JP2023114946A - 錠剤、錠剤の崩壊性を改善する方法 - Google Patents

錠剤、錠剤の崩壊性を改善する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、錠剤とした時の崩壊性が低い活性成分を含有する錠剤において、十分な崩壊性と同時に所望の錠剤硬度を有する錠剤を提供することを課題とする。【解決手段】上記課題を解決するために、(A)崩壊係数(X)が8以上である活性成分、(B)カルボキシメチルセルロース又はその金属塩、及び(C)カラギーナンを含有し、前記成分(B)の含有量は0.5~2.0質量%であり、前記成分(C)の含有量は3.0~8.0質量%であることを特徴とする錠剤が提供される。これにより、錠剤とした時の崩壊性が低い活性成分を含有する錠剤において、十分な崩壊性を担保しながら、同時に所望の錠剤硬度を有する錠剤を提供することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、カルボキシメチルセルロース又はその金属塩及びカラギーナンを含有する錠剤に関するものである。より具体的には、カルボキシメチルセルロース又はその金属塩、カラギーナン、及び崩壊性係数が8以上の活性成分を含有する錠剤に関するものである。
医薬品やサプリメントには、その薬効を発揮させるために様々な活性成分が配合される。しかし、その活性成分の性質や種類、配合される量によっては崩壊時間が長くなってしまう場合がある。崩壊時間が長くなることで、体内で活性成分が十分に吸収されないという問題があった。
医薬品に関しては、日本薬局方の崩壊試験において素性形の医薬品は、30分以内に崩壊しなければならないとされている。他方、サプリメントに関しては、現段階では崩壊時間が30分以内という規定はない。しかし、医薬品と同様に30分以内に崩壊する設計が求められており、近年、サプリメントにおいてもその崩壊性が注目されている。
そこで、錠剤の崩壊性を改善するための方法として、崩壊剤を多量に添加することが考えられる。しかし、崩壊剤を多量に添加することによって錠剤の硬度が低下し、充填時や流通時に破損するという問題が生じてしまう。同時に、打錠末の流動性が悪化するという問題も生じ得る。
また、錠剤の崩壊性を改善するために、打錠圧を低くして錠剤を得る方法が考えられる。しかしこの場合、製品としての流通に耐えられるだけの硬度を有せず、そのため錠剤の品質を担保出来ない。
こうした問題に対して特許文献1には、単一粒子の平均繊維長が20~1000μmである繊維状ファイバー100質量部に、5質量部以上100質量部未満の水を吸水させた後、乾燥させた錠剤用基材が開示されている。また、特許文献2には、吸湿性の高いサラシア含有組成物を活性成分として、カルボキシメチルセルロースカルシウムと二酸化ケイ素を含有する組成物が開示されている。
特開2020-152712号公報 特開2011-178690号公報
しかし、上記に示した特許文献の方法においても、特定の成分に対して崩壊性の改善や錠剤硬度の向上はみられるものの、錠剤の崩壊性を大きく低下させる性質を持つ活性成分を使用した場合には、昨今求められている錠剤の崩壊性と所望の硬度を両立させることはできていない。
そこで、本発明は、錠剤とした時の崩壊性が低い活性成分を含有する錠剤において、十分な崩壊性と同時に所望の錠剤硬度を有する錠剤を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、錠剤とした時の崩壊性が低い活性成分を用いた場合であっても、カルボキシメチルセルロース又はその金属塩とカラギーナンを所定量含有させることにより錠剤の崩壊性が向上し、同時に所望の錠剤硬度を維持し得るという知見を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[5]を提供する。
[1]以下の成分(A)~(C)を含有し、前記成分(B)の含有量は0.5~2.0質量%であり、前記成分(C)の含有量は3.0~8.0質量%であることを特徴とする、錠剤。
(A)崩壊係数(X)が8以上である活性成分
(B)カルボキシメチルセルロース又はその金属塩
(C)カラギーナン
本発明によれば、一定の指標を満たす、錠剤とした時の崩壊性が低い活性成分を用いた場合であっても、カルボキシメチルセルロース又はその金属塩とカラギーナンを所定量含有させることにより崩壊性が向上し、所望の錠剤硬度を有する錠剤を提供することができる。
なお、詳細は後述するが、崩壊係数とはある活性成分を用いた場合の錠剤の崩壊性を表す指標であり、崩壊係数が高いほどその活性成分を用いた錠剤の崩壊性が低くなることを示すものである。
[2]崩壊性スコア(Y)が15以上であることを特徴とする、[1]に記載の錠剤。
