JP2023120028A - 眼科用レーザ治療装置 - Google Patents

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Tomonori Nishimura
慎一 松浦
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Abstract

【課題】 観察視野内の表示を有効に活用することで、操作性を向上した眼科用レーザ治療装置を提供する。【解決手段】 眼科用レーザ治療装置は、患者眼に治療レーザ光を照射するレーザ照射光学系と、患者眼を照明光によって照明する照明光学系と、照明光によって照明された患者眼の観察像を、接眼レンズを介して観察する観察光学系と、観察像を撮影することで観察画像を得るための撮影手段と、観察光学系に設けられ、接眼レンズを介して術者眼に呈示光を投光する第1表示部と、観察光学系の外に設けられ、撮影手段によって得られた観察画像を表示する第2表示部と、患者眼に対する観察光学系の位置合わせを行うための操作レバーと、前記操作レバーを把持しながら操作可能な第1操作部からの操作信号に基づいて、第1表示部と第2表示部の表示を連携させる表示制御手段と、を備える。【選択図】 図5

Description

本開示は、患者眼の患部に治療レーザ光を照射する眼科用レーザ治療装置に関する。
治療レーザ光の照射条件に関するパラメータを、細隙灯顕微鏡(スリットランプ)の観察視野内に表示する眼科用レーザ治療装置が知られている(例えば特許文献1)。
特開2017-645号公報
しかしながら、従来のレーザ治療装置において、治療パラメータを変更する際には細隙灯顕微鏡から眼を離し、別に置いてあるコントロールユニットなどを操作することが多く、操作性において改善の余地があった。
そこで、本開示は観察視野内の表示を有効に活用することで、操作性を向上した眼科用レーザ治療装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 患者眼のレーザ治療を行うための眼科用レーザ治療装置は、前記患者眼に治療レーザ光を照射するためのレーザ照射光学系と、前記患者眼を照明光によって照明する照明光学系と、前記照明光によって照明された前記患者眼の観察像を、接眼レンズを介して観察する観察光学系と、前記観察像を撮影することで観察画像を得るための撮影手段と、前記観察光学系に設けられ、前記接眼レンズを介して術者眼に呈示光を投光する第1表示部と、前記観察光学系の外に設けられ、前記撮影手段によって得られた前記観察画像を表示する第2表示部と、前記患者眼に対する前記観察光学系の位置合わせを行うための操作レバーと、前記操作レバーを把持しながら操作可能な第1操作部からの操作信号に基づいて、前記第1表示部と前記第2表示部の表示を連携させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
(2) 患者眼のレーザ治療を行うための眼科用レーザ治療装置は、前記患者眼に治療レーザ光を照射するためのレーザ照射光学系と、前記患者眼を照明光によって照明する照明光学系と、前記照明光によって照明された前記患者眼の観察像を、接眼レンズを介して観察する観察光学系と、前記観察像を撮影することで観察画像を得るための撮影手段と、前記観察光学系に設けられ、前記接眼レンズを介して術者眼に呈示光を投光する第1表示部と、前記観察画像を前記第1表示部に表示させることによって、前記観察像と前記観察画像とを前記接眼レンズを介して術者に同時に呈示する表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
本開示のレーザ治療装置によれば、本開示は観察視野内の表示を有効に活用することで、操作性を向上できる。
眼科用レーザ治療装置の外観図である。 眼科用レーザ治療装置の光学系を側方からみた図である。 眼科用レーザ治療装置の光学系を上方からみた図である。 ジョイスティック部の外観図である。 接眼レンズを覗いたときに見える合成像である。 モニタに表示される表示画面である。 接眼レンズを覗いたときに見える合成像である。 モニタに表示される表示画面である。 変容例の眼科用レーザ治療システムを示す図である。
<実施例>
以下、本開示における典型的な実施例を図面に基づいて説明する。本実施例の眼科用レーザ治療装置1は、患者眼Eに治療用のレーザ光を照射して、患者眼Eの治療等を行うことができる。
図1~3を用いて説明する。本実施例の眼科用レーザ治療装置1は、デリバリー部2、レーザ光源ユニット10、及び光ファイバー20を備える。デリバリー部2はレーザ照射光学系40(図2参照)を含む。レーザ光源ユニット10は治療レーザ光源11(図2参照)を含む。本実施例では、デリバリー部2とレーザ光源ユニット10が光ファイバー20等で接続されている。レーザ光源ユニット10の筐体内には制御部70(図2参照)が収容されている。レーザ光源ユニット10には、操作ユニット80、フットスイッチ81等が接続されている。本実施例のフットスイッチ81は、治療レーザ光の照射を開始するためのトリガ入力手段である。
本実施例の眼科用レーザ治療装置1は更に、細隙灯顕微鏡部3(スリットランプ顕微鏡)とテーブル部4を備える。細隙灯顕微鏡部3は観察光学系30と照明光学系60を含む(図2参照)。細隙灯顕微鏡部3は本体部5を備え、デリバリー部2は本体部5に接続(合体)される。テーブル部4は、デリバリー部2が接続された本体部5を載置する。なお、眼科用レーザ治療装置1の態様は本開示に限るものでは無い。例えば、細隙灯顕微鏡部3とデリバリー部2とレーザ光源ユニット10とが一体化されていてもよい。また例えば、デリバリー部2と細隙灯顕微鏡部3が一体化されていてもよい。
