体ギア部1781cに対して第1ギア部1763cの噛み合う(接触する)部分の回転軸線L1の幅(噛み合い幅)及び第2本体ギア部1781dに対する第2斜歯ギア部1763cの噛み合い幅は、なるべく大きい方が駆動伝達精度が良い。しかしながら、必要以上に噛み合い幅を大きく設定すると、第1ギア部1763cや第2ギア部1763cの回転軸線L1の方向の幅が大きくなり、駆動側フランジ1763、ドラムユニット1769、カートリッジB、ひいては装置本体Aが大型化してしまう。そこで、第1ギア部1763cの中で最も歯幅の広い第1斜歯(歯)1763ctの歯幅Wc1と第2ギア部1763dの中で最も歯幅の広い第2斜歯(歯)1763dtの歯幅Wd1は、以下の式A2、より好ましくは式A3、を満たすことが好ましい。
Wd1≦(4/5)・Wc1・・・(式A2)
Wd1≦(3/4)・Wc1・・・(式A3)
更に、第2ギア部1763dの第2斜歯(歯)1763dtの強度という観点では、第2斜歯(歯)1763dtはある程度以上の歯幅を持っていることが好ましく、歯幅Wc1と歯幅Wd1は以下の式A4を満たすことが好ましい。
Wd1≧(1/10)・Wc1・・・(式A4)
更に、円筒部1763e(もしくは隙間g)の回転軸線L1の方向の幅(長さ)Weは、歯幅Wc、Wdを基準とした場合、実施例1と同様に以下の式B1、式B2、及び、式B3を満たすように設定されている。
なお、第1ギア部1763cの歯幅Wcが一定でない場合は、最も歯幅の広い歯の歯幅Wc1が歯幅Wcであるとする。
We≧Wc/5・・・(式B1)
We≦Wc・・・(式B2)
We≦Wd・・・(式B3)
本実施例では、第1ギア部1763cの各歯の歯幅は全て同じ、第2ギア部1763cも各歯の歯幅は全て同じであり、歯幅Wcは8.2mm、歯幅Wdは5.2mmに設定している。また幅Weは3.1mmに設定している。
更に、図60(b)に示すように、駆動側フランジ1763と駆動伝達ギア1781との噛み合いにおける第1ギア部1763cと第2ギア部1763dの噛合いピッチ円直径D63c、D63dはほぼ同じになるように設定している。同様に第1本体ギア部1781cと第2本体ギア部1781dの噛合いピッチ円直径はほぼ同じになるように設定している。これにより、第1ギア部1763cと第1本体ギア部1781cの噛み合い、及び、第2ギア部1763dと第2本体ギア部1781dの噛み合いが、いずれも歯先当たりにならずに適切に噛み合うことができる。
また、実施例1と同様に、第1本体ギア部1781c及び第2本体ギア部1781dとの噛み合いが歯先当たりにならずに適切な噛み合いとなるよう、第1ギア部1763cの歯先円直径Dt63cと第2ギア部1763dの歯底円直径Db63dとがほぼ同じになるように設定している。
具体的には、第1ギア部1763cの歯先円直径Dt63cの大きさは、第2ギア部1763dの歯底円直径Db63dよりも大きい値、もしくは第2ギア部1763dの歯先円直径Dt63dの0.8倍(より好ましくは0.9倍)よりも大きい値に設定することが好ましい。また、第1ギア部1763cの歯先円直径Dt63cの大きさは、第2ギア部1763dの歯先円直径Dt63dの1.1倍よりも小さい値に設定することが好ましい。
更に、第1ギア部1763cの歯底円直径Db63cの大きさは、第2ギア部1763dの歯先円直径Dt63dよりも小さい値に設定することが好ましい。また、第1ギア部1763cの歯底円直径Db63cの大きさは、第2ギア部1763dの歯底円直径Db63dの0.9倍よりも大きい値に設定することが好ましい。
また、第2ギア部1763dの歯先円直径Dt63dの大きさは、第1ギア部1763cの歯底円直径Db63cよりも大きい値、もしくは第1ギア部1763cの歯先円直径Dt63cの0.8倍(より好ましくは0.9倍)よりも大きい値に設定することが好ましい。また、第2ギア部1763dの歯先円直径Dt63dの大きさは、第1ギア部1763cの歯先円直径Dt63cの1.1倍よりも小さい値に設定することが好ましい。
更に、第2ギア部1763dの歯底円直径Db63dの大きさは、第1ギア部1763cの歯先円直径Dt63cよりも小さい値に設定することが好ましい。また、第2ギア部1763dの歯底円直径Db63dの大きさは、第1ギア部1763cの歯底円直径Db63cの0.9倍よりも大きい値に設定することが好ましい。
本実施例においては、第1ギア部1763cの歯先円直径Dt63c、ピッチ円直径D63c、歯底円直径Db63cはそれぞれ、22.3mm、21.1mm、19.6mmに設定した。第2ギア部1763dの歯先円直径Dt63d、ピッチ円直径D63d、歯底円直径Db63dはそれぞれ、22.1mm、21.1mm、19.8mmに設定した。また円筒部1763eの直径は17.5mmに設定した。
また、第1ギア部1763cと第2ギア部1763dのねじれ角を異ならせつつ噛み合いピッチ円直径D63c、D63dを同じになるよう、第1ギア部1763cと第2ギア部1763dとの間でモジュールを異ならせたり、転移量を変えたりしている。なお、駆動伝達ギア1781についても同様に第1本体ギア部1781cと第2本体ギア部1781dとの間でモジュールを異ならせたり、転移量を変えたりしている。
また、駆動側フランジ1763は、回転軸線L1の方向に関して、第1ギア部1763cと第2ギア部63dとの間に円筒部(中間部、小径部、軸部)1763eを備える。円筒部1763eの回転軸線L1を中心とする最大直径D63eは、第1ギア部1763cの歯先円直径Dt63c及び第2ギア部1763dの歯先円直径Dt63dよりも小さい。更に、本実施例では、円筒部1763eの回転軸線L1を中心とする最大直径D63eは、第1ギア部1763cの歯底円直径Db63c及び第2ギア部1763dの歯底円直径Db63dよりも小さい。しかしながら、円筒部1763eの回転軸線L1を中心とする最大直径D63eは、駆動側フランジ1763が駆動伝達ギア1781に駆動されている間、駆動伝達ギア1781と接触しなければ上記の限りではない。なお、後に実施例22、実施例23で説明するように、駆動側フランジ1763と駆動伝達ギア1781とが噛み合って駆動力を伝達可能なように、回転軸線L1から円筒部1763eの外径までの距離(半径)R63eが、少なくとも一時的に、第1ギア部1763cの歯先円半径Rt63ctもしくは第2ギア部1763dの歯先円半径Rt63dよりも小さくなることが可能な構成としてもよい。
第1ギア部1763c、第2ギア部1763d、円筒部1763eの各種直径を用いてこれらの寸法の関係を示した部分は、直径を半径に置き換えても同じ関係となることは自明である。
<駆動伝達ギア1781>
次に駆動側フランジ1763とかみ合う装置本体Aの駆動伝達ギア1781について図53、図54(a)を用いて説明する。図53(a)及び(b)は装置本体Aの駆動伝達ギア1781周辺部分の分解斜視図であり、(a)は第2駆動側側板1783側から見た状態、(b)はメイン枠体1784側から見た状態を示している。図54(a)は駆動伝達ギア1781のギア部の模式的な断面図である。その断面は駆動側フランジ1763との噛合い時の噛合いピッチ円に接する断面である。
駆動伝達ギア1781は、斜歯ギア部としての第1本体ギア部(第1本体斜歯ギア部)1781c及び第2本体ギア部(第2本体斜歯ギア部)1781dを同軸で備える。第1本体ギア部1781cは、第2本体ギア部1781dよりもH方向に関して上流側(J方向に関して下流側)に配置されている。第1本体ギア部1781cは複数の第1本体斜歯1781ctを含み、第2本体ギア部1781dは複数の第2本体斜歯1781dtを含む。なお、第1本体斜歯1781ct及び第2本体斜歯1781dtはいずれもインボリュート歯形の歯である。第1本体ギア部1781cと第2本体ギア部1781dは一体的に樹脂成型され一体的に回転する。また、第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dのねじれ方向は、互いに同じ方向で、J方向に向かうにつれて歯面がI方向に向かってずれていくようにねじれる方向である。また、実施例1と同様に、第2本体ギア部1781dのねじれ角は第1本体ギア部1781cのねじれ角よりも大きい。また、第1本体ギア部81cと第2本体ギア部81dの歯数は同じである。カートリッジBが装置本体Aに装着された状態で、第1本体ギア部1781cに第1ギア部1763cが噛み合い、第2本体ギア部1781dに第2ギア部1763cが噛み合う。
なお、図112は駆動伝達ギア1781の別構成例の斜視図である。図112に示すように、回転軸線L2の方向に関して、第1本体ギア部1781cと第2本体ギア部1781dの間に、回転軸線L2を中心とする半径方向に突出したリブ形状部(突出部、半径方向突出主部)1781pを設けてもよい。駆動伝達ギア1781の製造方法によっては、リブ形状部1781pを設けた方が、成形精度を良化させる、もしくは悪化を抑制することができたり、製造コストを低減したりすることが可能となる場合がある。リブ形状部1781pの直径は、第1本体ギア部1781cの歯先円直径や第2本体ギア部1781dの歯先円直径と同程度である。リブ形状部1781pは、回転軸線L2を中心とする周方向に関して、全周にわたって設けられていてもよいし、一部のみに設けられていてもよい。ここで、駆動側フランジ1763には、円筒部1763eが設けられていることで、回転軸線L1の方向に関して第1ギア部1763cと第2ギア部1763dとの間に隙間g(図60等参照)が形成されている。この隙間gがあるため、駆動伝達ギア1781がリブ形状部1781pを有する場合であっても、リブ形状部1781pと駆動側フランジ1763とが接触することを避け、駆動伝達ギア1781と駆動側フランジ1763のギア部同士が適切に噛み合うことができる。この時、この第1ギア部1763cと第2ギア部1763dとの間の隙間gにはリブ形状部1781pが挿入されている(進入している)。
図53(a)、(b)に示すように、装置本体Aは、モータ(不図示)、アイドラギア1780、駆動伝達ギア1781、第2駆動側側板1783、メイン枠体1784、駆動軸1782、補強部材1798、及び、圧縮バネ1785を有する。第2駆動側側板1783は実施例1の第2駆動側側板83に対応する部材である。モータからの駆動力は、アイドラギア1780を介して駆動伝達ギア1781へ伝達される。アイドラギア1780、駆動伝達ギア1781及び補強部材1798は、回転軸線L2を回転軸として同軸で回転可能で、且つ、回転軸線L2の方向に移動可能に、固定軸である駆動軸1782によって支持されている。駆動軸1782は、その一端部が第2駆動側側板1783に固定され、他端部1782bがメイン枠体1784の穴1784aに嵌合し支持されている。駆動軸1782は、駆動伝達ギア1781の回転軸線L2が装置本体AにカートリッジBが装着された状態におけるドラム62の回転軸線L1と平行となるよう、設けられている。
アイドラギア1780の他端部1780bと第2駆動側側板1783との間に圧縮バネ1785が設けられており、アイドラギア1780は回転軸線L2の方向に関してメイン枠体1784側に(H方向)付勢されている。アイドラギア1780の駆動伝達ギア1781と対向する端部には回転軸線L2の方向に凹んだ凹部1780aが設けられ、凹部1780aの内部には凸部(駆動力伝達部)1780a1が設けられている。
駆動伝達ギア1781のアイドラギア1780と対向する端部には、アイドラギア1780の凹部1780a1に対向した箇所に、回転軸線L2の方向に突出した突部1781a1が設けられている。突部1781a1は、回転方向Iにおける上流側端部に面1781e、下流側端部に斜面1781hを備える。面1781eは、回転軸線L2と直交する面に対して垂直であり、斜面1781hは、回転軸線L2と直交する面に対して傾斜している。アイドラギア1780の凸部1780a1と突部1781a1の面1781eが係合することで、アイドラギア1780から駆動伝達ギア1781へ駆動力が伝達され、回転方向Iに一体的に回転する。
一方で、アイドラギア1780に対して駆動伝達ギア1781が相対的に回転方向Iに回転した場合には、アイドラギア1780の凸部1780a1に駆動伝達ギア1781の突部1781a1の斜面1781hが当接する。これにより、アイドラギア1780と駆動伝達ギア1781に互いに回転軸線L2方向に離れる方向の力が働き、アイドラギア1780は、圧縮バネ1785のバネ力に抗してJ方向へ移動して凸部1780a1が突部1781a1を乗り越え、駆動伝達ギア1781からアイドラギア1780へ回転方向Iの駆動力が伝達されない構成となっている。カートリッジBが装置本体Aに装着される過程で、駆動伝達ギア1781は、駆動側フランジ1763と噛み合い回転方向Iへ回転させられる場合があるが、この際、上述した構成により駆動伝達ギア1781からアイドラギア1780へ回転方向Iの駆動力が伝達されない。このため、使用者がカートリッジBを装着する際に、アイドラギア1780を駆動するモータを回転させたり、感光ドラム1762を回転させたりしなくて良いので、カートリッジBの装置本体Aへ装着する際の負荷を低減できる。
また、駆動伝達ギア1781は、穴1781fを有し、その内周部には複数の凹凸形状で構成された係合部1781gが設けられている。補強部材1798は、外周部に複数の凹凸形状で構成された係合部1798bが設けられ、穴1781fに挿入されている。駆動伝達ギア1781の係合部1781gと補強部材1798の係合部1798bが噛み合っている。補強部材1798は、駆動軸1782と接触して駆動軸1782に直接支持され、駆動伝達ギア1781は、補強部材1798を介して駆動軸1782に間接的に支持される構成となっている。しかしながら、駆動伝達ギア1781が駆動軸1782に直接支持されるように構成してもよい。
ただし、本実施例のように樹脂成型で比較的大径の駆動伝達ギア1781を製造する場合は、このように補強部材1798を介して駆動軸1782に支持される構成とした方が、ギアの成形精度と強度の両立という点では有利である。これは、半径方向の肉厚(軸が通る穴の内周面からギアの歯底円までの半径方向の距離)が比較的大きいギアを1つの樹脂成型部材で構成する場合、樹脂のヒケ等によるギアの成形精度の悪化を避けるために、肉抜き形状を設ける必要があるためである。そして肉抜き形状を設けると、ギアの強度が低下する恐れがある。そこで、本実施例のように、駆動伝達ギア1781を直接駆動軸1782に支持される構成とせず、別に樹脂成形された補強部材1798を設けたことで、樹脂成型された駆動伝達ギア1781のギアの成形精度の悪化を抑制しつつ、強度低下も抑制することができる。
<駆動伝達動作>
次に駆動伝達ギア1781と駆動側フランジ1763との噛合い動作について、図54、図55を用いて説明する。図54(c)、図54(d)、図55(a)、図55(b)及び図55(c)は、駆動伝達ギア1781のギア部と駆動側ドラムフランジ1763のギア部の噛み合い部分における模式的な断面図である。なお、断面は駆動伝達ギア1781と駆動側フランジ1763との噛合いピッチ円に接する断面である。図54(c)、図54(d)、図55(a)、図55(b)、図55(c)は、いずれも駆動伝達ギア1781の駆動を開始した後の状態を、この順で時系列に示している。
まず、カートリッジBを本体Aに装着していない状態では、図54(a)に示すように駆動伝達ギア1781は圧縮バネ1785によってH方向に付勢され、メイン枠体1784に突き当たっている。
<駆動開始後の動作>
カートリッジBが本体Aに装着された後、駆動伝達ギア1781は、アイドラギア1780(図53参照)を介して装置本体Aのモータ(不図示)によって駆動させられ、I方向に回転する。駆動側フランジ1763は、I方向に回転する駆動伝達ギア1781から駆動力を受けてK方向に回転する。
駆動伝達ギア1781のI方向への回転開始直後、図54(c)に示すように、最初に駆動伝達ギア1781の第2本体ギア部1781dが駆動側フランジ1763の第2ギア部1763dと噛み合い駆動力FDを伝達した場合について説明する。第2本体ギア部1781dは、第2ギア部1763dをH方向へ押圧するスラスト力を発生させる。しかし、駆動側フランジ1763は、リブ1771p(図51(a)参照)によってH方向の移動が規制されており、H方向のスラスト力に対応したJ方向の反力を受ける。このため、第2本体ギア部1781dには、第2ギア部1763dから受ける反力の作用により、J方向のスラスト力F5を受ける。このスラスト力F5によって、駆動伝達ギア1781はJ方向に移動する。
更に回転が続きながら駆動伝達ギア1781がJ方向に移動していくと、図54(d)に示すように、第1ギア部1763cも第1本体ギア部1781cと噛み合い、駆動力FDを伝達しつつ、第1本体ギア部1781cにスラスト力F6が発生する。スラスト力F6は、先に第2本体ギア部1781dが第2ギア部1763dとの噛み合いで受けているスラスト力F5と同じJ方向のスラスト力である。これにより、さらに駆動伝達ギア1781はJ方向に移動する。
更に回転して駆動伝達ギア1781がJ方向に移動すると、やがて、図55(a)に示すように、第2本体ギア部1781dは第2ギア部1763dと噛み合わなくなる。一方で、第1ギア部1781cと第1ギア部1763cとは噛み合いが維持され、第1ギア部1781cにはJ方向にスラスト力F8が働く。この時、駆動伝達ギア81は、第1本体ギア部1781cと第1ギア部1763cとの噛み合いのみによって駆動力FDを伝達し、駆動側フランジ1763を回転させる。
更に回転が続いて駆動伝達ギア1781がJ方向に移動すると、図55(b)、(c)に示すように、最終的には、第2本体ギア部1781dが第2ギア部1763dのI方向下流側の歯面(接触部)1763d2と接触する。なお、第1本体ギア部1781cの面1781c1と第1ギア部1763cの面1763c1は接触を維持している。つまり、第1ギア部1763cの歯は、I方向上流側に配置された第1本体ギア部1781cと接触し、第2ギア部1763dの歯は、I方向下流側に配置された第2本体ギア部1781dと接触している。また、第1ギア部1763cと第2ギア部1763dは樹脂で一体成型されているので、第1ギア部1763cの歯は、第2ギア部1763dの歯に対して相対的にI方向に移動(回転)できないよう固定され、第2ギア部1763dの歯は、第1ギア部1763cの歯に対して相対的にI方向の逆方向に移動(回転)できないよう固定されている。従って、この状態では、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cが歯面1781c1で歯面(接触部)1763c1を押圧して駆動側フランジ1763を回転させ、駆動伝達ギア1781の第2本体ギア部1781dの歯面1781d2が歯面1763d2と当接することで駆動側フランジ1763によって挟み込みこまれる。そして、駆動伝達ギア1781の回転軸線L1の方向の移動が止まる。この時の駆動伝達ギア1781の回転軸線L1の方向の位置をつり合いの位置とする。
つり合い状態において、図55(b)に示すように、駆動伝達ギア1781には、回転軸線L1の方向に関して、力F9、力F10、力F1がかかっている。力F9は、第1本体ギア部1781cが第1ギア部1763cとの噛み合い力で受けるJ方向のスラスト力、力F10は第2本体ギア部1781dが第2ギア部6173dとの噛み合い力で受けるH方向のスラスト力、力F1はアイドラギア1780を介して受ける圧縮バネ1785の付勢力である。また、駆動側フランジ1763は、駆動伝達ギア1781から力を受けてリブ1771p又は側壁1771mに当接して回転軸線L1の方向に関して位置決めされ、駆動伝達ギア1781から受けるスラスト力と釣り合う回転軸線L1の方向の反力F11が発生する。図55(b)では、駆動側フランジ1763がリブ1771pに当接して位置決めされた場合を示している。そして、つり合い状態において、回転軸線L1の方向に関して、摩擦を無視すると、力F9、力F10、力F1、及び、力F11が釣り合って、駆動伝達ギア1781及び駆動側フランジ1763がそれぞれ回転軸線L1の方向で位置決めされた状態となっている。
また、つり合い状態において、図55(c)に示すように、駆動側フランジ1763は、K方向(回転方向)に関して、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781c及び第2本体ギア部1781dに挟まれて(接触して)次のような力を受けた状態となっている。つまり、第1ギア部1763cの歯面(接触部)1763c1は、K方向(第一周方向)で上流側に配置された第1本体ギア部1781cと接触することで、駆動側フランジ1763をK方向(所定方向)に回転させる方向の成分の力としての駆動力FDを受ける。同時に、第2ギア部1763dの歯面(接触部)1763d2は、K方向(第一周方向)で下流側に配置された第2本体ギア部1781dと接触することで、駆動側フランジ1763のK方向の回転を抑制(規制)する方向の成分の力としての規制力(ブレーキ力)FBを受ける。このため、第1ギア部1763cは駆動力FDを受ける駆動力受け部であり、第2ギア部1763dは規制力FBを受ける規制力受け部であるとも言える。なお、図55(b)には、第1本体ギア部1781cが受ける駆動力FDの反力FF、第2本体ギア部1781dが受ける規制力FBの反力FEを示している。
また、駆動伝達ギア1781のI方向への回転開始直後、最初に駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cが駆動側フランジ1763の第1ギア部1763cと噛み合い駆動力FDを伝達した場合は、図54(d)もしくは図55(a)に示す状態となる。その後は上述したものと同様に、駆動伝達ギア1781は、第1ギア部1763cへ駆動力FDを伝達しながら、駆動側に向かってJ方向に移動し、図55(b)及び図55(c)に示すつり合い状態へと遷移する。
このように、本実施例においても、第1ギア部1763cが駆動力FDを受け、第2ギア部1763dが規制力FBを受けた状態は、駆動側フランジ1763と駆動伝達ギア1781の間で回転方向(I方向)のガタ(バックラッシュ)が無い状態、即ちバックラッシュレス状態である。このように、駆動側フランジ1763はバックラッシュレス状態を維持したままK方向に回転駆動されることになる。バックラッシュレス状態でかみ合って駆動伝達している間は、回転精度の良い駆動伝達が可能である。
また、回転軸線L1の方向に関して、第1ギア部1763cの方が第2ギア部1763dよりも平面1773e及び平面1773fによって支持される被支持部である突起1763gに近い位置に配置されている。そして、駆動側フランジ1763は、駆動力FDを受ける第1ギア部1763cの方が、規制力FBを受ける第2ギア部1763dよりも、歯面にかかる力が大きい。そのため、駆動力FDがドラムユニット1769の回転軸線L1を軸倒れさせるように作用しドラム1762が理想的な回転軸線L1に対して傾斜する場合がある。しかし、本実施例のように、駆動力FDを受ける第1ギア部1763cを第2ギア部1763dよりも被支持部である突起1763gに近い位置に配置することで、駆動力FDを受けることに起因したドラムユニット1769の回転軸線L1の軸倒れを抑制することができる。
<現像ローラ1732への駆動伝達構成>
また、本実施例における現像ローラ1732への駆動力伝達構成は、実施例1の<その他の変形例>で図44を用いて説明した装置本体Aのカップリング部材と係合して駆動力を入力される現像カップリング部材89を介して現像ローラ532へ駆動力を伝達する構成と同様の構成である。
具体的な構成を図56、図57を用いて説明する。図56(a)は現像ユニット1720の現像ローラ1732を駆動する駆動列の斜視図である。図56(b)は、現像ユニット1720のカップリング部材1789近傍の部分斜視図である。図56(c)は、カートリッジBの斜視図である。図57は、装置本体Aの本体側カップリング部材1799近傍の部分斜視図である。
現像ユニット1720は、現像ローラ1732を駆動する現像駆動列を構成する、カップリング部1789aとギア部1789bを備える現像カップリング部材1789、ギア部1789bと噛み合うアイドラギア1790、アイドラギア1790と噛み合うアイドラギア1791、及び、現像ローラ1732の軸部の一端に固定されアイドラギア1791と噛み合う現像ローラギア1730を有する。
装置本体Aは、不図示のモータにより駆動される本体側カップリング部材1799が第一駆動側側板1715に支持されている。本体側カップリング部材1799は回転軸線方向に移動可能に設けられている。本体側カップリング部材1799と現像カップリング部材1789のカップリング部1789aが係合した状態でこれらが一体的に回転することで、本体側カップリング部材1799から現像カップリング部材1789へ駆動力が伝達される。そして、現像カップリング部材1789からアイドラギア1790、1791、現像ローラギア1730の順で現像ローラ1732へ駆動力が伝達される。
また、現像ユニット1720はトナー収容容器内のトナーを攪拌又は搬送する不図示のトナー移動部材(攪拌部材)が設けられており、現像カップリング部材1789が受けた駆動力は、別のギアを介してこのトナー移動部材へ伝達され、トナー移動部材を駆動する構成となっている。
なお、現像カップリング部材89からの駆動力で駆動する部材は、上述した現像ローラ1732や不図示のトナー移動部材に限らず、カートリッジBが備えるドラムユニット1769以外の何らかの部材(例えば、帯電部材、シール部材、清掃部材など)であっても良い。このように、現像カップリング部材1789から駆動力が伝達される部材(現像カップリング部材1789と駆動力伝達可能に接続された部材)は現像ローラ1732に限られない。
このように、装置本体Aが、カートリッジBへの駆動力出力手段として、駆動伝達ギア1781と本体側カップリング部材1799という2系統の駆動力出力手段を備える。これにより、駆動伝達ギア1781と本体側カップリング部材1799のうちの一方を駆動しながら他方を駆動停止するなどの制御を行うことが可能である。具体例としては、ドラム1762の駆動停止中に現像ローラ1732を駆動する制御が可能となる。
また、カートリッジBにおいては、駆動側フランジ1763は、現像ローラ1732を駆動する現像駆動列又は現像カップリング部材1789と駆動力伝達可能に接続された部材に含まれない。従って、カートリッジBが装置本体Aから取り外された状態において、使用者がドラム1762を回転させても、現像ローラ1732又は現像カップリング部材1789と駆動力伝達可能に接続された部材が、ドラム1762の回転に応じて駆動させられることが抑制される。このため、現像ローラ1732又は現像カップリング部材1789と駆動力伝達可能に接続された部材が不必要に駆動されてトナー漏れ等が発生する可能性を低減することができる。
このように、本実施例では現像カップリング部材1789へ入力される駆動力によって現像ローラ1732を駆動する構成であったが、実施例1と同様に駆動側フランジ1763から現像ローラギア1730へ駆動力を伝達して現像ローラ1732を駆動する構成としてもよい。
以上説明したように、本実施例によれば実施例1と同様の効果を得ることができる。また先述した各実施例の要素を本実施例の構成に適用することが可能である。特に駆動側フランジ1763の第1ギア部1763cの第1斜歯(第1突起)1763ct、第2ギア部1763dの第2斜歯(第2突起)1763dtの構成を、実施例2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、16に示される斜歯、平歯、突起等に変更してもよい。
[実施例18]
本実施例は、実施例17と比較して、駆動側フランジ1763を覆うようにリング状の弾性部材を設けている点が異なる。それ以外の点については実施例17と同様であり、詳細な説明は省略する。また、本実施例における各要素のうち、実施例1の要素と対応している要素に対しては、対応している実施例1の要素と関連付けた符号を付している。これらの要素について、特段の説明が無い事項については、対応している実施例1の要素と同様である。
図61はドラムユニット1869の駆動側フランジ1863近傍の部分斜視図である。図62は第2ギア部1863dと第2本体ギア部1881dの断面図であり、その断面は回転軸線L1と直交する断面である。
駆動側フランジ1863は、実施例17の駆動側フランジ1763と同形状である。本実施例では、更に弾性変形可能なリング状の弾性部材である弾性リング1801が第2ギア部(第2ユニット側ギア部)1863dの外周の全体又は一部を覆うように設けている。
弾性リング1801は薄膜状のゴムまたはスポンジなどであり、厚みは、ゴムであれば、ニトリルゴム等で0.01~1mm程度、スポンジなどであれば、1~6mm程度が望ましい。また、駆動側フランジ1863に取り付ける前の状態における弾性リングの内径は、第2ギア部1863dの外径の0.5~0.9倍程度であることが望ましい。本実施例では第2ギア部1863dの外径Φ20mmであり、弾性リング1801は内径Φ14mmとした。第2ギア部1863dの外径Φ20mmである場合、弾性リング1801の内径は、Φ20mmよりも若干径が小さいΦ10mm~18mmの範囲で適宜選択するのが望ましい。Φ18mmより大きいと第2ギア部1863dから外れる可能性があり、Φ10mmよりも小さいと第2ギア部1863dを締め付ける力が強く、第2ギア部1863dが変形する可能性がある。
図62に示すように、カートリッジBを装置本体Aに装着すると、弾性リング1801は弾性変形し、第2ギア部1863dの第2斜歯1863dtと、駆動伝達ギア81の第2斜歯1781dtとに倣う形状となり、弾性リング1801を介して第2ギア部1863dと第2本体ギア部1781dとが噛み合った状態となる。また、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)1863cは第1本体ギア部1781cと噛み合う。
駆動伝達ギア1781が矢印I方向に回転すると、第2ギア部1863dには弾性リング1801を介して第2本体ギア部1781dから力が伝達される。このため、第2ギア部1863dは、実施例17の第2ギア部1763dと同様の機能を発揮する。そのため、駆動伝達ギア1781が矢印I方向に回転すると、実施例17と同様に駆動側フランジ1863と駆動伝達ギア1781の間で回転方向(I方向)のガタ(バックラッシュ)が無い状態、即ちバックラッシュレス状態となる。
なお、弾性リング1801は、カートリッジBを装置本体Aに装着する前などの駆動伝達ギア1781と接触していない状態において、第2ギア部1863dの複数の第2斜歯1863dtの複数の隙間1863dsを埋めるよう、駆動側フランジ1863の回転軸線L1に向かう方向に突出した複数の凸部を内周部に有した形状であってもよい。
また、本実施例では、第2ギア部1863dの外周に弾性リング1801が設けているが、第1ギア部1863cの外周の全体又は一部に弾性リング1801を設ける、または第2ギア部1863dと第1ギア部1863cの両方の外周の全体又は一部に弾性リング1801を設けてもても良い。これらの場合でも、弾性リング1801を介して、それぞれのギアの歯面間で力の伝達が行われる。そのため、第1ギア部1863cと第2ギア部1863dは、実施例17の第1ギア部1763cと第2ギア部1763dと同様の機能を発揮する。そのため、駆動伝達ギア1781が矢印I方向に回転すると、駆動側フランジ1863と駆動伝達ギア1781の間で回転方向(I方向)のガタ(バックラッシュ)が無い状態、即ちバックラッシュレス状態となる。
また、駆動側フランジ1863は、実施例17の駆動側フランジ1763と同形状だが、弾性リング1801の厚み等を考慮して、ギアの歯先形状やギアの大きさを適宜変更してもよい。
以上説明したように、本実施例によれば実施例17と同様の効果を得ることができる。また先述した各実施例の要素を本実施例の構成に適用することが可能である。特に駆動側フランジ1863の第1ギア部1863cの第1斜歯(第1突起)1863ct、第2ギア部1863dの第2斜歯(第2突起)1863dtの構成を、実施例2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、16に示される斜歯、平歯、突起等に変更してもよい。
[実施例19]
本実施例は、実施例17と比べると、駆動力FDを受ける第1ギア部(外歯ギア部1902b等)の回転軸線(L19等)と規制力FBを受ける第2ギア部(1963d)の回転軸線(L1)とが同軸でなく平行である点が異なる。それ以外の点については実施例17と同様であり、詳細な説明は省略する。また、本実施例における各要素のうち、実施例1の要素と対応している要素に対しては、対応している実施例1の要素と関連付けた符号を付している。これらの要素について、特段の説明が無い事項については、対応している実施例1の要素と同様である。
<ドラムユニット1969>
図63はドラムユニット1969の部分斜視図である。ドラムユニット1969の駆動側フランジ1963は、図63に示すように、ドラム回転軸線L1を中心として、内部ギア部1963f、第2ギア部1963d、突起1963g、小径部1963e、フランジ部1963hを備えている。内部ギア部1963fは平歯ギアである。ドラムユニット1969は、後に詳細を述べるギア1902を更に有している(図65等を参照)。ギア1902は、第1ギア部としての外歯ギア部1902bと内部ギア部1963fと噛み合う内歯ギア部1902aを備える。
突起1963gは、略円筒形状であり、ドラム回転軸線L1に沿って、内部ギア部1963fよりドラム1962側とは反対方向(J方向に関して下流側)に突出し設けられる。小径部(円筒部)1963eは、略円筒形状であり、ドラム回転軸線L1に沿って、内部ギア部1963fよりドラム1962側(H方向に関して下流側)に突出し設けられる。第2ギア部1963dは、実施例17同様、ねじれ角α2の斜歯であり、小径部1963eのドラム1962側(H方向に関して下流側)に設けられる。フランジ部1963hは、ドラム1962の直径もしくはそれ以上の径を持った薄い円盤形状であり、第2ギア部1963dのドラム1962側(H方向に関して下流側)に設けられる。
<ドラムユニット1969の支持構成>
次に、ドラムユニット1969を支持する構成について図64、図65、図66、図67を用いて説明する。
図64はドラムユニット1969が取り付けられたクリーニングユニット1960の側面図(回転軸線L1に直交する方向から見た図)である。図65はクリーニングユニット1960の駆動側部分の分解斜視図である。図66は、クリーニングユニット1960の駆動側フランジ1963近傍の部分断面図であり、その断面は回転軸線L1を含む断面である。図67はクリーニングユニット1960の部分断面図であり、回転軸線L1に直交し内部ギア部1963fを通る断面をJ方向に沿って見た断面図である。
図64に示すように、クリーニングユニット1960のクリーニング枠体1960aはドラムユニット1969を支持している。クリーニングユニット1960のクリーニング枠体1960aは、枠体部材1971とドラム軸受け部材1973で構成されている。クリーニング枠体1971には、ドラム摺動部1971gが設けられている。
駆動側フランジ1963は実施例17と同様の方法でドラム軸受け1973に回転可能に支持されている。実施例17で説明したのと同様に、ドラムユニット1969の駆動側フランジ1963が駆動伝達ギア1781と係合した後、駆動伝達ギア1781が所定方向へ回転すると、駆動伝達ギア1781に連動して駆動側フランジ1963が回転する一方で、先に述べたように、ドラムユニット1969にはH方向のスラスト力が発生する。このスラスト力によって、非駆動側フランジ1964とドラム摺動部1971gが当接してドラムユニット1969のH方向への移動が規制される。
図65に示すように、軸受け部材1973は枠体部材1971に支持される。枠体部材1971には、軸受け部材1973との位置決め部である円筒部19710bがドラムユニット1969側に突出して設置されている。軸受け部材1973には、枠体部材1971との位置決め部である円筒部19730rがドラムユニット1969側に突出して設置されている。
円筒部19710bの内周面19710dは円弧形状で形成され、かつ円弧の中心がドラム回転軸線L1と一致する位置に設けられる。また、円筒部19730rの外周面19730bは円弧形状で形成され、且つ円弧の中心がドラム回転軸線L1と一致する位置に設けられる。一方、円筒部19710bの外周面19710cは円弧面形状で形成されるが、円弧面の中心軸L19(ギア1902の回転軸線L19と同軸)がドラム回転軸線L1と平行且つ同軸で無いずれた位置に設けられる。言い換えると、円筒部19710bの外周面19710cは、内周面19710dに対して偏心した位置に設けられる。