この特徴によれば、活性成分の種類、配合率や錠剤の粒質量に起因して、崩壊性がより低い錠剤に対しても、崩壊性を向上させ、所望の錠剤硬度を有する錠剤を提供することができる。
[3]硬度が11kgf以上かつ崩壊時間が30分以内であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の錠剤。
この特徴によれば、錠剤とした時の崩壊性が低い活性成分を用いた場合であっても、十分な崩壊性と、所望の錠剤硬度が担保された錠剤を提供することができる。
[4]前記(A)成分が、ビタミン、ミネラル、植物エキスから選ばれる1種以上であることを特徴とする、[1]~[3]のいずれか1項に記載の錠剤。
この特徴によれば、錠剤とした時の崩壊性が低い活性成分を用いた場合であっても、活性成分の対象を限定することにより、より確実に崩壊性が向上し、より確実に所望の錠剤硬度を有する錠剤を提供することができる。
[5]
(A)崩壊係数(X)が8以上である活性成分を含有する錠剤の崩壊性を改善する方法であって、
(B)カルボキシメチルセルロース又はその金属塩、及び(C)カラギーナンを含有させることを特徴とする、錠剤の崩壊性を改善する方法。
本発明によれば、錠剤とした時の崩壊性が低い活性成分を用いた錠剤において、崩壊性を向上させ、所望の錠剤硬度を付与することができる。
本発明によれば、錠剤とした時の崩壊性が低い活性成分を含有する錠剤において、十分な崩壊性と同時に所望の錠剤硬度を有する錠剤を提供することができる。
[錠剤]
本発明の錠剤は、(A)崩壊係数(X)が8以上である活性成分、(B)カルボキシメチルセルロース又はその金属塩、及び(C)カラギーナンを含有し、前記成分(B)の含有量は0.5~2.0質量%であり、前記成分(C)の含有量は3.0~8.0質量%であることを特徴とする。
錠剤に配合される活性成分の多くは、一定量以上配合することにより錠剤の崩壊時間が長くなる傾向にある。この崩壊時間が長い場合には、体内で活性成分が十分に吸収されず、期待される効果が得られない可能性がある。錠剤に崩壊性を大きく悪化させる活性成分を含有させた場合に、従来用いられてきた崩壊剤の構成では十分な崩壊性を錠剤に付与することができなかった。本発明者らは、崩壊剤としてカルボキシメチルセルロース又はその金属塩とカラギーナンを所定の量添加することにより、錠剤が十分な崩壊性を獲得し得ることを見出した。また、本発明の錠剤の構成によれば、十分な錠剤硬度も有しており、充填時や流通時、又は開封時に破損するという問題の発生も抑制することができる。
<崩壊係数(X)>
本発明における崩壊係数(X)とは、活性成分に固有の崩壊性を示す指標である。特定の活性成分を含む錠剤を一定の条件(活性成分及び賦形剤の配合比率、打錠圧、錠剤の粒の大きさ、質量)で作製した場合の崩壊時間(X)分として求められる。より詳細には、表1に示す組成の混合末100mgを、圧縮特性評価装置(メーカー名:Gamlen Instruments、型式:GTP-2)に投入し、Φ6mmの平杵を使用し、圧縮スピード60mm/min、成形圧500kgfで打錠した。そして、作製した錠剤の崩壊時間(X)分を測定し、この(X)を崩壊係数とする。なお、崩壊時間の測定は日本薬局方に記載の「崩壊試験法」に従い測定する。また、前記混合末に使用する各成分の原料は後述する実施例と同様のものを用いている。
なお、ここでいう崩壊係数(X)を求めるために作製した上記錠剤の硬度は、打錠圧力を500kgfで設定しているため、製品としての流通に適した値ではない(硬度11kgf以下)。従って、崩壊係数(X)は、あくまで活性成分の崩壊性を示すための指標であり、錠剤の崩壊時間を30分以内とする本発明の課題とは区別されるものである。
本発明の活性成分の崩壊係数(X)としては、8以上であり、10以上であることが好ましい。崩壊係数(X)が8以上であれば、本発明の錠剤における崩壊性の向上効果をより顕著に奏することができる。なお、一般に錠剤とした時の崩壊性が悪いとされているアロニアエキスの崩壊係数(X)は8.4であり、サラシアエキスは14.5、キンミズヒキエキスは15.5である。
<崩壊性スコア(Y)>
本発明の崩壊性スコア(Y)とは、錠剤の崩壊性の目安となる指標である。前記崩壊係数(X)に加えて、崩壊時間を変動させることが予想される錠剤のパラメータとして、活性成分の配合率と錠剤質量を採用し、下記の計算式1により算出したものである。
このように、崩壊性スコア(Y)は崩壊係数(X)と具体的な錠剤の構成から求めることができ、崩壊性スコア(Y)が高いほど、錠剤の崩壊性が低いことを表している。さらに、崩壊性スコア(Y)と実際の崩壊時間との関係を分析することで、崩壊剤やその他の構成が錠剤の崩壊性に与える影響を評価したり、推定したりすることに利用できる。
