JP2023120291A - 高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム - Google Patents

高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、製造適正に優れ、簡易な層構成でありながら、ガスバリア性に優れた、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム、およびそれを用いた積層体、包装材料、包装体を提供することを課題とする。【解決手段】基材層とガスバリア層とを有する高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムであって、該基材層は、ポリプロピレン系樹脂を含有する2軸延伸樹脂フィルムからなる層と、PVA系樹脂層とを有し、該ガスバリア層は、酸化アルミニウム蒸着層を有し、該酸化アルミニウム蒸着層は、CVD法蒸着によって、該PVA系樹脂層の上に接して積層されており、該酸化アルミニウム蒸着層と該PVA系樹脂層との間の層間密着強度が、2N/15mm以上であることを特徴とする、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、有機樹脂層からなる基材層と金属酸化物蒸着層からなるガスバリア層とを有する高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム、および該高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムを用いて作製したガスバリア性積層体、ガスバリア性包装材料、ガスバリア性包装体に関する。
本発明による高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムは、高度なバリア性を要求される様々な分野の製品に適用することができ、特に包装材料として好適に用いることができる。例えば、医薬品、化粧品、化学品、飲食品等の用途に用いることができる。
包装材料においては、内容物の変質を防止し、かつ機能や性質を維持できるように、温度、湿度などの影響を受けない、より高いバリア性を、安定して発揮し得るバリア性積層フィルムが求められ、樹脂基材上に、酸化ケイ素や酸化アルミニウム等の蒸着膜の薄膜からなるバリア層とバリア性の塗膜層を積層した多層構造のバリア性積層フィルムも開発されている。
例えば、特許文献1には、プラスチック材料からなる基材と、該基材上に設けられた第1の蒸着薄膜層と、該第1の蒸着薄膜層上に設けられ、少なくとも水溶性高分子を含むコーティング剤を塗布して形成されたガスバリア性中間層と、該中間層上に設けられた第2の蒸着薄膜層とからなる積層体、さらには、前記基材と第1の蒸着薄膜層との間にポリオールとイソシアネート化合物とシランカップリング剤とからなるプライマー層を設けた、ガスバリア性積層体が開示されている。
特許文献2には、合成樹脂製の基材フィルムと、基材フィルムの少なくとも一方の面に積層される一の平坦化層と、この一の平坦化層の外面に積層される無機酸化物又は無機窒化物から形成されているガスバリア層と、このガスバリア層の外面に積層される他の金属アルコキシド及び/又はその加水分解物を含む組成物を用いたゾルゲル法により形成されている平坦化層とを備える高バリア性にシートが開示されている。
しかしながら、上記のような多層構造のバリア性積層フィルムは、製造法として工程が増えるための、原料費、装置稼働費などの単なるコストアップだけでなく、各層ごとでの品質のチェック、それに基づく品質管理修正、履歴管理など複雑な作業が要求される。
そのため、上記のような製造上の問題を解決し、生産性の低下を招かない、バリア性に優れたバリアフィルムが望まれている。
WO2002/083408号公報 特開2005-324469号公報
本発明は、上述の問題を解決し、製造適正に優れ、簡易な層構成でありながら、層間密着性とガスバリア性に優れた、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム、およびそれを用いた積層体、包装材料、包装体を提供することを課題とする。
本発明者らは、種々検討の結果、特定の樹脂および層構成からなる基材層と、特定の蒸着法および特定の組成からなる金属酸化物蒸着層を含むガスバリア層とを有する、特定の
層構成からなる高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムが、上記の目的を達成することを見出した。
すなわち、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.基材層とガスバリア層とを有する高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムであって、
該基材層は、ポリプロピレン系樹脂を含有する2軸延伸樹脂フィルムからなる層と、PVA系樹脂層とを有し、
該ガスバリア層は、酸化アルミニウム蒸着層を有し、
該酸化アルミニウム蒸着層は、該PVA系樹脂層の上に接して積層されいることを特徴とする、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム。
2.基材層とガスバリア層とを有する高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムであって、
該基材層は、ポリプロピレン系樹脂を含有する2軸延伸樹脂フィルムからなる層と、PVA系樹脂層とを有し、
該ガスバリア層は、酸化アルミニウム蒸着層を有し、
該酸化アルミニウム蒸着層は、CVD法蒸着によって、該PVA系樹脂層の上に接して積層されており、
