JP2023112657A - 情報処理システム、制御方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の移動体の移動経路を保存可能な情報処理システムを提供する。【解決手段】情報処理システムにおいて、所定の基準によって定義される3次元の空間に固有識別子を付与し、前記空間に存在する物体の状態と時間に関する空間情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存するフォーマット化手段を有し、前記フォーマット化手段は、複数の移動体の夫々の移動経路情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存することを特徴とする。【選択図】 図19
Description
本発明は、3次元の空間に関する情報処理システム、制御方法、及びコンピュータプログラム等に関するものである。
近年、世界では自律走行モビリティや空間認識システムなどの技術革新に伴い、異なる組織や社会の構成員の間でデータやシステムをつなぐ全体像(以下、デジタルアーキテクチャ)の開発が促進されている。
デジタルアーキテクチャを活用することで、自律走行モビリティや空間認識システムはより多くの情報を取得することができるとともに、自己以外の外部デバイス及びシステムと連携してより大きな課題を解決することができる。これを実現するためには、現実世界の空間とデジタル情報を結び付ける技術が必要である。
従来から、現実世界の空間とデジタル情報を結び付ける技術として、特許文献1のような技術がある。特許文献1では、ユーザの提供する時空間管理データに従って単一のプロセッサが時空間領域を時間及び空間で分割して、複数の時空間分割領域を生成している。又、時空間分割領域の時間及び空間の近傍性を考慮して、複数の時空間分割領域の各々を一意に識別するための、一次元の整数値で表現される識別子を割り当てている。
そして、その識別子が近い時空間分割領域のデータが記憶装置上で近くに配置されるように、時系列データの配置を決定する時空間データ管理システムが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1においては、生成された領域に関するデータを識別子で把握できるのはそれを生成したプロセッサ内でのみである。よって、異なるシステムのユーザがその空間分割領域の情報を活用することができない。又、異なるシステムユーザが時空間分割領域の情報をシェアするための具体的な方法に関しては十分に考慮されていない。
そこで、本発明は、複数の移動体の移動経路を保存可能な情報処理システムを提供することを1つの目的とする。
本発明の1側面の情報処理システムは、
所定の基準によって定義される3次元の空間に固有識別子を付与し、前記空間に存在する物体の状態と時間に関する空間情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存するフォーマット化手段を有し、
前記フォーマット化手段は、複数の移動体の夫々の移動経路情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存することを特徴とする。
所定の基準によって定義される3次元の空間に固有識別子を付与し、前記空間に存在する物体の状態と時間に関する空間情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存するフォーマット化手段を有し、
前記フォーマット化手段は、複数の移動体の夫々の移動経路情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存することを特徴とする。
本発明によれば、複数の移動体の移動経路を保存可能な情報処理システムを提供することが出来る。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。尚、各図において、同一の部材又は要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
尚、実施形態においては自律移動体の制御に適用した例について説明するが、移動体はユーザが移動体の移動に関して少なくとも1部を操作可能なものであっても良い。即ち、例えばユーザに対して移動経路等に関する各種表示等を行い、その表示を参照してユーザが移動体の運転操作の一部を行う構成であっても良い。
<実施形態1>
図1は本発明の実施形態1にかかる自律移動体制御システムの全体構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の自律移動体制御システム(情報処理システムと略すこともある。)は、システム制御装置10、ユーザインターフェース11、自律移動体12、経路決定装置13、変換情報保持装置14、センサノード15等を備える。尚、ここで、ユーザインターフェース11はユーザ端末装置を意味する。
図1は本発明の実施形態1にかかる自律移動体制御システムの全体構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の自律移動体制御システム(情報処理システムと略すこともある。)は、システム制御装置10、ユーザインターフェース11、自律移動体12、経路決定装置13、変換情報保持装置14、センサノード15等を備える。尚、ここで、ユーザインターフェース11はユーザ端末装置を意味する。
尚、本実施形態では、図1に示される各装置はインターネット16を介して、後述される夫々のネットワーク接続部によって接続されている。しかし、例えば、LAN(Local Area Network)等の他のネットワークシステムを用いてもかまわない。又、システム制御装置10、ユーザインターフェース11、経路決定装置13、変換情報保持装置14等の一部は同一装置として構成しても構わない。
システム制御装置10、ユーザインターフェース11、自律移動体12、経路決定装置13、変換情報保持装置14、センサノード15は夫々、コンピュータとしてのCPUや、記憶媒体としてのROM、RAM、HDD等からなる情報処理装置を含んでいる。各装置の機能及び内部構成の詳細については後に説明する。
次に、前記自律移動体制御システムによって提供されるサービスアプリケーションソフトウェア(以下、アプリと略す。)について説明する。尚、説明にあたっては、先ず、ユーザが位置情報を入力する際にユーザインターフェース11に表示される画面イメージを図2(A)、(B)を用いて説明する。
続いて、ユーザが自律移動体12の現在位置を閲覧する際のユーザインターフェース11に表示される画面イメージを図3(A)、図3(B)を用いて説明する。これらの説明により、前記自律移動体制御システムにおいて、どのようにしてアプリの操作がされるのかを例を用いて説明する。
尚、本説明において、便宜上、地図表示は二次元の平面で説明するが、本実施の形態において、ユーザは「高さ」も含めた3次元的な位置指定が可能であり、「高さ」情報を入力することもできる。即ち、本実施形態によれば3次元地図を生成することができる。
図2(A)はユーザが位置情報を入力する際の入力画面の例を示す図、図2(B)は使用する自律移動体を選択するための選択画面の例を示す図である。ユーザがユーザインターフェース11の表示画面を操作して、インターネット16にアクセスし、自律移動体制御システムの例えば経路設定アプリを選択すると、システム制御装置10のWEBページが表示される。
WEBページに先ず表示されるのは、自律移動体12を移動させる際に、出発地、経由地、到着地を設定するための出発地、経由地、到着地の入力画面40である。入力画面40には使用する自律移動体(モビリティ)の一覧を表示させるための一覧表示ボタン48があり、ユーザが一覧表示ボタン48を押下すると、図2(B)で示すようにモビリティの一覧表示画面47が表示される。
ユーザは先ず、一覧表示画面47において使用する自律移動体(モビリティ)を選択する。一覧表示画面47においては例えばM1~M3のモビリティが選択可能に表示されているが、数はこれに限定されない。
ユーザがM1~M3のいずれかのモビリティをクリック操作等によって選択すると、自動的に図2(A)の入力画面40に戻る。又、一覧表示ボタン48には、選択されたモビリティ名が表示される。その後ユーザは出発地として設定する場所を「出発地」の入力フィールド41に入力する。
又、ユーザは経由地として設定する場所を「経由地1」の入力フィールド42に入力する。尚、経由地は追加可能となっており、経由地の追加ボタン44を1回押下すると、「経由地2」の入力フィールド46が追加表示され、追加する経由地を入力することができる。
経由地の追加ボタン44を押下する度に、「経由地3」、「経由地4」のように、入力フィールド46が追加表示され、追加する経由地を複数地点入力することができる。又、ユーザは到着地として設定する場所を「到着地」の入力フィールド43に入力する。尚、図には示していないが、入力フィールド41~43、46等をクリックすると、文字を入力するためのキーボード等が一時的に表示され、所望の文字を入力可能になっている。
そして、ユーザは決定ボタン45を押下することにより、自律移動体12の移動経路を設定することができる。図2の例では、出発地として”AAA”、経由地1として”BBB”、到着地として”CCC”と設定している。入力フィールドに入力する文言は、例えば住所等であっても良いし、緯度/経度情報や店名や電話番号などの、特定の位置を示すための位置情報を入力できるようにしても良い。
図3(A)は自律移動体の現在位置を確認するための画面の例を示す図、図3(B)は自律移動体の現在位置を確認する際の地図表示画面の例を示す図である。図3(A)の50は確認画面であり、図2(A)のような画面で自律移動体12の移動経路を設定した後に、不図示の操作ボタンの操作をすることによって表示される。
確認画面50では、自律移動体12の現在位置が例えば現在地56のように、ユーザインターフェース11のWEBページに表示される。従ってユーザは容易に現在位置を把握できる。
又、ユーザは更新ボタン57を押下することにより、画面表示情報を更新して最新状態を表示することができる。又、ユーザは経由地/到着地変更ボタン54を押下することにより、出発地、経由地、到着地を変更することができる。即ち、「出発地」の入力フィールド51、「経由地1」の入力フィールド52、「到着地」の入力フィールド53に夫々再設定したい場所を入力することで変更することができる。
図3(B)には、図3(A)の地図表示ボタン55を押下した場合に、確認画面50から切り替わる地図表示画面60の例が示されている。地図表示画面60では、現在地62の位置を地図上で表示することによって、自律移動体12の現在地をよりわかりやすく確認する。又、ユーザが戻るボタン61を押下した場合には、図3(A)の確認画面50に表示画面を戻すことができる。
以上のように、ユーザはユーザインターフェース11の操作により、自律移動体12を所定の場所から所定の場所まで移動するための移動経路を容易に設定できる。尚、このような経路設定アプリは、例えばタクシーの配車サービスや、ドローンの宅配サービスなどにも適用することができる。
次に図1における10~15の構成例と機能例に関して図4を用いて詳細に説明する。図4は、図1の10~15の内部構成例を示した機能ブロック図である。尚、図4に示される機能ブロックの一部は、各装置に含まれる不図示のコンピュータに、不図示の記憶媒体としてのメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行させることによって実現されている。
しかし、それらの一部又は全部をハードウェアで実現するようにしても構わない。ハードウェアとしては、専用回路(ASIC)やプロセッサ(リコンフィギュラブルプロセッサ、DSP)などを用いることができる。
又、図4に示される夫々の機能ブロックは、同じ筐体に内蔵されていなくても良く、互いに信号路を介して接続された別々の装置により構成しても良い。尚、後述の図14に関しても上記と同様のことが当てはまる。
図4において、ユーザインターフェース11は操作部11-1、制御部11-2、表示部11-3、情報記憶部(メモリ/HD)11-4、ネットワーク接続部11-5を備える。
操作部11-1は、タッチパネルやキーボタンなどで構成されており、データの入力のために用いられる。表示部11-3は例えば液晶画面などであり、経路情報やその他のデータを表示するために用いられる。
図2、図3において示したユーザインターフェース11の表示画面は表示部11-3に表示される。ユーザは表示部11-3に表示されたメニューを用いて、経路の選択、情報の入力、情報の確認等を行うことができる。つまり操作部11-1及び表示部11-3はユーザが実際に操作をするための操作用のインターフェースを提供している。尚、操作部11-1と表示部11-3を別々に設ける代わりに、タッチパネルによって操作部と表示部を兼用しても良い。
制御部11-2は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、ユーザインターフェース11における各種アプリの管理や、情報入力、情報確認などのモード管理を行い、通信処理を制御する。又、システム制御装置内の各部における処理を制御する。
情報記憶部(メモリ/HD)11-4は、例えばCPUが実行するためのコンピュータプログラム等の、必要な情報を保有しておくためのデータベースである。ネットワーク接続部11-5は、インターネットやLAN、無線LANなどを介して行われる通信を制御する。尚、ユーザインターフェース11は例えばスマートフォンのようなデバイスであっても良いし、タブレット端末のような形態であっても良い。
このように、本実施形態のユーザインターフェース11は、システム制御装置10のブラウザ画面に前記出発地、経由地、到着地などを、入力画面40上に表示し、ユーザによる出発地点、経由地点、到着地点といった位置情報の入力が可能である。更に又、前記ブラウザ画面に前記確認画面50及び地図表示画面60を表示することで、自律移動体12の現在位置を表示することができる。
図4における、経路決定装置13は、地図情報管理部13-1、制御部13-2、位置/経路情報管理部13-3、情報記憶部(メモリ/HD)13-4、ネットワーク接続部13-5を備える。地図情報管理部13-1は、広域の地図情報を保有しており、指定された所定の位置情報に基づいて地図上のルートを示す経路情報を探索するとともに、探索結果の経路情報を位置/経路情報管理部13-3に送信する。
