JP2023114943A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周辺車両の数に関わらず、自車両の走行リスクを適切に評価する。【解決手段】車両2に搭載される車両制御装置3において、情報取得部11は、車両2の挙動に関する車両情報を表す車両情報データ群31と、車両2が走行している道路の環境に関する道路環境情報を表す道路環境データ群32と、車両2に搭載された外界センサ群4によって認識された車両2の周囲環境に関するセンサ認識情報を表すセンサ認識データ群33と、を取得する。顕在障害物予測部12は、道路環境データ群32およびセンサ認識データ群33に基づいて、車両2の走行の障害となり得る顕在障害物の将来の挙動を予測する。車線リスクマップ生成部15は、車両情報データ群31と、顕在障害物予測部12により予測された顕在障害物の将来の挙動とに基づいて、車両2と障害物との衝突リスクを道路の車線ごとに表した車線リスクマップを生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両制御装置に関する。
近年、車両の快適で安全な運転支援や自動運転を実現するため、車両の周辺の物体を検出し、この物体と車両との相対関係に応じて、車両と物体との衝突を避けるように車両の走行軌道を生成して車両を制御する技術が望まれている。こうした技術の一つとして、車両の走行軌道を車線単位で生成し、この走行軌道に基づいて車両を制御することで車両の車線変更や合流等を支援する軌道計画技術が提案されている。例えば、特許文献1では、車線変更時の目標車線に移動するための軌道を生成し、周辺車両との衝突可能性を判定しながら車線変更軌道を生成する手段が開示されている。
特開2017-84115号公報
特許文献1に記載されている発明では、各周辺車両の将来軌道点列に重複しない自車両の将来軌道点列を探索することによって、車線変更軌道を生成している。この方法では、走行道路上の周辺車両の数が増えてくると、それらの車両の全ての将来軌道点に対して一つ一つ衝突判定を行いながら、重複しない自車両の将来軌道点列を探索する必要がある。そのため、渋滞や中心街等のように周辺車両が多数存在する環境では、自車両の走行軌道を評価するときの計算量が過大となり、処理の即時性を担保できなかったり、いくつかの周辺車両については衝突判定を実施できなかったりする可能性がある。したがって、周辺車両の数によっては、自車両の走行リスクを適切に評価できないおそれがある。
本発明による車両制御装置は、自車両に搭載されるものであって、前記自車両の挙動に関する車両情報と、前記自車両が走行している道路の環境に関する道路環境情報と、前記自車両に搭載されたセンサによって認識された前記自車両の周囲環境に関するセンサ認識情報と、を取得する情報取得部と、前記道路環境情報および前記センサ認識情報に基づいて、前記自車両の走行の障害となり得る顕在障害物の将来の挙動を予測する顕在障害物予測部と、前記車両情報と、前記顕在障害物予測部により予測された前記顕在障害物の将来の挙動とに基づいて、前記自車両と障害物との衝突リスクを前記道路の車線ごとに表した車線リスクマップを生成する車線リスクマップ生成部と、を備える。
本発明によれば、周辺車両の数に関わらず、自車両の走行リスクを適切に評価することができる。
本発明の実施の形態に係る車両制御装置を含む車両システムの構成を示す機能ブロック図 車両制御装置において実施される処理の相関関係を示す図 車線グリッドマップ生成処理の説明図 車線グリッドマップデータ群の一例を示す図 車線リスクマップ生成部が実行する処理を説明するフローチャート 顕在障害物との衝突リスク算出処理の具体例を示す図 潜在障害物との衝突リスク算出処理の具体例を示す図 走行制御計画部が実行する処理を説明するフローチャート 軌道生成、評価、修正の具体例を示す図 修正後の車線変更軌道に従って自車両を車線変更させたときのシーンの一例を示す図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(システム構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る車両制御装置3を含む車両システム1の構成を示す機能ブロック図である。車両システム1は、車両2に搭載される。車両システム1は、車両2の周辺における走行道路や周辺車両等の障害物の状況を確認したうえで、適切な運転支援や走行制御を行う。図1に示すように、車両システム1は、車両制御装置3、外界センサ群4、車両センサ群5、地図情報管理装置6、アクチュエータ群7、HMI装置群8、および外界通信装置9を含んで構成される。車両制御装置3、外界センサ群4、車両センサ群5、地図情報管理装置6、アクチュエータ群7、HMI装置群8、および外界通信装置9は、車載ネットワークNにより互いに接続される。なお以下では、車両2を他の車両と区別するために「自車両」2と呼ぶこともある。
車両制御装置3は、車両2に搭載されて車両2の運転支援や走行制御を行うための演算処理を実施するECU(Electronic Control Unit)である。車両制御装置3は、外界センサ群4、車両センサ群5、地図情報管理装置6、外界通信装置9等から提供される各種入力情報に基づいて、車両2の運転支援または自動運転のための走行制御情報を生成し、アクチュエータ群7やHMI装置群8に出力する。
外界センサ群4は、車両2の周辺の状態を検出する装置の集合体である。外界センサ群4は、例えば、カメラ装置、ミリ波レーダ、LiDAR、ソナー等の各種センサが該当する。外界センサ群4は、車両2の周囲にある障害物や路面標示、標識、信号等の環境要素を検出し、これらの検出結果を車載ネットワークNを介して車両制御装置3に出力する。ここで、外界センサ群4は、車両2の周囲に存在する障害物の全てを必ずしも検出できるわけではなく、車両2の死角に潜んでいる障害物などは検出できない。以下では、外界センサ群4により検出可能であり、車両2の走行の障害となり得る障害物のことを、「顕在障害物」と呼ぶ。一方、外界センサ群4では検出できず、死角に潜んでおり車両2に向かって飛び出してくる可能性のある潜在的な障害物のことを、「潜在障害物」と呼ぶ。顕在障害物と潜在障害物の両方を含めて、単に「障害物」と呼ぶこともある。これらの障害物には、例えば、車両2以外の車両である他車両や、歩行者、道路への落下物、路端等が含まれる。また、「路面標示」とは、例えば、路面上に描画された白線、横断歩道、停止線等である。さらに、外界センサ群4は、自身のセンシング範囲やその状態に基づき、各環境要素の検出状態に関する情報も車載ネットワークNを介して車両制御装置3に出力してもよい。
車両センサ群5は、車両2の各種状態を検出する装置の集合体である。各車両センサは、例えば、車両2の位置情報、走行速度、操舵角、アクセルの操作量、ブレーキの操作量等を検出し、車載ネットワークNを介して車両制御装置3に出力する。
地図情報管理装置6は、車両2周辺のデジタル地図情報を管理及び提供する装置である。地図情報管理装置6は、例えば、ナビゲーション装置等により構成される。地図情報管理装置6は、例えば、車両2の周辺を含む所定地域のデジタル道路地図データを備えており、車両センサ群5から出力される車両2の位置情報等に基づき、地図上での車両2の現在位置、すなわち車両2が走行中の道路や車線を特定するように構成されている。また、特定した車両2の現在位置やその周辺の地図データを、車載ネットワークNを介して車両制御装置3に出力する。
アクチュエータ群7は、車両2の動きを決定する操舵、ブレーキ、アクセル等の制御要素を制御する装置群である。アクチュエータ群7は、運転者によるハンドル、ブレーキペダル、アクセルペダル等の操作情報や、車両制御装置3から出力される制御指令値に基づいて、操舵、ブレーキ、アクセル等の制御要素の動きを制御することで、車両2の挙動を制御する。
HMI装置群8は、運転者や乗員からの車両システム1に対する情報入力や、運転者や乗員に対する車両システム1からの情報通知を行うための装置群である。HMI装置群8には、ディスプレイ、スピーカー、バイブレータ、スイッチ等が含まれる。
外界通信装置9は、車両システム1の外部と無線通信を行う通信モジュールである。外界通信装置9は、例えば、車両システム1にサービスを提供・配信するセンタシステム(不図示)やインターネットと通信可能なように構成されている。
車両制御装置3は、処理部10と、記憶部30と、通信部40と、を有する。
処理部10は、例えば、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)を含んで構成される。ただし、CPUに加えて、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を含んで構成されてもよいし、いずれか1つにより構成されてもよい。
処理部10はその機能として、情報取得部11、顕在障害物予測部12、死角領域特定部13、車線グリッドマップ生成部14、車線リスクマップ生成部15、走行制御計画部16、および情報出力部17を有する。処理部10は、記憶部30に格納されている所定の動作プログラムを実行することで、これらを実現する。
情報取得部11は、車両制御装置3に接続された他装置から車載ネットワークNを介して各種情報を取得し、記憶部30に格納する。例えば、外界センサ群4が検出した車両2周辺の顕在障害物や外界センサ群4の検出領域に関する情報を取得し、車両2の周囲環境に関するセンサ認識データ群33として記憶部30に格納する。また、車両センサ群5等が検出した車両2の動きや状態等の情報を取得し、車両2の挙動に関する車両情報データ群31として記憶部30に格納する。さらに、地図情報管理装置6や外界通信装置9等から車両2が走行する道路に関連する情報を取得し、車両2が走行している道路の環境に関する道路環境データ群32として記憶部30に格納する。
