JP2023112042A - カチオン交換クロマトグラフィーを使用した三重軽鎖抗体の分離 - Google Patents

カチオン交換クロマトグラフィーを使用した三重軽鎖抗体の分離 Download PDF

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Abstract

【課題】カチオン交換クロマトグラフィーを使用した三重軽鎖抗体の分離の提供。【解決手段】三重軽鎖(H2L3)抗体(例えば、抗CD123 H2L3抗体)またはその抗原結合断片を、H2L3抗体またはその抗原結合断片及び二重軽鎖(H2L2)抗体(例えば、抗CD123 H2L2)またはその抗原結合断片を含む抗体組成物から分離する方法が提供される。本発明は、三重軽鎖(H2L3)抗体を二重軽鎖(H2L2)抗体から分離するための効果的な精製方法の開発に関する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年9月22日出願の米国仮出願第62/562,188号(参照により本明細書に組み込まれる)の優先権を主張する。
電子的に提出された配列表への言及
電子的に提出された配列表(名称:2921_097PC01_ST25;サイズ:15,736バイト;及び作成日:2018年9月21日)の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の分野は、概して、三重軽鎖(H2L3)抗体(例えば、抗CD123 H2L3抗体)またはその抗原結合断片を、H2L3抗体またはその抗原結合断片及び二重軽鎖(H2L2)抗体(例えば、抗CD123 H2L2)またはその抗原結合断片を含む抗体組成物から分離する方法に関する。
反応性システイン残基で操作された組換え抗体、すなわち、「システイン操作抗体」は、関心の薬物に共有結合的にコンジュゲートされて、標的治療を創出することができる。そのようなシステイン操作抗体を発現するように安定してトランスフェクトされた哺乳類細胞が三重軽鎖(H2L3)抗体として知られる高分子量種も分泌することが研究で示された(Gomez et al.,Biotechnol Bioeng.105(4):748-60(2010))。H2L3システイン修飾抗体は、余分な軽鎖とH2L2システイン修飾抗体上の操作されたシステイン残基のうちの1つとの間のジスルフィド結合形成の産物である。細胞培養物中のH2L3システイン修飾抗体のレベルは、細胞株及び培養条件に関係している。細胞培養条件は、H2L3形成を最小限に抑えるために修正することができる(例えば、細胞培養中に温度シフトを用いることにより)が、影響は細胞株に大きく依存する(Gomez et al.,Biotechnol Prof.26(5):1438-45(2010))。
単量体種との類似性により、H2L3抗体の分離は、モノクローナルH2L2システイン修飾抗体の下流精製中の課題となる。1つの特定の研究では、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)が、システイン操作されていないモノクローナル抗体の精製において、H2L3レベルを約3%から0.5%に低減することが分かった(Wollacott et al.,mAbs 5(6):925-935(2013))。同じ研究において、カチオン交換クロマトグラフィーを使用して、H2L3抗体を除去しようと試みた。しかしながら、修正した条件下でも、このプロセスは、試験した細胞株すべてにおいてH2L3のパーセンテージを1%未満に低下させるのに十分ではなかった。著者らは、カチオン交換クロマトグラフィーにおける静電作用がH2L3抗体を除去するのに十分に強くないと結論付けた。よって、最も一貫した抗体産物(例えば、治療用抗体及びそのような抗体を含有するイムノコンジュゲートのための)を達成するために、抗体精製中にH2L3種をより効果的に分離する必要性が存在する。
Gomez et al.,Biotechnol Bioeng.105(4):748-60(2010) Gomez et al.,Biotechnol Prof.26(5):1438-45(2010) Wollacott et al.,mAbs 5(6):925-935(2013)
本発明は、三重軽鎖(H2L3)抗体を二重軽鎖(H2L2)抗体から分離するための効果的な精製方法の開発に関する。本方法は、カチオン交換樹脂が主に電荷に基づいてタンパク質を分離するという事実を利用する。本明細書に提供されるように、樹脂のpHが関心の抗体のpHよりも低い場合(例えば、3.8~6.5)、H2L3及びH2L2の両方を含むすべての抗体種はカチオン交換樹脂に結合する。高pH及び/または低塩濃度の溶出組成物を使用して抗体をカチオン交換樹脂から溶出する場合、H2L3種は、H2L2種の主ピークの溶出後の後の画分で溶出するだけでなく、所望のH2L2種を含有する初期の画分でも溶出する。しかしながら、本明細書で示されるように、より低いpH及びより高い塩濃度の使用によるカチオン交換樹脂を最適化することにより、H2L3種の大半またはすべてをH2L2種の主ピークの溶出後の後の画分で溶出させることができる。最適化したPOROS(商標)XS強カチオン交換クロマトグラフィーを使用して、抗体組成物中のH2L3抗体の量を11%から1%未満に低減することができ、この低減レベルは様々な細胞株において再現性がある。
いくつかの実施形態では、H2L3抗体またはその抗原結合断片を、H2L3抗体またはその抗原結合断片及びH2L2抗体またはその抗原結合断片を含む抗体組成物から分離する方法は、(i)H2L3抗体またはその抗原結合断片及びH2L2抗体またはその抗原結合断片がカチオン交換樹脂に結合するように、抗体組成物をこの樹脂に接触させることと、(ii)約3.8~約5.0のpHの溶出組成物をカチオン交換樹脂に接触させることと、(iii)樹脂から溶出したH2L2組成物を収集することと、を含む。
いくつかの実施形態では、H2L3抗体またはその抗原結合断片を、H2L3抗体またはその抗原結合断片及びH2L2抗体またはその抗原結合断片を含む抗体組成物から分離する方法は、(i)H2L3抗体またはその抗原結合断片及びH2L2抗体またはその抗原結合断片がカチオン交換樹脂に結合するように、抗体組成物をこの樹脂に接触させることと、(ii)約300mM~約600mMの塩濃度の溶出組成物をカチオン交換樹脂に接触させることと、(iii)樹脂から溶出したH2L2組成物を収集することと、を含む。
いくつかの実施形態では、抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片を、抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片及び抗CD123 H2L2抗体またはその抗原結合断片を含む抗CD123抗体組成物から分離する方法は、(i)抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片及び抗CD123 H2L2抗体またはその抗原結合断片がカチオン交換樹脂に結合するように、抗CD123抗体組成物をこの樹脂に接触させることと、(ii)約3.8~約5.5のpHの溶出組成物をカチオン交換樹脂に接触させることと、(iii)樹脂から溶出した抗CD123 H2L2組成物を収集することと、を含み、抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片及び抗CD123 H2L2抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ、配列番号5~7の可変重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、それぞれ、配列番号8~10の可変軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、を含む。
いくつかの実施形態では、抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片を、抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片及び抗CD123 H2L2抗体またはその抗原結合断片を含む抗CD123抗体組成物から分離する方法は、(i)抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片及び抗CD123 H2L2抗体またはその抗原結合断片がカチオン交換樹脂に結合するように、抗CD123抗体組成物をこの樹脂に接触させることと、(ii)約300mM~約600mMの塩濃度の溶出組成物をカチオン交換樹脂に接触させることと、(iii)樹脂から溶出した抗CD123 H2L2組成物を収集することと、を含み、抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片及び抗CD123 H2L2抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ、配列番号5~7の可変重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、それぞれ、配列番号8~10の可変軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、を含む。
いくつかの実施形態では、H2L2組成物中の抗体またはその抗原結合断片の2%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、H2L2組成物中の抗体またはその抗原結合断片の1%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、H2L2組成物中の抗体またはその抗原結合断片の0.5%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である。
いくつかの実施形態では、H2L2組成物中の抗体またはその抗原結合断片の少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%が、H2L2抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、H2L2組成物は、カチオン交換樹脂に接触させらされた抗体組成物中に25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む。
いくつかの実施形態では、H2L2組成物は、1~9のカラム体積から選択される1つ以上の溶出されたカラム体積を含む。いくつかの実施形態では、H2L2組成物は、1~4の溶出されたカラム体積を含む。いくつかの実施形態では、カチオン交換樹脂は、架橋ポリ(スチレンジビニルベンゼン)を含む。いくつかの実施形態では、カチオン交換樹脂は、スフロプロピル(-CHCHCHSO-)表面官能性を有する。いくつかの実施形態では、カチオン交換樹脂の粒径は、約50μmである。いくつかの実施形態では、カチオン交換樹脂は、二峰性孔径分布を有する。いくつかの実施形態では、二峰性孔径分布は、直径約500nMの細孔及び直径約22nMの細孔を含む。いくつかの実施形態では、カチオン交換樹脂は、POROS(商標)Strong Cation Exchange Resin XSである。
いくつかの実施形態では、溶出組成物は、塩を含む。いくつかの実施形態では、溶出組成物中の塩は、塩化物塩である。いくつかの実施形態では、塩化物塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、または塩化マグネシウムである。いくつかの実施形態では、溶出組成物中の塩濃度は、約100mM~約600mM、約300mM~約500mM、または約350mM~約450mMである。いくつかの実施形態では、溶出組成物中の塩濃度は、約300mM~約500mMまたは約350mM~約450mMである。いくつかの実施形態では、溶出組成物中の塩濃度は、約400mMである。いくつかの実施形態では、溶出組成物は、約3.8~約6.5のpHを有する。いくつかの実施形態では、溶出組成物は、約3.8~約5.0のpHを有する。いくつかの実施形態では、溶出組成物は、約4.2のpHを有する。
いくつかの実施形態では、本方法は、平衡組成物をカチオン交換樹脂に接触させた後に、抗体組成物をカチオン交換樹脂に接触させることを含む。いくつかの実施形態では、平衡組成物は、酢酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、平衡組成物中の酢酸ナトリウム濃度は、約10mM~150mMである。いくつかの実施形態では、平衡組成物中の酢酸ナトリウム濃度は、約50mMである。いくつかの実施形態では、平衡組成物は、約3.8~約6.5のpHを有する。いくつかの実施形態では、平衡組成物は、約4.2のpHを有する。
いくつかの実施形態では、抗体組成物は、約10~約100g/Lのタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、抗体組成物は、約30g/L~約50g/Lまたは約35g/L~約45g/Lのタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、抗体組成物は、約40g/Lのタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、抗体組成物は、約3.8~約6.5のpHを有する。いくつかの実施形態では、抗体組成物は、約4.2のpHを有する。
いくつかの実施形態では、抗体組成物中の抗体またはその抗原結合断片の約1%~約20%が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、抗体組成物中の抗体またはその抗原結合断片の約1%~約15%、または約5%~約15%、または約3%~約12%、または約10%~約15%が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、H2L2組成物は、カチオン交換樹脂に接触させた抗体組成物中に少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、または少なくとも55%のH2L2抗体またはその抗原結合断片を含む。
