JP2023117007A - モータの制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造であってもモータのトルク特性又は出力特性を容易に制御することが可能なモータの制御方法を提供する。【解決手段】モータ1は、ステータコア41を有するステータ4と、永久磁石32を有するロータ3と、リアクトル6とを備える。リアクトル6は、アキシャル方向におけるステータコア41の両端面414,415にそれぞれ対向配置された一対のリアクトルコア61,71と、一対のリアクトルコア61,71に巻回されたリアクトルコイル62,63,72,73とを有する。ステータコア41は、リアクトルコイル62,63,72,73に流れるリアクトル電流により一方のリアクトルコア61に発生した磁束を、アキシャル方向に沿って他方のリアクトルコア71に通過させるように設けられている。モータ1の制御方法は、当該リアクトル電流の制御によって、永久磁石32の回転に伴って発生する逆起電力を制御する。【選択図】図7

Description

本発明は、モータの制御方法に関する。
電動車両の動力源として電動のモータが使用されている。当該モータには、低速運転時の高トルク特性と、高速運転時の高回転特性が要求される。このような要求を満たすモータとして、ステータの磁気作用部とロータの磁気作用部とのオーバーラップ量を運転状況に応じて操作することによって界磁特性を変化させる可変界磁モータが知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1に開示の可変界磁モータは、トルクカム機構によりロータを回転軸のアキシャル方向に変位させる。これにより、特許文献1に開示の可変界磁モータは、ロータの磁気作用部とステータの磁気作用部とのオーバーラップ量を操作することによって、界磁特性を変化させている。
特開2014-50251号公報
しかしながら、特許文献1に開示の可変界磁モータでは、界磁特性を変化させるために、トルクカム機構のような機械的機構が必要となるので、モータの構造が複雑になる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、簡易な構造であってもモータのトルク特性又は出力特性を容易に制御することが可能なモータの制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るモータの制御方法は、ステータコアを有するステータと、永久磁石を有するロータと、を備えたモータの制御方法であって、前記モータは、リアクトルを更に備え、前記リアクトルは、前記モータの回転軸のアキシャル方向における前記ステータコアの両端面にそれぞれ対向配置された一対のリアクトルコアと、前記一対のリアクトルコアに巻回されたリアクトルコイルと、を有し、前記ステータコアは、磁気的等方性を有する磁性材料によって成形され、前記リアクトルコイルに流れるリアクトル電流により一方のリアクトルコアに発生した磁束を、前記アキシャル方向に沿って他方のリアクトルコアに通過させるように設けられており、前記制御方法は、前記リアクトル電流の制御によって、前記永久磁石の回転に伴って発生する逆起電力を制御することを特徴とする。
このような構成により、モータの制御方法は、リアクトル電流を制御することによって、ステータコアの磁気飽和の進行度合いを制御することができるので、永久磁石の回転に伴って発生する逆起電力を制御することができる。モータの制御方法は、弱め界磁制御を行ったり、機械的機構により界磁特性を変化させたりしなくても、車両の運転状況に応じて、モータ1のトルク特性又は出力特性を制御することができる。
本発明によれば、簡易な構造であってもモータのトルク特性又は出力特性を容易に制御することが可能なモータの制御方法を提供することができる。
本実施形態のモータの外観斜視図。 図1に示すロータ及びステータをアキシャル方向から視た上面図。 図1に示すリアクトルの斜視図。 ステータコアの磁気飽和の進行がモータ定数に与える影響を説明する図。 図4に示す飽和深さの各状態におけるモータのトルク-回転数曲線の計算結果を示す図。 図4に示すステータコアの飽和深さの各状態におけるモータの出力-回転数曲線の計算結果を示す図。 リアクトル電流を変化させた場合におけるモータのトルク-回転数曲線の計算結果を示す図。 リアクトル電流を変化させた場合におけるモータの出力-回転数曲線の計算結果を示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。各実施形態において同一の符号を付された構成については、特に言及しない限り、各実施形態において同様の機能を有し、その説明を省略する。
本実施形態では、モータ1の回転軸2を周回する方向(図1の符号θ)を、単に「周方向」とも称する。本実施形態では、モータ1の回転軸2のアキシャル方向(図1の符号z)を、単に「アキシャル方向」とも称する。本実施形態では、モータ1の回転軸2のラジアル方向(図1の符号r)を、単に「ラジアル方向」とも称する。
[モータの構成]
図1~図3を用いて、本実施形態のモータ1の構成について説明する。