顕在障害物予測部12は、情報取得部11により取得された道路環境データ群32とセンサ認識データ群33に基づいて、車両2周辺の顕在障害物の将来の挙動を予測する。例えば、顕在障害物は現在走行中の車線に沿って走行することを想定し、道路環境データ群32が表す車線情報を用いて、顕在障害物の将来の位置や速度を予測する。顕在障害物予測部12による顕在障害物の挙動の予測結果は、顕在障害物予測データ群34として記憶部30に記憶される。
死角領域特定部13は、情報取得部11により取得されたセンサ認識データ群33に含まれる外界センサ群4の検出領域の情報に基づいて、外界センサ群4の検出範囲に含まれず、そのため車両2の周囲で外界センサ群4が認識できない死角領域を、車両2の周辺において特定する。センサ認識データ群33では、例えば、OGM(Occupancy Grid Map)のような格子状マップ表現等により、外界センサ群4の検出領域そのものが表現されていてもよいし、あるいは、外界センサ群4の検出範囲(角度、距離等)と検出情報のセットのように、検出領域を特定するのに必要な情報が表現されていてもよい。外界センサ群4の検出情報とは、例えば、外界センサ群4を構成するLiDAR(Light Detection And Ranging)やRADAR(Radio Detection And Ranging)等によって取得される点群データである。死角領域特定部13が特定した死角領域の情報は、死角領域データ群35として記憶部30に格納される。
車線グリッドマップ生成部14は、情報取得部11により取得された車両情報データ群31と道路環境データ群32に基づいて、車両2の現在走行中の道路形状に沿った車線グリッドマップを生成する。車線グリッドマップとは、車両2が走行している道路の形状に沿って、当該道路の各車線を延伸方向に所定の距離単位で区切ったときの各位置の状態をグリッド状に表現したものであり、例えば格子状マップのようなものである。車線グリッドマップ生成部14が生成した車線グリッドマップの情報は、車線グリッドマップデータ群36として記憶部30に記憶される。
車線リスクマップ生成部15は、情報取得部11により取得された車両情報データ群31と、顕在障害物予測部12により生成された顕在障害物予測データ群34と、車線グリッドマップ生成部14により生成された車線グリッドマップデータ群36と、に基づいて、車両2周辺の道路に関する車線リスクマップを生成する。車線リスクマップとは、車両2周辺の顕在障害物に対する衝突リスクと、死角領域から車両2に向かって飛び出す可能性のある潜在障害物に対する衝突リスクと、を合わせた、車両2と障害物との衝突リスクを車線ごとに表したものである。車線リスクマップでは、車線グリッドマップ生成部14が生成した車線グリッドマップを用いて、各車線の延伸方向の各位置に対するリスク状態が表現される。車線リスクマップ生成部15が生成した車線リスクマップの情報は、車線リスクマップデータ群37として記憶部30に記憶される。
走行制御計画部16は、車線リスクマップ生成部15が生成した車線リスクマップ等に基づいて車両2が走行すべき軌道を計画することで車両2の計画軌道を決定し、その計画軌道に追従するように車両2を制御するためのアクチュエータ群7の制御指令値を決定する。走行制御計画部16が決定した計画軌道やアクチュエータ群7の制御指令値の情報は、走行制御データ群38として記憶部30に記憶される。
情報出力部17は、車両制御装置3に接続された他装置に対して、車載ネットワークNを介して各種情報を出力する。例えば、走行制御データ群38に含まれる制御指令値をアクチュエータ群7に出力し、車両2の走行を制御する。また、例えば、センサ認識データ群33や車線リスクマップデータ群37の情報、走行制御データ群38に含まれる計画軌道の情報などをHMI装置群8に出力し、車両2の乗員に提示する。これにより、自動運転中の車両2において、車両システム1が周辺の走行環境をどのように解釈し(センサ認識データ群33が表す顕在障害物や車線リスクマップデータ群37が表す車線リスクマップの表示)、どのような走行を計画しているか(走行制御データ群38が表す計画軌道の表示)を乗員に提示することができる。
記憶部30は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)などの記憶装置や、RAM(Random Access Memory)などのメモリを含んで構成される。記憶部30には、処理部10が処理するプログラムや、その処理に必要なデータ群等が格納される。また、処理部10がプログラムを実行する際の主記憶として、一時的にプログラムの演算に必要なデータを格納する用途にも利用される。本実施形態では、車両制御装置3の機能を実現するための情報として、車両情報データ群31、道路環境データ群32、センサ認識データ群33、顕在障害物予測データ群34、死角領域データ群35、車線グリッドマップデータ群36、車線リスクマップデータ群37、走行制御データ群38等が記憶部30に格納される。
車両情報データ群31とは、車両センサ群5等により検出された車両2の挙動に関するデータの集合である。車両2の挙動に関するデータとは、車両2の動きや状態等を表す情報であり、例えば、車両2の位置、走行速度、操舵角、アクセルの操作量、ブレーキの操作量、走行経路等の情報が含まれる。
道路環境データ群32とは、車両2周辺の道路環境に関するデータの集合である。道路環境に関するデータとは、車両2が走行している道路を含む車両2周辺の道路に関する情報である。これには例えば、車両2周辺の道路を構成する車線の形状や属性(進行方向、制限速度、走行規制等)に関する情報や、信号情報、各道路や車線の交通状態(平均速度等)に関する交通情報、過去事例などに基づく統計的知識情報、等が含まれる。道路・車線の形状や属性のような静的情報は、例えば、地図情報管理装置6等から取得される地図情報に含まれる。一方、信号情報や交通情報、統計的知識情報のような準動的もしくは動的な情報は、外界通信装置9を介して取得される。統計的知識情報とは、例えば、事故事例が多い地理的場所や時間帯、その事故類型に関する情報等を含む。なお、これら全ての情報を道路環境データ群32が含んでいなくてもよい。
センサ認識データ群33とは、外界センサ群4による検出情報または検出状態に関するデータの集合である。検出情報とは、例えば、外界センサ群4がそのセンシング情報に基づき特定した車両2周辺の顕在障害物や路面標示、標識、信号等の環境要素に関する情報や、外界センサ群4により取得された車両2周辺のセンシング情報そのもの(ミリ波レーダ、LiDAR、ソナー等の点群情報、カメラ画像、ステレオカメラの視差画像等)である。顕在障害物の検出情報には、例えば、外界センサ群4が検出した、車両2に対する顕在障害物の相対位置情報や、顕在障害物が移動物体である場合に複数フレームを連続で検出することにより得られた顕在障害物の移動方向、移動速度、加速度等を算出した情報や、LiDARの点群情報等から所定の認識アルゴリズムにより特定された顕在障害物の種別ラベル(歩行者、車両等)等が含まれてもよい。検出状態に関する情報とは、当該センサが検出した領域やその確度を示す情報であり、例えば、OGMのような格子状マップ等が含まれる。
顕在障害物予測データ群34とは、顕在障害物予測部12が予測した、外界センサ群4で検出された各顕在障害物の将来の挙動に関する情報の集合である。顕在障害物の将来の挙動に関する情報とは、例えば、現在から数秒後までの期間における一定時間毎の顕在障害物の走行状態(位置や進行方向や走行速度等)の情報を含む。顕在障害物予測データ群34は、情報取得部11により取得された道路環境データ群32とセンサ認識データ群33に基づき、顕在障害物予測部12によって生成、格納される。
死角領域データ群35とは、車両2の周辺で外界センサ群4の検出範囲に含まれない領域、すなわち外界センサ群4がセンシング情報を検出できていない領域を意味する死角領域に関するデータの集合である。死角領域に関するデータの表現例は、図7において後述する。死角領域データ群35は、情報取得部11により取得されたセンサ認識データ群33の情報に基づき、死角領域特定部13によって生成、格納される。
車線グリッドマップデータ群36とは、車両2が走行している道路の各車線の延伸方向における各位置を表現するデータの集合である。車線グリッドマップデータ群36は、例えば、車線毎に所定間隔で設定された格子状マップ等で表現される。車線グリッドマップデータ群36の例は、図4において後述する。車線グリッドマップデータ群36は、車線グリッドマップ生成部14によって生成、格納される。
車線リスクマップデータ群37とは、車両2の走行に対するリスクの高い領域を表現する車線毎のデータの集合である。車線リスクマップデータ群37では、例えば、車線グリッドマップデータ群36が表す各位置での障害物の現在または将来の占用状態、外界センサ群4により取得される各位置のセンシング状態(死角領域情報等)、車両2の状態等を考慮して決定された車両2の走行に対するリスクの高さが、車線毎に所定間隔で設定された格子状マップ等で表現される。車線リスクマップデータ群37は、車線リスクマップ生成部15によって生成、格納される。
走行制御データ群38とは、車両2の走行を制御するための計画情報に関するデータ群であり、車両2の計画軌道やアクチュエータ群7に出力する制御指令値等が含まれる。走行制御データ群38におけるこれらの情報は、走行制御計画部16によって生成、格納される。
