本出願は、2011年11月15日出願の米国特許仮出願第61/560,101号および2012年11月14日出願の米国特許出願第13/677,265号の優先権利益を主張するものである。
本発明の主題の実施形態は、一般に、通信ネットワークの分野に関し、より詳細には、通信システムにおける送信パワー較正に関する。
通信システムが、適正に動作するには、通常、絶対送信パワーレベルが必要である。たとえば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)通信システムのあらかじめ定められた絶対送信パワーレベルは、適正なWLAN通信について10dBmから20dBmの範囲のパワーレベルに設定され得る。通常、送信パワーレベルは、パワーメータなどの追加の試験装置を使用して較正される。
いくつかの実施形態では、方法は、通信ネットワークデバイスのパワー増幅器に関連した飽和出力パワーを決定すること、ここにおいて、飽和出力パワーは、パワー増幅器に関連した最大パワーレベルであり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、通信ネットワークデバイスの送信器ユニットおよび受信器ユニットを結合するループバックパス(loopback path)を介して、飽和出力パワーで無線周波数(RF)信号を供給することと、ループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーを測定することと、飽和出力パワーおよびループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得を決定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバックに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正することと、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータに従って動作するように構成されているときの第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得を決定することと、第1の動作パラメータに関連した第1のループバック利得と第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得との利得差を決定することと、利得差および通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の較正された出力送信パワーに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正することとを備える。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得は、ループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーと飽和出力パワーとの比である。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを前記較正することは、ループバックパスを介して、パワー増幅器の第2の出力送信パワーで第2のRF信号を供給すること、ここにおいて、第2の出力送信パワーは飽和出力パワー未満であり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、ループバックパスを介して受信した第2のRF信号の第2の受信パワーを測定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得および第2の受信パワーに少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の第2の出力送信パワーを計算することとを備える。
いくつかの実施形態では、第2の出力送信パワーは、第2の受信パワーと第1のループバック利得との比である。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを前記較正することは、ループバックパスを介して、パワー増幅器の対応する複数の徐々に低下する出力送信パワーで複数のRF信号を連続的に供給すること、ここにおいて、出力送信パワーのそれぞれは、飽和出力パワー未満であり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、ループバックバスを介して受信した複数のRF信号のうちの対応するRF信号に関連した複数の受信パワーを測定することと、対応する受信パワーおよび第1のループバック利得に少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の複数の出力送信パワーを計算して、パワー増幅器の出力送信パワーを較正することとをさらに備える。
いくつかの実施形態では、対応する受信パワーおよび第1のループバック利得に少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の複数の出力送信パワーを前記計算することは、通信ネットワークデバイスにおいて送信パワー制御を実施するためである。
いくつかの実施形態では、方法は、通信ネットワークデバイスにおいて、通信ネットワークの第2の通信ネットワークデバイスから第2のRF信号を受信すること、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、第2の通信ネットワークデバイスから受信した第2のRF信号の第2の受信パワーを測定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得および第2の受信パワーに少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の応答送信パワーを計算することと、第2の通信ネットワークデバイスから第2のRF信号を前記受信することに応答して、第2の通信ネットワークデバイスに応答送信パワーで第3のRF信号を送信することとをさらに備える。
いくつかの実施形態では、パワー増幅器の応答送信パワーを前記計算することは、通信ネットワークデバイスにおいて送信パワー制御を実施するためである。
いくつかの実施形態では、第1の動作パラメータおよび第2の動作パラメータはそれぞれ、動作周波数バンド、動作温度、および変調方式のうちの1つまたは複数を備える。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスのパワー増幅器に関連した飽和出力パワーを前記決定することは、パワー増幅器の特性に少なくとも一部基づいて、飽和出力パワーを決定することを備える。
いくつかの実施形態では、飽和出力パワーを前記決定することは、試験環境においてパワー増幅器を分析してパワー増幅器に関連した飽和出力パワーを決定すること、パワー試験デバイスを使用して、パワー増幅器に関連した飽和出力パワーを決定すること、または飽和出力パワーで試験信号を送信することに応答して測定されたパワーを受け取り、測定されたパワーに少なくとも一部基づいて、パワー増幅器に関連した飽和出力パワーを推定することのうちの1つまたは複数を備える。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータに従って動作するように構成されているときの第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得を前記決定することは、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータに従って動作するように構成されているときの通信ネットワークデバイスのパワー増幅器に関連した第2の飽和出力パワーを決定することと、通信ネットワークデバイスの送信器ユニットおよび受信器ユニットを結合するループバックパスを介して、第2の飽和出力パワーで第2のRF信号を供給することと、ループバックパスを介して受信した第2のRF信号の第2の受信パワーを測定することと、第2の飽和出力パワーおよびループバックパスを介して受信した第2のRF信号の第2の受信パワーに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスに関連した第2のループバック利得を決定すること、ここにおいて、第2のループバック利得は、第2の動作パラメータに関連しており、通信ネットワークデバイスは、第2の動作パラメータに従って動作するように構成されている、とを備える。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを前記較正することは、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを生成するように、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の較正された出力送信パワーと利得差とを掛け合わせることを備える。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスは、ネットワークインターフェースと、ネットワークインターフェースに結合された通信ユニットとを備え、通信ユニットは、通信ネットワークデバイスのパワー増幅器に関連した飽和出力パワーを決定すること、ここにおいて、飽和出力パワーは、パワー増幅器に関連した最大パワーレベルであり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、通信ネットワークデバイスの送信器ユニットおよび受信器ユニットを結合するループバックパスを介して、飽和出力パワーで無線周波数(RF)信号を供給することと、ループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーを測定することと、飽和出力パワーおよびループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得を決定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得に少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正することと、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータに従って動作するように構成されているときの第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得を決定することと、第1の動作パラメータに関連した第1のループバック利得と第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得との利得差を決定することと、利得差および通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の較正された出力送信パワーに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正することとを行うように構成されている。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得は、ループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーと飽和出力パワーとの比である。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正するように構成された通信ユニットは、ループバックパスを介して、パワー増幅器の第2の出力送信パワーで第2のRF信号を供給すること、ここにおいて、第2の出力送信パワーが、飽和出力パワー未満であり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、ループバックパスを介して受信した第2のRF信号の第2の受信パワーを測定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得および第2の受信パワーに少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の第2の出力送信パワーを計算することとを行うように構成された通信ユニットを備える。
いくつかの実施形態では、第2の出力送信パワーは、第2の受信パワーと第1のループバック利得との比である。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正するように構成された通信ユニットは、ループバックパスを介して、パワー増幅器の対応する複数の徐々に低下する出力送信パワーで複数のRF信号を連続的に供給すること、ここにおいて、出力送信パワーのそれぞれは、飽和出力パワー未満であり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、ループバックパスを介して受信した複数のRF信号のうちの対応するRF信号に関連した複数の受信パワーを測定することと、対応する受信パワーおよび第1のループバック利得に少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の複数の出力送信パワーを計算して、パワー増幅器の出力送信パワーを較正することとを行うように構成された通信ユニットをさらに備える。
いくつかの実施形態では、通信ユニットは、通信ネットワークの第2の通信ネットワークデバイスから第2のRF信号を受信すること、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、第2の通信ネットワークデバイスから受信した第2のRF信号の第2の受信パワーを測定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得および第2の受信パワーに少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の応答送信パワーを計算することと、通信ユニットが第2の通信ネットワークデバイスから第2のRF信号を受信することに応答して、第2の通信ネットワークデバイスに応答送信パワーで第3のRF信号を送信することとを行うようにさらに構成されている。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスのパワー増幅器に関連した飽和出力パワーを決定するように構成された通信ユニットは、パワー増幅器の特性に少なくとも一部基づいて、飽和出力パワーを決定するように構成された通信ユニットを備える。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正するように構成された通信ユニットは、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを生成するように、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の較正された出力送信パワーと利得差とを掛け合わせるように構成された通信ユニットを備える。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のマシン可読記憶媒体は命令を記憶し、この命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、通信ネットワークデバイスのパワー増幅器に関連した飽和出力パワーを決定すること、ここにおいて、飽和出力パワーは、パワー増幅器に関連した最大パワーレベルであり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、通信ネットワークデバイスの送信器ユニットおよび受信器ユニットを結合するループバックパスを介して飽和出力パワーで無線周波数(RF)信号を供給することと、ループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーを測定することと、飽和出力パワーおよびループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得を決定することと、通信ネットワークデバイスの関連した第1のループバック利得に少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正することと、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータに従って動作するように構成されているときの第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得を決定することと、第1の動作パラメータに関連した第1のループバック利得と第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得との利得差を決定することと、利得差および通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の較正した出力送信パワーに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正することとを備える動作を行わせる。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得は、ループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーと飽和出力パワーとの比である。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正する前記動作は、ループバックパスを介して、パワー増幅器の第2の出力送信パワーで第2のRF信号を供給すること、ここにおいて、第2の出力送信パワーは、飽和出力パワー未満であり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、ループバックパスを介して受信した第2のRF信号の第2の受信パワーを測定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得および第2の受信パワーに少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の第2の出力送信パワーを計算することとを備える。
いくつかの実施形態では、第2の出力送信パワーは、第2の受信パワーと第1のループバック利得との比である。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正する前記動作は、ループバックパスを介して、パワー増幅器の対応する複数の徐々に低下する出力送信パワーで複数のRF信号を連続的に供給すること、ここにおいて、出力送信パワーのそれぞれは、飽和出力パワー未満であり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、ループバックパスを介して受信した複数のRF信号のうちの対応するRF信号に関連した複数の受信パワーを測定することと、対応する受信パワーおよび第1のループバック利得に少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の複数の出力送信パワーを計算してパワー増幅器の出力送信パワーを較正することとをさらに備える。
