JP2023123656A - 電気素子試験装置 - Google Patents

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茂男 阪田
Shigeo Sakata
博司 高原
Hiroshi Takahara
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Abstract

【課題】試験項目ごとの接続配線の接続変更作業が長時間を必要とする。接続配線変更のための作業スペースが必要であるため、試験装置を小型化することができない。【解決手段】スイッチ回路基板201には、スイッチ回路124と2つの導体板204が実装されている。隔壁214には、スイッチ回路基板201の位置に対応させて開口部216が形成されている。フォークプラグ205は半導体素子117の端子226と接続されている。フォークプラグ205は開口部216から挿入され、フォークプラグ205の先端部が導体板204と嵌合されて接続される。スイッチ回路124がオンすることにより、電源回路132からに試験電流が半導体素子117に印加される。【選択図】図24

Description

本発明は、SiC、IGBT、MOS-FET、Gan-FET、バイポーラトランジスタ等の半導体素子のパワーサイクル試験を行う電気素子試験装置、電気素子の試験方法等に関するものである。
半導体素子の使用環境での故障モードに近いストレスを効率よく再現でき、高い信頼性でパワー半導体素子等の評価を行うことができる半導体素子試験装置および半導体素子の試験方法を提供する。
パワー半導体素子の寿命には、パワー半導体素子自体の発熱に起因した熱疲労現象による寿命と、パワー半導体素子の外部環境の温度変化に起因した熱疲労現象による寿命とがある。また、パワー半導体素子のゲート絶縁膜への印加電圧による電圧疲労による寿命等がある。
一般的に、パワー半導体素子の寿命試験は、半導体素子に通電オンオフを繰り返すことが行われている。たとえば、半導体素子のトランジスタのエミッタ端子(ソース端子)、コレクタ端子(ドレイン端子)等に印加電圧および電流を設定し、ゲート端子に周期的なオンオフ信号(動作/非動作信号)を印加して試験が行われる。
試験時に半導体素子に印加する電流は数百アンペアと大きく、発熱、電圧降下をさけるため低抵抗の配線を必要とする。試験電流が大きいため、半導体素子と配線に接続部を低抵抗に接続する必要がある。
試験をする半導体素子は多段に接続されたものが多く、半導体素子がトランジスタの場合等、チャンネル間電圧は試験条件等で大きく変化する。半導体素子に印加する試験信号が適切でないと半導体素子に印加する試験信号で破壊する場合がある。
半導体素子部品の試験も多くの種類があり、試験の種類に対応させて配線の接続を変更する必要がある。配線の接続変更作業は多くの時間を必要とし、接続不良、接続ミスが発生する。
特開2014-138488
半導体素子部品117は第1のトランジスタ117mと第2のトランジスタ117sが直列接続されている。第1のトランジスタ117mと第2のトランジスタ117sのうち少なくとも一方のトランジスタにはトランジスタの温度を測定するためのダイオードが形成されている。ダイオードはトランジスタの形成プロセスと同時に形成される。
第1のトランジスタ117mと第2のトランジスタ117sに電流Idが流れると、流れる電流Idの大きさに応じて第1のトランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが変化する。半導体素子部品の端子電圧は、第1のトランジスタ117mと第2のトランジスタ117sのチャンネル間電圧Vcesを加算されたものとなる。
ダイオードもトランジスタの形成プロセスで形成されている場合、ダイオードはトランジスタのゲート絶縁膜等と共通部分がある場合、トランジスタのチャンネル間電圧Vceが変化に伴い、ダイオードのアノード端子、カソード端子の電位が変化する。
従来の半導体素子試験装置では、ダイオードに流す定電流の電位、半導体素子部品117に印加するオンオフ信号の電位が、基準とする電位から所定値で固定されていた。そのため、トランジスタ117に流す電流Idの変化により、トランジスタ117mトランジスタ117sのチャンネル間電圧が変化するとダイオードの端子電圧が過大な電位となりダイオード等が絶縁破壊するという問題点があった。
本発明の半導体素子試験装置は、試験をする半導体素子部品の温度をモニターするための定電流を発生する定電流回路と、トランジスタをオンオフさせる信号を発生するゲートドライバ回路とを有する。
半導体素子部品は第1のトランジスタ117mと第2のトランジスタ117sが直列接続されている。第1のトランジスタ117mをオンオフさせる信号を発生する第1のゲートドライバ回路の第1の電源電圧と、第2のトランジスタ117sをオンオフさせる信号を発生する第2のゲートドライバ回路の第2の電源電圧と、定電流を発生する定電流回路の第3の電源電圧は、それぞれ、他の電源電圧に対して、電気的に絶縁化され、または、フローティングとなるように構成されている。
本発明の半導体素子試験装置は、第1のトランジスタと第2のトランジスタ等が接続された半導体素子の試験装置に関するものである。
第1のトランジスタは、第1のゲート端子と第1の端子と第2の端子を有し、第2のトランジスタは、第2のゲート端子と第3の端子と第4の端子を有し、第1のトランジスタの第2の端子と、第2のトランジスタの第3の端子が接続され、第1のトランジスタと第2のトランジスタのうち、少なくとも一方のトランジスタ近傍に形成または配置されたダイオードを有する。
また、第1のトランジスタの第1のゲート端子に印加するゲート信号発生回路の第1の電圧発生回路と、第2のトランジスタの第2のゲート端子に印加するゲート信号発生回路の第2の電圧発生回路と、ダイオードに印加する定電流を発生する定電流発生回路の第3の電圧発生回路を具備する。
第1の電圧発生回路と第2の電圧発生回路は電気的に絶縁されており、第3の電圧発生回路は、少なくとも第1の電圧発生回路または前記第2の電圧発生回路と電気的に絶縁されている。
また、本発明の半導体素子試験装置は、第1のトランジスタと第2のトランジスタ等が接続された半導体素子の試験装置に関するものである。
第1のトランジスタは、第1のゲート端子と第1の端子と第2の端子を有し、第2のトランジスタは、第2のゲート端子と第3の端子と第4の端子を有し、第1のトランジスタの第2の端子と、第2のトランジスタの第3の端子が接続されている。
第1のトランジスタの第1のゲート端子に印加するゲート信号発生回路の第1の電圧発生回路と、第2のトランジスタの第2のゲート端子に印加するゲート信号発生回路の第2の電圧発生回路と、第1のトランジスタの第1の端子と第2の端子間の電圧と、第2のトランジスタの第3の端子と第4の端子間の電圧のうち、少なくとも一方の電圧を測定あるいは検出する電圧検出回路の第3の電圧発生回路を具備する。
第1の電圧発生回路と前記第2の電圧発生回路は、電気的に絶縁されており、第3の電圧発生回路は、少なくとも第1の電圧発生回路または第2の電圧発生回路と電気的に絶縁されている。
また、本発明の半導体素子試験装置は、第1のゲート端子と第2のゲート端子のうち、少なくとも一方の端子に流れる電流を測定または検出する電流検出回路を具備する。
また、ゲート信号発生回路は、トランジスタをオンさせる第1の信号と、トランジスタをオフさせる第2の信号および第2の信号を発生する。
また、第1のトランジスタの第1の端子と第2の端子間を短絡する第1のスイッチ回路と、第2のトランジスタの第3の端子と第4の端子間を短絡する第2のスイッチ回路を具備する。
また、第1のトランジスタの第1の端子に、第1の接続金具が電気的に接続され、第2のトランジスタの第4の端子に、第2の接続金具が電気的に接続されている。
本発明の半導体素子の試験方法は、第1のトランジスタが第1のゲート端子と第1の端子と第2の端子を有し、第2のトランジスタが第2のゲート端子と第3の端子と第4の端子を有し、第1のトランジスタと第2のトランジスタのうち、少なくとも一方のトランジスタ近傍に形成または配置されたダイオードを有し、第1のトランジスタの第2の端子と、第2のトランジスタの第3の端子が接続された半導体素子に関するものである。
第2のトランジスタの第4の端子と第2のゲート端子間に、第2のトランジスタをオンまたはオフさせる第2のゲート信号を印加できるように構成され、第1のトランジスタの第2の端子と第1のゲート端子間に、第1のトランジスタをオンまたはオフさせる第1のゲート信号を印加できるように構成され、第1のゲート信号は第2のトランジスタの第3の端子の電位を基準とし、ダイオードの端子間電圧を測定または検出する。
本発明の半導体素子の試験方法は、第1のトランジスタが第1のゲート端子と第1の端子と第2の端子を有し、第2のトランジスタが第2のゲート端子と第3の端子と第4の端子を有し、第1のトランジスタの第2の端子と、第2のトランジスタの第3の端子が接続された半導体素子に関するものである。
第2のトランジスタの第4の端子と第2のゲート端子間に、第2のトランジスタをオンまたはオフさせる第2のゲート信号を印加できるように構成され、第1のトランジスタの第2の端子と第1のゲート端子間に、第1のトランジスタをオンまたはオフさせる第1のゲート信号を印加できるように構成され、第1のゲート信号は第2のトランジスタの第3の端子の電位を基準とし、第1のトランジスタの第1の端子と第2の端子間の電圧と、第2のトランジスタの第3の端子と第4の端子間の電圧のうち、少なくとも一方の電圧を測定あるいは検出するものである。
また、本発明の半導体素子の試験方法は、第1のスイッチ回路と、第2のスイッチ回路を有し、第1のトランジスタの第1の端子が第1のスイッチ回路に接続され、第2のトランジスタの第2の端子が第2にスイッチ回路と接続されているものである。
また、本発明の半導体素子の試験方法は、第1のトランジスタの第1の端子に第1の接続金具が電気的に接続され、第2のトランジスタの第4の端子に第2の接続金具が電気的に接続されているものである。
第1のトランジスタ117mをオンオフさせる信号を発生する第1のゲートドライバ回路の第1の電源電圧と、第2のトランジスタ117sをオンオフさせる信号を発生する第2のゲートドライバ回路の第2の電源電圧は、それぞれ他の電源電圧に対して絶縁化(フローティング)となるように構成されている。
トランジスタ117m、トランジスタ117sのゲート端子の信号電位は、過大な電圧となることはなく、既定の信号あるいは端子電位となる。
半導体素子部品117を配置する半導体素子試験装置内の箇所(スペース)と、前記半導体素子部品117の試験電流の発生、制御信号の発生、試験結果の取得をする回路基板の配置箇所を分離する隔壁214を設けている。
試験項目ごとの接続配線211の接続作業が不要であり、配線の接続変更のための作業スペースを必要とせず、半導体素子試験装置を小型化することができる。また、フローティングの電源電圧は、接続プラグ205の接続変更により容易に信号電位等を設定することができる。
本発明の第1の実施例における電気素子試験装置の説明図である。 本発明の第1の実施例における電気素子試験装置のブロック図である。 本発明の第1の実施例における電気素子試験装置の説明図である。 本発明の第1の実施例における電気素子試験装置の電源系統の説明図である。 本発明の第1の実施例における電気素子試験装置の電源系統の説明図である。 本発明の第1の実施例における電気素子試験装置の電源系統の説明図である。 本発明の第1の実施例における電気素子試験装置の電源系統の説明図である。 本発明の電気素子の試験方法の説明図である。 本発明の第2の実施例における電気素子試験装置のブロック図である。 本発明の第2の実施例における電気素子試験装置のブロック図である。 本発明の第3の実施例における電気素子試験装置の説明図である。 本発明の第3の実施例における電気素子試験装置のブロック図である。 本発明の第3の実施例における電気素子試験装置の電源系統の説明図である。 本発明の第3の実施例における電気素子試験装置の電源系統の説明図である。 本発明の第3の実施例における電気素子の試験方法のタイミングチャート図である。 本発明の第4の実施例における電気素子試験装置の説明図である。 本発明の第5の実施例における電気素子試験装置の説明図である。 本発明の第1の実施例における電気素子の試験方法のタイミングチャート 本発明の第1の実施例における電気素子の試験方法のタイミングチャート図である。 本発明の第1の実施例における電気素子の試験方法のタイミングチャート図である。 本発明の第2の実施例における電気素子の試験方法のタイミングチャート図である。 本発明の電気素子試験装置の説明図である。 本発明の第1の実施例における電気素子試験装置の説明図である。 本発明の電気素子試験装置の説明図である。 本発明の電気素子試験装置の接続部の説明図である。 本発明の電気素子試験装置の接続部の説明図である。 本発明の電気素子試験装置の接続部の説明図である。 本発明の電気素子試験装置の回路基板の配置の説明図である。 本発明の電気素子試験装置の回路基板の説明図である。 本発明の電気素子試験装置の回路基板の説明図である。 半導体素子部品の説明図である。 半導体素子部品の説明図である。 電気素子の説明図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係るパワーサイクル試験等の半導体素子試験装置および半導体素子の試験方法を説明する。明細書で記載する実施形態では、パワー半導体素子のうち、IGBTを例にとって説明する。本発明はIGBTに限定されるものではなく、SiC、MOSFET、JFET、トランジスタ等の各種のパワー半導体素子に適用することができる。また、トランジスタだけに適用されるものではなく、ダイオード等の2端子素子にも本発明は適用できる。また、サイリスタ、トライアック等の他の半導体素子にも適用できる。
また、パワー半導体素子に限定されるものではなく、低電力用の半導体素子、小信号制御用の半導体素子にも本発明は適用できることは言うまでもない。
なお、本発明は素子あるいは部品に電流あるいは電圧等を印加して試験を行うものである。したがって、試験対象は半導体素子に限定されるものではない。たとえば、抵抗素子、水晶発振子、サーミスタ、ポジスタ、ZNR、ホトトランジスタ、ホトダイオード、スピーカー、モーター、メカニカルリレー等にも適用できることは言うまでもない。
発明を実施するための形態を説明するための各図面において、同一の機能を有する要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。また、本発明の実施例は、それぞれの実施例の一部または全部を組み合わせることができる。
図22は本発明の電気素子試験装置の構成図である。電気素子試験装置は、チラー(冷却・加温装置)136と、加熱冷却プレート134、加熱冷却プレート134とチラー136間を循環する循環水パイプ135を有する。また、制御ラック131、電源装置132、制御回路133を有する。加熱冷却プレート134には、試験する半導体素子としてのトランジスタ等の半導体素子部品117または電子素子部品117が積載されている。
電気素子部品117として、主としてトランジスタ117を例示して説明する。したがって、本明細書において、電気素子部品117を主としてトランジスタ117と記載する。
試験をするトランジスタ117の温度情報Tj、Tcが所定値となるように、定電流Id、ゲート信号Vsg、チャンネル間電圧Vceを変化させて試験の条件を設定する。
Tjは主としてトランジスタ117の温度を測定するダイオード等から求めた温度情報、Tcはトランジスタ117のパッケージ温度を熱電対等で取得し温度情報である。
温度情報Tjまたは温度情報Tcが変化すると、トランジスタ117が劣化あるいは特性が変化していると判断し、トランジスタ117の試験を停止、あるいは制御方法を変更、あるいは試験条件の変更を実施する。
なお、試験時にトランジスタ117に流す、あるいは印加する電流は定電流Idとして説明をするが、本発明はこれに限定するものではない。Idは所定周期あるいは所定時間等で変化する電流であってもよいことは言うまでもない。また、試験時にトランジスタ117に印加する信号は、電流に限定するものではなく、電圧でもよい。
温度情報Tj等の変化で、トランジスタ117の特性変化を判定あるいは判定する。また、電圧Vceが所定電圧になる時間、トランジスタ117の破壊までの時間等からトランジスタ117の特性変化、信頼性、寿命を評価する。
本発明の半導体素子部品117の試験方法において、トランジスタ117の劣化あるいは特性変化にあわせて外部条件あるいは試験条件を変更する。たとえば、トランジスタ117が発熱した場合はチラー136の水温を下げる。トランジスタ117に流れる電流を少なくすると、トランジスタ117の劣化、特性変化が進まず、結果、トランジスタ117の寿命が延びる。したがって、所定設定条件に対するトランジスタ117の寿命、信頼性特性を定量的に測定、判断することができる。
チラー136の循環水を加温または冷却することにより、トランジスタ117の温度を規定値あるいは所定値に維持する。また、試験条件に対応してトランジスタ等の温度を周期的に変化させ、また、一定に冷却し、また、加熱する。また、試験トランジスタの温度情報Tjを測定し、測定した温度情報Tjを一定値に維持するように、チラー136を制御する。なお、以下の説明において、温度情報Tjを例示して説明する。
チラー136は水や熱媒体の液温を管理しながら循環させることで、機器等の温度を一定に保つことができるように構成している。主に冷却に用いる場合が多いが、冷やすだけでなく温めることもできる。様々な温度の制御を実施できるように構成している。
制御ラック131には、トランジスタ117に試験電流、試験電圧を供給する電源装置132と、トランジスタ117を制御あるいは試験条件を設定する制御回路133を有している。
制御回路133には、コントローラ回路基板111、ゲート信号制御回路112、デバイス制御回路基板209、スイッチ回路基板201、マザー基板207等を含む。
電源装置132には、電源回路121、スイッチ回路122、スイッチ回路基板201等を含む。
制御回路133には、トランジスタ117の温度情報Tjが入力され、温度情報Tjに基づいてチラー136を制御する。あるいは、温度情報Tjを所定値にするように、チラー136を制御する。
なお、本明細書では循環水として説明するが、水に限定されるものではない。エチレングリコール、グリセリン、フロン等でもよいし、強制空冷であってもよい。チラー136は循環水パイプ135内の液体を、たとえば水温マイナス1℃からプラス100℃までの範囲で制御して試験ユニットの加熱冷却プレート134に供給する。加熱冷却プレート134は十分に大きな熱容量を持っている。
上記実施形態では加熱冷却プレート134を使用したが、加熱プレートと冷却プレートを別体とし、加熱冷却プレート以外の熱源・冷熱源を用いて加熱・冷却するものであってもよい。
図2は本発明の第1の実施例における半導体素子試験装置(たとえば、パワートランジスタを試験するパワーサイクル試験装置)の構成図あるいはブロック図である。
図1は本発明の第1の実施例における半導体素子試験装置の等価回路図あるいは説明図である。
本発明では、半導体素子部品117としてNチャンネルのトランジスタを例示して説明するがこれに限定するものではない。たとえば、Pチャンネルのトランジスタであっても本発明が適用できることは言うまでもない。また、図33(a)~図33(i)に図示する半導体素子の他、抵抗(図33(i))、コンデンサ、コイル、リレー、水晶発振子(図33(k))など電気部品にも対応できることは言うまでもない。
電源回路121は、トランジスタ117を試験するための大電流の定電流Idを出力する。電源回路121は、コントローラ回路基板111(コントローラ111)からの制御信号に同期させて、半導体素子部品117等に電力(電流、電圧)を供給すると共に、供給された電力を用いて前記半導体素子部品117等を設定された定電流または定電圧で駆動する。また、電源回路121は、出力する最大電圧値、最大電流値を設定することができる。
スイッチ回路122(SWa)は、電源回路121が出力する定電流の供給をオン(供給)オフ(遮断)させる。スイッチ回路122はコントローラ回路基板111(コントローラ111)からの信号に基づき、オン(定電流を出力)またはオフ(定電流を遮断)に設定または制御される。通常、スイッチ回路122は試験開始前にオンされ、半導体素子部品の試験中は常時、オン状態に維持される。
図2において、1台の電源回路121を図示している。電源回路121は1台に限定されるものではない。たとえば、本発明の半導体素子試験装置において、2台以上の電源回路121を保有させてもよい。電源回路121の台数が増加するほど、多種多様な電流Idの波形あるいは電圧波形、電流波形を発生させることができる。
本発明の実施例において、電源回路121として説明するが、電源回路121は定電流を出力するものに限定されるものではない。
たとえば、電源回路121に最大電圧、最大電流を設定できるものを使用する。一定の条件で、設定された最大電圧等において、所定の定電流を出力できるように機能させることが例示される。また、定電流を出力する場合に、出力端子電圧を所定の最大電圧を設定できるように構成されることが例示される。
本発明の半導体素子試験装置において、電源回路121は、定電流のみ出力する装置ではなく、電圧、電流を出力あるいは設定できる電源装置であってもよいことは言うまでもない。
図2の実施例において、電源回路121で電流Idを発生させるとして説明するが、定電流Idは、トランジスタ117のオン抵抗の状態に応じて、印加電圧を調整することによっても実現できる。したがって、本発明の半導体素子試験装置において、電流を出力する電源回路121に限定するものではなく、電圧出力の電源装置で構成してもよいことはいうまでもない。
定電流Idは、トランジスタ117のゲート電圧の電圧値の制御によっても実現できる。本明細書では、電源回路121の制御によって、トランジスタ117に所定の電流を印加するとして説明する。しかし、これに限定するものはなく、トランジスタ117のゲート端子gの電圧、トランジスタ117のコレクタ端子cの電圧を調整あるいは制御してもよいことは言うまでもない。
本発明の第1の半導体素子の試験方法の実施例では、説明を容易にするため、定電流Idは電源回路121が発生するとしている。トランジスタ117に流す電流Idは電源回路121を動作させることにより供給する。電源回路121はコントローラ回路基板111(コントローラ111)からの信号によりオン/オフ制御される。デバイス制御回路基板209はコントローラ回路基板111(コントローラ111)によりタイミング制御される。
図30はデバイス制御回路基板209の説明図である。デバイス制御回路基板209の一辺には、コネクタ213が配置されている。コネクタ213はマザー基板207との電気的接続に使用される。
デバイス制御回路基板209の他辺には、選択スイッチ312、選択スイッチ313が配置されている。また、図29に図示するように、スイッチ回路基板201には選択スイッチ311が配置されている。
選択スイッチ311、選択スイッチ312はデバイス制御回路基板209のアドレス(番号)を示す設定スイッチである。選択スイッチ312により、デバイス制御回路基板209のアドレス(番号)が設定される。選択スイッチ311、選択スイッチ312は、4ビットの手動で設定スイッチである。
本発明の電気素子試験装置は、同時にあるは順次に複数の電気素子を試験することができる。それぞれの電気素子に対応して、スイッチ回路124が配置される。そのため、スイッチ回路基板201にアドレス(番号)を設定する必要がある。図29ではスイッチ回路基板201に選択スイッチ311によりアドレス(番号)を設定している。図30ではデバイス制御回路基板209によりアドレス(番号)を設定している。
選択スイッチ311、選択スイッチ312により、デバイス制御回路基板209、スイッチ回路基板201にアドレス(番号)が設定され、試験を実施する電気素子と紐付をすることができる。
コネクタ315は熱電対314を接続するためのコネクタである。熱電対314は、T型熱電対、J型熱電対、E型熱電対、K型熱電対等、多様な熱電対を使用することできる。
熱電対314は電気素子部品117のパッケージに取り付けられる。熱電対314により、温度情報Tcを得ることができる。長期信頼性試験の場合は、温度情報Tcを採用することが好ましい。
本明細書では、温度情報TjはダイオードDの温度測定により得るとし、温度情報Tcはパッケージ温度測定により得るとして説明をする。
本発明は、熱電対314は、T型熱電対、J型熱電対、E型熱電対、K型熱電対等に対応することができるように、デバイス制御回路基板209に各熱電対の起電力-温度の変換テーブルを保有する。どの変化テーブルを使用するかは選択スイッチ313により選択する。したがって、コネクタ315に接続する熱電対314の種類により、選択スイッチ313のスイッチを設定する。
以上のアドレス(番号)の設定事項は、スイッチ回路基板201の選択スイッチ311にも適用される。
以下の実施例では、図31(a)図31(b)において、半導体素子部品117の一例として、トランジスタ117mとトランジスタ117sとが1つのパッケージに内蔵された半導体素子部品117を例示して説明する。トランジスタ117sとトランジスタ117mは直列に接続されている。
ただし、図31(c)図31(d)に図示するように、トランジスタ117sの電極端子226c2とトランジスタ117mの電極端子226c1が配線材などで電気的に接続されて1つの半導体素子部品117を構成であっても同様である。
本明細書で説明する半導体素子試験装置あるいは試験方法は、図31(a)図31(b)と図31(c)図31(d)のいずれに対しても適用される。その他、トランジスタ117sまたはトランジスタ117sの一方のみの構成にあっても適用できることは言うまでもない。また、図32の半導体素子部品117にも本発明の試験方法、試験装置を適用できることは言うまでもない。
