JP2023125586A - 包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境に与える影響が少ない紙製であり、小さい面積で確実に円柱形や多角柱形の収容物を包装し、包装した状態で店頭に陳列することができる包装体を提供する。【解決手段】一枚の紙製の包装体形成片12からなり、筒体を形成した背面14と正面16を有する。筒体の一方の開口部には底部72を有し、他方の開口部には、筒体の上方に突出する看板部52と、位置決め突起38と、収容物70の一部に係止されるロック片26を備える。底部72側には、位置決め突起38が下方から差し込み可能な切欠部40を有する。正面16に看板部52を備え、看板部52には収容物70に関する情報を印刷した印刷部53を有する。正面16には、折罫線28で区切られたロック突起46を有し、背面14には、ロック片26を備える。【選択図】図1
Description
この発明は、円柱形や多角柱形等の収容物を包装して運搬し、そのままの状態で店頭に陳列にも適した包装体に関する。
従来、円柱形や多角柱形の収容物、例えば、上方に開口する有底筒体の容器本体と開口を閉鎖する蓋体とからなる円柱形のジャー容器に入れられた化粧品等を包装する包装体は、プラスチック素材のシュリンク包装がされていたり、POP兼用の封緘ラベルが貼られたりしている。また、円柱形の収容物を、積み重ねて集合展示ができるものもある。
例えば、特許文献1に開示されている筒状展示兼用容器は、帯状体の両側端の連結により形成される筒状体からなり、帯状体の下端部に底面構成手段を延設し、帯状体の下縁部に折り出された固定用帯が嵌入する切欠部を穿設している。この筒状展示兼用容器によれば、円柱形の収容物を包装するとともに、積み重ねて展示に供することができる。積み重ねて展示する際は、下段に置かれる筒状展示兼用容器の背面部の固定用帯を収容物の天面への当接状態から反転させて筒状体での湾曲位置に復帰させた後、上段に載置される製品の筒状展示兼用容器が下段の筒状展示兼用容器の開放天部に嵌まり込むことによって積み上げが完了し、展示に供することが可能となる。
上記背景技術の場合、積み重ねて展示する際は、下段に置かれる筒状展示兼用容器の背面部の固定用帯を収容物の天面への当接状態から反転させて筒状体での湾曲位置に復帰させなければならず、面倒である。さらに、固定用帯を湾曲位置に復帰させる際に痕跡が残らず、収容物を取り出すことが可能となり、改ざん防止機能はない。
また、近年環境配慮の取り組みに対応した包装としてプラスチック削減を求められており、ブリスター包装やパウチ包装にかわって、紙素材だけで作られた包装体が求められている。円柱形の収容物を包装する紙製の包装は、例えば六面体の箱に看板が連続して設けられた包装箱等があるが、円柱形の収容物を箱で包装すると、多くの紙面積が必要となる。
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、環境に与える影響が少ない紙製であり、小さい面積で確実に円柱形や多角柱形の収容物を包装し、包装した状態で店頭に陳列することができる包装体を提供することを目的とする。
本発明は、一枚の紙製の包装体形成片からなり、筒体に組み立てられた側壁を有する包装体において、前記側壁の筒体の一方の開口部には底部が設けられ、他方の開口部には、前記筒体の上方に突出する看板部と、前記筒体の上方に突出する位置決め突起と、収容物の一部に係止されるロック片が設けられ、前記側壁の前記底部側には、同形の前記包装体の前記位置決め突起が下方から差し込み可能な切欠部が形成されていることを特徴とする包装体である。
前記包装体形成片には、前記側壁となる矩形の背面と正面と、前記正面の側縁部に連接し前記背面に糊付けされる糊付片が、互いに連接して設けられ、前記正面には前記看板部が設けられ、前記看板部には前記収容物に関する情報を印刷した印刷部が設けられている。
前記正面又は前記背面には、前記正面又は前記背面とは切断線を有する折罫線で区切られているロック突起が設けられ、前記ロック突起が設けられていない他方の前記正面又は前記背面には、前記ロック片が折曲線で区切られて設けられ、前記ロック片は、細長い帯体であり、長手方向の長さは前記側壁を筒体に組み立てた時の筒体の直径とほぼ同じ長さであり、前記ロック片の端部には、前記ロック片を前記折罫線で略直角に折り曲げた時に前記ロック突起の前記切断線に差し込んで係止する係止片が設けられている。