いくつかの実施形態では、動作は、通信ネットワークの第2の通信ネットワークデバイスから第2のRF信号を受信すること、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、第2の通信ネットワークデバイスから受信した第2のRF信号の第2の受信パワーを測定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得および第2の受信パワーに少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の応答送信パワーを計算することと、第2の通信ネットワークデバイスから第2のRF信号を前記受信することに応答して、第2の通信ネットワークデバイスに応答送信パワーで第3のRF信号を送信することとをさらに備える。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正する前記動作は、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを生成するように、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の較正された出力送信パワーと利得差とを掛け合わせることを備える。
本実施形態は、添付の図面を参照することによってより良く理解され、多数の目的、特徴および利点が当業者に明らかにされ得る。
WLAN通信デバイスの出力送信パワーを較正するための例示的な機構を示すブロック図。
通信システムのパワー増幅器の送信パワーを較正するための例示的な動作を示す流れ図。
種々のセットの動作パラメータを使用してパワー増幅器に関連した出力パワーを較正するための例示的な動作を示す流れ図。
電子デバイスにおける出力送信パワーを較正するための機構を含む電子デバイスの一実施形態のブロック図。
次に続く説明は、本発明の主題の技法を具現化するシステム、例示的な方法、技法、命令シーケンス、およびコンピュータプログラム製品を含む。しかしながら、説明される実施形態は、これらの特定の詳細がなくても実践可能であることは理解される。たとえば、例は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)デバイス(たとえば、802.11対応のデバイス)についての送信パワー較正を示しているが、実施形態は、そのように限定されない。他の実施形態では、本明細書において説明される送信パワー較正技法は、他の適切な通信プロトコルおよび標準(たとえば、WiMAX)を実装するネットワークデバイスによって実行され得る。他の例では、よく知られている命令のインスタンス、プロトコル、構造、および技法については、説明を曖昧にしないようにするために、詳細に示していない。
現在、無線周波数(RF)信号が送信され得る送信パワー(「ターゲット送信パワー」は、パワーメータまたは他の適切な試験装置を使用して較正されている。たとえば、WLAN通信システムの出力送信パワーは、試験環境で(たとえば、試験装置を使用して)測定され得、測定された出力送信パワーは、ターゲット送信パワーに達するのにはどのくらいの追加のパワーが加えられる(または差し引かれる)べきであるかを決定するために、ターゲット送信パワー(または必須送信パワー)に対して比較され得る。WLAN通信システムの測定された出力送信パワーを分析することに基づいて、出力送信パワーを較正するための既存の技法は、通常、精緻な試験装置(たとえば、製造環境における試験装置)を必要とし、WLAN通信システムが配備されることになる環境と同じ動作条件を有する試験環境に依存している。さらには、既存の技法は、高価であり、労働集約的であり、時間がかかることがある。
後述するようないくつかの実施形態では、較正された出力送信パワーは、任意の試験装置を使用せずに確立され得る。代わりに、本明細書に説明される出力送信パワー較正技法は、WLAN通信システムのパワー増幅器(PA)の特性を利用し得る。たとえば、パワー増幅器の飽和出力パワー(最大出力パワーとも呼ばれる)は、通常、WLAN通信システムごとに異なりはしないので、出力送信パワーを較正するのに利用され得る。飽和出力パワー(PSAT)は、システムごとに比較的一定のままであり、なぜなら、それは、1)WLAN通信システムに供給される基準供給電圧(Vdd)および2)パワー増幅器に「見られる(seen)」ような等価負荷(Requivalent)の関数だからである。パワー増幅器の基準供給電圧および等価負荷は、よく制御された量とすることができ、製造上の公差を非常に低くすることができる。その結果、パワー増幅器の飽和出力パワーの標準偏差は、非常に小さくすること(たとえば、典型的には、1dB未満)ができる。飽和出力パワー(PSAT)についての情報は、受信チェーンを較正し、出力送信パワーを監視する基盤を発展させるために使用され得る。より具体的には、RF信号は、ループバックパスを介してWLAN通信システムの送信器ユニットから受信器ユニットに飽和出力パワー(すなわち、最大出力パワー)で送信され得る。受信したループバック信号の受信パワーが測定され得、WLAN通信システムのループバック利得は、飽和出力パワーおよび受信ループバック信号の測定されたパワーに基づいて決定され得る。出力送信パワーを較正するために、送信パワーは、最大出力パワーから適切な値だけ(正確に知られていることも、または知られていないこともある)低下させてもよく、それにより、パワー増幅器は、およそ所望の出力範囲で動作している。(低下させた送信パワーレベルでの)パワー増幅器からのRF信号は、受信器にループバックされ得、新規受信パワーが(受信器において)測定され得る。この送信パワーは、ループバック利得および新規受信パワーを使用して計算され得る。送信パワーは、徐々に引き下げてもよく、これらの動作を反復的に実行して、各反復において送信パワーを決定し較正することができる。パワー増幅器の特性を利用する較正技法は、試験装置の使用をなくすことができ、それによって、試験/較正の複雑さが抑えられる。
図1は、WLAN通信デバイス100の出力送信パワーを較正するための例示的な機構を示すブロック図である。WLAN通信デバイス100は、2.4GHzのWLANモジュール102および5GHzのWLANモジュール130を備える。2.4GHzのWLANモジュール102は、2.4GHzのTXミキサユニット112および2.4GHzのパワー増幅器(PA)110を含む送信器(TX)ユニットを備えることができる。2.4GHzのWLANモジュール102はまた、2.4GHzのRXミキサユニット116および2.4GHzの低ノイズ増幅器(LNA)120を含む受信器(RX)ユニットを備えることができる。いくつかの実装形態では、2.4GHzのPA110の出力は、2.4GHzの内部ループバックパスを介して2.4GHzのWLANモジュール102の受信器ユニットにループバックされ得る。より具体的には、2.4GHzのPA110の出力は、2.4GHzの減衰器108(たとえば、容量性減衰器)への入力とすることができ、2.4GHzの減衰器108の出力は、スイッチ118を介して2.4GHzのRXミキサユニット116に結合され得る。いくつかの実装形態では、2.4GHzのPA110の出力は、2.4GHzのWLANモジュール102の外部にループバックパスを介して2.4GHzのWLANモジュール102の受信器ユニットにループバックされ得る。図1に破線で示されているように、2.4GHzのPA110の出力および2.4GHzのLNA120の入力は、送信/受信(T/R)スイッチ106(やはり、破線で示されている)を介して結合される。T/Rスイッチ106は、2.4GHzのWLANモジュール102の送信器ユニットおよび受信器ユニットによって共有され得るアンテナ104と結合され得る。いくつかの実施形態では、外部ループバックパスは、2.4GHzのPA110の出力を(ONまたはOFF切替え可能な)2.4GHzのLNA120の入力に結合する回路基板(たとえば、この上にWLAN通信デバイス100が実装される)によって作製され得る。
同様に、5GHzのWLANモジュール130は、5GHzのTXミキサユニット138および5GHzのPA140を含む送信器ユニットを備えることができる。5GHzのWLANモジュール130はまた、5GHzのRXミキサユニット136および5GHzのLNA134を含む受信器ユニットを備えることができる。5GHzのLNA134は、内部または外部のループバックパスを介して送信器ユニット(たとえば、5GHzのPA140の出力)から受信したループバック信号(またはフィードバック信号)を受信することができる。2.4GHzのWLANモジュール102に関して上述したのと同様に、5GHzのWLANモジュール130もまた、5GHzのPA140の出力を5GHzのWLANモジュール130の受信器ユニットに供給するように、様々なタイプの機構を実装することができる。たとえば、図1に示すように、5GHzのPA140の出力は、5GHzの内部ループバックパスを介して5GHzのWLANモジュール130の受信器ユニットにループバックされ得る。より具体的には、5GHzのPA140の出力は、5GHzの減衰器132(たとえば、容量性減衰器)への入力とすることができ、5GHzの減衰器132の出力は、スイッチ144を介して5GHzのRXミキサユニット136に結合され得る。図1では、5GHzのWLANモジュール130はまた、5GHzのPA140の出力を5GHzのLNA134の入力に結合するT/Rスイッチ160(やはり、破線で示されている)を実装することができる。T/Rスイッチ162は、5GHzのWLANモジュール130の送信器ユニットおよび受信器ユニットによって共有され得るアンテナ162と結合され得る。いくつかの実施形態では、外部ループバックパスは、5GHzのPA140の出力を(ONまたはOFF切替え可能な)5GHzのLNA134の入力に結合する回路基板(たとえば、この上にWLAN通信デバイス100が実装される)によって作製され得る。
WLAN通信システム100はまた、ソースデバイス(たとえば、デジタルベースバンドブロック、デジタル試験ブロック、デジタル信号発生器など)からのデジタル入力信号をアナログ信号に変換して、たとえば、(フィルタリング後、増幅後などに)送信するためのデジタル/アナログ変換器(DAC)152を備えることができる。DAC152は、アナログTXベースバンドフィルタ150に結合され得る。アナログTXベースバンドフィルタ150は、2.4GHzのTXミキサユニット112および5GHzのTXミキサユニット138に結合され得る。いくつかの実装形態では、スイッチングデバイス(図示せず)は、2.4GHzのWLANモジュール102がイネーブルであるのか、または5GHzのWLANモジュール130がイネーブルであるのかに応じて、選択的に2.4GHzのTXミキサユニット112または5GHzのTXミキサユニット138をアナログTXベースバンドフィルタ150に結合することができる。2.4GHzのRXミキサユニット116および5GHzのRXミキサユニット136は、アナログRXベースバンドフィルタ154に結合され得る。いくつかの実装形態では、スイッチングデバイス(図示せず)が、2.4GHzのWLANモジュール102がイネーブルであるのか、または5GHzのWLANモジュール130がイネーブルであるのかに応じて、選択的に2.4GHzのRXミキサユニット116または5GHzのRXミキサユニット136をアナログRXベースバンドフィルタ154に結合することができる。アナログRXベースバンドフィルタ154は、アナログ/デジタル変換器(ADC)156に結合され得る。ADC156は、ひいては、較正ユニット158に結合され得る。いくつかの実施形態では、較正ユニット158は、デジタルベース受信器、または受信パワー(たとえば、受信信号強度)を測定することができるデジタル試験回路とすることができる。較正ユニット158は、図2〜図3において下記に説明される動作を実行して、ADC156の出力における受信パワーを測定し、パワー増幅器(たとえば、2.4GHzのPA110および/または5GHzのPA140)の出力送信パワーを較正することができる。較正動作は、2.4GHzのWLANモジュール102に関して下記に説明される。しかしながら、較正動作が、やはり5GHzのWLANモジュール130にまでも拡張され得ることが分かる。
パワー増幅器は、まず、飽和出力パワー(PSAT)を出すように構成されている。一例では、2.4GHzのPA110は、5MHzの正弦波トーン(sinusoid tone)を用いてPSATへ駆動される。所与の設計についてのPSATの絶対値は、特性により決定され得る。たとえば、パワー増幅器(たとえば、2.4GHzのPA110)は、パワー増幅器に関連した飽和出力パワー(たとえば、パワー増幅器によって出され得る最大出力パワー)を決定するために、試験環境において(スタンドアロンの構成要素としておよび/または試験回路において)分析および試験され得る。別の例として、PSATは、試験装置(たとえば、パワーメータ、スペクトル分析器、パワー測定装置など)、試験回路、または他の適切な技法を使用して決定され得る。試験回路は、2.4GHzのPA110が飽和出力パワーPSATで試験信号を送信するのに応答して受信パワーを測定することができる別のデバイスであってもよい。次いで、飽和出力パワーPSATは、測定された受信パワーに少なくとも一部基づいて推定され得る。試験装置および試験回路は、ケーブルまたはオーバーザエアーによりパワーを測定することができることが分かる。
次に、送信パワーは、受信器ユニットに結合される。言い換えれば、無線周波数(RF)信号は、飽和出力パワー(PSAT)で送信され、このRF信号は、WLAN通信デバイス100の受信器ユニットにループバック(またはフィードバック)される。(ループバック後に)受信器ユニットにおいて受信したときの送信信号は、本明細書では、「ループバック信号(loopback signal)」と呼ばれる。様々な技法が、送信されたRF信号を受信器ユニットに結合するために採用され得る。一例では、2.4GHzのWLANモジュール102は、送信器ユニットの2.4GHzのPA110と受信器ユニットの2.4GHzのLNA120の間の内部の専用ループバックパス(減衰を伴う)を備えることができる。この例では、RF信号は、2.4GHzのPA110から2.4GHzの減衰器108に供給され得、2.4GHzの減衰器108は、ループバック信号をスイッチ118を介して2.4GHzのRXミキサユニット116に供給することができる。別の例では、送信パワーは、T/Rスイッチ106セットを通じて送信器ユニットまたは受信器ユニットに対する漏れパワーを感知するように受信器ユニットを構成することによって、受信器ユニットと結合され得る。この例では、図1に破線で示されるように、RF信号は、2.4GHzのPA110を介して送信され得、T/Rスイッチ106は、減衰をもたらし、信号を受信器ユニットにループバックすることができる。いくつかの実施形態では、T/Rスイッチ106は、外部のスイッチングデバイスとすることができる。より具体的には、2.4GHzのWLANモジュール102に示されるように、送信器ユニット(2.4GHzのPA110および2.4GHzのTXミキサユニット112を備える)と、受信器ユニット(2.4GHzのLNA120および2.4GHzのRXミキサユニット116を備える)は、共通のアンテナ104を共有する。T/Rスイッチ106は、共有アンテナ104へのアクセス、および送信器ユニットまたは受信器ユニットがアンテナ104を利用して、信号を送信するのかまたは受信するのかをそれぞれ制御することができる。T/Rスイッチ106を使用して、送信信号を受信器ユニットに結合するために、T/Rスイッチ106は、送信モードで構成され得る。2.4GHzのPA110が、PSATに駆動され(たとえば、飽和出力パワーでRF信号を送信し)、かつT/Rスイッチ106が送信モードで構成されているとき、(2.4GHzのPA110によって送信される)出力パワーの一部は、2.4GHzのLNA120の入力へと漏出する場合がある。下記に説明するように、この漏れパワーは、測定され得、ループバック利得を較正するために使用され得る。いくつかの実装形態では、受信器ユニット(たとえば、2.4GHzのLNA120、2.4GHzのRXミキサユニット116、およびアナログRXベースバンドフィルタ154)に関連した利得は、ループバック信号を適正に受信することを確実にするために、およびADC156の出力において直線性を維持するために調整(最低利得設定に設定)され得る。さらに、T/Rスイッチ106はまた、受信器ユニットの受信ポートに減衰(たとえば、20dB〜30dBの減衰)をもたらして、ループバック信号が受信器ユニットを飽和状態にしないこと、および損傷を与えないことを確実にすることができる。様々な実装形態では、T/Rスイッチ106は外部のスイッチングデバイスであってもよいが、いくつかの実装形態では、T/Rスイッチ106は、内部のスイッチングデバイスとして実装されてもよい。
いくつかの実施形態では、2.4GHzのWLANモジュール102の送信器ユニットおよび受信器ユニットは、送信アンテナおよび受信アンテナにそれぞれ関連付け可能である。この実施形態では、送信パワーは、送信アンテナから送信される出力パワーを(受信アンテナにおいて)感知することによって、受信器ユニットに結合され得る。RF信号は、送信アンテナを介して(飽和出力パワーで)送信され得、通信媒体(たとえば、エアー)により移動することができ、受信アンテナによって受信され得る。この例では、通信媒体(たとえば、エアー)を介して信号を送信することで、送信信号を減衰してから、この信号が受信アンテナおよび受信器ユニットにおいて受信することができるようになる。
受信器ユニットに関連した利得は、受信器ユニットの処理構成要素(たとえば、2.4GHzのLNA120、2.4GHzのRXミキサユニット116、アナログRXベースバンドフィルタ154、ADC156など)が線形領域で動作するように(たとえば、受信器ユニットの処理構成要素がループバック信号を適正に受信し処理することができるように)調整され得る。受信器ユニットに関連した利得を調整することは、2.4GHzの減衰器108(たとえば、容量性減衰器)、2.4GHzのRXミキサユニット116および/またはアナログRXベースバンドフィルタ154の利得を変更することを含むことができる。いくつかの実装形態では、飽和出力パワー(P
SAT)は、非常に高いので、2.4GHzのPA110を介して受信したループバック信号は、受信器ユニットの処理構成要素が動作するように構成されているパワーレベルに比較してはるかに高いことがあり得る。言い換えれば、受信器ユニットの処理構成要素は、高いP