円筒部19710bの外周面19710cは、ギア1902を、回転軸線L19を中心に回転可能に、支持する。ギア1902は、略円筒形状で、円筒の回転軸線L19を中心として、内周部に内歯ギア部1902a、外周部に第1ギア部(第1ユニット側ギア部)としての外歯ギア部1902bが設置されている。内歯ギア部1902aは平歯で、外歯ギア部1902bはねじれ角α1の斜歯であり、駆動側フランジ1963の第2ギア部(第2ユニット側ギア部)1963dの歯数と同じである。さらに、ギア1902の一端側には支持部1902c、他端側には円筒部1902dが設置されている。支持部1902cは、略円筒形状であり、回転軸線L19に沿って、外歯ギア部1902bおよび内歯ギア部1902aよりドラム1962とは反対方向(J方向に関して下流側)に突出して設けられる。円筒部1902dは、略円筒形状であり、回転軸線L19に沿って、外歯ギア部1902bおよび内歯ギア部1902aよりドラム1962側(H方向に関して下流側)に向かってに突出して設けられる。
図66に示すように、支持部1902cの内周面(被支持部)は、円筒部19710bの外周面19710cに係合し、ギア1902は、枠体部材1971に回転軸線L19を中心に回転可能に支持される。また、円筒部19730rの外周面19730bは、円筒部19710bの内周面19710dに係合し、軸受け部材1973は枠体部材1971に位置支持決めされる。駆動側フランジ1963は、ギア1902の内周部を貫通してクリーニング枠体1960aに設置される。駆動側フランジ1963は、実施例17と同様に、突起1963gが軸受け部材1973によって回転軸線L1で回転可能に支持される。
また、図67で示すように、駆動側フランジ1963の内部ギア部1963fは平歯で、ギア1902の内歯ギア部1902aの歯数と同数である。ギア1902、内歯ギア部1902aが内部ギア部1963fにはめ込まれるように設置され、回転方向で内歯ギア部1902aと内部ギア部1963fの歯面同士が係合する。つまり、内歯ギア部1902aと内部ギア部1963fは回転駆動力を伝達可能に噛み合っている。
前述したように、枠体部材1971の円筒部19710bの外周面19710cは内周面19710dに対して偏心した位置に設けられる。このため、外周面19710cで支持されるギア1902は、内周面19710dに軸受け部材1973を介して支持される駆動側フランジ1963に対して偏心した位置で係合している。つまり、ギア1902と駆動側フランジ1963は、互いの回転軸線L19と回転軸線L1が平行且つ非同軸の状態で回転可能に配置され、また互いに回転駆動力を伝達可能である。なお、図67においては、回転軸線L19と回転軸線L1の位置を、左右に伸びた水平一点鎖線と上下に伸びた鉛直一点鎖線の交点でそれぞれ示しており、回転軸線L19に対応する水平一点鎖線と回転軸線L1に対応する水平一点鎖線のずれが確認できる。また、ギア1902は駆動側フランジ1963に駆動力伝達可能に接続された非同軸回転部材と称すこともできる。
<ドラムユニット1969への駆動力伝達>
次に、ドラムユニット1969への駆動力伝達について、図68、図69を用いて説明する。図68はドラムユニット1969と駆動伝達ギア1781の係合状態を示す断面図であり、その断面は回転軸線L1を含む断面である。図69は、ドラムユニット1969と駆動伝達ギア1781の係合状態を示す断面図であり、回転軸線L1に直交し内部ギア部1963fを通る断面をJ方向に沿って見た断面図である。
図68で示すように、実施例17同様、駆動伝達ギア1781の第2本体ギア部81dは、駆動側フランジ1963の第2ギア部1963dと噛み合う。また、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cは、ギア1902の外歯ギア部(第1ギア部)1902bと噛み合い、ギア1902の内歯ギア部1902aが駆動側フランジ1963の内部ギア部1963fと噛み合う。
図69に示すように、駆動伝達ギア1781が矢印I方向に回転することで、外歯ギア部1902bと第1本体ギア部1781cとの噛み合いで駆動力を受けてギア1902は、回転軸線L19を中心に矢印KW方向へと回転する。この時、内歯ギア部1902aは、駆動側フランジ1963の内部ギア部1963fと回転方向で係合し、駆動力を駆動側フランジ1963へ伝達する。これにより、駆動側フランジ1963は回転軸線L1を中心に矢印K方向へ回転する。
駆動伝達ギア1781が矢印I方向に回転することで、外歯ギア部1902bは、第1本体ギア部1781cとの噛み合いにより矢印H方向(図68参照)へ向かうスラスト力を受ける。このため、図68で示すように、ギア1902は矢印H方向へ移動し、円筒部1902dが駆動側フランジ1963の第2ギア部1963dの端面に当接して、ギア1902の矢印H方向の移動が規制される(止まる)。
一方で、駆動伝達ギア1781は、外歯ギア部1902bとの噛み合いによりスラスト力を受けて矢印J方向へ移動する。そして、実施例17と同様に、第2本体ギア部1781dが駆動側フランジ1963の第2ギア部1963dと係合するつり合いの位置まで移動し、回転軸線L1の方向の移動が止まる。
このつり合い状態において、外歯ギア部(第1ギア部)1902bが第1本体ギア部1781cから駆動力FDを受ける。ギア1902は剛体とみなせるので、この駆動力FDは、内歯ギア部1902aと内部ギア部1963fの噛み合い(係合)により、駆動側フランジ1963へ伝達された状態となる。即ち、駆動側フランジ1963はギア1902を介して駆動力FDを受けた状態となる。更に、駆動側フランジ1963は、第2ギア部1963dが第2本体ギア部1781dから規制力(ブレーキ力)FBを受けた状態となる。そして、第2ギア部1963dの歯は、第1ギア部1902bの歯に対して相対的にI方向の反対方向に移動(回転)できないよう固定された状態となっている。従って、ドラムユニット1969(ドラム1962、駆動側フランジ1963、及び、ギア1902)は、バックラッシュレス状態で駆動される。このため、本実施例の構成を用いても実施例17と同様の効果が得られる。
なお、駆動伝達ギア1781の回転開始直後に、第2ギア部1963dと第2本体ギア部1781dとの噛み合いによって、駆動側フランジ1963がK方向に回転し、ギア1902が、内歯ギア部1902aと内部ギア部1963fの噛み合いにより、KW方向へ回転させられる場合もある。この場合も駆動伝達ギア1781がJ方向に移動していく過程で第1本体ギア部1781cが外歯ギア部1902bと噛み合い、最終的に上述したつり合い状態へと移行する。
このように、本実施例では、外歯ギア部1902b(第1ギア部)の回転軸線L19と第2ギア部1963dの回転軸線L1とが同軸でなく平行である。そして、つり合い状態においては、ギア1902には以下の(i)~(iii)の部分が存在する。(i)入力部:外歯ギア部1902bのうち少なくとも駆動伝達ギア1781と噛み合っている部分(第1ギア部の少なくとも一部)、(ii)伝達部:駆動側フランジ1963へ駆動力を伝達する内歯ギア部1902aのうちのと内部ギア部1963fと噛み合っている部分、(iii)出力部:(i)入力部と(ii)出力部の間の部分。そして、ギア1902の(i)~(iii)の部分は、K方向に関して実質的に剛体であるので、これらは一体的にK方向に沿って移動する。従って、つり合い状態においては、ギア1902の(i)~(iii)の部分と駆動側フランジ1963の第2ギア部1963dと、が、K方向(回転軸線L1を中心とする回転方向)に関して、一体的に移動する。このため、駆動側フランジ1963には、駆動力FDに対応する力と規制力FBが作用し、バックラッシュレス状態での駆動が実現し、駆動実施例17と同様の効果が得られる。また、このことは、駆動力FDを受ける第1ギア部や回転軸線と規制力FBを受ける第2ギア部が、つり合い状態において一体的にK方向に移動可能な構成であればよく、上述した実施例1~18のように、第1ギア部と第2ギア部が駆動側フランジ1963に常時一体的に固定された構成でなくてもよいことを示している。
また本実施例では、駆動力FDを受ける第1ギア部の回転軸線と規制力FBを受ける第2ギア部の回転軸線とが同軸でない構成の一例を示した。つまり、規制力FBを受ける第2ギア部(1963d)の回転軸線を駆動側フランジ(1963)の回転軸線(L1)と同軸としつつ、駆動力FDを受ける第1ギア部(1902b)の回転軸線が駆動側フランジ(1963)の回転軸線(L1)と同軸でない例を示した。具体的には、駆動側フランジ1963に駆動力伝達可能に接続された非同軸回転部材としてのギア1902に第1ギア部(1902b)を設ける構成とした。しかし、駆動力FDを受ける第1ギア部の回転軸線と規制力FBを受ける第2ギア部の回転軸線とが同軸でない構は、このような構成に限られない。
例えば、別の例として、駆動力FDを受ける第1ギア部の回転軸線を駆動側フランジの回転軸線と同軸としつつ、規制力FBを受ける第2ギア部の回転軸線が駆動側フランジの回転軸線と同軸でない構成としても良い。この構成の場合、具体的には、駆動側フランジに第1ギア部を設け、駆動側フランジに駆動力伝達可能に接続された非同軸回転部材に第2ギア部を設ける構成とする。より具体的な構成の例として、実施例17の駆動側フランジ1763において、第1ギア部1763cはそのまま残し、第2ギア部1763dの位置に第2ギア部を備えるギア1902を本実施例と同様に配置する構成とすれば良い。
更に別の例として、駆動力FDを受ける第1ギア部の回転軸線、規制力FBを受ける第2ギア部の回転軸線、及び、駆動側フランジの回転軸線が互いに同軸でない構成としても良い。この構成の場合、具体的には、駆動側フランジに駆動力伝達可能に接続された第1の非同軸回転部材に第1ギア部を設け、駆動側フランジに駆動力伝達可能に接続され、第1の非同軸回転部材と非同軸で回転する第2の非同軸回転部材に第2ギア部を設ける構成とする。より具体的な構成の例として、実施例17の駆動側フランジ1763において、第1ギア部1763cの位置に第1ギア部を備えるギア1902を本実施例と同様に配置し、第2ギア部1763dの位置に第2ギア部を備えるギア1902を本実施例と同様に配置する構成とすれば良い。
なお、駆動側フランジ1963と非同軸回転部材(ギア1902)との駆動力伝達可能な接続構成は、内歯ギア部1902aと内部ギア部1963fのような平歯ギアの噛み合い構成に限られない。例えば、斜歯ギアや周方向に配置された複数の突起による駆動力伝達可能な接続構成としてもよい。また、オルダム継手(実施例19の変形例2で詳述)などの非同軸駆動力伝達継手を駆動側フランジ1963と非同軸回転部材(ギア1902)との駆動力伝達可能な接続構成としても良い。
<実施例19の変形例1>
上述の実施例19では、駆動側フランジ1963の内部ギア部1963fとギア1902の内歯ギア部1902aは歯数が同じで一体で回転する構成について説明したが、本変形例では、駆動側フランジ1963とギア1902の回転数が異なる構成を説明する。図70はクリーニングユニット1960の駆動側部分の分解斜視図である。図71はドラムユニット1969と駆動伝達ギア1781の係合状態を示す断面図であり、回転軸線L1に直交し内部ギア部1963fを通る断面をJ方向に沿って見た断面図である。
前述した構成のギア1902に代わり、非同軸回転部材としてギア1903が設置されており、駆動側フランジ1963に代わり、駆動側フランジ1963が設置されている。前述した構成同様、ギア1903はクリーニング枠体1971の円筒部1971bの外周面1971cに回転可能に支持されており、駆動側フランジ1963は、ギア1903を貫通して軸受け部材1973に回転可能に支持されている。
図71に示すように、ギア1903の内歯ギア部1903aは、駆動側フランジ1963の第1ギア部1963cに対し大きく構成されており、前述した構成よりもさらに大きく偏心している。なお、図71においては、回転軸線L19と回転軸線L1の位置を、左右に伸びた水平一点鎖線と上下に伸びた鉛直一点鎖線の交点でそれぞれ示している。
つり合い状態においては、ギア1903の少なくとも外歯ギア部1903bの駆動伝達ギア1781と噛み合っている部分(第1ギア部の少なくとも一部)と第2ギア部1963dとが、回転軸線L1を中心とする回転方向に関して一体的に移動する。このため、前述した実施例19と同様の効果が得られる。
なお、本実施例では、駆動側フランジ1963の第1ギア部1963cとギア1903の内歯ギア部1903aは平歯ギアで構成されているが、互いの偏心を許容できる構成であれば斜歯ギアで構成してもよい。
<実施例19の変形例2>
非同軸回転部材と駆動側フランジ1963との間の駆動力伝達構成としてオルダム継手を使った構成について説明する。図72は、ドラムユニット1969の部分斜視図である。図72に示すように、駆動フランジ1963は、ドラム回転軸線L1を中心として、ギア部1963d、突起1963g、小径部1963e、フランジ部1963hを備えている。
小径部1963eは、略円筒形状であり、ドラム回転軸線L1に沿って、ギア部1963cよりドラム1962とは反対側(J方向に関して下流側)に突出し設けられる。小径部1963eには、ドラム1962側(H方向に関して下流側)に窪んだ凹部1963rが設けられている。凹部1963rの側面部1963sはドラム回転軸線L1方向に平行な平面形状を有し、ドラム回転軸線L1を挟んで等間隔の位置にそれぞれ配置される。また、凹部1963rは、ドラム回転軸線L1と直交する方向に小径部1963gを挟んで対称位置に2か所設けられている。
突起1963gは、円筒形状であり、ドラム回転軸線L1に沿って、小径部1963eよりドラム1962とは反対方向(J方向に関して下流側)に突出し設けられる。
フランジ部1963hは、ドラム1962の直径もしくはそれ以上の径を持った薄い円盤形状であり、1963ギア部1963dのドラム1962側(H方向に関して下流側)に設けられる。ギア部1963dは、実施例17同様、ねじれ角α2の斜歯である。
またドラムユニット1969は、後に詳述する第1ギア部としてのギア部1904cを備えるギア1904及び従動カップリング1905を備える。
次に、クリーニングユニットの構成について図73を用いて説明する。図73は、クリーニングユニットの駆動側の分解斜視図であり、(a)は駆動側から非駆動側に向かって見た図、(b)は非駆動側から駆動側に向かって見た図である。図73(a)、(b)に示すように、軸受け部材1973は枠体部材1971に支持される。枠体部材1971の側面には軸受け部材1973との位置決め部である孔1971dが設けられており、孔1971dは円弧形状で形成され、且つ円弧の中心がドラム回転軸線L1と一致する位置に設けられている。また、枠体部材1971には、円筒部1971bがH方向に関して下流)に突出して設置されている。円筒部1971bの内周面1971cは円弧面形状であり、円弧面の中心線L19はドラム回転軸線L1と同軸で無いが平行となる位置に設けられる。言い換えると、孔1971dは、内周面1971cに対して偏心した位置に設けられる。
円筒部1971bの内周面1971cには、非同軸回転部材としてのギア1904が回転可能に支持される。ギア1904は、略円筒形状で、円筒の軸線を中心として、貫通穴1904a、外周の第1ギア部としてのギア部1904c、円筒部1904dを同軸で備える。ギア部1904cはねじれ角α1の斜歯である。ギア1904の側面からは、凸部1904bがH方向に関して下流側に突出して設置されている。
ギア1904の回転軸線をギア回転軸線L19としたとき、凸部1904bの側面部1904e、1904fはギア回転軸線L19方向に平行な平面形状を有し、ギア回転軸線L19を挟んで等間隔の位置にそれぞれ配置される。さらに、凸部1904bは回転軸線L1を中心とする半径方向において、ギア部1904cの歯底部から突出しない円弧形状を有する。また、凸部1904bは、ギア回転軸線1901と直交する方向に貫通穴1904aを挟んで対称位置に2か所設けられている。円筒部1904dはJ方向に関して下流側に突出している。円筒部1904dは枠体部材1971の円筒部1971bの内周面1971cに嵌まり込むことで、ギア1904が枠体部材1971に回転可能に支持される。
ギア1904のH方向に関して下流側には、従動カップリング1905が設置される。従動カップリング1905は、略円筒形状で、円筒形状の軸線を中心として、貫通穴1905a、円筒部1905dを同軸で備える。円筒部1905dのH方向に関して下流側には凸部1905bがH方向に関して下流側に突出して設置されている。また、円筒部1905dのJ方向に関して下流側には凹部1905cがH方向に関して下流側に窪んで設置されている。凸部1905bは円筒形状の軸線を中心として、凹部1963rの側面部1963sと等間隔の平行な面を有し、凹部1905cは円筒形状の軸線を中心として、凸部1904bの側面部1904e、1904fと等間隔の平行な面を有し、凸部1905bおよび凹部1905cは円筒形状の軸線を中心として直交方向に配置される。
従動カップリング1905の凹部1905cにギア1904の凸部1904bが円筒の回転軸線L1の方向で嵌まり込み、凸部1904bが凹部1905c内で190Y方向(図73(b)参照)に移動(スライド)可能である。190Y方向は、回転軸線L1と直交する面に平行な方向である。また、凸部1904bは、回転軸線L1まわりに従動カップリング1905を回動させる駆動力を、凹部1905cへ伝達可能である。
さらに、従動カップリング1905の貫通穴1905a、および、ギア1904の貫通穴1904aを駆動フランジ1963の突起1963gが貫通する。ここで、貫通穴1905a、貫通穴1904aの径方向の大きさは、突起1963gの外径に対し十分に大きく設定されている。
また、従動カップリング1905の凸部1905bが駆動フランジ1963の凹部1963rに回転軸線L1の方向で嵌まり込み、凸部1905bが凹部1963r内で190X方向に移動(スライド)可能である。190X方向は、回転軸線L1と直交する面に平行な方向であって、回転軸線L1に沿って見た時に190Y方向と直交する方向である。また、凸部1905bは、回転軸線L1まわりに駆動フランジ1963を回動させる駆動力を、凹部1963rへ伝達可能である。
突起1963g先端は、実施例17同様、ドラム軸受け部材1973に回転可能に支持される。
前述したように、枠体部材1971の円筒部1971bの内周面1971cは孔1971dに対して偏心して配置される。このため、内周面1971cに支持されるギア1904と、孔1971dと同軸上に支持される駆動側フランジ1963は偏心した位置でそれぞれ回転可能に回転支持される。
次に駆動伝達ギア1781との係合について図74、図75を用いて説明する。図74は駆動伝達ギア1781と噛み合うドラムユニット1969を示す図であり、回転軸線L1と直交する方向から見た図である。図75(a)~(e)は、ドラムユニット1969と駆動伝達ギア178の係合状態を示す断面図であり、回転軸線L1に直交しギア1904の凸部1904bを通る断面をH方向に沿って見た断面図である。なお、図75において、回転軸線L19の位置を、左右に伸びた水平一点鎖線と上下に伸びた鉛直一点鎖線の交点で示しているが、一方で回転軸線L1の位置は、円形に示された突起1963gの中心であるため、図の簡略化のため記載を省略した。また図75の従動カップリング1905上に示した黒丸は、従動カップリング1905の特定の部分を指す印であり、従動カップリング1905の回転位相をわかりやすくするために記載している。
図74に示すように、駆動伝達ギア1781の第2本体ギア部1781dは駆動側フランジ1963の第2ギア部1963dと係合し、第1本体ギア部81cは、ギア1904(第1ギア部)と係合する。
図75(a)~(e)で示すように、駆動伝達ギア1781がI方向へ回転することで、駆動伝達ギア1781からギア部1904c(第1ギア部)に駆動力が伝達され、ギア1904がギア回転軸線L19を中心にKW方向へ回転する。そして駆動伝達ギア1781の駆動力は、ギア1904と係合する従動カップリング1905を介して、駆動フランジ1963に伝達され、駆動フランジ1963を、回転軸線L1を中心にK方向(図72参照)に回転させる。
ギア1904およびドラムユニット1969が回転するのに伴い、従動カップリング1905が、凸部1905b(図74参照)が駆動側フランジ1963の凹部1963r内で移動することより、駆動フランジ1963に対して190X方向に移動する。更に、ギア1904は、凸部1904bが凹部1905c内で移動することにより、従動カップリング1905に対して190Y方向に移動する。これにより、ギア1904(回転軸線L19)と駆動側フランジ1963(回転軸線L1)は、偏心した位置(非同軸で平行な状態)を保ったまま、ギア1904と駆動側フランジ1963との間で回転するための駆動力を伝達することができる。
そして、実施例19と同様の作用によって、駆動伝達ギア1781がつり合い位置へと移動し、つり合い状態となる。つり合い状態では、駆動伝達ギア1781は、第2ギア部1963dで規制力FBを受け、ギア1904のギア部1904c(第1ギア部)が受けた駆動力FDに対応する力を、従動カップリング1905を介して、側面部1963sで受ける。そして、第2ギア部1963dの歯は、第1ギア部1904cの歯に対して相対的にI方向の逆方向に移動(回転)できないよう固定された状態となっている。このため、バックラッシュレス状態となり、実施例17と同様の効果が得られる。
以上説明したように、実施例19、実施例19の変形例1、及び実施例19の変形例2によれば、実施例17と同様の効果を得ることができる。また先述した各実施例の要素を本実施例の構成に適用することが可能である。特に第1ギア部の第1斜歯(第1突起)、第2ギア部の第2斜歯(第2突起)の構成を、実施例2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、16に示される斜歯、平歯、突起等に変更してもよい。
[実施例20]
次に、実施例20について図76、図77、図78、図79を用いて以下に説明する。本実施例は、実施例17と比べると、駆動力FDを受ける第1ギア部(外歯部2002b)は、一部の領域においてのみ、規制力FBを受ける第2ギア部(2063d)の回転軸線(L1)と同軸で回動する点が異なる。もしくは、本実施例は、実施例17と比べると、第1ギア部(外歯部2002b)の移動が、一つの回転軸線(L1)を中心とする回転のみで構成されていないとも言える。それ以外の点については実施例17と同様であり、詳細な説明は省略する。また、本実施例における各要素のうち、実施例1の要素と対応している要素に対しては、対応している実施例1の要素と関連付けた符号を付している。これらの要素について、特段の説明が無い事項については、対応している実施例1の要素と同様である。
<ドラムユニット2069>
図76はドラムユニット2069の部分斜視図である。図77はクリーニングユニット2060及びドラムユニット2069の駆動側の分解斜視図である。図78はクリーニングユニット2060の駆動側フランジ2063のギア部2063fの位置での断面図である。
図76に示すように、駆動側フランジ2063は、ドラム回転軸線L1を中心として、ギア部2063f、第2ギア部(第2ユニット側ギア部)2063d、突起2063g、小径部2063e、フランジ部2063hを備えている。ギア部2063fは、歯付きベルトに対応するプーリ形状である。
突起2063gは、略円筒形状であり、ドラム回転軸線L1に沿って、ギア部2063fよりドラム2062側とは反対方向(J方向に関して下流側)に突出し設けられる。小径部2063eは、ギア部2063fの直径以上、かつ第2ギア部2063dの直径以下の略円筒形状であり、ドラム回転軸線L1に沿って、ギア部2063fよりドラム2062側(H方向に関して下流側)に設けられる。第2ギア部2063dは、実施例17同様、ねじれ角α2の斜歯であり、小径部2063eのドラム2062側(H方向に関して下流側)に設けられる。フランジ部2063hは、ドラム2062の直径もしくはそれ以上の径を持った薄い円盤形状であり、第2ギア部2063dのドラム2062側(H方向に関して下流側)に設けられる。
図77に示すように、ドラムユニット2069は、ベルト2002を更に有している(図77等を参照)。ベルト2002は、外周部に第1ギア部(第1ユニット側ギア部)としての外歯部2002bと、内周部にギア部2063fと噛み合う内歯部2002aを備える。ベルト2002は弾性を有するベルト状の部材である。外歯部2002bはねじれ角α1の斜歯である。
次に、駆動側のクリーニングユニット2060の構成を図77、図78を用いて説明する。図77で示すように、軸受け部材2073は、枠体部材2071に支持される。枠体部材2071には、略円筒状の穴20710aが設けられている。軸受け部材2073には、穴20710aに対向した位置に穴20710aと対向する略円筒状の穴20730aが設けられている。穴20710aと穴20730aの間にはプーリ2001が設置されている。プーリ2001は回転軸線L1と平行な軸線の方向に延びた略円筒形状をしている。プーリ2001は、回転軸線L1と平行な方向の両端に略円筒形状の突部である被支持部2001a、2001bを備え、中央部の周面にベルト2002の内歯部2002aに対応するプーリ形状である歯部2001cを備える。またプーリ2001は、被支持部2001aと歯部2001cとの間には、歯部2001cより大径のフランジ部2001dを備える。被支持部2001a、2001bが、それぞれ穴20710aと穴20730aに回転可能に支持されることで、プーリ2001は回転軸線L1と平行な回転軸線で回転可能である。
<ドラムユニット2069の支持構成>
軸受け部材2073と枠体部材2071によるドラムユニット2069のうちの駆動側フランジ2062とドラム2062の支持構成は、実施例19と同様であるため、説明を省略する。一方で、図78に示すように、ドラムユニット2069のベルト2002は、内歯部2002aは、駆動側フランジ2063のギア部2063fとプーリ2001の歯部2001cとに噛み合った状態で、プーリ2001とギア部2063fによって支持されている。また、ベルト2002は、駆動側フランジ2063とプーリ2001のいずれにも接触していない部分が大きく撓まないよう、適度な張力を持った状態で、駆動側フランジ2063とプーリ2001に支持されている。また駆動側フランジ2063(ギア部2063f)とプーリ2001(歯部2001c)の回転によってベルト2002は循環移動可能である。
<ドラムユニット2069への駆動力伝達>
次に駆動伝達ギア1781との係合状態について、図79、図80を用いて説明する。図79はドラムユニット2069と駆動伝達ギア1781の係合状態を示す断面図であり、回転軸線L1に直交しベルト2002を通る断面をJ方向に沿って見た断面図、図80はドラムユニット2069と駆動伝達ギア1781の係合状態を示す断面図であり、その断面は回転軸線L1を含む断面である。
図79に示すように、駆動伝達ギア1781が矢印I方向に回転することで、ベルト2002の外歯部2002bは第1本体ギア部1781cと係合し、循環移動方向である矢印KC方向に循環移動する。ベルト2002の循環移動に伴い、ベルト2002の内歯部2002aと係合する駆動側フランジ2063のギア部2063fが矢印K方向へと回転する。この時、ベルト2002のうち内歯部2002aと係合している部分を回動部2002Rとすると、回動部2002Rは回転軸線L1を中心にK方向に回動する。従ってベルト2002の回動部2002Rの循環移動方向KCはK方向と一致する。このため、第1ギア部としての外歯部2002bのうち回動部2002Rに含まれる部分を回動ギア部2002bRとすると、回動ギア部2002bRは回転軸線L1を中心に駆動側フランジ2063や第2ギア部2063dと同軸で一体的に回動する。また、ベルト2002のKC方向への循環移動に伴い、プーリ2001は矢印V20方向に回転する。
駆動伝達ギア1781が矢印I方向に回転することで、外歯部2002bは、第1本体ギア部1781cとの噛み合いにより矢印H方向へ向かうスラスト力を受け、ベルト2002は矢印H方向に移動しようとする。しかし、図80で示すように、駆動側フランジ2063の小径部2063eの直径がギア部2063fの直径よりも大きいため、ベルト2002の端面2002Eが小径部2063eの端面2063eEに当接し、ベルト2002の矢印H方向への移動が規制される(停止する)。
一方で、駆動伝達ギア1781は、外歯部2002bとの噛み合いによりスラスト力を受けて矢印J方向へ移動する。そして、実施例17と同様に、第2本体ギア部1781dが駆動側フランジ1963の第2ギア部2063dと係合するつり合いの位置まで移動し、回転軸線L1の方向の移動が止まる。駆動伝達ギア1781の駆動を開始してから駆動伝達ギア1781がつり合い位置に到達するまでの、第1ギア部(外歯部2002b)及び第2ギア部2063dの動作や作用は、実施例19と同様である。
このつり合い状態において、外歯部(第1ギア部)2002bの回動ギア部2002bRが第1本体ギア部1781cから駆動力FDを受ける。ベルト2002の回動部2002Rは剛体とみなせるので、この駆動力FDは、内歯部2002aとギア部2063fの噛み合い(係合)により、駆動側フランジ2063へ伝達された状態となる。即ち、駆動側フランジ2063はベルト2002の回動部2002Rを介して駆動力FDを受けた状態となる。更に、駆動側フランジ2063は、第2ギア部2063dが第2本体ギア部1781dから規制力(ブレーキ力)FBを受けた状態となる。そして、第2ギア部2063dの歯は、第1ギア部2002bの歯に対して相対的にI方向の逆方向に移動(回転)できないよう固定された状態となっている。従って、ドラムユニット2069(ドラム2062、駆動側フランジ2063、及び、ベルト2002)は、バックラッシュレス状態で駆動される。このため、本実施例の構成を用いても実施例17と同様の効果が得られる。
なお、本実施例では、つり合い状態で駆動力FDを受ける第1ギア部をベルト2002に設けた構成を示したが、つり合い状態で規制力FBを受ける第2ギア部をベルト2002と同様に支持されたベルトに設ける構成でもよい。また、駆動力FDを受ける第1ギア部をベルト2002に設けつつ、規制力FBを受ける第2ギア部を別のベルトに設ける構成でもよい。
また、本実施例では、ベルト2002に内歯部2002a、第1ギア部としての外歯部2002bがある構成を示したがこの限りではない。例えば、ベルトは、実施例18で示した弾性リング1801のような、駆動側フランジ2063のギア及び駆動伝達ギア1781のギアの形状に倣う形状に変形するようなベルトであってよい。この場合は、駆動側フランジ2063のギア部2063fを駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cと対応する形状とし、ギア部2063fがベルトを介して第1本体ギア部1781cと噛み合う構成とする。この場合については、ギア部2063fを、駆動力FDを受ける第1ギア部とみなすことも可能である。もしベルトが駆動側フランジ2063の第2ギア部2063dを覆い、ベルトが第2ギア部2063dのギア形状に倣うように設けた場合は、第2ギア部2063dを、規制力FBを受ける第2ギア部とみなせる。
以上説明したように、本実施例によれば実施例17と同様の効果を得ることができる。また先述した各実施例の要素を本実施例の構成に適用することが可能である。特に第1ギア部の第1斜歯(第1突起)、第2ギア部の第2斜歯(第2突起)の構成を、実施例2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、16に示される斜歯、平歯、突起等に変更してもよい。
[実施例21]
次に、実施例21について図81、図82を用いて以下に説明する。本実施例は実施例17と比べるとギア部の歯の突出方向が異なる。即ち、実施例17では各ギア部(第1ギア部、第2ギア部)の歯の突出方向は回転軸線L1を中心とする半径方向であったが、本実施例では歯の突出方向が回転軸線L1に平行な方向成分を有する方向とした。それ以外の点については実施例17と同様であり、詳細な説明は省略する。また、本実施例における各要素のうち、実施例1の要素と対応している要素に対しては、対応している実施例1の要素と関連付けた符号を付している。これらの要素について、特段の説明が無い事項については、対応している実施例1の要素と同様である。
<駆動側フランジ2163>
図81はドラムユニット2169の駆動側部分の部分斜視図である。図82は、駆動側フランジ2163を回転軸線L1に直交し突起部2163dを通る断面で切断したドラムユニット2169の部分斜視図である。図81に示すように、駆動側フランジ2163は、回転軸線L1を中心として、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)2163c、第2ギア部(第2ユニット側ギア部)としての突起部2163d、突起(被支持部)2163g、小径部2163e、フランジ部2163hを備えている。
第1ギア部2163cは、ねじれ角α1の斜歯であり、実施例17の第1ギア部1763cと実質的に同形状である。突起(被支持部)2163gは、回転軸線L1を中心とする略円筒形状であり、回転軸線L1に沿って、第1ギア部2163cよりドラム2162とは反対方向(J方向に関して下流側)に突出し設けられる。突起2163gは実施例17の突起1763gと実質的に同形状である。
小径部2163eは、略円筒形状であり、回転軸線L1に沿って、第1ギア部2163cよりドラム2162側(H方向に関して下流側)に突出し設けられる。フランジ部2163hは、ドラム2162の直径もしくはそれ以上の径を持った薄い円盤形状であり、小径部2163eのドラム62側(H方向に関して下流側)に設けられる。
第2ギア部としての突起部2163dは、複数の突起(歯)2163dtによって構成されている。複数の突起2163dtは、第1ギア部2163cの歯数と同数設けられ、駆動伝達ギア1781の第2本体ギア部1781dと係合可能な形状で形成される。更に、複数の突起(歯)2163dtは、フランジ部2163hから、回転軸線L1に沿ってドラム2162とは反対側へ向かうJ方向に延びるように突出し、且つ、J方向に向かうにつれて回転軸線L1を中心とする周方向であるK方向(駆動側フランジ2163の回転方向K)の下流側に向かうような、ねじれ角α2でねじれた螺旋状の突起である。即ち、突起(歯)2163dtのフランジ部2163hからの突出方向PDは、少なくとも回転軸線L1に平行なH方向成分と回転軸線L1を中心とする周方向であるK方向成分を有する方向である。複数の突起2163dtのねじれ角はねじれ角α2である。なお、突起2163dtを斜歯状ではなく平歯状に構成する場合は、突出方向PDは、回転軸線L1に平行なH方向成分を有するが周方向(K方向)成分を持たない。
また、複数の突起2163dtは側面にインボリュート面部分を有するインボリュート歯形の歯であり、実施例17の第2ギア部1763dの第2斜歯(第2突起)1763dtと実質的に同形状の部分を有している。このため、突起部2163dは、駆動伝達ギア1781の第2本体ギア部1781dと噛み合って駆動力や規制力FBを受けることが可能で、実施例17の第2ギア部1763dと同等の第2ギア部として機能する。
また、図82で示すように、複数の突起2163dtは、回転軸線L1を中心とした回転方向Kにおいて、等間隔に配置される。また、複数の突起2163dtは、回転軸線L1を中心とした半径方向に関して、その先端部が回転軸線L1から同一距離、かつ、その後端部が小径部2163eから一定の距離離れるように形成されている。従って、回転軸線L1を中心とした半径方向に関して、複数の突起2163dtの後端部と小径部2163eの外周面との間には空間が形成される。
このような駆動側フランジ2163であっても、第2ギア部2163dの歯(突起2163dt)は、第1ギア部2163cの歯に対して相対的にI方向の逆方向に移動(回転)できないよう固定された状態となっている。従って、駆動伝達ギア1781から駆動力FD及び規制力FBを受け、バックラッシュレス状態を維持したままK方向に回転駆動されることになり、実施例17と同様の効果を得ることが可能である。
なお、本実施例のおける駆動側フランジ2163は、複数の部材に分けて成形し、これらを接着することで製造してもよい。また、駆動側フランジ2163を、樹脂や金属等の異なる素材を用いて成形してもよい。特に突起2163dtは比較的細い形状であるので金属材料を用いた方が好ましい場合もある。