通信部40は、車載ネットワークNを介して接続された他の装置との通信機能を有する。情報取得部11が他の装置から車載ネットワークNを介して各種情報を取得する際や、情報出力部18が車載ネットワークNを介して他の装置へ各種情報を出力する際には、この通信部40の通信機能が利用される。通信部40は、例えば、IEEE802.3やCAN(Controller Area Network)等の通信規格に準拠したネットワークカード等を含んで構成される。通信部40は、車両システム1において車両制御装置3と他の装置との間で、各種プロトコルに基づきデータの送受信を行う。
なお、本実施形態では、通信部40と処理部10とを分けて記載しているが、処理部10の中で通信部40の処理の一部が実行されてもよい。例えば、通信処理におけるハードウェアデバイス相当が通信部40に位置し、それ以外のデバイスドライバ群や通信プロトコル処理等は、処理部10の中に位置するように構成してもよい。
(システム動作)
次に図2~図10を用いて、本実施形態の車両システム1の動作を説明する。
車両制御装置3は、外界センサ群4等から取得した情報に基づいて、車両2の周囲車線上に存在する各顕在障害物に対する衝突リスクと、周囲車線上に存在する各死角領域における潜在障害物の飛び出しリスクとを判断し、これらの判断結果をマップ化した車線リスクマップを生成する。そして、生成した車線リスクマップを用いて車両2の計画軌道を設定し、車両2の走行制御を行うための制御指令値を生成してアクチュエータ群7に出力する。アクチュエータ群7は、車両制御装置3が出力する制御指令値に従い、車両2の各アクチュエータを制御する。これにより、車両2の走行制御が実現される。また、車両制御装置3は、車両2の走行制御にあたり、運転者や乗員に通知すべき情報としてHMI情報を生成し、HMI装置群8に出力する。これにより、運転者に走行上のリスクを認知させて安全運転を促すことや、自動走行中の車両システム1の状態を運転者や乗員に提示することができる。
図2は、車両制御装置3において実施される処理の相関関係を示す図である。車両制御装置3は、例えば、図1に示した情報取得部11、顕在障害物予測部12、死角領域特定部13、車線グリッドマップ生成部14、車線リスクマップ生成部15、走行制御計画部16、および情報出力部17の処理が、図2に示す順番で実行されるように構成されている。一連の処理は、例えば100msごとに定期的に実行される。
情報取得部11は、車載ネットワークNを介して他の装置から必要な情報を取得し、記憶部30に格納する。具体的には、車両センサ群5からは車両情報データ群31の情報を、地図情報管理装置6および外界通信装置9からは道路環境データ群32の情報を、外界センサ群4からはセンサ認識データ群33の情報をそれぞれ取得し、記憶部30に格納して後段の処理部に受け渡す。
顕在障害物予測部12は、情報取得部11により取得された道路環境データ群32とセンサ認識データ群33に基づいて、車両2周辺の顕在障害物の将来情報を予測し、その予測結果に基づく顕在障害物予測データ群34を記憶部30に格納して車線リスクマップ生成部15に受け渡す。ここで予測される顕在障害物の将来情報とは、例えば、現在から数秒後までの期間における一定時間毎の顕在障害物の将来走行情報(位置や進行方向や走行速度等)の集合を含む。顕在障害物の将来情報は、例えば、道路環境データ群32に含まれる車線形状の代表情報(例えば、車線中心線等)と、センサ認識データ群33に含まれる顕在障害物の位置情報とに基づいて、顕在障害物の走行車線を特定し、その車線形状の代表情報に沿って顕在障害物の位置、進行方向、走行速度などを予測することにより、求めることができる。
死角領域特定部13は、情報取得部11により取得されたセンサ認識データ群33に基づいて、死角領域データ群35を生成する処理を行い、その処理結果を記憶部30に格納して車線リスクマップ生成部15に受け渡す。このとき、センサ認識データ群33に死角領域データ群35相当の情報、すなわち外界センサ群4がセンシング情報を検出できていない領域を表す情報(例えば、OGM)が含まれる場合は、その情報に対して必要な補正(座標変換、時刻補正等)をかけることで、死角領域データ群35を生成することができる。一方、外界センサ群4が所定の処理周期ごとに検出した状態の情報、例えば検出範囲(角度、距離等)と検出情報のみがセンサ認識データ群33に含まれる場合は、前回の処理周期で生成した死角領域データ群35と組み合わせて、確率的に最も可能性の高い検出状態を推定し、その推定結果から死角領域を判断することで今回の死角領域データ群35を生成することが望ましい。
車線グリッドマップ生成部14は、情報取得部11により取得された車両情報データ群31と道路環境データ群32に基づいて、車両2が現在走行中である道路の形状に沿った車線グリッドマップを生成する処理を行い、その処理結果を表す車線グリッドマップデータ群36を記憶部30に格納して車線リスクマップ生成部15に受け渡す。車線グリッドマップは、例えば、車両2が現在走行中の車線を基準車線とし、車両2が現在走行中の車線以外の道路上にある車線(隣接車線等)を他車線として、これらの車線に対して設定される。具体的には、例えば基準車線のグリッドマップは、基準車線の延伸方向の所定間隔に基づいて生成される。一方、他車線のグリッドマップは、基準車線のグリッドマップに基づいて生成される。車線グリッドマップ生成部14による車線グリッドマップ生成の具体例は、図3において後述する。
車線リスクマップ生成部15は、情報取得部11により取得された車両情報データ群31と、顕在障害物予測部12が生成した顕在障害物予測データ群34と、死角領域特定部13が生成した死角領域データ群35と、車線グリッドマップ生成部14が生成した車線グリッドマップデータ群36と、に基づいて、車両2周辺の障害物に対する各車線での衝突リスクを評価し、その評価結果を表す車線リスクマップを生成する処理を行う。車線リスクマップは、車両2が外界センサ群4により検出された顕在障害物に衝突するリスクと、車両2が外界センサ群4の死角領域の中から高速で飛び出す潜在障害物に衝突する可能性のリスクと、を含むマップで表現される。車線リスクマップ生成部15は、生成した車線リスクマップに基づく車線リスクマップデータ群37を記憶部30に格納して、走行制御計画部16に受け渡す。車線リスクマップ生成部15による車線リスクマップ生成の具体例は、図6(車線衝突リスクマップ)と図7(車線飛び出しリスクマップ)において後述する。
走行制御計画部16は、車線リスクマップ生成部15が生成した車線リスクマップデータ群37や、情報取得部11が取得した車両情報データ群31、道路環境データ群32、センサ認識データ群33等に基づいて、車両2の走行制御の軌道を計画し、その軌道に追従するための制御指令値等を生成する。そして、生成した車両2の計画軌道や制御指令値から走行制御データ群38を生成する処理を行う。走行制御計画部16は、生成した走行制御データ群38を記憶部30に格納して情報出力部17に受け渡す。走行制御計画部16による走行制御計画の具体例は、図9と図10において後述する。
情報出力部17は、走行制御計画部16が生成した走行制御データ群38に基づいて、制御指令値をアクチュエータ群7に出力する。また、情報取得部11が取得したセンサ認識データ群33や、車線リスクマップ生成部15が生成した車線リスクマップデータ群37、走行制御計画部16が生成した走行制御データ群38等に基づき、車両2周辺の走行環境や計画軌道を乗員に提示するための情報をHMI装置群8に出力し、運転者や乗員への情報通知を実施する。
(車線グリッドマップの生成例)
図3は、車線グリッドマップ生成部14が行う車線グリッドマップ生成処理の説明図である。図3(a)は、車両2が走行する道路形状の一例を示す図であり、図3(b)は、図3(a)の道路形状に合わせて車線グリッドマップ生成に用いられる参照点の概念を示す図である。図3(c)は、図3(b)で示された参照点に基づいて生成される車線グリッドマップの一例を示す図である。
図3(a)に示す例では、車両2の走行中の道路が3つの車線(L0~L2)によって構成され、車両2が真ん中の車線L1を走行する。曲線300,310,320は、車線L0~L2の中心線をそれぞれ示している。この図では、車両2の前方で道路にS字のカーブがある。この道路形状と車両2の位置等に基づく車線グリッドマップ生成の概念を、図3(b)、(c)により説明する。
まず、図3(b)に示すように、車両2が走行している車線L1の中心線310上に、道路の延伸方向に沿って、所定の距離単位間隔で車線L1に対応する複数の参照点を設定する。今後の説明文では、車両2が走行中の車線L1の参照点を「代表点」と呼ぶこともある。具体的には、例えば、車線L1の中心線310上で車両2に一番近い点を求め、これを初期代表点3101-1として設定する。続いて、中心線310に沿って初期代表点3101-1から所定の距離単位、例えば300cm先にある点を、次の代表点に設定する。これを所定の回数繰り返すことにより、車線L1に対して複数の代表点が等間隔で設定される。なお、代表点の間隔300cmに限らず、例えば数十cmに設定してもよい。また、代表点の設定数により車線グリッドマップが表現できる延伸方向の範囲が決まるため、例えば車両2のセンサ検出能力に応じて代表点の数を決めてもよい。
次に、車線L1に対して設定された各代表点に基づいて、車両2の走行道路における他の車線に対する参照点を求める。例えば、各代表点における車線L1の延伸方向に対して直交する方向を求め、この直交方向と残りの車線L0,L2の中心線300,310との交点をそれぞれ計算することで、車線L0,L2に対して複数の参照点をそれぞれ設定することができる。
上記のようにして、車両2の走行道路の各車線に対して複数の参照点(代表点も含む)をそれぞれ設定できたら、各参照点の位置情報を車線グリッドマップの各グリッド点の位置情報として記憶する。