いくつかの実施形態では、抗体組成物は、システイン操作抗体またはその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、システイン操作抗体またはその抗原結合断片は、EU/OU番付位置442に操作されたシステイン残基を含む。いくつかの実施形態では、抗体組成物は、抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗体組成物は、抗体の抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、抗体組成物は、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、単鎖FvもしくはscFv、ジスルフィド連結Fv、V-NARドメイン、IgNar、イントラボディ、IgGΔCH2、ミニボディ、F(ab’)、テトラボディ、トリアボディ、ダイアボディ、単一ドメイン抗体、DVD-Ig、Fcab、mAb、(scFv)、またはscFv-Fcを含む。いくつかの実施形態では、抗体組成物は、CHO細胞株から産生された抗体またはその抗原結合断片を含む。
いくつかの実施形態では、H2L2組成物中のH2L2抗体またはその抗原結合断片を細胞毒にコンジュゲートして、イムノコンジュゲート組成物を形成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート組成物は、本明細書に記載される方法により産生される。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート組成物は、2%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート組成物は、1%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート組成物は、0.5%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む。
いくつかの実施形態では、H2L2組成物は、本明細書に記載される方法により産生される。2%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、請求項46に記載のH2L2組成物。いくつかの実施形態では、H2L2組成物は、1%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、H2L2組成物は、0.5%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む。
いくつかの実施形態では、(i)カチオン交換樹脂は、架橋ポリ(スチレンジビニルベンゼン)、スフロプロピル(-CHCHCHSO-)表面官能性、約50μmの粒径、ならびに直径約500nMの細孔及び直径約22nMの細孔を含む二峰性孔径分布を有し、(ii)溶出組成物は、約300~600mMの塩化物塩、及び約3.8~約5.0のpHを含み、(iii)抗体組成物は、約10~約100g/Lのタンパク質を含み、抗体組成物中の抗体またはその抗原結合断片の約10%~約15%は、H2L3抗体またはその抗原結合断片であり、(iv)H2L2組成物は、1~9のカラム体積から選択される1つ以上の溶出されたカラム体積を含み、(v)H2L2組成物中の抗体またはその抗原結合断片の2%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である。
いくつかの実施形態では、(i)カチオン交換樹脂は、架橋ポリ(スチレンジビニルベンゼン)、スフロプロピル(-CHCHCHSO-)表面官能性、約50μmの粒径、ならびに直径約500nMの細孔及び直径約22nMの細孔を含む二峰性孔径分布を有し、(ii)溶出組成物は、約400mM NaCl、及び約4.2のpHを含み、(iii)抗体組成物は、約30~約50g/Lのタンパク質を含み、抗体組成物中の抗体またはその抗原結合断片の約10%~約15%は、H2L3抗体またはその抗原結合断片であり、(iv)H2L2組成物は、1~4の溶出されたカラム体積を含み、(v)H2L2組成物中の抗体またはその抗原結合断片の1%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である。
いくつかの実施形態では、組成物は、抗CD123抗体またはその抗原結合断片を含み、抗CD123抗体またはその抗原結合断片の1%未満が、H2L3抗体またはその抗原結合断片であり、抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ、配列番号5~7の可変重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、それぞれ、配列番号8~10の可変軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、を含む。いくつかの実施形態では、抗CD123抗体は、配列番号1の可変重鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2の可変軽鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、システイン操作されている。いくつかの実施形態では、抗CD123抗体は、配列番号3の重鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD123抗体は、配列番号4の軽鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD123抗体またはその抗原結合断片の0.5%未満が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である。
いくつかの実施形態では、組成物は、抗CD123イムノコンジュゲートを含み、イムノコンジュゲートは、DGN549-Cに連結された抗CD123抗体またはその抗原結合断片を含み、抗CD123抗体またはその抗原結合断片の1%未満が、H2L3抗体またはその抗原結合断片であり、抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ、配列番号5~7の可変重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、それぞれ、配列番号8~10の可変軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、を含む。いくつかの実施形態では、抗CD123抗体は、配列番号1の可変重鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2の可変軽鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、システイン操作されている。いくつかの実施形態では、抗CD123抗体は、配列番号3の重鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD123抗体は、配列番号4の軽鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは次の構造を有する:
いくつかの実施形態では、抗CD123抗体またはその抗原結合断片の0.5%未満が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である。
プロテインA精製後のシステイン操作モノクローナル抗体(CysmAb)のサイズ排除超高速液体クロマトグラフィー(SEC-UPLC)のクロマトグラムを示す。示されるピークは、CysmAb単量体、凝集体、三重軽鎖抗体(H2L3)、及び低分子量(LMW)種を表す。クロマトグラムのy軸は、吸光度の強度の尺度(AU(またはAbsorbance Unit)の単位)である。x軸は、時間単位(分)であり、各ピークの保持時間を決定するために使用される。 異なるバイオリアクター産生バッチ(A、B、C、D、E、F、G、及びH)における凝集体(暗灰色の棒)及びH2L3(薄灰色の棒)抗体のパーセンテージを示す。バッチA及びBの凝集体及びH2L3抗体は細胞株Aで産生された。バッチC及びDの凝集体及びH2L3抗体は細胞株Bで産生された。バッチE、F、G、及びHの凝集体及びH2L3抗体は細胞株Cで産生された。 様々な塩濃度(100mM、95mM、90mM、または85mMのリン酸カリウム緩衝液)下でのセラミックヒドロキシアパタイト(CHT)精製後の溶出物中のH2L3抗体のパーセンテージを示す。充填H2L3%(暗灰色の棒)、溶出物H2L3%(薄灰色の棒)。 凝集体及びH2L3種の溶出プロファイルにオーバーレイしたシステイン操作mAb種の溶出プロファイルを示す。画分収率%(黒線)、凝集体%(薄灰色の棒)、及びH2L3%(暗灰色の棒)は、画分1~10(F1~F10)(x軸)の各々について測定された。 異なる溶出pHの溶出プールにおけるH2L3のパーセンテージを示す。高pH(実線、黒丸)、中pH(点線、白丸)、低pH(破線、黒丸)、開始H2L3(黒の直線)。 様々なNaCl濃度(420mM、410mM、400mM、390mM、及び380mM)及び収集体積(CV1~3、CV1~4、CV1~5、及び7CV以下)の溶出物におけるH2L3のパーセンテージを示す。開始H2L3(黒の直線)。 CysmAbの精製についての統計上の望ましさ分析に基づくPOROS(商標)XSカチオン交換クロマトグラフィーの最終溶出条件を示す。 図8Aは、IMGN632の化学構造を示す。IMGN632は、亜硫酸水素ナトリウム中の細胞毒性ペイロードDGN549-Cに連結された抗CD123 G4723抗体を含有するイムノコンジュゲートを含む組成物である。組成物中の大半のイムノコンジュゲートは、図8Aに示されるスルホン化型である。図8Bは、IMGN632組成物中にも存在し得る細胞毒性ペイロードDGN549-C(モノ-イミン構造)に連結された抗CD123 G4723抗体を含有するイムノコンジュゲートの非スルホン化形態を示す。
本発明は、H2L3抗体(例えば、抗CD123 H2L3抗体)またはその抗原結合断片を、H2L3抗体またはその抗原結合断片及びH2L2抗体(例えば、抗CD123抗体)またはその抗原結合断片を含む抗体組成物から分離する方法を提供する。
I.定義
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語及び語句を以下に定義する。
「カチオン交換樹脂」は、負に帯電しており、固相を通るまたは通過する水溶液中のカチオンと交換するための遊離カチオンを有する固相を指す。例えば、カルボキシレート、スルホネート、及びその他の、カチオン交換樹脂を形成するのに適した固相に結合された任意の負に帯電したリガンドを使用することができる。市販のカチオン交換樹脂としては、限定されないが、例えば、スルホネートベースの基、スルホエチルベースの基、スルホプロピルベースの基、スルホイソブチルベース、スルホキシエチルベースの基、カルボキシメチルベースの基、スルホン酸及びカルボン酸ベースの基、カルボン酸ベースの基、スルホン酸ベースの基、ならびにオルトホスフェートベースの基を有するものが挙げられる。本明細書に提供されるように、タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合断片)は、カチオン交換樹脂の負に帯電した基とタンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合断片)上の正に帯電した基との間の相互作用に基づいて分離され得る。
「溶出」という用語及びその文法的変形は、関心のタンパク質が樹脂に結合することができず、したがって、樹脂(例えば、クロマトグラフィーカラム)から溶出されるように、適切な条件を使用すること、例えば、樹脂(例えば、クロマトグラフィー材料)の周囲の緩衝液のイオン強度もしくはpHを変更することにより、分子の疎水性を変更することにより、またはリガンドの化学性質(例えば、電荷)を変化させることにより、樹脂(例えば、クロマトグラフィー材料)からの分子、例えば、関心のポリペプチドの除去を指す。「溶出物」という用語は、溶出がカラムに適用されたとき、関心のポリペプチドを含有する樹脂(例えば、カラム)からの流出物を指す。関心のポリペプチドの溶出後、樹脂(例えば、カラム)は、必要に応じて、再生、消毒、及び保管される。
「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原認識部位を介して、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、または前述の組み合わせなどの標的を認識し、特異的に結合する免疫グロブリン分子を意味する。本明細書で使用される「抗体」という用語は、抗体が所望の生物活性を示す限り、無傷のポリクローナル抗体、無傷のモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体を含む融合タンパク質、及び任意の他の修飾免疫グロブリン分子を包含する。抗体は、免疫グロブリンの5つの主要クラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM、またはそのサブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)のうちのいずれかであり得、それぞれアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、及びミューと称されるそれらの重鎖定常ドメインの同一性に基づく。免疫グロブリンの異なるクラスは、異なる及び周知のサブユニット構造ならびに三次元配置を有する。抗体は、ネイキッドであり得るか、または毒素、放射性同位体などの他の分子にコンジュゲートされ得る。
「抗体断片」という用語は、カチオン交換樹脂に結合するのに十分な正の電荷を有する無傷の抗体の一部を指す。「抗原結合断片」という用語は、抗原に結合し、カチオン交換樹脂に結合するのに十分な正の電荷を有する無傷の抗体の一部を指す。抗原結合断片は、無傷の抗体の抗原決定可変領域を含有することができる。抗体断片の例には、限定されないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片、直鎖状抗体、ならびに単鎖抗体が含まれる。
「三重軽鎖」もしくは「H2L3」抗体または抗原結合断片という用語は、2つの重鎖またはその断片及び3つの軽鎖またはその断片を含有する抗体またはその抗原結合断片を指す。
「二重軽鎖」もしくは「H2L2」抗体または抗原結合断片という用語は、2つの重鎖またはその断片及び2つの軽鎖またはその断片を含有する抗体またはその抗原結合断片を指す。
「抗体組成物」という用語は、抗体またはその抗原結合断片を含む組成物を指す。抗体組成物は、細胞培養において(例えば、CHO細胞から)産生され、プロテインAカラムを使用して精製され、任意選択でアニオン交換カラムを使用してさらに精製された抗体及び他の構成成分を含み得る。抗体またはその抗原結合断片に加えて、抗体組成物は、例えば、トリス酢酸を含有し得る。抗体組成物は凝集体も含有し得る。