本実施例の細隙灯顕微鏡部3は、本体部5とヘッドレスト部22を備える。本体部5は、顕微鏡部7、照明部6、ジョイスティック部9(操作レバー)、及びベース部8を備える。顕微鏡部7には術者が覗くための接眼レンズ36が含まれる。観察光学系30(図2参照)は顕微鏡部7に収容される。照明光学系60(図2参照)は照明部6に収容される。ベース部8は変位機構を備えた変位手段であり、テーブル部4上に載置された本体部5(レーザ照射光学系40等)を、上下方向(図1ではY方向)、左右方向(図1ではX方向)、又は前後方向(図1ではZ方向)に移動できる。ベース部8は更に、上下方向に伸びる軸を回動中心として、観察光学系30を水平方向に回動できる。術者はジョイスティック部9を操作して、本体部5を上下方向、左右方向、又は前後方向に移動できる。
<レーザ光源ユニット>
本実施例のレーザ光源ユニット10は、治療レーザ光を出射する治療レーザ光源11(図2参照)、可視の照準レーザ光(以降では照準光と呼ぶ)を出射する照準光源12、治療レーザ光と照準光を合波するビームスプリッタ13(コンバイナ)、及び集光レンズ14を備える。治療レーザ光源11は、治療目的に応じた異なる波長のレーザ光を出射できる。本実施例の治療レーザ光源11は、レーザ光のエネルギーを眼底Erが吸収するように、可視域の波長(例えば、532nm(緑色)、577nm(黄色)、647nm(赤色)等)のレーザ光を出射できる。本実施例では制御部70が治療レーザ光源11を制御することで、3種類(緑色/黄色/赤色)の治療レーザ光のいずれかを、治療レーザ光源11から選択的に出射できる。なお本実施例は一例であり、例えば治療レーザ光源11が1種類の治療レーザ光のみを出射できてもよいし、赤外域の波長の治療レーザ光を出射できてもよい。
照準光源12は、治療レーザ光の照射予定位置を術者に認識させるための照準光を出射する。本実施例では、患者眼Eで反射した照準光を術者が肉眼で視認できるように、照準光の波長は可視域とされている。治療レーザ光とは異なる波長を、照準光として用いてもよい。例えば照準光の波長として、波長670nm(赤色)を用いてもよい。照準光源12として例えば、赤色のレーザ光を出射するレーザダイオード(LD)を用いてもよい。
本実施例のビームスプリッタ13は、治療レーザ光源11が出射する治療レーザ光の大部分を反射し、照準光源12が出射する照準光の一部を透過する。ビームスプリッタ13で合波されたレーザ光は集光レンズ14で集光され、光ファイバー20の入射端面に入射する。治療レーザ光源11とビームスプリッタ13の間には、治療レーザ光を遮断するためのシャッター15が設けられている。照準光又は治療レーザ光が導光される光路には、シャッター16が設けられている。本実施例のシャッター16は、眼科用レーザ治療装置1の異常時に閉じられる安全シャッターである。
<レーザ照射光学系>
次いで本実施例のレーザ照射光学系40を説明する。本実施例のレーザ照射光学系40(照射手段)は光軸L2を備え、治療レーザ光源11から出射される治療レーザ光を患者眼Eに照射するために用いられる。本実施例では、治療レーザ光と照準光とでレーザ照射光学系40を共用する。本実施例のレーザ照射光学系40は、所定のパターンに基づく照準光のスポットを、患者眼Eの組織上に形成するための照準光学系とも言える。本説明では便宜上、前述した所定のパターンにシングルスポット(単発照射)を含めている。
以降では治療レーザ光に対して説明するが、照準光も同様である。光ファイバー20の出射端面から出射される治療レーザ光は、レンズ41、ズームレンズ42、ミラー43の順で介した後、走査部50(走査手段)、対物レンズ46、反射ミラー49、コンタクトレンズCLを経て治療部位に照射される。ズームレンズ42はレーザ光のスポットサイズを変更するためのスポットサイズ変更手段である。ズームレンズ42は光軸方向に移動可能である。本実施例ではコンタクトレンズCLは術者が把持する。
本実施例の走査部50はレーザ照射光学系40に設けられる。走査部50は、治療レーザ光のスポット(照射位置)を患者眼Eの組織上(眼底Er上)で2次元的に走査するために用いられる。本実施例の走査部50は、レーザ光の照射位置(照射方向)を2次元的に移動させる走査光学系である。本実施例の走査部50はスキャナミラーを備える。本実施例の走査部50は、ガルバノミラー51(第1ガルバノミラー)とガルバノミラー55(第2ガルバノミラー)を備える。ガルバノミラーをガルバノスキャナと換言してもよい。本実施例ではガルバノミラー51とガルバノミラー55の各々は、レーザ光を反射するミラーとアクチュエータとを備える。アクチュエータは、ミラーを駆動(回動)する駆動部である。なお走査部50については、例えば特開2011-156290号公報を参照されたし。
本実施例では、レーザ照射光学系40の各光学素子を通った治療レーザ光は、反射ミラー49で反射された後、コンタクトレンズCLを介してターゲット面である患者眼Eの組織(眼底Er)に照射される。ズームレンズ42は、不図示のレンズカムで保持されている。レンズカムが回転すると、各ズームレンズ42は光軸方向に移動する。ズームレンズ42の位置は、レンズカムに取り付けられたエンコーダ42aで検出できる。本実施例の制御部70は、各レンズの位置情報(検出信号)をエンコーダ42aから受け取り、治療レーザ光のスポットサイズを取得できる。詳細は後述するが、治療レーザ光のスポットがターゲット面で2次元のパターンとして形成されるように、走査部50は制御部70からの指令信号に基づいて制御される。図示は略すが、本実施例の反射ミラー49は、術者の操作により、レーザ光の光軸L2を2次元的に傾斜させる機構を備える。
本実施例の制御部70は、走査部50の駆動開始、走査部50の駆動停止、治療レーザ光源11からの治療レーザ光の照射開始、治療レーザ光源11からの治療レーザ光の照射停止、の順を繰り返して、患者眼Eの組織上に所定パターンのスポットを形成できる。つまり、本実施例の制御部70は、走査部50の駆動と治療レーザ光の照射とを制御して、治療レーザ光のパターン照射を行う。換言するなら、本実施例の眼科用レーザ治療装置1は、レーザ照射光学系40と走査部50を用いて、所定パターンのスポットを形成するパターン照射手段を有する。本実施例では、スポットを構成する各スポットは分離している。しかし、各スポット同士が連結されていてもよい。前述したように、本実施例のパターン照射手段は、照準光に対しても、所定パターンのスポットを形成できる。術者は観察光学系30と照準光を用いて、治療レーザ光の照射開始前に、治療レーザ光の照射予定部位を把握できる。なお本開示は一例であり、眼科用レーザ治療装置1がパターン照射手段を備えなくてもよい。