図31において、半導体素子部品117は、大電流が印加あるいは出力される端子P電極端子、O電極端子、N電極端子を有する。トランジスタ117m近傍にはダイオードDm、トランジスタ117s近傍にはダイオードDsを内蔵する。
ダイオードDsおよびダイオードDmは、トランジスタ117の形成プロセスと同時に形成される。ダイオードDsおよびダイオードDmは感温ダイオードとして使用する。たとえば、ダイオードの半導体層は、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)と共通のレイヤー層が使用される。また、絶縁層等が共通のレイヤー層が使用される。
なお、本発明において、説明を容易にするため、あるいは理解を容易にするため、試験中のトランジスタ117の温度をモニターする素子として説明する。ダイオードは感温素子として使用する。
温度をモニターする素子として、感温素子は、ダイオードに限定されるものではない。トランジスタ117の温度を検出できるものであればいずれの素子、部品であってもよい。たとえば、サーミスタ、ポジスタ、熱電対等であってもよい。
これらの場合も、図1、図4、図5、図6、図7、図11、図13、図14等で説明するように、絶縁型DCDCコンバータ回路138等を用いて、各電圧間を絶縁化し、また、フローティング化し、また、これらの電圧を用いて定電流Icを発生する。
ダイオードは、トランジスタ117に内蔵だけではなく、トランジスタ117の表面に配置する、近傍に配置する等してもよいことは言うまでもない。また、ダイオードは、図32に図示するようなダイオードDi(ダイオードDis、ダイオードDim)のような構造あるいは配置であってもよい。また、図31、図32のダイオードは、寄生ダイオードであってもよい。
以下、図31を例示して説明をするが、図32、図33の電気素子にも適用できることは言うまでもない。
半導体素子部品117は図31(a)(b)に図示するように、P電極端子(電極端子226a)、O電極端子(電極端子226c)、N電極端子(電極端子226b)を有する。電極端子226には、接続配線211が接続される。図示していないが、電極端子には、ネジ止めの穴が形成されている。
トランジスタ117mはエミッタ端子em、ゲート端子gmを有し、トランジスタ117mのコレクタ端子cmは、トランジスタ117sのエミッタ端子esと共通となっている。ダイオードDmはカソード端子km、アノード端子amに接続されている。トランジスタ117mのエミッタ端子emは、N電極端子226bと接続されている。
トランジスタ117sはエミッタ端子es、ゲート端子gsと有し、トランジスタ117sのコレクタ端子は、P電極端子と接続されている。ダイオードDsはカソード端子ks、アノード端子asに接続されている。トランジスタ117sのコレクタ端子csは、P電極端子226aと接続されている。
トランジスタ117mのコレクタ端子cmとトランジスタ117sのエミッタ端子esは電気的に接続され、トランジスタ117sのエミッタ端子esはO電極端子226cと電気的に接続されている。
半導体素子部品117のN電極端子226bとO電極端子226c間に発生する電圧がトランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemである。半導体素子部品117のP電極端子226aとO電極端子226c間に発生する電圧がトランジスタ117sのチャンネル間電圧Vcesとなる。
トランジスタ117mの端子(エミッタ端子em、ゲート端子gm、カソード端子km、アノード端子am)にコネクタ202mが接続される。トランジスタ117sの端子(エミッタ端子em、ゲート端子gm、カソード端子km、アノード端子am)にコネクタ202sが接続される。P電極端子(電極端子226a)にフォークプラグ205eが接続され、O電極端子(電極端子226c)にフォークプラグ205hが接続され、N電極端子(電極端子226b)にフォークプラグ205cが接続される。
本発明の実施例において、フォークプラグ205と導体板204とを接触させて電気的に接続するとしたが、これに限定するものではない。機構的な動作により電気的に接続状態と、非接続状態とを変更できるものであればいずれでもよい。また、接続した状態を安定的に維持できるものであればいずれの構成であってもよい。
たとえば、フォークプラグ205のかわりに、ロータリーコネクタ、ロータリージョイント、大電流コネクタなどであってもよい。導体板204の代わりに、ロータリーコネクタ、ロータリージョイント、大電流コネクタであってもよいし、円筒状の導体棒、角型の導体棒、くし型の導体板などであってもよい。
本明細書、図面において導体板204として説明するが、板に限定されるものではなく、棒状のものであってもよい。フォークプラグ205等の構造物と接合できるものであればいずれの形状等であってもよい。たとえば、ソケット、コネクタ等の構造物であってもよい。また、導体板204をフォークプラグ形状とし、フォークプラグ205と前記フォークプラグとを接続してもよい。
フォークプラグ205は隔壁214等の空間を分離する構成物あるいは構造に接続物であるフォークプラグ205を挿入するとして説明するが、これに限定するものではない。たとえば、導体板204bにフォークプラグ205cを接続し、フォークプラグ205cを隔壁214から挿入して、トランジスタ117のエミッタ端子eと電気的に接続を取ってもよい。
ダイオードDmとダイオードDsのうち、少なくとも一方に温度モニター用の所定の定電流Icが印加される。ダイオードの等価的抵抗値は温度によって変化し、所定の定電流の印加によりダイオードD(イオードDm、ダイオードDs)の端子電圧が変化する。この端子電圧Viの情報から温度情報Tjを求める。
図1に図示するように、トランジスタ117mのゲート端子gmとエミッタ端子em間に短絡回路137mが形成される。トランジスタ117sのゲート端子gsとエミッタ端子es間に短絡回路137sが形成される。短絡回路137は、一例としてスイッチングトランジスタである。なお、短絡回路137はトランジスタ等の素子だけに限定されるものではない。たとえば、コネクタ、ショートピンでメカニカルに短絡してもよい。
短絡回路137(短絡回路137m、短絡回路137s)がオンすることにより、トランジスタ117mまたはトランジスタ117sのエミッタ端子とゲート端子が短絡される。トランジスタ117m、トランジスタ117sのエミッタ端子とゲート端子が短絡させることにより、トランジスタ117m、トランジスタ117sはダイオード接続となる。なお、短絡回路137は、サンプル接続回路203内に配置または構成してもよい。
サンプル接続回路203は、ゲートドライバ回路113、ゲート信号制御回路112、ダイオードDの端子電圧を測定する電圧検出回路129、ダイオードに印加する定電流の発生回路、ゲート端子に流れる電流を検出する電流検出回路128、電圧選択回路302等を保有する。
図1において、ダイオードに定電流を印加してダイオードDの端子電圧を測定することにより、試験する半導体素子部品117の温度を測定するとした。しかし、これに限定するものではない。ダイオードの代わりに、トランジスタ117の形成時に付加的に形成された寄生ダイオードを用いて温度を測定してもよい。その他、熱電対314、温度センサ等を用いてもよい。温度を測定する手段物は、半導体素子部品117に内蔵してもよいし、半導体素子部品117に密接して取り付けてもよい。
図24に図示するように、サンプル接続回路203はトランジスタ117(半導体素子部品117)と接続する信号配線222の長さを短くするように、トランジスタ117の近傍に配置される。近傍とは50mm程度以下である。
図2は本発明の第1の実施例における半導体素子試験装置の構成図である。図1は本発明の第1の実施例における半導体素子試験装置の等価回路図または説明図である。
本発明の半導体素子試験装置は、絶縁型DCDCコンバータ回路138として、絶縁型DCDCコンバータ回路138m、絶縁型DCDCコンバータ回路138sを保有する。
絶縁型DCDCコンバータ回路138mは、入力された電圧(回路電圧のVc電圧)から、2つの電圧(Vmm1電位を基準とするVpm1電圧、Vmm2電位を基準とするVpm2電圧)を発生させる。GND、Vmm1電圧、Vmm2電圧は絶縁化されている。また、GND、Vpm1電圧、Vpm2電圧は絶縁化されている。
絶縁型DCDCコンバータ回路138sは、入力された電圧(Vc電圧)から、2つの電圧(Vms1電位を基準とするVps1電圧、Vms2電位を基準とするVps2電圧)を発生させる。GND、Vms1電圧、Vms2電圧は絶縁化されている。また、GND、Vps1電圧、Vps2電圧は絶縁化されている。
Vmm1電圧、Vmm2電圧、Vms1電圧、Vms2電圧は基準電圧とし、グランド電圧を考えても良い。ただし、このグランド電圧は各電圧と絶縁化されている。ただし、Vmm1電圧とVmm2電圧は、電圧発生時から絶縁化せず、共通の電位にしてもよい。Vms1電圧とVms2電圧は、電圧発生時から絶縁化せず、共通の電位にしてもよい。
絶縁型DCDCコンバータ回路として図示していないが、必要に応じて、Vt1電圧およびVt2電圧を発生する絶縁型DCDCコンバータ回路を配置する。Vt1電圧およびVt2電圧は、Vc電圧から絶縁化させる。Vt1電圧は、Vmm1電圧を基準として負方向の電位とする。Vt2電圧は、Vms1電圧を基準として負方向の電位とする。
Vt1電圧はVmm1電圧あるいはVmm2電圧を基準として発生させてもよい。Vt2電圧はVms1電圧あるいはVms2電圧を基準として発生させてもよい。
Vt1電圧とVmm1電圧とは選択して、トランジスタ117mのゲート端子gmに印加できるように構成されている。Vt2電圧とVms1電圧とは選択して、トランジスタ117s(Qs)のゲート端子gsに印加できるように構成されている。電圧選択回路302はアナログスイッチ等を用いる。
絶縁型DCDCコンバータ回路138mのVmm1電圧とVpm1電圧との電位差は、トランジスタ117m(Qm)のゲート端子gmに印加するオン電圧Vgとなるようにされている。オン電圧Vgは可変できるように、絶縁型DCDCコンバータ回路138mが構成されている。
絶縁型DCDCコンバータ回路138sのVms1電圧とVps1電圧との電位差は、トランジスタ117s(Qs)のゲート端子gsに印加するオン電圧Vgとなるようにされている。オン電圧Vgは可変できるように、絶縁型DCDCコンバータ回路138sが構成されている。
図1、図11に図示する絶縁型DCDCコンバータ回路138mのAブロック、Bブロック、Cブロックは絶縁されている。また、絶縁型DCDCコンバータ回路138sのAブロック、Dブロック、Eブロックは絶縁されている。
AブロックとBブロック間、AブロックとCブロック間、AブロックとDブロック間、AブロックとEブロック間は、絶縁化を目的としてコイル等を用いて電力が受け渡される。また、各ブロック間の制御信号等はホトトランジスタ等を用いて絶縁されて信号が送受信される。
回路グランド(GND)、Vc電圧、Vpm1電圧、Vmm1電圧、Vpm2電圧、Vmm2電圧は絶縁状態である。つまり、各電圧は他の電圧に対してフローティング状態である。なお、フローティングとは、他の電圧あるいは電位に対して浮いていることを意味する。フロート(float)とは、「(水面や空中に)浮く」と意味である。フローティングは、電位が独立しているという意味だが、「浮く」という表現も用いる。
グランドが共通の場合、共通接続によって長大なループが形成され、ノイズ経路となってしまう場合がある(グラウンドループ)。フローティングにすることでループが切断され、グラウンドループ起因のノイズを減少させることができる。また、信号電位も自由に設定できる。
図31の半導体素子部品117のように、複数の半導体素子(トランジスタ)が多段に接続された場合、各トランジスタのゲート端子の電位は他のトランジスタのチャンネル間電圧により変動する。また、半導体素子部品117がパワートランジスタ等の大電力素子の場合、半導体素子部品117の試験時に大電流を流す。大電流を流すことにより過大なサージ電圧、過渡電流が発生する。
サージ電圧、過渡電流によりトランジスタのゲート端子等に大きなノイズが印加され、トランジスタが破壊する。本発明は、ゲート端子に印加する信号電位等をフローティング状態で発生して使用する。そのため、ノイズの影響を受けにくく、良好に半導体素子部品117を試験できる。
絶縁型DCDCコンバータ回路138で発生する電圧はフローティングとする。Vmm1電圧とVpm1電圧との電位差をVm1とし、Vmm2電圧とVpm2電圧との電位差をVm2とする。
たとえば、Vmm1電圧を回路グランド(GND)に接続し、Vpm1電圧をVmm2電圧と短絡すると、Vpm2電圧は、回路グランド(GND)に対して、Vm1電圧にVm2電圧を加算した電圧となる。つまり、他の電圧で電位を設定することにより、フローティングされた電位が確定する。電位レベルを他の電圧の電位に対応して変更、移動、設定をすることができる。
本発明の半導体素子試験装置は、回路グランド(GND)と他の電源電圧が絶縁されている。また、絶縁ざれた各電源電圧を結線あるいは接続することができるように構成されている。たとえば、Vmm1電圧とVmm2電圧を結線して同一電位にすることができる。Vms1電圧とVms2電圧を結線して同一電位にすることができる。
サンプル接続回路203m1はトランジスタ117m(Qm)のゲート端子gmに印加するゲート信号波形を発生するゲートドライバ回路113m、ゲート信号の立ち上がり波形および立下り波形を調整あるいは設定する可変抵抗回路125m、短絡回路137m、電圧選択回路302m等を保有する。
サンプル接続回路203m2はトランジスタ117mのダイオードDmに印加する定電流Icmを発生する定電流設定回路130m、ダイオードDmの端子電圧を測定あるいは検出する電圧検出回路129mを保有する。
サンプル接続回路203s1はトランジスタ117sのゲート端子gsに印加するゲート信号波形を発生するゲートドライバ回路113s、ゲート信号の立ち上がり波形および立下り波形を調整あるいは設定する可変抵抗回路125s、短絡回路137s、電圧選択回路302s等を保有する。
サンプル接続回路203s2はトランジスタ117sのダイオードDsに印加する定電流Icsを発生する定電流設定回路130s、ダイオードDsの端子電圧を測定あるいは検出する電圧検出回路129sを保有する。
以下、特に断りがない場合は、半導体素子部品117のN電極端子を基準電位(AGND、0(V))として説明をする。
半導体素子部品117のN電極端子を基準電位とした場合、トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位は、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemとなる。つまり、半導体素子部品117のO電極端子の電位となる。
半導体素子部品117のP電極端子の電位は、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemとトランジスタ117sのチャンネル間電圧Vcesを加算した電圧となる。トランジスタ117m、トランジスタ117sに流れる電流Idの大きさ、トランジスタ117m、トランジスタ117sのオンオフ状態により、O電極端子の電位、P電極端子の電位が変動する。特に、トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位変動が大きい。
トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位であるVms1は、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemの変動に応じて、変化できるように構成することが好ましい。
本発明は、トランジスタ117mのエミッタ端子emの電位であるVmm1は、トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位であるVms1に対してフローティングとなるように構成している。したがって、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが変動するとVces電圧も同一方向および同一電位で変動する。
トランジスタ117mのダイオードDmはトランジスタ117mの半導体層と同一層を使用している場合あるいは類似の場合等は、ダイオードDmのカソード端子kmの電位はトランジスタ117mのエミッタ端子emの電位あるいは近傍の電位になる場合がある。したがって、ダイオードDmの電源電位はトランジスタ117mのエミッタ端子emの電位を基準とすることが好ましい。
トランジスタ117sのダイオードDsはトランジスタ117sの半導体層と同一層を使用している場合あるいは類似の場合等は、ダイオードDsのカソード端子ksの電位はトランジスタ117sのエミッタ端子esの電位あるいは近傍の電位になる場合がある。したがって、ダイオードDsの電源電位はトランジスタ117sのエミッタ端子esの電位を基準とすることが好ましい。
本発明では、絶縁型DCDCコンバータ回路138sのVc電圧、Vms1電圧/Vps1電圧、Vms2電圧/Vps2電圧を絶縁している。絶縁型DCDCコンバータ回路138mのVc電圧、Vmm1電圧/Vpm1電圧、Vmm2電圧/Vpm2電圧を絶縁している。各電圧は、任意の電圧と接続、結線することができるように構成されている。
図4は、本発明の半導体素子試験装置の電源系統の結線を説明する説明図である。トランジスタ117のN電極端子はAGNDに接続される。AGNDとは一例としてアース電位である。
トランジスタ117mのエミッタ端子emとN電極端子が電気的に接続され、エミッタ端子emとVmm1端子とが接続される。また、エミッタ端子emとVmm2端子とが接続される。トランジスタ117sのエミッタ端子esとVms1端子とが接続される。また、エミッタ端子esとVms2端子とが接続される。
トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位は、N電極端子の電位にトランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemを加算した電圧となる。したがって、トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位はトランジスタ117mのオンオフ状態、定電流Idの大きさに依存して変化する。
トランジスタ117mのゲート端子gmに印加するゲート信号Vsgは、エミッタ端子emの電位が基準となる。図18(a)に図示するように、トランジスタ117mをオンさせる電圧をVgとすれば、N電極端子のAGND電位から、Vg電圧を印加した時、トランジスタ117mがオン状態となる。
図18(a)では、0(V)電位は、トランジスタ117mをオフさせる電圧としている。Vt1電圧は、0(V)電位よりも負極性の電圧である。Vmm1電圧と基準として、負側のVt1電圧が印加される。なお、図18(a)等において、Vt1電圧は、Vt電圧として図示している。
ダイオードDmに流す電流Icmは、Vmm2電圧とVpm2電圧を電源として発生させる。Vmm2電圧は、Vmm1電圧と共通にされているため、ダイオードDmの端子の電圧は、Vmm1とVpm2の範囲であり、AGNDを基準とした電圧である。
トランジスタ117sのゲート端子gsに印加するゲート信号Vsgは、エミッタ端子esの電位が基準となる。エミッタ端子esの電位は、N電極端子のAGND電位にトランジスタ117mのチェンネル間電圧Vcemを加算した電圧となる。
図18(a)に図示するように、トランジスタ117sをオンさせる電圧をVgとすれば、トランジスタ117sがオンする電圧は、N電極端子のAGND電位にトランジスタ117mのチェンネル間電圧Vcemを加算した電圧を基準とし、Vg電圧を印加した時、トランジスタ117sがオン状態となる。
Vms1電圧は、Vmm1電圧と絶縁化され、フローティング状態である。したがって、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが変動しても、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemの変動に応じて、トランジスタ117sのエミッタ端子es電位が変動する。Vms1電圧はエミッタ端子es電位を基準として、Vps1電圧を発生する。
トランジスタ117sのゲート端子gsに印加するゲート信号Vsgは、エミッタ端子esの電位が基準となる。図18(a)に図示するように、トランジスタ117sをオンさせる電圧をVgとすれば、エミッタ端子es電位から、Vg電圧を印加した時、トランジスタ117sがオン状態となる。
Vt2電圧は、0(V)電位よりも負極性の電圧である。Vms1電圧と基準として、負側のVt2電圧が印加される。なお、図18(a)等において、Vt2電圧は、Vt電圧として図示している。
ダイオードDsに流す電流Icsは、Vms2電圧とVps2電圧を電源として発生させる。Vms2電圧は、Vms1電圧と共通にされているため、ダイオードDsの端子の電圧は、Vms1とVps2の範囲である。
Vms1電圧は、Vmm1電圧と絶縁化され、フローティング状態である。また、Vms1電圧はトランジスタ117mのコレクタ端子cmと接続されている。したがって、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが変動しても、トランジスタ117sをオンさせる電圧(Vg)、オフさせる電圧(0(V))は変動しない。したがって、良好にトランジスタ117sをオンオフ制御することができる。
図5は、本発明の半導体素子試験装置の電源系統の結線を説明する説明図である。図5の結線では、トランジスタ117のN電極端子はAGNDに接続される。AGNDとは一例としてアース電位である。
トランジスタ117mのエミッタ端子emとN電極端子が電気的に接続され、エミッタ端子emとVmm1端子とが接続される。トランジスタ117sのエミッタ端子esとVms1端子とが接続される。Vmm2端子、Vms2端子は他の電源端子と絶縁され、フローティング状態である。
ダイオードDmに流す電流Icmは、Vmm2電圧とVpm2電圧を電源として発生させる。ダイオードDmの端子の電圧は、基本的にはVmm2とVpm2の範囲である。
ダイオードDsに流す電流Icsは、Vms2電圧とVps2電圧を電源として発生させる。ダイオードDsの端子の電圧は、基本的にはVms2とVps2の範囲である。
Vmm2端子の電位は、AGNDを基準とした電位に保持され、Vms2端子の電位は、トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位を基準とした電位に保持される。
トランジスタ117mのゲート端子gmに印加するゲート信号Vsgは、エミッタ端子emの電位が基準となる。図18(a)に図示するように、トランジスタ117mをオンさせる電圧をVgとすれば、N電極端子のAGND電位から、Vg電圧を印加した時、トランジスタ117mがオン状態となる。
図18(a)に図示するように、トランジスタ117sをオンさせる電圧をVgとすれば、トランジスタ117sがオンする電圧は、N電極端子のAGND電位にトランジスタ117mのチェンネル間電圧Vcemを加算した電圧を基準とし、Vg電圧を印加した時、トランジスタ117sがオン状態となる。
Vms1電圧は、エミッタ端子esと接続され、Vmm1電圧等の他の電圧と絶縁化され、フローティング状態である。したがって、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが変動しても、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemの変動に応じて、トランジスタ117sのエミッタ端子es電位が変動する。Vms1電圧はエミッタ端子es電位を基準として、Vps1電圧を発生する。
トランジスタ117sのゲート端子gsに印加するゲート信号Vsgは、エミッタ端子esの電位が基準となる。図18(a)に図示するように、トランジスタ117sをオンさせる電圧をVgとすれば、エミッタ端子es電位から、Vg電圧を印加した時、トランジスタ117sがオン状態となる。
他の事項は図4で説明しているので省略する。
図6は、本発明の半導体素子試験装置の電源系統の結線を説明する説明図である。図6の結線では、トランジスタ117のN電極端子はAGNDに接続される。
トランジスタ117mのエミッタ端子emとN電極端子が電気的に接続され、エミッタ端子emとVmm1端子と接続される。また、Vmm2端子とVms2端子が接続される。トランジスタ117sのエミッタ端子esとVms1端子が接続される。Vmm1端子とVmm2端子とは結線されない。
ダイオードDmに流す電流Icmは、Vmm2電圧とVpm2電圧を電源として発生させる。ダイオードDmの端子の電圧は、基本的にはVmm2とVpm2の範囲である。ダイオードDsに流す電流Icsは、Vms2電圧とVps2電圧を電源として発生させる。ダイオードDsの端子の電圧は、基本的にはVms2とVps2の範囲である。Vmm2電圧とVms2電圧とが共通にされているため、ダイオードDmの電位とダイオードDsの電位は共通の電位内で動作する。
図6では、スイッチ回路123を電源接続配線中に配置している。スイッチ回路123はVms2電圧とVpm2電圧とを接続するか、Vms2電圧とVmm2電圧とを接続するかを切り替えることができる。
試験をする半導体素子部品117は多種多様である。したがって、半導体素子部品117に印加する電圧信号の電位を対応させる必要がある。
本発明では図6のようにスイッチ回路123を配置あるいは設けることにより多種多様な試験に対応できる。以上の事項は、図4、図5、図7、図13、図14等の電源系統の接続にも適用できることは言うまでもない。
