JP2023112665A - 制御システム、制御方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

制御システム、制御方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】3次元空間における静的情報と動的情報を用いて統合空間情報を生成可能な制御システムを提供する。【解決手段】制御システムにおいて、緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に存在する物体の情報を空間情報として固有識別子と関連付けてフォーマット化するフォーマット化手段と、前記空間情報の内の静的情報を保存する第1の記憶手段と、前記空間情報の内の動的情報を保存する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段に保存された夫々の前記空間情報を読出して統合した統合空間情報を生成する統合空間情報生成手段と、を有する。【選択図】 図14

Description

本発明は、3次元空間における情報を用いる制御システム、制御方法、及びコンピュータプログラム等に関するものである。
近年、自律走行モビリティや空間認識システムなどの技術革新に伴い、異なる組織や社会の構成員の間でデータやシステムをつなぐ全体像(以下、デジタルアーキテクチャ)の開発が促進されている。
デジタルアーキテクチャを活用することで、自律走行モビリティや空間認識システムはより多くの情報を取得することができるようになるとともに、自己以外の外部デバイス及びシステムと連携してより大きな課題を解決することができる。これを実現するためには、現実世界の空間とデジタル情報を結び付ける技術が必要である。
特許文献1では、ユーザの提供する時空間管理データに従って単一のプロセッサが時空間領域を時間及び空間で分割して、複数の時空間分割領域を生成している。又、時空間分割領域の時間及び空間の近傍性を考慮して、複数の時空間分割領域の各々を一意に識別するための、一次元の整数値で表現される識別子を割り当てている。
そして、その識別子が近い時空間分割領域のデータが記憶装置上で近くに配置されるように、時系列データの配置を決定する時空間データ管理システムが開示されている。
特開2014-002519号公報
しかしながら、上記特許文献1においては、生成された領域に関するデータを識別子で把握できるのはそれを生成したプロセッサ内でのみである。よって、異なるシステムのユーザがその空間分割領域の情報を活用することができない。
そこで、本発明は、3次元空間における静的情報と動的情報を用いて統合空間情報を生成可能な制御システムを提供することを1つの目的とする。
本発明の1側面の制御システムは、
緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に存在する物体の情報を空間情報として固有識別子と関連付けてフォーマット化するフォーマット化手段と、
前記空間情報の内の静的情報を保存する第1の記憶手段と、
前記空間情報の内の動的情報を保存する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段に保存された夫々の前記空間情報を読出して統合した統合空間情報を生成する統合空間情報生成手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、3次元空間における静的情報と動的情報を用いて統合空間情報を生成可能な制御システムを提供することが出来る。
実施形態1に係る自律移動体制御システムの全体構成例を示す図である。 (A)はユーザが位置情報を入力する際の入力画面の例を示す図、(B)は使用する自律移動体を選択するための選択画面の例を示す図である。 (A)は自律移動体の現在位置を確認するための画面の例を示す図、(B)は自律移動体の現在位置を確認する際の地図表示画面の例を示す図である。 図1の10~15の内部構成例を示した機能ブロック図である。 (A)は、現実世界における自律移動体12とその周辺の地物情報として存在する柱99の空間的位置関係を示した図、(B)は自律移動体12と柱99をP0を原点とする任意のXYZ座標系空間にマッピングした状態を示した図である。 実施形態1に係る自律移動体12のメカ的な構成例を示す斜視図である。 制御部10-2、制御部11-2、制御部12-2、制御部13-2、制御部14-3、制御部15-2の具体的なハードウェア構成例を示すブロック図である。 実施形態1に係る自律移動体制御システムが実行する処理を説明するシーケンス図である。 図8の続きのシーケンス図である。 図9の続きのシーケンス図である。 (A)は地球の緯度/経度情報を示す図であり、(B)は(A)の所定の空間100を示す斜視図である。 空間100内の空間情報を模式的に示した図である。 (A)は経路情報を地図情報で表示した図、(B)は位置点群データを用いた経路情報を地図情報で表示した図、(C)は固有識別子を用いた経路情報を地図情報で表示した図である。 変換情報保持装置14の内部構成例を示したブロック図である。 (A)、(B)は車道及びその周囲の空間の状態の例を示す図である。 実施形態に係る自律移動体制御システムが実行する処理を説明するシーケンス図である。 図15(A)の状態における自律移動体12の前方視野における所定の範囲701-8を示す図である。 コストマップ作成及びコストマップの更新方法について説明するためのシーケンス図である。 実施形態2に係る変換情報保持装置14の内部構成例を示したブロック図である。 実施形態2に係る変換情報保持装置14が実行する処理を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。尚、各図において、同一の部材または要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
尚、実施形態においては自律移動体等の制御に適用した例について説明するが、移動体はユーザが移動体の移動に関して少なくとも一部を操作可能なものであっても良い。即ち、例えばユーザに対して移動経路等に関する各種表示等を行い、その表示を参照してユーザが移動体の運転操作の一部を行う構成であっても良い。
<実施形態1>
図1は本発明の実施形態1に係る自律移動体制御システムの全体構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の自律移動体制御システム(制御システムと略すこともある。)は、システム制御装置10、ユーザインターフェース11、自律移動体12、経路決定装置13、変換情報保持装置14、センサノード15等を備える。尚、ここで、ユーザインターフェース11はユーザ端末装置を意味する。
尚、本実施形態では、図1に示される各装置はインターネット16を介して、後述される夫々のネットワーク接続部によって接続されている。しかし、例えば、LAN(Local Area Network)等の他のネットワークシステムを用いてもかまわない。又、システム制御装置10、ユーザインターフェース11、経路決定装置13、変換情報保持装置14等の一部は同一装置として構成しても構わない。
システム制御装置10、ユーザインターフェース11、自律移動体12、経路決定装置13、変換情報保持装置14、センサノード15は夫々、コンピュータとしてのCPUや、記憶媒体としてのROM、RAM、HDD等からなる情報処理装置を含んでいる。各装置の機能及び内部構成の詳細については後に説明する。
次に、自律移動体制御システムによって提供されるサービスアプリケーションソフトウェア(以下、アプリと略す。)について説明する。尚、説明にあたっては、先ず、ユーザが位置情報を入力する際にユーザインターフェース11に表示される画面イメージを図2(A)、(B)を用いて説明する。
続いて、ユーザが自律移動体12の現在位置を閲覧する際のユーザインターフェース11に表示される画面イメージを図3(A)、図3(B)を用いて説明する。また、自律移動体制御システムにおいて、どのようにアプリに対してユーザの操作がなされるのかを例を用いて説明する。
尚、本説明において、便宜上、地図表示は二次元の平面で説明するが、本実施の形態において、ユーザは「高さ」も含めた3次元的な位置指定が可能であり、「高さ」情報を入力することもできる。即ち、本実施形態ではアプリは3次元地図を表示することができる。
図2(A)はユーザが位置情報を入力する際の入力画面の例を示す図、図2(B)は使用する自律移動体を選択するための選択画面の例を示す図である。ユーザがユーザインターフェース11の表示画面を操作して、インターネット16にアクセスし、自律移動体制御システムの例えば経路設定アプリを選択すると、システム制御装置10のWEBページが表示される。
WEBページに先ず表示されるのは、自律移動体12を移動させる際に、出発地、経由地、到着地を設定するための出発地、経由地、到着地の入力画面40である。入力画面40には使用する自律移動体(例えば、自動運転可能なモビリティ)の一覧を表示させるための一覧表示ボタン48がある。ユーザが一覧表示ボタン48を押下すると、図2(B)で示すようにモビリティの一覧表示画面47が表示される。
ユーザは先ず、一覧表示画面47において使用する自律移動体(例えば、自動運転可能なモビリティ)を選択する。一覧表示画面47においては例えばM1~M3のモビリティが選択可能に表示されているが、数はこれに限定されない。
ユーザがM1~M3のいずれかのモビリティをタッチ操作やクリック操作等によって選択すると、自動的に図2(A)の入力画面40に戻る。又、一覧表示ボタン48には、選択されたモビリティ名が表示される。その後ユーザは出発地として設定する場所を「出発地」の入力フィールド41に入力する。
又、ユーザは経由地として設定する場所を「経由地1」の入力フィールド42に入力する。尚、経由地は追加可能となっており、経由地の追加ボタン44を1回押下すると、「経由地2」の入力フィールド46が1つ追加表示され、追加する経由地を入力することができる。
経由地の追加ボタン44を押下する度に、「経由地3」、「経由地4」のように、入力フィールド46が押下に応じて追加表示され、追加する経由地を複数地点入力することができる。又、ユーザは到着地として設定する場所を「到着地」の入力フィールド43に入力する。尚、図には示していないが、入力フィールド41~43、46等をクリックすると、文字を入力するためのキーボード等が一時的に表示される。
そして、ユーザは決定ボタン45を押下することにより、自律移動体12の移動経路を設定することができる。図2の例では、出発地として”AAA”、経由地1として”BBB”、到着地として”CCC”と設定している。入力フィールドに入力する文言は、例えば住所等であってもよいし、緯度情報および経度情報(以下、緯度/経度情報とも記載する)や店名や電話番号などの、特定の位置を示すための位置情報を入力できるようにしてもよい。
図3(A)は自律移動体の現在位置を確認するための画面の例を示す図、図3(B)は自律移動体の現在位置を確認する際の地図表示画面の例を示す図である。
図3(A)の50は確認画面であり、図2(A)のような画面で自律移動体12の移動経路を設定した後に、不図示の操作ボタンの操作をユーザがすることによって表示される。
確認画面50では、自律移動体12の現在位置が例えば現在地56のように、ユーザインターフェース11のWEBページに表示される。従ってユーザは容易に現在位置を把握できる。
