JP2023111764A - 加飾積層体 - Google Patents

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安広 飯泉
Yasuhiro Iiizumi
晋也 與田
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Abstract

【課題】耐水性に優れる加飾積層体を提供する。【解決手段】第1面、及び第1面に対向する第2面を有する透明樹脂基体と、透明樹脂基体の第1面上に位置する、凹凸構造を含む意匠部と、意匠部の少なくとも一部を覆う保護部と、透明樹脂基体の第2面上に位置するハードコート層とを有する、加飾積層体。【選択図】なし

Description

本開示は、加飾積層体に関する。
自動車の内外装材(フロントグリル、インストルメントパネル等)、家電製品、住宅等を加飾するための加飾積層体が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、一方の面の少なくとも一部が曲面であるガラス基材と、ガラス基材の一方の面上に形成された、上面に凹凸パターンを有する凹凸パターン層と、凹凸パターン層の上面に形成された金属蒸着層とを備える加飾ガラスパネルが開示されている。
特許第6774387号公報
本開示者らは、加飾積層体を例えば自動車の外装材として用いた場合、加飾積層体の耐水性が充分ではないことから、加飾積層体に含まれる、凹凸構造を有する意匠層が劣化する傾向にあることを見出した。
本開示の一つの解決課題は、耐水性に優れる加飾積層体を提供することにある。
本開示の加飾積層体は、第1面、及び第1面に対向する第2面を有する透明樹脂基体と、透明樹脂基体の第1面上に位置する、凹凸構造を含む意匠部と、意匠部の少なくとも一部を覆う保護部と、透明樹脂基体の第2面上に位置するハードコート層とを有する。
本開示によれば、耐水性に優れる加飾積層体を提供できる。
図1は、加飾積層体の一実施形態に係る模式断面図である。 図2は、加飾積層体の一実施形態に係る模式断面図である。 図3は、意匠部の一実施形態に係る模式断面図である。 図4は、意匠層の一実施形態に係る平面図である。 図5は、加飾積層体の一実施形態に係る模式断面図である。 図6は、加飾積層体の一実施形態に係る模式断面図である。 図7は、加飾積層体の一実施形態に係る模式断面図である。
以下、図面を参照して本開示について説明する。本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本明細書において、「フィルム」、「シート」及び「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて互いから区別されない。例えば「樹脂フィルム」は、「樹脂シート」又は「樹脂板」と呼ばれる部材等と呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
[加飾積層体]
本開示の加飾積層体は、
第1面、及び第1面に対向する第2面を有する透明樹脂基体と、
透明樹脂基体の第1面上に位置する、凹凸構造を含む意匠部と、
意匠部の少なくとも一部を覆う保護部と、
透明樹脂基体の第2面上に位置するハードコート層と
を有する。
本開示の加飾積層体は、意匠を表示し、加飾積層体が適用された物品に意匠性を付与する。本開示の加飾積層体は、物理的な凹凸構造を含む意匠部を有することから、一実施形態において、立体感を表現でき、例えば高級感をともなった豊かな意匠を表現できる。
図1及び図2に、本開示の加飾積層体の一実施形態に係る模式断面図を示す。加飾積層体1は、第1面10a、及び第1面10aに対向する第2面10bを有する透明樹脂基体10と、透明樹脂基体10の第1面10a上に位置する、図示せぬ凹凸構造を含む意匠部20と、意匠部20の少なくとも一部を覆う保護部30と、透明樹脂基体の第2面10b上に位置するハードコート層12とを有する。
意匠部20は、基材層22と、図示せぬ凹凸構造を有する意匠層24と、凹凸構造を被覆する金属層26とを有する。図1に示す実施形態では、意匠部20は、基材層22が透明樹脂基体10側を向き、金属層26が保護部30側を向くように配置されている。図2に示す実施形態では、意匠部20は、基材層22が保護部30側を向き、金属層26が透明樹脂基体10側を向くように配置されている。
図1及び図2に示す実施形態では、透明樹脂基体10と意匠部20とは、接着剤ADを介して接合されている。透明樹脂基体10と意匠部20とは、熱ラミネーションにより接合されていてもよい。
<透明樹脂基体>
本開示の加飾積層体は、透明樹脂基体を有する。
透明樹脂基体は、意匠部及び保護層を支持する層である。透明樹脂基体は、例えば、フィルム状、シート状又は板状の部材である。透明樹脂基体は、平坦でもよく、曲面を有してもよく、その形状は、加飾積層体の用途に応じて種々選択できる。
透明樹脂基体を構成する材料としては、可視光を透過し、且つ、意匠部及び保護層を支持可能な強度を有していれば特に限定されず、例えば透明性樹脂を採用可能である。透明性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィン及びアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネートは、透明性及び耐衝撃性に優れていることから、透明樹脂基体を構成する材料として好適である。透明樹脂基体は、一実施形態において、ポリカーボネート板である。
透明樹脂基体は、例えば、射出成形などにより形成できる。
透明樹脂基体の厚さは、例えば0.2mm以上20mm以下、好ましくは2mm以上18mm以下である。
本明細書で用いる「透明」とは、分光光度計((株)島津製作所製「UV-3100PC」、JIS K 0115準拠品)を用いて測定波長380nm以上780nm以下の範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される可視光透過率が、50%以上であることを意味し、好ましくは80%以上である。
<ハードコート層等>
本開示の加飾積層体は、透明樹脂基体の第2面上に位置するハードコート層を有する。本開示の加飾積層体は、一実施形態において、ハードコート層と透明樹脂基体との間に、接着層、又は密着改善層と接着層とを有する。
本開示の加飾積層体は、一実施形態において、ハードコート層と、必要に応じて密着改善層と、接着層と、透明樹脂基体と、意匠部とを厚さ方向にこの順に有する。このような実施形態の加飾積層体は、例えば、ハードコート層と、必要に応じて密着改善層と、接着層とを厚さ方向にこの順に備えるハードコートフィルムを、ハードコートフィルムの接着層と透明樹脂基体の第2面とが接するように配置することで得られる。
ハードコート層は、一実施形態において、加飾積層体の一方側の表層を構成し、耐傷性を有する。ハードコート層を構成する材料としては、例えば、樹脂硬化物が挙げられる。樹脂硬化物は、一般的なハードコート層に含まれる樹脂硬化物を使用できる。樹脂硬化物としては、例えば、不飽和ポリエステル、熱硬化性ポリウレタン、不飽和(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂及びポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂の硬化物が挙げられる。樹脂硬化物は、熱硬化性樹脂を加熱硬化させた硬化物でもよく、電離放射線硬化性樹脂を光照射又は電子線照射により硬化させた硬化物でもよい。
ハードコート層は、柔軟性等の物性を付与するために、熱可塑性樹脂を含んでもよい。
ハードコート層は、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤及び充填剤が挙げられる。
ハードコート層は、上述したハードコート層用の材料を硬化させることにより形成できる。ハードコート層用の材料を塗布する方法としては、例えば、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、スピンコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ダイコート法、スリットリバース法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、オフセット法及びバーコード法が挙げられる。ハードコート層用の材料を印刷する方法としては、例えば、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷及びスクリーン印刷が挙げられる。
ハードコート層の厚さは、例えば1μm以上100μm以下、好ましくは2μm以上50μm以下、さらに好ましくは3μm以上30μm以下である。
密着改善層は、いわゆるプライマー層である。密着改善層は、一実施形態において、ハードコート層と接着層との間に位置し、ハードコート層と接着層との密着性を向上させる。密着改善層を構成する材料としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリエステル及び塩素化ポリオレフィンが挙げられる。密着改善層は、紫外線吸収剤等の上記添加剤を含んでもよい。
密着改善層は、例えば、密着改善層用の材料をハードコート層上に塗布し、必要に応じて硬化させることにより形成できる。密着改善層用の材料を塗布する方法としては、上述した方法が挙げられる。
密着改善層の厚さは、例えば0.1μm以上10μm以下、好ましくは0.2μm以上5μm以下である。
