JP2023114849A - 転炉排滓量の推定方法及び転炉における精錬方法 - Google Patents

転炉排滓量の推定方法及び転炉における精錬方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023114849A
JP2023114849A JP2022017398A JP2022017398A JP2023114849A JP 2023114849 A JP2023114849 A JP 2023114849A JP 2022017398 A JP2022017398 A JP 2022017398A JP 2022017398 A JP2022017398 A JP 2022017398A JP 2023114849 A JP2023114849 A JP 2023114849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slag
converter
amount
flow
flow rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022017398A
Other languages
English (en)
Inventor
慎平 小野
Shinpei Ono
遼 山科
Ryo Yamashina
真広 坪井
Masahiro Tsuboi
亘 田代
Wataru Tashiro
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2022017398A priority Critical patent/JP2023114849A/ja
Publication of JP2023114849A publication Critical patent/JP2023114849A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Abstract

【課題】秤量器を用いる場合と比べて安価で、かつ、排滓量を幾何学的に求める場合と比べて高い精度で、転炉からの排滓量を推定することを課題とする。【解決手段】転炉排滓量の推定方法は、転炉の炉口から流出するスラグ流を撮影する撮影工程と、撮影した画像から前記スラグ流の体積流量又は質量流量を求める求め工程と、前記体積流量又は前記質量流量を基に前記転炉からの排滓量を推定する推定工程と、を有する。【選択図】図6

Description

本開示は、転炉排滓量の推定方法及び転炉における精錬方法に関する。
転炉での溶銑の脱珪や脱燐処理後に転炉を傾動させることにより溶鉄を転炉内に残したまま炉口からスラグの一部を排滓(中間排滓)し、その後再度転炉を直立させて新たに精錬材を添加し、引き続き精錬を行う方法が知られている。このような方法は、溶銑の脱珪や脱燐処理後に転炉を傾動させることにより溶鉄を転炉外へ排出してスラグと分離し、別の転炉で脱炭精錬を行う方法に比べて、熱損失が少なく経済的に有利である。しかしながら、中間に媒溶剤の排出を挟むことから、スラグ組成制御精度の面では有利ではない。スラグ組成制御精度向上のためには、中間排滓量の定量把握が重要である。中間排滓量の定量評価方法及び推定方法として、特許文献1、2が知られている。
特許文献1には、排滓台車に設けられスラグパンでスラグを受け、床面上に設置した秤量器によって転炉排滓量(スラグパン内のスラグ量)を秤量することによって排滓量を推定し、炉内の推定スラグ量から排滓量を差し引いて炉内残留スラグ量を求める方法について開示されている。
特許文献2には、転炉から排滓する際、スラグ流出開始時と流出終了時の転炉の傾動角度から炉内残留スラグ量を求め、理論的なスラグ量から炉内残留スラグ量を引いた値を中間排滓量として、後工程の操業条件を調整する方法について開示されている。
特開平7-41813号公報 特開2018-119195号公報
ところで、特許文献1では、中間排滓量を求めるのに秤量器を用いるため、秤量器の設置と維持に課題がある。
一方、特許文献2では、中間排滓量を幾何学的に求めるため、転炉内の形状及びスラグとメタル(溶銑)の状態の双方にバラつきが大きく、これに起因して排滓量の推定精度が低いという課題がある。
本開示は、上記事情に鑑みて成されたものであり、秤量器を用いる場合と比べて安価で、かつ、排滓量を幾何学的に求める場合と比べて高い精度で、転炉からの排滓量を推定することを課題とする。
