JP2023124937A - セラミックス封着部品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】気密特性と生産性に優れたセラミックス封着部品およびその製造方法を提供する。【解決手段】セラミックス部品と金属部品を活性金属ろう材で接合するセラミックス封着部品において、金属部品の先端にあるフランジ部分の側面とセラミックス部品端面が活性金属ろう材により接合しており、活性金属ろう材とフランジ部分の下面との接合距離Lbがセラミックス部品の厚さTcに占める割合であるLb/Tcが、0.3以上である。また、Lb/Tcが、0.3以上になるように接合してセラミックス封着部品を製造する。【選択図】図1

Description

実施形態は、おおむね、電力管などに用いられるセラミックス部品と金属部品を接合したセラミックス封着部品(以下セラミックス封着部品)に関する。
マグネトロン、電力管、電子管用のセラミックス封着部品として、モリブデン(Mo)などの高融点金属を主成分とするメタライズ層を、アルミナ(酸化アルミニウム:Al2O3)などのセラミックス部品に形成したセラミックス封着部品が使用されている。セラミックス封着部品は、セラミックスと金属を接合させ外気を遮断して部品内部を気密封止することにより、外部の環境から内部を保護しセラミックスにより電気絶縁をすることが可能である。例えば、図1に示すような形状のセラミックス封着部品は、アルミナ焼結体からなる円筒形状のセラミックス部品の上端面および下端面のリング部に、モリブデンを主成分とするメタライズ層が形成されている。このメタライズ層の表面には、他の金属部品との接合強度を向上させ、封着を行うために所定厚さのニッケル(Ni)層が形成される。このニッケル部分と円筒形状の金属部品が銀ろう(例えばBAg-8)により接合されている。
セラミックス封着部品として、セラミックス円筒体にモリブデンによる金属面を形成し鉄金属円筒体をろう材にて接合した真空気密封着構造を有する電子管が開示されている(特許文献1)。特許文献1によると、金属円筒体をコバールから鉄に代えることにより低コストの電子管を製造することができる。
また、モリブデンなどの高融点金属を使用せずに活性金属によりセラミックスにニッケル系合金を接合した真空スイッチ外管が開示されている(特許文献2)。特許文献2によると、接合状態の不安定の原因となる金属間化合物を作ることなく接合強度の高い真空スイッチ外管を製造することができる。
さらに、セラミックス部品と金属部品の中間にある金属固定板が、セラミックス部品とは活性金属層により接合されており、金属部品とはろう材により接合されているセラミックス封着部品が開示されている(特許文献3)。特許文献3によると、金属固定板によりリーク不良を発生することなく活性金属法によりセラミックス封着部品を製造することができる。
特願平1-46978号公報 特開2001-220253号公報 特願2020-161894公報
セラミックス表面をモリブデンなどの高融点金属を使用してメタライズする場合は、1400℃以上の高温に加熱するための炉が必要であり、かつ高温で処理を行うためにエネルギーコストがかかっていた。また、形成された高融点金属メタライズ層のまま金属部品とろう付けすることが難しく、ニッケルなどのめっき処理を行う必要があり工程が複雑であった。
また、活性金属法を用いて金属部品と接合する場合には、活性金属ペーストの有機バインダーの分解ガスを防止するために、活性金属を箔形状などに加工することが必要であった。さらには金属部品との接合をエッジシールとした場合は接合面積が小さくなるためペーストで形成された活性金属ろう材層では十分な真空度が保てずリーク不良が発生する可能性があった。また、ペーストで形成された活性金属ろう材層で十分な真空度や接合強度を保つためには金属固定板を中間に入れるために、金属固定板やろう材の部材コストがかかり、金属固定板をろう付けするための工程が必要であった。
実施形態は、このような課題を解決するものであり、セラミックス封着部品に関して、リーク不良の発生を抑制し生産性の高いセラミックス封着部品およびその製造方法に関するものである。
上記課題を達成するために、実施形態にかかるセラミックス封着部品は、セラミックス部品と金属部品を活性金属ろう材により接合する。この金属部品の先端にはセラミックス部品端面に略平行になるように略垂直方向に屈曲したフランジ部分があり、フランジ部分の下面(側面)とセラミックス部品端面が活性金属ろう材により接合している。この活性金属ろう材とフランジ部分の下面(側面)との接合距離Lbのセラミックス部品の厚さTcに占める割合であるLb/Tcが0.3以上であることを特徴とするものである。
また、実施形態のセラミックス封着部品の前記セフランジ部分の長さLfがセラミックス部品の厚さTcに占める割合であるLf/Tcは0.3以上である。
また、実施形態のセラミックス封着部品の前記セラミックス部品端面に形成された活性金属ろう材の長さ(幅)Laがフランジ部分の長さ(幅)Lfに占める割合であるLa/Lfは1.1以上である。
また、実施形態のセラミックス封着部品の前記金属部品の側壁とフランジ部分の曲げ角は50°以上130°以下である。