接着層は、接着機能を有する。接着層は、ハードコートフィルムを透明樹脂基体に接着させる。接着層を構成する材料としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びスチレン樹脂などの熱融着性樹脂が挙げられる。
接着層は、例えば、上述した接着層用の材料を密着改善層上に塗布することにより形成できる。接着層用の材料を塗布する方法としては、上述した方法が挙げられる。
接着層の厚さは、例えば1μm以上100μm以下、好ましくは3μm以上50μm以下である。密着改善層が接着機能を有する場合は、接着層を設けなくてもよい。
ハードコート層、密着改善層及び接着層は、それぞれ可視光を透過させる。
<紫外線吸収層>
本開示の加飾積層体は、一実施形態において、ハードコート層と透明樹脂基体との間に、紫外線吸収層を有してもよい。紫外線吸収層は、紫外線吸収剤を含む層である。これにより、例えば、紫外線によって透明樹脂基体が変色することを抑制できる。
紫外線吸収層は、例えば、紫外線吸収剤とバインダー樹脂とから形成できる。紫外線吸収剤としては、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、酸化チタンが挙げられる。バインダー樹脂としては、例えば、汎用の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び電離放射線硬化性樹脂が挙げられる。
紫外線吸収層は、酸化防止剤及び光安定剤を含んでもよい。酸化防止剤としては、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン、フェノール系酸化防止剤、過酸化物分解剤であるジラウリル・チオジプロピオネート及びジステアリル・チオジプロピオネートが挙げられる。光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤及びピペリジン系ラジカル捕捉剤が挙げられる。
紫外線吸収層は、ハードコートフィルム中に設けられていてもよい。例えば、紫外線吸収層は、ハードコートフィルムを構成する層の間(例えば、ハードコート層と密着改善層との間や、密着改善層と接着層との間)に設けられていてもよい。
透明樹脂基体及びハードコートフィルムを構成する層(例えば、ハードコート層、密着改善層及び接着層)から選択される少なくとも1つが、紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定剤から選択される少なくとも1種を含んでもよい。これらの場合、本開示の加飾積層体は、透明樹脂基体及びハードコートフィルムの他に、さらなる紫外線吸収層を有しなくともよい。
<意匠部>
本開示の加飾積層体は、凹凸構造を含む意匠部を有する。意匠部は、凹凸構造を当該意匠部中に含んでいればよく、意匠部の外形自体(例えば表面)が凹凸構造を有している必要は必ずしもない。
意匠部は、意匠を表示して、加飾積層体に意匠性を付与する。
意匠部は、一実施形態において、基材層と、基材層の一方の面上に位置し、凹凸構造を有する意匠層と、凹凸構造を被覆する、金属層又は屈折率変調層とを有する。意匠部は、一実施形態において、意匠層と金属層又は屈折率変調層との凹凸を埋める埋込層を有してもよい。
意匠部は、凹凸構造を有する意匠層が透明樹脂基体側を向き、基材層が保護部側を向くように配置されていてもよく、凹凸構造を有する意匠層が保護部側を向き、基材層が透明樹脂基体側を向くように配置されていてもよい。例えば加飾積層体を車両外装材として用いる場合は、意匠部は、凹凸構造を有する意匠層が透明樹脂基体側(大気面側)を向き、基材層が保護部側(車内側)を向くように配置されていてもよく、凹凸構造を有する意匠層が保護部側(車内側)を向き、基材層が透明樹脂基体側(大気面側)を向くように配置されていてもよい。
図3に、意匠部の一実施形態に係る模式断面図を示す。意匠部20は、基材層22と、基材層22の一方の面上に位置する、凹凸構造24aを有する意匠層24と、凹凸構造24aを被覆する金属層26と、意匠層24及び金属層26の凹凸を埋める埋込層28とを有する。図3に示す例では、意匠部20は、基材層22と意匠層24と金属層26と埋込層28とを、厚さ方向にこの順に有する。
≪基材層≫
意匠部を構成する基材層は、意匠部の他の層を支持する層である。他の層としては、例えば、意匠層、金属層、屈折率変調層及び埋込層が挙げられる。基材層は、一実施形態において、フィルム状又はシート状である。
基材層を構成する材料は、可視光を透過し、適切な支持性を有する材料であればよく、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリカーボネートが挙げられる。
基材層の厚さは、例えば5μm以上500μm以下である。
≪意匠層≫
意匠部を構成する意匠層は、凹凸構造を有し、意匠部が表示する意匠を形成する。
意匠層は、基材層と、金属層又は屈折率変調層との間に位置する。
凹凸構造を有する意匠層(例えば、賦形樹脂凹凸層)は、一般的に、加飾積層体の外部から侵入した水分又は水蒸気により劣化する傾向にある。本開示においては、水分等の侵入が保護部により抑制されていることから、このような劣化が抑制される。
意匠層は、一実施形態において、凸面鏡として機能する単位要素を含む。意匠層は、凸面鏡として機能する単位要素を複数含んでもよい。このような意匠層によれば、単位要素に映り込む範囲が、鏡面反射面よりも広範囲となる。このため、観察者は、凸面鏡として機能する単位要素が実際の意匠層の位置よりも奥深くに位置しているように感じる。すなわち、意匠層は、意匠層の厚さよりも深い奥行き感のある意匠を表示できる。したがって、意匠層の厚さを薄くしながら、意匠層の厚さ以上の立体感を表現できる。これにより、高級感をともなった豊かな意匠表現を実現できる。
単位要素の平面形状の一実施形態を、図4に示す。図4において、単位要素24bの平面形状は、四角形形状である。単位要素の平面形状は、四角形形状に限られない。単位要素の平面形状としては、例えば、三角形形状、五角形形状、六角形形状、八角形形状等の他の多角形形状や、多角形形状の角を面取りした形状、円形状、楕円形状等の曲線輪郭を含む形状が挙げられる。
複数の単位要素は、一実施形態において、規則的に配置されている。図4に示された例において、複数の単位要素24bは、正方配列されている。複数の単位要素は、互いに異なる形状を有してもよい。複数の単位要素は、不規則的に配置されていてもよい。
意匠層は、一実施形態において、凹面鏡として機能する単位要素を含む。意匠層は、凹面鏡として機能する単位要素を複数含んでもよい。このような意匠層によれば、観察者は、単位要素に映り込む外光の反射面の位置が実際の意匠層の位置と異なるように感じる。したがって、意匠層の厚さを薄くしながら、意匠層の厚さ以上の立体感を表現できる。これにより、高級感をともなった豊かな意匠表現を実現できる。
単位要素は、一実施形態において、上記凹凸構造としてフレネルレンズ構造を有するフレネルレンズ部を含む。図4に示された例において、単位要素24bは、上記凹凸構造としてフレネルレンズ構造を有するフレネルレンズ部24cを含む。これにより、意匠層の厚さを薄くでき、よって加飾積層体の厚さを薄くできる。フレネルレンズ部には、フレネルレンズ構造を成す凹凸が形成されている。フレネルレンズ構造としては、例えば、同心状フレネルレンズ構造(図4参照)及び直線状フレネルレンズ構造が挙げられる。
意匠層は、一実施形態において、平面視において平行直線群又は平行曲線群を成す凹凸が形成された単位要素を含む。意匠層は、このような単位要素を複数含んでもよい。意匠層は、平行直線群又は平行曲線群の延びる方向に応じて光を反射でき、平行直線群又は平行曲線群の延びる方向に応じた意匠を表現できる。互いに隣接する単位要素は、一実施形態において、平面視において平行直線群又は平行曲線群の延びる方向が異なる。この場合、意匠層は、隣り合う単位要素が異なる態様で光を反射させるため、複雑な意匠を表現できる。
意匠層は、一実施形態において、エンボス型ホログラムを構成する凹凸が形成された単位要素を含む。この場合、加飾積層体は、エンボス型ホログラムが表現する意匠に対応した意匠を表現できる。
このように、一実施形態において、意匠層を構成する上記単位要素は、フレネルレンズ部及びホログラム部から選択される少なくとも1種を含む。
本開示の加飾積層体は、一実施形態において、外装材であり、平面視における上記単位要素の寸法は、好ましくは3mm以上200mm以下、より好ましくは10mm以上200mm以下、さらに好ましくは20mm以上100mm以下である。
本開示の加飾積層体は、一実施形態において、内装材であり、平面視における上記単位要素の寸法は、好ましくは3mm以上200mm以下、より好ましくは3mm以上40mm以下、さらに好ましくは6mm以上20mm以下である。
意匠層の厚さは、好ましくは10μm以上500μm以下、より好ましくは50μm以上300μm以下、さらに好ましくは100μm以上200μm以下である。
意匠層を構成する材料としては、例えば、基材層と同一の材料や、電離放射線硬化性樹脂が挙げられる。電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化性樹脂及び電子線硬化性樹脂が挙げられる。
意匠層は、一実施形態において、基材層と別体として形成されている。意匠層が基材層と別体として形成される場合、意匠層は、例えば次のようにして形成される。すなわち、意匠層の形状に対応する金型を準備し、金型に液状の紫外線硬化性樹脂又は電子線硬化性樹脂を塗布し、基材層に押し当てる。次に、紫外線又は電子線を照射して金型内の樹脂を硬化させ、硬化した樹脂から金型を外す。これにより、基材層上に意匠層が形成される。