又、ユーザは更新ボタン57を押下することにより、画面表示情報を更新して最新状態を表示することができる。又、ユーザは経由地/到着地変更ボタン54を押下することにより、出発地、経由地、または到着地を変更することができる。即ち、ユーザは「出発地」の入力フィールド51、「経由地1」の入力フィールド52、「到着地」の入力フィールド53に夫々再設定したい場所を入力することで変更することができる。
図3(B)には、図3(A)の地図表示ボタン55を押下した場合に、確認画面50から切り替わる地図表示画面60の例が示されている。地図表示画面60では、現在地62の位置を地図上で表示することによって、自律移動体12の現在地をよりわかりやすく確認する。又、ユーザが戻るボタン61を押下した場合には、図3(A)の確認画面50に表示画面を戻すことができる。
以上のように、ユーザはユーザインターフェース11の操作により、自律移動体12を所定の場所から所定の場所まで移動するための移動経路を容易に設定できる。尚、このような経路設定アプリは、例えばタクシーの配車サービスや、ドローンの宅配サービスなどにも適用することができる。
次に図1における10~15の構成例と機能例に関して図4を用いて詳細に説明する。図4は、図1の10~15の内部構成例を示した機能ブロック図である。尚、図4に示される機能ブロックの一部は、各装置に含まれる不図示のコンピュータに、不図示の記憶媒体としてのメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行させることによって実現されている。
しかし、それらの一部又は全部をハードウェアで実現するようにしても構わない。ハードウェアとしては、専用回路(ASIC)やプロセッサ(リコンフィギュラブルプロセッサ、DSP)などを用いることができる。
又、図4に示される夫々の機能ブロックは、同じ筐体に内蔵されていなくても良く、互いに信号路を介して接続された別々の装置により構成しても良い。
図4において、ユーザインターフェース11は操作部11-1、制御部11-2、表示部11-3、情報記憶部(メモリ/HDD)11-4、ネットワーク接続部11-5を備える。ユーザインターフェース11は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、またはスマートウォッチ等の情報処理装置である。
操作部11-1は、タッチパネルやキーボタンなどで構成されており、データの入力のために用いられる。表示部11-3は例えば液晶画面などであり、経路情報やその他のデータを表示するために用いられる。
図2、図3において示したユーザインターフェース11の表示画面は表示部11-3に表示される。ユーザは表示部11-3に表示されたメニューを用いて、移動経路の選択、情報の入力、情報の確認等を行うことができる。つまり操作部11-1及び表示部11-3はユーザが実際に操作をするための操作用のインターフェースを提供している。尚、操作部11-1と表示部11-3を別々に設ける代わりに、タッチパネルによって操作部と表示部を兼用しても良い。
制御部11-2は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、ユーザインターフェース11における各種アプリの管理や、情報入力、情報確認などのモード管理を行い、通信処理を制御する。又、システム制御装置内の各部における処理を制御する。
情報記憶部(メモリ/HDD)11-4は、例えばCPUが実行するためのコンピュータプログラム等の、必要な情報を保有しておくための記録媒体である。ネットワーク接続部11-5は、インターネットやLAN、無線LANなどを介して行われる通信を制御する。
このように、本実施形態のユーザインターフェース11は、システム制御装置10のブラウザ画面に出発地、経由地、および到着地を入力画面40を表示する。また、ユーザによる出発地点、経由地点、到着地点といった位置情報の入力受付が可能である。ユーザインターフェース11は、ブラウザ画面に確認画面50及び地図表示画面60を表示することで、自律移動体12の現在位置を表示することができる。
図4における、経路決定装置13は、地図情報管理部13-1、制御部13-2、位置/経路情報管理部13-3、情報記憶部(メモリ/HDD)13-4、ネットワーク接続部13-5を備える。地図情報管理部13-1は、広域の地図情報を保有しており、指定された所定の位置情報に基づいて地図上のルートを示す経路情報を探索するとともに、探索結果の経路情報を位置/経路情報管理部13-3に送信する。
本実施形態では、地図情報は地形や緯度/経度/高度といった情報を含む3次元空間の地図情報である。また地図情報は、車道、歩道、進行方向、および交通規制といった道路交通法に関わる規制情報なども含む。
又、例えば地図情報は、時間帯によって一方通行となる場合や、時間帯によって歩行者専用道路となるものなど、時間によって変化する交通規制情報も、それぞれの時間情報とともに含む。制御部13-2は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、経路決定装置13内の各部における処理を制御する。
位置/経路情報管理部13-3は、ネットワーク接続部13-5を介して取得した自律移動体の位置情報を管理するとともに、地図情報管理部13-1に位置情報送信し、地図情報管理部13-1から取得した探索結果としての経路情報を管理する。制御部13-2は、外部システムの要求に従って、位置/経路情報管理部13-3で管理されている経路情報を所定のデータ形式に変換するとともに、外部システムに送信する。
以上のように、本実施形態においては、経路決定装置13は、指定された位置情報に基づいて道路交通法等に則した経路を探索し、経路情報を所定のデータ形式で出力できるように構成されている。
図4における、変換情報保持装置14は、位置/経路情報管理部14-1、固有識別子管理部14-2、制御部14-3、フォーマットデータベース14-4、情報記憶部(メモリ/HDD)14-5、ネットワーク接続部14-6を備える。ここで、ネットワーク接続部14-6は、後述の統合空間情報を外部からの要求に応じて送信する通信手段として機能している。
又、変換情報保持装置14は、緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に固有識別子を付与し、その空間に存在する物体の状態と時間に関する空間情報を上記固有識別子と関連付けてフォーマット化するフォーマット化手段として機能している。又、変換情報保持装置14は、上記のようなフォーマット化を行うフォーマット化ステップを有する。
位置/経路情報管理部14-1は、ネットワーク接続部14-6を通して取得した所定の位置情報を管理するとともに、制御部14-3の要求に従って位置情報を制御部14-3に送信する。制御部14-3は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、変換情報保持装置14内の各部における処理を制御する。
制御部14-3は、位置/経路情報管理部14-1から取得した位置情報と、フォーマットデータベース14-4で管理されているフォーマットの情報に基づいて、位置情報をフォーマットで規定された固有識別子に変換する。そして、固有識別子管理部14-2に送信する。
フォーマットについては後に詳しく説明するが、所定の位置を起点とした空間に識別子(以下、固有識別子)を割り振り、固有識別子によって空間を管理するものである。本実施形態においては、所定の位置情報を基に、対応する固有識別子や空間内の情報を取得することができる。
固有識別子管理部14-2は、制御部14-3にて変換した固有識別子を管理するとともにネットワーク接続部14-6を通じて送信する。フォーマットデータベース14-4は、フォーマットの情報を管理するとともに、制御部14-3の要求に従って、フォーマットの情報を制御部14-3に送信する。
又、ネットワーク接続部14-6を通じて取得した空間内の情報をフォーマットを用いて管理する。変換情報保持装置14は、外部の機器、装置、ネットワークにより取得された空間に関する情報を、固有識別子と紐づけて管理する。又、外部の機器、装置、ネットワークに対して固有識別子及びそれに紐づく空間に関する情報を提供する。
以上のように、変換情報保持装置14は、所定の位置情報を基に、固有識別子と空間内の情報を取得し、その情報を自身に接続された外部の機器、装置、ネットワークが共有できる状態に管理、提供する。又、変換情報保持装置14は、システム制御装置10に指定された位置情報を、固有識別子に変換し、システム制御装置10に提供する。
図4において、システム制御装置10は固有識別子管理部10-1、制御部10-2、位置/経路情報管理部10-3、情報記憶部(メモリ/HDD)10-4、ネットワーク接続部10-5を備える。位置/経路情報管理部10-3は、地形情報と緯度/経度情報の対応付けをした簡易的な地図情報を保持するとともに、ネットワーク接続部10-5を通して取得した所定の位置情報及び経路情報を管理する。
また位置/経路情報管理部10-3は、経路情報を所定の間隔で区切るとともに、区切った場所の緯度/経度といった位置情報を生成することもできる。固有識別子管理部10-1は、位置情報及び経路情報を固有識別子に変換した情報を管理する。
制御部10-2は、コンピュータとしてのCPUを有し、システム制御装置10の位置情報、経路情報、固有識別子の通信機能の制御を司り、システム制御装置10の各構成要素における処理を制御する。
又、制御部10-2は、ユーザインターフェース11にWEBページを提供するとともに、WEBページから取得した所定の位置情報を、経路決定装置13に送信する。又、経路決定装置13から所定の経路情報を取得し、経路情報の各位置情報を変換情報保持装置14に送信する。そして、変換情報保持装置14から取得した固有識別子に変換された経路情報を自律移動体12に送信する。
以上のように、システム制御装置10はユーザの指定する所定の位置情報の取得、位置情報及び経路情報の送受信、位置情報の生成、固有識別子を用いた経路情報の送受信を行えるように構成されている。
又、システム制御装置10は、ユーザインターフェース11に入力された位置情報に基づいて、自律移動体12が自律移動を行うのに必要な経路情報を収集するとともに、自律移動体12に固有識別子を用いた経路情報を提供する。尚、本実施形態では、システム制御装置10と経路決定装置13、変換情報保持装置14は例えばサーバーとして機能している。
図4において、自律移動体12は検出部12-1、制御部12-2、方向制御部12-3、情報記憶部(メモリ/HDD)12-4、ネットワーク接続部12-5、駆動部12-6を備える。検出部12-1は、例えば複数の撮像素子を有し、複数の撮像素子から得られた複数の撮像信号の位相差に基づき測距を行う機能を有する。
又、周辺の地形・建物の壁などの障害物といった検出情報(以下、検出情報)を取得し、検出情報と地図情報に基づき自己位置を推定する自己位置推定機能を有する。
又、検出部12-1は、GPS(Global Positioning System)などの自己位置検出機能と、例えば地磁気センサなどの方向検出機能を有する。更に、取得した検出情報と自己位置推定情報と方向検出情報を基に、制御部12-2はサイバー空間の3次元マップを生成することができる。