本開示の一態様の転炉排滓量の推定方法は、転炉の炉口から流出するスラグ流を撮影する撮影工程と、撮影した画像から前記スラグ流の体積流量又は質量流量を求める求め工程と、前記体積流量又は前記質量流量を基に前記転炉からの排滓量を推定する推定工程と、有する。
本開示の一態様によれば、秤量器を用いる場合と比べて安価で、かつ、排滓量を幾何学的に求める場合と比べて高い精度で、転炉からの排滓量を推定することができる。
(A)実施形態の転炉の側面図である。(B)図1(A)に示される転炉の側断面図である。 実施形態の転炉からの排滓時に、傾動した転炉内に残留している溶融物の状態を示す転炉の側面断面図である。 (A)実施形態の転炉内に装入された溶銑にランスから酸素を吹き付けている状態を示す転炉の側断面図である。(B)傾動した転炉からスラグを排出している状態を示す転炉の側断面図である。 (A)図3(B)で転炉内に残った溶銑にランスから酸素を再度吹き付けている状態を示す転炉の側断面図である。(B)傾動した転炉から出鋼孔を通して溶銑を取り出している状態を示す転炉の側断面図である。 直立状態の転炉を上方から見たときの転炉に対する撮影装置の配置を示す平面図である。 傾動状態の転炉を側方から見たときの転炉に対する撮影装置の配置を示す平面図である。 (A)転炉の炉口からスラグが流出している状態を示す拡大正面図である。(B)図7(A)におけるスラグ流の所定位置での断面形状を示す、図7(A)の矢印7B-7B線断面図である。 画像解析による排滓体積と幾何学計算による排滓体積との関係を示すグラフである。 実施形態の制御装置の構成を示す図である。
以下、本開示の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態の転炉排滓量の推定方法及び転炉における精錬方法で用いる転炉20について説明する。
図1~図9に示されるように、転炉20は、底部20Aと、炉壁20Bと、炉口20Cと、炉壁20Bに設けられた出鋼孔20Dと、を備えている。また転炉20は、傾動機構24(図9参照)により傾動するようになっている。
転炉20を用いた精錬時には、まず、転炉20内に溶銑が装入され、装入された溶銑に第1精錬材が加えられる。第1精錬材は、転炉20内に装入される溶銑から燐や珪素、炭素を除去するのに用いる材料(酸化物)であり、一例として、生石灰や石灰石などの酸化カルシウム(CaO)系、酸化マグネシウム(MgO)系、酸化鉄(MgO)系、及びこれらを一種又は複数種組み合わせたものが含まれる。そして、図3(A)に示されるように、転炉20内には、炉口20Cを通してランス30が挿入される。このランス30から転炉20内の溶銑に向けて加圧された気体(例えば、酸素)が吹き付けられる。この気体の吹き付けにより転炉20内において溶銑及び第1精錬材が攪拌されるとともに、溶銑から燐や珪素、炭素が酸化除去される。次に、ランス30を転炉20内から退避させ、図3(B)に示されるように、転炉20を傾動(図3(B)では右側に傾動)させる。この転炉20の傾動により、転炉20内に溶銑を残しつつ、炉口20Cから溶銑よりも燐や珪素の濃度が高いスラグが転炉20の下方に配置された排滓鍋22に流下されて排滓(中間排滓)される。中間排滓後、図4(A)に示されるように、転炉20は、再度直立状態となる。なお、ここでいう転炉20の直立状態とは、炉口20Cが上方を向いた状態を指す。そして、転炉20内の溶銑に第2精錬材が加えられる。第2精錬材は、中間排滓後に転炉20内に残った溶銑から燐や炭素を除去するのに用いる材料(酸化物)であり、一例として、第1精錬材と同じ材料が含まれる。そして、転炉20内に炉口20Cを通してランス30が挿入され、このランス30から転炉20内の溶銑に向けて加圧気体が吹き付けられ、転炉20内において溶銑及び第2精錬材が攪拌され、該溶銑中にわずかに残った燐や炭素が溶銑から除去される。次に、ランス30を転炉20内から退避させ、図4(B)に示されるように、中間排滓を行うときと逆側に転炉20を傾動(図4(B)では左側に傾動)させる。この転炉20の傾動により、出鋼孔20Dから溶鋼を流出させる。転炉20から溶鋼を取り出した後(出鋼後)、転炉20内に残った燐及び珪素の濃度が低く、かつCaO濃度が高いスラグを次の精錬時に第1精錬材に含めて再利用する。なお、このような転炉20を用いる精錬方法としては、例えば、MURC法、ダブルスラグ法等が挙げられる。
次に、本実施形態の転炉20を用いた転炉排滓量の推定方法について説明する。本実施形態の転炉排滓量の推定方法では、画像解析を用いて排滓量を推定する。具体的には、中間排滓時のスラグ流の画像から排滓されるスラグの体積を求め、その体積から排滓量(排滓質量)を推定する。
