JP2023112578A - 検査システム、検査用情報処理端末及びプログラム - Google Patents

検査システム、検査用情報処理端末及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】パッケージ底面にはんだ接合用のメタルバンプが形成された電子部品が実装された基板について、ユーザーが検査対象箇所の状態を容易に確認できる技術を提供する。【解決手段】パッケージ底面に前記部品実装基板とのはんだ接合用のメタルバンプが形成された電子部品を実装した基板の検査システムであって、X線撮影手段によって撮影された複数のX線画像の情報を用いて、前記基板の三次元データを作成する三次元データ作成手段と、前記三次元データを用いて、はんだ接合部のはんだの形状をユーザー所望の観察面の二次元形状として示す確認用画像を作成する確認用画像作成手段と、前記ユーザー確認用画像作成手段が作成した画像を表示する表示手段と、を有する検査システム。【選択図】図3

Description

本発明は、検査システム、検査用情報処理端末及びプログラムに関し、特にX線CTを用いて取得した三次元データに基づき、はんだ付け状態を確認する技術に関する。
近年、各種製品の小型化、精密化が進んでおり、例えば部品実装基板などでも部品実装密度が増大し、外観検査装置の撮像視野の影になる部位が増えることにより、外観検査では正確には検査できない部品が増加している。そして、これに対して、X線CT検査により外観では検査できない部分の検査を実施する技術が公知となっている(例えば特許文献1)。
また、特許文献2には、このように三次元情報を用いた検査を実施する場合において、検査の対象となった箇所(外観からは確認できない箇所)の状態を、ユーザーが確認できるようにすることが開示されている。具体的には、三次元形状データに基づいて、ユーザー所望の観察方向から見た検査対象箇所の形状に係る物理量を相対値として示すプロファイル画像を作成し、これを画面表示することが開示されている。このような技術によれば、外観からは確認できない検査対象箇所であっても、当該部位が具体的にどのようになっているか、良・不良の判定結果が妥当であるかどうかを、ユーザーは画面を参照することで容易に確認することができる。
特開2017-223468号公報 特開2021-135153号公報
ところで、部品実装基板に用いられる電子部品には、例えばBGA(Ball Grid Array)などのようにパッケージ底面にはんだ接合用のメタルバンプが形成されたものがある。そして、このような電子部品については、特許文献2に記載の技術を用いたとしても、部品と基板との間のはんだ接合部についての適切なユーザー確認用画像を作成できない。図17に、このような従来技術によるユーザー確認用画像とBGAのはんだ接合部の状態との対応関係を示す。図17に示すように、特許文献2の技術により作成されるはんだ接合部のプロファイル形状では、はんだぬれの実際の形状と対応しづらい、良品と不良品のプロファイル形状に差異が確認できない、などの問題がある。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、パッケージ底面にはんだ接合用のメタルバンプが形成された電子部品が実装された基板について、ユーザーが検査対象箇所の状態を容易に確認できる技術を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用する。即ち、
電子部品が表面実装された部品実装基板の検査システムであって、
前記電子部品は、パッケージ底面に前記部品実装基板とのはんだ接合用のメタルバンプが形成されたものであり、
前記部品実装基板に対してX線を照射するX線発生手段と、
前記部品実装基板を透過したX線を撮影するX線撮影手段と、
前記X線撮影手段によって撮影された複数のX線画像の情報を用いて、少なくとも前記部品実装基板と前記電子部品とのはんだ接合部を含む領域の三次元データを作成する、三次元データ作成手段と、
前記三次元データを用いて、前記はんだ接合部のはんだの形状をユーザー所望の観察面の二次元形状として示す確認用画像を作成する、確認用画像作成手段と、
前記ユーザー確認用画像作成手段が作成した前記確認用画像を含む画面を表示する表示手段と、を有する、検査システムである。
なお、上記の検査システムは、各手段が一体となった検査装置として構成されていてもよい。また「ユーザー所望の観察面」とは、例えば電子部品と部品実装基板の接合部の側面(横方向から見た面)などが想定される。ただし、当該対象面は外観から視認可能な面に限定される意味ではなく、三次元データによって定義される形状における任意の位置(及び方向)の断面も含まれる。
このような構成によれば、BGAなどのようにパッケージ底面にメタルバンプが形成されているような部品が実装された部品実装基板であっても、ユーザーが確認したい検査対象箇所のはんだ形状を、ユーザーが確認したい観察面の二次元形状として表示することができる。
また、前記確認用画像作成手段は、
前記三次元データにおける、前記はんだ接合部における前記電子部品側の基準となる水平断層位置である部品側基準面と、前記部品実装基板側の基準となる水平断層位置である基板側基準面と、を特定する基準面特定手段と、
前記部品側基準面と前記基板側基準面との間における、前記三次元データを構成する各水平断層のはんだの面積と重心位置とを算出する、水平断層はんだ面積算出手段と、
算出された前記各水平断層のはんだの面積と重心位置とに基づいて、前記観察面における前記はんだの輪郭形状を示す第1プロファイル画像を作成する第1プロファイル画像作成手段と、を備えており、
前記確認用画像には、前記第1プロファイル画像が含まれるのであってもよい。
なお、部品側基準面と基板側基準面とは、はんだボールの中心面となる水平断層位置に基づいて特定されるようになっていてもよい。このような構成によれば、検査対象箇所についてのユーザー所望の観察面におけるはんだの輪郭形状を容易に確認することが可能になる。
また、前記検査システムは、良品である前記部品実装基板の一以上の前記はんだ接合部を撮像したX線画像に基づいて作成された一以上の良品三次元データに基づいて、前記はんだの各水平断層における面積に係る良品基準である第1良品基準を算出する第1良品基準算出手段をさらに有しており、
前記第1プロファイル画像作成手段は、前記はんだの輪郭形状と前記良品基準とを示す前記第1プロファイル画像を作成するものであってもよい。
ここで、「一以上の前記はんだ接合部」は、一の部品実装基板における一のランド(におけるはんだ付け部)であってもよいし、複数のランドを含むグループであってもよい。複数のランドとする場合には、同じ計測条件(検査基準)が設定されているランド同士をグループ化することが望ましい。また、用いられる良品としての実装基板は複数であってもよいし、一つであっても構わない。このような構成であると、ユーザーは、検査対象箇所のはんだの輪郭形状が、良品基準を満たしているか否か(即ち検査結果が出ている場合には、その結果が妥当であるか否か)を容易に確認することができる。
また、前記第1良品基準算出手段は、前記一以上の良品三次元データに基づいて、前記はんだの各水平断層における面積の良品としての上限を示す第1上限近似曲線及び下限を示す第1下限近似曲線を算出し、
前記第1プロファイル画像作成手段は、前記第1上限近似曲線に基づいて作成される第1上限プロファイル及び前記第1下限近似曲線に基づいて作成される第1下限プロファイルの少なくともいずれかと、前記はんだの輪郭形状とを重畳して示す前記第1プロファイル画像を作成するものであってもよい。
このような構成によれば、ユーザーは、検査対象箇所の良品と不良品との差異を容易に確認することができるとともに、はんだの輪郭形状と検査基準の上限閾値及び下限閾値との関係を明確に確認することができる。
また、前記検査システムは、前記部品実装基板における前記はんだ接合部の良否判定に係る検査基準を記憶する記憶手段と、
前記一以上の良品三次元データに基づいて、前記良品の前記はんだの各水平断層における面積の平均値による近似曲線と、前記第1上限近似曲線との一致率である第1上限側一致率及び前記第1下限近似曲線との一致率である第1下限側一致率、を算出する第1検査基準初期値算出手段と、
前記第1上限側一致率及び前記第1下限側一致率を、それぞれ前記検査基準の少なくとも一部として設定する、第1検査基準設定手段と、を有するものであってもよい。
このような構成によれば、システムにおいて自動で検査基準の初期値設定が行われるため、検査基準の設定について不慣れなユーザーであっても、検査システムを運用することが可能になる。
また、前記良品基準算出手段は、前記はんだ接合部の前記部品側基準面と前記基板側基準面との間の所定位置を境として、前記電子部品側と前記部品実装基板側、それぞれの前記第1良品基準を算出し、
