JP2023113084A - 脂肪酸微粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生分解性に優れ、化粧料や洗顔剤、ボディソープなどのスキンケア用途に適した脂肪酸微粒子の製造方法を提供する。【解決手段】高分子分散剤および界面活性剤の存在下で水中に脂肪酸を分散させ、析出させることによって脂肪酸微粒子分散液を製造する。塩基性条件下において、脂肪酸微粒子分散液およびカルボキシル基とイオン性相互作用をし得る金属イオンを含む溶液に対して、前記金属イオンと錯塩を形成する無機塩化合物を含む溶液を添加することにより、脂肪酸微粒子を製造する。【選択図】なし

Description

本発明は脂肪酸微粒子を製造する方法に関するものである。
メチルメタクリレート、スチレン、ナイロン、ウレタンなどを原料として合成され、ナノやマイクロオーダーの粒子径を有する有機微粒子は、伸展性や光拡散性を利用して化粧料用添加剤や、洗顔剤、ボディソープなどのスクラブ剤としてスキンケア用途に用いられるようになっている。
化粧料や洗顔剤、ボディソープなどのスキンケア用途においては、使用後に洗浄されて排水として環境中に放出された際、いわゆるマイクロビーズとして生態系に影響を及ぼすとの指摘がある。
また、有機微粒子は石油由来成分が原料となるため、環境への負荷に対する懸念も指摘されている。
一方、天然由来成分は環境へ負荷をかけることなく得られるものの、蝋状やガム状、チップ状のものが多いため、これを微粒子状として有機微粒子の代替とすることは困難であった。
特許文献1は、アルギン酸多価金属塩粒子の疎水化処理について開示されている。アルギン酸多価金属塩は吸湿性が高く、化粧料においては用途が限定されることを改善するためのものであるが、従来の有機微粒子と比較すると改善の余地があった。
特開2020-125256
本発明の課題は、生分解性に優れ、化粧料や洗顔剤、ボディソープなどのスキンケア用途に適した脂肪酸微粒子の製造方法を提供することである。
塩基性条件下において、脂肪酸微粒子分散液およびカルボキシル基とイオン性相互作用をし得る金属イオン(A)含む溶液に対して、前記金属イオン(A)と錯塩を形成する無機塩化合物(B)を添加する工程を含むことを特徴とする脂肪酸微粒子の製造方法である。
本発明の製造方法により、化粧料や洗顔剤、ボディソープなどのスキンケア用途に適した脂肪酸微粒子が簡便に得られる。特に、特別な設備を必要とせず、副生成物の量が少なく、取り扱いが容易な点において優れる。
本発明の製造方法は、脂肪酸を微粒子状に分散した分散液を調製し、さらにカルボキシル基とイオン性相互作用をし得る金属イオン(A)を含む溶液に対して、金属イオン(A)と錯塩を形成する無機塩化合物(B)を含む溶液を添加する工程を含む。
本発明で用いる脂肪酸としては長鎖のアルキル基を有しているものが適する。具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アルキジン酸、ベヘン酸、ヒドロキシステアリン酸等が例示される。
脂肪酸微粒子分散液の調製方法は特に限定されないが、例えば高分子分散剤や界面活性剤等の分散剤の存在下で水中に脂肪酸を分散させる方法が挙げられる。
高分子分散剤としては、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられ、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。高分子分散剤を用いる場合、脂肪酸100重量部に対して5~20重量部用いることが好ましい。
なお、セルロース系高分子分散剤を用いた場合、脂肪酸微粒子分散液調製後にセルラーゼを添加することにより分解を促進し、脂肪酸微粒子に残存しにくくすることができる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤等が挙げられ、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤を用いる場合、脂肪酸100重量部に対して0.1~3重量部用いることが好ましい。
また、高分子分散剤および界面活性剤を組み合わせて用いることにより、化粧料用途等で要求される数十μm程度の粒子径を有する球状粒子を得やすくなる。