〔転炉排滓量の推定方法〕
本実施形態の転炉排滓量の推定方法は、撮影工程、求め工程及び推定工程を有している。
(撮影工程)
まず、転炉20の炉口20Cから流出するスラグ流SFを撮影する。具体的には、図6に示されるように、中間排滓時に傾動した転炉20の炉口20Cから排滓鍋22へ向けて流出(流下)されるスラグ流SFを撮影装置40で撮影する。この撮影装置40としては、例えば、CCDカメラやCMOSカメラ等を用いてもよい。また、撮影装置40で撮影した画像情報は、後述する制御装置42に送信される。なお、撮影装置40と制御装置42は、有線接続又は無線接続されている。
図5に示されるように、スラグ流SFを撮影する撮影装置40の撮影方向SDは、平面視で転炉20の排滓方向に対して傾いている。具体的には、直立状態の転炉20を上方から見たときに、中間排滓時に転炉20が傾動する方向、言い換えると、転炉20に対して排滓鍋22が配置されている方向が排滓方向である。以下では、転炉20の排滓方向を符号SDで示す。
撮影装置40の撮影方向SDは、平面視で転炉20の排滓方向DDに対して角度θで傾いている。この角度θは、0度~70度の範囲内に設定されることが好ましく、20度~50度の範囲内に設定されることが更に好ましい。なお、本実施形態では、角度θを45度に設定しているが本開示はこの構成に限定されない。
また、図6に示されるように、スラグ流SFを撮影する撮影装置40の撮影方向SDは、側方から見て鉛直方向VDに対して角度βで傾いている。この角度βは、70度~110度の範囲内に設定されることが好ましく、80度~100度の範囲内に設定されることが更に好ましい。なお、本実施形態では、撮影方向SDが鉛直方向VDに対して直交している、すなわち、角度βが90度である。なお、角度βは、90度に設定することがより好ましい。ここで角度βが90度の場合、撮影方向SDは、水平方向に沿う。
また、撮影装置40の設置高さYは、図6に示されるように、鎮静フレームの影響を受けない高さに設定することが好ましい。なお、ここでいう「鎮静フレーム」とは、スラグとスラグ鎮静材との反応により生じる火炎を指す。
例えば、撮影装置40が鎮静フレームより低い位置に設置された場合、撮影装置40に仰角を付けて鎮静フレームより上方を狙ってスラグ流SFを撮影すればよい。
(求め工程)
次に、撮影した画像からスラグ流SFの体積流量又は質量流量を求める。なお、本実施形態では、撮影した画像からスラグ流SFの体積流量を求めている。具体的には、スラグ流SFを撮影装置40で撮影した画像情報を制御装置42で受信し、この制御装置42で画像解析し、スラグ流SFの体積流量を求めている。なお、撮影装置40から送信される画像情報は、所定時間毎(例えば、1秒毎)に撮影された静止画の画像情報でもよいし、動画の画像情報でもよい。ここで、撮影装置40から送信される画像情報が静止画の画像情報の場合、各静止画を画像解析する。一方、撮影装置40から送信される画像情報が動画の画像情報の場合、動画から所定時間毎(例えば、1秒毎)に静止画を抽出し、抽出した各静止画を画像解析する。
制御装置42による静止画の画像解析では、まず、静止画を二値化する。そして、予め設定した解析領域内のスラグ流SFの高輝度部分の長さを見かけの長さとして計測する。なお、図7(A)に示されるように、スラグ流SFの高輝度部分の長さは、スラグ流SFの幅と言い換えてもよい。また、制御装置42による静止画の解析領域は、スラグ流SFの流出開始位置である炉口20Cと排滓鍋22との中間であり、排滓鍋22から上がる鎮静フレームの影響を受けない高さに設定する必要がある。そして、制御装置42によって撮影装置40で撮影した静止画からスラグ流SFの所定高さにおける幅D(m)と、該幅Dの計測位置からスラグ流SFの炉口20Cからの流出開始位置までの距離H(m)とを求める。
次に、幅Dの計測位置におけるスラグ流SFの断面積S(m)をαDとして求める。詳細には、制御装置42によって断面積Sを求める。また、αは、形状補正係数であり、スラグ流SFの断面形状が真円の場合α=1となる(図7(B)参照)。
また、幅Dの計測位置におけるスラグ流SFの流速V(m/s)をスラグ流SFの自由落下と仮定して(2gH)0.5として求める。詳細には、制御装置42によって流速V(m/s)を求める。
そして、スラグ流SFの体積流量Q(m/s))を以下の式(1)で求める。詳細には、制御装置42で上記流速V及び断面積Sを用いて体積流量Qを求める。
Q=SV=αD(2gH)0.5・・・(1)
(推定工程)