SATパワーレベルを扱うように設計されていなくてもよい。いくつかの実装形態では、受信器ユニットが線形領域で動作していることを確実にするために、アイソレーション技法(isolation technique)が採用され得る。受信器ユニットの処理構成要素の飽和状態を回避するために、ループバック信号は、減衰されてから2.4GHzのLNA120に供給され得る。図1に示されているようにいくつかの実装形態では、2.4GHzの減衰器108(たとえば、可変容量性減衰器)は、2.4GHzのPA110出力を減衰することができる。2.4GHzの減衰器108の出力は、2.4GHzのRXミキサユニット116に供給され得る。したがって、3つの入力が、2.4GHzのRXミキサユニット116に供給され得、すなわち、2.4GHzの減衰器108の出力におけるループバック信号、(ループバックパスおよびT/Rスイッチ106を介して受信した)2.4GHzのLNA120の出力におけるループバック信号、およびローカル発振器(LO)信号114である。2.4GHzのRXミキサユニット116の出力は、アナログRXベースバンドフィルタ154に、次いで、ADC156に供給される。ADC156は、典型的には、非常に高い分解能を有することができ、ループバック信号の正確なサンプルを生成することができる。ループバック信号の初期処理(たとえば、増幅、下方変換、フィルタリングなど)の後、ADC156は、ループバック信号をアナログ領域からデジタル領域に変換することができる。較正ユニット158は、ADC156の出力におけるループバック信号の信号パワー(受信パワー)(P
RX)を測定することができ、測定された受信パワーを使用して、受信器ユニット利得(本明細書においては「ループバック利得」とも呼ばれる)を決定することができる。ループバック利得(LoopbackGain)は、式1に示されるように、受信パワー(P
RX)と飽和出力パワー(P
SAT)との比として計算され得る。ループバック利得は、オンチップメモリ(または他の適切な不揮発性メモリ)上の所定のメモリ位置に記憶され得る。
上記説明したいくつかの実装形態では、第1の受信パワー測定値(P
RX)は、RF信号が飽和出力パワー(P
SAT)で送信されるとき決定され得る。WLAN通信デバイス100に関連したループバック利得(LoopbackGain)は、式1に従って決定され得る。次に、2.4GHzのPA110の出力送信パワーは、引き下げられて、引き下げられた出力送信パワー(P
OUT)で送信される第2のRF信号を生成することができる。それに応じて、第2のループバック信号が、上記説明したように受信および処理され得る。較正ユニット158は、第2のループバック信号に基づいて第2の受信パワー測定値(P
RX2)を決定することができる。引き下げられた出力送信パワー(P
OUT)は、知られていなくてもよく、したがって、較正される必要がある場合があることが分かる。出力送信パワー(P
OUT)は、式2に示されるように、第2の受信パワー測定値(P
RX2)および飽和出力パワーに基づくループバック利得(LoopbackGain)に基づいて計算され得る。
したがって、飽和出力パワーPSATおよびループバック利得が、2.4GHzのWLANモジュール102において一定であると仮定することによって、出力送信パワーレベルは、出力送信パワーを徐々にかつ反復的に調整すること、ADC156の出力において対応する受信パワーを測定すること、および式2に従って対応する出力送信パワーレベルを計算することによって較正され得る。
いくつかの実装形態では、さらに下記に説明するように、本明細書において説明されるループバック較正機構は、受信器ユニットおよび/または送信器ユニットにおいて利得ステップを決定するために採用され得る。図1に示すように、WLAN通信デバイス100は、2.4GHzのWLANモジュール102および5GHzのWLANモジュール130を備えるデュアルバンドシステムである。図1は、2.4GHzの処理構成要素のすべてが、5GHzの処理構成要素から分離していることを示しているが、実施形態はそのように限定されない。いくつかの実装形態では、2.4GHzのWLANモジュール102および5GHzのWLANモジュール130は、TXミキサユニット、RXミキサユニット、および減衰器を除く処理構成要素の一部/すべてを共有することができる。言い換えれば、2.4GHzのWLANモジュール102および5GHzのWLANモジュール130は、共通のベースバンドフィルタ、ADC、DAC、および/または他のベースバンド処理構成要素を共有することができる。2.4GHzのWLANモジュール102と5GHzのWLANモジュール130の間で切り替えるために、適切なTXミキサユニット、RXミキサユニット、および容量性減衰器は、回路機構に切替え可能である。概して、容量性減衰器は、厳しく制御され、かつ非常に精密であり得、(たとえば、シリコンに対するコンデンサの比率が非常に厳しく制御され得るので)設定減衰値からのずれがほとんどまたはまったくない減衰を生み出すことができる。言い換えれば、容量性減衰器が、10dB減衰をもたらすように構成されている場合、容量性減衰器によってもたらされる減衰レベルは、典型的には、設定された10dB減衰レベルからずれないことになる(または非常に無視できるほどの値だけずれることもある)。同様に、ベースバンド処理構成要素(たとえば、ベースバンドフィルタ、ADC、DACなど)に関連した利得は、よく制御され得、変動を受けることはほとんどまたはまったくにない。対照的に、RFミキサユニットの利得(「ミキサ利得」)は、それほど精密でないこともある。したがって、2.4GHzのWLANモジュール102に関連したループバック利得と5GHzのWLANモジュール130に関連したループバック利得との何らかの差は、2.4GHzのミキサ利得と5GHzのミキサ利得の差に起因し得る。2.4GHzのミキサユニット112および116と5GHzのミキサユニット136および138との利得差は、2.4GHzのTXミキサユニット112を5GHzのTXミキサユニット138と交換すること、2.4GHzのRXミキサユニット116を5GHzのRXミキサユニット136と交換すること、およびループバック利得を測定することによって較正され得る。一例では、2.4GHzのWLANモジュール102はイネーブルされ得(かつ5GHzのWLANモジュール130はディスエーブルされ得)、2.4GHzのWLANモジュール102に関連したループバック利得が、式1を使用して上記説明したように決定され得る。次に、2.4GHzのWLANモジュール102はディスエーブルされ得、5GHzのWLANモジュール130はイネーブルされ得、5GHzのWLANモジュール130に関連したループバック利得が決定され得る。上述したように、5GHzのWLANモジュール130に関連したループバック利得は、5GHzのPA140に関連した飽和出力パワーに少なくとも一部基づいて決定され得る。2.4GHzのWLANモジュール102と5GHzのWLANモジュール130との利得差の指示は、所定のメモリ場所に記憶され得る。2.4GHzのWLANモジュール102のループバック利得と5GHzのWLANモジュール130のループバック利得との利得差は、2.4GHzのRXミキサ利得と5GHzのRXミキサ利得との利得差および/または2.4GHzのTXミキサ利得と5GHzのTXミキサ利得との利得差に起因し得る。その場合、2.4GHzのWLANモジュール102の出力送信パワーは、上記説明した動作に従って較正され得る。5GHzのWLANモジュール130の出力送信パワーは、利得差および2.4GHzのWLANモジュール102の較正された出力送信パワーに基づいて較正され得る。さらには、いくつかの実装形態では、処理ユニットのうちの1つまたは複数の利得は、必要に応じて、ループバック利得を変えるように変更され得る。
図2は、通信システムのパワー増幅器の送信パワーを較正するための例示的な動作を示す流れ図(「フロー」)200である。フロー200は、ブロック202において開始する。
ブロック202で、通信システムのパワー増幅器に関連した飽和出力パワーが決定される。たとえば、パワー増幅器(たとえば、2.4GHzのPA110)は、まず、飽和出力パワー(PSAT)を出すように構成されている。言い換えれば、パワー増幅器は、その最大設定において動作するように、かつ最大可能パワーを出すように構成され得る。フローは、ブロック204に続く。
ブロック204で、無線周波数(RF)信号が、通信システムの送信器ユニットと受信器ユニットの間のループバックパスを介してパワー増幅器の飽和出力パワーで送信される。図1の例に関して、2.4GHzのPA110は、飽和出力パワーでRF信号を送信することができ、このRF信号(すなわち、送信パワー)をWLAN通信デバイス100の受信器ユニットにループバック(またはフィードバック)して、送信パワーを受信器ユニットに結合する。受信器ユニットにおいて(ループバック後に)受信したときの送信RF信号は、「ループバック信号」と呼ばれる。上記説明したように、様々な技法がループバックパスを確立するために、およびWLAN通信システムの受信器ユニットを送信器ユニット(たとえば、2.4GHzのWLANモジュール102)と結合するために採用され得る。一実施形態では、2.4GHzのWLANモジュール102は、送信器ユニットを受信器ユニットと結合する専用のループバックパス(減衰を伴う)を備えることができる。たとえば、物理配線(または集積回路上の金属相互接続)を使用して、送信器ユニットを受信器ユニットと接続することができる。図1の例では、RF信号は、2.4GHzの減衰器108およびスイッチ118を介して、2.4GHzのWLANモジュール102の送信器ユニットから受信器ユニットに供給される。別の実施形態では、RF信号は、2.4GHzのPA110から送信され得、漏れパワーは、T/Rスイッチ106を介して受信器ユニットにおいて検出/受信可能である。T/Rスイッチ106は、内部のスイッチであっても、または外部のスイッチであってもよい。別の実施形態では、RF信号は、送信アンテナから送信器ユニットによって送信可能であり、受信器ユニットの受信アンテナによって(ループバック信号として)受信可能である。(RF信号を受信器ユニットに直接結合する代わりに)RF信号を送信することにより、追加の減衰ユニットの必要性をなくすことができる。フローは、ブロック206に続く。
ブロック206で、ループバック信号に関連した受信パワーが測定される。いくつかの実施形態では、受信器ユニットに関連した利得は、受信器ユニットの処理構成要素(たとえば、2.4GHzのLNA120、2.4GHzのRXミキサユニット116、アナログRXベースバンドフィルタ154、ADC156など)が、線形領域で動作するように(たとえば、受信器ユニットの処理構成要素が、ループバック信号を適正に受信および処理することができるように)調整され得る。線形領域は、受信器ユニットがループバック信号を適正に受信および処理することができ、かつループバック信号が、圧縮/変形されないパワー値の範囲を示すことができる。ループバック信号の初期処理(たとえば、増幅、下方変換、フィルタリングなど)の後、ADC156は、ループバック信号をデジタル領域に変換することができる。較正ユニット158は、ADC156の出力において、ループバック信号の受信パワー(PRX)を測定することができる。フローは、ブロック208に続く。
ブロック208で、通信システムに関連したループバック利得は、飽和出力パワーおよび測定された受信パワーに少なくとも一部基づいて計算される。たとえば、較正ユニット158は、式1に示すように、(ブロック206で決定された)受信パワーと(ブロック202で決定された)飽和出力パワーとの比としてループバック利得(または損失)を計算することができる。言い換えれば、LoopbackGain(またはLoopbackLoss)=PRX/PSATである。通信システム(たとえば、2.4GHzのWLANモジュール102)に関連したループバック利得は、ソフトウェア、オンチップメモリ、外部の記憶デバイスなどに記憶され得る。フローは、ブロック210に続く。
ブロック210で、パワー増幅器の出力送信パワーを低下させ、別のRF信号がループバックパスを介して低下させた出力送信パワーで送信される。2.4GHzのPA110の出力送信パワーPOUTは、(知られていない、較正されていない値に)引き下げられてもよい。別のRF信号は、ブロック204に関して上記説明したように、送信器ユニットから受信器ユニットに、引き下げられた出力送信パワーPOUTで送信され得る。ブロック210〜ブロック214に関して下記に説明する動作が、2.4GHzのPA110(および2.4GHzのWLANモジュール102)の出力送信パワーを較正するように反復的に実行され得ることが分かる。フローは、ブロック212に続く。
ブロック212で、低下させた出力送信パワーで先に送信されたこの別のRF信号に対応するループバック信号に関連した新規受信パワーが測定される。ブロック206に関して上述したように、受信器ユニットは、引き下げられた出力送信パワーPOUTで送信されるRF信号に応答して別のループバック信号を受信することができる。較正ユニット158は、受信したループバック信号に基づいて、新規受信パワー測定値(PRX2)を決定することができる。フローは、ブロック214に続く。
ブロック214で、パワー増幅器の出力送信パワーが、測定された新規受信パワーおよびループバック利得に基づいて計算される。引き下げられた出力送信パワーPOUTは、ブロック212で決定された新規受信パワー測定値(PRX2)に基づいて、かつブロック208で決定されたループバック利得に基づいて計算され得る。具体的には、式2に関して上述したように、引き下げられた出力送信パワーPOUTは、POUT=PRX2/LoopbackGainと計算され得る。フローは、ブロック216に続く。
ブロック216で、出力送信パワーを較正するための追加の較正を行うかどうかが決定される。出力送信パワーを較正するための追加の較正を行うと決定された場合、フロー200は、ブロック210にループバックし、ここで、パワー増幅器の出力送信パワーをさらに低下させ、RF信号は、低下させた出力送信パワーでループバックパスを介して送信され、出力送信パワーは、測定された受信パワーおよびループバック利得に基づいて(式2に従って)計算される。出力送信パワー較正処理が完了したと決定された後、フローは終了する。
図3は、種々の動作パラメータを使用してパワー増幅器に関連した出力パワーを較正するための例示的な動作を示す流れ図300である。フローは、ブロック302から開始する。
ブロック302で、通信システムは、第1の動作パラメータを使用して構成される。第1の動作パラメータは、動作周波数バンド、動作温度、変調方式、および/または他の適切な動作パラメータを含むことができる。図1の例示的なWLAN通信デバイス100に関して、2.4GHzのWLANモジュールはイネーブルされ得、5GHzのWLANモジュール130はディスエーブルされ得る。フローは、ブロック304に続く。
ブロック304で、第1の動作パラメータを使用して構成された通信システムに関連したループバック利得(「第1のループバック利得」)が計算される。図2のブロック202〜ブロック208に関して上述したように、第1のループバック利得は、通信システムが第1の動作パラメータを使用して構成されるとき、決定され得る。たとえば、2.4GHzのWLANモジュールがイネーブルであるとき、パワー増幅器(たとえば、2.4GHzのPA110)に関連した飽和出力パワーが決定され得る。RF信号は、ループバックパスを介して送信器ユニットから受信器ユニットに(第1の動作パラメータにおける)飽和出力パワーで送信され得る。(第1の動作パラメータにおける)飽和出力パワーで送信されるRF信号に関連した受信パワーが測定され得る。第1のループバック利得は、測定された受信パワーの、第1の動作パラメータにおける飽和出力パワーに対する比として計算され得る。フローは、ブロック306に続く。
ブロック306で、パワー増幅器に関連した出力送信パワーが、通信システムが第1の動作パラメータを使用して構成されるとき、較正される。図2のブロック210〜ブロック216に関して上述したように、較正ユニット158は、WLAN通信デバイス100が第1の動作パラメータを使用して構成されるとき(たとえば、2.4GHzのWLANモジュール102がイネーブルされ、5GHzのWLANモジュール130がディスエーブルされているとき)、2.4GHzのPA110に関連した出力送信パワーを較正することができる。フローは、ブロック308に続く。
ブロック308で、通信システムが第2の動作パラメータを使用して構成される。上述したように、第2の動作パラメータは、動作周波数バンド、動作温度、変調方式、および/または他の適切な動作パラメータを含むことができる。いくつかの実施形態では、通信システムの動作パラメータのうちの1つのみ変更可能である。たとえば、動作周波数の変更に照らして送信パワーを較正するように決定され得る。他の実施形態では、通信システムの動作パラメータのうちの2つ以上が変更可能である。たとえば、動作周波数および動作温度の変更に照らして、送信パワーを較正するように決定され得る。図1に関して、通信システムの動作周波数は、2.4GHz(すなわち、第1の動作パラメータ)から5GHz(すなわち、第2の動作パラメータ)に変更可能である。この例では、2.4GHzのWLANモジュール102は、ディスエーブルされ得、5GHzのWLANモジュール130はイネーブルされ得る。フローは、ブロック310に続く。
ブロック310で、第2の動作パラメータを使用して構成された通信システムに関連したループバック利得(「第2のループバック利得」)が計算される。図2のブロック202〜ブロック208に関して上述したように、第2のループバック利得は、通信システムが第2の動作パラメータを使用して構成されるとき、決定され得る。たとえば、動作周波数が2.4GHzから5GHzに変更された後、パワー増幅器(たとえば、5GHzのPA140)に関連した飽和出力パワーは決定され得る。RF信号は、ループバックパスを介して送信器ユニットから受信器ユニットに(第2の動作パラメータにおける)飽和出力パワーで送信され得る。(第2の動作パラメータにおける)飽和出力パワーで送信されるRF信号に関連した受信パワーが測定され得る。第2のループバック利得は、測定された受信パワーの、第2の動作パラメータにおける飽和出力パワーに対する比として計算され得る。フローは、ブロック312に続く。
ブロック312で、第1のループバック利得と第2のループバック利得との利得差が決定される。たとえば、較正ユニット158は、第1の動作パラメータに関連した第1のループバック利得と第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得との利得差を決定することができる。図1の例に関して、較正ユニット158は、2.4GHzのWLANモジュール102に関連した第1のループバック利得と5GHzのWLANモジュール130に関連した第2のループバック利得との利得差を決定することができる。フローは、ブロック314に続く。