ここで、サイバー空間の3次元マップとは、現実世界の地物位置と等価な空間情報を、デジタルデータとして表現可能なものである。このサイバー空間の3次元マップ内には、現実世界に存在する自律移動体12や、その周辺の地物情報が、デジタルデータとして空間的に等価な情報として保持されている。従って、このデジタルデータを用いることで、効率的な移動が可能である。
以下図5を例として、本実施形態で用いるサイバー空間の3次元マップについて説明する。図5(A)は、現実世界における自律移動体12とその周辺の地物情報として存在する柱99の空間的位置関係を示した図、図5(B)は自律移動体12と柱99を、位置P0を原点とする任意のXYZ座標系空間にマッピングした状態を示した図である。
図5(A)、(B)において、自律移動体12の位置は、自律移動体12に搭載された不図示のGPS等によって取得された緯度経度の位置情報から、自律移動体12内の位置α0として特定される。又、自律移動体12の方位は不図示の電子コンパス等によって取得された方位αYと自律移動体12に移動方向12Yの差分によって特定される。
又、柱99の位置は、予め測定された位置情報から頂点99-1の位置として特定される。また自律移動体12の測距機能によって、自律移動体12のα0から頂点99-1までの距離を取得することが可能である。図5(A)においては移動方向12YをXYZ座標系の軸としてα0を原点とした場合に、頂点99-1の座標(Wx,Wy,Wz)として示される。
サイバー空間の3次元マップでは、この様に取得された情報がデジタルデータとして管理され、図5(B)のような空間情報としてシステム制御装置10、経路決定装置13等で再構成することが可能である。図5(B)においては、自律移動体12と柱99を、P0を原点とする任意のXYZ座標系空間にマッピングした状態を示している。
P0を現実世界の所定の緯度経度に設定し、現実世界の方位北をY軸方向に取ることで、この任意のXYZ座標系空間で自律移動体12を、P1と柱99をP2として表現することができる。
具体的には、α0の緯度経度とP0の緯度経度から、この空間におけるα0の位置P1を算出できる。又、同様に柱99をP2として算出できる。この例では、自律移動体12と柱99の2つをサイバー空間の3次元マップで表現しているが、勿論もっと多数あっても同様に扱うことが可能である。以上のように、3次元空間に現実世界の自己位置や物体をマッピングしたものが3次元マップである。
図4に戻り、自律移動体12は、機械学習を行った物体検出の学習結果データを、例えば情報記憶部(メモリ/HDD)12-4に記憶しており、機械学習を用いて撮影画像から物体検出することができる。尚、検出情報に関しては、ネットワーク接続部12-5を経由して、外部のシステムから取得して、3次元マップに反映することもできる。
尚、制御部12-2は、コンピュータとしてのCPUを有し、自律移動体12の移動、方向転換、自律走行機能の制御を司り、自律移動体12の各構成要素における処理を制御する。
方向制御部12-3は、駆動部12-6の駆動方向を変更することで、自律移動体12の移動方向の変更を行う。駆動部12-6は、モータなどの駆動装置からなり、自律移動体12の推進力を発生させる。自律移動体12は3次元マップ内に自己位置及び検出情報、物体検出情報を反映し、周辺の地形・建物・障害物・物体から一定の間隔を保った経路を生成し、自律走行を行うことができる。
尚、経路決定装置13は例えば道路交通法に関わる規制情報を考慮した経路生成を行う。一方、自律移動体12は経路決定装置13による経路において、周辺障害物の位置をより正確に検出し、自分のサイズに基づき、それらに接触せずに移動するための経路生成を行う。
又、自律移動体12の情報記憶部(メモリ/HDD)12-4には自律移動体自身のモビリティ形式を格納することも出来る。このモビリティ形式とは移動体の種別等であり、例えば自動車、自転車、ドローンなどの種別を意味する。このモビリティ形式に基づいて、後述するフォーマット経路情報の生成を行うことが出来る。
ここで本実施形態における自律移動体12の本体構成例について図6を用いて説明する。図6は実施形態1に係る自律移動体12のメカ的な構成例を示す斜視図である。尚、本実施形態においては、自律移動体12は、車輪を有する走行体の例を説明するがこの限りではなく、ドローンなどの飛行体であっても良い。
図6において、自律移動体12には検出部12-1、制御部12-2、方向制御部12-3、情報記憶部(メモリ/HDD)12-4、ネットワーク接続部12-5、駆動部12-6が搭載されており、各構成要素は互いに電気的に接続されている。駆動部12-6、方向制御部12-3は自律移動体12に少なくとも2つ以上配備されている。
方向制御部12-3は軸の回転駆動により駆動部12-6の方向を変更することで、自律移動体12の移動方向を変更し、駆動部12-6は、軸の回転により自律移動体12の前進、後退を行う。尚、図6を用いて説明した構成は1例であって、これに限定するものではなく、例えば移動方向の変更を、オムニホイール等を用いて行っても良い。
尚、自律移動体12は例えばSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を用いた移動体である。又、検出部12-1等により検出した検出情報や、インターネット16を介して取得した外部システムの検出情報を基に、指定された所定の経路を自律移動できるように構成されている。
自律移動体12は細かく指定された地点をトレースするようなトレース移動も可能であるし、大まかに設定された地点を通過しながらその間の空間においては自身で経路情報を生成し、移動することも可能である。以上のように、本実施形態の自律移動体12は、システム制御装置10により提供された固有識別子を用いた経路情報に基づき自律移動を行うことができる。
図4に戻り、センサノード15は、例えばロードサイドカメラユニットのような映像監視システムなどの外部システムであり、検出部15-1、制御部15-2、情報記憶部(メモリ/HDD)15-3、ネットワーク接続部15-4を備える。検出部15-1は、例えばカメラ等で構成される撮影部であり、自身が検出可能なエリアの検出情報を取得するとともに、物体検出機能、測距機能を有する。
制御部15-2は、コンピュータとしてのCPUを内蔵し、センサノード15の検出、データ保管、データ送信機能の制御を司り、センサノード15内の各部における処理を制御する。又、検出部15-1で取得した検出情報を情報記憶部(メモリ/HDD)15-3に保管するとともに、ネットワーク接続部15-4を通じて変換情報保持装置14に送信する。
以上のように、センサノード15は、検出部15-1で検出した画像情報、検出した物体の特徴点情報、位置情報などの検出情報を情報記憶部15-3に保存及び通信できるように構成されている。又、センサノード15は、自身が検出可能なエリアの検出情報を、変換情報保持装置14に提供する。
次に、図4における各制御部の具体的なハードウェア構成に関して説明する。図7は、制御部10-2、制御部11-2、制御部12-2、制御部13-2、制御部14-3、制御部15-2の具体的なハードウェア構成例を示すブロック図である。尚、図7に示すハードウェア構成に限定されない。又、図7に示す各ブロックを全て備えている必要はない。
図7において、21は情報処理装置の演算・制御を司るコンピュータとしてのCPUである。RAM22は、CPU21の主メモリとして、及び実行プログラムの領域や該プログラムの実行エリアならびにデータエリアとして機能する記録媒体である。ROM23はCPU21の動作処理手順(プログラム)を記録している記録媒体である。
ROM23は情報処理装置の機器制御を行うシステムプログラムである基本ソフト(OS)を記録したプログラムROMと、システムを稼働するために必要な情報等が記録されているデータROMとを備える。尚、ROM23の代わりに、後述のHDD29を用いても良い。
ネットワークI/F24はネットワークインターフェース(NETIF)であり、インターネット16を介して情報処理装置間のデータ転送を行うための制御や接続状況の診断を行う。25はビデオRAM(VRAM)であり、LCD26の画面に表示させるための画像を展開し、その表示の制御を行う。LCD26はディスプレイ等の表示装置(以下、LCDと記す)である。
コントローラ27は外部入力装置28からの入力信号を制御するためのコントローラ(以下、KBCと記す)である。外部入力装置28は利用者が行う操作を受け付けるための外部入力装置(以下、KBと記す)であり、例えばキーボードやマウス等のポインティングデバイスが用いられる。
HDD29はハードディスクドライブ(以下、HDDと記す)であり、アプリケーションプログラムや各種データ保存用に用いられる。本実施形態におけるアプリケーションプログラムとは、本実施形態における各種処理機能を実行するソフトウェアプログラム等である。
CDD30は外部入出力装置(以下、CDDと記す)である。例えばCDROMドライブ、DVDドライブ、Blu-Ray(登録商標)ディスクドライブ等の、取り外し可能なデータ記録媒体としてのリムーバブル・メディア31とデータを入出力するためのものである。
CDD30は、上述したアプリケーションプログラムをリムーバブル・メディアから読み出す場合等に用いられる。31はCDD30によって読み出しされる、例えば、CDROMディスク、DVD、Blu―Rayディスク等のリムーバブル・メディアである。
尚、リムーバブル・メディアは、光磁気記録媒体(例えば、MO)、半導体記録媒体(例えば、メモリカード)等であっても良い。尚、HDD29に格納するアプリケーションプログラムやデータをリムーバブル・メディア31に格納して利用することも可能である。20は上述した各ユニット間を接続するための伝送バス(アドレスバス、データバス、入出力バス、及び制御バス)である。
次に、図2、図3で説明したアプリを実現するための自律移動体制御システムにおける制御動作の詳細について図8~図10を用いて説明する。図8は実施形態1に係る自律移動体制御システムが実行する処理を説明するシーケンス図であり、図9は、図8の続きのシーケンス図であり、図10は、図9の続きのシーケンス図である。
図8~図10は、ユーザがユーザインターフェース11に位置情報を入力してから自律移動体12の現在位置情報を受け取るまでの、各装置が実行する処理を示している。尚、10~15の制御部内のコンピュータがメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図8~図10のシーケンスの各ステップの動作が行われる。
先ず、ステップS201において、ユーザが、ユーザインターフェース11を用いて、システム制御装置10が提供するWEBページにアクセスする。ステップS202において、システム制御装置10はWEBページの表示画面に図2で説明したような位置入力画面を表示させる。ステップS203において、図2で説明したように、ユーザは自律移動体(モビリティ)を選択し、出発地点、経由地、および到着地点を示す位置情報(以下、位置情報)を入力する。
位置情報は、例えば建物名や駅名や住所など、特定の場所を指定するワード(以下、位置ワード)でもよいし、WEBページに表示された地図の特定の位置をポイント(以下、ポイント)として指定する手法でもよい。
