JP2023123006A - 複合粒子 - Google Patents

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Yasushi Yabuhara
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Abstract

【課題】強度に優れ、簡便な方法により作製でき、作製時の環境負荷も抑制された複合粒子を提供する。【解決手段】複合粒子5は、少なくとも1種類のポリマーを含むコア粒子3と、コア粒子と不可分に結合してコア粒子の表面上に配置された微細化セルロースを含み、コア粒子の外面を覆う微細化セルロース層1とを備える。走査型プローブ顕微鏡を用いて測定した、前記複合粒子の表面弾性率Eaと、前記微細化セルロース層を有さない前記コア粒子の表面弾性率Ebとの比Ea/Ebは、1.05以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、複合粒子、より詳しくは、微細化セルロースとコア粒子とを含む複合粒子に関する。
近年、木材中のセルロース繊維を、その構造の少なくとも一辺がナノメートルオーダーになるまで微細化し、新規な機能性材料として利用しようとする試みが活発に行われている。
例えば、特許文献1には、木材セルロースに対しブレンダーやグラインダーによる機械処理を繰り返すことで、微細化セルロース繊維、すなわちセルロースナノファイバー(以下、「CNF」と称する。)が得られることが開示されている。この方法で得られるCNFは、短軸径が10~50nm、長軸径が1μm~10mmであると記載されている。このCNFは、鋼鉄の1/5の軽さで5倍以上の強さを誇り、250m/g以上の膨大な比表面積を有することから、樹脂強化用フィラーや吸着剤としての利用が期待されている。
CNFの製造において、木材中のセルロース繊維を微細化しやすいように予め化学処理したのち、家庭用ミキサー程度の低エネルギー機械処理により微細化する試みが活発に行われている。上記化学処理の方法は特に限定されないが、セルロース繊維にイオン性官能基を導入して微細化しやすくする方法が好ましい。セルロース繊維にイオン性官能基が導入されることによってセルロースミクロフィブリル構造間に浸透圧効果で溶媒が浸入しやすくなり、セルロース原料の微細化に要するエネルギーを大幅に減少することができる。
上記イオン性官能基の導入方法は特に限定されないが、例えば非特許文献1には、リン酸エステル化処理を用いて、セルロースの微細繊維表面を選択的にリン酸エステル化処理する方法が開示されている。特許文献2には、高濃度アルカリ水溶液中でセルロースをモノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムと反応させることによりカルボキシメチル化することが開示されている。オートクレーブ中でガス化したマレイン酸やフタル酸等の無水カルボン酸系化合物とセルロースとを直接反応させてカルボキシ基を導入してもよい。
また、比較的安定なN-オキシル化合物である2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-1-オキシラジカル(TEMPO)を触媒として用い、セルロースの微細繊維表面を選択的に酸化する方法も報告されている(例えば、特許文献3参照。)。TEMPOを触媒として用いる酸化反応(TEMPO酸化反応)は、水系、常温、常圧で進行する環境調和型の化学改質が可能であり、木材中のセルロースに適用した場合、結晶内部には反応が進行せず、結晶表面のセルロース分子鎖が持つアルコール性1級炭素のみを選択的にカルボキシ基へと変換することができる。
TEMPO酸化によって選択的に結晶表面に導入されたカルボキシ基同士の電離に伴う浸透圧効果により、溶媒中で一本一本のセルロースミクロフィブリル単位に分散させた、セルロースシングルナノファイバー(以下CSNFとも称する)が得られる。CSNFは表面のカルボキシ基に由来した高い分散安定性を示す。木材からTEMPO酸化反応によって得られる木材由来のCSNFは、短軸径が3nm前後、長軸径が数十nm~数μmに及ぶ高アスペクト比を有する構造体であり、その水分散液および成形体は高い透明性を有することが報告されている。
前述のように、様々な手法を用いて作製可能なCNFは、鋼鉄の1/5の軽さで5倍以上の強さを誇り、250m/g以上の膨大な比表面積を有することから、例えばフィラーとして樹脂と混練することにより、樹脂の軽量化および高強度化が期待される。また、CNFは線熱膨張係数が低いため、CNFを樹脂中に分散させることで、樹脂の熱寸法安定性を向上させることも可能である(例えば、特許文献4を参照)。
一方、CNFの実用化に向けては、得られるCNF分散液の固形分濃度が0.1~5%程度と低くなってしまうことが課題である。特に、樹脂強化用の添加剤として用いる場合、溶媒である水が樹脂と馴染まないため複合化が困難となるという問題もある。
この問題に関し、単純に熱乾燥などで微細化セルロース分散液の溶媒を除去してしまうと、微細化セルロース同士が凝集・角質化し、あるいは膜化してしまい、添加剤として使用した際に期待する機能が安定して発現しない場合がある。さらにCNFの固形分濃度が低いため、乾燥による溶媒除去工程自体に多大なエネルギーがかかってしまうことも事業性へのハードルとなる。
このように、CNFを分散液の状態で取り扱うこと自体が事業性への課題となっており、CNFを容易に取り扱うことができる新たな態様を提供することが強く望まれている。
CNFを容易に取り扱うことができる新たな態様として、特許文献5には、セルロース繊維により構成される被覆層と、被覆層に覆われたポリマーとを含む複合粒子が記載されている。この複合粒子において、セルロース繊維とポリマーとは一体化しているため、ろ過により簡単に分離でき、粉体として流通できる。粉体の再分散性も良好である。
一方、液晶表示素子用面内スペーサー、液晶表示素子用シール部スペーサー、EL表示素子用スペーサー、タッチパネル用スペーサー、セラミックやプラスチック等の各種基板間の隙間を均一に保持し得る隙間保持材等の隙間距離保持用スペーサー等として、ゾルゲル法で製造したシリカ粒子や、シリカ粒子を焼結したもの、スチレン系モノマーなどを懸濁重合させて得られるポリマー粒子などが知られている。これらの粒子は、比較的粒度分布が小さく、真球状であり、簡便に作製できる利点があるが、問題点も存在する。
ゾルゲル法で作製されたシリカ粒子を焼成した粒子は非常に硬く、変形性が乏しいため、液晶表示版などを作製するためにプレス加工を行うと、基板上の電極等の蒸着層、配向膜、カラーフィルター等のコート層に物理的損傷を与え、画像ムラやTFTの断線による画素欠陥を生じさせることがある。この粒子を焼成したものは、液晶との熱膨張係数の差が大きいため、適用した液晶表示板が例えばマイナス40℃等の低温環境に曝された場合、液晶の収縮程度に粒子の収縮が追従できず、液晶層と電極基板との間に空隙が生じて表示機能が全く作動しないという問題を生じることがある。
焼成を行わずゾルゲル法で製造されたシリカ粒子をそのまま使用する場合は、焼成したシリカ粒子に比べ硬さは低下するが、押しつぶされ変形した状態からの復元力が低いため、液晶表示板のスペーサーとして用いた際に、表示板に圧をかけた後にシリカ粒子が変形したままの状態となってしまい、隙間距離が不均一となり画像ムラを発生させてしまう可能性がある。さらに、未焼成のシリカ粒子もシリカ焼成物粒子と同様に、液晶層と電極基板との間に空隙が生じて表示機能が全く作動しないという問題を起こす可能性もある。
スチレン系ポリマー粒子は、シリカ粒子などの無機系粒子に比べて柔らかいため、散布量を多くしなくてはならない。また、ポリマー粒子を作製する場合に用いられる方法としては界面活性剤を用いてエマルション化させたモノマーを重合させる方法が多く、作製過程の各工程で泡トラブルを引き起こし、また、界面活性剤の系外流出による廃水負荷も問
題となっている。
特開2010-216021号公報 国際公開第2014/088072号 特開2008-001728号公報 特開2008-007646号公報 特開2019-038949号公報
Noguchi Y, Homma I, Matsubara Y. Complete nanofibrillation of cellulose prepared by phosphorylation. Cellulose. 2017;24:1295.10.1007/s10570-017-1191-3
前記のように、現在各種スペーサーとして使用されている粒子は、いずれも改善の余地があり、よりよい材料の登場が期待されている。