ブロック314で、パワー増幅器の出力送信パワーが、通信システムが第2の動作パラメータを使用して構成されているとき、利得差および通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の較正された出力送信パワーに基づいて較正される。言い換えれば、第2の動作パラメータについての送信パワー(たとえば、5GHzのWLANモジュール130についての送信パワー)は、第1の動作パラメータについての先に較正された送信パワー(たとえば、2.4GHzのWLANモジュールについての送信パワー)に利得訂正を施すことによって較正され得る。たとえば、2.4GHzのWLANモジュール102について較正済みである各出力送信パワーレベルに対して、5GHzのWLANモジュール130の対応する出力送信パワーレベルは、2.4GHzのWLANモジュール102についての出力送信パワーレベルに利得差を掛け合わせることによって決定され得る。ブロック314からのフローは終了する。
図1〜図3、および本明細書において説明した動作は、実施形態を理解する助けになるための例示的な手段であり、実施形態を限定するためにも、または特許請求の範囲の範囲を限定するためにも使用すべきでないことを理解されたい。実施形態は、追加の動作、より少ない動作、異なる順序での動作、並行した動作、およびいくつかの動作を異なって行うことができる。図3は、第1の動作パラメータについて較正される送信パワーを使用して、第2の動作パラメータについての送信パワーを較正するための動作について説明しているが、実施形態はそのように限定されないことが分かる。他の実施形態では、送信パワーは、第1のセットの動作パラメータについて較正され得、較正された送信パワーを使用して、第2のセットの動作パラメータについての送信パワーを較正することができる。第1および第2のセットの動作パラメータはそれぞれ、動作周波数バンド、動作温度、変調方式、および/または他の適切な動作パラメータを備えることができる。さらには、第1のセットの動作パラメータから第2のセットの動作パラメータに切り替える際、第1のセットの動作パラメータにおける動作パラメータのサブセットのみが修正されてもよい。たとえば、第1のセットの動作パラメータは、第1の動作周波数バンドおよび動作温度を備えることができる。第2のセットの動作パラメータは、第2の動作周波数バンドおよび動作温度(変更されないまま)を備えることができる。
図は、送信パワーを徐々に引き下げて、反復するたびに送信パワーを較正するための動作について説明しているが、実施形態はそのように限定されないことが分かる。他の実施形態では、送信パワーは、ランダムにまたは所定のパターンで変更可能である。たとえば、送信パワーは、送信パワーが飽和出力パワーを超えない限り、増加させてもよい。送信パワー(すなわち、増加させた送信パワー)は、上記説明したように、対応する受信パワー値およびループバック利得を使用して較正され得る。
例は、WLAN通信デバイスの出力送信パワーを較正するための較正処理を示しているが、実施形態はそのように限定されない。他の実施形態では、上記説明した動作はまた、別の通信デバイスとの通信時に、送信パワーを決定するために採用され得る。たとえば、WLAN通信デバイス100は、通信ネットワークにおける第2のWLAN通信デバイスと通信していることができる。2.4GHzのLNAは、第2のWLAN通信デバイスからRF信号を受信することができる。初期処理およびデジタル領域への変換後、較正ユニット158は、第2のWLAN通信デバイスから受信したRF信号に関連した受信パワーを決定することができる。次いで、較正ユニット158は、式2を使用して、第2のWLAN通信デバイスへの応答の送信時に、対応する出力送信パワーを決定することができる。
また、(図2で述べた)徐々に低下する出力送信パワーで複数のRF信号を(ループバックパスを介して)連続的に供給することによって、または別の通信デバイスからの測定されたパワーの受信に基づいて、送信パワーを較正するための動作について説明しているが、実施形態はそのように限定されないことも分かる。他の実施形態では、上記説明した送信パワー較正動作はまた、(たとえば、WLAN通信デバイス100が、最適な送信パワーで信号を送信することを確実にするように)送信パワーを制御するために採用され得る。
本明細書において説明される出力送信パワー較正動作は、温度の変動、周波数、経年劣化、および/または較正出力送信パワーに影響をもたらし得る他の要因を示すために実際の動作中(たとえば、非試験動作環境で)、周期的に(またはオンデマンドで)実行され得ることが分かる。いくつかの実施形態では、2.4GHzのPA110に関連した飽和出力パワーは、5GHzのPA140に関連した飽和出力パワーと同じであっても、またはほぼ等しくてもよい(たとえば、0.01%公差以内)。しかしながら、他の実施形態では、2.4GHzのPA110に関連した飽和出力パワーは、5GHzのPA140に関連した飽和出力パワーとは有意に異なっていてもよい。また、例は、2.4GHzの処理構成要素および5GHzの処理構成要素をそれぞれ備える2.4GHzのWLANモジュール102および5GHzのWLANモジュール130を示しているが、実施形態はそのように限定されないことも分かる。他の実施形態では、WLAN通信デバイス100は、他の適切な動作周波数バンド内で、かつ他の適切な動作周波数で動作するように構成されているWLANモジュールおよび処理構成要素を備えることができる。
典型的には、パワー増幅器の飽和出力パワー(すなわち、PSATの値)は、温度の変化につれて有意に変化しない。いくつかの実装形態では、WLAN通信デバイス100は、動作温度を監視し、動作温度の変動(いくらかでもある場合)を検出するオンチップ温度センサを備えることができる。動作温度の変動が検出された場合、適切な技法を採用して、温度変動を補償することができる。したがって、ループバック利得および出力送信パワーが、ある動作温度(T1)で較正され、かつ実際の動作温度(T2)がT1とは異なると決定される場合、WLAN通信デバイス100の温度補償ユニットが、温度による利得およびパワーの変化を特徴付けることによってエラーを訂正することができる。
いくつかの実装形態では、採用される変調方式の差により、WLAN通信デバイス100の送信器ユニットの動作において不正確さが生じ、ターゲット送信パワーを達成することを困難にする恐れがある。たとえば、WLAN通信デバイス100は、10dBmのターゲット送信パワーを達成するように期待される場合がある。しかしながら、異なる送信パワー設定が、種々の変調方式(たとえば、直交周波数分割多重(OFDM)パケットおよび相補的コードキーイング(CCK)パケットなど)を用いてパケットを送信するために採用されなくてはならない場合がある。本明細書において説明されるループバック機構は、異なるタイプの変調方式を試験し、異なる変調方式についてループバック利得値を決定し、その結果として、異なる変調方式について異なる出力送信パワーレベルを決定するために採用され得る。たとえば、OFDMパケットは、ターゲット送信パワーで送信され得、OFDMパケットに関連した第1の受信パワー測定値(PRX1)は、ADCの出力において測定され得る。次に、CCKパケットは、ターゲット送信パワーで送信され得、CCKパケットに関連した第2の受信パワー測定値(PRX2)が決定され得る。第1の受信パワー測定値(PRX1)と第2の受信パワー測定値(PRX2)とが異なる場合、これは、パワー増幅器の出力送信パワーが、OFDMパケットが送信中であるのか、またはCCKパケットが送信中であるのかに応じて変更すべきであることを示すことができる。第1の受信パワー測定値(PRX1)および第2の受信パワー測定値(PRX2)に基づいて、OFDM信号に関連した対応する第1のループバック利得およびCCKパケットに関連した第2のループバック利得が決定され得る。ループバック利得の差は、記憶され得、その後、送信中のパケットに関連した変調方式に応じて、出力送信パワーを訂正するために使用され得る。
当業者には認識されるであろうように、本発明の主題の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化可能である。それに応じて、本発明の主題の態様は、完全にハードウェアの実施形態、ソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または本明細書では、「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」とすべて概括的に称することもあるソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形を取ってもよい。さらには、本発明の主題の態様は、コンピュータ可読プログラムコードを具現化した1つまたは複数のコンピュータ可読媒体において具現化されるコンピュータプログラム製品の形態を取ってもよい。
1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の何らかの組合せが利用可能である。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体であっても、またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、または前述の何らかの適切な組合せであってもよいが、それらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(包括的でないリスト)は、次を含む:1つまたは複数のワイヤを有する電気接続部、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMもしくはFlashメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または前述の何らかの適切な組合せ。本願の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって使用、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスと接続して使用するためのプログラムを含む、あるいは記憶することができる何らかの有形媒体であってもよい。
コンピュータ可読信号媒体は、たとえば、ベースバンド内で、または搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードを具現化した伝搬データ信号を含むことができる。そのような伝搬信号は、電磁、光学、またはそれらの任意の適切な組合せを含む様々な形態のいずれかを取ってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではない、かつ命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスと接続して使用するためのプログラムを通信する、伝搬する、あるいは輸送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
コンピュータ可読媒体において具現化されるプログラムコードは、ワイヤレス、有線、光ファイバケーブル、RFなど、または前述の任意の適切な組合せを含む任意の適切な媒体を使用して送信可能であるが、これらに限定されない。
本発明の主題の態様に関して動作を遂行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、またはC++などのオブジェクト指向のプログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せにおいて記述可能である。プログラムコードは、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータに全体的に、ユーザのコンピュータに部分的に、ユーザのコンピュータに部分的にかつリモートコンピュータに部分的に、またはリモートコンピュータもしくはサーバに全体的に、実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じて、ユーザのコンピュータに接続されても、またはこの接続が外部のコンピュータに対して(たとえば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)なされてもよい。
本発明の主題の態様は、本発明の主題の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/またはブロック図に関して説明されている。流れ図および/またはブロック図の各ブロック、ならびに流れ図および/またはブロック図のブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実施可能であることは理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはマシンを作製するための他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供可能であり、それにより、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令は、流れ図および/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/行為を実施するための手段が創出される。
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイスを特定の様態で機能するように指図可能なコンピュータ可読媒体に記憶されてもよく、それにより、コンピュータ可読媒体に記憶された命令は、流れ図および/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/行為を実施する命令を含む製造品が創出される。
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイス上にロードされて、一連の動作ステップをこのコンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行させて、コンピュータ実施方法を創出することができ、それにより、コンピュータまたは他のプログラマブル装置において実行する命令は、流れ図および/またはブロックの1つまたは複数のブロックにおいて指定される機能/行為を実施するためのプロセスを提供する。
図4は、電子デバイス400において出力送信パワーを較正するための機構を含む電子デバイス400の一実施形態のブロック図である。いくつかの実施形態では、電子デバイス400は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ネットブック、モバイルフォン、スマート家電、ゲーム機、デスクトップコンピュータ、またはワイヤレス通信性能を備えた他の適切な電子デバイスとすることができる。電子デバイス400は、(場合により、マルチプルプロセッサ、マルチプルコア、マルチプルノードを含む、かつ/またはマルチスレッディングを実装するなど)プロセッサユニット402を含む。電子デバイス400は、メモリユニット406を含む。メモリユニット406は、システムメモリ(たとえば、キャッシュ、SRAM、DRAM、ゼロコンデンサRAM、Twin TransistorのRAM、eDRAM、EDO RAM、DDR RAM、EEPROM(登録商標)、NRAM、RRAM(登録商標)、SONOS、PRAMなどのうちの1つまたは複数)、あるいはコンピュータ可読記憶媒体のすでに上記説明した可能な実現形態のうちの任意の1つまたは複数であってもよい。電子デバイス400はまた、バス410(たとえば、PCI、ISA、PCI−Express、HyperTransport(登録商標)、InfiniBand(登録商標)、NuBus、AHB、AXIなど)、およびワイヤレスネットワークインターフェース(たとえば、WLANインターフェース、Bluetooth(登録商標)インターフェース、WiMAX(登録商標)インターフェース、ZigBee(登録商標)インターフェース、Wireless USBインターフェースなど)およびワイヤードのネットワークインターフェース(たとえば、パワーライン通信インターフェース、Ethernet(登録商標)インターフェースなど)のうちの少なくとも1つを含むネットワークインターフェース404を含む。
電子デバイス400はまた、通信ユニット408を含む。通信ユニット408は、較正ユニット412を備える。較正ユニット412を含む通信ユニット408は、図1〜図3に関して上記説明したように、電子デバイス400の出力送信パワーを較正するための機能を実行することができる。これらの機能のいずれかの機能は、ハードウェアにおいて、および/またはプロセッサユニット402上で部分的に(または全体的に)実施され得る。たとえば、機能は、プロセッサユニット402において、周辺デバイスまたはカード上のコプロセッサなどにおいて実装される論理において、特定用途向け集積回路とともに実装され得る。さらに、実現形態は、図4に示されていない、より少ない構成要素を含んでも、または追加の構成要素(たとえば、ビデオカード、音声カード、追加のネットワークインターフェース、周辺デバイスなど)を含んでもよい。たとえば、通信ユニット408は、バス410と結合されるプロセッサユニット402とは異なる1つまたは複数の追加のプロセッサを備えてもよい。プロセッサ402、メモリユニット406、およびネットワークインターフェース404は、バス410に結合されている。メモリユニット406は、バス410に結合されているように示されているが、プロセッサ402に結合されていてもよい。
諸実施形態が、様々な実装形態および開発形態に関して説明されているが、これらの実施形態が例示であること、および本発明の主題の範囲がそれらに限定されないことは理解されよう。概して、本明細書において説明される通信デバイスの送信パワーを較正するための技法は、何らかのハードウェアシステムまたは複数のハードウェアシステムと一致する設備とともに実装され得る。多くの変更形態、修正形態、追加形態、および改良形態が可能である。
複数の例が、単一の例として本明細書において説明される構成要素、動作、または構造に提供され得る。最終的には、様々な構成要素と動作とデータストアとの間の境界は、いくらか恣意的であり、特定の動作が、具体的な例示の構成の文脈で示される。機能の他の割当てが想到され、本発明の主題の範囲内に含まれ得る。概して、例示的な構成において別個の構成要素として表されている構造および機能は、組合せ構造または構成要素として実装され得る。同様に、単一の構成要素として表されている構造および機能は、別個の構成要素として実装され得る。これらのおよび他の変形形態、修正形態、追加形態、および改良形態は、本発明の主題の範囲内に含まれ得る。