意匠層は、一実施形態において、基材層と一体に形成されてもよい。意匠層が基材層と一体に形成される場合、基材層及び意匠層は、例えば、熱エンボス加工法又は射出成形法により形成できる。熱エンボス加工では、加熱されて柔らかくなったシート基材の一方の面に、意匠層の形状に対応する金型を押し当てて、当該シート基材の一方の側に意匠層を形成する。そして、当該シート基材の他方の側を基材層として用いる。射出成形では、熱可塑性樹脂を加熱して溶融させ、溶融した樹脂を基材層及び意匠層の形状に対応する金型内に充填して冷却することで、基材層と意匠層とが一体になった部材を形成する。
≪金属層及び屈折率変調層≫
金属層は、意匠層の上記凹凸構造が形成された面において、反射率を向上させるための層である。金属層は、例えば、金属材料又は無機材料の蒸着(例えば、スパッタリングや真空蒸着)又はコーティングにより形成できる。金属層は、透明蒸着層でもよい。金属層は、例えば、薄い膜状の層として形成される。
金属層は、一般的に、加飾積層体の外部から侵入した水分又は水蒸気により劣化する傾向にある。本開示においては、水分等の侵入が保護部により抑制されていることから、このような劣化が抑制される。
金属層は、例えば、アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、インジウム、マグネシウム、スズ、チタン、鉛、ジルコニウム及びイットリウム等の、金属材料又は無機材料により構成される。
金属層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法等の物理蒸着法(PVD法)、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法及び光化学気相成長法等の化学蒸着法(CVD法)により形成できる。
金属層は、一実施形態において、可視光を反射可能な複数の金属粒部を含み、複数の金属粒部の間に電磁波が透過可能な隙間が設けられている層でもよい。金属層は、いわゆる海島構造を有してもよく、例えば、島状の金属粒部が互いに離間している。
図3に図示された例では、金属層26は、意匠層24の凹凸構造24aが形成された面に沿って形成されているが、これに限られない。金属層は、意匠層の凹凸構造を埋めるように形成されていてもよい。
金属層の厚さは、例えば0.005μm以上10μm以下である。
意匠部は、金属層の代わりに、意匠層の凹凸構造を被覆する屈折率変調層を含んでもよい。屈折率変調層は、その屈折率が意匠層の屈折率とは異なる層である。意匠層の凹凸構造が屈折率変調層によって被覆されている場合、意匠層と屈折率変調層との間に反射界面が形成され、意匠層の表面における光の反射率を向上できる。この場合、意匠部は、金属層を含まなくてもよい。屈折率変調層は、一実施形態において、有機樹脂により構成される。
≪埋込層≫
意匠部は、一実施形態において、意匠層と金属層又は屈折率変調層との凹凸を埋めるための埋込層を有する。埋込層は、上記凹凸を埋める平坦化層として機能する。上記凹凸が埋込層によって埋められることにより、例えば、意匠部上に保護部等の他の層を設ける際等に、意匠層の凹凸構造が変形することを抑制できる。
埋込層を構成する材料としては、可視光を透過可能な材料であれば特に限定されず、例えば、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂、常温硬化性樹脂が挙げられる。埋込層は、金属層又は屈折率変調層と後述する光拡散層とを接着させる接着剤によっても形成できる。金属層が意匠層の凹凸構造を埋めるように形成される場合、意匠部は、埋込層を有しなくともよい。
≪絵柄層≫
意匠部は、絵柄層を有してもよい。絵柄層は、例えば、文字(商品名、製品表示、品質表示等)、図形、写真、記号、模様及びパターン等の絵柄や、ベタ画像を表示する層である。絵柄層は、バインダー樹脂や溶剤に染料及び顔料等の着色剤を混合して作製されたインキを用いて、意匠部の他の層に絵柄を印刷することにより形成される。絵柄層を印刷する印刷方式としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷及びシルクスクリーン印刷が挙げられる。
意匠部が絵柄層を有するかわりに、基材層、意匠層又は埋込層が着色剤を含んでもよい。ハードコートフィルム及び透明樹脂基体のいずれかの層が着色剤を含んでもよい。
意匠部の厚さは、例えば0.02mm以上2mm以下、好ましくは0.03mm以上1.5mm以下、より好ましくは0.05mm以上1mm以下である。
<保護部>
本開示の加飾積層体は、意匠部の少なくとも一部を覆う保護部を有する。これにより、例えば、加飾積層体の外部から侵入した水分又は水蒸気が意匠部に到達することを抑制でき、したがって、加飾積層体の耐水性、特に耐加水分解性を向上できる。
保護部は、意匠部の少なくとも一部を覆っている。すなわち、保護部は、加飾積層体の平面視において、意匠部と重なって配置されている。保護部は、意匠部と直接接していてもよく、例えば接着剤を介して意匠部を覆っていてもよい。保護部は、例えば、意匠部における透明樹脂基体側の面とは反対側の面上に少なくとも設けられている。
保護部は、単層構造を有してもよく、多層構造を有してもよい。水分及び水蒸気等に対するバリア性をより向上できるという観点から、保護部は、多層構造を有することが好ましい。
保護部は、一実施形態において、樹脂層を有する。
樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及び環状ポリオレフィン等のポリオレフィン、酸変性ポリエチレン及び酸変性ポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィン、金属イオン架橋ポリオレフィン等のアイオノマー樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、アクリレート-スチレン-アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル、四フッ化エチレン-エチレン共重合体及びポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリ乳酸、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル、耐加水分解性ポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6及びポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアリールフタレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン、シリコーン樹脂、アセタール樹脂、セルロース樹脂並びにフェノール樹脂が挙げられる。
上記樹脂は、機械的又は化学的強度に優れ、具体的には、耐候性、耐熱性、耐水性及び耐光性等の諸堅牢性に優れる。樹脂層は、一実施形態において、上記樹脂により構成される樹脂フィルムであり、好ましくは熱可塑性樹脂フィルムである。熱可塑性樹脂フィルムとしては、具体的には、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム及び耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、例えば5μm以上1000μm以下である。熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
上記樹脂層及び樹脂フィルムは、例えば、上記樹脂の1種又は2種以上を使用し、押出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他の成膜化法を用いて成膜できる。
上記樹脂層及び樹脂フィルムの厚さは、好ましくは5μm以上1000μm以下、より好ましくは10μm以上500μm以下、さらに好ましくは20μm以上400μm以下である。保護部が樹脂層又は樹脂フィルムを複数有する場合は、各樹脂層及び樹脂フィルムの厚さが上記範囲にあることが好ましい。
保護部は、一実施形態において、蒸着膜を有する。蒸着膜の詳細は後述する。
保護部は、一実施形態において、アルミニウム箔等の金属箔を有する。
保護部は、一実施形態において、蒸着フィルムを有する。
蒸着フィルムは、樹脂フィルムと、該樹脂フィルム上に形成された蒸着膜とを有する。
蒸着膜は、一実施形態において、樹脂フィルムの一方の表面に形成されている。樹脂フィルムの表面に蒸着膜を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法及びイオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(PVD法)、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD法)が挙げられる。
蒸着膜としては、例えば、金属又は金属の酸化物の蒸着膜が挙げられ、例えば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム及びイットリウム等の金属又はその酸化物の蒸着膜が挙げられる。これらの中でも、アルミニウム蒸着膜、アルミナ蒸着膜及びシリカ蒸着膜が好ましい。
蒸着膜は、一実施形態において、アルミナ蒸着膜及びシリカ蒸着膜等の透明蒸着膜である。蒸着フィルムは、一実施形態において、透明蒸着フィルムである。
蒸着膜の厚さは、例えば5nm以上100nm以下、好ましくは10nm以上60nm以下である。蒸着膜の厚さが5nm以上であることにより、例えば、充分なガスバリア性や防湿性が付与される。蒸着膜の厚さが100nm以下であることにより、例えば、蒸着膜の割れ及びクラックの発生を抑制できる。