「H2L2」組成物は、カチオン交換樹脂に接触させた抗体組成物よりも大きい割合のH2L2種を含有するカチオン交換樹脂から溶出された組成物を指す。
「H2L3」組成物は、カチオン交換樹脂に接触させた抗体組成物よりも大きい割合のH2L3種を含有するカチオン交換樹脂から溶出された組成物を指す。
「システイン操作」抗体またはその抗原結合断片という用語は、抗体またはその抗原結合断片の軽鎖または重鎖の所与の残基に通常存在しない少なくとも1つのシステイン(「Cys」)を有する抗体またはその抗原結合断片を含む。「操作されたCys」とも称される場合があるそのようなCysは、任意の従来の分子生物学または組換え技術を使用して(例えば、Cysのコード配列を有する標的残基でコード配列を非Cys残基で置き換えることにより)操作することができる。例えば、元の残基が5’-UCU-3’のコード配列を有するSerである場合、コード配列は、(例えば、部位特異的変異誘発により)Cysをコードする5’-UGU-3’に変異し得る。ある特定の実施形態では、Cys操作抗体またはその抗原結合断片は、重鎖に操作されたCysを有する。ある特定の実施形態では、操作されたCysは、重鎖のCH3ドメインにまたはその近くにある。ある特定の実施形態では、操作されたCysは、重鎖の残基442にある(EU/OU番付;EU index,Kabat et al,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.,NIH
publication No.91-3242,1991、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)。ある特定の実施形態では、Fc領域は、EUインデックスにより番付される位置239、282、289、297、312、324、330、335、337、339、356、359、361、383、384、398、400、440、422、及び442のうちの1つ以上にシステインを含む。ある特定の実施形態では、次の残基のうちの任意の1つ以上が、システインで置換され得る:軽鎖のV205(Kabat番付);重鎖のA118(EU番付);及び重鎖Fc領域のS400(EU番付)。ある特定の実施形態では、例えば、scFvの可変軽鎖ドメインは、Kabat位置100にシステインを有する。ある特定の実施形態では、例えば、scFvの可変重鎖ドメインは、Kabat位置44にシステインを有する。システイン操作抗体は、米国特許第7,521,541号、米国特許第7,855,275号、米国公開出願第20110033378号、及びWO2011/005481に記載されるように生成され得る。
「モノクローナル」抗体またはその抗原結合断片は、単一の抗原決定基またはエピトープの高度に特異的な認識及び結合に関与する均一な抗体または抗原結合断片集団を指す。これは、典型的に、異なる抗原決定基に向けられる異なる抗体を含む、ポリクローナル抗体とは対照的である。「モノクローナル」抗体またはその抗原結合断片という用語は、無傷である完全長モノクローナル抗体、ならびに抗体断片(Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvなど)、単鎖(scFv)変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、及び抗原認識部位を含む任意の他の修飾免疫グロブリン分子の両方を包含する。さらに、「モノクローナル」抗体またはその抗原結合断片は、限定されないが、ハイブリドーマ、ファージ選択、組換え発現、及びトランスジェニック動物を含む任意の数の様式で作製された、そのような抗体及びその抗原結合断片を指す。
「ヒト化」抗体またはその抗原結合断片という用語は、最小の非ヒト(例えば、マウス)配列を含有する特定の免疫グロブリン鎖、キメラ免疫グロブリン、またはその断片である非ヒト(例えば、マウス)抗体または抗原結合断片の形態を指す。典型的には、ヒト化抗体またはその抗原結合断片は、相補性決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性、及び能力を有する非ヒト種(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター)のCDRからの残基で置き換えられるヒト免疫グロブリンである(「CDRグラフト」)(Jones et al.,Nature 321:522-525(1986)、Riechmann et al.,Nature 332:323-327(1988)、Verhoeyen et al.,Science 239:1534-1536(1988))。いくつかの事例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、所望の特異性、親和性、及び能力を有する非ヒト種からの抗体または断片の対応する残基で置き換えられる。ヒト化抗体またはその抗原結合断片は、抗体またはその抗原結合断片の特異性、親和性、及び/または能力を洗練及び最適化するために、Fvフレームワーク領域において及び/または置き換えられた非ヒト残基内のいずれかの追加の残基の置換によりさらに修飾され得る。一般に、ヒト化抗体またはその抗原結合断片は、FR領域のすべてまたは実質的にすべてが、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものであるのに対し、非ヒト免疫グロブリンに対応するCDR領域のすべてまたは実質的にすべてを含有する少なくとも1つ、典型的には2つまたは3つの実質的にすべての可変ドメインを含む。ヒト化抗体またはその抗原結合断片は、免疫グロブリン定常領域またはドメイン(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのものをさらに含むこともできる。ヒト化抗体を生成するために使用される方法の例は、米国特許第5,225,539号、Roguska et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,91(3):969-973(1994)、及びProtein Eng.9(10):895-904(1996)に記載されている。いくつかの実施形態では、「ヒト化抗体」は、再表面化抗体である。
抗体の「可変領域」は、抗体軽鎖の可変領域または抗体重鎖の可変領域の、単独または組み合わせのいずれかを指す。重鎖及び軽鎖の可変領域は各々、超可変領域としても知られる3つの相補性決定領域(CDR)によって接続された4つのフレームワーク領域(FR)からなる。各鎖におけるCDRは、FRにより近接して一緒に保持され、他の鎖のCDRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。CDRを決定するための少なくとも2つの技法が存在する:(1)異種間配列可変性に基づくアプローチ(すなわち、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,(5th ed.,1991,National
Institutes of Health,Bethesda Md.),「Kabat」)、及び(2)抗原-抗体複合体の結晶学的研究に基づくアプローチ(Al-lazikani et al,J.Molec.Biol.273:927-948(1997))。加えて、これらの2つのアプローチの組み合わせは、CDRを決定するために当技術分野で時おり使用される。
可変ドメインにおける残基を参照する場合(およそ残基1~107の軽鎖及び残基1~113の重鎖)、Kabat番付システムが一般的に使用される(例えば、Kabat et al.,Sequences of Immunological Interest.(5th Ed.,1991,National Institutes of Health,Bethesda,Md.)(「Kabat」)。
Kabatのようなアミノ酸位置の番付は、Kabatらにおける抗体の編集の重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインに使用される番付システムを指す(Sequences of Immunological Interest.(5th Ed.,1991,National Institutes of Health,Bethesda,Md.)、「Kabat」)。この番付システムを使用すると、実際の直鎖状アミノ酸配列は、可変ドメインのFRまたはCDRの短縮または挿入に対応する、より少ないまたは追加のアミノ酸を含有することができる。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後に単一のアミノ酸挿入物(Kabatによる残基52a)、及び重鎖FR残基82の後に挿入される残基(例えば、Kabatによる残基82a、82b、及び82cなど)を含むことができる。残基のKabat番付は、「標準的な」Kabat番付された配列を伴う抗体の配列の相同性領域のアラインメントにより、所与の抗体について決定され得る。Chothiaは、その代わりに、構造ループの位置を指す(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901-917(1987))。Kabat番付規定を使用して番付された場合のChothia CDR-H1ループの終わりは、ループの長さに応じてH32~H34の間で異なる(これは、Kabat番付案が挿入をH35A及びH35Bに配置するためであり、35Aも35Bも存在しない場合、ループは32で終了し、35Aのみが存在する場合、ループは33で終了し、35A及び35Bの両方が存在する場合、ループは34で終了する)。AbM超可変領域は、Kabat CDRとChothia構造ループとの間の妥協点を表し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアで使用される。
「ヒト」抗体またはその抗原結合断片という用語は、ヒトにより産生された抗体もしくはその抗原結合断片、または当該技術分野で知られている任意の技法を使用して作製された、ヒトにより産生された抗体もしくはその抗原結合断片に対応するアミノ酸配列を有する抗体もしくはその抗原結合断片を意味する。このヒト抗体またはその抗原結合断片の定義は、無傷または完全長抗体及びその断片を含む。
「キメラ」抗体またはその抗原結合断片という用語は、アミノ酸配列が2つ以上の種に由来する、抗体またはその抗原結合断片を指す。典型的に、軽鎖及び重鎖の両方の可変領域は、所望の特異性、親和性、及び能力を有する哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギなど)の1種に由来する抗体または抗原結合断片の可変領域に対応し、一方、定常領域は、その種における免疫応答の誘発を避けるために、別(通常はヒト)に由来する抗体または抗原結合断片の配列と相同である。
「エピトープ」または「抗原決定基」という用語は、本明細書で互換的に使用され、特定の抗体によって認識され、特異的に結合され得る抗原のその部分を指す。抗原がポリペプチドである場合、エピトープは、タンパク質の三次折り畳みによって並置される隣接するアミノ酸及び非連続アミノ酸からの両方を形成し得る。隣接するアミノ酸から形成されるエピトープは典型的に、タンパク質の変性時に保持されるが、三次折り畳みによって形成されるエピトープは典型的に、タンパク質の変性時に欠失する。エピトープは、典型的に、独特の空間的高次構造において少なくとも3、より一般的には少なくとも5、または8~10のアミノ酸を含む。
「結合親和性」は、一般的に、分子の単一結合部位(例えば、抗体)と、その結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有相互作用の合計の強度を指す。特に明記されない限り、本明細書で使用される「結合親和性」は、結合対のメンバー(例えば、抗体及び抗原)間の1:1相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子XのそのパートナーYに対する親和性は、一般的に解離定数(Kd)によって表すことができる。親和性は、本明細書に記載されるものを含む、当技術分野で知られている一般的な方法によって測定することができる。低親和性抗体は一般的に抗原にゆっくりと結合し、容易に解離する傾向がある一方で、高親和性抗体は一般的に抗原により速く結合し、より長く結合したままである傾向がある。結合親和性を測定する様々な方法が当技術分野で知られており、そのいずれも本発明の目的に使用することができる。特定の例示的な実施形態が以下に記載される。
結合親和性を指すために本明細書で使用される場合の「またはより良い」とは、分子とその結合パートナーとの間のより強い結合を指す。本明細書で使用される場合の「またはより良い」とは、より小さな数値のKd値によって表される、より強い結合を指す。例えば、抗体は、「0.6nMまたはより良い」抗原に対する親和性を有し、抗原に対する抗体の親和性は<0.6nM、すなわち0.59nM、0.58nM、0.57nMなど、または0.6nM未満の任意の値である。
「特異的に結合する」とは、一般的に、抗体がその抗原結合ドメインを介してエピトープに結合し、結合が抗原結合ドメインとエピトープとの間にある相補性を伴うことを意味する。この定義により、抗体は、ランダムな無関係のエピトープに結合するであろうよりも容易にその抗原結合ドメインを介してそのエピトープに結合する場合、エピトープに「特異的に結合する」と言われる。「特異性」という用語は、本明細書において、ある特定の抗体がある特定のエピトープに結合する相対親和性を限定するために使用される。例えば、抗体「A」は、所与のエピトープに対して抗体「B」よりも高い特異性を有するとみなすことができるか、または抗体「A」は、関連エピトープ「D」に対して有するよりも高い特異性でエピトープ「C」に結合すると言うことができる。
「優先的に結合する」とは、抗体が、関連の、同等の、相同の、または類似のエピトープに結合するであろうよりも容易にエピトープに特異的に結合することを意味する。よって、所与のエピトープに「優先的に結合する」抗体は、そのような抗体が関連エピトープと交差反応することができても、関連エピトープよりもそのエピトープに結合する可能性が高いであろう。