該酸化アルミニウム蒸着層と該PVA系樹脂層との間の層間密着強度が、2N/15mm以上であることを特徴とする、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム。
3.前記ガスバリア層が、さらに、バリア保護層を有しており、
該バリア保護層は、珪素アルコキシドと水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物から形成された層であり、前記酸化アルミニウム蒸着層の上に接して積層されていることを特徴とする、上記の高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム。
4.上記1または2に記載の高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムからなる層と、ポリプロピレン系樹脂を含有するシーラント層とを有する高層間密着性ガスバリア積層体であって、該シーラント層は、該高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムの、前記基材層とは反対側の面の表面に、積層されていることを特徴とする、高層間密着性ガスバリア積層体。
5.前記シーラント層が、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムからなる層であることを特徴とする、上記の高層間密着性ガスバリア積層体。
6.前記高層間密着性ガスバリア積層体中の、ポリプロピレン系樹脂の含有率が、50質量%以上であることを特徴とする、上記の高層間密着性ガスバリア積層体。
7.上記の高層間密着性ガスバリア積層体から作製されたことを特徴とする、高層間密着性ガスバリア包装材料。
8.上記の高層間密着性ガスバリア包装材料から作製されたことを特徴とする、高層間密着性ガスバリア包装体。
9.上記の高層間密着性ガスバリア包装材料から作製されたことを特徴とする、高層間密着性ガスバリア包装袋。
本発明の高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムは、製造適正に優れ、簡易な層構成でありながら、非常に優れたガスバリア性を発揮し、優れた基材層と金属酸化物蒸着層との層間密着強度を発揮することができる。
また、本発明の高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムから作製される積層体、包装材料、包装体は、簡易な層構成でありながら、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム由来の優れたガスバリア性と優れた基材層と金属酸化物蒸着層との層間密着強度を発揮することができる。
本発明の高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムの層構成について、その一例を示す概略的断面図である。 本発明の高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムの層構成について、その別態様の一例を示す概略的断面図である。 本発明の高層間密着性ガスバリア積層体の層構成について、その一例を示す概略的断面図である。 本発明の高層間密着性ガスバリア積層体の層構成について、その別態様の一例を示す概略的断面図である。
各図においては、解り易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見易さの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
更に、各図において、凹凸部は明確な角を有するパターンとして例示されているが、角が丸まった形状でもよい。
本発明の高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム、高層間密着性ガスバリア積層体、高層間密着性ガスバリア包装材料、高層間密着性ガスバリア包装体、高層間密着性ガスバリア包装袋について、以下に更に詳しく説明する。具体例を示しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム>
本発明の高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムは、図1に示したように、少なくとも、基材層と、ガスバリア層とを有する。
[基材層]
基材層は、少なくとも、ポリプロピレン系樹脂を含有する2軸延伸樹脂フィルムからなる層と、PVA(ポリビニルアルコール)系樹脂層とを有する層である。
ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンモノマー原料を用いた重合体または共重合体であり、本発明の高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムの基材層には、包装材料用途で2軸延伸樹脂フィルム化が可能な公知のポリプロピレン系樹脂を用いることができる。
このようなポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンモノマーの重合体や、プロピレンモノマーと炭素数2~8のアルケンモノマーとの共重合体を用いることが好ましく、特に、α-オレフィン(炭素-炭素二重結合が末端であるα位にあるアルケンモノマー)との共重合体を用いることが好ましい。
α-オレフィンとして、1-ヘキセンや1-オクテンのような長い直鎖を有する化合物を共重合原料モノマーとして用いることによって、結晶性、柔軟性、靭性を修飾することができる。