前記正面又は前記背面には、前記ロック片が折罫線で区切られて設けられ、前記ロック片を前記折罫線で前記正面又は前記背面の裏面に沿って、前記底部に向かって下垂させることにより、前記ロック片の端部が、前記収容物の一部に係止される。
前記正面又は前記背面の、前記底部側の端部には底部となる外底部が折罫線で区切られて設けられ、前記外底部が設けられていない他方の前記正面又は前記背面の、前記底部側の端部には前記外底部の裏面に糊付けされる内底部が折罫線で区切られて設けられ、前記背面と前記正面は、それらを折り重ねて、前記糊付片を前記背面に糊付けし、前記外底部と前記内底部を糊付けし、前記背面と前記正面が互いに離れるように外側にたわませて円筒状の側壁を形成すると、前記外底部と前記内底部は自動的に引き起こされて、ワンタッチで底部が形成される。
前記背面には、一対の開封用破断線で囲まれた切取部が設けられ、前記切取部は、前記内底部に連続している。
本発明の包装体は、環境に与える影響が少ない紙製であり、小さい面積で確実に円柱形や多角柱形の収容物を包装し、包装した状態で店頭に綺麗に整列させて陳列することができる。さらに、収容物についての情報を広い面積で表示することができ、改ざん防止機能を有し、またスタッキングが可能であり、店頭に陳列することに適している。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1~図5はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の包装体10は、紙製のシートを打ち抜いて形成された包装体形成片12を組み立てて設けられている。図2は、包装体形成片12を表面から見た展開図であり、包装体形成片12は、筒体に組み立てられる側壁である背面14と正面16とが、互いに平行に連接して形成されている。背面14と正面16は、連接方向と直交する幅方向は同じ長さであり、連接方向の長さは背面14が、正面16よりも少し短い。さらに、正面16の側縁部には、背面14の表面に糊付けされる糊付片18が設けられている。背面14、正面16、糊付片18は、各々折罫線22,24で区切られている。
背面14において、正面16の連接方向に対して直角な方向の一方の端部14aには、細長い帯体のロック片26が端部14aに沿う折曲線28で区切られて設けられている。折曲線28には、開封用の破断線を設けてもよい。ロック片26は、折曲線28に対して平行な方向の幅は、端部14aの約4分の1程度の短いものであり、折曲線28に対して直角な方向の長さ、つまり長手方向の長さは、側壁である背面14と正面16を筒体に組み立てた時の筒体の直径とほぼ同じ長さである。
ロック片26は、背面14の、折罫線22とは反対側の側縁部14bに連続し、側縁部14bの延長方向に延出して設けられている。ロック片26の形状は、折曲線28に交差する一対の側縁部がロック片26の中心に向かってくぼむ円弧で形成された鼓形である。ロック片26の、折曲線28とは反対側の端部26aは折曲線28に対して平行な直線であり、端部26aの中心には、矢印形の突片である係止片30が折罫線32で区切られて設けられている。係止片30の、端部26aに対して平行な方向に両側に張り出す部分は、後述する切断線50に差し込まれて係止される突起部30aとなる。
背面14には、背面14の中央を挟んで一対の開封用破断線34が設けられている。一対の開封用破断線34は、上方の端部14aと、端部14aとは反対側の下方の端部14cに各々連続し、一対の開封用破断線34どうしの間隔は、端部14cに近づくにつれて広くなっている。一対の開封用破断線34の間の部分は、開封する際に一対の開封用破断線34を切断して背面14から取り外される切取部36となる。端部14aの、切取部36と折罫線22の間には、端部14aから外側に膨出する円弧形の位置決め突起38が背面14と一体に設けられている。
端部14cの、切取部36と折罫線22の間には、端部14cから背面14の中心に向かって円弧形に切り欠かれた切欠部40が設けられ、切欠部40の、折罫線22に近い方の、端部14cとの間の角部は、後述する外底部54の係止突部58が係止される係止縁部40aとなる。端部14cの、切取部36から少し離れた位置から側縁部14bに達する部分には、切欠部40の端部14cからの深さとほぼ同じ深さの切欠部41が切り欠かれ、切欠部41は側縁部14bに達し、側縁部14bは折罫線22よりも短くなっている。