これらの分散剤を水に溶解させて脂肪酸を混合した後、脂肪酸の融点以上に加温してせん断力をかけながら撹拌することにより、混合液が白濁して脂肪酸の液滴が形成される。これを室温まで冷却することにより、脂肪酸微粒子分散液を調製できる。
次に、脂肪酸微粒子分散液およびカルボキシル基とイオン性相互作用をし得る金属イオン(A)を含む溶液に対して金属イオン(A)と錯塩を形成する無機塩化合物(B)を添加することにより、脂肪酸微粒子が錯塩により被覆化され、粉体として取り出す際の凝集を抑制し、微粒子として取り扱いやすくすることができる。
カルボキシル基とイオン性相互作用をし得る金属イオン(A)としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、カルシウムイオン、バリウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、マンガンイオン、ニッケルイオン、鉄イオン、銅イオン、亜鉛イオン、銀イオン、ルテニウムイオン、白金イオン等の遷移元素イオン、およびマグネシウムイオン、アルミニウムイオン等のその他の金属イオンが挙げられる。
中でもカルシウムイオン源となる化合物としては、公知の水溶性カルシウム化合物が使用でき、硝酸カルシウム、硝酸カルシウム四水和物、塩化カルシウム、塩化カルシウム1~6水和物、乳酸カルシウム、塩素酸カルシウム二水和物、過塩素酸カルシウム、臭化カルシウム、酢酸カルシウム、グルタミン酸カルシウムなどが例示され、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。脂肪酸1モルに対して、金属イオン源となる化合物を0.005~0.5モル用いることが好ましく、0.05~0.2モルがより好ましい。
金属イオン(A)と錯塩を形成する無機塩化合物としては、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩などが挙げられる。リン酸塩化合物としては、公知の水溶性リン酸化合物が使用でき、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸二水素ナトリウム二水和物、リン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウムなどが例示され、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。脂肪酸1モルに対して、無機塩化合物を0.005~0.5モル用いることが好ましく、0.03~0.1モルがより好ましい。
無機塩化合物を添加する際は塩基性とすることが好ましく、具体的にはpH=7.8以上、好ましくはpH=8以上、さらに好ましくpH=9以上を維持することが好ましい。pH=9以上にすることで、錯塩の析出速度が最適になり、錯塩による被覆層が形成し易くなる。
塩基性にするための添加物としては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらの中では、乾燥時に除去しやすいことからアンモニアが好ましい。添加量としては、上記塩基条件を満たす範囲であれば、特に限定されない。
このような錯塩による被覆処理をする際、温度は一定であってもよいし、途中でもしくは各段階によって変化させてもよく、例えば0~95℃を例示できる。リン酸塩化合物の添加方法としては、特に限定されず、最初に一括して全量仕込む方法、最初に一部を仕込み残りを連続フィード添加する方法、断続的に添加する方法等、公知の方法を採用できる。リン酸塩化合物を含む溶液を添加する時間についても、特に限定はなく、適宜設定すればよいが、例えば開始から終了まで0.5~120分が例示できる。リン酸塩化合物添加後の反応時間についても、特に限定はなく、反応の進行状況に応じて適宜設定すればよいが、例えば5~180分が例示できる。
次に、脂肪酸微粒子と無機化合物の複合粒子分散液を前記金属イオン(A)存在下のもと、加熱熟成することにより、より高温下でも粒子形状を維持することが可能となり、微粒子としての取扱いがより簡便となる。これは前記複合粒子の内部に存在する脂肪酸が、加熱により無機化合物の被覆層から漏出した際に、水溶液中に存在する金属イオン(A)と相互作用し、錯塩に被覆されるためであると考えられる。