また、実施形態のセラミックス封着部品の前記の金属部品のフランジ部分の厚さTfが側壁の厚さTmに占める割合であるTf/Tmは0.8以下である。
また、実施形態のセラミックス封着部品の前記金属部品の側壁とフランジ部分との屈曲部のR形状は0.1mm以上である。
また、実施形態のセラミックス封着部品の前記金属部品は、鉄または鉄系合金、ないし銅または銅系合金である。
また、実施形態のセラミックス封着部品の前記活性金属ろう材は、チタンおよび、ジルコニウム、ハフニウムから選ばれる1種以上の活性金属と、銅および銀から選ばれる1種以上のろう材金属である。
また、実施形態のセラミックス封着部品の前記活性金属ろう材の厚さは25μm以上である。
また、実施形態のセラミックス封着部品の前記セラミックス部品はアルミナである。
また、上記課題を達成するための、実施形態のセラミックス封着部品の製造方法では、セラミックス部品端面に活性金属ろう材からなるペーストを印刷乾燥し、先端がセラミックス部品端面に略平行になるように略垂直方向に屈曲したフランジ部分がある金属部品を設置した後に加熱処理を行う。この加熱処理により、活性金属ろう材とフランジ部分の側面との接合距離Lbのセラミックス部品の厚さTcに占める割合であるLb/Tcが0.3以上になるように接合する。
実施形態にかかるセラミックス封着部品の一例を示す図 実施形態にかかるセラミックス封着部品の断面の一例を示す図 実施形態にかかるセラミックス封着部品の接合部の断面の一例を示す図 実施形態にかかるセラミックス封着部品の接合部の断面の拡大図の一例を示す図 実施形態にかかるセラミックス封着部品の接合部の断面の一例を示す図 実施形態にかかるセラミックス封着部品の接合部の断面の活性金属ろう材印刷の一例を示す図
実施形態にかかるセラミックス封着部品とは、セラミックス部品と金属部品を活性金属ろう材により接合する。この金属部品は先端がセラミックス部品端面に略平行になるように略垂直方向に屈曲したフランジ部分があり、フランジ部分の下面(側面)とセラミックス部品端面が活性金属ろう材により接合している。この活性金属ろう材とフランジ部分の側面との接合距離Lbのセラミックス部品の厚さTcに占める割合であるLb/Tcが0.3以上であることを特徴とするものである。
図1に実施形態にかかるセラミックス封着部品の一例を示す。3は円筒形状のセラミックス部品、2は円筒形状の金属部品である。図1では、セラミックス部品の上側端面および下側(反対側)端面に金属部品2を接合した例を示したものである。実施形態は、このような形に限定されるものではなく、角筒形状のセラミックス部品や金属部品でもよく、下側底面がセラミックス部品であり上側(片側)だけ金属部品に接合された形態、片方の面に2以上の開口部をもったセラミックス部品に金属部品を接合してもよいものとする。
セラミックス部品の厚さTcは、例えば円筒形であれば、外周径と内周径の差により求めることができ、垂直方向の2カ所を測定して平均することにより簡易的に得ることができる。また、四辺を有する角筒形であれば、四辺の厚みと4カ所の角部の厚みを測定して平均して求めることができる。
実施形態にかかるセラミックス封着部品は、例えばセラミックス部品は円筒形状のアルミナからなるセラミックス本体部と、このセラミックス本体部の一部の表面上に設けられた活性金属ろう材がある。ここでいう活性金属ろう材とは、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)などの活性金属に、銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)などのろう材金属を混合したものである。また、例えば金属部品は鉄製の円筒形状の金属部品であり、先端がセラミックス部品端面に略平行になるように略垂直方向に屈曲したフランジ部分(以下フランジ部分)がある。このセラミックス部品と金属部品を活性金属ろう材で接合するときに、活性金属ろう材とフランジ部分の下面との接合距離Lbがセラミックス部品の厚さTcに占める割合であるLb/Tcは0.3以上である。
図2に実施形態にかかるセラミックス封着部品の断面図の一例を示す。1はセラミックス封着部品、2は金属部品、3はセラミックス部品である。セラミックス部品3は、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、ジルコニア添加アルミナ(アルジル)のいずれか1種であることが好ましい。アルミナには、アルミナに他のセラミックスなどを添加したアルミナ系のセラミックスを含む。例えばジルコニア添加アルミナは、アルミナと酸化ジルコニウムを混合した焼結体である。また、アルミナにはジルコニア以外の焼結助剤を添加してもよい。これは添加した焼結助剤がガラス相からなる粒界相を形成してアルミナ焼結体を緻密化するためである。焼結助剤としては、マンガン(Mn)、珪素(Si)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)などの化合物が挙げられ、これらを、Mn、Si、MgおよびCaの少なくとも1種以上を金属元素単体換算で合計1~15wt%添加することが好ましい。セラミックス部品は絶縁封着部品としてコストパフォーマンスがよいアルミナであることが好ましい。
