JPH07307073A - ビデオカセット - Google Patents

ビデオカセット

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JPH07307073A
JPH07307073A JP6097697A JP9769794A JPH07307073A JP H07307073 A JPH07307073 A JP H07307073A JP 6097697 A JP6097697 A JP 6097697A JP 9769794 A JP9769794 A JP 9769794A JP H07307073 A JPH07307073 A JP H07307073A
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JP
Japan
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film
particles
cassette
video cassette
tape
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JP6097697A
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Koichi Abe
晃一 阿部
Toru Miyake
徹 三宅
Mitsuhiro Horiuchi
光弘 堀内
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリエステル組成物の少なくとも片面に、粒
子を含有するポリエステル組成物を積層してなるフイル
ムに磁性層を設けたテープからなるカセットであって、
該層の厚さtと該粒子の平均粒径dの比、t/dが、
0.1〜10の範囲であり、かつ、カセット中でテープ
の走行面(非磁性面)が接触するガイドポスト部材がポ
リプロピレン主体の組成物からなることを特徴とするビ
デオカセットとしたものである。 【効果】 特定のテープとポリプロピレン製カセットと
の組み合わせにより粉発生、振動ともに良好なビデオカ
セットが完成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビデオカセット、さらに
詳しくは、軽量化、リサイクル性、画質に優れたビデオ
カセットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビデオカセットとしては、軽量化などを
目的として、ポリプロピレンを主体とするカセットが知
られている(たとえばTAPE/DISC BUSIN
ESS誌、1993年3月号、4頁)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、該ポリプロピ
レンを主体とするカセットに従来のフィルム・磁性層か
らなるテープを組み込んだビデオカセットは、繰り返し
使用した場合に、ポリプロピレン製のガイドポストに白
粉が発生し、また、カセット全体に振動が発生するとい
う問題が顕在化してきている。
【0004】本発明はかかる問題点を改善し、繰り返し
使用した場合にも白粉が発生せず(以下粉発生良好とい
う)、また、カセットが振動しないビデオカセット(以
下振動良好という)を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】ポリエステル組成物の少
なくとも片面に、粒子を含有するポリエステル組成物を
積層してなるフイルムに磁性層を設けたテープからなる
カセットであって、該層の厚さtと該粒子の平均粒径d
の比、t/dが下式(1)を満たし、かつ、カセット中
でテープの走行面(非磁性面)が接触するガイドポスト
部材がポリプロピレン主体の組成物からなることを特徴
とするビデオカセットとしたものである。
【0006】0.1≦t/d≦10 −−−(1) 本発明の基層を構成するポリエステルは特に限定されな
いが、エチレンテレフタレ−ト、エチレン2,6-ナフタレ
−ト単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要
構成成分とする場合に粉発生、振動がより一層良好とな
るので望ましい。
【0007】本発明は上記ポリエステルフィルムの少な
くとも片面に、粒子を含有するポリエステル組成物を積
層してなるフイルムであるが、該層のポリエステルの種
類も、特に限定されることはなく、上記基層部のポリエ
ステルと同種または異種であってもかまわない。ここで
いう積層部とは、2層の場合はそのフィルムの断面構造
から見て薄い層のことをいう。3層以上の場合はその表
層積層部のことをいう。この積層部に用いるポリエステ
ルは結晶性である場合に粉発生、振動がより一層良好と
なるので望ましい。ここでいう結晶性とはいわゆる非晶
質ではないことを示すものであり、定量的には示差走査
熱量計の測定で冷結晶化温度Tccが検出され、かつ結
晶化パラメータΔTcgが150℃以下のものである。
さらに、示差走査熱量計で測定された融解熱(融解エン
タルピー変化)が7.5cal/g以上の結晶性を示す
場合に粉発生、振動がより一層良好となるのできわめて
望ましい。特に、エチレンテレフタレ−ト、エチレン2,
6-ナフタレ−ト単位から選ばれた少なくとも一種の構造
単位を主要構成成分とする場合に、振動が一層良好とな
るので望ましい。なお、本発明を阻害しない範囲内で、
2種以上のポリエステルを混合しても良いし、共重合ポ
リマを用いても良い。
【0008】該ポリエステル層に含有せしめる粒子は特
に限定されないが、有機粒子、特に、架橋高分子、特
に、ジビニルベンゼン重合体、エチルビニルベンゼンー
ジビニルベンゼン共重合体、スチレンージビニルベンゼ
ン共重合体、不飽和ポリエステル樹脂からなる粒子の場
合に、粉発生が特に良好となるので望ましい。また、そ
の含有量は、積層部全体に対して0.05〜5重量%、
特に、0.07〜3重量%、さらに、0.07〜2重量
%の場合に、粉発生、振動ともに一層良好となるので望
ましい。ここで粒子の種類は2種類以上でもよいが、そ
の総量が上記範囲であるのが望ましい。粒子の平均粒径
(直径)は、特に限定されるものではないが、0.05
〜2μm、特に、0.07〜1.5μm、さらに、0.