なお、スイッチ回路123は、図6の実施例に限定されるものではない。たとえば、Vmm1とVpm1電圧を選択して他の電位(たとえば、Vmm1電圧と接続する)と接続するように構成してもよい。以上のように、本発明は、絶縁型DCDCコンバータ回路等が発生する電位の結線状態を変更できるように構成したことの特徴がある。
スイッチ回路123としては、アナログスイッチ、リレー回路、マグネットスイッチ等が例示される。
図7は、本発明の半導体素子試験装置の電源系統の結線を説明する説明図である。図7の結線では、トランジスタ117のN電極端子はAGNDに接続される。
トランジスタ117mのエミッタ端子emとN電極端子が電気的に接続され、エミッタ端子emとVmm1端子と接続される。Vmm1端子とVmm2端子が接続され、Vmm1端子とVms1端子が接続される。トランジスタ117sのエミッタ端子esとVms1端子が接続される。
Vmm2端子とVms2端子が接続されている。ダイオードDmに流す電流Icmは、Vmm2電圧とVpm2電圧を電源として発生させる。ダイオードDmの端子の電圧は、基本的にはVmm2とVpm2の範囲である。
ダイオードDsに流す電流Icsは、Vmm2電圧とVps2電圧を電源として発生させる。ダイオードDsの端子の電圧は、基本的にはVmm2とVps2の範囲である。Vmm2電圧とVms2電圧とが共通にされているため、ダイオードDmの電位とダイオードDsの電位は共通の電位内で動作する。
他の事項は図4または図5または図6等で説明しているので省略する。
以上の実施例は、他の実施例と組み合わせることができることは言うまでもない。また、スッチ回路123等の配置、接続位置、接続電圧も適時、変更できることは言うまでもない。
Vmm1電圧の電位が変化すると、Vpm1電圧の電位も電位シフトする。Vmm2電圧の電位が変化すると、Vpm2電圧の電位も電位シフトする。
Vms1電圧の電位が変化すると、Vps1電圧の電位も連動してシフトする。Vms2電圧の電位が変化すると、Vps2電圧の電位も連動してシフトする。
Vmm1電圧とVms1電圧とはフローティングとしている。したがって、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが変化すると、Vcemの変化に連動してVms1が変化する。
トランジスタ117mのゲート端子gmに印加するゲート信号(オンオフ信号)はVmm1電圧を基準として出力される。トランジスタ117sのゲート端子gsに印加するゲート信号(オンオフ信号)はVms1電圧を基準として出力される。
トランジスタ117mに流れる電流Idが変化、また、トランジスタ117mのゲート端子gmの印加電圧が変化すると、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが変化しても、Vms1電圧がフォローティングのため、Vcem電圧に連動して変化する。
トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vceが変化しても、Vms1電圧がフローティングであり、トランジスタ117sのゲート信号はVms1電圧を基準として発生させるため、トランジスタ117sは問題なく、オンオフ制御することができる。
ダイオードDsは、Vmm1電圧とVms1電圧とはフローティングとなっている。したがって、Vmm1電圧が変化しても、あるいはトランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが変化しても、破壊することはなく、正常にトランジスタ117sの温度を測定あるいは温度範囲を把握することができる。
図8(d)、図15(d)では、スイッチ回路124dがオンすることにより、O電極端子がV2電位(AGND)となる。また、図8(e)、図15(e)ではスイッチ回路124cがオンすることによりO端子がV1電位となる。
以上のように本発明の試験方法では、半導体素子部品117の電極端子(P電極端子、O電極端子、N電極端子)の電位が試験条件あるいは試験状態よって変化する。また、トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位が試験条件あるいは試験状態よって変化する。
本発明の半導体素子装置では、図4、図5、図6、図7等で説明した電源の結線方法、あるいは図13、図14で説明する電源の結線方法を容易に実現できるため、図8、図15の試験状態を容易に実現できる。
本発明は、図4、図5、図6、図7、図13、図14等の電源の結線状態は、電磁スイッチ、リレー回路、スイッチトランジスタ等を用いて自動的に変更あるいは選択できるように構成している。また、半田付けの変更により変更あるいは選択してもよい。各電圧は互いに絶縁化されているため、電気的短絡等が発生せず、結線変更も容易である。
図1に図示するように、トランジスタ117mのエミッタ端子emはAGNDに接地されている。トランジスタ117mのゲート端子gmには、ゲートドライバ回路113mが接続されている。また、トランジスタ117mのゲート端子gmとエミッタ端子em間には短絡回路137mが接続されている。
短絡回路137は、トランジスタ、アナログスイッチ、メカニカルスイッチ回路、リレー回路、ホトスイッチ等で構成することができる。なお、短絡回路137はメカイカルな短絡コネクタに置き換えてもよい。
短絡回路137mがオンすることにより、トランジスタ117mのエミッタ端子emとゲート端子gmが電気的に短絡され、トランジスタ117mはダイオード接続となる。短絡回路137sがオンすることにより、トランジスタ117sのエミッタ端子esとゲート端子gsが電気的に短絡され、トランジスタ117sはダイオード接続となる。
ゲートドライバ回路113(ゲートドライバ回路113m、ゲートドライバ回路113s)内には、発光ダイオードDtとホトダイオードDrを内蔵し、ゲート信号Vsg(ゲート信号Vsgm、ゲート信号Vsgs)の信号を絶縁してホトダイオードDrに印加する。ホトダイオードDrの出力はアンプAmpに接続され、アンプAmpの出力はドライバdrに印加されてゲート信号sgが出力される。
ゲートドライバ回路113mに入力されるゲート信号Vsgmは、回路グランド(GND)を基準とする。ゲートドライバ回路113mから出力されるゲート信号は、Vmm1電圧とVpm1電圧を使用して発生する。
図18(a)のように、0電圧(オフ電圧)、Vg電圧(オン電圧)が出力される。トランジスタ117mの場合、図18(a)の0がVmm1電圧であり、トランジスタ117mをオフさせるである。Vpm1電圧がトランジスタ117mをオンさせる電圧Vgである。
Vt1電圧は0(V)電位に対して負電圧である。電圧選択回路302mは、0(V)または、Vt1電圧を選択してゲート端子gmにVt電圧として印加する。
電圧選択回路302mは、Vt1電圧とゲートドライバ回路113mが出力する信号とを選択する。
なお、図18(a)では、Vt1電圧は、Vtとして記載している。図面が煩雑になることを抑制するためと、理解を容易にするためである。Vt2電圧においても同様である。
Vt電圧は、絶縁型DCDCコンバータ回路で発生し、Vt電圧(Vt1、Vt2)はトランジスタ117(トランジスタ117s、トランジスタ117m)のオフ電圧(0(V))を上限として、-5(V)まで可変できるように構成されている。
トランジスタ117sの場合、図18(a)の0がVms1電圧であり、トランジスタ117sをオフさせるである。Vps1電圧がトランジスタ117sをオンさせる電圧Vgである。
Vt2電圧は負電圧である。電圧選択回路302sは、0(V)または、Vt2電圧を選択してゲート端子gsにVt電圧として印加する。電圧選択回路302sにより、Vt2電圧とゲートドライバ回路113sが出力する信号とを選択する。
ゲートドライバ回路113mの出力には可変抵抗回路125mが接続されている。ゲートドライバ回路113sの出力には可変抵抗回路125sが接続されている。
可変抵抗回路125(可変抵抗回路125m、可変抵抗回路125s)の値は、0(Ω)から500(Ω)間で、所定値に、あるいはステップ的に設定できるように構成されている。ゲート端子g(ゲート端子gm、ゲート端子gs)の波形を観察しながら、コントローラ回路基板111(コントローラ111)からの制御信号により可変抵抗回路125の値を設定してもよい。
短絡回路137(短絡回路137m、短絡回路137s)には、抵抗R(図示せず)を配置してもよい。抵抗Rの値を調整することにより、ゲート信号Vsgの立ち上がりおよび立ち下がり電圧波形の傾斜角度、あるいはゲート信号の安定性を調整あるいは設定できる。
可変抵抗回路125の値が大きい場合は、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)のゲート端子(ゲート端子gm、ゲート端子gs)に印加するトランジスタ117のゲート信号Vsgの立ち上がり/立ち下がり波形の傾斜が緩やかになる。
一方、可変抵抗回路125の抵抗値が小さい場合は、ゲート信号Vsgの立ち上がり/立ち下がり波形の傾斜が急峻になる。可変抵抗回路125の値を変更あるいは所定値に設定することにより、トランジスタ117のオン信号波形を調整できる。
図19、図20に図示するように、ゲートドライバ回路113は、トランジスタ117のゲート端子g(ゲート端子gs、ゲート端子gm)に印加するゲート信号Vsg波形において、立ち上がり波形の傾斜(立ち上がり時間Tr)と立ち下がり波形の傾斜(立ち下がり時間Td)を設定できる。立ち上がり時間Trと立ち下がり時間Tdを別々に調整することによりトランジスタ117のオン時間等を任意に調整できる。
可変抵抗回路125の抵抗値、可変抵抗回路126の抵抗値は、コントローラ回路基板111(コントローラ111)により設定する。設定する抵抗値は一定値であることに限定されない。ゲートドライバ回路113の立ち上がり波形の傾斜(立ち上がり時間Tr)と立ち下がり波形の傾斜(立ち下がり時間Td)を変化させてもよい。
ゲート信号Vsgの立ち上がり時の抵抗値と、立ち下がり時の抵抗値とを変化させてもよい。また、リアルタイムに抵抗値を可変制御してもよい。可変抵抗回路125をリアルタイムで可変制御することにより、トランジスタ117のオン時間が安定する。
ゲート信号Vsgの立ち上がり時の可変抵抗回路125の抵抗値を小さくすると、トランジスタ117のゲート端子gに印加されるオン電圧Vgの波形が急峻になり、高速にトランジスタ117がオンする。ゲート信号Vsgの立ち上がり時の可変抵抗回路125の抵抗値を大きくすると、トランジスタ117のゲート端子に印加されるオン電圧の波形が緩やかになり、緩やかにトランジスタ117がオンする。
ゲート信号Vsgの立ち下がり時の可変抵抗回路125の抵抗値を小さくすると、トランジスタ117のゲート端子に印加されるオン電圧からオフ電圧に変化する信号波形が急峻になり、高速にトランジスタ117がオフする。ゲート信号Vsgの立ち下がり時の可変抵抗回路125の抵抗値を大きくすると、トランジスタ117のゲート端子gに印加されるオン電圧Vgの波形が緩やかになり、緩やかにトランジスタ117がオフする。
以上のように、トランジスタ117のゲート端子に接続された可変抵抗回路125の値、あるいはゲートドライバ回路113の立ち上がり時間/立ち下がり時間を制御あるいは調整または設定することができる。したがって、ゲートドライバ回路113の機能として、試験するトランジスタ117に発生させる突入電流Is、サージ電圧Vsを変化あるいは大きさを変更することができる。
トランジスタ117の動作は、トランジスタ117のゲート端子のオン電圧の制御だけでなく、電源回路121がトランジスタ117に供給する定電流Idあるいは電圧Vmの値を変化あるいは設定できることは言うまでもない。
図18に図示するゲートドライバ回路113が出力するゲート信号の周期時間tcycle、オン時間tonあるいはオフ時間toffはゲート信号制御回路112が制御し、ゲート信号がトランジスタ117のゲート端子に印加される。また、ゲート信号制御回路112はコントローラ回路基板111(コントローラ111)により制御される。
ゲートドライバ回路113の可変抵抗回路125の抵抗値は、可変としたがこれに限定するものではない。たとえば、可変抵抗回路125を外付け抵抗とし、抵抗をコネクタ(図示せず)等によりトランジスタ117のゲート端子に接続してもよいことは言うまでもない。
接続する抵抗の値は、トランジスタ117のゲート端子の波形、チャンネル電流Idの波形を観察して設定する。
可変抵抗回路125(可変抵抗回路125m、可変抵抗回路125s)には、可変抵抗回路125の端子間電圧を測定する電流検出回路128(電流検出回路128m、電流検出回路128s)が配置または接続されている。
試験によりトランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)が劣化するトランジスタ117のゲート絶縁膜にリークが発生する場合が多い。ゲート絶縁膜にリークが発生すると、トランジスタ117のゲート端子gとエミッタ端子e間、トランジスタ117のゲート端子gとコレクタ端子c間にリーク電流が流れる。リーク電流は可変抵抗回路125に流れる。したがって、可変抵抗回路125の端子電圧を測定することにより、リーク電流を検出またはリーク電流の大きさを測定できる。
リーク電流の測定は、ゲート信号VsgがVg(オン電圧)とゲート信号Vsgが0(V)またはVt電圧(オフ電圧)の時に測定する。リーク電流が所定電流値よりも大きい、あるいは可変抵抗回路125の端子間電圧が所定電圧よりも大きいかで、トランジスタ117の劣化状態を定量的に把握し、試験を継続するか停止するかを判断する。
電流検出回路128は、図18(i)に図示するタイミングで動作する。図18(i)において、Siは電流検出回路128が動作するスイッチ(図示せず)を示す。スイッチSiは、Hレベルで可変抵抗回路125(可変抵抗回路125m、可変抵抗回路125s)の両端子電圧を測定するようにオンして電圧Ve(電圧Vem、電圧Ves)を測定する。
スイッチSiは、トランジスタ117に定電流Idが流れている期間(動作期間)と定電流Idが流れていない期間(非動作期間)のうち少なくも一方の期間にオン(Hレベル)となる。
図18(b)、(c)、(i)に図示するように、定電流Idが流れていない期間は、トランジスタ117に定電流Idが流れる前の期間のtcsと、定電流Idが流れた後の期間のtcmであり、定電流Idが流れている期間は、tccである。
tcs、tcm、tccの期間のうち少なくとも1つ以上の期間にスイッチSiはオンし、可変抵抗回路125の両端子の電圧Veが測定される。
なお、可変抵抗回路125の抵抗は、トランジスタ117の特性により変更できるように構成されている。また、試験でのトランジスタ117の特性の変化により抵抗値が変更あるいは設定できるように構成されている。また、トランジスタ117に定電流Idが流れている時(tcc)と流れていない時(tcs、tcm)で、抵抗値を変化させることが好ましい。また、定電流Idの大きさに対応して抵抗値を変化させることが好ましい。
リーク電流は、可変抵抗回路125の端子間電圧を、可変抵抗値で除算すれば求めることができる。なお、可変抵抗回路125は固定抵抗値からなる抵抗回路としてもよい。
リーク電流を把握することにより、トランジスタ117の劣化状態、特性を測定あるいは取得することができる。
tcc、tcs、tcmの期間は可変できるように構成されている。また、tcc、tcs、tcmの開始あるいは終了タイミングを移動できるように構成されている。
可変抵抗回路125mの端子間電圧Vemは電流検出回路128mに入力される。電流検出回路128mはブロックAとブロックBから構成され、ブロックAはVc電圧であり、ブロックBはVmm1電圧とVpm1電圧である。ブロックAとブロックBは絶縁されている。
電流検出回路128mで、Vem電圧は回路グランド(GND)を基準とする電圧に変換される。Vem電圧はデバイス制御回路基板209mに送られる。
可変抵抗回路125sの端子間電圧Vesは電流検出回路128sに入力される。電流検出回路128sはブロックAとブロックBから構成され、ブロックAはVc電圧であり、ブロックBはVms1電圧とVps1電圧である。ブロックAとブロックBは絶縁されている。
電流検出回路128sで、Ves電圧は回路グランド(GND)を基準とする電圧に変換される。Ves電圧はデバイス制御回路基板209sに送られる。
リーク電流を検出する可変抵抗回路125mの電位は、Vmm1電圧とVpm1電圧間で動作する。Vmm1電圧はAGNDと接続される。したがって、可変抵抗回路125mの端子電位は安定して測定することができる。
リーク電流を検出する可変抵抗回路125sの電位は、Vms1電圧とVps1電圧間で動作する。Vms1電圧はトランジスタ117sのエミッタ端子esの電圧となる。
Vmm1電圧とVms1電圧とは、電気的に接続されておらず、フローティング状態である。Vms1電圧は、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemの大きさに連動してシフトする。したがって、トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位が変化しても可変抵抗回路125sの端子電位は安定して測定することできる。
図1の実施例では、可変抵抗回路125にトランジスタ117のゲート端子g流れる電流により、電圧Veが発生し、電圧の値、変化を測定するとした。これに限定するものではない。たとえば、トランジスタ117のゲート端子gに流れる電流を直接に測定してもよいことは言うまでもない。また、測定あるいは取得される電流値を増幅して取得するように構成してもよいことは言うまでもない。
トランジスタ117mのゲート端子gmの電位、トランジスタ117sのゲート端子gsの電位はトランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcem、トランジスタ117mのエミッタ端子em電圧が変化すると、電位シフトする。
電流検出回路128は回路電源の電圧ブロックAと電圧検出ブロックBまたは電圧検出ブロックDとは絶縁化されている。Bブロックは、Vmm1電圧とVpm1電圧の電源であり、Dブロックは、Vms1電圧とVps1電圧の電源である。したがって、ゲート端子gm、ゲート端子gsの電位が電位シフトしても、電圧Ve(電圧Vem、電圧Ves)の測定に影響しない。
定電流設定回路130(定電流設定回路130m、定電流設定回路130s)の出力は、オペアンプ回路116(オペアンプ回路116m、オペアンプ回路116s)(バッファアンプ回路)、トランジスタT(トランジスタTm、トランジスタTs)、可変抵抗回路126(可変抵抗回路126m、可変抵抗回路126s)は、定電流回路を構成する。定電流回路は、ダイオードD(ダイオードDm、ダイオードDs)に流す定電流を発生する。
なお、定電流回路は、図1の回路構成に限定されるものではない。ダイオードDに電流を印加できるものであればいずれの構成であってもよい。
定電流設定回路130(定電流設定回路130m、定電流設定回路130s)の出力は、オペアンプ回路116(バッファアンプ)に入力される。オペアンプ回路116の出力はトランジスタのゲート端子に接続され、トランジスタのエミッタ端子には可変抵抗回路126が接続されている。
電流検出回路128mの回路電源の電圧ブロックAと電圧検出ブロックB、電流検出回路128sの回路電源の電圧ブロックAと電圧検出ブロックDとは絶縁化されている。
電圧検出回路129mの回路電源の電圧ブロックAと電圧検出ブロックC、電圧検出回路129sの回路電源と電圧検出ブロックEとは絶縁化されている。
したがって、ゲート端子gm、ゲート端子gsの電位が電位シフトしても、電圧Ve(電圧Vem、電圧Ves)の測定に影響しない。また、電圧Vi(電圧Vim、電圧Vis)の測定に影響しない。
定電流設定回路130は所定の電圧を設定する。可変抵抗回路126はダイオードに流す定電流の大きさに対応して抵抗値が設定される。可変抵抗回路126mと可変抵抗回路126sは独立して抵抗値を設定、変更できるように構成されている。
図1の実施例において、定電流回路は可変抵抗回路126によって、電流値を変更するとしたが、これに限定するものではなく、可変抵抗回路126は固定抵抗回路であってもよい。
電圧Vc(電圧Vcm、電圧Vcs)の電圧は、デバイス制御回路基板209により設定される。電圧Vc(電圧Vcm、電圧Vcs)により、ダイオードDsに流す電流Ics、ダイオードDmに流す電流Icmが発生する。
ダイオードD(ダイオードDs、ダイオードDm)の定電流Ic(定電流Ics、定電流Icm)が流れることにより、端子電圧Vi(端子電圧Vis、端子電圧Vim)が発生する。
電圧検出回路129(電圧検出回路129m、電圧検出回路129s)は、AブロックとCブロックまたはEブロックから構成される。電圧検出回路129mのAブロックは回路電源の電圧Vcで動作する。電圧検出回路129mのCブロックは、電圧Vmm2と電圧Vpm2である。電圧検出回路129sのAブロックは回路電源の電圧Vcで動作する。
電圧検出回路129sのEブロックは、電圧Vms2と電圧Vps2である。電圧検出回路129のAブロックと、DブロックまたはEブロックとは絶縁化されている。
したがって、ダイオードD(ダイオードDm、ダイオードDs)の電位が変動しても、電圧Vimまたは電圧Visの電位は、回路電源のAブロックの回路グランドを基準とした電圧Vi(Vim、Vis)に変換されて、デバイス制御回路基板209に伝送される。
回路電源の電圧Vcと定電流回路の電源(Cブロック、Dブロック)とを絶縁することにより、ダイオードDの電位をフローティングすることができる。そのため、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcem等が変化してもダイオードDsに過電圧が印加されることはない。
電流検出回路128は差分アンプ(減算器)回路を保有している。電流検出回路128に入力される電圧Ve(電圧Vem、電圧Ves)は差分アンプ(減算器)回路等で、回路グランドを基準とする電圧Ve(電圧Vem、電圧Ves)に変換される。
電圧検出回路129は差分アンプ(減算器)回路を保有している。電圧検出回路129に入力される電圧Vi(電圧Vim、電圧Vis)は差分アンプ(減算器)回路等で、回路グランドを基準とする電圧Vi(電圧Vim、電圧Vis)に変換される。
以上のように、電流検出回路128、電圧検出回路129は回路電源電圧と絶縁化(回路電源電圧に対してはフローティング)すること、電流検出回路128、電圧検出回路129が差分アンプ(減算器)回路を保有し、差分アンプ(減算器)回路で電圧(Ve、Vi)を取得する。したがって、電圧(Ve、Vi)を安定、精度よく測定できる。また、ダイオードD(Ds、Dm)、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)が破壊することがない。また、試験時にノイズ発生がなく、試験状態が安定する。
短絡回路137mの一端子はトランジスタ117mのエミッタ端子emに接続され、他の端子はトランジスタ117mのゲート端子gmに接続されている。短絡回路137sの一端子はトランジスタ117sのエミッタ端子esに接続され、他の端子はトランジスタ117sのゲート端子gsに接続されている。
トランジスタ117sのエミッタ端子esは、トランジスタ117mのエミッタ端子em電圧にトランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemを加算した電圧になる。チャンネル間電圧Vcemはトランジスタ117mのオンオフ状態、チャンネル間を流れる電流Idの大きさにより変化する。トランジスタ117sのゲート端子gsは、回路電源Vcと絶縁化されており、また、電流検出回路128も回路電源電圧Vcと絶縁化されている。トランジスタ117sのゲート端子gsの電位は、トランジスタ117mのエミッタ端子emに対してフローティングである。
トランジスタ117mに流れる電流Idが変動しても、トランジスタ117mのエミッタ端子emの電位が変動しても、トランジスタ117mのゲート端gmの電位が変動しても、ダイオードDsの端子電位、ダイオードDmの端子電位、トランジスタ117sのゲート端子gsの端子電位は、トランジスタ117mのエミッタ端子emの端子電位に対してフォローティングとなり、電位変動に応じて変化する。
Vi電圧(Vis、Vim)、Ve電圧(Ves、Vem)は、差分アンプ(減算器)回路で測定あるいは取得する。したがって、トランジスタ117、ダイオードDに過電圧が印加されることがなく、また、安定して、Vi電圧(Vis、Vim)、Ve電圧(Ves、Vem)を取得することができる。
差分アンプ(減算器)回路は、オペアンプ回路等を使用するアナログ回路に限定されるものではない。たとえば、ダイオードDの端子電圧、可変抵抗回路125の端子電圧をアナログ-デジタル変換してデジタル回路処理等で、Vi電圧(Vis、Vim)、Ve電圧(Ves、Vem)を取得する構成であってもよいことは言うまでもない。オペアンプ回路116(オペアンプ回路116m、オペアンプ回路116s)およびその周辺回路部においても同様である。
トランジスタ117mの端子にはコネクタ202mの接続ピン206が接続され、トランジスタ117sの端子にはコネクタ202sの接続ピン206が接続される。コネクタ202はトランジスタ117の端子と容易に脱着できるように構成されている。
図2におけるサンプル接続回路203(サンプル接続回路203s1、サンプル接続回路203s2、サンプル接続回路203m1、サンプル接続回路203m2)内には、ゲートドライバ回路113、可変抵抗回路125、可変抵抗回路126、定電流設定回路130、電流検出回路128、電圧検出回路129、電圧選択回路302が配置または形成されている。
図24に図示するように、サンプル接続回路203は、試験を行うトランジスタ117に近い位置に配置できるように、デバイス制御回路基板209から分離されて配置されている。