蒸着フィルムを構成する樹脂フィルムとしては、例えば、保護層としての上記樹脂層を構成する樹脂が挙げられ、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム及びポリアミドフィルムが挙げられる。ポリエステルフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。
樹脂フィルムは、一実施形態において、二軸延伸加工されていることが好ましい。二軸延伸加工された樹脂フィルムを使用することにより、樹脂フィルムの寸法の狂いを抑制できる。
蒸着フィルムを構成する樹脂フィルムの厚さは、好ましくは5μm以上150μm以下、より好ましくは10μm以上50μm以下である。これにより、例えば、寸法安定性、蒸着時に必要な耐熱性、及び加工時のフィルム搬送適性が得られる。
蒸着フィルムとしては、具体的には、アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム、アルミナ蒸着ポリエステルフィルム、シリカ蒸着ポリエステルフィルム、アルミニウム蒸着ポリプロピレンフィルム及びシリカ蒸着ポリアミドフィルムが挙げられる。
蒸着フィルムは、樹脂フィルムが透明樹脂基体側を向き、蒸着膜が透明樹脂基体側とは反対側を向くように配置されていてもよく、蒸着膜が透明樹脂基体側を向き、樹脂フィルムが透明樹脂基体側とは反対側を向くように配置されていてもよい。
保護部は、蒸着フィルムを1つ有してもよく、複数有してもよい。保護部が蒸着フィルムを複数有する場合、各蒸着フィルムは同一でもよく、異なってもよい。保護部が蒸着フィルムを複数有する場合、蒸着フィルム同士、又は蒸着フィルムと他の層とは、例えば、接着剤により接合できる。
樹脂フィルム又は蒸着フィルムの40℃、90%RHにおける水蒸気透過度は、例えば0.01g/m・day以上50g/m・day以下であり、好ましくは0.01g/m・day以上2g/m・day以下である。水蒸気透過度は、JIS K 7129に準拠して測定される。
保護部は、一実施形態において、樹脂層、蒸着膜、金属箔及び蒸着フィルムから選択される少なくとも1種を有する。保護部は、一実施形態において、樹脂層、蒸着膜、金属箔及び蒸着フィルムから選択される2つ以上を、例えば、ドライラミネーション及び熱ラミネーション等の方法により積層して形成できる。ここで、例えば樹脂層が2つ以上でもよく、金属箔が2つ以上でもよく、蒸着フィルムが2つ以上でもよい。
保護部は、水蒸気透過に対するバリア性がより高いという観点から、金属箔、及び樹脂フィルムに金属酸化物の蒸着膜が形成された蒸着フィルムから選択される少なくとも1種を有することが好ましい。
保護部は、一実施形態において、耐加水分解性樹脂層を有する。これにより、例えば、保護部が外部から侵入した水分又は水蒸気により劣化することを抑制でき、したがって意匠部の劣化を抑制できる。例えば、蒸着フィルムにおける樹脂フィルムを、耐加水分解性樹脂フィルムとしてもよい。
耐加水分解性樹脂層としては、例えば、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム又はその積層体が挙げられる。耐加水分解性樹脂層は、一実施形態において、紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定剤から選択される少なくとも1種を含む。これにより、例えば、耐候性を向上できる。紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定剤の詳細は、上述したとおりである。
耐加水分解性PETフィルムとしては、例えば、東レ(株)製のルミラー(登録商標)#75N-MX11、#160N-MX11、#160-MX40及び#38-MX70が挙げられる。本開示の加飾積層体は、熱プレス加工により製造してもよい。熱プレス加工では、保護部の最外層として、耐加水分解性PETフィルムが好適に用いられる。
意匠部が、基材層と、基材層の一方の面上に位置し、凹凸構造を有する意匠層と、凹凸構造を被覆する金属層とを有する場合において、金属層と接するように保護部を設ける場合は、保護部における金属層と接する層は、金属接着性樹脂層であることが好ましく、又は、意匠部と保護部との間に接着剤層等の接着層を設けることが好ましい。これにより、例えば、意匠部と保護部との密着性を向上できる。
金属接着性樹脂層を構成する材料としては、例えば、酸変性ポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びアイオノマー樹脂等の金属接着性熱可塑樹脂が挙げられる。酸変性ポリオレフィンとしては、例えば、酸変性ポリエチレン及び酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
意匠部が、基材層と、基材層の一方の面上に位置し、凹凸構造を有する意匠層と、凹凸構造を被覆する金属層とを有する場合において、金属層上に保護部を設け、かつ耐加水分解性を付与する場合は、保護部は、金属層と接する層として金属接着性樹脂層を有し、さらに耐加水分解性樹脂層を有することが好ましい。保護部は、金属接着性樹脂層と耐加水分解性樹脂層との間に、接着剤層等の接着層を有してもよい。保護部は、金属接着性樹脂層と耐加水分解性樹脂層との間に、上述した樹脂層、蒸着膜、金属箔及び蒸着フィルムから選択される少なくとも1種を有してもよい。
保護部は、例えば、樹脂層、蒸着膜、金属箔又は蒸着フィルムでもよく、樹脂層、蒸着膜、金属箔及び蒸着フィルムから選択される2つ以上を有する積層構造でもよい。樹脂層は、金属接着性樹脂層及び耐加水分解性樹脂層を包含する。樹脂層は、樹脂フィルムでもよい。
保護部は、一実施形態において、各層間(例えば、樹脂フィルムと樹脂フィルムとの間や、樹脂フィルムと金属箔又は蒸着フィルムとの間)に、接着層を有してもよい。接着層は、例えば、接着剤層でもよく、後述する接着剤により形成できる。
以下、本開示の加飾積層体における、保護部における積層構造について、具体例を挙げて説明する。本開示において「/」は、厚さ方向において隣接する層同士の界面を示す。例えば、A層/B層は、A層とB層とが、厚さ方向において接していることを示す。以下の例において、「樹脂フィルム/蒸着膜」又は「蒸着膜/樹脂フィルム」は、上述した蒸着フィルムを意味する。以下の積層構造において、左側が意匠部に近い側であり、左側から右側の順に意匠部から離れる。
保護部の積層構造としては、例えば、
蒸着膜/樹脂フィルム、
樹脂フィルム/蒸着膜、
樹脂フィルム/蒸着膜/接着剤層/樹脂フィルム、
樹脂フィルム/蒸着膜/接着剤層/蒸着膜/樹脂フィルム、
樹脂フィルム/蒸着膜/接着剤層/樹脂フィルム/蒸着膜、
樹脂フィルム/蒸着膜/接着剤層/蒸着膜/樹脂フィルム/接着剤層/樹脂フィルム、
樹脂フィルム/蒸着膜/接着剤層/樹脂フィルム/蒸着膜/接着剤層/樹脂フィルム、
樹脂フィルム/接着剤層/樹脂フィルム/蒸着膜、
樹脂フィルム/接着剤層/樹脂フィルム/蒸着膜/接着剤層/樹脂フィルム、
樹脂フィルム/接着剤層/樹脂フィルム/蒸着膜/接着剤層/樹脂フィルム/蒸着膜、
樹脂フィルム/接着剤層/樹脂フィルム/蒸着膜/接着剤層/樹脂フィルム/蒸着膜/接着剤層/樹脂フィルム、
樹脂フィルム/接着剤層/樹脂フィルム/蒸着膜/接着剤層/蒸着膜/樹脂フィルム、
樹脂フィルム/接着剤層/樹脂フィルム/蒸着膜/接着剤層/蒸着膜/樹脂フィルム/接着剤層/樹脂フィルム、
蒸着膜/樹脂フィルム/接着剤層/樹脂フィルム/蒸着膜、
が挙げられる。
上記積層構造において、樹脂フィルムは、上述した金属接着性樹脂層又は耐加水分解性樹脂層でもよい。特に、意匠部における金属層と接するように保護部を設ける場合は、金属層と接する樹脂フィルムは、金属接着性樹脂層であることが好ましい。
保護部の積層構造としては、具体的には、
蒸着フィルム/接着剤層/耐加水分解性樹脂フィルム、
金属接着性樹脂層/蒸着フィルム、
金属接着性樹脂層/接着剤層/蒸着フィルム、
金属接着性樹脂層/接着剤層/耐加水分解性樹脂フィルム
金属接着性樹脂層/接着剤層/蒸着フィルム/接着剤層/耐加水分解性樹脂フィルム、
金属接着性樹脂層/ポリオレフィン層、
金属接着性樹脂層/ポリオレフィン層/接着剤層/蒸着フィルム、
金属接着性樹脂層/ポリオレフィン層/接着剤層/耐加水分解性樹脂フィルム、
金属接着性樹脂層/ポリオレフィン層/接着剤層/蒸着フィルム/接着剤層/耐加水分解性樹脂フィルム
が挙げられる。
上記積層構造において、蒸着フィルムである「樹脂フィルム/蒸着膜」又は「蒸着膜/樹脂フィルム」にかえて、金属箔を用いてもよい。
保護部は、一実施形態において、意匠部を封止する封止樹脂部である。図5に、この実施形態に係る模式断面図を示す。意匠部20は、一実施形態において、第1面20a、及び第1面20aに対向し、透明樹脂基体10側を向く第2面20bを有し、第1面20aの端部と第2面20bの端部とを接続する側面(側端部)20cを有する。保護部30は、意匠部20の第1面20a及び側面20cを被覆する封止樹脂部である。封止樹脂部は、意匠部20の第1面20a及び側面20cの全面を被覆するように設けられていることが好ましい。これにより、例えば、加飾積層体の外部から侵入した水分等に起因する意匠部の劣化を抑制できる。