また、本実施例は、第2ギア部(突起部2163d)の歯である突起2163dtのフランジ部2163hからの突出方向PDを、回転軸線L1に平行なJ方向成分を有する方向とした。しかし、突出方向PDは、回転軸線L1に平行なH方向成分を有する方向としてもよい。その場合は、フランジ部2163hは、少なくとも第2ギア部(突起部2163d)よりもH方向上流側に配置する。また、第2ギア部を、実施例17の第2ギア部1763dと同様に、回転軸線L1を中心とする半径方向に突出した形状の歯で構成しつつ、第1ギア部2163cの歯を回転軸線L1に平行な成分(H方向成分もしくはJ方向成分)を有する突出方向に突出した突起で形成してもよい。もしくは、第1ギア部2163cの歯及び第2ギア部(突起部2163d)の歯を回転軸線L1に平行な成分(H方向成分もしくはJ方向成分)を有する突出方向に突出した突起で形成しても良い。
以上説明したように、本実施例によれば実施例17と同様の効果を得ることができる。また先述した各実施例の要素を本実施例の構成に適用することが可能である。特に駆動側フランジの第1ギア部の構成を実施例2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、16等に示される斜歯、平歯、突起等に変更してもよい。
[実施例22]
次に、実施例22について図83~図87を用いて以下に説明する。本実施例は実施例17と比べると、第1ギア部と第2ギア部との間の隙間gを埋めることが可能な部材を有する点が異なる。それ以外の点については実施例17と同様であり、詳細な説明は省略する。また、本実施例における各要素のうち、実施例1の要素と対応している要素に対しては、対応している実施例1の要素と関連付けた符号を付している。これらの要素について、特段の説明が無い事項については、対応している実施例1の要素と同様である。
<駆動側フランジ2263>
まずは、駆動側フランジ2263の構成について図83、図84を用いて説明する。図83は、ドラムユニット2269の駆動側の部分斜視図である。図84は、ドラムユニット2269の断面図であり、その断面は回転軸線L1と直交し、偏芯リング2201を通る断面である。駆動側フランジ2263は、回転軸線L1を中心として、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)2263c、突起部2263d、小径部2263e、円筒支持部2263gを備えており、さらに、小径部2263eには偏芯リング2201が取り付けられている。
第1ギア部2263cは、ねじれ角α1の斜歯である。円筒支持部(突起)2263gは、回転軸線L1を中心とする円筒形状であり、回転軸線L1に沿って、第1ギア部2263cよりドラム2262とは反対方向(J方向に関して下流側)に突出し設けられる。小径部2263eは、略円筒形状であり、回転軸線L1に沿って、第1ギア部2263cよりドラム2262方向(H方向に関して下流側)に突出し設けられる。突起部(第2ギア部、第2ユニット側ギア部、第2回転部)2263dは、回転軸線L1を中心として半径方向に延びた複数の突起(第2突起、歯)2263dtで構成され、回転軸線L1に沿って小径部2263eのドラム2262方向(H方向に関して下流側)に設けられる。複数の突起2263dtは、駆動伝達ギア1781の第2本体ギア部1781dと係合し(噛み合い)駆動力を伝達可能な形状で形成される。具体的には、複数の突起2263dtは、回転軸線L1を中心とする半径方向に突出した突起であり、その先端は、第1ギア部2263cの歯先円直径と略同一位置となるように構成される。また、複数の突起2263dtは第1ギア部2263cの歯数と同数であり、かつ回転軸線L1を中心とした回転方向Kにおいて、等間隔に配置される。このように、複数の突起2263dtは第2本体ギア部1781dと噛み合い回転駆動力を伝達可能であるので、この点では複数の突起2263dtは第2ギアと言え、突起部2263dは第2ギア部と言える。もちろん突起部2263dは、実施例17の第2ギア部1763d等に示されるギア部であってもよい。
偏芯リング(中間部材)2201は、図84に示すように、内径部2201aと外径部2201bで構成される円筒形状の部材であるが、内径部2201aと外径部2201bは中心位置が異なっている。また、内径部2201aを中心として、外径部2201bの最も突出した部分を厚肉部2201cとし、最も近い部分を薄肉部2201dとする。また、内径部2201aは、その径が駆動側フランジ2263の小径部2263eと略同一径となっている。偏芯リング2201の回転軸線L1からの半径は、厚肉部2201cの位置で最大の半径R2201max、薄肉部2201dで最小の半径R2201minである。
偏芯リング2201の内径部2201aが、駆動側フランジ2263の小径部2263eに回転可能に支持されている。偏芯リング2201の厚肉部2201cは、半径方向において、駆動側フランジ2263の第1ギア部2263cと突起部2263dよりも突出している。即ち、半径R2201maxは、突起部2263dの最大半径R2263d及び第1ギア部2263cの歯先円の半径よりも大きい。
また、薄肉部2201dは、半径方向において、駆動側フランジ2263の第1ギア部2263cと突起部2263dよりも引っ込む関係となる。即ち、半径R2201minは、突起部2263dの最大半径R2263d及び第1ギア部2263cの歯先円の半径よりも小さい。つまり、薄肉部2201dを設けることにより、回転軸線L1の方向に関して第1ギア部2263gと突起部2263dとの間に設けられた隙間gを形成する。さらに、半径R2201minは、後述する第1ギア部2263cや突起部2263dが駆動伝達ギア1781と係合した状態(図86(b)参照)において、薄肉部2201dが駆動伝達ギア1781の歯先に侵入しない長さに設定されている。
このように偏芯リング(中間部材)2201は、上述した隙間gを形成するための部分としての薄肉部2201dと隙間gを埋める部分としての厚肉部2201cを有する。そして、偏芯リング(中間部材)2201が回転軸線L1のまわりを回転することで薄肉部2201dと厚肉部2201cを移動させ、選択的に隙間gを形成する(隙間gを埋める)ことが可能となる。このように、偏芯リング(中間部材)2201は、回転軸線L1のまわりを回転することで、隙間gを形成する位置と隙間gを埋める位置との間を移動可能であると言える。
次に、ドラムユニット2269がクリーニングユニット2260に組付けられた状態を、図85を用いて説明する。図85は、ドラムユニット2269がクリーニングユニット2260に組付け状態を示した図である。クリーニングユニット2260のクリーニング枠体2260aはドラムユニット2269を支持している。クリーニング枠体2260aは枠体部材2271とドラム軸受け部材73で構成されている。枠体部材2271には、ドラム摺動部2271qが設けられている。
実施例17で説明したのと同様に、ドラムユニット2269の駆動側フランジ2263が駆動伝達ギア1781と係合した後、駆動伝達ギア1781が所定方向へ回転すると、駆動伝達ギア1781に連動して駆動側フランジ2263が回転する一方で、先に述べたように、ドラムユニット2269にはH方向のスラスト力が発生する。このスラスト力によって、非駆動側フランジ2264とドラム摺動部2271qが当接してドラムユニット2269のH方向の移動が規制される。その他のクリーニングユニット2260の構成は実施例17と同様なため、その説明を省略する。
<駆動側フランジ2263と駆動伝達ギア1781tの係合>
次に、駆動側フランジ2263と駆動伝達ギア1781との係合について、図86を用いて説明する。図86は、駆動側フランジ2263と駆動伝達ギア1781の断面図であり、その断面は回転軸線L1と直交し偏芯リング2201を通る断面であり、(a)は偏芯リング2201が駆動伝達ギア1781と接触した瞬間の状態、(b)はカートリッジBを装置本体Aに装着完了した状態である。なお、図86では簡潔のため現像ユニットを不図示としている。
図86(a)に示すように、偏芯リング2201の厚肉部2201cは、回転軸線L1を中心とする半径方向において、重力等の影響により駆動伝達ギア1781側に突出した状態となる。つまり厚肉部2201cが配置された部分は隙間gが埋まっている。そのため、カートリッジが装着方向Mに沿って装着されると、途中で厚肉部2201cが駆動伝達ギア1781に当接することになる。このとき、厚肉部2201cは駆動伝達ギア1781より、カートリッジの装着に抗した反力220Fを受けることとなる。カートリッジが装着方向Mへの移動に伴い、反力220Fによって、偏芯リング2201は、回転軸線L1を中心として回転方向220A方向に回転することになる。そして、カートリッジの装着が完了すると、図86(b)に示すように、偏芯リング2201は、薄肉部2201dが駆動伝達ギア1781の歯先に当接した状態で回転方向の位相がきまる。先に述べたように、薄肉部2201dの肉厚は、駆動側フランジ2263の第1ギア部2263cと突起部2263dよりも引っ込む関係により、隙間gが形成されるため(図84参照)、偏芯リング2201と駆動伝達ギア1781との干渉が回避される。そのため、偏心リング2201が駆動伝達ギア1781と干渉することなく、駆動側フランジ2263を、装着完了位置まで移動することが可能となり、第1ギア部2263cと突起部2263dが適切に駆動伝達ギア1781に噛み合い、駆動力を伝達可能となる。そして、実施例17の説明と同様に、駆動伝達ギア1781が所定方向に回転すると、駆動伝達ギア1781に連動して駆動側フランジ2263が回転する一方で、偏芯リング2201は回転方向の位相を維持しつつ、駆動側フランジ2263に対して空転する。なお、駆動時における回転方向のバックラッシュレス状態については、実施例17と同様なためその説明を省略する。
本実施例では、回転軸線L1の方向に関して、第1ギア部2263cと突起部2263dの間に配置される偏芯リング2201が、回転軸線L1が中心の半径方向に関して第1ギア部2263cや突起部2263dより突出した部分(厚肉部2201c)を有する構成を示した。そして、偏心リング2201は、駆動側フランジ2263と駆動伝達ギア1781とが噛み合った状態において、駆動伝達ギア1781と対向する位置に薄肉部2201dを配置することで、第1ギア部2263cや突起部2263dよりも半径方向に引っ込む(回転軸線L1を中心とする半径を小さくする)ことが可能である。これにより、駆動側フランジ2263と駆動伝達ギア1781が適切に噛み合えるため、実施例18と同様に、駆動側フランジ2263が駆動力FD、規制力FBを受けてバックラッシュレス状態での駆動が可能となる。
なお、本実施例では、偏芯リング2201には、厚肉部2201c、薄肉部2201dが一つずつ設けた構成を示したが、複数の厚肉部2201cまたは複数の薄肉部2201dを設けた構成としてもよい。また、偏芯リング2201は小径部2263eに対して回動可能に設けられているが、回転しないように小径部2263eに固定された構成であってもよく、この場合は、図86(b)に示したように、駆動伝達ギア1781と対向する位置に薄肉部2201dが配置される位相で固定すればよい。
また、厚肉部2201cは隙間gの全域を埋めず隙間gの一部を埋める構成とすることも可能である。つまり、半径R2201maxを、半径R2263dよりも小さく、半径R2201minよりも大きく設定した場合である。偏芯リング2201は隙間gを埋めることはできず、隙間gは常に形成されたままである。この場合、偏芯リング2201は、隙間gの大きさを変えるための部材として機能する、薄肉部2201dによって大きな隙間gを形成する位置と厚肉部2201cによって小さな隙間gを形成する位置との間を移動可能であると言える。
<実施例22の変形例>
実施例22の変形例について、図87を用いて説明する。図87は、駆動側フランジ2263と駆動伝達ギア1781の断面図であり、その断面は回転軸線L1と直交し偏芯リング2202を通る断面であり、(a)は偏芯リング2202が駆動伝達ギア1781と接触する直前の状態、(b)はカートリッジBを装置本体Aに装着完了した状態である。
図87(a)に示すように、偏芯リング(中間部材)2202は、内径部2202aと外径部2202bの円筒形状であり、それぞれの中心位置は略同一位置である。偏芯リング2202は、駆動側フランジ2263の小径部2263eの位置に設けられている。そして、内径部2202aの直径は、駆動側フランジ2263の小径部2263eの直径よりも大きく設定される。外径部2202bの直径は、駆動側フランジ2263の第1ギア部(不図示)と突起部2263dの歯先円直径(半径R2263dを2倍した長さ)よりも大きく設定される。これにより、偏芯リング2202は、内径部2202aが回転方向L1を中心とする半径方向において、ガタ寄せされた際、内径部2202aと小径部2263eとの隙間が広がる側においては、外径部2202bが駆動側フランジ2263の第1ギア部(不図示)と突起部2263dよりも半径方向に突出する。即ち、偏芯リング2202の外径部2202bの回転軸線L1からの半径(距離)の最大値R2201maxは、突起部2263dの最大半径R2263d及び第1ギア部2263cの歯先円の半径よりも大きい。また、内径部2202aと小径部2263eとの隙間が狭まる側においては、外径部2202bは駆動側フランジ2263の第1ギア部(不図示)と突起部2263dよりも半径方向に引っ込む関係に設定される。即ち、偏芯リング2202の外径部2202bの回転軸線L1からの半径(距離)の最小値R2201minは、突起部2263dの最大半径R2263d及び第1ギア部2263cの歯先円の半径よりも小さい。
次にカートリッジが画像形成装置に装着された際の動作について説明する。図87(a)に示すように、偏芯リング2202は、重力等の影響により駆動伝達ギア1781側にガタ寄せされた状態となっている。つまり、駆動伝達ギア1781と対向する領域における第1ギア部(不図示)と突起部2263dとの間の隙間gは偏芯リング2202によって埋められている。カートリッジが装着方向Mにそって装着された際、偏芯リング2202は、駆動伝達ギア1781に当接することになる。そして、カートリッジの装着が進行し、装着位置まで移動すると、図87(b)に示すように、偏芯リング2202の駆動伝達ギア1781と対向する部分が駆動伝達ギア1781と当接して回転軸線L1へ向かう方向へ移動する。このとき、外径部2202bは第1ギア部(不図示)と突起部2263dよりも220B方向に引っ込む。このため、第1ギア部(不図示)と突起部2263dとの間に隙間gが形成される。このため、偏芯リング2202が駆動伝達ギア1781と干渉することなく、駆動側フランジ2263を装着位置まで移動することが可能となり、第1ギア部(不図示)と突起部2263dが駆動伝達ギア1781に適切に噛み合うことが可能となる。このように、本変形例では、偏芯リング(中間部材)2202が回転軸線L1と直交する方向(回転軸線L1を中心とする半径方向)に移動することで、隙間gを形成する位置と隙間gを埋める位置とを取ることが可能である。
以上説明したように、本実施例及び変形例によれば、実施例17と同様の効果を得ることができる。また先述した各実施例の要素を本実施例の構成に適用することが可能である。特に駆動側フランジの第1ギア部の第1斜歯(第1突起)、第2ギア部(突起部2263d)の第2斜歯(第2突起)の構成を、実施例2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、16、17に示される斜歯、平歯、突起等に変更してもよい。
[実施例23]
次に、実施例23について図88~図91を用いて以下に説明する。本実施例は実施例17と比べると、第1ギア部と第2ギア部との間の隙間gを埋めることが可能な部材を有する点が異なる。それ以外の点については実施例17と同様であり、詳細な説明は省略する。また、本実施例における各要素のうち、実施例1の要素と対応している要素に対しては、対応している実施例1の要素と関連付けた符号を付している。これらの要素について、特段の説明が無い事項については、対応している実施例1の要素と同様である。
<駆動側フランジ2363>
まずは、駆動側フランジ2363の構成について図88、図89を用いて説明する。図88は、ドラムユニット2369の駆動側の部分斜視図である。図89は、駆動側フランジ2363の断面図である。その断面は回転軸線L1と直交し、弾性部材2301を通る断面である。駆動側フランジ2363は、回転軸線L1を中心として、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)2363c、突起部2363d、小径部2363e、円筒支持部2363gを備えており、さらに、小径部2363eには弾性部材2301が取り付けられている。
第1ギア部2363cは、ねじれ角α1の斜歯である。円筒支持部(突起)2363gは、回転軸線L1を中心とする円筒形状であり、回転軸線L1に沿って、第1ギア部2363cよりドラム2362とは反対方向(J方向に関して下流側)に突出し設けられる。小径部2363eは、略円筒形状であり、回転軸線L1に沿って、第1ギア部2363cよりドラム2362側(J方向に関して上流側)に突出し設けられる。突起部(第2ユニット側ギア部、第2ギア部、第2回転部)2363dは、回転軸線L1を中心として半径方向に延びた複数の突起(第2突起、歯)2363dtで構成され、回転軸線L1に沿って小径部2363eのドラム2362側(J方向に関して上流側)に設けられる。複数の突起2363dtは、駆動伝達ギア1781の第2本体ギア部1781dと係合し(噛み合い)駆動力を伝達可能な形状で形成される。具体的には、複数の突起2263dtは、回転軸線L1を中心とする半径方向に突出した突起であり、その先端は、第1ギア部2363cの歯先円直径と略同一位置となるように構成される。また、複数の突起2363dtは第1ギア部2363cの歯数と同数であり、かつ回転軸線L1を中心とした回転方向Kにおいて、等間隔に配置される。このように、複数の突起2363dtは第2本体ギア部1781dと噛み合い回転駆動力を伝達可能であるので、この点では複数の突起2363dtは第2ギアと言え、突起部2363dは第2ギア部と言える。もちろん突起部2363dは、実施例17の第2ギア部1763d等に示されるギア部であってもよい。
弾性部材(中間部材)2301は、図89に示すように、略円筒形状であり、内径部2301aと外径部2301bで構成される。内径部2301aの直径は、駆動側フランジ2363の小径部2363eの直径以下で設定される。また、外径部2301bの半径は駆動側フランジ2363の第1ギア部2363cや突起部2363dの歯先円半径よりも大きく設定される。弾性部材2301はスポンジやゴム等の弾性変形可能な素材でできている。弾性部材(中間部材)2301は第1ギア部2363cと突起部2363dの間の隙間gを埋める部材である。
駆動側フランジ2363と弾性部材2301は、小径部2363eに内径部2301aを締め付けた状態で支持されている。なお、小径部2363eへの締め付けを緩く設定し、容易に相対的な回転ができても適用に影響はないため、どのような設定であってもよい。また、弾性部材2301は、前述したように、外径部2301bが第1ギア部2363cや突起部2363dよりも半径が大きいため、外径部2301bが第1ギア部2363cや突起部2363dよりも半径方向において突出した状態となっている。
次に、ドラムユニット2369がクリーニングユニット2360に組付けられた状態を、図90を用いて説明する。図90は、ドラムユニット2369がクリーニングユニット2360に組付け状態を示した図である。クリーニングユニット2360のクリーニング枠体2360aはドラムユニット2369を支持している。クリーニング枠体2360aは、枠体部材2371とドラム軸受け部材73で構成されている。枠体部材2371には、ドラム摺動部2371qが設けられている。
実施例17で説明したのと同様に、ドラムユニット2369の駆動側フランジ2363が駆動伝達ギア1781と係合した後、駆動伝達ギア1781が所定方向へ回転すると、駆動伝達ギア1781に連動して駆動側フランジ2363が回転する一方で、先に述べたように、ドラムユニット2369にはH方向のスラスト力が発生し、このスラスト力によって、非駆動ドラムフランジ2364とドラム摺動部2271qが当接してドラムユニット2269のH方向の移動が規制される。その他のクリーニングユニット2360の構成は実施例17と同様なため、その説明を省略する。
<駆動側フランジ2363と駆動伝達ギア1781との係合>
次に、駆動側フランジ2363と駆動伝達ギア1781との係合について、図91を用いて説明する。図91は、駆動側フランジ2363と駆動伝達ギア1781の断面図であり、その断面は回転軸線L1と直交し偏芯リング2201を通る断面であり、(a)は弾性部材2301が駆動伝達ギア1781と接触した瞬間の状態、(b)はカートリッジBを装置本体Aに装着完了した状態である。なお、図91では簡潔のため現像ユニットを不図示としている。
図91(a)に示すように、弾性部材2301の外径部2301bは、回転軸線L1を中心とする半径方向において、駆動伝達ギア1781側に突出した状態となっている。即ち、弾性部材2301の回転軸線L1を中心とする半径R2301nは、突起部2263dの最大半径R2263d及び第1ギア部2263cの歯先円の半径よりも大きい。そのため、カートリッジが装着方向Mに沿って装着されると、途中で弾性部材2301の外径部2301が駆動伝達ギア1781に接触することとなる。そして、カートリッジの装着が完了すると、図91(b)に示すように、弾性部材2301は、駆動伝達ギア1781との干渉により、駆動伝達ギア1781の形状に沿って圧縮変形され、隙間gを形成する。そのため、駆動側フランジ2363は、弾性部材2301の変形部2301cにおいて、第1ギア部2363c(図88)と突起部2363d(図88)が弾性部材2301より突出する。即ち、弾性部材2301の変形部2301cの回転軸線L1を中心とする半径R2301cは、突起部2263dの最大半径R2263及び第1ギア部2263cの歯先円の半径よりも小さい。また、弾性部材2301が弾性変形することによって、駆動側フランジ2363を装着位置まで移動することが可能となり、第1ギア部2363cと突起部2363dが駆動伝達ギア1781と適切に噛み合い、駆動力を伝達可能となる。
そして、駆動伝達ギア1781がI方向に回転すると、駆動側フランジ2363はK方向に回転し、それに倣い弾性部材2301も回転する。弾性部材2301は、駆動側フランジ2363の回転に伴って、弾性部材2301の未変形部2301dが駆動伝達ギア1781に侵入すると駆動伝達ギア1781の形状に倣って変形する。そして、駆動側フランジ2363がさらに回転して、駆動伝達ギア1781との干渉状態から解放されることにより変形部2301cの形状が復帰する。以上の状態を弾性部材2301が繰り返す。これにより、駆動側フランジ2363と駆動伝達ギア1781が適切に噛み合って駆動力を伝達できる。その結果、実施例18と同様に、駆動側フランジ2363が駆動力FD、規制力FBを受けてバックラッシュレス状態での駆動が可能となる。なお、小径部2363eと内径部2301aが相対的に回転する場合においても、弾性部材2301は、駆動伝達ギア1781によって回転させられるため、同様な状態となる。
本実施例では、回転軸線L1の方向に関して、第1ギア部2363cと突起部2363dの間に配置される弾性部材2301が、回転軸線L1が中心の半径方向に関して第1ギア部2363cや突起部2363dより突出した部分を有する構成を示した。そして、弾性部材2301は、変形することによって、第1ギア部2363cや突起部2363dよりも半径方向に引っ込む(回転軸線L1を中心とする半径を小さくする)ことが可能である。つまり、弾性部材2301は隙間gを埋めた状態と隙間gを形成する状態とをとることが可能である。これにより、駆動側フランジ2363と駆動伝達ギア1781とが適切に噛み合うことを可能とし、駆動側フランジ2363が駆動力FD、規制力FBを受けてバックラッシュレス状態で駆動することも可能となる。
なお、本実施例では、弾性部材2301は、回転軸線L1を中心とする周方向に関して小径部2363eの全周を覆うように設けたが、部分的に設けても良い。また、本実施例では、装置本体Aに装着する前の状態において弾性部材2301の外径部2301bの回転軸線L1を中心とする半径は、周方向で一定であった(回転軸線L1に沿う方向で見た時に正円形状)。しかし、外径部2301bの回転軸線L1を中心とする半径は、周方向で不均一であってもよい。
本実施例では回転軸線L1の方向に関して、第1ギア部2363cと突起部2363dの間に配置される部材が弾性部材2301である例を示した。しかし、第1ギア部2363cと突起部2363dの間に配置される部材は、可動な部材であってもよい。この場合、可動な部材の回転軸線L1を中心とする半径Rが可変であり、駆動側フランジ2363と駆動伝達ギア1781とが適切に噛み合えるよう、半径Rを突起部2263dの最大半径R2363及び第1ギア部2263cの歯先円の半径よりも小さくすることが可能な構成であればよい。以上説明したように、本実施例によれば、実施例17と同様の効果を得ることができる。また先述した各実施例の要素を本実施例の構成に適用することが可能である。特に駆動側フランジの第1ギア部の第1斜歯(第1突起)、第2ギア部(突起部2363d)の第2斜歯(第2突起)の構成を、実施例2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、16、17に示される斜歯、平歯、突起等に変更してもよい。
[実施例24]
次に、実施例24について図92~図99を用いて以下に説明する。本実施例は実施例17と比べると、第1ギア部と第2ギア部とがガタを有する状態で連結されている点、及び又は、第1ギア部と第2ギア部との連結を解除可能な点が異なる。それ以外の点については実施例17と同様であり、詳細な説明は省略する。また、本実施例における各要素のうち、実施例1の要素と対応している要素に対しては、対応している実施例1の要素と関連付けた符号を付している。これらの要素について、特段の説明が無い事項については、対応している実施例1の要素と同様である。
<駆動側ドラムフランジ2463>
まずは、駆動側ドラムフランジ2463の構成について、図92、図93を用いて説明する。図92は、クリーニングユニット2460を現像ユニット側から回転軸線L1に直交する方向に沿ってみた側面図である。図93は、クリーニングユニット2460及び駆動側ドラムフランジ2463の駆動側の分解斜視図であり、(a)は駆動側から見た状態、(b)は非駆動側から見た状態を示す。
図92に示すように、本実施例においては、駆動側ドラムフランジ2463が第1ギア2401、第2ギア2402、圧縮バネ2403で構成され、駆動側ドラムフランジ2463を機能させるためのドラム軸受ユニット2408が設けられている。また、図93に示すように、駆動側ドラムフランジ2463は、回転軸線L1に沿って、ドラム2462側からJ方向に関して下流側に向かって、第2ギア2402、圧縮バネ2403、第1ギア2401の順で部材が配置されている。
第1ギア2401は、回転軸線L1を中心として、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)2401a、円筒部2401b、軸部2401d、ラチェット部2401e、円筒部2401fで構成される。第1ギア部2401aは、ねじれ角α1の斜歯(突起)を有し、実施例17の第1ギア部1763cと同形状のギア部である。円筒部2401bは、略円筒形状であり、回転軸線L1方向に沿って、第1ギア部2401aのドラム2462から離れる側(J方向に関して下流側)の端部より突出し設けられる。円筒部2401bは、回転軸線L1中心に穴部2401b1が回転軸線L1に沿って設けられる。また、円筒部2401bの突出方向(J方向に関して下流側)の先端には、回転軸線L1に略直交の端面2401b2が設けられる。軸部2401dは、略円筒形状であり、回転軸線L1方向に沿って、第1ギア部2401aのドラム2462側(H方向に関して下流側)の端部より突出している。ラチェット部2401eは、回転軸線L1を中心とした回転方向に複数の凹凸斜面で形成され、第1ギア部2401aのドラム2462側(H方向に関して下流側)の端部から突出して配置される。円筒部2401fは、略円筒形状であり、回転軸線L1を中心とする半径方向において、ラチェット部2401eより内側で、軸部2401dより外側の関係になるように設けられる。また、円筒部2401fの回転軸線L1の方向の端面は、ラチェット部2401eより引っ込んだ位置(J方向に関して下流側)になるよう設けられる。
第2ギア2402は、回転軸線L1を中心として、第2ギア部(第2ユニット側ギア部)2402a、穴部2402b、ラチェット部2402c、円筒部2402dで構成される。第2ギア部2402aは、ねじれ角α2の斜歯(突起)を有し、歯数が第1ギア部2401aと同数であり、実施例17の第2ギア部1763dと同形状のギア部である。穴部2402bは、第2ギア2402の回転軸線L1を中心に設けられた貫通穴であり、第1ギア部2401aの軸部2401dに回転可能且つ移動可能な穴径に設定される。ラチェット部2402cは、回転軸線L1を中心とした回転方向に複数の凹凸斜面で形成され、第2ギア部2402aのドラム2462から離れる側(J方向に関して下流側)の端部から突出して配置される。円筒部2402dは、略円筒形状であり、回転軸線L1を中心とする半径方向において、ラチェット部2402cより内側で、穴部2402bより外側の関係になるように設けられる。また、円筒部2402dの回転軸線L1方向の端面は、ラチェット部2402cより引っ込んだ位置(J方向に関して上流側)になるよう設けられる。圧縮バネ2403の内径は、第1ギア2401の円筒部2401fの外径および第2ギア2402の円筒部2402dの外径よりも大きい。
<ドラム軸受ユニット2408>
次に、ドラム軸受ユニット2408について、図94を用いて説明する。図94は、ドラム軸受ユニット2408の分解斜視図であり、(a)は非駆動側から見た状態、(b)は、駆動側から見た状態を示す。図94(a)に示すように、ドラム軸受ユニット2408は、ドラム軸受部材2473、可動部材2404、引っ張りバネ2405、フック部材2406、フックピン2407によって構成される。
ドラム軸受部材2473は、回転軸線L1を中心とし、非駆動側(H方向に関して下流側)へ延びた支持軸2473iが設けられており、第1ギア2401の穴部2401b1に回転可能且つ移動可能な軸径に設定される。ドラム軸受部材2473の非駆動側から視た面には、回転軸線L1よりも可動部材2404(後述)の可動方向24A下流側にピン孔2473jが設けられている。ドラム軸受部材2473には、回転軸線L1よりも可動部材2404の可動方向24A上流側で、且つ支持軸2473iに対向する位置に、可動部材2404(後述)の可動方向24A方向への穴部2473kが設けられる。
可動部材2404は、略U字形状であり、U字形状の底辺部分を被押圧面2404aとすると、被押圧面2404aの両端より被押圧面2404aに略垂直に伸びた突出部2404dを有する。突出部2404dの先端内側には、それぞれ対向する溝部240eが設けられる。突出部2404dの根本近傍から被押圧面2404aにかけては、回転軸線L1方向の厚みが先端側に対して厚くなっており、その厚みの差を斜面2404cでつないだ形状としている。なお、厚みが大きい側の面を肉厚面2404bとし、厚みが小さい側の面を薄肉面2404fとする。また、薄肉面2404fの厚みは略同じ厚さである。
引っ張りバネ2405は、バネの両端に引っかけ部2405aが設けられている。フック部材2406は、略I字形状の胴体部2406aと、胴体部2406aの中央から突出し設けられたフック部2406bによって構成される。フックピン2407は、略円筒形状の胴体部2407aと、胴体部2407aの先端に設けられたフック部2407bによって構成される。
<ドラム軸受ユニット2408の組み立て>
次に、ドラム軸受ユニット2408の組み立てについて説明する。図94(b)に示すように、可動部材2404は、ドラム軸受部材2473に対して、突出部2404dを穴部2473kに挿入することで組付けられる。なお、この挿入方向は可動部材2404の可動方向240Aとなる。その後、図93(b)に示すように、フック部材2406は、可動部材2404に対して、胴体部2406aの両端を溝部2404e(図94(a)参照)に係合・固定することで組付けられる。固定方法は圧入や接着など任意の手段で良い。また、図94(a)に示すように、フックピン2407は、ドラム軸受部材2473に対して、胴体部2407aをピン孔2473jに挿入・固定することで組付けられる。固定方法は圧入や接着など任意の手段で良い。そして、引っ張りバネ2405は、フック部材2406とフックピン2407に対して、引っかけ部2406aをそれぞれフック部2406とフック部2407bに引っかけることで組付けられる。以上により、図93に示すような、ドラム軸受ユニット2408として組み立てられる。可動部材2404は、ドラム軸受ユニット2408に組み付けられた際には、引っ張りバネ2405によって、可動方向2404とは反対方向に付勢された状態となる。
<駆動側ドラムフランジ2463の組み立て>
次に、駆動側ドラムフランジ2463の組み立てについて、図95を用いて説明する。図95は、クリーニングユニット2460の駆動側ドラムフランジ2463近傍の部分断面図であり、その断面は回転軸線L1を含む断面である。図95に示すように、第2ギア2402は、ドラム2462の端部に固定されている。第1ギア2401は、第2ギア2402に対して、軸部2401dが穴部2402bに回転可能かつ回転軸線L1の方向に移動可能に支持される。さらに、第1ギア2401は、ドラム軸受部材2473に対して、穴部2401b1が支持軸2473iに回転可能かつ回転軸線L1の方向に移動可能に支持される。圧縮バネ2403は、第1ギア2401と第2ギア2402に対して、両端が円筒部2401fと円筒部2402dとにそれぞれ支持され、且つ圧縮され組付けられる。第1ギア2401と第2ギア2402は、圧縮バネ2403の付勢力によって、回転軸線L1に沿って互いに離れる方向に付勢された状態となる。このため、第1ギア2401は、圧縮バネ2403の付勢力でJ方向に関して下流側に向かって付勢され、第1ギア2401の端面2401b2が可動部材2404に当接した状態となっている。
<第1ギア2401と第2ギア2402との連結、連結解除動作>
次に、第1ギア2401と第2ギア2402との連結、連結解除動作について、図96と図97を用いて説明する。図96は、クリーニングユニット2460を回転軸線L1に沿って駆動側から見た図であり、(a)は可動部材2404に外力が働いていない状態、(b)は可動部材2404が可動方向240Aへ押圧された状態を示している。図97は、クリーニングユニット2460の駆動側ドラムフランジ2463近傍の部分断面図であり、その断面は回転軸線L1を含む断面であり、(a)は可動部材2404に外力が働いていない状態、(b)は可動部材2404が可動方向240Aへ押圧された状態を示している。
図96(a)に示すように、可動部材2404に外力が働いていない場合、引っ張りバネ2405(図93、図94参照)により可動方向240Aとは反対方向に付勢され、ドラム軸受部材2473より突出した状態(連結解除状態)が維持される。一方、図96(b)に示すように、可動部材2404は、被押圧部2404aに可動方向240Aへ外力240Fが加えられると、引っ張りバネ2405のバネ力に抗して可動方向240Aへ押し込まれた状態(連結状態)となる。
次に、図97(a)を用いて、可動部材2404に外力が働いていない状態における、駆動側ドラムフランジ2463の状態について説明する。この状態のおいては、可動部材2404が可動方向240Aとは反対側に突出した位置にある(図96(a)の状態)。そのため、圧縮バネ2403によりドラム軸受部材2473側に付勢されているため、第1ギア2401はJ方向に関して下流側へ移動し、端面2401b2が可動部材2404の薄肉面2404fに当接した状態となる。このとき、第1ギア2401のラチェット部2401eと第2ギア2402のラチェット部2402cは、回転軸線L1の方向に離間した状態となっている。すなわち、駆動側ドラムフランジ2463は連結解除状態であり、第1ギア2401と第2ギア2402との間で回転駆動力を伝達できず、第1ギア2401が第2ギア2402に対して空転可能な状態である。