1〜1μmの場合に、粉発生、振動がより一層良好とな
るので望ましい。また、平均粒径(直径、1次径)が
0.01〜1.5μm、特に、0.02〜1.2μmの
無機粒子と併用すると粉発生が一層良好となるので望ま
しい。
【0009】本発明を構成するテープのベースフィルム
は、上記粒子含有組成物の積層フィルムを特徴とする
が、該積層部の厚さtとその粒子の平均粒径dの比、t
/dが、0.1〜10、好ましくは0.3〜5、さらに
好ましくは、0.5〜3の範囲であることが必要であ
る。t/dが上記の範囲より小さくても、また、大きく
ても、粉発生、振動ともに不良となるので好ましくな
い。
【0010】また、該混合物の積層部において、式、
0.1≦t/d≦10の関係を満たす分散成分の数が3
×103 〜8×107 個/mm2 である場合に、粉発生
がより一層良好となるので望ましい。
【0011】なお、該フィルムの基層部にも粒子が含
有、特に、基層部全体に対して、0.01〜1重量%含
有された場合に、粉発生が一層良好となるので望まし
い。
【0012】本発明を構成するテープのベースフイルム
は上記組成物を二軸配向せしめたフイルムである。一軸
あるいは無配向フイルムでは粉発生が不良となるので好
ましくない。この配向の程度は特に限定されないが、高
分子の分子配向の程度の目安であるヤング率が長手方
向、幅方向ともに350kg/mm2 以上である場合に
粉発生がより一層良好となるのできわめて望ましい。分
子配向の程度の目安であるヤング率の上限は特に限定さ
れないが、通常、1500kg/mm2 程度が製造上の
限界である。
【0013】さらに本発明を構成するテープのベースフ
イルムは積層部の表面の全反射ラマン結晶化指数が20
cm-1以下、好ましくは18cm-1以下、さらに17c
-1以下の場合に粉発生がより一層良好となるのできわ
めて望ましい。
【0014】本発明を構成するテープのベースフイルム
は積層部分の2次イオンマススペクトルによって測定さ
れる表層粒子濃度比は特に限定されないが、ポリエステ
ルA面の表層粒子濃度比が1/10以下、特に1/50
以下である場合に粉発生がより一層良好となるので特に
望ましい。
【0015】本発明を構成するテープのベースフイルム
の厚さは特に限定されないが、4〜18μm、特に、5
〜16μmの場合に、振動、粉発生ともに一層良好とな
るので望ましい。
【0016】本発明を構成するテープのベースフイルム
の積層部表面の濡れ張力は45ダイン/cm以下、好ま
しくは、43ダイン/cm以下、さらに好ましくは40
ダイン/cm以下の場合に粉発生が一層良好となるので
望ましい。接触角の下限は特に限定されないが通常20
ダイン/cm程度が製造上の限界である。
【0017】本発明を構成するテープのベースフイルム
の積層部に、炭素数が3〜80の脂肪族の酸、エスエ
ル、アミドあるいはそれらの塩など、例えば、カルナウ
バワックスなどが含有されている場合に、上記の望まし
い範囲の濡れ張力を得るために望ましい。
【0018】本発明を構成するテープは、上記の二軸配
向ポリエステルフィルムの片面に磁性層を設けたもので
あるが、フィルムが2層構造の場合はt/dを満足する
面の反対面に磁性層を設けると、振動、粉発生が一層良
好となるので望ましい。磁性層の種類は、磁性粉をバイ
ンダとともに塗布した、いわゆる塗布型でも、バインダ
を含有しない金属薄膜型のどちらでもよいが、ポリプロ