<照明光学系>
本実施例の照明光学系60は患者眼Eに照明光を投光するための照明手段であり、光軸L1を備える。詳細には本実施例の照明光学系60はスリット照明手段であり、患者眼Eの部位をスリット光で照明できる。本実施例の照明光学系60は、照明用光源61、コンデンサーレンズ62、スリット板63、フィルタ、投影レンズ64、補正レンズ、及び分割ミラーを備える。本実施例のスリット板63は、可変円形アパーチャと可変スリット板を含む。可変円形アパーチャは開口径を変更でき、可変スリット板はスリット幅を変更できる。つまり本実施例の照明光学系60は、患者眼Eの照明形状(スリット形状)を変形するための変形手段を備える。なお本実施例の照明光学系60はスリット形状のスリット光のみならず、円形の照明光も生成できる。本実施例では、術者は不図示の操作部材を操作して、可変円形アパーチャの開口径又は可変スリット板のスリット幅を変更できる。
本実施例の照明用光源61は可視光を出射できる。照明用光源61として、例えば、ハロゲンランプ又はLEDを用いてもよい。照明用光源61から発せられる照明光は、コンデンサーレンズ62を介した後にスリット板63の開口部を通過する。スリット板63にてスリット状に形成された照明光は、フィルタ、投影レンズ64、補正レンズの順で介して進み、分割ミラーで患者眼Eの方向に反射される。分割ミラーで反射した照明光は患者眼E(本実施例では眼底Er)を照明する。術者は、照明光学系60により照明された患者眼Eを、観察光学系30を用いて観察できる。
<観察光学系>
本実施例の観察光学系30は患者眼Eを観察するための観察手段であり、光軸L3を備える。なお本実施例の観察光学系30は、術者の右眼EoRに観察像を呈示するための光軸L3Rと、術者の左眼EoLに観察像を呈示するための光軸L3Lとを備える。本実施例の観察光学系30を双眼鏡と呼んでもよい。本実施例の観察光学系30は、対物レンズ31、変倍光学系32(32R,32L)、保護フィルタ33(33R,33L)、ハーフミラー37、正立プリズム群34(34R,34L)、視野絞り35(35R,35L)、接眼レンズ36(36R,36L)等を備える。術者は接眼レンズ36を覗いて、患者眼Eの観察部位、照準光のスポット(換言するなら照準光が患者眼Eで反射した反射光(戻り光))等を確認できる。なお本実施例では、対物レンズ31の先に設けられる観察面(物体面)と装置内部に配置されている視野絞り35とが対物レンズ31を介して光学的に共役な位置関係にある。つまり視野絞り35の位置で、患者眼Eの観察像が空中像として結像される。なお以降の説明では、観察光学系30を通過する観察光で形成される観察像のことを光学観察像111a(又はスルー観察像)と呼ぶことがある。光学観察像111aを換言するなら、受光素子を用いず観察光学系30にて生成されるタイムラグの無き観察像である。なお、ハーフミラー37よりも下流の観察光学系30を、治療に関する情報(患者眼Eの光学観察像111a)を術者に呈示するための呈示光学系と呼んでもよい。
なお本実施例の観察光学系30は受光素子39を備え、患者眼Eの観察像を動画又は静止画で撮影できる。つまり本実施例の観察光学系30は患者眼Eを撮影(換言するなら電子的に撮影)するための撮影部を備える。本実施例では受光素子39として撮像素子を用いている。本実施例では受光素子39を用いて取得した観察像を電子観察画像111b(又は単に観察画像)と呼ぶことがある。ハーフミラー37は観察光路を分岐するための分岐部材であり、本実施例では一方の観察光路(光軸L3L側)上に斜設されている。本実施例のハーフミラー37は保護フィルタ33Lと正立プリズム群34Lの間に配置されている。
患者眼Eを撮影するための観察光路(支流)には、レンズ38、受光素子39の順で部材が配置されている。観察面(患者眼Eの観察部位)から受光素子39までの光路を、患者眼Eを撮影するための撮影光学系(撮影手段)と呼んでもよい。ハーフミラー37で反射した観察光は、レンズ38を介した後、受光素子39で受光される。つまり患者眼Eの観察像が受光素子39上に結像される。本実施例では対物レンズ31の先に設けられる観察面(物体面)と受光素子39とが対物レンズ31を介して光学的に共役な位置関係にある。本実施例では受光素子39として、可視帯域と赤外帯域の感度を有するカラーCMOSイメージセンサーを用いている。
本実施例の保護フィルタ33は観察光路上に挿脱可能であり、保護フィルタ33にはアクチュエータが接続されている。制御部70は保護フィルタ33を観察光路に挿脱できる。本実施例の制御部70は、治療レーザ光の照射中は保護フィルタ33を観察光路に挿入し、それ以外では保護フィルタ33を観察光路から退避させる。
<第1表示部>
本実施例の第1表示部90は、治療に関する情報を術者に呈示する。例えば、治療に関する情報(呈示情報)として、治療レーザ光の照射条件に係わる各種パラメータ130(治療パラメータ)、患者眼Eの観察画像111b、患者眼Eの参照画像120等を呈示できてもよい。第1表示部90は観察光学系30に設けられる。第1表示部90は、表示器93、レンズ92、ハーフミラー91等を備える。表示器93には術者に呈示するための呈示情報が表示される。本実施例では表示器93としてLCD(バックライト付き)を用いている。詳細には、本実施例では表示器93として、1600(H)×1200(V)を表示可能なカラーLCDを用いている。本実施例のハーフミラー91は、光軸L3R上に配置されている。詳細にはハーフミラー91は、保護フィルタ33Rと正立プリズム群34Lの間に配置されている。