前記地図情報は地形や緯度/経度/高度といった情報を含む3次元の地図情報であると共に、車道、歩道、進行方向、交通規制といった道路交通法に関わる規制情報なども併せて含む。
又、例えば時間帯によって一方通行となる場合や、時間帯によって歩行者専用道路となるものなど、時間によって変化する交通規制情報も、夫々の時間情報とともに含んでいる。制御部13-2は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、経路決定装置13内の各部における処理を制御する。
位置/経路情報管理部13-3は、ネットワーク接続部13-5を介して取得した自律移動体の位置情報を管理するとともに、地図情報管理部13-1に前記位置情報送信し、地図情報管理部13-1から取得した前記探索結果としての前記経路情報を管理する。制御部13-2は、外部システムの要求に従って、位置/経路情報管理部13-3で管理されている前記経路情報を所定のデータ形式に変換するとともに、外部システムに送信する。
以上のように、本実施形態においては、経路決定装置13は、指定された位置情報に基づいて道路交通法等に則した経路を探索し、経路情報を所定のデータ形式で出力できるように構成されている。
図4における、変換情報保持装置14は、位置/経路情報管理部14-1、固有識別子管理部14-2、制御部14-3、フォーマットデータベース14-4、情報記憶部(メモリ/HD)14-5、ネットワーク接続部14-6を備える。
又、変換情報保持装置14は、緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に固有識別子を付与し、その空間に存在する物体の状態と時間に関する空間情報を上記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存するフォーマット化手段として機能し得る。
位置/経路情報管理部14-1は、ネットワーク接続部14-6を通して取得した所定の位置情報を管理するとともに、制御部14-3の要求に従って前記位置情報を制御部14-3に送信する。制御部14-3は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、変換情報保持装置14内の各部における処理を制御する。
制御部14-3は、位置/経路情報管理部14-1から取得した前記位置情報と、フォーマットデータベース14-4で管理されているフォーマットの情報に基づいて、前記位置情報を前記フォーマットで規定された固有識別子に変換する。そして、固有識別子管理部14-2に送信する。
前記フォーマットについては後に詳しく説明するが、所定の位置を起点とした空間に識別子(以下、固有識別子)を割り振り、固有識別子によって空間を管理するものである。本実施形態においては、所定の位置情報を基に、対応する固有識別子や空間内の情報を取得することができる。
固有識別子管理部14-2は、制御部14-3にて変換した前記固有識別子を管理するとともにネットワーク接続部14-6を通じて送信する。フォーマットデータベース14-4は、前記フォーマットの情報を管理するとともに、制御部14-3の要求に従って、前記フォーマットの情報を制御部14-3に送信する。
又、ネットワーク接続部14-6を通じて取得した前記空間内の情報を、前記フォーマットを用いて管理する。変換情報保持装置14は、外部の機器、装置、ネットワークにより取得された前記空間に関する情報を、固有識別子と紐づけて管理する。又、外部の機器、装置、ネットワークに対して固有識別子及びそれに紐づく前記空間に関する情報を提供する。
以上のように、変換情報保持装置14は、所定の位置情報を基に、固有識別子と空間内の情報を取得し、その情報を自身に接続された外部の機器、装置、ネットワークが共有できる状態に管理、提供する。又、変換情報保持装置14は、システム制御装置10に指定された前記位置情報を、前記固有識別子に変換し、システム制御装置10に提供する。
図4において、システム制御装置10は固有識別子管理部10-1、制御部10-2、位置/経路情報管理部10-3、情報記憶部(メモリ/HD)10-4、ネットワーク接続部10-5を備える。位置/経路情報管理部10-3は、地形情報と緯度/経度情報の対応付けをした簡易的な地図情報を保持するとともに、ネットワーク接続部10-5を通して取得した所定の位置情報及び経路情報を管理する。
また位置/経路情報管理部10-3は、前記経路情報を所定の間隔で区切るとともに、区切った場所の緯度/経度といった位置情報を生成することもできる。固有識別子管理部10-1は、前記位置情報及び前記経路情報を前記固有識別子に変換した情報を管理する。
制御部10-2は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、システム制御装置10の前記位置情報、前記経路情報、前記固有識別子の通信機能の制御を司り、システム制御装置10内の各部における処理を制御する。
又、制御部10-2は、ユーザインターフェース11にWEBページを提供するとともに、WEBページから取得した所定の位置情報を、経路決定装置13に送信する。又、経路決定装置13から所定の経路情報を取得し、経路情報の各位置情報を変換情報保持装置14に送信する。そして、変換情報保持装置14から取得した固有識別子に変換された経路情報を自律移動体12に送信する。
以上のように、システム制御装置10はユーザの指定する所定の位置情報の取得、位置情報及び経路情報の送受信、位置情報の生成、固有識別子を用いた経路情報の送受信を行えるように構成されている。
又、システム制御装置10は、ユーザインターフェース11に入力された前記位置情報に基づいて、自律移動体12が自律移動を行うのに必要な前記経路情報を収集するとともに、自律移動体12に固有識別子を用いた経路情報を提供する。尚、本実施形態では、システム制御装置10と経路決定装置13、変換情報保持装置14は例えばサーバーとして機能している。
図4において、自律移動体12は検出部12-1、制御部12-2、方向制御部12-3、情報記憶部(メモリ/HD)12-4、ネットワーク接続部12-5、駆動部12-6を備える。検出部12-1は、例えば複数の撮像素子を有し、複数の撮像素子から得られた複数の撮像信号の位相差に基づき測距を行う機能を有する。
又、周辺の地形・建物の壁などの障害物といった検出情報(以下、検出情報)を取得し、検出情報と地図情報に基づき自己位置を推定する自己位置推定機能を有する。
又、検出部12-1は、GPS(Global Positioning System)などの自己位置検出機能と、例えば地磁気センサなどの方向検出機能を有する。更に、取得した前記検出情報と自己位置推定情報と方向検出情報を基に、前記制御部12-2はサイバー空間の3次元マップを生成することができる。
ここで、サイバー空間の3次元マップとは、現実世界の地物位置と等価な空間情報を、デジタルデータとして表現可能なものである。このサイバー空間の3次元マップ内には、現実世界に存在する自律移動体12や、その周辺の地物情報が、デジタルデータとして空間的に等価な情報として保持されている。従って、このデジタルデータを用いることで、効率的な移動が可能である。
以下図5を例として、本実施形態で用いるサイバー空間の3次元マップについて説明する。図5(A)は、現実世界における自律移動体12とその周辺の地物情報として存在する柱99の空間的位置関係を示した図、図5(B)は自律移動体12と柱99を、位置P0を原点とする任意のXYZ座標系空間にマッピングした状態を示した図である。
図5(A)、(B)において、自律移動体12の位置は、自律移動体12に搭載された不図示のGPS等によって取得された緯度経度の位置情報から、自律移動体12内の位置α0として特定される。又、自律移動体12の方位は不図示の電子コンパス等によって取得された方位αYと自律移動体12に移動方向12Yの差分によって特定される。
又、柱99の位置は、予め測定された位置情報から頂点99-1の位置として特定される。また自律移動体12の測距機能によって、自律移動体12のα0から頂点99-1までの距離を取得することが可能である。図5(A)においては移動方向12YをXYZ座標系の軸としてα0を原点とした場合に、頂点99-1の座標(Wx,Wy,Wz)として示される。
サイバー空間の3次元マップでは、この様に取得された情報がデジタルデータとして管理され、図5(B)のような空間情報としてシステム制御装置10、経路決定装置13等で再構成することが可能である。図5(B)においては、自律移動体12と柱99を、P0を原点とする任意のXYZ座標系空間にマッピングした状態を示している。
P0を現実世界の所定の緯度経度に設定し、現実世界の方位北をY軸方向に取ることで、この任意のXYZ座標系空間で自律移動体12を、P1と柱99をP2として表現することができる。
具体的には、α0の緯度経度とP0の緯度経度から、この空間におけるα0の位置P1を算出できる。又、同様に柱99をP2として算出できる。この例では、自律移動体12と柱99の2つをサイバー空間の3次元マップで表現しているが、勿論もっと多数あっても同様に扱うことが可能である。以上のように、3次元空間に現実世界の自己位置や物体をマッピングしたものが3次元マップである。
図4に戻り、自律移動体12は、機械学習を行った物体検出の学習結果データを、例えば情報記憶部(メモリ/HD)12-4に記憶しており、機械学習を用いて撮影画像から物体検出することができる。尚、前記検出情報に関しては、ネットワーク接続部12-5を経由して、外部のシステムから取得して、3次元マップに反映することもできる。
尚、制御部12-2は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、自律移動体12の移動、方向転換、自律走行機能の制御を司り、自律移動体12内の各部における処理を制御する。
方向制御部12-3は、駆動部12-6による移動体の駆動方向を変更することで、自律移動体12の移動方向の変更を行う。駆動部12-6は、モータなどの駆動装置からなり、自律移動体12の推進力を発生させる。自律移動体12は前記3次元マップ内に前記自己位置及び検出情報、物体検出情報を反映し、周辺の地形・建物・障害物・物体から一定の間隔を保った経路を生成し、自律走行を行うことができる。
尚、経路決定装置13は主に道路交通法に関わる規制情報を考慮した経路生成を行う。一方、自律移動体12は経路決定装置13による経路において、周辺障害物の位置をより正確に検出し、自分のサイズに基づき、それらに接触せずに移動するための経路生成を行う。
又、自律移動体12の情報記憶部(メモリ/HD)12-4には自律移動体自身のモビリティ形式を格納することも出来る。このモビリティ形式とは例えば法的に識別された移動体の種別等であり、例えば自動車、自転車、ドローンなどの種別を意味する。このモビリティ形式に基づいて、後述するフォーマット経路情報の生成を行うことが出来る。
ここで本実施の形態における自律移動体12の本体構成例について図6を用いて説明する。図6は実施形態1に係る自律移動体12のメカ的な構成例を示す斜視図である。尚、本実施形態においては、自律移動体12は、車輪を有する走行体の例を説明するがこの限りではなく、ドローンなどの飛行体であっても良い。
図6において、自律移動体12には検出部12-1、制御部12-2、方向制御部12-3、情報記憶部(メモリ/HD)12-4、ネットワーク接続部12-5、駆動部12-6が搭載されており、各部は互いに電気的に接続されている。駆動部12-6、方向制御部12-3は自律移動体12に少なくとも2つ以上配備されている。
方向制御部12-3は軸の回転駆動により駆動部12-6の方向を変更することで、自律移動体12の移動方向を変更し、駆動部12-6は、軸の回転により自律移動体12の前進、後退を行う。尚、図6を用いて説明した構成は1例であって、これに限定するものではなく、例えば移動方向の変更を、オムニホイール等を用いて行っても良い。
尚、自律移動体12は例えばSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を用いた移動体である。又、検出部12-1等により検出した検出情報や、インターネット16を介して取得した外部システムの検出情報を基に、指定された所定の経路を自律移動できるように構成されている。
自律移動体12は細かく指定された地点をトレースするようなトレース移動も可能であるし、大まかに設定された地点を通過しながらその間の空間においては自身で経路情報を生成し、移動することも可能である。以上のように、本実施形態の自律移動体12は、システム制御装置10により提供された前記固有識別子を用いた経路情報に基づき自律移動を行うことができる。
図4に戻り、センサノード15は、例えばロードサイドカメラユニットのような映像監視システムなどの外部システムであり、検出部15-1、制御部15-2、情報記憶部(メモリ/HD)15-3、ネットワーク接続部15-4を備える。検出部15-1は、例えばカメラ等であり、自身が検出可能なエリアの検出情報を取得するとともに、物体検出機能、測距機能を有する。
制御部15-2は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、センサノード15の検出、データ保管、データ送信機能の制御を司り、センサノード15内の各部における処理を制御する。又、検出部15-1で取得した検出情報を情報記憶部(メモリ/HD)15-3に保管するとともに、ネットワーク接続部15-4を通じて変換情報保持装置14に送信する。
以上のように、センサノード15は、検出部15-1で検出した画像情報、検出した物体の特徴点情報、位置情報などの検出情報を情報記憶部15-3に保存及び通信できるように構成されている。又、センサノード15は、自身が検出可能なエリアの前記検出情報を、前記変換情報保持装置14に提供する。
次に、図4における各制御部の具体的なハードウェア構成に関して説明する。図7は、制御部10-2、制御部11-2、制御部12-2、制御部13-2、制御部14-3、制御部15-2の具体的なハードウェア構成例を示すブロック図である。尚、図7に示すハードウェア構成に限定されない。又、図7に示す各ブロックを全て備えている必要はない。