ピレンカセットの相性の点から、塗布型が望ましい。磁
性粉の種類は特に限定されず、酸化鉄、酸化クロム、コ
バルト被着酸化鉄、また、鉄、コバルト、鉄ーコバル
ト、鉄ーコバルトーニッケル、コバルトーニッケルなど
の金属、それらの合金が好ましく用いられるが、金属酸
化物が特に望ましい。また、磁性層を構成するバインダ
は特に限定されないが、熱硬化性樹脂系、高エネルギー
線硬化型バインダが好ましく、その他添加剤として分散
剤、潤滑剤、帯電防止剤などが含有されていてもよい。
例えば、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共
重合体、ポリウレタン、ポリイソシアネート、あるいは
その混合物などが好ましく用いられる。磁性層の厚さは
特に限定されないが、0.1〜5μm、特に0.2〜
4.5μm、さらに0.5〜4μmの場合に振動が特に
良好となるので望ましい。ここで、磁性層の厚さtmと
ベースフィルムの積層部tの比、tm/tが0.5〜
5、特に、0.8〜4の場合に、粉発生、振動ともに一
層良好となるので望ましい。
【0019】また、テープの走行面の表面電気抵抗が1
13Ω/□以下、好ましくは、1012Ω/□以下、さら
に、1011Ω/□以下である場合に、粉発生がより一層
良好となるので望ましい。この場合、フィルムの積層部
に界面活性剤、例えば、アルキルスルホン酸金属塩など
を添加したり、また、テープの走行面に導電層を塗布す
ることが、本発明の望ましい範囲の表面電気抵抗を得る
のに有効である。
【0020】本発明のカセットのガイドポスト部材は、
ポリプロピレンを主たる組成物、具体的には50重量%
以上。好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは9
0重量%以上とすることが必要である。ポリプロピレン
部材と特殊なフィルムそれからなる磁気テープを組み合
わせてこそ、易成型性、走行性、低振動性、粉発生など
の特性が従来のカセットを凌駕するのである。
【0021】また、このガイドポストと接触走行するテ
ープの裏面、すなわちフィルム表面の表面粗さが5〜5
0nm、特に、10〜40nm、さらに10〜30nm
の範囲である場合に粉発生が一層良好となるので望まし
い。また、このガイドポストの表面粗さがカセットのガ
イドポストの表面粗さRaが30〜200nm、好まし
くは50〜150nmの範囲である場合に、粉発生が一
層良好となるので望ましい。また、カセットのガイドポ
ストの表面最大高さRtが0.1〜2μm、特に0.2
〜1.8μm、さらに0.3〜1.5μmの範囲である
場合に、粉発生が一層良好となるので望ましい。
【0022】さらに、本カセットテープの始端、および
/または、終端に接続されている透明のリーダテープの
材質もポリプロピレンを主たる組成物、具体的には50
重量%以上。好ましくは70重量%以上、さらに好まし
くは90重量%以上ポリプロピレンとする場合に、走行
性、低振動性、粉発生、ドロップアウトなどの特性が一
層良好となるので望ましい。
【0023】また、カセットのプラスチック部材が全て
ポリプロピレン主体の組成物、具体的には50重量%以
上。好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90
重量%以上ポリプロピレンからなる場合に、易成型性、
走行性、低振動性、粉発生、リサイクル性が一層良好と