ステップS204において、システム制御装置10は選択された自律移動体12の移動体の種別情報と、入力された位置情報などの入力情報とを保存する。この時、システム制御装置10は位置情報が位置ワードの場合は、位置ワードを保存する。また、位置情報がポイントの場合は、システム制御装置10は、位置/経路情報管理部10-3に保存してある簡易的な地図情報を基に、ポイントに該当する緯度および経度を探索し、緯度および経度を保存する。
次に、ステップS205において、システム制御装置10はユーザによって指定された自律移動体12のモビリティ形式(移動体の種別)から、移動できる経路の種別(以下、経路種別)を指定する。そして、ステップS206において、位置情報とともに経路決定装置13に送信する。
前述のように、モビリティ形式とは、例えば、法的に区別された移動体の種別等であり、例えば自動車、自転車、ドローンなどの種別等である。又、経路種別は、例えば、一般道、高速道路、自動車専用道路、所定の歩道、一般道の路側帯および自転車専用レーンである。例えばモビリティ形式が自動車である場合、経路種別は一般道や高速道路、自動車専用道路等が指定される。また、モビリティ形式が自転車である場合、所定の歩道、一般道の路側帯、自転車専用レーンなどが指定される。
ステップS207において、経路決定装置13は、受信した位置情報を、所有する地図情報に出発地点、経由地、および到着地点として入力する。位置情報が位置ワードの場合は、位置ワードにより地図情報で探索(事前探索)し、該当する緯度/経度情報を入力する。位置情報が緯度/経度情報の場合はそのまま地図情報に入力して使用する。更に経路決定装置13は経路を事前に探索してもよい。
続いて、ステップS208で、経路決定装置13は出発地点から経由地点を経由して到着地点までの経路を探索する。この時、探索する経路は経路種別に則った経路を検索する。なお、ステップS208において経路を事前探索していた場合は、経路種別に基づいて事前に探索した経路を適宜変更する。
そして、ステップS209で、経路決定装置13は探索の結果として、出発地点から経由地点を経由して到着地点までの経路(以下、経路情報)をGPX形式(GPS eXchange Format)で出力し、システム制御装置10に送信する。
GPX形式のファイルは、ウェイポイント(順序関係を持たない地点情報)、ルート(時間情報を付加した順序関係を持つ地点情報)、トラック(複数の地点情報の集合体:軌跡)の3種類で主に構成されている。
更に、各地点情報の属性値として緯度/経度、子要素として標高やジオイド高、GPS受信状況・精度などが記載される。GPXファイルに必要な最小要素は、単一ポイントの緯度/経度情報で、それ以外の情報の記述は任意である。経路情報として出力するのはルートであり、順序関係を持つ緯度/経度からなる地点情報の集合体である。尚、経路情報は上記を満足できれば他の形式であっても良い。
ここで、変換情報保持装置14のフォーマットデータベース14-4で管理しているフォーマットの構成例に関して図11(A)、図11(B)、図12を参照して詳しく説明する。
図11(A)は地球の緯度/経度情報を示す図であり、図11(B)は図11(A)の所定の空間100を示す斜視図である。又、図11(B)において所定の空間100の中心を中心101とする。図12は空間100内の空間情報を模式的に示した図である。
図11(A)、図11(B)において、フォーマットは、地球の3次元空間を、緯度/経度/高さを起点とした範囲によって決定される所定の単位体積ごとの空間に分割し、夫々の空間に固有識別子を付加して管理可能とするものである。例えばここでは所定の3次元の空間として空間100を表示する。
空間100は、中心101が北緯20度、東経140度、高さ(高度、標高)Hにより規定され、緯度方向の幅をD、経度方向の幅をW、高さ方向の幅をTと規定された分割空間である。又、地球の空間を緯度/経度/高さを起点とした範囲によって決定される空間に分割した1つの空間である。尚、このような分割された空間100をボクセル(VOXEL)と呼ぶ。
図11(A)においては便宜上、空間100のみを表示しているが、フォーマットの規定においては前述のとおり空間100と同じように規定された空間が緯度/経度/高さ方向に並んで配置されているものとする。そして配置された各分割空間は夫々緯度/経度によって水平位置を定義されているとともに、高さ方向にも重なりを持ち、高さによって高さ方向の位置を定義されているものとする。
尚、図11(B)において緯度/経度/高さの起点として、分割空間の中心101を設定しているが、これに限定するものではなく、例えば空間の角部や、底面の中心を起点としても良い。又、形状も略直方体であればよく、地球のような球体表面上に敷き詰める場合を考えた時は、直方体の底面よりも天面のほうをわずかに広く設定したほうが、より隙間なく配置できる。
図12において空間100を例にすると、フォーマットデータベース14-4には空間100の範囲に存在又は進入可能な物体の種別と時間制限に関する情報(空間情報)が夫々固有識別子と関連付けて(紐づけて)フォーマット化されて保存されている。又、フォーマット化された空間情報は、過去から未来といった時系列に保管されている。尚、本実施形態においては、関連付けると紐づけるとは同じ意味で用いる。
即ち、変換情報保持装置14は、緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に存在又は進入可能な物体の種別と時間制限に関する空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマット化しフォーマットデータベース14-4に保存している。
空間情報は、変換情報保持装置14に通信可能に接続された外部システム(例えばセンサノード15)などの情報供給手段により供給された情報に基づき所定の更新間隔で更新される。そして、変換情報保持装置14に通信可能に接続された他の外部システムに情報共有される。尚、時間に関する情報を必要としない用途においては、時間に関する情報を含まない空間情報を使用することも可能である。又、固有識別子の代わりに、固有でない識別子を用いても良い。
以上のように、実施形態1では、緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に存在又は進入可能な物体の種別と時間制限に関する情報(以下、空間情報)を固有識別子と関連付けてフォーマット化してデータベースに保存している。そしてフォーマット化された空間情報によって時空間を管理可能としている。
又、実施形態1の変換情報保持装置14は、空間情報の更新間隔に関する情報も固有識別子と関連付けてフォーマット化し保存するフォーマット化ステップを実行している。尚、固有識別子と関連付けてフォーマット化する更新間隔に関する情報は更新頻度であっても良く、更新間隔に関する情報は更新頻度を含む。
図8に戻り、自律移動体制御システムが実行する処理の続きを説明する。ステップS210において、システム制御装置10は、受信した経路情報内の各地点情報間の間隔を確認する。そして、地点情報の間隔とフォーマットで規定する分割空間の起点位置同士の間隔とを整合したものを位置点群データとして作成する。
この時、地点情報の間隔が分割空間の起点位置同士の間隔より小さい場合、システム制御装置10は分割空間の起点位置間隔に合わせて経路情報内の地点情報を間引いたものを位置点群データとする。又、地点情報の間隔が分割空間の起点位置同士の間隔より大きい場合、システム制御装置10は経路情報から逸脱しない範囲で地点情報を補間して位置点群データとする。
次に、図9のステップS211に示すように、システム制御装置10は、位置点群データの各地点情報の緯度/経度情報を、変換情報保持装置14に、経路の順番に送信する。又、ステップS212において、変換情報保持装置14は受信した緯度/経度情報に該当する固有識別子をフォーマットデータベース14-4から探索し、ステップS213において、システム制御装置10に送信する。
ステップS214において、システム制御装置10は受信した固有識別子を元の位置点群データと同じ順に並べ、固有識別子を用いた経路情報(以下、フォーマット経路情報)として保管する。このように、ステップS214においては、経路生成手段としてのシステム制御装置10は、変換情報保持装置14のデータベースから空間情報を取得し、取得した空間情報と、移動体の種別情報に基づき移動体の移動経路に関する経路情報を生成している。
ここで、経路情報から位置点群データを生成し、固有識別子を用いた経路情報に変換する過程を、図13(A)、図13(B)、図13(C)を参照して詳細に説明する。図13(A)は経路情報を地図情報で表示したイメージ図、図13(B)は位置点群データを用いた経路情報を地図情報で表示したイメージ図、図13(C)は固有識別子を用いた経路情報を地図情報で表示したイメージ図である。
図13(A)において、120は経路情報、121は自律移動体12が通過できない移動不可領域、122は自律移動体12が移動可能な移動可能領域である。ユーザが指定した出発地点、経由地点、到着地点の位置情報をもとに、経路決定装置13により生成された経路情報120は、出発地点、経由地点、到着地点を通過し、かつ地図情報上で移動可能領域122上を通る経路として生成されている。
図13(B)において、123は経路情報上の複数の位置情報である。経路情報120を取得したシステム制御装置10は、経路情報120上に、所定の間隔で配置した位置情報123を生成する。
位置情報123は夫々緯度/経度/高さで表すことができ、これら位置情報123を実施形態1では位置点群データと呼ぶ。そして、システム制御装置10はこれら位置情報123(各点の緯度/経度/高さ)を1つずつ変換情報保持装置14に送信し、固有識別子に変換する。
図13(C)において、124は位置情報123を1つずつ固有識別子に変換し、固有識別子が規定する空間範囲を四角い枠で表現した位置空間情報である。位置情報を固有識別子に変換することで、位置空間情報124が得られる。これにより、経路情報120が表現していた経路を、連続した位置空間情報124に変換して表現する。
尚、各位置空間情報124には、空間の範囲に存在又は進入可能な物体の種別と時間制限に関する情報が紐づけられている。この連続した位置空間情報124を実施形態1ではフォーマット経路情報と呼ぶ。
図9に戻り、自律移動体制御システムが実行する処理の続きを説明する。ステップS214の次に、ステップS215において、システム制御装置10はフォーマット経路情報の各固有識別子に紐づけられた空間情報を変換情報保持装置14からダウンロードする。
そしてステップS216で、システム制御装置10は、空間情報を、自律移動体12のサイバー空間の3次元マップに反映できる形式に変換して、所定空間内の複数物体(障害物)の位置を示す情報(以下、コストマップ)を作成する。コストマップは、フォーマット経路情報のすべての経路の空間に関して初めに作成しても良いし、一定領域で区切った形で作成し、順次更新していく方法で作成しても良い。
次に、ステップS217において、システム制御装置10は、フォーマット経路情報とコストマップを、自律移動体12に割り当てられた固有識別番号(固有識別子)に紐づけて保管する。
自律移動体12は所定時間間隔で、自己の固有識別番号をネットワークを介して監視(以下、ポーリング)しており、ステップS218において、紐づけられたコストマップをダウンロードする。自律移動体12はステップS219において、フォーマット経路情報の各固有識別子の緯度/経度情報を、自己が作成したサイバー空間の3次元マップに対して経路情報として反映させる。
