JP2023112669A - 制御システム、制御方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】様々なデバイスと位置情報及び空間情報を共有できる時空間フォーマットを用いた制御システムを提供する。【解決手段】少なくとも一台以上の自律移動体に制御指示を行う制御手段と、第1の基準系によって定義される空間に存在する物体の種別に関する情報及び時間に関する情報を含む空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマットに変換し保持する変換情報保持手段と、を有し、前記変換情報保持手段は、前記第1の基準系と異なる第2の基準系によって定義される空間に存在する物体の種別に関する情報及び時間に関する情報を含む空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマットに変換し保持可能であり、前記第1の基準系に前記第2の基準系を紐づける紐づけ手段をさらに有し、前記制御手段は、前記変換情報保持手段から取得した空間情報と、前記移動体の種別情報に基づき該移動体の移動経路に関する経路情報を生成する。【選択図】図14

Description

本発明は、制御システム、制御方法、及びコンピュータプログラム等に関するものである。
近年、世界では自律走行モビリティや空間認識システムなどの技術革新に伴い、異なる組織や社会の構成員の間でデータやシステムをつなぐ全体像(以下、デジタルアーキテクチャ)の開発競争が激化している。日本においてもデジタルアーキテクチャの開発が急務となっている。
デジタルアーキテクチャを活用することで、自律走行モビリティや空間認識システムはより多くの情報を取得することができるようになるとともに、自己以外の外部デバイス及びシステムと連携してより大きな課題を解決することができるようになる。これを実現するためには、現実世界の空間とデジタル情報を結び付ける技術が必要である。
制御システムにおける時空間フォーマットは、固有識別子を認識することで、世界の空間を一意に特定でき、他のデバイスと固有識別子を用いて位置情報、空間情報を共有することが目指される。そのため、世界で共通の位置基準をもとに構築されることが望ましい。
しかしながら、現状の地球上の位置を示す規定である緯度/経度でさえも世界測地系とは別に、各国が異なる測地系を採用している現状があり、時空間フォーマットにおいても、各地域において最適な基準設定が行われると予想される。
また、ビルなどの建物内においては、建物の形状、各階の高さなどの特徴に合わせた基準を設定することが最も空間を表現するうえで効率的であり、世界で統一した基準及び各地域で設定した基準とは異なる基準を設定することが考えられる。
そこで、世界で様々な基準の時空間フォーマットが規定された空間であっても、各種デバイスが位置情報、空間情報を適切に共有することを可能とするために、各基準で設定された時空間フォーマット同士の関係性を定義する必要がある。
従来から、特許文献1のように、自律移動体の移動技術において、広域の地図情報と自己が直近で把握する局所地図という考え方があり、広域地図をグローバル座標系で、局所地図をローカル座標系で扱っている。
特開2021-157283号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術で用いられているローカル座標系は自律移動体が自ら使うために設定したものであって、他のデバイスと位置情報の共有を図る基準にはならないという問題があった。
そこで、本発明は、例えば、様々なデバイスと位置情報及び空間情報を共有できる時空間フォーマットの規定において、世界統一基準ではない局所基準系を自由に設定できるようにすることを1つの目的にする。また、本発明は、例えば、複数の局所基準系の関係性を定義することで、様々なデバイスが局所基準系を活用することが可能な方法を提供することを1つの目的にする。
本発明は、様々なデバイスと位置情報及び空間情報を共有できる時空間フォーマットを用いた制御システムの提供を1つの目的とする。
本発明の1側面としての制御システムは、少なくとも一台以上の自律移動体に制御指示を行う制御手段と、第1の基準系によって定義される空間に存在する物体の種別に関する情報及び時間に関する情報を含む空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマットに変換し保持する変換情報保持手段と、を有し、前記変換情報保持手段は、前記第1の基準系と異なる第2の基準系によって定義される空間に存在する物体の種別に関する情報及び時間に関する情報を含む空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマットに変換し保持可能であり、前記第1の基準系に前記第2の基準系を紐づける紐づけ手段をさらに有し、前記制御手段は、前記変換情報保持手段から取得した空間情報と、前記移動体の種別情報に基づき該移動体の移動経路に関する経路情報を生成する、ことを特徴とする。
本発明によれば、様々なデバイスと位置情報及び空間情報を共有できる時空間フォーマットを用いた制御システムを提供することが出来る。
本発明の第1の実施形態にかかる自律移動体制御システムの全体構成例を示す図である。 (A)はユーザが位置情報を入力する際の入力画面の例を示す図、(B)は使用する自律移動体を選択するための選択画面の例を示す図である。 (A)は自律移動体の現在位置を確認するための画面の例を示す図、(B)は自律移動体の現在位置を確認する際の地図表示画面の例を示す図である。 図1の各装置の内部構成例を示したブロック図である。 (A)は、現実世界における自律移動体12とその周辺の地物情報として存在する柱99の空間的位置関係を示した図、(B)は自律移動体12と柱99をP0を原点とする任意のXYZ座標系空間にマッピングした状態を示した図である。 第1の実施形態に係る自律移動体12のメカ的な構成例を示す斜視図である。 制御部10-2、制御部11-2、制御部12-2、制御部13-2、制御部14-3、制御部15-2の具体的なハードウェア構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る自律移動体制御システムが実行する処理を説明するシーケンス図である。 図8の続きのシーケンス図である。 図9の続きのシーケンス図である。 (A)は地球の緯度/経度情報を示す図であり、(B)は(A)の所定の空間100を示す斜視図である。 空間100内の空間情報を模式的に示した図である。 (A)は経路情報を地図情報で表示した図、(B)は位置点群データを用いた経路情報を地図情報で表示した図、(C)は固有識別子を用いた経路情報を地図情報で表示した図である。 各基準系の階層構造図である。 ローカル基準系510と屋内基準系520の関係性を詳細に示した階層構造図である。 基準系の作成から登録までのフローチャートである。 基準系をまたぐ移動を行う自立移動体の動作のフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。尚、各図において、同一の部材または要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。尚、実施形態においては自律移動体の制御に適用した例について説明するが、移動体はユーザが移動体の移動に関して少なくとも1部を操作可能なものであっても良い。即ち、例えばユーザに対して移動経路等に関する各種表示等を行い、その表示を参照してユーザが移動体の運転操作の一部を行う構成であっても良い。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態にかかる自律移動体制御システムの全体構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の自律移動体制御システム(制御システムと略すこともある。)は、システム制御装置10、ユーザインターフェース11、自律移動体12、経路決定装置13、変換情報保持装置14、センサノード15等を備える。尚、ここで、ユーザインターフェース11はユーザ端末装置を意味する。
尚、本実施形態では、図1に示される各装置はインターネット16を介して、後述される夫々のネットワーク接続部によって接続されている。しかし、例えば、LAN(Local Area Network)等の他のネットワークシステムを用いてもかまわない。
又、システム制御装置10、ユーザインターフェース11、経路決定装置13、変換情報保持装置14等の一部は同一装置として構成しても良い。又、ユーザインターフェース11、経路決定装置13、変換情報保持装置14等は、少なくとも一台以上の自律移動体に制御指示を行う制御工程を実行する制御手段として機能している。
システム制御装置10、ユーザインターフェース11、自律移動体12、経路決定装置13、変換情報保持装置14、センサノード15は夫々、コンピュータとしてのCPUや、記憶媒体としてのROM、RAM、HDD等からなる情報処理装置を含んでいる。各装置の機能及び内部構成の詳細については後に説明する。
次に、前記自律移動体制御システムによって提供されるサービスアプリケーションソフトウェア(以下、アプリと略す。)について説明する。尚、説明にあたっては、先ず、ユーザが位置情報を入力する際にユーザインターフェース11に表示される画面イメージを図2(A)、(B)を用いて説明する。続いて、ユーザが自律移動体12の現在位置を閲覧する際のユーザインターフェース11に表示される画面イメージを図3(A)、図3(B)を用いて説明する。これらの説明により、前記自律移動体制御システムにおいて、どのようにしてアプリの操作がされるのかを例を用いて説明する。
尚、本説明において、便宜上、地図表示は二次元の平面で説明するが、本実施形態において、ユーザは「高さ」も含めた3次元的な位置指定が可能であり、「高さ」情報を入力することもできる。即ち、本実施形態によれば3次元地図を生成することができる。
図2(A)はユーザが位置情報を入力する際の入力画面の例を示す図、図2(B)は使用する自律移動体を選択するための選択画面の例を示す図である。ユーザがユーザインターフェース11の表示画面を操作して、インターネット16にアクセスし、自律移動体制御システムの例えば経路設定アプリを選択すると、システム制御装置10のWEBページが表示される。
WEBページに先ず表示されるのは、自律移動体12を移動させる際に、出発地、経由地、到着地を設定するための出発地、経由地、到着地の入力画面40である。入力画面40には使用する自律移動体(モビリティ)の一覧を表示させるための一覧表示ボタン48があり、ユーザが一覧表示ボタン48を押下すると、図2(B)で示すようにモビリティの一覧表示画面47が表示される。ユーザは先ず、一覧表示画面47において使用する自律移動体(モビリティ)を選択する。一覧表示画面47においては例えばM1~M3のモビリティが選択可能に表示されているが、数はこれに限定されない。
ユーザがM1~M3のいずれかのモビリティをクリック操作等によって選択すると、自動的に図2(A)の入力画面40に戻る。又、一覧表示ボタン48には、選択されたモビリティ名が表示される。その後ユーザは出発地として設定する場所を「出発地」の入力フィールド41に入力する。又、ユーザは経由地として設定する場所を「経由地1」の入力フィールド42に入力する。尚、経由地は追加可能となっており、経由地の追加ボタン44を1回押下すると、「経由地2」の入力フィールド46が追加表示され、追加する経由地を入力することができる。
経由地の追加ボタン44を押下する度に、「経由地3」、「経由地4」のように、入力フィールド46が追加表示され、追加する経由地を複数地点入力することができる。又、ユーザは到着地として設定する場所を「到着地」の入力フィールド43に入力する。尚、図には示していないが、入力フィールド41~43、46等をクリックすると、文字を入力するためのキーボード等が一時的に表示され、所望の文字を入力可能になっている。