次に、可動部材2404の被押圧面240aに外力240Fが働き、可動部材2404が可動方向240Aへ押し込まれた位置にある状態について説明する。可動部材2404に外力240Fが作用すると可動部材2404は、可動方向240Aへ移動する。これにより、第1ギア2401は、図97(b)に示すような、端面2401b2が可動部材2404の斜面2404のカム作用によってドラム2462側(J方向に関して上流側)へ移動することになる。そして、第1ギア2401のラチェット部2401eと第2ギア2402のラチェット部2402cは、回転軸線L1の方向に近接し、回転方向に対して係合可能な状態となる。すなわち、駆動側ドラムフランジ2463は連結状態となり、第1ギア2401と第2ギア2402が互いに回転駆動力を伝達して一体的に回転可能に連結された状態(連結状態)となる。その後、第1ギア2401は、端面2401b2が肉厚面2404bによって回転軸線L1の方向への移動が規制され、ドラム2462側へ寄せられた位置に維持された状態となる。
次に、可動部材2404に働く外力240Fが失われ、再び可動部材2404が可動方向240Aとは反対の方向へ突出したきの動作について説明する。可動部材2404は、被押圧面2404aの外力240Fが失われると、引っ張りバネ2405のバネ力によって、可動方向240Aとは反対の方向へ移動することになる。そして、可動部材2404の薄肉面2404fが、第1ギア2401の端面2401b2と対向する位置まで移動する。ここで、第1ギア2401は、圧縮バネ2403のバネ力によってドラム軸受2473側へ付勢されているため、端面2401b2が薄肉面2401fに当接するまでドラム軸受2473側に移動する。このとき、第1ギア2401のラチェット部2401eと第2ギア2402のラチェット部2402cは、回転軸線L1の方向に離間した状態となっている。すなわち、第1ギア2401と第2ギア2402との間で回転駆動力を伝達できない状態(連結解除状態)となる。
このように、カートリッジBは、ラチェット部2401e、ラチェット部2402c、可動部材2404、圧縮バネ2403を含むクラッチ機構を有し、可動部材2404のドラム軸受部材2473に対する移動により、駆動側ドラムフランジ2463の第1ギア2401と第2ギア2402とは、互いに連結及び離間し、駆動力を伝達して一体的に回転可能に連結(接続)された状態(連結状態)と駆動伝達を伝達できない状態(連結解除状態)とを切り替えることが可能となる。
<カートリッジBの装置本体Aへの装着動作>
次に、カートリッジBの装置本体Aへの装着動作について、図98と図99を用いて説明する。図98は、カートリッジBと装置本体Aを回転軸線L1に沿って見た図である。図98(a)は、カートリッジBの装置本体Aへの装着途中であって、可動部材2404が第一駆動側側板2409に当接を開始した状態を示しており、図98(b)は、カートリッジBの装置本体Aへの装着が完了した状態を示している。また、図99は、駆動伝達ギア1781と係合する駆動側ドラムフランジ2463を回転軸線L1に直交する方向に沿って見た図である。なお、図98および図99は、図を簡潔にするために説明に不要な部品を不図示としている。
図98(a)に示すように、カートリッジBの装着方向Mに対して可動部材2404の可動方向は略平行になるように構成されている。カートリッジBの装着動作が進行すると、可動部材2404は、被押圧面2404aが装置本体Aの第一駆動側側板2409と当接し、カートリッジBの装着動作に抗する反力240Nを受けることになる。この反力240Nにより、可動部材2404は、可動方向240Aに押し込まれることになる。カートリッジBの装着動作が完了すると、可動部材2404は、第一駆動側側板2409によって完全に可動方向240Aへ押し込まれた状態となる。このとき、前述したように、駆動側ドラムフランジ2463は連結状態となり、第1ギア2401と第2ギア2402との間で駆動伝達可能となる(図97(b)参照)。そして、図99に示すように、駆動側ドラムフランジ2463は連結状態のまま駆動伝達ギア1781に係合し、第1ギア部2401aが第1本体ギア1781cと、第2ギア部2402aが第2本体ギア1782dとが、それぞれ噛み合う。
<駆動側ドラムフランジ2463と駆動伝達ギア1781の駆動動作>
次に、駆動側ドラムフランジ2463と駆動伝達ギア1781の駆動動作について、図100を用いて説明する。図100は、駆動側ドラムフランジ2463と駆動伝達ギア1781の噛み合い部分での模式的な断面図であり、駆動側ドラムフランジ2463と駆動伝達ギア1781との噛合いピッチ円に接する断面を駆動伝達ギア1781側から見た状態を示している。図100(a)では、ラチェット部2401eがラチェット部2402に、K方向で係合していない状態(係合前状態)を示している。また、図100(b)では、ラチェット部2401eがラチェット部2402に、K方向に係合した状態(係合状態)を示している。図100(c)では、駆動伝達ギア1781がつり合い位置にあるバックラッシュレス状態を示している。なお、図100は、説明のため形状を模式的に表しているため、図92~図99に示したものと寸法や形状が異なる場合がある。
図100(a)で示すように、連結状態の駆動側ドラムフランジ2463と駆動伝達ギア1781とが噛み合った直後、ラチェット部2401eとラチェット部2402cとの間には隙間(ガタ)240dが存在していて、ラチェット部2401eとラチェット部2402cとは、K方向に係合していない状態(係合前状態)である事が多い。なお、隙間(ガタ)240dのK方向の大きさは適宜設定可能である。第2ギア2402は、ドラム2462に固定されているため、K方向への回転に負荷が発生する。第2本体ギア部1781dが第2ギア部2402aと接触しK方向への駆動力FDを加えることでドラム2462も回転する。そのため、駆動伝達ギア1781がI方向へ駆動すると、第2本体ギア部1781dは、駆動力FDの反力を第2ギア部2402aから受け、この反力がJ方向へのスラスト力240F5を発生させる。このため駆動伝達ギア1781は、第2ギア部2402aに接触しながらスラスト力240F5によりJ方向へ移動していく。やがて、第1本体ギア部1781cは第1ギア部2401aと接触しK方向への駆動力FSを加える。ここで、ラチェット部2401eとラチェット部2402cとの間にはK方向で隙間(ガタ)240dがあるため、第1ギア2401は駆動力FSを受けて、第2ギア2402に対して相対的にK方向へ回転しガタを詰める。よって、ラチェット部2401eとラチェット部2402cが係合していない状態(第1ギア2401と第2ギア2402の間に回転方向のガタのある状態)から駆動伝達ギア1781がI方向へ駆動すると、駆動伝達ギア1781は、J方向に移動するとともに、第1ギア2401を第2ギア2402aに対して相対的にK方向に回転させる。これにより、図100(b)に示すように、第1ギア2401のラチェット部2401eが第2ギア2402のラチェット部2402cに、K方向に係合した状態(係合状態、ガタが詰まった状態)となる。また第1本体ギア部1781cは、駆動力FSの反力を第1ギア部2401aから受け、この反力がJ方向へのスラスト力240F6を発生させる。
図100(b)に示すように、ラチェット部2401eがラチェット部2402cとK方向に係合した状態(ガタが詰まった状態)においては、第1ギア2401は、K方向への駆動力FDを第2ギア2402及びドラム2462へ伝達する。すなわち、ラチェット部2401eがラチェット部2402cとK方向に係合した(ガタが詰まった)後は、第1ギア2401と第2ギア2402は、第1ギア部2401がK方向の駆動力を受ける限り、一体的に回転するギアとみなすことが可能となる。そのため、第1ギア2401と第2ギア2402は、実施例17の駆動側ドラムフランジ1764と同等な機能を有することとなる。また第1本体ギア部1781cは、駆動力FDの反力を第1ギア部2401aから受け、この反力がJ方向へのスラスト力240F8を発生させる。そのため、駆動伝達ギア1781がI方向への回転が更に継続されることで、駆動伝達ギア1781は、スラスト力240F8を受けて更にJ方向へ移動し、図100(c)に示す釣り合い位置に到達しバックラッシュレス状態となる。このバックラッシュレス状態では、実施例17と同様に、第1ギア部2401aは、第1本体ギア部1781cから駆動力FDを受け、第2ギア部2402aは、第2本体ギア部1781dから規制力FB受ける。
以上説明した通り、本実施例は、駆動側ドラムフランジ2463は、カートリッジB単体の時は、連結解除状態で第1ギア2401と第2ギア2402が駆動力を伝達できない(相対的に回転可能な)状態で、カートリッジBを装置本体Aに装着すると、連結状態となり第1ギア2401と第2ギア2402が一体的に回転可能な状態(第1ギア2401と第2ギア2402とが駆動力を伝達可能に連結(接続)した状態)となる構成の一例を示した。ただし、本実施例の駆動側ドラムフランジ2463の連結状態は、第1ギア2401と第2ギア2402とは回転方向のガタを有する連結状態である。つまり、ラチェット部2401eとラチェット部2402cとがK方向で隙間(ガタ)240dが存在し、第1ギア2401と第2ギア2402は、この隙間(ガタ)240dの分だけ相対的に回転可能である。第1ギア2401が第2ギア2402に相対的にK方向に回動して、ラチェット部2401eがラチェット部2402cとK方向に係合しガタが詰まると、第1ギア2401と第2ギア2402が一体的に回動する。即ち、第1ギア部2401aの歯は、第2ギア部2402aの歯に対して相対的にI方向に移動(回転)できないよう固定され、第2ギア部2402aの歯は、第1ギア部2401aの歯に対して相対的にI方向の逆方向に移動(回転)できないよう固定された状態で第1ギア2401と第2ギア2402が回動する。このように駆動側ドラムフランジ2463が連結状態と連結解除状態とをとれる構成であっても、実施例17と同様な効果を得ることができる。また、第1ギア2401と第2ギア2402とがガタを有する状態で連結された構成であっても、実施例17と同様な効果を得ることができる。
なお、本実施例では、駆動側ドラムフランジ2463が連結解除状態にある時、第1ギア2401が第2ギア2402やドラム2462に対して駆動力を伝達できない状態となっていたがこの限りではない。つまり、駆動側ドラムフランジ2463が連結解除状態にある時、第2ギア2402が第1ギア2401やドラム2462に対して駆動力を伝達できない状態となっていてもよいし、第1ギア2401及び第2ギア2402がドラム2462に対して駆動力を伝達できない状態となっていてもよい。また、本実施例では、第1ギア2401のドラム2462に対する位置を変更することで駆動側ドラムフランジ2463の連結解除状態と連結状態とを切り替える構成であったが、第2ギア2402のドラム2462に対する位置を変更することで駆動側ドラムフランジ2463の連結解除状態と連結状態とを切り替える構成であってもよい。
また、本実施例では、第1ギア2401と第2ギア2402が回転軸線L1の方向に相対的に移動して互いに離れたり近づいたりすることで、駆動側ドラムフランジ2463の連結解除状態と連結状態の切り替えるクラッチ機構を示した。しかし、第1ギア2401と第2ギア2402の回転軸線L1の方向の相対的な移動は必須ではなく、例えば第1ギア2401と第2ギア2402の少なくとも一方の少なくとも一部が回転軸線L1を中心とする半径方向に移動することで、連結解除状態と連結状態を切り替え可能なクラッチ機構を用いても良い。
また、本実施例で、駆動側ドラムフランジ2463の連結解除状態と連結状態の切り替るために可動部材2404をドラム軸受部材2473に対して移動させた。そして、可動部材2404をドラム軸受部材2473に対して移動は、カートリッジBの装置本体Aに対する移動によって発生する構成とした。しかし、可動部材2404をドラム軸受部材2473に対して移動させる構成は、カートリッジBが装置本体Aに装着された状態において、装置本体Aが備えるドア等の部材の移動に連動して可動部材2404を移動させる構成であってもよい。
また、本実施例では駆動側ドラムフランジ2463が連結解除状態にある時、第1ギア2401は第2ギア2402に対して相対的に一回転以上回転できる構成を示したが、相対的に一回転未満しか回転できない構成であっても良い。
また、本実施例では駆動側ドラムフランジ2463が連結状態と連結解除状態をとることが可能な構成を示したが、連結解除状態をとれない構成であってもよい。即ち、第1ギア2401と第2ギア2402とが回転方向のガタ(隙間240d)を有する状態で駆動力を伝達可能に連結された連結状態をとるが連結解除状態はとらない構成であってもよい。また、第1ギア2401と第2ギア2402とが回転方向のガタ(隙間240d)の大きさは、第1ギア2401が第2ギア2402に対して相対的に回転可能な回転量が1回転未満となるように設定されていればよい。
また、本実施例では駆動側ドラムフランジ2463が連結状態である時、第1ギア2401と第2ギア2402との間の回転方向のガタ(隙間240d)が常時無い状態で連結される構成であっても良い。
以上説明したように、本実施例によれば実施例17と同様の効果を得ることができる。また先述した各実施例の要素を本実施例の構成に適用することが可能である。特に駆動側フランジ2463の第1ギア部2401aの斜歯、第2ギア部2402aの斜歯の構成を、実施例2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、16に示される斜歯、平歯、突起等に変更してもよい。
[実施例25]
次に、実施例25について図101~図107を用いて以下に説明する。本実施例は実施例17で説明した装置本体Aの駆動伝達ギア1781から駆動力を受けて作動することが可能なカートリッジBの別の構成について示す。本実施例は、バックラッシュレス状態で駆動されるギア(アイドラギア2502)がドラムへ駆動力を伝達せず、別のギア(駆動ギア2501)がドラムへ駆動力を伝達する点が実施例17と異なる。それ以外の点については実施例17と同様であり、詳細な説明は省略する。また、本実施例における各要素のうち、実施例1の要素と対応している要素に対しては、対応している実施例1の要素と関連付けた符号を付している。これらの要素について、特段の説明が無い事項については、対応している実施例1の要素と同様である。
<ドラムユニット2569とクリーニングユニット2560>
本実施例の構成について、図101を用いて説明する。図101は、クリーニングユニット2560を回転軸線L1に直交する方向に沿って現像ユニット側からみた図である。図101に示すように、ドラムユニット2569が、駆動ギア2501、アイドラギア2502、係止部材2503を有している点が、実施例17と異なる。また、枠体部材2571および駆動側フランジ2563の構成が異なる。これらについて、図102を用いて詳細に説明する。図102は、クリーニングユニット2560及びドラムユニット2569の駆動側の分解斜視図であり、(a)は非駆動側から見た状態、(b)は駆動側から見た状態を示している。
駆動ギア2501は、ドラムの回転軸線L1を中心とし、駆動ギア部2501a、軸部2501b、端面2501c、突起2501d、円筒部2501e、大径軸部2501fで構成される。駆動ギア(第3ギア)2501は、駆動伝達ギア1781と噛み合い(係合し)、ドラム2562を回転駆動する駆動力を受ける駆動力受け部である。駆動ギア(第3ギア)2501は、回転駆動力を伝達可能にドラム2562に接続されている。駆動ギア部2501aは、ねじれ角α1の斜歯で構成される。大径軸部2501fは、略円筒形状であり、駆動ギア部2501aのドラム2562側の端面2501cから、回転軸線L1に沿って突出している。軸部2501bは、略円筒形状であり、大径軸部2501fのドラム2562側の端面から、回転軸線L1に沿って突出している。突起2501dは、一対の対向したリブ状の突起であり、軸部2501bの円周上から、回転軸線L1を中心とする半径方向に突出している。ここで、突起2501dの先端部の半径は大径軸部2502fの半径より小さく設定される。円筒部2501eは、略円筒形状であり、駆動ギア部2501aの、ドラム2562と反対側の端面から、回転軸線L1に沿って突出している。
アイドラギア2502は、回転軸線L4を中心に回転可能な樹脂で一体成型されたギアである。アイドラギア2502は、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)2502a、第2ギア部(第2ユニット側ギア部)2502b、穴部2502c、内側面2502d、外側面2502e、小径部2502fを有する。第1ギア部2502aは、ねじれ角α1の斜歯(突起)であり、駆動ギア部2501aと同数の歯数を有する。第2ギア部2502bは、ねじれ角α2の斜歯(突起)であり、第1ギア部2502aと同数の歯数を持っている。小径部2502fは、略円筒形状であり、第1ギア部2502aと第2ギア部2502bの間にある。穴部2502cは、第1ギア部2502aから第2ギア部2502bまで貫通した丸穴である。内側面2502dは、アイドラギア2502のドラム2562側の端面である。外側面2502eは、アイドラギア2502のドラム2562と反対側の端面である。本実施例では、第1ギア部2502aが、駆動ギア部2501aと同数の歯数を有する例を説明したが、第1ギア部2502a、第2ギア部2502bのそれぞれの歯数が、駆動ギア部2501aとは異なっていても良い。
係止部材2503は、回転軸線L1を中心とした、リング形状である。リングの内径部分を内径部2503a、ドラム2562と反対側の端面を端面2503bとする。
駆動側フランジ2563は、略円筒形状であり、回転軸線L1を中心として穴部2563aと係止溝2563bが設けられている。穴部2563aは、駆動側フランジ2563の回転軸線L1上に沿った丸穴である。係止溝2563bは、一対の対向した溝であり、穴部2563aの円周上から回転軸線L1を中心に半径方向に突出している。
このように、ドラムユニット2569は、ドラム2562、駆動ギア2501、アイドラギア2502、係止部材2503、及び、駆動側フランジ2563を主に有している。
枠体部材2571は、係止壁2571a、円筒部2571b、内径部2571cが設けられている。係止壁2571aは、回転軸線L1を中心とした、略円板形状であり、ドラム2562側端面を内側面2571a1、ドラム2562と反対側の端面を外側面2571a2とする。円筒部2571bは、先端の径が一段小さい段付きの略円筒形状である。円筒部2571bの外周表面を外周面2571b1とする。また、円筒部2571bの先端の径が小さい部分を段差部2571b2とする。内径部2571cは、係止壁2571aと円筒部2571bを貫通した丸穴形状である。
次にクリーニングユニット2560の組み立てについて、図103を用いて説明する。図103は、クリーニングユニット2560の駆動側フランジ2563近傍の回転軸線L1を含む断面における部分断面図である。
図103に示すように、駆動側フランジ2563は、ドラム2562の端部に接着、かしめ、圧入など任意の手段で固定されている。アイドラギア2502は、その穴部2502cが、枠体部材2571の外周面2571b1へ挿入されて回転軸線L1で回転可能に支持される。また、アイドラギア2502の外側面2502eと枠体部材2571の係止壁2571aが対向するように配置される。
係止部材2503は、その内径部2503aが、枠体部材2571の段差部2571b2へ挿入され、接着、圧入など任意の手段で固定される。図に示すように、係止部材2503の外周面直径は、枠体部材2571の外周面2571b1の直径よりも大きくなるように設定される。これにより、係止部材2503は、アイドラギア2502のドラム2562方向への抜け止めとなる。
駆動ギア2501は、軸部2501b部を、枠体部材2571の内径部2571cにドラム2562と反対側から通すように装着し、大径軸部2501fが内径部2571cに回転可能に支持される。
さらに、駆動ギア2501は突起2501dの位相と、駆動側フランジ2563の係止溝2563bの位相が合った状態(挿入できる状態)にして、駆動ギア2501の軸部2501bを穴部2563aに挿入する。こうすることで、駆動ギア2501と駆動側フランジ2563は一体的で回転可能(回転駆動力を伝達可能)に係合される。
次に、駆動ギア2501の円筒部2501eドラム軸受部材2573の穴2573dに挿入する。その後、ドラム軸受部材2573を、枠体部材2571に対してビス締め等で固定される。こうすることで、駆動ギア2501は、クリーニングユニット2560に回転軸線L1で回転可能に支持される。
このように、クリーニングユニット2560が組み立てられた状態で、駆動ギア2501、アイドラギア2502、駆動側フランジ2563、及び、ドラム2562は回転軸線L1を中心に回転可能である。即ち、アイドラギア2502の回転軸線L4は、駆動側フランジ2563、及び、ドラム2562の回転軸線L1と同軸となっている。
更に、駆動ギア2501が受けた回転駆動力は、駆動側フランジ2563及びドラム2562に伝達可能である。一方でアイドラギア2502は、駆動ギア2501、駆動側フランジ2563、及びドラム2562に対して回転軸線L1で回転自在に支持されており、アイドラギア2502が受けた回転駆動力は駆動ギア2501、駆動側フランジ2563、及びドラム2562には伝達されない。
<駆動伝達動作>
次に、カートリッジが画像形成装置に装着された状態について、図104を用いて説明する。図104は、カートリッジBが装置本体Aに装着された状態のクリーニングユニット2560と駆動伝達ギア1781を示す斜視図である。ただし、説明のため、クリーニングユニット2560の一部や現像ユニット、装置本体Aの一部については不図示としている。
図104に示すように、カートリッジが画像形成装置に装着された状態では、駆動ギア2501の駆動ギア部2501aが、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cに噛み合う。また、アイドラギア2502は、第1ギア部2502aが駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cと噛み合い、第2ギア部2502bが第2本体ギア部1781dと噛み合う。
次に、駆動伝達ギア1781がI方向(図104参照)へ回転した際の、駆動伝達ギア1781から、駆動ギア2501へ駆動を伝達する様子を図105、図106、図107を用いて説明する。図105、図106、図107は、駆動ギア2501及びアイドラギア2502と駆動伝達ギア1781との噛み合い部分での模式的な断面図であり、駆動ギア2501及びアイドラギア2502と駆動伝達ギア1781との噛合いピッチ円に接する断面を駆動伝達ギア1781側から見た状態を示している。なお、図105、図106、図107は、説明のため形状を模式的に表しているため、図101~図104に示したものと寸法や形状が異なる場合がある。
以降の説明において、駆動ギア2501の駆動ギア部2501aにおいて、ギア1歯を駆動斜歯2501atとし、I方向上流側歯面を歯面2501at1とする。アイドラギア2502の第1ギア部2502aにおいて、ギア1歯を第1斜歯2502atとし、I方向上流側歯面を歯面2502at1とする。アイドラギア2502の第2ギア部2502bにおいて、ギア1歯を第2斜歯2502btとし、I方向下流側歯面を歯面2502bt1として説明する。
図105に示すように、駆動伝達ギア1781がI方向へ回転し、第1本体ギア部1781cが、駆動ギア2501の駆動ギア部2501aを駆動すると、第1本体ギア部1781cのI方向下流側の歯面1781ct1が、駆動ギア部2501aのI方向上流側の歯面2501at1から、駆動の反力250F1を受ける。このとき、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cは斜歯であるため、反力250F1の分力である、J方向へのスラスト力250F2により、駆動伝達ギア1781は、J方向へ移動する。
駆動伝達ギア1781が、駆動ギア部2501aを駆動しつつJ方向へ移動してゆく過程で、第2本体ギア部1781dのI方向上流側の歯面1781dt1が、アイドラギア2502の第2ギア部2502bのI方向下流側の歯面2502bt1へ当接する。このとき、アイドラギア2502は、歯面2502bt1に、力250F3を受ける。アイドラギア2502は、この力250F3のJ方向への分力250F4によりJ方向へ移動し、図106に示すように、外側面2502eが係止壁2571aに当接しJ方向の位置が決まる。
その後、更に駆動伝達ギア1781が駆動ギア部2501aを駆動しつつJ方向へ移動する過程で、第2ギア部2502bのI方向下流側の歯面2502bt1には、力250F3のI方向の分力250F5が作用する。この分力250F5により、アイドラギア2502の第2ギア部2502bは、駆動伝達ギア1781の第2本体ギア部1781dとの噛み合い部において、第2本体ギア部1781dに対して相対的にI方向下流側へ移動する。同時にアイドラギア2502は駆動ギア部2501に対しても相対的にI方向下流側へ回転する。
その後、更に駆動伝達ギア1781が駆動ギア部2501aを駆動しつつJ方向へ移動し、第2ギア部2502bは、第21本体ギア部1781dとの噛み合い部において、第2本体ギア部1781dに対して相対的にI方向下流側へ相対的に回転してゆく。すると、図107に示すように、アイドラギア2502の、第1ギア部2502aのI方向上流側の歯面2502at1が、第1本体ギア部1781cのI方向下流側の歯面1781ct2に当接する。
この時、第2本体ギア部1781dのI方向上流側の歯面1781dt1が、アイドラギア2502の第2ギア部2502bのI方向下流側の歯面2502bt1へ当接し、かつアイドラギア2502の、第1ギア部2502aのI方向上流側の歯面2502at1が第1本体ギア部1781cの、I方向下流側の歯面1781ct2に当接する。第1ギア部2502aの歯は、第2ギア部2502bの歯に対して相対的にI方向に移動(回転)できないよう固定され、第2ギア部2502bの歯は、第1ギア部2502aの歯に対して相対的にI方向の逆方向に移動(回転)できないよう固定されている。このため、第2ギア部2502bは、第2本体ギア部1781dとの噛み合い部において、第2本体ギア部1781dに対するI方向の相対的な移動が止まり、第1ギア部2502aは、第1本体ギア部1781cとの噛み合い部において、第1本体ギア部1781cに対するI方向の相対的な移動が止まる。同時にアイドラギア2502の駆動ギア部2501に対する相対的な回転も止まる。
ここで、一般的に、斜歯ギア同士の噛み合いにおいては、互いの噛み合い部において互いのギア部が相対的に回転方向へ移動できないと、互いのギア部は相対的に回転軸線の方向に移動することができない。本実施例においても、第2ギア部2502bと第2本体ギア部1781dとの噛み合い及び第1ギア部2502aと第1本体ギア部1781cとの噛み合いにより、駆動伝達ギア1781とアイドラギア2502とが、噛み合い部において相対的に回転方向(I方向、K方向)に移動できない状態である。すなわち、噛み合い部において駆動伝達ギア1781とアイドラギア2502のJ方向の相対的な位置が決まっている状態である。つまり、第2本体ギア部1781dは第2ギア部2502bとの噛み合いでK方向のスラスト力Ftbを受け、第1本体ギア部1781cは第1ギア部2502aとの噛み合いでJ方向のスラスト力Ftaを受ける。
また、第1本体ギア部1781cは駆動ギア部2501aとの噛み合いでJ方向へのスラスト力250F2を受け続け、アイドラギア2502と一体的にJ方向に移動しようとする。しかし、アイドラギア2502は前述のように外側面2502eが係止壁2571aに当接しK方向の反力FNを受けてJ方向の位置が決まる。このため、アイドラギア2502に対して相対的にJ方向に移動できない駆動伝達ギア1781のJ方向の位置も決まり、これが駆動伝達ギア1781のつり合いの位置となる。つまり力Fta、力Ftb、力250F1がつり合った状態となる。このため、駆動伝達ギア1781はつり合いの位置で位置が決まった状態で回転し、駆動ギア2501及びアイドラギア2502を駆動する。なお、アイドラギア2502はバックラッシュレス状態で駆動される。
以上説明したように、本構成においては、駆動伝達ギア1781とアイドラギア2502のJ方向の位置が決まった状態で、駆動伝達ギア1781から、駆動ギア2501に駆動力を伝達することができる。
なお上記の説明では、アイドラギア2502の歯面2502bt1に作用する、分力250F4と、分力250F5によるアイドラギア2502の移動の説明を別々に説明した。ただし、両方の力は同時に作用するため、アイドラギア2502の駆動に必要なトルク等により、アイドラギア2502のJ方向の移動と、駆動伝達ギア1781との相対的な回転は同時に発生することもある。
このように、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cと第2本体ギア部と噛み合うよう、ねじれ方向が同じでねじれ角が異なる2つの斜歯ギア部を有したアイドラギア2502を設けることで、実施例17で説明した駆動伝達ギア1781を有する装置本体Aに適用可能なカートリッジBを提供できる。更に、駆動伝達ギア1781と噛み合う駆動ギア2501を設けることで駆動伝達ギア1781から駆動力を受けて、カートリッジBが備えるドラム2562等を駆動することが可能である。
なお、本実施例では、アイドラギア2502の回転軸線L4はドラム2562の回転軸線L1と同軸であったがこれに限られない。回転軸線L4と回転軸線L1とが非同軸且つ平行であってもよいし、回転軸線L4と回転軸線L1とが非同軸且つ非平行であってもよい。また、アイドラギア2502は枠体部材2571の外周面2571b1に回転可能に支持されていたが、駆動側フランジ2563や駆動ギア2501によって回転可能に支持されていてもよい。また、アイドラギア2502が他のギア等と噛み合い、駆動伝達ギア1781から受けた駆動力を現像ローラや帯電ローラ等のドラム2562以外の部材へ伝達する構成であってもよい。
また、本実施例では、駆動ギア(駆動力受け部)2501は、駆動伝達ギア(駆動力付与部)1781の第1本体ギア部1781cと噛み合い駆動力を受ける構成であったが、駆動ギア2501が、駆動伝達ギア1781の第2本体ギア部1781dと噛み合い駆動力を受ける構成でも良い。
また先述した各実施例の要素を本実施例の構成に適用することが可能である。特にアイドラギア2502の第1ギア部2502aの第1斜歯(第1突起)2502at、第2ギア部2502bの第2斜歯(第2突起)2502btの構成を、実施例2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、16に示される斜歯、平歯、突起等に変更してもよい。
[実施例26]
次に、実施例26について図108~図111を用いて以下に説明する。本実施例は実施例17で説明した装置本体Aの駆動伝達ギア1781から駆動力を受けて作動することが可能なカートリッジBの別の構成について示す。本実施例は、バックラッシュレス状態で駆動されるギア(アイドラギア2601)がドラムへ駆動力を伝達せず、別のギア(駆動ギア2602)がドラムへ駆動力を伝達する点が実施例17と異なる。それ以外の点については実施例17と同様であり、詳細な説明は省略する。また、本実施例における各要素のうち、実施例1の要素と対応している要素に対しては、対応している実施例1の要素と関連付けた符号を付している。これらの要素について、特段の説明が無い事項については、対応している実施例1の要素と同様である。
図108はクリーニングユニット2660及びドラムユニット2669の駆動側の分解斜視図であり、(a)は駆動側から見た状態を示し、(b)は非駆動側からみた状態を示す。また、図109はクリーニングユニット2660と駆動伝達ギア1781との係合状態を示す図であり、回転軸線L1に直交する方向に沿って見た状態を示している。
<クリーニングユニット2660>
クリーニングユニット2660は、クリーニング枠体を構成する枠体部材2671とドラム軸受部材2673を有する。ドラム軸受部材2673には、円柱部26730aが形成されている。円柱部26730aは、ドラム2662の回転軸線L1と平行な回転軸線L3を形成するように、H方向に突出した円柱形状である。円柱部26730aのドラム2662側先端には、ねじ穴26730bが設けられている。円柱部26730aには、駆動ギア2602が回転可能に取り付けられる。
駆動ギア2602は略円筒形状であり、H方向に沿って上流から第1円筒部2602b、第1ギア部(第1ユニット側ギア部)2602c、第2円筒部2602e、第2ギア部(第2ユニット側ギア部)2602dの順に同軸に並んで配置されており、円柱部26730aは挿入される貫通穴2602aが形成されている。さらに、第2ギア部2602dのドラム2662側には、ドラム2662側と反対方向に円筒形状に窪んだ凹部2602fが形成されている。駆動ギア2602は貫通穴2602aが、ドラム軸受部材2673の円柱部26730aに貫通されるように取り付けられており、駆動ギア2602はドラム軸受部材2673によって回転軸線L3を中心に回転自在に支持されている。
さらに、ビス2603が、ねじ穴26730bに取り付けられる。ビス2603はねじ部2603a、フランジ部2603b、ねじ頭部2603cが配置されている。ビス2603がねじ穴26730bに取り付けられると、フランジ部2603bの外径が駆動ギア2602の凹部2602fの内径よりも小さいため、凹部2602fに侵入する。また、フランジ部2603bは駆動ギア2602の凹部2602fの底面とわずかな隙間をもって対向する。こうして、ビス2603によって、駆動ギア2602のドラム軸受部材2673に対する抜け止めがされる。
次に駆動フランジ2663の構成について説明する。駆動フランジ2663は、図108(a)に示すように、回転軸線L1を中心として、ギア部(第3ギア部)2663d、円筒支持部2663a、円筒部2663e、フランジ部2663bを備えている。円筒支持部2663aは、略円筒形状であり、回転軸線L1に沿って、ギア部2663dよりドラム2662とは反対方向に突出し設けられる。円筒部2663eは、略円筒形状であり、回転軸線L1に沿って、ギア部2663dよりドラム2662と反対側に突出し設けられる。フランジ部2663bは、ドラム2662の直径もしくはそれ以上の径を持った薄い円盤形状であり、ギア部2663dのドラム2662側に設けられる。またギア部(第3ギア部)2663dはドラム2662に駆動力を伝達可能に接続されているといえる。
円筒支持部2663aには、アイドラギア2601が回転可能に取り付けられる。アイドラギア2601は、ドラム2662とH方向に沿って上流から順に第1ギア部2601c、円筒部2601b、第2ギア部2601dを備え、回転軸線L1を中心とする貫通穴2601aを備える樹脂で一体成型されたギアである。第1ギア部2601cはねじれ角α1の斜歯ギアを有し、第2ギア部2601dは、第1ギア部2601cの斜歯ギアとねじれ方向が同じでねじれ角α2の斜歯ギアを有する。また、円筒部2601bは第1ギア部2601c、第2ギア部2601dより外径が小さくなっている。
アイドラギア2601は、貫通穴2601aが、駆動フランジ2663の円筒支持部2663aに差し込まれるように取付けられており、駆動フランジ2663に回転軸線L4まわりに回転自在に支持される。アイドラギア2601の回転軸線L4はドラム2662の回転軸線L1と同軸である。第2ギア部2601dが、後述するように、回転軸線L4に沿って矢印H方向への力を受けて、円筒部2663eに突き当たる。
駆動フランジ2663は、実施例17と同様に、ドラム軸受部材2673に回転可能に支持される。こうして、ドラムユニット2669はクリーニングユニット2660に回転可能に支持される。
図108(b)に示すように、枠体部材2671には円周面26710aが設けられている。円周面26710aは、クリーニングユニット2660に組み付けられた後の、アイドラギア2601の回転軸線L4と同軸の円筒面であり、アイドラギア2601の円筒部01bの径より大きい。さらに、円周面26710aには、摩擦部材2604が両面テープや接着などの手段で貼り付けられる。摩擦部材2604はアイドラギア2601の円筒部2601bと接触し、アイドラギア2601が回転した時に回転を阻害する摩擦力を発生させる。
図109に示すように、クリーニングユニット2660にドラムユニット2669及び駆動ギア2602が組み付けられた状態において、駆動ギア2602の回転軸線L3はドラム2662及び駆動側フランジ2663の回転軸線L1と平行である。また、ドラムユニット2669の回転軸線L1の方向に関して、駆動ギア2602の第1ギア2602cは、アイドラギア2601の第1ギア2601c、第2ギア2601dとの間に位置するように組み立てられている。また、駆動ギア2602の第2ギア2602dは、駆動フランジ2663のギア部2663dと噛み合っており、駆動ギア2602から駆動フランジ2663への駆動力が伝達可能である。