表示器93から発せられる呈示光(表示光)は、光軸L5に沿って進む。詳細には表示器93から発せられる呈示光は、レンズ92を介した後、ハーフミラー91で正立プリズム群34の方向に反射される。本実施例のハーフミラー91は光学観察像111aと表示器93に表示される呈示情報とを合成するための合成手段である。本実施例のハーフミラー91は、光軸L5と光軸L3Rとを同軸にする。ハーフミラー91で反射した呈示光は、正立プリズム群34、視野絞り35、接眼レンズ36の順で介して進み、接眼レンズ36を覗いた術者の眼底に集光する。第1表示部90は、いわゆるヘッドアップディスプレイ(HUD)として機能する。
本実施例では表示器93と視野絞り35とが光学的に共役な位置関係にある。つまり視野絞り35の位置で、表示器93の表示像が空中像として結像される。なお光学観察像111a以外の治療に関する情報の術者への呈示方法は本開示に限るものでは無い。例えば第1表示部90としてバックライトを備えないLCD(液晶パネル)を視野絞り35の位置(光軸L3R上)に配置し、制御部70がLCDを構成する各セルの透過率を制御して術者に呈示情報を呈示してもよい。なおこの場合、LCDは光学観察像111aとLCDに表示される呈示情報とを合成するための合成手段である。
<第2表示部>
本実施例のモニタ82(第2表示部)は、治療パラメータ130、患者眼Eの観察画像111b、患者眼Eの参照画像120等を表示する。モニタ82は第1表示部90とは異なり、観察光学系30の外に設けられる。モニタ82にはタッチパネル83が貼り付けられており、モニタ82とタッチパネル83との組み合わせで操作ユニット80が形成されている。つまり、タッチパネル83はモニタ82に併設された操作手段である。モニタ82としてタブレットコンピュータまたはスマートフォンなどの端末が用いられてもよい。術者はタッチパネル83を操作(タッチ)することで治療パラメータを設定できる。なお、タッチパネル83の代わりに3Dマウスなどをモニタ82(操作ユニット80)に併設して操作手段として用いてもよい。
<手元操作部>
細隙灯顕微鏡部3は、図4に示すように、手元操作部84を備える。図4(a)はジョイスティック部9の周辺の斜視図であり、図4(b)はジョイスティック部9の周辺を上方から見たときの平面図である。手元操作部84は、治療レーザ光の照射条件に係わる各種パラメータ(治療パラメータ)の調整(設定変更)、表示器93に表示させる観察画像または参照画像の拡大(縮小)、表示/非表示、観察画像と参照画像の切り換え、観察画像の撮影などの操作に用いられる。
手元操作部84は、例えば、ジョイスティック部9を把持しながら(把持している手で)操作可能な位置に設けられる。したがって、術者は接眼レンズ36を覗いたままでジョイスティック部9を把持しながら片手で治療パラメータを調整できる。手元操作部84は、例えばジョイスティック部9の上部に設けられてもよい。例えば図4(b)に示すように、手元操作部84はジョイスティック部9の上部に設けられた決定スイッチ85および方向スイッチ86であってもよい。方向スイッチ86は、例えば前後左右(ZX方向)に押し込むことができる。また、手元操作部84は、ジョイスティック部9の近傍に設けられてもよい。例えば、図2に示すように、手元操作部84は、ジョイスティック部9が支持されたベース部8において、ジョイスティック部9の近傍に設けられた操作スイッチ87,88であってもよい。
なお図4の例では決定スイッチ85、方向スイッチ86および操作スイッチ87,88が設けられているが、これら全てを備える必要はなく、一部が設けられていればよい。例えば、手元操作部84は、決定スイッチ85および方向スイッチ86のみを備えてもよいし、操作スイッチ87および操作スイッチ88のみを備えてもよい。また、手元操作部84は、ジョイスティック部9の側部に設けられてもよい。また、方向スイッチ86は押しボタンに限らず別の態様でもよく、小型ジョイスティック、トラックボール、スクロールホイールまたはタッチパネルなどの種々の操作部材であってもよい。
また、手元操作部84は必ずしも眼科用レーザ治療装置1に本来備わっているものでなくてもよく、ジョイスティック部9またはその近傍に後から取りつけられ、制御部70に接続されたアタッチメントタイプの操作手段であってもよい。本実施形態の手元操作部84(決定スイッチ85、方向スイッチ86および操作スイッチ87,88)は患者眼に対して前後左右に変位させるベース部8が支持するため、ジョイスティック部9を用いて細隙灯顕微鏡部3を患者眼に位置合わせしつつ、手を大きく動かすことなく手元操作部84を操作することが可能である。
<制御部>
本実施例の制御部70は眼科用レーザ治療装置1を制御する制御手段であり、CPU71(プロセッサ)、ROM72、RAM73、及び不揮発性メモリ74等を備える。CPU71は、眼科用レーザ治療装置1における各部の制御を司る。ROM72には、各種プログラム、各種パラメータ、初期値等が記憶されている。RAM73は、各種情報を一時的に記憶できる。不揮発性メモリ74は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、制御部70に着脱可能に装着されるUSBメモリ、フラッシュROM等を、不揮発性メモリ74として使用してもよい。
本実施例の制御部70には、治療レーザ光源11、照準光源12、エンコーダ42a、ガルバノミラー51、ガルバノミラー55、表示器93(第1表示部)、受光素子39、保護フィルタ33、減光板94、フットスイッチ81、データ入出力部95(取得手段)、手元操作部84(第1操作部)、タッチパネル83(第2操作部)、及びモニタ82(第2表示部)が接続されている。制御部70は、モニタ82又は表示器93の表示内容を制御する表示制御手段でもある。例えば制御部70は、受光素子39を用いて取得した観察画像111bを、モニタ82、表示器93等に表示できる。
制御部70は、一対の保護フィルタ33(33R,33L)の各々を選択的に駆動できる。本実施例では術者がフットスイッチ81を踏むと、制御部70は各種パラメータの設定に基づき、治療レーザ光のパターン(1又は複数のスポット)をターゲット面に形成するように治療レーザ光を照射する。つまり本実施例の制御部70は、患者眼Eへの治療レーザ光の照射を制御する照射制御手段である。本実施例の制御部70は、治療レーザ光源11を制御すると共に、設定されたパターンに基づいて走査部50を制御し、ターゲット面である患者眼Eの組織上(眼底Er上)に治療レーザ光のパターンを形成する。本実施例の制御部70は、フットスイッチ81が踏まれる前は、治療レーザ光用のパターンを用いて、ターゲット面上に照準光のパターン(1又は複数のスポット)を形成する。照準光および治療レーザ光のパターン照射については、例えば特開2011-156290号公報を参照されたし。