本出願は、2011年11月15日出願の米国特許仮出願第61/560,101号および2012年11月14日出願の米国特許出願第13/677,265号の優先権利益を主張するものである。
本発明の主題の実施形態は、一般に、通信ネットワークの分野に関し、より詳細には、通信システムにおける送信パワー較正に関する。
通信システムが、適正に動作するには、通常、絶対送信パワーレベルが必要である。たとえば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)通信システムのあらかじめ定められた絶対送信パワーレベルは、適正なWLAN通信について10dBmから20dBmの範囲のパワーレベルに設定され得る。通常、送信パワーレベルは、パワーメータなどの追加の試験装置を使用して較正される。
いくつかの実施形態では、方法は、通信ネットワークデバイスのパワー増幅器に関連した飽和出力パワーを決定すること、ここにおいて、飽和出力パワーは、パワー増幅器に関連した最大パワーレベルであり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、通信ネットワークデバイスの送信器ユニットおよび受信器ユニットを結合するループバックパス(loopback path)を介して、飽和出力パワーで無線周波数(RF)信号を供給することと、ループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーを測定することと、飽和出力パワーおよびループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得を決定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバックに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正することと、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータに従って動作するように構成されているときの第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得を決定することと、第1の動作パラメータに関連した第1のループバック利得と第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得との利得差を決定することと、利得差および通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の較正された出力送信パワーに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正することとを備える。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得は、ループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーと飽和出力パワーとの比である。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを前記較正することは、ループバックパスを介して、パワー増幅器の第2の出力送信パワーで第2のRF信号を供給すること、ここにおいて、第2の出力送信パワーは飽和出力パワー未満であり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、ループバックパスを介して受信した第2のRF信号の第2の受信パワーを測定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得および第2の受信パワーに少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の第2の出力送信パワーを計算することとを備える。
いくつかの実施形態では、第2の出力送信パワーは、第2の受信パワーと第1のループバック利得との比である。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを前記較正することは、ループバックパスを介して、パワー増幅器の対応する複数の徐々に低下する出力送信パワーで複数のRF信号を連続的に供給すること、ここにおいて、出力送信パワーのそれぞれは、飽和出力パワー未満であり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、ループバックバスを介して受信した複数のRF信号のうちの対応するRF信号に関連した複数の受信パワーを測定することと、対応する受信パワーおよび第1のループバック利得に少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の複数の出力送信パワーを計算して、パワー増幅器の出力送信パワーを較正することとをさらに備える。
いくつかの実施形態では、対応する受信パワーおよび第1のループバック利得に少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の複数の出力送信パワーを前記計算することは、通信ネットワークデバイスにおいて送信パワー制御を実施するためである。
いくつかの実施形態では、方法は、通信ネットワークデバイスにおいて、通信ネットワークの第2の通信ネットワークデバイスから第2のRF信号を受信すること、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、第2の通信ネットワークデバイスから受信した第2のRF信号の第2の受信パワーを測定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得および第2の受信パワーに少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の応答送信パワーを計算することと、第2の通信ネットワークデバイスから第2のRF信号を前記受信することに応答して、第2の通信ネットワークデバイスに応答送信パワーで第3のRF信号を送信することとをさらに備える。
いくつかの実施形態では、パワー増幅器の応答送信パワーを前記計算することは、通信ネットワークデバイスにおいて送信パワー制御を実施するためである。
いくつかの実施形態では、第1の動作パラメータおよび第2の動作パラメータはそれぞれ、動作周波数バンド、動作温度、および変調方式のうちの1つまたは複数を備える。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスのパワー増幅器に関連した飽和出力パワーを前記決定することは、パワー増幅器の特性に少なくとも一部基づいて、飽和出力パワーを決定することを備える。
いくつかの実施形態では、飽和出力パワーを前記決定することは、試験環境においてパワー増幅器を分析してパワー増幅器に関連した飽和出力パワーを決定すること、パワー試験デバイスを使用して、パワー増幅器に関連した飽和出力パワーを決定すること、または飽和出力パワーで試験信号を送信することに応答して測定されたパワーを受け取り、測定されたパワーに少なくとも一部基づいて、パワー増幅器に関連した飽和出力パワーを推定することのうちの1つまたは複数を備える。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータに従って動作するように構成されているときの第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得を前記決定することは、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータに従って動作するように構成されているときの通信ネットワークデバイスのパワー増幅器に関連した第2の飽和出力パワーを決定することと、通信ネットワークデバイスの送信器ユニットおよび受信器ユニットを結合するループバックパスを介して、第2の飽和出力パワーで第2のRF信号を供給することと、ループバックパスを介して受信した第2のRF信号の第2の受信パワーを測定することと、第2の飽和出力パワーおよびループバックパスを介して受信した第2のRF信号の第2の受信パワーに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスに関連した第2のループバック利得を決定すること、ここにおいて、第2のループバック利得は、第2の動作パラメータに関連しており、通信ネットワークデバイスは、第2の動作パラメータに従って動作するように構成されている、とを備える。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを前記較正することは、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを生成するように、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の較正された出力送信パワーと利得差とを掛け合わせることを備える。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスは、ネットワークインターフェースと、ネットワークインターフェースに結合された通信ユニットとを備え、通信ユニットは、通信ネットワークデバイスのパワー増幅器に関連した飽和出力パワーを決定すること、ここにおいて、飽和出力パワーは、パワー増幅器に関連した最大パワーレベルであり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、通信ネットワークデバイスの送信器ユニットおよび受信器ユニットを結合するループバックパスを介して、飽和出力パワーで無線周波数(RF)信号を供給することと、ループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーを測定することと、飽和出力パワーおよびループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得を決定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得に少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正することと、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータに従って動作するように構成されているときの第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得を決定することと、第1の動作パラメータに関連した第1のループバック利得と第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得との利得差を決定することと、利得差および通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の較正された出力送信パワーに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正することとを行うように構成されている。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得は、ループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーと飽和出力パワーとの比である。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正するように構成された通信ユニットは、ループバックパスを介して、パワー増幅器の第2の出力送信パワーで第2のRF信号を供給すること、ここにおいて、第2の出力送信パワーが、飽和出力パワー未満であり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、ループバックパスを介して受信した第2のRF信号の第2の受信パワーを測定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得および第2の受信パワーに少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の第2の出力送信パワーを計算することとを行うように構成された通信ユニットを備える。
いくつかの実施形態では、第2の出力送信パワーは、第2の受信パワーと第1のループバック利得との比である。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正するように構成された通信ユニットは、ループバックパスを介して、パワー増幅器の対応する複数の徐々に低下する出力送信パワーで複数のRF信号を連続的に供給すること、ここにおいて、出力送信パワーのそれぞれは、飽和出力パワー未満であり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、ループバックパスを介して受信した複数のRF信号のうちの対応するRF信号に関連した複数の受信パワーを測定することと、対応する受信パワーおよび第1のループバック利得に少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の複数の出力送信パワーを計算して、パワー増幅器の出力送信パワーを較正することとを行うように構成された通信ユニットをさらに備える。
いくつかの実施形態では、通信ユニットは、通信ネットワークの第2の通信ネットワークデバイスから第2のRF信号を受信すること、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、第2の通信ネットワークデバイスから受信した第2のRF信号の第2の受信パワーを測定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得および第2の受信パワーに少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の応答送信パワーを計算することと、通信ユニットが第2の通信ネットワークデバイスから第2のRF信号を受信することに応答して、第2の通信ネットワークデバイスに応答送信パワーで第3のRF信号を送信することとを行うようにさらに構成されている。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスのパワー増幅器に関連した飽和出力パワーを決定するように構成された通信ユニットは、パワー増幅器の特性に少なくとも一部基づいて、飽和出力パワーを決定するように構成された通信ユニットを備える。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正するように構成された通信ユニットは、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを生成するように、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の較正された出力送信パワーと利得差とを掛け合わせるように構成された通信ユニットを備える。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のマシン可読記憶媒体は命令を記憶し、この命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、通信ネットワークデバイスのパワー増幅器に関連した飽和出力パワーを決定すること、ここにおいて、飽和出力パワーは、パワー増幅器に関連した最大パワーレベルであり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、通信ネットワークデバイスの送信器ユニットおよび受信器ユニットを結合するループバックパスを介して飽和出力パワーで無線周波数(RF)信号を供給することと、ループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーを測定することと、飽和出力パワーおよびループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得を決定することと、通信ネットワークデバイスの関連した第1のループバック利得に少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正することと、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータに従って動作するように構成されているときの第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得を決定することと、第1の動作パラメータに関連した第1のループバック利得と第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得との利得差を決定することと、利得差および通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の較正した出力送信パワーに少なくとも一部基づいて、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正することとを備える動作を行わせる。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得は、ループバックパスを介して受信したRF信号の受信パワーと飽和出力パワーとの比である。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正する前記動作は、ループバックパスを介して、パワー増幅器の第2の出力送信パワーで第2のRF信号を供給すること、ここにおいて、第2の出力送信パワーは、飽和出力パワー未満であり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、ループバックパスを介して受信した第2のRF信号の第2の受信パワーを測定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得および第2の受信パワーに少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の第2の出力送信パワーを計算することとを備える。
いくつかの実施形態では、第2の出力送信パワーは、第2の受信パワーと第1のループバック利得との比である。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正する前記動作は、ループバックパスを介して、パワー増幅器の対応する複数の徐々に低下する出力送信パワーで複数のRF信号を連続的に供給すること、ここにおいて、出力送信パワーのそれぞれは、飽和出力パワー未満であり、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、ループバックパスを介して受信した複数のRF信号のうちの対応するRF信号に関連した複数の受信パワーを測定することと、対応する受信パワーおよび第1のループバック利得に少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の複数の出力送信パワーを計算してパワー増幅器の出力送信パワーを較正することとをさらに備える。