ポリプロピレン系樹脂を含有する2軸延伸樹脂フィルムからなる層の厚みは、10μm以上、50μm以下が好ましい。上記範囲よりも薄いと、基材層としての剛性が不足する虞があり、上記範囲よりも厚いと、剛性が強くなり過ぎて、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムのハンドリングが困難になり易い。
ポリプロピレン系樹脂を含有する2軸延伸樹脂フィルムからなる層の、PVA系樹脂層が積層される表面には、各種の表面処理を施すことができる。
例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスまたは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いたる酸化処理等の前処理を任意に施すことができる。
或いは、表面に、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、蒸着アンカーコート剤層等の各種コート剤層を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の各種コート剤層には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンもしくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を用いることができる。
PVA系樹脂は、示性式.:-CH2CH(OH)-で表される繰り返し単位を主骨格に有する重合体または共重合体からなる樹脂であり、上記の繰り返し単位を主骨格に有する樹脂であれば特に制限はなく、各種の官能基を有していてもよい。
例えば、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビニルアルコ一ルや、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体をケン化して得られたエチレン・ビニルアルコール共重合体を使用することができる。
PVA系樹脂のケン化度は、80~100モル%が好ましく、85~100モル%がより好ましく、90~100モル%が特に好ましい。ケン化度が高いほど、ガスバリア性が高い傾向がある。
PVA系樹脂層の厚みは、0.3μm以上、1.5μm以下が好ましい。上記範囲よりも薄いと、PVA系樹脂層を設けた効果が発揮され難くなり、上記範囲よりも厚いと、PVA系樹脂層の厚みを均一にすることが困難になり易く、また、剛性が強くなり過ぎて、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムのハンドリングが困難になり易い。
PVA系樹脂層は、公知の方法によって形成することができるが、薄く均一な厚みのPVA系樹脂層を形成するには、PVA系樹脂層用の樹脂組成物を、基材層表面に、塗布、乾燥することによって作製することが好ましい。
[ガスバリア層]
ガスバリア層は、少なくとも、金属酸化物蒸着層を有する層であり、そして、図2に示したように、さらに、バリア保護層を金属酸化物蒸着層の表面に有することができる。
(酸化珪素蒸着層)
酸化珪素蒸着層は、基材層のPVA系樹脂層の上に接して積層されていることが好ましい。酸化珪素蒸着層がPVA系樹脂層の上に接して積層することによって、ガスバリア性蒸着フィルムのガスバリア性を高めることができ、さらには、酸化珪素蒸着層とPVA系樹脂層との層間密着強度は高くなり、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムのガスバリア性を高め、酸化珪素蒸着層/PVA系樹脂層間に剥離が生じ難くなる。
酸化珪素蒸着層には、包装材料に用いられる、公知の蒸着方法による、公知の酸化珪素からなる蒸着層を含むことができるが、蒸着方法としては、CVD法(化学気相成長法:Chemical Vapor Deposition法)またはPVD法(物理気相成長法:Physical Vapor Deposition法)が好ましい。
そして、中でも、CVD法によって蒸着された酸化珪素蒸着層を含むことが好ましい。これらの酸化珪素蒸着層は、1種による単層または2層以上の多層構成であってもよく、2種以上による2層以上の多層構成であってもよい。
尚、上記の酸化珪素蒸着層とは、主成分として、酸化珪素を含有するという意味であり、他の金属成分、金属酸化物成分、金属窒化物成分、金属炭化物等を微量に含有していてもよい。
さらに、本願発明においては、酸化アルミニウム蒸着層は、PVD法蒸着によって、該PVA系樹脂層の上に接して積層されていても良い。
CVD法としては、例えば、プラズマCVD法、プラズマ重合法、熱CVD法、光CV
D法、触媒反応型CVD法等が挙げられるが、これらのCVD法の中でも、比較的低温で酸化珪素蒸着層の形成が可能なプラズマCVD法が好ましく、基材層が比較的耐熱性の低いポリオレフィン系樹脂を含有する場合であっても、基材層の劣化を抑制して、酸化珪素蒸着層を形成することができる。
PVD法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、クラスターイオンビーム法等が挙げられるが、プラズマ原料の蒸気化が容易なスパッタリング法が好ましい。
(バリア保護層)
バリア保護層は、酸化珪素蒸着層の上に接して積層された層であり、酸化珪素蒸着層を物理的・化学的に保護して安定させるとともに、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムのバリア性を高めることができる。
バリア保護層は、珪素アルコキシドと水酸基含有水溶性樹脂とを含むバリア保護樹脂組成物が、ゾルゲル法による加水分解縮合反応を進行して形成した化学構造を有していることが好ましい。また、バリア保護樹脂組成物は、溶剤を含有していてもよい。