そして、ユーザは決定ボタン45を押下することにより、自律移動体12の移動経路を設定することができる。図2の例では、出発地として”AAA”、経由地1として”BBB”、到着地として”CCC”と設定している。入力フィールドに入力する文言は、例えば住所等であっても良いし、緯度/経度情報や店名や電話番号などの、特定の位置を示すための位置情報を入力できるようにしても良い。
図3(A)は自律移動体の現在位置を確認するための画面の例を示す図、図3(B)は自律移動体の現在位置を確認する際の地図表示画面の例を示す図である。
図3(A)の50は確認画面であり、図2(A)のような画面で自律移動体12の移動経路を設定した後に、不図示の操作ボタンの操作をすることによって表示される。確認画面50では、自律移動体12の現在位置が例えば現在地56のように、ユーザインターフェース11のWEBページに表示される。従ってユーザは容易に現在位置を把握できる。
又、ユーザは更新ボタン57を押下することにより、画面表示情報を更新して最新状態を表示することができる。又、ユーザは経由地/到着地変更ボタン54を押下することにより、出発地、経由地、到着地を変更することができる。即ち、「出発地」の入力フィールド51、「経由地1」の入力フィールド52、「到着地」の入力フィールド53に夫々再設定したい場所を入力することで変更することができる。
図3(B)には、図3(A)の地図表示ボタン55を押下した場合に、確認画面50から切り替わる地図表示画面60の例が示されている。地図表示画面60では、現在地62の位置を地図上で表示することによって、自律移動体12の現在地をよりわかりやすく確認する。又、ユーザが戻るボタン61を押下した場合には、図3(A)の確認画面50に表示画面を戻すことができる。
以上のように、ユーザはユーザインターフェース11の操作により、自律移動体12を所定の場所から所定の場所まで移動するための移動経路を容易に設定できる。尚、このような経路設定アプリは、例えばタクシーの配車サービスや、ドローンの宅配サービスなどにも適用することができる。
次に図1における10~15の構成例と機能例に関して図4を用いて詳細に説明する。図4は、図1の各装置の内部構成例を示したブロック図である。
図4において、ユーザインターフェース11は操作部11-1、制御部11-2、表示部11-3、情報記憶部(メモリ/HD)11-4、ネットワーク接続部11-5を備える。操作部11-1は、タッチパネルやキーボタンなどで構成されており、データの入力のために用いられる。表示部11-3は例えば液晶画面などであり、経路情報やその他のデータを表示するために用いられる。
図2、図3において示したユーザインターフェース11の表示画面は表示部11-3に表示される。ユーザは表示部11-3に表示されたメニューを用いて、経路の選択、情報の入力、情報の確認等を行うことができる。つまり操作部11-1及び表示部11-3はユーザが実際に操作をするための操作用のインターフェースを提供している。尚、操作部11-1と表示部11-3を別々に設ける代わりに、タッチパネルによって操作部と表示部を兼用しても良い。
制御部11-2は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、ユーザインターフェース11における各種アプリの管理や、情報入力、情報確認などのモード管理を行い、通信処理を制御する。又、システム制御装置内の各部における処理を制御する。
情報記憶部(メモリ/HD)11-4は、例えばCPUが実行するためのコンピュータプログラム等の、必要な情報を保有しておくためのデータベースである。ネットワーク接続部11-5は、インターネットやLAN、無線LANなどを介して行われる通信を制御する。尚、ユーザインターフェース11は例えばスマートフォンのようなデバイスであっても良いし、タブレット端末のような形態であっても良い。
このように、本実施形態のユーザインターフェース11は、システム制御装置10のブラウザ画面に前記出発地、経由地、到着地を入力画面40を表示し、ユーザによる出発地点、経由地点、到着地点といった位置情報の入力が可能である。更に又、前記ブラウザ画面に前記確認画面50及び地図表示画面60を表示することで、自律移動体12の現在位置を表示することができる。
図4における、経路決定装置13は、地図情報管理部13-1、制御部13-2、位置/経路情報管理部13-3、情報記憶部(メモリ/HD)13-4、ネットワーク接続部13-5を備える。地図情報管理部13-1は、広域の地図情報を保有しており、指定された所定の位置情報に基づいて地図上のルートを示す経路情報を探索するとともに、探索結果の経路情報を位置/経路情報管理部13-3に送信する。
前記地図情報は地形や緯度/経度/高度といった情報を含む3次元の地図情報であると共に、車道、歩道、進行方向、交通規制といった道路交通法に関わる規制情報なども併せて含む。又、例えば時間帯によって一方通行となる場合や、時間帯によって歩行者専用道路となるものなど、時間によって変化する規制情報も、それぞれの時間情報とともに含んでいる。制御部13-2は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、経路決定装置13内の各部における処理を制御する。
位置/経路情報管理部13-3は、ネットワーク接続部13-5を介して取得した自律移動体の位置情報を管理するとともに、地図情報管理部13-1に前記位置情報送信し、地図情報管理部13-1から取得した前記探索結果としての前記経路情報を管理する。制御部13-2は、外部システムの要求に従って、位置/経路情報管理部13-3で管理されている前記経路情報を所定のデータ形式に変換するとともに、外部システムに送信する。
以上のように、本実施形態においては、経路決定装置13は、指定された位置情報に基づいて道路交通法等に則した経路を探索し、経路情報を所定のデータ形式で出力できるように構成されている。
図4における、変換情報保持装置14は、位置/経路情報管理部14-1、固有識別子管理部14-2、制御部14-3、フォーマットデータベース14-4、情報記憶部(メモリ/HD)14-5、ネットワーク接続部14-6を備える。位置/経路情報管理部14-1は、ネットワーク接続部14-6を通して取得した所定の位置情報を管理するとともに、制御部14-3の要求に従って前記位置情報を制御部14-3に送信する。制御部14-3は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、変換情報保持装置14内の各部における処理を制御する。
制御部14-3は、位置/経路情報管理部14-1から取得した前記位置情報と、フォーマットデータベース14-4で管理されているフォーマットの情報に基づいて、前記位置情報を前記フォーマットで規定された固有識別子に変換する。そして、固有識別子管理部14-2に送信する。前記フォーマットについては後に詳しく説明するが、所定の位置を起点とした空間に識別子(以下、固有識別子)を割り振り、固有識別子によって空間を管理するものである。本実施形態においては、所定の位置情報を基に、対応する固有識別子や空間内の情報を取得することができる。
固有識別子管理部14-2は、制御部14-3にて変換した前記固有識別子を管理するとともにネットワーク接続部14-6を通じて送信する。フォーマットデータベース14-4は、前記フォーマットの情報を管理するとともに、制御部14-3の要求に従って、前記フォーマットの情報を制御部14-3に送信する。
又、ネットワーク接続部14-6を通じて取得した前記空間内の情報を前記フォーマットを用いて管理する。変換情報保持装置14(変換情報保持手段)は、外部の機器、装置、ネットワークにより取得された前記空間に関する情報を、固有識別子と紐づけて管理する。又、外部の機器、装置、ネットワークに対して固有識別子及びそれに紐づく前記空間に関する情報を提供する。
以上のように、変換情報保持装置14は、所定の位置情報を基に、固有識別子と空間内の情報を取得し、その情報を自身に接続された外部の機器、装置、ネットワークが共有できる状態に管理、提供する。
又、変換情報保持装置14は、システム制御装置10に指定された前記位置情報を、前記固有識別子に変換し、システム制御装置10に提供する。
図4において、システム制御装置10は固有識別子管理部10-1、制御部10-2、位置/経路情報管理部10-3、情報記憶部(メモリ/HD)10-4、ネットワーク接続部10-5を備える。位置/経路情報管理部10-3は、地形情報と緯度/経度情報の対応付けをした簡易的な地図情報を保持するとともに、ネットワーク接続部10-5を通して取得した所定の位置情報及び経路情報を管理する。
また位置/経路情報管理部10-3は、前記経路情報を所定の間隔で区切るとともに、区切った場所の緯度/経度といった位置情報を生成することもできる。固有識別子管理部10-1は、前記位置情報及び前記経路情報を前記固有識別子に変換した情報を管理する。制御部10-2は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、システム制御装置10の前記位置情報、前記経路情報、前記固有識別子の通信機能の制御を司り、システム制御装置10内の各部における処理を制御する。
又、制御部10-2は、ユーザインターフェース11にWEBページを提供するとともに、WEBページから取得した所定の位置情報を、経路決定装置13に送信する。又、経路決定装置13から所定の経路情報を取得し、経路情報の各位置情報を変換情報保持装置14に送信する。そして、変換情報保持装置14から取得した固有識別子に変換された経路情報を自律移動体12に送信する。
以上のように、システム制御装置10はユーザの指定する所定の位置情報の取得、位置情報及び経路情報の送受信、位置情報の生成、固有識別子を用いた経路情報の送受信を行えるように構成されている。
又、システム制御装置10は、ユーザインターフェース11に入力された前記位置情報に基づいて、自律移動体12が自律移動を行うのに必要な前記経路情報を収集するとともに、自律移動体12に固有識別子を用いた経路情報を提供する。尚、本実施形態では、システム制御装置10と経路決定装置13、変換情報保持装置14は例えばサーバーとして機能している
図4において、自律移動体12は検出部12-1、制御部12-2、方向制御部12-3、情報記憶部(メモリ/HD)12-4、ネットワーク接続部12-5、駆動部12-6を備える。検出部12-1は、例えば複数の撮像素子を有し、複数の撮像素子から得られた複数の撮像信号の位相差に基づき測距を行う機能を有する。又、周辺の地形・建物の壁などの障害物といった検出情報(以下、検出情報)を取得し、検出情報と地図情報に基づき自己位置を推定する自己位置推定機能を有する。
又、検出部12-1は、GPS(Global Positioning System)などの自己位置検出機能と、例えば地磁気センサなどの方向検出機能を有する。更に、取得した前記検出情報と自己位置推定情報と方向検出情報を基に、前記制御部12-2はサイバー空間の3次元マップを生成することができる。
ここで、サイバー空間の3次元マップとは、現実世界の地物位置と等価な空間情報を、デジタルデータとして表現可能なものである。このサイバー空間の3次元マップ内には、現実世界に存在する自律移動体12や、その周辺の地物情報が、デジタルデータとして空間的に等価な情報として保持されている。従って、このデジタルデータを用いることで、効率的な移動が可能である。
以下図5を例として、本実施形態で用いるサイバー空間の3次元マップについて説明する。図5(A)は、現実世界における自律移動体12とその周辺の地物情報として存在する柱99の空間的位置関係を示した図、図5(B)は自律移動体12と柱99を、P0を原点とする任意のXYZ座標系空間にマッピングした状態を示した図である。