保護部は、一実施形態において、樹脂層、蒸着膜、金属箔及び蒸着フィルム等の保護層と、封止樹脂部とを有する。図6に、この実施形態に係る模式断面図を示す。保護層32は、必要に応じて接着剤層ADを介して、意匠部20の第1面20aに接合されている。保護層32は、意匠部20の第1面20aの全面上に設けられていてもよい。保護層32は、上述した保護部の積層構造を有してもよい。封止樹脂部34は、保護層32の上面32aの少なくとも一部(周縁部)と、保護層32の側面32c及び意匠部20の側面20cとを被覆している。封止樹脂部34は、保護層32の上面32aの全面を被覆していてもよい。上記保護層に加えてこのような封止樹脂部をさらに設けることにより、より安定した耐候性を実現できる。
封止樹脂としては、水分又は水蒸気の侵入を抑制する機能を有する樹脂であれば特に限定されず、例えば、上述した樹脂層を構成する樹脂が挙げられ、具体的には、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリオレフィン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂及びアイオノマー樹脂が挙げられる。
封止樹脂部の厚さは、例えば100μm以上1000μm以下である。
封止樹脂部は、例えば、射出成型により形成できる。
本開示の加飾積層体は、一実施形態において、透明樹脂基体と意匠部との間に、透明蒸着フィルムを有してもよい。これにより、例えば、透明樹脂基体側から侵入した水分又は水蒸気による意匠部の劣化を抑制できる。本開示の加飾積層体は、一実施形態において、透明樹脂基体/接着剤層/透明蒸着フィルム/接着剤層/意匠部/接着剤層/金属箔又は蒸着フィルム/接着剤層/樹脂フィルム又は耐加水分解性樹脂フィルム、という積層構造を有する。
保護部は、一実施形態において、紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定剤から選択される少なくとも1種を含む。これにより、例えば、保護部の耐候性を向上できる。紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定剤の詳細は、上述したとおりである。
<光拡散層>
本開示の加飾積層体は、透明樹脂基体と意匠部との間に、光拡散層を有してもよい。光拡散層は、金属層で反射された可視光を拡散させる層である。光拡散層は、一実施形態において、加飾積層体の平面視において、意匠層の単位要素と重なって配置されている。金属層で反射された光が光拡散層で拡散されることにより、加飾積層体の意匠層を視認可能な視野角を広げることができる。光拡散層によって光が拡散されることにより、均一化された光が加飾積層体から出射される。
光拡散層は、一実施形態において、バインダー樹脂と、バインダー樹脂中に分散した光拡散材とを含む。光拡散層は、バインダー樹脂と光拡散材との間の屈折率差を利用して、又は、光拡散材が有する反射性を利用して、光を等方的に拡散できる。
光拡散層に含まれるバインダー樹脂としては、例えば、塩素系樹脂、ウレタン樹脂、(メタ)アクリルウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ニトロセルロース及び酢酸セルロースが挙げられる。
光拡散層に含まれる光拡散材は、光拡散層に求められる光拡散性等に応じて適宜選択されてよい。光拡散材としては、例えば、プラスチックビーズ等の有機粒子、及びシリカ等の無機粒子が挙げられる。プラスチックビーズとしては、例えば、メラミンビーズ、(メタ)アクリルビーズ、(メタ)アクリル-スチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリスチレンビーズ及び塩化ビニルビーズが挙げられる。光拡散材は、気泡でもよい。
光拡散層は、例えば、光拡散材が分散した液状のバインダー樹脂を意匠部上に塗布することにより形成できる。光拡散層は、例えば、光拡散材が分散したバインダー樹脂を押出成形することにより形成できる。光拡散層と意匠部とは、例えば、接着剤を介して、又は光拡散層と意匠部とを熱融着させることにより、接合され得る。
光拡散層は、一実施形態において、光拡散シートである。
<絵柄層>
本開示の加飾積層体は、透明樹脂基体と意匠部との間に、絵柄層を有してもよい。絵柄層は、例えば、透明樹脂基体の第1面に形成されていてもよい。絵柄層は、例えば、光拡散シートの表面に形成されていてもよい。絵柄層は、例えば、黒色印刷層である。絵柄層の詳細は、≪絵柄層≫の欄にて上述したとおりである。本開示の積層体は、一実施形態において、透明樹脂基体の第1面上に、接着剤層を介して設けられた、絵柄層が形成された透明樹脂フィルムを有してもよい。
<接着層>
本開示の加飾積層体は、任意の各部材又は各層の間に、接着剤層等の接着層を有してもよい。これにより、例えば、各部材又は各層の間の密着性を向上できる。
接着剤層は、接着剤により構成される。接着剤は、1液硬化型の接着剤、2液硬化型の接着剤、及び非硬化型の接着剤のいずれでもよい。接着剤は、無溶剤型の接着剤でもよく、溶剤型の接着剤でもよい。
接着剤としては、例えば、ポリカーボネート(メタ)アクリル系接着剤、ポリエーテル系接着剤、ポリエステル系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ゴム系接着剤、ビニル系接着剤、オレフィン系接着剤及びフェノール系接着剤が挙げられる。これらの中でも、ウレタン系接着剤又はエポキシ系接着剤が好ましく、2液硬化型のウレタン系接着剤又は2液硬化型のエポキシ系接着剤がより好ましい。ドライラミネート接着剤が適宜使用可能である。
接着剤は、良好な塗布性及びハンドリング性を得るために、溶剤を含有してもよい。溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル及びプロピオン酸メチル等のカルボン酸エステルが挙げられる。
例えば、接着剤を対象物上に塗布して乾燥し、必要に応じて硬化させることにより接着剤層を形成できる。例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法及びキスコート法等のコート法や、印刷法によって接着剤を塗布できる。
接着剤層の厚さは、好ましくは2.0μm以上10μm以下、より好ましくは3.0μm以上6.0μm以下である。
[加飾積層体の他の態様]
本開示の加飾積層体の他の態様(1)は、第1面、及び第1面に対向する第2面を有する透明樹脂基体と、透明樹脂基体の第1面上に位置する、凹凸構造を含む意匠部と、透明樹脂基体の第2面上に位置するハードコート層とを有する。
意匠部は、凹凸構造を有する意匠層と、凹凸構造を被覆する、金属層又は屈折率変調層とを有する。意匠部は、金属層又は屈折率変調層が透明樹脂基体側を向くように配置されている。すなわち、加飾積層体の他の態様(1)は、透明樹脂基体と、金属層又は屈折率変調層と、意匠層とを厚さ方向にこの順に有する。意匠部は、意匠層の上面及び側面を被覆するように形成された基材層を有する。
本開示の加飾積層体の他の態様(2)は、第1面、及び第1面に対向する第2面を有する透明樹脂基体と、透明樹脂基体の第1面上に位置する、凹凸構造を含む意匠部と、透明樹脂基体の第2面上に位置するハードコート層とを有する。他の態様(2)では、意匠部は、基材層と、基材層の一方の面上に位置し、凹凸構造を有する意匠層と、凹凸構造を被覆する、金属層又は屈折率変調層とを有し、意匠部における金属層又は屈折率変調層が透明樹脂基体側を向くように、意匠部は配置されている。
具体的には、他の態様(2)は、ハードコート層と、透明樹脂基体と、金属層又は屈折率変調層と、凹凸構造を有する意匠層と、基材層とをこの順に有する。この態様では、意匠部における基材層が、保護部を兼ねる。他の態様(2)は、ハードコート層と透明樹脂基体との間に、接着層、又は密着改善層と接着層とを有してもよい。
他の態様における加飾積層体は、紫外線吸収層や、埋込層、絵柄層、光拡散層及び接着層から選択される少なくとも1種の層をさらに有してもよい。
他の態様における加飾積層体は、透明樹脂基体と意匠部との間に、樹脂層、蒸着膜、金属箔及び蒸着フィルムから選択される少なくとも1種の保護部をさらに有してもよく、透明樹脂基体と意匠部との間、透明樹脂基体と保護部との間、保護部と意匠部との間の少なくともいずれかに、接着層をさらに有してもよい。
他の態様における各要素の詳細は、上述したとおりである。
[加飾積層体の製造]
本開示の加飾積層体は、一実施形態において、熱ラミネーション及びドライラミネーション等の方法により、透明樹脂基体、意匠部、保護部及びハードコートフィルムを積層して製造できる。以下に、本開示の加飾積層体における積層構造の具体例を示す。以下の具体例において、ハードコート層又はハードコートフィルムの記載は省略している。
意匠部を保護部上に形成して得られた複合体を、透明樹脂基体に熱ラミネーションにより接合した例として、透明樹脂基体/意匠部/保護部という積層構造が挙げられる。
透明樹脂基体と意匠部とを熱ラミネーションにより接合し、意匠部と保護部とを接着剤を介して接合した例として、透明樹脂基体/意匠部/接着剤層/保護部という積層構造が挙げられる。
透明樹脂基体と意匠部と保護部とを接着剤を介して接合した例として、透明樹脂基体/接着剤層/意匠部/接着剤層/保護部という積層構造が挙げられる。
透明樹脂基体と意匠部とを接着剤を介して接合し、意匠部と保護部とを熱ラミネーションにより接合した例として、透明樹脂基体/接着剤層/意匠部/保護部という積層構造が挙げられる。
意匠部における透明樹脂基体側の面上に、密着改善層及び接着剤層を設け、該接着剤層と透明樹脂基体とを熱ラミネーションにより接合してもよい。このようにして得られる加飾積層体は、例えば、透明樹脂基体/接着剤層/密着改善層/意匠部/保護部、又は透明樹脂基体/接着剤層/密着改善層/意匠部/接着剤層/保護部という積層構造を有する。密着改善層及び接着剤層の具体例は、それぞれ<ハードコート層等>の欄にて上述したとおりである。