背面14の端部14cの、切取部36に連続する部分には、内底部42が折罫線44で区切られて設けられている。内底部42は、包装体10の組立状態で、背面14と正面16を筒体にした時の円形状の下方の開口部を閉鎖する底部72の約半分を形成するものである。折罫線44とは反対側の端部42aは、折罫線44に対して平行で円形状の底部72の直径の近傍に位置する直線であり、内底部42は、端部42aで底部72を2等分したような形状である。内底部42の、端部42aに対して交差する一対の側縁部42bは、端部42aに連続する約半分は、端部42a対して略直角な直線であり、折罫線44に連続する約半分は、折罫線44の端部に向かって傾斜する直線であり、折罫線44に対して鈍角に連続している。内底部42は、変形した6角形である。
正面16の、背面14の端部14aに連接する端部16aには、折罫線22に近い位置に、台形状のロック突起46が折罫線48で区切られて設けられている。ロック突起46の、折罫線48から折罫線48とは反対側の端部46aまでの長さはロック片26より短く、ロック片26の約5分の1程度である。下底に位置する折罫線48は、ロック片26の折曲線28とほぼ等しい。折罫線48の中心付近には、切断線50が折罫線48に沿って形成されている。切断線50の両端部は、折罫線48から離れる方へ鈍角に折り曲げられて、正面16の、端部16aとは反対側の端部16bへ向かう短い傾斜線となっている。端部16aには、ロック突起46と折罫線24の間に、矩形の看板部52が設けられ、正面16と看板部52の間は、折罫線等で区切られていない。
看板部52は、ロック突起46よりも大きく、看板部52の、端部16aから端部16aとは反対側の端部52aまでの長さは、ロック片26よりは短く、ロック片26の2分の1~3分の1程度である。端部16aに対して平行な方向の長さは、ロック突起46とロック片26よりも長く、ロック片26の折曲線28の約3倍程度である。看板部52の表面には、包装する収容物70について商品名等の情報が印刷された印刷部53が設けられている。看板部52の裏面も印刷可能なため、裏面にも収容物70についての説明文等の表示を入れてもよい。
正面16の端部16bには、外底部54が折罫線56で区切られて設けられている。外底部54は、包装体10の組立状態で、背面14と正面16を筒体にした時の円形状の下方の開口部を閉鎖する底部72を形成するものである。折罫線56とは反対側の端部54aは、折罫線56に対して平行な直線であり、折罫線56よりも少し長い。外底部54の折罫線56に対して平行な方向の長さは、下方の開口部の直径にほぼ等しく、内底部42の端部42aとほぼ等しいか、少し長い。外底部54の、折罫線56から端部54aまでの長さは、円形状の底部72の直径にほぼ等しい。外底部54の、端部54aに対して交差する一対の側縁部54bは、端部54aに連続する部分は、端部54a対して鈍角のように交差し外側に向かってわずかに凸となる円弧状であり、その次に、端部54aに対して略直角な直線となり、折罫線56に連続する残りの部分は、折罫線56の端部に向かって傾斜する直線であり、折罫線56に対して鈍角に連続している。外底部54は、変形した8角形である。
側縁部54bの、端部54aに連続する円弧状の部分と、端部54aに対して略直角な部分との境界部分は、各々外側に凸となる鈍角のような角部となり、包装体10を組み立てた時に、背面14の係止縁部40aと、後述する糊付片18の係止縁部64aに係止される係止突部58である。外底部54には、ほぼ中心を通過する折罫線60が設けられ、折罫線60は、折罫線56に対して平行で、両端部は両側の側縁部54bに達している。
糊付片18の、正面16の端部16aに連接する端部18aには、端部18aから外側に膨出する円弧形の位置決め突起62が糊付片18と一体に設けられている。位置決め突起62は、位置決め突起38と同形状であり、折罫線24とは反対側の側縁部18bと連続する位置にある。端部18aとは反対側の側縁部18cには、側縁部18cから糊付片18の中心に向かって円弧形に切り欠かれる切欠部64が設けられ、切欠部64の、折罫線24に近い方の、側縁部18cとの間の角部は、外底部54の係止突部58が係止される係止縁部64aとなる。切欠部64は、切欠部40,41とほぼ同じ深さであり、切欠部64は側縁部18bに達し、側縁部18bは折罫線24よりも短くなっている。