前記第1プロファイル画像作成手段は、前記はんだ接合部の前記電子部品側の輪郭形状に対しては前記電子部品側の前記第1良品基準を示し、前記はんだ接合部の前記部品実装基板側の輪郭形状に対しては前記部品実装基板側の前記第1良品基準を示す、前記第1プロファイル画像を作成する、ものであってもよい。
BGAのようなパッケージ底面にはんだ接合用のメタルバンプが形成された電子部品の場合、良品であってもボール中心面を境に基板側と部品側とで、計測値(水平断層の面積、長径)の傾向が異なる。このため、上記のような構成によれば、基板側と部品側それぞれの良品基準の精度を高くすることができ、ユーザーは当該精度のよい良品基準と検査対象箇所のはんだの輪郭形状との関係を容易に確認することが可能になる。
また、前記確認用画像作成手段は、
前記三次元データにおける、前記はんだ接合部における前記電子部品側の基準となる水平断層位置である部品側基準面と、前記部品実装基板側の基準となる水平断層位置である基板側基準面と、を特定する基準面特定手段と、
前記部品側基準面と前記基板側基準面との間における、前記三次元データを構成する各水平断層のはんだの長径と重心位置とを算出する、水平断層はんだ長径算出手段と、
前記各水平断層のはんだの前記長径の半値と前記重心位置とに基づいて、前記観察面における前記はんだの輪郭形状を示す第2プロファイル画像を作成する第2プロファイル画像作成手段と、を備え、
前記確認用画像には、前記第2プロファイル画像が含まれるものであってもよい。
BGAのようなパッケージ底面にはんだ接合用のメタルバンプが形成された電子部品において、部品側のはんだと基板側のはんだとの接合部分が横ずれする不良(いわゆる「まくら不良」)が生じた場合、水平断層画像におけるはんだの面積と重心位置と用いる方法では、ユーザー所望の観察面のはんだの輪郭形状を正しく示すことができない。この点、上記のような構成であれば、まくら不良のような不良品であっても、ユーザーは検査対象箇所のはんだの輪郭形状を容易に確認することができる。
また、前記検査システムは良品である前記部品実装基板の一以上の前記はんだ接合部を撮像したX線画像に基づいて作成された一以上の良品三次元データに基づいて、前記はんだの各水平断層における長径に係る良品基準である第2良品基準を算出する第2良品基準算出手段をさらに有しており、
前記第2プロファイル画像作成手段は、前記はんだの輪郭形状と前記第2良品基準とを示す前記第2プロファイル画像を作成するものであってもよい。
また、前記第2良品基準算出手段は、前記一以上の良品三次元データに基づいて、前記はんだの各水平断層における長径の良品としての上限を示す第2上限近似曲線及び下限を示す第2下限近似曲線を算出し、
前記第2プロファイル画像作成手段は、前記第2上限近似曲線に基づいて作成される第2上限プロファイル及び前記第2下限近似曲線に基づいて作成される第2下限プロファイルの少なくともいずれかと、前記はんだの輪郭形状とを重畳して示す前記第2プロファイル画像を作成する、ものであってもよい。
また、前記検査システムは前記部品実装基板における前記はんだ接合部の良否判定に係る検査基準を記憶する記憶手段と、
前記一以上の良品三次元データに基づいて、前記良品の前記はんだの各水平断層における長径の平均値による近似曲線と、前記第2上限近似曲線との一致率である第2上限側一致率及び前記第2下限近似曲線との一致率である第2下限側一致率、を算出する第2検査基準初期値算出手段と、
前記第2上限側一致率及び前記第2下限側一致率を、それぞれ前記検査基準の少なくとも一部として設定する、第2検査基準設定手段と、を有するものであってもよい。
また、前記第2良品基準算出手段は、前記はんだ接合部の前記部品側基準面と前記基板側基準面との間の所定位置を境として、前記電子部品側と前記部品実装基板側、それぞれの前記第2良品基準を算出し、
前記プロファイル画像作成手段は、前記はんだ接合部の前記電子部品側の輪郭形状に対しては前記電子部品側の前記第2良品基準を示し、前記はんだ接合部の前記部品実装基板側の輪郭形状に対しては前記部品実装基板側の前記第2良品基準を示す、前記第2プロファイル画像を作成するものであってもよい。
また、前記検査システムは、前記部品側基準面と前記基板側基準面との間における、前記三次元データを構成する前記各水平断層のはんだの真円度を算出する水平断層はんだ真円度算出手段と、
前記各水平断層位置を一方の軸とし、前記真円度を他方の軸とした二次元グラフエリアに、前記真円度をプロットした真円度プロファイルを表示する第3プロファイル画像を作成する、第3プロファイル画像作成手段と、をさらに有していてもよい。
また、前記検査システムは、良品である前記部品実装基板の一以上の前記はんだ接合部を撮像したX線画像に基づいて作成された一以上の良品三次元データに基づいて、前記はんだの各水平断層における真円度の良品としての上限を示す第3上限近似曲線及び下限を示す第3下限近似曲線を算出する第3良品基準算出手段と、
前記部品実装基板における前記はんだ接合部の良否判定に係る検査基準を記憶する記憶手段と、
前記一以上の良品三次元データに基づいて、前記良品の前記はんだの各水平断層における面積及び長径の平均値から算出される前記真円度の平均値による近似曲線と、前記第3上限近似曲線との一致率である第3上限側一致率及び、前記第3下限近似曲線との一致率である第3下限側一致率、を算出する第3検査基準初期値算出手段と、
前記第3上限側一致率及び前記第3下限側一致率を、それぞれ前記検査基準の少なくとも一部として設定する、第3検査基準設定手段と、をさらに有するものであってもよい。
まくら不良はその形状の特徴から、良否判定基準として真円度が用いられることが一般的となっている。このため、上記のような構成とすることで、ユーザーはまくら不良に対応する現実的な検査基準と、当該検査基準に応じた検査対象箇所のプロファイル(各水平断層における真円度を示すプロファイル)を容易に確認することが可能になる。即ち、まくら不良の場合の良否判定の結果の妥当性をより容易に確認することが可能になる。なお、第3上限近似曲線は前記の第1及び第2上限近似曲線に基づいて、第3下限近似曲線は前記の第1及び第2上限近似曲線に基づいて求めるようにしてもよい。
また、前記確認用画像作成手段は、前記三次元データの前記部品側基準面と前記基板側基準面との間における各水平断層画像に二値化処理を施し、当該二値化処理した結果をユーザー所望の観察面の奥行方向に投影した垂直投影画像を作成する、垂直投影画像作成手段をさらに備え、前記確認用画像には、前記垂直投影画像作成手段が含まれていてもよい。このような構成であれば、ユーザーは検査対象箇所のユーザー所望の観察方向から見たはんだ形状を二値化画像で確認することができる。
また、前記検査システムは、前記部品実装基板における前記はんだ接合部の良否判定に係る検査基準を取得する検査基準取得手段をさらに有しており、
前記確認用画像作成手段は、前記二次元形状について、前記検査基準に照らして不良と判定される箇所が存在する場合には、当該不良と判定される箇所を強調表示して示すものであってもよい。
このような構成であれば、検査対象箇所の形状が検査基準を満たすものでない場合には、ユーザーは当該検査基準を満たさない箇所を容易かつ明確に確認することが可能になる。
また、前記確認用画像作成手段は、前記はんだ接合部全体のはんだの形状を示す第1の前記確認用画像の他、前記電子部品側の前記はんだの形状のみを示す第2の前記確認用画像と、前記はんだ接合部の前記部品実装基板側の前記はんだの形状のみを示す第3の前記確認用画像と、前記第2の前記確認用画像及び前記第3の前記確認用画像を同時に示す第4の前記確認用画像とを作成し、前記表示手段は、前記第1から第4のいずれかの前記確認用画像を含む画面を表示するものであってもよい。なお、ここでいう、前記電子部品側、前記部品実装基板側、とは、例えば、前記部品側基準面と前記基板側基準面との間の所定位置を境として定義することができる。このような構成であると、はんだ接合部の部品側と基板側とで個別の確認用画像を作成し、ユーザー所望の部分のみを示すことも可能になる。
また、本発明は、前記三次元データ作成手段と前記確認用画像作成手段とを備え、前記の検査システムの少なくとも一部を構成する、検査用情報処理端末、としても捉えることができる。
また、本発明は、コンピュータを前記の検査用情報処理端末として機能させるためのプ
ログラム、そのようなプログラムを非一時的に記録したコンピュータ読取可能な記録媒体として捉えることもできる。
なお、上記構成及び処理の各々は技術的な矛盾が生じない限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
本発明によれば、パッケージ底面にはんだ接合用のメタルバンプが形成された電子部品が実装された基板について、ユーザーが検査対象箇所の状態を容易に確認できる技術を提供することができる。