「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、本明細書で互換的に使用されて、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指す。ポリマーは、直鎖状または分枝状であり得、それは、修飾されたアミノ酸を含むことができ、非アミノ酸によって中断することができる。本用語はまた、天然に修飾されている、または介入、例えば、ジスルフィド結合の形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または任意の他の操作もしくは修飾、例えば、標識成分によるコンジュゲーションによって修飾されているアミノ酸ポリマーも包含する。例えば、アミノ酸の1つ以上の類似体(例えば、非天然のアミノ酸などを含む)ならびに当該技術分野で知られている他の修飾を含有するポリペプチドもまた、定義の中に含められる。本発明のポリペプチドは抗体に基づくため、ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、単鎖または会合した鎖として存在し得ることが理解される。
本明細書で使用される「イムノコンジュゲート」または「コンジュゲート」という用語は、細胞結合剤(すなわち、抗CD123抗体またはその断片)に連結され、一般式:C-Aによって定義される化合物またはその誘導体を指し、式中、C=細胞毒(例えば、メイタンシノイド、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)及び四環系ベンゾジアゼピン、例えばインドリノベンゾジアゼピンを含むベンゾジアゼピン化合物)、及びA=抗体またはその抗原結合断片、例えば、抗CD123抗体または抗体断片である。イムノコンジュゲートは任意選択でリンカーを含有し、一般式C-L-Aによって定義され得、式中、C=細胞毒、L=リンカー、及びA=抗体またはその抗原結合断片、例えば、抗CD123抗体または抗体断片である。イムノコンジュゲートは、逆の順番の一般式:C-AまたはA-L-Cによっても定義することができる。イムノコンジュゲートは、抗体もしくはその抗原結合断片(A)当たり複数の細胞毒(C)、または抗体もしくはその抗原結合断片(A)当たり複数の細胞毒(C)及びリンカー(L)も含有し得る。
「リンカー」は、化合物、通常は薬物(メイタンシノイド、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)及び四環系ベンゾジアゼピン、例えばインドリノベンゾジアゼピンを含むベンゾジアゼピン化合物など)を、安定した共有結合様式で細胞結合剤(抗CD123抗体またはその断片など)に連結することができる任意の化学部分である。リンカーは、化合物または抗体が活性を維持する条件下で、例えば、ジスルフィド結合切断に対して感受性または実質的に耐性であり得る。好適なリンカーは、当技術分野で周知であり、例えば、ジスルフィド基及びチオエーテル基を含む。
「薬学的に許容される」という語句は、物質または組成物が、製剤を含む他の成分及び/またはそれによって治療される哺乳動物に対して、化学的及び/または毒物学的に適合性でなければならないことを示す。
「医薬製剤」という用語は、活性成分の生物活性を有効にするような形態であり、製剤が投与され得る対象にとって許容できない毒性である追加構成成分を含有しない調製物を指す。製剤は、滅菌であり得る。
本明細書で互換的に使用される「(ヒト)IL-3Rα」、「インターロイキン-3受容体アルファ」、または「CD123」という用語は、特に明記しない限り、任意の天然(ヒト)IL-3RαまたはCD123を指す。CD123タンパク質は、ヘテロ二量体サイトカイン受容体(IL-3受容体またはIL-3R)のインターロイキン3特異的サブユニットである。本用語は、「完全長」の非プロセス型CD123ポリペプチドならびに細胞内でプロセシングによって生じるCD123ポリペプチドの任意の形態を包含する。本用語は、CD123の天然に存在する変異型、例えば、スプライス変異型及び対立遺伝子変異型によってコードされるものも包含する。本明細書に記載されるCD123ポリペプチドは、ヒト組織型または別の源からなどの様々な源から単離されるか、または組換え法もしくは合成法によって調製され得る。具体的に明記される場合、「CD123」は、CD123ポリペプチドをコードする核酸を指すように使用され得る。ヒトCD123配列は知られており、例えば、NCBI参照番号NP_002174&NM_002183(ヒトCD123変異型1のタンパク質及び核酸配列)及びNP_001254642&NM_001267713(ヒトCD123変異型2のタンパク質及び核酸配列)と関連するそれらの配列を含む。本明細書で使用される、「ヒトCD123」という用語は、配列含号11または配列番号12の配列を含むCD123を指す。
「抗CD123抗体」または「CD123に結合する抗体」という用語は、抗体がCD123を標的とする診断剤及び/または治療剤として有用であるように、十分な親和性でCD123に結合可能な抗体を指す(例えば、huMov19(M9346A)抗体)。無関係な非CD123タンパク質への抗CD123抗体の結合の程度は、例えば放射イムノアッセイ(RIA)によって測定される抗体のCD123への結合の約10%未満であり得る。
「IMGN632」という用語は、図8に示されるイムノコンジュゲート組成物を指す。イムノコンジュゲート組成物は、スルホン化型のhuCD123-6Gv4.7(「G4723A」)抗体当たり平均1.5~2.1のDGN549-C細胞毒性薬物を含むイムノコンジュゲートを含む(図8A)。イムノコンジュゲート組成物は、非スルホン化イムノコンジュゲート(図8Bに示されるモノ-イミン構造)も含み得る。
本開示及び特許請求の範囲で使用される、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明瞭に指示しない限り、複数形を含む。
実施形態が「含む(comprising)」という言語と共に本明細書に記載される箇所はどこでも、「からなる(consisting of)」及び/または「本質的に~からなる(consisting essentially of)」という点で記載される別の類似の実施形態も提供されることが理解される。
本明細書にて「A及び/またはB」のような語句で使用される、「及び/または」という用語は、「A及びB」、「AまたはB」、「A」、ならびに「B」の両方を含むように意図されている。同様に、A、B、及び/またはC」のような語句で使用される、「及び/または」という用語は、以下の実施形態:A、B、及びC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);及びC(単独)のそれぞれを包含するように意図されている。
II.カチオン交換樹脂
本明細書に提供される方法により、カチオン交換樹脂を使用して、三重軽鎖(H2L3)抗体及びその抗原結合断片を、H2L3ならびに二重軽鎖(H2L2)抗体及びその抗原結合断片を含む組成物から分離することができる。
本明細書に提供される方法において有用な1つの例示的なカチオン交換樹脂は、最適化POROS(商標)Strong Cation Exchange Resin XS(Thermos Fisher、以前のLife Technologies Corporation,Carlsbad,CA;10,000mL=カタログ番号440334;5,000mL=カタログ番号4404335;1,000mL=カタログ番号4404336;250mL=カタログ番号4404337;10mL=カタログ番号82071;及び50mL=カタログ番号82072)である。
カチオン交換樹脂は、例えば、架橋ポリ(スチレンジビニルベンゼン)を含み得る。カチオン交換樹脂は、スフロプロピル(-CH2CH2CH2SO3-)表面官能性を有し得る。カチオン交換樹脂は、架橋ポリ(スチレンジビニルベンゼン)を含み、かつスフロプロピル(-CH2CH2CH2SO3-)表面官能性を有し得る。
いくつかの実施形態では、カチオン交換樹脂は、Fractogel SE HiCap(EMD Millipore)カラムではない。いくつかの実施形態では、カチオン交換樹脂は、メタクリレートベースではない。
カチオン交換樹脂は、約50μmの粒径を有する。カチオン交換樹脂は、直径約500nMの細孔及び直径約22nMの細孔を有する、二峰性孔径分布を有し得る。カチオン交換樹脂は、約50μmの粒径、ならびに直径約500nMの細孔及び直径約22nMの細孔を有する二峰性孔径分布を有し得る。
カチオン交換樹脂は、架橋ポリ(スチレンジビニルベンゼン)を含み、スフロプロピル(-CH2CH2CH2SO3-)表面官能性を有し、約50μmの粒径を有し、かつ直径約500nMの細孔及び直径約22nMの細孔を有する二峰性孔径分布を有する。
カチオン交換樹脂は、特定のサイズのものであり得る。例えば、カチオン交換樹脂は、約10~約15,000mlであり得る。カチオン交換樹脂は、約20~約25mLであり得る。カチオン交換樹脂は、約100~約150mLであり得る。カチオン交換樹脂は、約10,000~約15,000mLであり得る。カチオン交換樹脂は、約13,800mLであり得る。カチオン交換樹脂は、32L以上であり得る。
カチオン交換樹脂はカラムであり得る。
III.抗体及びその抗原結合断片
抗体及びその抗原結合断片(例えば、治療的に有用な抗体及びその抗原結合断片)は一般的に、2つの重鎖またはその断片と、2つの軽鎖またはその断片と、を含有する。しかしながら、2つの重鎖またはその断片及び3つの軽鎖またはその断片を含有する三重軽鎖(H2L3)種も観察されている。そのようなH2L3種は、例えば、H2L3種が余分な軽鎖と抗体またはその抗原結合断片上の操作されたシステインのうちの1つとの間に形成されたジスルフィド結合の結果である場合、システイン操作抗体及びその抗原結合断片において高い率で生じ得る。したがって、本明細書で使用される抗体組成物は、システイン操作抗体またはその抗原結合断片を含む。同様に、H2L2もしくはH2L3抗体またはその抗原結合断片は、システイン操作H2L2もしくはH2L3抗体またはその抗原結合断片であり得る。システイン操作抗体またはその抗原結合断片は、例えば、EU/OU番付位置442に操作されたシステイン残基を含む。
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、ヒト化抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体または断片は、再表面化抗体またはその抗原結合断片である。他の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、完全ヒト抗体またはその抗原結合断片である。
例として、抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、本方法において使用され得る。抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、下の表1~3に示されるhuCD123-6Gv4.7抗体の配列を含有し得る。例えば、本明細書に提供される方法において使用するための抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ、配列番号5、6、及び7の可変重鎖CDR-1、CDR-2、及びCDR-3配列と、それぞれ、配列番号8、9、及び10の可変軽鎖CDR-1、CDR-2、及びCDR-3配列と、を含み得る。本明細書に提供される方法において使用するための抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1に記載される配列を含む可変重鎖ドメインを含み得る。本明細書に提供される方法において使用するための抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2に記載される配列を含む可変軽鎖ドメインを含み得る。本明細書に提供される方法において使用するための抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1に記載される配列を含む可変重鎖ドメインと、配列番号2に記載される配列を含む可変軽鎖ドメインと、を含み得る。本明細書に提供される方法において使用するための抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、配列番号3に記載される配列を含む重鎖を含み得る。本明細書に提供される方法において使用するための抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、配列番号4に記載される配列を含む軽鎖を含み得る。本明細書に提供される方法において使用するための抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、配列番号3に記載される配列を含む重鎖と、配列番号4に記載される配列を含む軽鎖と、を含み得る。
1つの例では、本明細書に提供される方法において使用するための抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、表1に記載される配列を含む可変重鎖ドメインと、可変軽鎖ドメインと、を含み得る。別の例では、本明細書に提供される方法において使用するための抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、表2に記載される配列を含む重鎖と、軽鎖と、を含み得る。また別の例では、本明細書に提供される方法において使用するための抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、表3に記載される配列を含む可変重鎖及び軽鎖相補性決定領域を含み得る。
抗CD123抗体またはその抗原結合断片は、ヒトCD123のアミノ酸205~346内のエピトープに結合し得る。
本方法において使用するための抗体またはその抗原結合断片(例えば、システイン操作抗体もしくはその抗原結合断片、抗CD123抗体もしくはその抗原結合断片、またはシステイン操作抗体もしくはその抗原結合断片)は、組換え産生され得る。例えば、本方法において使用するための抗体またはその抗原結合断片(例えば、システイン操作抗体もしくはその抗原結合断片、抗CD123抗体もしくはその抗原結合断片、またはシステイン操作抗体もしくはその抗原結合断片)は、哺乳類細胞株、例えば、CHO細胞において産生され得る。
IV.抗体組成物
本明細書に提供される方法により、三重軽鎖(H2L3)抗体及びその抗原結合断片と、二重軽鎖(H2L2)抗体及びその抗原結合断片と、の両方を含む抗体組成物をカチオン交換樹脂に接触させて、H2L3及びH2L2種を分離することができる。
本明細書に提供される方法において使用するための抗体組成物は、抗体またはその抗原結合断片の約1%~約20%が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である組成物であり得る。本明細書に提供される方法において使用するための抗体組成物は、抗体組成物中の抗体またはその抗原結合断片の約1%~約15%、または約5%~約15%、または約3%~約12%、または約10%~約15%が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である組成物であり得る。