前記事情を踏まえ、本発明は、強度に優れ、簡便な方法により作製でき、作製時の環境負荷も抑制され、また分散性にも優れた複合粒子を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、少なくとも1種類のポリマーを含むコア粒子と、前記コア粒子と不可分に結合して前記コア粒子の表面上に配置された微細化セルロースを含み、前記コア粒子の外面を覆う微細化セルロース層と、を備えた複合粒子であって、前記複合粒子の前記微細化セルロース層の被覆割合である被覆率が10%以上であることを特徴とする。
また、前記コア粒子は、ビニル基を有するモノマーの重合体であることを特徴とする請求項1に記載の複合粒子。
また、前記コア粒子は、(メタ)アクリル基を有するモノマーの重合体であることを特徴とする。
また、前記モノマーは、2つ以上の重合性官能基を有する多官能モノマーであることを特徴とする。
また、前記コア粒子がジビニルベンゼンの重合体であることを特徴とする。
本発明によれば、強度に優れ、簡便な方法により作製でき、作製時の環境負荷も抑制された複合粒子を提供できる。
本発明の一実施形態に係る複合粒子の模式断面図である。 本発明の実施例に係る複合粒子の走査電子顕微鏡像である。 本発明の実施例に係る複合粒子の走査電子顕微鏡像である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下に説明する各図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適宜省略する。また、本実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<複合粒子>
まず、本発明の第一実施形態に係る複合粒子について説明する。
図1に、本実施形態に係る複合粒子3の模式断面図を示す。複合粒子3は、少なくとも一種類のポリマーを含むコア粒子2と、コア粒子2の表面を覆う微細化セルロース層1とを備える。複合粒子3において、微細化セルロース層1を構成する微細化セルロースは、コア粒子3と結合しており不可分の状態にある。
複合粒子3は、コア粒子の材料を含むエマルションを用いて作製できる。微細化セルロースの分散液に分散した少なくとも一種類の重合性モノマーまたは/およびポリマーからなる液滴(以下、「コア粒子前駆体」と称する)の周囲に微細化セルロースが吸着することによって、O/W型ピッカリングエマルションが安定化される。安定化状態を維持したままエマルション内部のコア粒子前駆体を固体化することによって、エマルションを鋳型として複合粒子3を作製できる。
ここで、「エマルションの安定化状態」とは、長時間(例えば12時間)静置してもエマルションの液滴サイズが変化しない状態を意味する。エマルションが不安定であると、一部の液滴同士が時間経過とともに合一することで、液滴の粒度分布が初期に比べて大きい方へ推移したり、粒度分布にばらつきが生じたり、場合によっては油相と水相の分離が生じたりする。その結果、得られる複合粒子が不均一となったり、粒子形態として回収することができなくなり、複合粒子としての収率が低くなったりすることがある。
コア粒子前駆体と微細化セルロース分散液との界面に微細化セルロースが吸着してO/W型ピッカリングエマルションが安定化するメカニズムについては、吸着による界面エネルギーの低下による作用が関係していると考えられている。微細化されサブミクロンオーダーとなった固体粒子である微細化セルロースは、物理的な力によりコア粒子前駆体の界面に吸着され、水相に対してセルロースの障壁を形成する。一度吸着し界面を形成すると、脱着にはより大きなエネルギーが必要になるため、エマルション構造は安定化する。
さらに、微細化セルロースは両親媒性があるため、疎水性を有するコア粒子前駆体に対して微細化セルロースの疎水性部分が吸着し、微細化セルロースの親水性部分が微細化セルロース分散液側に向くことにより、液滴界面の安定化が向上するといった作用も推察される。この界面における吸着力は、固体粒子の油相と水相への親和性の高さ、つまり微細化セルロースのコア粒子前駆体に対する親和性と微細化セルロースの分散液に対する親和性との両方に依存する。
前記「不可分」とは、例えば、複合粒子を含む分散液を遠心分離処理して上澄みを除去し、さらに溶媒を加えて再分散することで複合粒子を精製・洗浄する操作、あるいはメンブレンフィルターを用いたろ過洗浄によって繰り返し溶媒による洗浄する操作を繰り返した後であっても、微細化セルロースとコア粒子とが分離せず、微細化セルロース層によるコア粒子の被覆状態が保たれることを意味する。
微細化セルロース層1によるコア粒子2の被覆状態は、走査型電子顕微鏡(SEM)による複合粒子の表面観察により確認することができる。微細化セルロースとコア粒子2とが不可分に結合する詳細なメカニズムについては明らかになっていないが、複合粒子3は、微細化セルロースによって安定化されたO/W型エマルションを鋳型として作製されるため、エマルション内部の液滴に微細化セルロースが接触した状態で液滴6の固体化が進むと、微細化セルロースの一部が液滴に位置したまま固定化されて、最終的にコア粒子2と微細化セルロースとが不可分に結合すると考えられる。O/W型エマルションは、水中油滴型(Oil-in-Water)とも言われ、水を連続相とし、その中に油が油滴(油粒子)として分散しているものである。
複合粒子は、微細化セルロースによって安定化されたO/W型エマルションを鋳型として作製されるため、O/W型エマルションの油滴の形状に由来した粒状となる。詳細には、粒状のコア粒子の表面に微細化セルロース層が比較的均一な厚みで形成された態様となる。微細化セルロース層の平均厚みは、複合粒子を包埋樹脂で固定したものをミクロトームで切削してSEM観察を行い、画像中の複合粒子の断面像における微細化セルロース層の厚みを画像上で100箇所ランダムに測定し、平均値を取ることで算出できる。微細化セルロース層の厚さは比較的安定しており、例えば変動係数は0.5以下であり、0.4以下となる場合もある。
微細化セルロースは、ミクロフィブリル構造由来の繊維形状であることが好ましい。具体的には、微細化セルロースは繊維状であって、数平均短軸径が1nm以上1000nm以下、数平均長軸径が50nm以上であり、かつ数平均長軸径が数平均短軸径の5倍以上であることが好ましい。また、微細化セルロースの結晶構造は、セルロースI型であることが好ましい。
<複合粒子の製造方法>
次に、複合粒子の製造方法について説明する。本実施形態に係る複合粒子の製造方法は、セルロース原料を解繊して微細化セルロース分散液を得る工程(第1工程)と、微細化セルロースの分散液中においてコア粒子前駆体の表面の少なくとも一部を微細化セルロースで覆い、コア粒子前駆体をエマルションとして安定化させる工程(第2工程)と、コア粒子前駆体の表面の少なくとも一部が微細化セルロースで覆われた状態で、コア粒子前駆体を固体化してコア粒子とする工程(第3工程)と、を有する。
前記第3工程が終了すると、複合粒子の分散体が得られる。この分散体から液体を除去すると、複合粒子の乾燥固形物が得られる。液体の除去方法は特に限定されず、例えば遠心分離法やろ過法によって余剰の水分を除去し、さらにオーブンで熱乾燥することで液体を除去できる。このとき、得られる乾燥固形物は膜状や凝集体状にはならず、きめ細やかな粉体として得られる。この理由は定かではないが、通常微細化セルロース分散体から液体を除去すると、微細化セルロース同士が強固に凝集、膜化することが知られているところではあるが、複合粒子を含む分散液の場合は、微細化セルロースが表面に固定化されているため、液体を除去しても微細化セルロース同士が凝集することなく、複合粒子間の点と点で接するのみであるためと考えられる。乾燥固形物においては、複合粒子同士も凝集していないため、再び分散媒に再分散させることも容易であり、再分散後も複合粒子の表面に結合された微細化セルロースにより安定した分散状態を維持する。
乾燥固形物とすることで、固形分率を80%以上とすることができ、95%以上とすることもできる。これにより、分散体に比べて輸送費の削減、腐敗防止、添加率向上、樹脂との混練効率向上、といった種々の利点が得られる。微細化セルロースは吸湿しやすいため、乾燥固形物の作製後に空気中の水分を吸着して固形分率が経時的に低下する可能性があるが、これにより固形分率が80%未満となった場合も、本発明の技術的範囲に含まれ
ると定義する。
上述した各工程について詳細に説明する。
(第1工程)