加熱熟成に際して温度は特に限定されず、漏出する脂肪酸の融点に応じて適宜設定すればよいが、例えば0~95℃が例示でき、70℃以上であることが好ましい。加熱熟成の時間についても、特に限定なく、反応の進行状況に応じて適宜設定すればよいが、例えば5~180分を例示でき、30分以上であることが好ましい。
錯塩による被覆された脂肪酸微粒子水分散液から水分を除去することにより、脂肪酸微粒子が得られる。水分の除去はろ過、遠心脱水、減圧乾燥など公知の方法で行われる。このようにして得られた脂肪酸微粒子は二次凝集体や、粗大粒子が抑制されているが、必要に応じてハンマーミルなどを用いた粉砕や、篩、空気分級などによる精製を行ってもよい。
脂肪酸微粒子は粒子径が数十μm程度の略球状であるため、有機微粒子が使用されている各種用途に使用できる。特に、化粧料や洗顔剤、ボディソープなどのスキンケア用途においては、従来の有機微粒子と同様に使用でき、使用後に洗浄されて排水として環境中に放出されても生分解性を有することから環境への負荷が小さい。
以下、本発明について実施例、比較例を挙げてより詳細に説明するが、具体例を示すものであって、特にこれらに限定するものではない。なお表記が無い場合は、室温は25℃相対湿度65%の条件下で実施した。
脂肪酸微粒子分散液の調製
撹拌機を取り付けたセパラブルフラスコに、水で5重量%に調製したヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業社製、メトローズ 90SH-100、商品名)水溶液240重量部およびポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウム(第一工業製薬社製、ネオハイテノールS-70、商品名)0.4重量部加え、撹拌し混合水分散液を得た。
前記混合水分散液に溶融させたステアリン酸90重量部を混合し、72℃において撹拌羽根を用いてせん断力をかけて攪拌することによって混合液が白濁し、液滴が形成されたことを確認した。
得られた液滴を室温まで冷却することによってステアリン酸微粒子水分散液を得た。
前記ステアリン酸微粒子水分散液の調製において、ステアリン酸90重量部に代えてベヘン酸90重量部を用い、液滴形成時の温度を80℃とした他は同様に行い、ベヘン酸微粒子水分散液を得た。
実施例1
前記ステアリン酸微粒子水分散液に対し、イオン交換水200重量部を添加し希釈した。次にセルラーゼ(ヤクルト薬品工業社製、セルラーゼ Y-NC、商品名)0.09重量部およびセルラーゼ(ヤクルト薬品工業社製、セルラーゼ オノズカ3S、商品名)0.09重量部を添加し撹拌した。次に濃度28.6重量%の塩化カルシウム一水和物水溶液47重量部を添加した後、28重量%アンモニア水20重量部を添加することで分散液のpHを10.3に調整した。この分散液に、4.0重量%リン酸二水素アンモニウム188重量部に28重量%アンモニア水45重量部を加えてpH11.2とした3.2重量%リン酸二水素アンモニウムを30分かけて滴下した後、室温で1時間反応することでヒドロキシアパタイト化されたステアリン酸微粒子の分散液を得た。
得られた分散液を遠心脱水機および真空乾燥機にかけて水を除去することにより、実施例1の脂肪酸微粒子を得た。得られた粒子の体積平均粒子径を電気抵抗法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社、マルチサイザー3)で測定したところ6.9μmであった。また、得られた粒子の形状を走査型電子顕微鏡(JEOL社製、JSM-6510LV)で観察したところ、球形であった。
実施例2
前記ステアリン酸微粒子水分散液に対し、イオン交換水200重量部を添加し希釈した。次にセルラーゼ(ヤクルト薬品工業社製、セルラーゼ Y-NC、商品名)0.09重量部およびセルラーゼ(ヤクルト薬品工業社製、セルラーゼ オノズカ3S、商品名)0.09重量部を添加し撹拌した。次に濃度28.6重量%の塩化カルシウム一水和物水溶液95重量部を添加した後、28重量%アンモニア水20重量部を添加することで分散液のpHを10.0に調整した。この分散液に、19.2重量%炭酸ナトリウム水溶液105重量部を90分かけて滴下した後、室温で1時間反応することで炭酸カルシウム化されたステアリン酸微粒子の分散液を得た。得られた分散液を遠心脱水機および真空乾燥機にかけて水を除去することにより、実施例2の脂肪酸微粒子を得た。