次に、この実施形態の包装体10の組立方法の一例について説明する。なお、ここでは、図2が包装体10の箱体形成片12の表面を見たものであり、包装体形成片12の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
まず折罫線22を正折りして、図3に示すように、正面16と背面14を重ねる。糊付片18の裏面に糊66を、側縁部18bに沿って塗布し、折罫線24を正折りする。これにより、背面14の表面に糊付片18が糊66で糊付けされる。そして、内底部42の表面に糊68を中央付近に塗布し、外底部54の折罫線60を正折りする。外底部54と内底部42は重ねられているが、外底部54の折罫線60は、内底部42の端部42aから露出し、正折りすることができる。これにより、外底部54の折罫線60と端部54aの間の部分が、内底部42の表面に折り重ねられ、糊68で糊付けされる。
これで図4に示すように、包装体形成片12は折り畳み状態となり、この状態で包装体形成片12による折り畳み状態の包装体10が、商品である収容物70を包装する工場へ出荷される。収容物70は、ここでは化粧品等が入れられた円柱形のジャー容器等である。なお、糊付けと折る順番は、上記以外でもよい。
次に、収容物70を収容し包装する工場において、折罫線22と折罫線24を近づけ、背面14と正面16が互いに離れるように外側にたわませて、円筒状の側壁を形成する。この時、内底部42と外底部54は互いに糊付けされているため、折罫線44,56は自動的に折り曲げられ、二つ折りされていた折罫線60は開き、筒体の下方の開口部に、内底部42と外底部54が引き起こされて、ワンタッチで底部72が形成される。
底部72の中央付近を軽く押し上げて折罫線60が鈍角に逆折りされた状態で、背面14と正面16の内側に入れると、外底部54の一対の係止突部58が、背面14の切欠部40の係止縁部40aと、糊付片18の切欠部64の係止縁部64aに当接し、折罫線60が復元する力で押し付けられ、係止され、底部72が係止され、筒体の底部72の形状を保ち、折り畳み状態に戻ることを防ぎ、図1(a)に示す状態となり、包装体10の組立が完了する。
次に、包装体10の中に、筒体の底部72とは反対側の上方の開口部から収容物70を入れ、折罫線48でロック突起46を90°に正折りして収容物70の天面に折り重ね、そして折曲線28でロック片26を90°に正折りし、この時ロック片26の端部26aはロック突起46の折罫線48に重なる。そして、折罫線32で係止片30を90°に正折りし、さらに切断線50に係止片30を差し込む。
これにより、係止片30の矢印形に張り出した左右の突起部30aが、切断線50の両端の傾斜線の裏面に係止され、引き抜きが不可能となる。これで、図1(b)に示すように、ロック片26は収容物70の天面に渡されて収容物70が取り出されないようにロックされ、収容物70の包装が完了する。看板部52は、収容物70の天面よりも高く突出し、印刷部53が表示される。この時、位置決め突起38,62も、収容物70の天面よりも少し高く突出される。
包装体10を店頭に陳列する時は、正面16を消費者に向けて、棚等に置く。看板部52の印刷部53が、消費者から視認される。図5に示すように、同形の包装体10をスタッキングして陳列してもよい。スタッキングする場合は、下の包装体10の位置決め突起38,62を、上の包装体10の切欠部40,64に一致させて差し込む。切欠部40,64は、糊付片18が背面14に糊付けされた状態で互いに一致するため、ふさがれることがない。これにより、上下に重ねられた包装体10どうしがずれることがなく安定し、綺麗に陳列することができる。この時、看板部52同士も互いに重なり、看板部52と位置決め突起38,62の3か所が、側壁の円周のほぼ等間隔の3か所に位置しているため、均等に係止され、安定する。