サンプル接続回路203は、試験する各トランジスタ117あるいは各トランジスタ117m、各トランジスタ117sに1つのサンプル接続回路203等を設けることが好ましい。しかし、これに限定するものではなく、複数のトランジスタ117等に対して、複数の信号回路を含む1つのサンプル接続回路203を配置してもよい。
図2に示すように、サンプル接続回路203は、コネクタ202の接続ピン206でトランジスタ117と接続されている。ゲートドライバ回路113とトランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)のゲート端子g(ゲート端子gm、ゲート端子gs)間は、30mm以下の短距離となるように配置されている。
ゲートドライバ回路113とトランジスタ117のゲート端子g間が長いとゲート端子gにノイズ等が重畳され、トランジスタ117が誤動作してトランジスタ117の破壊に直結する。
図2に図示するように、サンプル接続回路203s(サンプル接続回路203s1、サンプル接続回路203s2)はコネクタ208sを介して、デバイス制御回路基板209sと接続される。デバイス制御回路基板209sには、電圧Vis、電圧Vcs、ゲート信号Vsgs、電圧Vesが送受信される。
サンプル接続回路203m(サンプル接続回路203m1、サンプル接続回路203m2)はコネクタ208mを介して、デバイス制御回路基板209mと接続される。デバイス制御回路基板209mには、電圧Vim、電圧Vcm、ゲート信号Vsgm、電圧Vemが送受信される。
コントローラ回路基板111(コントローラ111)により、デバイス制御回路基板209(デバイス制御回路基板209s、デバイス制御回路基板209m)、サンプル接続回路203s(サンプル接続回路203s1、サンプル接続回路203s2、短絡回路137(短絡回路137m、短絡回路137s)が制御され、必要に応じて、各種データ、電圧が送受信される。
図24に図示するように、デバイス制御回路基板209は半導体素子試験装置の筐体210のB室に配置される。筐体210は半導体素子試験装置の電源装置132、駆動回路、加熱冷却プレート134が組み込まれたフレームあるいは装置本体である。
サンプル接続回路203は、試験するトランジスタ117に近い位置に配置するため、半導体素子試験装置の筐体210のC室に配置される。
サンプル接続回路203(サンプル接続回路203m1、サンプル接続回路203m2、サンプル接続回路203s1、サンプル接続回路203s2)は、筐体210の側面に配置されたコネクタ208と接続される。コネクタ208の接続ピン206に接続された配線は、B室のデバイス制御回路基板209と接続されている。
筐体210は箱状のものだけでなく、たとえば、部屋であってもよい。部屋の中に電源回路121が配置されるイメージである。隔壁214、隔壁215は部屋の壁であってもよい。
図24に図示するように、試験をする半導体素子部品117(トランジスタ等)はC室に配置される。トランジスタ117等は、加熱冷却プレート134に密着して配置・固定される。隔壁215、隔壁214は、静電シールド処理あるいは静電シールド網などが配置されており、静電シールドとしての機能がある。
本発明は、筐体210がA室、B室、C室等、複数の領域に区分されている。C室にはドライエア(乾燥気体、露点温度が低い気体)が注入されるように構成されている。C室は空気圧力がかかり、C室に注入されたエアは、開口部216等を介して排出される。
隔壁(隔壁214、隔壁215)は、各室(A室、B室、C室)を分離する機能と、外気が流入しないようにする機能がある。
特に、C室は、低温状態の試験で結露することがあるため、C室にはドライエアを流入させる。C室に流入したドライエアは、開口部216から他の室に排出される。しかし、開口部216の開口が大きいと、大量のドライエアが必要になる。したがって、開口部216は、接続部材としてのフォークプラグ205が丁度、挿入されるサイズにすることが好ましい。
サンプル接続回路203はコネクタ208の接続ピン206によりデバイス制御回路基板209と接続されている。サンプル接続回路203は試験する各トランジスタ117に対応して個別に配置され、サンプル接続回路203はコネクタ等により容易に取り外しが可能なように構成されている。
コネクタ202、コネクタ208はコネクタに限定されるものではなく、配線を電気的に接続、非接続にできるものであれば、いずれのものであってもよい。たとえば、半田付けが例示される。
図22、図24に図示するように、試験をするトランジスタ117は、加熱冷却プレート134に密着されて位置決めされ、また、固定される。トランジスタ117と加熱冷却プレート134間は熱伝導性グリス、放熱用シリコーンオイルコンパウンドが塗付されている。
トランジスタ117の端子(エミッタ端子e、ゲート端子g、コレクタ端子c)には脱着可能なコネクタ202が接続される。コネクタ202には信号配線222が接続され、信号配線222はサンプル接続回路203に接続されている。
サンプル接続回路203とコネクタ202間の信号配線222は極力短くなるように形成する。信号配線222が長いと信号配線222にノイズが重畳され、トランジスタ117が誤動作する。たとえば、トランジスタ117のゲート端子gにノイズが重畳されると、トランジスタ117がオンし、トランジスタ117が破壊する可能性がある。信号配線222はツイスト配線とするか、同軸ケーブルのようにシールドがある配線を使用する。
図24に図示するように、コネクタ208は筐体210の側面に設けられたものであり、コネクタ208とB室に配置されたデバイス制御回路基板209とは信号配線235により接続されている。デバイス制御回路基板209から、ゲートドライバ回路113、ゲート信号制御回路112、可変抵抗回路125、オペアンプ回路116等の制御信号あるいは出力信号が入出力される。
図2等の実施例において、スイッチ回路124はスイッチ回路の記号を使用している。スイッチ回路124は、クローズ(オン)した時の抵抗(オン抵抗)が小さいものであれば、いずれの素子でもスイッチ回路として使用できる。たとえば、メカニカルリレー、トランジスタ、メカニカルリレー、ホトトランジスタ、ホトダイオードスイッチ等が例示される。
図3は本発明の第1の実施例における半導体素子試験装置の図2の等価回路図(一部)である。図3の本実施例では、スイッチ回路124はパワーMOSFET124を使用している。パワーMOSFETはチャンネル間の電圧(Vsd)が小さい。
なお、スイッチ回路124として、パワーMOSFET以外のものを採用してもよい。スイッチ回路122、スイッチ回路124はパワーMOSFETだけでなく、パワートランジスタ等であってもよいことはいうまもない。その他、電磁リレー、電磁スイッチ等も例示される。
スイッチ回路122(スイッチSWa)がオンすることにより、電源回路121が出力する定電流Idが試験回路に供給される。
スイッチ回路124は、図23に図示するようにスイッチ回路基板201に形成されている。スイッチ回路124bはスイッチ回路基板201bに配置されている。スイッチ回路基板201bには、導体板204cおよび導体板204dが取り付けられている。フォークプラグ205eは隔壁214の開口部216から挿入されている。フォークプラグ205dは導体板204cと電気的に接続されている。フォークプラグ205dと導体板204dと電気的に接続されている。
スイッチ回路124dはスイッチ回路基板201dに配置されている。スイッチ回路基板201dには、導体板204aおよび導体板204bが取り付けられている。フォークプラグ205bは導体板204bと電気的に接続されている。
スイッチ回路124cはスイッチ回路基板201cに配置されている。スイッチ回路基板201cには、導体板204eおよび導体板204df取り付けられている。フォークプラグ205aは導体板204eと電気的に接続されている。
図2等において、スイッチ回路124aがオンすることにより、電源回路121の出力が短絡され、電源回路121が出力する電流IdはIm’グランドに流れる。スイッチ回路124aのオンにより試験する半導体素子部品117の端子間(P電極端子-N電極端子)の電荷、電源回路121の電荷が放電される。サージ電圧、過渡電流等の発生が抑制される。
スイッチ回路124aがオンすることにより、電源回路121の出力が短絡され、電源回路121の電荷等が放電される。スイッチ回路124c、スイッチ回路124dが同時にオンすることによっても、電源回路121の出力が短絡され、電源回路121の電荷等が放電される。この構成あるいは方法の場合は、スイッチ回路124aは不要である。
また、スイッチ回路124cとスイッチ回路124dがオンになるタイミングをずらすことも有効である。たとえば、スイッチ回路124cがスイッチ回路124dより先にオンすることによりトランジスタ117sのチャンネル間が短絡する。次に、スイッチ回路124dがオンすることによりトランジスタ117mのチャンネル間が短絡する。あるいは、スイッチ回路124dがスイッチ回路124cより先にオンすることによりトランジスタ117mのチャンネル間が短絡する。次に、スイッチ回路124cがオンすることによりトランジスタ117sのチャンネル間が短絡する。順次短絡することより、半導体素子部品117に発生するサージ電圧等の発生がより抑制される。
スイッチ回路124bがオンすることにより、電源回路121が出力する電流Idが試験電流Idとしてトランジスタ117に供給できるようになる。
フォークプラグ205は、隔壁214の開口部216から挿入され、スイッチ回路基板201と電気的に接続される。
図23に図示するように、スイッチ回路124はスイッチ回路基板201に実装されている。スイッチ回路124は導体板204(金属板、導電板)に接続されている。
導体板204は、一例として厚み5mm、幅50mmの銅からなる板である。長さは、回路基板幅+フォークプラグ205を接続する幅を有している。なお、導体板204は板状に限定されるものではない。フォークプラグ205と導体板204が電気的に接続を取れるものであれば、いずれのものでもよい。たとえば、導体板204は棒状あるいは球状などであってもよい。
図27はフォークプラグ205およびフォークプラグ205と導体板204の接続(接触)状態を図示している。図27(b)は図27(a)のAA’線での断面図である。スイッチ回路基板201には2枚の導体板204が取り付けられている。スイッチ回路基板201は全面アース層(図示せず)を有し、全面アース層と導体板204とは熱的に接続されている。導体板204の熱は、前記全面アース層を介して放熱される。導体板204とスイッチ回路基板201はネジ止めされる。
フォークプラグ205には、接続ボルト219が取り付けられている。接続ボルト219には、接続配線211が取り付けられる。接続ボルト219により、フォークプラグ205と接続配線211とは脱着可能である。
図27はフォークプラグ205の構成図である。図27(a)はスイッチ回路基板201に取り付けられた導体板204とフォークプラグ205とが結合された状態を示している。図27(b)は図27(a)のAA’線での断面を矢印方向から見たときの、導体板204とフォークプラグ205の結合状態を示している。
図27(b)に図示するように、フォークプラグ205と導体板204とは機械的(メカニカル)に接続あるいは嵌合させることにより、電気的な接続を実現する。フォークプラグ205のU字部は、導体板204に差し込まれる際、わずかにU字部が広がり、良好にフォークプラグ205と導体板204が接合される。また、接続部は板バネ等を使用して圧力を印加してもよい。良好に接合あるいは嵌合されることにより接続部の電気抵抗は極めて小さくなり、接続部に大きな電流が流れる場合であっても、発熱あるいは電圧降下は発生しない。接触部220の表面は研磨加工し、平滑化しておくことが好ましい。
フォークプラグ205には接続ボルト219が取り付けられている。接続ボルト219に接続配線211が接続される。図27(a)のAA’での断面を図27(b)に示す。導体板204とフォークプラグ205とは、フォークプラグ205に形成された接触部220a、接触部220bで接触される。接触部220の表面は下地としてニッケルメッキが施され、表面に銀メッキが施されている。接触部220はリン青銅、ニッケル合金で構成されている。
なお、接続ボルト219はボルトに限定されるものではなく、フォークプラグ205と線材が電気的に接続できるものであれば、いずれのものでもよい。
導体板204の表面は少なくともフォークプラグ205と接触する部分には銀メッキが施されている。
フォークプラグ205の材質はアルミニウム等の金属で構成されている。また、表面は下地をニッケル処理したうえに銀メッキが施されている。フォークフラグ205はネジ溝が形成されており、接続ボルト219で接続配線211がフォークプラグ205に取り付けができるように構成されている。
接触部220の表面は銀メッキが施されている。フォークプラグ205の導体板204への挿入力は40以上60N以下になるように構成されている。
接触部220として、白金、金、銀、タングステン、銅、ニッケル、またはそれらを組合せた合金が用いられる。また、銀-酸化物接点材料(Ag+ZnO、Ag+SnO、Ag+SnO In、Ag+、Ag+SnO SnBi)を用いることも好ましい。
図23は、フォークプラグ205、スイッチ回路基板201、導体板204の接続状態を示す説明図である。
スイッチ回路124は、2枚の導体板に接続されている。図23に図示するようにスイッチ回路124がMOSトランジスタの場合は、ドレイン端子とソース端子が異なる導体板204に接続される。スイッチ回路124はバイポーラトランジスタの場合は、コレクタ端子とエミッタ端子が異なる導体板204に接続される。スイッチ回路124がオン(導通)することにより、2つの導体板204が電気的に接続される。スイッチ回路124として、IGBTも使用できる。
図24は、本発明の半導体素子試験装置の構成図である。加熱冷却プレート134には循環水パイプ135が組み込まれている。
トランジスタ117の端子にはコネクタ202が接続され、コネクタ202に接続された信号配線222はサンプル接続回路203に接続される。サンプル接続回路203の信号配線235はコネクタ208を介して、デバイス制御回路基板209に接続されている。
フォークプラグ205と導体板204とは、図23、図24等に図示するように、隔壁214の開口部216からフォークプラグ205を差し入れることにより接触される。接触時は、フォークプラグ205のU部が導体板204により広げられ、電気的に、かつ機械的に強固に接触される。
図24に本発明の半導体素子試験装置の各構成部材の配置図を示す。半導体素子試験装置の筐体210は、3つの部分(C室、A室、B室)に分離されている。筐体の上部はC室であり、筐体の下部は、A室とB室に分離されている。A室には電源装置132が配置される。A室とB室とは隔壁215で分離されている。
各室は、シールドされている。電源装置132、スイッチ回路基板201、トランジスタ117は動作/非動作を繰り返すことにより大きなノイズを発生する。ノイズにより、回路基板等が誤動作することからシールドにより誤動作を防止する。シールドは、導通を有する板、金属板、金属フィルムを各室の周りに配置して実現する。
C室には、図24に示す加熱冷却プレート134、循環水パイプ135等が配置され、加熱冷却プレート134上に試験をするトランジスタ117が配置される。
C室とA室、B室間には隔壁214が形成されている。C室の加熱冷却プレート134の周囲には漏水センサ(図示せず)が配置されている。循環水(冷却媒体)等が漏れると漏水センサが働き、半導体素子試験装置を停止または警報を発するように構成されている。
また、加熱冷却プレートの周囲には、排水用の溝が形成され、加熱冷却プレートから循環水(冷却媒体)が漏れると排水用の溝に、循環水(冷却媒体)が流れ込み、半導体素子試験装置外に排出されるように構成されている。
以上のように、隔壁214は循環水パイプ135が損傷しても、下側のA室、B室に循環水(冷却媒体)等が漏れないように構成されている。
電源装置132が配置されたA室と、駆動回路系が配置されたB室間には隔壁215が形成されている。隔壁214、隔壁215には静電シールド板が配置され、電源装置132のノイズが遮蔽され、ノイズはB室の駆動回路系には印加されない。
本発明の実施例では、C室からフォークプラグ205を差し込み、B室の導体板204と接続するとして説明する。上側から下側にフォークプラグ205を押し込みする動作は容易である。
しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、C室に導体板204が配置され、B室からフォークプラグ205を挿入して、電気的に接続してもよい。
図24に図示するように、フォークプラグ205をC室からB室に挿入して、フォークプラグ205と導体板204とを電気的に接続する。トランジスタ117は加熱冷却プレート134に固定され、スイッチ回路基板201はマザー基板207位置で固定されている。
フォークプラグ205を挿入する開口部216を選択することにより、容易に制御するスイッチ回路基板201を選択し、試験方法、試験条件を変更することができる。したがって、本発明は、フォークプラグ205を用いていることにより、容易に試験をするトランジスタ117と駆動回路とを接続し、また、試験方法等の変更を短時間で実施できる。
隔壁214、隔壁215とは、壁状の構造物、板状の構造物、フィルム状の物、メッシュ状の物、金網状の物等が例示される。一例としてフェノール樹脂(フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、石炭酸樹脂)が例示される。隔壁として金属物あるいは導電物を用い、金蔵物等を所定電位またはアース接地することにより、静電シールドの効果が発揮される。なお、隔壁とは、半導体素子試験装置の第1の部分と第2の部分とを分離するものであればどのような物でもよい。
図28に図示するように、マザー基板207にコネクタ213が取り付けられている。マザー基板207のコネクタにコントローラ回路基板111、デバイス制御回路基板209、スイッチ回路基板201が取り付けられる。試験するトランジスタ117の個数に応じて準備するスイッチ回路基板201はマザー基板207に取り付けるスイッチ回路基板201の枚数を変更することにより容易に実現できる。スイッチ回路基板201には導体板204が取り付けられている。導体板204とフォークプラグ205が接続される。
デバイス制御回路基板209に選択スイッチ312が配置され、スイッチ回路基板201には選択スイッチ311が配置されて、回路基板のアドレス(番号)が付加されている。コントローラ基板111は選択スイッチ311、選択スイッチ312のアドレス(番号)を読み取り、試験をする電気素子部品177との紐付を行う。
図29に図示するように、導体板204のA部、B部にフォークプラグ205が接続される。動体板204は、スイッチ回路基板201より、長く構成されている。したがって、導体板205はA部とB部にフォークプラグ205を容易に接続することができる。
図29に図示するように、スイッチ回路基板201には選択スイッチ311が配置され、デバイス制御回路基板には選択スイッチ312が配置される。
スイッチ回路基板201の選択スイッチ311で設定されたアドレス(番号)、デバイス制御回路基板の選択スイッチ312で設定されたアドレス(番号)は、コネクタ213、マザー基板207の信号線を介して、コントローラ基板111に送られる。
本発明の電気素子試験装置は、同時にあるは順次に複数の電気素子を試験することができる。それぞれの電気素子に対応して、デバイス制御回路基板209、スイッチ回路124が配置される。スイッチ回路基板201に選択スイッチ311によりアドレス(番号)を設定され、デバイス制御回路基板209によりアドレス(番号)を設定している。
選択スイッチ311、選択スイッチ312により、デバイス制御回路基板209、スイッチ回路基板201にアドレス(番号)が設定されていることにより、コントローラ111は、試験を実施する電気素子と紐付をすることができる。
コネクタ315は熱電対314を接続するためのコネクタである。熱電対314は、T型熱電対、J型熱電対、E型熱電対、K型熱電対等、多様な熱電対を使用することできる。使用している熱電対314の種類は、選択スイッチ313で設定される。コントローラは選択スイッチ313で設定されたデータ(熱電対の種類)を読み取り、熱電対の種類に対応した起電力-温度テーブルを参照し、試験をする電気素子部品117の温度を把握する。
熱電対314は電気素子部品117のパッケージに取り付けられる。熱電対314により、温度情報Tcを得ることができる。また、コネクタ315に発生する電圧の大きさ、電圧の有無で、熱電対314が取り付けられているかを判断する機能を有する。
コントローラ回路111は、選択スイッチ312、選択スイッチ311のアドレス(番号)を読み取り、試験をするあるいは試験と実施している電気素子部品117の個数、位置、接続の有無を判断あるいは検出する機能を有する。
図28では、4枚のスイッチ回路基板201を図示しているがこれに限定するものではない。試験をするトランジスタ117の個数によりスイッチ回路基板201は複数枚を必要とする。スイッチ回路基板201はマザー基板207のコネクタ213と接続される。
図28では図示していないが、スイッチ回路基板201のスイッチ回路124がオンオフすることにより大きなノイズが発生する。この対策として、スイッチ回路基板201とスイッチ回路基板201間に金属板を配置し、金属板をアース接地している。金属板は、回路グランド(GND)あるいは、アース接地(AGND)と電気的に接続される。
マザー基板207には、温度情報Tj、温度情報Tc、電圧Vi、可変抵抗回路125の制御信号、定電流設定回路130の制御信号等が伝送される。また、各回路の電源配線、グランド配線が形成され、コネクタ213を介して各回路基板に供給されている。
なお、温度情報Tjとは、感温ダイオードDの端子電圧Viから演算等で求められるトランジスタ171の温度に関する情報である。
導体板204は、スイッチ回路基板201からはみ出るように配置されている。このはみ出た部分にフォークプラグ205が接続される。
図23、図24は、図3の本発明の半導体素子試験装置のブロック図を、より物理的な構成図にした図面である。図23に図示するように、スイッチ回路基板201aに、導体板204i、導体板204jが取り付けられている。導体板204iと導体板204j間にはスイッチ回路124aが配置されている。
スイッチ回路124aはオンすることにより電源装置132の電源回路121の端子間を短絡し、電源回路121の電荷を放電する。したがって、スイッチ回路124aがオンすることにより、半導体素子部品171には試験電流は供給されない。
フォークプラグ205iは導体板204iと接続される。フォークプラグ205jは導体板204jと接続される。フォークプラグ205iには電源配線212が接続され、電源配線212は電源装置132と接続される。フォークプラグ205jには電源配線212が接続され、電源配線212は電源装置132と接続される。
図1で説明したように、トランジスタ117mのゲート端子gm、エミッタ端子em、O電極端子、トランジスタ117sのエミッタ端子es、ゲート端子gs、P電極端子は、本発明の半導体素子試験装置の回路構成により、電気的に絶縁され、また、フローティング状態となるように構成されている。したがって、N電極端子等の電位が決定されることにより、各端子等の電位が定まる。また、N電極端子等の電位が変化すると、トランジスタ117mのゲート端子gm、エミッタ端子em、O電極端子、トランジスタ117sのエミッタ端子es、ゲート端子gs、P電極端子の電位がシフトする。したがって、トランジスタ117の各端子の電位が正常な電位が保持あるいは正常な電位あるいは所定の電位にシフトされる。
トランジスタ117の各端子の電位が正常な電位が保持あるいは正常な電位にシフトさせる機能は、特に図1の半導体素子部品117のように、トランジスタ117m、トランジスタ117sが多段にスタックされている構成に有効である。
特に、トランジスタ117sのゲート端子gsに入力するゲート信号Vsgsの電位は、O電極端子の電位を基準で発生させる必要がある。たとえば、本発明は、ゲートドライバ回路113sが入力信号に対して絶縁化されている。そのため、トランジスタ117sのゲート端子gsに入力するゲート信号sgsの電位は、O電極端子の電位が変動しても、所定のゲート信号sgsの信号レベルを入力することができる。
図23、図24で図示するように、トランジスタ117の電極端子226a(N電極端子)とフォークプラグ205cとは接続配線211cで接続されている。トランジスタ117の電極端子226c(O電極端子)とフォークプラグ205hとは接続配線211bで接続されている。トランジスタ117の電極端子226a(P電極端子)とフォークプラグ205eとは接続配線211aで接続されている。
フォークプラグ205cは隔壁214の開口部216から挿入される。開口部216から挿入されたフォークプラグ205cはスイッチ回路基板201dの導体板204bと嵌合(狭持)される。導体板204bには、フォークプラグ205bが接続され、電源装置132の接地電位(AGND)となっている。
フォークプラグ205hは隔壁214の開口部216から挿入される。開口部216から挿入されたフォークプラグ205hはスイッチ回路基板201cの導体板204fと嵌合(狭持)される。導体板204fには、フォークプラグ205gが接続され、フォークプラグ205gはスイッチ回路基板201dの導体板204aと嵌合されたフォークプラグ205fに接続されている。
トランジスタ117のO電極端子の電位は、スイッチ回路基板201dのスイッチ回路124dがオンし、フォークプラグ205gにより導体板204fの電位が確定することにより決定される。O電極端子の電位により、トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位が確定する。トランジスタ117sのエミッタ端子esはサンプル接続回路203s1に接続されている。