本明細書に提供される方法において使用するための抗体組成物は、特定の充填密度がカチオン交換樹脂に適用されるように、特定のタンパク質濃度を含み得る。タンパク質濃度(充填密度)は、例えば、約10g/L~約100g/Lであり得る。タンパク質濃度(充填密度)は、約30g/L~約50g/Lであり得る。タンパク質濃度(充填密度)は、約30g/L~約45g/Lであり得る。タンパク質濃度(充填密度)は、約30g/L~約40g/Lであり得る。タンパク質濃度(充填密度)は、約40g/Lであり得る。
H2L2及びH2L3種に加えて、抗体組成物は、凝集体を含有し得る。例えば、抗体組成物は、約1~約10%の凝集体を含有し得る。抗体組成物は、約1~約5%の凝集体を含有し得る。抗体組成物は、約2~約5%の凝集体を含有し得る。
抗体組成物は、特定のpH、例えば、約3.8~約6.5を有し得る。抗体組成物は、約3.8~約5.5のpHを有し得る。抗体組成物は、約3.8~約5.0のpHを有し得る。抗体組成物は、約3.8~約4.7のpHを有し得る。抗体組成物は、約3.8~約4.4のpHを有し得る。抗体組成物は、約3.8~約4.2のpHを有し得る。抗体組成物は、約4.0~約5.0のpHを有し得る。抗体組成物は、約4.0~約4.7のpHを有し得る。抗体組成物は、約4.0~約4.4のpHを有し得る。抗体組成物は、約4.0~約4.2のpHを有し得る。抗体組成物は、約4.2のpHを有し得る。
抗体組成物のpHは、例えば、以下により詳細に記載されるように、抗体組成物がカチオン交換樹脂に接触させられる前にカチオン交換樹脂に接触させされ得る平衡組成物(結合組成物)のpHと同じであり得る。抗体組成物のpHは、例えば、以下により詳細に記載されるように、抗体組成物の後にカチオン交換樹脂に接触させてH2L2組成物を溶出することができる、溶出組成物のpHと同じであり得る。抗体組成物のpHは、平衡組成物(結合組成物)及び溶出組成物のpHと同じであり得る。
いくつかの実施形態では、抗体組成物は、6.0のpHを有しない。いくつかの実施形態では、抗体組成物は、6.0未満のpHを有する。
抗体組成物は、プロテインA精製抗体またはその抗原結合断片を含み得る。抗体組成物は、プロテインA精製され、アニオン交換カラムにおいて精製された抗体またはその抗原結合断片を含み得る。したがって、抗体組成物は、可溶性H2L2及びH2L3抗体またはその抗原結合断片に加えて、緩衝液(例えば、トリス酢酸)及び/または抗体凝集体などの構成成分を含有し得る。
V.溶出溶液ならびにH2L2及びH2L3組成物を産生するための溶出方法
本明細書に提供される方法により、三重軽鎖(H2L3)抗体及び抗原結合、ならびに二重軽鎖(H2L2)抗体及びその抗原結合断片は、カチオン交換樹脂から別個に溶出することができる。
特に、溶出組成物は、優先的にH2L2種を溶出するようにカチオン交換樹脂(例えば、カラム)に接触させられ得、次いで、H2L2組成物は樹脂から収集され得る。そのような方法において使用するための溶出組成物が本明細書に提供される。
本明細書に提供される方法において使用するための溶出組成物は、塩を含み得る。塩は、塩化物塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、または塩化マグネシウムであり得る。1つの場合では、塩は、塩化ナトリウムである。溶出組成物中の塩濃度(例えば、塩化ナトリウム)は、例えば、約100mM~約600mMであり得る。溶出組成物中の塩濃度(例えば、塩化ナトリウム)は、約200mM~約600mMであり得る。溶出組成物中の塩濃度(例えば、塩化ナトリウム)は、約300mM~約600mMであり得る。溶出組成物中の塩濃度(例えば、塩化ナトリウム)は、約400mM~約600mMであり得る。溶出組成物中の塩濃度(例えば、塩化ナトリウム)は、約200mM~約500mMであり得る。溶出組成物中の塩濃度(例えば、塩化ナトリウム)は、約300mM~約500mMであり得る。溶出組成物中の塩濃度(例えば、塩化ナトリウム)は、約400mM~約500mMであり得る。溶出組成物中の塩濃度(例えば、塩化ナトリウム)は、約380mM~約420mMであり得る。溶出組成物中の塩濃度(例えば、塩化ナトリウム)は、約400mMであり得る。
いくつかの実施形態では、溶出組成物は100mMの塩濃度を有しない。いくつかの実施形態では、溶出組成物は、100mMを超える塩濃度を有する。
本明細書に提供される方法において使用するための溶出組成物は特定のpHを有し得る。pHは、例えば、約3.8~約6.5であり得る。溶出組成物は約3.8~約5.5のpHを有し得る。溶出組成物は約3.8~約5.0のpHを有し得る。溶出組成物は約3.8~約4.7のpHを有し得る。溶出組成物は約3.8~約4.4のpHを有し得る。溶出組成物は約3.8~約4.2のpHを有し得る。溶出組成物は約4.0~約5.0のpHを有し得る。溶出組成物は約4.0~約4.7のpHを有し得る。溶出組成物は約4.0~約4.4のpHを有し得る。溶出組成物は約4.0~約4.2のpHを有し得る。抗体組成物は、約4.2のpHを有し得る。
いくつかの実施形態では、溶出組成物は6.0のpHを有しない。いくつかの実施形態では、溶出組成物は、6.0未満のpHを有する。
本明細書に提供される方法において使用するための溶出組成物は、塩濃度及びpHの特定の組み合わせを有し得る。例えば、塩(例えば、塩化ナトリウム)濃度は、約300mM~約600mMであり得、pHは、約3.8~約5.5であり得る。塩(例えば、塩化ナトリウム)濃度は、約300mM~約500mMであり得、pHは、約3.8~約5.0であり得る。塩(例えば、塩化ナトリウム)濃度は、約380mM~約420mMであり得、pHは、約4.0~約4.4であり得る。塩(例えば、塩化ナトリウム)濃度は、約400mMであり得、pHは、約4.2であり得る。
いくつかの実施形態では、溶出組成物は、6.0のpHで100mM塩化ナトリウムを有しない。
本明細書で示されるように、本明細書に提供される溶出組成物(例えば、低pH及び高塩濃度を有する)を、H2L2及びH2L3抗体またはその抗原結合断片を有する本明細書に提供される抗体組成物を含有する本明細書に提供されるカチオン交換樹脂に接触させることにより、H2L3汚染がほとんどまたは全くないH2L2組成物の溶出をもたらすことができる。これは、本明細書に提供される方法が、初期(H2L2溶出ピークと共に)と後(H2L2溶出ピークの後)の両方で溶出せずに、H2L3種を一貫して後(H2L2溶出ピークの後)に溶出させることができるためである。
よって、本明細書に提供されるH2L2組成物は、1つ以上の溶出されたカラム体積を含み得る。例えば、H2L2組成物は、1~9のカラム体積から選択される単一の溶出されたカラム体積を含み得る。H2L2組成物は、1~9のカラム体積から選択される2つの溶出されたカラム体積(例えば、カラム体積1及び2またはカラム体積3及び4)を含み得る。H2L2組成物は、1~9のカラム体積から選択される3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または9つの溶出されたカラム体積を含む。H2L2組成物は、1~9の溶出されたカラム体積(すなわち、最初の9つのカラム体積のプール)も含み得る。本明細書に提供されるH2L2組成物は、1~8の溶出されたカラム体積(すなわち、最初の4つのカラム体積のプール)を含み得る。本明細書に提供されるH2L2組成物は、1~7の溶出されたカラム体積(すなわち、最初の4つのカラム体積のプール)を含み得る。本明細書に提供されるH2L2組成物は、1~6の溶出されたカラム体積(すなわち、最初の4つのカラム体積のプール)を含み得る。本明細書に提供されるH2L2組成物は、1~5の溶出されたカラム体積(すなわち、最初の4つのカラム体積のプール)を含み得る。本明細書に提供されるH2L2組成物は、1~4の溶出されたカラム体積(すなわち、最初の4つのカラム体積のプール)を含み得る。本明細書に提供されるH2L2組成物は、1~3の溶出されたカラム体積(すなわち、最初の4つのカラム体積のプール)を含み得る。
本明細書に提供される方法を使用して、H2L3種は、抗体組成物中のH2L2種から効率的に分離され得る。例えば、本明細書で使用される方法は、カチオン交換樹脂に接触させた抗体組成物中に存在したH2L3種の25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下を含むH2L2組成物の産生をもたらすことができる。一方、本明細書で使用される方法は、カチオン交換樹脂に接触させた抗体組成物中に存在したH2L3種の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%を含むH2L3組成物の産生をもたらすことができる。
本明細書に提供される方法を使用することにより、抗体または抗原結合断片の2%以下、1%以下、または0.5%以下がH2L3種であるH2L2組成物を得ることができる。本明細書に提供される方法を使用することにより、H2L2組成物中の抗体またはその抗原結合断片の少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%が、H2L2抗体またはその抗原結合断片であるH2L2組成物を得ることができる。
本明細書に提供される方法を使用することにより、カチオン交換樹脂に接触させた抗体組成物よりも少ない凝集体を含有するH2L2組成物を得ることもできる。例えば、本明細書に提供される方法を使用して、1%以下の凝集体または0.5%以下の凝集体を含むH2L2組成物を得ることができる。本明細書に提供される方法を使用して、約0.3%の凝集体、約0.2%の凝集体、または約0.1%の凝集体を含むH2L2組成物を得ることができる。
有利に、本明細書に提供される方法は、高収率ももたらす。例えば、本明細書に提供される方法を使用して、カチオン交換樹脂に適用された抗体組成物中に少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、または少なくとも55%のH2L2抗体またはその抗原結合断片を含有するH2L2組成物を得ることができる。
カチオン交換樹脂を平衡させ、樹脂へのH2L2及びH2L3抗体結合を促進するために、平衡組成物(または結合組成物)を樹脂に接触させた後に、抗体組成物を樹脂に接触させることができる。平衡組成物(結合組成物)を使用して、樹脂のpH及び/または伝導率を保持することができる。この目的のために使用することができる好適な緩衝液は、当該技術分野で周知であり、H2L3及びH2L2種を分離するためのクロマトグラフィーステップにおいて使用される選択された樹脂と適合性があるpHの任意の緩衝液を含む。平衡組成物(結合組成物)は、pHを保持するのに十分に高いが、抗体組成物中の抗体及びその抗原結合断片のカチオン交換樹脂への結合を阻止するほどに高すぎない濃度で、例えば、酢酸ナトリウムを含有し得る。
平衡組成物(結合組成物)は、例えば、10mM~150mM酢酸ナトリウムを含み得る。平衡組成物(結合組成物)は、例えば、25mM~150mM酢酸ナトリウムを含み得る。平衡組成物(結合組成物)は、50mM酢酸ナトリウムを含み得る。
いくつかの実施形態では、平衡組成物(結合組成物)は、20mM酢酸ナトリウムを含有しない。いくつかの実施形態では、平衡組成物(結合組成物)は、20mMを超える酢酸ナトリウムを含有する。
平衡組成物(結合組成物)は、特定のpH、例えば、約3.8~約6.5も有し得る。平衡組成物(結合組成物)は、約3.8~約5.5のpHを有し得る。平衡組成物(結合組成物)は、約3.8~約5.0のpHを有し得る。平衡組成物(結合組成物)は、約3.8~約4.7のpHを有し得る。平衡組成物(結合組成物)は、約3.8~約4.4のpHを有し得る。平衡組成物(結合組成物)は、約3.8~約4.2のpHを有し得る。平衡組成物(結合組成物)は、約4.0~約5.0のpHを有し得る。平衡組成物(結合組成物)は、約4.0~約4.7のpHを有し得る。平衡組成物(結合組成物)は、約4.0~約4.4のpHを有し得る。平衡組成物(結合組成物)は、約4.0~約4.2のpHを有し得る。平衡組成物(結合組成物)は、約4.2のpHを有し得る。
いくつかの実施形態では、平衡組成物(結合組成物)は、6.0のpHを有しない。いくつかの実施形態では、平衡組成物(結合組成物)は、6.0未満のpHを有する。
本明細書で示されるように、H2L3抗体またはその抗原結合断片を、H2L3抗体またはその抗原結合断片及びH2L2抗体またはその抗原結合断片を含む抗体組成物から分離する方法は、(i)H2L3抗体またはその抗原結合断片及びH2L2抗体またはその抗原結合断片がカチオン交換樹脂に結合するように、抗体組成物をこの樹脂に接触させることと、(ii)溶出組成物をカチオン交換樹脂に接触させることと、(iii)樹脂から溶出したH2L2組成物を収集することと、を含み得る。本方法は、任意選択で、平衡組成物(結合組成物)をカチオン交換樹脂に接触させた後に、抗体組成物をカチオン交換樹脂に接触させることを含み得る。本明細書で示されるように、カチオン交換樹脂、ならびに溶出組成物のpH及び塩濃度の選択は、有利に、H2L3種のすべてをH2L2のピーク溶出後に溶出させ、ほとんど(例えば、1%未満)~全くH2L3種を有しないH2L2組成物の収集を可能にする。
VI.H2L2組成物の使用
本明細書に提供される方法により、三重軽鎖(H2L3)抗体及びその抗原結合断片を、二重軽鎖(H2L2)抗体及びその抗原結合断片から分離して、H2L2組成物を産生することができる。そのようなH2L2組成物は、例えば、治療目的に有用である。例えば、H2L2組成物は、高純度H2L2抗体またはその抗原結合断片を含む医薬組成物、例えば、1%または0.5%以下のH2L3種を含む組成物を製剤化するために使用され得る。
本明細書に提供される方法により産生されたH2L2組成物は、イムノコンジュゲートを産生するために使用することもできる。有利に、本明細書に提供されるH2L2組成物から産生したイムノコンジュゲートは、ほとんどまたは全くH2L3種を有しない。そのようなイムノコンジュゲートは、薬物またはプロドラッグを、そこで抗体または抗原結合断片に連結するために、連結基を使用することによって調製され得る。好適な連結基は当該技術分野で周知であり、例えば、ジスルフィド基、チオエーテル基、酸解離性基、光解離性基、ペプチダーゼ解離性基、及びエステラーゼ解離性基を含む。個々のイムノコンジュゲートは、例えば、抗体またはその抗原結合断片当たり、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、もしくは10の薬物またはプロドラッグを含有し得る。そのようなイムノコンジュゲートを含む組成物は、抗体またはその抗原結合断片当たり、平均約1~約10、約1~約5、約1~約3、もしくは約1.5~約2.1の薬物またはプロドラッグを有し得る。