図1は、本発明の適用例に係るX線検査装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、本発明の適用例に係るX線検査装置における確認用画像表示処理の流れを示すフローチャートである。 図3は、実施形態1に係るX線検査システムの概略構成を示すブロック図である。 図4は、実施形態1において検査対象となるはんだ接合部について説明する図である。 図5Aは、実施形態1に係るX線検査システムにおいて表示される確認用画像の一例を示す第1の図である。図5Bは、実施形態1に係るX線検査システムにおいて表示される確認用画像の一例を示す第2の図である。図5Cは、実施形態1に係るX線検査システムにおいて表示される確認用画像の一例を示す第3の図である。 図6は、実施形態1に係るX線検査システムにおける確認用画像表示処理の流れを示すフローチャートである。 図7は、実施形態2に係るX線検査システムの概略構成を示すブロック図である。 図8は、実施形態2において、良品の三次元形状データに基づいて良品基準を算出する処理を説明する図である。 図9Aは、実施形態2に係るX線検査システムにおいて表示される確認用画像の一例を示す第1の図である。図9Bは、実施形態2に係るX線検査システムにおいて表示される確認用画像の一例を示す第2の図である。 図10Aは、実施形態2において、良品の三次元形状データに基づいて良品基準を算出する他の処理の例を示す図である。図10Bは、実施形態2に係るX線検査システムにおいて表示される確認用画像の一例を示す第3の図である。図10Cは、実施形態2に係るX線検査システムにおいて表示される確認用画像の一例を示す第4の図である。 図11は、実施形態2に係るX線検査システムにおいて行われる処理の一部の流れを示すフローチャートである。 図12は、実施形態2に係るX線検査システムにおける確認用画像表示処理の流れを示すフローチャートである。 図13は、実施形態3に係るX線検査システムの概略構成を示すブロック図である。 図14は、実施形態3に係るX線検査システムにおいて行われる処理の一部の流れを示すフローチャートである。 図15は、実施形態4に係るX線検査システムの概略構成を示すブロック図である。 図16Aは、実施形態4において検査対象となるはんだ接合部について説明する図である。図16Bは、実施形態4に係るX線検査システムにおいて表示される確認用画像の一例を示す図である。 図17は、本発明が対象とする部品のはんだ接合部の状態と従来技術による確認用画像の対応関係を示す説明図である。
<適用例>
(適用例の構成)
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。本発明は、例えば、BGAなどのパッケージ底面にはんだ接合用のメタルバンプが形成された電子部品が実装された部品実装基板をX線撮影し、当該撮影画像に基づいて当該部品実装基板を検査するための、X線検査装置として適用することができる。図1は本適用例に係るX線検査装置9の概略構成を示す模式図である。X線検査装置9は概略、制御端末91と、X線源92、X線カメラ93とを有する撮影部94とを含んで構成される。なお、以下の実施形態の説明において、座標系を取り扱う際には、鉛直方向をZ軸とし、水平方向のうち奥行きを示す方向をY軸、水平方向のうちY軸と直角に交わる方向をX軸として説明を行う。また、Z軸については下方向が+方向、Y軸については手前方向が+方向、X軸については右方向が+方向(いわゆる画像座標系)として説明を行う。
制御端末91は、例えば汎用のコンピュータなどによって構成されることができ、駆動制御部911、記憶部912、三次元データ作成部913、検査部914、画像作成部915、表示部916の各機能部を備えている。
X線源92は図示しない搬送ローラによって搬送される部品実装基板OにX線を照射し、X線カメラ93は部品実装基板Oを透過したX線を撮影する。X線源92はXステージ921およびYステージ922によって移動可能であり、X線カメラ93はXステージ931およびYステージ932によって移動可能である。X線源92およびX線カメラ93はこれらのステージによってそれぞれ円軌道C1、C2を移動し、軌道上の複数の位置で撮影が行われる。
駆動制御部911は、X線検査装置9を構成する各部の駆動を制御する。これにより、X線検査装置9は、部品実装基板O、X線源92、X線カメラ93の相対位置を変化させて、複数の撮影位置から部品実装基板Oを撮影する。
記憶部912には、少なくとも部品実装基板Oに係る情報(例えば、実装される部品の種類、形状、寸法など)、閾値などの検査基準に係る情報、が記憶されている。また、検査装置を制御するためのプログラム、後述するユーザー確認用画像作成のためのデータなどが格納されていてもよい。
三次元データ作成部913は、上記のようにして撮影された複数のX線画像から、部品実装基板O(或いはその一部である検査対象箇所)の三次元データを作成する。当該データの作成(構築)方法については、CT(Computed Tomography)やトモシンセシスなどの公知技術を適用可能であるため、詳細な説明は省略する。また、検査部914は、作成された三次元データと記憶部912に記憶されている検査基準とを比較することによって、部品実装基板Oの良不良を判定する検査を実行する。
画像作成部915は、三次元データ作成部913が作成した三次元データを用いて、部品実装基板Oにおける検査対象箇所の形状を、所定の方向(例えば、部品実装基板のXZ平面を正面とする方向)から観察した場合の二次元形状として示すユーザー確認用画像を作成する。また、表示部916は、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置を含んで構成され、画像作成部915が作成したユーザー確認用画像を表示する。
(処理の流れ)
本適用例におけるX線検査装置9が行う上記の処理の手順を図2に示す。まず、X線検査装置9は、部品実装基板Oを複数の異なる位置からX線撮影し、複数のX線画像データを取得する(S901)。次に、X線検査装置9は、ステップS901で取得した複数のX線画像データから、部品実装基板Oの三次元データを作成する(S902)。
X線検査装置9は、続けて、ステップS902で作成した三次元データに基づいて、部品実装基板Oの検査を行う(S903)。具体的には、例えば、予め記憶部912に保持されている、部品実装基板Oの形状に係る検査基準(閾値)と、三次元データとを比較することにより、部品実装基板Oの良否を判定する。また、当該判定結果を表示部916において表示するようにしてもよい。
X線検査装置9は、さらに、ステップS902で作成した三次元データを用いて、後述するユーザー確認用画像を作成するための前処理を実施する(S904)。具体的には、例えば、三次元データから画像作成対象箇所の部品側の基準となる水平断層位置である部品側基準面と、基板側の基準となる水平断層位置である基板側基準面とを特定する。そして、部品側基準面と基板側基準面との間における各水平断層のはんだの面積と重心位置とを算出する。
そして、X線検査装置9は、ステップS904の処理に基づいて、部品実装基板Oにおける所望の検査対象箇所のはんだ形状をユーザー所望の方向から観察した場合の二次元形状として示すユーザー確認用画像を作成する(S905)。具体的には、例えば、対象箇所のユーザー所望の観察方向から見た場合のはんだの輪郭形状を示すプロファイル画像を作成する。
そして、X線検査装置9は、ステップS905で作成した画像を、表示部916に表示し(ステップS906)、一連の処理を終了する。なお、表示部916への表示は、所定の検査対象箇所の画像を自動的に表示するのであってもよいし、ユーザーからの指示入力を待ったうえで、指示に従った画像を表示するのであってもよい。また、ステップS903の検査結果と共に、ユーザー確認用画像を表示するようにしてもよい。
本適用例に係るこのようなX線検査装置9によれば、BGAなどのパッケージ底面にはんだ接合用のメタルバンプが形成された電子部品が実装された基板について、ユーザーが検査対象箇所の状態を容易に確認することができる。これにより、X線検査装置において、検査結果の良否の判断、検査基準の設定、修正などを容易に行うことが可能になる。
<実施形態1>
次に、図3から図6に基づいて、本発明を実施するための形態のさらに詳細な例について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(システム構成)
図3は、本実施形態に係る、X線検査システム1の機能構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係るX線検査システム1は、X線撮影装置11と検査端末12と、データサーバ13とを含んで構成されており、BGAなどのパッケージ底面にはんだ付け用のメタルバンプが形成された部品実装基板の検査に用いられる検査システムである。X線撮影装置11と検査端末12とデータサーバ13とは図示しない通信手段により相互に通信可能に接続されている。
X線撮影装置11は、X線源111、X線カメラ112、及び、基板を保持するステージ113、及びこれらを制御する制御部(図示せず)を備えており、これらの各構成が相対的に移動することによって、基板の異なる位置(及び向き)のX線画像を撮影できるようになっている。X線撮影装置11については所望の公知技術を採用することができるため、X線源111、X線カメラ112及びステージ113などの詳細な説明は省略する。