サンプル接続回路203s1の回路構成ではフローティング状態となっている。したがって、トランジスタ117sのゲート端子gsに印加するゲート信号sgsはエミッタ端子esの電位を基準とした信号の振幅値となるため、トランジスタ117sは良好にオンオフ制御される。O電極端子の電位が変動しても、トランジスタ117sのゲート信号sgsはエミッタ端子esの電位を基準とした信号の振幅値となる。
フォークプラグ205aは電源装置132の電源出力端子に接続されている。トランジスタ117のO電極端子の電位は、スイッチ回路基板201cのスイッチ回路124cがオンすることにより、電源装置132が出力する電流Idによって決定される電位となる。
O電極端子の電位により、トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位が確定する。トランジスタ117sのエミッタ端子esはサンプル接続回路203s1に接続されている。また、ダイオードDsの端子はサンプル接続回路203s2に接続されている。
サンプル接続回路203s1、サンプル接続回路203s2の回路構成ではフローティング状態となっている。したがって、トランジスタ117sのゲート端子gsに印加するゲート信号sgsはエミッタ端子esの電位を基準とした信号の振幅値となるため、トランジスタ117sは良好にオンオフ制御される。また、ダイオードDsの端子(カソード端子ks、アノード端子as)の電位レベルも基本的にはO電極端子の電位で設定される。
O電極端子の電位が変動しても、トランジスタ117sのゲート信号sgsはエミッタ端子esの電位を基準とした信号の振幅値となる。また、ダイオードDsの端子(カソード端子ks、アノード端子as)の電位レベルも安定する。
フォークプラグ205eは隔壁214の開口部216から挿入される。開口部216から挿入されたフォークプラグ205eはスイッチ回路基板201bの導体板204dと嵌合(狭持)される。
導体板204cには、フォークプラグ205dが接続され、電源装置132の出力電圧が印加される。
トランジスタ117のP電極端子の電位は、スイッチ回路基板201bのスイッチ回路124bがオンし、フォークプラグ205eにより導体板204dの電位が確定することにより、決定される。P電極端子の電位により、トランジスタ117sのコレクタ端子csの電位が確定する。また、トランジスタ117sのゲート端子gsに印加される信号レベルによりエミッタ端子esの電位が確定する。
トランジスタ117sには、サンプル接続回路203s1、サンプル接続回路203s2が接続されている。サンプル接続回路203s1、サンプル接続回路203s2の回路構成ではフローティング状態となっている。トランジスタ117mには、サンプル接続回路203m1、サンプル接続回路203m2が接続されている。サンプル接続回路203m1、サンプル接続回路203m2の回路構成ではフローティング状態となっている。
トランジスタ117sのゲート端子gsに印加するゲート信号sgsはエミッタ端子esの電位を基準とした信号の振幅値となる。トランジスタ117mのゲート端子gmに印加するゲート信号sgmはエミッタ端子emの電位を基準とした信号の振幅値となる。
フォークプラグ205e、フォークプラグ205h、フォークプラグ205cの電位状態は電源装置132の動作状態、スイッチ回路基板201のスイッチ回路124のオンオフ状態により変動する。
本発明の半導体素子試験装置およびその試験方法では、サンプル接続回路203の回路構成を絶縁状態、フローティング状態できるように構成している。フォークプラグ205e、フォークプラグ205h、フォークプラグ205cの電位状態は電源装置132の動作状態、スイッチ回路基板201のスイッチ回路124のオンオフ状態が変動しても、トランジスタ117を良好に制御することができる。
また、Vi電圧(Vis電圧、Vim電圧)、Ve(Vem電圧、Ves電圧)を安定して取得あるいは測定できる。また、Vc電圧(Vcs電圧、Vcm電圧)を所定値に設定でき、ダイオードD(ダイオードDs、ダイオードDm)に規定の定電流を安定して印加することができる。また、可変抵抗回路125の端子電圧で測定されるゲート端子のリーク電流もゲート信号線の電位変動の影響を受けず安定する。
フォークプラグ205e、フォークプラグ205h、フォークプラグ205cは、試験を実施する各トランジスタ117に設けられ、スイッチ回路基板201の導体板204と接続される。どのスイッチ回路基板201と接続するかは、試験条件、試験内容等により異なり、変更する必要がある。変更は隔壁214の開口部216に挿入するフォークプラグ205を変更することにより容易である。
導体板204とフォークプラグ205の接続および電源装置132の動作によりトランジスタ117の各端子の電位が確定する。本発明は、サンプル接続回路203の回路構成を絶縁状態、フローティング状態できるように構成しているため、フォークプラグ205の接続変更を行うことにより、電位変動が発生しても、トランジスタ117の端子電位は電位変動分がシフトし、試験状態が変化することはない。
図2、図23に図示するように、スイッチ回路基板201bの導体板204dと導体板204c間にはスイッチ回路124bが配置され、導体板204dと導体板204c間を短絡する。短絡することにより、電源回路121が出力する電流Idが試験電流Idとしてトランジスタ117に供給される。
スイッチ回路基板201aの導体板204iと導体板204j間にはスイッチ回路124aが配置され、スイッチ回路124aがオンすることにより、導体板204iと導体板204j間を短絡する。短絡することにより、電源回路121が出力する電流Idが放電電流Im’としてグランドに流れ、トランジスタ117のチャンネル間(P電極端子-N電極端子間)が短絡される。チェンネル間が短絡されることにより、トランジスタ117に過電圧、過電流が印加されることはない。
スイッチ回路基板201aの導体板204eと導体板204f間にはスイッチ回路124cが配置されている。スイッチ回路基板201dの導体板204ea導体板204b間にはスイッチ回路124dが配置されている。
スイッチ回路124cとスイッチ回路124dがオンすることにより、電源回路121が出力する電流Idが放電電流Imとしてグランドに流れ、トランジスタ117のチャンネル間(P電極端子-N電極端子間)が短絡される。チェンネル間が短絡されることにより、トランジスタ117にサージ電圧、過渡電流が印加されることはない。
図24に図示するように、フォークプラグ205cは、C室とB室間に設けられた隔壁214の開口部216から差し込まれ、導体板204bとフォークプラグ205cが接続される。
フォークプラグ205hは、C室とB室間に設けられた隔壁214の開口部216から差し込まれ、導体板204fとフォークプラグ205fが接続される。フォークプラグ205eは、C室とB室間に設けられた隔壁214の開口部216から差し込まれ、導体板204dとフォークプラグ205eが接続される。
C室には試験するトランジスタ117、加熱冷却プレート134が配置され、B室にはトランジスタ117の試験のための駆動回路等(図28等を参照)が配置されている。C室とB室とは隔壁214で分離されているため、加熱冷却プレート134から冷媒液がもれたとしてもB室に漏れることはない。なお、加熱冷却プレート134の周辺には漏水センサ(図示せず)が配置されている。また、冷却液が流出した場合、冷却液を試験装置外に排出する溝が形成されている。
隔壁214には電磁シールド板、静電シールド板あるいは電磁シールド網、静電シールド網等が配置され、トランジスタ117から発生したノイズにより、B室の駆動回路系が誤動作しないように構成されている。
試験するトランジスタ117に流す電流は数百アンペアと大きいため、使用する接続配線211の太さも太い。そのため、接続配線211の摺動性がなく、また、接続配線211が硬く、接続配線211の接続変更が容易でない。
本発明の半導体素子試験装置では、C室から挿入されたフォークプラグ205により、スイッチ回路基板201に接続できる。したがって、トランジスタ117の試験条件により使用するスイッチ回路基板201との接続変更は、接続配線211の結線変更する必要がなく、フォークプラグ205を挿入する開口部216位置の変更だけでよい。また、スイッチ回路基板201は、マザー基板207に接続するコネクタ213の位置の変更だけでよい。
試験をするトランジスタ117を複数であっても、スイッチ回路基板201aは1基板であっても用途として充足する。電源回路121の出力電流IdをIm’としてグランドラインに流せばよいからである。
スイッチ回路基板201bは試験するトランジスタ117の数が必要である。たとえば、試験するトランジスタ117が12個であれば、スイッチ回路基板201bは12枚を準備することが好ましい。スイッチ回路基板201は同一の仕様とすることがコスト的にも有利である。
スイッチ回路基板201には、スイッチ回路124としてのトランジスタ等を複数実装する。スイッチ回路124の個数が多いほど、2枚の導体板204間を短絡するインピーダンスが小さくなる。
図25、図26は、隔壁214の開口部216にフォークプラグ205を挿入した状態を図示したものである。図25は隔壁214の表面から見た図であり、図26は隔壁214の裏面から見た図である。図25、図26では図面が複雑化するため、スイッチ回路基板201などは省略している。フォークプラグ205は開口部216から挿入され、導体板204と電気的に接続される。
図23等の各図面では、スイッチ回路124はスイッチ回路基板201に1個を図示している。しかし、実際には導体板204間には、複数のスイッチ回路124が配置されている。
例えば、図24のスイッチ回路基板201dには2つのスイッチ回路124(スイッチ回路124d、スイッチ回路124スイッチ回路基板201に複数のスイッチ回路124dを配置した状態を図示している。
スイッチ回路124を複数個配置することにより導体板204間(たとえば、導体板204cと導体板204e間)を低抵抗で短絡することができる。各スイッチ回路124がトランジスタで構成される場合、複数のトランジスタのゲート端子に同時にオン電圧が印加され、スイッチ回路124がオンする。
スイッチ回路124の発熱は導体板204に放熱される。また、スイッチ回路124には放熱板が取り付けられている。スイッチ回路124のグランド端子はスイッチ回路基板201のグランドに接続され、グランドの銅箔を介しても放熱される。
図8、図15は、本発明の半導体素子試験装置および半導体素子部品の試験方法または試験状態の説明図である。本発明は、図8、図15のいずれかの状態あるいは方法を用いて半導体素子部品117の試験を実施する。また、図8、図15のいずれかの状態あるいは方法を順次、実施すること、あるいはランダムに実施することのより半導体素子部品117の試験を行う。
なお、図8、図15は半導体素子部品117の動作あるいは制御に着目して図示している。実際の試験では、半導体素子部品117(トランジスタ117)に流す定電流IdあるいはP電極端子に印加する電圧を設定あるいは可変する。
図8、図15において、オン電圧あるいはオフ電圧は、図18(a)のように設定あるいは印加する。ただし、tn2期間とtn1期間に印加するVt電圧は、試験をする半導体素子部品117に応じて設定する。他の信号の制御は図18に示す制御を実施する。
図8(a)は、トランジスタ117の端子間(P電極端子-N電極端子間)を短絡して電荷を放電し、トランジスタ117にサージ電圧、過渡電流を流れないようにする方法(状態)の説明図である。
トランジスタ117mのゲート端子gmにはゲート信号Vsgmとしてオフ電圧が印加され、トランジスタ117mはオフ状態にされる。トランジスタ117sのゲート端子gsにはゲート信号Vsgsとしてオフ電圧が印加され、トランジスタ117sはオフ状態にされる。短絡回路137sおよび短絡回路137mはオフ(オープン)にされる。スイッチ回路124cおよびスイッチ回路124dはオン(クローズ)にされる。
以上の状態では、トランジスタ117m、トランジスタ117sは非動作であり、トランジスタ117の端子間(P電極端子-N電極端子間)は短絡されて、スイッチ回路124cおよびスイッチ回路124dの短絡電流Imが流れる。したがって、トランジスタ117の端子間の電荷(電源装置132の端子間の電荷)は放電される。
図2で説明したように、スイッチ回路124cとスイッチ回路124dをオンせず、スイッチ回路124aをオンして、電流Im’を流してもよいことは言うまでもない。また、スイッチ回路124c、スイッチ回路124d、スイッチ回路124aをオンさせて、電流Im、Im’を流してよいことは言うまでもない。
電流Imまたは電流Im’が流れる経路に、抵抗を配置し、電流Im、電流Im’が流れる状態を制御してもよい。
図8(b)は、短絡回路137sをオンさせてトランジスタ117sをダイオード接続状態にし、トランジスタ117mをオンさせて半導体素子部品117に定電流Idを流して、半導体素子部品117を試験している状態を示している。
トランジスタ117mのゲート端子gmにはゲート信号Vsgmとしてオン電圧またはオフ電圧が周期的あるいは間欠的に印加され、トランジスタ117mはオン状態またはオフ状態に制御される。
トランジスタ117sのゲート端子gsとエミッタ端子es間に接続された短絡回路137sがオンし、トランジスタ117sがダイオード接続状態とされる。スイッチ回路124cおよびスイッチ回路124dはオフ(オープン)にされる。
半導体素子部品117にはP電極端子とN電極端子間に定電流Idが流れる。トランジスタ117mのゲート端子gmに印加するゲート信号Vsgmによりトランジスタ117mをオンオフ制御して、半導体素子部品117の試験を実施する。
図8(c)は、トランジスタ117mをダイオード接続状態にし、トランジスタ117sをオンさせて、半導体素子部品117に定電流Idを流して、半導体素子部品117を試験している状態を示している。
トランジスタ117sのゲート端子gsはゲート信号Vsgsとしてオン電圧またはオフ電圧が周期的あるいは間欠的に印加され、トランジスタ117sはオン状態またはオフ状態に制御される。
トランジスタ117mのゲート端子gmとエミッタ端子em間に接続された短絡回路137mがオンし、トランジスタ117mがダイオード接続状態とされる。スイッチ回路124cおよびスイッチ回路124dはオフ(オープン)にされる。半導体素子部品117にはP電極端子とN電極端子間に定電流Idが流れる。
トランジスタ117sのゲート端子gsに印加するゲート信号Vsgsによりトランジスタ117sをオンオフ制御して、半導体素子部品117の試験を実施する。
図8(d)は、トランジスタ117sをオンさせ、トランジスタ117mをオフさせる。トランジスタ117sのゲート端子gsはゲート信号Vsgsとしてオン電圧またはオフ電圧が周期的あるいは間欠的に印加される。トランジスタ117mはオフ状態に制御される。
トランジスタ117mおよびトランジスタ117sのゲート端子gとエミッタ端子e間に接続された短絡回路137はオフ(オープン)させる。スイッチ回路124cはオフし、スイッチ回路124dはオン(クローズ)にされる。
半導体素子部品117にはP電極端子からトランジスタ117sのチャンネル間に電流Idが流れ、電流Idはスイッチ回路124dを流れる。トランジスタ117sのゲート端子gsに印加するゲート信号Vsgsによりトランジスタ117sをオンオフ制御して、半導体素子部品117の試験を実施する。
図8(d)、図15(d)の実施例において、トランジスタ117mのゲート端子gmにオン電圧を印加しても、スイッチ回路124dの端子間電圧が、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemよりも低いのであれば、トランジスタ117mをオンしても図8(d)、図15(d)の試験を等価的に実施できる。
図8(d)、図15(d)でトランジスタ117mをオンさせて試験を行うことも、半導体素子部品117の試験として有効である。
図8(e)は、トランジスタ117mをオンさせ、トランジスタ117sをオフさせる。トランジスタ117mのゲート端子gmはゲート信号Vsgmとしてオン電圧またはオフ電圧が周期的あるいは間欠的に印加される。トランジスタ117sはオフ状態に制御される。
トランジスタ117mおよびトランジスタ117sのゲート端子gとエミッタ端子e間に接続された短絡回路137はオフ(オープン)させる。スイッチ回路124dはオフ(オープン)し、スイッチ回路124dはオン(クローズ)にされる。
半導体素子部品117にはP電極端子からスイッチ回路124cに電流Idが流れ、トランジスタ117mのチャンネル間に電流Idが流れる。トランジスタ117mのゲート端子gmに印加するゲート信号Vsgmによりトランジスタ117mをオンオフ制御して、半導体素子部品117の試験を実施する。
図8(e)、図15(e)の実施例において、トランジスタ117sのゲート端子gsにオン電圧を印加しても、スイッチ回路124cの端子間電圧が、トランジスタ117sのチャンネル間電圧Vcesよりも低いのであれば、トランジスタ117sをオンしても図8(e)、図15(e)の試験を等価的に実施できる。
図8(e)、図15(e)でトランジスタ117sをオンさせて試験を行うことも、半導体素子部品117にサージ電圧、過渡電流が流れ、より厳しい試験を実施でき、半導体素子部品117の試験として有効である。
図8(f)は、トランジスタ117mおよびトランジスタ117sのゲート端子g(ゲート端子gm、ゲート端子gs)にゲート信号を印加し、半導体素子部品117に定電流Id流して、半導体素子部品117を試験している状態を示している。
トランジスタ117sのゲート端子gsおよびトランジスタ117mのゲート端子gmには、オン電圧またはオフ電圧が周期的あるいは間欠的に印加される。トランジスタ117sおよびトランジスタ117mはオン状態またはオフ状態に制御される。
トランジスタ117mおよびトランジスタ117sのゲート端子gとエミッタ端子e間に接続された短絡回路137はオフさせる。スイッチ回路124cおよびスイッチ回路124dはオフ(オープン)にされる。半導体素子部品117にはP電極端子とN電極端子間に定電流Idが流れる。
トランジスタ117mとトランジスタ117sとが同時にオンしないように制御する、あるいはトランジスタ117mとトランジスタ117sとがわずかな期間だけオンするように制御することにより、半導体素子部品117にサージ電圧、過渡電流が流れ、より厳しい試験を実施できる。
以上の図8(a)~図8(f)の試験を選択し、あるいは組み合わせることにより半導体素子部品117の試験を実施する。組み合わせは図8(a)~図8(f)の試験を順番に実施する場合、図8(a)~図8(f)の試験をランダムに実施する場合が例示される。
以下、さらに、本発明の半導体素子の試験方法について説明をする。図1等で説明したように、温度を測定するための定電流Ic(Ics、Icm)はトランジスタ117のダイオードD(ダイオードDs、ダイオードDm)に供給する。
なお、熱電対314を用いて温度情報Tcを取得する場合は、定電流Icを流す等の回路、また、その動作等は不要である。
電圧検出回路129はダイオードDの端子間電圧を取得あるいは測定する。電圧検出回路129は差分アンプ(減算器)回路を保有している。電圧検出回路129に入力される電圧Vi(電圧Vim、電圧Vis)は差分アンプ(減算器)回路等で、回路グランドを基準とする電圧Vi(電圧Vim、電圧Vis)に変換される。
電流検出回路128は差分アンプ(減算器)回路を保有している。電流検出回路128に入力される電圧Ve(電圧Vem、電圧Ves)は差分アンプ(減算器)回路等で、回路グランドを基準とする電圧Ve(電圧Vem、電圧Ves)に変換される。
以上のように、電流検出回路128、電圧検出回路129は回路電源電圧と絶縁化(回路電源電圧に対してはフローティング)すること、電流検出回路128、電圧検出回路129が差分アンプ(減算器)回路を保有し、差分アンプ(減算器)回路で電圧(Ve、Vi)を取得する。
したがって、電圧(Ve、Vi)を、安定に、精度よく測定できる。また、ダイオードD(Ds、Dm)、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)が破壊することがない。また、試験時にノイズ発生がなく、試験状態が安定する。
ダイオードDの端子電圧Viをバッファリングして出力する。端子電圧Viはデバイス制御回路基板209の温度測定回路(図示せず)に印加され、温度測定回路(図示せず)は端子電圧Viからトランジスタ117の温度情報Tjを求め、コントローラ回路基板に転送する。温度情報Tjはデバイス制御回路基板209のコネクタ213からマザー基板207に出力され、コントローラ回路基板111に送られる(図28参照)。
ゲートドライバ回路113からは、設定された周波数、かつ、設定されたオン電圧時間でトランジスタ117のゲートをオンさせるゲート信号Vsg(Vsgs、Vsgm)が出力される。一例として、図18(a)に図示するように、トランジスタ117のオンオフ周期はtcycleであり、オン時間はton、オフ時間はtoffである。
本明細書、図面において、半導体素子部品117として、トランジスタ117sとトランジスタ117mが直列接続されたものを例示して説明している。図18においても、トランジスタ117mまたはトランジスタ117sの動作、ダイオードDsまたはダイオードDmの動作として説明している。
トランジスタ117をオンする前のtn2期間は、オフ電圧よりもマイナス側のVt電圧にする。また、トランジスタ117をオフ後のtn1期間は、オフ電圧よりもマイナス側のVt電圧にする。
Vt電圧は、0(V)よりも低く、-4(V)よりも高い電圧である。したがって、Vtとは、-4(V)以上かつ0(V)よりも低い電圧である。
なお、トランジスタ117がSiCの場合はオフ電圧をVt電圧とし、IGBTの場合は、オフ電圧を0(V)とする。
以上のように、試験するトランジスタ117の種類に応じて、トランジスタ117に供給するオフ電圧を変更できるように本発明の半導体素子試験装置を構成している。
具体的には、図1、図11に図示するように、電圧選択回路302(電圧選択回路302m、電圧選択回路302s)により、オフ電圧は0(V)とVt電圧を選択できるように構成している。電圧の選定は、コントローラ回路基板111あるいはデバイス制御回路基板209により行われる。
Vt電圧が印加されている時に、St1(St2)をHレベルにしてトランジスタ117の温度を測定する。Vt電圧を印加している期間にダイオードDiに定電流Icを流す。また、St1(St2)のHレベルに期間には定電流Icを流す。
トランジスタ117のゲート端子にVt電圧が印加されることにより、トランジスタ117のオフ状態が安定し、温度情報Tjの測定を安定して実施することができる。また、温度情報Tjの測定時にノイズが乗りにくく、温度情報Tjの測定精度が向上する。また、ゲート信号Vsgの立下りレート時間が速くなり、トランジスタ117のオンオフの不確定時間が短くなる。
トランジスタ117のゲート端子にVt電圧を印加することにより、トランジスタ117のリーク電流が減少し、Vi電圧の測定精度が向上、また、測定が安定する。
ゲート信号Vgsは、tn1、tn2の時間にVt電圧にされる。一例としてtn1、tn2の時間は、0.2m秒以上2m秒以下の時間である。トランジスタ117は0(V)でオフする。
したがって、トランジスタ117のゲート端子gには、Vg、0(V)、Vtの3電圧を印加する。Vtを印加している期間に、トランジスタのダイオードDiに電流を流して温度情報Tjを測定する。
図18において、一例としてVgをオン電圧、0(V)またはVt電圧をオフ電圧としている。図18(a)のように、オン電圧Vgの印加前に、負電圧を印加し、オン電圧からオフ電圧に変化した後、0(V)にする場合もある。図18(a)のように、Vt電圧の印加期間をなくして、0(V)電圧を印加する場合もある。本発明は、オン電圧、オフ電圧の値あるいは制御はそれぞれに応じて適正に設定する。
図18(a)のオン信号電圧Vsgに基づいて、トランジスタ117はオンオフ制御される。ゲートドライバ回路113はデバイス制御回路基板209で制御される。
電源回路121は定電流Idを出力し、定電流Idがトランジスタ117のIdとして供給される。
ゲートドライバ回路113から出力されるVsg信号電圧により、トランジスタ117はオンオフ動作し、トランジスタ117がオンしている期間にトランジスタ117のチャンネル間に電流Idが流れる。
ゲートドライバ回路113の出力に可変抵抗回路125を有している。可変抵抗回路125の値は、0(Ω)から500(Ω)間で、所定値に、あるいはステップ的に設定できるように構成されている。ゲート端子gの波形を観察しながら、コントローラ回路基板111(コントローラ111)からの制御信号により可変抵抗回路125の値を設定してもよい。
トランジスタ117(トランジスタ117s、トランジスタ117m)のゲート端子gとエミッタ端子eまたは、コレクタ端子c間に抵抗R(図示せず)を配置してもよい。抵抗Rの値を調整することにより、ゲート信号の立ち上がりおよび立ち下がり電圧波形の傾斜角度を調整できる。
可変抵抗回路125の値が大きい場合は、トランジスタ117のゲート端子に印加するトランジスタ117のゲート信号の立ち上がり/立ち下がり波形の傾斜が緩やかになる。
一方、可変抵抗回路125の抵抗値が小さい場合は、ゲート信号の立ち上がり/立ち下がり波形の傾斜が急峻になる。可変抵抗回路125の値を変更あるいは所定値に設定することにより、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)のオン時間を調整できる。
ゲートドライバ回路113は、トランジスタ117のゲート端子gに印加するゲート電圧において、立ち上がり波形の傾斜(立ち上がり時間Tr)と立ち下がり波形の傾斜(立ち下がり時間Td)を設定できる。立ち上がり時間Trと立ち下がり時間Tdを別々に調整することによりトランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)のオン時間等を任意に調整できる。