図5(A)、(B)において、自律移動体12の位置は、自律移動体12に搭載された不図示のGPS等によって取得された緯度経度の位置情報から、自律移動体12内の位置α0として特定される。又、自律移動体12の方位は不図示の電子コンパス等によって取得された方位αYと自律移動体12に移動方向12Yの差分によって特定される。
又、柱99の位置は、予め測定された位置情報から頂点99-1の位置として特定される。また自律移動体12の測距機能によって、自律移動体12のα0から頂点99-1までの距離を取得することが可能である。図5(A)においては移動方向12YをXYZ座標系の軸としてα0を原点とした場合に、頂点99-1の座標(Wx,Wy,Wz)として示される。
サイバー空間の3次元マップでは、この様に取得された情報がデジタルデータとして管理され、図5(B)のような空間情報としてシステム制御装置10、経路決定装置13等で再構成することが可能である。図5(B)においては、自律移動体12と柱99を、P0を原点とする任意のXYZ座標系空間にマッピングした状態を示している。P0を現実世界の所定の緯度経度に設定し、現実世界の方位北をY軸方向に取ることで、この任意のXYZ座標系空間で自律移動体12を、P1と柱99をP2として表現することができる。
具体的には、α0の緯度経度とP0の緯度経度から、この空間におけるα0の位置P1を算出できる。又、同様に柱99をP2として算出できる。この例では、自律移動体12と柱99の2つをサイバー空間の3次元マップで表現しているが、勿論もっと多数あっても同様に扱うことが可能である。
以上のように、3次元空間に現実世界の自己位置や物体をマッピングしたものが3次元マップである。
図4に戻り、自律移動体12は、機械学習を行った物体検出の学習結果データを、例えば情報記憶部(メモリ/HD)12-4に記憶しており、機械学習を用いて撮影画像から物体検出することができる。尚、前記検出情報に関しては、ネットワーク接続部12-5を経由して、外部のシステムから取得して、3次元マップに反映することもできる。尚、制御部12-2は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、自律移動体12の移動、方向転換、自律走行機能の制御を司り、自律移動体12内の各部における処理を制御する。
方向制御部12-3は、駆動部12-6による移動体の駆動方向を変更することで、自律移動体12の移動方向の変更を行う。駆動部12-6は、モータなどの駆動装置からなり、自律移動体12の推進力を発生させる。自律移動体12は前記3次元マップ内に前記自己位置及び検出情報、物体検出情報を反映し、周辺の地形・建物・障害物・物体から一定の間隔を保った経路を生成し、自律走行を行うことができる。
尚、経路決定装置13は主に道路交通法に関わる規制情報を考慮した経路生成を行う。一方、自律移動体12は経路決定装置13による経路において、周辺障害物の位置をより正確に検出し、自分のサイズに基づき、それらに接触せずに移動するための経路生成を行う。又、自律移動体12の情報記憶部(メモリ/HD)12-4には自律移動体自身のモビリティ形式を格納することも出来る。このモビリティ形式とは例えば法的に識別された移動体の種別であり、例えば自動車、自転車、ドローンなどの種別を意味する。このモビリティ形式に基づいて、後述するフォーマット経路情報の生成を行うことが出来る。
ここで本実施形態における自律移動体12の本体構成について図6を用いて説明する。図6は実施形態に係る自律移動体12のメカ的な構成例を示す斜視図である。尚、本実施形態においては、自律移動体12は、車輪を有する走行体の例を説明するがこの限りではなく、ドローンなどの飛行体であっても良い。
図6において、自律移動体12には検出部12-1、制御部12-2、方向制御部12-3、情報記憶部(メモリ/HD)12-4、ネットワーク接続部12-5、駆動部12-6が搭載されており、各部は互いに電気的に接続されている。駆動部12-6、方向制御部12-3は自律移動体12に少なくとも2つ以上配備されている。
方向制御部12-3は軸の回転駆動により駆動部12-6の方向を変更することで、自律移動体12の移動方向を変更し、駆動部12-6は、軸の回転により自律移動体12の前進、後退を行う。尚、図6を用いて説明した構成は1例であって、これに限定するものではなく、例えば移動方向の変更をオムニホイール等を用いて行っても良い。
尚、自律移動体12は例えばSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を用いた移動体である。又、検出部12-1により検出した検出情報や、インターネット16を介して取得した外部システムの検出情報を基に、指定された所定の経路を自律移動できるように構成されている。
自律移動体12は細かく指定された地点をトレースするようなトレース移動も可能であるし、大まかに設定された地点を通過しながらその間の空間においては自身で経路情報を生成し、移動することも可能である。
以上のように、本実施形態の自律移動体12は、システム制御装置10により提供された前記固有識別子を用いた経路情報に基づき自律移動を行うことができる。
図4に戻り、センサノード15は、例えばロードサイドカメラユニットのような映像監視システムなどの外部システムであり、検出部15-1、制御部15-2、情報記憶部(メモリ/HD)15-3、ネットワーク接続部15-4を備える。検出部15-1は、例えばカメラのような自身が検出可能なエリアの検出情報を取得するとともに、物体検出機能、測距機能を有する。
制御部15-2は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、センサノード15の検出、データ保管、データ送信機能の制御を司り、センサノード15内の各部における処理を制御する。又、検出部15-1で取得した検出情報を情報記憶部(メモリ/HD)15-3に保管するとともに、ネットワーク接続部15-4を通じて変換情報保持装置14に送信する。
以上のように、センサノード15は、検出部15-1で検出した画像情報、検出した物体の特徴点情報、位置情報などの検出情報を情報記憶部15-3に保存及び通信できるように構成されている。又、センサノード15は、自身が検出可能なエリアの前記検出情報を、前記変換情報保持装置14に提供する。
次に、図4における各制御部の具体的なハードウェア構成に関して説明する。
図7は、制御部10-2、制御部11-2、制御部12-2、制御部13-2、制御部14-3、制御部15-2の具体的なハードウェア構成例を示すブロック図である。
図7において、21は情報処理装置の演算・制御を司るコンピュータとしてのCPUである。22はRAMであり、CPU21の主メモリとして、及び実行プログラムの領域や該プログラムの実行エリアならびにデータエリアとして機能する。23はCPU21の動作処理手順を記憶しているROMである。
ROM23は情報処理装置の機器制御を行うシステムプログラムである基本ソフト(OS)を記録したプログラムROMと、システムを稼働するために必要な情報等が記録されているデータROMとを備える。尚、ROM23の代わりに、後述のHDD29を用いても良い。24はネットワークインターフェース(NETIF)であり、インターネット16を介して情報処理装置間のデータ転送を行うための制御や接続状況の診断を行う。25はビデオRAM(VRAM)であり、LCD26の画面に表示させるための画像を展開し、その表示の制御を行う。26はディスプレイ等の表示装置(以下、LCDと記す)である。
27は外部入力装置28からの入力信号を制御するためのコントローラ(以下、KBCと記す)である。28は利用者が行う操作を受け付けるための外部入力装置(以下、KBと記す)であり、例えばキーボードやマウス等のポインティングデバイスが用いられる。29はハードディスクドライブ(以下、HDDと記す)であり、アプリケーションプログラムや各種データ保存用に用いられる。本実施形態におけるアプリケーションプログラムとは、本実施形態における各種処理機能を実行するソフトウェアプログラム等である。
30はCDDであり、例えばCDROMドライブ、DVDドライブ、Blu-Ray(登録商標)ディスクドライブ等の、取り外し可能なデータ記録媒体としてのリムーバブル・メディア31とデータを入出力するためのものである。CDD30は、外部入出力装置の一例である。CDD30は、上述したアプリケーションプログラムをリムーバブル・メディアから読み出す場合等に用いられる。
31はCDD30によって読み出しされる、例えば、CDROMディスク、DVD、Blu―Rayディスク等のリムーバブル・メディアである。
尚、リムーバブル・メディアは、光磁気記録媒体(例えば、MO)、半導体記録媒体(例えば、メモリカード)等であっても良い。尚、HDD29に格納するアプリケーションプログラムやデータをリムーバブル・メディア31に格納して利用することも可能である。20は上述した各ユニット間を接続するための伝送バス(アドレスバス、データバス、入出力バス、及び制御バス)である。
次に、図2、図3で説明したような経路設定アプリ等を実現するための自律移動体制御システムにおける制御動作の詳細について図8~図10を用いて説明する。
図8は本実施形態に係る自律移動体制御システムが実行する処理を説明するシーケンス図であり、図9は、図8の続きのシーケンス図であり、図10は、図9の続きのシーケンス図である。
図8~図10は、ユーザがユーザインターフェース11に前記位置情報を入力してから自律移動体12の現在位置情報を受け取るまでの、各装置が実行する処理を示している。尚、各装置内の制御部内のコンピュータがメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図8~図10のシーケンスの各ステップの動作が行われる。
先ず、ステップS201において、ユーザがユーザインターフェース11でシステム制御装置10が提供するWEBページにアクセスする。ステップS202において、システム制御装置10はWEBページの表示画面に図2で説明したような位置入力画面を表示させる。ステップS203において、図2で説明したように、ユーザは自律移動体(モビリティ)を選択し、出発/経由/到着地点を示す位置情報(以下、位置情報)を入力する。
前記位置情報は、例えば建物名や駅名や住所など、特定の場所を指定するワード(以下、位置ワード)でも良いし、前記WEBページに表示された地図の特定の位置をポイント(以下、ポイント)として指定する手法でも良い。
ステップS204において、システム制御装置10は選択された自律移動体12の種別情報と、入力された前記位置情報を保存する。この時、前記位置情報が前記位置ワードの場合は、前記位置ワードを保存し、前記位置情報が前記ポイントの場合は、位置/経路情報管理部10-3に保存してある前記簡易的な地図情報を基に、ポイントに該当する緯度/経度を探索し、緯度/経度を保存する。
次に、ステップS205において、システム制御装置10はユーザによって指定された自律移動体12のモビリティ形式(種別)から、移動できる経路の種別(以下、経路種別)を指定する。そして、ステップS206において、前記位置情報とともに経路決定装置13に送信する。
前記モビリティ形式とは法的に区別された移動体の種別であり、例えば自動車、自転車、ドローンなどの種別を意味する。又、経路の種別とは、例えば自動車であれば一般道や高速道路、自動車専用道路等であり、自転車であれば所定の歩道、一般道の路側帯、自転車専用レーンなどである。
ステップS207において、経路決定装置13は、受信した前記位置情報を、所有する地図情報に出発/経由/到着地点として入力する。前記位置情報が前記位置ワードの場合は、位置ワードにより地図情報で探索し、該当する緯度/経度情報を使用する。前記位置情報が緯度/経度情報の場合はそのまま地図情報に入力して使用する。