図7において、21は情報処理装置の演算・制御を司るコンピュータとしてのCPUである。22はRAMであり、CPU21の主メモリとして、及び実行プログラムの領域や該プログラムの実行エリアならびにデータエリアとして機能する。23はCPU21の動作処理手順を記憶しているROMである。
ROM23は情報処理装置の機器制御を行うシステムプログラムである基本ソフト(OS)を記録したプログラムROMと、システムを稼働するために必要な情報等が記録されているデータROMとを備える。尚、ROM23の代わりに、後述のHDD29を用いても良い。
24はネットワークインターフェース(NETIF)であり、インターネット16を介して情報処理装置間のデータ転送を行うための制御や接続状況の診断を行う。25はビデオRAM(VRAM)であり、LCD26の画面に表示させるための画像を展開し、その表示の制御を行う。26はディスプレイ等の表示装置(以下、LCDと記す)である。
27は外部入力装置28からの入力信号を制御するためのコントローラ(以下、KBCと記す)である。28は利用者が行う操作を受け付けるための外部入力装置(以下、KBと記す)であり、例えばキーボードやマウス等のポインティングデバイスが用いられる。
29はハードディスクドライブ(以下、HDDと記す)であり、アプリケーションプログラムや各種データ保存用に用いられる。本実施形態におけるアプリケーションプログラムとは、本実施形態における各種処理機能を実行するソフトウェアプログラム等である。
30は外部入出力装置(以下、CDDと記す)である。例えばCDROMドライブ、DVDドライブ、Blu―Ray(登録商標)ディスクドライブ等の、取り外し可能なデータ記録媒体としてのリムーバブル・メディア31とデータを入出力するためのものである。
CDD30は、上述したアプリケーションプログラムをリムーバブル・メディアから読み出す場合等に用いられる。31はCDD30によって読み出しされる、例えば、CDROMディスク、DVD、Blu-Ray(登録商標)ディスク等のリムーバブル・メディアである。
尚、リムーバブル・メディアは、光磁気記録媒体(例えば、MO)、半導体記録媒体(例えば、メモリカード)等であっても良い。尚、HDD29に格納するアプリケーションプログラムやデータをリムーバブル・メディア31に格納して利用することも可能である。20は上述した各ユニット間を接続するための伝送バス(アドレスバス、データバス、入出力バス、及び制御バス)である。
次に、図2、図3で説明したような経路設定アプリ等を実現するための自律移動体制御システムにおける制御動作の詳細について図8~図10を用いて説明する。図8は実施形態1に係る自律移動体制御システムが実行する処理を説明するシーケンス図であり、図9は、図8の続きのシーケンス図であり、図10は、図9の続きのシーケンス図である。
図8~図10は、ユーザがユーザインターフェース11に前記位置情報を入力してから自律移動体12の現在位置情報を受け取るまでの、各装置が実行する処理を示している。尚、10~15の制御部内のコンピュータがメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図8~図10のシーケンスの各ステップの動作が行われる。
先ず、ステップS201において、ユーザが、ユーザインターフェース11を用いて、システム制御装置10が提供するWEBページにアクセスする。ステップS202において、システム制御装置10はWEBページの表示画面に図2で説明したような位置入力画面を表示させる。ステップS203において、図2で説明したように、ユーザは自律移動体(モビリティ)を選択し、出発/経由/到着地点を示す位置情報(以下、位置情報)を入力する。
前記位置情報は、例えば建物名や駅名や住所など、特定の場所を指定するワード(以下、位置ワード)でも良いし、前記WEBページに表示された地図の特定の位置をポイント(以下、ポイント)として指定する手法でも良い。
ステップS204において、システム制御装置10は選択された自律移動体12の種別情報と、入力された前記位置情報などの入力情報を保存する。この時、前記位置情報が前記位置ワードの場合は、前記位置ワードを保存し、前記位置情報が前記ポイントの場合は、位置/経路情報管理部10-3に保存してある前記簡易的な地図情報を基に、ポイントに該当する緯度/経度を探索し、緯度/経度を保存する。
次に、ステップS205において、システム制御装置10はユーザによって指定された自律移動体12のモビリティ形式(種別)から、移動できる経路の種別(以下、経路種別)を指定する。そして、ステップS206において、前記位置情報とともに経路決定装置13に送信する。
前記モビリティ形式とは、前述のように、法的に区別された移動体の種別等であり、例えば自動車、自転車、ドローンなどの種別等を意味する。又、経路の種別とは、例えば自動車であれば一般道や高速道路、自動車専用道路等であり、自転車であれば所定の歩道、一般道の路側帯、自転車専用レーンなどである。
ステップS207において、経路決定装置13は、受信した前記位置情報を、所有する地図情報に出発/経由/到着地点として入力する。前記位置情報が前記位置ワードの場合は、位置ワードにより地図情報で探索し、該当する緯度/経度情報を使用する。前記位置情報が緯度/経度情報の場合はそのまま地図情報に入力して使用する。更に経路の事前探索を行っても良い。
続いて、ステップS208で、経路決定装置13は出発地点から経由地点を経由して到着地点までの経路を探索する。この時、探索する経路は前記経路種別に則った経路を検索する。そして、ステップS209で、経路決定装置13は探索の結果として、出発地点から経由地点を経由して到着地点までの経路(以下、経路情報)をGPX形式(GPS eXchange Format)で出力し、システム制御装置10に送信する。
GPX形式のファイルは、ウェイポイント(順序関係を持たない地点情報)、ルート(時間情報を付加した順序関係を持つ地点情報)、トラック(複数の地点情報の集合体:軌跡)の3種類で主に構成されている。
更に、各地点情報の属性値として緯度/経度、子要素として標高やジオイド高、GPS受信状況・精度などが記載される。GPXファイルに必要な最小要素は、単一ポイントの緯度/経度情報で、それ以外の情報の記述は任意である。前記経路情報として出力するのは前記ルートであり、順序関係を持つ緯度/経度からなる地点情報の集合体である。尚、経路情報は上記を満足できれば他の形式であっても良い。
ここで、前記変換情報保持装置14のフォーマットデータベース14-4で管理しているフォーマットの構成例に関して図11(A)、図11(B)、図12を参照して詳しく説明する。
図11(A)は地球の緯度/経度情報を示す図であり、図11(B)は図11(A)の所定の空間100を示す斜視図である。又、図11(B)において所定の空間100の中心を中心101とする。図12は空間100内の空間情報を模式的に示した図である。
図11(A)、図11(B)において、フォーマットは、地球の空間を、緯度/経度/高さを起点とした範囲によって決定される3次元の空間に分割し、夫々の空間に固有識別子を付加して管理可能とするものである。例えばここでは所定の3次元の空間として空間100を表示する。
空間100は、中心101が北緯20度、東経140度、高さ(高度、標高)Hにより規定され、緯度方向の幅をD、経度方向の幅をW、高さ方向の幅をTと規定された分割空間である。又、地球の空間を前記緯度/経度/高さを起点とした範囲によって決定される空間に分割した1つの空間である。
図11(A)においては便宜上、空間100のみを表示しているが、フォーマットの規定においては前述のとおり空間100と同じように規定された空間が緯度/経度/高さ方向に並んで配置されているものとする。そして配置された各分割空間は夫々緯度/経度によって水平位置を定義されているとともに、高さ方向にも重なりを持ち、高さによって高さ方向の位置を定義されているものとする。
尚、図11(B)において前記緯度/経度/高さの起点として、前記分割空間の中心101を設定しているが、これに限定するものではなく、例えば空間の角部や、底面の中心を前記起点としても良い。又、形状も略直方体であればよく、地球のような球体表面上に敷き詰める場合を考えた時は、直方体の底面よりも天面のほうをわずかに広く設定したほうが、より隙間なく配置できる。
図12において空間100を例にすると、フォーマットデータベース14-4には空間100の範囲に存在又は進入可能な物体の種別と時間制限に関する情報(空間情報)が夫々固有識別子と関連付けて(紐づけて)フォーマット化されて保存されている。又、フォーマット化された空間情報は、過去から未来といった時系列に保管されている。尚、本実施形態においては、関連付けると紐づけるとは同じ意味で用いる。
即ち、変換情報保持装置14は、緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に存在又は進入可能な物体の種別と時間制限に関する空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマット化しフォーマットデータベース14-4に保存している。
前記空間情報は、変換情報保持装置14に通信可能に接続された外部システム(例えばセンサノード15)などの情報供給手段により供給された情報に基づき所定の更新間隔で更新される。そして、変換情報保持装置14に通信可能に接続された他の外部システムに情報共有される。
尚、時間に関する情報を必要としない用途においては、時間に関する情報を含まない空間情報を使用することも可能である。又、固有識別子の代わりに、固有でない識別子を用いても良い。
また、外部システムを有する事業者/個人の情報、外部システムが取得した検出情報へのアクセス方法の情報、検出情報のメタデータ/通信形式などの検出情報の仕様情報も空間情報として、固有識別子と関連付けて管理することができる。
以上のように、実施形態1では、緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に存在又は進入可能な物体の種別と時間制限に関する情報(以下、空間情報)を固有識別子と関連付けてフォーマット化してデータベースに保存している。そしてフォーマット化された空間情報によって時空間を管理可能としている。
なお、本実施形態においては空間(ボクセル)の位置を規定する座標系として緯度/経度/高さを用いて説明していくが、座標系はこれに限定されたものではない。例えば任意の座標軸を有するXYZ座標系や、水平方向の座標としてMGRS(Military Grid Reference System)を用いるなど、様々な座標系を用いることができる。
その他、画像の画素位置を座標として利用するピクセル座標系や、所定の領域をタイルという単位で分割し、X/Y方向に並べて表現するタイル座標系を用いることもできる。
又、実施形態1の変換情報保持装置14は、空間情報の更新間隔に関する情報も固有識別子と関連付けてフォーマット化し保存するフォーマット化ステップを実行している。尚、固有識別子と関連付けてフォーマット化する更新間隔に関する情報は更新頻度であっても良く、更新間隔に関する情報は更新頻度を含む。
図8に戻り、自律移動体制御システムが実行する処理の続きを説明する。ステップS210において、システム制御装置10は、受信した前記経路情報内の各地点情報間の間隔を確認する。そして、地点情報の間隔と前記フォーマットで規定する分割空間の起点位置同士の間隔とを整合したものを位置点群データとして作成する。
この時、前記地点情報の間隔が前記分割空間の起点位置同士の間隔より小さい場合、システム制御装置10は分割空間の起点位置間隔に合わせて前記経路情報内の地点情報を間引いたものを位置点群データとする。又、前記地点情報の間隔が前記分割空間の起点位置同士の間隔より大きい場合、システム制御装置10は経路情報から逸脱しない範囲で地点情報を補間して位置点群データとする。
次に、図9のステップS211に示すように、システム制御装置10は、前記位置点群データの各地点情報の緯度/経度情報を、変換情報保持装置14に、経路の順番に送信する。又、ステップS212において、変換情報保持装置14は受信した緯度/経度情報に該当する固有識別子をフォーマットデータベース14-4から探索し、ステップS213において、システム制御装置10に送信する。
ステップS214において、システム制御装置10は受信した固有識別子を元の位置点群データと同じ順に並べ、固有識別子を用いた経路情報(以下、フォーマット経路情報)として保管する。このように、ステップS214においては、経路生成手段としてのシステム制御装置10は、変換情報保持装置14のデータベースから空間情報を取得し、取得した空間情報と、移動体の種別情報に基づき移動体の移動経路に関する経路情報を生成している。
ここで、前記経路情報から前記位置点群データを生成し、固有識別子を用いた経路情報に変換する過程を、図13(A)、図13(B)、図13(C)を参照して詳細に説明する。図13(A)は経路情報を地図情報で表示したイメージ図、図13(B)は位置点群データを用いた経路情報を地図情報で表示したイメージ図、図13(C)は固有識別子を用いた経路情報を地図情報で表示したイメージ図である。
図13(A)において、120は経路情報、121は自律移動体12が通過できない移動不可領域、122は自律移動体12が移動可能な移動可能領域である。前記ユーザが指定した出発地点、経由地点、到着地点の位置情報をもとに、前記経路決定装置13により生成された経路情報120は、前記出発地点、経由地点、到着地点を通過し、かつ地図情報上で移動可能領域122上を通る経路として生成されている。
図13(B)において、123は前記経路情報上の複数の位置情報である。前記経路情報120を取得したシステム制御装置10は、経路情報120上に、所定の間隔で配置した前記位置情報123を生成する。
前記位置情報123は夫々緯度/経度/高さで表すことができ、これら位置情報123を実施形態1では位置点群データと呼ぶ。そして、システム制御装置10はこれら位置情報123(各点の緯度/経度/高さ)を1つずつ前記変換情報保持装置14に送信し、固有識別子に変換する。
図13(C)において、124は前記位置情報123を1つずつ固有識別子に変換し、固有識別子が規定する空間範囲を四角い枠で表現した位置空間情報である。前記位置情報を固有識別子に変換することで、位置空間情報124が得られる。これにより、前記経路情報120が表現していた経路を、連続した位置空間情報124に変換して表現する。