いくつかの実施形態では、動作は、通信ネットワークの第2の通信ネットワークデバイスから第2のRF信号を受信すること、ここにおいて、通信ネットワークデバイスは、第1の動作パラメータに従って動作するように構成されている、と、第2の通信ネットワークデバイスから受信した第2のRF信号の第2の受信パワーを測定することと、通信ネットワークデバイスに関連した第1のループバック利得および第2の受信パワーに少なくとも一部基づいて、パワー増幅器の応答送信パワーを計算することと、第2の通信ネットワークデバイスから第2のRF信号を前記受信することに応答して、第2の通信ネットワークデバイスに応答送信パワーで第3のRF信号を送信することとをさらに備える。
いくつかの実施形態では、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを較正する前記動作は、通信ネットワークデバイスが第2の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の出力送信パワーを生成するように、通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータに従って動作するように構成されているときのパワー増幅器の較正された出力送信パワーと利得差とを掛け合わせることを備える。
本実施形態は、添付の図面を参照することによってより良く理解され、多数の目的、特徴および利点が当業者に明らかにされ得る。
WLAN通信デバイスの出力送信パワーを較正するための例示的な機構を示すブロック図。
通信システムのパワー増幅器の送信パワーを較正するための例示的な動作を示す流れ図。
種々のセットの動作パラメータを使用してパワー増幅器に関連した出力パワーを較正するための例示的な動作を示す流れ図。
電子デバイスにおける出力送信パワーを較正するための機構を含む電子デバイスの一実施形態のブロック図。
次に続く説明は、本発明の主題の技法を具現化するシステム、例示的な方法、技法、命令シーケンス、およびコンピュータプログラム製品を含む。しかしながら、説明される実施形態は、これらの特定の詳細がなくても実践可能であることは理解される。たとえば、例は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)デバイス(たとえば、802.11対応のデバイス)についての送信パワー較正を示しているが、実施形態は、そのように限定されない。他の実施形態では、本明細書において説明される送信パワー較正技法は、他の適切な通信プロトコルおよび標準(たとえば、WiMAX)を実装するネットワークデバイスによって実行され得る。他の例では、よく知られている命令のインスタンス、プロトコル、構造、および技法については、説明を曖昧にしないようにするために、詳細に示していない。
現在、無線周波数(RF)信号が送信され得る送信パワー(「ターゲット送信パワー」は、パワーメータまたは他の適切な試験装置を使用して較正されている。たとえば、WLAN通信システムの出力送信パワーは、試験環境で(たとえば、試験装置を使用して)測定され得、測定された出力送信パワーは、ターゲット送信パワーに達するのにはどのくらいの追加のパワーが加えられる(または差し引かれる)べきであるかを決定するために、ターゲット送信パワー(または必須送信パワー)に対して比較され得る。WLAN通信システムの測定された出力送信パワーを分析することに基づいて、出力送信パワーを較正するための既存の技法は、通常、精緻な試験装置(たとえば、製造環境における試験装置)を必要とし、WLAN通信システムが配備されることになる環境と同じ動作条件を有する試験環境に依存している。さらには、既存の技法は、高価であり、労働集約的であり、時間がかかることがある。
後述するようないくつかの実施形態では、較正された出力送信パワーは、任意の試験装置を使用せずに確立され得る。代わりに、本明細書に説明される出力送信パワー較正技法は、WLAN通信システムのパワー増幅器(PA)の特性を利用し得る。たとえば、パワー増幅器の飽和出力パワー(最大出力パワーとも呼ばれる)は、通常、WLAN通信システムごとに異なりはしないので、出力送信パワーを較正するのに利用され得る。飽和出力パワー(PSAT)は、システムごとに比較的一定のままであり、なぜなら、それは、1)WLAN通信システムに供給される基準供給電圧(Vdd)および2)パワー増幅器に「見られる(seen)」ような等価負荷(Requivalent)の関数だからである。パワー増幅器の基準供給電圧および等価負荷は、よく制御された量とすることができ、製造上の公差を非常に低くすることができる。その結果、パワー増幅器の飽和出力パワーの標準偏差は、非常に小さくすること(たとえば、典型的には、1dB未満)ができる。飽和出力パワー(PSAT)についての情報は、受信チェーンを較正し、出力送信パワーを監視する基盤を発展させるために使用され得る。より具体的には、RF信号は、ループバックパスを介してWLAN通信システムの送信器ユニットから受信器ユニットに飽和出力パワー(すなわち、最大出力パワー)で送信され得る。受信したループバック信号の受信パワーが測定され得、WLAN通信システムのループバック利得は、飽和出力パワーおよび受信ループバック信号の測定されたパワーに基づいて決定され得る。出力送信パワーを較正するために、送信パワーは、最大出力パワーから適切な値だけ(正確に知られていることも、または知られていないこともある)低下させてもよく、それにより、パワー増幅器は、およそ所望の出力範囲で動作している。(低下させた送信パワーレベルでの)パワー増幅器からのRF信号は、受信器にループバックされ得、新規受信パワーが(受信器において)測定され得る。この送信パワーは、ループバック利得および新規受信パワーを使用して計算され得る。送信パワーは、徐々に引き下げてもよく、これらの動作を反復的に実行して、各反復において送信パワーを決定し較正することができる。パワー増幅器の特性を利用する較正技法は、試験装置の使用をなくすことができ、それによって、試験/較正の複雑さが抑えられる。
図1は、WLAN通信デバイス100の出力送信パワーを較正するための例示的な機構を示すブロック図である。WLAN通信デバイス100は、2.4GHzのWLANモジュール102および5GHzのWLANモジュール130を備える。2.4GHzのWLANモジュール102は、2.4GHzのTXミキサユニット112および2.4GHzのパワー増幅器(PA)110を含む送信器(TX)ユニットを備えることができる。2.4GHzのWLANモジュール102はまた、2.4GHzのRXミキサユニット116および2.4GHzの低ノイズ増幅器(LNA)120を含む受信器(RX)ユニットを備えることができる。いくつかの実装形態では、2.4GHzのPA110の出力は、2.4GHzの内部ループバックパスを介して2.4GHzのWLANモジュール102の受信器ユニットにループバックされ得る。より具体的には、2.4GHzのPA110の出力は、2.4GHzの減衰器108(たとえば、容量性減衰器)への入力とすることができ、2.4GHzの減衰器108の出力は、スイッチ118を介して2.4GHzのRXミキサユニット116に結合され得る。いくつかの実装形態では、2.4GHzのPA110の出力は、2.4GHzのWLANモジュール102の外部にループバックパスを介して2.4GHzのWLANモジュール102の受信器ユニットにループバックされ得る。図1に破線で示されているように、2.4GHzのPA110の出力および2.4GHzのLNA120の入力は、送信/受信(T/R)スイッチ106(やはり、破線で示されている)を介して結合される。T/Rスイッチ106は、2.4GHzのWLANモジュール102の送信器ユニットおよび受信器ユニットによって共有され得るアンテナ104と結合され得る。いくつかの実施形態では、外部ループバックパスは、2.4GHzのPA110の出力を(ONまたはOFF切替え可能な)2.4GHzのLNA120の入力に結合する回路基板(たとえば、この上にWLAN通信デバイス100が実装される)によって作製され得る。
同様に、5GHzのWLANモジュール130は、5GHzのTXミキサユニット138および5GHzのPA140を含む送信器ユニットを備えることができる。5GHzのWLANモジュール130はまた、5GHzのRXミキサユニット136および5GHzのLNA134を含む受信器ユニットを備えることができる。5GHzのLNA134は、内部または外部のループバックパスを介して送信器ユニット(たとえば、5GHzのPA140の出力)から受信したループバック信号(またはフィードバック信号)を受信することができる。2.4GHzのWLANモジュール102に関して上述したのと同様に、5GHzのWLANモジュール130もまた、5GHzのPA140の出力を5GHzのWLANモジュール130の受信器ユニットに供給するように、様々なタイプの機構を実装することができる。たとえば、図1に示すように、5GHzのPA140の出力は、5GHzの内部ループバックパスを介して5GHzのWLANモジュール130の受信器ユニットにループバックされ得る。より具体的には、5GHzのPA140の出力は、5GHzの減衰器132(たとえば、容量性減衰器)への入力とすることができ、5GHzの減衰器132の出力は、スイッチ144を介して5GHzのRXミキサユニット136に結合され得る。図1では、5GHzのWLANモジュール130はまた、5GHzのPA140の出力を5GHzのLNA134の入力に結合するT/Rスイッチ160(やはり、破線で示されている)を実装することができる。T/Rスイッチ160は、5GHzのWLANモジュール130の送信器ユニットおよび受信器ユニットによって共有され得るアンテナ162と結合され得る。いくつかの実施形態では、外部ループバックパスは、5GHzのPA140の出力を(ONまたはOFF切替え可能な)5GHzのLNA134の入力に結合する回路基板(たとえば、この上にWLAN通信デバイス100が実装される)によって作製され得る。
WLAN通信システム100はまた、ソースデバイス(たとえば、デジタルベースバンドブロック、デジタル試験ブロック、デジタル信号発生器など)からのデジタル入力信号をアナログ信号に変換して、たとえば、(フィルタリング後、増幅後などに)送信するためのデジタル/アナログ変換器(DAC)152を備えることができる。DAC152は、アナログTXベースバンドフィルタ150に結合され得る。アナログTXベースバンドフィルタ150は、2.4GHzのTXミキサユニット112および5GHzのTXミキサユニット138に結合され得る。いくつかの実装形態では、スイッチングデバイス(図示せず)は、2.4GHzのWLANモジュール102がイネーブルであるのか、または5GHzのWLANモジュール130がイネーブルであるのかに応じて、選択的に2.4GHzのTXミキサユニット112または5GHzのTXミキサユニット138をアナログTXベースバンドフィルタ150に結合することができる。2.4GHzのRXミキサユニット116および5GHzのRXミキサユニット136は、アナログRXベースバンドフィルタ154に結合され得る。いくつかの実装形態では、スイッチングデバイス(図示せず)が、2.4GHzのWLANモジュール102がイネーブルであるのか、または5GHzのWLANモジュール130がイネーブルであるのかに応じて、選択的に2.4GHzのRXミキサユニット116または5GHzのRXミキサユニット136をアナログRXベースバンドフィルタ154に結合することができる。アナログRXベースバンドフィルタ154は、アナログ/デジタル変換器(ADC)156に結合され得る。ADC156は、ひいては、較正ユニット158に結合され得る。いくつかの実施形態では、較正ユニット158は、デジタルベース受信器、または受信パワー(たとえば、受信信号強度)を測定することができるデジタル試験回路とすることができる。較正ユニット158は、図2〜図3において下記に説明される動作を実行して、ADC156の出力における受信パワーを測定し、パワー増幅器(たとえば、2.4GHzのPA110および/または5GHzのPA140)の出力送信パワーを較正することができる。較正動作は、2.4GHzのWLANモジュール102に関して下記に説明される。しかしながら、較正動作が、やはり5GHzのWLANモジュール130にまでも拡張され得ることが分かる。
パワー増幅器は、まず、飽和出力パワー(PSAT)を出すように構成されている。一例では、2.4GHzのPA110は、5MHzの正弦波トーン(sinusoid tone)を用いてPSATへ駆動される。所与の設計についてのPSATの絶対値は、特性により決定され得る。たとえば、パワー増幅器(たとえば、2.4GHzのPA110)は、パワー増幅器に関連した飽和出力パワー(たとえば、パワー増幅器によって出され得る最大出力パワー)を決定するために、試験環境において(スタンドアロンの構成要素としておよび/または試験回路において)分析および試験され得る。別の例として、PSATは、試験装置(たとえば、パワーメータ、スペクトル分析器、パワー測定装置など)、試験回路、または他の適切な技法を使用して決定され得る。試験回路は、2.4GHzのPA110が飽和出力パワーPSATで試験信号を送信するのに応答して受信パワーを測定することができる別のデバイスであってもよい。次いで、飽和出力パワーPSATは、測定された受信パワーに少なくとも一部基づいて推定され得る。試験装置および試験回路は、ケーブルまたはオーバーザエアーによりパワーを測定することができることが分かる。
次に、送信パワーは、受信器ユニットに結合される。言い換えれば、無線周波数(RF)信号は、飽和出力パワー(PSAT)で送信され、このRF信号は、WLAN通信デバイス100の受信器ユニットにループバック(またはフィードバック)される。(ループバック後に)受信器ユニットにおいて受信したときの送信信号は、本明細書では、「ループバック信号(loopback signal)」と呼ばれる。様々な技法が、送信されたRF信号を受信器ユニットに結合するために採用され得る。一例では、2.4GHzのWLANモジュール102は、送信器ユニットの2.4GHzのPA110と受信器ユニットの2.4GHzのLNA120の間の内部の専用ループバックパス(減衰を伴う)を備えることができる。この例では、RF信号は、2.4GHzのPA110から2.4GHzの減衰器108に供給され得、2.4GHzの減衰器108は、ループバック信号をスイッチ118を介して2.4GHzのRXミキサユニット116に供給することができる。別の例では、送信パワーは、T/Rスイッチ106セットを通じて送信器ユニットまたは受信器ユニットに対する漏れパワーを感知するように受信器ユニットを構成することによって、受信器ユニットと結合され得る。この例では、図1に破線で示されるように、RF信号は、2.4GHzのPA110を介して送信され得、T/Rスイッチ106は、減衰をもたらし、信号を受信器ユニットにループバックすることができる。いくつかの実施形態では、T/Rスイッチ106は、外部のスイッチングデバイスとすることができる。より具体的には、2.4GHzのWLANモジュール102に示されるように、送信器ユニット(2.4GHzのPA110および2.4GHzのTXミキサユニット112を備える)と、受信器ユニット(2.4GHzのLNA120および2.4GHzのRXミキサユニット116を備える)は、共通のアンテナ104を共有する。T/Rスイッチ106は、共有アンテナ104へのアクセス、および送信器ユニットまたは受信器ユニットがアンテナ104を利用して、信号を送信するのかまたは受信するのかをそれぞれ制御することができる。T/Rスイッチ106を使用して、送信信号を受信器ユニットに結合するために、T/Rスイッチ106は、送信モードで構成され得る。2.4GHzのPA110が、PSATに駆動され(たとえば、飽和出力パワーでRF信号を送信し)、かつT/Rスイッチ106が送信モードで構成されているとき、(2.4GHzのPA110によって送信される)出力パワーの一部は、2.4GHzのLNA120の入力へと漏出する場合がある。下記に説明するように、この漏れパワーは、測定され得、ループバック利得を較正するために使用され得る。いくつかの実装形態では、受信器ユニット(たとえば、2.4GHzのLNA120、2.4GHzのRXミキサユニット116、およびアナログRXベースバンドフィルタ154)に関連した利得は、ループバック信号を適正に受信することを確実にするために、およびADC156の出力において直線性を維持するために調整(最低利得設定に設定)され得る。さらに、T/Rスイッチ106はまた、受信器ユニットの受信ポートに減衰(たとえば、20dB〜30dBの減衰)をもたらして、ループバック信号が受信器ユニットを飽和状態にしないこと、および損傷を与えないことを確実にすることができる。様々な実装形態では、T/Rスイッチ106は外部のスイッチングデバイスであってもよいが、いくつかの実装形態では、T/Rスイッチ106は、内部のスイッチングデバイスとして実装されてもよい。
いくつかの実施形態では、2.4GHzのWLANモジュール102の送信器ユニットおよび受信器ユニットは、送信アンテナおよび受信アンテナにそれぞれ関連付け可能である。この実施形態では、送信パワーは、送信アンテナから送信される出力パワーを(受信アンテナにおいて)感知することによって、受信器ユニットに結合され得る。RF信号は、送信アンテナを介して(飽和出力パワーで)送信され得、通信媒体(たとえば、エアー)により移動することができ、受信アンテナによって受信され得る。この例では、通信媒体(たとえば、エアー)を介して信号を送信することで、送信信号を減衰してから、この信号が受信アンテナおよび受信器ユニットにおいて受信することができるようになる。