本明細書に提供される方法により産生されたイムノコンジュゲート組成物は、2%以下、1%以下、または0.5%以下のH2L3種を含み得る。本明細書に提供される方法により産生されたイムノコンジュゲート組成物は、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%のH2L2種を含み得る。
例として、H2L2抗CD123抗体またはその抗原結合断片(例えば、huCD123-6Gv4.7;G4723A)を含むH2L2組成物が、細胞毒性薬物にコンジュゲートされて、イムノコンジュゲートを形成する。細胞毒性薬物は、例えば、DGN549-Cなどのインドリノン-ベンゾジアゼピンがん殺滅剤であり得る。例えば、WO2017/004025及びWO2017/004026に提供されるそのようなイムノコンジュゲートの産生方法の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、H2L2抗CD123抗体またはその抗原結合断片(例えば、huCD123-6Gv4.7;G4723A)を含むH2L2組成物は、DGN549-Cにコンジュゲートされ得る。得られるイムノコンジュゲート組成物は、抗体(huCD123-6Gv4.7;G4723A)当たり、平均約1.5~約2.1の細胞毒(DGN549-C)を含有し得る。イムノコンジュゲート組成物は、図8A(及び8B)に示されるように、硫酸水素ナトリウムに製剤化されて、IMGN632を形成することができる。
本明細書で説明する実施例及び実施形態は、単に例示の目的のためであり、その観点での様々な改変または変更が当業者に示唆され、それらは本出願の趣旨及び範囲内に含まれるべきであることが理解される。
実施例1:H2L3レベルの評価
システイン操作抗体を発現するように安定してトランスフェクトされた哺乳類細胞が三重軽鎖(H2L3)抗体として知られる高分子量種も分泌することが以前に報告されている(Gomez et al.,Biotechnol Bioeng.2010 Mar 1;105(4):748-60)。これらの抗体は、抗体上の操作されたシステインと会合する余分な(第3の)軽鎖を含有する。単量体種の類似性により、この新しい高分子量(HMW)種の分離は、システイン操作モノクローナル抗体(CysmAb)の下流精製中の課題となる。H2L3種を除去するための頑強かつ効果的な精製方法を開発するために、例示的な抗体中のH2L3含有量を評価し、H2L3を除去するための様々な方法が評価された。
研究した例示的なモノクローナル抗体は、システイン操作huCD123-6Gv4.7(G4723A)抗体であった(WO2017/004025及びWO2017/004026を参照されたく、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる;上の表1~3も参照されたい)。抗体は、CHO細胞において発現され、次いで、プロテインAクロマトグラフィーを使用して、除去した細胞培養上清から精製した。プロテインAクロマトグラフィー後、サイズ排除超高速液体クロマトグラフィー(SEC-UPLC)を使用して、抗体の純度(単量体、凝集体、H2L3、及び低分子量種の比率を含む)を評価した。SEC-UPLC分析はH2L3種を示した(図1)。SEC-UPLCクロマトグラムは、CysmAb組成物種)の各ピークの保持時間:単量体(17.686分)、凝集体(15.336分)、H2L3(16.638分)、及び低分子量種(19.008及び22.445分)を示す(図1)。
同じ抗体の8つの異なるバイオリアクター産生バッチを使用した実験(A、B、C、D、E、F、G、及びH)を分析した。H2L3の量は、細胞株及び培養条件の両方により影響を受け、2~11%まで変動した(図2)。
実施例2:セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーはH2L3分離には非効率的であった。
H2L3種の除去は、セラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィーを使用して効率的に達成されなかった。(図3。)これらの実験において、CHTカラムは、pH6.7の20mMリン酸カリウムを含有する緩衝液で平衡化された。4.7%のH2L3種を有するCysmAbを、CHT(商標)樹脂(BioRad Laboratories,Hercules,CA)上に充填し、pH6.7の100mM、95mM、90mM、または85mMリン酸カリウムを使用して、段階溶出により溶出した。溶出ピークは、1CV画分において50mAUの上で収集した。各画分の抗体段階収率及びH2L3%を分析し、計算ならびに6カラム体積(CV)仮想プールの段階収率及びH2L3%との比較に使用した。高分子量種(すなわち、凝集体及びH2L3)はそれらのより大きいサイズによりCHT樹脂により強く結合し、後の画分において溶出されるだろうと考えられた。さらに、低ホスフェート濃度での溶出は、より広い溶出ピーク及び仮想プールの低段階収率をもたらすであろうが、分離を改善すると考えられた。しかしながら、図3は、H2L3種の除去が試験したホスフェート範囲にわたって改善されず、2.5%と高いままであったことを示す。塩濃度が異なる追加の実験もH2L3種を効率的に分離することができず、CHTカラムのpHを変更する余地はほとんどない。よって、CHTクロマトグラフィーはH2L3を効率的に分離することができなかった。
実施例3:最適化カチオン交換クロマトグラフィーはH2L3を効率的に分離する
POROS(商標)XS強カチオン交換クロマトグラフィーを使用して、H2L3種の除去を試験した。POROS(商標) strong cation exchange
resin XS(Life Technologies Corporation,Carlsbad,CA)を、pH5.5の50mM酢酸ナトリウムを含有する緩衝液で平衡化した。3%の凝集体及び4%のH2L3種を有するCysmAb組成物を、POROS(商標)XSカラム上に充填し、20CVにわたって0~200mM NaClを使用して勾配溶出により溶出した。溶出ピークは、0.5CV画分において50mAUの上で収集した。各画分の抗体段階収率、凝集体%、及びH2L3%を分析し、画分番号に対してプロットした。図4は、凝集体種が後の画分(F8~F10)で溶出され、溶出された抗体の主ピークから効率的に分離されたことを示す。H2L3種も溶出された抗体の主ピークとは異なる画分で溶出された。H2L3種のかなりの部分が後の画分において溶出され、H2L2抗体の主ピークから効率的に分離された(図4)。しかしながら、H2L3種の部分は、抗体ピークの初期の画分と共溶出された(図4)。初期に溶出するH2L3種はグルタチオンでキャッピングされているH2L3抗体の遊離システインに由来すると考えられる。グルタチオンキャッピング種は、より酸性であり(低PI)、したがって、初期の画分において溶出する。後に溶出するH2L3種は、システインでキャッピングされているH2L3抗体の遊離システインに由来すると考えられる。システインキャッピング種は、あまり酸性ではなく(高PI)、したがって、後の画分において溶出する。
これらの結果を考慮して、H2L2種の主ピークからさらに効率的分離されるように、POROS(商標)XSカラム結合及び溶出条件のさらなる最適化を設計して、初期に溶出するH2L3種を後の画分に溶出させた。Poros XSクロマトグラフィーの結合及び溶出pHの低減により、H2L3種の除去が大幅に改善されたことが分かった(図5)。
NaCl勾配溶出は、pH5.0、4.7、及び4.4(pH5.0、20CVにわたって150~300mM NaCl;pH 4.7及び4.4、25CVわたって0~500mM NaCl)のPOROS(商標)XSクロマトグラフィーを使用して行った。POROS(商標)XS樹脂充填材料(抗体組成物)は、およそ8.4%のH2L3種を有した。溶出ピークは、0.5CV画分において100mAUの上で収集した。各画分の抗体段階収率及びH2L3%を分析した。異なる収集体積の仮想プールのH2L3%は、各仮想プールの収率に対してプロットされた。抗体ピークの初期の画分の共溶出H2L3種は、pHの減少と共に減少した。図5は、POROS(商標)XSカラムの結合及び溶出pHがH2L3種の除去を大幅に改善し、より低いpHでの溶出がより低いH2L3種の産生をもたらすことを示す。pH4.4で、H2L3は、抗体から効率的に分離され、後の画分においてのみ溶出された。より低いpHでの溶出は、より低いH2L3種を有する産物(H2L2組成物)をもたらした。
溶出ピークの塩濃度及び収集体積もH2L3の除去に影響を及ぼすことが示された(図6)。これらの実験において、およそ4.1%のH2L3種を有する出発材料(抗体組成物)を、pH4.2の50mM酢酸ナトリウムで平衡化したPOROS(商標)XSカラム上に充填した。結合抗体は、pH4.2の50mM酢酸ナトリウム緩衝液中380mM~420mM NaClで溶出された。溶出ピークは、1CV画分において100mAUの上で収集した。異なるNaCl濃度及び異なる収集体積で溶出された仮想プールのH2L3%を比較した。図6は、NaCl濃度が低く、収集体積が低いほど、より低いH2L3%が溶出プールにおいて達成されたことを示す。試験したNaCl濃度の範囲にわたって、仮想プールのH2L3%はすべて4.1%~<1%に低減された。
図6の実験結果は、JMP(登録商標)予測プロファイリングツールを使用して分析された。数理モデルを構築して、異なる塩濃度及び収集体積下で、収率、凝集体%、H2L3%、及び総高分子量(HMW)%を予測した。図7は、塩濃度が応答すべてに著しく影響を及ぼしたが、収集体積は段階収率にのみ著しく影響を及ぼしたことを示す。各応答の望ましさは、産物品質要件及び実施上の検討事項に基づいて設定された。全体的な最高の望ましさを伴う塩濃度及び収集体積の組み合わせが最終プロセス条件として考慮された。
pH、塩濃度、充填密度、及び収集体積を含む結合及び溶出条件を最適化することにより、H2L3レベルは、最終産物において<1%に一貫して低減された(表4;実験は、pH4.2、400mM NaClを使用し、4CV(すなわち、カラム体積1~4)を収集する、上述と同じPOROS条件において実行された)。
上述の実験に基づいて、pH、塩、充填密度、及び収集体積の理想的な範囲は次の通りであると決定された:約3.8~6.5のpH、約100mM~600mMの塩濃度、約10~100g/Lの充填密度、及び約1~9CVの収集体積。
* * *
発明の概要及び要約書のセクションではなく、発明を実施するための形態のセクションは、特許請求の範囲を説明するために使用されることが意図されることを理解されたい。発明の概要及び要約書のセクションは、発明者(ら)によって企図される、すべてではないが1つ以上の例示的な本発明の実施形態を記載し、よって、本発明及び添付の特許請求の範囲を制限することを決して意図しない。
本発明は、特定の機能及びその関係の実施を図示する機能的ビルディングブロックを用いて上に記載されてきた。これらの機能的ビルディングブロックの限度は、説明の便宜上本明細書に任意に定義されてきた。特定の機能及びその関係が適切に行われる限り、別の限度を定義することができる。
特定の実施形態の前述の説明は、本発明の一般的な性質を十分に明らかにしているため、当該技術分野の技術内の知識を利用することにより、本発明の一般概念から逸脱することなく、過度の実験をせずに、そのような特定の実施形態を容易に修正及び/または様々な用途に適応させることができる。したがって、そのような適応及び修正は、本明細書に提示される教示及びガイダンスに基づいて、開示の実施形態の等価物の意味及び範囲内であることが意図される。本明細書の表現または用語は、説明のためであり、限定するためのもではなく、そのため、本明細書の用語または表現は、教示及びガイダンスの観点から当業者によって解釈されるべきであることを理解されたい。
本発明の広さ及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではないが、以下の特許請求の範囲及びその等価物によってのみ定義されるべきである。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
H2L3抗体またはその抗原結合断片を、H2L3抗体またはその抗原結合断片及びH2L2抗体またはその抗原結合断片を含む抗体組成物から分離する方法であって、
(i)H2L3抗体またはその抗原結合断片及びH2L2抗体またはその抗原結合断片がカチオン交換樹脂に結合するように、前記抗体組成物を前記樹脂に接触させることと、
(ii)約3.8~約5.0のpHの溶出組成物を前記カチオン交換樹脂に接触させることと、
(iii)前記樹脂から溶出したH2L2組成物を収集することと、を含む、前記方法。
(項目2)
H2L3抗体またはその抗原結合断片を、H2L3抗体またはその抗原結合断片及びH2L2抗体またはその抗原結合断片を含む抗体組成物から分離する方法であって、
(i)H2L3抗体またはその抗原結合断片及びH2L2抗体またはその抗原結合断片がカチオン交換樹脂に結合するように、前記抗体組成物を前記樹脂に接触させることと、
(ii)約300mM~約600mMの塩濃度の溶出組成物を前記カチオン交換樹脂に接触させることと、
(iii)前記樹脂から溶出したH2L2組成物を収集することと、を含む、前記方法。
(項目3)
前記H2L2組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の2%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記H2L2組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の1%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記H2L2組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の0.5%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記H2L2組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%が、H2L2抗体またはその抗原結合断片である、項目1~5のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記H2L2組成物が、前記カチオン交換樹脂に適用された前記抗体組成物中に25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下の前記H2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、項目1~6のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記H2L2組成物が、1~9のカラム体積から選択される1つ以上の溶出されたカラム体積を含む、項目1~7のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