第1工程では、セルロース原料を分散媒中で解繊して微細化セルロース分散液を得る。まず、各種セルロース原料を分散媒中に分散し、懸濁液とする。懸濁液中のセルロース原料の濃度としては0.1%以上10%未満が好ましい。懸濁液中のセルロース原料の濃度が0.1%未満であると、溶媒過多となり生産性を損なう傾向があるため好ましくない。また、懸濁液中のセルロース原料の濃度が10%以上になると、セルロース原料の解繊に伴い懸濁液が急激に増粘し、均一な解繊処理が困難となる傾向があるため好ましくない。懸濁液作製に用いる分散媒としては、水を50%以上含むことが好ましい。懸濁液中の水の割合が50%未満になると、微細化セルロースが充分分散されなくなる傾向がある。
続いて、懸濁液に物理的解繊処理を施して、セルロース原料を微細化する。物理的解繊処理の方法としては特に限定されないが、例えば、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、ボールミル、ロールミル、カッターミル、遊星ミル、ジェットミル、アトライター、グラインダー、ジューサーミキサー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、ナノジナイザー、水中対向衝突などの機械的処理が挙げられる。このような物理的解繊処理を行うことで、懸濁液中のセルロースが微細化され、その構造の少なくとも一辺がナノメートルオーダーになるまで微細化された微細化セルロースの分散液を得ることができる。また、このときの物理的解繊処理の時間や回数により、得られる微細化セルロースの数平均短軸径及び数平均長軸径を調整することができる。
微細化セルロースは、ミクロフィブリル構造由来の繊維形状であるため、本実施形態の製造方法に用いる微細化セルロースとしては、以下に示す範囲にある繊維形状のものが好ましい。すなわち、繊維状の微細化セルロースは、短軸径において数平均短軸径が1nm以上1000nm以下であればよく、好ましくは2nm以上500nm以下であればよい。ここで、数平均短軸径が1nm未満では高結晶性の剛直な繊維構造をとることができず、エマルションの安定化と、エマルションを鋳型とした重合反応やポリマーの固体化等による複合粒子3の形成が難しくなる傾向がある。一方、短軸径において数平均短軸径が1000nmを超えると、エマルションを安定化させるにはサイズが大きくなり過ぎるため、得られる複合粒子3のサイズや形状を制御することが困難となる傾向がある。また、数平均長軸径においては特に制限はないが、好ましくは数平均短軸径の5倍以上であればよい。数平均長軸径が数平均短軸径の5倍未満であると、複合粒子3のサイズや形状を十分に制御することが困難となる傾向があるために好ましくない。
なお、微細化セルロースの数平均短軸径は、例えば、透過型電子顕微鏡観察又は原子間力顕微鏡観察により100本の繊維の短軸径(最小径)を測定し、その平均値として求められる。一方、微細化セルロースの数平均長軸径は、例えば、透過型電子顕微鏡観察又は原子間力顕微鏡観察により100本の繊維の長軸径(最大径)を測定し、その平均値として求められる。
微細化セルロースの原料として用いることができるセルロースの種類や結晶構造も特に限定されない。具体的には、セルロースI型結晶からなる原料として、例えば、木材系天然セルロースに加えて、コットンリンター、竹、麻、バガス、ケナフ、バクテリアセルロース、ホヤセルロース、バロニアセルロースといった非木材系天然セルロースを用いることができる。さらには、セルロースII型結晶からなるレーヨン繊維、キュプラ繊維に代表される再生セルロースも用いることができる。材料調達の容易さからは、木材系天然セルロースを原料とすることが好ましい。木材系天然セルロースとしては、特に限定されず、例えば、針葉樹パルプや広葉樹パルプ、古紙パルプ、など、一般的にセルロースナノファイバーの製造に用いられるものを用いることができる。精製及び微細化のしやすさから、針葉樹パルプが好ましい。
さらに微細化セルロース原料は化学改質されていることが好ましい。より具体的には、微細化セルロース原料の結晶表面にアニオン性官能基が導入されていることが好ましい。セルロース結晶表面にアニオン性官能基が導入されていることによって浸透圧効果でセルロース結晶間に溶媒が浸入しやすくなり、セルロース原料の微細化が進行しやすくなるためである。
セルロースの結晶表面に導入されるアニオン性官能基の種類や導入方法は特に限定されず、カルボキシ基、リン酸基等が好ましい。セルロース結晶表面への選択的な導入のしやすさからは、カルボキシ基がより好ましい。
セルロースの繊維表面にカルボキシ基を導入する方法は、特に限定されない。具体的には、例えば、高濃度アルカリ水溶液中でセルロースをモノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムと反応させることによりカルボキシメチル化を行ってもよい。また、オートクレーブ中でガス化したマレイン酸やフタル酸等の無水カルボン酸系化合物とセルロースを直接反応させてカルボキシ基を導入してもよい。さらには、水系の比較的温和な条件で、可能な限り構造を保ちながら、アルコール性一級炭素の酸化に対する選択性が高い、TEMPOをはじめとするN-オキシル化合物の存在下、共酸化剤を用いた手法を用いてもよい。カルボキシ基導入部位の選択性及び環境負荷低減のためにはN-オキシル化合物を用いた酸化がより好ましい。
ここで、N-オキシル化合物としては、例えば、TEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-1-オキシラジカル)、2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-オキシル、4-メトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル、4-エトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル、4-アセトアミド-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル、等が挙げられる。そのなかでも、反応性が高いTEMPOが好ましい。N-オキシル化合物の使用量は、触媒としての量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分に対して0.01~5.0質量%程度である。
N-オキシル化合物を用いた酸化方法としては、例えば木材系天然セルロースを水中に分散させ、N-オキシル化合物の共存下で酸化処理する方法が挙げられる。このとき、N-オキシル化合物とともに、共酸化剤を併用することが好ましい。この場合、反応系内において、N-オキシル化合物が順次共酸化剤により酸化されてオキソアンモニウム塩が生成し、上記オキソアンモニウム塩によりセルロースが酸化される。この酸化処理によれば、温和な条件でも酸化反応が円滑に進行し、カルボキシ基の導入効率が向上する。酸化処理を温和な条件で行うと、セルロースの結晶構造を維持しやすい。
共酸化剤としては、例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸や過ハロゲン酸、又はそれらの塩、ハロゲン酸化物、窒素酸化物、過酸化物など、酸化反応を推進することが可能であれば、いずれの酸化剤も用いることができる。入手の容易さや反応性から、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。上記共酸化剤の使用量は、酸化反応を促進することができる量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分に対して1~200質量%程度である。
また、N-オキシル化合物及び共酸化剤とともに、臭化物及びヨウ化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに併用してもよい。これにより、酸化反応を円滑に進行させることができ、カルボキシ基の導入効率を改善することができる。このような
化合物としては、臭化ナトリウム又は臭化リチウムが好ましく、コストや安定性から、臭化ナトリウムがより好ましい。化合物の使用量は、酸化反応を促進することができる量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分に対して1~50質量%程度である。
酸化反応の反応温度は、4℃以上80℃以下が好ましく、10℃以上70℃以下がより好ましい。酸化反応の反応温度が4℃未満であると、試薬の反応性が低下し反応時間が長くなってしまう傾向がある。酸化反応の反応温度が80℃を超えると副反応が促進して試料であるセルロースが低分子化して高結晶性の剛直な繊維構造が崩壊し、O/W型エマルションの安定化剤として用いることが困難となる傾向がある。また、酸化処理の反応時間は、反応温度、所望のカルボキシ基量等を考慮して適宜設定でき、特に限定されないが、通常、10分~5時間程度である。