次に、体積流量又は質量流量を基に転炉20からの排滓量(排滓質量)を推定する。なお、本実施形態では、上記工程で求めた体積流量を基に転炉20からの中間排滓量を推定する。
まず、少なくとも、スラグ流SFの流出開始時の転炉20の傾動角、転炉20の形状、転炉20の容積、及び、炉内スラグ質量の推定値Mと幾何学的に求められる炉内スラグ体積とから求められるスラグ嵩密度ρ(kg/m)を用いて体積流量Qを質量流量ρQ(kg/s)に変換する。詳細には、制御装置42で、少なくとも転炉20の傾動角、転炉20の形状、転炉20の容積、及び、嵩密度ρを用いて体積流量Qを質量流量ρQに変換する。なお、推定値Mは、例えば、転炉20に装入した第1精錬材の質量(実績)と、溶銑から酸化されて生成する酸化物(一例として、二酸化ケイ素(SiO2)、五酸化二リン(P2O5)、酸化マンガン(MnO)又はこれらを一種又は複数種組み合わせたもの)の質量(計算により求める)と、再利用された前の回のスラグの質量(想定値)と、で求められる。
嵩密度の求め方:図1(B)に示されるように、傾動され、炉口20Cからスラグが流出開始した時点の転炉20の実効炉容積をVDS、溶鉄の体積をV、スラグの体積をVとしたとき、V=VDS-Vで求められ、スラグの質量をMとしたとき、嵩密度ρ=M/Vで求めることができる。
なお、V+Vは、転炉20の傾動角が決まれば図面からCADや幾何学計算により求めることができる。
また、Vは、溶鋼重量≒主原料(溶銑+スクラップ)の重量なので溶鋼密度×主原料重量(実績)で求めることができる。
転炉20の形状は、炉内形状であり、図1(A)において、破線で示される形状である。すなわち、炉内形状とは、炉壁20Bの内面形状と底部20Aの内面形状を含む形状である。
そして、質量流量ρQの積算値ΣρQ(kg)から排滓質量(kg)を求める。このように本実施形態の転炉排滓量の推定方法では、中間排滓時のスラグ流SFの画像に基づいて排滓されるスラグの体積流量Qを求め、その体積流量Qから排滓質量を求めることができる。
なお、式(1)における係数αは、転炉20からの排滓時に予め求めておいた質量流量ρQ(kg/s)の積算値ΣρQ(kg)、又は、秤量器(図示省略)を用いて求めた排滓質量(kg)を真値として、パラメータフィッティングにより決定される。
次に、本実施形態の転炉20における精錬方法について説明する。
本実施形態の精錬方法では、転炉排滓量の推定方法で推定された中間排滓量に基づいて後工程の操業条件を設定する。この操業条件には、転炉20内の溶融金属(溶銑)に添加する精錬材の種類及び該精錬材の添加量が含まれる。
次に、転炉20内に添加する精錬材の種類及び添加量を制御する制御装置42について説明する。この制御装置42には、図5及び図6に示されるように、撮影装置40で撮影したスラグ流SFの画像情報が逐次送信される。撮影装置40は、受信した画像情報に基づいてスラグ流SFの体積流量Qを求める。そして、制御装置42は、体積流量Qを基に中間排滓質量を求める。
制御装置42は、求めた中間排滓量に基づいて後工程の操業条件を設定する。具体的には、制御装置42は、転炉20内の溶銑に添加する精錬材の種類及び該精錬材の添加量を決定し、添加装置(図示省略)を操作して転炉20内の溶銑に精錬材を添加する。また、制御装置42は、転炉20の傾動機構24も制御する。
図9に示されるように、制御装置42は、CPU(Central Processing Unit)43、一時記憶領域を提供する主記憶装置44、及び不揮発性の記憶領域を提供する補助記憶装置45及び入出力インターフェース(I/F)46を備える。CPU43、主記憶装置44、補助記憶装置45及び入出力I/F46は、バス47を介して互いに接続されている。
補助記憶装置45は、Hard Disk Drive(HDD)、Solid State Drive(SSD)、フラッシュメモリ等によって実現できる。補助記憶装置45には、制御装置42を転炉20における中間排滓量の推定装置として機能させるための推定プログラム48が記憶されている。CPU43が、推定プログラム48を補助記憶装置45から読み出して主記憶装置44に展開し、推定プログラム48に記述されたプロセスを順次実行することで、制御装置42が転炉20における中間排滓量の推定装置として機能する。
入出力I/F46は、撮影装置40に接続されている。これにより、撮影装置40で撮影された画像情報が、入出力I/F46を介して補助記憶装置45に保存されると共にCPU43で画像解析されるように構成されている。また、入出力I/F46は、転炉20の傾動機構24に接続されている。具体的には、傾動機構24が有する傾動制御装置に接続されている。この傾動制御装置は、制御装置42からの指示に基づいて傾動機構24を動作させて転炉20の傾動角度を制御するように構成されている。