本発明の錠剤の崩壊性スコア(Y)は、15以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。崩壊性の目安となる崩壊性スコア(Y)が15以上であれば、錠剤の崩壊性は含有する活性成分の吸収に問題を惹起する可能性がある。しかし、崩壊性スコア(Y)がこの基準を超える錠剤の構成であっても、カルボキシメチルセルロース又はその金属塩とカラギーナンを所定量配合することで、崩壊時間を十分に短縮し、所望の錠剤硬度を有する錠剤を作製することが可能となる。崩壊性スコア(Y)の上限値としては特に制限はされないが、80以下であることが好ましく、60以下であることがより好ましい。60以下であることにより、錠剤の適切な態様と使用が担保される。
<錠剤の態様>
(崩壊時間)
本発明の錠剤は、崩壊時間が30分以内であることが好ましく、25分以内であることがより好ましい。30分以内という基準については、医薬品に関する日本薬局方において、素錠の崩壊時間が30分以内とする規定がある。崩壊時間が30分を超えると、例えば、消化管内で活性成分が十分に吸収されず、必要な血中濃度が得られない場合や生体利用率が下がる場合等に、期待する効果が得られない可能性がある。
(錠剤硬度)
本発明の錠剤は、11.0kgf以上の硬度を有することが好ましい。当該基準については、実製造で起こりうる「硬度低下」の現象を想定した際に要求される数値として定めた。錠剤硬度が11.0kgf以上であれば、流通時や充填時、又はPTP(Press Through Pack)包装から錠剤を取り出すとき等に錠剤が破損してしまうことを防ぐことができる。なお、錠剤硬度は、原料の選択や錠剤製造時の打錠圧により設定することができる。
(大きさと質量)
本発明の錠剤の大きさとしては、特に制限はされない。錠剤の使用目的、その態様、求められる崩壊性や投与対象等に応じて変更可能であるが、例えば、錠剤の直径として6~10mmである。錠剤の直径の下限値は、好ましくは6mm以上である。錠剤の直径の上限値は好ましくは10mm以下である。
錠剤の粒の質量としては、特に制限はされない。活性成分の配合比率、求められる崩壊性、又は錠剤の密度、大きさ等に応じて変更可能であるが、例えば、150~500mgである。粒の質量の下限値は、好ましくは150mg以上である。粒の質量の上限値は好ましくは500mg以下である。
(性状)
錠剤の性状としては、本発明の効果を奏する限り特に限定はされず、様々な性状を取り得る。例えば、普通錠、口腔内崩壊錠、膣錠、付着錠、又は舌下錠等が挙げられるが、普通錠、口腔内崩壊錠が好ましく、保存安定性の確保や錠剤硬度の設計のしやすさから普通錠がより好ましい。
<(A)崩壊係数(X)が8以上である活性成分>
本発明の錠剤は、前述したように、崩壊係数(X)が8以上である活性成分を含有する。活性成分とは、錠剤が体内に取り込まれた場合に、所望の生理活性を示す物質をいう。活性成分となる物質としては、特に限定されるものではなく、例えば、医薬品、医薬部外品、OTC医薬品、漢方薬、生薬、化粧品、健康食品、栄養機能食品、特定保健用食品、特別用途食品、サプリメント、動物用医薬品等に用いられる一般的な生理活性物質であればよい。
本発明の錠剤は、食品用又はサプリメント用途に、より好ましく使用できる。医薬品と比較すると、食品やサプリメントにおいては複数の活性成分を含有することが一般的である。本発明の構成によれば、単独の活性成分に対して効果を発揮するのみでなく、複数の活性成分を含有する場合であっても、活性成分全体又は錠剤全体の構成による崩壊性や錠剤硬度に対して顕著な効果を奏することができる。
本発明の活性成分は、錠剤に配合させることによって錠剤の崩壊性を低下させる成分であることが好ましい。このような活性成分を錠剤に配合させた場合であっても、カルボキシメチルセルロース又はその金属塩とカラギーナンを所定量配合することで、崩壊性について十分な改善効果を奏すると共に、所望の錠剤硬度を有する錠剤を作製することが可能となる。
本発明の錠剤における(A)崩壊係数(X)が8以上である活性成分の含有量については特に制限されず、活性成分の種類、生理活性に係る力価、錠剤の態様、求められる崩壊性や硬度等に応じて変更が可能であるが、例えば、5~80質量%である。この成分(A)の含有量の下限値は、好ましくは10質量%以上である。成分(A)の含有量の上限値は、好ましくは70質量%以下である。成分(A)の含有量が、5質量%以上であれば、適切な薬効が得られ、80質量%以下であれば、所望の硬度、崩壊性、溶出性等の調製が容易となる。