受信器ユニットに関連した利得は、受信器ユニットの処理構成要素(たとえば、2.4GHzのLNA120、2.4GHzのRXミキサユニット116、アナログRXベースバンドフィルタ154、ADC156など)が線形領域で動作するように(たとえば、受信器ユニットの処理構成要素がループバック信号を適正に受信し処理することができるように)調整され得る。受信器ユニットに関連した利得を調整することは、2.4GHzの減衰器108(たとえば、容量性減衰器)、2.4GHzのRXミキサユニット116および/またはアナログRXベースバンドフィルタ154の利得を変更することを含むことができる。いくつかの実装形態では、飽和出力パワー(PSAT)は、非常に高いので、2.4GHzのPA110を介して受信したループバック信号は、受信器ユニットの処理構成要素が動作するように構成されているパワーレベルに比較してはるかに高いことがあり得る。言い換えれば、受信器ユニットの処理構成要素は、高いPSATパワーレベルを扱うように設計されていなくてもよい。いくつかの実装形態では、受信器ユニットが線形領域で動作していることを確実にするために、アイソレーション技法(isolation technique)が採用され得る。受信器ユニットの処理構成要素の飽和状態を回避するために、ループバック信号は、減衰されてから2.4GHzのLNA120に供給され得る。図1に示されているようにいくつかの実装形態では、2.4GHzの減衰器108(たとえば、可変容量性減衰器)は、2.4GHzのPA110出力を減衰することができる。2.4GHzの減衰器108の出力は、2.4GHzのRXミキサユニット116に供給され得る。したがって、3つの入力が、2.4GHzのRXミキサユニット116に供給され得、すなわち、2.4GHzの減衰器108の出力におけるループバック信号、(ループバックパスおよびT/Rスイッチ106を介して受信した)2.4GHzのLNA120の出力におけるループバック信号、およびローカル発振器(LO)信号114である。2.4GHzのRXミキサユニット116の出力は、アナログRXベースバンドフィルタ154に、次いで、ADC156に供給される。ADC156は、典型的には、非常に高い分解能を有することができ、ループバック信号の正確なサンプルを生成することができる。ループバック信号の初期処理(たとえば、増幅、下方変換、フィルタリングなど)の後、ADC156は、ループバック信号をアナログ領域からデジタル領域に変換することができる。較正ユニット158は、ADC156の出力におけるループバック信号の信号パワー(受信パワー)(PRX)を測定することができ、測定された受信パワーを使用して、受信器ユニット利得(本明細書においては「ループバック利得」とも呼ばれる)を決定することができる。ループバック利得(LoopbackGain)は、式1に示されるように、受信パワー(PRX)と飽和出力パワー(PSAT)との比として計算され得る。ループバック利得は、オンチップメモリ(または他の適切な不揮発性メモリ)上の所定のメモリ位置に記憶され得る。
上記説明したいくつかの実装形態では、第1の受信パワー測定値(PRX)は、RF信号が飽和出力パワー(PSAT)で送信されるとき決定され得る。WLAN通信デバイス100に関連したループバック利得(LoopbackGain)は、式1に従って決定され得る。次に、2.4GHzのPA110の出力送信パワーは、引き下げられて、引き下げられた出力送信パワー(POUT)で送信される第2のRF信号を生成することができる。それに応じて、第2のループバック信号が、上記説明したように受信および処理され得る。較正ユニット158は、第2のループバック信号に基づいて第2の受信パワー測定値(PRX2)を決定することができる。引き下げられた出力送信パワー(POUT)は、知られていなくてもよく、したがって、較正される必要がある場合があることが分かる。出力送信パワー(POUT)は、式2に示されるように、第2の受信パワー測定値(PRX2)および飽和出力パワーに基づくループバック利得(LoopbackGain)に基づいて計算され得る。
したがって、飽和出力パワーPSATおよびループバック利得が、2.4GHzのWLANモジュール102において一定であると仮定することによって、出力送信パワーレベルは、出力送信パワーを徐々にかつ反復的に調整すること、ADC156の出力において対応する受信パワーを測定すること、および式2に従って対応する出力送信パワーレベルを計算することによって較正され得る。
いくつかの実装形態では、さらに下記に説明するように、本明細書において説明されるループバック較正機構は、受信器ユニットおよび/または送信器ユニットにおいて利得ステップを決定するために採用され得る。図1に示すように、WLAN通信デバイス100は、2.4GHzのWLANモジュール102および5GHzのWLANモジュール130を備えるデュアルバンドシステムである。図1は、2.4GHzの処理構成要素のすべてが、5GHzの処理構成要素から分離していることを示しているが、実施形態はそのように限定されない。いくつかの実装形態では、2.4GHzのWLANモジュール102および5GHzのWLANモジュール130は、TXミキサユニット、RXミキサユニット、および減衰器を除く処理構成要素の一部/すべてを共有することができる。言い換えれば、2.4GHzのWLANモジュール102および5GHzのWLANモジュール130は、共通のベースバンドフィルタ、ADC、DAC、および/または他のベースバンド処理構成要素を共有することができる。2.4GHzのWLANモジュール102と5GHzのWLANモジュール130の間で切り替えるために、適切なTXミキサユニット、RXミキサユニット、および容量性減衰器は、回路機構に切替え可能である。概して、容量性減衰器は、厳しく制御され、かつ非常に精密であり得、(たとえば、シリコンに対するコンデンサの比率が非常に厳しく制御され得るので)設定減衰値からのずれがほとんどまたはまったくない減衰を生み出すことができる。言い換えれば、容量性減衰器が、10dB減衰をもたらすように構成されている場合、容量性減衰器によってもたらされる減衰レベルは、典型的には、設定された10dB減衰レベルからずれないことになる(または非常に無視できるほどの値だけずれることもある)。同様に、ベースバンド処理構成要素(たとえば、ベースバンドフィルタ、ADC、DACなど)に関連した利得は、よく制御され得、変動を受けることはほとんどまたはまったくにない。対照的に、RFミキサユニットの利得(「ミキサ利得」)は、それほど精密でないこともある。したがって、2.4GHzのWLANモジュール102に関連したループバック利得と5GHzのWLANモジュール130に関連したループバック利得との何らかの差は、2.4GHzのミキサ利得と5GHzのミキサ利得の差に起因し得る。2.4GHzのミキサユニット112および116と5GHzのミキサユニット136および138との利得差は、2.4GHzのTXミキサユニット112を5GHzのTXミキサユニット138と交換すること、2.4GHzのRXミキサユニット116を5GHzのRXミキサユニット136と交換すること、およびループバック利得を測定することによって較正され得る。一例では、2.4GHzのWLANモジュール102はイネーブルされ得(かつ5GHzのWLANモジュール130はディスエーブルされ得)、2.4GHzのWLANモジュール102に関連したループバック利得が、式1を使用して上記説明したように決定され得る。次に、2.4GHzのWLANモジュール102はディスエーブルされ得、5GHzのWLANモジュール130はイネーブルされ得、5GHzのWLANモジュール130に関連したループバック利得が決定され得る。上述したように、5GHzのWLANモジュール130に関連したループバック利得は、5GHzのPA140に関連した飽和出力パワーに少なくとも一部基づいて決定され得る。2.4GHzのWLANモジュール102と5GHzのWLANモジュール130との利得差の指示は、所定のメモリ場所に記憶され得る。2.4GHzのWLANモジュール102のループバック利得と5GHzのWLANモジュール130のループバック利得との利得差は、2.4GHzのRXミキサ利得と5GHzのRXミキサ利得との利得差および/または2.4GHzのTXミキサ利得と5GHzのTXミキサ利得との利得差に起因し得る。その場合、2.4GHzのWLANモジュール102の出力送信パワーは、上記説明した動作に従って較正され得る。5GHzのWLANモジュール130の出力送信パワーは、利得差および2.4GHzのWLANモジュール102の較正された出力送信パワーに基づいて較正され得る。さらには、いくつかの実装形態では、処理ユニットのうちの1つまたは複数の利得は、必要に応じて、ループバック利得を変えるように変更され得る。
図2は、通信システムのパワー増幅器の送信パワーを較正するための例示的な動作を示す流れ図(「フロー」)200である。フロー200は、ブロック202において開始する。
ブロック202で、通信システムのパワー増幅器に関連した飽和出力パワーが決定される。たとえば、パワー増幅器(たとえば、2.4GHzのPA110)は、まず、飽和出力パワー(PSAT)を出すように構成されている。言い換えれば、パワー増幅器は、その最大設定において動作するように、かつ最大可能パワーを出すように構成され得る。フローは、ブロック204に続く。
ブロック204で、無線周波数(RF)信号が、通信システムの送信器ユニットと受信器ユニットの間のループバックパスを介してパワー増幅器の飽和出力パワーで送信される。図1の例に関して、2.4GHzのPA110は、飽和出力パワーでRF信号を送信することができ、このRF信号(すなわち、送信パワー)をWLAN通信デバイス100の受信器ユニットにループバック(またはフィードバック)して、送信パワーを受信器ユニットに結合する。受信器ユニットにおいて(ループバック後に)受信したときの送信RF信号は、「ループバック信号」と呼ばれる。上記説明したように、様々な技法がループバックパスを確立するために、およびWLAN通信システムの受信器ユニットを送信器ユニット(たとえば、2.4GHzのWLANモジュール102)と結合するために採用され得る。一実施形態では、2.4GHzのWLANモジュール102は、送信器ユニットを受信器ユニットと結合する専用のループバックパス(減衰を伴う)を備えることができる。たとえば、物理配線(または集積回路上の金属相互接続)を使用して、送信器ユニットを受信器ユニットと接続することができる。図1の例では、RF信号は、2.4GHzの減衰器108およびスイッチ118を介して、2.4GHzのWLANモジュール102の送信器ユニットから受信器ユニットに供給される。別の実施形態では、RF信号は、2.4GHzのPA110から送信され得、漏れパワーは、T/Rスイッチ106を介して受信器ユニットにおいて検出/受信可能である。T/Rスイッチ106は、内部のスイッチであっても、または外部のスイッチであってもよい。別の実施形態では、RF信号は、送信アンテナから送信器ユニットによって送信可能であり、受信器ユニットの受信アンテナによって(ループバック信号として)受信可能である。(RF信号を受信器ユニットに直接結合する代わりに)RF信号を送信することにより、追加の減衰ユニットの必要性をなくすことができる。フローは、ブロック206に続く。
ブロック206で、ループバック信号に関連した受信パワーが測定される。いくつかの実施形態では、受信器ユニットに関連した利得は、受信器ユニットの処理構成要素(たとえば、2.4GHzのLNA120、2.4GHzのRXミキサユニット116、アナログRXベースバンドフィルタ154、ADC156など)が、線形領域で動作するように(たとえば、受信器ユニットの処理構成要素が、ループバック信号を適正に受信および処理することができるように)調整され得る。線形領域は、受信器ユニットがループバック信号を適正に受信および処理することができ、かつループバック信号が、圧縮/変形されないパワー値の範囲を示すことができる。ループバック信号の初期処理(たとえば、増幅、下方変換、フィルタリングなど)の後、ADC156は、ループバック信号をデジタル領域に変換することができる。較正ユニット158は、ADC156の出力において、ループバック信号の受信パワー(PRX)を測定することができる。フローは、ブロック208に続く。
ブロック208で、通信システムに関連したループバック利得は、飽和出力パワーおよび測定された受信パワーに少なくとも一部基づいて計算される。たとえば、較正ユニット158は、式1に示すように、(ブロック206で決定された)受信パワーと(ブロック202で決定された)飽和出力パワーとの比としてループバック利得(または損失)を計算することができる。言い換えれば、LoopbackGain(またはLoopbackLoss)=PRX/PSATである。通信システム(たとえば、2.4GHzのWLANモジュール102)に関連したループバック利得は、ソフトウェア、オンチップメモリ、外部の記憶デバイスなどに記憶され得る。フローは、ブロック210に続く。
ブロック210で、パワー増幅器の出力送信パワーを低下させ、別のRF信号がループバックパスを介して低下させた出力送信パワーで送信される。2.4GHzのPA110の出力送信パワーPOUTは、(知られていない、較正されていない値に)引き下げられてもよい。別のRF信号は、ブロック204に関して上記説明したように、送信器ユニットから受信器ユニットに、引き下げられた出力送信パワーPOUTで送信され得る。ブロック210〜ブロック214に関して下記に説明する動作が、2.4GHzのPA110(および2.4GHzのWLANモジュール102)の出力送信パワーを較正するように反復的に実行され得ることが分かる。フローは、ブロック212に続く。
ブロック212で、低下させた出力送信パワーで先に送信されたこの別のRF信号に対応するループバック信号に関連した新規受信パワーが測定される。ブロック206に関して上述したように、受信器ユニットは、引き下げられた出力送信パワーPOUTで送信されるRF信号に応答して別のループバック信号を受信することができる。較正ユニット158は、受信したループバック信号に基づいて、新規受信パワー測定値(PRX2)を決定することができる。フローは、ブロック214に続く。
ブロック214で、パワー増幅器の出力送信パワーが、測定された新規受信パワーおよびループバック利得に基づいて計算される。引き下げられた出力送信パワーPOUTは、ブロック212で決定された新規受信パワー測定値(PRX2)に基づいて、かつブロック208で決定されたループバック利得に基づいて計算され得る。具体的には、式2に関して上述したように、引き下げられた出力送信パワーPOUTは、POUT=PRX2/LoopbackGainと計算され得る。フローは、ブロック216に続く。
ブロック216で、出力送信パワーを較正するための追加の較正を行うかどうかが決定される。出力送信パワーを較正するための追加の較正を行うと決定された場合、フロー200は、ブロック210にループバックし、ここで、パワー増幅器の出力送信パワーをさらに低下させ、RF信号は、低下させた出力送信パワーでループバックパスを介して送信され、出力送信パワーは、測定された受信パワーおよびループバック利得に基づいて(式2に従って)計算される。出力送信パワー較正処理が完了したと決定された後、フローは終了する。
図3は、種々の動作パラメータを使用してパワー増幅器に関連した出力パワーを較正するための例示的な動作を示す流れ図300である。フローは、ブロック302から開始する。
ブロック302で、通信システムは、第1の動作パラメータを使用して構成される。第1の動作パラメータは、動作周波数バンド、動作温度、変調方式、および/または他の適切な動作パラメータを含むことができる。図1の例示的なWLAN通信デバイス100に関して、2.4GHzのWLANモジュール102はイネーブルされ得、5GHzのWLANモジュール130はディスエーブルされ得る。フローは、ブロック304に続く。
ブロック304で、第1の動作パラメータを使用して構成された通信システムに関連したループバック利得(「第1のループバック利得」)が計算される。図2のブロック202〜ブロック208に関して上述したように、第1のループバック利得は、通信システムが第1の動作パラメータを使用して構成されるとき、決定され得る。たとえば、2.4GHzのWLANモジュールがイネーブルであるとき、パワー増幅器(たとえば、2.4GHzのPA110)に関連した飽和出力パワーが決定され得る。RF信号は、ループバックパスを介して送信器ユニットから受信器ユニットに(第1の動作パラメータにおける)飽和出力パワーで送信され得る。(第1の動作パラメータにおける)飽和出力パワーで送信されるRF信号に関連した受信パワーが測定され得る。第1のループバック利得は、測定された受信パワーの、第1の動作パラメータにおける飽和出力パワーに対する比として計算され得る。フローは、ブロック306に続く。
ブロック306で、パワー増幅器に関連した出力送信パワーが、通信システムが第1の動作パラメータを使用して構成されるとき、較正される。図2のブロック210〜ブロック216に関して上述したように、較正ユニット158は、WLAN通信デバイス100が第1の動作パラメータを使用して構成されるとき(たとえば、2.4GHzのWLANモジュール102がイネーブルされ、5GHzのWLANモジュール130がディスエーブルされているとき)、2.4GHzのPA110に関連した出力送信パワーを較正することができる。フローは、ブロック308に続く。
ブロック308で、通信システムが第2の動作パラメータを使用して構成される。上述したように、第2の動作パラメータは、動作周波数バンド、動作温度、変調方式、および/または他の適切な動作パラメータを含むことができる。いくつかの実施形態では、通信システムの動作パラメータのうちの1つのみ変更可能である。たとえば、動作周波数の変更に照らして送信パワーを較正するように決定され得る。他の実施形態では、通信システムの動作パラメータのうちの2つ以上が変更可能である。たとえば、動作周波数および動作温度の変更に照らして、送信パワーを較正するように決定され得る。図1に関して、通信システムの動作周波数は、2.4GHz(すなわち、第1の動作パラメータ)から5GHz(すなわち、第2の動作パラメータ)に変更可能である。この例では、2.4GHzのWLANモジュール102は、ディスエーブルされ得、5GHzのWLANモジュール130はイネーブルされ得る。フローは、ブロック310に続く。
ブロック310で、第2の動作パラメータを使用して構成された通信システムに関連したループバック利得(「第2のループバック利得」)が計算される。図2のブロック202〜ブロック208に関して上述したように、第2のループバック利得は、通信システムが第2の動作パラメータを使用して構成されるとき、決定され得る。たとえば、動作周波数が2.4GHzから5GHzに変更された後、パワー増幅器(たとえば、5GHzのPA140)に関連した飽和出力パワーは決定され得る。RF信号は、ループバックパスを介して送信器ユニットから受信器ユニットに(第2の動作パラメータにおける)飽和出力パワーで送信され得る。(第2の動作パラメータにおける)飽和出力パワーで送信されるRF信号に関連した受信パワーが測定され得る。第2のループバック利得は、測定された受信パワーの、第2の動作パラメータにおける飽和出力パワーに対する比として計算され得る。フローは、ブロック312に続く。
ブロック312で、第1のループバック利得と第2のループバック利得との利得差が決定される。たとえば、較正ユニット158は、第1の動作パラメータに関連した第1のループバック利得と第2の動作パラメータに関連した第2のループバック利得との利得差を決定することができる。図1の例に関して、較正ユニット158は、2.4GHzのWLANモジュール102に関連した第1のループバック利得と5GHzのWLANモジュール130に関連した第2のループバック利得との利得差を決定することができる。フローは、ブロック314に続く。