図1は、本実施形態のモータ1の外観斜視図である。図2は、図1に示すロータ3及びステータ4をアキシャル方向から視た上面図である。図2では、リアクトル6の図示が省略されている。図3は、図1に示すリアクトル6の斜視図である。図3では、ステータ4が仮想線にて図示され、回転軸2及びロータ3の図示が省略されている。
モータ1は、電動車両の動力源として使用される電動のモータである。モータ1は、モータ1の駆動回路においてバッテリ電圧を昇圧するコンバータを構成するリアクトル6と、一体的に形成されている。
具体的には、モータ1は、図1に示すように、ロータ3と、ステータ4と、リアクトル6を備える。モータ1は、ラジアル方向におけるロータ3とステータ4との間にギャップ5が設けられたラジアルギャップモータである。モータ1は、永久磁石32を有するロータ3を備えた永久磁石同期モータである。本実施形態では、モータ1として、ロータコア31の外周部311の表面(ロータコア31の外周面)に永久磁石32が固定されたSPM型の永久磁石同期モータについて説明する。モータ1は、ロータコア31の外周部311の内部に永久磁石32が埋め込まれたIPM型の永久磁石同期モータであってもよい。
ロータ3は、モータ1の界磁子を構成する。ロータ3は、ロータコア31と、永久磁石32とを有する。ロータコア31は、その中心軸が回転軸2と一致するように回転軸2に固定された円筒状を有する。ロータコア31は、回転軸2の周方向に回転する。
ステータ4は、モータ1の電機子を構成する。ステータ4は、ステータコア41と、ステータコイル42とを有する。ステータコア41は、その中心軸が回転軸2と一致し、ロータ3を周方向において覆う円筒状を有する。ステータコア41は、不図示のケーシングに固定されている。ステータコア41は、ティース411と、ヨーク413とを有する。ティース411は、ステータコア41の内周部において周方向に間隔をあけて、ヨーク413からアキシャル方向内側に延びるように複数形成されている。隣り合うティース411,411同士の間には、スロット412が形成されている。ヨーク413は、ラジアル方向においてティース411及びスロット412よりも回転軸2から離隔するステータコア41の部分である。ヨーク413は、ステータコア41の外周部である。
ステータコイル42は、ステータコア41に巻回されたコイルである。ステータコイル42は、スロット412に収容され、ティース411に巻回されている。ステータコイル42の巻回方式(分布巻きや集中巻き、単層巻きや2層巻き等)は、特に限定されない。なお、図2では、一部のスロット412にだけステータコイル42が収容されているように図示を簡略化しているが、ステータコイル42は、全てのスロット412に収容されている。
ステータコア41は、磁気的等方性を有する磁性材料によって成形されている。「磁気的等方性を有する磁性材料」とは、磁性材料の結晶粒の磁化容易軸が特定の方向に揃っておらず、磁気特性が等方的である磁性材料のことである。磁気的等方性を有する磁性材料は、例えば、絶縁被覆が施された軟磁性金属粉末である。すなわち、ステータコア41は、圧粉磁心であってもよい。
リアクトル6は、図3に示すように、一対のリアクトルコア61,71と、リアクトルコイル62,63,72,73とを有する。一対のリアクトルコア61,71は、アキシャル方向におけるステータコア41の両端面414,415にそれぞれ対向配置されている。リアクトルコイル62,63は、一方のリアクトルコア61に巻回されている。リアクトルコイル72,73は、他方のリアクトルコア71に巻回されている。
リアクトルコア61は、その中心軸が回転軸2と一致するように設けられたリング状を有する。リアクトルコア61は、ステータコア41の一端面414に対向配置されている。リアクトルコア61は、不図示のケーシングに固定されている。リアクトルコア61は、リング部611と、一対の突出部612,613とを有する。リング部611は、一対のリアクトルコイル62,63が巻回され、周方向に延びるリング状を有する。一対の突出部612,613のそれぞれは、リング部611の一部からステータコア41の一端面414に向かって突出する。一対の突出部612,613のそれぞれのアキシャル方向の先端面は、ステータコア41の一端面414とギャップ65をあけて対向する。一対の突出部612,613は、回転軸2に対して対称の形状を有し、リング部611の周方向において等間隔をあけて配置されている。
一対のリアクトルコイル62,63は、突出部612又は突出部613を介して、リング部611の周方向に並ぶように配置されている。一対のリアクトルコイル62,63の各巻回方向は、周方向に沿って視た場合、互いに逆方向である。
リアクトルコア71は、リアクトルコア61と同様にリング状を有し、ステータコア41の他端面415に対向配置されている。リアクトルコア71は、リアクトルコア61と同様に、一対のリアクトルコイル72,73が巻回され周方向に延びるリング部711と、リング部711の一部からステータコア41の他端面415に向かって突出する一対の突出部712,713とを有する。一対の突出部712,713のそれぞれのアキシャル方向の先端面は、一対の突出部612,613と同様に、ステータコア41の他端面415とギャップ75をあけて対向する。一対のリアクトルコイル72,73は、一対のリアクトルコイル62,63と同様に、突出部712又は突出部713を介して、リング部711の周方向に並ぶように配置されている。一対のリアクトルコイル72,73の各巻回方向は、周方向に沿って視た場合、互いに逆方向である。