また、活性成分を2種以上配合した場合は、活性成分単体としての崩壊係数が8以下であっても、複合素材として崩壊係数が8以上あれば、複合素材を本発明の活性成分として適用することができる。なお、複合素材の崩壊係数は、単素材の崩壊係数から計算して導き出すものではなく、実際に表1の処方に複合素材を当てはめて測定した実測値を崩壊係数(X)とする。
より具体的な活性成分としては、例えば、カロチン、ビタミンB、ビタミンC、葉酸、等のビタミン類、ミネラル類、グリシン、グルタミン、オルニチン等のアミノ酸類、グルコサミン、N-アセチルグルコサミン等のアミノ糖類、コラーゲン、エラスチン等のタンパク質類、コンドロイチン等のムコ多糖類、DNA等の各種核酸類、カテキン、ポリフェノール等の各種フラボノイド類、アスタキサンチン、リコピン、リコペン等のカロテノイド類、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン等のリン脂質類、EPA、DHA等の脂肪酸類、コエンザイムQ10等のユビキノン類、酵素類、食物繊維類、ハーブ、果実・植物体及びそのエキス、魚油、乳酸菌等のプロバイオティックス菌類、システインペプチド含有酵母エキス等の酵母エキスなどを挙げることができる。
(ビタミン)
本発明の錠剤におけるビタミン類としては、特に限定はされないが、例えば、レチナール、レチノール、レチノイン酸、カロチン、デヒドロレチナール、リコピン、及び薬理学的に許容されるそれらの塩類等のビタミンA群に属するビタミン、チアミン、チアミンジスルフィド、ジセチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、フルスルチアミン、リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ピリドキシン、ピリドキサール、ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン、デオキシアデノコバラミン、葉酸、テトラヒドロ葉酸、ジヒドロ葉酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチニックアルコール、パントテン酸、パンテノール、ビオチン、コリン、イノシトール、パンガミン酸、及び薬理学的に許容されるそれらの塩類等のビタミンB群に属するビタミン、アスコルビン酸及びその誘導体、エリソルビン酸及びその誘導体、並びに薬理学的に許容されるそれらの塩類等のビタミンC群に属するビタミン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロール、及び薬理学的に許容されるそれらの塩類等のビタミンD群に属するビタミン、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン誘導体、並びにそれらの薬理学的に許容される塩類等のビタミンE群に属するビタミン、その他カルニチン、フェルラ酸、γ-オリザノール、オロチン酸、ルチン(ビタミンP)、エリオシトリン、ヘスペリジン、及び薬理学的に許容されるそれらの塩類等が挙げられる。なお、これらのビタミン類は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
(ミネラル)
本発明の錠剤におけるミネラル類としては、特に限定はされないが、例えば、カルシウム、リン、マグネシウム、カリウム、鉄、マンガン、セレン、銅、塩化物、モリブデン、クロム、亜鉛、及びこれらのヨウ素塩等が挙げられる。なお、これらのミネラル類は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
(植物エキス末)
本発明の錠剤に使用できる植物エキス末としては、特に限定されるものではない。粉末エキスは、例えば、果実、種子、葉等やそれらの粉砕物から、水、各種の有機溶媒等の極性溶媒による抽出物、又は水蒸気蒸留により得られる蒸留物を、必要に応じて賦形剤等の添加剤を配合して乾燥することによって得られる。なお、これら製造方法に依らず、市販品を使用することもできる。
より具体的な植物エキス末は、バコパエキス、アーティチョークエキス、イチョウ葉エキス、ビルベリーエキス、マリアアザミエキス、キンミズヒキエキス、アフリカマンゴノキエキスから選択される1種以上である。これらの植物エキスは、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
<(B)カルボキシメチルセルロース又はその金属塩>