酸化反応時の反応系のpHは特に限定されないが、9~11が好ましい。pHが9以上であると反応を効率良く進めることができる。pHが11を超えると副反応が進行し、試料であるセルロースの分解が促進されてしまうおそれがある。また、酸化処理においては、酸化が進行するにつれて、カルボキシ基が生成することにより系内のpHが低下してしまうため、酸化処理中、反応系のpHを9~11に保つことが好ましい。反応系のpHを9~11に保つ方法としては、例えば、pHの低下に応じてアルカリ水溶液を添加する方法が挙げられる。
アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、TMAH)水溶液、水酸化テトラエチルアンモニウム(テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、TEAH)水溶液、水酸化テトラブチルアンモニウム(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、TBAH)水溶液、水酸化トリメチルアンモニウム水溶液などの有機オニウム化合物などが挙げられる。コストなどの面から水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
N-オキシル化合物による酸化反応は、例えば、反応系にアルコールを添加することにより停止させることができる。このとき、反応系のpHは上記の範囲内に保つことが好ましい。添加するアルコールとしては、例えば、反応をすばやく終了させるためメタノール、エタノール、プロパノールなどの低分子量のアルコールが好ましく、反応により生成される副産物の安全性などから、エタノールが特に好ましい。
酸化処理後の反応液は、そのまま微細化工程に供してもよいが、N-オキシル化合物等の触媒、不純物等を除去するために、反応液に含まれる酸化セルロースを回収し、洗浄液で洗浄することが好ましい。酸化セルロースの回収は、例えば、ガラスフィルターや20μm孔径のナイロンメッシュを用いたろ過等の公知の方法により実施できる。酸化セルロースの洗浄に用いる洗浄液としては純水が好ましい。
得られた酸化セルロースに対し解繊処理を行うと、3nm前後の均一な繊維幅を有する酸化セルロースナノファイバー(以下、セルロースシングルナノファイバー、CSNFとも称する。)が得られる。CSNFを複合粒子3における微細化セルロースの原料として用いると、その均一な構造に由来して、得られるO/W型エマルションの粒径も均一になりやすい。
以上のように、本実施形態で用いられるCSNFは、セルロース原料を酸化する工程と、微細化して分散液化する工程と、によって得ることができる。CSNFに導入するカルボキシ基の含有量としては、0.1mmol/g以上5.0mmol/g以下が好ましく、0.5mmol/g以上2.0mmol/g以下がより好ましい。ここで、カルボキシ基量が0.1mmol/g未満であると、セルロースミクロフィブリル間に浸透圧効果による溶媒進入作用が働かないため、セルロースを微細化して均一に分散させることが困難となる傾向がある。また、カルボキシ基量が5.0mmol/gを超えると化学処理に伴う副反応によりセルロースミクロフィブリルが低分子化するため、高結晶性の剛直な微細化セルロース繊維とならず、O/W型エマルションの安定化剤として用いることが困難となる傾向がある。
(第2工程)
第2工程では、微細化セルロースの分散液に少なくとも一種類の重合性モノマーまたは/およびポリマーからなるコア粒子材料を加え、コア粒子材料からなる液滴であるコア粒子前駆体の少なくとも一部を微細化セルロースで被覆して、コア粒子前駆体をエマルションとして安定化させる。
具体的には、第1工程で得られた微細化セルロース分散液に重合性モノマーまたは/およびポリマーを添加し、コア粒子前駆体として微細化セルロース分散液中に分散させる。さらに、コア粒子前駆体の表面の少なくとも一部を微細化セルロースによって被覆し、微細化セルロースによって安定化されたO/W型エマルションを作製する。
O/W型エマルションを作製する方法としては、例えば、微細化セルロース分散液に開始剤を含む重合性モノマーを添加しエマルション化させる方法がある。重合性モノマーとは、ポリマーの単量体であって、その構造中に重合性の官能基を有し、常温で液体であって、重合反応によってポリマー(高分子重合体)を形成できる。重合性モノマーは、分散液と混合した際にエマルション化できるもの、すなわち水と完全に相溶しないものであればよく、特に限定されない。
その他に、水に不溶であるポリマーを微細化セルロース分散液への相溶性が低い溶媒で溶解したものを微細化セルロース分散液に添加しエマルション化させる方法、微細化セルロース分散液に常温にて固体であり、水に不溶であるポリマーが流動性を持つ温度以上に加熱し融解させたものを微細化セルロース分散液に添加し、ポリマーが流動性を持つ温度以上に加熱し融解させた状態でエマルション化させる方法がある。いずれの方法においても重合性モノマーまたは/およびポリマーは微細化セルロース分散液に対して相溶性がないものが好ましい。相溶性がある場合は微細化セルロース分散液中にて重合性モノマーまたは/およびポリマーの液滴を形成することが困難となり、複合体を得ることが困難となる傾向がある。
O/W型エマルションを作製する方法としては特に限定されないが、一般的な乳化処理、例えば各種ホモジナイザー処理や機械攪拌処理を用いることができ、具体的には高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、万能ホモジナイザー、ボールミル、ロールミル、カッターミル、遊星ミル、ジェットミル、アトライター、グラインダー、ジューサーミキサー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、ナノジナイザー、水中対向衝突、ペイントシェイカーなどの機械的処理が挙げられる。また、複数の機械的処理を組み合わせて用いてもよい。
例えば超音波ホモジナイザーを用いる場合、第1工程にて得られた微細化セルロース分散液に対し重合性モノマーまたは/およびポリマーを添加して混合液とし、混合液に超音波ホモジナイザーの先端を挿入して超音波処理を実施する。超音波ホモジナイザーの処理条件としては特に限定されないが、例えば周波数は20kHz以上が一般的であり、出力は10W/cm以上が一般的である。処理時間についても特に限定されないが、通常10秒から1時間程度である。
上記超音波処理により、微細化セルロース分散液中にコア粒子前駆体が分散してエマルション化が進行し、さらにコア粒子前駆体と微細化セルロース分散液の液/液界面に選択的に微細化セルロースが吸着する。その結果、コア粒子前駆体が微細化セルロースで被覆され、O/W型エマルションとして安定した構造を形成する。このように、液/液界面に固体物が吸着して安定化したエマルションは、学術的には「ピッカリングエマルション」と呼称されている。前述のように微細化セルロース繊維によってピッカリングエマルションが形成されるメカニズムは定かではないが、上述したように、セルロースはその分子構造において水酸基に由来する親水性サイトと炭化水素基に由来する疎水性サイトとを有することから両親媒性を示すため、両親媒性に由来して疎水性モノマーと親水性溶媒の液/液界面に吸着して界面活性剤に似た作用を発揮していることが推測される。
O/W型エマルション構造は、例えば、光学顕微鏡観察により確認することができる。O/W型エマルションの粒径サイズは特に限定されないが、通常0.1μm~1000μm程度である。
O/W型エマルション構造において、コア粒子前駆体の表層に形成された微細化セルロース層の厚みは特に限定されないが、通常3nm~1000nm程度である。微細化セルロース層の厚みは、例えばクライオTEMを用いて計測することができる。後述するように、微細化セルロース層の厚みは、複合粒子の強度に大きく影響するが、たとえば繊維幅50nm程度の太い微細化セルロースを用いることにより、微細化セルロースを厚くすることができる。また、複合粒子を作製した後に、微細化セルロースにカチオン性の多価イオンを吸着させ、カチオン性多価イオンにより微細化セルロースを引き寄せて更に被覆させることによっても、微細化セルロースを厚くすることができる。
第2工程で用いることができる重合性モノマーの種類としては、ポリマーの単量体であって、その構造中に重合性の官能基を有し、常温で液体であって、水と相溶せず、重合反応によってポリマー(高分子重合体)を形成できるものであれば特に限定されない。例えば、(メタ)アクリル系モノマー、ビニル系モノマーなどが挙げられる。また、エポキシ基やオキセタン構造などの環状エーテル構造を有する重合性モノマー(例えばε-カプロラクトン等、)を用いることも可能である。なお、「(メタ)アクリレート」の表記は、「アクリレート」と「メタクリレート」との両方を含むこと示す。
