JP2023119256A - 無線通信モジュールの出力調整方法、無線通信モジュールの製造方法および無線通信モジュールの出力調整装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1および図2に示すように、出力調整装置100は、無線通信モジュール1の出力を調整する。出力調整装置100の説明に先だって、無線通信モジュール1について説明する。
アンテナ基板2は、矩形板状の基材4と、第1アンテナ5とを備える。基材4は、例えば、誘電正接が小さく(すなわち、高周波信号の損失が小さく)、高周波信号の伝送特性の良い材料で形成されている。第1アンテナ5は、基材4の一方の面4a(-X方向の面)または基材4の内部に形成されている。
図1に示すように、出力調整装置100は、モジュール保持ユニット10と、温度調整機構20と、収容ケース30と、気体供給部40と、移動機構50と、測定用アンテナユニット60と、チャンバ90と、を備える。
モジュール保持ユニット10は、基台11と、背板12と、支持板13と、複数の支持柱14(図2参照)と、押さえ板15と、を備える。
背板12は、基台11の上部から上方に延出する。支持板13は、背板12の前面(-X方向の面)に重ねられている。本実施形態では、背板12および支持板13は、X方向に垂直である。
図3および図4に示すように、温度調整機構20は、無線通信モジュール1の温度を調整する。
温度調整機構20は、温度調整器21と、ヒートスプレッダ22と、調整用温度センサ23と、伝熱シート24と、モニタ用温度センサ25と、ヒートシンク26と、電源27と、温度制御部28と、露点計29(図2参照)と、を備える。
ヒートシンク26は、温度調整器21と、無線通信モジュール1のRFIC3との温度を短時間で上昇または降下させることができる。
温度制御部28は、調整用温度センサ23の検出値に基づいて、電源27から温度調整器21に流れる電流を制御することにより、温度調整器21の温度を調整する。
露点計29(図2参照)は、収容ケース30内の露点を測定する。
図2に示すように、収容ケース30は、無線通信モジュール1および温度調整器21を収容する。収容ケース30は、ケース本体31と、閉止板32とを備える。ケース本体31は、支持板13の前面から前方に延出する。ケース本体31は、底板33と、一対の側板(図示略)と、上板35とを備える。閉止板32は、ケース本体31の前面開口を覆う蓋材として機能する。閉止板32は、例えば、発泡体である誘電体により形成されている。
気体供給部40は、乾燥気体の供給源(図示略)と、複数の導入路42と、複数の放出部(図示略)と、を備える。導入路42は、供給源から供給された乾燥気体を放出部に導く。放出部は、乾燥気体を収容ケース30の内部に供給する。
図1に示すように、移動機構50は、スライドレール51と、スライダ52とを備える。
スライドレール51は、チャンバ90の底面に設けられている。スライドレール51は、X方向に沿って延在する直線状のレールである。スライダ52は、モジュール保持ユニット10の下部に設けられている。スライダ52は、スライドレール51に沿って移動可能である。モジュール保持ユニット10は、スライダ52によって、スライドレール51に沿ってX方向に移動可能である。そのため、モジュール保持ユニット10は、測定用アンテナユニット60に対する離間距離を任意に定めることができる。
測定用アンテナユニット60は、支持体61と、第2アンテナ62と、実効放射電力測定部63と、を備える。
チャンバ90は、モジュール保持ユニット10、温度調整機構20、収容ケース30、気体供給部40、移動機構50、および測定用アンテナユニット60を収容する。チャンバ90の内面には、電波吸収体91が設けられている。チャンバ90は、外部からの電磁波の影響を受けず、かつ外部への電磁波の漏洩を抑制できる。チャンバ90は、内部での電磁波の反射を抑制できる。
図1に示す出力調整装置100を用いて無線通信モジュール1の出力を調整する方法の例を説明する。
図5は、第1実施形態の出力調整装置100のブロック図である。
方向性結合器104は、増幅器103からの送信信号を第1アンテナ5と検波器105とに分配する。
第1アンテナ5は、方向性結合器104からの送信信号を受け、無線信号を送信する。
「ALC」は、自動レベル制御(ALC:Automatic Level Control)を意味する。ALC制御部は「自動レベル制御部」である。ALC制御系は「自動レベル制御系」である。
ALC制御部106は、検波器105で得られた電力値と、予め定められた電力の閾値とを比較し、前記電力値と前記閾値との差分を比較結果として得る。ALC制御部106は、前記比較結果に基づいて可変利得増幅器102の利得を調整する。
なお、ALC制御系の構成は、ここに示す例に限定されない。
電力測定部63は、電力検出部110で得られた検出値に基づいて実効放射電力(EIRP)を測定する。
出力判定部108は、電力測定部63で取得した実効放射電力が、予め仕様で定められた範囲内か否かを判定する。
図5に示すように、ALC制御部106は、検波器105で得られた電力値と前記閾値とを比較する。前記電力値が閾値内にない場合、次に示すように、可変利得増幅器102の利得を調整する。
第2アンテナ62は、第1アンテナ5からの無線信号を受信する。電力検出部110は、第2アンテナ62が受信した無線信号の電力を検出する。電力測定部63は、電力検出部110で得られた検出値に基づいて実効放射電力(EIRP)を測定する(測定工程)(図6参照)。
このように、前記実効放射電力が前記所定の範囲内ではないと判定された場合は、前記実効放射電力が前記所定の範囲内であると判定されるまで、ステップS3~S5を繰り返す。