本発明の錠剤はカルボキシメチルセルロース又はその金属塩を含有する。カルボキシメチルセルロースは、セルロース中のヒドロキシ基をエステル化した化合物であり、崩壊剤としてこれらの架橋重合物やそれらの塩等が一般的に使用されている。本発明に使用できるカルボキシメチルセルロース又はその金属塩としては、特に限定されないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム等が挙げられる。適度な崩壊性を有するという理由から分子内架橋を持たない、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウムがより好ましく使用できる。なかでも、キレート構造をもたないカルボキシメチルセルロースナトリウムがさらに好ましく使用できる。なお、これらは公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
本発明の錠剤における(B)カルボキシメチルセルロース又はその金属塩の含有量は、0.5~2.0質量%である。この成分(B)の含有量の下限値は、好ましくは、1.0質量%以上である。成分(B)の含有量の上限値は、好ましくは、2.0質量%以下である。成分(B)の含有量が、0.5質量%未満であると十分な錠剤の崩壊性が得られず、活性成分が期待される効果を奏しない場合がある。成分(B)の含有量が、2.0質量%を超える場合、錠剤硬度が所望の硬度を維持することができず、流通時や充填時、又はPTPから錠剤を取り出すとき等に錠剤が破損してしまう可能性がある。
<(C)カラギーナン>
本発明の錠剤はカラギーナンを含有する。カラギーナンは、天然には主に紅藻類から抽出される多糖類である。カラギーナンは、α(1→3)結合およびβ(1→4)結合を交互に繰り返してなる直鎖状の構造を有するガラクタンであり、β(1→4)結合しているガラクトースユニットは、一部あるいは全部が3,6-アンヒドロ-D-ガラクトースおよびその硫酸エステルとして存在する。カラギーナンは分子中に含まれる硫酸基およびアンヒドロ基の量の相違によってカッパ、イオタ及びラムダの3つのタイプに分類されるが、これらのいずれのタイプを用いることも、又これらの混合物を用いることもできる。これらの中でも、崩壊性と錠剤硬度の観点から、好ましくはカッパカラギーナンを含有する混合物又はカッパカラギーナンであり、より好ましくはカッパカラギーナンである。
本発明の錠剤における(C)カラギーナンの含有量は、3.0~8.0質量%である。(C)カラギーナンの含有量の下限値は、好ましくは5.0質量%以上である。(C)カラギーナンの含有量の上限値は、好ましくは6.0質量%以下である。(C)カラギーナンの含有量が、3.0質量%未満であると十分な錠剤の崩壊性が得られず、活性成分が期待される効果を奏しない場合がある。(C)カラギーナンの含有量が、8.0質量%を超える場合、錠剤硬度が所望の硬度を維持することができず、流通時や充填時、又はPTPから錠剤を取り出すとき等に錠剤が破損してしまう可能性がある。
<その他の成分>
本発明の錠剤には、必要に応じて、賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、保存剤、流動化剤、増粘剤、着色剤などの添加剤を配合してもよい。また、本発明の効果を奏する範囲においてカルボキシメチルセルロース又はその金属塩やカラギーナン以外のその他の崩壊剤を配合してもよい。
賦形剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、微結晶セルロース、乳糖、白糖、マンニトール、グルコース、デンプン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウムなどが挙げられる。また、これらの賦形剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。賦形剤を添加することにより、有用物質のかさを調節することができる。
結合剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、グルコース、白糖、乳糖、麦芽糖、デキストリン、ソルビトール、マンニトール、マクロゴール、パラフィン、アラビアゴム、ゼラチン、寒天、でんぷん、でんぷん分解物、プルランなどが挙げられる。また、これらの結合剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。結合剤を添加することにより、成分(A)に含まれる原料の粉末成分に結合力を与えると同時に流動性を高め、安定な錠剤を製造することができる。