次に、図3(c)に示すように、図3(b)の処理によって求められた各参照点を車線グリッドマップ上にマッピングする。なお、車線グリッドマップは、元の道路形状とは異なり、各車線の延伸方向とそれに直交する直交方向により表現される。すなわち、車線グリッドマップは、車両2が実際に走行する道路の形状に拠らず、道路の延伸方向における各車線上の各位置の状態を表すことを目的として作成されるものであるため、図3(c)に示されているように、カーブのない格子状マップのような表現が用いられる。例えば、車線グリッドマップにおいて車線L2に対応する各グリッド点は、図3(c)の点3201~3210(実線の丸で示した各点)である。
車線グリッドマップ生成部14は、以上説明した車線グリッドマップ生成処理を行うことにより、車両2の走行道路の各車線に対して複数の代表点または参照点をそれぞれ設定し、これらの各点を格子状にマッピングして、走行道路の各車線を表す複数の直線上にそれぞれ等間隔で設定された複数のグリッド点を有する、図3(c)のような車線グリッドマップを生成することができる。なお、図3で説明した車線グリッドマップ生成処理を、以下では「正規化処理」と称する。
図3(c)において点線の丸で示した車線L0,L2上の各点は、図3(b)の各参照点に対応する車線グリッドマップ上の位置を示したものである。例えば、車線L2上の点3205-2は、図3(b)で示されている参照点3205-1の車線グリッドマップ上での位置を示している。この点3205-2の位置は、車線グリッドマップにおけるグリッド点3205の位置と異なっている。
図3(b)の各参照点を車線グリッドマップにマッピングする過程では、各参照点の元の位置情報が、車線グリッドマップの対応するグリッド点の情報の一部としてそれぞれ記憶される。例えば、車線L1上の代表点3105-1の位置情報は、グリッド点3105の情報として記憶され、車線L2上の参照点3205-1の位置情報は、グリッド点3205の情報として記憶される。このように、全ての参照点の位置情報が車線グリッドマップの各グリッド点に対応付けて、車線グリッドマップデータ群36として記憶部30に記憶される。なお、車線グリッドマップデータ群36のデータ形式の例は、図4において後述する。
ここで、参照点を車線グリッドマップにマッピングする過程では、道路の曲がりに応じた車線間の経路長の差により、車線グリッドマップの各グリッド点間の延伸方向の距離と、実際の道路形状における各車線の延伸方向の距離とが異なる場合がある。例えば、図3(c)で示すように、車線グリッドマップでは、グリッド点3205とグリッド点3206の間の距離と、グリッド点3206とグリッド点3207の間の距離とは同一である。一方、図3(c)において参考のために示されている、これら各点に対応する元の道路上の各点間の距離、すなわち、点3205-2と点3206-2の間の距離と、点3206-2と点3207-2の間の距離とは異なっており、同一ではない。その理由は、車線グリッドマップでは各グリッド点が一定の間隔で設定されるが、実際の道路ではその形状によっては、車線毎に延伸方向の距離が異なるためである。
本実施形態の車両制御装置3では、車線グリッドマップ生成部14が行う車線グリッドマップ生成処理において、上記のような正規化処理を行うことにより、車両2の走行道路の各車線に対して複数の代表点または参照点をそれぞれ設定する。そして、これら各点の位置情報を、格子状に配置された複数のグリッド点に対応付けてそれぞれ記憶し、車線グリッドマップを生成する。これにより、車線グリッドマップの複数のグリッド点にそれぞれ対応する道路の各車線上の位置の間隔を、各車線の形状の違いによる車線間での経路長の差に応じて車線毎に変化させることができる。
なお、車線リスクマップ生成部15において車線グリッドマップから車線リスクマップを生成するときには、正規化処理によって生じるグリッド点間の距離のずれを考慮する必要がある。車線リスクマップ生成時に距離ずれを考慮して行われる処理の内容は、図5の説明において後述する。
(車線グリッドマップデータ群の一例)
図4は、車線グリッドマップデータ群36の一例を示している。図4の車線グリッドマップデータ群36は、例えば、車線の識別子である車線ID401と、グリッド点のID402と、参照点のx-y位置情報403と、を含んで構成される。
図4の車線グリッドマップデータ群36では、前述の図3(b)、(c)で説明したように、各車線上に求められた参照点(車両2が走行している車線の場合は代表点)の元の地図上での位置情報を表すx-y座標値が、対応する各グリッド点に紐づけられている。例えば、図3(b)、(c)で示したように、グリッド点3105に対応する代表点3105-1の位置は、現在の車両2の位置に対して左側にずれている。そのため、図4の車線グリッドマップデータ群36において、グリッド点3105に対応付けて記憶されるy座標の位置情報は、車両2の位置から20cmずれている。なお、この例では、車両2の現在位置を基準として、その前方(進行方向)の位置をx座標値で表し、側方(進行方向に直交する方向)の位置をy座標値で表している。そのため、車両2の現在位置よりも左側にある参照点のy座標値は正の値になり、車両2の現在位置よりも右側にある参照点のy座標値は負の値になる。また、x座標上の正の値は車両2の前方を表し、負の値は車両2の後方を表す。
(車線リスクマップ生成処理の流れ)
図5は、車両制御装置3の車線リスクマップ生成部15が実行する処理を説明するフローチャートである。
まず、ステップS501において、車線リスクマップ生成部15は、情報取得部11が取得した車両情報データ群31と、車線グリッドマップ生成部14が生成した車線グリッドマップデータ群36とに基づいて、車線グリッドマップの各グリッド点における車両2の到達時間を算出する。ここでは、車両情報データ群31が表す車両2の位置情報と速度情報等から、車両2が車線グリッドマップ上の各グリッドに向かって走行する場合の各グリッド点への到達時間を算出する。
なお、図3の説明において前述したように、道路の曲がりに応じた各車線の形状の違いによる車線間の経路長の差がある場合には、正規化処理後の車線グリッドマップにおける各グリッド点間の距離は、実際の走行道路上の距離と異なる可能性がある。このような場合には、車線毎の延伸方向における各グリッド点間の距離ずれを考慮して、車線リスクマップを生成する必要がある。そのため、ステップS501では、例えば、車線グリッドマップデータ群36に含まれる各グリッド点のx-y座標から、車両2が車線上のグリッド点を辿ったときの道なり距離を計算し、その道なり距離と車両2の現在位置および走行速度の情報から、車両2の各グリッド点への到達時間を計算する。この処理により、車線グリッドマップ上の各グリッド点間の距離を車線毎の経路長の差に基づいて補正し、補正後の距離に基づいて各グリッド点での衝突リスクを算出することができる。
例えば、2車線の道路がカーブしている場合には、車線グリッドマップ上では車両2の現在位置から両車線上のグリッド点までの距離が同じに見える。しかしながら、ステップS501では、カーブ内側の車線上のグリッド点までの到達時間が相対的に短くなり、反対にカーブ外側の車線上のグリッド点までの到達時間が相対的に長くなるように、各グリッド点における車両2の到達時間が算出される。こうした算出方法により、格子状のグリッドマップを用いた場合でも、各車線上の各グリッド点までの到達時間を正確に算出することができる。
続いてステップS502において、車線リスクマップ生成部15は、顕在障害物予測部12が生成した顕在障害物予測データ群34が表す複数の顕在障害物の予測情報の中から、いずれか一つの顕在障害物の予測情報を選択する。そして、選択結果を次のステップS503に受け渡す。
続いてステップS503において、車線リスクマップ生成部15は、車線グリッドマップ生成部14が生成した車線グリッドマップデータ群36と、ステップS502で選択した顕在障害物の予測情報とに基づいて、当該顕在障害物が車線グリッドマップ上の各グリッド点へ到達する時間を算出する。例えば、顕在障害物の予測情報(位置、走行速度等)と、ステップS501と同様に各グリッド点のx-y座標から求まる道なり距離と、を用いて、顕在障害物の各グリッド点への到達時間を計算できる。なお、ステップS501とは違って、ステップS503では全てのグリッド点への到達時間を計算する必要はなく、顕在障害物の予測情報から顕在障害物が走行する可能性の有無を車線毎に判断し、可能性ありと判断した車線上の各グリッド点への到達時間のみを計算すればよい。
続いてステップS504において、車線リスクマップ生成部15は、ステップS501で求めた車両2の各グリッド点への到達時間情報と、ステップS503で求めた顕在障害物の各グリッド点への到達時間情報とを比較して、車両2と顕在障害物との衝突リスクを算出する。例えば、車両2の到達時間と顕在障害物の到達時間とが互いに重なっているグリッド点では衝突するリスクがあるとみなして、これらの重なり度合いから、該当するグリッド点に対する衝突リスクを算出する。このとき、車両2と顕在障害物との時間の重なりを分析するために、例えば、車両2と顕在障害物の幾何情報(長さなど)を考慮して、各グリッド点への到達時間を算出してもよい。具体的には、例えば車両2と顕在障害物に対して各グリッド点への侵入開始時点と終了時点をそれぞれ求めることで、これらが各グリッド点にそれぞれ存在する時間幅を求め、これらの時間幅同士の重なり度合いを比較することにより、衝突リスクを算出することが望ましい。
続いてステップS505において、車線リスクマップ生成部15は、顕在障害物予測部12が生成した顕在障害物予測データ群34の中に、次に選択すべき顕在障害物の予測情報が存在するか否かを判定する。顕在障害物予測データ群34の中に未選択の顕在障害物の予測情報が含まれる場合は、次に選択すべき顕在障害物の予測情報が存在すると判定してステップS502に戻り、ステップS502~S505の処理を繰り返すことで、次の顕在障害物に対する衝突リスクを算出する。一方、顕在障害物予測データ群34において全ての顕在障害物の予測情報を選択済みの場合は、ステップS506に移動する。