続いて、ステップS208で、経路決定装置13は出発地点から経由地点を経由して到着地点までの経路を探索する。この時、探索する経路は前記経路種別に則った経路を検索する。そして、ステップS209で、経路決定装置13は探索の結果として、出発地点から経由地点を経由して到着地点までの経路(以下、経路情報)をGPX形式(GPS eXchange Format)で出力し、システム制御装置10に送信する。
GPX形式のファイルは、ウェイポイント(順序関係を持たない地点情報)、ルート(時間情報を付加した順序関係を持つ地点情報)、トラック(複数の地点情報の集合体:軌跡)の3種類で主に構成されている。
各地点情報の属性値としては緯度/経度、子要素として標高やジオイド高、GPS受信状況・精度などが記載される。GPXファイルに必要な最小要素は、単一ポイントの緯度/経度情報で、それ以外の情報の記述は任意である。前記経路情報として出力するのは前記ルートであり、順序関係を持つ緯度/経度からなる地点情報の集合体である。尚、経路情報は上記を満足できれば他の形式であっても良い。
ここで、前記変換情報保持装置14のフォーマットデータベース14-4で管理しているフォーマットの構成例に関して図11(A)、図11(B)、図12を参照して詳しく説明する。
図11(A)は地球の緯度/経度情報を示す図であり、図11(B)は図11(A)の所定の空間100を示す斜視図である。又、図11(B)において所定の空間100の中心を中心101とする。図12は空間100内の空間情報を模式的に示した図である。
図11(A)、図11(B)において、フォーマットは、地球の空間を緯度/経度/高さを起点とした範囲によって決定される3次元の空間に分割し、夫々の空間に固有識別子を付加して管理可能とするものである。例えばここでは所定の3次元の空間として空間100を表示する。空間100は、北緯20度、東経140度、高さHを中心101に規定され、緯度方向の幅をD、経度方向の幅をW、高さ方向の幅をTと規定された分割空間である。又、地球の空間を前記緯度/経度/高さを起点とした範囲によって決定される空間に分割した1つの空間である。
図11(A)においては便宜上、空間100のみを表示しているが、フォーマットの規定においては前述のとおり空間100と同じように規定された空間が緯度/経度/高さ方向に並んで配置されているものとする。そして配置された各分割空間は夫々緯度/経度によって水平位置を定義されているとともに、高さ方向にも重なりを持ち、高さによって高さ方向の位置を定義されているものとする。
尚、図11(B)において前記緯度/経度/高さの起点として、前記分割空間の中心101を設定しているが、これに限定するものではなく、例えば空間の角部や、底面の中心を前記起点としても良い。
又、形状も略直方体であればよく、地球のような球体表面上に敷き詰める場合を考えた時は、直方体の底面よりも天面のほうをわずかに広く設定したほうが、より隙間なく配置できる。
図12において前記空間100を例にすると、前記フォーマットデータベース14-4には空間100の範囲に存在又は進入可能な物体の種別と時間に関する情報(空間情報)が夫々固有識別子と関連付けてフォーマット化されて保持可能となっている。又、フォーマット化された空間情報は、過去から未来といった時系列に保管されている。
即ち、変換情報保持装置14は、緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に存在又は進入可能な物体の種別に関する空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマット化しフォーマットデータベース14-4に保存する変換情報保持工程を実行する。
前記空間情報は、変換情報保持装置14に通信可能に接続された外部システム(例えばセンサノード15)などにより入力された情報に基づき更新され、変換情報保持装置14に通信可能に接続された他の外部システムに情報共有される。
また、外部システムを有する事業者/個人の情報、外部システムが取得した検出情報へのアクセス方法の情報、検出情報のメタデータ/通信形式などの検出情報の仕様情報も空間情報として、固有識別子と関連付けて管理することができる。
以上のように、本実施形態では、緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に存在又は進入可能な物体の種別と時間に関する情報(以下、空間情報)を固有識別子と関連付けてフォーマット化してデータベースに保存している。そしてフォーマット化された空間情報によって時空間を管理可能としている。
なお、本実施形態においては空間(ボクセル)の位置を規定する座標系として緯度/経度/高さによって定義される座標系を用いて説明する。しかし、座標系はこれに限定されたものではなく、例えば任意の座標軸を有するXYZ座標系や、水平方向の座標としてMGRS(Military Grid Reference System)を用いるなど、様々な座標系を用いることができる。
その他、画像の画素位置を座標として利用するピクセル座標系や、所定の領域をタイルという単位で分割し、X/Y方向に並べて表現するタイル座標系を用いることもできる。本実施例は、上記の複数の座標系の少なくとも1つを用いるものを含む。
図8に戻り、改めて自律移動体制御システムが実行する処理の続きを説明していく。ステップS210において、システム制御装置10は、受信した前記経路情報内の各地点情報間の間隔を確認する。そして、地点情報の間隔と前記フォーマットで規定する分割空間の起点位置同士の間隔とを整合したものを、位置点群データ(以下、位置点群データ)として作成する。
この時、前記地点情報の間隔が前記分割空間の起点位置同士の間隔より小さい場合、システム制御装置10は分割空間の起点位置間隔に合わせて前記経路情報内の地点情報を間引いたものを位置点群データとする。又、前記地点情報の間隔が前記分割空間の起点位置同士の間隔より大きい場合、システム制御装置10は経路情報から逸脱しない範囲で地点情報を補間して位置点群データとする。
尚、本実施形態では、位置点群データから後述するフォーマット経路情報を作成する際にフォーマット経路情報を構成する固有識別子によって特定される空間(=ボクセル)が隙間なく数珠繋ぎとなるように、位置点群データの間引き/補間を行っている。
しかしこれに限定されるものではなく、少なくとも位置点群データを構成する地点情報の間隔は、分割空間の起点(=基準点)位置同士の間隔以上とし、分割空間同士が被らないようにして移動経路を設定できる。
位置点群データ同士の間隔が詰まっているほど、より詳細に移動経路を指定することが可能となるが、その反面、移動経路全体のデータ量は増大する。また、位置点群データ同士の間隔が大きければ、移動経路の詳細な指定はできないが移動経路全体のデータ量は抑えることができる。
つまり、自律移動体12への移動経路の指示粒度や、扱えるデータ量などの条件に合わせて、位置点群データ同士の間隔を適切に調整可能としても良い。また、部分的に位置点群データ同士の間隔を変更し、より最適な経路設定とすることも可能である。
次に、図9のステップS211に示すように、システム制御装置10は、前記位置点群データの各地点情報の緯度/経度情報を、変換情報保持装置14に経路の順番に送信する。又、ステップS212において、変換情報保持装置14は受信した緯度/経度情報に該当する固有識別子をフォーマットデータベース14-4から探索し、ステップS213において、システム制御装置10に送信する。
ステップS214において、システム制御装置10は受信した固有識別子を元の位置点群データと同じ順に並べ、固有識別子を用いた経路情報(以下、フォーマット経路情報)として保管する。このように、ステップS214においては、システム制御装置10は、変換情報保持装置14のデータベースから空間情報を取得し、取得した空間情報と、移動体の種別情報に基づき前記移動体の移動経路に関する経路情報を生成している。
ここで、前記経路情報から前記位置点群データを生成し、固有識別子を用いた経路情報に変換する過程を、図13(A)、図13(B)、図13(C)を参照して詳細に説明する。図13(A)は経路情報を地図情報で表示したイメージ図、図13(B)は位置点群データを用いた経路情報を地図情報で表示したイメージ図、図13(C)は固有識別子を用いた経路情報を地図情報で表示したイメージ図である。
図13(A)において、120は経路情報、121は自律移動体12が通過できない移動不可領域、122は自律移動体12が移動可能な移動可能領域である。前記ユーザが指定した出発地点、経由地点、到着地点の位置情報をもとに、前記経路決定装置13により生成された経路情報120は、前記出発地点、経由地点、到着地点を通過し、かつ地図情報上で移動可能領域122上を通る経路として生成されている。
図13(B)において、123は前記経路情報上の複数の位置情報である。前記経路情報120を取得したシステム制御装置10は、経路情報120上に、所定の間隔で配置した前記位置情報123を生成する。前記位置情報123は夫々緯度/経度/高さで表すことができ、これら位置情報123を本実施形態では位置点群データと呼ぶ。そして、システム制御装置10はこれら位置情報123の各点の緯度/経度/高さを1つずつ前記変換情報保持装置14に送信し、固有識別子に変換する。
図13(C)において、124は前記位置情報123を1つずつ固有識別子に変換し、固有識別子が規定する空間範囲を四角い枠で表現した位置空間情報である。前記位置情報を固有識別子に変換することで、位置空間情報124が得られる。これにより、前記経路情報120が表現していた経路を、連続した位置空間情報124に変換して表現する。尚、各位置空間情報124には、前記空間の範囲に存在又は進入可能な物体の種別と時間に関する情報が紐づけられている。この連続した位置空間情報124を本実施形態ではフォーマット経路情報と呼ぶ。
図9に戻り、改めて自律移動体制御システムが実行する処理の続きを説明する。ステップS214の次に、ステップS215において、システム制御装置10は前記フォーマット経路情報の各固有識別子に紐づけられた前記空間情報を変換情報保持装置14からダウンロードする。
そしてステップS216で、システム制御装置10は、前記空間情報を、自律移動体12の前記サイバー空間の3次元マップに反映できる形式に変換して、所定空間内の複数物体(障害物)の位置を示す情報(以下、コストマップ)を作成する。前記コストマップは、前記フォーマット経路情報のすべての経路の空間に関して初めに作成しても良いし、一定領域で区切った形で作成し、順次更新していく方法で作成しても良い。
次に、ステップS217において、システム制御装置10は、前記フォーマット経路情報と前記コストマップを、自律移動体12に割り当てられた固有識別番号に紐づけて保管する。自律移動体12は所定時間間隔で、自己の前記固有識別番号をネットワークを介して監視(以下、ポーリング)しており、ステップS218において、紐づけられたコストマップをダウンロードする。自律移動体12はステップS219において、前記フォーマット経路情報の各固有識別子の緯度/経度情報を、自己が作成したサイバー空間の3次元マップに対して経路情報として反映させる。
次に、ステップS220において、自律移動体12は前記コストマップをルート上の障害物情報としてサイバー空間の3次元マップに反映する。前記コストマップが一定間隔で区切った形で作成されている場合は、前記コストマップが作成された領域を移動した後に、次の領域のコストマップをダウンロードし、コストマップを更新する。
ステップS221において、自律移動体12は、前記経路情報に沿って前記コストマップで入力された物体(障害物)を回避しながら移動する。即ち、コストマップに基づき移動制御を行う。この時、ステップS222において、自律移動体12は物体検出を行いながら移動し、前記コストマップとの差異があれば物体検出情報を用いてコストマップを更新しつつ移動する。