[用途]
本開示の加飾積層体は、例えば、自動車等の移動体に好適に適用できる。本開示の加飾積層体は、例えば、移動体の外装材に用いることができる。外装材は、例えば、移動体のフロントパネルに設置されている。フロントパネルは、エンジン車においてフロントグリルとして形成されている。一方、電気自動車においては、ラジエータ等の空冷されるべき熱交換器が設置されないこともある。したがって、フロントパネルは、多数の孔が形成されたグリルとして、形成されなくてもよい。
自動車以外の移動体としては、例えば、鉄道車両、台車、船、飛行機、ヘリコプター、ドローン及びロボットが挙げられる。本開示の加飾積層体は、移動体の内装材に用いられてもよい。本開示の加飾積層体は、例えば、内装材、外装材、天井材及び床材等の建材や、家電等のケースにも適用可能である。
本開示は、例えば以下の[1]~[12]に関する。
[1]第1面、及び第1面に対向する第2面を有する透明樹脂基体と、透明樹脂基体の第1面上に位置する、凹凸構造を含む意匠部と、意匠部の少なくとも一部を覆う保護部と、透明樹脂基体の第2面上に位置するハードコート層とを有する、加飾積層体。
[2]保護部が、樹脂層、蒸着膜、金属箔及び蒸着フィルムから選択される少なくとも1種を有する、上記[1]に記載の加飾積層体。
[3]保護部が、樹脂層、蒸着膜、金属箔及び蒸着フィルムから選択される少なくとも1種を含む多層構造を有する、上記[1]又は[2]に記載の加飾積層体。
[4]意匠部が、基材層と、基材層の一方の面上に位置し、凹凸構造を有する意匠層と、凹凸構造を被覆する、金属層又は屈折率変調層とを有する、上記[1]~[3]のいずれかに記載の加飾積層体。
[5]意匠層が、凸面鏡又は凹面鏡として機能する単位要素、平面視において平行直線群又は平行曲線群を成す凹凸が形成された単位要素、及びエンボス型ホログラムを構成する凹凸が形成された単位要素から選択される少なくとも1種を含む、上記[4]に記載の加飾積層体。
[6]意匠層における単位要素が、フレネルレンズ部及びホログラム部から選択される少なくとも1種を含む、上記[5]に記載の加飾積層体。
[7]意匠部が、基材層と、基材層の一方の面上に位置し、凹凸構造を有する意匠層と、凹凸構造を被覆する金属層とを有し、意匠部は、基材層が透明樹脂基体側を向き、金属層が保護部側を向くように、透明樹脂基体上に配置されており、保護部における金属層と接する層が、酸変性ポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びアイオノマー樹脂から選択される少なくとも1種を含む金属接着性樹脂層である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の加飾積層体。
[8]保護部が、意匠部を封止する封止樹脂部を有する、上記[1]~[7]のいずれかに記載の加飾積層体。
[9]意匠部が、第1面と、第1面に対向し、透明樹脂基体側を向く第2面と、第1面の端部と第2面の端部とを接続する側面とを有し、保護部が、意匠部の第1面及び側面を被覆する封止樹脂部である、上記[8]に記載の加飾積層体。
[10]意匠部が、第1面と、第1面に対向し、透明樹脂基体側を向く第2面と、第1面の端部と第2面の端部とを接続する側面とを有し、保護部が、意匠部の第1面上に位置する保護層と、保護層の上面の少なくとも周縁部、及び保護層の側面及び意匠部の側面を被覆する封止樹脂部とを有する、上記[8]に記載の加飾積層体。
[11]第1面、及び第1面に対向する第2面を有する透明樹脂基体と、透明樹脂基体の第1面上に位置する、凹凸構造を含む意匠部と、透明樹脂基体の第2面上に位置するハードコート層とを有し、意匠部は、凹凸構造を有する意匠層と、凹凸構造を被覆する、金属層又は屈折率変調層と、意匠層の上面及び側面を被覆するように形成された基材層とを有し、意匠部は、金属層又は屈折率変調層が透明樹脂基体側を向くように配置されている、加飾積層体
[12]移動体の外装材又は内装材に用いられる、上記[1]~[11]のいずれかに記載の加飾積層体。
[転写フィルムの製造]
6官能の電離放射線硬化性樹脂(6官能のウレタンアクリレート(分子量約1,000)60質量部と2官能のカプロラクトン変性ウレタンアクリレート(分子量数千程度)40質量部との混合物)100質量部に対して、イソホロンジイソシアネートにヒドロキシエチルアクリレート2つがウレタン結合した脂環式ウレタンジアクリレートを16質量部、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(BASFジャパン株式会社製「Tinuvin479」)を2.3質量部添加して、樹脂組成物を調製した。ポリエチレンテレフタレートからなる厚さ75μmの支持フィルムに上記樹脂組成物を塗布し、電子線照射10Mradにて硬化させることにより、支持フィルム上に厚さ3μmのハードコート層を形成した。次いで、当該ハードコート層面にコロナ放電処理をした上で、下記組成のプライマー層形成用樹脂組成物1をグラビアリバース法により塗布して、厚さ3μmのプライマー層を形成し、更に当該プライマー層上に、熱融着樹脂(アクリル樹脂)をグラビアリバース法により塗布して、厚さ4μmの接着層を形成した。このようにして、支持フィルム層上に、ハードコート層、プライマー層及び接着層が順に積層された転写フィルムを得た。
<プライマー層形成用樹脂組成物1>
・ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体*1:100質量部
・ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤*2:17質量部
・ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤*3:13質量部
・ヒンダードアミン系光安定剤*4:8質量部
・ブロッキング防止剤*5:9質量部
・硬化剤(ヘキサンメチレンジイソシアネート):25質量部
*1 ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体におけるウレタン成分とアクリル成分の質量比は70/30である。
*2 チヌビン400(商品名)、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、BASFジャパン株式会社製
*3 チヌビン479(商品名)、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、BASFジャパン株式会社製
*4 チヌビン123(商品名)、ビス(1-オクチロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート)、BASFジャパン株式会社製
*5 シリカ粒子、平均粒径:3μm
[ポリカーボネート部材の製造]
給紙ロールに上記転写フィルムを設置し、巻き出して、ポリカーボネート板と、転写フィルムの接着層とが対向するようにしながらニップロールによって両者を加熱加圧することで積層し、その後、転写フィルムの支持フィルムを剥離することによって、ポリカーボネート部材を得た。ポリカーボネート部材(以下「PC部材」ともいう)は、ポリカーボネート板(以下「PC板」ともいう)と、接着層と、プライマー層と、ハードコート層とをこの順に備え、以下「HC/Pr/HS/PC」のように表記する。
以下の例では、接着剤として2液硬化型ウレタン系接着剤を用いた。
[実施例1]
PC部材上に、基材層を形成し、基材層上に、凹凸構造を有する意匠層(賦形樹脂凹凸層)を形成し、凹凸構造を被覆する、厚さ100nmのAl層(金属層)をさらに形成することにより、基材層、意匠層及びAl層をこの順に備える意匠部を形成した。凹凸構造を有する意匠層は、金型を用いて形成した。Al層は、真空蒸着法にて形成した。
保護部として厚さ80μmのポリプロピレン(PP)フィルム(トレファン、東レ社製)を用い、スリットリバース法により接着剤をPPフィルムに塗布し、ドライラミネーション法により意匠部に貼り合わせ、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/意匠部(基材層/意匠層/Al層)/接着剤層/保護部(PPフィルム)を備える。
[実施例2]
保護部としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(S10、東レ社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/意匠部(基材層/意匠層/Al層)/接着剤層/保護部(PETフィルム)を備える。
[実施例3]
保護部としてアイオノマーフィルムを用い、意匠部とアイオノマーフィルムとを100℃で貼り合わせたこと以外は実施例1と同様にして、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/意匠部(基材層/意匠層/Al層)/保護部(アイオノマーフィルム)を備える。
[実施例4]
保護部として酸変性PP層及びPP層を備える共押出フィルムを用い、酸変性PP層が意匠部側を向くようにして、意匠部と共押出フィルムとを150℃で貼り合わせたこと以外は実施例1と同様にして、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/意匠部(基材層/意匠層/Al層)/保護部(共押出フィルム(酸変性PP層/PP層))を備える。
[実施例5]