続いてステップS506において、車線リスクマップ生成部15は、死角領域特定部13が特定した死角領域を表す死角領域データ群35と、車線グリッドマップデータ群36とを照合する。その結果、車線グリッドマップ上でいずれかのグリッド点が死角領域の中にある場合は、そのグリッド点の情報を車線グリッドマップと関連付けて記録しておくことにより、死角領域を車線グリッドマップに反映させる。例えば、グリッド点毎に設定されるリスク値により死角領域を表現してもよいし、グリッド点毎に付されたフラグ等で死角領域を表現してもよい。
続いてステップS507において、車線リスクマップ生成部15は、車線グリッドマップデータにおいて車両2の走行道路に含まれる車線のいずれかを、分析対象の車線Lとして選択する。ここでは例えば、車線グリッドマップデータ群36に含まれる車線IDを順番に一つずつ選択し、その選択結果をステップS508に受け渡すことで、分析対象の車線Lの選択を行う。
続いてステップS508において、車線リスクマップ生成部15は、ステップS506で車線グリッドマップに反映させた死角領域に基づいて、ステップS507で選択した車線L上に存在する死角領域の境界点を探索する。死角領域の境界点とは、車線L上で死角領域内に存在するグリッド点のうち、死角領域と非死角領域との境界(死角領域境界)に最も近いと考えられる点のことである。例えば、グリッド点を車線の延伸方向に沿って順番に探索した結果、あるグリッド点が死角領域内にあり、次の点が非死角領域内にある場合は、前者のグリッド点を死角領域の境界点として扱う。また、あるグリッド点が非死角領域内にあり、次の点が死角領域内にある場合は、後者のグリッド点を死角領域の境界点として扱う。例えばこのようにして、死角領域境界に対応する境界点を車線L上で特定することができる。
続いてステップS509において、車線リスクマップ生成部15は、ステップS508で特定した死角領域の境界点に基づいて、死角領域境界上に潜在障害物を仮想的に生成し、その潜在障害物の挙動に関する予測情報を生成する。ここでは、死角領域から車両2に向かって潜在障害物が飛び出す可能性を考慮して、例えば、潜在障害物の位置、幾何形状、飛び出し速度、走行車線などを予測し、これらの予測結果を表す予測情報を生成する。このとき、例えば道路環境データ群32を参照することで、車両2が走行している道路の規制内容(走行速度制限、指向方向等)を取得し、これに基づいて潜在障害物の挙動を予測してもよい。
続いてステップS510において、車線リスクマップ生成部15は、車線グリッドマップ生成部14が生成した車線グリッドマップデータ群36と、ステップS509で生成した潜在障害物の予測情報とに基づいて、潜在障害物が車線グリッドマップ上の各グリッド点へ到達する時間を算出する。ここでは、ステップS503と同様の方法により、潜在障害物の各グリッド点への到達時間を計算できる。ただし、潜在障害物は死角領域からいつ飛び出すかを特定できないため、潜在障害物の到達時間に幅を持たせて計算することが好ましい。
続いてステップS511において、車線リスクマップ生成部15は、ステップS501で求めた車両2の各グリッド点への到達時間情報と、ステップS510で求めた潜在障害物の各グリッド点への到達時間情報とを比較して、車両2と潜在障害物との衝突リスクを算出する。ここでは、ステップS504と同様の方法により、各グリッド点の衝突リスクを算出することができる。
続いてステップS512において、車線リスクマップ生成部15は、車線グリッドマップデータ群36に含まれる車線IDの全てについて、上記のステップS507~S511の処理による分析が完了したか否かを確認する。未分析の車線IDが存在する場合はステップS507に戻り、ステップS507~S511の処理を繰り返すことで、次の車線IDに対する分析を行う。一方、車線グリッドマップデータ群36において全ての車線IDを分析済みの場合は、ステップS513に移動する。
最後にステップS513において、車線リスクマップ生成部15は、ステップS504で算出した顕在障害物に対する衝突リスクと、ステップS506で反映した死角領域と、ステップS511で算出した潜在障害物に対する衝突リスクとを用いて、車線リスクマップを生成する。ここでは、ステップS504,S506,S511の各処理結果を車線グリッドマップの各グリッド点において合体することで、車両2と顕在障害物または潜在障害物との衝突リスクの情報や、車両2の周囲において外界センサ群4では認識できない死角領域の情報などを含んだ車線リスクマップを、車線グリッドマップと同じ構成で生成する。これにより、車両2と障害物との衝突リスクを道路の車線ごとに表した車線リスクマップを生成することができる。
なお、一つのグリッド点に複数のリスク情報等が存在する場合には、例えば、各種情報の反映優先度に応じて、車線リスクマップ上で表現するリスク情報を選択してもよい。その一例を以下に説明する。
まず、顕在障害物との衝突リスクには、一番高い優先度を割り当てる。そのため、他のリスク情報が同じグリッド点に作成された場合でも、そのグリッド点には顕在障害物との衝突リスクの情報を反映させる。次に、死角領域情報には、顕在障害物との衝突リスクの次に高い優先度を割り当てる。最後に、潜在障害物との衝突リスクには、一番低い優先度を割り当てる。これにより、各リスク情報を優先度に応じて車線リスクマップに反映させることができる。
あるいは、車線リスクマップに反映するリスク情報を他の方法で選択してもよい。例えば、死角領域情報や潜在障害物との衝突リスクは、不確かなリスク情報、つまり潜在的なリスク情報を表すものとみなして取り扱うこともできる。その場合には、例えば、顕在障害物との衝突リスクは優先度が一番高く、そのため顕在障害物との衝突リスクがあるグリッド点では、そのリスク情報で他の潜在的なリスク情報を必ず上書きするようにしてもよい。
ステップS513を終えたら、車線リスクマップ生成部15は、ステップS513で生成された車線リスクマップを記憶部30の車線リスクマップデータ群37に記録して、図5のフローチャートに示す処理を終了する。
(車線リスクマップ生成部の動作例)
続いて、図6~図7を用いて、図5のフローチャートで説明した車線リスクマップ生成部15の処理の具体的な動作例を説明する。
図6は、図5で説明されたステップS501~S505において実施される顕在障害物との衝突リスク算出処理の具体例を示す図である。図6では、自車両2と顕在障害物である他車両600が走行する道路を車線グリッドマップで表現した例が示されている。図6(a)、(b)、(c)は、他車両600が自車両2を追い越すシーンにおいて、自車両2と他車両600の車線グリッドマップ上での位置関係を、時系列順に3つのタイミング(T=1、T=2、T=3)でそれぞれ示したものである。このシーンでは、自車両2が車線L1を前方に走行し、他車両600が車線L2を自車両2よりも速い速度で走行することを想定している。
図6(a)に示すように、T=1のタイミングでは、他車両600が自車両2の後ろから接近する。このとき、まずステップS501において、車線リスクマップ生成部15は、自車両2が走行中の道路の各車線L0、L1、L2の各グリッド点へ到達する時間を、自車両2の侵入開始時点と終了時点としてグリッド点毎に算出し、記憶する。次にステップS502において、車線リスクマップ生成部15は、顕在障害物予測データ群34から他車両600の予測情報を選択する。ここでは、他車両600の予測情報として、他車両600が車線L2に沿って現在と同速度で走行することを示す情報が選択される。続いてステップS503において、車線リスクマップ生成部15は、他車両600の予測情報に従って、他車両600が車線L2上の各グリッド点へ到達する時間を、他車両600の侵入開始時点と終了時点としてグリッド点毎に算出し、記憶する。
続いてステップS504において、車線リスクマップ生成部15は、ステップS501,S503でそれぞれ記憶した自車両2と他車両600の侵入開始時点と終了時点をグリッド点毎に比較し、互いの侵入開始時点から終了時点までの期間が重なっているグリッド点を、顕在障害物との衝突リスクがあるグリッド点として記憶する。図6(a)では、顕在障害物との衝突リスクがあるグリッド点を黒点622-1~624-1で示している。つまり、自車両2が車線変更を行う際に車線L2上のグリッド点622-1、623-1、624-1にそれぞれ到達する時間と、他車両600がこれらのグリッド点に到達する時間とは、互いに重なっているということである。
図6(a)に示すように、他車両600が自車両2から離れているときには、他車両600が自車両2と衝突するまでの時間が長くなるため、主に自車両2の前方に対して顕在障害物との衝突リスクのあるグリッド点が算出される。一方、図6(b)に示されているように、タイミングT=2で他車両600がさらに自車両2に接近した場合、他車両600が自車両2と衝突するまでの時間が短くなるため、主に自車両2の側方に対して顕在障害物との衝突リスクのあるグリッド点が算出される。すなわち、図6(a)では、自車両2から遠方にあるグリッド点624-1が顕在障害物との衝突リスクのあるグリッド点として算出されているのに対して、図6(b)では、自車両2から遠方にあるグリッド点624-2が衝突リスクのないグリッド点となっている。また、図6(a)では、自車両2の側方にあるグリッド点621-1は衝突リスクのないグリッド点であるのに対して、図6(b)では、自車両2の側方にあるグリッド点621-2が顕在障害物との衝突リスクのあるグリッド点として算出されている。