検査端末12は、図示しないが、例えばCPUやDSP等のプロセッサ、記憶手段、キーボードやマウス等の入力手段、液晶ディスプレイ等の出力手段、を備える汎用コンピュータとすることができる。なお、検査端末12は、単一のコンピュータで構成されてもよいし、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
なお、上記記憶手段は、例えば、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の主記憶部と、EPROM、ハードディスクドライブ(HDD)、リムーバブルメディア等の補助記憶部とを含んでいる。記憶手段の補助記憶部には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム等が格納され、該プログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて検査端末12が制御されることによって、後述するような、所定の目的を果たす機能部を実現することができる。なお、一部又は全部の機能部はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
データサーバ13は、(検査内容に応じた)X線撮影装置11における撮影条件、検査対象基板に係る情報(例えば、部品の種類、形状、寸法など)、検査項目や閾値などの検査条件に係る情報、などが記憶されるとともに、後述するように検査端末12において生成される保存データが記憶される領域が設けられている。なお、検査端末12を制御するためのプログラムがデータサーバ13に格納されていてもよい。
(検査端末の機能部について)
次に、検査端末12が備える各機能部について説明する。検査端末12は、入出力に係る機能部として、例えばキーボードやマウスなどの入力手段を含む入力部121と、例えば液晶ディスプレイなどの出力手段を含む出力部122を備えている。また、三次元データ作成部123、検査部124、確認用画像作成部125を備えている。
三次元データ作成部123は、X線撮影装置11から取得した検査対象基板の複数のX線画像に基づいて、検査対象箇所の三次元形状のデータ(以下、単に三次元データともいう。)を作成する。なお、X線画像のデータは、X線撮影装置11から直接画像データを取得してもよいし、X線撮影装置11から一旦データサーバ13に送信され、データサーバ13において保存されているデータを取得するのであってもよい。
検査部124は、データサーバ13から検査基準を含む検査情報を取得し、作成された三次元データと検査基準とを比較することにより、検査対象基板の良不良を判定する検査を実行する。
(確認用画像作成部について)
確認用画像作成部125は、三次元データ作成部123が作成した三次元データを用いて、検査対象における検査対象箇所のはんだ形状をユーザー所望の方向から観察した場合の二次元形状として示す、確認用画像を作成する。そして、確認用画像作成部125は当該画像を作成するため、さらに、基準面特定部1251、面積重心位置算出部1252、輪郭形状画像作成部1253、垂直投影画像作成部1254、の各機能部を備えている。
基準面特定部1251は、上述の三次元データにおける、はんだ接合部(以下、ランドともいう)における部品側の基準となる水平断層位置である部品側基準面と、基板側の基準となる水平断層位置である基板側基準面と、を特定する。具体的には、まず三次元データにおいて(はんだの)ボール中心面となる水平断層位置を探索する。ボール中心面は、例えば、検査対象箇所のランドの水平断層画像について、最も輝度のバラツキ(輝度分散)が大きくなる水平断層位置とすることができる。図4に、検査対象となるはんだ接合部における、ボール中心面、部品側基準面、基板側基準面の対応関係を説明する図を示す。
次に、特定したボール中心面となる水平断層位置から、三次元形状データの+Z方向に対して走査を行い、基板接合面となる水平断層位置を探索する。具体的には、例えば、基板上の所定の領域の配線パターンを(所定の特徴量などで)検出するようにし、当該配線パターンが最も多く検出された水平断層位置を、基板接合面とすればよい。そして、探索された基板接合面から-Z方向に所定分オフセットされた水平断層位置を、基板側基準面(基板側のはんだ接合面)として特定する。なお、オフセットする値は、パッド厚などの基板設計情報に基づいて予め設定しておくことができる。
さらに、ボール中心面となる水平断層位置から、-Z方向に対して部品接合面となる水平断層位置を探索する。探索は上記の基板接合面と同様に行うことができる。そして、探索された部品接合面から+Z方向に所定分オフセットされた水平断層位置を、部品側基準面(部品側のはんだ接合面)として特定する。
面積重心位置算出部1252は、三次元データにおける、基板側基準面と部品側基準面との間の範囲における各水平断層画像に二値化処理を施すとともに、各水平断層におけるはんだの面積と重心位置を算出する。なお、以下では特に限定しない限り「各水平断層」とは、基板側基準面と部品側基準面との間の範囲における各水平断層、のことを指す。二値化方法は判別分析法などの適宜の公知技術を採用することができる。
輪郭形状画像作成部1253は、算出された各水平断層のはんだ面積と重心位置に基づいて、ユーザー所望の観察面におけるはんだの輪郭形状を示す輪郭形状(プロファイル)画像を作成する。ここで、作成される輪郭形状画像は、ボール中心面から部品側基準面までのはんだ部分のみを示す部品側輪郭形状画像と、ボール中心面から基板側基準面までのはんだ部分のみを示す基板側輪郭形状画像とに分割表示可能となっている。
垂直投影画像作成部1254は、各水平断層の二値化画像をユーザー所望の観察面の奥行方向に投影処理を行った垂直投影画像を作成する。投影方法は例えば、最大値投影(最も輝度の高い画素を投影)とすることができる。ここで、作成される垂直投影画像は、ボール中心面から部品側基準面までのはんだ部分のみを示す部品側垂直投影画像と、ボール中心面から基板側基準面までのはんだ部分のみを示す基板側垂直投影画像とに分割表示可能となっている。
図5Aから5Cの各図に、輪郭形状画像と垂直投影画像の一例を示す。左側が垂直投影画像であり、右側が輪郭形状画像である。図5Aは、一のはんだ接合部における、基板側基準面と部品側基準面との間の範囲全体のはんだの二次元形状を示す輪郭形状画像と垂直投影画像の一例を示している。なお、輪郭形状画像の横軸は、ランド半径に対する面積から算出された半径(=√(面積/π))の割合(%)を示している。重心位置を基準にして左右のプロット位置を決定し、これを各水平断層(縦軸)においてプロットしたものが輪郭を示すラインとなる。図5Bは、部品側輪郭形状画像と部品側垂直投影画像の一例を示し、図5Cは基板側輪郭形状画像と基板側垂直投影画像の一例を示している。
確認用画像作成部125は、これらの輪郭形状画像と垂直投影画像を含む確認用画像を
作成する。そして、入力部121を介してユーザーから確認用画像の表示指示があった場合には、出力部122としての液晶ディスプレイに確認用画像が表示される。
(確認用画像表示処理の流れ)
次に、図6を参照して、本実施形態において、検査対象である基板のX線画像撮影から確認用画像を表示するまでの処理の流れを説明する。まず、X線撮影装置11によって基板のX線画像が撮影される(S101)。そして、三次元データ作成部123が複数のX線画像から基板の(或いは検査対象箇所の)三次元データを作成する(S102)。
次に、ユーザーは入力部121を介して、基板における部品のはんだ接合部のうち、確認用画像を表示させたいランドを設定する(S103)。なお、設定するランドの数は一つに限らず、複数のランドを設定することもできる。そして、確認用画像作成部125が、設定された全てのランドに対して、以下で説明するループL1の処理を実行する。
ループL1では、まず、基準面特定部1251が、ステップS102で作成された三次元データから、ボール中心面を特定し(S104)、基板側基準面及び部品側基準面を特定する(S105、S106)。なお、ステップS105とステップS106の処理は順番が前後しても構わない。そして、面積重心位置算出部1252が、基板側基準面と部品側基準面との間の範囲における各水平断層画像に対して、次のループL2の処理を行う。具体的には範囲内の各水平断層画像に対して二値化処理を施すとともに、各水平断層におけるはんだの面積と重心位置を算出する(S107)。そして、全ての水平断層におけるはんだの面積と重心位置が算出されるとループL2の処理は終了し、ループL2で算出された情報に基づいて確認用画像作成部125が確認用画像を作成する(S108)。そして、ステップS104からステップS108までの処理を設定された全てのランド分行うとループL1が終了する。なお、作成された確認用画像の情報は、確認用画像作成部125によりデータサーバ13に保存されるようにしておくとよい。また、ステップS104からステップS108の各処理の詳細については、上記の機能部についての説明の際に説明済みであるため、省略する。