尚、各位置空間情報124には、前記空間の範囲に存在又は進入可能な物体の種別と時間制限に関する情報が紐づけられている。この連続した位置空間情報124を実施形態1ではフォーマット経路情報と呼ぶ。
図9に戻り、自律移動体制御システムが実行する処理の続きを説明する。ステップS214の次に、ステップS215において、システム制御装置10は前記フォーマット経路情報の各固有識別子に紐づけられた前記空間情報を変換情報保持装置14からダウンロードする。
そしてステップS216で、システム制御装置10は、前記空間情報を、自律移動体12の前記サイバー空間の3次元マップに反映できる形式に変換して、所定空間内の複数物体(障害物)の位置を示す情報(以下、コストマップ)を作成する。前記コストマップは、前記フォーマット経路情報のすべての経路の空間に関して初めに作成しても良いし、一定領域で区切った形で作成し、順次更新していく方法で作成しても良い。
次に、ステップS217において、システム制御装置10は、前記フォーマット経路情報と前記コストマップを、自律移動体12に割り当てられた固有識別番号(固有識別子)に紐づけて保管する。
自律移動体12は所定時間間隔で、自己の前記固有識別番号を、ネットワークを介して監視(以下、ポーリング)しており、ステップS218において、紐づけられたコストマップをダウンロードする。自律移動体12はステップS219において、前記フォーマット経路情報の各固有識別子の緯度/経度情報を、自己が作成したサイバー空間の3次元マップに対して経路情報として反映させる。
次に、ステップS220において、自律移動体12は前記コストマップをルート上の障害物情報としてサイバー空間の3次元マップに反映する。前記コストマップが一定間隔で区切った形で作成されている場合は、前記コストマップが作成された領域を移動した後に、次の領域のコストマップをダウンロードし、コストマップを更新する。
ステップS221において、自律移動体12は、前記経路情報に沿って前記コストマップで入力された物体(障害物)を回避しながら移動する。即ち、コストマップに基づき移動制御を行う。
この時、ステップS222において、自律移動体12は物体検出を行いながら移動し、前記コストマップとの差異があれば物体検出情報を用いてコストマップを更新しつつ移動する。又、ステップS223において、自律移動体12はコストマップとの差異情報を、対応する固有識別子とともにシステム制御装置10に送信する。
固有識別子と、コストマップとの差異情報を取得したシステム制御装置10は、図10のステップS224において、変換情報保持装置14に空間情報を送信し、ステップS225で、変換情報保持装置14は該当する固有識別子の空間情報を更新する。
ここで更新する空間情報の内容は、コストマップとの差異情報をそのまま反映するわけではなく、システム制御装置10にて抽象化されてから変換情報保持装置14に送信される。前記抽象化の詳細な内容に関しては後述する。
前記フォーマット経路情報に基づき移動している自律移動体12は、ステップS226において、各固有識別子に紐づけられた分割空間を通過するごとにシステム制御装置10に対して現在自身が通過している空間に紐づけられた固有識別子を送信する。
もしくは前記ポーリング時に、自身の前記固有識別番号に紐づけても良い。システム制御装置10は、自律移動体12から受け取る、空間の固有識別子情報を基に、フォーマット経路情報上の自律移動体12の現在位置を把握する。
前記ステップS226を繰り返すことで、システム制御装置10は前記フォーマット経路情報の中で、自律移動体12が現在どこにいるのかを把握することができる。尚、自律移動体12が通過した空間の固有識別子に関して、システム制御装置10は保持することをやめてもよく、それにより前記フォーマット経路情報の保持データ容量を削減することもできる。
ステップS227において、システム制御装置10は把握した自律移動体12の現在位置情報を基に、図2及び図3で説明した確認画面50及び地図表示画面60を作成し、WEBページの表示画面に表示する。自律移動体12により、現在位置を示す前記固有識別子がシステム制御装置10に送信されるたびに、システム制御装置10は前記確認画面50及び地図表示画面60を更新する。
一方、図8のステップS228において、センサノード15は検出範囲の検出情報を保存するとともに、ステップS229において前記検出情報を抽象化して、ステップS230において前記空間情報として変換情報保持装置14に送信する。前記抽象化とは、例えば物体が存在しているか否か、物体の存在状態に変化があったか否かといった情報であり、物体に関する詳細情報ではない。
物体に関する詳細情報はセンサノード内のメモリに保管される。そして、ステップS231において、変換情報保持装置14は、抽象化された検出情報である前記空間情報を、空間情報に対応する位置の固有識別子に紐づけて保管する。これにより、フォーマットデータベース内の1つの固有識別子に前記空間情報が格納されたことになる。
又、センサノード15とは異なる外部システムが前記空間情報を活用する場合、外部システムは変換情報保持装置14内の前記空間情報を基に、変換情報保持装置14を経由してセンサノード15内の前記検出情報を取得して活用する。この時、変換情報保持装置14は外部システムとセンサノード15の通信規格をつなぐ機能も有する。
上記のような空間情報の格納をセンサノード15に限らず複数デバイス間で行うことで、変換情報保持装置14は比較的軽量なデータ量にて複数のデバイスのデータをつなぐ機能を有する。尚、図9のステップS215、S216においてシステム制御装置10がコストマップを作成の際に詳細な物体情報を必要とする場合は、空間情報の詳細な検出情報を保管している外部システムから詳細情報をダウンロードして使用すれば良い。
ここで、自律移動体12の前記フォーマット経路情報の経路上において、センサノード15が前記空間情報を更新したとする。この時、図10のステップS232でセンサノード15は前記検出情報を取得し、ステップS233で抽象化された空間情報を生成して、ステップS234で変換情報保持装置14に送信する。変換情報保持装置14は、ステップS235で前記空間情報をフォーマットデータベース14-4に格納する。
システム制御装置10は、管理する前記フォーマット経路情報における前記空間情報の変化を所定の時間間隔で確認しており、変化があればステップS236で空間情報をダウンロードする。そして、ステップS237で自律移動体12に割り当てられた固有識別番号に紐づけられたコストマップを更新する。
自律移動体12はステップS238において、ポーリングにてコストマップの更新を認識し、自己が作成したサイバー空間の3次元マップに反映する。
以上のように、複数デバイスで共有された空間情報を活用することで、自律移動体12は自己が認識できないルート上の変化を事前に認識でき、その変化に対応することができる。上記一連のシステムを遂行し、ステップS239で自律移動体12が到着地点に到着した場合には、ステップS240で固有識別子を送信する。
これにより固有識別子を認識したシステム制御装置10は、ステップS241で、到着表示をユーザインターフェース11に表示し、アプリを終了する。実施形態1によれば、以上のようにしてデジタルアーキテクチャのフォーマット及びそれを用いた自律移動体制御システムを提供することができる。
図11(A)、(B)、図12で説明したように、前記フォーマットデータベース14-4には空間100の範囲に存在又は進入可能な物体の種別と時間制限に関する情報(空間情報)が過去から未来といった時系列に保管されている。又、前記空間情報は、変換情報保持装置14に通信可能に接続された外部センサなどから入力された情報に基づき更新され、変換情報保持装置14に接続可能な他の外部システムに情報共有されている。
これらの空間情報の1つとして、空間内の物体の種別情報がある。ここでの空間内の物体の種別情報は例えば道路における車道、歩道、自転車専用道路等、地図情報より取得可能な情報である。また他には車道におけるモビリティの進行方向や交通規制等の情報も同様に種別情報と定義することが出来る。更に後述するように空間自体に種別情報を定義することも出来る。
以上、図4を用いて、変換情報保持装置14と自律移動体12の制御を行うシステム制御装置10等の連携動作の説明を行った。しかし、変換情報保持装置14はシステム制御装置10以外にも、道路の情報を管理するシステム制御装置や、道路以外の区画の情報を管理するシステム制御装置と接続することができる。
即ち、前述のように、システム制御装置10は図13(B)の位置情報123を総称した位置点群データを変換情報保持装置14に送信できる。それと同様に、道路の情報を管理するシステム制御装置や、道路以外の区画の情報を管理するシステム制御装置もそれに相当するデータを変換情報保持装置14に送信できる。
それに相当するデータとは、道路の情報を管理するシステム制御装置や、道路以外である区画の情報を管理するシステム制御装置が管理する位置点群データの情報等である。尚、位置点群データの各々の点を位置点と以降呼ぶこととする。
送信した後は、フォーマットデータベース14-4の固有識別子に紐づけて格納し、適宜その情報を更新することで、現在の現実世界の情報を正確に変換情報保持装置14に反映し、自律移動体12の移動に支障がないようにする。
尚、実施形態1では、空間情報の更新間隔は、その空間に存在する物体の種類に応じて異なる。即ち、その空間に存在する物体の種類が移動体の場合には、その空間に存在する物体の種類が移動体でない場合よりも短くなるようにする。又、空間に存在する物体の種類が道路の場合には、空間に存在する物体の種類が区画の場合よりも短くなるようにする。
又、空間に複数の物体が存在する場合には、夫々の物体に関する空間情報の更新間隔は、夫々の物体の種類(例えば移動体、道路、区画等)に応じて夫々異なるようにする。そして、空間に存在する複数の物体の夫々の状態と時間に関する空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存するように構成している。従って、空間情報の更新のための負荷を低減することができる。
<実施形態2>
図8を用いて、ステップS201~212により、ユーザインターフェース11を通して、自律移動体12の経路の変換情報保持装置14への送信について説明した。実施形態2では、変換情報保持装置14にもう1つ別の自律移動体制御システムが接続された構成を用いて、複数の自律移動体が制御されている環境において、各自律移動体の経路を変換情報保持装置14に保管する方法について説明する。
図8を用いて、ステップS201~212により、ユーザインターフェース11を通して、自律移動体12の経路の変換情報保持装置14への送信について説明した。実施形態2では、変換情報保持装置14にもう1つ別の自律移動体制御システムが接続された構成を用いて、複数の自律移動体が制御されている環境において、各自律移動体の経路を変換情報保持装置14に保管する方法について説明する。
図14は実施形態2に係る変換情報保持装置とシステム制御装置と第2システム制御装置等の接続を示す機能ブロック図である。図14では、図4の構成に対し、自律移動体12とは別の第2自律移動体141を制御するために、システム制御装置10とは別の第2システム制御装置142等が追加されている。
尚、システム制御装置10、ユーザインターフェース11、自律移動体12、経路決定装置13、変換情報保持装置14、センサノード15は図4で示したものと同じである。
第2ユーザインターフェース140はユーザインターフェース11と同等の機能を有しているが、第2のユーザが操作し、ユーザインターフェース11とは別の装置である。第2システム制御装置142はシステム制御装置10と同等の機能を有し、第2ユーザインターフェース140からの位置情報の入力によって第2自律移動体141の制御を行う、システム制御装置10とは別の装置である。
第2自律移動体141は自律移動体12と同等の機能を有し、第2システム制御装置142の制御で移動する、自律移動体12とは別の移動体である。第2経路決定装置143は経路決定装置13と同等の機能を有し、第2自律移動体141の経路を生成する、経路決定装置13とは別の装置である。
第2システム制御装置142、第2ユーザインターフェース140、第2自律移動体141、第2経路決定装置143は図14で示す通りネットワークで接続されている。そして、第2システム制御装置142は変換情報保持装置14とネットワークで接続されている。そのため、第2ユーザインターフェース140から入力し、生成した第2自律移動体141の予定の経路を変換情報保持装置14に送信することができる。
即ち、実施形態2においては、フォーマット化手段としての変換情報保持装置14は、複数の移動体の夫々の移動経路情報を固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存することができる。尚、変換情報保持装置14は、移動経路情報として、固有識別子と、夫々の移動体の識別情報と、夫々の移動体の通過予定時刻とを関連付けてフォーマット化して保存する。
第2システム制御装置142以外にも複数のシステム制御装置が存在する場合、システム制御装置10は、第2システム制御装置142を含む複数のシステム制御装置と接続し更に変換情報保持装置14にも接続する構成も考えられる。
しかし、そのような構成ではネットワークの煩雑化が起こってしまう。それを防ぐために、実施形態2においては、システム制御装置10は変換情報保持装置14と接続され、第2システム制御装置142は変換情報保持装置14と接続されている。
そして、システム制御装置10は変換情報保持装置14を介して第2システム制御装置142を含む複数のシステム制御装置と通信をすることにより煩雑化を防いでいる。しかし、後述する特殊な状況ではシステム制御装置10と第2システム制御装置142が直接通信ネットワーク144を使用して互いに接続することもできる。
又、自律移動体12と第2自律移動体141が移動体間ネットワーク2034を使用して互いに接続することもできる。尚、第2ユーザインターフェース140、第2システム制御装置142、第2経路決定装置143、第2自律移動体141に関しても図4のシステム同様に夫々、インターネット16に接続されている。