<第1表示部の表示内容>
ここで図5を用いて、第1表示部90の表示内容について説明する。図5は、術者が接眼レンズ36を覗いた際に呈示される情報(換言するなら接眼レンズ36を覗いた術者に呈示される呈示情報)を示している。本実施例では光学観察像111aと表示器93が表示する呈示情報とが合成(重畳)されるため、接眼レンズ36を覗いた術者には、図5で示すように合成像(重畳像)が視認される。表示器93には、受光素子39によって取得された観察画像111b、レーザ照射を行うために参照する参照画像120、治療レーザ光の照射条件を含む治療パラメータ130、治療レーザ光の照射パターンを変更するための変更ボタン140、観察画像111bまたは参照画像120の表示を切り替える参照ボタン150、治療パラメータ130などの各項目を選択するためのカーソル160等が表示される。つまり本実施例では光学観察像111aと観察画像111bが接眼レンズ36を介して術者に同時に呈示される。なお図5の光学観察像111aは、患者眼Eへの観察光学系30の位置合わせが完了した状態の像である。本実施例は一例であり、術者の右眼には呈示情報(観察画像111b、参照画像120、治療パラメータ130、変更ボタン140、参照ボタン150、カーソル160)のみを導き、術者の左眼には観察像111aのみを導く態様であってもよい。つまり術者の融像を利用して、図5の合成像を術者に呈示してもよい。
図5で例示する光学観察像111aには、照明光学系60を用いて照明された患者眼Eの照明領域112、照明光が直接当たっていない患者眼Eの遮光領域113、及び患者眼Eで反射した照準光115が含まれる。本実施例では照明領域112又は遮光領域113の形状は、照明光学系60のスリット板63の形状に基づく。観察照明の形状をスリット状にすることで、患者の眩しさ(つまり患者の負担)を低減できる。例えば、細いスリットにするほど患者の眩しさは低減するが、反面、照明領域112が狭くなり患者眼Eのどの部位を観察しているのか把握し難くなる。つまり患者の負担と観察部位(又は治療予定部位)の把握とはトレードオフの関係になり易い。
本実施例の参照画像120は、例えば、眼科用レーザ治療装置1以外の装置(一例として眼底カメラ)で撮影された患者眼Eの撮影画像、又は患者眼Eを解析した解析画像である。参照画像120として例えば、カラー眼底画像、蛍光眼底画像、カラー前眼部画像、眼底OCT画像、前眼部OCT画像等を用いてもよい。本実施例の参照画像120は、治療前に予め記憶手段(不揮発性メモリ74)に記憶されている。
図5のように、光学観察像111aと共に、観察画像111bまたは参照画像120が表示されることによって、術者は観察画像111bまたは参照画像120を参照しつつ観察像を観察することで、例えば、照明領域が狭いスリット光を用いた観察状態でも、患者眼Eに対する観察光学系30の位置合わせ状態を判断し易くなる。また、本実施例では接眼レンズ36を覗いた視野内に観察像(光学観察像111a)と観察画像111bまたは参照画像120とが呈示されるため、術者は接眼レンズ36から眼を外すことなく観察画像111bまたは参照画像120を確認できる。
本実施例の治療パラメータ130には、治療レーザ光の種類132(選択されている波長の色で呈示)、治療レーザ光のスポットサイズ値133、治療レーザ光の出力値134、治療レーザ光の照射時間値135が表示される。照射パターンなどのその他の治療パラメータが表示されてもよい。
本実施例の変更ボタン140は、例えば、照射パターンの種類を変更する種類変更ボタン141、照射パターンの位置を変更する位置変更ボタン142、照射パターン内のスポットの間隔を変更又は照射パターンを回転させる形状変更ボタン143などを含む。
本実施例では、手元操作部84を操作することで第1表示部90に表示されている治療パラメータ130を変更することができる。例えば、手元操作部84を操作し、第1表示部90に表示されたカーソル160を変更したい項目に合わせることでその項目の設定を変更することができる。なお、カーソル160の代わりに、項目を枠で囲ったり、点滅させたりして強調表示を行ってもよい。
<第2表示部の表示内容>
図6を用いてモニタ82(第2表示部)の表示内容について説明する。モニタ82のメイン画面には、治療レーザ光の照射可否を示すステータス情報138、治療レーザ光の照射パターン131、治療レーザ光の種類132、治療レーザ光のスポットサイズ値133、治療レーザ光の出力値134、治療レーザ光の照射時間値135、治療レーザ光のスポット間隔値136、治療レーザ光の照射時間間隔137等の治療パラメータ130が表示される。
またメイン画面には、観察画像111b、参照画像120、リアルタイムの観察画像111c(動画像)、観察画像111bまたは参照画像120の表示を切り換える参照ボタン150、参照画像120をインポートするためのインポートボタン151、観察画像111cの画角を変更するための画角変更ボタン152、観察画像111bの静止画を取得する静止画取得ボタン153、観察画像111bの動画を取得するための動画取得ボタン154などが表示される。図6の例では、静止画の観察画像111bと動画の観察画像111cが同時に表示されており、図5の第1表示部90と似た表示レイアウトとなっている。モニタ82のメイン画面はGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)の態様であり、術者はメイン画面に表示されている要素(ボタン等)にタッチして治療パラメータ等を設定できる。
<操作方法>