単官能の(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2-アダマンタンおよびアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能の(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ-ルジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2-ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε-カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
単官能のビニル系モノマーとしては、ビニルエーテル系、ビニルエステル系、芳香族ビニル系、特にスチレンおよびスチレン系モノマーなど、常温で水と相溶しない液体が好ましい。
例えば、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、エチルスチレンイソプロペニルトルエン、イソブチルトルエン、tert-ブチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、1,1-ジフェニルエチレン、N-ビニルピロリドンなどが挙げられる。
多官能のビニル系モノマーとしては、ジビニルベンゼンなどの不飽和結合を有する多官能基が挙げられる。常温で水と相溶しない液体が好ましい。
例えば、(1)ジビニルベンゼン、1,2,4-トリビニルベンゼン、1,3,5-トリビニルベンゼン等のジビニル類、(2)その他として、例えば、テトラメチレンビス(エチルフマレート)、ヘキサメチレンビス(アクリルアミド)、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートが挙げられる。具体的には、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジビニルキシレン、ジビニルビフェニル、ビス(ビニルフェニル)メタン、ビス(ビニルフェニル)エタン、ビス(ビニルフェニル)プロパン、ビス(ビニルフェニル)ブタン等が挙げられる。
また、これらの他にも重合性の官能基を少なくとも1つ以上有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができ、特にその材料を限定しない。
また、前記樹脂の粘度が高い場合は溶媒により希釈することで、粘度を下げることで、エマルション化をしやすくしてもよい。樹脂を希釈する溶媒としては、水と相溶性が低く、沸点が90℃以下であれば特に限定されない。溶媒が水との相溶性が高い場合は、微細化セルロース分散液へ希釈した樹脂を添加した途端に、溶媒が微細化セルロース分散液へ瞬時に拡散してしまい、エマルションを得ることが困難となってしまう。また、沸点が90℃より高い場合は、希釈した樹脂を固体化する際に微細化セルロース分散液の分散媒である水より温度を上げることができないため、得られる複合粒子内に希釈溶媒が残留してしまったり、複合粒子の作製が困難となったりする。
前記重合性モノマーは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、重合性モノマーには予め重合開始剤が含まれていてもよい。一般的な重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物やアゾ重合開始剤などのラジカル開始剤が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えばパーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシカーボネート、パーオキシエステルなどが挙げられる。
アゾ重合開始剤としては、例えば、2,2-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)が挙げられる。その他として、2,2-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(AMBN)、1,1-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、ジメチル-2,2-アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4-アゾビス(4-シアノバレリアン酸)(ACVA)、1,1-アゾビス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)、2,2-アゾビス(2-メチルブチルアミド)、2,2-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2-メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、2-シアノ-2-プロピルアゾホルムアミド、2,2-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。
第2工程において予め重合開始剤が含まれた状態の重合性モノマーを用いれば、O/W型エマルションを形成した際にエマルション液滴内部の重合性モノマー中に重合開始剤が含まれるため、後述の第3工程においてエマルション内部のモノマーを重合させる際に重合反応が進行しやすくなる。
第2工程において用いることができる重合性モノマーと重合開始剤の重量比については特に限定されないが、通常、重合性モノマー100質量%に対し、重合開始剤が0.1質量%以上であることが好ましい。重合性モノマーが0.1質量%未満となると重合反応が充分に進行せずに複合粒子の収量が低下する傾向があるため好ましくない。
常温にて固体であるポリマーを微細化セルロース分散液への相溶性が低い溶媒で溶解し微細化セルロース分散液に添加しエマルション化させる方法に用いることができるものとしては、前述の重合性モノマーのうち、重合性官能基を一つのみ持つ、単官能モノマーを重合させたポリマーが挙げられる。多官能モノマーを重合させたポリマーは架橋構造を構成しており、溶媒によりポリマー鎖が解れ、溶媒中に分散する、すなわち溶解することが困難である。また、常温にて固体であるポリマーを溶解する溶媒としては微細化セルロース分散液への相溶性が低い溶媒が好ましい。水への溶解度が高い場合、ポリマー相から水相へ溶媒が容易に溶解してしまうため、エマルション化が困難となる傾向がある。水への溶解性がない場合はポリマー相から溶媒が移動することができないため、複合粒子を得ることが極めて困難となる傾向がある。また、ポリマーを溶解する溶媒は沸点が90℃以下であることが好ましい。沸点が90℃より高い場合、ポリマーを溶解する溶媒よりも先に微細化セルロース分散液が蒸発してしまい複合粒子を得ることが極めて困難となる傾向がある。ポリマーを溶解する溶媒としては、具体的にはジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、ベンゼン、酢酸エチル、酢酸メチルなどが挙げられる。
常温にて固体であるポリマーが流動性を持つ温度以上に加熱し融解させ、機能性成分と混合した混合液を得るために用いることのできるポリマーとしては、常温で固体であり、加熱することで流動性を持つものであり、流動性を持つ温度とは融点またはガラス転移温度である。添加するポリマーの融点またはガラス転移温度は40℃以上90℃以下のものが好ましい。
ポリマーの融点またはガラス転移温度が40℃未満である場合、常温で固体化することが難しいため、複合体を得ることが極めて困難となる傾向がある。また、ポリマーの融点またはガラス転移温度が90℃以上である場合、ポリマーが溶解するよりも、一緒に加熱する微細化セルロース分散液の液媒である水が気化してしまいエマルション化することが困難となる。
このため、本実施形態において使用できるポリマーとしては、具体的にはポリ-S-(メチルヘプテン)、ポリデセン、ポリビニルパルミテート、ポリビニルステアレート、シス-1,4-ポリクロロプレン、イソ-シス-1,4-ポリ-(1,3ペンタジエン)、イソ-トランス-1,4-ポリ-(1,3ヘキサジエン)、イソ-トランス-1,4-ポリ-(1,3ヘプタジエン)、イソ-トランス-1,4-ポリ-(1,3オクタジエン)、ポリヘキサメチレンオキシド、ポリオクタメチレンオキシド、ポリブタジエンオキシド、ポリテトラメチレンスルフィド、ポリペンタメチレンスルフィド、ポリヘキサメチレンスルフィド、ポリメチレンチオテトラメチレンスルフィド、ポリエチレンチオテトラメチレンスルフィド、ポリトリメチレンジスルフィド、などが挙げられる。