本発明において、加水分解反応とは、珪素アルコキシドのアルコキシ基やフェノキシ基等に、水分子が反応して、珪素水酸化物と、アルコール類やフェノール類や水素分子とを生成する化学反応のことである。
縮合反応とは、珪素水酸化物同士が、場合によっては水酸基含有水溶性樹脂を含めて、脱水反応によって結合して重合体を生成する化学反応のことである。
そして、加水分解縮合反応とは、上記の加水分解と縮合とが連続的に進行する化学反応である。
バリア保護層は、バリア保護樹脂組成物を金属酸化物蒸着層に塗布し、加熱による乾燥、更には必要に応じて、加熱によるエージングによって形成される。
ここで、乾燥とは、バリア保護樹脂組成物中の溶剤の除去を主目的とするものであり、バリア保護樹脂組成物は、低温かつ短時間での乾燥が可能である。乾燥温度は、溶剤が蒸発する温度を必要とするため、70℃以上、120℃以下が好ましく、80℃以上、110℃以下が更に好ましい。上記範囲よりも低いと乾燥の進行が遅く、上記範囲よりも高いとバリア保護層が脆くなり易い傾向になる。乾燥時間は、バリア保護樹脂組成物の組成によるが、上記の温度範囲において、5秒以上、30分以下が好ましく、10秒以上、10分以下が更に好ましい。
さらに、エージング(焼成)とは、上記の加水分解縮合反応を進めることを目的とするものである。
エージング条件に特に制約はなく、一般的な塗工機及び簡易な加熱設備を用いて、60℃以下でのエージングが可能であるが、高温化すれば反応はより早く進行するために短時間化が可能である。
エージング温度は20℃以上、200℃以下が好ましく、30℃以上、180℃以下が更に好ましく、40℃以上、120℃以下が特に好ましい。
本発明においては、基材層が、ポリオレフィン系樹脂を含有する2軸延伸樹脂フィルムからなる層とPVA系樹脂層とを有する低耐熱材であることから、比較的低温の、40℃以上、60℃以下が格別に好ましい。
上記範囲よりも低いとエージングの進行が遅く、上記範囲よりも高いと、バリア保護層が脆くなり易い傾向になる。エージングの時間は1日以上、70日以下が好ましく、1日以上、5日以下がより好ましい。また、エージング時には副生成物として水が生成するが、生成量は少量なので問題は無い。
バリア保護層の厚みは、0.01μm以上、1μm以下が好ましく、0.05μm以上
、0.7μm以下が更に好ましく、0.1μm以上、0.5μm以下が特に好ましい。上記範囲よりも薄いと、バリア保護層を形成した効果が十分に発揮され難い傾向になり易く、上記範囲よりも大きいと、柔軟性に劣る傾向になり易い。
また、バリア保護層は、1層であっても、同一または異なる組成からなる、2層以上の複数層からなるものであってもよく、目的とする作用を複数層間で分担することによって、多種のガスへのバリア性や、諸特性とのバランスをとることができる。
バリア保護層の形成は、珪素酸化物蒸着層の形成と連続して、外気に触れさせないインラインで行うことが好ましい。インラインで連続して行うことによって、珪素酸化物蒸着層表面の汚染や劣化が抑制されて、珪素酸化物蒸着層とバリア保護層との層間接着が強くなり、バリア保護層による保護効果を高めることができる。
(溶剤)
バリア保護樹脂組成物に含有される溶剤は、珪素アルコキシド及びその加水分解物、加水分解縮合物オリゴマーと水酸基含有水溶性樹脂とを、均一に溶解または分散させ得るものであればよく、水または有機溶剤でもよく、1種でも、または2種以上を混合して使用してもよい。
さらに、該溶剤は、水溶性が好ましく、オクタノール/水分配係数Log Powが、0.5以下であることが好ましい。
具体的な溶剤としては、水、メタノール(Log Pow:-0.77)、エタノール(Log Pow:-0.30)、1-プロパノール(Log Pow:0.25)、2-プロパノール(Log Pow:0.05)、及びこれらの混合物等が挙げられる。
(珪素アルコキシド)
本発明における、珪素アルコキシドは、珪素原子と、該珪素原子に結合したアルコキシ基とを有し、加水分解後に珪素水酸化物を生成し得る化合物であり、2個以上の水酸基を有し得るものが好ましく、モノマーであっても、オリゴマーであってもよい。また、既に水酸基を有しているものであってもよい。
水酸基を2個以上有していることによって、連続的な、ゾルゲル法による加水分解縮合物を生成してバリア保護層を形成できる。
珪素アルコキシド以外の金属アルコキシドを併用することも可能であり、具体的な金属元素としては、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛、ボラン、等が挙げられる。これらの金属元素は、1種または2種以上を併用することもできる。
具体的なアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、3-(メタ)アクリロキシ基等の脂肪族系のアルコキシ基;芳香族系のフェノキシ基等が挙げられるが、脂肪族系のアルコキシ基が好ましく、中でも、メトキシ基とエトキシ基がより好ましい。これらのアルコキシ基は、1種または2種以上を併用することもできる。
珪素アルコキシドまたは金属アルコキシドは、さらには、各種の官能基を有していてもよく、具体的な官能基としては、エポキシ基、(メタ)アクリル基、アミノ基、ビニル基等が挙げられる。
具体的な珪素アルコキシドとしては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、フェニルフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン
、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、あるいは、β-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等の各種アルコキシシランやフェノキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、テトラエトキシシランとγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。上記の珪素アルコキシドは、1種を用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
バリア保護層中の、珪素アルコキシド由来の珪素原子の含有量は、20質量%以上、50質量%以下が好ましく、25質量%以上、45質量%以下が特に好ましく、30質量%以上、40質量%以下が最も好ましい。含有量が上記範囲よりも大きい場合には、バリア保護層が脆くなり易く、保護効果が不十分になり易い傾向にあり、含有量が上記範囲よりも小さい場合には、ガスバリア性が低下する傾向になり易い。
また、加水分解前のバリア保護樹脂組成物中の全非溶剤成分中の、珪素アルコキシド由来の珪素原子の含有量は、70質量%以上、99質量%以下であることが好ましく、80質量%以上、97質量%以下が特に好ましく、85質量%以上、95質量%以下が最も好ましい。含有量が上記範囲よりも大きい場合には、バリア保護樹脂組成物の塗工性が劣り易く、バリア保護層が脆くなり易い傾向にあり、含有量が上記範囲よりも小さい場合には、保護作用が弱まり、ガスバリア性が低下し易い傾向にある。
(水酸基含有水溶性樹脂)
水酸基含有水溶性樹脂は、バリア保護樹脂組成物に優れた塗工性を与えるものであり、バリア保護層にクラックを生じにくくし、ガスバリア性を安定させるものである。
水酸基含有水溶性樹脂は、水酸基を有していることによって、水溶性に優れ、珪素アルコキシドとの親和性が良く、場合によってはバリア保護層中の架橋マトリクスの一部になり、製膜性に優れ、均質なバリア保護層を得ることができる。
水酸基含有水溶性樹脂の水酸基は、フェノール性水酸基とアルコール性水酸基のどちらでもよいが、アルコール性水酸基が好ましい。水酸基含有水溶性樹脂の分子骨格の主鎖の構造は、芳香族主鎖または脂肪族主鎖のどちらでもよいが、脂肪族主鎖が柔軟性に優れることから好ましい。
バリア保護層中の水酸基含有水溶性樹脂の含有量は、5質量%以上、35質量%以下が好ましく、10質量%以上、30質量%以下が更に好ましく、15質量%以上、25質量%以下が最も好ましい。
上記範囲よりも少ない場合には、バリア保護層が脆くなり易く、上記範囲よりも多い場合には、ガスバリア性が低下しやすい傾向になる。
また、加水分解前のバリア保護樹脂組成物中の全非溶剤成分中の、水酸基含有水溶性樹脂の含有量は、1質量%以上、30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上、20質量%以下が更に好ましく、5質量%以上、15質量%以下が最も好ましい。
上記範囲よりも少ない場合には、バリア保護樹脂組成物の塗工性が劣り易く、得られた
バリア保護層が脆くなり易い傾向になり、上記範囲よりも多い場合には、ガスバリア性が低下し易い傾向になる。
水酸基含有水溶性樹脂の重合度は、500以上、5000以下が好ましく、1000以上、4000以下が更に好ましく、1500以上、3000以下が特に好ましい。そして、水酸基含有水溶性樹脂の分子量は、2万以上、23万以下が好ましく、4万以上、18万以下が更に好ましく、6万以上、14万以下が特に好ましい。
水酸基含有水溶性樹脂の重合度および/または分子量が上記範囲であれば、バリア保護樹脂組成物の塗工性は良好になり易く、バリア保護層は適度な柔軟性を得易く、保護効果が高くなり易い。
水酸基含有水溶性樹脂の1分子中の水酸基の平均個数は、2個以上であることが好ましく、400個以上、5000個以下であることがより好ましい。
水酸基含有水溶性樹脂の具体的な化合物としては、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリ2-ハイドロキシメチルメタクリレート、ポリ2-ハイドロキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、等が挙げられる。ここで、これらは単一モノマーの重合体の名称であるが、改質の為に、他のモノマーを併用された共重合体であってもよい。
更には、2官能フェノール化合物と2官能エポキシ化合物との重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体等の、2成分以上が重合した線状ポリマーが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中で、柔軟性と親和性に優れることから、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体が好ましく、特に、ケン化度が90モル%以上、100モル%以下のものが好ましく、95モル%以上、100モル%以下のものが更に好ましく、99モル%以上、100モル%以下のものが最も好ましい。ケン化度が上記範囲よりも小さいと。バリア性被覆層の硬度が低下し易くなる。
ポリビニルアルコ一ルは、ポリ酢酸ビニルをケン化して得ることができ、エチレン・ビニルアルコール共重合体は、エチレン・酢酸ビニル共重合体をケン化して得ることができる。
<高層間密着性ガスバリア積層体>
本発明の高層間密着性ガスバリア積層体は、本発明の高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムからなる層と、ヒートシール性樹脂を含有するシーラント層とを有する積層体である。
シーラント層は、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムの、基材層とは反対側の面の表面に、積層されている。
[シーラント層]