セラミックス部品3と接合する金属部品2の材質は、鉄(Fe)および鉄系合金、銅(Cu)および銅系合金、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、42アロイ(Ni42wt%、Mn0.8wt%以下、残Fe)、コバール(Ni29wt%、Co17wt%、残Fe)などが挙げられる。コストパフォーマンスに優れているのは鉄および鉄系合金であり、鉄および鉄系合金による金属部品を形成することが好ましい。また、熱膨張差による応力を緩和するために変形しやすいのは銅および銅系部品であり、熱による影響が大きい場合は銅および銅系合金により金属部品を形成することが好ましい。また、金属部品は片側が鉄、反対側が銅など2種類以上の金属部品を使用することが可能である。また、金属部品はプレスなどにより所定の形状に加工を行うことにより製造される。さらに耐食性や濡れ性の向上のためにニッケルなどのめっきを行うことが可能である。
図3(a)に図2のA部の拡大図である実施形態にかかるセラミックス封着部品の接合部の断面の一例を示す。セラミックス部品3と金属部品2は活性金属ろう材層4で接合されている。活性金属ろう材層4は、Ti(チタン)などの活性金属を用いたものである。Ti以外の活性金属は、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)が挙げられる。活性金属ろう材としては、Tiと銅(Cu)の混合物が挙げられる。Tiは0.1~10wt%、Cuは残部である。また、他の活性金属ろう材として、Ti、Ag、Cuの混合物が挙げられる。Tiは0.1~10wt%、Cuは10~60wt%、Agは残部である。また、接合時の活性金属ろう材の拡散を制御する場合には、必要に応じ、インジウム(In)、錫(Sn)、アルミニウム(Al)、けい素(Si)、炭素(C)、マグネシウム(Mg)から選ばれる1種以上を1~15wt%添加してもよい。ペーストによる活性金属ろう材接合では、セラミックス部品表面に活性金属ろう材ペーストを印刷した後に乾燥する。
図3(b)は(a)の接合前の状態である。接合前の活性金属ろう材層は、例えば活性金属ろう材ペーストをセラミックス部品端面3aに印刷で形成することが可能である。平面であるセラミックス部品端面3aに印刷で形成することにより接合前の活性金属ろう材層4の表面は略平面であり、金属部品2のフランジ下面2eを接して重ねることが可能である。金属部品を重ねた状態で加熱することにより活性金属ろう材層4を介してセラミックス部品3と金属部品2を接合する。セラミックス部品端面3aに略平行になるように金属部品は先端を垂直方向に曲げ加工をした金属部品側面(フランジ下面2e)で接合することにより接合面積が大きくなる。これにより、セラミックス部品3と金属部品2の内外部間での気密に必要な距離を得ることと接合強度を向上させることが可能である。
金属部品先端のフランジ部2bの長さ(円周方向の幅)Lfは、金属部品の屈曲方向とは反対側の面である外周面2cからフランジ先端部2dまでの距離(幅)である。フランジ部の長さLfは、セラミックス部品の厚さTcと同様に、例えば円筒形であれば、フランジ部の外周径と内周径の差により求めることができ、垂直方向の2カ所を測定して平均して簡易的に得ることができる。セラミックス部品の厚さTcをセラミックス部品3の外周面3bと内周面3cの距離とすると、フランジ部長さLfがセラミックス部品厚さTcに占める割合であるLf/Tcは、0.3以上、1.0以下である。Lf/Tcが0.3未満であると十分な接合距離が得られずにリーク不良の原因となる。Lf/Tcが1.0を超えるとセラミックスと金属の膨張差による熱応力によりセラミックス部品にクラックが発生する可能性がある。さらには、Lf/Tcは、0.4以上、0.9以下が好ましい。
図4(a)に図3(a)のB部の拡大図を示す。活性金属ろう材の材質および量、金属部品の形状、接合(加熱)条件などにより、境界部の活性金属ろう材層4の形状が変化する。図4(b)には(a)の金属部品を示す。金属部品の先端を屈曲するときに側壁部2aとフランジ部2bにより曲げ角5が形成される。金属部品を削り出し加工によりフランジ部分を形成した場合には屈曲部2gは垂直形状になる。これに対してプレスなどの曲げ加工により屈曲部を形成した場合には屈曲部2gにはR形状が形成される。図4(a)のようにろう材の濡れ広がり外面部4aを形成しやすくするためにR形状の大きさは0.1mm以上であることが好ましい。さらには、R形状は0.3mm以上が好ましい。