保護部として樹脂層及びバリア層を備えるバリアフィルム(IB-film、大日本印刷社製)を用い、バリア層が外側を向くように配置したこと以外は実施例1と同様にして、加飾積層体を得た。バリアフィルムは、樹脂層としてのPETフィルムとバリア層としての水蒸気バリア層とを備える。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/意匠部(基材層/意匠層/Al層)/接着剤層/保護部(バリアフィルム(樹脂層/バリア層))を備える。
[実施例6]
グラビア印刷法により接着剤を耐加水分解性PETフィルムに塗布し、実施例5の加飾積層体におけるバリアフィルムに貼り合わせ、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/意匠部(基材層/意匠層/Al層)/接着剤層/保護部(バリアフィルム(樹脂層/バリア層)/接着剤層/耐加水分解性PETフィルム)を備える。
[実施例7]
実施例5の加飾積層体におけるバリアフィルム上に、接着剤を介して、さらなる上記バリアフィルムをバリア層が意匠部側を向くように配置して、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/意匠部(基材層/意匠層/Al層)/接着剤層/保護部(バリアフィルム(樹脂層/バリア層)/接着剤層/バリアフィルム(バリア層/樹脂層))を備える。
[実施例8]
グラビア印刷法により接着剤を耐加水分解性PETフィルムに塗布し、実施例7の加飾積層体におけるバリアフィルムに貼り合わせ、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/意匠部(基材層/意匠層/Al層)/接着剤層/保護部(バリアフィルム(樹脂層/バリア層)/接着剤層/バリアフィルム(バリア層/樹脂層)/接着剤層/耐加水分解性PETフィルム)を備える。
[実施例9]
グラビア印刷法により接着剤を耐加水分解性PETフィルムに塗布し、実施例2の加飾積層体におけるPETフィルムに貼り合わせ、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/意匠部(基材層/意匠層/Al層)/接着剤層/保護部(PETフィルム/接着剤層/耐加水分解性PETフィルム)を備える。
[実施例10]
可視光において透明な厚さ20μmのPETフィルム(基材層)上に、凹凸構造を有する意匠層(賦形樹脂凹凸層)を形成し、意匠層上に屈折率変調層を形成し、意匠フィルムを得た。
スリットリバース法により接着剤を意匠フィルムの屈折率変調層に塗布し、PC部材のPC板に貼り合わせ、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(屈折率変調層/意匠層/PETフィルム)を備える。この実施形態では、意匠フィルムの基材層(PETフィルム)が、保護部を兼ねる。
[実施例11]
厚さ12μmの上記バリアフィルムの樹脂層(基材層)上に、凹凸構造を有する意匠層(賦形樹脂凹凸層)を形成し、意匠層上に屈折率変調層を形成し、意匠フィルムを得た。この意匠フィルムを用いたこと以外は実施例10と同様にして、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(屈折率変調層/意匠層/バリアフィルム(樹脂層/バリア層))を備える。
[実施例12]
実施例11にて作製した意匠フィルムのバリアフィルムに、グラビアリバース法により接着剤を塗布し、ドライラミネーション法により耐加水分解性PETフィルムと貼り合わせた。得られた部材の屈折率変調層に、スリットリバース法により接着剤を塗布し、PC部材のPC板と貼り合わせ、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(屈折率変調層/意匠層/バリアフィルム(樹脂層/バリア層))/接着剤層/耐加水分解性PETフィルムを備える。
[実施例13]
実施例11にて作製した意匠フィルムのバリアフィルムに、グラビアリバース法により接着剤を塗布し、ドライラミネーション法によりさらなる上記バリアフィルムのバリア層と貼り合わせた。得られた部材の屈折率変調層に、スリットリバース法により接着剤を塗布し、PC部材のPC板と貼り合わせ、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(屈折率変調層/意匠層/バリアフィルム(樹脂層/バリア層))/接着剤層/バリアフィルム(バリア層/樹脂層)を備える。
[実施例14]
さらに、バリアフィルムに、グラビアリバース法により接着剤を塗布し、ドライラミネーション法により耐加水分解性PETフィルムを貼り合わせたこと以外は実施例13と同様にして、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(屈折率変調層/意匠層/バリアフィルム(樹脂層/バリア層))/接着剤層/バリアフィルム(バリア層/樹脂層)/接着剤層/耐加水分解性PETフィルムを備える。
[実施例15]
実施例10にて作製した意匠フィルムのPETフィルムに、グラビアリバース法により接着剤を塗布し、ドライラミネーション法により上記バリアフィルムの樹脂層と貼り合わせた。得られた部材の屈折率変調層に、スリットリバース法により接着剤を塗布し、PC部材のPC板と貼り合わせ、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(屈折率変調層/意匠層/PETフィルム)/接着剤層/バリアフィルム(樹脂層/バリア層)を備える。
[実施例16]
実施例15でバリアフィルムを貼り合わせたところまで同じ方法で作製した部材のバリアフィルムに、接着剤を介して、耐加水分解性PETフィルムを貼り合わせた。以降は実施例15と同様に行った。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(屈折率変調層/意匠層/PETフィルム)/接着剤層/バリアフィルム(樹脂層/バリア層)/接着剤層/耐加水分解性PETフィルムを備える。
[実施例17]
耐加水分解性PETフィルムにかえて上記バリアフィルムを用いたこと以外は実施例16と同様にして、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(屈折率変調層/意匠層/PETフィルム)/接着剤層/バリアフィルム(樹脂層/バリア層)/接着剤層/バリアフィルム(バリア層/樹脂層)を備える。
[実施例18]
実施例17でバリアフィルムを貼り合わせたところまで同じ方法で作製した部材のバリアフィルムに、接着剤を介して、耐加水分解性PETフィルムを貼り合わせた。以降は実施例15と同様に行った。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(屈折率変調層/意匠層/PETフィルム)/接着剤層/バリアフィルム(樹脂層/バリア層)/接着剤層/バリアフィルム(バリア層/樹脂層)/接着剤層/耐加水分解性PETフィルムを備える。
[実施例19]
可視光において透明な厚さ20μmのPETフィルム(基材層)上に、凹凸構造を有する意匠層(賦形樹脂凹凸層)を形成し、意匠層上に屈折率変調層を形成し、意匠フィルムを得た。
意匠フィルムの屈折率変調層と厚さ50μmのPETフィルム(S10、東レ社製)とをグラビアリバース法により接着剤を介して貼り合わせた。その後、スリットリバース法により接着剤を意匠フィルムのPETフィルムに塗布し、PC部材のPC板に貼り合わせ、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(PETフィルム/意匠層/屈折率変調層)/接着剤層/保護部(PETフィルム)を備える。
[実施例20]
保護部として厚さ50μmのPPフィルム(トレファン、東レ社製)を用いたこと以外は実施例19と同様にして、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(PETフィルム/意匠層/屈折率変調層)/接着剤層/保護部(PPフィルム)を備える。
[実施例21]
保護層として上記バリアフィルムを用い、バリア層が外側を向くように配置したこと以外は実施例19と同様にして、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(PETフィルム/意匠層/屈折率変調層)/接着剤層/保護部(バリアフィルム(樹脂層/バリア層))を備える。
[実施例22]
実施例21の加飾積層体におけるバリアフィルム上に、接着剤を介して、耐加水分解性PETフィルムを配置して、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(PETフィルム/意匠層/屈折率変調層)/接着剤層/保護部(バリアフィルム(樹脂層/バリア層)/接着剤層/耐加水分解性PETフィルム)を備える。
[実施例23]
保護部としてアイオノマーフィルムを用い、意匠フィルムの屈折率変調層とアイオノマーフィルムとを100℃で貼り合わせたこと以外は実施例19と同様にして、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(PETフィルム/意匠層/屈折率変調層)/保護部(アイオノマーフィルム)を備える。
[実施例24]
保護部として酸変性PP層及びPP層を備える共押出フィルムを用い、酸変性PP層が意匠フィルム側を向くようにして、意匠フィルムの屈折率変調層と共押出フィルムとを150℃で貼り合わせたこと以外は実施例19と同様にして、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(PETフィルム/意匠層/屈折率変調層)/保護部(共押出フィルム(酸変性PP層/PP層))を備える。
[実施例25]