前記H2L2組成物が、1~4の溶出されたカラム体積を含む、項目1~7のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
前記カチオン交換樹脂が、架橋ポリ(スチレンジビニルベンゼン)を含む、項目1~9のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記カチオン交換樹脂が、スフロプロピル(-CHCHCHSO-)表面官能性を有する、項目1~10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
前記カチオン交換樹脂の粒径が、約50μmである、項目1~11のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記カチオン交換樹脂が、二峰性孔径分布を有する、項目1~12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記二峰性孔径分布が、直径約500nMの細孔及び直径約22nMの細孔を含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記カチオン交換樹脂が、POROS(商標)Strong Cation Exchange Resin XSである、項目1~14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
前記溶出組成物が、塩を含む、項目1または3~15のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
前記溶出組成物中の前記塩が、塩化物塩である、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記塩化物塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、または塩化マグネシウムである、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記溶出組成物中の塩濃度が、約100mM~約600mM、約300mM~約500mM、または約350mM~約450mMである、項目16~18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記溶出組成物中の前記塩濃度が、約300mM~約500mMまたは約350mM~約450mMである、項目2~15のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記溶出組成物中の前記塩濃度が、約400mMである、項目19または20に記載の方法。
(項目22)
前記溶出組成物が、約3.8~約6.5のpHを有する、項目2~21のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記溶出組成物が、約3.8~約5.0のpHを有する、項目1~22のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
前記溶出組成物が、約4.2のpHを有する、項目22または23に記載の方法。
(項目25)
前記方法が、平衡組成物を前記カチオン交換樹脂に接触させた後に、前記抗体組成物を前記カチオン交換樹脂に接触させることを含む、項目1~24のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記平衡組成物が、酢酸ナトリウムを含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記平衡組成物中の前記酢酸ナトリウムの濃度が、約10mM~150mMである、項目25に記載の方法。
(項目28)
前記平衡組成物中の前記酢酸ナトリウムの前記濃度が、約50mMである、項目25に記載の方法。
(項目29)
前記平衡組成物が、約3.8~約6.5のpHを有する、項目25~28のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記平衡組成物が、約4.2のpHを有する、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記抗体組成物が、約10~約100g/Lのタンパク質を含む、項目1~30のいずれか1項に記載の方法。
(項目32)
前記抗体組成物が、約30g/L~約50g/Lまたは約35g/L~約45g/Lのタンパク質を含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記抗体組成物が、約40g/Lのタンパク質を含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記抗体組成物が、約3.8~約6.5のpHを有する、項目1~33のいずれか1項に記載の方法。
(項目35)
前記抗体組成物が、約4.2のpHを有する、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記抗体組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の約1%~約20%が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目1~35のいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
前記抗体組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の約1%~約15%、または約5%~約15%、または約3%~約12%、または約10%~約15%が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記H2L2組成物が、前記カチオン交換樹脂に接触させた前記抗体組成物中に少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、または少なくとも55%の前記H2L2抗体またはその抗原結合断片を含む、項目1~37のいずれか1項に記載の方法。
(項目39)
前記抗体組成物が、システイン操作抗体またはその抗原結合断片を含む、項目1~38のいずれか1項に記載の方法。
(項目40)
前記システイン操作抗体またはその抗原結合断片が、EU/OU番付位置442に操作されたシステイン残基を含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記抗体組成物が、抗体を含む、項目1~40のいずれか1項に記載の方法。
(項目42)
前記抗体組成物が、抗体の抗原結合断片を含む、項目1~40のいずれか1項に記載の方法。
(項目43)
前記抗体組成物が、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、単鎖FvもしくはscFv、ジスルフィド連結Fv、V-NARドメイン、IgNar、イントラボディ、IgGΔCH2、ミニボディ、F(ab’)、テトラボディ、トリアボディ、ダイアボディ、単一ドメイン抗体、DVD-Ig、Fcab、mAb、(scFv)、またはscFv-Fcを含む、項目1~40のいずれか1項に記載の方法。
(項目44)
前記抗体組成物が、CHO細胞株から産生された抗体またはその抗原結合断片を含む、項目1~43のいずれか1項に記載の方法。
(項目45)
前記H2L2組成物中の前記H2L2抗体またはその抗原結合断片を細胞毒にコンジュゲートして、イムノコンジュゲート組成物を形成することをさらに含む、項目1~44のいずれか1項に記載の方法。
(項目46)
項目1~45のいずれか1項に記載の方法により産生されたH2L2組成物。
(項目47)
2%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、項目46に記載のH2L2組成物。
(項目48)
1%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、項目47に記載のH2L2組成物。
(項目49)
0.5%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、項目48に記載のH2L2組成物。
(項目50)
項目45に記載の方法により産生されたイムノコンジュゲート組成物。
(項目51)
2%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、項目50に記載のイムノコンジュゲート組成物。
(項目52)
1%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、項目51に記載のイムノコンジュゲート組成物。
(項目53)
0.5%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、項目52に記載のイムノコンジュゲート組成物。
(項目54)
(i)前記カチオン交換樹脂が、架橋ポリ(スチレンジビニルベンゼン)、スフロプロピル(-CHCHCHSO-)表面官能性、約50μmの粒径、ならびに直径約500nMの細孔及び直径約22nMの細孔を含む二峰性孔径分布を有し、
(ii)前記溶出組成物が、約300~600mMの塩化物塩、及び約3.8~約5.0のpHを含み、
(iii)前記抗体組成物が、約10~約100g/Lのタンパク質を含み、前記抗体組成物中の約10%~約15%の前記抗体またはその抗原結合断片が、H2L3抗体またはその抗原結合断片であり、
(iv)前記H2L2組成物が、1~9のカラム体積から選択される1つ以上の溶出されたカラム体積を含み、
(v)前記H2L2組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の2%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目1に記載の方法。
(項目55)
(i)前記カチオン交換樹脂が、架橋ポリ(スチレンジビニルベンゼン)、スフロプロピル(-CHCHCHSO-)表面官能性、約50μmの粒径、ならびに直径約500nMの細孔及び直径約22nMの細孔を含む二峰性孔径分布を有し、
(ii)前記溶出組成物が、約400mM NaCl及び4.2のpHを有し、
(iii)前記抗体組成物が、約30~約50g/Lのタンパク質を含み、前記抗体組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の約10%~約15%が、H2L3抗体またはその抗原結合断片であり、
(iv)前記H2L2組成物が、1~4の溶出されたカラム体積を含み、
(v)前記H2L2組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の1%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目1に記載の方法。
(項目56)
抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片を、抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片及び抗CD123 H2L2抗体またはその抗原結合断片を含む抗CD123抗体組成物から分離する方法であって、
(i)抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片及び抗CD123 H2L2抗体またはその抗原結合断片がカチオン交換樹脂に結合するように、前記抗CD123抗体組成物を前記樹脂に接触させることと、
(ii)約3.8~約5.5のpHの溶出組成物を前記カチオン交換樹脂に接触させることと、
(iii)前記樹脂から溶出した抗CD123 H2L2組成物を収集することと、を含み、
前記抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片及び前記抗CD123 H2L2抗体またはその抗原結合断片が、それぞれ、配列番号5~7の可変重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、それぞれ、配列番号8~10の可変軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、を含む、前記方法。
(項目57)
抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片を、抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片及び抗CD123 H2L2抗体またはその抗原結合断片を含む抗CD123抗体組成物から分離する方法であって、
(i)抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片及び抗CD123 H2L2抗体またはその抗原結合断片がカチオン交換樹脂に結合するように、前記抗CD123抗体組成物を前記樹脂に接触させることと、
(ii)約300mM~約600mMの塩濃度の溶出組成物を前記カチオン交換樹脂に接触させることと、
(iii)前記樹脂から溶出した抗CD123 H2L2組成物を収集することと、を含み、
前記抗CD123 H2L3抗体またはその抗原結合断片及び前記抗CD123 H2L2抗体またはその抗原結合断片が、それぞれ、配列番号5~7の可変重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、それぞれ、配列番号8~10の可変軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、を含む、前記方法。
(項目58)
前記抗CD123抗体が、配列番号1の可変重鎖配列を含む、項目56または57に記載の方法。
(項目59)
前記抗CD123抗体またはその抗原結合断片が、配列番号2の可変軽鎖配列を含む、項目56~58のいずれか1項に記載の方法。
(項目60)
前記抗CD123抗体またはその抗原結合断片が、システイン操作されている、項目56~59のいずれか1項に記載の方法。
(項目61)
前記抗CD123抗体が、配列番号3の重鎖配列を含む、項目56~60のいずれか1項に記載の方法。