なり、同時に軽量化もはかりやすいので望ましい。ここ
で、ガイドポストやカセットのプラスチック部材がポリ
プロピレンであるか否かの判定は、赤外分光法、熱分析
など公知の方法で同定できる。
【0024】次に本発明フィルムの製造方法について説
明する。
【0025】まず、所定のポリエステルに2種以上の粒
子を含有せしめる方法としては、ポリエステルの重合工
程で粒子を含有せしめる方法、粒子を実質的に含有しな
いポリエステルをあらかじめ重合しておきそこに粒子を
ベント式二軸混練機等を用いて練り込む方法等特に限定
されないが、粒子をベント式二軸混練機等で高濃度に含
有せしめた後、このポリエステルと実質的に粒子を含有
しないポリエステルを適宜混合して、濃度調整するのが
有効である。
【0026】かくして、粒子を含有するポリエステルA
のペレットを、乾燥したのち、公知の溶融押出機1に供
給し、ポリエステルB(A、Bは同種、異種どちらでも
よい、またBには粒子を含有されていてもいなくても、
含有されていても良い)を押出機2に供給し、2または
3層のマニホ−ルドまたは合流ブロックを用いて、ポリ
エステルAをポリエステルBの少なくとも片面に積層
し、スリット状の口金から2または3層のシートを押し
出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フイルム
を作る。この場合、合流断面が矩形の合流ブロックを用
いて積層する方法が、本発明の平均粒径と厚さの関係を
得るのに有効である。また積層部を構成するポリエステ
ル層に長鎖アルキルの脂肪酸(またはそのエステル)、
ワックス、シリコーン化合物などを含有せしめること
で、本発明の望ましい範囲の濡れ張力が得られ易いので
望ましい。
【0027】次に、この未延伸フィルムを二軸延伸し、
二軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法
または同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、
最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延
伸法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総
縦延伸倍率を3.5〜6.5倍で行なう方法は延伸破れ
なく、本発明範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量、望
ましい範囲の配向状態、表層粒子濃度比のフイルムを得
るのに有効である。長手方向延伸温度はポリエステルの
種類によって異なり一概には言えないが、通常、その1
段目を50〜130℃の範囲が、本発明範囲の厚さと平
均粒径の関係、含有量、望ましい範囲の配向状態、平均
突起高さ、表層粒子濃度比のフイルムを得るのに有効で
ある。長手方向延伸速度は5000〜50000%/分
の範囲が好適である。幅方向の延伸方法としてはステン
タを用いる方法が一般的である。延伸倍率は、3.0〜
5.0倍の範囲が適当である。幅方向の延伸速度は、1
000〜20000%/分、温度は80〜160℃の範
囲が好適である。また、いったん二軸延伸されたフイル
ムを少なくとも一方向にさらに延伸しても良い。次にこ
の延伸フィルムを熱処理する。この場合の熱処理温度は
170〜200℃、特に170〜190℃、時間は0.