実施例23の加飾積層体におけるアイオノマーフィルム上に、接着剤を介して、バリアフィルムを配置して、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(PETフィルム/意匠層/屈折率変調層)/保護部(アイオノマーフィルム/接着剤層/バリアフィルム(樹脂層/バリア層))を備える。
[実施例26]
実施例25の加飾積層体におけるバリアフィルム上に、接着剤を介して、耐加水分解性PETフィルムを配置して、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(PETフィルム/意匠層/屈折率変調層)/保護部(アイオノマーフィルム/接着剤層/バリアフィルム(樹脂層/バリア層)/接着剤層/耐加水分解性PETフィルム)を備える。
[他の実施形態]
実施例21、22、25及び26において、上記バリアフィルムにかえて、厚さ30μmのAl箔を用いた加飾積層体においても、上記バリアフィルムと同様の後述する効果が確認された。
[実施例27]
可視光において透明な厚さ20μmのPETフィルム(基材層)上に、凹凸構造を有する意匠層(賦形樹脂凹凸層)を形成し、意匠層上に屈折率変調層を形成し、意匠フィルムを得た。
意匠フィルムの屈折率変調層と上記バリアフィルムの樹脂層とを接着剤を介して貼り合わせ、その後、該バリアフィルムのバリア層とPC部材のPC板とを接着剤を介して貼り合わせ、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/バリアフィルム(バリア層/樹脂層)/接着剤層/意匠フィルム(屈折率変調層/意匠層/PETフィルム)を備える。この実施形態では、意匠フィルムのPETフィルム(基材層)が、保護部を兼ねる。
[実施例28]
実施例27にて作製した意匠フィルムの屈折率変調層と上記バリアフィルムの樹脂層とを接着剤を介して貼り合わせ、該意匠フィルムのPETフィルムと上記バリアフィルムの樹脂層とを接着剤を介して貼り合わせ、その後、意匠フィルムの屈折率変調層に貼り合わせたバリアフィルムのバリア層とPC部材のPC板とを接着剤を介して貼り合わせ、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/バリアフィルム(バリア層/樹脂層)/接着剤層/意匠フィルム(屈折率変調層/意匠層/PETフィルム)/接着剤層/バリアフィルム(樹脂層/バリア層)を備える。
[実施例29]
さらに、意匠フィルムのPETフィルムに貼り合わせたバリアフィルムのバリア層と耐加水分解性PETフィルムとを接着剤を介して貼り合わせたこと以外は実施例28と同様にして、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/バリアフィルム(バリア層/樹脂層)/接着剤層/意匠フィルム(屈折率変調層/意匠層/PETフィルム)/接着剤層/バリアフィルム(樹脂層/バリア層)/接着剤層/耐加水分解性PETフィルムを備える。
[他の実施形態]
実施例28及び29において、右側記載の上記バリアフィルムにかえて、厚さ30μmのAl箔を用いた加飾積層体においても、上記バリアフィルムと同様の後述する効果が確認された。
[比較例1]
スリットリバース法により接着剤を意匠フィルムのPETフィルムに塗布し、PC部材のPC板に貼り合わせ、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/意匠フィルム(PETフィルム/意匠層/屈折率変調層)を備える。
[比較例2]
意匠フィルムのPETフィルムと上記バリアフィルムの樹脂層とを接着剤を介して貼り合わせ、その後、該バリアフィルムのバリア層とPC部材のPC板とを接着剤を介して貼り合わせ、加飾積層体を得た。加飾積層体は、HC/Pr/HS/PC/接着剤層/バリアフィルム(バリア層/樹脂層)/接着剤層/意匠フィルム(PETフィルム/意匠層/屈折率変調層)を備える。
[キセノン照射試験]
得られた加飾積層体について、キセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社、7.5kWスーパーキセノンウェザーメーターSX75)を用い、下記の条件(1)及び条件(2)の繰り返しの条件で5000時間キセノン照射試験を行い、加飾積層体の色差ΔEを評価した。ΔEが5未満であった試験時間(2000時間までは100時間毎、2000時間以降は500時間毎)を表1中に記載した。
<条件(1)>
・放射照度:180W/m2
・ブラックパネル温度(BPT):65℃
・湿度:50%
・時間:102分
<条件(2)>
・放射照度:180W/m2
・ブラックパネル温度(BPT):28℃
・湿度:95%
・スプレー照射:有
・時間:18分
色差ΔEは、JIS Z8730:2009に準拠して、照射試験前後の加飾積層体に対して、分光測色機(日本電色工業株式会社製:SD5000)及びD65光源を用いて、ハードコート層側から明度L*並びに色度a*値及び色度b*値をそれぞれ計測し、試験前のL*、a*値及びb*値と試験後のL*、a*値及びb*値とから算出した。
[温水没試験]
得られた加飾積層体を80℃の温水に3000時間浸漬した。その後、表面に付着した水滴を取り除き、30分間室温にて乾燥させた。上記と同様の方法により温水没試験前後の加飾積層体の色差ΔEを評価した。ΔEが5未満であった試験時間(1000時間までは100時間毎、1000時間以降は500時間毎)を表1中に記載した。
Figure 2023111764000001
1・・・加飾積層体
10・・・透明樹脂基体
12・・・ハードコート層
20・・・意匠部
22・・・基材層
24・・・凹凸構造を有する意匠層
24a・・・凹凸構造
24b・・・単位要素
24c・・・フレネルレンズ部
26・・・金属層
28・・・埋込層
30・・・保護部

Claims (12)

  1. 第1面、及び前記第1面に対向する第2面を有する透明樹脂基体と、
    前記透明樹脂基体の前記第1面上に位置する、凹凸構造を含む意匠部と、
    前記意匠部の少なくとも一部を覆う保護部と、
    前記透明樹脂基体の前記第2面上に位置するハードコート層と
    を有する、加飾積層体。
  2. 前記保護部が、樹脂層、蒸着膜、金属箔及び蒸着フィルムから選択される少なくとも1種を有する、請求項1に記載の加飾積層体。
  3. 前記保護部が、樹脂層、蒸着膜、金属箔及び蒸着フィルムから選択される少なくとも1種を含む多層構造を有する、請求項1又は2に記載の加飾積層体。
  4. 前記意匠部が、
    基材層と、
    前記基材層の一方の面上に位置し、凹凸構造を有する意匠層と、
    前記凹凸構造を被覆する、金属層又は屈折率変調層と
    を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の加飾積層体。
  5. 前記意匠層が、凸面鏡又は凹面鏡として機能する単位要素、平面視において平行直線群又は平行曲線群を成す凹凸が形成された単位要素、及びエンボス型ホログラムを構成する凹凸が形成された単位要素から選択される少なくとも1種を含む、請求項4に記載の加飾積層体。
  6. 前記意匠層における前記単位要素が、フレネルレンズ部及びホログラム部から選択される少なくとも1種を含む、請求項5に記載の加飾積層体。
  7. 前記意匠部が、
    基材層と、
    前記基材層の一方の面上に位置し、凹凸構造を有する意匠層と、
    前記凹凸構造を被覆する金属層と
    を有し、
    前記意匠部は、前記基材層が前記透明樹脂基体側を向き、前記金属層が前記保護部側を向くように、前記透明樹脂基体上に配置されており、
    前記保護部における前記金属層と接する層が、酸変性ポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びアイオノマー樹脂から選択される少なくとも1種を含む金属接着性樹脂層である、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の加飾積層体。
  8. 前記保護部が、意匠部を封止する封止樹脂部を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の加飾積層体。
  9. 前記意匠部が、第1面と、前記第1面に対向し、前記透明樹脂基体側を向く第2面と、第1面の端部と第2面の端部とを接続する側面とを有し、
    前記保護部が、前記意匠部の前記第1面及び前記側面を被覆する封止樹脂部である、
    請求項8に記載の加飾積層体。
  10. 前記意匠部が、第1面と、前記第1面に対向し、前記透明樹脂基体側を向く第2面と、第1面の端部と第2面の端部とを接続する側面とを有し、
    前記保護部が、前記意匠部の前記第1面上に位置する保護層と、前記保護層の上面の少なくとも周縁部、及び前記保護層の側面及び前記意匠部の側面を被覆する封止樹脂部とを有する、
    請求項8に記載の加飾積層体。
  11. 第1面、及び前記第1面に対向する第2面を有する透明樹脂基体と、
    前記透明樹脂基体の前記第1面上に位置する、凹凸構造を含む意匠部と、
    前記透明樹脂基体の前記第2面上に位置するハードコート層とを有し、
    前記意匠部は、凹凸構造を有する意匠層と、凹凸構造を被覆する、金属層又は屈折率変調層と、前記意匠層の上面及び側面を被覆するように形成された基材層とを有し、前記意匠部は、金属層又は屈折率変調層が前記透明樹脂基体側を向くように配置されている、
    加飾積層体
  12. 移動体の外装材又は内装材に用いられる、請求項1~11のいずれか一項に記載の加飾積層体。
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