シーラント層に含有されるヒートシール性樹脂には、包装材料のシーラント層に用いられる公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。
具体的なヒートシール性樹脂としては、LLDPE、LDPE等のポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン系樹脂等が挙げられるが、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンモノマーを単独で重合して得られるプロピレンホ
モポリマーであっても、プロピレンとエチレンやブテンのモノマーが共重合して得られる、ランダムコポリマーやブロックコポリマー等の共重合体であってもよく、これらの混合物であってもよい。
プロピレンホモポリマーは、剛性、耐熱性、耐油性等に優れ、ランダムコポリマーは、ホモポリマーより融点を低くする事ができて低温シール性に優れ、ブロックコポリマーは、低温での衝撃強度等に優れる。
ポリプロピレン系樹脂は、ヒートシール性に優れ、エチレン系樹脂よりも耐熱性が高く、レトルト処理耐性が高い。また、シーラント層用のポリプロピレンフィルムは、無延伸フィルムが好ましい。
シーラント層は、上記のヒートシール性樹脂を他層上にエクストルージョンコーティングすることにより積層された層であってもよく、一旦樹脂フィルム化された上記のヒートシール性樹脂から、接着剤層等を介して積層されて形成された層であってもよいが、一旦無延伸樹脂フィルム化されてから形成された層であることが好ましい。
すなわち、シーラント層は、ヒートシール性を有する無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムから形成された層であることがより好ましい。
シーラント層の厚みは、20μm以上、150μm以下が好ましく、30μm以上、100μm以下が更に好ましく、30μm以上、80μm以下が特に好ましい。上記範囲よりも薄いと、ヒートシール性が劣り易く、上記範囲よりも厚いと、柔軟性に劣る傾向になり易い。
また、シーラント層は、同一または異なる組成の、2層以上の層からなることも可能であり、目的とする作用を分担することによって、多種のガスへのバリア性や、諸特性とのバランスをとることができる。
また、シーラント層に含有されるヒートシール性樹脂は、基材層を構成する2軸延伸樹脂フィルムからなる層が含有するポリオレフィン系樹脂と同基本骨格の樹脂であることが好ましい。例えば、シーラント層に含有されるヒートシール性樹脂と、基材層を構成する2軸延伸樹脂フィルムからなる層が含有するポリオレフィン系樹脂とが、ポリプロピレン系樹脂を含有していることが好ましい。
さらに、高層間密着性ガスバリア積層体中の、該同基本骨格のポリプロピレン系樹脂の含有率が、50質量%以上であることがより好ましい。上限は特に無く、理想的には100質量%である。該同基本骨格の樹脂を上記範囲で含有することによって、高層間密着性ガスバリア積層体及びそれから作製される包装材料、包装体をリサイクルし易いという効果を得ることができる。
ここで、同基本骨格の樹脂とは、主成分に同一の原料モノマーを用いて(共)重合した樹脂であることを指し、共重合成分が異なっていてもよく、樹脂の分子量や軟化点が異なっていてもよく、積層方法が異なっていてもよい。
例えば、基材層を構成する2軸延伸樹脂フィルムが、非ヒートシール性の2軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであり、シーラント層が、ヒートシール性の無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムから形成された層、またはポリプロピレン系樹脂をエクストルージョンコーティング等により積層されたヒートシール性の層である場合が挙げられる。
<ガスバリア性包装材料>
本発明のガスバリア性包装材料は、本発明のガスバリア性積層体から作製された包装材料である。
ガスバリア性包装材料には、必要に応じて、様々な機能を有する中間層を、基材層とシーラント層の間や、基材層の外側に積層することもできる。
<高層間密着性ガスバリア包装体>
本発明の高層間密着性ガスバリア包装体は、本発明の高層間密着性ガスバリア包装材料から作製された包装体である。
例えば、多層フィルムからなる高層間密着性ガスバリア包装材料のシーラント層を熱融着させるようなヒートシール加工によって、ピロー包装袋、三方シール、四方シール、ガセットタイプ等の形態の高層間密着性ガスバリア包装体を作製できる。
<高層間密着性ガスバリア包装袋>
本発明の高層間密着性ガスバリア包装袋は、上記高層間密着性ガスバリア包装体の一態様であり、本発明の高層間密着性ガスバリア包材料から作製された包装袋である。
本発明は、さらに以下の点を特徴とする。
1.基材層とガスバリア層とを有する高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムであって、
該基材層は、ポリプロピレン系樹脂を含有する2軸延伸樹脂フィルムからなる層と、PVA系樹脂層とを有し、
該ガスバリア層は、酸化珪素蒸着層を有し、
該酸化珪素蒸着層は、CVD法蒸着によって、該PVA系樹脂層の上に接して積層されており、
該酸化珪素蒸着層と該PVA系樹脂層との間の層間密着強度が、3N/15mm以上であることを特徴とする、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム。
2.前記CVD法蒸着が、プラズマCVD法であることを特徴とする、
上記1に記載の、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム。
3.前記ガスバリア層が、さらに、バリア保護層を有しており、