次に、ステップS220において、自律移動体12はコストマップをルート上の障害物情報としてサイバー空間の3次元マップに反映する。コストマップが一定間隔で区切った形で作成されている場合は、コストマップが作成された領域を移動した後に、次の領域のコストマップをダウンロードし、コストマップを更新する。
ステップS221において、自律移動体12は、経路情報に沿ってコストマップで入力された物体(障害物)を回避しながら移動する。即ち、コストマップに基づき移動制御を行う。
この時、ステップS222において、自律移動体12は物体検出を行いながら移動し、コストマップとの差異があれば物体検出情報を用いてコストマップを更新しつつ移動する。又、ステップS223において、自律移動体12はコストマップとの差異情報を、対応する固有識別子とともにシステム制御装置10に送信する。
固有識別子と、コストマップとの差異情報を取得したシステム制御装置10は、図10のステップS224において、変換情報保持装置14に空間情報を送信し、ステップS225で、変換情報保持装置14は該当する固有識別子の空間情報を更新する。
ここで更新する空間情報の内容は、コストマップとの差異情報をそのまま反映するわけではなく、システム制御装置10にて抽象化されてから変換情報保持装置14に送信される。抽象化の詳細な内容に関しては後述する。
フォーマット経路情報に基づき移動している自律移動体12は、ステップS226において、各固有識別子に紐づけられた分割空間を通過するごとにシステム制御装置10に対して現在自身が通過している空間に紐づけられた固有識別子を送信する。
もしくはポーリング時に、自身の固有識別番号に紐づけても良い。システム制御装置10は、自律移動体12から受け取る、空間の固有識別子情報を基に、フォーマット経路情報上の自律移動体12の現在位置を把握する。
ステップS226を繰り返すことで、システム制御装置10はフォーマット経路情報の中で、自律移動体12が現在どこにいるのかを把握することができる。尚、自律移動体12が通過した空間の固有識別子に関して、システム制御装置10は保持することをやめてもよく、それによりフォーマット経路情報の保持データ容量を削減することもできる。
ステップS227において、システム制御装置10は把握した自律移動体12の現在位置情報を基に、図2及び図3で説明した確認画面50及び地図表示画面60を作成し、WEBページの表示画面に表示する。自律移動体12により、現在位置を示す固有識別子がシステム制御装置10に送信されるたびに、システム制御装置10は確認画面50及び地図表示画面60を更新する。
一方、図8のステップS228において、センサノード15は検出範囲の検出情報を保存するとともに、ステップS229において検出情報を抽象化して、ステップS230において空間情報として変換情報保持装置14に送信する。抽象化とは、例えば物体が存在しているか否か、物体の存在状態に変化があったか否かといった情報であり、物体に関する詳細情報ではない。
物体に関する詳細情報はセンサノード内のメモリに保管される。そして、ステップS231において、変換情報保持装置14は、抽象化された検出情報である空間情報を、空間情報に対応する位置の固有識別子に紐づけて保管する。これにより、フォーマットデータベース内の1つの固有識別子に空間情報が格納されることになる。
又、センサノード15とは異なる外部システムが空間情報を活用する場合、外部システムは変換情報保持装置14内の空間情報を基に、変換情報保持装置14を経由してセンサノード15内の検出情報を取得して活用する。この時、変換情報保持装置14は外部システムとセンサノード15の通信規格をつなぐ機能も有する。
上記のような空間情報の格納をセンサノード15に限らず複数デバイス間で行うことで、変換情報保持装置14は比較的軽量なデータ量にて複数のデバイスのデータをつなぐ機能を有する。尚、図9のステップS215、S216においてシステム制御装置10がコストマップを作成の際に詳細な物体情報を必要とする場合は、空間情報の詳細な検出情報を保管している外部システムから詳細情報をダウンロードして使用すれば良い。
ここで、自律移動体12のフォーマット経路情報の経路上において、センサノード15が空間情報を更新したとする。この時、図10のステップS232でセンサノード15は検出情報を取得し、ステップS233で抽象化された空間情報を生成して、ステップS234で変換情報保持装置14に送信する。変換情報保持装置14は、ステップS235で空間情報をフォーマットデータベース14-4に格納する。
システム制御装置10は、管理するフォーマット経路情報における空間情報の変化を所定の時間間隔で確認しており、変化があればステップS236で空間情報をダウンロードする。そして、ステップS237で自律移動体12に割り当てられた固有識別番号に紐づけられたコストマップを更新する。自律移動体12はステップS238において、ポーリングにてコストマップの更新を認識し、自己が作成したサイバー空間の3次元マップに反映する。
以上のように、複数デバイスで共有された空間情報を活用することで、自律移動体12は自己が認識できないルート上の変化を事前に認識でき、その変化に対応することができる。上記一連のシステムを遂行し、ステップS239で自律移動体12が到着地点に到着した場合には、ステップS240で固有識別子を送信する。
これにより固有識別子を認識したシステム制御装置10は、ステップS241で、到着表示をユーザインターフェース11に表示し、アプリを終了する。実施形態1によれば、以上のようにしてデジタルアーキテクチャのフォーマット及びそれを用いた自律移動体制御システムを提供することができる。
図11(A)、(B)、図12で説明したように、フォーマットデータベース14-4には空間100の範囲に存在又は進入可能な物体の種別と時間制限に関する情報(空間情報)が過去から未来といった時系列に保管されている。又、空間情報は、変換情報保持装置14に通信可能に接続された外部センサなどから入力された情報に基づき更新され、変換情報保持装置14に有線通信又は無線通信でネットワークを介して接続可能な他の外部システムに情報共有されている。
これらの空間情報の1つとして、空間内の物体の種別情報がある。ここでの空間内の物体の種別情報は例えば道路における車道、歩道、自転車専用道路等、地図情報より取得可能な情報である。また他には車道におけるモビリティの進行方向や交通規制等の情報も同様に種別情報と定義することが出来る。更に後述するように空間自体に種別情報を定義することも出来る。
以上、図4を用いて、変換情報保持装置14と自律移動体12の制御を行うシステム制御装置10等の連携動作の説明を行った。しかし、変換情報保持装置14はシステム制御装置10以外にも、道路の情報を管理するシステム制御装置や、道路以外の区画の情報を管理するシステム制御装置と接続することができる。
即ち、前述のように、システム制御装置10は図13(B)の位置情報123を総称した位置点群データを変換情報保持装置14に送信できる。それと同様に、道路の情報を管理するシステム制御装置や、道路以外の区画の情報を管理するシステム制御装置もそれに相当するデータを変換情報保持装置14に送信できる。
それに相当するデータとは、道路の情報を管理するシステム制御装置や、道路以外である区画の情報を管理するシステム制御装置が管理する位置点群データの情報である。尚、位置点群データの各々の点を位置点と以降呼ぶこととする。
送信した後は、フォーマットデータベース14-4の固有識別子に紐づけて格納し、適宜その情報を更新することで、現在の現実世界の情報を正確に変換情報保持装置14に反映し、自律移動体12の移動に支障がないようにする。
尚、実施形態1では、空間情報の更新間隔は、その空間に存在する物体の種類に応じて異なる。即ち、その空間に存在する物体の種類が移動体の場合には、その空間に存在する物体の種類が移動体でない場合よりも短くなるようにする。又、空間に存在する物体の種類が道路の場合には、空間に存在する物体の種類が区画の場合よりも短くなるようにする。
又、空間に複数の物体が存在する場合には、夫々の物体に関する空間情報の更新間隔は、夫々の物体の種類(例えば移動体、道路、区画等)に応じて夫々異なるようにする。そして、空間に存在する複数の物体の夫々の状態と時間に関する空間情報を固有識別子と関連付けてフォーマット化して保存するように構成している。従って、空間情報の更新のための負荷を低減することができる。
次に、変換情報保持装置14の構成例について説明する。ここでは、現実世界の空間領域を分割して得られる各分割空間領域の立方体形状のボクセル(VOXEL)に、空間情報が紐づけられる場合について説明する。立方体形状の他、直方体形状、多角形のポリゴン形状、球形状などの各種形状の三次元空間領域に、空間情報が紐づけられて格納されても良い。
本実施形態の自律移動体制御システムにおいては、空間情報を利用する対象の自律移動体として、自動車、トラック、ドローン、飛行機、AGV(無人搬送車)、AMR(搬送ロボット)など、様々な種類/大きさのものが想定される。フォーマットデータベース14-4内の、各分割空間領域のボクセルに紐づけられる空間情報を利用することで、自律移動体の適切な移動経路を決定することができる。
図14は、変換情報保持装置14の内部構成例を示したブロック図である。変換情報保持装置14は、一時記憶用メモリ200、作業用メモリ201、保存用ストレージ202,203を備える。一時記憶用メモリ200と作業用メモリ201は、保存用ストレージ202,203と比較して、高速で書き込み及び読出しができる、高速処理に適したメモリである。
一方、保存用ストレージ202,203は、一時記憶用メモリ200と作業用メモリ201と比較して、書き込み及び読出し(入出力)が低速であり、高速処理には適さないが、大容量のストレージである。
ここで、一時記憶用メモリ200は、空間情報の内の静的情報を保存する第1の記憶ステップを行う第1の記憶手段として機能している。又、保存用ストレージ203は、空間情報の内の動的情報を保存する第2の記憶ステップを行う第2の記憶手段として機能している。又、前述のように、第1の記憶手段である一時記憶用メモリ200は、前記第2の記憶手段としての保存用ストレージ203よりも入出力が低速である。
例えば、一時記憶用メモリ200と作業用メモリ201は、記憶容量当たりの製造コストが比較的高いメモリで構成され、保存用ストレージ202,203は、記憶容量当たりの製造コストが比較的低いメモリで構成される。
一時記憶用メモリ200と作業用メモリ201は、例えば、揮発性メモリであるDRAM(Dynamic RAM)やSRAM(Static RAM)などのRAM(Random Access Memory)で構成される。揮発性メモリは、電源がオフになるとデータが消える。
保存用ストレージ202,203は、例えば、不揮発性メモリであるEPROM(Erasable Programmable ROM)やEEPROM(Electrically EPROM)などのROM(Read Only Memory)などで構成される。不揮発性メモリは、電源がオフになってもデータが消えない。保存用ストレージ202,203は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などで構成されてもよい。