包装体10を開封する時は、切取部36の、端部14aに一致する端部を保持して外側に引き、一対の開封用破断線34を切断する。さらに下に引いて端部14cまで切断すると、切取部36と共に内底部42が背面14から外れる。このように、切取部36を上方から下方に引くことにより、底部72が外れ、包装体10から収容物70が取り出し可能となる。また、ロック片26の折曲線28に開封用の破断線を設け、折曲線28を切断してロック片26を外し、包装体10を平坦な包装体形成片12に展開することができる。
この実施形態の包装体10によれば、環境に与える影響が少ない紙製であり、小さい面積の包装体形成片12で、確実に円柱形の収容物70を包装し、包装した状態で店頭に陳列することができる。収容物70に沿った円柱状の側壁であり、ガタツキもなく、紙製のシートのムダがない。看板部52が収容物70の天面よりも高く突出し、印刷部53が広い面積で表示され、消費者に強い印象を与えることができる。ロック片26が収容物70の天面に渡されており、天面から開封する際には、ロック片26や係止片30を破断しなければならず、開封した痕跡が残り、開封したことを容易に判別することができ、改ざん機能を有する。収容物70が消費者の方を向くように正面16を手前にして陳列した時、ロック片26は看板部52の後に隠れて目立つことがなく、外観が良好である。開封は、開封用破断線34を切断して、切取部36と内底部42を背面14から外すことで、簡単に収容物70を取り出すことができる。また、ロック片26の折曲線28に開封用の破断線を設けると、折曲線28を切断してロック片26を外し、包装体10を平坦な包装体形成片12に展開することができる。
また、包装体10どうしを、載せるだけの簡単な手段でスタッキングすることができる。下の包装体10の位置決め突起38,62が、上の包装体10の切欠部40,64に嵌合し、看板部52同士も互いに重ねられて、たがいにずれることを防ぎ、位置決め突起38,62と看板部52は、側壁の円周上のほぼ等間隔の3か所に設けられているため、安定した状態となり、多数の収容物70をコンパクトな状態で安定させて、運搬や陳列を行うことができる。
次にこの発明の第二実施形態について図6、図7に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装体74は、紙製のシートを打ち抜いて形成された包装体形成片76を組み立てて設けられている。図7は、包装体形成片76を表面から見た展開図であり、包装体形成片76は、筒体に組み立てられる側壁である背面14と正面16とが、互いに平行に連接して形成され、さらに、正面16の側縁部には、糊付片18が設けられている。背面14、正面16、糊付片18は、各々折罫線22,24で区切られている。
背面14には、背面14の中央を挟んで一対の開封用破断線34が設けられ、一対の開封用破断線34の間の部分は切取部36となる。背面14の端部14aの、切取部36と折罫線22の間には位置決め突起38が設けられている。端部14cの、切取部36と折罫線22の間には切欠部40が設けられ、切欠部40の、折罫線22に近い方の、端部14cとの間の角部は係止縁部40aとなる。端部14cの、切取部36から少し離れた位置から側縁部14bに達する部分は、切欠部41が切り欠かれている。背面14の端部14cには、内底部42が折罫線44で区切られて設けられている。
正面16の端部16aのほぼ中心付近には、矩形の看板部78が折罫線80で区切られて設けられている。看板部78の、端部16aから端部16aとは反対側の端部78aまでの長さは、正面16の、端部16aと端部16bの間の幅とほぼ等しい。端部78aに対して平行な方向の長さは、正面16の折罫線22と折罫線24の間の長さの約2分の1程度である。折罫線80の両端部には、切断線82が各々設けられ、看板部78の両端部を端部16aから切り離している。切断線82の、折罫線80の中心側の端部は、看板部78の中央に向かって湾曲しながら延出する短い円弧で形成されている。
端部16aには、看板部78と折罫線24の間に、矩形のロック片84が折罫線86で区切られて設けられている。ロック片84の、折罫線86から折罫線86とは反対側の端部84aまでの長さは看板部78より短く、看板部78の約3分の1程度である。端部84aに対して平行な方向の長さは、折罫線86から端部84aまでの長さより少し長い。
正面16の端部16bには、外底部54が折罫線56で区切られて設けられている。外底部54の側縁部54bの、端部54aに連続する円弧状の部分と、端部54aに対して略直角な部分との境界部分の角部は、係止突部58である。外底部54には、中心を通過する折罫線60が設けられている。