その後、図6(c)で示されているように、他車両600がさらに自車両2に接近すると、衝突リスクのあるグリッド点の位置がさらに自車両2の側方に限定される。具体的には、図6(c)では、自車両2の側方にあるグリッド点621-3,622-3のみが衝突リスクのあるグリッド点として算出され、自車両2の斜め前方にあるグリッド点623-3は衝突リスクのないグリッド点となっている。このように、自車両2と他車両600の位置関係が変化すると、それに応じて自車両2と他車両600のそれぞれの侵入開始時点から終了時点までの期間が重なるグリッド点の範囲が変化するため、車線グリッドマップ上の衝突リスクがある領域が変化する。
最後に、図5のステップS505において、車線リスクマップ生成部15は、他車両600以外の他の顕在障害物の予測情報が車線リスクマップ生成部15において存在するか否か、つまり他の顕在障害物が存在するか否かを確認する。図6のシーンでは、他の顕在障害物がないため、ここで生成された衝突リスク情報が次ステップ以降の処理で使用される。
図7は、図5で説明されたステップS506~S512において実施される潜在障害物との衝突リスク算出処理の具体例を示す図である。図7において、図7(a)と図7(b)は本例のシーンを説明する図であり、図7(c)はステップS506~S512を説明する図である。そのため、図7(a)と図7(b)では、自車両2の周辺における実際の道路形状を用いて、自車両2の走行道路環境を示している。一方、図7(c)では、自車両2が走行している道路の各車線に対して生成された車線グリッドマップを用いて、自車両2の走行道路環境を示している。また図7では、前述の図6とは違うシーンを用いて、自車両2の走行車線の隣にある車線の後方を外界センサ群4が認識できず死角領域になっており、この死角領域からの潜在障害物の飛び出しリスクを算出することを説明する。
図7(a)は、外界センサ群4により自車両2の後方の道路領域を検出する様子の一例を示す図である。自車両2が3つの車線L0,L1,L2で構成される道路において中央の車線L1を走行しているときに、自車両2に搭載される外界センサ群4による後方の認識範囲は、例えば、後方認識領域731,732,733で示される。この場合、自車両2の後方において、自車両2が走行している車線L1と、その左右の隣接車線L0,L2との状態が、外界センサ群4により大体認識できることを確認できる。
図7(b)は、図7(a)と同じセンサ認識範囲において、車線L1上で自車両2の後方に他車両700が顕在障害物として走行している様子を示す図である。この場合、後方認識領域733のほとんどと、後方認識領域731,732の一部とが他車両700によってそれぞれ遮蔽されることで、他車両700の後方の領域が自車両2からは確認できない死角領域734になっている。すなわち、他車両700により、車線L1の後方が死角領域になっているだけではなく、隣の車線L0,L2の後方も死角領域になっていることを確認できる。
図7(c)は、図5のステップS506~S512の処理の具体例を示す図である。まず、ステップS506において、車線リスクマップ生成部15は、死角領域734を車線グリッドマップに反映する。ここでは、死角領域734の中にある各グリッド点に対して、死角領域内にあることを示す情報を記憶する。この情報は、例えばリスク値で設定してもよいし、フラグ設定等としてもよい。続いて、ステップS507において、車線リスクマップ生成部15は、車線L,L1,L2のいずれかを分析対象の車線として選択する。続いて、ステップS508において、車線リスクマップ生成部15は、ステップS507で選択された車線で死角領域734の境界に位置するグリッド点を、死角領域境界点として特定する。図7(c)の場合は、車線L0,L2において、グリッド点701,721がそれぞれ死角領域734の死角領域境界点として特定される。
続いてステップS509において、車線リスクマップ生成部15は、死角領域境界点701,721に基づいて、死角領域434から飛び出す可能性がある潜在障害物を表す仮想車両741,742の情報を生成する。具体的には、例えば、仮想車両741,742を死角領域境界点701,721の位置にそれぞれ仮想的に配置し、さらにこれらの走行情報(走行車線、車速等)を、道路環境データ群32が表す道路規制情報等に基づいて生成する。
続いて、ステップS510において、車線リスクマップ生成部15は、ステップS509で生成した仮想車両741,742の走行情報に基づいて、仮想車両741,742の各グリッド点への到達時間を算出する。例えば、仮想車両741と仮想車両742が車線L0上と車線L2上を自車両2と同一方向にそれぞれ走行する場合、仮想車両741,742に対してそれぞれ設定された車速を用いて、仮想車両741,742が車線L0,L2の各グリッド点までそれぞれ到達する時間を、仮想車両741,742の侵入開始時点と終了時点として算出する。
続いてステップS511において、車線リスクマップ生成部15は、ステップS501で算出された自車両2の到達時間情報と、ステップS510で算出された仮想車両741,742の到達時間情報とを、グリッド点毎に比較する。そして、仮想車両741,742がそれぞれ配置された死角領域境界点701,721の前方において、自車両2と仮想車両741,742とで侵入開始時点から終了時点までの期間が重なっている各グリッド点を、潜在障害物との衝突リスクがあるグリッド点として記憶する。これにより、車線L0上の各グリッド点702と、車線L2上の各グリッド点722とが、潜在障害物との衝突リスクがあるグリッド点として記憶される。なお、ステップS507において分析対象の車線として一度に選択されるのは1つの車線であるため、車線L0における処理と車線L2における処理とは、別々の処理サイクルで行われる。
最後にステップS512において、車線リスクマップ生成部15は、ステップS507で選択した車線が、自車両2の走行道路中で最後の車線か否かを確認する。自車両2の走行道路において未選択の車線が存在しない場合は、最後の車線であると判定し、ステップS513に移行する。自車両2の走行道路において未選択の車線が存在する場合は、最後の車線ではないと判定し、ステップS507に戻って次の分析対象の車線を選択する。
車線リスクマップ生成部15は、図6と図7を参照して説明した上記の処理によって、車線グリッドマップの各グリッド点における顕在障害物および潜在障害物の衝突リスクと、死角情報とを生成する。そして、図5のステップS513で説明したように、最後にこれらの情報を合体して車線リスクマップデータ群37を生成し、記憶する。
以上により、本実施形態の車両システム1が実行する車線リスクマップ生成部15の具体的な処理を説明した。
(走行制御計画処理の流れ)
図8は、車両制御装置3の走行制御計画部16が実行する処理を説明するフローチャートである。
まず、ステップS801において、走行制御計画部16は、情報取得部11が取得した道路環境データ群32と、顕在障害物予測部12が生成した顕在障害物予測データ群34と、例えばHMI装置群8により取得された運転者や乗員の入力信号とに基づいて、車両2が車線変更を開始するか、あるいは現在走行中の車線を維持するかを判断する。車線変更を行う場合は、ステップS802に移行する。車線変更を行わない場合は、ステップS808に移行する。
続いてステップS802において、走行制御計画部16は、情報取得部11が取得した道路環境データ群32に基づいて、車両2が車線変更を実施する際の目標車線を設定する。例えば、車両2が現在走行中の車線から右隣の車線へと車線変更する場合は、その右隣の車線を目標車線として設定する。
続いてステップS803において、走行制御計画部16は、情報取得部11が取得した車両情報データ群31および道路環境データ群32と、ステップS802で設定した目標車線とに基づいて、目標車線への車両2の走行軌道を生成する。ここでは、例えば現在から数秒先までの車両2の走行状態(位置、車速、進行方向等)を、道路規則や安全性や乗り心地等を考慮して決定することにより、目標車線への車両2の走行軌道を生成することができる。
続いてステップS804において、走行制御計画部16は、情報取得部11が取得した道路環境データ群32と、車線リスクマップ生成部15が生成した車線リスクマップデータ群37と、ステップS803で生成した車両2の走行軌道とに基づいて、走行軌道の評価を行う。ここでは、例えば車線リスクマップに含まれる各車線の延伸方向における各位置(グリッド点)のリスク情報と、走行軌道とを照合させることにより、走行軌道のリスク度合いがどの程度であるかの評価を行う。
なお、ステップ803ではx-y座標で表現される地図上の位置に従って走行軌道が生成される一方、車線リスクマップ生成部15では各車線の延伸方向(車線座標)に従って車線リスクマップが生成される。そのため、ステップS804では、前述のように車線リスクマップデータ群37に含まれている各グリッド点に対応する参照点の位置情報、すなわちx-y座標で表される元の地図上での位置情報と、道路環境データ群32に含まれる車線幅等の情報とを用いて、車線リスクマップの各グリッド点の位置を走行軌道の位置情報と比較する必要がある。このような位置情報の比較により、車線リスクマップにおいて、車両2が走行軌道に沿って走行するときに通るグリッド点を明確に特定することができる。
また、車線リスクマップデータ群37では、各グリッド点に対応する位置での各車線のリスク状態を車線リスクマップにより表現している。そのため、ステップS804において走行軌道の評価を行う際には、車線リスクマップデータ群37を、各グリッド点の場所だけではなく、車線幅を持った車線領域範囲でのリスク状態を表現している情報として扱ってもよい。その場合、車両2が走行軌道に沿って走行することにより、車両2の車体が少しでも目標車線に入ったときに、走行軌道が車線リスクマップのグリッド点に通過したと扱ってもよい。