適切な閾値を決めることが必要となる温度条件の数は、1または2に限らない。温度条件の数は、1でもよいし、複数(2以上の任意の数)でもよい。
適切な閾値を決めることが必要となる周波数条件の数は、1または2に限らない。周波数条件の数は、1でもよいし、複数(2以上の任意の数)でもよい。
前述の出力調整方法で得られた「適切な閾値」は、RFIC3の記憶部6(図4参照)に書き込むことができる。これによって、適切な閾値の情報を有する無線通信モジュール1が得られる。よって、出力調整は容易となる。
本実施形態の出力調整方法によれば、無線通信モジュール1から送信された無線信号の実効放射電力に基づいて送信信号の出力(送信電力)を調整するため、送信信号の出力を精度よく調整できる。よって、アンテナの周波数特性の変動、モジュールごとの特性のバラつきなどが生じた場合であっても、送信電力が規制値を越えるのを回避できる。また、送信電力が、製品の仕様で定められた値を外れるのを抑制できる。
本実施形態の出力調整装置100によれば、無線通信モジュール1から送信された無線信号の実効放射電力に基づいて送信信号の出力(送信電力)を調整するため、送信信号の出力を精度よく調整できる。よって、アンテナの周波数特性の変動、モジュールごとの特性のバラつきなどが生じた場合であっても、送信電力が規制値を越えるのを回避できる。また、送信電力が、製品の仕様で定められた値を外れるのを抑制できる。
図8を参照して第2実施形態の出力調整方法を具体的に説明する。
ALC制御部106は、検波器105で得られた電力値と前記閾値との差分に基づいてゲイン値を算出する。
ゲイン値の変化がない場合、ステップS105に戻る。設定温度をさらに高い温度として(ステップS105)、第1アンテナ5は無線信号を送信する。電力測定部63は実効放射電力を測定する。ALC制御部106はゲイン値を算出する(ステップS106)。
このように、設定温度を段階的に高めながら、ゲイン値が変化するまでステップS105~S107のサイクルを繰り返す。
本実施形態の出力調整方法によれば、無線通信モジュール1から送信された無線信号の実効放射電力に基づいて送信信号の出力(送信電力)を調整するため、送信信号の出力を精度よく調整できる。よって、アンテナの周波数特性の変動、モジュールごとの特性のバラつきなどが生じた場合であっても、送信電力が規制値を越えるのを回避できる。また、送信電力が、製品の仕様で定められた値を外れるのを抑制できる。
図3および図4に示す温度調整器21としては、ペルチェ素子を例示したが、温度調整器は特に限定されない。温度調整器は、ニクロム線等の電熱線などのヒータであってもよい。温度調整器は、熱媒体(流体)を流通させる熱媒体流通構造を有していてもよい。温度調整器は、チラー(冷却水循環装置)などの冷却機構を備えていてもよい。
Claims (6)
- 第1アンテナを有する無線通信モジュールの出力を調整する出力調整方法であって、
前記無線通信モジュールの温度を調整する温度調整機構と、
前記第1アンテナとの間で無線通信が可能な第2アンテナと、
を用い、
前記温度調整機構によって、前記無線通信モジュールの温度を予め定められた設定温度とする温度調整工程と、
前記無線通信モジュールに、予め定められた周波数の送信信号を送ることにより、前記第1アンテナから無線信号を送信させる送信工程と、
前記送信信号を検波して得られた電力値と、予め定められた電力の閾値との比較結果に基づいて、前記送信信号の出力を制御するフィードバック制御工程と、
前記無線信号を前記第2アンテナによって受信し、前記無線信号の実効放射電力を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定された前記実効放射電力に基づいて、前記送信信号の出力を調整する出力調整工程と、
を有する、無線通信モジュールの出力調整方法。 - 前記出力調整工程では、前記実効放射電力が所定の範囲内であるか否かを判定し、判定結果に基づいて前記閾値を変更する、
請求項1記載の無線通信モジュールの出力調整方法。 - 異なる複数の前記設定温度について、前記電力値と前記閾値との差分に基づくゲイン値を算出し、
前記出力調整工程では、複数の前記ゲイン値の比較結果に基づいて前記閾値を変更する、
請求項1記載の無線通信モジュールの出力調整方法。 - 異なる複数の前記設定温度について、前記温度調整工程、前記送信工程、前記フィードバック制御工程、前記測定工程および前記出力調整工程によって、前記送信信号の出力を調整する、
請求項1~3のうちいずれか1項に記載の無線通信モジュールの出力調整方法。 - 前記無線通信モジュールは、情報を記憶する記憶部をさらに備え、
請求項2に記載の無線通信モジュールの出力調整方法の前記出力調整工程における適切な閾値を前記記憶部に書き込む、無線通信モジュールの製造方法。 - 第1アンテナを有する無線通信モジュールの出力を調整する出力調整装置であって、
前記無線通信モジュールの温度を調整する温度調整機構と、
前記無線通信モジュールに、予め定められた周波数の送信信号を送ることにより、前記第1アンテナから無線信号を送信させる信号設定部と、
前記送信信号を検波して得られた電力値と、予め定められた電力の閾値との比較結果に基づいて、前記送信信号の出力を制御するALC制御系と、
前記第1アンテナとの間で無線通信が可能な第2アンテナと、
前記第2アンテナが受信した前記無線信号の実効放射電力を測定する測定部と、
前記測定部で測定された前記実効放射電力に基づいて、前記送信信号の出力を調整する出力判定部と、
を有する、無線通信モジュールの出力調整装置。
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