又、ステップS223において、自律移動体12はコストマップとの差異情報を、対応する固有識別子とともにシステム制御装置10に送信する。固有識別子と、コストマップとの差異情報を取得したシステム制御装置10は、図10のステップS224において、変換情報保持装置14に空間情報を送信し、ステップS225で、変換情報保持装置14は該当する固有識別子の空間情報を更新する。ここで更新する空間情報の内容は、コストマップとの差異情報をそのまま反映するわけではなく、システム制御装置10にて抽象化されてから変換情報保持装置14に送信される。前記抽象化の詳細な内容に関しては後述する。
前記フォーマット経路情報に基づき移動している自律移動体12は、ステップS226において、各固有識別子に紐づけられた分割空間を通過するごとにシステム制御装置10に対して現在自身が通過している空間に紐づけられた固有識別子を送信する。又は前記ポーリング時に、自身の前記固有識別番号に紐づけても良い。システム制御装置10は、自律移動体12から受け取る、空間の固有識別子情報を基に、フォーマット経路情報上の自律移動体12の現在位置を把握する。
前記ステップS226を繰り返すことで、システム制御装置10は前記フォーマット経路情報の中で、自律移動体12が現在どこにいるのかを把握することができる。尚、自律移動体12が通過した空間の固有識別子に関して、システム制御装置10は保持することをやめてもよく、それにより前記フォーマット経路情報の保持データ容量を削減することもできる。
ステップS227において、システム制御装置10は把握した自律移動体12の現在位置情報を基に、図2及び図3で説明した確認画面50及び地図表示画面60を作成し、WEBページの表示画面に表示する。自律移動体12により、現在位置を示す前記固有識別子がシステム制御装置10に送信されるたびに、システム制御装置10は前記確認画面50及び地図表示画面60を更新する。
一方、ステップS228において、センサノード15は検出範囲の検出情報を保存するとともに、ステップS229において前記検出情報を抽象化して、ステップS230において前記空間情報として変換情報保持装置14に送信する。前記抽象化とは、例えば物体が存在しているか否か、物体の存在状態に変化があったか否かといった情報であり、物体に関する詳細情報ではない。
物体に関する詳細情報はセンサノード内のメモリに保管される。そして、ステップS231において、変換情報保持装置14は、抽象化された検出情報である前記空間情報を、空間情報に対応する位置の固有識別子に紐づけて保管する。これにより、フォーマットデータベース内の1つの固有識別子に前記空間情報が格納されたことになる。
又、センサノード15とは異なる外部システムが前記空間情報を活用する場合、外部システムは変換情報保持装置14内の前記空間情報を基に、変換情報保持装置14を経由してセンサノード15内の前記検出情報を取得して活用する。この時、変換情報保持装置14は外部システムとセンサノード15の通信規格をつなぐ機能も有する。
上記のような空間情報の格納をセンサノード15に限らず複数デバイス間で行うことで、変換情報保持装置14は比較的軽量なデータ量にて複数のデバイスのデータをつなぐ機能を有する。尚、ステップS215、S216においてシステム制御装置10がコストマップを作成の際に詳細な物体情報を必要とする場合は、空間情報の詳細な検出情報を保管している外部システムから詳細情報をダウンロードして使用すれば良い。
ここで、自律移動体12の前記フォーマット経路情報の経路上において、センサノード15が前記空間情報を更新したとする。この時、ステップS232でセンサノード15は前記検出情報を取得し、ステップS233で抽象化された空間情報を生成して、ステップS234で変換情報保持装置14に送信する。変換情報保持装置14は、ステップS235で前記空間情報をフォーマットデータベース14-4に格納する。
システム制御装置10は、管理する前記フォーマット経路情報における前記空間情報の変化を所定の時間間隔で確認しており、変化があればステップS236で空間情報をダウンロードする。そして、ステップS237で自律移動体12に割り当てられた固有識別番号に紐づけられたコストマップを更新する。自律移動体12はステップS238において、ポーリングにてコストマップの更新を認識し、自己が作成したサイバー空間の3次元マップに反映する。
以上のように、複数デバイスで共有された空間情報を活用することで、自律移動体12は自己が認識できないルート上の変化を事前に認識でき、その変化に対応することができる。
上記一連のシステムを遂行し、ステップS239で自律移動体12が到着地点に到着した場合には、ステップS240で固有識別子を送信する。
これにより固有識別子を認識したシステム制御装置10は、ステップS241で、到着表示をユーザインターフェース11に表示し、アプリを終了する。
本実施形態によれば、以上のようにしてデジタルアーキテクチャのフォーマット及びそれを用いた自律移動体制御システムを提供することができる。
図11(A)、(B)、図12で説明したように、前記フォーマットデータベース14-4には空間100の範囲に存在又は進入可能な物体の種別と時間に関する情報(空間情報)が過去から未来といった時系列に保管されている。又、前記空間情報は、変換情報保持装置14に通信可能に接続された外部センサなどから入力された情報に基づき更新され、変換情報保持装置14に接続可能な他の外部システムに情報共有されている。
これらの空間情報の1つとして、空間内の物体の種別情報がある。ここでの空間内の物体の種別情報は例えば道路における車道、歩道、自転車専用道路等、地図情報より取得可能な情報である。また他には車道におけるモビリティの進行方向や交通規制等の情報も同様に種別情報と定義することが出来る。更に後述するように空間自体に種別情報を定義することも出来る。
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態に加えて、図11(A)、図11(B)、図12を参照して上述したフォーマットの構成例におけるフォーマットの基準位置、座標系を自由に設定する方法について以降で説明する。
上述のフォーマットの構成の項目において、フォーマットは地球の空間を緯度/経度/高さを位置基準とした範囲によって決定される分割空間に分割し、それぞれの空間に固有識別子を付加して管理可能とするものであることを説明した。また、空間を規定する位置基準としては、MGRS(Military Grid Reference System)など、緯度/経度/高さ以外の地球上の位置を表現する位置情報を用いて規定してもよいことも説明した。
時空間フォーマットは、固有識別子を認識することで、世界の空間を一意に特定でき、他のデバイスと固有識別子を用いて位置情報、空間情報を共有することが目指される。そのため、世界で共通の位置基準をもとに構築されることが望ましい。
しかしながら、現状の地球上の位置を示す規定である緯度/経度でさえも世界測地系とは別に、各国が異なる測地系を採用している現状があり、時空間フォーマットにおいても、各地域において最適な基準設定が行われると予想される。
また、ビルなどの建物内においては、建物の形状、各階の高さなどの特徴に合わせた基準を設定することが最も空間を表現するうえで効率的であり、世界で統一した基準及び各地域で設定した基準とは異なる基準を設定することが考えられる。
そこで、世界で様々な基準の時空間フォーマットが規定された空間であっても、各種デバイスが位置情報、空間情報を適切に共有することを可能とするために、各基準で設定された時空間フォーマット同士の関係性を定義する必要がある。
本実施形態では、基準パラメータを設定することで規定された時空間フォーマットの基準を、以下「基準系」と呼ぶ。基準パラメータに関しては後に説明する。また、世界で統一の基準系として規定された「世界基準系」と、各国、各県などの各地域で規定された「ローカル基準系」と、ビルやトンネルの内部などの屋内で規定された「屋内基準系」という基準系が存在するものとし、その関係性について説明していく。
図14、図15を参照して、「世界基準系」「ローカル基準系」「屋内基準系」の関係性について説明していく。図14は各基準系を階層構造で表現した図である。図15は、図14におけるローカル基準系510と屋内基準系520の関係性を詳細に示した階層構造を示す図である。
まずは図14を用いて、世界基準系500、ローカル基準系510、屋内基準系520、530、540の基準系構造及び基準パラメータに関して説明する。
初めに世界基準系500に関して説明する。世界基準系500は、基準パラメータを用いて構築された屋外の世界基準系であり、原点501を原点とする3軸の座標軸502x、502y、502zを座標軸とする座標系である。図14においてはわかりやすさのために平面で表示しているが、世界基準系500は、実際には座標軸502z方向に高さの軸を持つ三次元座標系である。
グリッド503は、世界基準系500において、座標軸502x、502yに対して平行でかつ等間隔で規定されたグリッドである。グリッド503は、座標軸502z方向にも設けられており、高さ方向の空間分割位置を規定している。このグリッド503で仕切られた空間が時空間フォーマットが分割して管理する分割空間として規定される。
分割空間には、基準位置(ここでは分割空間の中心)に対して所定の法則で固有識別子が割り当てられる。自律移動体制御システムは、固有識別子によって、世界基準系500内のグリッド503で分割された分割空間それぞれを一意に特定できる。本実施形態において、固有識別子を割り当てる所定の法則は、例えばモートンオーダなどの割り当て法則を用いることができる。本実施形態において、固有識別子を割り当てる所定の法則は、これに限ったものではなく、任意の基準から順に並べて割り当てる等の法則でも構わない。分割空間の基準位置は、図11を参照して説明した空間100と同様に、分割空間の中心ではなく、例えば空間の角部や、底面の中心を基準位置としてもよい。
本実施形態では、世界基準系500は屋外の基準系である。このため、自律移動体12が世界基準系500を用いて移動する場合、自律移動体12は主にGPS情報を取得して自己位置を認識することができる。本発明はこれに限らず、自律移動体12は他の方法で自己位置を取得してもよい。自律移動体12は、例えばLandmark(特徴物)と自身との相対距離を検出することで自己位置を認識する手法を用いてもよい。この場合、Landmarkは、世界基準系の分割空間に紐づけられた位置情報を有する。自律移動体12は、現実空間において、自身が搭載する測距機能を用いてLandmarkと自身との相対距離を検出する。自律移動体12は、その他の自己位置推定方法を用いてもよい。
以上説明した原点501の位置、座標軸502x、502y、502zの設定仕様、固有識別子の割り当て法則、分割空間の基準位置、自己位置の推定方法などが世界基準系500の基準パラメータである。
なお、原点501にて座標軸502x、502y、502zがそれぞれが直角に交わるように設定された座標系であれば分割空間は直方体となる。しかしながら、原点501及び座標軸502x、502y、502zの軸設定によっては、分割空間の形状が例えば平行六面体などの異形状となる可能性もある。その場合は、基準系の設定パラメータとして、分割空間の形状を設定するパラメータを追加してもよい。
座標点504は、後述するローカル基準系の原点511の世界基準系上の位置を示す。座標点505は、屋内基準系の原点531の世界基準系上の位置を示す。座標点506は、屋内基準系の原点541の世界基準系上の位置を示す。