可変抵抗回路125の抵抗値は、コントローラ回路基板111(コントローラ111)により設定する。設定は、一定値であることに限定されない。ゲートドライバ回路113の立ち上がり波形の傾斜(立ち上がり時間Tr)と、立ち下がり波形の傾斜(立ち下がり時間Td)を変化させてもよい。ゲート信号の立ち上がり時の抵抗値と、立ち下がり時の抵抗値とを変化させてもよい。また、リアルタイムに抵抗値を可変制御してもよい。可変抵抗回路125を可変制御することにより、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)のオン時間が安定する。
ゲート信号の立ち上がり時の抵抗値を小さくすると、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)のゲート端子gに印加されるオン電圧の波形が急峻になり、高速にトランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)がオンする。ゲート信号の立ち上がり時の抵抗値を大きくすると、トランジスタ117のゲート端子に印加されるオン電圧の波形が緩やかになり、緩やかにトランジスタ117がオンする。
ゲート信号の立ち下がり時の抵抗値を小さくすると、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)のゲート端子gに印加されるオン電圧の波形が急峻になり、高速にトランジスタ117がオフする。ゲート信号の立ち下がり時の抵抗値を大きくすると、トランジスタ117のゲート端子gに印加されるオン電圧の波形が緩やかになり、緩やかにトランジスタ117がオフする。
以上のように、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)のゲート端子に接続された可変抵抗回路125の値、あるいはゲートドライバ回路113の立ち上がり時間/立ち下がり時間を制御、あるいは調整、または設定することができる。
したがって、ゲートドライバ回路113の機能として、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)に発生させる突入電流Is、サージ電圧Vsを変化あるいは変更することができる。
トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)の動作は、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)のゲート端子gのオン電圧の制御だけでなく、電源回路121がトランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)に供給する定電流Idあるいは電圧Vmの値を変化あるいは設定できることは言うまでもない。
ゲートドライバ回路113の出力側の可変抵抗回路125はコントローラ回路基板111により制御される。
図18に図示するゲートドライバ回路113が出力するゲート信号Vsgの周期時間tcycle、オン時間ton、あるいはオフ時間toffはゲート信号制御回路112が制御し、ゲート信号がトランジスタ117のゲート端子に印加される。また、ゲート信号制御回路112はコントローラ回路基板111(コントローラ111)により制御される。
図1において、ゲートドライバ回路113の可変抵抗回路125の抵抗値は、可変としたがこれに限定するものではない。たとえば、可変抵抗回路125を外付け抵抗とし、抵抗をコネクタ(図示せず)等によりトランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)のゲート端子gに接続してもよいことは言うまでもない。
接続する抵抗の値は、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)のゲート端子gの波形、チャンネル電流Idの波形を観察して設定する。
図1、図11において、トランジスタ117のダイオードD(ダイオードDs、ダイオードDm)のカソード端子k(カソード端子ks、カソード端子km)とアノード端子a(アノード端子as、アノード端子am)には、定電流設定回路130等からなる定電流回路が接続されている。定電流回路は、所定の定電流Ic(定電流Ics、定電流Icm)を流す。定電流Icはトランジスタ117(トランジスタ117s、トランジスタ117m)の温度をモニターするためである。
IGBTを例示して本明細書では説明するため、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)の端子はゲート端子g、コレクタ端子c、エミッタ端子eである。MOSトランジスタ117の場合は、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)の端子はゲート端子g、ドレイン端子d、ソース端子sとなる。
ダイオードDはトランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)が形成された半導体チップに実装された別の半導体チップのダイオードであってもよい。
ダイオードDは、トランジスタ117の形成時に副次的に形成されるダイオード(寄生ダイオード)を利用してもよい。寄生ダイオードはトランジスタ117の層構造により副次的に形成される。ダイオードDは、構造上、トランジスタ117のチャンネル部の近傍に形成される。
ダイオードDは、トランジスタ117を動作させている時には動作しないものであれば、いずれの素子でもよい。たとえば、ダイオードに限定されるものではなく、トランジスタをダイオード接続して使用してもよいことはいうまでもない。
ダイオード等の半導体に限定されるものではなく、抵抗等のデバイスでもよい。抵抗等のデバイスに定電流Icを印加することにより、抵抗の端子電圧を測定する。この電圧を電圧Viとして測定する。
以上のように、温度を取得する素子は、ダイオードDのような半導体等のデバイスだけでなく、抵抗等のデバイスでもよい。つまり、電流を流すことにより電圧値を取得できるデバイス、あるいは電圧を印加することにより電流値を取得できるデバイスであればいずれのデバイスでも適用できる。
ダイオードDはトランジスタ117の発熱により抵抗値が変化する。ダイオードDに定電流Icを流すと、ダイオードDの抵抗値の変化に比例してダイオードDの端子間の電圧が変化する。端子間の電圧をモニターあるいは測定すれば、トランジスタ117の温度、または温度の変化、トランジスタ117の劣化状態を知ることができる。
トランジスタ117の温度をダイオードDの電圧からモニターするためには、温度係数を予め取得しておく必要がある。
温度係数は、トランジスタ117を恒温槽で所定温度に設定し、ダイオードDに定電流Icを流して、ダイオードDの端子電圧を測定する。前記所定温度を変化させ、かつダイオードDの端子電圧を測定することにより、温度に対するダイオードの端子電圧を取得できる。したがって、温度に対するダイオードDの端子電圧からトランジスタ117の温度係数Kを求めることができる。
温度係数Kは、トランジスタ117の各生産ロットで異なる場合があるが、一般的には生産ロットで一定の値を示す。したがって、各生産ロットで、試験を行うトランジスタ117を抜き取り、温度係数Kを求めておけば他のトランジスタ117の温度係数Kにも使用できる。
精度よく温度係数Kを取得するには、同じロットでも、各トランジスタ117の温度係数Kを個別に測定して試験をする。温度係数Kの測定は、恒温槽の使用に限定されない。たとえば、トランジスタ117を実装したヒートシンクに流す水温を変えて温度係数Kを取得する。
試験時は、トランジスタ117に間欠的に、試験電流Idを印加する。試験電流Idをオフした直後あるいは、オフした後、短時間の所定時間の経過後、温度測定用の定電流Icを流す。
定電流Icでトランジスタ117が発熱することを防止するため、あるいは定電流Icの影響がないようにするため、定電流Icはトランジスタ117のチャンネルに流す定電流Idよりも十分に小さい電流値にする。定電流Idは、温度測定に影響を与える発熱しない程度の電流を流す。
具体的には、定電流Icは試験時にトランジスタ117に流す電流Idの1/1000以下に設定する。好ましくは、トランジスタ117に流す電流Icは電流Idの1×10の1以上1×10の1以下にする。定電流Icは0.1mA以上100mA以下にする。
チャンネル電流Idを変化させ、ダイオードDの電圧を測定して、温度係数Kを求める。求められた温度係数Kは、温度測定回路(図示せず)あるいはコントローラ回路基板111に記憶させる。
温度を測定する時、ダイオードDがトランジスタ117と同一チップ内に形成されている場合、ゲート信号Vsgによって飽和電圧が変化する場合がある。ゲート信号Vsgはゼロ(0)電圧または負電圧(マイナス電圧)とすることが好ましい。
図22に示すように、温度情報Tjに基づいて、コントローラ回路基板111(コントローラ111)はチラー136を制御する。チラー136は循環水(循環溶液)の温度を調整し、加熱冷却プレート134の温度を調整する。
以上の実施例では、予め、温度係数Kを求めるとしたが、本発明の半導体試験方法はこれに限定するものではない。なお、温度係数とダイオード端子電圧等からトランジスタ117の温度情報Tjを求める。
トランジスタ117と加熱冷却プレート134に密着して配置し、加熱冷却プレート134の温度が、トランジスタ117と略一致するように構成する。
コントローラ回路基板111(コントローラ111)はチラー136を制御して、加熱冷却プレート134の温度を所定温度にし、トランジスタ117に定電流Icを印加して、ダイオードDの端子電圧を測定する。
測定結果から、温度係数Kを求める。加熱冷却プレート134の温度は、複数の温度に設定し、それぞれの温度での温度係数Kを求め、結果からより温度係数の値の精度を向上させる。
温度係数Kは、トランジスタ117を加熱冷却プレート134で所定温度にし、ダイオードDに定電流Icを流して、端子電圧を測定する。前記所定温度を変化させ、かつダイオードDの端子電圧を測定することにより、温度に対するダイオードDの端子電圧を取得できる。したがって、温度に対するダイオードDの端子電圧からトランジスタ117の温度係数Kを求めることができる。
温度測定回路(図示せず)は保持されている温度係数Kと電圧Viから、試験を実施しているトランジスタ117の温度情報Tjを求める。
求められた温度情報Tjはコントローラ回路基板111(コントローラ111)に送られる。コントローラ回路基板111(コントローラ111)は、温度情報Tjが所定設定値以上のなった場合、トランジスタ117が所定のストレス状態、あるいは劣化状態となったと判断し、試験の制御変更あるいは試験の停止等を行う。
試験でトランジスタが劣化する箇所は主として、トランジスタ117内の接合部であることが多い。半導体そのものが劣化することはなく、トランジスタ117の接合部(ボンディング、ダイボンド等)が劣化し、接合部の抵抗値が高くなる。抵抗値が高くなることにより、チャンネル間電圧Vceが高くなり、発熱してトランジスタ117の温度が上昇する。
半導体素子部品117(トランジスタ117)が劣化する場合は、トランジスタ117のゲート酸化膜(絶縁膜)の劣化である場合が多い。ゲート酸化膜の劣化が発生した場合は、酸化膜(絶縁膜)の短絡状態になり、チャンネル間電圧Vceは下がる。または、トランジスタ117がオフ状態となり、トランジスタ117には電流は流れず、チャンネル間電圧Vceは電源電圧の最大値まで上昇する。
温度情報Tjは、試験開始時は、最低温度T1から最高温度T2の間を変化する。試験によりトランジスタ117にストレスがかかると、トランジスタ117のチャンネル間Vce電圧が変化し、通常は温度情報Tjが高くなる方向に変化する。
したがって、図19(c)に図示するように、最低温度は、温度T1より上昇し、最高温度は温度情報Tm(Tjmax)に近づく。
本発明の半導体の試験方法では、試験の終了は下記のいずれかの条件で停止する。
・温度情報Tjが所定範囲内から外れた場合。
・チャンネル電圧Vceが所定の電圧範囲から外れた場合。
・熱抵抗が所定の範囲内から外れた場合。
図18(d)St2はダイオードD(ダイオードDs、ダイオードDm)に電流Icを流すタイミング信号であり、St2がHレベルの時、トランジスタ117のダイオードDに電流が流れる。電圧検出回路129はダイオードDの端子間電圧を取得し、温度測定回路(図示せず)は端子間電圧を温度情報Tjに変換する。温度情報Tjはコントローラ回路基板111(コントローラ111)に送られ、コントローラ回路基板111(コントローラ111)は温度情報Tjにしたがって、トランジスタ117(半導体素子部品117)の試験を実施する。
電流Idは試験を行うトランジスタ117に流れる電流であり、電源回路121が出力する電流である。St1、St2は温度測定用のダイオードに測定用電流を流す時間あるいは温度の測定時間である。
図18(e)Ssaはスイッチ回路124aまたはスイッチ回路124cとスイッチ回路124dのオンオフ信号、図18(f)Sabはスイッチ回路124bのオンオフ信号である。
なお、スイッチ回路124aを削除し、スイッチ回路124cおよびスイッチ回路124dを同時にオンさせてもよい。
Vonはスイッチ回路124をオンさせる電圧であり、0(V)はスイッチ回路124をオフ(オープン)させる電圧としている。
図18(g)Vceはトランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)のチャンネル間電圧、温度情報Tjは測定されたトランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)の温度変化を示す。
図18(a)に図示するように、ゲートドライバ回路113からゲート信号Vsgがトランジスタ117のゲート端子gに印加される。ゲート信号Vsgは周期時間tcycle、オン時間tonである。周期時間tcycle、オン時間tonはゲート信号制御回路112で任意の値に設定することができる。また、オン電圧Vgも任意の電圧に設定することができる。
図18(i)Siは可変抵抗回路125に流れる電流を測定するタイミング信号である。SiがHレベルの時に可変抵抗回路125を流れる電流(ゲートリーク電流)を測定する。
図18(c)St1は図1に示す実施例において、ダイオードD(ダイオードDs、ダイオードDm)に電流Icを流すタイミング信号である。
図18(d)St2は、St2がHレベルの時、トランジスタ117のダイオードDsまたはDmに電流が流れる。トランジスタ117と独立したデバイス(ダイオード)に定電流Icを流して温度情報Tjを取得する場合である。
理解を容易にするため、測定された温度情報Tjは図18(h)で示すように、T1からT2の間を変化するとして説明する。温度情報Tjはトランジスタ117に通電されることにより高くなり、通電する電流が停止すると低下する。また、温度情報Tjはトランジスタ117の特性変化にともなって変化する。
図18(f)Ssaはスイッチ回路124aのオンオフ制御信号のタイミングを示す。SsaがVonになるとスイッチ回路124aがクローズ(オン)する。0の場合は、スイッチ回路124aがオープン(オフ)になり、電流あるいは電圧の印加が遮断される。
図18(e)Ssbはスイッチ回路Ssbのオンオフ制御信号のタイミングを示す。SsbがVonになるとスイッチ回路Ssbがクローズ(オン)する。0の場合は、スイッチ回路Ssbがオープン(オフ)になる。
図18(g)Vceはトランジスタ117のチャンネル電圧(エミッタ端子とコレクタ端子間の電圧)である。理解を容易にするため、図示していないが、トランジスタ117のオンオフにともなって、サージ電圧、ザージ電流が発生し、また、トランジスタ117のオン抵抗の変化にともないVce波形が時間的に複雑に変化する。
トランジスタ117のゲート端子gには、Vg、0(V)、Vtの3電圧を印加する。Vtを印加している期間に、トランジスタのダイオードDに電流を流して温度情報Tjを測定する。
ダイオードDに定電流Icを流すときには、スイッチ回路Ssaをオフして、電源回路121からの電流がトランジスタ117に印加されないように制御する。
ダイオードDに定電流Icを流すことにより、ダイオードDの端子電圧を取得し、オペアンプ回路116は端子電圧に対応するVi電圧を出力する。Vi電圧は温度測定回路(図示せず)に入力され、温度測定回路(図示せず)はトランジスタ117の温度に対応する温度情報Tjを求める。
温度情報Tjはコントローラ回路基板111(コントローラ111)に転送され、コントローラ回路基板111(コントローラ111)は温度情報Tjに基づいてトランジスタ117の試験の継続、停止、条件変更等、トランジスタ117(半導体素子部品117)の試験を制御する。
スイッチ回路124aは、トランジスタ117のVsg信号がVgになってから、tm2時間遅れてオンする。tm2時間はコントローラ回路基板111(コントローラ111)により変更設定できるように構成されている。
スイッチ回路124aがオンする前のtb2時間前にスイッチ回路124bがオンする。スイッチ回路124aがオンしてからtb1時間後までスイッチ回路124bのオン状態は維持される。tb2時間、tb1時間は独立して変更設定できるように構成されている。
特に、tb1の設定は重要である。tb1の時間は、トランジスタ117のVce電圧の波形を観察して、適正に設定あるいは変更する。
スイッチ回路124aは、トランジスタ117のVsg信号がVtになるtm1時間前にオフする。tm1時間はコントローラ回路基板111(コントローラ111)により変更設定できるように構成されている。
スイッチ回路124aがオフする前のta2時間前にスイッチ回路124bがオンする。スイッチ回路124aがオフしてからta1時間後までスイッチ回路124bのオン状態は維持される。ta2時間、ta1時間は独立して変更設定できるように構成されている。
特に、ta1の設定は重要である。ta1の時間は、トランジスタ117のVce電圧の波形を観察あるいは測定して、適正に設定あるいは変更する。
スイッチ回路Ssbがオンすることにより、電源回路121の出力端子がグランド(接地ライン)と短絡し、電荷が放電される。電荷が放電されることにより電源回路121の端子電圧は0(V)(グランド電圧)となる。また、電源回路121が出力する電流Idを、電流Imとして接地(グランド)へ流す。したがって、電流Idはトランジスタ117に印加されることはなく、また、トランジスタ117のコレクタ電圧が上昇することはない。
tb2時間は、電源回路121の出力電圧が0(V)あるいは0(V)近傍になる時間、あるいは、電源回路121の出力電圧の方が、トランジスタ117のコレクタ電圧よりも低くなる時間を観察あるいは測定して設定する。
上記の電圧の関係が所定値になった時刻(tb2経過後)で、スイッチ回路124aをオンさせて、電源回路121からの電流Idを印加する。しかし、このときは、スイッチ回路124bがオンしているため、電源回路121からの電流Idは、スイッチ回路124bを介して電流Imとしてグランド(接地ライン)に流れる。したがって、トランジスタ117には定電流Idは流れない。
スイッチ回路124aがオンしてから、tb1時間経過後、スイッチ回路124bがオフし、試験電流Idがトランジスタ117に供給される。
以上のようにスイッチ回路124a、124bを動作させることにより、トランジスタ117にはサージ電圧Vsあるいは突入電流Isが印加されない。または、サージ電圧Vsあるいは突入電流Isが抑制され、良好なトランジスタ117の試験を実施することができる。
トランジスタ117への試験電流Idの停止時は、スイッチ回路124aのオフさせるta2前にスイッチ回路124bをオンさせる。スイッチ回路Ssbを介して、電源回路121が出力する定電流Idは電流ImあるいはIm’としてグランドに流れ、トランジスタ117には供給されない。
ta2時間は、電源回路121の出力電圧が0(V)あるいは0(V)近傍になる時間、あるいは、電源回路121の出力電圧の方が、トランジスタ117のコレクタ電圧よりも低くなる時間を観察して設定する。
上記の電圧の関係が所定値になった時刻(ta2経過後)で、スイッチ回路124aをオフさせる。スイッチ回路124aがオフしてから、ta1時間経過後、スイッチ回路124bがオフされる。
以上のようにスイッチ回路124a、124bを以上のように動作あるいは制御することにより、トランジスタ117にはサージ電圧Vsあるいは突入電流Isが印加されない。または、サージ電圧Vsあるいは突入電流Isが抑制され、良好なトランジスタ117の試験を実施することができる。
トランジスタ117に定電流Idが供給されることにより、温度情報Tjは上昇する。トランジスタ117への定電流Idが停止することにより、温度情報Tjは下降する。温度情報TjはT1とT2間を変動する。試験によりトランジスタ117の特性が変動すると温度情報Tjは徐々に上昇する。
一定値の電流Idをトランジスタ117に印加するには、電源回路121を動作させ、トランジスタ117に電流Idを印加する。
ゲートドライバ回路113の可変抵抗回路125の抵抗値も設定することができる。抵抗値を大きくすることにより、ゲート信号Vsgの立ち上がり/立ち下がり波形は、図19(a)の点線あるいは一点鎖線のように変化させることができる。
ゲート信号Vsgの変化あるいは設定により、トランジスタ117に流れる電流Idも図19(b)に図示するように、点線あるいは一点鎖線のように変化させることができる。
電流Idの立ち上り波形、立ち下り波形を変化させることにより、サージ電圧あるいは突入電流を調整あるいは抑制することができる。
温度情報Tjは図19(c)に図示するように、試験によりトランジスタ117の特性が変化するにともなって、実線から点線、点線から一点鎖線に変化する。温度情報TjがTmのレベルに達した時に試験を停止する。あるいは、温度情報Tjの変化割合が所定値になったときに試験と停止する。また、試験条件を変更する。
図20に図示するように、スイッチ回路Ssa(スイッチ回路124a)がオフ状態の時に、St1信号をHにして、温度情報Tjを測定する。St1信号は、ゲート信号がVtの時に、Hレベルにする。tn2期間で、tc2の期間にHレベルにして、温度情報Tjを測定する。tn1期間で、tc1の期間に温度情報Tjを測定する。
tc2の期間に測定した温度情報Tjは、トランジスタ117が冷却された時点の温度情報Tjとなる。tc1期間に測定した温度情報Tjは、トランジスタ117に電流Idを停止した直後の温度情報Tjとなる。
試験の停止、条件変更、制御の変更等は、tc2の期間に測定した温度情報Tjと、tc1期間に測定した温度情報Tjで判断する。
tc1期間に測定した温度情報Tjがtc2の期間に測定した温度情報Tjに比較して変化率が大きい場合、tc1期間に測定した温度情報Tjがtc2の期間に測定した温度情報Tjとの絶対値の差が大きい場合等、測定値温度情報Tjに対応して、試験を制御、変更する。
また、tc2の期間に測定した温度情報Tjが標準値と所定値異なっていると場合、トランジスタ117の接続状態、試験装置に問題があるかを判定し「試験を開始せず」の判断等を行う。
tc2あるいはtc1期間に、Viを複数回測定し、Viに対する温度情報Tjを求める。
説明を容易にするため、図8(b)の動作、構成を一例として例示して説明をする。図8(b)はトランジスタ117sをダイオード接続とし、トランジスタ117mのゲート端子gmにゲート信号Vsgmを印加することにより試験を実施する例である。また、半導体素子部品117の温度は、ダイオードDmで行うとして説明をする。
ゲート信号は、周期tcycle、オン時間ton、オフ時間toffで試験をするトランジスタ117のゲート端子に印加される。
トランジスタ117mのゲート端子gmには、オフ電圧(0(V))、オン電圧(Vg)を印加してトランジスタ117mを制御する。ただし、トランジスタ117mをオンする前のtn2期間は、オフ電圧よりもマイナス側のVt電圧にしてもよい。また、トランジスタ117mをオフ後のtn1期間は、オフ電圧よりもマイナス側のVt電圧にしてもよい。
Vt電圧は、0(V)よりも低く、-4(V)よりも高い電圧である。したがって、Vtとは、-4(V)以上かつ0(V)よりも低い電圧である。
なお、トランジスタ117mがSiCの場合はオフ電圧をVt電圧とし、IGBTの場合は、オフ電圧を0(V)とする。以上のように、試験するトランジスタ117の種類に応じて、トランジスタ117mに供給するオフ電圧を変更できるように本発明の半導体素子試験装置を構成している。Vt電圧は、ゲートドライバ回路113mのVmm1電圧を設定することにより実施する。
なお、オンオフ制御するトランジスタがトランジスタ117sの場合は、Vt電圧は、ゲートドライバ回路113sのVms1電圧を設定あるいは調整することにより実施する。
ダイオードDmはカソード端子kmとアノード端子amに接続されている。ダイオードDmは図18(d)St2のタイミングで温度情報Tjが測定される。
図1の実施例では、ダイオードDmが定電流Idを流す経路から分離されている。トランジスタ117mに電流Idを流している状態でもダイオードに定電流Icmを流すことができる。したがって、温度情報Tjを測定する時間を柔軟に設定することができる。図18(d)に図示するように、tcs、tcmの位置を自由に設定することができる。
図18(d)のSt2はダイオードDmの電流Icmを流すタイミング信号である。St2がHレベルの時、トランジスタ117mのダイオードDmに定電流Icmが流れる。電圧検出回路129mはダイオードDmの端子間電圧Vimを取得し、温度測定回路(図示せず)は端子間電圧Vimを温度情報Tjに変換する。