リアクトル6へのバッテリ電圧の印加時、リアクトルコイル62,63には直流電流(以下「リアクトル電流」とも称する)が流れる。このリアクトル電流により、リング部611には、リング部611を通過して突出部613に向かう磁束M61,M62が発生する。突出部613がステータコア41の一端面414に対向配置されていることにより、リング部611に発生した磁束M61,M62は、突出部613において合流し、突出部613からステータコア41の一端面414に流れ込む。ステータコア41が磁気的等方性を有する磁性材料によって成形されていることにより、ステータコア41の一端面414に流れ込んだ磁束M63は、アキシャル方向に沿ってステータコア41を通過する。他方のリアクトルコア71の突出部713がステータコア41の他端面415に対向配置されていることにより、ステータコア41を通過する磁束M63は、他端面415から突出部713に流れ込む。突出部713に流れ込んだ磁束M63は、突出部713において磁束M64,M65に分流し、他方のリアクトルコア71のリング部711を通過する。リング部711を通過する磁束M64,M65は、リアクトルコイル72,73を流れるリアクトル電流によって増幅され、突出部712に向かう。突出部712に向かう磁束M64,M65は、突出部712において合流し、突出部712からステータコア41の他端面415に流れ込む。他端面415に流れ込んだ磁束M66は、アキシャル方向に沿ってステータコア41を通過する。ステータコア41を通過する磁束M66は、一端面414から突出部612に流れ込む。
このように、モータ1では、磁気的等方性を有する磁性材料によって成形されたステータコア41が、一方のリアクトルコア61及び他方のリアクトルコア71と協働して、一方のリアクトルコア61と他方のリアクトルコア71との間において磁束M63,M66をアキシャル方向に通過させる閉磁路を形成することができる。すなわち、ステータコア41は、ロータ3を回転駆動するラジアル方向に磁束を流すだけでなく、リアクトルのエネルギ蓄積機能を担保するためにアキシャル方向に磁束M63,M66を流すことができる。言い換えると、ステータコア41は、少なくともラジアル方向及びアキシャル方向のそれぞれに磁束を流す3次元的な磁気回路を形成することができる。
これにより、ステータコア41は、ステータコア41の一部をリアクトル6のコアとして共用することができるので、リアクトル6のコアの重量及びコスト並びにモータ1の冷却構造の重量及びコストを削減することができる。加えて、ステータコア41は、上記のような3次元的な磁気回路を形成できることから、磁気回路の設計自由度が高く、ロータ3を回転駆動する磁束とステータコア41を通過する磁束M63,M66との干渉を抑制可能な磁気回路を簡単に形成することができる。したがって、モータ1は、モータ1及びリアクトル6の機能を損なうことなく、軽量化及び低コスト化を劇的に図ることができる。
[モータの制御方法]
図4~図8を用いて、本実施形態のモータ1の制御方法について説明する。
リアクトルコイル62,63又はリアクトルコイル72,73を流れるリアクトル電流が増大すると、ステータコア41を通過するアキシャル方向の磁束M63,M66は増大するので、ステータコア41のヨーク413における磁束密度が増大する。ステータコア41の磁束密度が増大すると、ステータコア41はやがて磁気飽和に到達する。モータ1は、このようなステータコア41の磁気飽和が進行する現象を利用して、モータ定数を変化させることができる。モータ定数とは、具体的には、永久磁石32による電機子鎖交磁束、及び、電機子の磁気インダクタンス等であり、モータ1の磁気的な特性を示す。
ところで、モータ1のような永久磁石同期モータでは、モータの回転駆動時に、ロータの回転に伴って永久磁石が回転する。この時、永久磁石の磁束は一定であるので、モータの回転数を上昇させるにつれて、永久磁石の回転に伴って発生する逆起電力が増大する。そして、モータの回転数が所定数に到達すると、当該逆起電力がモータの印加電圧と等しくなる。これにより、モータの回転数を当該所定数よりも上昇させることができなくなる。これを回避するため、永久磁石同期モータでは、弱め界磁制御が行われている。弱め界磁制御は、電機子コイルであるステータコイルに電流を供給して、永久磁石の磁束と逆方向の磁束をステータから発生させることによって、永久磁石の回転に伴って発生する逆起電力を小さくする。これにより、弱め界磁制御を行うモータは、モータの回転数を所定数より上昇させることができる。但し、弱め界磁制御においてステータコイルに供給される電流は、モータの回転駆動には使用されない電流である。弱め界磁制御を行うモータに投入される皮相電力は増大する。
本実施形態のモータ1は、ステータコア41を通過するアキシャル方向の磁束M63,M66によってステータコア41の磁気飽和が進行する現象を利用して、永久磁石32の回転に伴って発生する逆起電力を低減する。これにより、モータ1は、弱め界磁制御を行ったり、機械的機構により界磁特性を変化させたりしなくても、車両の運転状況に応じて、モータ1のトルク特性又は出力特性を変化させることができる。