図4(a)では金属部品の側壁部2aの先端の屈曲部2gは曲面であり活性金属ろう材が濡れ広がっている。活性金属ろう材量が少ない、活性金属ろう材の濡れ広がりやすい接合条件、などの場合は、活性金属ろう材の濡れ広がり外面部4aが凹形状(メニスカス形状)になる。これに対して、活性金属ろう材量が多い、活性金属ろう材の濡れ広がりにくい接合条件、などの場合は、活性金属ろう材の濡れ広がり外面部4aは凸形状になる。金属部品先端のフランジ部部の長さ(幅)Lfに対して、活性金属ろう材の濡れ広がり外面部4aが凹形状の場合に接合距離LbはLfよりも小さくなり、活性金属ろう材の濡れ広がり外面部4aが凸形状の場合に接合距離LbはLfよりも大きくなる。接合距離Lbが接合長さのセラミックス部品の厚さTcに占める割合であるLb/Tcは0.3以上である。Lb/Tcが0.3未満であると十分な接合距離が得られずにリーク不良の原因となる。さらには、Lb/Tcは、0.4以上が好ましい。
接合距離Lbは、セラミックス封着部品を切断して、接合している活性金属ろう材層の距離を測定することにより求める。また、例えばセラミックスが円筒形状である場合は、セラミックス部品外周部および内周部から、それぞれの活性金属ろう材までの距離を測定して、セラミックス部品の厚さからとそれぞれの距離の差から簡易的に求めることもできる。
セラミックス部品を薄くすること、および金属部品を厚くすることにより、先端を曲げ加工せずフランジ長さLfがゼロの状態の金属部品を接合することによりLb/Tcを0.3以上にすることは可能である。しかしながら、セラミックス部品厚さTcを小さくすることはセラミックス部品焼結時の収縮により変形する可能性がある。また、金属部品を厚くすることは、活性金属ろう材が金属部品上に垂直方向に濡れ広がりにくいためメニスカス形状を形成することが難しく、セラミックス部品と金属部品の熱膨張差による応力が大きくなり接合部分直下のセラミックス部分にクラックが入りやすい。また、製造コストを抑えるには封着性を確保するためだけに厚い金属部品を使用することは好ましくない。
図5に実施形態にかかるセラミックス封着部品の接合部の断面の一例を示す。図5(a)ではセラミックス部品の端面に面取り部3dを形成している。セラミックス部品に面取りを行うことにより角部分が欠けにくくなり生産性は向上する。活性金属ろう材長さ(幅)Laは、セラミックス部品の厚さTcを測定した箇所について投影機などで幅を測定して平均することにより求められる。
図5(a)では内側方向にフランジ部がある金属部品を接合した状態である。このときフランジ部長さ(幅)Lfを大きくしても活性金属ろう材長さLaは面取り分だけ小さくなる。この場合でも、セラミックスと金属の熱膨張は変わらないため、本願発明の内容があてはまる。図5(b)では(c)とは逆にセラミックス部品の外周面3b方向にフランジ部2bは屈曲している
図5(c)では金属部品2の先端は垂直に屈曲しておらず側壁部2aとフランジ部2bの曲げ角5は鋭角であり90°よりも小さい。治具などの荷重により接合が行われるが、活性金属ろう材層4は、金属部品の側面に濡れ広がり外面部4aを形成する。また、内周側でも活性金属ろう材濡れ広がり内面部4bが形成される場合は、接合距離Lbは濡れ広がり外面部4aと濡れ広がり内面部4bからなる外周と内周の最短距離となる。活性金属ろう付けの外周部には凹形状(メニスカス形状)が形成されている場合の接合距離Lbは凹部の最も内側にくぼんだ部分と内面の活性金属ろう材との最短距離になる。ろう材のメニスカス形状は封着距離を確保するには不利になる場合もあるが、応力の集中を緩和するため接合強度的には有利になる。このためLfを確保しながら適度なメニスカス形状を形成できるように鋭角に曲げ加工を行うことは有用である。このとき鋭角が小さすぎると接合距離Lbを稼ぐためとメニスカス形状を形成するための活性金属ろう材が多く必要となり、過剰な活性金属ろう材によるろう溜まりを形成する場合がある。このため曲げ角の大きさは50°以上であることが好ましい。さらには60°以上であることが好ましい。
金属部品の先端が内側に向かって曲げ角5が鈍角に加工している場合は、活性金属ろう付けの内周部4bには凹形状(メニスカス形状)が形成される。このため接合距離Lbは凹部の最も外側にくぼんだ部分と外面の活性金属ろう材との最短距離になる。封着距離を確保するには不利になるが、ろう材のメニスカス形状は応力の集中を緩和するため接合強度では有利になる。このため接合距離Lbを確保しながら適度なメニスカス形状を形成できるように鈍角に曲げ加工を行うことは有用である。このとき鈍角が大きすぎると必要な接合距離Lbを得るためにメニスカス形状を形成するための活性金属ろう材が多く必要となり、過剰な活性金属ろう材によるろう溜まりを形成する場合がある。このため鈍角の大きさは130°以下であることが好ましい。さらには120°以下であることが好ましい。
金属部品のフランジ部の長さ(幅)を変えることなく厚さを側壁部より薄くすることによりセラミックスにかかる応力が緩和される。フランジ部の厚さを変えるだけで長さ(幅)を変えないので封着距離を確保できる。また、応力が緩和されることにより活性金属ろう材層やセラミックス部品に与えるダメージが軽減されるため接合強度が向上する。さらには熱サイクルに対しても応力が緩和されるために接合強度の低下が起きにくく、リーク不良が発生しにくい。このため金属部品のフランジ部分の厚さTfが側壁の厚さTmに占める割合であるTf/Tmは0.8以下であることが好ましい。さらには0.6以下であることが好ましい。