温度情報Tjはコントローラ回路基板111(コントローラ111)に送られ、コントローラ回路基板111(コントローラ111)は温度情報Tjにしたがってトランジスタ117の試験を実施あるいは停止あるいは制御を変更する。温度情報Tjはコントローラ回路基板111(コントローラ111)に送られ、コントローラ回路基板111(コントローラ111)は温度情報Tjに基づいてトランジスタ117の試験を実施する。
以上の実施例は、図31の半導体素子部品117を例示して説明した。図31の半導体素子部品117は、ダイオードD(ダイオードDs、ダイオードDm)の端子がトランジスタ117mあるいはトランジスタ117sと独立して形成されたものである。
本発明の半導体素子試験装置および半導体素子の試験方法は、図32の半導体素子部品117等にも適用できる。
図32(a)図32(b)の半導体素子部品117は、トランジスタ117mのエミッタ端子emとコレクタ端子cm間に温度を測定するダイオードDimが形成または配置されている。また、トランジスタ117sのエミッタ端子esとコレクタ端子cs間に温度を測定するダイオードDisが形成または配置されている。
図32(a)図32(b)の半導体素子部品117は、図31の半導体素子部品117と同様に、トランジスタ117mとトランジスタ117sとが1つのパッケージに内蔵されている。トランジスタ117sとトランジスタ117mは直列接続されている。
図32(a)図32(b)において、半導体素子部品117の一例として、トランジスタ117mとトランジスタ117sとが1つのパッケージに内蔵された半導体素子部品117を例示している。トランジスタ117sとトランジスタ117mは直列に接続されている。
図32(c)図32(d)は、トランジスタ117sの電極端子226c2とトランジスタ117mの電極端子226c1が配線材などで電気的に接続されて1つの半導体素子部品117を構成した例である。
本明細書で説明する半導体素子試験装置あるいは試験方法は、図32(a)図32(b)と図32(c)図32(d)のいずれに対しても適用される。その他、トランジスタ117sまたはトランジスタ117sの一方のみの構成にあっても適用できることは言うまでもない。
図32において、半導体素子部品117は、大電流が印加あるいは出力される電極端子(P電極端子、O電極端子、N電極端子)を有する。トランジスタ117mはダイオードDimを内蔵する。トランジスタ117sはダイオードDisを内蔵する。ダイオードDi(ダイオードDim、ダイオードDis)は、トランジスタ117の形成プロセスと同時に形成される。
たとえば、ダイオードDiの半導体層は、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)と共通のレイヤー層が使用される。また、絶縁層等が共通のレイヤー層が使用される。
半導体素子部品117は図32(a)(b)に図示するように、P電極端子(電極端子226a)、O電極端子(電極端子226c)、N電極端子(電極端子226b)を有する。トランジスタ117mのエミッタ端子emはN電極端子と接続され、トランジスタ117sのコレクタ端子esはP電極端子と接続され、トランジスタ117mのコレクタ端子はO電極端子と接続されている。
トランジスタ117mはエミッタ端子em、ゲート端子gm、コレクタ端子cmを有する。トランジスタ117mのコレクタ端子cmは、トランジスタ117sのエミッタ端子esと共通となっている。ダイオードDimはカソード端子がトランジスタ117mのコレクタ端子cmと接続され、アノード端子がトランジスタ117mのエミッタ端子emと接続されている。
トランジスタ117sはエミッタ端子es、ゲート端子gs、コレクタ端子csを有する。トランジスタ117mは、エミッタ端子em、ゲート端子gm、コレクタ端子cmを有する。
半導体素子部品117のN電極端子226bとO電極端子226c間に発生する電圧がトランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemであり、半導体素子部品117のP電極端子226aとO電極端子226c間に発生する電圧がトランジスタ117sのチャンネル間電圧Vcesとなる。
図11、図12に図示するように、トランジスタ117mの端子(端子em、端子gm、端子cm)にコネクタ202mが接続される。トランジスタ117sの端子(端子es、端子gs、端子cs)にコネクタ202sが接続される。
図11に図示するように、P電極端子(電極端子226a)にフォークプラグ205eが接続され、O電極端子(電極端子226c)にフォークプラグ205hが接続され、N電極端子(電極端子226b)にフォークプラグ205cが接続される。
ダイオードDimとダイオードDisのうち、少なくとも一方に所定の定電流が印加される。ダイオードの等価的抵抗値は温度によって変化し、所定の定電流の印加によりダイオードDiの端子電圧が変化する。この端子電圧Viの情報から温度情報Tjを求める。
図11に図示するように、トランジスタ117mのゲート端子gmとエミッタ端子em間に短絡回路137mが形成される。トランジスタ117sのゲート端子gsとエミッタ端子es間に短絡回路137sが形成される。
図11の構成と図1の構成の差異は、図11では、トランジスタ117mのダイオードDimに定電流Icmを流すように、定電流回路が構成され、トランジスタ117mのコレクタ端子cmとエミッタ端子em間の電圧でダイオードDimの端子間電圧を測定する点である。また、トランジスタ117sのダイオードDisに定電流Icsを流すように、定電流回路が構成され、トランジスタ117sのコレクタ端子csとエミッタ端子es間の電圧でダイオードDisの端子間電圧を測定する点である。
ダイオードDiに定電流を流す時は、トランジスタ117をオフさせる。ダイオードDimへの定電流Icmは、トランジスタTmより引込電流として流す。ダイオードDisへの定電流Icsは、トランジスタTsより引込電流として流す。
ダイオードDimの端子間電圧は、トランジスタ117mのコレクタ端子cmとエミッタ端子emに接続された電圧検出回路129mで測定あるいは取得する。ダイオードDisの端子間電圧は、トランジスタ117sのコレクタ端子csとエミッタ端子esに接続された電圧検出回路129sで測定あるいは取得する。
トランジスタ117sのエミッタ端子es電圧は、N電極端子の電圧にトランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが加算された電圧である。トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが変動するとトランジスタ117sのエミッタ端子es電圧も変動し、ダイオードDisのアノード電圧も変動する。同様に、N電極端子電圧が変動すると、ダイオードDimのアノード電圧も変動する。
図11の本発明の構成においても、図1と同様に、電流検出回路128、電圧検出回路129、定電流設定回路130等を回路電圧Vcから絶縁化し、また、フローティング状態に構成している。したがって、ダイオードDisの端子電圧は、トランジスタ117mのエミッタ端子em電圧が変動あるいはシフトしても、問題なく測定あるいは取得することができる。可変抵抗回路125の端子間電圧においても同様である。
絶縁型DCDCコンバータ回路138は、回路電圧Vcから各種の電圧を発生させるとして説明するが、これに限定するものではない。回路電圧Vcを含む複数の電圧から、他の電圧を発生させても良いことは言うまでもない。
他の構成は、図1と同様であるので、説明を省略する。また、図4の駆動方法も図32のトランジスタ117の構成においても適用できるため、説明を省略する。
図12は、本発明の第1の実施例における図2に対応する構成図である。図9と図2とは、図9のトランジスタ171の構成、端子が異なる以外は同様であるので説明を省略する。
図32の半導体素子部品117は、図31の半導体素子部品117と同様に、トランジスタ117のN電極端子はAGNDに接続される。AGNDとは一例としてアース電位である。
トランジスタ117mのエミッタ端子emとN電極端子が電気的に接続され、エミッタ端子emとVmm1端子とが接続される。また、エミッタ端子emとVmm2端子とが接続される。トランジスタ117sのエミッタ端子esとVms1端子とが接続される。また、エミッタ端子esとVms2端子とが接続される。
トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位は、N電極端子の電位にトランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemを加算した電圧となる。
トランジスタ117mのゲート端子gmに印加するゲート信号Vsgは、エミッタ端子emの電位が基準となる。図18(a)に図示するように、トランジスタ117mをオンさせる電圧をVgとすれば、N電極端子のAGND電位から、Vg電圧を印加した時、トランジスタ117mがオン状態となる。
図18(a)では、0(V)電位は、トランジスタ117mをオフさせる電圧としている。Vt1電圧は、0(V)電位よりも負極性の電圧である。Vmm1電圧と基準として、負側のVt1電圧が印加される。なお、図18(a)等において、Vt1電圧は、Vt電圧として図示している。
トランジスタ117mのコレクタ端子cmとエミッタ端子em間にダイオードDimが接続されている。コレクタ端子cmとエミッタ端子emに電圧検出回路129mが配置される。
トランジスタ117sのコレクタ端子csとエミッタ端子es間にダイオードDisが接続されている。コレクタ端子csとエミッタ端子esに電圧検出回路129sが配置される。
図13は、本発明の第2の実施例における半導体素子試験装置の電源系統の結線を説明する説明図である。
トランジスタ117のN電極端子はAGNDに接続される。AGNDとは一例としてアース電位である。
トランジスタ117mのエミッタ端子emとN電極端子が電気的に接続され、エミッタ端子emとVmm1端子とが接続される。また、エミッタ端子emとVpm2端子とが接続される。
トランジスタ117sのエミッタ端子esとVms1端子とが接続される。また、エミッタ端子esとVps2端子とが接続される。
図13に図示するように、接続する電源電圧を変更することにより、端子間電圧の極性が変更あるいは異なる半導体素子部品117を柔軟に対応して試験することができる。
また、図13に図示するように、本発明は、切り替えスイッチ回路127(切り替えスイッチ回路127s、切り替えスイッチ回路127m)等を配置し、記号aと記号bとで配線を入れ替える回路を設けている。ダイオードDの極性が異なる半導体素子部品117に対しても容易に試験することができる。
同様に、トランジスタ117m、トランジスタ117sのゲート端子gとエミッタ端子eの配線を切り替えスイッチ回路127で入れ替えできるように構成する。トランジスタ117のオン電圧とオフ電圧のロジックを変更する場合等に有効である。以上の事項は他の実施例においても適用できることは言うまでもない。
ダイオードDimには、トランジスタ117mに定電流Idが流れていない期間に定電流Icmを流す。定電流Icmはトランジスタ117mのエミッタ端子emからコレクタ端子cm方向に流れる。したがって、電源電圧としては、Vpm2を正側とし、Vmm2を負側とする。
ダイオードDisには、トランジスタ117sに定電流Idが流れていない期間に定電流Icsを流す。定電流Icsはトランジスタ117sのエミッタ端子esからコレクタ端子cs方向に流れる。したがって、電源電圧としては、Vps2を正側とし、Vms2を負側とする。
トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位は、N電極端子の電位にトランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemを加算した電圧となる。したがって、トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位はトランジスタ117mのオンオフ状態、定電流Idの大きさに依存して変化する。
トランジスタ117mのゲート端子gmに印加するゲート信号Vsgは、エミッタ端子emの電位が基準となる。図18(a)に図示するように、トランジスタ117mをオンさせる電圧をVgとすれば、N電極端子のAGND電位から、Vg電圧を印加した時、トランジスタ117mがオン状態となる。
図18(a)では、0(V)電位は、トランジスタ117mをオフさせる電圧としている。Vt1電圧は、0(V)電位よりも負極性の電圧である。Vmm1電圧と基準として、負側のVt1電圧が印加される。なお、図18(a)等において、Vt1電圧は、Vt電圧として図示している。
ダイオードDimに流す電流Icmは、Vmm2電圧とVpm2電圧を電源として発生させる。Vpm2電圧は、Vmm1電圧と共通にされているため、ダイオードDmの端子の電圧は、Vmm2とVpm2の範囲であり、AGNDを基準とした電圧である。
トランジスタ117sのゲート端子gsに印加するゲート信号Vsgは、エミッタ端子esの電位が基準となる。エミッタ端子esの電位は、N電極端子のAGND電位にトランジスタ117mのチェンネル間電圧Vcemを加算した電圧となる。
図18(a)に図示するように、トランジスタ117sをオンさせる電圧をVgとすれば、トランジスタ117sがオンする電圧は、N電極端子のAGND電位にトランジスタ117mのチェンネル間電圧Vcemを加算した電圧を基準とし、Vg電圧を印加した時、トランジスタ117sがオン状態となる。
Vms1電圧は、Vmm1電圧と絶縁化され、フローティング状態である。したがって、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが変動しても、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemの変動に応じて、トランジスタ117sのエミッタ端子es電位が変動する。Vms1電圧はエミッタ端子es電位を基準として、Vps1電圧を発生する。
トランジスタ117sのゲート端子gsに印加するゲート信号Vsgは、エミッタ端子esの電位が基準となる。図18(a)に図示するように、トランジスタ117sをオンさせる電圧をVgとすれば、エミッタ端子es電位から、Vg電圧を印加した時、トランジスタ117sがオン状態となる。
Vt2電圧は、0(V)電位よりも負極性の電圧である。Vms1電圧と基準として、負側のVt2電圧が印加される。なお、図18(a)等において、Vt2電圧は、Vt電圧として図示している。
ダイオードDisに流す電流Icsは、Vms2電圧とVps2電圧を電源として発生させる。Vps2電圧は、Vms1電圧と共通にされている。ダイオードDsの端子の電圧は、Vms2とVps2の範囲である。
Vms1電圧は、Vmm1電圧と絶縁化され、フローティング状態である。また、Vms1電圧はトランジスタ117mのコレクタ端子cmと接続されている。したがって、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが変動しても、トランジスタ117sをオンさせる電圧(Vg)、オフさせる電圧(0(V))は変動しない。したがって、良好にトランジスタ117sをオンオフ制御することができる。
図13では、スイッチ回路123を電源接続配線中に配置している。スイッチ回路123はVms1電圧とVps2電圧とを接続するか、Vms1電圧とVps2電圧とを接続するかを切り替えることができる。
試験をする半導体素子部品117は多種多様である。したがって、半導体素子部品117に印加する電圧信号の電位を対応させる必要がある。
本発明では図6、図13のようにスイッチ回路123を配置あるいは設けることにより多種多様な試験に対応できる。
以上のように、本発明は、絶縁型DCDCコンバータ回路等が発生する電位の結線状態を変更できるように構成したことの特徴がある。
図14は、本発明の第2の実施例における半導体素子試験装置の電源系統の結線を説明する説明図である。図14の結線では、トランジスタ117のN電極端子はAGNDに接続される。AGNDとは一例としてアース電位である。
トランジスタ117mのエミッタ端子emとN電極端子が電気的に接続され、エミッタ端子emとVmm1端子とが接続される。
トランジスタ117sのエミッタ端子esとVms1端子とが接続される。Vmm2端子、Vms2端子は他の電源端子と絶縁され、フローティング状態である。
ダイオードDmに流す電流Icmは、Vmm2電圧とVpm2電圧を電源として発生させる。ダイオードDmの端子の電圧は、基本的にはVmm2とVpm2の範囲である。
ダイオードDsに流す電流Icsは、Vms2電圧とVps2電圧を電源として発生させる。ダイオードDsの端子の電圧は、基本的にはVms2とVps2の範囲である。
Vmm2端子の電位は、AGNDを基準とした電位に保持され、Vms2端子の電位は、トランジスタ117sのエミッタ端子esの電位を基準とした電位に保持される。
トランジスタ117mのゲート端子gmに印加するゲート信号Vsgは、エミッタ端子emの電位が基準となる。図18(a)に図示するように、トランジスタ117mをオンさせる電圧をVgとすれば、N電極端子のAGND電位から、Vg電圧を印加した時、トランジスタ117mがオン状態となる。
図18(a)に図示するように、トランジスタ117sをオンさせる電圧をVgとすれば、トランジスタ117sがオンする電圧は、N電極端子のAGND電位にトランジスタ117mのチェンネル間電圧Vcemを加算した電圧を基準とし、Vg電圧を印加した時、トランジスタ117sがオン状態となる。
Vms1電圧は、エミッタ端子esと接続され、Vmm1電圧等の他の電圧と絶縁化され、フローティング状態である。したがって、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが変動しても、トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemの変動に応じて、トランジスタ117sのエミッタ端子es電位が変動する。Vms1電圧はエミッタ端子es電位を基準として、Vps1電圧を発生する。
トランジスタ117sのゲート端子gsに印加するゲート信号Vsgは、エミッタ端子esの電位が基準となる。図18(a)に図示するように、トランジスタ117sをオンさせる電圧をVgとすれば、エミッタ端子es電位から、Vg電圧を印加した時、トランジスタ117sがオン状態となる。
他の事項は図13で説明しているので省略する。
以下、図18を参照しながら、図32で説明した半導体素子部品117の試験方法について説明する。
トランジスタ117mの温度を測定する感温ダイオードDim、トランジスタ117sの温度を測定する感温ダイオードDisには、トランジスタ117に試験電流である定電流Idを流していない時に定電流Ic(Icm、Ics)を流す。したがって、定電流Icを流すタイミングは図18(c)のSt1となる。
ダイオードDはトランジスタ117の発熱により抵抗値が変化する。ダイオードDi(Dis、Dim)に定電流Ic(Ics,Icm)を流すと、ダイオードDiの抵抗値の変化に比例してダイオードDiの端子間の電圧が変化する。端子間の電圧をモニターあるいは測定すれば、トランジスタ117の温度、または温度の変化を知ることができる。
精度よく温度係数Kを取得するには、同じロットでも、各トランジスタ117の温度係数Kを個別に測定して試験をする。温度係数Kの測定は、恒温槽の使用に限定されない。たとえば、トランジスタ117を実装したヒートシンクに流す水温を変えて温度係数Kを取得する。
試験時は、トランジスタ117に間欠的に、試験電流Idを印加する。試験電流Idをオフした直後あるいは、オフした後、短時間の所定時間の経過後、温度測定用の定電流Icを流す。
定電流Icでトランジスタ117が発熱することを防止するため、あるいは定電流Icの影響がないようにするため、定電流Icはトランジスタ117のチャンネルに流す定電流Idよりも十分に小さい電流値にする。定電流Idは、温度測定に影響を与える発熱しない程度の電流を流す。
温度を測定する時、ダイオードDiがトランジスタ117と同一チップ内に形成されている場合、ゲート信号Vsgによって飽和電圧のVn電圧が変化する場合がある。ゲート信号Vsgはゼロ(0)電圧または負電圧(マイナス電圧)とすることが好ましい。
トランジスタ117の試験時は、定電流Icは、チャンネル電流Idが流れていない時にダイオードDiに流す。つまり、トランジスタ117がオンしていない時に、定電流Icを流してダイオードDiの端子間電圧を測定する。
オペアンプ回路(バッファ回路)116は、ダイオードDiの端子電圧Vi(端子c-端子e)を出力する。なお、オペアンプ回路116は、オペアンプ回路素子から構成されるものに限定されない。入力インピーダンスが高く、出力インピーダンスが低いものであればいずれのものでもよい。
温度測定回路(図示せず)は保持されている温度係数Kと電圧Viから、試験を実施しているトランジスタ117の温度情報Tjを求める。
求められた温度情報Tjはコントローラ回路基板111(コントローラ111)に送られる。コントローラ回路基板111(コントローラ111)は、温度情報Tjが所定設定値以上のなった場合、トランジスタ117が所定のストレス状態、あるいは劣化状態となったと判断し、試験の制御変更あるいは試験の停止等を行う。
温度情報Tjは、試験開始時は、最低温度T1から最高温度T2の間を変化する。試験によりトランジスタ117にストレスがかかると、トランジスタ117のVce電圧が変化し、通常は温度情報Tjが高くなる方向に変化する。
したがって、図19(c)に図示するように、最低温度は、温度T1より上昇し、最高温度は温度情報Tm(Tjmax)に近づく。
図18(c)St1はダイオードDiに電流Ic(Ics、Icm)を流すタイミング信号であり、St1がHレベルの時、トランジスタ117のダイオードDiに電流が流れる。電圧検出回路129はダイオードDiの端子間電圧を取得し、温度測定回路(図示せず)は端子間電圧を温度情報Tjに変換する。温度情報Tjはコントローラ回路基板111(コントローラ111)に送られ、コントローラ回路基板111(コントローラ111)は温度情報Tjにしたがって、トランジスタ117(半導体素子部品117)の試験を実施する。
Idは試験を行うトランジスタ117に流れる電流であり、電源回路121が出力する電流である。St1は温度測定用のダイオードDiに測定用電流を流す時間あるいは温度の測定時間である。
図18(e)Ssaはスイッチ回路124aのオンオフ信号、図18(f)Sabはスイッチ回路124bのオンオフ信号である。なお、スイッチ回路124aを削除し、スイッチ回路124cおよびスイッチ回路124dを同時にオンさせてもよい。
Vonはスイッチ回路124をオンさせる電圧であり、0(V)はスイッチ回路124をオフ(オープン)させる電圧としている。
図18(g)Vceは、トランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)のチャンネル間電圧、温度情報Tjは測定されたトランジスタ117(トランジスタ117m、トランジスタ117s)の温度変化を示す。
図18(a)に図示するように、ゲートドライバ回路113からゲート信号Vsgがトランジスタ117のゲート端子gに印加される。ゲート信号Vsgは周期時間tcycle、オン時間tonである。周期時間tcycle、オン時間tonはゲート信号制御回路112で任意の値に設定することができる。また、オン電圧Vgも任意の電圧に設定することができる。
図18(i)Siは可変抵抗回路125に流れる電流を測定するタイミング信号である。SiがHレベルの時に可変抵抗回路125を流れる電流(ゲートリーク電流)を測定する。
図18(c)St1は、ダイオードDi(ダイオードDis、ダイオードDim)に電流Icを流すタイミング信号である。
理解を容易にするため、測定された温度情報Tjは図18(h)で示すように、T1からT2の間を変化するとして説明する。温度情報Tjはトランジスタ117に通電されることにより高くなり、通電する電流が停止すると低下する。また、温度情報Tjはトランジスタ117の特性変化にともなって変化する。
図18(f)Ssaはスイッチ回路124aのオンオフ制御信号のタイミングを示す。SsaがVonになるとスイッチ回路124aがクローズ(オン)する。0(V)の場合は、スイッチ回路124aがオープン(オフ)になり、電流あるいは電圧の印加が遮断される。
図18(e)Ssbはスイッチ回路124bのオンオフ制御信号のタイミングを示す。SsbがVonになると、スイッチ回路124bがクローズ(オン)する。0(V)の場合は、スイッチ回路124bがオープン(オフ)になる。
図18(g)Vceはトランジスタ117のチャンネル電圧(エミッタ端子とコレクタ端子間の電圧)である。理解を容易にするため、図示していないが、トランジスタ117のオンオフにともなって、サージ電圧、ザージ電流が発生し、また、トランジスタ117のオン抵抗の変化にともないVce波形が時間的に複雑に変化する。
本明細書、図面では、説明を容易にするため、あるいは作図を容易にするため、トランジスタ117がオンの時は電圧Vnになるとし、トランジスタがオフの時は電圧0(V)になるとして説明をする。
説明を容易にするため、図15(b)の動作、構成を一例として例示して説明をする。図15(b)はトランジスタ117sをダイオード接続とし、トランジスタ117mのゲート端子gmにゲート信号Vsgmを印加することにより試験を実施する例である。また、半導体素子部品117の温度は、ダイオードDimで行うとして説明をする。
ゲート信号sgは、周期tcycle、オン時間ton、オフ時間toffで試験をするトランジスタ117のゲート端子に印加される。
トランジスタ117mのゲート端子gmには、オフ電圧(0(V))、オン電圧(Vg)を印加してトランジスタ117mを制御する。ただし、トランジスタ117mをオンする前のtn2期間は、オフ電圧よりもマイナス側のVt電圧にしてもよい。また、トランジスタ117mをオフ後のtn1期間は、オフ電圧よりもマイナス側のVt電圧にしてもよい。