上記重合性モノマーとポリマーに相溶性がある場合は、重合性モノマーとポリマーを併用しても構わない。例えば、重合性モノマーにポリマーが溶解することが可能である場合、ポリマーを重合性モノマーに溶解したものを、微細化セルロース分散液中でエマルション化することも可能である。
上記重合性モノマーまたは/およびポリマーは生分解性を有していてもよい。コア粒子が生分解性を有することで、被覆している微細化セルロースも生分解性を有するため、得られる複合粒子はオール生分解性材料として用いることができる。複合粒子が生分解性を
有することで、環境に対する負荷を低減することが可能となる。
(第3工程)
第3工程では、コア粒子前駆体を固体化させてコア粒子とすることにより、複合粒子を得る。より詳しくは、表面の少なくとも一部が微細化セルロース層で覆われた状態で、コア粒子前駆体を固体化してコア粒子とすることにより、コア粒子と微細化セルロース層とを不可分の状態にする。
第2工程において微細化セルロース分散液に開始剤を含む重合性モノマーを添加しエマルション化させる方法を用いた場合、重合性モノマーを重合する方法については特に限定されず、重合性モノマーの種類および重合開始剤の種類によって適宜決定できる。一例として、懸濁重合法が挙げられる。
具体的な懸濁重合の方法についても特に限定されず、公知の方法を用いて実施することができる。例えば第2工程で作製された、重合開始剤を含む重合性モノマーからなるコア粒子前駆体の液滴が微細化セルロースによって被覆され安定化したO/W型エマルションを攪拌しながら加熱することによって実施することができる。攪拌の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができ、具体的にはディスパーや攪拌子を用いることができる。また、攪拌せずに加熱処理のみでもよい。また、加熱時の温度条件については重合性モノマーの種類および重合開始剤の種類によって適宜設定することが可能であるが、20℃以上90℃以下が好ましい。加熱時の温度が20℃未満であると重合の反応速度が低下する傾向があるため好ましくなく、90℃を超えると微細化セルロース分散液が蒸発してしまう傾向があるため好ましくない。重合反応に供する時間は重合性モノマーの種類および重合開始剤の種類によって適宜設定することが可能であるが、通常1時間~24時間程度である。また、重合反応は電磁波の一種である紫外線照射処理によって実施してもよい。また、電磁波以外にも電子線などの粒子線を用いてもよい。
第2工程において、ポリマーを微細化セルロース分散液への相溶性が低い溶媒で溶解し微細化セルロース分散液に添加しエマルション化させる方法を用いた場合、エマルションを加熱し、ポリマーを溶解した溶媒を揮発させることでポリマーを固体化させることができる。加熱時の温度条件については溶解する溶媒の種類によって適宜設定することが可能であるが、溶媒の沸点以上90℃以下が好ましい。加熱時の温度が溶媒の沸点未満であると溶媒が水相へ移動するのが遅くなり、90℃を超えると微細化セルロース分散液が蒸発してしまう傾向があるため好ましくない。
あるいは、加熱をせず、第2工程にて得られたエマルションを微細化セルロース分散液の分散媒中に添加することで、ポリマーを溶解させた溶媒を分散媒に拡散させてもよい。ポリマーを溶解させた溶媒が分散媒中に拡散すると、ポリマーが析出し、固体化することができる。
第2工程において、微細化セルロース分散液に常温にて固体であるポリマーを添加しポリマーが流動性を持つ温度以上に加熱し融解させエマルション化させる方法を用いた場合、エマルションを冷却し、ポリマーが流動性を持つ温度以下にすることでポリマーを固体化することができる。
前記工程を経て、ポリマーからなるコア粒子が微細化セルロース層によって被覆された複合粒子が完成する。
第3工程の終了時においては、複合粒子の分散液中に多量の水と、複合粒子と不可分の状態にない遊離した微細化セルロースとが存在している。複合粒子を精製及び回収する方
法としては、遠心分離による洗浄またはろ過洗浄が好ましい。遠心分離による洗浄方法としては公知の方法を用いることができ、具体的には遠心分離によって複合粒子を沈降させて上澄みを除去し、水・メタノール混合溶媒に再分散する操作を繰り返し、最終的に遠心分離によって得られた沈降物から残留溶媒を除去して複合粒子を回収することができる。ろ過洗浄についても公知の方法を用いることができ、例えば孔径0.1μmのPTFEメンブレンフィルターを用いて水とメタノールで吸引ろ過を繰り返し、最終的にメンブレンフィルター上に残留したペーストからさらに残留溶媒を除去して複合粒子を回収することができる。
残留溶媒の除去方法は特に限定されず、例えば、風乾やオーブンで熱乾燥にて実施することが可能である。こうして得られた複合粒子を含む乾燥固形物は上述のように膜状や凝集体状にはならず、きめ細やかな粉体として得られる。この乾燥固形物は、微細化セルロースの材料特性を発揮するものでありながら、複合粒子同士の凝集がないため、再び溶媒に分散することも容易である。微細化セルロースとコア粒子とが不可分に結合しているため、再分散後も微細化セルロースの特性に由来した安定した分散を示す。
本実施形態に係る複合粒子の製造方法は、微細化セルロースの特性を発揮する粒子を、乾燥状態で流通可能な状態で簡便に取得できる。したがって、環境への負荷が低く、輸送費の削減、腐敗リスクの低減、添加剤としての添加効率の向上、疎水性樹脂への混練効率向上といった効果も期待できる。
複合粒子3の他の利点として、コア粒子の材料のみで形成した粒子よりも高い強度を実現できることが挙げられる。単一の材料からなる粒子において、圧縮強度等の物性は、材質および質量に大きく依存する。したがって、用途等により寸法が固定される場合、材質を変えずに物性のみを向上させることは困難である。
しかし、セルロースナノファイバーは、上述したように優れた強度を有するため、本実施形態に係る複合粒子では、微細化セルロース層としてコア粒子を被覆させることにより、被覆されていないコア粒子に比して5%以上の物性改善を容易に行うことができる。これにより、強度不足のため従来使用しえなかった材料を用いて隙間距離保持用スペーサーとしての使用に耐えうる粒子を作製したり、現在隙間距離保持用スペーサーとして使用されている粒子の性能をさらに向上させたりすることが可能になる。
さらに、本実施形態に係る複合粒子は、ゾルゲル法で作製されたシリカ粒子等のように粒子全体が均一に高強度ではなく、優れた強度を有するセルロースナノファイバーをコア粒子表面に被覆させることで、粒子表面の強度を向上させるが、コア粒子が持つ柔軟性も有しているため、接触する層にダメージを与える現象が起きにくい。
未被覆のコア粒子に対する複合粒子の物性改善の程度は、各々の表面弾性率を測定し、その比によって算出できる。複合粒子3のような微小粒子においては、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いて測定できる。具体的には、探針と試料表面との距離と、カンチレバーに働く力との関係をプロットしたフォースカーブを取得し、このフォースカーブを用いて、公知のJKR2点法や、DMT理論に基づくDMT法により弾性率を求めることができる。
複合粒子および未被覆のコア粒子は、いずれも概ね球形であるため、上方から接触する探針と試料との接触角度は、粒子の平面視中央部において最も良好となる。したがって、平面視中央部(平面視中心から概ね直径の50%の範囲)における弾性率値の平均を表面弾性率として採用することが好ましい。
表面弾性率を測定する未被覆のコア粒子と複合粒子とは、必ずしも同一寸法である必要はないが、寸法が大きく異なっていないことが好ましい。詳しくは、複合粒子の粒径に対して、コア粒子の粒径が±10%の範囲内であることが好ましい。
未被覆のコア粒子は、微細化セルロースを用いずに、界面活性剤を用いて作製したエマルションにより作製することができる。使用できる界面活性剤に特に制限はなく、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤のいずれも用いることができる。言い換えると、本発明に係る複合粒子は、界面活性剤を用いずに作製できる。粒子作製後の廃液が界面活性剤を含むと、処理の負荷が高くなるため、環境負荷の点で懸念があるが、複合粒子作作製後の廃液は界面活性剤を含まず、遊離している微細化セルロースも概ね天然材料であるため、本発明に係る複合粒子は、製造に係る環境負荷が低いという利点もある。
未被覆のコア粒子に比して5%以上物性が改善された複合粒子において、複合粒子の表面弾性率Eと未被覆のコア粒子の表面弾性率Ebは、以下の関係を示す。