第2システム制御装置142、第2自律移動体141、第2経路決定装置143、第2ユーザインターフェース140は、図4の10~13とは別に独立して変換情報保持装置14と接続する自律移動体制御システムを構成している。このような自律移動体制御システムを「他の自律移動体制御システム」と呼ぶ。
図15は自律移動体12の経路と第2自律移動体141の経路を示した図である。ここで、自律移動体12の予定した経路である自律移動体経路150-1~150-5は、システム制御装置10が変換情報保持装置14に送信したものである。又、第2自律移動体141の予定した経路である第2自律移動体経路160-1~160-5は、第2システム制御装置142が変換情報保持装置14に送信したものである。
位置空間情報210-1~210-15はフォーマットデータベース14-4に格納され、図13(C)で説明した固有識別子が規定する四角い枠(破線枠)で表現した位置空間情報である。又、位置空間情報210-1~210-5、210-11~210-15は道路ではなく、自律移動体12及び第2自律移動体141が移動できない位置空間情報である。
位置空間情報210-6~210-10は自律移動体12及び第2自律移動体141が移動できる位置空間情報である。自律移動体経路150-1~150-5はシステム制御装置10が生成した未来の時刻である時刻t1から未来の時刻t5までの、夫々の時刻に自律移動体12が存在する予定の位置情報を、総称した位置点群データである。又、t1、t2、t3、t4t5の順に時刻が経過するものとする。
即ち、自律移動体12は、時刻t1~t5において、夫々自律移動体経路150-1~150-5に存在する予定になっている。
システム制御装置10は未来の経路である自律移動体経路150-1~150-5をシステム制御装置10から、変換情報保持装置14に送信し、送信された自律移動体経路150-1~150-5は変換情報保持装置14で固有識別子に変換される。
固有識別子に変換されるとともに、フォーマットデータベース14-4の夫々の固有識別子の未来の夫々の時刻に自律移動体12(自律移動体12の識別情報)が存在するという情報を紐づけて格納される。
即ち、フォーマット化手段としての変換情報保持装置14は、移動経路情報として、固有識別子と、移動体の識別情報と、移動体の通過予定時刻とを関連付けてフォーマット化して保存する。
以降、自律移動体経路の夫々の時刻の夫々の位置情報を固有識別子に変換して、夫々フォーマットデータベース14-4に紐づけて格納することを、フォーマットデータベース14-4に自律移動体経路を格納すると称する。
又、第2自律移動体経路160-1~160-5は第2システム制御装置142が生成し未来の時刻である時刻t1~t5の間の夫々の時刻に第2自律移動体141が存在する予定の位置情報を、総称した位置点群データである。即ち、第2自律移動体141は、時刻t1~時刻t5において、夫々第2自律移動体経路160-1~160-5に存在する予定になっている。
第2システム制御装置142は未来の経路である第2自律移動体経路160-1~160-5を第2システム制御装置142から、変換情報保持装置14に送信し、送信された第2自律移動体経路160は変換情報保持装置14に格納される。
即ち、フォーマット化手段としての変換情報保持装置14は、第2自律移動体経路情報として、固有識別情報と第2自律移動体141の識別情報と第2自律移動体141の通過予定時刻を関連付けてフォーマット化して保存する。
尚、本実施形態では、未来のある時刻のある位置に、複数の経路(移動体の存在する経路の情報)をフォーマットデータベース14-4に格納することができる。つまり、各空間に対応付けられた1つの固有識別子に、同時刻に別の移動体の予定の経路を格納することができる。尚、未来のある時刻と現在の時刻が近いと、移動体同士が接触を起こす可能性があるが、その回避方法に関しては後述する。
変換情報保持装置14は自律移動体経路150-1~150-5、第2自律移動体経路160-1~160-5の他にも、同様に第3、第4と複数の経路を受信でき、複数の経路をフォーマットデータベース14-4に格納することができる。
尚、上記においては、自律移動体経路150或いは第2自律移動体経路160は、図15で示す通り、隣接する固有識別子が規定する四角い枠(破線で示す枠)で表現した位置空間に夫々存在する予定の情報を固有識別子に紐づけて格納する例を説明した。
しかし、変換情報保持装置14のフォーマットデータベース14-4の容量を軽くするために、一つ置きや複数置きで、固有識別子が規定する四角い枠(破線で示す枠)で表現した位置空間に夫々存在する予定の情報を固有識別子に紐づけて格納しても良い。その処理を、図16を用いて説明する。
図16は、一つ置きで固有識別子が規定する位置空間に、第2自律移動体経路160を格納する例を示す図である。即ち、図16は、第2自律移動体経路160が、おおよそ一つ置きで固有識別子が規定する四角い枠(破線で示す枠)で表現した位置空間に、格納される例を示している。
図16において、第2自律移動体経路160-10~160-15は夫々固有識別子が規定する四角い枠(破線で示す枠)で表現した位置空間に、第2自律移動体141が存在する予定を示している。
なお、時刻t10、t11、t12・・・・t23の順に時刻が経過するものと仮定する。そして、時刻t10、t12、t15、t19、t22、t24に夫々第2自律移動体経路160-10、160-11、160-12、160-13、160-14、160-15の順番に第2自律移動体141が存在する予定であるものとする。
しかし、一つ置きや、複数置きで、固有識別子が規定する四角い枠(破線で示す枠)で表現した位置空間に経路情報を格納すると以下の様な問題が発生する。例えば後述する、図17及び図18で示す処理や、図21で示す処理の目的のために、システム制御装置10が時刻t17の位置空間情報2100―21に存在する移動体があるかの問合せを、変換情報保持装置14に対して行ったとする。
しかし、変換情報保持装置14のフォーマットデータベース14-4に格納された時刻t17の位置空間情報2100―21に対応した固有識別子には、他の移動体が存在する情報は格納されていない。
一方、時刻t15には位置空間情報2100-19に、時刻t19には位置空間情報2100-23に第2自律移動体141が存在するという情報が、フォーマットデータベース14-4に格納されている。そのため、時刻t17には位置空間情報2100―21に第2自律移動体141が存在する可能性が高い。
つまり、時刻t17に位置空間情報2100―21に第2自律移動体141が存在する可能性が高い。しかし、フォーマットデータベース14-4への問合せの結果、システム制御装置10が時刻t17に位置空間情報2100―21に存在するものが無いと判断してしまうという問題がある。
そこで、時刻t17の前後の時間の位置空間情報2100―21の周囲の位置空間に他の移動体が存在するかの問合せをシステム制御装置10は変換情報保持装置14のフォーマットデータベース14-4に対して行う。
例えば、時刻t17を中心とした、時刻t12~時刻t22の間の時間において、実線の四角い枠で表した確認範囲2030の内側の複数の位置空間における移動体の存在の情報について問合せる。即ち、システム制御装置10は、確認範囲2030の内側の夫々の位置空間の固有識別子に紐づいて格納された移動体の存在の情報についてフォーマットデータベース14-4に問い合わせる。
そして、システム制御装置10は、確認範囲2030の内側に格納された第2自律移動体経路160-11~160-14の情報及び、それらに紐づいて格納された第2自律移動体141の速度の情報や移動方向の情報を取得する。
それらの情報から、システム制御装置10は、第二自律移動体推定経路2102-11~2102-17を作成する。第二自律移動体推定経路2102-11~2102-17はシステム制御装置10が推定した、第2自律移動体経路160-11~160-14の間の第2自律移動体141の推定存在位置である。
このような処理を行うことにより、システム制御装置10は、時刻t13、t14、t16において、第2自律移動体141が夫々第二自律移動体推定経路2102-11、2102-12、2102-13にいると推定できる。又、システム制御装置10は、時刻t17、t18、t20、t21において第2自律移動体141が夫々第二自律移動体推定経路2102-14、2102-15、2102-16、2102-17にいると推定できる。
これにより、一つ置きや、複数置きで、固有識別子が規定する四角い枠(破線で示す枠)で表現した位置空間に夫々第2自律移動体の存在する予定の情報が固有識別子に紐づけて格納されていても、正確に第2自律移動体141の存在を推定できる。更にはこの処理を後述する図17及び図18で示す処理や、図21で示す処理で使用して、他の移動体の存在を推定するために使用しても良い。
このように、本実施形態では、移動経路情報を、一つ置きや、複数置きで離散的に固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存する場合において、離散的な移動経路情報の間の情報を推定し使用する。
尚、上記の処理においては、確認範囲2030は位置空間情報2100―21を中心とした7x7個の位置空間を使用し、第二自律移動体推定経路2102-11~2102-17を作成した。
しかし、8x8個(立体の場合は8x8x8個)、或いは、16x16個(立体の場合は16x16x16個)或いはそれ以上を、一つのまとまりとした親位置空間としてフォーマットデータベース14-4で設定しても良い。その場合は、確認範囲2030の代わりに、モートンオーダー等により親位置空間を探索し、親位置空間を使用して、第二自律移動体推定経路2102-11~2102-17の作成を行っても良い。
また、第2システム制御装置142と変換情報保持装置14の間の通信の容量を減らす目的の場合等においては、上記の処理を、システム制御装置10ではなく、変換情報保持装置14で行っても良い。そして、推定した位置空間に第2自律移動体141が存在するという情報をフォーマットデータベース14-4に格納しても良い。
なお、所定値以上距離が離れた固有識別子が規定する四角い枠(破線で示す枠)で表現した位置空間に第2自律移動体経路160-11~160-14が格納されている場合は、推定が難しい。また推定したとしても、推定した位置空間に第2自律移動体141が存在しない可能性が高い。
そのため、所定値以上距離が離れた固有識別子が規定する四角い枠(破線で示す枠)で表現した位置空間に第2自律移動体経路160-11~160-14が格納されている場合には、上記の処理を行わないことが望ましい。
上記のように、複数の他の自律移動体制御システムが、夫々予定する経路を変換情報保持装置14に保管している環境において、複数の予定経路を考慮して自律移動体12の経路を決定する方法を説明する。
図17は複数の自律移動体の経路が変換情報保持装置14のフォーマットデータベース14-4に格納されている場合の自律移動体12の経路を決定するシーケンス図であり、図18は図17の続きのシーケンス図である。
尚、10、11、13,14の制御部内のコンピュータがメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図17、図18のシーケンスの各ステップの動作が行われる。尚、ステップS201~ステップS210までの処理は図7で示す処理と同様であるため説明を省略する。
ステップS210における、位置点群データ作成の処理が終わると、ステップS2211において、システム制御装置10は、変換情報保持装置14に自律移動体12の予定している経路である自律移動体経路上に、他の移動体が存在しないかの問合せを行う。
具体的には、自律移動体経路の各位置情報に自律移動体12が存在する時刻、及びその時刻の前後一定時間内の変換情報保持装置14のフォーマットデータベース14-4に固有識別子に紐づいて格納されている情報を要求する情報である。
問い合わせを受信した変換情報保持装置14は、ステップS2212において、フォーマットデータベース14-4に固有識別子に紐づいて格納された、該当する情報の取得を行い経路上の確認を行う。
そして、ステップS2213において、経路上の情報の送信を行う。具体的には、自律移動体経路の各位置情報に自律移動体12が存在する時刻、及びその時刻の前後一定時間内のフォーマットデータベース14-4に固有識別子に紐づけて格納されている情報をシステム制御装置10に送信する。その情報を受け取ったシステム制御装置10は、ステップS2214において図19に示す方法で経路判定を行う。
図19(A)、(B)は、フォーマットデータベース14-4に複数の自律移動体の経路が格納されている状態を地図情報で表示したイメージ図であり、図19(A)は最初に生成された自律移動体12の経路である自律移動体経路150を示した図である。図19(B)は自律移動体経路150を変更して生成された、自律移動体経路165を示した図である。
尚、便宜上、図19には自律移動体経路150も示しているが、図19で示す状態では、フォーマットデータベース14-4に格納されている経路は、第2自律移動体経路160、第3自律移動体経路161、第4自律移動体経路162であるとする。
第2自律移動体経路160は、第2システム制御装置142、第2ユーザインターフェース140、第2自律移動体141、第2経路決定装置143で構成されたシステムで生成され変換情報保持装置14に格納された第2自律移動体141の経路である。
同様に、第3自律移動体経路161は図示しない第3システム制御装置、第3ユーザインターフェース、第3自律移動体、第3経路決定装置で構成されたシステムで生成され変換情報保持装置14に格納された第3自律移動体の経路である。
又、同様に、第4自律移動体経路162は図示しない第4システム制御装置、第4ユーザインターフェース、第4自律移動体、第4経路決定装置で構成されたシステムで生成され変換情報保持装置14に格納された第4自律移動体の経路である。破線で示した密集地164は第2自律移動体経路160及び第3自律移動体経路161が重なり、通過するのに時間がかかってしまう区間を示している。
図19(A)で示すように、ステップS2213の処理において変換情報保持装置14から送信された情報では、自律移動体経路150上の密集地164において、第2自律移動体経路160及び第3自律移動体経路161が重なっている。従って、自律移動体12が存在する前後一定時間内に第2自律移動体141と第3自律移動体が存在することを示している。