一時記憶用メモリ200、作業用メモリ201、保存用ストレージ202,203は、例えば図4に示したフォーマットデータベース14-4内に配置されている。尚、一時記憶用メモリ200と作業用メモリ201は、統合された一つのメモリで構成され、同一メモリ内の分割された2つ以上の記憶領域で構成されてもよい。また、保存用ストレージ202,203は統合された一つのストレージで構成され、同一ストレージ内の分割された2つ以上の記憶領域で構成されてもよい。
また、一時記憶用メモリ200と作業用メモリ201のどちらか一方または両方が情報記憶部14-5内に配置されてもよい。また、一時記憶用メモリ200と作業用メモリ201のどちらか一方または両方が制御部14-3内に配置されてもよい。
空間情報は、車両や歩行者の有無に関する情報、信号の状態(赤/青(緑)/黄)に関する情報などの動的情報と、路面や構造物の有無に関する情報などの静的情報とを含む。例えば、ダイナミックマップで定義される動的情報と準動的情報(准動的情報)を、本実施形態における動的情報として取り扱い、ダイナミックマップで定義される静的情報と準静的情報(准静的情報)を、本実施形態における静的情報として取り扱う。
尚、ダイナミックマップにおける動的情報は例えば、移動体間で発信・交換される情報や信号現示情報、交差点内歩行者・自転車情報、交差点直進車情報など、1秒単位での更新頻度が求められる情報を指す。又、準動的情報は、観測時点における実際の渋滞状況や一時的な走行規制、落下物や故障者など一時的な走行障害状況、実際の事故状態、狭域気象情報など、1分以内での更新頻度が求められる情報を指す。
又、準静的情報は、道路工事やイベントなどによる交通規制情報、広域気象情報、渋滞予測など、1時間以内での更新頻度が求められる情報を指す。又、静的情報は、道路や道路上の構造物、車線情報、路面情報、恒久的な規制情報など、1カ月以内の更新頻度が求められる情報。いわばダイナミックマップのベースとなる地図情報を指す。
ただし、ダイナミックマップで定義される動的情報と準動的情報と準静的情報を、本実施形態における動的情報として取り扱い、ダイナミックマップで定義される静的情報を、本実施形態における静的情報として取り扱ってもよい。また、ダイナミックマップで定義される動的情報を、本実施形態における動的情報として取り扱い、ダイナミックマップで定義される準動的情報と準静的情報と静的情報を、本実施形態における静的情報として取り扱ってもよい。
本実施形態では、更新頻度が動的情報>準動的情報>準静的情報>静的情報の関係にあるので、動的情報は高速処理に適した一時記憶用メモリ200に格納される。一方、静的情報は更新頻度が最も低いので、一時記憶用メモリ200には格納されず、保存用ストレージ203に格納される。これにより、一時記憶用メモリ200の記憶領域の使用が抑制される。
本実施形態では、動的情報は、一時記憶用メモリ200に格納された後、事故などが発生した場合に過去の状況が調べられるように保存用ストレージ202にも格納される。但し、受信した動的情報を、一時記憶用メモリ200に格納されるとともに、並行して、一時記憶用メモリ200を介さずに直接、保存用ストレージ202にも格納されるようにしてもよい。
作業用メモリ201には、一時記憶用メモリ200または保存用ストレージ202から読み出された動的情報と、保存用ストレージ203から読み出された静的情報が一時的に格納される。そして、作業用メモリ201で統合処理などが施された動的情報と静的情報は、通信手段としてのネットワーク接続部14-6を介して、システム制御装置10などに送信される。
作業用メモリ201は、第1の記憶手段と第2の記憶手段に保存された夫々の空間情報を読出して統合して記憶する第3の記憶手段として機能している。又、統合空間情報を生成するための統合空間情報生成ステップを行う統合空間情報生成手段としても機能している。
動的情報と静的情報のメモリ/ストレージへの書き込みと読み出しの制御は、制御部14-3が行う。一時記憶用メモリ200に格納された動的情報は、一時記憶用メモリ200の使用容量が所定の制限値を超えると、古い情報から順次消去されていく。
次に、本実施形態における、コストマップの生成及び更新をシステム制御装置で行う手法について説明する。前述のように自律移動体12の動作にあたって、システム制御装置10は空間情報を変換情報保持装置14からダウンロードし、自律移動体12のサイバー空間の3次元マップに反映できる形式に変換して、所定空間内のコストマップを作成する。そして、自律移動体12は所定時間間隔でコストマップをダウンロードし、コストマップに基づき移動制御を行う。
ここでコストマップの生成に際して、空間情報を変換情報保持装置14からダウンロードするが、前述の通り空間情報には静的情報と動的情報が存在し、それぞれ変換情報保持装置14の異なる記憶領域に格納されている。
従って本実施形態においては、自律移動体12の移動制御を行うのに必要なコストマップはこれら静的情報と動的情報を組み合わせて作成する。このコストマップ作成の具体的な方法について、図15~図20を用いて説明する。ここで移動制御対象は図15に示す自律移動体12とする。
図15(A)、(B)は、車道及びその周囲の空間の状態の例を示す図であり、片側一車線の車道701-5とその周辺部及びその空間を上空より見下ろした状態を示している。尚、図15(A)、(B)においては紙面の上側が北方向になっている。図のように、北方向と南方向に走行可能な片側一車線の車道701-5とその両脇に歩道701-6、また車道701-5の傍らには建物701-7が存在している。
図15(A)の状態から図15(B)の状態に変化するものとする。自律移動体12は車道701-5を左側通行で北方向に進んでおり、反対車線では移動体701-4が南方向に移動している。
図15に示す車道701-5及びその周囲の空間は、空間701-11~701-15、701-21~701-25、701-31~701-35、701-41~701-45のように区切られている。空間701-21~701-25、701-31~701-35は車道701-5上の空間であり、移動体はこの空間を進む。又、空間701-14、701-15には建物701-7が存在している。
図15(A)においては空間701-34、701-35に移動体701-4が存在し、移動体701-4は図中を南方向に移動している。すると一定時間後には図15(B)に示すように移動体701-4が空間701-33、701-34に移動する。
一方、建物701-7のような物体は移動することがほぼ無く、状態の変化はほぼ無い。このように自律移動体12の移動にあたって障害となり得る周囲の情報は、対象となる空間に存在する物体によって、逐次変化する場合と、変化が生じにくい場合とがある。
自律移動体制御システムにおける自律移動体の移動経路を示すフォーマット経路情報の作成及び空間情報からコストマップの作成については、図9のステップS211~S216で説明したように行われる。ここで、自律移動体12の進路方向のコストマップを作成する手順について図16~図18を用いて説明する。
図16は、実施形態に係る自律移動体制御システムが実行する処理を説明するシーケンス図である。尚、10、12~15の制御部内のコンピュータとしてのCPUがメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図16のシーケンスの各ステップの動作が行われる。
尚、本実施例におけるコストマップ作成範囲は図15における自律移動体12の進路方向の所定の範囲701-8とする。
先ず始めにステップS301において、システム制御装置10は、自律移動体12の進路方向の所定の範囲701-8の位置情報を変換情報保持装置14に送信する。位置情報は、位置点群データの各地点情報の緯度/経度情報等を含む。
続いて、変換情報保持装置14はステップS302において、受信した緯度/経度情報に該当する固有識別子をフォーマットデータベース14-4よりから探索する。そして、ステップS303において、変換情報保持装置14は、各固有識別子に紐づく空間情報を一時記憶用メモリ200及び保存用ストレージ203から読出して複製し、作業用メモリ201に保存する。
図15では、自律移動体12の進路方向の所定の範囲701-8における固有識別子が示す空間は、空間701-14、701-15、701-24、701-25、701-34、701-35、701-44、701-45である。これらの空間の情報を取得する。
図15に示すように、これらの空間においては、移動体701-4、車道701-5、歩道701-6、建物701-7といった物体が存在する。この中で車道701-5、歩道701-6、建物701-7といった静的物体は、各空間の緯度/経度情報に該当する各固有識別子における空間の静的情報として保存用ストレージ203に格納されている。一方、移動体701-4といった移動物体については、各空間の緯度/経度情報に該当する各固有識別子における空間の動的情報として一時記憶用メモリ200に格納されている。
ステップS303に続いて、変換情報保持装置14は、ステップS304において作業用メモリ201に複製した夫々の空間情報を統合し、該当する各固有識別子に紐づけ、ステップS305においてシステム制御装置10に送信する。
その後、ステップS306において、システム制御装置10は、取得した統合された前記空間情報を自律移動体12の前記サイバー空間の3次元マップに反映できる形式に変換して、前記所定の範囲701-8のコストマップを作成する。ここで、システム制御装置10は、統合空間情報に基づき、移動体の移動制御に関するコストマップを作成する制御手段として機能している。
図17は図15(A)の状態における自律移動体12の前方視野における所定の範囲701-8を示す図である。図17の、建物701-7が存在する空間701-14、701-15、移動体701-4が存在する空間701-34、701-35、歩道701-6が存在する空間701-44、701-45は自律移動体12の移動に際して障害物が存在し得る空間である。つまりこれらの空間はコストとして認識され、コストマップとして図示すると図17に示す斜線のように表現することが出来る。
図16のステップS307において、システム制御装置10は、前記フォーマット経路情報と前記コストマップを、自律移動体12に割り当てられた固有識別番号に紐づけて(関連付けて)保管する。自律移動体12は所定時間間隔で、自己の前記固有識別番号を、ネットワークを介して監視(以下、ポーリング)しており、ステップS308において、紐づけられたコストマップをダウンロードする。
自律移動体12はステップS309において、前記フォーマット経路情報の各固有識別子の緯度/経度情報を、自己が作成したサイバー空間の3次元マップに対して経路情報として反映させる。
次に、ステップS310において、自律移動体12は前記コストマップをルート上の障害物情報としてサイバー空間の3次元マップに反映する。ステップS311において、自律移動体12は、前記経路情報に沿って前記コストマップで入力された物体(障害物)を回避しながら移動する。即ち、コストマップに基づき移動制御を行う。具体的には、図17においては自律移動体12は空間701-24、701-25を進むことが可能ということになる。
以上説明したように、本実施形態においては、変換情報保持装置14より静的情報と動的情報のデータを取得し、システム制御装置がコストマップを生成する。