上記のループL1の処理が終了後、任意のタイミングでユーザーが入力部121を介して、ステップS103で設定したランドの中から、任意のランドを選択すると(S109)、出力部122は、指定されたランドに対してループL1で作成した確認用画像を液晶ディスプレイなどの表示デバイスに表示させる処理を実行し(S110)、一旦、本ルーティンを終了する。
上記したようなX線検査システム1によると、BGAなどのパッケージ底面にはんだ接合用のメタルバンプが形成された電子部品が実装された基板の検査対象箇所について、所望の方向から見た場合のおおよその輪郭形状を、二次元情報として視認することが可能になる。このため、部品実装基板のX線検査において、検査結果の妥当性を容易に判断することが可能になる。また、これを踏まえて検査基準の設定を行うことが可能になる。
<実施形態2>
(システムの概要)
続けて、本発明に係る他の実施形態であるX線検査システム2について、図7から図12に基づいて説明する。本実施形態に係るX線検査システム2は、上述のX線検査システム1と多くの構成を共通にしているため、同様の構成及び機能については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図7は、本実施形態に係るX線検査システム2の機能構成を示す概略ブロック図である。図7に示すように、本実施形態に係るX線検査システム2は、検査端末22の機能部と
して良品基準算出部221が備わっている他は、X線検査システム1と同様の構成を有している。また、X線検査システム2では、輪郭形状画像作成部222及び垂直投影画像作成部223が作成する各画像がX線検査システム1のものとは異なる。
(良品基準の算出)
良品基準算出部221は、良品の部品実装基板を撮像したX線画像に基づいて作成される良品の三次元データから、検査対象箇所のはんだについての良品基準を算出する。以下では、良品基準算出の具体的な処理について、図8を参照しながら行う。図8は、良品の三次元形状データに基づいて良品基準を算出する処理を説明する図である。
良品基準算出部221は、まず、良品三次元データの一つ以上のランド(例えば、15のランド)に対して、ランド毎の基板側基準面から部品側基準面の間の範囲の各水平断層のはんだ面積を算出する処理を行う。即ち、良品の部品実装基板(の一以上のランド)に対して、上述のステップS101からステップS107の処理を実行する。そして、算出したランド毎の各断層の面積を、対応する断層位置にプロットする(図8中央のグラフエリア参照)。さらに、プロットされた面積の平均値と標準偏差を各断層で算出し、断層位置と面積の関係を示す2本の近似曲線を算出する(図8右側のグラフエリア参照)。
2本の近似曲線はそれぞれ、例えばS=A×Z+B×Z+Cの関数により算出される曲線であり、一方は良品として収まる上限の基準を示す上限近似曲線、他方は良品として収まる下限の基準を示す下限近似曲線である。ここで、Sはグラフの横軸の値であり、Zは縦軸の値である。上限近似曲線は、各水平断層における一つ以上のランドの面積の値(即ちS)を「面積の平均値+n×標準偏差」として、下限近似曲線は、各水平断層における一つ以上のランドの面積の値(即ちS)を「面積の平均値-n×標準偏差」として算出することができる。nはバラツキの幅を調整する値であり、任意の値を設定することができるが、例えばn=3とすることができる。
そして、良品基準算出部221は算出された上限近似曲線と下限近似曲線に基づいて各断層位置における、良品と判定される上限と下限の面積を算出する。当該上限、下限の面積が良品基準に相当する。
なお、上記において、良品基準を算出する際に選択する一つ以上のランドは、同じ計測条件が設定されているランドでグループ化することが望ましい。BGAのようなパッケージ底面にはんだ接合用のメタルバンプが形成された電子部品は、複数のメタルバンプを格子状に配列させる実装が主流であり、部品サイズが大きくなりやすい傾向にある。そのため、視野位置によるX線照射角度の変化の影響を受けやすく、同じ部品内であっても、視野位置によって、メタルバンプのはんだ接合状態の見え方が異なる場合が多い。そのような場合にはランド毎に異なる計測条件を設定するのが一般的であり、同じ計測条件を持つランドグループを集計対象とすることで、上述の近似曲線算出の精度を向上させることができる。
また、BGAのような大きな部品は、基板反りの影響を受けやすいため、同じ部品内であっても、視野位置によって基板側基準面となる断層位置が異なることがある。このため、上記式におけるZ(即ち、断層位置)は、基板側基準面からの相対位置とすることが望ましい。
(確認用画像の作成)
本実施形態における輪郭形状画像作成部222は、検査対象箇所のはんだの輪郭形状に、良品基準算出部221が算出した良品基準をプロットした良品基準プロファイルを重畳して示す輪郭形状画像を作成する。図9A及び図9Bに本実施形態に係る確認用画像の一
例を示す。
図9Aは、垂直投影画像と上限側の良品基準プロファイルが重畳表示された輪郭形状画像を示す図であり、図9Bは、垂直投影画像と下限側の良品基準プロファイルが重畳表示された輪郭形状画像を示す図である。なお、良品基準プロファイルを重畳表示する場合には、各断層位置において、検査対象箇所の輪郭形状を示すプロファイル値と、良品基準プロファイル値の大小関係を比較し、良品基準を満たさない部位を、輪郭形状画像と垂直投影画像のそれぞれで強調表示することができる。図9Bに示す例では、検査対象箇所のはんだ形状の一部が、下限側の良品基準よりも小さい面積となっている(即ち、下限基準を逸脱し、良品基準を満たさない)ため、当該部位については強調表示が行われている。
なお、良品基準算出部221は、ボール中心面から部品側基準面までのはんだ部分(以下、単に部品側はんだ、ともいう)と、ボール中心面から基板側基準面までのはんだ部分(以下、単に基板側はんだ、ともいう)とで、別々に良品基準を算出してもよい。図10Aに、部品側はんだと基板側はんだとで別々に良品基準を算出する際の近似曲線の一例を示す。また、図10Bは、部品側輪郭形状画像に部品側はんだの良品基準プロファイルを重畳した場合の、部品側垂直投影画像及び部品側輪郭形状画像の例を示す図である。また、図10Cは、基板側輪郭形状画像に基板側はんだの良品基準プロファイルを重畳した場合の、基板側垂直投影画像及び基板側輪郭形状画像の例を示す図である。
(処理の流れ)
次に、図11及び図12を参照して、本実施形態において、良品の基板に基づいて良品基準を算出する処理(以下では、学習段階などともいう)の流れと、検査時(以下では検査段階などともいう)において良品基準を反映させた確認用画像を表示するまでの処理の流れを説明する。
図11は、本実施形態の学習段階の処理の流れを示すフローチャートである。図11に示すように、学習段階では、まずX線撮影装置11によって良品基板のX線画像が撮影される(S201)。そして、三次元データ作成部123が複数のX線画像から基板の良品三次元データを作成する(S202)。
次に、良品基準算出部221が、良品基準を算出する全てのランドグループ(例えば、予めユーザーにより設定される)に対して、以下で説明するループL3の処理を実行する。具体的には、同一の計測条件が設定されているランドグループ毎に、該ランドグループ内の全てのランドに対して、以下で説明するループL4の処理を実行する。ループL4では、まず、ステップS202で作成された三次元データから、ボール中心面を特定し(S203)、基板側基準面及び部品側基準面を特定する(S204、S205)。なお、ステップS204とステップS205の処理は順番が前後しても構わない。続けて、良品基準算出部221は、基板側基準面と部品側基準面との間の範囲における各水平断層画像に対して、次のループL5の処理を行う。具体的には範囲内の各水平断層画像に対して二値化処理を施すとともに、各水平断層におけるはんだの面積と重心位置を算出する(S206)。
良品基準算出部221は、全ての水平断層におけるはんだの面積と重心位置が算出されるとループL5の処理を終了する。そして、全てのランドに対してループL4の処理を終えると、良品基準算出部221は、ループL4およびループL5で算出された情報に基づいて、上限近似曲線及び下限近似曲線を算出する(S207)。そして、全てのランドグループについて、ステップS207の処理(即ち、上限近似曲線及び下限近似曲線の算出)が終了すると、ループL3の処理を終了し、学習段階の一連のルーティンを終了する。なお、ステップS207で作成された近似曲線(或いはさらにそこから算出される良品基
準プロファイル)の情報は、データサーバ13に保存されるようにしておくとよい。また、上記のステップS203からステップS206で実行される処理については、基準面特定部1251及び面積重心位置算出部1252の行う処理と同様である。