5〜60秒の範囲が好適である。
【0028】次にこのベースフィルム、すなわち、二軸
配向ポリエステルフィルムに磁性層を設ける。その方法
は特に限定されないが、ダイコータで磁性層を塗布する
方法が望ましい。塗布後の乾燥工程は温度を90〜12
0℃で行なうのが望ましく、その後のカレンダ工程は、
ポリアミド、または、ポリエステルを弾性ロールに用
い、40〜70℃で行なうのが望ましい。さらに、その
後必要に応じて磁性層をキュアして、所定の幅に裁断す
る。このテープを、ポリプロピレンを主たる組成物とす
るビデオカセットをそのガイドポストを#2000のエ
メリーペーパーで研磨して望ましい表面粗さに仕上げた
後、テープを組み込み、本発明のカセットを得る。
【0029】
【物性の測定方法ならびに効果の評価方法】本発明の特
性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りであ
る。
【0030】(1)粒子の平均粒径 フィルムからポリエステルをプラズマ低温灰化処理法
(たとえばヤマト科学製PR−503型)で除去し粒子
を露出させる。処理条件はポリエステルは灰化されるが
粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをSE
M(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像(粒子に
よってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(たと
えばケンブリッジインストルメント製QTM900)に
結び付け、観察箇所を変えて粒子数5000個以上で求
めた面積平均径dを平均粒径とする。
【0031】(2)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
【0032】(3)結晶化パラメータΔTcg、融解熱 パ−キンエルマ−社製のDSC(示差走査熱量計) 型
を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りであ
る。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、3
00℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中に急冷す
る。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点
Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態からの
結晶化発熱ピ−ク温度をもって冷結晶化温度Tccとし
た。さらに昇温を続け、融解ピークから融解熱を求め
た。ここでTccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶化
パラメータΔTcgと定義する。
【0033】(4)表面の分子配向(屈折率) ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈
折率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレ
ンを用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの
二軸配向性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN
1 、N2 、N3とした時、(N1 −N2 )の絶対値が
0.07以下、かつ、N3 /[(N1 +N2 )/2]が
0.95以下であることをひとつの基準とできる。ま
た、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を測定しても良
い。さらに、この方法では測定が難しい場合は全反射レ
ーザーラマン法を用いることもできる。レーザー全反射
ラマンの測定は、Jobin-Yvon社製Ramanor U−1000
ラマンシステムにより、全反射ラマンスペクトルを測定
し、例えばPETの場合では、1615cm-1(ベンゼ
ン環の骨格振動)と1730cm-1(カルボニル基の伸
縮振動)のバンド強度比の偏光測定比(YY/XX比な
ど。ここでYY:レーザーの偏光方向をYにしてYに対
して平行なラマン光検出、XX:レーザーの偏光方向を
XにしてXに対して平行なラマン光検出)が分子配向と
対応することを利用できる。ポリマの二軸配向性はラマ
ン測定から得られたパラメータを長手方向、幅方向の屈
折率に換算して、その絶対値、差などから判定できる。
この場合の測定条件は次のとおりである。
【0034】光源 アルゴンイオンレ−ザ−(5145オングストローム) 試料のセッティング フィルム表面を全反射プリズムに圧着させ、レ−ザのプ
リズムへの入射角(フィルム厚さ方向との角度)は60
゜とした。
【0035】検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System(Hamamatsu C1
230) (supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (5)全反射ラマン結晶化指数 Jobin-Yvon社製Ramanor U−1000ラマンシステムに
より、全反射ラマンスペクトルを測定し、カルボニル基
の伸縮振動である1730cm-1の半価幅をもって表面の
全反射ラマン結晶化指数とした。測定条件は次のとおり
である。測定深さは、表面から500〜1000オング
ストローム程度である。
【0036】光源 アルゴンイオンレ−ザ−(5145オングストローム) 試料のセッティング レ−ザ−偏光方向(S偏光)とフィルム長手方向が平行
となるようにフィルム表面を全反射プリズムに圧着さ
せ、レ−ザのプリズムへの入射角(フィルム厚さ方向と