続いてローカル基準系510について説明する。ローカル基準系510の説明において、世界基準系500の説明内容と重複する部分は説明を割愛する。ローカル基準系510は、基準パラメータ用いて構築された屋外のローカル基準系であり、原点511を原点とする3軸の座標軸512x、512y、512zを座標軸とする座標系である。
グリッド513は、ローカル基準系510において、座標軸512x、512yに対して平行でかつ等間隔で規定されたグリッドである。グリッド513は、座標軸512z方向にも設けられており、高さ方向の空間分割位置を規定している。このグリッド513で仕切られた空間が時空間フォーマットが分割して管理する分割空間として規定される。
分割空間には、基準位置(ここでは分割空間の中心)に対して所定の法則で固有識別子が割り当てられる。自律移動体制御システムは、固有識別子によって、ローカル基準系510内のグリッド513で分割された分割空間それぞれを一意に特定できる。
本実施形態では、ローカル基準系510は、世界基準系500と同様に屋外の基準系である。このため、自律移動体12がローカル基準系510を用いて移動する場合、自律移動体12は主にGPS情報を取得して自己位置を認識することができるが、世界基準系500と同様にその他の自己位置推定方法を用いてもよい。
太線で示す境界部516は、世界基準系500とローカル基準系510との境界部を示す。ローカル基準系510は屋外であるため、境界部516はローカル基準系510が占める領域の外周である。
以上説明した原点511の位置、座標軸512x、512y、512zの設定仕様、固有識別子の割り当て法則、分割空間の基準位置、自己位置の推定方法、境界部516の位置や範囲などがローカル基準系510の基準パラメータである。
なお、ローカル基準系510においても、その分割空間は異形状となる可能性があり、基準系の設定パラメータとして、分割空間の形状を設定するパラメータを追加してもよい。
座標点514は、後述する屋内基準系の原点521のローカル基準系510上の位置を示す。座標点515は、屋内基準系の原点531のローカル基準系510上の位置を示す。
続いて屋内基準系520、530、540について説明する。屋内基準系520、530。540の説明において、世界基準系500の説明内容と重複する部分は説明を割愛する。屋内基準系520、530、540は、基準パラメータ用いて屋内に構築された屋内基準系である。屋内基準系520は、原点521を原点とする3軸の座標軸522x、522y、522zを座標軸とする座標系である。屋内基準系530は、原点531を原点とする3軸の座標軸532x、532y、532zを座標軸とする座標系である。屋内基準系540は、原点541を原点とする3軸の座標軸542x、542y、542zを座標軸とする座標系である。
グリッド523は、屋内基準系520において、座標軸522x、522yに対して平行でかつ等間隔で規定されたグリッドである。グリッド523は、座標軸522z方向にも設けられており、高さ方向の空間分割位置を規定している。このグリッド523で仕切られた空間が時空間フォーマットが分割して管理する分割空間として規定される。
グリッド533は、屋内基準系530において、座標軸532x、532yに対して平行でかつ等間隔で規定されたグリッドである。グリッド533は、座標軸532z方向にも設けられており、高さ方向の空間分割位置を規定している。このグリッド533で仕切られた空間が時空間フォーマットが分割して管理する分割空間として規定される。
グリッド543は、屋内基準系540において、座標軸542x、542yに対して平行でかつ等間隔で規定されたグリッドである。グリッド543は、座標軸542z方向にも設けられており、高さ方向の空間分割位置を規定している。このグリッド543で仕切られた空間が時空間フォーマットが分割して管理する分割空間として規定される。
分割空間には、基準位置(ここでは分割空間の中心)に対して所定の法則で固有識別子が割り当てられる。自律移動体制御システムは、固有識別子によって、屋内基準系520、屋内基準系530、屋内基準系540内のグリッド523、グリッド533、グリッド543で分割された分割空間を、それぞれの基準系において一意に特定できる。
本実施形態では、屋内基準系520、屋内基準系530、屋内基準系540は、屋内の基準系である。このため、自律移動体12が屋内基準系520、屋内基準系530、屋内基準系540を用いて移動する場合、主にその屋内基準系で規定された自己位置推定方法を用いて自己位置を認識する。屋内での自己位置推定方法としては、前述のLandmarkを用いる方法や、オドメトリを使用した移動量の算出から位置を推定する手法が考えられるが、いずれの方法を用いても構わない。
太線で示す境界部524は、世界基準系500又はローカル基準系510と、屋内基準系520との境界部を示す。太線で示す境界部534は、世界基準系500又はローカル基準系510と、屋内基準系530との境界部を示す。太線で示す境界部544は、世界基準系500又はローカル基準系510と、屋内基準系540との境界部を示す。本実施形態では、屋内基準系520、屋内基準系530、屋内基準系540はいずれも屋内であるため、境界部524、534、544は屋内基準系520、屋内基準系530、屋内基準系540へのアクセス部(出入口等)である。
以上説明した原点521の位置、座標軸522x、522y、522zの設定仕様、固有識別子の割り当て法則、分割空間の基準位置、自己位置の推定方法、境界部524の位置や範囲などが屋内基準系520の基準パラメータである。
以上説明した原点531の位置、座標軸532x、532y、532zの設定仕様、固有識別子の割り当て法則、分割空間の基準位置、自己位置の推定方法、境界部534の位置や範囲などが屋内基準系530の基準パラメータである。
以上説明した原点541の位置、座標軸542x、542y、542zの設定仕様、固有識別子の割り当て法則、分割空間の基準位置、自己位置の推定方法、境界部544の位置や範囲などが屋内基準系540の基準パラメータである。
以下、各基準系同士の関係性について図14、図15を用いて説明する。図14、図15に関して、重複する説明は割愛する。図15において、点線枠で示す基準系設定領域550は、屋内基準系520が占める空間よりも所定の量だけ大きい空間を示す領域である。基準系設定領域550の詳細に関しては後述する。
図14において、前述のように世界基準系500の座標点504は、ローカル基準系510の原点511の世界基準系500上の位置を示す。これは世界基準系500にローカル基準系510の存在が登録されていることを示すとともに、原点511を含めたローカル基準系510の基準パラメータが世界基準系500に登録されていることを示す。ここで説明する登録とは、ローカル基準系510の存在や原点511を含めたローカル基準系510の基準パラメータが、世界基準系500の固有識別子に空間情報として紐づけられていることを示す。
同様に、屋内基準系520及び屋内基準系530は、ローカル基準系510に登録され、また屋内基準系530及び屋内基準系540は、世界基準系500に登録されていることを示す。
本実施形態の自律移動体制御システムは、世界基準系500に対してローカル基準系510が登録され、ローカル基準系510に対して屋内基準系520が登録されるという、階層構造でそれぞれが登録されうる構造を有する。
また本実施形態の自律移動体制御システムは、世界基準系500に対してローカル基準系510及び屋内基準系530がどちらも登録されうる構造を有する。
また本実施形態の自律移動体制御システムは、屋内基準系540のように、ローカル基準系510の下位層であってもローカル基準系510を介さずに、直接に世界基準系500に登録されうる構造を有する。
以上のように、自律移動体制御システムにおいては、様々な基準系の関係性が考えられる。本実施形態の自律移動体制御システムは、世界基準系500を最上位の基準系とし、ローカル基準系510又は屋内基準系520、530、540が世界基準系500の下位の基準系として紐づく階層構造を有する。
なお、世界基準系500は、前述のように最上位の基準系として、例えば世界測地系の緯度経度などの世界共通の基準パラメータを用いて構築されている。
ローカル基準系510は、例えば各国が規定した測地系の緯度経度など、各地域内でのみ使用することを目的として設定された任意の基準パラメータで構築されており、上位基準系を有する基準系である。上位基準系とは、例えばローカル基準系510であれば、ローカル基準系510自身及び屋内基準系540が登録されている世界基準系500である。つまり上位基準系とは、自身の基準系とそれ以外の基準系が少なくとも一つ登録されている基準系を指す。よって例えばローカル基準系510と他の基準系が登録された他のローカル基準系X(不図示)があれば、ローカル基準系510はローカル基準系Xを上位基準系としたローカル基準系としてもよい。またローカル基準系は、上位基準系に限らず、緯度経度やMGRS(Military Grid Reference System)などの位置情報に直接登録してもよい。以上のように、ローカル基準系はその設定者によって任意に設定することが可能である。
また前述のように、ローカル基準系510は、上位基準系である世界基準系500に自身の基準パラメータを登録するとともに、世界基準系500の基準パラメータを空間情報として登録している。ローカル基準系510の基準パラメータは、世界基準系500におけるローカル基準系510が該当する範囲の分割空間よりも、所定の量だけ大きい基準系設定領域(不図示)の範囲の分割空間に空間情報として登録される。基準系設定領域の詳細に関しては、図15にて屋内基準系520の基準系設定領域550として図示して説明するが、ローカル基準系510にも同様に設定されているものとする。
世界基準系500の基準パラメータは、ローカル基準系510のすべての分割空間、又は境界部516周辺の分割空間に空間情報として登録される。これにより、世界基準系500を移動しつつ、ローカル基準系510に移動しようとしている自律移動体は、基準系設定領域の空間情報からローカル基準系510の存在を認識することが可能となる。自律移動体は、ローカル基準系510の存在を認識することで、世界基準系500からローカル基準系510にスムーズに移行することができる。
また、ローカル基準系510を移動しつつ、世界基準系500に移動しようとしている自律移動体は、境界部516に接近した際に世界基準系500の基準パラメータをローカル基準系510の空間情報から取得する。これにより、自律移動体は、ローカル基準系510から世界基準系500にスムーズに移行することができる。なお、自律移動体が別の基準系を跨ぐ場合の具体的な移動方法に関しては後述する。
屋内基準系に関しては屋内基準系520を代表例として図15を用いて説明するが、他の屋内基準系である屋内基準系530及び540も同様の関係性である。
屋内基準系520は、例えば各建造物(ビルなど)内でのみ使用することを目的として設定された任意の基準パラメータで構築されており、上位基準系を有する基準系である。よって、ローカル基準系と同様に、設定者によって任意に設定することが可能であるが、ローカル基準系との違いとしては、主に屋内における基準系設定に用いるという点である。つまり屋内向けに使用することを目的として設定したローカル基準系と同義であり、「屋内基準系」としての設定は必須ではないが、本実施形態においてはわかりやすさのために「屋内基準系」として説明する。
屋内基準系520は、ローカル基準系と同様に、上位基準系であるローカル基準系510に自身の基準パラメータを登録するとともに、ローカル基準系510の基準パラメータを空間情報として登録している。屋内基準系520の基準パラメータは、ローカル基準系510における屋内基準系520が該当する範囲の分割空間よりも、所定の量だけ大きい基準系設定領域550の範囲の分割空間に空間情報として登録される。ローカル基準系510の基準パラメータは屋内基準系520のすべての分割空間、又は境界部524周辺の分割空間に空間情報として登録される。これにより、ローカル基準系510を移動しつつ、屋内基準系520に移動しようとしている自律移動体は、基準系設定領域550の空間情報から屋内基準系520の存在を認識することが可能となる。自律移動体は、屋内基準系520の存在を認識することで、ローカル基準系510から屋内基準系520にスムーズに移行することができる。