金属部品の側壁の厚さTmは、セラミックス部品の厚さTcと同様に、例えば円筒形であれば、外周径と内周径の差により求めることができ、垂直方向の2箇所を測定して平均することにより簡易的に得ることができる。また、フランジ部分の厚さTfは、図4(b)における、フランジ上面2fとフランジ下面2eの距離である。フランジ部分の厚さTfが均一でない場合は、屈曲部2gを除いた任意の2箇所以上の厚みを測定して平均してTfを求めることが可能である。
金属部品のフランジ先端部に面取加工を行うことも可能である。面取り加工をすることにより外周部および内周部の両側に凹形状(メニスカス形状)が形成される。このため接合距離Lbは活性金属ろう材の最短距離(最も内側に位置する外周部分と最も外側に位置する内周部分の距離)になる。これらの凹部分は封着距離を確保するには不利になるが、ろう材のメニスカス形状は応力の集中を緩和するため接合強度および熱サイクルでは有利になる。このため接合距離Lbを確保しながら適度なメニスカス形状を形成できるように先端部に面取り加工を行うことは有用である。面取り形状はC面取りやR面取りがある、また、面取り位置は金属部品の先端の接合面側だけでなく、接合とは反対面側に形成してもよい。このとき面取りが大きすぎると必要な接合距離Lbを得るためとメニスカス形状を形成するための活性金属ろう材が多く必要となり、過剰な活性金属ろう材によるろう溜まりを形成する可能性がある。このため先端部の面取りの大きさは0.5mm以下であることが好ましい。さらには0.4mm以下であることが好ましい。
円筒形状のセラミックス部品に円筒形状の金属部品のフランジ部の端面で接合する場合、セ円筒形状のセラミックス部品に接合する円筒金属部品の側壁の厚さTm(外径と内径の差)がセラミックス部品の厚さTc(外形と内径の差)に占める割合であるTm/Tcは0.2%以上であることが好ましい。0.2よりも小さいと十分な気密と接合強度を得られない場合がある。また、組み立てが難しくオフセンターの状態になりやすいためである。
セラミックス部品に活性金属ろう材を印刷して加熱することに予めセラミックス部品端面に活性金属ろう材層を形成した後に金属部品を配置して加熱することにより接合してもよい。また、活性金属ろう材を印刷したセラミックス部品に金属部品を配置して同時に接合してもよい。前者は、セラミックス部品の両面に異種の金属部品を接合する場合に片側ずつ接合することにより複数の金属部品を必要に応じて順番に接合することが可能である。これに対して後者は接合が一度で可能であり、同種の単純形状の金属部品を同時に接合することが可能である。
活性金属ろう材を用いた活性金属接合法は、セラミックス部品に活性金属ろう材ペーストを印刷後に乾燥し金属部品を配置する。これを700~900℃で加熱して接合するものである。金属部品を配置せずに加熱して活性金属ろう材層だけを形成した場合には、金属部品を配置して再度加熱することにより接合する。
次に、実施形態にかかるセラミックス封着部品の製造方法について説明する。セラミックス封着部品は前述の構成を有していれば、その製造方法は特に限定されるものではないが、歩留まり良く得るための方法として次のものが挙げられる。
実施形態にかかるセラミックス部品の一例は円柱形状であり、例えば、外径50mm、内径38mm、高さ30mmである。セラミックス部品は熱膨張率の異なる金属と高温で接合するため、発生する膨張差によりセラミックス角部や活性金属層の端部にクラックが発生しやすい。このため端面の外周部および内周部に面取り加工をしておくことが好ましい。面取りの形状は例えばC面取りやR面取りがあり、面取りの大きさは0.1~2mmであることが好ましい。
活性金属ろう材の形態は、ペースト、シート、ワイヤーなどがある。シートやワイヤーは活性金属ろう材を溶融してシートやワイヤー形状に加工してから、製品液状に合わせて所定の寸法に加工するための工程が必要である。これに対してペーストは、ペーストを製造する工程はあるものの、製品形状に合わせて必要な箇所に印刷するなど取り扱いに優れている。また、どの形態であっても、活性金属ろう材の量は少なすぎると未接合箇所であるろう切れが発生し、多すぎるとろう溜まりが起こり応力破壊の原因となるため、ろう付け面積にあわせて使用する活性金属ろう材の量を調整する。
ペーストを使用した活性金属ろう材では、活性金属ろう材ペーストをセラミックス部品にスクリーン印刷法などで印刷し、大気雰囲気中で乾燥させた後、還元雰囲気中などで加熱することにより活性金属ろう材層を形成する。
活性金属ろう材ペーストは、活性金属粉末にろう材金属粉末を混合したものに、有機バインダーと有機溶剤を加えたものである。有機バインダーは乾燥工程や接合(加熱)工程により焼失するものであれば特に限定されるものではない。好ましい一例としてはエチルセルロースが挙げられる。有機溶剤は乾燥工程や焼成工程により焼失するものであれば特に限定されるものではない。好ましい一例としてはテレピネオールやブチルカルビトールが挙げられる。活性金属ろう材ペーストは、例えば活性金属粉末とろう材金属粉末とを解砕混合をした後、有機バインダーおよび有機溶剤と混合して調製されたものである。また、活性金属ろう材成分に含まれる活性金属の比率は0.1~15wt%、好ましくは0.5~10wt%である。