該バリア保護層は、珪素アルコキシドと水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物から形成された層であり、前記酸化珪素蒸着層の上に接して積層されていることを特徴とする、
上記1または2に記載の、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム。
4.上記1~3の何れかに記載の高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムからなる層と、ポリプロピレン系樹脂を含有するシーラント層とを有する高層間密着性ガスバリア積層体であって、
該シーラント層は、該高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムの、前記基材層とは反対側の面の表面に、積層されていることを特徴とする、
高層間密着性ガスバリア積層体。
5.前記シーラント層が、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムからなる層であることを特徴とする、
上記4に記載の、高層間密着性ガスバリア積層体。
6.前記高層間密着性ガスバリア積層体中の、ポリプロピレン系樹脂の含有率が、50質量%以上である
ことを特徴とする、
上記4または5に記載の、高層間密着性ガスバリア積層体。
7.上記4~6の何れかに記載の高層間密着性ガスバリア積層体から作製されたことを特徴とする、高層間密着性ガスバリア包装材料。
8.上記7に記載の高層間密着性ガスバリア包装材料から作製されたことを特徴とする、高層間密着性ガスバリア包装体。
9.上記7に記載の高層間密着性ガスバリア包装材料から作製されたことを特徴とする、高層間密着性ガスバリア包装袋。
<原材料>
本実施例で用いた主な原材料は下記の通り。
・基材樹脂フィルム1:三井化学東セロ(株)社製、PVA系樹脂層(約0.7μm厚)付き2軸延伸樹脂ポリプレピレンフィルム、A-OP-BH。20μm厚。
・基材樹脂フィルム2:三井化学東セロ(株)社製2軸延伸樹脂ポリプレピレンフィルム、U-1。20μm厚、下面コロナ処理済み。
・PVA系樹脂1:日本酢ビ・ポバール(株)社製VC-10、完全ケン化型ポリビニルアルコール、重合度1000、ケン化度99.3モル%以上。
・シーラント樹脂フィルム1:東レフィルム加工(株)社製無延伸ポリプロピレンフィル
ム、ZK-207。70μm厚。
・DL接着剤1:ロックペイント(株)社製ドライラミネート用接着剤、RU-77T/H-7。
・水酸基含有水溶性樹脂1:重合度2400、ケン化度99モル%以上のポリビニルアルコール。
[基材樹脂フィルム3の準備]
下記の原料を混合して、PVA溶液1を調製した。
PVA系樹脂1 4.7質量部
水 324質量部
イソプロピルアルコール 17質量部
基材樹脂フィルム2のコロナ処理面に、上記で得たPVA溶液1を塗布し、80℃、搬送速度100m/minで乾燥して、PVA系樹脂層(0.5μm厚)を形成し、基材樹脂フィルム3を得た。
[バリア保護樹脂組成物1の調製]
水300gとイソプロピルアルコール146gからなる溶剤に、加水分解促進剤として0.5N塩酸7.3gを混合してpH2.2に調整した溶液に、珪素アルコキシドとして、テトラエトキシシラン175gとγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.2gとを、10℃となるよう冷却しながら混合して、溶液Aを調製した。
次に、下記の原料を混合した溶液Bを調製した。
水酸基含有水溶性樹脂1 4.7質量部
水 324質量部
イソプロピルアルコール 17質量部
そして、A液とB液とを、質量比3.5:6.5となるよう混合して、バリア保護樹脂組成物1を得た。
[参考例1]
基材層としての基材樹脂フィルム1のPVA系樹脂層表面に、ガスバリア層として、CVD法による酸化珪素蒸着層(20nm厚)を下記の条件で形成して、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムを得た
酸化珪素蒸着層形成条件
・冷却・電極ドラムの供給電力:10kW
・真空度:5×10-1Pa
・搬送速度:100m/min
・供給ガス:ヘキサメチルジシロキサン/酸素ガス/ヘリウム
次に、上記の酸化珪素蒸着層に、DL接着剤1を塗布、乾燥して、シーラント樹脂フィルム1を積層して、高層間密着性ガスバリア性積層体を作製し、各種評価を実施した。
[参考例2]
先ず、実施例1と同様に操作して、基材樹脂フィルム1のPVA系樹脂層表面に、CVD法による酸化珪素蒸着層を形成した。
次に、上記の酸化珪素蒸着層表面に、バリア保護樹脂組成物1を塗布し、80℃、搬送速度100m/min乾燥し、55℃で3日間エージングして、バリア保護層(0.3μm厚)付きの高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムを得た。
次に、上記のバリア保護層に、DL接着剤1を塗布、乾燥して、シーラント樹脂フィルム1を積層して、ガ高層間密着性スバリア性積層体を作製し、同様に評価を実施した。
[参考例3]
基材樹脂フィルム1の代わりに基材樹脂フィルム2を用いて、基材樹脂フィルム2のコ
ロナ処理面にCVD法による酸化珪素蒸着層を形成したこと以外は、実施例2と同様に操作して、シーラント層を有するガスバリア性積層体を作製し、同様に評価を実施した。
[実施例1]
基材樹脂フィルム1の代わりに基材樹脂フィルム3を用いて、CVD法による酸化珪素蒸着層の代わりにPVD法による酸化アルミニウム層を下記条件で形成したこと以外は、施例2と同様に操作して、シーラント層を有するガスバリア性積層体を作製し、同様に評価を実施した。
酸化アルミニウム蒸着層形成条件