次に、図12に基づいて、本実施形態における検査段階の処理の流れについて説明する。ただし、本実施形態における検査段階の処理の流れは、実施形態1に係るX線検査システム1での処理とほぼ同様であるため、X線検査システム1と同様の処理については同一の符号を付し、説明を省略する。図12に示すように、本実施形態における検査段階の処理の流れは、X線検査システム1での処理と比べて、ステップS109とステップS110の間にステップS301の処理が含まれている点のみが異なっている。即ち、ループL1の処理が終了し、S109でユーザーが任意のタイミングで確認用画像を表示させたいランドを選択した後に、確認用画像作成部125は、良品基準プロファイルを重畳表示した輪郭形状画像を含む確認用画像を作成する(S301)。この際、検査対象箇所のはんだにおいて良品基準を逸脱している部位がある場合には、当該部位を強調表示した輪郭形状画像及び垂直投影画像が作成される。そして、ステップS110において作成された確認用画像を表示する。
以上のような、本実施形態に係るX線検査システム2によれば、輪郭形状画像に、良品基板に基づいて学習を行った良品基準のプロファイルを重畳表示し、良品基準を満たさないはんだの部位に当たる断層を強調表示することができる。これにより、BGAのようにパッケージ底面にメタルバンプが形成されるような部品であっても、ユーザーは良品と不良品の輪郭形状の差異を容易に確認することができる。
<実施形態3>
続けて、さらに他の実施形態であるX線検査システム3について、図13、図14に基づいて説明する。本実施形態に係るX線検査システム3は、上述のX線検査システム2と多くの構成及び処理を共通にしているため、同様の構成、機能及び処理については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図13は、本実施形態に係るX線検査システム3の機能構成を示す概略ブロック図である。図13に示すように、本実施形態に係るX線検査システム3は、検査基準値算出部321及び、検査基準設定部322の機能部を備える他は、X線検査システム2と同様の機能構成となっている。
検査基準値算出部321は、良品基準算出部221が算出した上限近似曲線及び下限近似曲線と、良品三次元データのランド毎の各水平断層の面積の平均値による近似曲線との一致率を算出する。良品三次元データのランド毎の各水平断層の面積平均値は、良品基準算出部221が算出するのであってもよいし、検査基準値算出部321が算出するのであってもよい。なお、本実施形態においては、上限近似曲線と良品三次元データのランド毎の各水平断層の面積の平均値との一致率を上側一致率と称する。また、下限近似曲線と良品三次元データのランド毎の各水平断層の面積の平均値との一致率を下側一致率と称する。
そして、検査基準設定部322は、検査基準値算出部321が算出した上側一致率と下側一致率を、それぞれ当該部品(の当該ランド)の検査基準として設定する。具体的にはデータサーバ13に格納される検査基準の値として、算出された上側一致率及び下側一致率の値を保存(初期登録)する、或いは既にある検査基準に上書きする。
一般に一致率という評価指標は、内部の情報処理(アルゴリズム)に依存する値であり、物理的な値ではないため、ユーザーが一致率を検査に運用するのは、比較的困難であり
、特に初期設定時に適切な検査基準値を決定することは容易ではない。一方、ユーザーが(良品の)バラツキ幅を定める倍数をもとに統計的に良否判定することは、一般的によく使用される方法である。この点、上側一致率、下側一致率の算出に用いられる上下限近似曲線は、上述のように標準偏差の倍数nを用いてバラツキの幅が調整される。即ち、ユーザーが学習段階でnの値を設定しておくことで、学習後には検査基準値算出部321が上下限一致率を算出したうえで、これを検査基準設定部322が検査基準値として設定するため、一致率のように、ユーザーにとって運用が困難な検査基準であっても、検査基準値を容易に設定することができる。
(処理の流れ)
次に、図14に基づいて、本実施形態における学習段階の処理の流れについて説明する。ただし、本実施形態における学習段階の処理の流れは、実施形態2に係るX線検査システム2での処理とほぼ同様であるため、X線検査システム2と同様の処理については同一の符号を付し、説明を省略する。図14に示すように、本実施形態における学習段階の処理の流れは、X線検査システム2での処理と比べて、ステップS401とステップS402の処理が加わった点のみが異なっている。なお、当該処理の追加に伴い、図14では、ループL3に相当するループ処理をループL6としている。
本実施形態の学習段階での処理の流れは、一連のループL4の処理が終了すると、S207で上下限近似曲線が算出された後、検査基準値算出部321が、上側一致率及び下側一致率を算出する(S401)。そして、検査基準設定部322が、上側一致率と下側一致率をそれぞれ当該部品の検査基準として設定して(S402)、ループL6の処理を終え、学習段階の処理の一連のルーティンを終了する。
以上のような、本実施形態に係るX線検査システム3によれば、検査基準設定部が自動的に検査基準を設定するため、検査基準の設定について不慣れなユーザーであっても、検査システムを運用することができる。また、一旦検査基準が設定された後は、基板検査のオペレーションを通じて、設定された検査基準を微調整していけばよいため、より適切な検査基準をユーザーの手により設定することもできる。
<実施形態4>
続けて、さらに他の実施形態であるX線検査システム4について説明する。上記の各実施形態では、はんだの輪郭形状画像を作成するために、三次元データの各水平断層の面積(と重心位置)を用いていた。また、検査基準についても、各水平断層の面積の値を対象としたものとなっていた。しかしながら、部品の実装時に部品側のはんだと基板側のはんだとが横ずれしてしまう不良(いわゆる「まくら不良」)のような場合には、上記の各実施形態では、はんだの輪郭形状をユーザー所望の観察方向から見た二次元形状として適切に示すことができない。本実施形態に係るX線検査システム4は、このようなまくら不良が存在する場合にも対応可能な構成となっている。
図15は、X線検査システム4の機能構成を示す概略ブロック図である。図15に示すように、本実施形態に係るX線検査システム4は、上述のX線検査システム3と多くの構成及び処理を共通にしているため、同様の構成、機能及び処理については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
X線検査システム4は、X線検査システム3と比べ、良品真円度算出部424の機能部をさらに備えている。また、良品基準算出部421と検査基準値算出部422、検査基準設定部423、確認用画像作成部425の機能も、X線検査システム3のものと少し異なっている。確認用画像作成部425は、基準面特定部1251、長径重心位置算出部4252、輪郭形状画像作成部4253、垂直投影画像作成部1254に加えて、真円度算出
部4255、真円度画像作成部4256を備えている。
X線検査システム4の基準面特定部1251の機能は他の実施形態のX線検査システムものと同様であるが、基準面特定部1251が特定した基準面によって特定される範囲の三次元データに対して、長径重心位置算出部4252が行う処理が、他の実施形態のX線検査システムとは異なっている。具体的には、他の実施形態のX線検査システムの面積重心位置算出部1252が、各水平断層におけるはんだの面積と重心位置を算出するものであったのに対して、長径重心位置算出部4252は、基板側基準面と部品側基準面との間の範囲における各水平断層画像に二値化処理を施すとともに、各水平断層におけるはんだの「長径」と重心位置を算出する。ここで、長径は例えば、二値化結果を楕円近似した時の長軸の長さとすることができる。
そして、輪郭形状画像作成部4253は、算出された各水平断層のはんだの「長径の半値」と重心位置とに基づいて、ユーザー所望の観察面におけるはんだの輪郭形状を示す輪郭形状画像を作成する。このように作成された輪郭形状画像であれば、まくら不良のはんだ接合部であっても適切な輪郭形状を示すことができる。
また、垂直投影画像作成部1254は、長径重心位置算出部4252によって処理された各水平断層の二値化画像をユーザー所望の観察面の奥行方向に投影処理を行った垂直投影画像を作成する。
また、真円度算出部4255は、各水平断層におけるはんだの真円度を算出する。具体的には真円度は、4×面積÷(π×長径)の式によって算出される。そして、真円度画像作成部4256は、各水平断層の位置を一方の軸とし、真円度を他方の軸とした二次元グラフエリアに算出された真円度をプロットした曲線を示す、真円度画像を作成する。