の角度)は60゜とした。
【0037】検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System(Hamamatsu C1
230) (supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (6)中心線平均表面粗さRa、最大高さRt 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て測定した。条件は下記のとおりであり、20回の測定
の平均値をもって値とした。
【0038】・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、Ra、Rtの定義は、たとえば、奈良治郎著「表
面粗さの測定・評価法」(総合技術センター、198
3)に示されているものである。
【0039】(7)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25
℃、65%RHにて測定した。
【0040】(8)表層粒子濃度比 2次イオンマススペクトル(SIMS)を用いて、フイ
ルム中の粒子に起因する元素の内のもっとも高濃度の元
素とポリエステルの炭素元素の濃度比を粒子濃度とし、
厚さ方向の分析を行なう。SIMSによって測定される
最表層粒子濃度(深さ0の点)における粒子濃度Aとさ
らに深さ方向の分析を続けて得られる最高濃度Bの比、
A/Bを表層濃度比と定義した。測定装置、条件は下記
のとおりである。測定装置、条件は下記のとおりであ
る。
【0041】測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領 域:400μm□ 分 析 領 域:ゲ−ト30% 測 定 真 空 度:6.0×10-9Torr E − G U N:0.5KV−3.0A (9)ポリエステルA層の積層厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっ
とも高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素
元素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から
深さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層で
は表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざ
かるにつれて粒子濃度は高くなる。本発明フイルムの場
合はいったん極大値となった粒子濃度がまた減少し始め
る。この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度がの極大値
の1/2となる深さ(この深さは極大値となる深さより
も深い)を求め、これを積層厚さとした。条件は次の通
り。
【0042】(1) 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 (2) 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域:400μm□ 分析領域:ゲ−ト30% 測定真空度:5.0×10-9Torr E−GUN:0.5KV−3.0A なお、架橋高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難し
いので、表面からエッチングしながらXPS(X線光電
子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様のデプ
スプロファイルを測定し積層厚さを求めても良い。
【0043】また、この積層厚さを求めるもっとも一般
的な方法は、透過型電子顕微鏡等の電子顕微鏡観察で、
フィルムの(透過)による断面観察で粒子濃度の変化状
態やコントラストの差から界面を認識し積層厚さを求め
る方法である。
【0044】(14)濡れ張力 濡れ張力を臨界表面張力として求めた。測定は、AST
M−D−2578−67T法によって、20℃、65%
RH雰囲気下にて行なった。
【0045】(15)表面電気抵抗 20℃、65%RHの雰囲気下で、デジタル超高抵抗/
微小電流計R8340A(アドバンテスト(株)製)を
用いて測定した。
【0046】(16)粉発生 ビデオカセットを、市販の家庭用VTR(松下電器NV
−360型)を用いて、40℃、80%RHの雰囲気
で、PLAY/REWINDを100回繰り返した後、
カセット出入口のガイドピン(ポリプロピレン製)に付
着した粉を観察する。付着した粉の状態を下記のように
5段階にランクづけし、4〜5点を良好、3点を不満
足、1〜2点を不良とした。
【0047】5:粉が全く付着していない 4:粉がわずかに付着(テープ接触部の面積の1/10
未満) 3:粉が付着(同1/4〜1/10) 2:粉がかなり付着(同1/2〜1/4) 1:粉が大量に付着(同1/2以上)、ガイド部に傷発
生 (17)振動 上記走行試験中にカセットの振動状態を観察し、摩擦上
昇にともなう振動がない場合を良好、振動がある場合を
不良と判定した。
【0048】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。
【0049】実施例1〜5、比較例1〜4 二軸スクリューを有するベント式混練機を用いて、粒径
の異なるいつかの種類の粒子をポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリエチレンー2,6ーナフタレート
(PEN)に所定量添加したポリマを製造したまた、常
法によって、実質的に粒子を含有しないPET、PEN
を製造しとした。これらのチップを適宜混合し、基層部
(ポリエステルB)と積層部用のポリマ(ポリエステル
A)を調整した。これらのポリマをそれぞれ180℃で