そのため、例えば、接触しないように速度を落として制御する必要がある。或いは、道幅に対して複数台が同時に通過できない場合には、順番に通行するような交通整理が必要なため、到着地につくまでの時間が遅くなる可能性がある。
図17の説明に戻る。自律移動体経路150上に他の移動体が存在する場合は、自律移動体経路150で想定される所要通行時間の上限を超えてしまい、到着時間の遅延が考えられる。従って、ステップS2214の処理にて、再度経路を生成する処理を行うと判定する。
即ちステップS2213で取得した、固有識別子に紐づいて記憶されている道路の道幅の情報、及びそこに前後一定時間内に他の移動体が何台存在する区間が、どのくらいの距離にわたって発生しているかに基づき再度経路を生成するべきか判定する。
図19(A)の道路163は、自律移動体がちょうど1台通れる道幅しかないとする。そのため、道路163に対して、自律移動体12を含め3台以上通る密集区間が、所定距離以上ある場合は、システム制御装置10は、自律移動体経路150で想定される所要通行時間の上限を超えてしまうと判断する。
尚、道路163より道幅が広い場合は、台数に関する閾値を更に多い台数としたり、閾値以上の台数が密集する区間の閾値を長くする。道路163より道幅が狭い場合は、その逆で台数に関する閾値を更に少ない台数としたり、閾値以上の台数が密集する区間の閾値を短くする。
尚、ステップS2214の処理にて、自律移動体経路150を含む移動体が3台以上存在する密集地164の他にも、障害物の存在や、移動に支障をきたす事象が存在する場合等においても再度経路を生成しても良い。
又、自律移動体経路165で想定される所要通行時間の上限を超えてしまう場合においても、再度経路を生成しても良い。尚、例えば、上記の事象とは、所定時間以上道路が遮断される踏切の遮断、通行に支障をきたす道路の工事、道路の破損、道路の水没、道路上の所定高さ以上の積雪等を含む。
尚、ステップS2214で、渋滞や踏切の長時間の遮断や長時間の工事等の上記の障害物や事象による交通障害などが判別された場合には、新たに経路を生成するだけでなく、ユーザに対して警告を行う警告手段を設けても良い。そして警告手段によって、ユーザに対して音声やCGなどで警告を行う警告ステップを実行しても良い。
そして、再度経路を生成するため、図18のステップS2215において、システム制御装置10は経路決定装置13に出発地、到着地の位置情報、密集地164を回避する情報、及びそれらに基づき再度経路を生成するための情報を送信する。尚、密集地164を回避とは、単純に密集地164を迂回するだけでなく、密集地164を通過する時間をずらす、つまり、密集が発生していない時間に密集地164を通過することも含む。
再度経路を生成する情報を受信した経路決定装置13は、ステップS2216において、自律移動体経路150の次に最適(移動時間のかからない)な経路であって、密集地164を回避する経路を探索し再度経路を生成する。
そして、経路決定装置13は、ステップS2217において、システム制御装置10に、再度生成された経路を送信する。システム制御装置10は、ステップS2218において、受信した再度生成された経路を位置点群データに変換し、位置点群データを作成する。
ステップS2219において、システム制御装置10は、ステップS2211と同様に変換情報保持装置14に対して、再度生成した経路上に他の移動体が存在しないかの問合せを行う。問い合わせを受信した変換情報保持装置14は、ステップS2220において、フォーマットデータベース14-4に格納されているデータに基づき、再度生成した経路上の各固有識別子上に他の移動体が存在しないかの確認を再度行う。
その後、ステップS2221において、再度生成した経路上に他の移動体の存在があるか否かの情報をシステム制御装置10に送信する。
ここで図19(B)の説明に移る。自律移動体経路165はステップS2216で再度生成した経路で、ステップS2218で変換した位置点群データである。図19(B)で示すように、自律移動体経路165は3台以上の移動体が存在する密集地164を回避している。
又、自律移動体経路165上には新たな密集地はない。従って自律移動体経路150よりも自律移動体経路165の方が、時間がかからず、密集地での接触のリスクを減らせるので、より安全な経路といえる。
なお、本実施形態における説明では位置点群データから後述するフォーマット経路情報を作成する際にフォーマット経路情報を構成する固有識別子によって特定される空間(=ボクセル)が隙間なく数珠繋ぎとなるようにしている。即ち、位置点群データの間引き/補間を行っている。
しかしこれに限定されるものではなく、少なくとも位置点群データを構成する地点情報の間隔は、分割空間の起点(=基準点)位置同士の間隔以上あり、分割空間同士が被らないようにして移動経路を設定できる。
位置点群データ同士の間隔が詰まっているほど、より詳細に移動経路を指定することが可能となるが、その反面、移動経路全体のデータ量は増大する。また、位置点群データ同士の間隔が大きければ、移動経路の詳細な指定はできないが移動経路全体のデータ量は抑えることができる。
つまり、自律移動体12への移動経路の指示粒度や、扱えるデータ量などの条件に合わせて、位置点群データ同士の間隔を適切に調整することができる。また、部分的に位置点群データ同士の間隔を変更し、より最適な経路設定とすることも可能である。
図18の説明に戻り、ステップS2222において、ステップS2214と同様にシステム制御装置10は、自律移動体経路165の判定を行う。システム制御装置10は、ステップS2223において、自律移動体経路165上に2台以上他の移動体が存在する密集地がないと判断し、自律移動体経路165を経路として最終的に決定する。
ステップS2222の処理により、もし、自律移動体経路165上に再度密集地が発見された場合は、ステップS2215~ステップS2222を繰り返す。もし、ステップS2215~ステップS2222の処理を10回繰り返しても、密集地を通らない経路が見つからない場合は、密集地に存在する移動体の台数が最も少ない、或いは密集地を通過する区間が最も短い経路を選択し決定する。
次に、ステップS2224において、システム制御装置10は、決定された例えば自律移動体経路165を変換情報保持装置14に送信する。変換情報保持装置14は、ステップS2225において、受信した自律移動体経路165をフォーマットデータベース14-4に格納する。以上の処理により、システム制御装置10は複数の自律移動体の経路を考慮して、効率的に自律移動体12が移動するための経路を決定することができる。
上記の処理により決定された自律移動体経路165は、ある時刻に自律移動体12が移動を開始したときは最適な経路である。しかし、ユーザの都合により、移動の開始が遅延した場合、最適な経路ではなくなる可能性がある。
しかし、再度、図17、図18で示したステップS2211~ステップS2224の処理を同様に行うのでは、処理負荷がかかってしまい効率的ではない。そこで、図17、図18で示したステップS2211~ステップS2224の処理を行いつつ、移動開始が遅延した場合における効率の良い経路の再決定の処理を説明する。
図20は、自律移動体経路165上の、ある位置点の時間の流れを示す図であり、図17で示すステップS2211において、予定している自律移動体経路165上のある位置点に自律移動体12が存在する予定時刻の前後の時間の流れを示している。また、図20では、左から右に時間が経過するものとする。ある位置点に自律移動体12が存在する予定時刻を時刻t50とする。
図17で示したステップS2211の処理では、システム制御装置10は、変換情報保持装置14に、自律移動体12の予定している経路である自律移動体経路上に、他の移動体が存在しないかの問合せをおこなう。具体的には、自律移動体経路の各位置情報に自律移動体12が存在する時刻、及びその時刻の前後の所定時間内における、フォーマットデータベース14-4に固有識別子に紐づいて格納されている情報を要求する。
この処理において、上記の、ある位置点においては、時刻t50、及びその時刻の前後所定時間内における、フォーマットデータベース14-4に固有識別子に紐づいて格納されている情報の要求を行ったとする。
つまり、図20で示す、ある位置点における時刻t48から時刻t50の間の時間Δt1-1、及び、時刻t50から時刻t52の間の時間Δt1-2の、ある位置点の情報は取得済みであるものとする。ここで、ユーザの都合で移動の開始が遅延し、ある位置点に自律移動体12が存在する時刻が、時刻t50から時間Δt2-2遅くなり、時刻t51にずれたとする。
前述の処理により、時刻t52までの情報は取得済みであるため、遅延により新たに行うステップS2211の処理では時刻t52から時刻t53の時間Δt2-3の分の情報の問合せを行う。ここで時間Δt2-2と時間Δt2-3は同じ時間間隔とする。つまり、ある地点に自律移動体12が存在する時刻が遅れた分の情報のみを取得することによりステップS2211の処理を効率的に行うことができる。
また、時間Δt1-1と時間Δt1-3は同じ時間間隔、時間Δt1-2と時間Δt1-4は同じ時間間隔、時間Δt2-1と時間Δt2-2は同じ時間間隔とする。そして、ある地点に存在する予定の時刻t51を基準として、その前の時間Δt1-3と、その後の時間Δt1-4の情報で、ステップS2211~ステップS2213の処理を行う。
尚、上記の説明では、自律移動体経路165上の、ある位置点を例に説明を行ったが、自律移動体経路165の全ての位置点に関して同様の処理を行うものとする。以上の処理により、ユーザの都合により、移動の開始が遅延した場合でも効率よく経路の再決定を行うことができる。
このように、本実施形態では、移動経路情報による移動開始予定の時間と実際の移動開始時間が、所定の時間以上ずれた場合、少なくとも1つの移動体の移動経路情報を変更する。
なお、移動の開始の遅延が僅かであり、自律移動体経路165上のどの位置点に対しても存在する遅延の時間が一定時間以下であれば、その間の変化は僅かであるため、ステップS2211~ステップS2224の処理を再度行わなくても良い。
また、移動開始が大きく遅延してしまい、例えば図20で示す、時間Δt2-2が時間Δt1-2と同じ時間、或いはそれ以上になってしまったとする。このような自律移動体経路165上の位置点のずれが発生してしまった場合は、効率性はあまり変わらないため上記の効率的なステップS2211~ステップS2224の処理ではなく、通常のステップS2211~ステップS2224の処理を行っても良い。
次に、上記処理により決定した経路を自律移動体12が移動中に、直近の未来の自律移動体12の経路と他の自律移動体の直近の経路が重なり接触が発生するおそれがある場合の経路変更に関して説明する。
図21は、直近の経路が他の自律移動体の直近の経路と重なった場合の処理を示すフローチャートである。尚、システム制御装置10の制御部内のコンピュータがメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図21のシーケンスの各ステップの動作が行われる。
図21で示すように、ステップS2250において、自律移動体12が移動を開始すると、処理が始まる。ステップS2251において、自律移動体12の制御指示を行うシステム制御装置10は、変換情報保持装置14のフォーマットデータベース14-4に現在から5秒先までの経路上の空間内情報の確認行う。
具体的には、現在から5秒先までの自律移動体12の経路上の夫々の時刻の夫々の位置の固有識別子に、他の移動体が存在する情報が紐づけられているかの確認を走行中は行う。本実施形態では、上記一定時間を5秒としているが、状況に応じて適宜変更しても良い。
フォーマットデータベース14-4への確認の結果、ステップS2252において、直近の未来の経路上に他の移動体が存在すると判別されればステップS2253に進み、存在しなければステップS2260に進む。
システム制御装置10は、ステップS2253において、自律移動体12の経路上に存在する、フォーマットデータベース14-4に格納された他の移動体の情報を確認する。即ち、フォーマットデータベース14-4に固有識別子に紐づいて格納された、速度、移動方向、等の情報及びフォーマットデータベース14-4に格納された自律移動体12の位置と他の移動体の位置等を読出す。そして、それらのデータに基づき自律移動体12と他の移動体の距離を算出する。
又、ステップS2254において、自律移動体12が緊急回避する必要があるかの判定を行う。ステップS2254において、システム制御装置10で緊急回避が必要と判断されれば、ステップS2255に進み、緊急回避が必要ないと判断されればステップS2256に進む。
ここで図22は、緊急回避が必要と判断されている状態を示す図であり、図22では、自律移動体12が移動中に、第2自律移動体141と接触の可能性があり、システム制御装置10にて緊急回避が必要と判断されている状態を示している。
図22において、171は直近経路であり、自律移動体12が現在から一定時間先の未来に存在する経路を示している。又、172は第2直近経路であり、第2自律移動体141が現在から一定時間先の未来に存在する経路を示している。位置Aは時刻Aに、自律移動体12と第2自律移動体141が同時に存在する位置を示している。つまり、位置Aで接触する可能性があることを示している。
図21の説明に戻り、ステップS2254で、図22で示すような緊急回避が必要であると判断された場合、ステップS2255において、システム制御装置10は自律移動体12に緊急回避メッセージを送信する。即ち、緊急停止又は徐行の指示を行う。
そして、経路上に存在する第2自律移動体141を制御する第2システム制御装置142に、移動体の移動の停止又は徐行等の回避行動をとるように促すメッセージを、変換情報保持装置14を経由して送信する。これにより一時的に移動経路情報が変更されることになる。尚、ステップS2254において、接触の可能性がある場合に、音声やCGなどで警告を行う警告手段を設けても良い。
なお、上記の緊急回避は自律移動体のような他の移動体に限らず、落下中の落石、小動物の飛び出し、飛来物等に対しても、上記の条件を満たせば、同様の処理を行い自律移動体12の緊急停止又は徐行の指示を行っても良い。