また、屋内基準系520を移動しつつ、ローカル基準系510に移動しようとしている自律移動体は、境界部524に接近した際にローカル基準系510の基準パラメータを屋内基準系520の空間情報から取得する。これにより、自律移動体は、屋内基準系520からローカル基準系510にスムーズに移行することができる。なお、前述と同様に、自律移動体が別の基準系を跨ぐ場合の具体的な移動方法に関しては後述する。
以上のように、各基準系は階層構造で構築され、かつ階層構造で紐づけられた基準系同士は互いの基準パラメータを有している。なお、前述の基準パラメータの登録方法は一例である。例えば最上位基準系や基準系を統合管理する所定のDBなどにすべての基準系の基準パラメータを集約し、各基準系は最上位基準系の基準パラメータのみを登録するなど、その他の登録方法を用いても構わない。
ここで、ローカル基準系及び屋内基準系の作成から登録までの具体的な処理に関して、図15及び図16を参照して説明する。図16は、基準系の作成から登録までの処理を示すフローチャートである。なお説明にあたって、図15における屋内基準系520を具体例として取り上げて説明する。前述のように、基準系毎の固有識別子の情報を含むフォーマットは、変換情報保持装置14のフォーマットデータベース14-4で管理される。図16の処理は、変換情報保持装置14の制御部14-3で実行される。
ステップS600において、制御部14-3は処理を開始する。ステップS601において、制御部14-3は、新たに登録する屋内基準系520についての基準パラメータを設定する。具体的には、新たに屋内基準系520を設定する設定者は、ユーザインターフェース11を操作して屋内基準系520についてのパラメータを入力する。設定者は、例えばビルオーナーである。システム制御装置10は、ユーザインターフェース11で入力されたパラメータを、ユーザインターフェース11から受信する。システム制御装置10は、ユーザインターフェース11から受信したパラメータを、変換情報保持装置14に送信する。変換情報保持装置14の制御部14-3は、システム制御装置10から受信したパラメータを設定する。屋内基準系520の設定としては、原点521の位置、座標軸522x、522y、522zの軸方向、分割空間の大きさ、分割空間の基準位置などを設定する。屋内基準系520の設定としては、さらに、固有識別子の割り当て法則、自己位置の推定方法、境界部524の位置及び大きさ、基準系設定領域550の範囲などを設定する。
続いて、ステップS602において、制御部14-3は、屋内基準系520を登録する上位基準系を検索する。具体的には、制御部14-3は、ステップS601で基準パラメータを設定した屋内基準系520の上位基準系を検索する。制御部14-3は、例えば世界基準系500の屋内基準系520が該当するエリアの空間情報を取得する方法や、緯度経度に紐づく基準系情報の有無を例えばインターネットなどを用いて検索する。このときの検索対象はインターネットに接続されているデータベース等に限らず、基準系情報が管理されている如何なるデータベース等であっても構わない。なお、上位基準系の検索は、設定者が自律移動体制御システム以外の装置を操作して検索し、検索結果を自律移動体制御システムに入力する方法を採用してもよい。
ステップS603において、制御部14-3は、上位基準系の有無を判断する。制御部14-3が上位基準系なしと判断した場合、ステップS605の処理が実行される。ステップS605において、制御部14-3は、上位基準系の設定をするか否かを判断する。具体的には、例えば、自律移動体制御システムは、ユーザインターフェース11を介して、設定者に上位基準系の設定をするか否かを問い合わせる。
上位基準系の設定をするか否かの問い合わせへの応答としての設定者によるユーザインターフェース11への入力が、上位基準系の設定をする旨の入力であった場合、制御部14-3は、上位基準系の設定をした後にステップS609へ進み終了する。上位基準系の設定として、世界基準系500及びローカル基準系510が存在しなかったとすると、設定者は新たにローカル基準系を設定し上位基準系とするか、屋内基準系520を上位基準系として登録することができる。
上位基準系の設定をするか否かの問い合わせへの応答としての設定者によるユーザインターフェース11への入力が、上位基準系の設定をしない旨の入力であった場合、制御部14-3は、ステップS602の処理を実行する。すなわち、設定者が新たにローカル基準系を設定したくない、又は屋内基準系520を上位基準系として設定したくない場合、改めて別の手段で上位基準系を検索する。
以下では、ステップS603において、屋内基準系520の上位基準系として、世界基準系500及びローカル基準系510が存在すると判断した場合について説明を続ける。
ステップS603において制御部14-3が上位基準系ありと判断した場合、ステップS604の処理が実行される。例えば、ステップS603において、制御部14-3が、屋内基準系520が該当するエリアの世界基準系500の空間情報にローカル基準系510の基準パラメータを発見した場合、ステップS604の処理が実行される。
ステップS604において、制御部14-3は、該当する上位基準系に対する、設定者のアクセス権を確認する。具体的には、ここでは、設定者が、ローカル基準系510へのアクセス権を満たしているかどうかを確認する。基準系のアクセス権とは、例えば該当する基準系を設定した設定者とは異なる設定者Yが、所定の資格を有する場合のみ、基準系登録や基準パラメータの共有、空間情報の提供等を許可するようなものである。所定の資格としては、例えば設定者Yが運営する企業の関係者であることなどが挙げられる。
ステップS604において、制御部14-3は、設定者が、該当する上位基準系に対するアクセス権を満たしているか否かを判断する。制御部14-3が、設定者がアクセス権を満たしていないと判断した場合、ステップS602の処理が実行され、別の上位基準系を改めて検索することになる。制御部14-3が、設定者がアクセス権を満たしていると判断した場合、ステップS607の処理が実行される。
ステップS607において、制御部14-3は、上位基準系であるローカル基準系510の基準パラメータを取得し、屋内基準系520のすべての分割空間の空間情報に、上位基準系としてローカル基準系510の基準パラメータを登録する。
この処理は、例えば第1の基準系としての屋内基準系520に、第2の基準系としてのローカル基準系510を紐づける紐づけ工程(紐づけ手段)の一例である。尚、前述のように、これらの第1の基準系及び第2の基準系は、緯度/経度/高さによって定義される座標系、任意のXYZ座標系、MGRS、ピクセル座標系、タイル座標系の少なくとも1つを含む。
ステップS608において、制御部14-3は、上位基準系であるローカル基準系510に対して屋内基準系520の基準パラメータを通知する。またステップS608において、制御部14-3は、ローカル基準系510のすべての分割空間の空間情報に、下位基準系として屋内基準系520の基準パラメータを登録する。この処理は、ローカル基準系510に屋内基準系520を紐づける紐づけ手段の一例である。
各基準系に対するアクセス権は設定してもしなくてもよいが、アクセス権を設定する場合には、ステップS607又はステップS608の処理で設定すればよい。ステップS608に続いては、ステップS609へ進み終了する。
上述した説明は、具体例として屋内基準系を新たに登録する処理について説明しているが、本実施形態は、ローカル基準系を設定する場合も同様の処理を実行して基準系の登録を行う。以上のように、本実施形態によれば、新たにローカル基準系もしくは屋内基準系を登録することができる。
なお、上述した処理は、制御部14-3が主体となって新たな基準系を登録する処理であったが、本発明はこれに限られず、システム制御装置10の制御部10-2など他の制御部が主体となってもよい。また、設定者が主体となって上位基準系の検索を別のシステムで行い、検索結果を本実施形態にかかる自律移動体制御システムに入力するなど、各処理を設定者が主体となって実行してもよい。本実施形態にかかる自律移動体制御システムは、例えば上位基準系にて自己が該当する領域内に設定されたローカル基準系又は屋内基準系を自動的に検出し、即座に登録する手法を用いてもよい。
次に、基準系を用いて自立移動体が移動する際の動作及び複数の基準系をまたぐ移動を行う際の動作に関して、図15及び図17を参照して説明する。図17は、複数の基準系をまたぐ移動を行う自立移動体による動作を示すフローチャートである。
まずは基準系を用いて自立移動体が移動する方法について図15を参照して説明する。図15において、自律移動体12の現在位置は地点Aであって、移動中であるものとして説明していく。
ローカル基準系510の地点Aを自律移動体12が走行しているとき、自律移動体12は、原点511、座標軸512x、512y、512zによって座標系が規定される。自律移動体12は、グリッド513によって空間の大きさと位置が規定されたローカル基準系510を、図4等を参照して上述した自身のサイバー空間に同期させることで、ローカル基準系510の空間情報を活用することができる。
ここで、ローカル基準系510と自律移動体12のサイバー空間の同期方法と空間情報の活用方法を図5を参照して説明する。
図4等を参照して上述した通り、自律移動体12は、P0を原点とする任意のXYZ座標系空間を有する。このことから、自律移動体12は、ローカル基準系510の原点511をP0とし、ローカル基準系510の座標軸512x、512y、512zをもとに、自身の任意のXYZ座標を構築する。このようにすることで、自律移動体12は、ローカル基準系510を自律移動体12のサイバー空間に同期させることができる。
さらに自律移動体12は、ローカル基準系510の基準パラメータとして設定されている固有識別子の割り当て法則を用いることで、任意の固有識別子に対応する空間及びその位置を特定することができる。また自律移動体12は、固有識別子にあらかじめ紐づけられた空間情報と、自身のサイバー空間内の空間及びその位置を対応付けることができる。よって、自律移動体12は、例えば空間情報として任意の固有識別子に地物情報が紐づけられていた場合、その地物情報を自身のサイバー空間に反映し、認識した地物を避けるような移動を行うことが可能となる。以上により、自律移動体12は、ローカル基準系510を用いて移動することができる。
次に、基準系をまたいで自律移動体が移動する際の動作について図15及び図17を参照して説明する。図15において、自律移動体12は、地点A(ローカル基準系510の領域)から地点B(屋内基準系520の領域)まで移動を行うとして説明していく。
ステップS700において、自律移動体12は、処理を開始する。ステップS701において、自律移動体12は、図15の地点Aにおいて、ローカル基準系510の基準パラメータを取得する。
ステップS702において、自律移動体12は、上述の方法を用いてローカル基準系510を自身のサイバー空間に同期する。
ステップS703において、自律移動体12は、ローカル基準系510の分割空間に紐づく空間情報(例えば地物情報など)を自身のサイバー空間に反映する。
ステップS704において、自律移動体12は、自己位置推定を行い(例えばGPS情報を用いる)、推定した自己位置をサイバー空間に反映することで、サイバー空間に反映された地物情報が示す障害物を避けながら自律移動する。