得られた粒子の体積平均粒子径を電気抵抗法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社、マルチサイザー3)で測定したところ7.4μmであった。また、得られた粒子の形状を走査型電子顕微鏡(JEOL社製、JSM-6510LV)で観察したところ、球形であった。
実施例3
前記ベヘン酸微粒子水分散液に対し、イオン交換水200重量部を添加し希釈した。次にセルラーゼ(ヤクルト薬品工業社製、セルラーゼ Y-NC、商品名)0.09重量部およびセルラーゼ(ヤクルト薬品工業社製、セルラーゼ オノズカ3S、商品名)0.09重量部を添加し撹拌した。次に濃度28.6重量%の塩化カルシウム一水和物水溶液47重量部を添加した後、28重量%アンモニア水10重量部を添加することで分散液のpHを10.3に調整した。この分散液に、5.7重量%リン酸二水素アンモニウム133重量部に28重量%アンモニア水7.5重量部を加えてpH10.1とした5.4重量%リン酸二水素アンモニウムを30分かけて滴下した後、室温で1時間反応することでヒドロキシアパタイト化されたステアリン酸微粒子の分散液を得た。
得られた分散液を遠心脱水機および真空乾燥機にかけて水を除去することにより、実施例3の脂肪酸微粒子を得た。得られた粒子の体積平均粒子径を電気抵抗法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社、マルチサイザー3)で測定したところ11.1μmであった。また、得られた粒子の形状を走査型電子顕微鏡(JEOL社製、JSM-6510LV)で観察したところ、球形であった。
実施例4
前記ステアリン酸微粒子水分散液に対し、イオン交換水200重量部を添加し希釈した。次にセルラーゼ(ヤクルト薬品工業社製、セルラーゼ Y-NC、商品名)0.09重量部およびセルラーゼ(ヤクルト薬品工業社製、セルラーゼ オノズカ3S、商品名)0.09重量部を添加し撹拌した。次に濃度28.6重量%の塩化カルシウム一水和物水溶液47重量部を添加した後、28重量%アンモニア水10重量部を添加することで分散液のpHを10.0に調整した。この分散液に、8.1重量%リン酸二水素アンモニウム92重量部に28重量%アンモニア水14.4重量部を加えてpH11.1とした7.0重量%リン酸二水素アンモニウムを90分かけて滴下した後、室温で1時間反応することでヒドロキシアパタイト化されたステアリン酸微粒子の分散液を得た。
次に上記で得られたステアリン酸-ヒドロキシアパタイト被覆粒子水分散液に対し、28.6重量%の塩化カルシウム一水和物水溶液 95重量部を添加した後、80℃で30分間加熱熟成した。得られた分散液を遠心脱水機および真空乾燥機にかけて水を除去することにより、実施例4の脂肪酸微粒子を得た。得られた粒子の体積平均粒子径を電気抵抗法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社、マルチサイザー3)で測定したところ7.0μmであった。また、得られた粒子の形状を走査型電子顕微鏡(JEOL社製、JSM-6510LV)で観察したところ、球形であった。
実施例5
前記ステアリン酸微粒子水分散液に対し、イオン交換水200重量部を添加し希釈した。次にセルラーゼ(ヤクルト薬品工業社製、セルラーゼ Y-NC、商品名)0.09重量部およびセルラーゼ(ヤクルト薬品工業社製、セルラーゼ オノズカ3S、商品名)0.09重量部を添加し撹拌した。次に濃度28.6重量%の塩化カルシウム一水和物水溶液95重量部を添加した後、28重量%アンモニア水20重量部を添加することで分散液のpHを10.0に調整した。この分散液に、19.2重量%炭酸ナトリウム水溶液105重量部を90分かけて滴下した後、室温で1時間反応することで炭酸カルシウム化されたステアリン酸微粒子の分散液を得た。
次に上記で得られたステアリン酸-炭酸カルシウム被覆粒子水分散液に対し、37.5重量%の塩化カルシウム一水和物水溶液 48重量部を添加した後、80℃で30分間加熱熟成した。得られた分散液を遠心脱水機および真空乾燥機にかけて水を除去することにより、実施例5の脂肪酸微粒子を得た。得られた粒子の体積平均粒子径を電気抵抗法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社、マルチサイザー3)で測定したところ8.2μmであった。また、得られた粒子の形状を走査型電子顕微鏡(JEOL社製、JSM-6510LV)で観察したところ、球形であった。