尚、前述のようにコストマップは所定の時間間隔で更新することが望ましい。図15に記載したように動的情報の空間情報は例えば1秒単位で逐次状態が変化する。一方、建物のような静的情報の空間情報の状態はほぼ変化しない。そのため一度生成したコストマップの更新においては、ステップS303における変換情報保持装置14の処理負荷やステップS308における情報送信でのネットワーク負荷等の観点から、動的情報の空間情報のみを更新することが望ましい。
次に、図18はコストマップ作成及びコストマップの更新方法について説明するためのシーケンス図であり、図18に基づき、自律移動体12の進路方向のコストマップ作成及び作成したコストマップの更新方法について説明する。尚、10、12~15の制御部内のコンピュータとしてのCPUがメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図18のシーケンスの各ステップの動作が行われる。
先ず初めに、ステップS321において、システム制御装置10は、自律移動体12の進路方向の所定の範囲701-8の位置情報を変換情報保持装置14に送信する。位置情報は、位置点群データの各地点情報の緯度/経度情報等を含む。本実施形態では、この時、所定の範囲701-8に該当する各空間の静的情報及び動的情報を取得するか、動的情報のみを取得するかの取得分類情報を合わせて送付する。
具体的には、例えば前記所定の範囲701-8においてシステム制御装置10がコストマップを作成済であれば動的情報のみを取得し、コストマップを作成していなければ静的情報及び動的情報を取得するように、取得分類情報を送付する。ここで取得分類情報は各空間の静的情報及び動的情報を取得する場合はG1、動的情報のみを所得する場合はG0とする。
続いて、変換情報保持装置14はステップS322において、受信した緯度/経度情報に該当する各固有識別子をフォーマットデータベース14-4よりから探索する。その後、取得分類情報がG1であれば、ステップS323において変換情報保持装置14は空間データを一時記憶用メモリ200及び保存用ストレージ203から作業用メモリ201に複製する。
一方、取得分類情報がG0であれば、ステップS324において変換情報保持装置14は空間データを一時記憶用メモリ200から作業用メモリ201に複製する。尚、このとき、ステップS323とステップS324は図18のように並行して行っても良いし、順次行っても良い。
続いて、変換情報保持装置14は、ステップS325において作業用メモリ201に複製した夫々の空間情報を該当する各固有識別子に紐づけ、ステップS326においてシステム制御装置10に送信する。
その後、取得分類情報がG1であればステップS327において、システム制御装置10は、取得した前記空間情報を自律移動体12の前記サイバー空間の3次元マップに反映できる形式に変換して、前記所定の範囲701-8のコストマップを作成する。
一方、取得分類情報がG0であればステップS328において、前記所定の範囲701-8のコストマップについて、取得した前記空間情報のみ更新を行う。尚、このとき、ステップS327とステップS328は図18のように並行して行っても良いし、順次行っても良い。
例えば図15(A)の状態で生成された所定の範囲701-8のコストマップにおいて、所定時間後に図15(B)の状態で所定の範囲701-8のコストマップを更新する場合について説明する。
その場合は、動的情報である移動体701-4が存在する空間701-34、701-35の空間情報が取得され、所定の範囲701-8のコストマップについて、空間701-34、701-35の情報が更新される。具体的には、空間701-34には移動体701-4が存在したままとまり、空間701-35には移動体701-4が存在しなくなる。
ステップS328に続いて、ステップS329において、システム制御装置10は、前記フォーマット経路情報と前記コストマップを、自律移動体12に割り当てられた固有識別番号に紐づけて保管する。自律移動体12は所定時間間隔で、自己の前記固有識別番号を、ネットワークを介して監視(以下、ポーリング)しており、ステップS330において、紐づけられたコストマップをダウンロードする。
自律移動体12はステップS331において、前記フォーマット経路情報の各固有識別子の緯度/経度情報を、自己が作成したサイバー空間の3次元マップに対して経路情報として反映させる。
次に、ステップS332において、自律移動体12は、前記コストマップをルート上の障害物情報としてサイバー空間の3次元マップに反映する。ステップS333において、自律移動体12は、前記経路情報に沿って前記コストマップで入力された物体(障害物)を回避しながら移動する。即ち、コストマップに基づき自律移動制御を行う。
以上説明したように、本実施形態では、変換情報保持装置14より静的情報と動的情報のデータ、又は動的情報のデータのみを取得し、それらの情報に基づき、システム制御装置がコストマップを生成及び更新する。
<実施形態2>
尚、実施形態1では、自律移動体12の移動制御に必要なコストマップの生成及び更新をシステム制御装置10で行う例を説明したが、実施形態2では、コストマップの生成及び更新を変換情報保持装置14で行う例を説明する。
図19は、実施形態2に係る変換情報保持装置14の内部構成例を示したブロック図である。図14に示した構成に加え、作業用メモリ201内に第1コストマップ205、第2コストマップ206が生成される。第1コストマップ205、第2コストマップ206はそれぞれ一時記憶用メモリ200及び保存用ストレージ202の情報に基づき生成される。このように、実施形態2では、統合空間情報生成手段としての作業用メモリ201は、複数の前記コストマップを保持可能となっている。
ここで第1コストマップ205は、自律移動体12aの移動制御に利用するためのコストマップである。また、第2コストマップ206は歩道を走行する例えば自律移動体12bの移動制御に利用するためのコストマップである。自律移動体12aは例えば車道を移動する自動運転車であり、自律移動体12bは例えば歩道を移動する荷物配送ロボットである。
車道を移動する移動体にとっては、車道はコスト(=障害物)とは判定せず他の移動体や建物、歩道はコストと判定する。一方、歩道を移動する移動体にとっては、車道や他の移動体、建物はコストと判定し、歩道はコストとは判定しない。即ち、自律移動体の種類や走行場所に応じてコストマップを異ならせる。このようにして自律移動体の種類や走行場所に応じて自律移動体が通行できるか否かを示すコストマップが生成される。
ここで第1コストマップ205の作成及び更新する処理について図20を用いて説明する。図20は、実施形態2に係る変換情報保持装置14が実行する処理を説明するフローチャートである。尚、変換情報保持装置14の制御部14-3のCPUがメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図20の各ステップの動作が行われる。
図20のステップS351において、制御部14-3は、保存用ストレージ203より所定空間内の静的情報を取得し、この静的情報を、自律移動体12aに対応した障害物の位置を示す情報(=コスト)に変換する。続いて、ステップS352において、制御部14-3は、一時記憶用メモリ200より、前記所定空間内の動的情報を取得し、この動的情報を自律移動体12aに対応した障害物の位置を示す情報(=コスト)に変換する。
その後ステップS353において、制御部14-3は、これらの情報に基づき所定空間内のコストマップを作成する。更にステップS354において、制御部14-3は、事前に定められた所定時間T1が経過したかを判別する。ここで所定時間T1はコストマップ作成及びコストマップの静的情報の更新からの経過時間(期間)であり、例えば数日とする。これは建物等の静的情報は短時間では変化しないためである。
ステップS354でYesの場合、制御部14-3は、ステップS355において保存用ストレージ203より前記所定空間内の静的情報を取得する。そして、静的情報を自律移動体12aに対応した障害物の位置を示す情報(=コスト)に変換する。その後、ステップS356において前記所定空間内のコストマップを更新する。
ステップS354においてNoと判定された場合は、ステップS357に進む。ステップS357において、制御部14-3は、事前に定められた所定時間T2が経過するまで待つ。ここで所定時間T2はコストマップ作成及びコストマップの動的情報の更新からの経過時間で、例えば数秒とする。これは移動体等の動的情報は短時間でその位置等が変化する可能性があるからである。
ステップS357でYesと判定された場合にはステップS358へ進み、制御部14-3は、一時記憶用メモリ200より前記所定空間内の動的情報を取得し、動的情報を自律移動体12aに対応した障害物の位置を示す情報(=コスト)に変換する。
その後、ステップS356において前記所定空間内のコストマップを更新する。ステップS359においてコストマップの今後の更新が不要と判断された場合は本処理を終了するが、そうでない場合はステップS354に戻り処理を継続する。
尚、図20のフローにおいて、所定時間T1や所定時間T2を経過した場合に静的情報や動的情報を取得しているが、これに限定されるものではない。例えば、一時記憶用メモリ200や保存用ストレージ203に格納されている空間情報が更新されたことを検出し、これに基づき静的情報や動的情報を取得し、コストマップを更新しても良い。
実施形態2では図19の自律移動体12a用の第1コストマップの作成及び更新について図20のフローチャートを用いて説明したが、図19の第2コストマップの作成及び更新についても同様のフローで実施することが出来る。
又、実施形態2では車道を移動する自律移動体12a用の第1コストマップ、歩道を移動する自律移動体12b用の第2コストマップを作成する例について説明したが、これに限定されない。例えばドローン運航用のコストマップを作成しても良い。又、実施形態2においては、変換情報保持装置14内に複数のコストマップを作成することを記載したが、例えばシステム制御装置10内に複数のコストマップを作成しても良い。
このように、実施形態1,2によれば、緯度/経度/高さによって定義される3次元空間の空間情報を用いた自律移動体制御システムにおいて、静的情報は比較的低速な保存用ストレージに保存し、動的情報は比較的高速な一時記憶用メモリに保存している。従って、ネットワークトラフィックやデータ処理負荷を適正化することができる。
又、固有識別子が示す位置に応じて高速アクセスが必要な場合にデータの入出力を高速化できる。又、夫々の保存場所に保存された静的情報と動的情報によりコストマップを作成しているので、全てのデータを高速アクセスすることなく、必要なデータを低遅延でデータを格納し、データを引き出すことが可能になる。
又、移動体の種類に応じて異なるコストマップを作成しているので、より適正なコストマップを作成できる。又、静的情報と動的情報に基づきコストマップを作成し、コストマップの更新は動的情報に基づき行うようにしているので効率を向上できる。
尚、移動体から見て比較的遠方の情報は比較的低速な保存用ストレージから、比較的近傍の情報は比較的高速な一時記憶用メモリからの情報でコストマップを作成するようにしても良い。即ち、静的情報は前記動的情報よりも比較的遠方の空間情報を含むようにしても良い。
又、移動体の動作時に、状態の変化の頻度が高い領域(例えば交差点など)は比較的高速な一時記憶用メモリからの情報でコストマップを作成し、交差点間の道路情報や構造物情報は比較的低速な保存用ストレージからの情報でコストマップを作成しても良い。