次に本実施形態の作用並びに効果について説明する。
本実施形態の推定方法では、画像解析を用いて転炉20の中間排滓量を求めている。そのため、例えば、中間排滓量を求めるのに秤量器を用いる場合と比べて、設備費用が安価になる。また、機械的な計測手法と異なり熱変形や経年劣化などの影響を受けないため、設備の維持が容易である。さらに、秤量器を用いる質量計測法では排滓が終了した後、計測値が安定するまで正確な計測値を得られないのに対して、本実施形態の推定方法では、光学的に計測するため排滓中も計測値及び積算値を求めることができるため、安定して中間排滓量を求めることができる。
さらに、本実施形態の推定方法では、排滓量を幾何学的に求める場合と比べて、高い精度で、転炉20からの中間排滓量を推定することができる。具体的には、排滓量を幾何学的に求める場合、炉内形状とスラグメタル状態の双方のバラつきが大きいことに起因して推定精度が低くなることがある。これに対して、本実施形態の推定方法では、上記バラつきが及ぼす影響が反映された結果を、撮影装置40を用いることでスラグ流の体積という形で「直接」計測できるため、推定精度が向上する。
また、従来の排滓量の推定方法では、中間排滓量という結果を受けて、その後の処理を最適化することができる。これに対して本実実施形態の推定方法では、上記処理に加えて、中間排滓量の「経過」も知ることができる。このため、排滓量自体も制御することができる。具体的には、従来法では、排滓質量が所定値になった場合、排滓を停止する、という制御はできず、実際に排滓した質量が得られるだけである。これに対して本実施形態の推定方法では、排滓体積が所定値で排滓を停止、という制御が可能である。従来法は、中間排滓の「結果」を定量化することで、その後の工程の「質」を安定化させられると共に向上させられるが、本実施形態の推定方法では、上記に加えて中間排滓の「過程」も定量化できるため、中間排滓自体の「質」を安定化させられると共に向上させることができる。
また、本実施形態の推定方法では、スラグ流SFを撮影する撮影装置40の撮影方向SDが平面視で転炉20の排滓方向DDに対して傾くように、撮影装置40を配置しているため、撮影装置40が鎮静フレームの影響を受けにくい。
さらに、本実施形態の推定方法では、スラグ流SFを撮影する撮影装置40の撮影方向SDが側方から見て鉛直方向VDに対して直交している場合、撮影装置40によって精度の高い画像情報が得られる。
前述の実施形態では、撮影装置40と制御装置42とが有線又は無線接続されているが本開示はこの構成に限定されない。例えば、撮影装置40から着脱可能な画像記憶媒体を取り出し、入出力I/F46を介してCPU43と接続してもよい。
前述の実施形態では、撮影装置40の撮影方向SDを排滓方向DDに対して傾かせたが本開示はこの構成に限定されない。例えば、撮影装置40を上方に配置し、上から炉口20Cから流下するスラグ流SFを撮影すれば、撮影装置40の撮影方向SDと排滓方向DDとが同じ方向であってもよい。
前述の実施形態では、画像解析によりスラグ流SFの体積流量を求め、その体積流量から排滓量(排滓体積)を推定したが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、画像解析によりスラグ流SFの体積流量を求めると共に質量流量を求め、その質量流量から排滓量を推定してもよい。
前述の実施形態の転炉20における精錬方法では、画像解析によりスラグ流SFの体積流量を求め、その体積流量から排滓量(排滓体積)を推定し、推定された中間排滓量に基づいて後工程の操業条件を設定しているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、転炉20の炉口から流出するスラグ流SFを撮影し、撮影した画像からスラグ流SFの幅Dを求め、求めた幅Dに基づいて後工程の操業条件を設定してもよい。すなわち、スラグ流SFの幅Dを排滓パラメータとして用いる構成としてもよい。なお、この操業条件には、転炉20内の溶融金属(溶銑)に添加する精錬材の種類及び該精錬材の添加量が含まれる。具体的には、排滓パラメータが予め設定した範囲内(水準)の場合、副原料(主にCaO)の投入量を予め設定した設定量とする。一方、排滓パラメータが上記範囲未満の場合は、副原料(主にCaO)の投入量を上記設定量よりも多くする。