/E≧1.05 (1)
/Eの値が高いほど強度の改善程度は高いと言えるが、強度が高くなりすぎると、変形性の低下により、スペーサーとして用いた際に接触する基板等にダメージを与える可能性が高くなる。この観点からは、E/Eの値は5未満であることが隙間距離保持用スペーサー用途においては好ましい。さらに、表面弾性率は、コア樹脂と比較して1.05以上であれば十分である。スペーサーに利用するには硬すぎても傷がついてしまうため、5未満がよく、2以上であれば使用粒子も少なくて済む。
微細化セルロース層の表面被覆率は、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いて観察した画像から、粒子解析ソフトを使用して微細化セルロースの繊維を抽出し、画像内の面積を算出し、表面被覆率とした。しかしながら、粒子解析ソフトは、微細化セルロースと母材を形状や大きさで識別(二値化)するため、母材と形状が識別できない場合は、被覆率を算出することが難しい場合がある。
前記微細化セルロース層の表面被覆率は、10%以上が好ましく、10%以下では微細化セルロース層が被覆した効果として弾性率や圧縮強度が向上せず、水への分散性も変化しない可能性がある。更に好ましくは、40%以上であり、弾性率や圧縮強度の向上効果があり、水への分散性が向上する。表面被覆率は作製時のエマルジョンの安定性と関わってくるため、収率に関わる。被覆率が3%の時は収率が40%、被覆率が10%のときは収率が50%、被覆率が20%の時は収率が60%、被覆率が40~46%で収率が70~80%となる。被覆率が40%以上であればエマルジョンも安定化しており、粒度分布よりも狭くなって、分散性もより安定化する。
また、未被覆のコア粒子に対する複合粒子の物性改善の程度は、各々の10%圧縮強度を測定し、その比によって算出できる。10%圧縮強度はJIS Z 8844:2019に準拠して測定できる。一つの粒子に対して平面圧子により圧力をかけながら圧縮していき、圧をかける前の粒子の大きさに対して、10%圧縮された(すなわち90%の大きさになった)ときの圧力の値が10%圧縮強度である。
前記10%圧縮強度を測定する未被覆のコア粒子と複合粒子とは、必ずしも同一寸法である必要はないが、寸法が大きく異なっていないことが好ましい。詳しくは、複合粒子の粒径に対して、コア粒子の粒径が±10%の範囲内であることが好ましい。
未被覆のコア粒子に比して5%以上物性が改善された複合粒子において、複合粒子の10%圧縮強度S10aと未被覆のコア粒子の10%圧縮強度S10bは、以下の関係を示す。
10a/S10b≧1.05 (2)
10a/S10bの値が高いほど強度の改善程度は高いと言えるが、強度が高くなりすぎると、変形性の低下により、スペーサーとして用いた際に接触する基板等にダメージを与える可能性が高くなる。この観点からは、S10a/S10bの値は5未満であることが隙間距離保持用スペーサー用途においては好ましい。
本発明の実施例について、実施例を用いてさらに説明する。本発明の技術的範囲は、実施例の具体的内容について何ら制限されない。以降の説明において、「%」は、特にことわりない限り、質量%を意味する。
[実施例1]
第1工程:微細化セルロース分散液を得る工程)
(木材セルロースのTEMPO酸化)
針葉樹クラフトパルプ70gを蒸留水3500gに懸濁し、蒸留水350gにTEMPOを0.7g、臭化ナトリウムを7g溶解させた溶液を加え、20℃まで冷却した。ここに2mol/L、密度1.15g/mLの次亜塩素酸ナトリウム水溶液450gを滴下により添加し、酸化反応を開始した。系内の温度は常に20℃に保ち、反応中のpHの低下は0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加することでpH10に保ち続けた。セルロースの質量に対して水酸化ナトリウムの添加量の合計が3.50mmol/gに達した時点で、約100mLのエタノールを添加し反応を停止させた。その後、ガラスフィルターを用いて蒸留水によるろ過洗浄を繰り返し、酸化パルプを得た。得られた酸化パルプをpH2に調整した塩化水素水溶液に加え、脱水した後水洗いして1回目の酸処理を行った。続いてpH3に調整した塩化水素水溶液(に加え、脱水した後水洗いして2回目の酸処理を行った。その後水洗、脱水を繰り返し、精製した酸化パルプを得た。
(酸化パルプのカルボキシ基量測定)
上記TEMPO酸化で得た酸化パルプを固形分質量で0.1g量りとり、1%濃度で水に分散させ、塩酸を加えてpHを2.5とした。その後0.5M水酸化ナトリウム水溶液を用いた電導度滴定法により、カルボキシ基量(mmol/g)を求めたところ、1.6mmol/gであった。
(酸化パルプの解繊処理)
上記方法により得た対イオン置換酸化パルプを蒸留水に分散させ、ジューサーミキサーで30分間微細化処理した。必要に応じて、遠心脱泡器による脱泡を行った。これにより、濃度1%の微細化セルロース(TEMPO酸化CNF、CSNF)分散液を得た。得られた分散液は高い透明性とチキソトロピック性を示した。
(第2工程:O/W型エマルションを作製する工程)
コア粒子前駆体として、重合性モノマーであるジビニルベンゼン(以下、「DVB」とも称する。)10g、重合開始剤である2、2-アゾビス-2、4-ジメチルバレロニトリル(以下、「ADVN」とも称する。)を1g溶解させた。DVB/ADVN混合溶液全量を、濃度1%の微細化セルロース分散液40gに対し添加した。DVB/ADVNと分散液とは、それぞれ透明性の高い状態で2相に分離した。
次に、2相分離した状態の混合液における上相の液面から超音波ホモジナイザーのシャフトを挿入し、周波数24kHz、出力400Wの条件で、超音波ホモジナイザー処理を3分間行った。超音波ホモジナイザー処理後の混合液は、白濁した乳化液の状態となった。混合液一滴をスライドグラスに滴下し、カバーガラスで封入して光学顕微鏡で観察したところ、1~数μm程度のエマルション液滴が多数観察され、O/W型エマルションとして分散安定化している様子が確認された。
(第3工程:コア粒子前駆体の固体化により微細化セルロースで被覆された複合粒子を得る工程)
O/W型エマルション分散液を、ウォーターバスを用いて70℃の湯浴中に供し、攪拌子で攪拌しながら8時間処理し、重合反応を実施した。8時間処理後に上記分散液を室温まで冷却し、コア粒子前駆体としての液滴を固体化して、分散液中に複合粒子を生成した。重合反応の前後で分散液の外観に変化はなかった。
得られた分散液を遠心分離(75000g、5分間)して複合粒子を含む沈降物を得た。デカンテーションにより上澄みを除去して沈降物を回収し、さらに孔径0.1μmのPTFEメンブレンフィルターを用いて、純水とメタノールで繰り返し洗浄した。こうして精製・回収された複合粒子を1%濃度で純水に再分散させ、粒度分布計(NANOTRAC UPA-EX150、日機装株式会社製)を用いて粒径を測定したところ、平均粒径(メジアン値)は2.6μmであった。複合粒子を風乾し、室温25度にて真空乾燥処理を24時間実施したところ、きめ細やかな乾燥粉体となり、凝集や膜状化を生じなかった。
(SEMによる複合粒子の形状観察)
上記乾燥粉体のSEM像を図2および図3に示す。第2工程および第3工程において、O/W型エマルション液滴を鋳型として重合反応を実施したことにより、エマルション液滴の形状に由来した真球状の複合粒子5が多数得られ、粒径の均一度も高いことが図2からわかる。
図3より、複合粒子の表面は幅数nm程度の微細化セルロースからなる微細化セルロース層によってまんべんなく被覆されていることがわかる。図3は、繰り返しろ過洗浄した後の像であることから、実施例1に係る複合粒子において、コア粒子と微細化セルロース層の微細化セルロースとが結合しており、不可分の状態にあることが示された。
(複合粒子の粒度分布)
上記乾燥粉体を1%の濃度で純水に添加し、攪拌子で再分散させたところ、容易に再分散し、凝集も見られなかった。また、粒度分布計を用いて粒径を評価したところ、平均粒径は乾燥前と同程度の2.6μmであり、粒度分布計のデータにおいても凝集を示すようなシグナルは存在しなかった。以上のことから、複合粒子はその表面がCNFで被覆されているにもかかわらず、乾燥によって膜化することなく粉体として得られ、かつ再分散性も良好であることが示された。
[実施例2]
実施例1の微細化セルロース分散液に代えて、上記非特許文献1に記載のリン酸エステル化CNF分散液を用いた点を除き、実施例1と同様の手順で実施例2に係る複合粒子を得た。
[実施例3]
DVBに代えて、イソボルニルメタクリレート(商品名ライトエステルIB-X、共栄社化学株式会社)6gを酢酸エチル(沸点:77.1℃)4gで希釈したものを用いた点を除き、実施例1と同様の手順で実施例3に係る複合粒子を得た。