ペーストの印刷厚さは25~100μmが好ましい。印刷厚さが25μm未満であると活性金属ろう材層の厚さにばらつきができ接合強度を低下させる。一方、100μmを越えるとそれ以上の効果が得られない。また、ペーストはスクリーン印刷法などによりセラミックス部品端面に均一な厚さで印刷する。印刷厚さが不均一であると厚い部分では活性金属ろう材が過剰になり、ろう材溜まりができ熱応力によるクラックが発生する。また、薄い部分では活性金蔵ろう材切れによりリーク不良が発生する。このため、厚い部分と薄い部分の印刷厚さの差は15μm以下、さらには10μm以下であることが好ましい。
図6に実施形態にかかるセラミックス封着部品の接合部の断面の活性金属ろう材印刷の一例を示す。図6(a)では金属部品2とセラミックス部品3の間に活性金属ろう材層4が形成されている。接合距離Lbを確保するために活性金属ろう材層4は金属部品よりも大きな面積にする必要がある。このためペーストの印刷長さ(幅)は、フランジ長さの1.1倍以上が好ましい。セラミックス部品端面に形成された活性金属ろう材層の外周と内周の距離をLaとすると、活性金属ろう材層距離Laがフランジ長さLfに占める割合であるLa/Lfは1.1以上である。La/Lfが1.1未満であると接合時のオフセンターにより十分な接合距離Lbが得られない可能性がある。また、活性金属ろう材層距離Laおよびフランジ長さLfが、接合距離Lbを形成するために十分な大きさであってもLa/Lfが1.1未満の場合は、活性金属ろう材の周辺部に応力によりクラックが発生しやすい。このためLa/Lfは1.1以上であることが好ましい。さらには1.2以上であることが好ましい。
図6(b)では活性金属ろう材層4がセラミックス部品面取り部3dまで形成されている。このようにセラミックス部品に面取り部がある場合は、面取り部まで活性金属ろう材層が形成されることが好ましい。これは、活性金属ろう材層を面取り部まで形成することにより、活性金属ろう材層端部における熱応力がかかる方向が変化し、クラックを防止することができるためである。また、この場合の活性金属ろう材層距離Laは、活性金属ろう材層の水平距離である。
セラミックス部品に印刷されたペーストは大気雰囲気などで乾燥する。乾燥温度が低く、乾燥時間が短いとペーストの溶液成分が十分に揮発されず、接合時にボイドが発生する可能性がある。これとは逆に、乾燥温度が高く、乾燥時間が長いとペーストの表面の酸化が進み、接合温度条件が変化する可能性がある。このため、乾燥温度は50~100℃、好ましくは60~80℃である。また、乾燥時間は5~30分、好ましくは10~20分である。
ペースト乾燥後に金属部品をペースト乾燥面上に設置して加熱することにより接合を行う。接合温度は600~1000℃、好ましくは700~900℃である。また、接合時間は接合温度に到達した状態で5~60分間の範囲が好ましい。接合温度が低く接合時間が短いと活性金属ろう材が十分に溶融せずに接合しない場合がある。これとは逆に、接合温度が高く接合時間が長いと活性金属ろう材が溶融しすぎて広がりボイドが発生する場合がある。また、活性金属接合雰囲気は必要に応じ、真空中や非酸化性雰囲気で行うものとする。真空中で行う場合は、1×10-2Pa以下であることが好ましい。また、非酸化性雰囲気は窒素雰囲気やアルゴン雰囲気が挙げられる。真空中または非酸化性雰囲気とすることにより、接合層が酸化されるのを抑制することができる。これにより、接合強度の向上が図られる。ろう付けに使用する炉は連続炉やバッチ炉が使用される。量産性において優れているのは連続炉である。上記の雰囲気で部品を所定時間加熱することによりろう付けが行われる。
実施形態にかかる金属部品の材質は、鉄および鉄系合金、銅および銅系合金、タングステン、モリブデン、42アロイ、コバールなどが挙げられる。コストパフォーマンスに優れているのは鉄および鉄系合金であり、鉄および鉄系合金による金属部品を形成することが好ましい。実施形態にかかる金属部品の一例は略円筒形状であり、例えば、高さ20mmであり、先端加工されていない部分は外径49mm、内径47mmである。先端部は略90°内側に曲がっているフランジ長さは3mmである。上記形状の金属部品は、プレスなどにより円筒形状にした後、先端部分をプレス加工や絞り加工によりフランジ形状にする。また、有底円筒形から曲げ部分を残してプレスにて打ち抜いて曲げ形状を得ることも可能である。これらの金属部品は耐食性や濡れ性の向上のためにニッケルなどのめっきを行うことが可能である。
図5(a)および(b)では、金属部品の先端が直角に曲がっており、先端部は面取りがなく垂直になっているため、上面から適正な荷重をかけるとセラミックス端面に重なり接合する。円筒形状の先端を垂直形状にするには削り出しなどの工程が必要になるため、例えば曲げ加工により先端部分を形成した場合は曲面が形成される。