滑沢剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、タルク、コロイダルシリカ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、パルミチン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、ワックス類、硬化植物油、脂肪、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。また、これらの滑沢剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。滑沢剤を添加することにより、錠剤の製造時に、スティッキングなどの打錠障害の発生を抑制することができる。
その他の崩壊剤としては、本発明の効果を奏する限り、特に限定されるものではなく、例えば、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポリビニルピロリドン、アルギン酸塩などが挙げられる。また、これらの崩壊剤は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
[錠剤の製造方法]
本発明の錠剤の製造方法については、特に限定はされず、食品または医薬として使用される本発明は、食品又は医薬として許容される公知の添加物を用いて製造することができ、食品又は医薬の分野で採用されている通常の製剤化手法を適用することができる。
例えば、活性成分、賦形剤、結合剤、滑沢剤等の各種原料を混合した混合末を打錠する方法や、各種原料を撹拌混合造粒法や流動層造粒法により造粒したのち、滑沢剤を添加・混合し、打錠する方法などが挙げられる。なお、錠剤の成分を添加するタイミングはこれに限定されない。
打錠に用いる装置は、例えば、錠剤の製造に用いるロータリー式打錠機等の一般的な打錠成形装置であれば良い。なお直径6~10mmの錠剤の場合、打錠する際の打錠圧は500~2000kgfであることが好ましい。
[その他の実施態様]
本発明においては、錠剤とした時の崩壊性が低い活性成分を用いた組成物、又は錠剤を粉砕した粉砕物等に崩壊性と錠剤硬度を付与する方法も提供することもできる。例えば、前記組成物や粉砕物等にカルボキシメチルセルロース又はその金属塩とカラギーナンを所定量添加し、造粒、打錠することで、十分な崩壊性と所望の錠剤硬度を有する錠剤を製造することができる。なお、カルボキシメチルセルロース又はその金属塩とカラギーナンを添加するタイミングは限定されず、また、組成物等がカルボキシメチルセルロース又はその金属塩やカラギーナンを含有する場合には、添加後の組成が本発明の所定量になるように添加等すればよい。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
(1)試験例1 マルチビタミンを含有する錠剤におけるカルボキシメチルセルロース又はその金属塩とカラギーナンの配合による効果
活性成分として、マルチビタミン(ビタミン及びミネラル)を含有する錠剤におけるカルボキシメチルセルロース又はその金属塩とカラギーナンの配合による効果について試験を行った。より詳細には、表3~5に示す配合で、実施例1~9と比較例1~8の錠剤を製造し、錠剤硬度と崩壊性について測定及び評価をおこなった。なお、実施例で用いた原料を以下の表2に示す。
<錠剤の製造>
以下の手順で実施例と比較例の錠剤を製造した。
表3の組成の原料配合比(質量%)で各原料を混合し、倍散及び篩過し、打錠用粉末とした。作製した打錠用粉末を、単発打錠機N-30E(岡田精工社製)により杵形状をφ8mm、R6とし、打錠圧1000kgfで打錠することで、直径約8mm、粒の質量が250mgの錠剤を得た。
<錠剤硬度の測定>
上記の錠剤の製造において製造された錠剤の硬度をニュースピードチェッカーTS-75N(岡田精工社製)を使用して測定した。試料5錠の平均値を測定し、平均値を錠剤の硬度とした。以下の評価基準に従い、錠剤硬度を評価した。
(錠剤硬度の評価基準)
〇:錠剤硬度11.0kgf以上
×:錠剤硬度11.0kgf未満
<錠剤の崩壊性試験>
製造した錠剤について、「第17改正日本薬局方」の一般試験法に記載の「6.09崩壊試験法」に従い、錠剤の崩壊時間を測定した。試験液として、イオン交換水を使用した。崩壊試験機は富山産業(株)の崩壊試験器(NT-610(商品名)、富山産業社製)を使用した。
試験液(精製水)の液量は900mLとして試験を行い、37℃の水中における崩壊時間を試料6錠について測定し、平均値を崩壊時間とした。崩壊時間を以下の評価基準に従い、崩壊性を評価した。
(崩壊性の評価基準)
〇:崩壊時間が30分以下
×:崩壊時間が30分を超える
<総合評価>
錠剤の総合評価として、硬度試験、崩壊性試験の基準を両方満たすものを〇とし、それ以外は×とした。
総合評価〇:錠剤硬度試験〇、崩壊性試験〇
総合評価×:錠剤硬度試験〇、崩壊性試験×
総合評価×:錠剤硬度試験×、崩壊性試験〇