図16A及び、図16Bに、本実施形態における輪郭形状画像、垂直投影画像、真円度画像の例を示す。図16Aは、まくら不良がある場合のはんだ接合部のイメージを示しており、図16Bは当該はんだ接合部を対象とした、輪郭形状画像、垂直投影画像、真円度画像の例である。図16Bに示すように、真円度画像は横軸が各水平断層の位置(基板側基準面からの相対位置)、縦軸が真円度(%)、となっている。また、本実施形態における輪郭形状画像の横軸は、ランド半径に対する長径の半値の割合(%)を示しており、各水平断層の重心位置を基準に、左右のプロット位置が決定される。なお、図16Bに示す各画像は、はんだ接合部の基板側基準面と部品側基準面との間全体を示すものであるが、本実施形態における各画像も、はんだ接合部の部品側と基板側とを分割して表示可能となっている。
良品基準算出部421は、良品の部品実装基板を撮像したX線画像に基づいて作成される良品の三次元データから、検査対象箇所のはんだについての一の良品基準を算出する。ここで、基準の算出の際に用いるパラメータが、各水平断層のはんだ「面積」ではなく、「長径」である点を除けば、良品基準算出部421は他の実施形態における良品基準算出部221と同様の機能部であるため、詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態における輪郭形状画像作成部4253は、検査対象箇所のはんだの輪郭形状に、良品基準算出部421が算出した良品基準をプロットした良品基準プロファイルを重畳して示す輪郭形状画像を作成する(図16B参照)。また、良品基準プロファイルを重畳表示する場合には、各断層位置において、検査対象箇所の輪郭形状を示すプロファイル値と、良品基準プロファイル値の大小関係を比較し、良品基準を満たさない部位を強調表示することができる。
良品真円度算出部424は、良品の部品実装基板を撮像したX線画像に基づいて作成される良品の三次元データから、検査対象箇所のはんだについての他の良品基準である良品真円度を算出する。また、良品真円度算出部424は、はんだの各水平断層における真円度の良品としての上限を示す真円度上限近似曲線及び下限を示す真円度下限近似曲線を算出する。
真円度画像作成部4256は、はんだの水平断層位置を一方の軸とし、真円度を他方の軸とした二次元グラフエリアに、検査対象箇所のはんだの真円度をプロットした、真円度画像を作成する。また、真円度画像には、良品真円度算出部424が算出した良品真円度をプロットした良品真円度プロファイルを重畳して示してもよい。
また、良品真円度プロファイルを重畳表示する場合には、各断層位置において、検査対象箇所の真円度を示すプロファイル値と、良品真円度プロファイル値を比較し、良品としての基準を満たさない部位を、真円度画像と垂直投影画像のそれぞれで強調表示することができる(図16B参照)。まくら不良についてはその形状の特徴から、良否判定基準として真円度を使用することが一般的であるため、真円度の基準を満たさない場合に、垂直投影画像にも強調表示を行うことが望ましい。
検査基準値算出部422は、良品真円度算出部424が算出した真円度上限近似曲線及び下限を示す真円度下限近似曲線と、良品三次元データのランド毎の各水平断層の面積及び長径から算出される真円度の平均値による近似曲線との各一致率(本実施形態における上側一致率及び下側一致率)を算出する。良品三次元データのランド毎の各水平断層の真円度平均値は、良品真円度算出部424が算出するのであってもよいし、検査基準値算出部422が算出するのであってもよい。即ち、検査基準値算出部422も、用いるパラメータが面積でなく真円度である点を除けば、X線検査システム3における検査基準値算出部321と同様の機能部であるため、詳細な説明は省略する。
検査基準設定部は、検査基準値算出部422が算出した上側一致率と下側一致率を、それぞれ当該部品(の当該ランド)の検査基準として設定する。また、これに替えて或いはこれに加えて良品基準算出部421が算出した上限側近似曲線及び下限側近似曲線を検査基準として設定してもよい。
本実施形態に係るX線検査システム4によれば、まくら不良のような不良品であっても、ユーザーは良品と不良品の輪郭形状の差異を容易に確認することができる。
<その他>
上記各実施形態は、本発明を例示的に説明するものに過ぎず、本発明は上記の具体的な形態には限定されない。本発明はその技術的思想の範囲内で種々の変形及び組み合わせが可能である。例えば、上記の各実施形態では、検査端末が表示手段を備える構成であったが、検査端末には表示手段を備えず、有線又は無線方式により通信接続される別体の表示手段に確認用画像を含む画面を表示させるようになっていてもよい。
また、上記実施形態4の確認用画像作成部425が、さらに面積重心位置算出部1252を備えるようにしてもよい。即ち面積に関する良品基準、長径に関する良品基準、真円度に関する良品基準をそれぞれ算出し、各良品基準に係る近似曲線を確認用画像に表示可能な構成としてもよい。
また、上記の各実施形態では、確認用画像はいずれも垂直投影画像を含むものであったが、確認用画像は必ずしも垂直投影画像を含むものでなくても構わない。即ち、垂直投影画像作成部を備えないX線検査システムであってもよい。
また、上記各実施形態のデータサーバの少なくとも一部を検査端末が備える記憶手段としてもよい。また、逆に、上記各例において、X線検査システムは一体の装置、即ちCT装置とコンソールが一体となったものとして提供されてもよい。また、上記各例において、ステップS102からステップS109までの間のいずれかのタイミングで、基板の検査(良否判定)が実行されてもよく、ステップS110で表示される確認用画面に、当該検査結果を合わせて表示するようにしてもよい。
<付記>
電子部品が表面実装された部品実装基板の検査システム(1)であって、
前記電子部品は、パッケージ底面に前記部品実装基板とのはんだ接合用のメタルバンプが形成されたものであり、
前記部品実装基板に対してX線を照射するX線発生手段(111)と、
前記部品実装基板を透過したX線を撮影するX線撮影手段(112)と、
前記X線撮影手段によって撮影された複数のX線画像の情報を用いて、少なくとも前記部品実装基板と前記電子部品とのはんだ接合部を含む領域の三次元データを作成する、三次元データ作成手段(123)と、
前記三次元データを用いて、前記はんだ接合部のはんだの形状をユーザー所望の観察面の二次元形状として示す確認用画像を作成する、確認用画像作成手段(125)と、
前記確認用画像作成手段が作成した画像を表示する表示手段(122)と、を有する、検査システム。
1、2、3、4・・・X線検査システム
9・・・X線検査装置
11・・・X線撮影装置
12、22、32、42・・・検査端末
13・・・データサーバ
111、92・・・X線源
112、93・・・X線カメラ
113・・・ステージ
125、425・・・確認用画像作成部
921、931・・・Xステージ
922、932・・・Yステージ
C1、C2・・・円軌道
O・・・部品実装基板

Claims (18)

  1. 電子部品が表面実装された部品実装基板の検査システムであって、
    前記電子部品は、パッケージ底面に前記部品実装基板とのはんだ接合用のメタルバンプが形成されたものであり、
    前記部品実装基板に対してX線を照射するX線発生手段と、
    前記部品実装基板を透過したX線を撮影するX線撮影手段と、
    前記X線撮影手段によって撮影された複数のX線画像の情報を用いて、少なくとも前記部品実装基板と前記電子部品とのはんだ接合部を含む領域の三次元データを作成する、三次元データ作成手段と、
    前記三次元データを用いて、前記はんだ接合部のはんだの形状をユーザー所望の観察面の二次元形状として示す確認用画像を作成する、確認用画像作成手段と、
    前記確認用画像作成手段が作成した前記確認用画像を含む画面を表示する表示手段と、を有する、検査システム。
  2. 前記確認用画像作成手段は、
    前記三次元データにおける、前記はんだ接合部における前記電子部品側の基準となる水平断層位置である部品側基準面と、前記部品実装基板側の基準となる水平断層位置である基板側基準面と、を特定する基準面特定手段と、
    前記部品側基準面と前記基板側基準面との間における、前記三次元データを構成する各水平断層のはんだの面積と重心位置とを算出する、水平断層はんだ面積算出手段と、
    算出された前記各水平断層のはんだの面積と重心位置とに基づいて、前記観察面における前記はんだの輪郭形状を示す第1プロファイル画像を作成する第1プロファイル画像作成手段と、を備え、
    前記確認用画像には、前記第1プロファイル画像が含まれる、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の検査システム。
  3. 良品である前記部品実装基板の一以上の前記はんだ接合部を撮像したX線画像に基づいて作成された一以上の良品三次元データに基づいて、前記はんだの各水平断層における面積に係る良品基準である第1良品基準を算出する第1良品基準算出手段をさらに有しており、