比較例1
前記ステアリン酸微粒子水分散液をそのまま遠心脱水機および真空乾燥機にかけて水を除去することにより、比較例1のステアリン酸微粒子を得た。同様に粒子の体積平均粒子径を測定したところ、6.1μmであった。また、得られた粒子の形状は非球形であった。
篩性評価
得られたステアリン酸微粒子を目開き35μmメッシュの振動篩または超音波振動篩を通して、当該篩を通過した微粒子の質量から算出した数値。70%以上通過した場合を〇、70%未満20%以上の場合を△、20%未満の場合を×として評価した。ここで評価が×となった比較例1は以後の評価を行わなかった。
触感評価
10人のパネラーを用いて、触感について評価を行った。基準試料として、工業的に生産・利用されているポリメタクリル酸メチル粒子(アイカ工業社製、ガンツパールGMX-0610、商品名)を参考例1として使用した。評価方法は、粉末0.1gを手に取り、手の甲に広げて指でこすり、「滑り性の良さ」、「きしみ感を感じないか」、「手触りの良さ」について官能評価を比較した。7人以上が良好と評価した場合は〇、4~6人が良好と評価した場合は△、3人以下が良好と評価した場合は×として評価した。

耐熱性評価(水溶液中)
得られた粒子5gを1重量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液100mLに添加し、超音波ホモジナイザーを用いて一次粒子に分散させた。得られた粒子分散液を所定温度で2時間加熱・撹拌した後、分散状態および粒子形状を光学顕微鏡にて確認した。基準試料として、工業的に生産・利用されているPMMA粒子(アイカ工業製、商品名ガンツパールGMX-0610)を使用した。分散状態においては、一次粒子分散の場合は〇、二次凝集状態の場合は×として評価した。また粒子形状においては、球形の場合は〇、不定形の場合は×として評価した。
耐熱性評価(乾燥中)
得られた粒子を所定温度で12時間以上加熱乾燥した後、粉体の流動性および粒子形状を確認した。基準試料として、工業的に生産・利用されているPMMA粒子(アイカ工業株式会社、ガンツパールGMX-0610)を使用した。流動性においては、良好の場合は〇、ステアリン酸が漏出し固化した場合は×として目視にて評価した。また粒子形状においては、球形の場合は〇、不定形の場合は×として走査型電子顕微鏡にて評価した。

各実施例の脂肪酸粒子は、化粧料用添加剤として良好な性能を有していた。また、40℃においてはいずれもPMMA粒子と同等の耐熱性を有していた。さらに、加熱熟成を行った実施例4、5については、80℃の高温においてもPMMA粒子と同等の耐熱性を有していた。

Claims (6)

  1. 塩基性条件下において、脂肪酸微粒子分散液およびカルボキシル基とイオン性相互作用をし得る金属イオン(A)含む溶液に対して、前記金属イオン(A)と錯塩を形成する無機塩化合物(B)を添加する工程を含むことを特徴とする脂肪酸微粒子の製造方法。
  2. 塩基性条件下において、脂肪酸微粒子分散液およびカルボキシル基とイオン性相互作用をし得る金属イオン(A)含む溶液に対して、前記金属イオン(A)と錯塩を形成する無機塩化合物(B)を添加し、加熱熟成する工程を含むことを特徴とする脂肪酸微粒子の製造方法。
  3. 前記脂肪酸微粒子分散液が、分散剤の存在下で水中に脂肪酸を分散させることによって得られるものであることを特徴とする請求項1または2記載の脂肪酸微粒子の製造方法。
  4. 前記分散剤として、高分子分散剤および界面活性剤を用いることを特徴とする請求項3記載の脂肪酸微粒子の製造方法。
  5. 脂肪酸100重量に対して、高分子分散剤を5~20重量部、界面活性剤を0.1~3重量部用いることを特徴とする請求項4記載の脂肪酸微粒子の製造方法。
  6. 前記カルボキシル基とイオン性相互作用をし得る金属イオン(A)を含む溶液が塩化カルシウム水溶液であり、前記金属イオン(A)と錯塩を形成する無機塩化合物(B)がリン酸二水素アンモニウムまたは炭酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1~5いずれかに記載の脂肪酸微粒子の製造方法。


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