ブロック314で、パワー増幅器の出力送信パワーが、通信システムが第2の動作パラメータを使用して構成されているとき、利得差および通信ネットワークデバイスが第1の動作パラメータにおいて動作するように構成されているときのパワー増幅器の較正された出力送信パワーに基づいて較正される。言い換えれば、第2の動作パラメータについての送信パワー(たとえば、5GHzのWLANモジュール130についての送信パワー)は、第1の動作パラメータについての先に較正された送信パワー(たとえば、2.4GHzのWLANモジュール102についての送信パワー)に利得訂正を施すことによって較正され得る。たとえば、2.4GHzのWLANモジュール102について較正済みである各出力送信パワーレベルに対して、5GHzのWLANモジュール130の対応する出力送信パワーレベルは、2.4GHzのWLANモジュール102についての出力送信パワーレベルに利得差を掛け合わせることによって決定され得る。ブロック314からのフローは終了する。
図1〜図3、および本明細書において説明した動作は、実施形態を理解する助けになるための例示的な手段であり、実施形態を限定するためにも、または特許請求の範囲の範囲を限定するためにも使用すべきでないことを理解されたい。実施形態は、追加の動作、より少ない動作、異なる順序での動作、並行した動作、およびいくつかの動作を異なって行うことができる。図3は、第1の動作パラメータについて較正される送信パワーを使用して、第2の動作パラメータについての送信パワーを較正するための動作について説明しているが、実施形態はそのように限定されないことが分かる。他の実施形態では、送信パワーは、第1のセットの動作パラメータについて較正され得、較正された送信パワーを使用して、第2のセットの動作パラメータについての送信パワーを較正することができる。第1および第2のセットの動作パラメータはそれぞれ、動作周波数バンド、動作温度、変調方式、および/または他の適切な動作パラメータを備えることができる。さらには、第1のセットの動作パラメータから第2のセットの動作パラメータに切り替える際、第1のセットの動作パラメータにおける動作パラメータのサブセットのみが修正されてもよい。たとえば、第1のセットの動作パラメータは、第1の動作周波数バンドおよび動作温度を備えることができる。第2のセットの動作パラメータは、第2の動作周波数バンドおよび動作温度(変更されないまま)を備えることができる。
図は、送信パワーを徐々に引き下げて、反復するたびに送信パワーを較正するための動作について説明しているが、実施形態はそのように限定されないことが分かる。他の実施形態では、送信パワーは、ランダムにまたは所定のパターンで変更可能である。たとえば、送信パワーは、送信パワーが飽和出力パワーを超えない限り、増加させてもよい。送信パワー(すなわち、増加させた送信パワー)は、上記説明したように、対応する受信パワー値およびループバック利得を使用して較正され得る。
例は、WLAN通信デバイスの出力送信パワーを較正するための較正処理を示しているが、実施形態はそのように限定されない。他の実施形態では、上記説明した動作はまた、別の通信デバイスとの通信時に、送信パワーを決定するために採用され得る。たとえば、WLAN通信デバイス100は、通信ネットワークにおける第2のWLAN通信デバイスと通信していることができる。2.4GHzのLNAは、第2のWLAN通信デバイスからRF信号を受信することができる。初期処理およびデジタル領域への変換後、較正ユニット158は、第2のWLAN通信デバイスから受信したRF信号に関連した受信パワーを決定することができる。次いで、較正ユニット158は、式2を使用して、第2のWLAN通信デバイスへの応答の送信時に、対応する出力送信パワーを決定することができる。
また、(図2で述べた)徐々に低下する出力送信パワーで複数のRF信号を(ループバックパスを介して)連続的に供給することによって、または別の通信デバイスからの測定されたパワーの受信に基づいて、送信パワーを較正するための動作について説明しているが、実施形態はそのように限定されないことも分かる。他の実施形態では、上記説明した送信パワー較正動作はまた、(たとえば、WLAN通信デバイス100が、最適な送信パワーで信号を送信することを確実にするように)送信パワーを制御するために採用され得る。
本明細書において説明される出力送信パワー較正動作は、温度の変動、周波数、経年劣化、および/または較正出力送信パワーに影響をもたらし得る他の要因を示すために実際の動作中(たとえば、非試験動作環境で)、周期的に(またはオンデマンドで)実行され得ることが分かる。いくつかの実施形態では、2.4GHzのPA110に関連した飽和出力パワーは、5GHzのPA140に関連した飽和出力パワーと同じであっても、またはほぼ等しくてもよい(たとえば、0.01%公差以内)。しかしながら、他の実施形態では、2.4GHzのPA110に関連した飽和出力パワーは、5GHzのPA140に関連した飽和出力パワーとは有意に異なっていてもよい。また、例は、2.4GHzの処理構成要素および5GHzの処理構成要素をそれぞれ備える2.4GHzのWLANモジュール102および5GHzのWLANモジュール130を示しているが、実施形態はそのように限定されないことも分かる。他の実施形態では、WLAN通信デバイス100は、他の適切な動作周波数バンド内で、かつ他の適切な動作周波数で動作するように構成されているWLANモジュールおよび処理構成要素を備えることができる。
典型的には、パワー増幅器の飽和出力パワー(すなわち、PSATの値)は、温度の変化につれて有意に変化しない。いくつかの実装形態では、WLAN通信デバイス100は、動作温度を監視し、動作温度の変動(いくらかでもある場合)を検出するオンチップ温度センサを備えることができる。動作温度の変動が検出された場合、適切な技法を採用して、温度変動を補償することができる。したがって、ループバック利得および出力送信パワーが、ある動作温度(T1)で較正され、かつ実際の動作温度(T2)がT1とは異なると決定される場合、WLAN通信デバイス100の温度補償ユニットが、温度による利得およびパワーの変化を特徴付けることによってエラーを訂正することができる。
いくつかの実装形態では、採用される変調方式の差により、WLAN通信デバイス100の送信器ユニットの動作において不正確さが生じ、ターゲット送信パワーを達成することを困難にする恐れがある。たとえば、WLAN通信デバイス100は、10dBmのターゲット送信パワーを達成するように期待される場合がある。しかしながら、異なる送信パワー設定が、種々の変調方式(たとえば、直交周波数分割多重(OFDM)パケットおよび相補的コードキーイング(CCK)パケットなど)を用いてパケットを送信するために採用されなくてはならない場合がある。本明細書において説明されるループバック機構は、異なるタイプの変調方式を試験し、異なる変調方式についてループバック利得値を決定し、その結果として、異なる変調方式について異なる出力送信パワーレベルを決定するために採用され得る。たとえば、OFDMパケットは、ターゲット送信パワーで送信され得、OFDMパケットに関連した第1の受信パワー測定値(PRX1)は、ADCの出力において測定され得る。次に、CCKパケットは、ターゲット送信パワーで送信され得、CCKパケットに関連した第2の受信パワー測定値(PRX2)が決定され得る。第1の受信パワー測定値(PRX1)と第2の受信パワー測定値(PRX2)とが異なる場合、これは、パワー増幅器の出力送信パワーが、OFDMパケットが送信中であるのか、またはCCKパケットが送信中であるのかに応じて変更すべきであることを示すことができる。第1の受信パワー測定値(PRX1)および第2の受信パワー測定値(PRX2)に基づいて、OFDM信号に関連した対応する第1のループバック利得およびCCKパケットに関連した第2のループバック利得が決定され得る。ループバック利得の差は、記憶され得、その後、送信中のパケットに関連した変調方式に応じて、出力送信パワーを訂正するために使用され得る。
当業者には認識されるであろうように、本発明の主題の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化可能である。それに応じて、本発明の主題の態様は、完全にハードウェアの実施形態、ソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または本明細書では、「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」とすべて概括的に称することもあるソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形を取ってもよい。さらには、本発明の主題の態様は、コンピュータ可読プログラムコードを具現化した1つまたは複数のコンピュータ可読媒体において具現化されるコンピュータプログラム製品の形態を取ってもよい。
1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の何らかの組合せが利用可能である。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体であっても、またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、または前述の何らかの適切な組合せであってもよいが、それらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(包括的でないリスト)は、次を含む:1つまたは複数のワイヤを有する電気接続部、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMもしくはFlashメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または前述の何らかの適切な組合せ。本願の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって使用、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスと接続して使用するためのプログラムを含む、あるいは記憶することができる何らかの有形媒体であってもよい。
コンピュータ可読信号媒体は、たとえば、ベースバンド内で、または搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードを具現化した伝搬データ信号を含むことができる。そのような伝搬信号は、電磁、光学、またはそれらの任意の適切な組合せを含む様々な形態のいずれかを取ってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではない、かつ命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスと接続して使用するためのプログラムを通信する、伝搬する、あるいは輸送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
コンピュータ可読媒体において具現化されるプログラムコードは、ワイヤレス、有線、光ファイバケーブル、RFなど、または前述の任意の適切な組合せを含む任意の適切な媒体を使用して送信可能であるが、これらに限定されない。
本発明の主題の態様に関して動作を遂行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、またはC++などのオブジェクト指向のプログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せにおいて記述可能である。プログラムコードは、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータに全体的に、ユーザのコンピュータに部分的に、ユーザのコンピュータに部分的にかつリモートコンピュータに部分的に、またはリモートコンピュータもしくはサーバに全体的に、実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じて、ユーザのコンピュータに接続されても、またはこの接続が外部のコンピュータに対して(たとえば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)なされてもよい。
本発明の主題の態様は、本発明の主題の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/またはブロック図に関して説明されている。流れ図および/またはブロック図の各ブロック、ならびに流れ図および/またはブロック図のブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実施可能であることは理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはマシンを作製するための他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供可能であり、それにより、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令は、流れ図および/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/行為を実施するための手段が創出される。
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイスを特定の様態で機能するように指図可能なコンピュータ可読媒体に記憶されてもよく、それにより、コンピュータ可読媒体に記憶された命令は、流れ図および/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/行為を実施する命令を含む製造品が創出される。
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイス上にロードされて、一連の動作ステップをこのコンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行させて、コンピュータ実施方法を創出することができ、それにより、コンピュータまたは他のプログラマブル装置において実行する命令は、流れ図および/またはブロックの1つまたは複数のブロックにおいて指定される機能/行為を実施するためのプロセスを提供する。
図4は、電子デバイス400において出力送信パワーを較正するための機構を含む電子デバイス400の一実施形態のブロック図である。いくつかの実施形態では、電子デバイス400は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ネットブック、モバイルフォン、スマート家電、ゲーム機、デスクトップコンピュータ、またはワイヤレス通信性能を備えた他の適切な電子デバイスとすることができる。電子デバイス400は、(場合により、マルチプルプロセッサ、マルチプルコア、マルチプルノードを含む、かつ/またはマルチスレッディングを実装するなど)プロセッサユニット402を含む。電子デバイス400は、メモリユニット406を含む。メモリユニット406は、システムメモリ(たとえば、キャッシュ、SRAM、DRAM、ゼロコンデンサRAM、Twin TransistorのRAM、eDRAM、EDO RAM、DDR RAM、EEPROM(登録商標)、NRAM、RRAM(登録商標)、SONOS、PRAMなどのうちの1つまたは複数)、あるいはコンピュータ可読記憶媒体のすでに上記説明した可能な実現形態のうちの任意の1つまたは複数であってもよい。電子デバイス400はまた、バス410(たとえば、PCI、ISA、PCI−Express、HyperTransport(登録商標)、InfiniBand(登録商標)、NuBus、AHB、AXIなど)、およびワイヤレスネットワークインターフェース(たとえば、WLANインターフェース、Bluetooth(登録商標)インターフェース、WiMAX(登録商標)インターフェース、ZigBee(登録商標)インターフェース、Wireless USBインターフェースなど)およびワイヤードのネットワークインターフェース(たとえば、パワーライン通信インターフェース、Ethernet(登録商標)インターフェースなど)のうちの少なくとも1つを含むネットワークインターフェース404を含む。
電子デバイス400はまた、通信ユニット408を含む。通信ユニット408は、較正ユニット412を備える。較正ユニット412を含む通信ユニット408は、図1〜図3に関して上記説明したように、電子デバイス400の出力送信パワーを較正するための機能を実行することができる。これらの機能のいずれかの機能は、ハードウェアにおいて、および/またはプロセッサユニット402上で部分的に(または全体的に)実施され得る。たとえば、機能は、プロセッサユニット402において、周辺デバイスまたはカード上のコプロセッサなどにおいて実装される論理において、特定用途向け集積回路とともに実装され得る。さらに、実現形態は、図4に示されていない、より少ない構成要素を含んでも、または追加の構成要素(たとえば、ビデオカード、音声カード、追加のネットワークインターフェース、周辺デバイスなど)を含んでもよい。たとえば、通信ユニット408は、バス410と結合されるプロセッサユニット402とは異なる1つまたは複数の追加のプロセッサを備えてもよい。プロセッサ402、メモリユニット406、およびネットワークインターフェース404は、バス410に結合されている。メモリユニット406は、バス410に結合されているように示されているが、プロセッサ402に結合されていてもよい。
諸実施形態が、様々な実装形態および開発形態に関して説明されているが、これらの実施形態が例示であること、および本発明の主題の範囲がそれらに限定されないことは理解されよう。概して、本明細書において説明される通信デバイスの送信パワーを較正するための技法は、何らかのハードウェアシステムまたは複数のハードウェアシステムと一致する設備とともに実装され得る。多くの変更形態、修正形態、追加形態、および改良形態が可能である。
複数の例が、単一の例として本明細書において説明される構成要素、動作、または構造に提供され得る。最終的には、様々な構成要素と動作とデータストアとの間の境界は、いくらか恣意的であり、特定の動作が、具体的な例示の構成の文脈で示される。機能の他の割当てが想到され、本発明の主題の範囲内に含まれ得る。概して、例示的な構成において別個の構成要素として表されている構造および機能は、組合せ構造または構成要素として実装され得る。同様に、単一の構成要素として表されている構造および機能は、別個の構成要素として実装され得る。これらのおよび他の変形形態、修正形態、追加形態、および改良形態は、本発明の主題の範囲内に含まれ得る。