    前記第1プロファイル画像作成手段は、前記はんだの輪郭形状と前記良品基準とを示す前記第1プロファイル画像を作成する、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の検査システム。
  4. 前記第1良品基準算出手段は、前記一以上の良品三次元データに基づいて、前記はんだの各水平断層における面積の良品としての上限を示す第1上限近似曲線及び下限を示す第1下限近似曲線を算出し、
    前記第1プロファイル画像作成手段は、前記第1上限近似曲線に基づいて作成される第1上限プロファイル及び前記第1下限近似曲線に基づいて作成される第1下限プロファイルの少なくともいずれかと、前記はんだの輪郭形状とを重畳して示す前記第1プロファイル画像を作成する、
    ことを特徴とする、請求項3に記載の検査システム。
  5. 前記部品実装基板における前記はんだ接合部の良否判定に係る検査基準を記憶する記憶手段と、
    前記一以上の良品三次元データに基づいて、前記良品の前記はんだの各水平断層における面積の平均値による近似曲線と、前記第1上限近似曲線との一致率である第1上限側一致率及び前記第1下限近似曲線との一致率である第1下限側一致率、を算出する第1検査基準初期値算出手段と、
    前記第1上限側一致率及び前記第1下限側一致率を、それぞれ前記検査基準の少なくとも一部として設定する、第1検査基準設定手段と、を有する、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の検査システム。
  6. 前記第1良品基準算出手段は、前記はんだ接合部の前記部品側基準面と前記基板側基準面との間の所定位置を境として、前記電子部品側と前記部品実装基板側、それぞれの前記第1良品基準を算出し、
    前記第1プロファイル画像作成手段は、前記はんだ接合部の前記電子部品側の輪郭形状に対しては前記電子部品側の前記第1良品基準を示し、前記はんだ接合部の前記部品実装基板側の輪郭形状に対しては前記部品実装基板側の前記第1良品基準を示す、前記第1プロファイル画像を作成する、
    ことを特徴とする、請求項3から5のいずれか一項に記載の検査システム。
  7. 前記確認用画像作成手段は、
    前記三次元データにおける、前記はんだ接合部における前記電子部品側の基準となる水平断層位置である部品側基準面と、前記部品実装基板側の基準となる水平断層位置である基板側基準面と、を特定する基準面特定手段と、
    前記部品側基準面と前記基板側基準面との間における、前記三次元データを構成する各水平断層のはんだの長径と重心位置とを算出する、水平断層はんだ長径算出手段と、
    前記各水平断層のはんだの前記長径の半値と前記重心位置とに基づいて、前記観察面における前記はんだの輪郭形状を示す第2プロファイル画像を作成する第2プロファイル画像作成手段と、を備え、
    前記確認用画像には、前記第2プロファイル画像が含まれる、
    ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の検査システム。
  8. 良品である前記部品実装基板の一以上の前記はんだ接合部を撮像したX線画像に基づいて作成された一以上の良品三次元データに基づいて、前記はんだの各水平断層における長径に係る良品基準である第2良品基準を算出する第2良品基準算出手段をさらに有しており、
    前記第2プロファイル画像作成手段は、前記はんだの輪郭形状と前記第2良品基準とを示す前記第2プロファイル画像を作成する、
    ことを特徴とする、請求項7に記載の検査システム。
  9. 前記第2良品基準算出手段は、前記一以上の良品三次元データに基づいて、前記はんだの各水平断層における長径の良品としての上限を示す第2上限近似曲線及び下限を示す第2下限近似曲線を算出し、
    前記第2プロファイル画像作成手段は、前記第2上限近似曲線に基づいて作成される第2上限プロファイル及び前記第2下限近似曲線に基づいて作成される第2下限プロファイルの少なくともいずれかと、前記はんだの輪郭形状とを重畳して示す前記第2プロファイル画像を作成する、
    ことを特徴とする、請求項8に記載の検査システム。
  10. 前記部品実装基板における前記はんだ接合部の良否判定に係る検査基準を記憶する記憶手段と、
    前記一以上の良品三次元データに基づいて、前記良品の前記はんだの各水平断層における長径の平均値による近似曲線と、前記第2上限近似曲線との一致率である第2上限側一致率及び前記第2下限近似曲線との一致率である第2下限側一致率、を算出する第2検査基準初期値算出手段と、
    前記第2上限側一致率及び前記第2下限側一致率を、それぞれ前記検査基準の少なくとも一部として設定する、第2検査基準設定手段と、を有する、
    ことを特徴とする、請求項9に記載の検査システム。
  11. 前記第2良品基準算出手段は、前記はんだ接合部の前記部品側基準面と前記基板側基準面との間の所定位置を境として、前記電子部品側と前記部品実装基板側、それぞれの前記第2良品基準を算出し、
    前記第2プロファイル画像作成手段は、前記はんだ接合部の前記電子部品側の輪郭形状に対しては前記電子部品側の前記第2良品基準を示し、前記はんだ接合部の前記部品実装基板側の輪郭形状に対しては前記部品実装基板側の前記第2良品基準を示す、前記第2プロファイル画像を作成する、
    ことを特徴とする、請求項8から10のいずれか一項に記載の検査システム。
  12. 前記部品側基準面と前記基板側基準面との間における、前記三次元データを構成する各水平断層のはんだの真円度を算出する水平断層はんだ真円度算出手段と、
    前記各水平断層位置を一方の軸とし、前記真円度を他方の軸とした二次元グラフエリアに、前記真円度をプロットした真円度プロファイルを表示する第3プロファイル画像を作成する第3プロファイル画像作成手段と、をさらに有する
    ことを特徴とする、請求項7から11のいずれか一項に記載の検査システム。
  13. 良品である前記部品実装基板の一以上の前記はんだ接合部を撮像したX線画像に基づいて作成された一以上の良品三次元データに基づいて、前記はんだの各水平断層における真円度の良品としての上限を示す第3上限近似曲線及び下限を示す第3下限近似曲線を算出する第3良品基準算出手段と、
    前記部品実装基板における前記はんだ接合部の良否判定に係る検査基準を記憶する記憶手段と、
    前記一以上の良品三次元データに基づいて、前記良品の前記はんだの各水平断層における面積及び長径の平均値から算出される前記真円度の平均値による近似曲線と、前記第3上限近似曲線との一致率である第3上限側一致率及び、前記第3下限近似曲線との一致率である第3下限側一致率、を算出する第3検査基準初期値算出手段と、
    前記第3上限側一致率及び前記第3下限側一致率を、それぞれ前記検査基準の少なくとも一部として設定する、第3検査基準設定手段と、をさらに有する、
    ことを特徴とする、請求項12に記載の検査システム。
  14. 前記確認用画像作成手段は、
    前記三次元データの前記部品側基準面と前記基板側基準面との間における各水平断層画像に二値化処理を施し、当該二値化処理した結果をユーザー所望の観察面の奥行方向に投影した垂直投影画像を作成する、垂直投影画像作成手段をさらに備え、
    前記確認用画像には、前記垂直投影画像作成手段が含まれる、
    ことを特徴とする、請求項2から13のいずれか一項に記載の検査システム。
  15. 前記部品実装基板における前記はんだ接合部の良否判定に係る検査基準を取得する検査基準取得手段をさらに有しており、
    前記確認用画像作成手段は、前記二次元形状について、前記検査基準に照らして不良と判定される箇所が存在する場合には、当該不良と判定される箇所を強調表示して示す、
    ことを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の検査システム。
  16. 前記確認用画像作成手段は、前記はんだ接合部全体のはんだの形状を示す第1の前記確認用画像の他、前記はんだ接合部の前記電子部品側の前記はんだの形状のみを示す第2の前記確認用画像と、前記はんだ接合部の前記部品実装基板側の前記はんだの形状のみを示す第3の前記確認用画像と、前記第2の前記確認用画像及び前記第3の前記確認用画像を同時に示す第4の前記確認用画像とを作成し、
    前記表示手段は、前記第1から第4のいずれかの前記確認用画像を含む画面を表示する、
    ことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の検査システム。
  17. 前記三次元データ作成手段と前記確認用画像作成手段とを備え、請求項1から16のいずれか一項に記載の検査システムの少なくとも一部を構成する、検査用情報処理端末。
  18. コンピュータを、請求項17に記載の検査用情報処理端末として機能させるためのプログラム。
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