[実施例4]
ポリメタクリル酸メチル(以下、PMMA)5gをクロロホルム5gに溶解させたPMMAクロロホルム溶解液を、実施例1の微細化セルロース分散液40gに対し添加した。そ
の後、実施例1と同様に周波数24kHz、出力400Wの条件で、超音波ホモジナイザー処理を3分間行い、O/W型エマルション分散液を得た。このO/W型エマルション分散液を、ウォーターバスを用いて70℃の湯浴中に供し、攪拌子で攪拌しながら8時間処理し、クロロホルムを揮発させた。その後に、この分散液を室温まで冷却し、コア粒子前駆体としてのPMMA液滴を固体化して、実施例4に係る複合粒子を得た。
[実施例5]
コア粒子前駆体として、ポリヘキサメチレンオキシド(以下、PHMOとも称する。融点:58℃)10gを用いた。第2工程において、ウォーターバスを用いてPHMOを80℃に加熱して融解させたものを、ウォーターバスを用いて80℃に加温した実施例1の微細化セルロース分散液に添加し第2工程を実施した。この混合液を、ウォーターバスを用いて80℃に加温したままの状態で、実施例1と同様の条件で第2工程を実施した。その後に、この分散液を室温まで冷却し、PHMO液滴を固体化して、実施例5に係る複合粒子を得た。
[比較例1]
微細化セルロース分散液に代えて純水を用いた点を除き、実施例1と同様の条件で、比較例1に係る複合粒子の作製を試みた。しかしながら、超音波ホモジナイザー処理を実施してもモノマー層と微細化セルロース分散液層が2層分離したままでO/W型エマルションとならず、第2工程を実行できなかった。
[比較例2]
微細化セルロース分散液に代えて、ポリビニルアルコール(以下、PVA)の5%水溶液を用いた点を除き、実施例1と同様の条件で、比較例2に係る複合粒子を得た。
[比較例3]
微細化セルロース分散液に代えて、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(以下、DBS)の1%水溶液を用いた点を除き、実施例1と同様の条件で、比較例3に係る複合粒子を得た。
[比較例4]
微細化セルロース分散液における微細化セルロース濃度を0.05%にした点を除き、実施例1と同様の手順で比較例4に係る粒子を得た。
[比較例5]
クロロホルムに代えてキシレン(沸点:144℃)を用いた点を除き、実施例4と同様の手順で比較例5に係る複合粒子の作製を試みた。しかしながら、キシレンの沸点が100℃より高いためにO/W型エマルション分散液から揮発させることができず、第3工程を実行できなかった。
[比較例6]
PHMOに代えてポリアクリル酸ブチル(ガラス転移温度:-54℃、融点:48℃)を用いた点を除き、実施例5と同様の手順で比較例6に係る複合粒子の作製を試みた。しかしながら、ポリアクリル酸ブチルのガラス転移温度が低いために室温まで冷却しても凝固せず、第3工程を実施できなかった。
[比較例7]
PHMOに代えてポリカーボネート(以下、PC。ガラス転移温度:150℃、融点:250℃)を用いた点を除き、実施例5と同様の手順で比較例7に係る複合粒子の作製を試みた。しかしながら、PCの融点が100℃より高いために、プロセス内でPCを液体にできず、第2工程を実施できなかった。
実施例および比較例の各々について、以下の評価を行った。
(廃液評価)
第3工程後に遠心分離を行った後の上澄み液を蓋つきの容器に入れ、手で強く振とうさせた後の泡立ちを評価は以下の2段階で評価した。泡立ちが強いものほど、廃液の処理負荷が高く、複合粒子作製による環境負荷が高いと言える。
○(good):泡立ちをわずかに認めるか、全く認めない。
×(bad):容器内が泡で満たされる。
(物性改善度被覆率算出)
粒子を作製できた実施例および比較例において、複合粒子の表面弾性率Eaおよび未被覆のコア粒子の表面弾性率Ebを取得した。島津製作所社製のSPM SPM-Nanoaを用いて以下の条件により測定および算出を行った。
プローブ:OMCL-AC240Ts(オリンパス)
バネ定数:熱揺らぎスペクトルからSader法を用いて算出
探針径:探針径評価試料Tipcheck(BudgetSensors)を用いて算出周波数:10Hz
各粒子について、1μm角、画素数256×256で観察し、JKR2点法により求めたすべての点の表面弾性率値の算術平均値を表面弾性率として採用した。さらに、取得された表面弾性率に基づき、Ea/Ebを算出した。被覆率は、粒子解析S/Wを用いて繊維箇所を抽出、画像内の面積率(被覆率)を算出した(10%圧縮強度)。
粒子を作製できた実施例および比較例において、複合粒子の10%圧縮強度S10aおよび未被覆のコア粒子の10%圧縮強度S10bを取得した。島津微小圧縮試験機MCT-W510を用いて取得した測定値に基づき、下記式から算出した。その上で、物性改善度の指標としてのS10a/S10bを取得した。
10a=F10a/A (3)
10b=F10b/A (4)
前記式(3)、(4)において、F10aおよびF10bは、それぞれ複合粒子およびコア粒子の10%の径圧縮変位に対する試験力(圧子を押し付ける荷重)(N)であり、AおよびAは、複合粒子およびコア粒子が10%の径圧縮変位を生じた際の圧子接触面の面積(m)である。測定は複合粒子および未被覆のコア粒子について10回ずつ行い、平均値を用いた。
(水、テトラヒドロフラン(THF)への分散性評価)
実施例1~5、比較例2~4において、透明な容器に純水2g、粒子を0.1g採取し、超音波処理を5分間行い、凝集物があるか肉眼で確認し、スライドガラスに滴下し、カバーガラスをかぶせて、光学顕微鏡で粒子を観察した。
〇:光学顕微鏡でも凝集物がほとんど見えない
△:肉眼ではわからないが、光学顕微鏡で凝集物がある
×:肉眼でも凝集物が見える。
実施例1~5、比較例2~4において、透明な容器にTHF2g、粒子を0.1g採取し、撹拌後、凝集物があるか肉眼で確認し、光学顕微鏡で粒子を観察した。
〇:光学顕微鏡でも凝集物がほとんど見えない
△:肉眼ではわからないが、光学顕微鏡で凝集物がある
×:肉眼でも凝集物が見える
結果を表1に示す。
表1に示すように、各実施例では、微細化セルロース分散液中でコア粒子前駆体が安定性して液滴化し、複合粒子を作製することができた。いずれの実施例においても未被覆のコア粒子に対し、物性が5%以上向上でき、作製時に生じる廃液の泡立ちも少なかった。
上述したように、比較例の多くでは、粒子自体を作製できなかった。粒子を作製できた実施例のうち、比較例2および3では、微細化セルロースを用いないため、作製する粒子の物性改善は困難であった。比較例3では、廃液の泡立ちも強く、製造時の環境負荷が高いと推測された。
比較例4では、微細化セルロースを用いたため、廃液の泡立ちがなく、製造時の環境負荷が抑制されていると推測されたが、物性の改善度は未被覆のコア粒子に対して2%に留まった。これは、分散液における微細化セルロースの濃度が低かったことにより、実施例1よりもコア粒子を被覆する微細化セルロースの量が少ないことが一因であると考えられた。また、この結果から、微細化セルロース層の厚さを増加させることにより、より大きく物性を向上できる可能性も示された。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせなども含まれる。
本発明に係る複合粒子は、上述した隙間距離保持用スペーサーの他にも、アンチブロッキング材、滑り性向上材、樹脂補強材、光拡散フィルム・アンチグレアフィルムの光拡散材、塗料などの艶消し材にも適用できる。これらの用途においては、E/Eが5以上であっても特段問題なく使用できる。
1 微細化セルロース層
2 コア粒子
3 複合粒子

Claims (5)

  1. 少なくとも1種類のポリマーを含むコア粒子と、
    前記コア粒子と不可分に結合して前記コア粒子の表面上に配置された微細化セルロースを含み、前記コア粒子の外面を覆う微細化セルロース層と、
    を備えた複合粒子であって、
    前記複合粒子の前記微細化セルロース層の被覆割合である被覆率が、10%以上であることを特徴とする複合粒子。
  2. 前記コア粒子は、ビニル基を有するモノマーの重合体であることを特徴とする請求項1に記載の複合粒子。
  3. 前記コア粒子は、(メタ)アクリル基を有するモノマーの重合体であることを特徴とする請求項1に記載の複合粒子。
  4. 前記モノマーは、2つ以上の重合性官能基を有する多官能モノマーであることを特徴とする請求項2または3に記載の複合粒子。
  5. 前記コア粒子がジビニルベンゼンの重合体であることを特徴とする請求項1に記載の複合粒子。
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