ステップS705において、自律移動体12は、移動の際、自身が移動する進行方向の空間情報に基準系情報があるかどうかを検索しながら移動する。自律移動体12が進行方向の空間情報に基準系情報がないと判断した場合、ステップS704の処理が実行され、自律移動体12は移動を継続する。自律移動体12が進行方向の空間情報に基準系情報があると判断した場合、ステップS706の処理が実行される。
ここで、図15における基準系設定領域550まで自律移動体12が移動してきたとする。この場合、自律移動体12は、進行方向の空間情報に屋内基準系520の基準系情報があると判断し、ステップS706の処理が実行される。この時、ステップS705において、自律移動体12は、ローカル基準系510の空間情報に、屋内基準系520の基準系情報があることを検出する。これにより、自律移動体12は、屋内基準系520の存在を認識する。ステップS706において、自律移動体12は、屋内基準系520の基準パラメータとして設定されている境界部524の位置及び大きさの情報を自身のサイバー空間に反映する。これにより、自律移動体12は、屋内基準系520の内部に移動するための入り口を認識することができる。その後、ステップS707において、自律移動体12は、境界部524まで移動する。
ステップS708において、自律移動体12は、境界部524にて屋内基準系520の原点や座標軸といった境界部524以外の基準パラメータを取得する。ステップS709において、自律移動体12は、上述の方法で屋内基準系520を自身のサイバー空間に同期する。ステップS710において、自律移動体12は、屋内基準系520の分割空間に紐づく空間情報(例えば地物情報など)を自身のサイバー空間に反映する。
ステップS711おいて、自律移動体12は、自己位置推定を行い(例えば屋内のLandmarkを用いた自己位置推定手段などを用いる)、自己位置をサイバー空間に反映し、サイバー空間に反映された地物情報が示す障害物を避けながら自律移動する。
以上の動作により、自律移動体12は、地点A(ローカル基準系510領域)から地点B(屋内基準系520領域)まで移動することが可能である。また、自律移動体12は、逆に地点B(屋内基準系520領域)から地点A(ローカル基準系510領域)まで移動する場合には上記動作と同様に、境界部524にてローカル基準系510を自身のサイバー空間に同期すればよい。
以上説明した第2の実施形態によれば、設定者は基準系を任意に設定することができる。また、第2の実施形態によれば、世界で様々な基準系の時空間フォーマットが設定された空間であっても、各種デバイスが位置情報、空間情報を適切に共有し、各位置空間に適した移動を行うことが可能となる。
以上の説明のように、本発明の各実施形態によれば、デジタルアーキテクチャのフォーマット及びそれを用いた自律移動体制御システムが安全性を考慮したうえでより効率的に提供される。
尚、上述の各実施形態においては自律移動体に制御システムを適用した例について説明した。しかし、本発明の移動体は、AGV(Automatic Guided Vehicle)やAMR(Autonomous Mobile Robot)などの自律移動体に限らない。例えば自動車、列車、船舶、飛行機、ロボット、ドローンなどの移動をする移動装置であればどのようなものであってもよい。また、本発明の制御システムは一部がそれらの移動体に搭載されていても良いし、搭載されていなくても良い。また、移動体をリモートでコントロールする場合にも本発明を適用することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
尚、本実施形態は、以下の構成の組み合わせを含む。
(構成1)
少なくとも一台以上の自律移動体に制御指示を行う制御手段と、第1の基準系によって定義される空間に存在する物体の種別に関する情報及び時間に関する情報を含む空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマットに変換し保持する変換情報保持手段と、を有し、前記変換情報保持手段は、前記第1の基準系と異なる第2の基準系によって定義される空間に存在する物体の種別に関する情報及び時間に関する情報を含む空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマットに変換し保持可能であり、前記第1の基準系に前記第2の基準系を紐づける紐づけ手段をさらに有し、前記制御手段は、前記変換情報保持手段から取得した空間情報と、前記移動体の種別情報に基づき該移動体の移動経路に関する経路情報を生成する、ことを特徴とする制御システム。
(構成2)
前記紐づけ手段は、前記第1の基準系に前記第2の基準系の基準パラメータを登録することで、前記第1の基準系に前記第2の基準系を紐づける、ことを特徴とする構成1に記載の制御システム。
(構成3)
前記基準パラメータは、該基準パラメータが示す基準系についての、少なくとも原点の位置、座標軸の設定仕様、固有識別子の割り当て法則、分割空間の基準位置、及び自己位置の推定方法を含む、ことを特徴とする構成2に記載の制御システム。
(構成4)
前記第1の基準系と前記第2の基準系とは階層構造を有する、ことを特徴とする構成1から3のいずれか一つに記載の制御システム。
(構成5)
前記紐づけ手段は、前記第1の基準系に前記第2の基準系の基準パラメータを登録し、前記第2の基準系に前記第1の基準系の基準パラメータを登録することで、前記第2の基準系に前記第1の基準系を紐づける、ことを特徴とする構成1から4のいずれか一つに記載の制御システム。
(構成6)
前記第1の基準系及び前記第2の基準系は、緯度/経度/高さによって定義される座標系、任意のXYZ座標系、MGRS、ピクセル座標系、タイル座標系の少なくとも1つを含むことを特徴とする構成1から5のいずれか一つに記載の制御システム。
(構成7)
前記移動経路を構成する位置点群データ同士の間隔を調整可能としたことを特徴とする構成1から6のいずれか一つに記載の制御システム。
(方法1)
少なくとも一台以上の自律移動体に制御指示を行う制御工程と、第1の基準系によって定義される空間に存在する物体の種別に関する情報及び時間に関する情報を含む空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマットに変換し保持する変換情報保持工程と、を有し、前記変換情報保持工程は、前記第1の基準系と異なる第2の基準系によって定義される空間に存在する物体の種別に関する情報及び時間に関する情報を含む空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマットに変換し保持可能であり、前記第1の基準系に前記第2の基準系を紐づける紐づけ工程をさらに有し、前記制御工程は、前記変換情報保持工程から取得した空間情報と、前記移動体の種別情報に基づき該移動体の移動経路に関する経路情報を生成する、ことを特徴とする制御方法。
(プログラム1)
構成1から7のいずれか一つに記載の制御システムの各手段としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
尚、上記実施形態における制御の一部又は全部を上述した実施形態の機能を実現するコンピュータプログラムをネットワーク又は各種記憶媒体を介して制御システム等に供給するようにしてもよい。そしてその制御システム等におけるコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。その場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。
10:システム制御装置
11:ユーザインターフェース
12:自律移動体
13:経路決定装置
14:変換情報保持装置
15:センサノード
16:インターネット

Claims (9)

  1. 少なくとも一台以上の自律移動体に制御指示を行う制御手段と、
    第1の基準系によって定義される空間に存在する物体の種別に関する情報及び時間に関する情報を含む空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマットに変換し保持する変換情報保持手段と、
    を有し、
    前記変換情報保持手段は、前記第1の基準系と異なる第2の基準系によって定義される空間に存在する物体の種別に関する情報及び時間に関する情報を含む空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマットに変換し保持可能であり、
    前記第1の基準系に前記第2の基準系を紐づける紐づけ手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記変換情報保持手段から取得した空間情報と、前記移動体の種別情報に基づき該移動体の移動経路に関する経路情報を生成する、
    ことを特徴とする制御システム。
  2. 前記紐づけ手段は、前記第1の基準系に前記第2の基準系の基準パラメータを登録することで、前記第1の基準系に前記第2の基準系を紐づける、
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  3. 前記基準パラメータは、該基準パラメータが示す基準系についての、少なくとも原点の位置、座標軸の設定仕様、固有識別子の割り当て法則、分割空間の基準位置、及び自己位置の推定方法を含む、
    ことを特徴とする請求項2に記載の制御システム。
  4. 前記第1の基準系と前記第2の基準系とは階層構造を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  5. 前記紐づけ手段は、前記第1の基準系に前記第2の基準系の基準パラメータを登録し、前記第2の基準系に前記第1の基準系の前記基準パラメータを登録することで、前記第2の基準系に前記第1の基準系を紐づける、
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  6. 前記第1の基準系及び前記第2の基準系は、緯度/経度/高さによって定義される座標系、任意のXYZ座標系、MGRS、ピクセル座標系、タイル座標系の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  7. 前記移動経路を構成する位置点群データ同士の間隔を調整可能としたことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  8. 少なくとも一台以上の自律移動体に制御指示を行う制御工程と、
    第1の基準系によって定義される空間に存在する物体の種別に関する情報及び時間に関する情報を含む空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマットに変換し保持する変換情報保持工程と、
    を有し、
    前記変換情報保持工程は、前記第1の基準系と異なる第2の基準系によって定義される空間に存在する物体の種別に関する情報及び時間に関する情報を含む空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマットに変換し保持可能であり、
    前記第1の基準系に前記第2の基準系を紐づける紐づけ工程をさらに有し、
    前記制御工程は、前記変換情報保持工程から取得した空間情報と、前記移動体の種別情報に基づき該移動体の移動経路に関する経路情報を生成する、
    ことを特徴とする制御方法。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の制御システムの各手段としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。

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