(項目62)
前記抗CD123抗体が、配列番号4の軽鎖配列を含む、項目56~61のいずれか1項に記載の方法。
(項目63)
前記H2L2組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の2%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目56~62のいずれか1項に記載の方法。
(項目64)
前記H2L2組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の1%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記H2L2組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の0.5%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目64に記載の方法。
(項目66)
前記H2L2組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%が、H2L2抗体またはその抗原結合断片である、項目56~65のいずれか1項に記載の方法。
(項目67)
前記H2L2組成物が、前記カチオン交換樹脂に接触させた前記抗体組成物中に25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下の前記H2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、項目56~66のいずれか1項に記載の方法。
(項目68)
前記H2L2組成物が、1~9のカラム体積から選択される1つ以上の溶出されたカラム体積を含む、項目56~67のいずれか1項に記載の方法。
(項目69)
前記H2L2組成物が、1~4の溶出されたカラム体積を含む、項目56~68のいずれか1項に記載の方法。
(項目70)
前記カチオン交換樹脂が、架橋ポリ(スチレンジビニルベンゼン)を含む、項目56~69のいずれか1項に記載の方法。
(項目71)
前記カチオン交換樹脂が、スフロプロピル(-CHCHCHSO-)表面官能性を有する、項目56~70のいずれか1項に記載の方法。
(項目72)
前記カチオン交換樹脂の粒径が、約50μmである、項目57~72のいずれか1項に記載の方法。
(項目73)
前記カチオン交換樹脂が、二峰性孔径分布を有する、項目56~72のいずれか1項に記載の方法。
(項目74)
前記二峰性孔径分布が、直径約500nMの細孔及び直径約22nMの細孔を含む、項目73に記載の方法。
(項目75)
前記カチオン交換樹脂が、POROS(商標)Strong Cation Exchange Resin XSである、項目56~74のいずれか1項に記載の方法。
(項目76)
前記溶出組成物が、塩を含む、項目56または58~75のいずれか1項に記載の方法。
(項目77)
前記溶出組成物中の前記塩が、塩化物塩である、項目76に記載の方法。
(項目78)
前記塩化物塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、または塩化マグネシウムである、項目77に記載の方法。
(項目79)
前記溶出組成物中の塩濃度が、約100mM~約600mM、約300mM~約500mM、または約350mM~約450mMである、項目76~78のいずれか1項に記載の方法。
(項目80)
前記溶出組成物中の前記塩濃度が、約300mM~約500mMまたは約350mM~約450mMである、項目57~78のいずれか1項に記載の方法。
(項目81)
前記溶出組成物中の前記塩濃度が、約400mMである、項目79または80に記載の方法。
(項目82)
前記溶出組成物が、約3.8~約6.5のpHを有する、項目57~81のいずれか1項に記載の方法。
(項目83)
前記溶出組成物が、約3.8~約5.0のpHを有する、項目56~82のいずれか1項に記載の方法。
(項目84)
前記溶出組成物が、約4.2のpHを有する、項目82または83に記載の方法。
(項目85)
前記方法が、平衡組成物を前記カチオン交換樹脂に接触させた後に、前記抗体組成物を前記カチオン交換樹脂に接触させることを含む、項目56~84のいずれか1項に記載の方法。
(項目86)
前記平衡組成物が、酢酸ナトリウムを含む、項目85に記載の方法。
(項目87)
前記平衡組成物中の前記酢酸ナトリウムの濃度が、約10mM~150mMである、項目86に記載の方法。
(項目88)
前記平衡組成物中の前記酢酸ナトリウムの前記濃度が、約50mMである、項目86に記載の方法。
(項目89)
前記平衡組成物が、約3.8~約6.5のpHを有する、項目85~88のいずれか1項に記載の方法。
(項目90)
前記平衡組成物が、約4.2のpHを有する、項目89に記載の方法。
(項目91)
前記抗体組成物が、約10~約100g/Lのタンパク質を含む、項目56~90のいずれか1項に記載の方法。
(項目92)
前記抗体組成物が、約30g/L~約50g/Lまたは約35g/L~約45g/Lのタンパク質を含む、項目91に記載の方法。
(項目93)
前記抗体組成物が、約40g/Lのタンパク質を含む、項目92に記載の方法。
(項目94)
前記抗体組成物が、約3.8~約6.5のpHを有する、項目56~93のいずれか1項に記載の方法。
(項目95)
前記抗体組成物が、約4.2のpHを有する、項目94に記載の方法。
(項目96)
前記抗体組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の約1%~約20%が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目56~95のいずれか1項に記載の方法。
(項目97)
前記抗体組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の約1%~約15%、または約5%~約15%、または約3%~約12%、または約10%~約15%が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目96に記載の方法。
(項目98)
前記H2L2組成物が、前記カチオン交換樹脂に接触させた前記抗体組成物中に少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、または少なくとも55%の前記H2L2抗体またはその抗原結合断片を含む、項目56~97のいずれか1項に記載の方法。
(項目99)
前記抗体組成物が、システイン操作抗体またはその抗原結合断片を含む、項目56~97のいずれか1項に記載の方法。
(項目100)
前記システイン操作抗体またはその抗原結合断片が、EU/OU番付位置442に操作されたシステイン残基を含む、項目99に記載の方法。
(項目101)
前記抗体組成物が抗体を含む、項目56~100のいずれか1項に記載の方法。
(項目102)
前記抗体組成物が、抗体の抗原結合断片を含む、項目56~100のいずれか1項に記載の方法。
(項目103)
前記抗体組成物が、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、単鎖FvもしくはscFv、ジスルフィド連結Fv、V-NARドメイン、IgNar、イントラボディ、IgGΔCH2、ミニボディ、F(ab’)、テトラボディ、トリアボディ、ダイアボディ、単一ドメイン抗体、DVD-Ig、Fcab、mAb、(scFv)、またはscFv-Fcを含む、項目56~100のいずれか1項に記載の方法。
(項目104)
前記抗体組成物が、CHO細胞株から産生された抗体またはその抗原結合断片を含む、項目56~103のいずれか1項に記載の方法。
(項目105)
前記H2L2組成物中の前記H2L2抗体またはその抗原結合断片を細胞毒にコンジュゲートして、イムノコンジュゲート組成物を形成することをさらに含む、項目56~104のいずれか1項に記載の方法。
(項目106)
項目56~105のいずれか1項に記載の方法により産生されたH2L2組成物。
(項目107)
2%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、項目106に記載のH2L2組成物。
(項目108)
1%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、項目107に記載のH2L2組成物。
(項目109)
0.5%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、項目108に記載のH2L2組成物。
(項目110)
項目105に記載の方法により産生されたイムノコンジュゲート組成物。
(項目111)
2%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、項目110に記載のイムノコンジュゲート組成物。
(項目112)
1%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、項目111に記載のイムノコンジュゲート組成物。
(項目113)
0.5%以下のH2L3抗体またはその抗原結合断片を含む、項目112に記載のイムノコンジュゲート組成物。
(項目114)
(i)前記カチオン交換樹脂が、架橋ポリ(スチレンジビニルベンゼン)、スフロプロピル(-CHCHCHSO-)表面官能性、約50μmの粒径、ならびに直径約500nMの細孔及び直径約22nMの細孔を含む二峰性孔径分布を有し、
(ii)前記溶出組成物が、約300~600mMの塩化物塩、及び約3.8~約5.0のpHを含み、
(iii)前記抗体組成物が、約10~約100g/Lのタンパク質を含み、前記抗体組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の約10%~約15%が、H2L3抗体またはその抗原結合断片であり、
(iv)前記H2L2組成物が、1~9のカラム体積から選択される1つ以上の溶出されたカラム体積を含み、
(v)前記H2L2組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の2%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目56に記載の方法。
(項目115)
(i)前記カチオン交換樹脂が、架橋ポリ(スチレンジビニルベンゼン)、スフロプロピル(-CHCHCHSO-)表面官能性、約50μmの粒径、ならびに直径約500nMの細孔及び直径約22nMの細孔を含む二峰性孔径分布を有し、
(ii)前記溶出組成物が、約400mM NaCl及び4.2のpHを有し、
(iii)前記抗体組成物が、約30~約50g/Lのタンパク質を含み、前記抗体組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の約10%~約15%が、H2L3抗体またはその抗原結合断片であり、
(iv)前記H2L2組成物が、1~4の溶出されたカラム体積を含み、
(v)前記H2L2組成物中の前記抗体またはその抗原結合断片の1%以下が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目57に記載の方法。
(項目116)
抗CD123抗体またはその抗原結合断片を含む組成物であって、前記抗CD123抗体またはその抗原結合断片の1%未満が、H2L3抗体またはその抗原結合断片であり、前記抗CD123抗体またはその抗原結合断片が、それぞれ、配列番号5~7の可変重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、それぞれ、配列番号8~10の可変軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、を含む、前記組成物。
(項目117)
前記抗CD123抗体が、配列番号1の可変重鎖配列を含む、項目116に記載の組成物。
(項目118)
前記抗CD123抗体またはその抗原結合断片が、配列番号2の可変軽鎖配列を含む、項目116または117に記載の組成物。
(項目119)
前記抗CD123抗体またはその抗原結合断片が、システイン操作されている、項目116~118のいずれか1項に記載の組成物。
(項目120)
前記抗CD123抗体が、配列番号3の重鎖配列を含む、項目116~119のいずれか1項に記載の組成物。
(項目121)
前記抗CD123抗体が、配列番号4の軽鎖配列を含む、項目116~120のいずれか1項に記載の組成物。
(項目122)
前記抗CD123抗体またはその抗原結合断片の0.5%未満が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目116~121のいずれか1項に記載の組成物。
(項目123)
抗CD123イムノコンジュゲートを含む組成物であって、前記イムノコンジュゲートが、DGN549-Cに連結された抗CD123抗体またはその抗原結合断片を含み、前記抗CD123抗体またはその抗原結合断片の1%未満が、H2L3抗体またはその抗原結合断片であり、前記抗CD123抗体またはその抗原結合断片が、それぞれ、配列番号5~7の可変重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、それぞれ、配列番号8~10の可変軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列と、を含む、前記組成物。
(項目124)
前記抗CD123抗体が、配列番号1の可変重鎖配列を含む、項目123に記載の組成物。
(項目125)
前記抗CD123抗体またはその抗原結合断片が、配列番号2の可変軽鎖配列を含む、項目123または124に記載の組成物。
(項目126)
前記抗CD123抗体またはその抗原結合断片が、システイン操作されている、項目123~125のいずれか1項に記載の組成物。
(項目127)
前記抗CD123抗体が、配列番号3の重鎖配列を含む、項目123~126のいずれか1項に記載の組成物。
(項目128)
前記抗CD123抗体が、配列番号4の軽鎖配列を含む、項目123~127のいずれか1項に記載の組成物。
(項目129)
前記イムノコンジュゲートが次の構造を有する、項目1~128のいずれか1項に記載の組成物。

(項目130)
前記抗CD123抗体またはその抗原結合断片の0.5%未満が、H2L3抗体またはその抗原結合断片である、項目1~129のいずれか1項に記載の組成物。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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