・真空蒸着法の加熱手段:反応性抵抗加熱方式
・真空度:8.1×10-2Pa
・搬送速度:400m/min
・酸素のガス供給量:8000sccm
<結果まとめ>
基材層がポリプロピレン系樹脂を含有する2軸延伸樹脂フィルムからなる層とPVA系樹脂層とを有し、ガスバリア層がPVD法による酸化アルミニウム蒸着層を有する実施例1は、良好な酸化珪素蒸着層/基材層(PVA系樹脂層)間の層間密着強度と、良好なガスバリア性を示した。
また、基材層がポリプロピレン系樹脂を含有する2軸延伸樹脂フィルムからなる層とPVA系樹脂層とを有し、ガスバリア層がCVD法による酸化珪素蒸着層を有する参考例1と2は、良好な酸化珪素蒸着層/基材層(PVA系樹脂層)間の層間密着強度と、良好なガスバリア性を示したが、該層構成を有していない参考例3は、劣った該層間密着強度とガスバリア性を示した。
<評価方法>
[酸素透過度]
酸素透過度測定装置(MOCON社製、OX-TRAN2/22)を用いて、試験片の基材層面が酸素供給側になるようにセットして、JIS K 7126準拠して、23℃、相対湿度90%RH環境下における酸素透過度を測定した。
[水蒸気透過度]
水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、PERMATRAN―W3-34G)を用いて、試験片の基材層面が水蒸気供給側になるようにセットして、JIS K 7129に準拠して、40℃、相対湿度90%RH環境下における水蒸気透過度を測定した。
[層間密着強度]
積層体を15mm巾の短冊状に切断し、引張試験機を用いて下記条件で蒸着フィルム/シーラント間の層間密着強度(N/15mm)を測定した。
引張試験条件
引張速度:50mm/min
剥離角度:90°
[ヒートシール性]
積層体を10cm×10cmに切り分け、半分に折ってシーラント面を重ね合せ、ヒートシールテスター(テスター産業社製:TP-701-A)を用いて、端部はヒートシールせずに二股に分かれている状態に残るように、1cm×10cmの領域を下記条件でヒートシールし、さらに、15mm幅で短冊状に切断して、試験片を作製した。
そして、試験片の二股に分かれている各端部を引張試験機に装着して、下記条件で引張強度(N/15mm)を測定し、下記合否判定基準で評価した。
ヒートシール条件
温度:180℃
圧力:1kgf/cm2
時間:1秒
引張試験条件
引張速度:300mm/min
剥離角度:90°
合否判定
○:引張強度が25N/15mm以上であり、合格。
×:引張強度が25N/15mm未満であり、不合格。
[製袋性]
積層体から下記条件でシール巾10mmで四方シールして150mm×210mmサイズのパウチ袋を作製し、下記合否判定基準で評価した。
ヒートシール条件
温度:180℃
圧力:1kgf/cm2
時間:1秒
合否判定
○:問題無く製袋できた。
×:製袋できなかった。
Figure 2023120291000002
1 高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム
2 基材層
2a 2軸延伸樹脂フィルム層
2b PVA系樹脂層
3 ガスバリア層
3a 酸化珪素蒸着層
3b バリア保護層
4 高層間密着性ガスバリア積層体、高層間密着性ガスバリア包装材料
5 シーラント層

Claims (8)

  1. 基材層とガスバリア層とを有する高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムであって、
    該基材層は、ポリプロピレン系樹脂を含有する2軸延伸樹脂フィルムからなる層と、PVA系樹脂層とを有し、
    該ガスバリア層は、酸化アルミニウム蒸着層を有し、
    該酸化アルミニウム蒸着層は、該PVA系樹脂層の上に接して積層されていることを特徴とする、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム。
  2. 前記ガスバリア層が、さらに、バリア保護層を有しており、
    該バリア保護層は、珪素アルコキシドと水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物から形成された層であり、前記酸化アルミニウム蒸着層の上に接して積層されていることを特徴とする、
    請求項1に記載の、高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムからなる層と、ポリプロピレン系樹脂を含有するシーラント層とを有する高層間密着性ガスバリア積層体であって、
    該シーラント層は、該高層間密着性ガスバリア蒸着フィルムの、前記基材層とは反対側の面の表面に、積層されていることを特徴とする、
    高層間密着性ガスバリア積層体。
  4. 前記シーラント層が、無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムからなる層であることを特徴とする、
    請求項3に記載の、高層間密着性ガスバリア積層体。
  5. 前記高層間密着性ガスバリア積層体中の、ポリプロピレン系樹脂の含有率が、50質量%以上であることを特徴とする、
    請求項3または4に記載の、高層間密着性ガスバリア積層体。
  6. 請求項3~5の何れか1項に記載の高層間密着性ガスバリア積層体から作製されたことを特徴とする、高層間密着性ガスバリア包装材料。
  7. 請求項6に記載の高層間密着性ガスバリア包装材料から作製されたことを特徴とする、高層間密着性ガスバリア包装体。
  8. 請求項6に記載の高層間密着性ガスバリア包装材料から作製されたことを特徴とする、高層間密着性ガスバリア包装袋。
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