図5~8を用いて、本実施例の眼科用レーザ治療装置1の操作方法の一例を説明する。術者が眼科用レーザ治療装置1の電源を投入すると、制御部70は眼科用レーザ治療装置1の初期設定を行った後、モニタ82にメイン画面(図6参照)を表示する。
術者はモニタ82に表示されたメイン画面の各要素にタッチして治療パラメータ130を大まかに設定する。治療パラメータ130の設定を完了すると、術者はインポートボタン151をタッチする。制御部70は術者の操作を検出すると、モニタ82に図示無きインポート画面を表示させる。術者はインポート画面を見ながらタッチパネル83を操作(タッチ)して、参照画像120として用いる画像を選択する。参照画像120は、眼科用レーザ治療装置1が備えるデータ入出力部95を用いて、有線LAN、無線LAN、USBメモリ等を介して眼科用レーザ治療装置1にインポートされる。術者によって参照画像120が選択されると、制御部70は、選択された参照画像120をモニタ82に表示させる。さらに制御部70は、モニタ82の表示と連携させて第1表示部90にも選択された参照画像120を表示させる(図5参照)。これによって、第1表示部90とモニタ82の両方で参照画像120を確認できるようになる。なお制御部70は第1表示部90とモニタ82の表示を連携(同期)させる場合、例えば、同じ内容(項目)を第1表示部90およびモニタ82の両方に同時に表示させてもよいし、一方に表示させてから所定時間が経過した後で他方に表示させてもよいし、一方に表示させた後の所定の契機(例えば、所定の操作信号)に基づいて他方に表示させてもよい。
術者はメイン画面での治療パラメータ130の設定および参照画像120の選択を完了すると、ステータス情報138を照射可に設定する。ステータス情報138の設定が照射可になることで、フットスイッチ81の操作が有効になる。術者は接眼レンズ36を覗きつつジョイスティック部9を操作して、患者眼Eに対する観察光学系30(レーザ照射光学系40)の位置合わせを行う。詳細には術者は、参照画像120を参照しつつ治療予定部位(第1の治療予定部位)への照準光115(換言するならレーザ照射光学系40)の位置合わせを行う。術者は治療予定部位への照準光115の位置合わせが完了すると、フットスイッチ81を踏み込んで治療レーザ光の照射を行う。
なお、術者は治療予定部位への照準光115の位置合わせが完了した状態で観察画像111bを記憶手段(不揮発性メモリ74)に記憶させてもよい。この場合、術者は操作スイッチ87を押す。制御部70は操作スイッチ87からの操作信号に基づいて、受光素子39によって取得される観察画像111bを不揮発性メモリ74等に記憶する。制御部70は観察画像111bを静止画像として記憶してもよいし、動画像として記憶してもよい。制御部70は、記憶した観察画像111bを第1表示部90に表示する。これによって、接眼レンズ36を覗いたままの状態でレーザ照射を行った位置を確認することができる。なお、制御部70はフットスイッチ81が踏み込まれたときに自動で受光素子39によって取得(換言するなら治療レーザ光の照射に同期して自動生成)される観察画像111bを不揮発性メモリ74等に記憶させてもよい。この場合、制御部70は治療レーザ光の照射に同期して撮影手段(受光素子39など)による撮影を制御する撮影制御手段として機能する。このようにレーザ照射に同期して観察画像111bが取得されることによって、操作スイッチ87を押し忘れてレーザ照射時の観察画像111bを取得できないということを防ぐことができる。なお観察画像111bとはフットスイッチ81が踏み込まれたときに自動で所定時間(例えば2秒)撮影される動画でもよい。
また制御部70は、観察画像111bが新たに記憶される度に、第1表示部90の観察画像111bを更新してもよい。例えば制御部70は観察画像111bを最新の観察画像111bに切り換えて表示してもよいし、撮影タイミングの異なる観察画像111bを第1表示部90に複数枚表示させてもよい。このように第1表示部90の観察画像111bが更新されることによって、治療予定部位への照準光115の位置合わせをスムーズに行うことができる。
なお、制御部70は第1表示部90の表示と連携させてモニタ82にも観察画像111bを表示させてもよい。つまり、制御部70は操作スイッチ87からの操作信号に基づいて観察画像111bを記憶し、記憶した観察画像111bを第1表示部90とモニタ82の両方に表示させてもよい。これによって、接眼レンズ36から眼を離してモニタ82を確認するときに違和感が生じにくい。
術者は引き続き、他の治療予定部位(第2の治療予定部位)に照準光115を位置合わせし、フットスイッチ81を踏み込んで治療レーザ光の照射を行う。このように照準光115の照準位置を変更しつつ1又は複数の治療予定部位への治療レーザ光の照射が行われる。
なお、本実施例では上述した治療パラメータ130の各要素を、手元操作部84を用いて個別に変更できる。従って術者は、接眼レンズ36を覗いたままジョイスティック部9から手を離すことなく治療パラメータ130を変更できる。例えば、術者は第1表示部90を見ながら方向スイッチ86を左右のいずれかに押し込み、カーソル160を所望の項目まで移動させる。例えば、術者は治療レーザ光の出力値134までカーソル160を移動させ、決定スイッチ85を押す。制御部70は、決定スイッチ85が押されると、カーソル160によって選択された出力値134を点滅表示させ、変更操作を受け付ける。例えば、術者によって方向スイッチ86が前後のいずれかに押し込まれると、出力値134の数値が増減する。術者は出力値134が所望の数値になった状態で再度決定スイッチ85を押す。術者によって決定スイッチ85が押されることで制御部70は出力値134の変更を確定させる。その他のパラメータおよび照射パターン等も同様の操作によって変更できる。
なお、制御部70は、手元操作部84による治療パラメータ130の変更操作において、第1表示部90とモニタ82の表示を連携させてもよい。例えば、制御部70は、手元操作部84の操作に基づいて治療パラメータ130等の変更が確定されると、第1表示部に表示させる治療パラメータ130を変更させるとともに、モニタ82に表示される治療パラメータ130も変更して表示させてもよい。これによって、接眼レンズ36を覗いて第1表示部90を観察して操作する状態からモニタ82を観察して操作する状態に移行しても違和感なく操作を続行できる。