図4~図6を用いて、ステータコア41の磁気飽和が進行する現象が、モータ1のモータ定数、トルク特性及び出力特性に与える影響について説明する。
図4は、ステータコア41の磁気飽和の進行がモータ定数に与える影響を説明する図である。
図4の上段は、ステータコア41の相対的な飽和深さの状態を示している。ステータコア41の飽和深さは、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いを示す。飽和深さの値が小さいほど、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いが高いことを示す。図4の例では、ステータコア41の飽和深さの状態1を基準(飽和深さ=1)とする。図4の例では、ステータコア41の飽和深さの状態が、状態1→状態2→状態3へと変化するに従って、飽和深さの値が小さくなっており、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いが高くなっている。また、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いが高くなると、磁気抵抗は大きくなる。なお、図4では、モータ1の極対数Pnを2とし、リアクトル6に印加される直流電圧VDC(バッテリ電圧)を100Vとしている。
図4の下段は、図4の上段に示す飽和深さのそれぞれの状態でのモータ定数を示している。Ψaは、永久磁石32による電機子鎖交磁束を示す。Ldは、モータ1のd軸インダクタンスであり、Lqは、モータ1のq軸インダクタンスである。d軸及びq軸のそれぞれは、ロータ3と共に回転するd-q回転座標系の座標軸である。図4の例では、ステータコア41の飽和深さの状態が、状態1→状態2→状態3へと変化するに従って、Ψa、Ld、Lqが低減している。すなわち、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いが高くなると、Ψa、Ld、Lqが低減することが分かる。これは、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いが高くなると、永久磁石32の回転に伴って発生する逆起電力が低減することを意味する。
図5は、図4に示す飽和深さの各状態におけるモータ1のトルク-回転数曲線(T-N曲線)の計算結果を示す図である。図6は、図4に示す飽和深さの各状態におけるモータ1の出力-回転数曲線(P-N曲線)の計算結果を示す図である。
図5に示すように、ステータコア41の飽和深さの状態が状態1→状態2→状態3へと変化し、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いが高くなると、モータ1のトルクが低減する一方、モータ1の高回転数領域が拡大することが分かる。したがって、車両の運転状況が、大きなトルクを必要としない中速運転時から加速する運転状況、例えば、高速道路で追い越す状況や、高速道路の本線へ合流する状況の場合には、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いが高い状態が適していることが分かる。逆に、図5に示すように、ステータコア41の飽和深さの状態が状態3→状態2→状態1へと変化し、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いが低くなると、モータ1の高回転数領域が縮小する一方、モータ1のトルクが増大していることが分かる。したがって、車両の運転状況が、大きなトルクを必要とする停車又は低速運転時から加速する運転状況、例えば、登坂する状況や段差を乗り越える状況の場合には、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いが低い状態が適していることが分かる。
図6に示すように、ステータコア41の飽和深さの状態が状態1→状態2→状態3へと変化し、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いが高くなると、モータ1の高回転数領域が拡大することが分かる。また、図6から、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いが高くなると、モータ1の力率が高くなることが分かる。力率は、モータ1に投入される皮相電力に対する有効電力の比率であるので、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いが高くなると、有効電力が増大することが分かる。
このようなことから、モータ1は、ステータコア41の磁気飽和の進行度合い(飽和深さ)を制御することによって、永久磁石32の回転に伴って発生する逆起電力を制御することができる。これにより、モータ1は、車両の運転状況に応じてモータ1のトルク特性又は出力特性を制御することができると共に、力率の向上を図ることが期待できる。
図7及び図8を用いて、リアクトル電流がモータ1のトルク特性及び出力特性に与える影響について説明する。
図7は、リアクトル電流を変化させた場合におけるモータ1のトルク-回転数曲線の計算結果を示す図である。図8は、リアクトル電流を変化させた場合におけるモータ1の出力-回転数曲線の計算結果を示す図である。