また、排滓パラメータが上記範囲を超える場合は、副原料(主にCaO)の投入量を上記設定量よりも少なくする、あるいは、副原料(主にCaO)の投入量を上記設定量としつつSiO2源も投入する。なお、ここでいうSiO2源とは、SiOそのものやSiO2を含む複合酸化物、もしくはSiを含有する合金(酸化されたSiO2となる)を指す。すなわち、排滓が少ない場合は、炉内にSiO2が多いので、CaOを多めに投入し、排滓が多い場合は、CaO過剰となるので、CaOを減らすか、SiO2を足してバランスをとる。このようにスラグ中のCaO濃度/SiO2濃度を一定の範囲に制御することで脱燐効率を最大化することができる。そして、上記のようにスラグ流SFの幅Dを排滓パラメータとして用いる場合、スラグ嵩密度の計算などが不要となり、データ処理の活用が簡便になる。特に、スラグ密度のバラつきが非常に少ない操業が行われる場合はスラグ流SFの幅Dと質量流量ρQの関係が1対1に近くなるため、スラグ流SFの幅Dを排滓パラメータとして用いることによりデータ処理の活用を簡便にできる。
次に、本実施形態の画像解析により求めた排滓体積と、幾何学計算により求めた排滓体積の関係について以下の表1及び図8に基づいて説明する。
以下の表1には、本実施形態の推定方法を用いた実施例1~実施例10の画像解析で求めた排滓体積と、幾何学計算により求めた排滓体積と、実際に計測した排滓質量が示されている。なお、表1における排滓開始傾動角とは、排滓開始時における転炉の傾きを指す。また、表1における排滓終了傾動角とは、排滓終了時における転炉の傾きを指す。

図8は、表1における実施例1~実施例10の画像解析で求めた排滓体積と、幾何学計算により求めた排滓体積とを基に、画像解析で求めた排滓体積と幾何学計算により求めた排滓体積との関係を示している。この図8に示されるように、画像解析で求めた排滓体積と幾何学計算により求めた排滓体積は、多少のバラ付きはあるが、概ね近い値になっていることが分かる。
20 転炉
40 撮影装置
SD 撮影方法
DD 排滓方法
SF スラグ流

Claims (9)

  1. 転炉の炉口から流出するスラグ流を撮影する撮影工程と、
    撮影した画像から前記スラグ流の体積流量又は質量流量を求める求め工程と、
    前記体積流量又は前記質量流量を基に前記転炉からの排滓量を推定する推定工程と、
    を有する転炉排滓量の推定方法。
  2. 前記スラグ流を撮影する撮影装置の撮影方向は、平面視で前記転炉の排滓方向に対して傾いている、請求項1に記載の転炉排滓量の推定方法。
  3. 前記スラグ流を撮影する撮影装置の撮影方向は、側方から見て鉛直方向に対して直交している、請求項1に記載の転炉排滓量の推定方法。
  4. 前記求め工程では、前記スラグ流を撮影した画像から前記スラグ流の所定高さにおける幅D(m)と、該幅Dの計測位置から前記スラグ流の前記炉口からの流出開始位置までの距離H(m)とを求め、前記計測位置における前記スラグ流の断面積S(m)をαD2として求め、前記計測位置における流速V(m/s)を前記スラグ流の自由落下と仮定して(2gH)0.5として求め、前記スラグ流の体積流量Q(m/s))を式(1)で求める、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の転炉排滓量の推定方法。
    Q=SV=αD2(2gH)0.5・・・(1)
  5. 少なくとも、前記スラグ流の流出開始時の前記転炉の傾動角、前記転炉の形状、前記転炉の容積、及び、前記体積流量から幾何学的に求められる嵩密度ρ(kg/m)を用いて体積流量を質量流量ρQ(kg/s)に変換し、積算値ΣρQ(kg)から排滓質量(kg)を求める、請求項4に記載の転炉排滓量の推定方法。
  6. 前記転炉からの排滓時に、質量流量ρQ(kg/s)の積算値ΣρQ(kg)又は秤量器を用いて求めた排滓質量(kg)を真値として、パラメータフィッティングにより式(1)におけるαを決定する、請求項4又は請求項5に記載の転炉排滓量の推定方法。
  7. 請求項1~請求項6の何れか1項に記載の転炉排滓量の推定方法で推定された排滓量に基づいて後工程の操業条件を設定する、精錬方法。
  8. 転炉の炉口から流出するスラグ流を撮影し、撮影した画像から前記スラグ流の幅を求め、求めた前記幅に基づいて後工程の操業条件を設定する、精錬方法。
  9. 前記操業条件には、前記転炉内の溶融金属に添加する精錬材の種類及び該精錬材の添加量が含まれる、請求項7又は請求項8に記載の精錬方法。