また例えば、モニタ82にもカーソル160を表示させ、手元操作部84からの操作信号に基づいて第1表示部90に表示されたカーソル160の位置を変更する際、モニタ82に表示されたカーソル160の位置も対応する項目の位置に変更するようにしてもよい。これによって、手元操作部84の操作中に接眼レンズ36から眼を離し、第1表示部90の観察からモニタ82の観察に観察方法を切り換えた場合であっても、モニタ82に表示されたカーソル160の位置を確認することで、どの項目を調整しているかを確認することができる。また、モニタ82を確認しながら手元操作部84の操作によって治療パラメータ130を変更することができる。また、途中で大きな設定変更が必要になったときは、モニタ82とタッチパネル83を用いて設定を行うことができる。このとき、第1表示部90とモニタ82の表示が連携されているため、操作方法をシームレスに切り換えることができる。
なお、制御部70は、術者による手元操作部84への操作に基づいて、第1表示部90に表示された観察画像111bまたは参照画像120の拡大縮小、表示/非表示、観察画像111bと参照画像120の切り換えなどを制御してもよい。例えば、術者によって操作スイッチ88が1回押されると、制御部70は参照画像120を第1表示部90に拡大して表示させてもよい(図7(a)参照)。また、術者によって操作スイッチ88が2回押されると、制御部70は観察画像111bを第1表示部90に拡大して表示させてもよい(図7(b)参照)。さらに術者によって操作スイッチ88が押されると、元の表示に戻るようにしてもよい(図5参照)。これによって、術者は接眼レンズ36から眼を離さずに、凝視したい画像を見易く表示させることができる。
なお、この場合も制御部70は操作スイッチ88からの操作信号に基づいて第1表示部90とモニタ82の表示を連携させ、観察画像111bまたは参照画像120の拡大縮小、表示/非表示、観察画像111bと参照画像120の切り換えなどを制御してもよい。例えば、術者によって操作スイッチ88が1回押されたとき、制御部70は参照画像120を第1表示部90とともにモニタ82にも拡大して表示してもよい(図8(a)参照)。また、操作スイッチ88が2回押されたとき、制御部70は観察画像111bを第1表示部90とともにモニタ82にも拡大表示してもよい(図8(b)参照)。また、操作スイッチ88が再度押されると、第1表示部とモニタ82の表示を元に戻してもよい(図6参照)。このように、第1表示部90とモニタ82の表示が連携されているため、操作方法をシームレスに切り換えることができる。
なお、本実施例では、図6に示すように、モニタ82には常時、受光素子39によって取得されたリアルタイムの観察画像111cが表示される。術者はこの観察画像111cを見ながら患者眼Eに対する観察光学系30の位置合わせを行い、タッチパネル83で各種治療パラメータの設定を変更し、そのまま接眼レンズ36を覗くことなく患者眼Eのレーザ治療を行ってもよい。またタッチパネル83を用いて治療予定部位へのラフな位置合わせと各種治療パラメータ130の設定を行った後、接眼レンズ36を覗いて治療予定部位への精密な位置合わせと各種治療パラメータの微調整を行いつつ、患者眼Eのレーザ治療をすることもできる。この場合も第1表示部90とモニタ82の表示が連携されているため、操作方法をシームレスに切り換えることができる。
なお、術者がモニタ82を見ながらタッチパネル83を用いて治療パラメータ130の設定、観察画像111bまたは参照画像120の表示を操作する場合、制御部70は、タッチパネル83からの操作信号に基づいてモニタ82と第1表示部90の表示を連携させてもよい。例えば、タッチパネル83の参照ボタン150が押された場合、制御部70は図8に示すようにモニタ82の参照画像120または観察画像111bを拡大表示させるとともに、図7に示すように第1表示部90の参照画像120または観察画像111bを連携させて拡大表示させてもよい。このように、タッチパネル83からの操作信号に基づいてモニタ82と第1表示部90を連携させることによって、モニタ82を眺めてタッチパネル83を操作する操作方法から接眼レンズ36を覗いて手元操作部84を操作する操作方法へとシームレスに切り換え易い。
上記のように、手元操作部84(またはタッチパネル83)からの操作信号に基づいて第1表示部90とモニタ82の表示が連携されるため、術者は、接眼レンズ36を覗きながら手元操作部84を操作する第1操作方法からモニタ82を眺めながらタッチパネル83(または手元操作部84)を操作する第2操作方法へと、操作方法をシームレス(継ぎ目なく)に変更し易い。つまり例えば、患者眼Eの操作方法が接眼レンズ36を覗く第1操作方法とモニタ82を眺める第2操作方法の何れであっても、術者は治療パラメータ130または観察画像111b等を速やかに確認又は変更し易い。これによって、治療時間の短縮につながり、術者及び患者の負担を軽減できる。
例えば治療中に、治療予定部位に対して精密な位置合わせが必要な時は接眼レンズ36を覗く操作方法を採用し、それ以外はリアルタイムの観察画像111c(モニタ82)を用いた操作方法を採用できる。例えば観察画像111c(モニタ82)を用いた操作方法では術者の姿勢の自由度が増すため、治療中の術者の負担が低減される。例えば観察画像111c(モニタ82)を用いた操作方法では患者眼EにコンタクトレンズCLを当て易くなる。
なお、観察画像111bを第1表示部90に表示させることによって、観察画像111bを撮影したときの観察位置と、現在の観察像111aの観察位置にずれが生じた場合であっても、観察像111aと観察画像111bを見比べることで接眼レンズ36を覗いたままでも容易にずれを把握できる。また、第1表示部90に表示させた観察画像111bと観察像111aの観察位置をずらすことで、接眼レンズ36を覗いたままでも異なる観察位置を容易に比較することができる。また、レーザ照射前に観察画像111bを撮影して第1表示部90に表示させ、レーザ照射後の観察像111aとレーザ照射前の観察画像111bを見比べることによって接眼レンズ36を覗いたままでも眼組織の状態変化等を容易に確認することができる。