ダイオードDimはトランジスタ117mのエミッタ端子emとコレクタ端子cmに接続されている。ダイオードDimは図18(c)St1のタイミングで温度情報Tjが測定される。
図18(c)のSt1はダイオードDimの電流Icmを流すタイミング信号である。St1がHレベルの時、トランジスタ117mのダイオードDimに定電流Icmが流れる。電圧検出回路129mはダイオードDimの端子間電圧Vimを取得し、温度測定回路(図示せず)は端子間電圧Vimを温度情報Tjに変換する。
温度情報Tjはコントローラ回路基板111(コントローラ111)に送られ、コントローラ回路基板111(コントローラ111)は温度情報Tjにしたがって、トランジスタ117の試験を実施あるいは停止あるいは制御を変更する。
温度情報Tjはコントローラ回路基板111(コントローラ111)に送られ、コントローラ回路基板111(コントローラ111)は温度情報Tjに基づいてトランジスタ117の試験を実施する。
図11に図示するように、P電極端子(電極端子226a)にフォークプラグ205eが接続され、O電極端子(電極端子226c)にフォークプラグ205hが接続され、N電極端子(電極端子226b)にフォークプラグ205cが接続される。
ダイオードDimとダイオードDisのうち、少なくとも一方に所定の定電流が印加される。ダイオードの等価的抵抗値は温度によって変化し、所定の定電流の印加によりダイオードDiの端子電圧が変化する。この端子電圧Viの情報から温度情報Tjを求める。
図11に図示するように、トランジスタ117mのゲート端子gmとエミッタ端子em間に短絡回路137mが形成される。トランジスタ117sのゲート端子gsとエミッタ端子es間に短絡回路137sが形成される。
図11の構成と図1の構成の際は、図11では、トランジスタ117mのダイオードDimに定電流Icmを流すように、定電流回路が構成され、トランジスタ117mのコレクタ端子cmとエミッタ端子em間の電圧でダイオードDimの端子間電圧を測定する点である。また、トランジスタ117sのダイオードDisに定電流Icsを流すように、定電流回路が構成され、トランジスタ117sのコレクタ端子csとエミッタ端子es間の電圧でダイオードDisの端子間電圧を測定する点である。
ダイオードDiに定電流を流す時は、トランジスタ117をオフさせる。ダイオードDimへの定電流Icmは、トランジスタTmより引込電流として流す。ダイオードDisへの定電流Icsは、トランジスタTsより引込電流として流す。
ダイオードDimの端子間電圧は、トランジスタ117mのコレクタ端子cmとエミッタ端子emに接続された電圧検出回路129mで測定あるいは取得する。ダイオードDisの端子間電圧は、トランジスタ117sのコレクタ端子csとエミッタ端子esに接続された電圧検出回路129sで測定あるいは取得する。
トランジスタ117sのエミッタ端子es電圧は、N電極端子の電圧にトランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが加算された電圧である。トランジスタ117mのチャンネル間電圧Vcemが変動するとトランジスタ117sのエミッタ端子es電圧も変動し、ダイオードDisのアノード電圧も変動する。同様に、N電極端子電圧が変動すると、ダイオードDimのアノード電圧も変動する。
図11の本発明の構成においても、図1と同様に、電流検出回路128、電圧検出回路129、定電流設定回路130等を、回路電圧Vcから絶縁化し、また、フローティング状態に構成している。したがって、ダイオードDisの端子電圧は、トランジスタ117mのエミッタ端子em電圧が変動あるいはシフトしても、問題なく測定あるいは取得することができる。可変抵抗回路125の端子間電圧においても同様である。
本発明はその要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。本明細書および図面に記載した事項あるいは内容は、相互に組み合わせることができることは言うまでもない。
図32では、トランジスタ117mあるいはトランジスタ117sのチャンネル間にうち少なくとも一方のチャンネル間にダイオードDiが形成された半導体素子部品117を示している。
半導体素子部品117として、図31のようにダイオードD(Ds、Dm)が形成されていない場合、図32のようにチャンネル間にダイオードDi(Dis、Dim)が形成されていない場合がある。その場合は、ダイオードを使用せず、半導体素子部品117の温度情報Tjを得る必要がある。
たとえば、図32でダイオードDiがない場合、トランジスタ117sのゲート端子gsにオン電圧を印加し、トランジスタ117sのチャンネル間電圧の変化を測定して、温度情報Tjを得る(チャンネル間電圧Vceの変化より温度情報Tjを得る)。または、トランジスタ117mのゲート端子gmにオン電圧を印加し、トランジスタ117mのチャンネル間電圧の変化を測定して、温度情報Tjを得る(チャンネル間電圧Vceの変化より温度情報Tjを得る)。これらの場合は、ダイオードが存在しないため、定電流Icの発生回路は不要であることは言うまでもない。
図11では、トランジスタ117(トランジスタ117s、トランジスタ117m)のチャンネル間に定電流を印加しないが、電圧検出回路129で端子間電圧Vi(Vis、Vim)を測定して、温度情報Tjを得る。
図10は、本発明の他の実施例における半導体素子試験装置の説明図である。図9は半導体素子部品117を試験する試験回路モジュールである。試験回路モジュールを301としている。試験回路モジュール301は、図10のA、B、C部に接続される。試験回路モジュール301は各半導体素子部品117に対応して準備される。
なお、試験回路モジュール301のトランジスタ171は図31の構成だけでなく、図32の構成でもよいし、また、他の構成であってもよいことは言うまでもない。
試験回路モジュール301は、3つのスイッチ回路基板201(スイッチ回路基板201b、スイッチ回路基板201c、スイッチ回路基板201d)と接続される。図10で図示するように、スイッチ回路基板201bは試験する半導体素子部品117に対応して準備される。図10では試験回路モジュール301aにはスイッチ回路124baが配置され、試験回路モジュール301bにはスイッチ回路124bbが配置され、試験回路モジュール301cにはスイッチ回路124bcが配置される。
スイッチ回路基板201bにはスイッチ回路124dが実装されている。スイッチ回路基板201bには、導体板204dと導体板204cが取り付けられている。導体板204dは隔壁214の開口部216から挿入されたフォークプラグ205eと電気的に接続されている。フォークプラグ205dは導体板204cと電気的に接続されている。フォークプラグ205eは半導体素子部品117のP電極端子と接続されている。
O電極端子と接続されたフォークプラグ205hは隔壁214の開口部216から挿入され、導体板204fと導体板204aと電気的に接続されている。
トランジスタ117のN電極端子にはフォークプラグ205cが接続され、フォークプラグ205cは隔壁214の開口部216から挿入され、導体板204bと電気的に接続され、導体板204bは試験回路モジュール301のB部と接続されている。
スイッチ回路基板201cにはスイッチ回路124cが実装されている。スイッチ回路基板201cには、導体板204eと導体板204fが取り付けられている。導体板204eはフォークプラグ205aと電気的に接続されている。
フォークプラグ205dとフォークプラグ205aは試験回路モジュール301のA部と接続されている。
スイッチ回路基板201dにはスイッチ回路124dが実装されている。スイッチ回路基板201dには、導体板204aと導体板204bが取り付けられている。導体板204bはフォークプラグ205bと電気的に接続されている。
トランジスタ117mにはコネクタ202mが接続され、トランジスタ117sにはコネクタ202sが接続されている。試験回路モジュール301内には、短絡回路137、サンプル接続回路203、デバイス制御回路基板209を保有する。
図9の試験回路モジュール301が図10のA部、B部に配置される。図10の実施例は半導体素子部品117を3個同時に試験する実施例である。試験回路モジュール301は1つのコントローラ回路基板111で制御される。
図10において、スイッチ回路124aは図2で説明したように、半導体素子部品117のN電極端子とP電極端子間を短絡する機能を有する。
各試験回路モジュール301において、半導体素子部品117は3つのフォークプラグ205(フォークプラグ205e、フォークプラグ205h、フォークプラグ205c)でB室に配置されたスイッチ回路基板201と接続される。
図10において、電源回路121に並列して、試験を行う複数の半導体素子部品117が接続されている。
図21は、図10の本発明の半導体試験装置の動作の説明図である。一例として、試験回路モジュール301の半導体素子部品117は、図8(b)の動作をするとして記載している。図21に図示するように、試験回路モジュール301a、試験回路モジュール301b、試験回路モジュール301c、試験回路モジュール301dと順次、信号Vsgmが印加されて、トランジスタ117等が試験される。
図8(b)では、トランジスタ117sはダイオード接続され、トランジスタ117mのゲート端子gmにゲート信号Vsgmが印加される。
図10では、試験回路モジュール301aのトランジスタ117m、試験回路モジュール301bトランジスタ117m、試験回路モジュール301cトランジスタ117mのゲート端子gmにゲート信号Vsgmがtcycle周期、ton時間で印加される。tonの前後には、Ssa(スイッチ回路124a)がオンさせて、トランジスタ117のP電極端子とN電極端子間を短絡して電荷を放電させる。
また、図18(d)のタイミングで、ダイオードDmに定電流Icmが印加され、温度情報Tjが取得さえる。
以上の事項および試験方法等は、図18、図19、図20等を用いて説明しているため説明を省略する。
図32に図示する半導体素子部品117についても、図16にように試験回路モジュール301に構成され、A部、B部、C部で図10のように半導体素子試験装置が構成される。試験方法も図21と同様であるので説明を省略する。
本発明の実施例において、トランジスタ117は、IGBTを例示して説明したが、これに限定するものではない。
たとえば、NチャンネルのJFET(図33(a))、PチャンネルのJFET(図33(b))、NチャンネルのMOSFET(図33(c))、PチャンネルのMOSFET(図33(d))、NチャンネルのバイポーラFET(図33(e))、PチャンネルのバイポーラFET(図33(f))であってもよいことは言うまでもない。
また、3端子のデバイスに限定されるものではなく、図33(g)に図示するダイオード等の2端子素子であってもよい。2端子素子では、ゲート信号Vsgは必要がない。電源回路121で定電流Idを流して試験することにより、本発明の半導体素子試験装置、半導体素子の試験方法を適用できることは言うまでもない。
また、トランジスタ、ダイオードに限定されるものではなく、図33(h)に図示するサイリスタ、図33(i)に図示するトライアック等の半導体素子、バリスタ、ダイアック、あるいは、トランジスタ、ダイオード抵抗等が混載あるいは集積されたモジュールも、本発明の半導体素子試験装置、半導体素子の試験方法を適用できることは言うまでもない。
図17は、トランジスタ117mとトランジスタ117sからなる半導体素子部品117が2段に接続されたものを試験する実施例である。半導体素子部品117aと半導体素子部品117bが直列に接続されている。
図17に図示するように、図17の構成は、bブロックとaブロックからなる。bブロックおよびaブロックに関しては、本明細書および図1、図2、図23、図24等で説明している事項と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
図17の実施例において、スイッチ回路124eをオンさせることにより、bブロックの半導体素子部品117bの試験を実施できる。スイッチ回路124fをオンさせることにより、aブロックの半導体素子部品117bの試験を実施できる。
電源配線は、図4、図5、図6、図7等で説明したため省略するが、一例として、半導体素子部品117aのトランジスタ117mのエミッタ端子emはVmm2(Vmm2a)電圧とVmm1(Vmm1a)電圧に接続している。半導体素子部品117aのトランジスタ117sのエミッタ端子esはVms2(Vms2a)電圧とVms1(Vms1a)電圧に接続している。
また、半導体素子部品117bのトランジスタ117mのエミッタ端子emはVmm2(Vmm2b)電圧とVmm1(Vmm1b)電圧に接続している。半導体素子部品117bのトランジスタ117sのエミッタ端子esはVms2(Vms2b)電圧とVms1(Vms1b)電圧に接続している。
Vmm1a、Vmm2a、Vms1a、Vms2a、Vmm1b、Vmm2b、Vms1b、Vms2は絶縁型DCDCコンバータ回路で発生する。したがって、Vmm1a、Vmm2a、Vms1a、Vms2a、Vmm1b、Vmm2b、Vms1b、Vms2は互いに絶縁状態でありフローティング状態である。
図31、図32に図示するように、半導体素子部品117はトランジスタ117sとトランジスタ117mが直列に接続されたものを例示した。しかし、本発明の半導体素子部品117の試験装置および試験装置はこれに限定されるものではない。
たとえば、図31または図32において、トランジスタ117sまたはトランジスタ117mの一方のみを有する半導体素子部品117についても本発明の技術的範疇である。たとえば、図31において、トランジスタ117mとダイオードDmのみを有する構成で、トランジスタ117mのゲートドライバ回路113の電源回路と、ダイオードDmに定電流を印加する定電流回路の電源回路とを電気的に絶縁、あるいはフローティングにする構成が例示される。
以上、本明細書において、実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
本明細書および図面に記載した事項あるいは内容は、相互に組み合わせることができることは言うまでもない。
本発明は、第1のトランジスタ117mをオンオフさせる信号を発生する第1のゲートドライバ回路の第1の電源電圧と、第2のトランジスタ117sをオンオフさせる信号を発生する第2のゲートドライバ回路の第2の電源電圧は、各他の電源電圧に対して絶縁化(フローティング)となるように構成されている。トランジスタ117m、トランジスタ117sのゲート端子の信号電位は、過大な電圧となることはなく、既定の信号あるいは端子電位となる。
また、トランジスタ等の半導体素子の試験内容、半導体素子の同時試験数に応じて、容易に接続変更でき、試験時に発生するノイズ対策を良好に実現できる半導体素子試験装置および半導体試験方法を提供できる。
111 コントローラ回路基板(コントローラ)
112 ゲート信号制御回路
113 ゲートドライバ回路
115 温度測定回路(図示せず)
116 オペアンプ回路(バッファアンプ)
117 パワートランジスタ
121 電源回路
122 スイッチ回路
123 スイッチ回路
124 スイッチ回路
125 可変抵抗回路
126 可変抵抗回路
127 切り替えスイッチ回路
128 電流検出回路
129 電圧検出回路
130 定電流設定回路
131 制御ラック
132 電源装置
133 制御回路
134 加熱冷却プレート
135 循環水パイプ
136 チラー
137 短絡回路
138 絶縁型DCDCコンバータ回路
201 スイッチ回路基板
202 コネクタ
203 サンプル接続回路
204 導体板
205 フォークプラグ
206 接続ピン
207 マザー基板
208 コネクタ
209 デバイス制御回路基板
210 筐体
211 接続配線
212 電源配線
213 コネクタ
214 隔壁
215 隔壁
216 開口部
217 隔壁
219 接続ボルト
220 接触部
221 固定ネジ
222 信号配線
225 接点部
226 素子端子
235 信号配線
301 試験回路モジュール
302 電圧選択回路
311 選択スイッチ
312 選択スイッチ
313 選択スイッチ
314 熱電対
315 コネクタ
スイッチ回路124cはスイッチ回路基板201cに配置されている。スイッチ回路基板201cには、導体板204eおよび導体板204取り付けられている。フォークプラグ205aは導体板204eと電気的に接続されている。
スイッチ回路124は、トランジスタ117のVsg信号がVgになってから、tm2時間遅れてオンする。tm2時間はコントローラ回路基板111(コントローラ111)により変更設定できるように構成されている。
スイッチ回路124がオンする前のtb2時間前にスイッチ回路124がオンする。スイッチ回路124がオンしてからtb1時間後までスイッチ回路124aのオン状態は維持される。tb2時間、tb1時間は独立して変更設定できるように構成されている。
特に、tb1の設定は重要である。tb1の時間は、トランジスタ117のVce電圧の波形を観察して、適正に設定あるいは変更する。
スイッチ回路124は、トランジスタ117のVsg信号がVtになるtm1時間前にオフする。tm1時間はコントローラ回路基板111(コントローラ111)により変更設定できるように構成されている。
スイッチ回路124がオフする前のta2時間前にスイッチ回路124がオンする。スイッチ回路124がオフしてからta1時間後までスイッチ回路124のオン状態は維持される。ta2時間、ta1時間は独立して変更設定できるように構成されている。
特に、ta1の設定は重要である。ta1の時間は、トランジスタ117のVce電圧の波形を観察あるいは測定して、適正に設定あるいは変更する。
上記の電圧の関係が所定値になった時刻(tb2経過後)で、スイッチ回路124をオンさせて、電源回路121からの電流Idを印加する。しかし、このときは、スイッチ回路124がオンしているため、電源回路121からの電流Idは、スイッチ回路124を介して電流Imとしてグランド(接地ライン)に流れる。したがって、トランジスタ117には定電流Idは流れない。
スイッチ回路124がオンしてから、tb1時間経過後、スイッチ回路124がオフし、試験電流Idがトランジスタ117に供給される。
トランジスタ117への試験電流Idの停止時は、スイッチ回路124のオフさせるta2前にスイッチ回路124をオンさせる。スイッチ回路Ssを介して、電源回路121が出力する定電流Idは電流ImあるいはIm’としてグランドに流れ、トランジスタ117には供給されない。
上記の電圧の関係が所定値になった時刻(ta2経過後)で、スイッチ回路124をオフさせる。スイッチ回路124がオフしてから、ta1時間経過後、スイッチ回路124がオフされる。
図18(e)Ssaはスイッチ回路124aのオンオフ信号、図18(f)Sbはスイッチ回路124bのオンオフ信号である。なお、スイッチ回路124aを削除し、スイッチ回路124cおよびスイッチ回路124dを同時にオンさせてもよい。
Vonはスイッチ回路124をオンさせる電圧であり、0(V)はスイッチ回路124をオフ(オープン)させる電圧としている。

Claims (12)

  1. 第1のトランジスタと第2のトランジスタを有する半導体素子の試験装置であって、
    前記第1のトランジスタは、第1のゲート端子と第1の端子と第2の端子を有し、
    前記第2のトランジスタは、第2のゲート端子と第3の端子と第4の端子を有し、
    前記第1のトランジスタの第2の端子と、前記第2のトランジスタの第3の端子が接続され、
    前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタのうち、少なくとも一方のトランジスタ近傍に形成または配置されたダイオードを有し、
    前記第1のトランジスタの第1のゲート端子に印加するゲート信号発生回路の第1の電圧発生回路と、
    前記第2のトランジスタの第2のゲート端子に印加するゲート信号発生回路の第2の電圧発生回路と、
    前記ダイオードに印加する定電流を発生する定電流発生回路の第3の電圧発生回路を具備し、
    前記第1の電圧発生回路と前記第2の電圧発生回路は、電気的に絶縁されており、
    前記第3の電圧発生回路は、少なくとも前記第1の電圧発生回路または前記第2の電圧発生回路と電気的に絶縁されていることを特徴とする電気素子試験装置。
  2. 第1のトランジスタと第2のトランジスタを有する電気素子の試験装置であって、
    前記第1のトランジスタは、第1のゲート端子と第1の端子と第2の端子を有し、
    前記第2のトランジスタは、第2のゲート端子と第3の端子と第4の端子を有し、
    前記第1のトランジスタの第2の端子と、前記第2のトランジスタの第3の端子が接続され、
    前記第1のトランジスタの第1のゲート端子に印加するゲート信号発生回路の第1の電圧発生回路と、
    前記第2のトランジスタの第2のゲート端子に印加するゲート信号発生回路の第2の電圧発生回路と、
    前記第1のトランジスタの第1の端子と第2の端子間の電圧と、前記第2のトランジスタの第3の端子と第4の端子間の電圧のうち、少なくとも一方の電圧を測定あるいは検出する電圧検出回路の第3の電圧発生回路を具備し、
    前記第1の電圧発生回路と前記第2の電圧発生回路は、電気的に絶縁されており、
    前記第3の電圧発生回路は、少なくとも前記第1の電圧発生回路または前記第2の電圧発生回路と電気的に絶縁されていることを特徴とする電気素子試験装置。
  3. 前記第1のゲート端子と前記第2のゲート端子のうち、少なくとも一方の端子に流れる電流を測定または検出する電流検出回路を更に具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気素子試験装置。
  4. 前記ゲート信号発生回路は、前記トランジスタをオンさせる第1の信号と、前記トランジスタをオフさせる第2の信号および第2の信号を発生することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気素子試験装置。
  5. 前記第1のトランジスタの第1の端子と第2の端子間を短絡する第1のスイッチ回路と、
    前記第2のトランジスタの第3の端子と第4の端子間を短絡する第2のスイッチ回路を更に具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気素子試験装置。
  6. 前記第1のトランジスタの第1の端子に、第1の接続金具が電気的に接続され、
    前記第2のトランジスタの第4の端子に、第2の接続金具が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気素子試験装置。
  7. 前記スイッチ回路のアドレスを規定する選択スイッチを更に具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気素子試験装置。
  8. トランジスタの温度を測定する熱電対を更に具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気素子試験装置。
  9. 第1のトランジスタが第1のゲート端子と第1の端子と第2の端子を有し、
    第2のトランジスタが第2のゲート端子と第3の端子と第4の端子を有し、
    前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタのうち、少なくとも一方のトランジスタ近傍に形成または配置されたダイオードを有し、
    前記第1のトランジスタの第2の端子と、前記第2のトランジスタの第3の端子が接続された電気素子の試験方法であって、
    前記第2のトランジスタの第4の端子と前記第2のゲート端子間に、前記第2のトランジスタをオンまたはオフさせる第2のゲート信号を印加できるように構成され、
    前記第1のトランジスタの第2の端子と前記第1のゲート端子間に、前記第1のトランジスタをオンまたはオフさせる第1のゲート信号を印加できるように構成され、前記第1のゲート信号は前記第2のトランジスタの第3の端子の電位を基準とし、
    前記ダイオードの端子間電圧を測定または検出することを特徴とする電気素子の試験方法。
  10. 第1のトランジスタが第1のゲート端子と第1の端子と第2の端子を有し、
    第2のトランジスタが第2のゲート端子と第3の端子と第4の端子を有し、
    前記第1のトランジスタの第2の端子と、前記第2のトランジスタの第3の端子が接続された電気素子の試験方法であって、
    前記第2のトランジスタの第4の端子と前記第2のゲート端子間に、前記第2のトランジスタをオンまたはオフさせる第2のゲート信号を印加できるように構成され、
    前記第1のトランジスタの第2の端子と前記第1のゲート端子間に、前記第1のトランジスタをオンまたはオフさせる第1のゲート信号を印加できるように構成され、前記第1のゲート信号は前記第2のトランジスタの第3の端子の電位を基準とし、
    前記第1のトランジスタの第1の端子と第2の端子間の電圧と、前記第2のトランジスタの第3の端子と第4の端子間の電圧のうち、少なくとも一方の電圧を測定あるいは検出することを特徴とする電気素子の試験方法。
  11. 第1のスイッチ回路と、第2のスイッチ回路を有し、
    前記第1のトランジスタの第1の端子が、前記第1のスイッチ回路に接続され、
    前記第2のトランジスタの第2の端子が、第2にスイッチ回路と接続されていることを特徴とする請求項9または請求項10記載の電気素子の試験方法。
  12. 前記第1のトランジスタの第1の端子に、第1の接続金具が電気的に接続され、
    前記第2のトランジスタの第4の端子に、第2の接続金具が電気的に接続されていることを特徴とする請求項9または請求項10記載の電気素子の試験方法。
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