また、移動がほとんど起こらないような障害物、工事、踏切、電柱、建物、橋脚などの構造物等にも上記の条件を満たせば、同様の処理を行い自律移動体12の緊急停止又は徐行の指示を行っても良い。
一方、ステップS2254において、緊急回避の必要がないと判断された場合は、ステップS2256において、直近の経路上に存在する他の移動体に対して自律移動体12が優先されるか否かの判断をシステム制御装置10は行う。
ここで、図23は、優先度が高い移動体の経路と交差する状態を示す図である。図23においては、自律移動体12の一定時間先の未来の経路である直近経路171と、緊急移動体180の直近の未来の経路である緊急移動体直近経路181が位置Bで同時刻に交差することを示している。
緊急移動体180とは、例えば、消防車やパトカー、救急車等の緊急車両であって、警告灯を付け、サイレンを鳴らす等の緊急のための走行をしている状態の緊急車両である。
緊急移動体180に関しても、図14で示した第2自律移動体141と同様に、図示しない緊急移動体システム制御装置、緊急移動体ユーザインターフェース、緊急移動体180、緊急移動体経路決定装置でシステムが構成されているものとする。又、緊急移動体システム制御装置は変換情報保持装置14と接続されているものとする。
図23で示す状態では、同じ時刻において自律移動体12と緊急移動体180が同じ位置Bに存在する情報がフォーマットデータベース14-4に格納されており、接触する可能性があることを示している。尚、道路182は比較的幅が広く、後述するように優先度が高い道路である。一方、道路183は比較的幅が狭く、後述するように優先度が低い道路である。
図21の説明に戻る。ステップS2256において、自律移動体12と緊急移動体直近経路181とでどちらが優先であるか判断するために、システム制御装置10は、変換情報保持装置14に、図23の位置Bでの自律移動体12と緊急移動体180の優先度の問い合わせを行う。
変換情報保持装置14のフォーマットデータベース14-4の固有識別子にはその位置、その時刻に存在する移動体の優先度を紐づけて格納することができる。本実施形態では、例えば6段階で優先度を格納でき、0が優先度を最も低く、5の優先度が最も高い。本実施形態ではパトカー、消防車等の緊急車両が警告灯を付け、サイレンを鳴らす等の緊急走行をしている時は優先度3以上としている。
尚、緊急車両の緊急走行時の緊急性に応じて、緊急度3~5の中で変更できるものとする。通常の移動体及び緊急車両の非緊急時の走行においては、優先度0~2とする。基本的には優先度は0であるが、公共交通機関として移動するバス等公共性を有する移動体は優先度1~2としても良い。又、移動体の故障などで移動に支障をきたした場合なども優先度を上げても良い。
ステップS2256における、システム制御装置10から変換情報保持装置14への問い合わせに応答して、変換情報保持装置14は返答を行う。即ち、フォーマットデータベース14-4に格納された位置Bの同じ時刻の自律移動体12と緊急移動体180の優先度の情報をシステム制御装置10に送信する。
優先度の情報を受信したシステム制御装置10は同じ時刻の位置Bでの自律移動体12と緊急移動体180の優先度の比較を行う。自律移動体12は通常車両の通常走行であるため優先度0であり、緊急移動体180は図12の状態においては、緊急車両の緊急走行であるため優先度3である。そのため緊急移動体180が優先されるとシステム制御装置10は判断する。
もし、優先度が同等の場合は、幅広な道路182と狭小な道路183の優先度の比較をして幅広の道路を優先させる。又、自律移動体経路150と緊急移動体直近経路181の各々の経路が、直進、右左折等かを比較し、直進の経路を優先させる。
ステップS2256において、システム制御装置10により自律移動体12が優先されると判断されれば、ステップS2257に進み、優先されると判断されなければステップS2258に進む。
ステップS2256において自律移動体12が優先されるとシステム制御装置10が判断した場合、ステップS2257において、経路上に存在する他の移動体を制御するシステム制御装置に対して、回避行動をとるように促すメッセージを送信する。回避行動のメッセージは、システム制御装置10から変換情報保持装置14経由で他の移動体を制御するシステム制御装置に送信される。
ステップS2256において自律移動体12が優先されないとシステム制御装置10が判断した場合は、ステップS2258において、システム制御装置10の指示で経路決定装置13が回避するための回避経路を生成する。そして、システム制御装置10は、回避経路を走行するように、自律移動体12に指示を送信し、自律移動体12に回避経路を移動させる。
ここで、ステップS2258は、移動体の夫々の移動経路情報に基づき接触の可能性がある場合に、複数の移動体の優先度に基づき、優先度の低い少なくとも1つの移動体の移動経路情報を変更する変更ステップ(変更手段)として機能している。
尚、もし直近の経路上に存在する他の移動体が優先度3以上の緊急車両の緊急走行時である場合は、自律移動体12が以下のような回避動作をするようにシステム制御装置10は指示する。
即ち、左側通行の場合は左側に自律移動体12を寄せて徐行させ、場合によっては停車する経路をシステム制御装置10の指示で経路決定装置13が作成し、システム制御装置10は自律移動体12にその経路を移動するように指示する。但し、地域ごとの緊急車両の緊急走行時の回避行動ルールがある場合はその経路を移動する指示を行う。
そして、ステップS2259において、システム制御装置10は、自律移動体12の新しい経路を変換情報保持装置14に送信し登録(更新)する。ステップS2260は自律移動体12の移動が終了したかを判断する処理である。
ステップS2260において、自律移動体12の移動が終了していなければ、ステップS2251~ステップS2259の処理を繰り返す。自律移動体12の移動が終了していれば、移動中の経路変更を行うための図21のフローは終了する。
尚、図21のステップS2254では、緊急回避が必要な場合は、ステップS2255で自律移動体12を緊急停止させている。しかし、システム制御装置10と経路上に存在する他の移動体を制御するシステム制御装置が同じ通信プロトコルを使用している等、図14で示した直接通信ネットワーク144による直接通信が容易である場合は、直接通信を用いて回避動作を行わせても良い。なお、直接通信ネットワーク144は有線による接続でも、無線による通信でも良い。
次に、この直接通信を用いた回避動作について説明する。図24は、緊急回避を行う処理を示すシーケンス図である。図24は自律移動体12が第2自律移動体141に対して緊急回避が必要な状況である場合において、システム制御装置10と第2システム制御装置142が直接通信を行い、緊急回避を行う場合のシーケンスを示している。尚、10、12,14、141,142の制御部内のコンピュータがメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図24のシーケンスの各ステップの動作が行われる。
図22のような状況で、システム制御装置10が緊急回避の必要があると判断した場合は、図24のステップS2271において、システム制御装置10は、変換情報保持装置14に対して、第2自律移動体141のパス(通信経路)情報の問い合わせを行う。ここで、パス情報とは第2システム制御装置142と直接通信するための方法や経路が記載された情報である。
尚、フォーマットデータベース14-4には、図22の位置Aの固有識別子に紐づけられた第2自律移動体141がある時刻taに存在するという情報が格納されているとともに、第2システム制御装置142と直接通信するためのパス情報が格納されている。従って、ステップS2271において、システム制御装置10はフォーマットデータベース14-4からパス情報を取得する。
変換情報保持装置14は、ステップS2272において、時刻taにおける位置Aに存在する第2自律移動体141の制御を行う第2システム制御装置142のパス情報をフォーマットデータベース14-4から読出す。そして、ステップS2273において、そのパス情報をシステム制御装置10に送信する。
パス情報を受信したシステム制御装置10は、パス情報に基づき、自律移動体12と第2自律移動体141が互いに回避動作を行うために、ステップS2274において、直接通信開始の信号を第2システム制御装置142に送る。
直接通信開始の信号を受信した第2システム制御装置142は、ステップS2275において、返信の準備を行う。そして、ステップS2276において直接通信を許可する信号をシステム制御装置10に返信する。
その信号を受信したシステム制御装置10は、ステップS2277において、自律移動体12及び第2自律移動体141の回避行動案を経路決定装置13により作成する。回避行動案とは第2自律移動体141が回避を行うための経路と、自律移動体12が回避を行うための経路の情報を含む。
そして、ステップS2278において、回避行動案を第2システム制御装置142に送信し、ステップS2279で、第2システム制御装置142は回避行動案を受信する。回避行動案を受信した第2システム制御装置142は、ステップS2280において、回避行動案の許可信号を送信する。
なお、上記の回避行動案に含まれた第2自律移動体141の回避の経路は、第2システム制御装置142が、変換情報保持装置14と通信することにより確認できる固有識別子で規定された経路の情報であることが望ましい。
又、ステップS2281において、第2システム制御装置142は、回避行動案に記載された第2自律移動体141の回避の経路を移動する指示を第2自律移動体141に送信する。回避の経路を移動する指示を受信した第2自律移動体141は、ステップS2282において、その経路を移動して回避行動を始める。
一方、ステップS2280における回避行動案の許可信号を受信したシステム制御装置10も、ステップS2284において、回避行動案にのっとった自律移動体12の回避の経路を移動する指示を、自律移動体12に送信する。それにより、自律移動体12は、ステップS2285において、その経路を移動することで回避行動を始める。
その後、第2システム制御装置142は、ステップS2283において、第2自律移動体141の新たな経路を変換情報保持装置14に送信する。又、ステップS2286において、システム制御装置10は自律移動体12の新たな経路を変換情報保持装置14に送信する。
そして、ステップS2287において、システム制御装置10は自律移動体12と第2自律移動体141の接触が回避できたか確認する。即ち、現在から一定時間内のフォーマットデータベース14-4に格納した自律移動体12の経路上の夫々の時刻の夫々の地点に第2自律移動体141が存在しないかの確認をする。もし、回避できていなければ、ステップS2277~ステップS2287の処理を繰り返す。
回避の確認ができた場合は、システム制御装置10は、ステップS2288において、直接通信終了の信号を第2システム制御装置142に送信し、緊急回避は終了となる。以上の処理により、自律移動体12の直近の未来の経路と他の自律移動体の直近の未来の経路が重なった場合の回避行動が行われる。
以上の説明においては、システム制御装置10が第2システム制御装置142と直接通信ネットワーク144を使用し回避行動を行う説明をした。しかし、自律移動体12と第2自律移動体141による、図14で示した移動体間ネットワーク2034による直接通信を用いた回避行動を行ってもよい。
図25は、自律移動体12と第2自律移動体141が直接通信を行い、緊急回避を行う場合のシーケンス図である。図25を用いて、自律移動体12と第2自律移動体141間で移動体間ネットワーク2034による直接通信を使用して回避行動を行うシーケンスについて説明する。なお、移動体間ネットワーク2034は移動体同士の通信であるため、無線による通信であることが望ましい。
尚、図25のシーケンスの各ステップの動作は、10、12,14、141,142の制御部内のコンピュータがメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって行われる。
図22で示すような状況においてシステム制御装置10或いは自律移動体12の検出部12-1を用いることにより自律移動体12が緊急回避の必要があると判断した場合は次の処理を行う。即ち、図25で示すステップS2291において、システム制御装置10が第2自律移動体141のパス情報(通信経路等)の問い合わせを変換情報保持装置14に行う。
そして、自律移動体12と第2自律移動体141の接触の可能性がある場合には、少なくとも2つの移動体の間の直接通信を行うことにより少なくとも1つの移動体の移動経路情報を変更する。
具体的には、フォーマットデータベース14-4の、時刻Aの位置Aに対応した固有識別子に紐づいて格納された第2自律移動体141が存在するという情報には、その情報とともに、第2システム制御装置142のパス情報が格納されている。この第2システム制御装置142のパス情報を使用して、変換情報保持装置14経由で第2システム制御装置142に第2自律移動体141のパス情報の問合せを行う。
ステップS2292において、第2自律移動体141と直接通信を行うためのパス情報の問合せを受信した変換情報保持装置14は、第2システム制御装置142に上記の問合せを転送する。
ステップS2293において、上記の問合せを受信した第2システム制御装置142は、第2自律移動体141と直接通信を行うためのパス情報を取得する。ステップS2294において、取得した第2自律移動体141と直接通信を行うためのパス情報を変換情報保持装置14に送信する。
ステップS2295において、第2自律移動体141と直接通信を行うためのパス情報を受信した変換情報保持装置14は、そのパス情報をシステム制御装置10に転送する。ステップS2296においてシステム制御装置10はそのパス情報を更に自律移動体12に転送する。
ステップS2297において、第2自律移動体141のパス情報を受信した自律移動体12は、第2自律移動体141と連動して回避行動を行うために、第2自律移動体141のパス情報に基づき、直接通信開始の信号を第2自律移動体141に送信する。
ステップS2298において、直接通信開始の信号を受信した第2自律移動体141は、直接通信を行う準備を行う。そして、ステップS2299において、直接通信を許可する信号を自律移動体12に送る。