3時間減圧乾燥(3Torr)し、それぞれを2台の押出機
に供給し290℃で溶融し、これらのポリマを、2また
は3層用の矩形の合流ブロック(フィードブロック)で
合流積層し、静電印加キャスト法を用いて表面温度30
℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却固化し、
2〜3層構造の未延伸フィルムを作った。この時、それ
ぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、ポリエステルA
層の厚さを調節した。この未延伸フイルムを温度80℃
にて長手方向に4.5倍延伸した。この延伸は2組のロ
−ルの周速差で行なった。この一軸延伸フイルムをステ
ンタを用いて延伸速度5000%/分で100℃で幅方
向に4.0倍延伸し、定長下で、200℃にて5秒間熱
処理し、総厚さ15μmの二軸配向積層ポリエステルフ
ィルムを得た。
【0050】このベースフィルムに、下記組成の磁性塗
料をグラビヤロールにより塗布し、磁気配向させ、乾燥
させる。さらに、小型テストカレンダ−装置(スチ−ル
ロール/ナイロンロール、5段)で、温度:70℃、線
圧:200kg/cmでカレンダ−処理した後、70
℃、48時間キュアリングする。上記テ−プ原反を1/
2インチにスリットし、パンケーキを作成した。このパ
ンケーキから長さ250mの長さを蓋部を支える金属バ
ネ以外は全てポリプロピレン樹脂からなるビデオカセッ
トに組み込みビデオカセットとした。
【0051】 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2 /g ) :100重量部 ・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体: 10重量部 ・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ) : 10重量部 ・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5重量部 ・レシチン : 1重量部 ・メチルエチルケトン : 75重量部 ・メチルイソブチルケトン : 75重量部 ・トルエン : 75重量部 ・カーボンブラック : 2重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部 これらのビデオカセットの本発明のパラメ−タは第1表
に示したとおりであり、本発明のパラメータが範囲内の
場合は、粉発生、振動ともに優れたカセットであるが、
そうでない場合は目的を達し得ないことがわかる。
【0052】
【表1】
【表2】
【0053】
【発明の効果】特定のテープとポリプロピレン製カセッ
トとの組み合わせにより粉発生、振動ともに良好なビデ
オカセットが完成したものである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル組成物の少なくとも片面
    に、粒子を含有するポリエステル組成物を積層してなる
    フイルムに磁性層を設けたテープからなるカセットであ
    って、該層の厚さtと該粒子の平均粒径dの比、t/d
    が下式(1)を満たし、かつ、カセット中でテープの走
    行面(非磁性面)が接触するガイドポスト部材がポリプ
    ロピレン主体の組成物からなることを特徴とするビデオ
    カセット。 0.1≦t/d≦10 −−−(1)
  2. 【請求項2】 カセットのプラスチック部材が全てポリ
    プロピレン主体の組成物からなることを特徴とする請求
    項(1)記載のビデオカセット。
  3. 【請求項3】 フィルムのガイドポストと接触する面の
    表面粗さが5〜50nmであることを特徴とする請求項
    1または2記載のビデオカセット。
  4. 【請求項4】 フィルムの積層部の厚さtと該粒子の平
    均粒径dの比、t/dが下式(2)を満たし、かつ、磁
    性層の厚さtmとtの比が、下式(3)を満たすことを
    特徴とする請求項1〜3記載のビデオカセット。 0.3≦t/d≦5 −−−(2) 0.5≦tm/t≦5 −−−(3)
  5. 【請求項5】 カセットのガイドポストの表面粗さRa
    が30〜200nmの範囲であることを特徴とする請求
    項1〜4記載のビデオカセット。
  6. 【請求項6】 カセットのガイドポストの表面最大高さ
    Rtが0.1〜2μmの範囲であることを特徴とする請
    求項1〜5記載のビデオカセット。
  7. 【請求項7】 フィルムの積層部に、該積層部に対し
    て、0.05〜5重量%の有機粒子を含有することを特
    徴とする請求項1〜6記載のビデオカセット。
  8. 【請求項8】 フィルムの積層部表面の濡れ張力が45
    ダイン/cm以下であることを特徴とする請求項1〜7
    記載のビデオカセット。
  9. 【請求項9】 テープの走行面の表面電気抵抗が1013
    Ω/□以下であることを特徴とする請求項1〜8記載の
    ビデオカセット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020131676A (ja) * 2019-02-26 2020-08-31 大日本印刷株式会社 高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム
JP2020131675A (ja) * 2019-02-26 2020-08-31 大日本印刷株式会社 高層間密着性ガスバリア蒸着フィルム
JP2021000770A (ja) * 2019-06-21 2021-01-07 大日本印刷株式会社 保香性包装袋用積層体及び包装袋

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