<アイドラギア2601の駆動>
次に、装置本体の駆動伝達ギア1781との駆動伝達について説明する。カートリッジBを装置本体Aに装着すると、図109に示すように、アイドラギア2601の第1ギア部2601cは駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cと噛み合い、アイドラギア2601の2ギア2601dは第2本体ギア部1781dと噛み合う。前述したように、摩擦部材2604から回転を阻害する摩擦力を受けるため、アイドラギア2601を回転駆動するために一定のトルクを必要とする。また、アイドラギア2601は、圧縮ばね1785(図53参照)のH方向のバネ力を、駆動伝達ギア1781を介して受け、H方向に移動し駆動フランジ2663の円筒部2663eに突き当たる。
そして、駆動伝達ギア1781を駆動すると、実施例17と同様の原理で、駆動伝達ギア1781はアイドラギア2601との噛み合いでスラスト力を受け、つり合いの位置へ移動する。第2ギア部2601dの歯は、第1ギア部2601cの歯に対して相対的にI方向の逆方向に移動(回転)できないよう固定されているので、つり合い状態においては、駆動伝達ギア2681とアイドラギア2601のI方向のガタ(バックラッシュ)が無い状態、即ちバックラッシュレス状態である。
<ドラム2662の駆動>
次にドラム2662の駆動について、図110、図111を用いて説明する。図110はカートリッジBをドラム2662の回転軸線L1の方向に沿って見た図である。(a)はカートリッジBの外観を示し、(b)は駆動ギア2602の第1ギア2601cを通る断面で切断した状態を示し、(c)は駆動ギア2602の第2ギア2601dを通る断面で切断した状態を示している。図111は、カートリッジBの駆動伝達機構の斜視図であり、(a)と(b)は異なる角度からみた状態を示しており、駆動伝達機構の構成がわかるよう、ドラム軸受部材2673等は図示していない。
現像カップリング部材2689は、実施例17の現像カップリング部材1789と同様に、装置本体Aの本体側カップリング部材1799(図57参照)と係合し、駆動力を伝達される。また、現像カップリング部材2689はアイドラギア1790と噛み合っており、駆動力伝達経路で下流側のアイドラギア1791等を介して現像ローラ1732(図50参照)へ駆動力を伝達する。
更に、現像カップリング部材2689はギア部26890aを有し、図110(b)に示すように、ギア部26890aはクリーニングユニット2660に設置された駆動ギア2602の第1ギア部2602cと噛み合っている。
また、現像ユニット2620は、クリーニングユニット2660に対して現像カップリング部材2689の回転軸線と同軸の軸線を中心として回動(揺動)可能な構成となっている。従って、現像ユニット2620がクリーニングユニット2660に対し現像カップリング部材2689の回転軸線を中心として揺動した場合においても、現像カップリング部材2689のギア部26890aと、駆動ギア2602の回転軸線間の距離は変化しない。このため、現像ユニット2620、クリーニングユニット2660の、2つのユニット間をまたがるギアの噛み合いを安定して行うことができる。
また、図110(c)、に示すように、駆動ギア2602の第2ギア2602dは、駆動フランジ2663のギア部2663dと噛み合っている。
このように、現像カップリング部材2689が本体側カップリング部材1799(図57参照)と係合して伝達された駆動力は、駆動ギア2602を介して、駆動フランジ2663へ伝達されて、ドラム2662を駆動する。つまり、本体側カップリング部材1799は駆動力付与部であり、現像カップリング部材2689は、本体側カップリング部材1799からドラム2662を回転駆動する駆動力を受ける駆動力受け部である。
このように本実施例では、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cと第2本体ギア部と噛み合うよう、ねじれ方向が同じでねじれ角が異なる2つの斜歯ギア部を有したアイドラギア2601を設けることで、実施例17で説明した駆動伝達ギア1781を有する装置本体Aに適用可能なカートリッジBを提供できる。更に、本実施例の構成では、現像カップリング部材2689が装置本体Aから受けた駆動力を、駆動ギア2602を介して駆動フランジ2663へと伝達し、カートリッジBが備えるドラム2662等を駆動することが可能である。
なお、本実施例では、アイドラギア2601の回転軸線L4はドラム2662の回転軸線L1と同軸であったがこれに限られない。回転軸線L4と回転軸線L1とが非同軸且つ平行であってもよいし、回転軸線L4と回転軸線L1とが非同軸且つ非平行であってもよい。
また、アイドラギア2601は駆動フランジ2663に支持されていたが、枠体部材2671によって回転可能に支持されていてもよい。また、アイドラギア2601が他のギア等と噛み合い、駆動伝達ギア1781から受けた駆動力を帯電ローラ等のドラム2662や現像ローラ1732以外の部材へ伝達する構成であってもよい。
また先述した各実施例の要素を本実施例の構成に適用することが可能である。特にアイドラギア2601の第1ギア部2601cの第1斜歯(第1突起)、第2ギア部2601dの第2斜歯(第2突起)の構成を、実施例2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、16に示される斜歯、平歯、突起等に変更してもよい。
[実施例27]
次に、実施例27について図115~図124を用いて以下に説明する。本実施例は、実施例17と比べると駆動側フランジの構成が異なる。即ち、実施例17の駆動側フランジ1763は、第1ギア部1763cと、第1ギア部1763cとはねじれ角の異なる第2ギア部1763dと、を有していたが、本実施例の駆動側フランジ2763は、駆動力FDを受ける第1ユニット側ギア部としての第1ギア部2763cと、第1ギア部2763cとねじれ角が同じ第2斜歯2763dt(斜歯部2763dm)及び規制力FBを受けるかぎ爪部2763du(突起部2763dn)を含む第2ユニット側ギア部としての第2ギア部2763dと、を有する。それ以外の点については実施例17と同様であり、詳細な説明は省略する。また、本実施例における各要素のうち、実施例1の要素と対応している要素に対しては、対応している実施例1の要素と関連付けた符号を付している。これらの要素について、特段の説明が無い事項については、対応している実施例1の要素と同様である。
<クリーニングユニット2760及びドラムユニット2769>
図115は、クリーニングユニット2760及びドラムユニット2769を示す分解斜視図である。図116(a)は、クリーニングユニット2760及びドラムユニット2769を示す斜視図である。図116(b)は、駆動側フランジ2763及びその周辺構成を示す拡大斜視図である。
図115に示すように、クリーニングユニット2760は、枠体としての枠体部材2771と、ドラム軸受部材2773と、軸部材2778と、を有し、感光体ユニットとしてのドラムユニット2769を回転可能に支持している。ドラム軸受部材2773は、不図示のビス等で枠体部材2771に固定されている。
ドラムユニット2769は、感光体及び回転体としてのドラム2762と、駆動側フランジ2763と、非駆動側フランジ2764と、を有している。駆動側フランジ2763及び非駆動側フランジ2764は、ドラム2762の両端部にカシメ固定されており、これらドラム2762、駆動側フランジ2763及び非駆動側フランジ2764は、回転軸線L1を中心に一体的に回転可能に構成される。
駆動側フランジ2763は、回転軸線L1を中心とする円筒状の突起2763gを有しており、突起2763gは、ドラム軸受部材2773の穴2773dの内部に嵌る。非駆動側フランジ2764の回転軸線L1を中心とする支持穴2764gには、枠体部材2771の穴2771cに圧入される軸部材2778が挿入される。これにより、ドラムユニット2769が、枠体部材2771及びドラム軸受部材2773に回転可能に支持される。
次に、駆動側フランジ2763の回転軸線方向の位置決めについて説明する。図116(a)及び図116(b)に示すように、駆動側フランジ2763は、第1ギア部2763cと、第2ギア部2763dと、第1ギア部2763c及び第2ギア部2763dを接続する円筒部2763eと、を有している。第1ギア部2763c及び第2ギア部2763dは、同軸で、すなわち共に回転軸線L1を中心に回転可能である。また、第1ギア部2763c及び第2ギア部2763dの回転軸線は、ドラム2762の回転軸線(L1)と同軸である。
第1ギア部2763cは、円筒部2763eのJ方向下流に配置されており、第2ギア部2763dは、円筒部2763eのH方向下流に配置されている。また、回転軸線L1の方向に関して、第1ギア部2763cとドラム2762との間に第2ギア部2763dが配置されている。円筒部2763eは、回転軸線L1に直交する半径方向において、第1ギア部2763c及び第2ギア部2763dの最外径よりも小径に構成されている。
つまり、円筒部2763eを設けることで、回転軸線L1の方向に関して、第1ギア部2763cと第2ギア部2763dとの間に隙間gが形成される。これにより、カートリッジBを装置本体Aに装着した際、回転軸線L1の方向に関し、第1ギア部2763cが第2本体ギア部1781dと接触すること、及び、第2ギア部2763dが第1本体ギア部1781cと接触することを防ぐことができる(図118(a)参照)。
枠体部材2771は、回転軸線L1に直交する方向に伸びるように設けられたリブ2771p及び側壁2771mを備える。リブ2771pは、回転軸線L1に直交する半径方向において円筒部2763eに対向しており、回転軸線L1の方向(H方向又はJ方向)に見て、第1ギア部2763cに重なるように配置されている。第1ギア部2763cは、回転軸線L1の方向に関してリブ2771p及び側壁2771mの間に配置されており、これにより駆動側フランジ2763は回転軸線L1の方向において移動規制される。なお、駆動側フランジ2763の第1ギア部2763cは、H方向下流側の端面及びJ方向下流側の端面からそれぞれ突出する突出部を有してもよく、突出部がリブ2771p及び側壁2771mにそれぞれ接触可能に構成されてもよい。
<駆動伝達ギア1781>
図117は、駆動伝達ギア1781を示す斜視図である。駆動伝達ギア1781は、実施例17と同一構成であり、図面に実施例17の例えば図53(a)及び図53(b)と同様の符号を付して、説明を省略する。
<駆動側フランジ2763>
図118(a)は、駆動伝達ギア1781及び駆動側フランジ2763が係合している様子を示す正面図である。図118(b)は、駆動伝達ギア1781と駆動側フランジ2763の係合状態を示す、回転軸線L1に直交する断面における断面図である。図119(a)は、駆動側フランジ2763を示す斜視図である。図119(b)は、駆動側フランジ2763を示す正面図である。図120(a)は、第2ギア部2763dを示す拡大正面図。図120(b)は、第2ギア部2763dを示す拡大斜視図である。
図118(a)に示すように、駆動側フランジ2763の第1ギア部2763cは、駆動伝達ギア1781の第1本体側斜歯ギア部としての第1本体ギア部1781cと噛み合う。第2ギア部2763dは、図120(a)(b)に示すように、複数の第2斜歯2763dtによって構成された斜歯部2763dmと、複数のかぎ爪部2763duによって構成され、斜歯部2763dmに一体に形成される突起部2763dnと、を有している。第1突起部としての第2斜歯2763dtは、回転軸線L1の方向に延び、回転軸線L1の方向が長手方向となっている。第2ギア部2763dの突起部2763dnは、駆動伝達ギア1781の第2本体側斜歯ギア部としての第2本体ギア部1781dと噛み合い、規制力FBを受ける。このため、斜歯部2763dmは、斜歯ギアの形状をしているものの、実際に第2本体ギア部1781dから規制力FBや駆動力FDを受ける必要は無い。
図119(a)及び図119(b)に示すように、駆動側フランジ2763は、上述したように、第1ギア部2763cと、第2ギア部2763dと、円筒部2763eと、を有し、樹脂成型により一体的に成型されている。なお、駆動側フランジ2763は、樹脂ではなく、金属から構成されてもよい。また、第1ギア部2763cと、第2ギア部2763dと、円筒部2763eのいずれか又は全てを別部材で形成する構成であっても良い。
また、駆動側フランジ2763の第1ギア部2763cと第2ギア部2763dの斜歯部2763dmのねじれ方向は、互いに同じ方向で、J方向に向かうにつれて歯面がK方向に向かってずれていくようにねじれる方向である。より詳しくは、斜歯ギア部としての第1ギア部2763cは、複数の第1斜歯2763ctを有しており、斜歯としての第1斜歯2763ctは、回転軸線L1に沿ってドラム2762から離れるにつれて、回転軸線L1を中心とする第1周方向としてのK方向にねじれている。なお、第1ギア部2763cと第2ギア部2763dの斜歯部2763dmのねじれ方向は、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cと第2本体ギア部1781dのねじれ方向とは逆である。
また、第2ギア部2763dの斜歯部2763dmのねじれ角は、第1ギア部2763cのねじれ角α1と同じである。ねじれ角α1は、10°以上40°以下(15°≦α1≦40°)が好ましく、15°以上40°以下(15°≦α1≦40°)がより好ましく、20°以上35°以下(20°≦α1≦35°)が更に好ましい。本実施例では、ねじれ角α1は20°に設定されている。また、駆動側フランジ2763の第1ギア部2763cと第2ギア部2763dの歯数は同じである。なお、第2ギア部2763dの斜歯部2763dmのねじれ角は、第1ギア部2763cのねじれ角α1よりも小さくてもよい。
また、図119(b)に示すように、回転軸線L1の方向に関して、第1ギア部2763c及び第2ギア部2763dの幅をそれぞれ歯幅Wc,Wdとし、円筒部2763eの幅を幅Weとすると、歯幅Wc,Wd及び幅Weの関係は以下の式のようになる。なお、歯幅Wcは、第1ギア部2763cの第1斜歯2763ctの歯幅であり、歯幅Wdは、第2ギア部2763dの斜歯部2763dm(第2斜歯2763dt)と突起部2763dnを合わせた歯幅である。また、幅Weは、隙間gの幅と同じである。
Wc≦We・・・(式A1)
Wc≦Wd・・・(式A2)
Wd≦We・・・(式A3)
すなわち、円筒部2763eの幅Weは、第1ギア部2763cの歯幅Wc以上である。また、第2ギア部2763dの歯幅Wdは、第1ギア部2763cの歯幅Wc以上である。また、円筒部2763eの幅Weは、第2ギア部2763dの歯幅Wd以上である。なお、第1ギア部2763cの歯幅Wcが一定でない場合は、最も歯幅の広い歯の歯幅が歯幅Wcであるとし、第2ギア部2763dの歯幅Wdが一定でない場合は、最も歯幅の広い歯の歯幅が歯幅Wdであるとする。
図120(a)及び図120(b)に示すように、第2ギア部2763dの斜歯部2763dmは、回転軸線L1を中心とする周方向で異なる位置に配置された複数の第2斜歯2763dtを有している。また、第2ギア部2763dの突起部2763dnは、回転軸線L1を中心とする周方向で異なる位置に配置された、複数の第2斜歯2763dtと同数のかぎ爪部2763duを有している。
第2斜歯2763dtは、回転軸線L1を中心とする半径方向に突出した突起であり、回転軸線L1に直交する断面における突起の形状はインボリュート歯形状である。しかしながら、第2斜歯2763dtの突起の形状は、インボリュート歯形状でなくても良い。より詳しくは、第2斜歯2763dtは、回転軸線L1に沿ってドラム2762から離れるにつれて、回転軸線L1を中心とするK方向にねじれたねじれ突起部である。第2斜歯2763dtの少なくとも一部は、回転軸線L1の方向に関して、かぎ爪部2763duとドラム2762との間に配置されている。
かぎ爪部2763duは、第2斜歯2763dtのJ方向における下流端から、J方向下流に向かうにつれてK方向下流に延びる突起である。言い換えれば、第2突起部としてのかぎ爪部2763duは、第2斜歯2763dtの少なくとも一部よりもK方向に関して下流で、且つ、第2斜歯2763dtの少なくとも一部よりもドラム2762の回転軸線L1の方向に関して第1ギア部2763cの近くに配置されている。また、かぎ爪部2763duは、回転軸線L1の方向に関して、第2ギア部2763dの歯の中で最もドラム2762から離れた位置に配置されている。更に、かぎ爪部2763duは、H方向下流端部かつK方向下流端部に、当接部2763dvを有している。当接部2763dvは、K方向に関して、第2斜歯2763dtの下流端よりも下流側に位置している。
<駆動伝達動作>
次に、駆動伝達ギア1781と駆動側フランジ2763との噛合い動作について、図121(a)及び図121(b)用いて説明する。図121(a)及び図121(b)は、図118(b)の121AB-121AB断面を示す断面図である。121AB-121AB断面は、駆動伝達ギア1781及び駆動側フランジ2763の斜歯ギアの基準ピッチ円の接線を含む断面である。
カートリッジBを本体Aに装着していない状態では、駆動伝達ギア1781は圧縮バネ1785によってH方向に付勢され、メイン枠体1784に突き当たっている(図54(a)参照)。
<駆動開始後の動作>
図121(a)に示すように、カートリッジBが装置本体Aに装着された後、駆動伝達ギア1781は、アイドラギア1780(図117参照)を介して装置本体Aのモータ(不図示)によって駆動させられ、I方向に回転する。なお、カートリッジBが本体Aに装着された状態では、第2ギア部2763dのかぎ爪部2763duは、駆動伝達ギア1781のK方向(回転方向)において隣り合う2つの第2本体ギア部1781dの間に位置している。また、第2ギア部2763dの第2斜歯2763dtの一部もK方向(回転方向)において隣り合う2つの第2本体ギア部1781dの間に位置している。
駆動伝達ギア1781がK方向に駆動させられると、まず、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cが、駆動側フランジ2763の第1ギア部2763cに噛合う。すなわち、第1本体ギア部1781cの駆動面1781c1が、第1ギア部2763cの被駆動面2763c1に当接し、駆動力を加える。このとき、第2ギア部2763dの突起部2763dnは、第2本体ギア部1781dには当接していない。なお、駆動面1781c1は、第1本体ギア部1781cの、I方向における下流側の歯面であり、被駆動面2763c1は、第2ギア部2763dの、K方向における上流側の歯面である。
より詳しくは、駆動面1781c1は、被駆動面2763c1に力F11を伝達させ、力F11のK方向成分である駆動力FDによって、第1ギア部2763cはK方向に回転する。また、駆動面1781c1は、力F11の反力F12を受ける。そして、駆動伝達ギア1781は、反力F12の回転軸線L1の方向の成分であるスラスト力F6によって、J方向に付勢される。スラスト力F6は、圧縮バネ1785の付勢力より大きいため、駆動伝達ギア1781は、駆動面1781c1を被駆動面2763c1に摺擦させながら、圧縮バネ1785の付勢力に抗してJ方向に移動する。なお、この時、駆動側フランジ2763は、第1ギア部2763cがリブ2771p及び側壁2771mによって回転軸線L1の方向に挟み込まれることによって、回転軸線L1の方向への移動が規制されている。
ここで、第2本体ギア部1781dの第2本体斜歯1781dtのねじれ角α2は、第2ギア部2763dの第2斜歯2763dtのねじれ角α1よりも大きい(α2>α1)。このため、図121(b)に示すように、駆動伝達ギア1781がスラスト力F6によってJ方向に移動することで、第2本体ギア部1781dの被当接面1781d2は、かぎ爪部2763duの当接部2763dvに当接する。被当接面1781d2は、第2本体ギア部1781dの、I方向における上流側の歯面である。
このとき、第1本体ギア部1781cの駆動面1781c1と、第1ギア部2763cの被駆動面2763c1は、接触を維持している。つまり、第1ギア部2763cの歯は、I方向上流側に配置された第1本体ギア部1781cと接触し、第2ギア部2763dのかぎ爪部2763duは、I方向下流側に配置された第2本体ギア部1781dと接触している。
この状態では、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cが、駆動面1781c1で被駆動面1763c1を押圧して、駆動側フランジ2763を回転させている。そして、駆動伝達ギア1781の第2本体ギア部1781dの被当接面1781d2が、当接部2763dvと当接する。これにより、駆動伝達ギア1781は、駆動側フランジ1763によって、I方向(回転方向)及び回転軸線L2(L1)の方向において挟み込みこまれる。そして、駆動伝達ギア1781の回転軸線L1の方向の移動が止まる。この時の駆動伝達ギア1781の回転軸線L1の方向の位置をつり合いの位置とし、この時の状態をつり合い状態とする。
つり合い状態において、駆動伝達ギア1781には、図121(b)に示すように、回転軸線L1の方向に関して、力F9、力F10、力F1がかかっている。力F9は、第1本体ギア部1781cが第1ギア部2763cとの噛み合い力で受けるJ方向のスラスト力、力F10は第2本体ギア部1781dがかぎ爪部2763duとの噛み合い力で受けるH方向のスラスト力、力F1はアイドラギア1780を介して受ける圧縮バネ1785の付勢力である。そして、つり合い状態において、回転軸線L1の方向に関して、摩擦を無視すると、力F9、力F10及び力F1が釣り合って、駆動伝達ギア1781及び駆動側フランジ2763がそれぞれ回転軸線L1の方向で位置決めされた状態となっている。
また、つり合い状態において、駆動側フランジ2763は、K方向(回転方向)に関して、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781c及び第2本体ギア部1781dに挟まれて(接触して)次のような力を受けた状態となっている。つまり、第1ギア部2763cの被駆動面2763c1は、K方向(第一周方向)で上流側に配置された第1本体ギア部1781cと接触することで、駆動側フランジ2763をK方向(所定方向)に回転させる方向の成分の力としての駆動力FDを受ける。
同時に、第2ギア部2763dのかぎ爪部2763duの当接部2763dvは、K方向(第一周方向)で下流側に配置された第2本体ギア部1781dと接触することで、駆動側フランジ2763のK方向の回転を抑制(規制)する方向の成分の力としての規制力(ブレーキ力)FBを受ける。このため、第1ギア部2763cは駆動力FDを受ける駆動力受け部であり、第2ギア部2763dは規制力FBを受ける規制力受け部であるとも言える。
このように、本実施例においても、第1ギア部2763cが駆動力FDを受け、第2ギア部2763dのかぎ爪部2763duが規制力FBを受けた状態は、駆動側フランジ2763と駆動伝達ギア1781の間で回転方向(I方向)のガタ(バックラッシュ)が無い状態、即ちバックラッシュレス状態である。このように、駆動側フランジ2763はバックラッシュレス状態を維持したままK方向に回転駆動されることになる。バックラッシュレス状態でかみ合って駆動伝達している間は、回転精度の良い駆動伝達が可能である。
また、回転軸線L1の方向に関して、第1ギア部2763cの方が第2ギア部2763dよりも被支持部である突起2763gに近い位置に配置されている。そして、駆動側フランジ2763は、駆動力FDを受ける第1ギア部2763cの方が、規制力FBを受ける第2ギア部2763dよりも、歯面にかかる力が大きい。そのため、駆動力FDがドラムユニット2769の回転軸線L1を軸倒れさせるように作用しドラム2762が理想的な回転軸線L1に対して傾斜する場合がある。しかし、本実施例のように、駆動力FDを受ける第1ギア部2763cを第2ギア部2763dよりも被支持部である突起2763gに近い位置に配置することで、駆動力FDを受けることに起因したドラムユニット2769の回転軸線L1の軸倒れを抑制することができる。
<第2斜歯2763dt及びかぎ爪部2763duの形状>
図122(a)は、駆動伝達ギア1781及び駆動側フランジ2763が係合している様子を示す正面図である。図122(b)は、図122(a)の122B-122B断面を示す断面図である。122B-122B断面は、駆動伝達ギア1781及び駆動側フランジ2763の斜歯ギアの基準ピッチ円の接線を含む断面である。図123は、当接部2763dvの形状を示す断面図である。
図122(b)に示すように、かぎ爪部2763duは、第2斜歯2763dtのJ方向における下流端から、K方向に突出量PD1だけ突出している。かぎ爪部2763duは、上述したように、カートリッジBが装置本体Aに装着された後、かつ駆動伝達ギア1781がモータによって駆動されていない状態では、隣接する2つの第2本体斜歯1781dtの間において、所定の遊びを有して挿入されている。
本実施例では、突出量PD1は、例えば0.1~1.3mmに設定される。ただし、突出量PD1は、第2本体斜歯1781dtのギア諸元によって適正値が変化するため、隣接する2つの第2本体斜歯1781dtの間に遊びを有してかぎ爪部2763duを挿入可能な値ならば限定されない。
また、かぎ爪部2763duと第2本体ギア部1781dがより確実に係合するために、かぎ爪部2763duは、2つの第2本体斜歯1781dtの間において、よりJ方向下流側に配置されることが望ましい。すなわち、かぎ爪部2763duは、回転軸線L1の方向に関して、第2本体ギア部1781dに対してオーバーラップ量が大きい方が望ましい。該オーバーラップ量が大きくなると、第2本体ギア部1781dとかぎ爪部2763duとの係合が、係合部分での変形や滑りが発生してもかぎ爪部2763duと第2本体ギア部1781dとの係合を維持しやすくなる。また、駆動伝達ギア1781及び駆動側フランジ2763の回転軸線L1の方向に関する寸法バラツキに対しても、オーバーラップ量が大きくなると有利になる。
上記オーバーラップ量を大きくするためには、突出量PD1を大きくし、かつ第2本体斜歯1781dtの肉厚PD2やかぎ爪部2763duの幅PD3を小さく設定する必要がある。肉厚PD2や幅PD3を小さく設定すると、第2ギア部2763dの剛性が低下する虞があるため、駆動側フランジ2763は、金属などの剛性が高い材料から構成されてもよい。
図123に示すように、駆動側フランジ2763の駆動精度を高めるために、駆動側フランジ2763の当接部2763dvは、駆動伝達時において、駆動伝達ギア1781の第2本体ギア部1781dにできるだけ長い時間当接していた方が好ましい。そのため、当接部2763dvの回転軸線L1に直交する断面での形状は、インボリュート歯形等の第2本体ギア部1781dに対する噛合い率が高い歯車形状であることが好ましい。
以上説明したように、本実施例によれば、例えば実施例1や実施例17と同様の効果を得ることができる。また先述した各実施例の要素を本実施例の構成に適用することが可能である。特に、実施例25のアイドラギア2502や実施例26のアイドラギア2601に本実施例の駆動側フランジ2763の構成を適用しても良い。なお、本実施例における現像ローラ1732への駆動力伝達構成は、実施例1の<その他の変形例>で図44を用いて説明した装置本体Aのカップリング部材と係合して駆動力を入力される現像カップリング部材89を介して現像ローラ532へ駆動力を伝達する構成と同様の構成である。
また、第2斜歯2763dtとかぎ爪部2763duとは樹脂等で一体成型されていなくても良い。つまり、第2斜歯2763dtを有する部材とかぎ爪部2763duを有する部材を別々に製造し、これらの部材を互いに固定することで、第2斜歯2763dtとかぎ爪部2763duを有する第2ギア部2763dを製造しても良い。
なお、駆動側フランジ2763の第1ギア部2763cの第1斜歯(第1突起)2763ct、第2ギア部2763dの第2斜歯(第2突起)2763dtの構成を、実施例2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、16に示される斜歯、平歯、突起等に変更してもよい。
また、実施例22、23で説明したように、第1ギア部2763cと第2ギア部2763dの間の隙間gを、偏芯リング2201や弾性部材2301等の中間部材で埋めてもよい。
また、実施例1で言及しているように、駆動側フランジ2763は、ドラム2762以外の部材に設けられてもよい。例えば、現像ローラギアに第1ギア部2763c、第2ギア部2763d及び円筒部2763eを設け、駆動伝達ギア1781が現像ローラ32を駆動するような構成へ適用することも可能である。更に駆動伝達ギア1781が駆動する対象は、ドラム2762や現像ローラ32などトナー(現像剤)を担持する現像剤担持体に限られない。駆動伝達ギア1781が駆動する対象は、例えば、トナーを搬送(又は攪拌)する搬送部材(又は攪拌部材)43、帯電ローラ66でも良く、また、現像ローラ32へトナーを供給する供給部材等でも良い。また、駆動伝達ギア1781が駆動する対象が、カートリッジBが備えるドラム2762以外の部材である場合、そのカートリッジBはドラム2762等の感光体を有していないカートリッジであっても良い。
<実施例27の変形例>
次に、実施例27の変形例について、図124(a)及び図124(b)を用いて説明する。図120(b)に示す実施例27のかぎ爪部2763duは、第2斜歯2763dtに連続して形成されていたが、本変形例では、かぎ爪部2763duは、第2斜歯2763dtに対して離間して構成されている。
図124(a)は、実施例27の変形例に係る駆動側フランジ2763の第2ギア部2763d2を示す斜視図である。図124(b)は、実施例27の変形例に係る第2ギア部2763d2を示す正面図である。
図124(a)及び図124(b)に示すように、第2ギア部2763d2は、回転軸線L1を中心とする周方向で異なる位置に配置された複数の第2斜歯2763dt2と、複数のかぎ爪部2763du2と、を有している。かぎ爪部2763du2は、第2斜歯2763dt2と同数だけ設けられており、第2斜歯2763dt2から離間している。また、第2斜歯2763dt2は、J方向に関してかぎ爪部2763du2よりも下流に延びている。
なお、第2斜歯2763dt2の回転軸線L1の方向に関する長さは、かぎ爪部2763du2と第2本体ギア部1781dとの噛合いを阻害しない程度の長さに設定されればよい。例えば、第2斜歯2763dt2は、かぎ爪部2763du2に対して回転軸線L1の方向にオーバーラップしないような長さに設定されてもよい。
以上のような構成においても、駆動側フランジ2763と駆動伝達ギア1781の間で回転方向(I方向)のガタ(バックラッシュ)が無い状態、即ちバックラッシュレス状態を実現することができる。
[実施例28]
次に、実施例28について、図125(a)~図151(b)を用いて以下に説明する。本実施例は、実施例26と同様に、装置本体の駆動伝達ギア1781からドラム(2862)へは駆動力が伝達されず、現像カップリング部材2889から入力される駆動力によって、ドラム(2862)を駆動する。また、実施例26のアイドラギア2601の代わりに、駆動伝達ギア1781に負荷を与える押圧機構2879を設けた点が、実施例26とは異なる。それ以外の点については実施例17と同様であり、詳細な説明は省略する。また、本実施例における各要素のうち、実施例1,27の要素と対応している要素に対しては、対応している実施例1,27の要素と関連付けた符号を付している。これらの要素について、特段の説明が無い事項については、対応している実施例1,28の要素と同様である。
<カートリッジB>
図125(a)は、カートリッジBを示す斜視図であり、図125(b)は、カートリッジBを他の視点から見た斜視図である。図125(a)及び図125(b)に示すように、プロセスカートリッジであるカートリッジBは、主にクリーニングユニット2860と、現像ユニット2820と、を有している。現像ユニット2820は、クリーニングユニット2860及びドラム軸受部材2873によって、回動軸DAを中心に揺動可能に支持されている。回動軸DAは、感光体ユニットとしてのドラムユニット2869の回転中心である回転軸線L1と平行である。
<現像ユニット2820>
図126は、現像ユニット2820を示す斜視図である。図126に示すように、現像ユニット2820は、現像サイドカバー2826を含む枠体2821を有しており、枠体2821には、回動軸DAを回転中心とする現像カップリング部材2889が回転可能に支持されている。現像カップリング部材2889は、現像カップリング部材2889の回転軸線としての回動軸DAがドラム2862の回転軸線L1とは同軸とならないように、枠体2821に支持されている。つまり、枠体2821における回動軸DAの位置が固定されている。なお、枠体部材2871及び枠体2821を合わせて、枠体ともいう。カップリング部材としての現像カップリング部材2889は、ドラム2862及び現像ローラ2832(図143(a)参照)へ駆動力を伝達可能である。
また、現像サイドカバー2826には、現像カップリング部材2889を囲むように円筒部2826aが設けられている。円筒部2826aには、クリーニングユニット2860に対向する側に配置された切欠き部2826bが形成されており、現像カップリング部材2889は、切欠き部2826bからクリーニングユニット2860側に露出している。
<クリーニングユニット2860及びドラムユニット2869>
図127(a)は、クリーニングユニット2760及びドラムユニット2769を示す斜視図である。図127(b)は、クリーニングユニット2760及びドラムユニット2769を示す正面図である。図127(c)は、ドラム軸受部材2873及びその周辺構成を示す斜視図である。図128(a)(b)は、駆動ギア2802を示す斜視図である。図129(a)は、ドラム軸受部材2873に設けられたガイド部28731を示す斜視図である。図129(b)は、ガイド部28731を示す拡大斜視図である。
図127(a)に示すように、クリーニングユニット2860は、枠体としての枠体部材2871と、ドラム軸受部材2873と、を主に有し、ドラムユニット2869を回転可能に支持している。ドラム軸受部材2873は、不図示のビス等で枠体部材2871に固定されている。
ドラムユニット2869は、ドラム2862と、フランジとしての駆動側フランジ2863と、非駆動側フランジ2864と、を有している。駆動側フランジ2863及び非駆動側フランジ2864は、ドラム2862の両端部にカシメ固定されており、これらドラム2862、駆動側フランジ2863及び非駆動側フランジ2864は、回転軸線L1を中心に一体的に回転可能に構成される。なお、駆動側フランジ2863及び非駆動側フランジ2864とドラム2862との固定は圧入や接着であっても良い。
図127(b)に示すように、非駆動側フランジ2864には、回転軸線L1を中心とする不図示の円形の穴が設けられ、枠体部材2871の穴2871cに圧入される不図示の軸部材が該穴に挿入される。駆動側フランジ2863は、ギア部2863dと、回転軸線L1を中心とする円筒状の突起2863gと、を有しており、突起2863gは、ギア部2863dよりもJ方向下流に配置されている。突起2863gは、後述するドラム支持軸28733aによって回転可能に支持されている。
ドラム支持軸28733aは、小径部28733a1と、小径部28733a1よりも外径が大きい大径部28733a2と、を有している。突起2863gが備える回転軸線L1を中心とする不図示の円形の穴には、ドラム支持軸28733aの小径部28733a1が挿入される。なお、円筒状の突起2863gには、ドラム支持軸28733aの大径部28733a2は嵌らないように構成されている。
これにより、ドラムユニット2869が、枠体部材2871及びドラム軸受部材2873に回転可能に支持される。また、ドラムユニット2869は、ドラム支持軸28733aの大径部28733a2によって回転軸線L1に沿うJ方向に移動規制されている。また、ドラムユニット2869は、枠体部材2871に非駆動側フランジ2864が接触することで、回転軸線L1に沿うK方向の移動が規制されている。すなわち、ドラムユニット2869は、回転軸線L1の方向において位置が規制されている。