糊付片18には、位置決め突起62と切欠部64が設けられ、切欠部64の、折罫線24に近い方の、側縁部18cとの間の角部は、係止縁部64aとなる。
次に、この実施形態の包装体74の組立方法の一例について説明する。糊付けと折る順番は、上記実施形態と同様であり、包装体形成片76による折り畳み状態の包装体74が、商品である収容物70を包装する工場へ出荷される。収容物70を収容し包装する工場において、折罫線22と折罫線24を近づけ、背面14と正面16が互いに離れるように外側にたわませて、円筒状の側壁を形成する。この時、筒体の一方の開口部に、ワンタッチで底部72が形成され、図6(a)に示す状態となり、包装体74の組立が完了する。
次に、ロック片84を折罫線86で正折りし、正面16の裏面に沿って、底部72に向かって下垂させる。包装体74の中に、筒体の底部72とは反対側の上方の開口部から、ロック片84を押さえながら収容物70を入れる。ここで、収容物70は、上方に開口する有低筒状の本体と、上方の開口部を閉鎖する蓋部からなるジャー容器に入れられた化粧品等である。すると、ロック片84の端部84aが、収容物70の本体と蓋部の間に差し込まれて係止され、取り出すことができない。これで、図6(b)に示すように、収容物70が取り出されないようにロックされ、収容物70の包装が完了する。看板部78は、両端部が切断線82により正面16から切離されているため、ほぼ平面の状態で、収容物70の天面よりも高く突出し、印刷部53が表示される。
包装体74を店頭で陳列する時は、正面16を消費者に向けて、棚等に置く。同形の包装体74をスタッキングして陳列してもよい。スタッキングする場合は、上記実施形態と同様に、下の包装体74の位置決め突起38,62を、上の包装体10の切欠部40,64に一致させて差し込む。この時、看板部78同士も互いに重なり、看板部78と位置決め突起38,62の3か所が、側壁の円周のほぼ等間隔の3か所に位置しているため、均等に係止され、安定する。
包装体74を開封する時も、上記実施の形態と同様に、切取部36の、端部14aに一致する端部を保持して外側に引き、一対の開封用破断線34を端部14cまで切断すると、切取部36と共に内底部42が背面14から外れる。これにより、底部72が外れ、包装体74は平坦な包装体形成片76に展開され、収容物70が取り出し可能となる。
この実施形態の包装体74によれば、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらに、看板部78は、両端部が切断線82により正面16から切離されているため、正面16が円筒状にたわんでも、ほぼ平面の状態で表示することができる。収容物70をロックするロック片84は小形であり、しかも正面16の裏面に隠れるため、目立つことがなく、外観が良好である。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、看板部の大きさや形状、数等、自由にデザインすることができる。ロック片の大きさや形状は上記以外でもよく、確実に収容物をロックするものでなおかつ外観を損ねないものであればよい。位置決め突起と、位置決め突起が差し込まれる切欠部の形状や数、設ける位置も、適宜変更可能である。底部の構造は、ワンタッチで組み立てられるもの以外でもよい。切取部の形状や位置は上記以外でもよく、ジッパー線やミシン線、ハーフカット線等、切断しやすいものであればよい。各折罫線は、折り曲げやすいように破断線が設けられてもよい。収容物は、色々なものに使用することができ、容器に入れられた化粧品等でもよく、円筒形の商品でもよく、外形も円柱形の他に多角形の柱形でもよい。
10,74 包装体
12,76 包装体形成片
14 背面
16 正面
18 糊付片
22,24,32,44,48,56,86 折罫線
26,84 ロック片
28 折曲線
30 係止片
34 開封用破断線
36 切取部
38,62 位置決め突起
40,41,64 切欠部
42 内底部
46 ロック突起
50 切断線
52,78 看板部
53 印刷部
54 外底部
70 収容物
72 底部
84a 端部
12,76 包装体形成片
14 背面
16 正面
18 糊付片
22,24,32,44,48,56,86 折罫線