上記のように、リアクトル6のリアクトル電流が増大すると、ステータコア41を通過するアキシャル方向の磁束M63,M66は増大するので、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いが高くなる。また、上記のように、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いが高くなると、永久磁石32の回転に伴って発生する逆起電力が低減され、モータ1の高回転数領域が拡大する。すなわち、モータ1は、図7及び図8に示すように、リアクトル電流を増大させることによって、モータ1の高回転数領域を拡大することができる。よって、モータ1のトルク特性又は出力特性を制御するべく、永久磁石32の回転に伴って発生する逆起電力を制御するためには、リアクトル電流を制御して、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いを制御すればよい。
具体的には、大きなトルクを必要としない中速運転時から加速する運転状況である場合、モータ1の制御方法としては、リアクトル電流を大電流に制御して、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いを高くし、モータ1の高回転数領域を拡大する。また、大きなトルクを必要とする停車又は低速運転時から加速する運転状況である場合、モータ1の制御方法としては、リアクトル電流を小電流に制御して、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いを低くし、モータ1のトルクを大きくする。
以上のように、本実施形態のモータ1の制御方法は、ステータコア41及びステータコイル42を有するステータ4と、永久磁石32を有するロータ3と、を備えたモータ1の制御方法である。モータ1は、リアクトル6を更に備える。リアクトル6は、モータ1の回転軸2のアキシャル方向におけるステータコア41の両端面414,415にそれぞれ対向配置された一対のリアクトルコア61,71と、一対のリアクトルコア61,71に巻回されたリアクトルコイル62,63,72,73と、を有する。ステータコア41は、磁気的等方性を有する磁性材料によって成形されている。ステータコア41は、リアクトルコイル62,63,72,73に流れるリアクトル電流により一方のリアクトルコア61に発生した磁束を、アキシャル方向に沿って他方のリアクトルコア71に通過させるように設けられている。モータ1の制御方法は、当該リアクトル電流の制御によって、永久磁石32の回転に伴って発生する逆起電力を制御する。
これにより、本実施形態のモータ1の制御方法は、車両の運転状況に応じてリアクトル電流を制御することによって、ステータコア41の磁気飽和の進行度合いを制御することができるので、永久磁石32の回転に伴って発生する逆起電力を制御することができる。したがって、本実施形態のモータ1の制御方法は、弱め界磁制御を行ったり、機械的機構により界磁特性を変化させたりしなくても、車両の運転状況に応じて、モータ1のトルク特性又は出力特性を制御することができる。よって、本実施形態のモータ1の制御方法は、簡易な構造であってもモータ1のトルク特性又は出力特性を容易に制御することが可能なモータの制御方法を提供することができる。本実施形態のモータ1の制御方法は、弱め界磁制御や機械的機構により界磁特性の変化を必要としないので、モータ1の省電力化及びカーボンニュートラル等の実現に貢献することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更を行うことができる。本発明は、或る実施形態の構成を他の実施形態の構成に追加したり、或る実施形態の構成を他の実施形態と置換したり、或る実施形態の構成の一部を削除したりすることができる。
1…モータ、2…回転軸、3…ロータ、31…ロータコア、32…永久磁石、4…ステータ、41…ステータコア、414…一端面、415…他端面、6…リアクトル、61…リアクトルコア、62,63…リアクトルコイル、71…リアクトルコア、72,73…リアクトルコイル、z…アキシャル方向

Claims (1)

  1. ステータコアを有するステータと、永久磁石を有するロータと、を備えたモータの制御方法であって、
    前記モータは、リアクトルを更に備え、
    前記リアクトルは、前記モータの回転軸のアキシャル方向における前記ステータコアの両端面にそれぞれ対向配置された一対のリアクトルコアと、前記一対のリアクトルコアに巻回されたリアクトルコイルと、を有し、
    前記ステータコアは、
    磁気的等方性を有する磁性材料によって成形され、
    前記リアクトルコイルに流れるリアクトル電流により一方のリアクトルコアに発生した磁束を、前記アキシャル方向に沿って他方のリアクトルコアに通過させるように設けられており、
    前記制御方法は、前記リアクトル電流の制御によって、前記永久磁石の回転に伴って発生する逆起電力を制御する
    ことを特徴とするモータの制御方法。
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