図127(c)及び図129(a)に示すように、ドラム軸受部材2873には、円柱部28730aが形成されている。円柱部28730aは、ドラム2862の回転軸線L1と平行な回転軸線L3を形成するように、H方向に突出した円柱形状を有している。円柱部28730aの先端には、ねじ穴28730bが設けられている。そして、円柱部28730aには、駆動ギア2802が回転軸線L3を中心に回転可能に取り付けられる。
駆動ギア2802が円柱部28730aに取り付けられた後に、ビス2803が円柱部28730aのねじ穴28730bが螺合される。これにより、駆動ギア2802は、円柱部28730aに対して抜け止めされる。
図128(a)(b)に示すように、駆動ギア2802は、H方向に沿って上流から第1円筒部2802b、第1ギア部2802c、第2円筒部2802e、第2ギア部2802dの順に同軸に並んで配置されており、円柱部28730aが挿入される貫通穴2802aが形成されている。また、図127(c)に示すように、ドラム軸受部材2873には、押圧機構2879が設けられている。
<押圧機構2879の構成>
次に、押圧機構2879の構成について説明する。図130(a)は、押圧部材28732を示す斜視図である。図130(b)(c)は、カバー部材28733を示す斜視図である。図131(a)は、ガイド部28731に押圧部材28732及び弾性部材28734を組み付ける様子を示す斜視図である。図131(b)は、ガイド部2831にカバー部材28733を組み付ける様子を示す斜視図である。図131(c)は、駆動ギア2802をドラム軸受部材2873に組み付ける様子を示す斜視図である。
押圧機構2879は、図131(a)~(c)に示すように、ガイド部28731と、移動部としての押圧部材28732と、カバー部材28733と、付勢部としての弾性部材28734と、を有している。図129(a)(b)に示すように、ドラム軸受部材2873には、ガイド部28731が設けられている。ガイド部28731は、押圧部材28732を収容可能なように全体で略コ字状に形成されている。ガイド部28731は、第1側壁28731aと、第1側壁28731aと対称に設けられた第2側壁28731bと、第1側壁28731a及び第2側壁28731bを接続する接続部28731cと、規制面28731dと、を有している。
第1側壁28731a及び第2側壁28731bは、後述する押圧部材28732の押圧方向Eに沿って延びている。押圧方向Eは、回転軸線L1,L3に直交する平面に沿った方向であり、規制面28731dは、第1側壁28731a、第2側壁28731b及び接続部28731cdに囲まれる領域において押圧方向Eに沿って延びている。図129(b)に示すように、第1側壁28731aは、ガイド面28731a1と、係合突起28731a2と、突き当て部28731a3と、を有している。ガイド面28731a1及び係合突起28731a2は、押圧方向Eに延びている。突き当て部28731a3は、押圧方向Eに関して第1側壁28731aの下流端部に設けられている。
同様に、第2側壁28731bは、ガイド面28731b1と、係合突起28731b2と、突き当て部28731b3と、を有している。ガイド面28731b1及び係合突起28731b2は、押圧方向Eに延びている。突き当て部28731b3は、押圧方向Eに関して第2側壁28731bの下流端部に設けられている。
ガイド面28731a1,28731b1は、押圧方向Eに直交する方向において互いに対向するように配置されており、係合突起28731a2,28731b2は、押圧方向Eに直交する方向において互いに離れるように突出している。突き当て部28731a3,28731b3は、押圧方向Eに直交する方向に関して互いに近づく方向かつ互いに遠ざかる方向に突出している。
接続部28731cは、押圧方向Eの下流側に臨むばね座面28731c1と、ばね座面28731c1の中央部から、押圧方向Eに突出するボス28731c2と、を有している。このように、ガイド部28731は、ボス28731c2の中心線に対して線対称に形成されている。
図130(a)に示すように、押圧部材28732は、押圧方向Eにおける下流端に設けられる押圧面28732eと、第1被ガイド部28732aと、第2被ガイド部28732bと、1対の被ガイド部28732a,28732bの間に設けられるばね座面28732c1と、ばね座面28732c1から押圧方向Eとは反対方向に突出するボス28732c2と、を有している。
第1被ガイド部28732aは、第1側壁28731aのガイド面28731a1に摺接可能な被ガイド面28732a1と、第1側壁28731aの突き当て部28731a3に当接可能な被突き当て面28732a3と、を有している。同様に、第2被ガイド部28732bは、第2側壁28731bのガイド面28731b1に摺接可能な被ガイド面28732b1と、第2側壁28731bの突き当て部28731b3に当接可能な被突き当て面28732b3と、を有している。
図130(b)(c)に示すように、カバー部材28733は、ドラム軸受部材2873に組み付けると回転軸線L1に直交する平面に沿って延びるプレート部28733bと、プレート部28733bから延びるドラム支持軸28733aと、ドラム支持軸28733aが立設される面とは反対側の面である規制面28733fと、押圧方向Eに直交する方向においてプレート部28733bの両端部に設けられる一対の係合溝28733d,28733eと、を有している。一対の係合溝28733d,28733eは、押圧方向Eに沿って延びており、それぞれガイド部28731の係合突起28731a2,28731b2に係合可能である。
次に、図131(a)~(c)を用いて、押圧機構2879及び駆動ギア2802の組付け方法について説明する。図131(a)に示すように、押圧部材28732は、ガイド部28731の第1側壁28731a、第2側壁28731b、接続部28731c及び規制面28731dで囲まれる空間に矢印J方向に組付けられる。押圧部材28732の第1被ガイド部28732a及び第2被ガイド部28732bは、それぞれ第1側壁28731a及び第2側壁28731bに対して押圧方向Eに移動可能に支持される。すなわち、押圧部材28732は、押圧方向E並びに押圧方向Eとは反対方向を含む移動方向に移動可能である。該移動方向は、回転軸線L1の方向と交差する方向である。
また、圧縮コイルばねから構成される弾性部材28734は、ボス28731c2,28732c2に両端が支持される。なお、弾性部材28734は、圧縮コイルばねに限らず、板ばね等の他のばね構成でもよく、またゴムやスポンジ等から構成されてもよい。これにより、弾性部材28734は、ばね座面28731c1(図129(b)参照)及びばね座面28732c1(図130(a)参照)に着座される。弾性部材28734は、押圧部材28732を付勢し、押圧方向Eを含む移動方向へ移動させることが可能である。
そして、押圧部材28732は、弾性部材28734の付勢力によって、突き当て部28731a3,28731b3に突き当てられる。以下では、押圧部材28732が突き当て部28731a3,28731b3に突き当たった時の押圧部材28732の位置を非押圧位置といい、押圧部材28732が非押圧位置に位置する際の押圧機構2879の状態を非押圧状態という。
次に、図131(b)(c)に示すように、カバー部材28733の係合溝28733d,28733e(図130(b)(c)参照)が、それぞれガイド部28731の係合突起28731a2,28731b2に係合される。このとき、カバー部材28733は、係合突起28731a2,28731b2に対して押圧方向Eに装着され、突き当て部28731a3,28731b3に突き当てられる。この状態で、カバー部材28733は、ガイド部28731に対して移動不能となるように固定される。例えば、カバー部材28733は、ガイド部28731の係合突起28731a2,28731b2に対して、接着や圧入などによって固定される。
カバー部材28733がガイド部28731の係合突起28731a2,28731b2に固定されることで、押圧部材28732は、規制面28731d,28733f(図129(a)及び図130(c)参照)によって、H方向及びJ方向に移動規制される。次に、図131(c)に示すように、駆動ギア2892が円柱部28730aに取り付けられ、ビス2803によって抜け止めされる。
図132(a)は、非押圧状態の押圧機構2879を示す正面図、図132(b)は、押圧状態の押圧機構2879を示す正面図。なお、図132(a)(b)では、カバー部材28733を省いて示している。図132(a)に示すように、カートリッジBが装置本体Aに装着されていない状態では、押圧機構2879は非押圧状態となっている。この時、押圧部材28732の押圧面28732eは押圧されておらず、押圧部材28732は、弾性部材28734の付勢力(弾性力)によって突き当て部28731a3,28731b3に突き当たり、非押圧位置に位置している。
また、図132(b)に示すように、カートリッジBが装置本体Aに装着された状態では、押圧機構2879は押圧状態となっている。この時、押圧部材28732は、突き当て部28731a3,28731b3から離間し、押圧位置に位置している。これは、後述するように、押圧部材28732の押圧面28732eが、駆動伝達ギア1781によって押圧されるためである。
<現像ユニット2820及びドラム軸受部材2873の組立て>
次に、図133を用いて、現像ユニット2820及びドラム軸受部材2873の組立て方法について説明する。クリーニングユニット2860の枠体部材2871には、ピン支持部28711が設けられており、ピン支持部28711には、ピン28712が挿入される。ピン28712は、ピン支持部28711に対して、圧入や接着等によって固定される。
ピン支持部28711を貫通したピン28712は、現像ユニット2820のピン挿入部28201に挿入される。現像ユニット2820は、ピン28712を介してクリーニングユニット2860によって回動可能に支持される。
また、現像ユニット2820のJ方向下流端部には、現像カップリング部材2889(図126参照)を囲む円筒部2826aが設けられている。ピン挿入部28201の中心と、円筒部2826aの中心は、同軸上である。そして、ドラム軸受部材2873が、クリーニングユニット2860及び現像ユニット2820に対して、H方向に組付けられる。ドラム軸受部材2873のドラム支持軸28733aは、ドラムユニット2869に挿入される。また、ドラム軸受部材2873には、略円筒面状の現像ユニット支持部2873bが形成されており、現像ユニット支持部2873bは、円筒部2826aを、回動軸DAを中心に回動可能に支持する。これにより、現像ユニット2820は、クリーニングユニット2860及びドラム軸受部材2873に対して、回動軸DAを中心に回動可能に支持される。
<駆動伝達構成>
次に、本実施例に係る駆動伝達構成について説明する。図134は、装置本体A側に設けられた本体駆動列GAを示す斜視図である。図135(a)は、本体駆動列GAを示す正面図であり、図135(b)は、駆動伝達ギア1781を示す斜視図である。図136(a)は、カートリッジB側に設けられたカートリッジ駆動列GBを示す斜視図であり、図136(b)は、カートリッジ駆動列GBを示す他の斜視図である。図137は、現像カップリング部材2889の支持構成を示す断面図である。
図134~図135(b)に示すように、装置本体A側に設けられた本体駆動列GAは、第1本体ギアGA1、第2本体ギアGA2、第3本体ギアGA3、第4本体ギアGA4、本体側カップリング部材2899、アイドラギア1780及び駆動伝達ギア1781を有している。第1本体ギアGA1は、不図示のモータによって駆動される。第2本体ギアGA2は、大径ギアGA2aと、小径ギアGA2bと、を有し、大径ギアGA2a及び小径ギアGA2bは、一体に回転する。
第1本体ギアGA1は、第2本体ギアGA2の大径ギアGA2aに噛合い、小径ギアGA2bは、第3本体ギアGA3に噛合う。第3本体ギアGA3は、第4本体ギアGA4と噛み合い、第4本体ギアGA4は、本体側カップリング部材2899に噛合う。また、第3本体ギアGA3は、アイドラギア1780に噛合い、アイドラギア1780は、駆動伝達ギア1781と一体に回転する。なお、本体側ギアとしての駆動伝達ギア1781は、実施例17と同一構成であり、図135(b)に実施例17の例えば図53(a)及び図53(b)と同様の符号を付して、説明を省略する。
このように、不図示のモータによって駆動される第1本体ギアGA1の回転は、第2本体ギアGA2、第3本体ギアGA3及び第4本体ギアGA4を介して、本体側カップリング部材2899に伝達される。また、第1本体ギアGA1の回転は、第2本体ギアGA2、第3本体ギアGA3及びアイドラギア1780を介して、駆動伝達ギア1781に伝達される。
図136(a)(b)に示すように、カートリッジBに設けられたカートリッジ駆動列GBは、現像カップリング部材2889、駆動ギア2802及びドラムユニット2869のギア部2863dを含む。現像カップリング部材2889は、カートリッジBが装置本体Aに装着された状態で、本体側カップリング部材2899に係合する。これにより、現像カップリング部材2889は、本体側カップリング部材2899から駆動力が伝達される。
現像カップリング部材2889は、大径ギア2889cと、小径ギア2889dと、を有しており、これら大径ギア2889c及び小径ギア2889dは、一体に回転する。大径ギア2889cは、駆動ギア2802の第1ギア部2802cに噛合う。なお、現像カップリング部材2889の小径ギア2889dは、現像ローラ2832(図143(a)参照)へ駆動伝達する不図示の駆動列に噛合っており、小径ギア2889dの回転は、現像ローラ2832へ伝達される。
駆動ギア2802の第2ギア部2802dは、ドラムユニット2869のギア部2863dに噛合っている。このように、現像カップリング部材2889の回転は、駆動ギア2802を介してドラムユニット2869のギア部2863dに伝達される。
図137に示すように、現像ユニット2820の枠体2821は、現像軸受部材2821cと、現像サイドカバー2826と、を含む。現像軸受部材2821cは、現像カップリング部材2889の支持穴2889eに挿入される支持軸2821dを有している。支持軸2821dは、回動軸DAを中心とする円柱形状を有しており、支持穴2889eは、回動軸DAを中心とする丸穴である。現像カップリング部材2889がこの支持軸2821dに支持されることで、回動軸DAの枠体2821に対する位置(回動軸DAの直交方向の位置)が固定されている。すなわち、現像カップリング部材2889は、回動軸DAの方向と交差する方向に移動不能となるように設けられている。ただし、支持軸2821dと支持穴2889eとの間のガタの範囲内で回動軸DAは枠体2821に対し回動軸DAの直交方向に微小量移動可能である。このようなガタ分の軸がずれる構成も、回動軸DAの枠体2821に対する位置が固定された構成に含まれる。
また、現像サイドカバー2826に形成された円筒部2826aには、支持穴2826cが形成されており、支持穴2826cには、現像カップリング部材2889のボス部2889fが係合している。回動軸DAの方向に関して、支持穴2889eは、現像カップリング部材2889の一端部に形成され、ボス部2889fは、現像カップリング部材2889の他端部に形成されている。
このように、現像カップリング部材2889は、枠体2821を構成する現像軸受部材2821c及び現像サイドカバー2826によって回動軸DAを中心に回転可能に支持されている。また、現像カップリング部材2889は、現像軸受部材2821c及び現像サイドカバー2826によって、回動軸DAの方向において挟み込まれており、回動軸DAの方向において位置決めされている。なお、現像カップリング部材2889と現像サイドカバー2826との間の遊びは、多少あってもよいが僅かであり、実質的に現像カップリング部材2889は回動軸DAの方向において位置決めされている。
<カートリッジBの装置本体Aに対する装着、取り外し、及び位置決め>
図138(a)は、カートリッジBが装置本体Aに装着される過程で、押圧部材28732が駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cに当接する直前の状態を示す側面図である。図138(b)は、カートリッジBが装置本体Aに装着された状態における、押圧部材28732の様子を示す側面図である。図139は、カートリッジBが装置本体Aに装着された状態における、押圧部材28732の周辺構成を示す正面図である。
図138(a)に示すように、カートリッジBは、装置本体Aに対して装着方向Mに沿って装着されていく。装着方向Mは、押圧部材28732の押圧面28732eに平行な直線Leに対して、駆動伝達ギア1781側に傾いている。このため、カートリッジBが装着されていくと、非押圧位置に位置する押圧部材28732の押圧面28732eは、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cに当接する。
なお、実施例1と同様に、カートリッジBの装置本体Aへの装着方向M、及び装置本体Aからの取り外し方向(装着方向Mの逆方向)は、回転軸線L1と実質的に直交する方向である。また、ドラムユニット2869の装置本体Aへの装着方向及び装置本体Aからの取り外し方向は、それぞれ、カートリッジBの装置本体Aへの装着方向M及び装置本体Aからの取り外し方向と同じである。
そして、更にカートリッジBが装置本体Aに対して装着方向Mに装着されていくと、押圧部材28732の押圧面28732eは、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cによって押圧され、押圧方向Eとは反対方向に力を受ける。これにより、押圧部材28732は、弾性部材28734(図132(b)参照)の付勢力に抗して、押圧方向Eとは反対方向に移動する。
カートリッジBが装置本体Aに対して装着完了となると、図138(b)及び図139に示すように、押圧部材28732は押圧位置に位置する。言い換えれば、押圧機構2879は、駆動伝達ギア1781を押圧している押圧状態となる。このとき、押圧部材28732の中心線ECは、回転軸線L2を通過することが好ましい。中心線ECは、押圧方向Eと平行に延びており、ボス28731c2,28732c2(図131(a)参照)の中心を通る線である。押圧部材28732の中心線ECが回転軸線L2を通過するように構成することで、駆動伝達ギア1781にバランスよく負荷トルクを掛けることができる。なお、駆動伝達ギア1781に負荷トルクを掛けることができる構成であれば、押圧部材28732の中心線ECが回転軸線L2に対してずれて配置されていても構わない。
また、カートリッジBが装置本体Aに対して装着完了となった状態では、図139に示すように、駆動伝達ギア1781はドラムユニット2869のギア部2863dには噛み合わない。すなわち、本実施例においては、駆動伝達ギア1781は、ドラムユニット2869を駆動しない。そして、ドラムユニット2869は、図136(a)(b)で説明したように、現像カップリング部材2889に入力された駆動力によって駆動される。
図140(a)は、カートリッジBを装置本体Aに対して装着方向Mに位置決めするための構成を示す側面図であり、図140(b)は、押圧部材28732の中心線EC及び回転軸線L2を含む断面で切断したカートリッジBを示す図である。
図140(a)に示すように、ドラム軸受部材2873には、被ガイド部2873g,2873s1,2873s2,2873s3が設けられている。これらの被ガイド部は、ドラム軸受部材2873の本体部分から回転軸線L1の方向に突出した形状の突起部である。カートリッジBを装置本体Aに装着する際、及び装置本体Aから取り出す際に、カートリッジBは、装置本体Aに設けられたガイド部2873Aに被ガイド部2873g,2873s1,2873s2,2873s3が接触することで、ガイドされる。
なお、被ガイド部2873s3は、必要性を考慮して省略することが可能である。また、被ガイド部2873s1,2873gは、1つの繋がった突起部として設けられてもよく、これによりドラム軸受部材2873の剛性が高まる。
また、カートリッジBが装置本体Aに装着された状態においては、被ガイド部2873gが装置本体Aの2つの位置決め部2815aに接触し、回転軸線L1に直交する2方向(装着方向Mと直交方向MP)に関して、装置本体Aに対するカートリッジBの回転軸線L1の位置が決まる。また、被ガイド部2873s2が装置本体Aのガイド部2873Aに接触することで、回転軸線L1を中心とする回転方向に関して、装置本体Aに対するカートリッジBの位置(姿勢)が決まる。また、回転軸線L1の方向に関する装置本体Aに対するカートリッジBの位置決めは、実施例1と同様である。
また、装置本体Aには、被ガイド部2873s1に当接可能な加圧部材28731Aと、加圧部材28731Aとガイド部2873Aとの間に縮設された圧縮ばね28732Aが設けられている。加圧部材28731Aは、被ガイド部2873s1に当接する斜面28731Aaを有しており、斜面28731Aaは、圧縮ばね28732Aによって被ガイド部2873s1に向けて付勢されているため、被ガイド部2873s1を力Fqで押圧する。被ガイド部2873s1が力Fqで押圧されるため、カートリッジBの被ガイド部2873gは、位置決め部2815aに向けて押圧され、カートリッジBは装着状態を維持する。
一方で、押圧部材28732は、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cを押圧方向Eに押圧力Fpで押圧しているため、押圧力Fpの反力Rpを受ける。反力RpによってカートリッジBが浮いてしまわないように、押圧力Fpの押圧方向Eと平行な力の成分Feは、反力Rpよりも大きく設定されている。なお、カートリッジBの、ドラム軸受部材2873とは反対側の端部についても、同様に装置本体Aに対して位置決めされる。
図140(b)に示すように、押圧部材28732は、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cを押圧力Fpで押圧しているが、本実施例では、押圧力Fpは、5~50N程度に設定される。しかしながら、押圧力Fpは、押圧部材28732と駆動伝達ギア1781との摩擦係数に応じて、適切な値に設定される。
また、押圧部材28732に適用される素材は、削れにくい素材が好ましい。例えば、押圧部材28732の素材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の結晶性樹脂が好ましい。また、これらの素材は、押圧部材28732の押圧面28732eのみに適用してもよく、押圧面28732eにグリス等の潤滑剤を塗布してもよい。
図141は、駆動伝達ギア1781の負荷トルクRTを説明するための斜視図である。カートリッジBが装置本体Aに対して装着された状態で、不図示のモータによって第1本体ギアGA1が駆動される。そして、図134~図135(b)で説明した駆動伝達構成によって、駆動伝達ギア1781は、第1回転方向R1に回転する。具体的には、第1本体ギアGA1の回転は、第2本体ギアGA2、第3本体ギアGA3及びアイドラギア1780を介して、駆動伝達ギア1781に伝達される。
そして、押圧位置に位置する押圧部材28732によって、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cは、押圧力Fpを受ける。すなわち、押圧部材28732の押圧面28732eと第1本体ギア部1781cは、摺動し、摩擦力Ffが発生する。摩擦力Ffは、その摺動部分において、第1回転方向R1とは反対方向に作用する。この摩擦力Ffが、駆動伝達ギア1781及び駆動伝達ギア1781と一体に回転するアイドラギア1780の負荷トルクRTとなる。すなわち、カートリッジBを装置本体Aに装着した状態で、押圧部材28732は、駆動伝達ギア1781の回転に負荷を与えるように駆動伝達ギア1781と接触可能である。
ところで、仮に、駆動伝達ギア1781にカートリッジBから負荷トルクRTを与えない場合、駆動伝達ギア1781及びアイドラギア1780は、ほぼ無負荷で回転し、回転が不安定になる。
具体的な例を、図142(a)(b)に示す。図142(a)(b)は、第3本体ギアGA3とアイドラギア1780とが噛み合う様子を示す断面図である。図142(a)に示すように、第3本体ギアGA3の歯GA3aと、アイドラギア1780の歯1780aが噛み合い、歯GA3aによって歯1780aが回転される場合を考える。歯GA3aの噛合い歯面GA3a1から歯1780aの噛合い歯面1780a1が駆動力を受けた際、噛合い精度等によっては、アイドラギア1780が通常よりも早く回転してしまう早回し状態となってしまうことがある。
この時、アイドラギア1780に負荷トルクRTが無いと、アイドラギア1780の早回し状態が維持され、噛合い歯面1780a1が噛合い歯面GA3a1から離間してしまうことがある。そして、図142(b)に示すように、歯1780aの下流歯面1780a2が歯GA3aの上流歯面GA3a2に衝突してしまうことがある。その後、下流歯面1780a2と上流歯面GA3a2の衝突による跳ね返りで、今度は噛合い歯面1780a1が噛合い歯面GA3a1に衝突してしまうことがある。
以上のような動作をアイドラギア1780が繰り返すため、アイドラギア1780は、第1回転方向R1に対して不安定に駆動されることになる。そして、アイドラギア1780を駆動する第3本体ギアGA3は、アイドラギア1780からの衝撃を受け回転精度が低下してしまう。第3本体ギアGA3の回転精度の低下は、第3本体ギアGA3と駆動連結されている第4本体ギアGA4、本体側カップリング部材2899、現像カップリング部材2889、駆動ギア2802及びギア部2863dを介して、ドラム2872の回転精度の低下を招いてしまう。
一方で、本実施例では、押圧機構2879によって駆動伝達ギア1781及びアイドラギア1780に負荷トルクRTが作用するので、アイドラギア1780が早回し等の回転変動しそうになっても、アイドラギア1780の加減速が抑制される。そして、アイドラギア1780の噛合い歯面1780a1と第3本体ギアGA3の噛合い歯面GA3a1は当接状態が維持され、駆動伝達ギア1781及びアイドラギア1780は、安定的に回転できる。これにより、ドラム2862を安定的に回転させることができ、画像形成精度を向上できる。
<各部材の位置関係>
次に、図143(a)~図146を用いて、カートリッジBを構成する各部材の位置関係、とりわけ押圧部材28732、ドラム2862及び現像ローラ2832の位置関係について詳しく説明する。図143(a)は、非押圧位置に位置する押圧部材28732の位置を説明するための図であり、カートリッジBを回転軸線L1に沿う方向(H方向)に見た図である。図143(b)は、押圧位置に位置する押圧部材28732の位置を説明するための図であり、カートリッジBを回転軸線L1に沿う方向(H方向)に見た図である。
図144は、現像ユニット2820の枠体2821に設けられた第1開口部2821f及び第2開口部2821gを示す図であって、カートリッジBを第1開口部2821f及び第2開口部2821gに臨んだ方向から見た図である。図145(a)は、非押圧位置に位置する押圧部材28732の位置を説明するための図であり、カートリッジBを回転軸線L1に沿う方向(H方向)に見た図である。図145(b)は、押圧位置に位置する押圧部材28732の位置を説明するための図であり、カートリッジBを回転軸線L1に沿う方向(H方向)に見た図である。図146は、ドラム2862、現像ローラ2832及び現像カップリング部材2889の配置関係を示す図であって、カートリッジBを回転軸線L1に沿う方向(H方向)に見た図である。
図143(a)~図144に示すように、現像ユニット2820の枠体2821には、第1開口部2821f及び第2開口部2821gが形成されている。なお、第1開口部2821f及び第2開口部2821gは、これら第1開口部2821f及び第2開口部2821gがフレーム等によって区画されていても、1つの大きな開口部の中に第1開口部2821f及び第2開口部2821gに相当する領域が存在する構成でもよい。ドラム2862の一部は、第1開口部2821fから枠体2821の外側へ露出されており、ドラム2862に形成されたトナー像を記録媒体に転写可能に構成されている。また、押圧部材28732の一部は、第2開口部2821gから枠体2821の外部に対して露出されている。これにより、押圧部材28732の押圧面28732eは、装置本体Aに設けられた駆動伝達ギア1781(図138(b)参照)を押圧可能に構成されている。
回転軸線L1の方向に関して、第2開口部2821gの全長は、第1開口部2821fの全長よりも短い。すなわち、回転軸線L1の方向に関して、押圧部材28732の全長は、ドラム2862の全長よりも短い。
なお、現像カップリング部材2889及び後述する押圧部材28732の第2開口部2821gから露出する部分は、回転軸線L1の方向に関して、枠体部材2871の一端部に配置されている。より詳しくは、現像カップリング部材2889と押圧部材28732の少なくとも一部は、回転軸線L1の方向に関して、同じ位置に配置されている。また、押圧部材28732の第2開口部2821gから露出する部分とドラム2862の第1開口部2821fから露出する部分は、回転軸線L1の方向に関して、互いに異なる位置に配置されている。
図143(a)(b)において、ドラム2862の回転軸線L1に沿った方向に見た時、ドラム2862が第1開口部2821fから露出している領域2862EPを、太字の破線で示している。すなわち、領域2862EPは、ドラム2862の表面の一部である。
図143(a)(b)のいずれにおいても、ドラム2862の第1開口部2821fから露出している領域2862EPは、回転軸線L1に沿った方向に見た時、押圧部材28732に重なっている。すなわち、押圧部材28732の少なくとも一部は、押圧部材28732の位置(例えば非押圧位置や押圧位置)に拘わらず、回転軸線L1に沿った方向に見た時、第1開口部2821fから露出しているドラム2862の部分である領域2862EPと重なるように配置されている。
次に、図145(a)(b)に示すように、ドラム2862の回転軸線L1と現像ローラ2832の回転軸線L6とを通る直線Lsを仮想的に引いた場合を考える。そして、直線Lsに対して、帯電部材としての帯電ローラ2866がある側の領域を領域AR1とし、帯電ローラ2866が無い側の領域を領域AR2とする。このとき、押圧部材28732の位置(例えば非押圧位置や押圧位置)に拘わらず、押圧部材28732の少なくとも一部は、領域AR2に配置されている。また、押圧部材28732の押圧面28732eは、領域AR2に配置されている。すなわち、押圧部材28732の第2開口部2821gから露出している部分は、領域AR2に配置されているともいえる。
また、押圧部材28732の少なくとも一部は、押圧部材28732の位置(例えば非押圧位置や押圧位置)に拘わらず、直線Lsが伸びる方向N1に関して、ドラム2862の幅W10の内側に配置されている。
次に、図146を参照する。図146において、現像カップリング部材2889、ドラム2862及び現像ローラ2832の外形は、それぞれ破線で示されている。図146に示すように、ドラム2862の回転軸線L1の方向に見た時に、現像カップリング部材2889は、ドラム2862と重ならない位置に配置されている。また、現像カップリング部材2889の回転中心である回動軸DAは、ドラム2862の回転軸線L1とは同軸となっていない。これは、本実施では、現像カップリング部材2889の駆動力は、駆動ギア2802を介して、ドラム2862(ドラムユニット2869)に伝達される構成を取っているためである。
また、本実施例では、ドラム2862と現像カップリング部材2889の間の距離(最短距離)K1は、現像ローラ2832と現像カップリング部材2889の間の距離(最短距離)K2よりも長い(K1>K2)。更に、ドラム2862の回転軸線L1と現像カップリング部材2889の回動軸DAとの間の距離K3は、現像ローラ2832の回転軸線L6と現像カップリング部材2889の回動軸DAとの間の距離K4よりも長い(K3>K4)。
<実施例28の変形例1,2>
次に、実施例28の変形例1,2について、図147(a)~(c)を用いて説明する。図147(b)は、実施例28の変形例1に係る押圧部材28732Jを示す正面図である。図147(c)は、実施例28の変形例2に係る押圧部材28732Kを示す正面図である。なお、図147(a)は、実施例28の押圧部材28732を示す正面図である。
図147(a)に示すように、実施例28の押圧部材28732の押圧面28732eは、押圧方向Eに垂直な平面状に形成されている。言い換えれば、押圧面28732eは、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cの歯先円TCと押圧部材28732の当接部分CP1における、歯先円TCの接線TLと平行に形成されている。
一方で、図147(b)に示すように、実施例28の変形例1に係る押圧部材28732Jの押圧面28732Jeは、第1本体ギア部1781cの歯先円TCに沿った円弧形状に形成されている。
また、図147(c)に示すように、実施例28の変形例2に係る押圧部材28732Kの押圧面28732Keは、第1斜面28732Ke1及び第2斜面28732Ke2を有している。これら第1斜面28732Ke1及び第2斜面28732Ke2は、いずれも第1本体ギア部1781cの歯先円TCの接線と平行に形成されており、押圧部材28732Kの中心線ECに対して互いに対称に形成されている。また、第1斜面28732Ke1及び第2斜面28732Ke2は、押圧方向Eに対して傾斜している。
このような押圧面28732Je,28732Keによっても、押圧方向Eに平行な押圧力Fp(図141参照)を駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cに作用させることができる。また、押圧部材28732の押圧面は、上述の実施例28の変形例1,2の形態に限らず、他の形状であってもよい。例えば、変形例1に係る押圧部材28732Jの押圧面28732Jeの円弧形状の半径は、第1本体ギア部1781cの歯先円TCの半径と同じでなくともよい。また、変形例2に係る押圧部材28732Kの第1斜面28732Ke1及び第2斜面28732Ke2は、押圧部材28732Kの中心線ECに対して互いに対称でなくともよい。この構成であっても、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cに押圧力Fpを作用させることができる。
このような実施例28の変形例1,2の押圧部材28732J,28732Kによれば、実施例28の押圧部材28732と比べて、駆動伝達ギア1781との接触部を増やすことができ、より安定した押圧力を付与することができる。
<実施例28の変形例3>
次に、実施例28の変形例3について、図148(a)(b)を用いて説明する。図148(a)は、実施例28の変形例3に係る押圧部材28732Lを示す斜視図であり、図148(b)は、ガイド部28731に組付けられた押圧部材28732Lを示す斜視図である。
上述した実施例28の押圧部材28732は、図131(a)~(c)に示すように、押圧部材28732と弾性部材28734が別体に構成されていたが、これらは、一体に形成されていてもよい。すなわち、実施例28の変形例3に係る押圧部材28732Lは、図148(a)に示すように、第1被ガイド部28732aと、第2被ガイド部28732bと、押圧面28732eと、付勢部としての弾性部28734Lと、を有し、これらは一体に形成されている。押圧部材27832Lは、例えば樹脂や金属によって構成され、弾性部28734Lは、弾性的に変形しやすい形状であればどのような形状でもよい。
図148(b)に示すように、押圧部材28732Lは、ドラム軸受部材2873のガイド部28731に装着され、弾性部28734Lは、ばね座面28732c1に着座される。そして、押圧部材28732Lは、弾性部28734Lが弾性的に圧縮変形されることで、押圧方向Eに付勢される。
なお、実施例28の変形例3では、弾性部28734Lが押圧部材28732Lに一体的に形成されていたが、これに限定されない、例えば、弾性部28734Lは、押圧部材28732Lではなくガイド部28731に一体的に形成されてもよい。
このように、弾性部28734Lを押圧部材28732Lやガイド部28731に一体的に形成することで、実施例28のようにこれらを別々に設けるよりも、部品点数を減らせるのでその分のコストダウンをすることが可能となる。
<実施例28の変形例4>