JP2022017398A 2022-02-07 2022-02-07 転炉排滓量の推定方法及び転炉における精錬方法 Pending JP2023114849A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022017398A JP2023114849A (ja) 2022-02-07 2022-02-07 転炉排滓量の推定方法及び転炉における精錬方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022017398A JP2023114849A (ja) 2022-02-07 2022-02-07 転炉排滓量の推定方法及び転炉における精錬方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023114849A true JP2023114849A (ja) 2023-08-18

Family

ID=87569607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022017398A Pending JP2023114849A (ja) 2022-02-07 2022-02-07 転炉排滓量の推定方法及び転炉における精錬方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023114849A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024057758A1 (ja) * 2022-09-15 2024-03-21 日本製鉄株式会社 排滓量の推定方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024057758A1 (ja) * 2022-09-15 2024-03-21 日本製鉄株式会社 排滓量の推定方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4965093B2 (ja) 転炉スラグ流出量定量化方法、転炉の操業方法およびそれらの装置
JP6242329B2 (ja) 竪型炉における溶滓量計測方法、及びその計測装置
CN113528737B (zh) 一种基于图像识别的转炉留渣工艺自动倒渣的方法和系统
JP6702420B2 (ja) 排滓重量推定方法及び排滓重量推定装置
JP2023114849A (ja) 転炉排滓量の推定方法及び転炉における精錬方法
JP2017160498A (ja) 竪型炉における溶融物レベルの推定方法、及びその推定装置
JP6841391B2 (ja) 炉内残留スラグ量の推定方法および推定装置
JP5950133B2 (ja) 溶銑の予備処理方法
CN113528736A (zh) 一种转炉留渣工艺自动倒渣的方法和系统
JP5444692B2 (ja) スラグの流出検知方法
JP2017025379A (ja) 溶銑予備処理方法及び溶銑予備処理制御装置
JP2016030850A (ja) 転炉排出流判定装置、転炉排出流判定方法、溶銑予備処理方法、及び転炉予備処理の操業方法
JP4677955B2 (ja) 転炉吹錬制御方法、転炉吹錬制御装置及びコンピュータプログラム
US3720404A (en) System for controlling carbon removal in a basic oxygen furnace
JP4419861B2 (ja) 転炉出鋼時のスラグ検出方法及び装置
JP2018119195A (ja) 溶融金属精錬容器からの排滓量の推定方法および溶融金属の精錬方法
JP7243520B2 (ja) 転炉型溶銑予備処理における排滓方法
WO2024057758A1 (ja) 排滓量の推定方法
JP5003204B2 (ja) 転炉からの出鋼方法
JP4238165B2 (ja) 高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法
US3565606A (en) Method for controlling carbon removal in a basic oxygen furnace
JP5417738B2 (ja) スラグの流出検知方法
CN115125350B (zh) 一种转炉留渣量的精准控制方法和系统
JP2024042564A (ja) 電気炉のスラグ流出量推定システム及び電気炉における精錬方法
US3540879A (en) Method for controlling phosphorus removal in a basic oxygen furnace