図5(c)では金属部品先端の曲げ角が90°より小さく鋭角に加工してある。鋭角に加工してある場合でも上面から適正な荷重をかけることにより金属部品はセラミックス端面に接合する。これとは逆に先端の曲げ角が90°より大きく鋭角に加工してある場合はフランジ部にも適正な荷重をかけることにより接合する。荷重のかけ方により接触する活性金属ろう付けの外周部には凹形状(メニスカス形状)が形成されるが、荷重が少ないと接合距離Lbは凹部の最も内側にくぼんだ部分と内面の活性金属ろう材との最短距離になる。封着距離を確保するには不利になるが、ろう材のメニスカス形状は応力の集中を緩和するため接合強度的には有利になる。このためフランジ長さLfを確保しながら適度なメニスカス形状を形成できるような曲げ角を形成することは有用である。
金属部品のフランジ部の厚さを側壁部より薄くしてもよい。フランジ部が薄くなるとセラミックス部品にかかる応力が緩和される。フランジ部を薄くするにはプレス加工や絞り加工でなどで行う。
金属部品の先端部には面取加工を行ってもよい。面取り加工を行うことにより金属ろう付けの外周部および内周部の両側に凹形状(メニスカス形状)が形成される。このため接合距離Lbは凹部の最も内側にくぼんだ外周部分と最も外側にくぼんだ内周部分の活性金属ろう材の最短距離になる。これらの凹部分は封着距離を確保するには不利になるが、ろう材のメニスカス形状が両側にあり応力の集中を緩和するため接合強度では有利になる。このため接合距離Lbを確保しながら適度なメニスカス形状を形成できるように先端部に面取り加工を行うことは有用である。面取り形状はC面取りやR面取りがあり、金属部品の先端の接合面側だけでなく両側に形成されていてもよい。また、このとき面取りが大きすぎると必要な接合距離Lbを得るためとメニスカス形状を形成するための活性金属ろう材が多く必要となり、過剰な活性金属ろう材によるろう溜まりを形成する恐れもある。
以上ではセラミックス部品にペーストを印刷乾燥した後に金属部品を接合しているが、予めセラミックス部品端面にペーストを印刷乾燥した後に加熱処理を行って活性金属ろう材層を形成することも可能である。この場合も、同様の接合条件でろう材層を形成した後に金属部品を配置して接合する。
以上本発明の実施形態におけるセラミックス封着部品の製造方法によれば、封着部品としての機密性能を保持したまま、コストパフォーマンスに優れたセラミックス封着部品を得ることができる。
(実施例1~16、比較例1~7)
92wt%アルミナに酸化マンガン(MnO2)、酸化ケイ素(シリカ:SiO2)、酸化マグネシウム(マグネシア:MgO)を合計で8wt%の助剤を加えた組成を有するアルミナ造粒粉を準備した。造粒粉を金型プレスで成型し1500℃大気中で焼結することにより、表1にあるようにセラミックス厚さTcが6mmである、外径50mm、内径38mm、高さ30mm、端面C面取り0.5mmの円筒形状のセラミックス部品を得た。この場合の面取りは、外径C面取り0.5mmおよび内径C面取り0.5mmである。また、表1にあるようにセラミックス厚さTcが4mmである、外径40mm、内径32mm、高さ30mm、端面C面取り0.4mmの円筒形状のセラミックス部品を得た。
活性金属ろう材ペーストに用いた金属粉末は、Ti2wt%、Sn10wt%、Cu30wt%、Ag残部、とした。活性金属ろう材ペーストは、金属粉末に有機成分を混合することによりペースト化した。セラミックス部品端部表面に、スクリーンメッシュを用いて厚さ50μmになるように活性金属ろう材ペーストを印刷した。表1の活性金属長さ(活性金属ろう材長さ)Laを形成するように活性金属ろう材ペーストの印刷幅は内周と外周から均等の位置になるように印刷した。次に活性金属ろう材ペーストを印刷したセラミックス部品本体を空気中にて100℃にて5分間乾燥して活性金属ろう材ペースト層を硬化せしめた。反対側の端面についても同様にして活性金属ろう材ペースト層を形成した。
金属部品は、外径50mmのセラミックス部品接合用に外径49mm、内径47mm、高さ20mmの鉄製の円筒形状として片側先端部を内側方向にプレス加工して、表1にあるようなフランジ長さLfを形成した。また、外径40mmのセラミックス部品接合用には外径39mm、内径38mm、高さ30mmとして片側先端部を内側方向にプレス加工してフランジ長さLfを形成した。
(表1)
Figure 2023124937000002
表1から分かるとおり、実施例では、フランジ長さ/セラミックス厚さ/(Lf/Tc)、活性金属長さ/フランジ長さ(La/Lf)、フランジ厚さ/金属側壁厚さ(Tf/Tm)、金属部品の曲げ角の値は好ましい範囲内であった。一方、比較例では、それらの値が好ましい範囲外となった。
治具に金属部品、セラミックス部品、金属部品の順に設置して、接合温度820℃、接合時間10分間、窒水素雰囲気で加熱してろう付けしセラミックス封着部品を得た。
セラミックス封着部品の接合部を計測して接合長さ(Lb)を測定した。また、セラミックス封着部品の金属部品上端部にシリコーンを塗布してバイトンゴム製の円形治具で蓋をして下部をヘリウムリークディテクターに固定した。ヘリウムリーク試験を行って不良率を得た。また、TCT(Thermal Tcycle Test:温度サイクル試験)を低温条件-40℃×30分、高温条件125℃×30分で30サイクル行った後にヘリウムリーク試験を行ってTCT不良率を得た。実施例と比較例の測定結果を表2に示す
(表2)