ステップS2300において、その信号を受信した自律移動体12は、自律移動体12と第2自律移動体141の回避行動案を作成する。ここで回避行動案とは自律移動体12が生成した第2自律移動体141が回避を行うための経路と、自律移動体12が生成した自律移動体12が回避を行うための経路の情報を含む。
ここで、ステップS2300は、接触の可能性がある場合に、少なくとも2つの移動体の間の通信を行うことにより少なくとも1つの移動体の移動経路情報を変更する変更ステップ(変更手段)として機能している。
そして、ステップS2301において、回避行動案を第2自律移動体141に送信する。なお、上記の回避行動案に含まれた第2自律移動体141の回避の経路は、第2自律移動体141が第2システム制御装置142経由で変換情報保持装置14と通信することにより確認できる固有識別子で規定された経路の情報であることが望ましい。
ステップS2302において、第2自律移動体141は回避行動案を受信する。ステップS2303において、回避行動案を受信した第2自律移動体141は、回避行動案の許可信号を送信する。
そして、ステップS2304において、第2自律移動体141は回避行動案に記載された、回避の経路の移動を始める。その後、ステップS2305において、第2自律移動体141は第2自律移動体141の回避の経路を第2システム制御装置142に送信する。
ステップS2306において、第2自律移動体141の回避の経路を受信した第2システム制御装置142は、第2自律移動体141の回避の経路を変換情報保持装置14に転送する。
一方、ステップS2307において、ステップS2303における回避行動案の許可信号を受信した自律移動体12も、回避行動案にのっとった自律移動体12の回避の経路の移動を始める。
その後、ステップS2308において、自律移動体12は、自律移動体12の回避の経路をシステム制御装置10に送信する。自律移動体12の回避の経路を受信したシステム制御装置10は、ステップS2309において、自律移動体12の回避の経路を変換情報保持装置14に転送する。
そして、ステップS2310で、システム制御装置10は、自律移動体12と第2自律移動体141の接触が回避できた確認する。つまり、現在から一定時間内のフォーマットデータベース14-4に格納した自律移動体12の経路上の夫々の時刻の夫々の地点に第2自律移動体141が存在しないかの確認をする。
もし、回避できていなければ、ステップS2300~S2310の処理を繰り返す。なお、回避できたかの確認は、自律移動体12の検出部12-1を用いて、自律移動体12自身で確認しても良い。
回避の確認ができたシステム制御装置10は、ステップS2311において、回避の確認信号を自律移動体12に送信する。ステップS2312において、回避の確認信号を受信した自律移動体12は直接通信終了の信号を送信し、緊急回避は終了となる。
以上説明したように上記の実施形態によれば、緯度/経度/高さによって定義される3次元空間の空間情報を用いた自律移動体制御システムにおいて、他の移動体との接触を回避することができ安全性を向上することができる。
なお、図21で示した処理により、図17及び図18で示した処理で決定した経路の各位置点に存在する時間が一定時間以上遅れた場合は、図17及び図18で示す処理を再度行い、経路を再決定しても良い。
尚、上述の実施形態においては自律移動体に制御システムを適用した例について説明した。しかし、本実施形態の移動体は、AGV(Automatic Guided Vehicle)やAMR(Autonomous Mobile Robot)などの自律移動体に限らない。例えば自動車、列車、船舶、飛行機、ロボット、ドローンなどの移動をする移動装置であれば、どのようなものであってもよい。
又、本実施形態の制御システムは一部がそれらの移動体に搭載されていても良いし、搭載されていなくても良い。又、移動体をリモートでコントロールする場合にも本実施形態を適用することができる。又、完全な自律移動体でなくても例えば運転支援機能を有する移動体であっても適用できる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。尚、本実施形態は、以下の組み合わせを含む。
(構成1)所定の基準によって定義される3次元の空間に固有識別子を付与し、前記空間に存在する物体の状態と時間に関する空間情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存するフォーマット化手段を有し、前記フォーマット化手段は、複数の移動体の夫々の移動経路情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存することを特徴とする情報処理システム。
(構成2)複数の前記移動体の夫々の前記移動経路情報に基づき、少なくとも1つの前記移動体の前記移動経路情報を変更する変更手段を有することを特徴とする構成1の情報処理システム。
(構成3)複数の前記移動体の夫々の前記移動経路情報に基づき接触の可能性があると判定された場合に、少なくとも1つの前記移動体の前記移動経路情報を変更する変更手段を有することを特徴とする構成1又は2に記載の情報処理システム。
(構成4)前記変更は、前記移動体の移動の停止又は徐行を含むことを特徴とする構成2又は3に記載の情報処理システム。
(構成5)複数の前記移動体の夫々の前記移動経路情報に基づき渋滞又は接触の可能性がある場合に、警告を行う警告手段を有することを特徴とする構成1~4のいずれか1つに記載の情報処理システム。
(構成6)前記フォーマット化手段は、前記移動経路情報として、前記固有識別子と、前記移動体の識別情報と、前記移動体の通過予定時刻とを関連付けてフォーマット化して保存することを特徴とする構成1~5のいずれか1つに記載の情報処理システム。
(構成7)複数の前記移動体の夫々の前記移動経路情報に基づき接触の可能性がある場合に、前記変更手段は、複数の前記移動体の優先度に基づき、前記優先度の低い前記移動体の前記移動経路情報を変更することを特徴とする構成3に記載の情報処理システム。
(構成8)前記フォーマット化手段から取得した前記空間情報と、前記移動体の種別情報に基づき前記移動体の移動経路に関する経路情報を生成する経路生成手段を有することを特徴とする構成1~7のいずれか1つに記載の情報処理システム。
(構成9)前記フォーマット化手段は、前記空間情報の更新間隔に関する情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化することを有することを特徴とする構成1~8のいずれか1つに記載の情報処理システム。
(構成10)前記更新間隔に関する情報は、前記空間に存在する物体の種類に応じて異なることを特徴とする構成9に記載の情報処理システム。
(構成11)前記更新間隔に関する情報は、前記空間に存在する物体の種類が移動体の場合には、前記空間に存在する物体の種類が移動体でない場合よりも短いことを特徴とする構成10に記載の情報処理システム。
(構成12)前記移動経路情報を、離散的に前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存する場合において、離散的な前記移動経路情報の間の情報を推定し使用することを特徴とする構成1~11に記載の情報処理システム。
(構成13)前記接触の可能性がある場合に、少なくとも2つの前記移動体の間の通信を行うことにより少なくとも1つの前記移動体の前記移動経路情報を変更することを特徴とする構成3に記載の情報処理システム。
(構成14)前記移動経路情報による移動開始予定の時間と実際の移動開始時間が、所定の時間以上ずれた場合、少なくとも1つの前記移動体の前記移動経路情報を変更することを特徴とする構成1~13のいずれか1つに記載の情報処理システム。
(方法)緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に固有識別子を付与し、前記空間に存在する物体の状態と時間に関する空間情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存するフォーマット化ステップを有し、前記フォーマット化ステップは、複数の移動体の夫々の移動経路情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存することを特徴とする制御方法。
(プログラム)構成1~14のいずれか1つに記載の情報処理システムの各手段をコンピュータによって制御するためのコンピュータプログラム。
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(制御プログラム)を記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給することによって実現してもよい。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたコンピュータ読取可能なプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。その場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
10:システム制御装置
11:ユーザインターフェース
12:自律移動体
13:経路決定装置
14:変換情報保持装置
15:センサノード
16:インターネット
11:ユーザインターフェース
12:自律移動体
13:経路決定装置
14:変換情報保持装置
15:センサノード
16:インターネット
Claims (16)
- 所定の基準によって定義される3次元の空間に固有識別子を付与し、前記空間に存在する物体の状態と時間に関する空間情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存するフォーマット化手段を有し、
前記フォーマット化手段は、複数の移動体の夫々の移動経路情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存することを特徴とする情報処理システム。 - 複数の前記移動体の夫々の前記移動経路情報に基づき、少なくとも1つの前記移動体の前記移動経路情報を変更する変更手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 複数の前記移動体の夫々の前記移動経路情報に基づき接触の可能性があると判定された場合に、少なくとも1つの前記移動体の前記移動経路情報を変更する変更手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記変更は、前記移動体の移動の停止又は徐行を含むことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
- 複数の前記移動体の夫々の前記移動経路情報に基づき渋滞又は接触の可能性がある場合に、警告を行う警告手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記フォーマット化手段は、前記移動経路情報として、前記固有識別子と、前記移動体の識別情報と、前記移動体の通過予定時刻とを関連付けてフォーマット化して保存することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 複数の前記移動体の夫々の前記移動経路情報に基づき接触の可能性がある場合に、前記変更手段は、複数の前記移動体の優先度に基づき、前記優先度の低い前記移動体の前記移動経路情報を変更することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
- 前記フォーマット化手段から取得した前記空間情報と、前記移動体の種別情報に基づき前記移動体の移動経路に関する経路情報を生成する経路生成手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記フォーマット化手段は、前記空間情報の更新間隔に関する情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化することを有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記更新間隔に関する情報は、前記空間に存在する物体の種類に応じて異なることを特徴とする請求項9に記載の情報処理システム。
- 前記更新間隔に関する情報は、前記空間に存在する物体の種類が移動体の場合には、前記空間に存在する物体の種類が移動体でない場合よりも短いことを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
- 前記移動経路情報を、離散的に前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存する場合において、離散的な前記移動経路情報の間の情報を推定し使用することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 前記接触の可能性がある場合に、少なくとも2つの前記移動体の間の通信を行うことにより少なくとも1つの前記移動体の前記移動経路情報を変更することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
- 前記移動経路情報による移動開始予定の時間と実際の移動開始時間が、所定の時間以上ずれた場合、少なくとも1つの前記移動体の前記移動経路情報を変更することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
- 所定の基準によって定義される3次元の空間に固有識別子を付与し、前記空間に存在する物体の状態と時間に関する空間情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存するフォーマット化ステップを有し、
前記フォーマット化ステップは、複数の移動体の夫々の移動経路情報を前記固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存することを特徴とする制御方法。 - 請求項1~14のいずれか1項に記載の情報処理システムの各手段をコンピュータによって制御するためのコンピュータプログラム。
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