26,84 ロック片
28 折曲線
30 係止片
34 開封用破断線
36 切取部
38,62 位置決め突起
40,41,64 切欠部
42 内底部
46 ロック突起
50 切断線
52,78 看板部
53 印刷部
54 外底部
70 収容物
72 底部
84a 端部
Claims (6)
- 一枚の紙製の包装体形成片からなり、筒体に組み立てられた側壁を有する包装体において、
前記側壁の筒体の一方の開口部には底部が設けられ、他方の開口部には、前記筒体の上方に突出する看板部と、前記筒体の上方に突出する位置決め突起と、収容物の一部に係止されるロック片が設けられ、
前記側壁の前記底部側には、同形の前記包装体の前記位置決め突起が下方から差し込み可能な切欠部が形成されていることを特徴とする包装体。 - 前記包装体形成片には、前記側壁となる背面と正面と、前記正面の側縁部に連接し前記背面に糊付けされる糊付片が、互いに連接して設けられ、
前記正面には前記看板部が設けられ、前記看板部には前記収容物に関する情報を印刷した印刷部が設けられている請求項1記載の包装体。 - 前記正面又は前記背面には、前記正面又は前記背面とは切断線を有する折罫線で区切られているロック突起が設けられ、
前記ロック突起が設けられていない他方の前記正面又は前記背面には、前記ロック片が折曲線で区切られて設けられ、前記ロック片は、細長い帯体であり、長手方向の長さは前記側壁を筒体に組み立てた時の筒体の直径とほぼ同じ長さであり、前記ロック片の端部には、前記ロック片を前記折罫線で略直角に折り曲げた時に前記ロック突起の前記切断線に差し込んで係止する係止片が設けられている請求項2記載の包装体。 - 前記正面又は前記背面には、前記ロック片が折罫線で区切られて設けられ、前記ロック片を前記折罫線で前記正面又は前記背面の裏面に沿って、前記底部に向かって下垂させることにより、前記ロック片の端部が、前記収容物の一部に係止される請求項2記載の包装体。
- 前記正面又は前記背面の、前記底部側の端部には底部となる外底部が折罫線で区切られて設けられ、前記外底部が設けられていない他方の前記正面又は前記背面の、前記底部側の端部には前記外底部の裏面に糊付けされる内底部が折罫線で区切られて設けられ、
前記背面と前記正面は、それらを折り重ねて、前記糊付片を前記背面に糊付けし、前記外底部と前記内底部を糊付けし、前記背面と前記正面が互いに離れるように外側にたわませて円筒状の側壁を形成すると、前記外底部と前記内底部は自動的に引き起こされて、ワンタッチで底部が形成される請求項2記載の包装体。 - 前記背面には、一対の開封用破断線で囲まれた切取部が設けられ、前記切取部は、前記内底部に連続している請求項5記載の包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022029775A JP2023125586A (ja) | 2022-02-28 | 2022-02-28 | 包装体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022029775A JP2023125586A (ja) | 2022-02-28 | 2022-02-28 | 包装体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023125586A true JP2023125586A (ja) | 2023-09-07 |
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ID=87887223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2022029775A Pending JP2023125586A (ja) | 2022-02-28 | 2022-02-28 | 包装体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023125586A (ja) |
-
2022
- 2022-02-28 JP JP2022029775A patent/JP2023125586A/ja active Pending
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