上記のようにして、車線リスクマップと走行軌道とを照合することにより走行軌道に対応するグリッド点を特定できたら、そのグリッド点のリスク値を用いて走行軌道を評価する。例えば、走行軌道に対応するグリッド点のリスク状態が、顕在障害物や潜在障害物との衝突リスクが高い状態を表している場合、これらの障害物との衝突リスクありと走行軌道を評価してもよい。他にも、例えば潜在障害物との衝突リスクがあるグリッド点と走行軌道とが重なっていた場合、そのリスク度に基づいて走行軌道の評価値を計算し、計算結果を次のステップS805に送ってもよい。例えば、リスク度が低い場合は走行軌道の評価値を高くし、リスク度が高い場合は走行軌道の評価値を低く設定することで、潜在障害物に対する走行軌道の評価値を求めることができる。
続いてステップS805において、走行制御計画部16は、ステップS804の評価結果を踏まえて、ステップS803で生成した走行軌道を修正する必要があるか否かを判断する。例えば、走行軌道がリスクと重なっているという評価結果がステップS804から送られた場合、走行軌道を修正する必要があると判断してもよい。他にも、例えばステップS804から送られた走行軌道の評価値が低い場合には、走行軌道を修正する必要がないと判断することも考えられる。なお、単純に車線変更の軌道を修正するだけではなく、例えば、車両2の走行軌道によりリスク度を減らして、評価値を上げるような行動をとることも考えられる。例えば、車両2の走行軌道が潜在的なリスクと重なっている場合、車両2の視界を改善して潜在的なリスクを減らすような走行軌道を生成し、これによって車線変更の際の走行軌道の評価値を上げるような行動を車両2がとるように制御することも考えられる。
ステップS805で走行軌道を修正する必要があると判断された場合、続いてステップS806において、走行制御計画部16は、走行軌道の修正を実行する。ここでは、ステップS803と同様にして新しい走行軌道の候補を生成した後、その走行軌道候補が再びリスク状態であるグリッド点を通過するか否かを評価するために、ステップS804に戻る。
ステップS805で走行軌道を修正する必要がないと判断された場合、最後にステップS807において、走行制御計画部16は、ステップS803またはS806で最後に生成した走行軌道に従って、車両2の車線変更を実施する。具体的には、例えば走行軌道の情報をアクチュエータ制御情報に変換し、記憶部30の走行制御データ群38に記録する。走行制御データ群38に記録されたアクチュエータ制御情報はアクチュエータ群7に送信され、アクチュエータ群7が実施する車両2の制御に利用される。
一方、ステップS801において車線変更を行わないと判定された場合、ステップS808において、走行制御計画部16は、車両2が現在走行中の車線を維持するための車線維持処理を実行する。ここでは、顕在障害物との衝突判定等、安全担保の処理を含めて、車両2が現在走行している車線の走行を維持するような走行軌道を生成する。
ステップS807またはS808を終えたら、走行制御計画部16は、図8のフローチャートに示す処理を終了する。
(走行制御計画部の動作例)
続いて、図9~図10を用いて、図8のフローチャートで説明した走行制御計画部16の処理の具体的な動作例を説明する。
図9は、図8の処理における軌道生成、評価、修正の具体例を示す図である。図9では、自車両2が車線L1から車線L2に車線変更を行おうとしたときに、車線L2を走行する顕在障害物である他車両900が後方から接近しており、車線変更時に自車両2と衝突する可能性があるシーンが示されている。以下では、軌道生成、評価、修正の各処理について、図9(a)、(b)、(c)の具体例をそれぞれ用いて説明する。
図8のステップS801,S802およびS803において、走行制御計画部16は、道路環境データ群32が表す自車両2の周囲の道路環境情報と、車両情報データ群31が表す自車両2の挙動情報と、顕在障害物予測データ群34が表す顕在障害物の情報と、に基づいて、自車両2が車線変更を行うときの目標車線の決定を行う。具体的には、例えば図9(a)に示すように、車線L1を走行中の自車両2に対して車線変更後の目標車線を車線L2に決定し、車線L1から車線L2までの車線変更軌道931を生成する。
次にステップS804において、走行制御計画部16は、車線変更軌道931を車線リスクマップの各グリッド点と比較し、車線変更軌道931の評価を行う。具体的には、例えば図9(b)に示すように、車線変更軌道931と、他車両900の将来の予測軌道に関して自車両2との衝突リスクがあると車線リスクマップで示されたグリッド点921~923とが重なっているか否かを評価する。このとき、自車両2と車線L2の幅情報を活用してもよい。その結果、自車両2が車線変更軌道931に沿って走行すると、図中の領域940において自車両2とグリッド点923の距離が所定値未満となるため、自車両2がグリッド点923の上を走行することを確認できる。これは、自車両2が他車両900と衝突する恐れがあることを意味する。
続いてステップS805において、走行制御計画部16は、車線変更軌道931を修正する必要があると判断し、ステップS806において車線変更軌道931の修正処理を行う。その結果、例えば図9(c)に示すように、車線変更軌道931に替えて新しい車線変更軌道932が生成される。
なお、図9を用いた上記の説明では、自車両2が修正後の車線変更軌道932に沿って走行することで他車両900との衝突が避けられることを直観的に理解しにくい。そのため、以下では図10により自車両2の具体的な動きを説明することで、修正後の車線変更軌道932によって自車両2が他車両900との衝突を回避できることを説明する。
図10は、図9(c)に示した修正後の車線変更軌道932に従って自車両2を車線変更させたときのシーンの一例を示す図である。図10(a)、(b)、(c)は、修正後の車線変更軌道932と各グリッド点の衝突リスクを固定させ、T=1、T=2、T=3の各タイミングでの自車両2と他車両900の動きの様子をそれぞれ示している。
図10(a)では、T=1のタイミングにおける自車両2と他車両900の位置関係の一例を示している。この例では、自車両2が車線変更軌道932に沿って移動を開始し、他車両900が車線L2の延伸方向で車両2に接近している。このとき自車両2は、車線変更軌道932に従って、まだ車線L2への移動を開始せずに車線L1の走行を続けることで、衝突リスクのあるグリッド点921~923を避けながら他車両900の通過を待つ。
図10(b)では、T=2のタイミングにおける自車両2と他車両900の位置関係の一例を示している。この例では、他車両900がT=1のタイミングよりもさらに前進し、自車両2を追い越して進行している。また同時に、自車両2は、車線変更軌道932に沿って車線L1から車線L2に少しずつ移動し始めているが、まだ衝突リスクのあるグリッド点921~923を避けているため、他車両900とは衝突しない。
図10(c)では、T=3のタイミングにおける自車両2と他車両900の位置関係の一例を示している。この例では、他車両900が自車両2の追い越しを完了している。このとき自車両2は、他車両900との衝突が回避できたため、他車両900の後ろの領域において車線L2に移動し、衝突リスクのないグリッド点924に侵入する。自車両2がこのまま車線変更軌道932に沿って走行し続けることで、他車両900に衝突せずに車線L2への車線変更を完了させることができる。
以上により、本実施形態の車両システム1が実行する走行制御計画部16の具体的な処理を説明した。車両2に搭載されるECUである車両制御装置3において、車線リスクマップ生成部15が生成する車線リスクマップデータ群37は、車両2が走行している道路の各車線について、その延伸方向の各位置に対するリスク状態を表現する。このような表現であるため、走行制御計画部16が走行軌道評価(図8のステップS804の処理)を行うときには、車線リスクマップデータ群37の各グリッド点に記憶されているリスク状態と比較するだけで、走行軌道の評価が可能である。そのため、車両制御装置3において走行軌道の評価に必要な計算量を大幅に抑えることができる。
以上説明した本発明の一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)自車両2に搭載される車両制御装置3は、情報取得部11と、顕在障害物予測部12と、車線リスクマップ生成部15と、を備える。情報取得部11は、自車両2の挙動に関する車両情報を表す車両情報データ群31と、自車両2が走行している道路の環境に関する道路環境情報を表す道路環境データ群32と、自車両2に搭載された外界センサ群4によって認識された自車両2の周囲環境に関するセンサ認識情報を表すセンサ認識データ群33と、を取得する。顕在障害物予測部12は、道路環境データ群32およびセンサ認識データ群33に基づいて、自車両2の走行の障害となり得る顕在障害物の将来の挙動を予測する。車線リスクマップ生成部15は、車両情報データ群31と、顕在障害物予測部12により予測された顕在障害物の将来の挙動とに基づいて、自車両2と障害物との衝突リスクを道路の車線ごとに表した車線リスクマップを生成する。このようにしたので、周辺車両の数に関わらず、自車両の走行リスクを適切に評価することができる。
(2)車両制御装置3は、車両情報データ群31および道路環境データ群32に基づいて、道路の各車線を表す複数の直線上にそれぞれ等間隔で設定された複数のグリッド点を有する車線グリッドマップを生成する車線グリッドマップ生成部14を備える。車線リスクマップ生成部15は、車線グリッドマップの各グリッド点における衝突リスクを算出することにより(ステップS504,511)、車線リスクマップを生成する。このようにしたので、走行軌道の評価に適した形式で車線リスクマップを生成することができる。