また、照準光115を照射した状態で撮影された観察画像111b(照準光115が写り込んだ観察画像111b)を第1表示部90に表示させることによって、閾値化凝固などの治療痕が残らない低侵襲なレーザ治療において、接眼レンズ36を覗いたままで前回照射したときの照準光115が写る観察画像111bを確認しながらレーザ照射を行うことができる。これによって、照準光115を次の治療予定部位に合わせることが容易となる。
<その他>
また、本実施例では眼科用レーザ治療装置の一例として、患者眼Eの眼底Erの患部を光凝固する眼科用レーザ治療装置1を用いた。しかし本開示の適用は光凝固装置に限るものでは無い。例えば患者眼Eに治療レーザ光を照射して後発白内障の治療を行う眼科用レーザ治療装置に本開示の技術を適用してもよい。本開示の技術を、患者眼を観察し、治療レーザ光にて治療を行う他の眼科用レーザ治療装置に適用してもよい。本開示の技術は、観察用の照明光としてスリット光を用いる眼科用レーザ治療装置に適用するとより好適である。
なお図2で示した制御系の構成は一例であり、例えば図9で示す構成でもよい。図9は眼科用レーザ治療装置と追加構成とを組み合わせた眼科用レーザ治療システムの一例である。例えばモニタ82にはレーザの制御パラメータを表示させ、第2モニタには撮影画像や参照画像を表示させる。また例えば、本開示の表示画面(図6)を第2モニタに表示させてもよい。なお例えば、手元操作部84が追加構成に含まれていてもよい。例えば、図2の構成の場合は本開示の技術を備える眼科用レーザ治療装置をコンパクトにでき、図9の構成の場合は本開示の技術を選択的に追加(後付け)できる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲及びこれと均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 眼科用レーザ治療装置
30 観察光学系
36 接眼レンズ
39 撮像素子
40 レーザ照射光学系
60 照明光学系
70 制御部
82 モニタ(第2表示部)
83 タッチパネル(第2操作部)
84 手元操作部(第1操作部)
90 第1表示部
E 患者眼

Claims (10)

  1. 患者眼のレーザ治療を行うための眼科用レーザ治療装置であって、
    前記患者眼に治療レーザ光を照射するためのレーザ照射光学系と、
    前記患者眼を照明光によって照明する照明光学系と、
    前記照明光によって照明された前記患者眼の観察像を、接眼レンズを介して観察する観察光学系と、
    前記観察像を撮影することで観察画像を得るための撮影手段と、
    前記観察光学系に設けられ、前記接眼レンズを介して術者眼に呈示光を投光する第1表示部と、
    前記観察光学系の外に設けられ、前記撮影手段によって得られた前記観察画像を表示する第2表示部と、
    前記患者眼に対する前記観察光学系の位置合わせを行うための操作レバーと、
    前記操作レバーを把持しながら操作可能な第1操作部からの操作信号に基づいて、前記第1表示部と前記第2表示部の表示を連携させる表示制御手段と、
    を備えることを特徴とする眼科用レーザ治療装置。
  2. 前記第1操作部は、前記操作レバー上部および前記操作レバー近傍の少なくともいずれかに配置されることを特徴とする請求項1の眼科用レーザ治療装置。
  3. 前記表示制御手段は、前記第2表示部と併設される第2操作部からの操作信号に基づいて、前記第1表示部と前記第2表示部の表示を連携させることを特徴とする請求項1または2の眼科用レーザ治療装置。
  4. 前記表示制御手段は、レーザ照射条件を含む治療パラメータおよび外部からインポートされた参照画像の少なくともいずれかを前記第1表示部および前記第2表示部に連携して表示させることを特徴とする請求項1~3のいずれかの眼科用レーザ治療装置。
  5. 前記表示制御手段は、前記撮影手段によって撮影された前記観察画像を前記第1表示部および前記第2表示部に連携して表示させることを特徴とする請求項1~4のいずれかの眼科用レーザ治療装置。
  6. 前記表示制御手段は、前記第1操作部からの操作信号に基づいて取得された前記観察画像を前記第1表示部および前記第2表示部に連携して表示させることを特徴とする請求項1~5のいずれかの眼科用レーザ治療装置。
  7. 前記表示制御手段は、前記治療レーザ光の照射に同期して取得された前記観察画像を前記第1表示部および前記第2表示部に連携して表示させることを特徴とする請求項1~6のいずれかの眼科用レーザ治療装置。
  8. 前記表示制御手段は、前記第1操作部からの操作信号に基づいて、前記観察画像を拡大または縮小して表示させることを特徴とする請求項1~7のいずれかの眼科用レーザ治療装置。
  9. 前記表示制御手段は、前記観察像と、前記観察画像とを術者に同時に呈示することを特徴とする請求項1~8のいずれかの眼科用レーザ治療装置。
  10. 患者眼のレーザ治療を行うための眼科用レーザ治療装置であって、
    前記患者眼に治療レーザ光を照射するためのレーザ照射光学系と、
    前記患者眼を照明光によって照明する照明光学系と、
    前記照明光によって照明された前記患者眼の観察像を、接眼レンズを介して観察する観察光学系と、
    前記観察像を撮影することで観察画像を得るための撮影手段と、
    前記観察光学系に設けられ、前記接眼レンズを介して術者眼に呈示光を投光する第1表示部と、
    前記観察画像を前記第1表示部に表示させることによって、前記観察像と前記観察画像とを前記接眼レンズを介して術者に同時に呈示する表示制御手段と、
    を備えることを特徴とする眼科用レーザ治療装置。
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