Figure 2023124937000003
表2から分かる通り、実施例および比較例2~3、6~7に係るセラミックス封着部品の接合距離/セラミックス厚さ(Lb/Tc)は好ましい範囲内であった。一方、比較例1、4~5に係るセラミック封着部品は好ましい範囲外となった。
また、実施例に係るセラミックス封着部品は、ヘリウムリーク試験でリーク不良が発生しなかった。これはセラミックス部品および金属部品に対して接合距離が十分にあったためである。それに対して比較例では、リーク不良が発生した場合があった。これはセラミックス部品および金属部品に対して接合距離が十分に確保できなかったためである。
また、実施例に係るセラミックス封着部品は、TCT後のヘリウムリーク試験でリーク不良が発生しなかった。これはセラミックス部品および金属部品に対して接合距離Lbが十分にあったことに加えて、セラミックス部品と金属部品の接合強度が高かったために、加熱冷却の熱応力による接合層への影響がなかったためである。それに対して比較例では、リーク不良が発生した場合があった。これはセラミックス部品および金属部品に対して接合距離Lbが十分に確保できなかったことに加えてセラミックス部品と金属部品の接合強度が十分でなかったために、加熱冷却の熱応力により接合層にダメージが入りリーク経路が発生したためである。
上記に示す結果から明らかなように、実施例は比較例と比べて、リーク特性およびTCTでの信頼性の向上が認められた。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1…セラミックス封着部品
2…金属部品、2a…側壁部、2b…フランジ部、2c…外周部、2d…フランジ先端部、2e…フランジ下面、2f…フランジ上面、2g…屈曲部
3…セラミックス部品、3a…端面、3b…外周面、3c…内周面、3d…面取り部
4…活性金属ろう材(層)、濡れ広がり外面部…4a、濡れ広がり内面部…4b
5…曲げ角

Claims (11)

  1. セラミックス部品と金属部品を活性金属ろう材で接合するセラミックス封着部品において、金属部品の先端にあるフランジ部分の側面とセラミックス部品端面が活性金属ろう材により接合しており、活性金属ろう材とフランジ部分の下面との接合距離Lbがセラミックス部品の厚さTcに占める割合であるLb/Tcが、0.3以上であることを特徴とするセラミックス封着部品。
  2. フランジ部分の長さLfがセラミックス部品の厚さTcに占める割合であるLf/Tcは0.3以上であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス封着部品。
  3. セラミックス部品端面に形成された活性金属ろう材長さLaがフランジ部分長さLfに占める割合であるLa/Lfは1.1以上であることを特徴とする請求項1および請求項2のいずれか1項に記載のセラミックス封着部品。
  4. 金属部品の側壁とフランジ部分の曲げ角が50°以上130°以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のセラミックス封着部品。
  5. 金属部品のフランジ部分の厚さTfが側壁の厚さTmに占める割合であるTf/Tmは0.8以下であることを特徴とする請求項1および請求項4のいずれか1項に記載のセラミックス封着部品。
  6. 金属部品の側壁とフランジ部分との屈曲部のR形状が0.1mm以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のセラミックス封着部品。
  7. 金属部品が鉄または鉄系合金、ないし銅または銅系合金であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のセラミックス封着部品。
  8. 活性金属ろう材が、チタン、ジルコニウム、ハフニウムから選ばれる1種以上の活性金属と、銅および銀から選ばれる1種以上のろう材金属であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のセラミックス封着部品。
  9. 活性金属ろう材の厚さが、25μm以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のセラミックス封着部品。
  10. セラミックス部品が、アルミナであることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のセラミックス封着部品。
  11. セラミックス部品と金属部品を接合するセラミックス封着部品の製造方法において、セラミックス部品端面に活性金属ろう材からなるペーストを印刷乾燥し、先端がセラミックス部品端面に略平行になるように略垂直方向に屈曲したフランジ部分がある金属部品を設置した後に加熱処理をすることにより、活性金属ろう材とフランジ部分の側面との接合距離Lbがセラミックス部品の厚さTcに占める割合であるLb/Tcが0.3以上に接合することを特徴とするセラミックス封着部品の製造方法。
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