また、本試験例で用いたマルチビタミン・ミネラルにおける、粒質量250mgの1粒中のビタミン、ミネラルの組成、活性成分の崩壊係数(X)を以下の表4、表5に示す。なお、本例の活性成分合計の崩壊係数(X)は12.6であり、崩壊性スコア(Y)は20.1であった。
なお、ビタミンB油脂コート原料は、ビタミンB群を造粒コーティング後、油脂(なたね硬化油、25%)でコーティングした食品添加物製剤である。また、ミネラル油脂コート原料は、グルコン酸亜鉛、ピロリン酸第二鉄、グルコン酸銅、ミネラルを含有する酵母を造粒コーティング後、油脂(なたね硬化油、25%)でコーティングした食品添加物製剤である。
試験の結果、マルチビタミン・ミネラルを含有する錠剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はカルボキシメチルセルロースカルシウムとカラギーナンを所定量配合した場合(実施例1~9)には、所望の錠剤硬度(11.0kgf以上)と十分な崩壊性(崩壊時間30分以内)を両立できた。他方、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はカルボキシメチルセルロースカルシウムとカラギーナンのいずれかを含有しない場合(比較例1、2、4、5)、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム又はカルボキシメチルセルロースカルシウムとカラギーナンの配合量が本発明の配合量から外れる場合(比較例3、6、7)には、錠剤硬度又は崩壊性のいずれかの基準を満たすことができなかった。
また、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はカルボキシメチルセルロースカルシウムに替えて、広く用いられている崩壊剤である、でんぷん(比較例8)を本発明の所定量添加した場合には崩壊性の基準を満たすことができなかった。
(2)試験例2 植物エキス末を含有する錠剤におけるカルボキシメチルセルロース又はその金属塩とカラギーナンの配合による効果
活性成分として植物エキスを含有する錠剤におけるカルボキシメチルセルロース又はその金属塩とカラギーナンの配合の効果について、表6に示す実施例と比較例について、試験例1と同様の方法で錠剤を製造し、錠剤硬度と崩壊性について試験を行った。試験例2では植物エキス末として、バコパエキスパウダー、熟成ポップエキスを用いた。なお、活性成分の崩壊係数(X)は、バコパエキスパウダーが14.0、熟成ホップエキスが8.2である。複合素材としての崩壊係数(X)は、10.65であった。また、本試験例における崩壊性スコア(Y)は15.4であった。
試験の結果、植物エキス末を含有する錠剤において、カルボキシメチルセルロースナトリウムとカラギーナンを所定量配合した場合(実施例10、11)には、所望の錠剤硬度(11.0kgf以上)と十分な崩壊性(30分以内)を両立できた。他方、カルボキシメチルセルロースナトリウムとカラギーナンのいずれかを含有しない場合(比較例9、10)には、崩壊性の基準を満たすことができなかった。
本発明によって、錠剤とした時の崩壊性が低い活性成分を含有する錠剤において、十分な崩壊性を担保しながら、同時に所望の錠剤硬度を有する錠剤を提供することができる。本発明は、医薬品、医薬部外品、獣医科製品、食品、サプリメント等さまざまな分野において、錠剤の構成の設計において、使用目的に応じて活用できるものである。

Claims (5)

  1. 以下の成分(A)~(C)を含有し、前記成分(B)の含有量は0.5~2.0質量%であり、前記成分(C)の含有量は3.0~8.0質量%であることを特徴とする、錠剤。
    (A)崩壊係数(X)が8以上である活性成分
    (B)カルボキシメチルセルロース又はその金属塩
    (C)カラギーナン
  2. 崩壊性スコア(Y)が15以上であることを特徴とする、請求項1に記載の錠剤。
  3. 硬度が11kgf以上かつ崩壊時間が30分以内であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の錠剤。
  4. 前記(A)成分が、ビタミン、ミネラル、及び植物エキス末から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の錠剤。
  5. (A)崩壊係数(X)が8以上である活性成分を含有する錠剤の崩壊性を改善する方法であって、
    (B)カルボキシメチルセルロース又はその金属塩、及び(C)カラギーナンを含有させることを特徴とする、錠剤の崩壊性を改善する方法。

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