尚、本実施例におけるコストマップ作成範囲は図15における自律移動体12の進路方向の所定の範囲701-8としたが、コストマップ作成範囲の大きさは一定の値に限定されるものではなく、任意の大きさとすることが出来る。即ち、移動体の移動制御に関するコストマップの大きさが複数種あっても良い。
例えば、移動体によってコストマップ作成範囲の大きさを変えても良い。実施形態2では車道を移動する自律移動体12a用の第1コストマップ、歩道を移動する自律移動体12b用の第2コストマップを作成することを記載した。
一例として、この第2コストマップの大きさと比較して第1コストマップの大きさを大きくするといったことが出来る。歩道を移動する移動体(コストとなる物体)の移動速度に対して、車道を移動する移動体(コストとなる物体)の移動速度は比較的速いことが想定される。
そのため、歩道を移動する自律移動体に対して、車道を移動する自律移動体はより広範囲のコスト情報を取得することが望ましいためである。このように、コストマップの大きさは、移動制御する移動体によって異なるようにしても良い。
その他には、空間の位置に応じてコストマップ作成範囲の大きさを変更しても良い。一例として、状態の変化の可能性が高い領域(例えば交通量の多い交差点など)はコストマップ作成範囲を大きくし、状態の変化の可能性が低い領域(他の移動体などが進入する可能性が低い狭い路地など)はコストマップ作成範囲を小さくしてもよい。即ち、コストマップの大きさは、緯度/経度/高さによって定義される3次元空間の位置によって異なるようにしても良い。
状態の変化の可能性が高い領域については、移動体がより広範囲にコスト情報を取得することで物体(人や他車などの障害物)を回避しながら移動することを確実にする。一方、状態の変化の可能性が低い領域についてはコストマップ作成範囲を小さくすることで、ネットワークトラフィックやデータ処理負荷を適正化することが出来る。
またその他には、コストマップを使用する移動体の移動速度によってコストマップ作成範囲の大きさを変更しても良い。一例として、移動体の移動速度が速い場合は、コストマップ作成範囲を大きくしても良い。即ち、コストマップの大きさは、移動体の移動速度によって異なるようにしても良い。
こうすることで移動体からの遠方までのコスト情報を取得することが出来る。一方、移動体の移動速度が遅い場合は、コストマップ作成範囲を小さくする。こうすることで移動体が到達するまで時間のかかる遠方のコスト情報を不必要に取得することがなくなり、ネットワークトラフィックやデータ処理負荷を適正化することが出来る。
尚、上述の実施形態においては自律移動体に制御システムを適用した例について説明した。しかし、本実施形態の移動体は、AGV(Automatic Guided Vehicle)やAMR(Autonomous Mobile Robot)などの自律移動体に限らない。
例えば自動車、列車、船舶、飛行機、ロボット、ドローンなどの移動をする移動装置であればどのようなものであってもよい。また、本実施形態の制御システムは一部がそれらの移動体に搭載されていても良いし、搭載されていなくても良い。又、移動体をリモートでコントロールする場合にも本実施形態を適用することができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。尚、本実施形態は、以下の組み合わせを含む。
(構成1)緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に存在する物体の情報を空間情報として固有識別子と関連付けてフォーマット化するフォーマット化手段と、前記空間情報の内の静的情報を保存する第1の記憶手段と、前記空間情報の内の動的情報を保存する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段に保存された夫々の前記空間情報を読出して統合した統合空間情報を生成する統合空間情報生成手段と、を有することを特徴とする制御システム。
(構成2)更に、前記統合空間情報を外部からの要求に応じて送信する通信手段を有することを特徴とする構成1に記載の制御システム。
(構成3)前記動的情報は前記静的情報よりも更新頻度が大きいことを特徴とする構成1又は2に記載の制御システム。
(構成4)前記静的情報は前記動的情報よりも比較的遠方の前記空間情報を含むことを特徴とする構成1~3のいずれか1つに記載の制御システム。
(構成5)前記第1の記憶手段は、前記第2の記憶手段よりも入出力が低速であることを特徴とする構成1~4のいずれか1つに記載の制御システム。
(構成6)前記統合空間情報生成手段は、前記第1の記憶手段から読出した前記空間情報と、前記第2の記憶手段から読出した前記空間情報を統合して記憶する第3の記憶手段を含むことを特徴とする構成1~5のいずれか1つに記載の制御システム。
(構成7)前記統合空間情報に基づき、移動体の移動制御に関するコストマップを作成する制御手段を有することを特徴とする構成1~6のいずれか1つに記載の制御システム。
(構成8)前記コストマップは、前記移動体の種類に応じて異なることを特徴とする構成7に記載の制御システム。
(構成9)前記移動体の移動制御に関する前記コストマップの大きさが複数種あることを特徴とする構成7又は8に記載の制御システム。
(構成10)前記コストマップの大きさは前記移動制御する前記移動体によって異なることを特徴とする構成7~9のいずれか1つに記載の制御システム。
(構成11)前記コストマップの大きさは前記緯度/経度/高さによって定義される3次元空間の位置によって異なることを特徴とする構成7~10のいずれか1つに記載の制御システム。
(構成12)前記コストマップの大きさは前記移動体の移動速度によって異なることを特徴とする構成7~11のいずれか1つに記載の制御システム。
(構成13)前記統合空間情報生成手段は、複数のコストマップを保持可能なことを特徴とする構成1~12のいずれか1つに記載の制御システム。
(方法)緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に存在する物体の情報を空間情報として固有識別子と関連付けてフォーマット化するフォーマット化ステップと、前記空間情報の内の静的情報を保存する第1の記憶ステップと、前記空間情報の内の動的情報を保存する第2の記憶ステップと、前記第1の記憶ステップと前記第2の記憶ステップに保存された夫々の前記空間情報を読出して統合した統合空間情報を生成する統合空間情報生成ステップと、を有することを特徴とする制御方法。
(プログラム)構成1~13のいずれか1つに記載の制御システムの各手段をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(制御プログラム)を記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給することによって実現してもよい。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたコンピュータ読取可能なプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
その場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
10:システム制御装置
11:ユーザインターフェース
12:自律移動体
13:経路決定装置
14:固有識変換装置
15:センサノード
16:インターネット

Claims (15)

  1. 緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に存在する物体の情報を空間情報として固有識別子と関連付けてフォーマット化するフォーマット化手段と、
    前記空間情報の内の静的情報を保存する第1の記憶手段と、
    前記空間情報の内の動的情報を保存する第2の記憶手段と、
    前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段に保存された夫々の前記空間情報を読出して統合した統合空間情報を生成する統合空間情報生成手段と、を有することを特徴とする制御システム。
  2. 更に、前記統合空間情報を外部からの要求に応じて送信する通信手段を有することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  3. 前記動的情報は前記静的情報よりも更新頻度が大きいことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  4. 前記静的情報は前記動的情報よりも比較的遠方の前記空間情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  5. 前記第1の記憶手段は、前記第2の記憶手段よりも入出力が低速であることを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  6. 前記統合空間情報生成手段は、前記第1の記憶手段から読出した前記空間情報と、前記第2の記憶手段から読出した前記空間情報を統合して記憶する第3の記憶手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  7. 前記統合空間情報に基づき、移動体の移動制御に関するコストマップを作成する制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  8. 前記コストマップは、前記移動体の種類に応じて異なることを特徴とする請求項7に記載の制御システム。
  9. 前記移動体の移動制御に関する前記コストマップの大きさが複数種あることを特徴とする請求項7に記載の制御システム。
  10. 前記コストマップの大きさは前記移動制御する前記移動体によって異なることを特徴とする請求項7に記載の制御システム。
  11. 前記コストマップの大きさは前記緯度/経度/高さによって定義される3次元空間の位置によって異なることを特徴とする請求項7に記載の制御システム。
  12. 前記コストマップの大きさは前記移動体の移動速度によって異なることを特徴とする請求項7に記載の制御システム。
  13. 前記統合空間情報生成手段は、複数のコストマップを保持可能なことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
  14. 緯度/経度/高さによって定義される3次元の空間に存在する物体の情報を空間情報として固有識別子と関連付けてフォーマット化するフォーマット化ステップと、
    前記空間情報の内の静的情報を保存する第1の記憶ステップと、
    前記空間情報の内の動的情報を保存する第2の記憶ステップと、
    前記第1の記憶ステップと前記第2の記憶ステップに保存された夫々の前記空間情報を読出して統合した統合空間情報を生成する統合空間情報生成ステップと、を有することを特徴とする制御方法。
  15. 請求項1~13のいずれか1項に記載の制御システムの各手段をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。

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