次に、実施例28の変形例4について、図149~図151(b)を用いて説明する。図149は、実施例28の変形例4に係るクリーニングユニット2860Mを示す斜視図である。図150(a)は、押圧機構2879Mを示す分解斜視図であり、図150(b)は、押圧機構2879Mを示す他の分解斜視図である。図151(a)は、カートリッジBが装置本体Aに装着される過程で、押圧部材28732Mが駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cに当接する直前の状態を示す側面図である。図151(b)は、カートリッジBが装置本体Aに装着された状態における、押圧部材28732Mの様子を示す側面図である。
図149に示すように、実施例28の変形例4に係るクリーニングユニット2860Mのドラム軸受部材2873Mと、ドラム2862と、の間には、押圧機構2879Mが設けられている。図149及び図150(a)(b)に示すように、ドラム軸受部材2873Mは、回転軸線L1の方向に延びるドラム支持軸2873hを有している。ドラム支持軸2873hは、小径部2873h1と、小径部2873h1よりも外径が大きい大径部2873h2と、を有している。突起2863gには、ドラム支持軸2873hの小径部2873h1が挿入される。これにより、ドラムユニット2869は、ドラム軸受部材2873Mに回転可能に支持される。また、ドラムユニット2869は、ドラム支持軸2873hの大径部2873h2によって回転軸線L1の方向に移動規制されている。
押圧機構2879Mは、押圧部材28732Mと、付勢部としての付勢部材28734Mと、を有している。押圧部材28732Mは、円筒状に形成された円筒部28732Maと、円筒部28732Maから半径方向外側に突出する押圧部28732Mbと、を有している。押圧部材28732Mは、円筒部28732Maがドラム支持軸2873hの大径部2873h2に挿入されることで、ドラム支持軸2873hに回転可能に支持される。すなわち、押圧部材28732Mは、ドラム2862の回転軸線L1を中心に回転可能である。
押圧部28732Mbは、円筒部28732Maから回転軸線L1を中心とする半径方向に突出し、更に回転軸線L1を中心とする円周方向に延びている。押圧部28732Mbの先端面は、押圧面28732Meを構成している。また、押圧部28732Mbの半径方向に突出している部分には、ばね座28732Mcが形成されている。
付勢部材28734Mは、コイルばねから構成されており、コイル部28734Maと、コイル部28734Maから一方に延びる第1ばね掛け部28734Mbと、コイル部28734Maから他方に延びる第2ばね掛け部28734Mcと、を有する。付勢部材28734Mのコイル部28734Maは、押圧部材28732Mの円筒部28732Maの外周面に装着される。また、付勢部材28734Mの第1ばね掛け部28734Mbは、ドラム軸受部材2873Mに形成されたばね座2873Mjに係止される。付勢部材28734Mの第2ばね掛け部28734Mcは、押圧部材28732Mのばね座28732Mcに係止される。
押圧機構2879Mは、付勢部材28734Mが押圧部材28732Mに組付けられた後、ドラム支持軸2873hに対して組付けられる。付勢部材28734Mは、押圧部材28732Mとドラム軸受部材2873Mによって挟まれて、抜け止めされている。
カートリッジBが装置本体Aに装着されていない状態、すなわちカートリッジBが単体の状態では、押圧部材28732Mは、図151(a)に示すように、非押圧位置に位置している。このとき、押圧部材28732Mは、例えば不図示のストッパによって非押圧位置に位置決めされている。なお、押圧部材28732Mが非押圧位置に位置している際には、付勢部材28734Mは、押圧部材28732Mを付勢しても付勢していなくてもよい。
図151(a)(b)に示すように、カートリッジBが装置本体Aに対して装着方向Mに沿って装着されていくと、押圧部材28732Mの押圧面28732Meが駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cに当接する。そして、更にカートリッジBが装置本体Aに対して装着方向Mに装着されていくと、押圧部材28732Mの押圧面28732Meは、付勢部材28734Mの付勢力に抗して、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cによって押圧される。
カートリッジBが装置本体Aに対して装着完了となると、図151(b)に示すように、押圧部材28732Mは押圧位置に位置する。言い換えれば、押圧機構2879Mは、押圧方向Eに、駆動伝達ギア1781を押圧力Fpで押圧している押圧状態となる。押圧力Fpは、駆動伝達ギア1781の回転軸線L2に向かう力であり、駆動伝達ギア1781にバランスよく負荷トルクを掛けることができる。前述のように、この負荷トルクにより、駆動伝達ギア1781及びアイドラギア1780は、安定的に回転できる。また、ドラム2862を安定的に回転させることができ、画像形成精度を向上できる。
また、本実施例28の変形例4では、押圧部材28732Mを回転軸線L1を中心に回転可能に構成したので、押圧部材28732Mの押圧面28732Meによって、装着方向Mにおける上流側から駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cを容易に押圧することができる。このため、カートリッジBの装置本体Aに対する装着動作に伴って、押圧部材28732Mによって駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cを確実に押圧することができる。
また、実施例28及びその変形例において、押圧部材28732J,28732K,28732Mは、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781cではなく、第2本体ギア部1781dを押圧してもよい。もしくは、押圧部材28732J,28732K,28732Mは、第1本体ギア部1781cと第2本体ギア部1781dの両方を押圧してもよい。言い換えれば、押圧部材28732J,28732K,28732Mは、駆動伝達ギア1781の第1本体ギア部1781c及び第2本体ギア部1781dの少なくともいずれか一方と接触し押圧可能に構成されればよい。
<本実施例の開示された構成又は概念の例示>
以下に、上述した本実施例の開示された構成又は概念の例を以下に示す。ただし、これらはあくまでも例示であり、上述した本実施例の開示が以下に示す構成又は概念に限定されるわけではない。
<<構成A>>
[構成A1]
画像形成装置の装置本体に着脱可能な感光体ユニットであって、
回転軸線まわりに回転可能な感光体と、
第1ギア部と、
複数の歯を備える第2ギア部と、
を有し、
前記第1ギア部は、前記感光体の回転軸線に沿って前記感光体から離れるにつれて前記感光体の回転軸線を中心とする第1周方向にねじれた斜歯を備える斜歯ギア部であり、
前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部と前記感光体の間に前記第2ギア部が配置され、
前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部と前記第2ギア部との間に隙間が設けられ、
前記第2ギア部の前記複数の歯は、(i)少なくとも前記感光体の回転軸線の方向に延びた第1突起部と、(ii)前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記第1周方向に関して下流で、且つ、前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記感光体の回転軸線の方向に関して前記第1ギア部の近くに配置された第2突起部と、を備える歯を含む、
ことを特徴とする感光体ユニット。
[構成A2]
前記第1突起部の少なくとも一部は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第2突起部と前記感光体との間に配置されている、
ことを特徴とする構成A1に記載の感光体ユニット。
[構成A3]
前記第2突起部は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第2ギア部の歯の中で最も前記感光体から離れた位置に配置されている、
ことを特徴とする構成A2に記載の感光体ユニット。
[構成A4]
前記第1突起部は、前記感光体の回転軸線に沿って前記感光体から離れるにつれて前記感光体の回転軸線を中心とする前記第1周方向にねじれたねじれ突起部を備える、
ことを特徴とする構成A1乃至A3のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
[構成A5]
前記ねじれ突起部のねじれ角は、前記第1ギア部の前記斜歯のねじれ角と同じ、もしくは、前記第1ギア部の前記斜歯のねじれ角よりも小さい、
ことを特徴とする構成A4に記載の感光体ユニット。
[構成A6]
前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部の歯幅Wcと前記第2ギア部の歯幅Wdは次の式
Wc≦Wd
を満たす、
ことを特徴とする構成A1乃至A5のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
[構成A7]
前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部の歯幅Wcと前記隙間の幅Weは次の式
Wc≦We
を満たす、
ことを特徴とする構成A1乃至A6のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
[構成A8]
前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記隙間の幅Weと前記第2ギア部の歯幅Wdは次の式
Wd≦We
を満たす、
ことを特徴とする構成A1乃至A7のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
[構成A9]
前記第1ギア部の歯のねじれ角は、15°以上40°以下である、
ことを特徴とする構成A1乃至A8のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
[構成A10]
前記第1ギア部の歯のねじれ角は、20°以上35°以下である、
ことを特徴とする構成A1乃至A9のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
[構成A11]
前記第1ギア部の前記斜歯は、前記感光体の回転軸線の方向又は前記第1ギア部の回転方向に関して分かれて配置された複数の第1突起により構成された歯である、
ことを特徴とする構成A1乃至A10のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
[構成A12]
前記第1突起部は、前記感光体の回転軸線の方向又は前記第2ギア部の回転方向に関して分かれて配置された複数の第2突起により構成された歯である、
ことを特徴とする構成A1乃至A11のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
[構成A13]
前記第1ギア部と前記第2ギア部は同軸で回転可能である、
ことを特徴とする構成A1乃至A12のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
[構成A14]
前記第1ギア部の回転軸線及び前記第2ギア部の回転軸線は、前記感光体の回転軸線と同軸である、
ことを特徴とする構成A13に記載の感光体ユニット。
[構成A15]
前記第1ギア部と前記第2ギア部とは、一体的に成型されている、
ことを特徴とする構成A1乃至A14のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
[構成A16]
前記感光体の回転軸線方向に関して前記感光体の端部に取り付けられたフランジを有し、
前記第1ギア部及び前記第2ギア部は、前記フランジに設けられている、
ことを特徴とする構成A1乃至A15の何れか1項に記載の感光体ユニット。
[構成A17]
前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部と前記第2ギア部との間に設けられ、前記隙間を埋めることが可能な中間部材を有する、
ことを特徴とする構成A1乃至A16のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
<<構成AX1>>
[構成AX1]
画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
回転軸線まわりに回転可能な回転体と、
前記回転体を回転可能に支持する枠体と、
第1ギア部と、
複数の歯を備える第2ギア部と、
を有し、
前記第1ギア部は、前記回転体の回転軸線に沿って前記回転体から離れるにつれて前記回転体の回転軸線を中心とする第1周方向にねじれた斜歯を備える斜歯ギア部であり、
前記回転体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部と前記回転体の間に前記第2ギア部が配置され、
前記回転体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部と前記第2ギア部との間に隙間が設けられ、
前記第2ギア部の前記複数の歯は、(i)少なくとも前記回転体の回転軸線の方向に延びた第1突起部と、(ii)前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記第1周方向に関して下流で、且つ、前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記回転体の回転軸線の方向に関して前記第1ギア部の近くに配置された第2突起部と、を備える歯を含む、
ことを特徴とするカートリッジ。
<構成AX1へ追加可能な構成(従属構成)>
構成AX1には、上記の構成A1~A17の要素を適宜追加することが可能である。
<<構成AY1>>
[構成AY1]
同軸で回転する第1本体側斜歯ギア部と第2本体側斜歯ギア部を有し、前記第2本体側斜歯ギア部の歯のねじれ方向は前記第1本体側斜歯ギア部の歯のねじれ方向と同じで、前記第2本体側斜歯ギア部の歯のねじれ角は前記第1本体側斜歯ギア部の歯のねじれ角よりも大きい画像形成装置の装置本体に着脱可能な感光体ユニットであって、
回転軸線まわりに回転可能な感光体と、
前記第1本体側斜歯ギア部と噛み合うための第1ユニット側ギア部と、
前記第2本体側斜歯ギア部と噛み合うための複数の歯を備える第2ユニット側ギア部と、
を有し、
前記第1ユニット側ギア部は、前記感光体の回転軸線に沿って前記感光体から離れるにつれて前記感光体の回転軸線を中心とする第1周方向にねじれた斜歯を備える斜歯ギア部であり、
前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ユニット側ギア部と前記感光体の間に前記第2ユニット側ギア部が配置され、
前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ユニット側ギア部と前記第2ユニット側ギア部との間に隙間が設けられ、
前記第2ユニット側ギア部の前記複数の歯は、(i)少なくとも前記感光体の回転軸線の方向に延びた第1突起部と、(ii)前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記第1周方向に関して下流で、且つ、前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記感光体の回転軸線の方向に関して前記第1ユニット側ギア部の近くに配置された第2突起部と、を備える歯を含み、
前記第1ユニット側ギア部が前記第1本体側斜歯ギア部と噛み合い、且つ、前記第2ユニット側ギア部の前記第2突起部が前記第2本体側斜歯ギア部と噛み合った状態で、前記第1ユニット側ギア部と前記第2ユニット側ギア部とが回転可能である、
ことを特徴とする感光体ユニット。
<構成AY1へ追加可能な構成(従属構成)>
構成AY1には、上記の構成A1~A17の要素を適宜追加することが可能である。
<<構成AY2>>
[構成AY2]
同軸で回転する第1本体側斜歯ギア部と第2本体側斜歯ギア部を有する画像形成装置の装置本体に着脱可能な感光体ユニットであって、
回転軸線まわりに回転可能な感光体と、
前記第1本体側斜歯ギア部と噛み合うための第1ユニット側ギア部と、
前記第2本体側斜歯ギア部と噛み合うための複数の歯を備える第2ユニット側ギア部と、
を有し、
前記第1ユニット側ギア部は、前記感光体の回転軸線に沿って前記感光体から離れるにつれて前記感光体の回転軸線を中心とする第1周方向にねじれた斜歯を備える斜歯ギア部であり、
前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ユニット側ギア部と前記感光体の間に前記第2ユニット側ギア部が配置され、
前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ユニット側ギア部と前記第2ユニット側ギア部との間に隙間が設けられ、
前記第2ユニット側ギア部の前記複数の歯は、(i)少なくとも前記感光体の回転軸線の方向に延びた第1突起部と、(ii)前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記第1周方向に関して下流で、且つ、前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記感光体の回転軸線の方向に関して前記第1ユニット側ギア部の近くに配置された第2突起部と、を備える歯を含み、
第1本体側斜歯ギア部と第2本体側斜歯ギア部との回転によって前記第1ユニット側ギア部と前記第2ユニット側ギア部が所定方向に回転している間、前記第1ユニット側ギア部の歯は前記第1周方向で上流側に配置された前記第1本体側斜歯ギア部の歯と接触し、前記第2ユニット側ギア部の前記第2突起部は前記第1周方向で下流側に配置された前記第2本体側斜歯ギア部の歯と接触するよう構成されている、
ことを特徴とする感光体ユニット。
<構成AY2へ追加可能な構成(従属構成)>
構成AY2には、上記の構成A1~A17の要素を適宜追加することが可能である。
<<構成B>>
[構成B1]
画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
枠体と、
感光体と、前記感光体に取り付けられたフランジと、を備え、前記枠体に回転可能に支持される感光体ユニットと、
前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体へ駆動力を伝達可能なカップリング部材と、
前記感光体の回転軸線と交差する移動方向へ移動可能に、前記枠体に支持された移動部と、
前記移動部を付勢し前記移動方向へ移動させることが可能な付勢部と、
を有し、
前記感光体の回転軸線に沿って見た時、前記カップリング部材は前記感光体ユニットと重ならない位置に配置され、
前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
前記感光体の回転軸線に沿った方向から見た時に、前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の前記第1開口部から露出した部分に重なるように配置される、
ことを特徴とするカートリッジ。
[構成B2]
前記移動部の前記第2開口部から露出する部分と前記感光体の前記第1開口部から露出する部分は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、互いに異なる位置に配置されている、
ことを特徴とする構成B1に記載のカートリッジ。
[構成B3]
前記カップリング部材と前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、同じ位置に配置されている、
ことを特徴とする構成B1又は構成B2に記載のカートリッジ。
[構成B4]
前記移動部の前記第2開口部から露出する部分の少なくとも一部は、結晶性樹脂から構成される、
ことを特徴とする構成B1乃至構成B3のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成B5]
前記付勢部は、弾性部材である、
ことを特徴とする構成B1乃至構成B4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成B6]
前記付勢部は、ばねである、
ことを特徴とする構成B5に記載のカートリッジ。
[構成B7]
前記感光体は、前記カップリング部材から前記フランジに伝達される駆動力によって回転駆動される、
ことを特徴とする構成B1乃至構成B6のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成B8]
前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラを有し、
前記カップリング部材は、前記現像ローラへ駆動力を伝達可能である、
ことを特徴とする構成B1乃至構成B7のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成B9]
前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記移動部の全長は前記感光体の全長よりも短い、
ことを特徴とする構成B1乃至構成B8のいずれか1項に記載のカートリッジ。
<<構成BP>>
[構成BP1]
画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
枠体と、
感光体と、前記感光体に取り付けられたフランジと、を備え、前記枠体に回転可能に支持される感光体ユニットと、
前記枠体に支持され、前記感光体を帯電するための帯電部材と、
前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラと、
前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体及び前記現像ローラへ駆動力を伝達可能なカップリング部材と、
前記感光体の回転軸線と交差する移動方向へ移動可能に、前記枠体に支持された移動部と、
前記移動部を付勢し前記移動方向へ移動させることが可能な付勢部と、
を有し、
前記感光体の回転軸線に沿って見た時、前記カップリング部材は前記感光体ユニットと重ならない位置に配置され、
前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
前記感光体の回転軸線に沿った方向で見て前記感光体の回転軸線と前記現像ローラの回転軸線とを結ぶ直線で領域を分けた際に、前記移動部の少なくとも一部は、前記帯電部材が配置されていない領域に配置されている、
ことを特徴とするカートリッジ。
[構成BP2]
前記感光体の回転軸線に沿った方向で見て前記感光体の回転軸線と前記現像ローラの回転軸線とを結ぶ前記直線で領域を分けた際に、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分は、前記帯電部材が配置されていない領域に配置されている、
ことを特徴とする構成BP1に記載のカートリッジ。
[構成BP3]
前記感光体の回転軸線に沿った方向から見た時に、前記感光体の回転軸線と前記現像ローラの回転軸線とを結ぶ直線に沿う方向に関して、前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の幅の内側に配置されている、
ことを特徴とする構成BP1又は構成BP2に記載のカートリッジ。
[構成BP4]
前記感光体の回転軸線に沿った方向から見た時に、前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の前記第1開口部から露出した部分に重なるように配置される、
ことを特徴とする構成BP1乃至構成BP3のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BP5]
前記移動部の前記第2開口部から露出する部分と前記感光体の前記第1開口部から露出する部分は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、互いに異なる位置に配置されている、
ことを特徴とする構成BP1乃至構成BP4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BP6]
前記カップリング部材と前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、同じ位置に配置されている、
ことを特徴とする構成BP1乃至構成BP5のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BP7]
前記移動部の前記第2開口部から露出する部分の少なくとも一部は、結晶性樹脂から構成される、
ことを特徴とする構成BP1乃至構成BP6のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BP8]
前記付勢部は、弾性部材である、
ことを特徴とする構成BP1乃至構成BP7のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BP9]
前記付勢部は、ばねである、
ことを特徴とする構成BP8に記載のカートリッジ。
[構成BP10]
前記感光体は、前記カップリング部材から前記フランジに伝達される駆動力によって回転駆動される、
ことを特徴とする構成BP1乃至構成BP9のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BP11]
前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記移動部の全長は前記感光体の全長よりも短い、
ことを特徴とする構成BP1乃至構成BP10のいずれか1項に記載のカートリッジ。
<<構成BQ1>>
[構成BQ1]
画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
枠体と、
感光体を備え、前記枠体に回転可能に支持される感光体ユニットと、
前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体へ駆動力を伝達可能なカップリング部材と、
前記感光体の回転軸線と交差する移動方向へ移動可能に、前記枠体に支持された移動部と、
前記移動部を付勢し前記移動方向へ移動させることが可能な付勢部と、
を有し、
前記カップリング部材は、前記カップリング部材の回転軸線が前記感光体の回転軸線と同軸とならないように、前記枠体に支持され、
前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
前記感光体の回転軸線に沿った方向から見た時に、前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の前記第1開口部から露出した部分に重なるように配置される、
ことを特徴とするカートリッジ。
<構成BQ1へ追加可能な構成(従属構成)>
構成BQ1には、上記の構成B1~B9の要素を適宜追加することが可能である。
<<構成BR1>>
[構成BR1]
画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
枠体と、
感光体を備え、前記枠体に回転可能に支持される感光体ユニットと、
前記枠体に支持され、前記感光体を帯電するための帯電部材と、
前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラと、
前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体及び前記現像ローラへ駆動力を伝達可能なカップリング部材と、
前記感光体の回転軸線と交差する移動方向へ移動可能に、前記枠体に支持された移動部と、
前記移動部を付勢し前記移動方向へ移動させることが可能な付勢部と、
を有し、
前記カップリング部材は、前記カップリング部材の回転軸線が前記感光体の回転軸線と同軸とならないように、前記枠体に支持され、
前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
前記感光体の回転軸線に沿った方向で見て前記感光体の回転軸線と前記現像ローラの回転軸線とを結ぶ直線で領域を分けた際に、前記移動部の少なくとも一部は、前記帯電部材が配置されていない領域に配置されている、
ことを特徴とするカートリッジ。
<構成BR1へ追加可能な構成(従属構成)>
構成BR1には、上記の構成BP1~BP11の要素を適宜追加することが可能である。
<<構成BS1>>
[構成BS1]
画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
枠体と、
感光体を備え、前記枠体に回転可能に支持される感光体ユニットと、
前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラと、
前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体へ駆動力を伝達可能なカップリング部材と、
前記感光体の回転軸線と交差する移動方向へ移動可能に、前記枠体に支持された移動部と、
前記移動部を付勢し前記移動方向へ移動させることが可能な付勢部と、
を有し、
前記感光体の回転軸線の方向に沿って見た時に、前記カップリング部材と前記感光体との間の距離は、前記カップリング部材と前記現像ローラとの間の距離よりも長く、
前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
前記感光体の回転軸線に沿った方向から見た時に、前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の前記第1開口部から露出した部分に重なるように配置される、
ことを特徴とするカートリッジ。
<構成BS1へ追加可能な構成(従属構成)>
構成BS1には、上記の構成B1~B9の要素を適宜追加することが可能である。
<<構成BT1>>
[構成BT1]
画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
枠体と、
感光体を備え、前記枠体に回転可能に支持される感光体ユニットと、
前記枠体に支持され、前記感光体を帯電するための帯電部材と、
前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラと、
前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体及び前記現像ローラへ駆動力を伝達可能なカップリング部材と、
前記感光体の回転軸線と交差する移動方向へ移動可能に、前記枠体に支持された移動部と、
前記移動部を付勢し前記移動方向へ移動させることが可能な付勢部と、
を有し、
前記感光体の回転軸線の方向に沿って見た時に、前記カップリング部材と前記感光体との間の距離は、前記カップリング部材と前記現像ローラとの間の距離よりも長く、
前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
前記感光体の回転軸線に沿った方向で見て前記感光体の回転軸線と前記現像ローラの回転軸線とを結ぶ直線で領域を分けた際に、前記移動部の少なくとも一部は、前記帯電部材が配置されていない領域に配置されている、
ことを特徴とするカートリッジ。
<構成BT1へ追加可能な構成(従属構成)>
構成BT1には、上記の構成BP1~BP11の要素を適宜追加することが可能である。
<<構成BU1>>
[構成BU1]
本体側カップリング部材と、同軸で回転する第1本体側斜歯ギア部と第2本体側斜歯ギア部を備える本体側ギアと、を有する画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
枠体と、
感光体を備え、前記枠体に回転可能に支持される感光体ユニットと、
前記枠体に回転可能に支持され、前記本体側カップリング部材と係合して駆動力を受けることが可能なカップリング部材と、
前記感光体の回転軸線と交差する移動方向へ移動可能に、前記枠体に支持された移動部と、
前記移動部を付勢し前記移動方向へ移動させることが可能な付勢部と、
を有し、
前記カートリッジを前記装置本体に装着した状態で、前記移動部は前記本体側ギアと接触可能である、
ことを特徴とするカートリッジ。
[構成BU2]
前記カートリッジを前記装置本体に装着した状態で、前記移動部は、少なくとも前記第1本体側斜歯ギア部及び前記第2本体側斜歯ギア部のいずれか一方と接触可能である、
ことを特徴とする構成BU1に記載のカートリッジ。
[構成BU3]
前記カートリッジを前記装置本体に装着した状態で、前記移動部は、前記本体側ギアの回転に負荷を与えるように前記本体側ギアと接触可能である、
ことを特徴とする構成BU1又はBU2に記載のカートリッジ。
[構成BU4]
前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
前記感光体の回転軸線に沿った方向から見た時に、前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の前記第1開口部から露出した部分に重なるように配置される、
ことを特徴とする構成BU1乃至BU3のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BU5]
前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラと、
前記枠体に支持され、前記感光体を帯電するための帯電部材と、
を備え、
前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
前記感光体の回転軸線に沿った方向で見て前記感光体の回転軸線と前記現像ローラの回転軸線とを結ぶ直線で領域を分けた際に、前記移動部の少なくとも一部は、前記帯電部材が配置されていない領域に配置されている、
ことを特徴とする構成BU1乃至BU4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BU6]
前記感光体の回転軸線に沿って見た時、前記カップリング部材は前記感光体ユニットと重ならない位置に配置されている、
ことを特徴とする構成BU4又はBU5に記載のカートリッジ。
[構成BU7]
前記カップリング部材は、前記カップリング部材の回転軸線が前記感光体の回転軸線と同軸とならないように、前記枠体に支持されている、
ことを特徴とする構成BU4乃至BU6のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BU8]
前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラを有し、
前記感光体の回転軸線の方向に沿って見た時に、前記カップリング部材と前記感光体との間の距離は、前記カップリング部材と前記現像ローラとの間の距離よりも長い、
ことを特徴とする構成BU4乃至BU7のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BU9]
前記移動部の前記第2開口部から露出する部分と前記感光体の前記第1開口部から露出する部分は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、互いに異なる位置に配置されている、
ことを特徴とする構成BU4乃至BU8のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BU10]
前記カップリング部材と前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、同じ位置に配置されている、
ことを特徴とする構成BU4乃至BU9のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BU11]
前記移動部の前記第2開口部から露出する部分の少なくとも一部は、結晶性樹脂から構成される、
ことを特徴とする構成BU4乃至BU10のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BU12]
前記付勢部は、弾性部材である、