(3)車線グリッドマップ生成部14は、車線グリッドマップを生成する際に、道路の各車線上で複数のグリッド点にそれぞれ対応する位置の間隔を、道路の各車線の形状の違いによる車線間での経路長の差に応じて車線毎に変化させる正規化処理を行う。具体的には、例えば図3で説明したように、正規化処理は、道路における自車両の走行車線上に複数の代表点を等間隔で設定する処理と、設定した複数の代表点における走行車線の延伸方向とそれぞれ直交し、かつ複数の代表点をそれぞれ通る複数の直線を設定する処理と、設定した複数の直線と走行車線を除いた道路の各車線との交点を、複数の代表点にそれぞれ対応する複数の参照点として設定する処理と、代表点および参照点の位置情報を、車線グリッドマップの各グリッド点に対応付けてそれぞれ記録する処理と、を含む。このようにしたので、道路がカーブしている等の理由により道路の各車線間で経路長の差が生じる場合であっても、その道路の各車線を車線グリッドマップ上で正確に表現することができる。
(4)車線リスクマップ生成部15は、車線グリッドマップの各グリッド点間の距離を車線間の経路長の差に基づいて補正し(ステップS501,S503,S510)、補正後の距離に基づいて衝突リスクを算出する(ステップS504,S511)。このようにしたので、道路がカーブしている等の理由により道路の各車線間で経路長の差が生じる場合であっても、各グリッド点における衝突リスクを適切に算出することができる。
(5)車両制御装置3は、自車両2の周囲で外界センサ群4が認識できない死角領域を特定する死角領域特定部13を備える。車線リスクマップ生成部15は、死角領域から出現し得る潜在障害物を予測し(ステップS509)、車両情報データ群31と、顕在障害物の将来の挙動と、潜在障害物の予測結果とに基づいて、車線リスクマップを生成する(ステップS513)。このようにしたので、外界センサ群4が認識できない死角領域からの障害物の飛び出しをさらに考慮して、より安全性の高い車線リスクマップを生成することができる。
(6)車両制御装置3は、車両情報データ群31および道路環境データ群32に基づいて、道路の各車線を表す複数の直線上にそれぞれ等間隔で設定された複数のグリッド点を有する車線グリッドマップを生成する車線グリッドマップ生成部14を備える。車線リスクマップ生成部15は、車線グリッドマップ上の各グリッド点における自車両と顕在障害物との衝突リスク(第1の衝突リスク)と、車線グリッドマップ上の各グリッド点における自車両と潜在障害物との衝突リスク(第2の衝突リスク)とをそれぞれ算出し、第1および第2の衝突リスクの算出結果に基づいて車線リスクマップを生成する。具体的には、車線リスクマップ生成部15は、車線グリッドマップの各グリッド点における自車両、顕在障害物および潜在障害物の到達時間をそれぞれ算出する(ステップS501,S503,S510)。そして、自車両の到達時間と顕在障害物の到達時間とを比較することにより、第1の衝突リスクを算出し(ステップS504)、自車両の到達時間と潜在障害物の到達時間とを比較することにより、第2の衝突リスクを算出する(ステップS511)。このようにしたので、外界センサ群4により認識可能な顕在障害物と、外界センサ群4により認識できない死角領域からの潜在障害物との両方を考慮して、自車両の周囲におけるこれらの障害物との衝突リスクを適切に表した車線リスクマップを生成することができる。
なお、以上で説明した実施形態は一例であり、本発明はこれに限られない。すなわち、様々な応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、車線変更の例が示されているが、他の運転行動、例えば、車線マージの時や顕在障害物の追い越しの時等にも応用可能である。
例えば、上記実施形態では、図3(b)において、車線グリッドマップ生成処理を行う際に使用する車線の中心線情報を道路環境データ群32から取得する例を説明したが、これを取得できない場合もある。その場合は、例えば、車線境界情報や走行可能領域等に基づく車線中心線の追加計算を行い、この計算結果から車線の中心線情報を取得できるようにしてもよい。
例えば、上記実施形態では、車線リスクマップ生成部15において、道路環境データ群32から道路規制情報に取得し、これに基づいて潜在障害物の予測情報を生成する例を説明したが、道路規制情報を他のあらゆる手段で取得してもよい。例えば、車両2の現在走行領域の地図情報を地図情報管理装置6から取得し、この地図情報に含まれる制限速度情報等に基づいて潜在障害物の予測情報を生成してもよい。あるいは、外界センサ群4により認識される標識や信号情報に基づいて潜在障害物の予測情報を生成してもよい。これ以外にも、任意の方法で潜在障害物の予測情報を生成することができる。
1:車両システム、2:車両、3:車両制御装置、4:外界センサ群、5:車両センサ群、6:地図情報管理装置、7:アクチュエータ群、8:HMI装置群、9:外界通信装置、10:処理部、11:情報取得部、12:顕在障害物予測部、13:死角領域特定部、14:車線グリッドマップ生成部、15:車線リスクマップ生成部、16:走行制御計画部、17:情報出力部、30:記憶部、31:車両情報データ群、32:道路環境データ群、33:センサ認識データ群、34:顕在障害物予測データ群、35:死角領域データ群、36:車線グリッドマップデータ群、37:車線リスクマップデータ群、38:走行制御データ群、40:通信部

Claims (8)

  1. 自車両に搭載される車両制御装置であって、
    前記自車両の挙動に関する車両情報と、前記自車両が走行している道路の環境に関する道路環境情報と、前記自車両に搭載されたセンサによって認識された前記自車両の周囲環境に関するセンサ認識情報と、を取得する情報取得部と、
    前記道路環境情報および前記センサ認識情報に基づいて、前記自車両の走行の障害となり得る顕在障害物の将来の挙動を予測する顕在障害物予測部と、
    前記車両情報と、前記顕在障害物予測部により予測された前記顕在障害物の将来の挙動とに基づいて、前記自車両と障害物との衝突リスクを前記道路の車線ごとに表した車線リスクマップを生成する車線リスクマップ生成部と、
    を備える車両制御装置。
  2. 前記車両情報および前記道路環境情報に基づいて、前記道路の各車線を表す複数の直線上にそれぞれ等間隔で設定された複数のグリッド点を有する車線グリッドマップを生成する車線グリッドマップ生成部を備え、
    前記車線リスクマップ生成部は、前記車線グリッドマップの各グリッド点における前記衝突リスクを算出することにより、前記車線リスクマップを生成する、
    請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記車線グリッドマップ生成部は、前記車線グリッドマップを生成する際に、前記道路の各車線上で前記複数のグリッド点にそれぞれ対応する位置の間隔を、前記道路の各車線の形状の違いによる車線間での経路長の差に応じて車線毎に変化させる正規化処理を行う、
    請求項2に記載の車両制御装置。
  4. 前記正規化処理は、
    前記道路における前記自車両の走行車線上に複数の代表点を等間隔で設定する処理と、
    前記複数の代表点における前記走行車線の延伸方向とそれぞれ直交し、かつ前記複数の代表点をそれぞれ通る複数の直線を設定する処理と、
    前記複数の直線と前記走行車線を除いた前記道路の各車線との交点を、前記複数の代表点にそれぞれ対応する複数の参照点として設定する処理と、
    前記代表点および前記参照点の位置情報を、前記車線グリッドマップの各グリッド点に対応付けてそれぞれ記録する処理と、を含む、
    請求項3に記載の車両制御装置。
  5. 前記車線リスクマップ生成部は、前記車線グリッドマップの各グリッド点間の距離を前記経路長の差に基づいて補正し、補正後の距離に基づいて前記衝突リスクを算出する、
    請求項3に記載の車両制御装置。
  6. 前記自車両の周囲で前記センサが認識できない死角領域を特定する死角領域特定部を備え、
    前記車線リスクマップ生成部は、前記死角領域から出現し得る潜在障害物を予測し、前記車両情報と、前記顕在障害物の将来の挙動と、前記潜在障害物の予測結果とに基づいて、前記車線リスクマップを生成する、
    請求項1に記載の車両制御装置。
  7. 前記車両情報および前記道路環境情報に基づいて、前記道路の各車線を表す複数の直線上にそれぞれ等間隔で設定された複数のグリッド点を有する車線グリッドマップを生成する車線グリッドマップ生成部を備え、
    前記車線リスクマップ生成部は、前記車線グリッドマップ上の各グリッド点における前記自車両と前記顕在障害物との第1の衝突リスクと、前記車線グリッドマップ上の各グリッド点における前記自車両と前記潜在障害物との第2の衝突リスクとをそれぞれ算出し、前記第1および第2の衝突リスクの算出結果に基づいて前記車線リスクマップを生成する、
    請求項6に記載の車両制御装置。
  8. 前記車線リスクマップ生成部は、
    前記車線グリッドマップの各グリッド点における前記自車両、前記顕在障害物および前記潜在障害物の到達時間をそれぞれ算出し、
    前記自車両の到達時間と前記顕在障害物の到達時間とを比較することにより、前記第1の衝突リスクを算出し、
    前記自車両の到達時間と前記潜在障害物の到達時間とを比較することにより、前記第2の衝突リスクを算出する、
    請求項7に記載の車両制御装置。
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