ことを特徴とする構成BU4乃至BU11のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BU13]
前記付勢部は、ばねである、
ことを特徴とする構成BU12に記載のカートリッジ。
[構成BU14]
感光体ユニットは、前記感光体に取り付けられたフランジを備え、
前記感光体は、前記カップリング部材から前記フランジに伝達される駆動力によって回転駆動される、
ことを特徴とする構成BU4乃至BU13のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BU15]
前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラを有し、
前記カップリング部材は、前記現像ローラへ駆動力を伝達可能である、
ことを特徴とする構成BU4乃至BU14のいずれか1項に記載のカートリッジ。
[構成BU16]
前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記移動部の全長は前記感光体の全長よりも短い、
ことを特徴とする構成BU4乃至BU15のいずれか1項に記載のカートリッジ。
<<構成C1>>
[構成C1]
構成A1乃至A17並びに構成AY1,AY2のいずれか1項に記載の感光体ユニットと、
トナー像を記録媒体に転写可能な転写部を備え、前記感光体ユニットを着脱可能な装置本体と、を備える、
ことを特徴とする電子写真画像形成装置。
<<構成C2>>
[構成C2]
構成AX1並びに構成B1乃至B9、構成BP1乃至BP11、構成BQ1、構成BR1、構成BS1、構成BT1、構成BU1乃至BU16のいずれか1項に記載のカートリッジと、
トナー像を記録媒体に転写可能な転写部を備え、前記カートリッジを着脱可能な装置本体と、を備える、
ことを特徴とする電子写真画像形成装置。
30,2832:現像ローラ/100:電子写真画像形成装置(画像形成装置)/1707:転写部(転写ローラ)/1781:本体側ギア(駆動伝達ギア)/1781c:第1本体側斜歯ギア部(第1本体ギア部)/1781d:第2本体側斜歯ギア部(第2本体ギア部)/2762,2862:感光体、回転体(ドラム)/2763,2863:フランジ(駆動側フランジ)/2763c:第1ギア部、斜歯ギア部、第1ユニット側ギア部/2763ct:斜歯(第1斜歯)/2763d:第2ギア部、第1ユニット側ギア部/2763dt:第1突起部、ねじれ突起部(第2斜歯)/2763du:第2突起部(かぎ爪部)/2769,2869:感光体ユニット(ドラムユニット)/2771,2871:枠体(枠体部材)/2821f:第1開口部/2821g:第2開口部/2866:帯電部材/2889:カップリング部材(現像カップリング部材)/28732:移動部(押圧部材)/28734:付勢部、弾性部材/28734L:付勢部(弾性部)/28734M:付勢部(付勢部材)/A:装置本体/B:カートリッジ/g:隙間/K:第1周方向(方向)/L1:回転軸線/Wc:歯幅/Wd:歯幅/We:幅/W10:幅/α1:ねじれ角

Claims (62)

  1. 画像形成装置の装置本体に着脱可能な感光体ユニットであって、
    回転軸線まわりに回転可能な感光体と、
    第1ギア部と、
    複数の歯を備える第2ギア部と、
    を有し、
    前記第1ギア部は、前記感光体の回転軸線に沿って前記感光体から離れるにつれて前記感光体の回転軸線を中心とする第1周方向にねじれた斜歯を備える斜歯ギア部であり、
    前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部と前記感光体の間に前記第2ギア部が配置され、
    前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部と前記第2ギア部との間に隙間が設けられ、
    前記第2ギア部の前記複数の歯は、(i)少なくとも前記感光体の回転軸線の方向に延びた第1突起部と、(ii)前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記第1周方向に関して下流で、且つ、前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記感光体の回転軸線の方向に関して前記第1ギア部の近くに配置された第2突起部と、を備える歯を含む、
    ことを特徴とする感光体ユニット。
  2. 前記第1突起部の少なくとも一部は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第2突起部と前記感光体との間に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の感光体ユニット。
  3. 前記第2突起部は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第2ギア部の歯の中で最も前記感光体から離れた位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の感光体ユニット。
  4. 前記第1突起部は、前記感光体の回転軸線に沿って前記感光体から離れるにつれて前記感光体の回転軸線を中心とする前記第1周方向にねじれたねじれ突起部を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
  5. 前記ねじれ突起部のねじれ角は、前記第1ギア部の前記斜歯のねじれ角と同じ、もしくは、前記第1ギア部の前記斜歯のねじれ角よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項4に記載の感光体ユニット。
  6. 前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部の歯幅Wcと前記第2ギア部の歯幅Wdは次の式
    Wc≦Wd
    を満たす、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
  7. 前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部の歯幅Wcと前記隙間の幅Weは次の式
    Wc≦We
    を満たす、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
  8. 前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記隙間の幅Weと前記第2ギア部の歯幅Wdは次の式
    Wd≦We
    を満たす、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
  9. 前記第1ギア部の歯のねじれ角は、15°以上40°以下である、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
  10. 前記第1ギア部の歯のねじれ角は、20°以上35°以下である、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
  11. 前記第1ギア部の前記斜歯は、前記感光体の回転軸線の方向又は前記第1ギア部の回転方向に関して分かれて配置された複数の第1突起により構成された歯である、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
  12. 前記第1突起部は、前記感光体の回転軸線の方向又は前記第2ギア部の回転方向に関して分かれて配置された複数の第2突起により構成された歯である、
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
  13. 前記第1ギア部と前記第2ギア部は同軸で回転可能である、
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
  14. 前記第1ギア部の回転軸線及び前記第2ギア部の回転軸線は、前記感光体の回転軸線と同軸である、
    ことを特徴とする請求項13に記載の感光体ユニット。
  15. 前記第1ギア部と前記第2ギア部とは、一体的に成型されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
  16. 前記感光体の回転軸線方向に関して前記感光体の端部に取り付けられたフランジを有し、
    前記第1ギア部及び前記第2ギア部は、前記フランジに設けられている、
    ことを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項に記載の感光体ユニット。
  17. 前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部と前記第2ギア部との間に設けられ、前記隙間を埋めることが可能な中間部材を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の感光体ユニット。
  18. 画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
    回転軸線まわりに回転可能な回転体と、
    前記回転体を回転可能に支持する枠体と、
    第1ギア部と、
    複数の歯を備える第2ギア部と、
    を有し、
    前記第1ギア部は、前記回転体の回転軸線に沿って前記回転体から離れるにつれて前記回転体の回転軸線を中心とする第1周方向にねじれた斜歯を備える斜歯ギア部であり、
    前記回転体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部と前記回転体の間に前記第2ギア部が配置され、
    前記回転体の回転軸線の方向に関して、前記第1ギア部と前記第2ギア部との間に隙間が設けられ、
    前記第2ギア部の前記複数の歯は、(i)少なくとも前記回転体の回転軸線の方向に延びた第1突起部と、(ii)前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記第1周方向に関して下流で、且つ、前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記回転体の回転軸線の方向に関して前記第1ギア部の近くに配置された第2突起部と、を備える歯を含む、
    ことを特徴とするカートリッジ。
  19. 同軸で回転する第1本体側斜歯ギア部と第2本体側斜歯ギア部を有し、前記第2本体側斜歯ギア部の歯のねじれ方向は前記第1本体側斜歯ギア部の歯のねじれ方向と同じで、前記第2本体側斜歯ギア部の歯のねじれ角は前記第1本体側斜歯ギア部の歯のねじれ角よりも大きい画像形成装置の装置本体に着脱可能な感光体ユニットであって、
    回転軸線まわりに回転可能な感光体と、
    前記第1本体側斜歯ギア部と噛み合うための第1ユニット側ギア部と、
    前記第2本体側斜歯ギア部と噛み合うための複数の歯を備える第2ユニット側ギア部と、
    を有し、
    前記第1ユニット側ギア部は、前記感光体の回転軸線に沿って前記感光体から離れるにつれて前記感光体の回転軸線を中心とする第1周方向にねじれた斜歯を備える斜歯ギア部であり、
    前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ユニット側ギア部と前記感光体の間に前記第2ユニット側ギア部が配置され、
    前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ユニット側ギア部と前記第2ユニット側ギア部との間に隙間が設けられ、
    前記第2ユニット側ギア部の前記複数の歯は、(i)少なくとも前記感光体の回転軸線の方向に延びた第1突起部と、(ii)前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記第1周方向に関して下流で、且つ、前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記感光体の回転軸線の方向に関して前記第1ユニット側ギア部の近くに配置された第2突起部と、を備える歯を含み、
    前記第1ユニット側ギア部が前記第1本体側斜歯ギア部と噛み合い、且つ、前記第2ユニット側ギア部の前記第2突起部が前記第2本体側斜歯ギア部と噛み合った状態で、前記第1ユニット側ギア部と前記第2ユニット側ギア部とが回転可能である、
    ことを特徴とする感光体ユニット。
  20. 同軸で回転する第1本体側斜歯ギア部と第2本体側斜歯ギア部を有する画像形成装置の装置本体に着脱可能な感光体ユニットであって、
    回転軸線まわりに回転可能な感光体と、
    前記第1本体側斜歯ギア部と噛み合うための第1ユニット側ギア部と、
    前記第2本体側斜歯ギア部と噛み合うための複数の歯を備える第2ユニット側ギア部と、
    を有し、
    前記第1ユニット側ギア部は、前記感光体の回転軸線に沿って前記感光体から離れるにつれて前記感光体の回転軸線を中心とする第1周方向にねじれた斜歯を備える斜歯ギア部であり、
    前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ユニット側ギア部と前記感光体の間に前記第2ユニット側ギア部が配置され、
    前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記第1ユニット側ギア部と前記第2ユニット側ギア部との間に隙間が設けられ、
    前記第2ユニット側ギア部の前記複数の歯は、(i)少なくとも前記感光体の回転軸線の方向に延びた第1突起部と、(ii)前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記第1周方向に関して下流で、且つ、前記第1突起部の少なくとも一部よりも前記感光体の回転軸線の方向に関して前記第1ユニット側ギア部の近くに配置された第2突起部と、を備える歯を含み、
    第1本体側斜歯ギア部と第2本体側斜歯ギア部との回転によって前記第1ユニット側ギア部と前記第2ユニット側ギア部が所定方向に回転している間、前記第1ユニット側ギア部の歯は前記第1周方向で上流側に配置された前記第1本体側斜歯ギア部の歯と接触し、前記第2ユニット側ギア部の前記第2突起部は前記第1周方向で下流側に配置された前記第2本体側斜歯ギア部の歯と接触するよう構成されている、
    ことを特徴とする感光体ユニット。
  21. 画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
    枠体と、
    感光体と、前記感光体に取り付けられたフランジと、を備え、前記枠体に回転可能に支持される感光体ユニットと、
    前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体へ駆動力を伝達可能なカップリング部材と、
    前記感光体の回転軸線と交差する移動方向へ移動可能に、前記枠体に支持された移動部と、
    前記移動部を付勢し前記移動方向へ移動させることが可能な付勢部と、
    を有し、
    前記感光体の回転軸線に沿って見た時、前記カップリング部材は前記感光体ユニットと重ならない位置に配置され、
    前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
    前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
    前記感光体の回転軸線に沿った方向から見た時に、前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の前記第1開口部から露出した部分に重なるように配置される、
    ことを特徴とするカートリッジ。
  22. 前記移動部の前記第2開口部から露出する部分と前記感光体の前記第1開口部から露出する部分は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、互いに異なる位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項21に記載のカートリッジ。
  23. 前記カップリング部材と前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、同じ位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項21又は22に記載のカートリッジ。
  24. 前記移動部の前記第2開口部から露出する部分の少なくとも一部は、結晶性樹脂から構成される、
    ことを特徴とする請求項21乃至23のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  25. 前記付勢部は、弾性部材である、
    ことを特徴とする請求項21乃至24のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  26. 前記付勢部は、ばねである、
    ことを特徴とする請求項25に記載のカートリッジ。
  27. 前記感光体は、前記カップリング部材から前記フランジに伝達される駆動力によって回転駆動される、
    ことを特徴とする請求項21乃至26のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  28. 前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラを有し、
    前記カップリング部材は、前記現像ローラへ駆動力を伝達可能である、
    ことを特徴とする請求項21乃至27のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  29. 前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記移動部の全長は前記感光体の全長よりも短い、
    ことを特徴とする請求項21乃至28のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  30. 画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
    枠体と、
    感光体と、前記感光体に取り付けられたフランジと、を備え、前記枠体に回転可能に支持される感光体ユニットと、
    前記枠体に支持され、前記感光体を帯電するための帯電部材と、
    前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラと、
    前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体及び前記現像ローラへ駆動力を伝達可能なカップリング部材と、
    前記感光体の回転軸線と交差する移動方向へ移動可能に、前記枠体に支持された移動部と、
    前記移動部を付勢し前記移動方向へ移動させることが可能な付勢部と、
    を有し、
    前記感光体の回転軸線に沿って見た時、前記カップリング部材は前記感光体ユニットと重ならない位置に配置され、
    前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
    前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
    前記感光体の回転軸線に沿った方向で見て前記感光体の回転軸線と前記現像ローラの回転軸線とを結ぶ直線で領域を分けた際に、前記移動部の少なくとも一部は、前記帯電部材が配置されていない領域に配置されている、
    ことを特徴とするカートリッジ。
  31. 前記感光体の回転軸線に沿った方向で見て前記感光体の回転軸線と前記現像ローラの回転軸線とを結ぶ前記直線で領域を分けた際に、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分は、前記帯電部材が配置されていない領域に配置されている、
    ことを特徴とする請求項30に記載のカートリッジ。
  32. 前記感光体の回転軸線に沿った方向から見た時に、前記感光体の回転軸線と前記現像ローラの回転軸線とを結ぶ直線に沿う方向に関して、前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の幅の内側に配置されている、
    ことを特徴とする請求項30又は31に記載のカートリッジ。
  33. 前記感光体の回転軸線に沿った方向から見た時に、前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の前記第1開口部から露出した部分に重なるように配置される、
    ことを特徴とする請求項30乃至32のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  34. 前記移動部の前記第2開口部から露出する部分と前記感光体の前記第1開口部から露出する部分は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、互いに異なる位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項30乃至33のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  35. 前記カップリング部材と前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、同じ位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項30乃至34のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  36. 前記移動部の前記第2開口部から露出する部分の少なくとも一部は、結晶性樹脂から構成される、
    ことを特徴とする請求項30乃至35のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  37. 前記付勢部は、弾性部材である、
    ことを特徴とする請求項30乃至36のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  38. 前記付勢部は、ばねである、
    ことを特徴とする請求項37に記載のカートリッジ。
  39. 前記感光体は、前記カップリング部材から前記フランジに伝達される駆動力によって回転駆動される、
    ことを特徴とする請求項30乃至38のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  40. 前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記移動部の全長は前記感光体の全長よりも短い、
    ことを特徴とする請求項30乃至39のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  41. 画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
    枠体と、
    感光体を備え、前記枠体に回転可能に支持される感光体ユニットと、
    前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体へ駆動力を伝達可能なカップリング部材と、
    前記感光体の回転軸線と交差する移動方向へ移動可能に、前記枠体に支持された移動部と、
    前記移動部を付勢し前記移動方向へ移動させることが可能な付勢部と、
    を有し、
    前記カップリング部材は、前記カップリング部材の回転軸線が前記感光体の回転軸線と同軸とならないように、前記枠体に支持され、
    前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
    前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
    前記感光体の回転軸線に沿った方向から見た時に、前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の前記第1開口部から露出した部分に重なるように配置される、
    ことを特徴とするカートリッジ。
  42. 画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
    枠体と、
    感光体を備え、前記枠体に回転可能に支持される感光体ユニットと、
    前記枠体に支持され、前記感光体を帯電するための帯電部材と、
    前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラと、
    前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体及び前記現像ローラへ駆動力を伝達可能なカップリング部材と、
    前記感光体の回転軸線と交差する移動方向へ移動可能に、前記枠体に支持された移動部と、
    前記移動部を付勢し前記移動方向へ移動させることが可能な付勢部と、
    を有し、
    前記カップリング部材は、前記カップリング部材の回転軸線が前記感光体の回転軸線と同軸とならないように、前記枠体に支持され、
    前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
    前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
    前記感光体の回転軸線に沿った方向で見て前記感光体の回転軸線と前記現像ローラの回転軸線とを結ぶ直線で領域を分けた際に、前記移動部の少なくとも一部は、前記帯電部材が配置されていない領域に配置されている、
    ことを特徴とするカートリッジ。
  43. 画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
    枠体と、
    感光体を備え、前記枠体に回転可能に支持される感光体ユニットと、
    前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラと、
    前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体へ駆動力を伝達可能なカップリング部材と、
    前記感光体の回転軸線と交差する移動方向へ移動可能に、前記枠体に支持された移動部と、
    前記移動部を付勢し前記移動方向へ移動させることが可能な付勢部と、
    を有し、
    前記感光体の回転軸線の方向に沿って見た時に、前記カップリング部材と前記感光体との間の距離は、前記カップリング部材と前記現像ローラとの間の距離よりも長く、
    前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
    前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
    前記感光体の回転軸線に沿った方向から見た時に、前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の前記第1開口部から露出した部分に重なるように配置される、
    ことを特徴とするカートリッジ。
  44. 画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
    枠体と、
    感光体を備え、前記枠体に回転可能に支持される感光体ユニットと、
    前記枠体に支持され、前記感光体を帯電するための帯電部材と、
    前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラと、
    前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体及び前記現像ローラへ駆動力を伝達可能なカップリング部材と、
    前記感光体の回転軸線と交差する移動方向へ移動可能に、前記枠体に支持された移動部と、
    前記移動部を付勢し前記移動方向へ移動させることが可能な付勢部と、
    を有し、
    前記感光体の回転軸線の方向に沿って見た時に、前記カップリング部材と前記感光体との間の距離は、前記カップリング部材と前記現像ローラとの間の距離よりも長く、
    前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
    前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
    前記感光体の回転軸線に沿った方向で見て前記感光体の回転軸線と前記現像ローラの回転軸線とを結ぶ直線で領域を分けた際に、前記移動部の少なくとも一部は、前記帯電部材が配置されていない領域に配置されている、
    ことを特徴とするカートリッジ。
  45. 本体側カップリング部材と、同軸で回転する第1本体側斜歯ギア部と第2本体側斜歯ギア部を備える本体側ギアと、を有する画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
    枠体と、
    感光体を備え、前記枠体に回転可能に支持される感光体ユニットと、
    前記枠体に回転可能に支持され、前記本体側カップリング部材と係合して駆動力を受けることが可能なカップリング部材と、
    前記感光体の回転軸線と交差する移動方向へ移動可能に、前記枠体に支持された移動部と、
    前記移動部を付勢し前記移動方向へ移動させることが可能な付勢部と、
    を有し、
    前記カートリッジを前記装置本体に装着した状態で、前記移動部は前記本体側ギアと接触可能である、
    ことを特徴とするカートリッジ。
  46. 前記カートリッジを前記装置本体に装着した状態で、前記移動部は、少なくとも前記第1本体側斜歯ギア部及び前記第2本体側斜歯ギア部のいずれか一方と接触可能である、
    ことを特徴とする請求項45に記載のカートリッジ。
  47. 前記カートリッジを前記装置本体に装着した状態で、前記移動部は、前記本体側ギアの回転に負荷を与えるように前記本体側ギアと接触可能である、
    ことを特徴とする請求項45又は46に記載のカートリッジ。
  48. 前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
    前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
    前記感光体の回転軸線に沿った方向から見た時に、前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の前記第1開口部から露出した部分に重なるように配置される、
    ことを特徴とする請求項45乃至47のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  49. 前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラと、
    前記枠体に支持され、前記感光体を帯電するための帯電部材と、
    を備え、
    前記枠体は、前記感光体の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第1開口部と、前記移動部の少なくとも一部を前記枠体から前記カートリッジの外側へ露出可能な第2開口部と、を備え、
    前記カップリング部材と、前記移動部の前記第2開口部から露出する部分とは、前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記枠体の一端部に配置され、
    前記感光体の回転軸線に沿った方向で見て前記感光体の回転軸線と前記現像ローラの回転軸線とを結ぶ直線で領域を分けた際に、前記移動部の少なくとも一部は、前記帯電部材が配置されていない領域に配置されている、
    ことを特徴とする請求項45乃至47のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  50. 前記感光体の回転軸線に沿って見た時、前記カップリング部材は前記感光体ユニットと重ならない位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項48又は49に記載のカートリッジ。
  51. 前記カップリング部材は、前記カップリング部材の回転軸線が前記感光体の回転軸線と同軸とならないように、前記枠体に支持されている、
    ことを特徴とする請求項48乃至50のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  52. 前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラを有し、
    前記感光体の回転軸線の方向に沿って見た時に、前記カップリング部材と前記感光体との間の距離は、前記カップリング部材と前記現像ローラとの間の距離よりも長い、
    ことを特徴とする請求項48乃至51のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  53. 前記移動部の前記第2開口部から露出する部分と前記感光体の前記第1開口部から露出する部分は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、互いに異なる位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項48乃至52のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  54. 前記カップリング部材と前記移動部の少なくとも一部は、前記感光体の回転軸線の方向に関して、同じ位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項48乃至53のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  55. 前記移動部の前記第2開口部から露出する部分の少なくとも一部は、結晶性樹脂から構成される、
    ことを特徴とする請求項48乃至54のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  56. 前記付勢部は、弾性部材である、
    ことを特徴とする請求項48乃至55のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  57. 前記付勢部は、ばねである、
    ことを特徴とする請求項56に記載のカートリッジ。
  58. 感光体ユニットは、前記感光体に取り付けられたフランジを備え、
    前記感光体は、前記カップリング部材から前記フランジに伝達される駆動力によって回転駆動される、
    ことを特徴とする請求項48乃至57のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  59. 前記枠体に回転可能に支持され、前記感光体にトナーを付着させるための現像ローラを有し、
    前記カップリング部材は、前記現像ローラへ駆動力を伝達可能である、
    ことを特徴とする請求項48乃至58のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  60. 前記感光体の回転軸線の方向に関して、前記移動部の全長は前記感光体の全長よりも短い、
    ことを特徴とする請求項48乃至59のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  61. 請求項1乃至17並びに請求項19,20のいずれか1項に記載の感光体ユニットと、
    トナー像を記録媒体に転写可能な転写部を備え、前記感光体ユニットを着脱可能な装置本体と、を備える、
    ことを特徴とする電子写真画像形成装置。
  62. 請求項18並びに請求項21乃至60のいずれか1項に記載のカートリッジと、
    トナー像を記録媒体に転写可能な転写部を備え、前記カートリッジを着脱可能な装置本体と、を備える、
    ことを特徴とする電子写真画像形成装置。
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